第17回アレルギー疾患対策推進協議会 議事録

厚生労働省健康局がん・疾病対策課

日時

令和5年7月12日(水)16:00~18:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム(オンライン開催)

議事

議事内容
2023-7-12 第17回アレルギー疾患対策推進協議会
 
○原澤課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第17回「アレルギー疾患対策推進協議会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 事務局を務めさせていただきます、厚生労働省健康局がん・疾病対策課、原澤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それではまず、協議会委員の交代につきまして御説明させていただきます。
 まず、令和4年度の日本医師会役員の改選に伴いまして、松本吉郎委員から、公益社団法人日本医師会常任理事、今村英仁委員に交代となってございます。また、令和5年3月に中澤よう子委員が御退職されたことに伴いまして、中澤委員から、福岡市保健医療局理事、石井美栄委員に交代となっております。
 今村委員、石井委員、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、本日、参考人として、国立病院機構福岡病院名誉院長、西間三馨先生にも御出席いただいております。西間先生は現地にて御参加いただいております。よろしくお願いいたします。
 それでは、委員の出席状況につきまして報告させていただきます。
 本日、矢上委員より遅れての御参加という御連絡を頂戴してございます。
 ほかの委員の皆様につきましては、名簿をもって御紹介に代えさせていただきます。
 本日は、委員20名のうち、現時点において19名の方に御出席いただいておりまして、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 続きまして、前回の協議会以降に事務局に人事異動がございましたので、事務局の御紹介をさせていただきます。私のほうから順次御紹介いたします。
 まず、健康局長が替わりまして大坪になってございますが、本日、公務のため欠席でございます。どうぞ御了承ください。
 続きまして、健康局がん・疾病対策課長の西嶋でございます。よろしくお願いいたします。
 続きまして、がん・疾病対策課課長補佐の原澤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、がん・疾病対策課課長補佐の中山でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、がん・疾病対策課課長補佐の知野見でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、がん・疾病対策課主査の宮川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 また、本日は消費者庁食品表示企画係長の平木様にオンラインにて御出席いただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、現委員の皆様の任期は今月までとなってございますので、現委員体制での協議会は今回で最後となります。委員の皆様におかれましては、これまでと同様、活発な御議論に御協力をいただきますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、資料の御確認に入らせていただきます。
 資料は、議事次第、座席表、名簿、資料1、資料2、参考資料1から参考資料5までという形になってございます。厚生労働省のホームページにも掲載してございますので、適宜御確認いただければと思います。もし不足や落丁等がございましたら、事務局までお申し出ください。
 続きまして、オンラインを含めました本日の会議の進め方につきまして御説明させていただきます。
 御発言の際には、オンラインの委員におかれましてはZoomの「手を挙げる」機能を御活用いただければと思います。
 カメラは常に映る状態にしていただいた上で、御発言をされないときはミュートとしてください。発言されるときのみミュートを解除していただきますようよろしくお願い申し上げます。
 また、本日はチャット機能の使用は予定してございませんので、その点も併せて御了承ください。
 事務局からは以上となります。
 以降の進行につきまして、海老澤会長にお願いしたいと思います。海老澤会長、どうぞよろしくお願いいたします。
○海老澤会長 よろしくお願いします。
 それでは、議事1「令和5年度のアレルギー疾患対策について」に移りたいと思います。
 資料1「アレルギー疾患対策の取組について」の説明を事務局よりお願いいたします。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
 それでは、資料1を御用意ください。
 資料1「アレルギー疾患対策の取組について」でございます。
 次のページをお願いいたします。
 こちらは目次でございます。本日は、現状の事業・取組とアレルギー疾患対策の基本指針に係る主な取組状況の御紹介、また、皆様御存じかもしれませんが、今般、花粉症対策が少し芽出しされておりましたので、その経緯を含めて御報告させていただきます。
 次のページ以降、まずアレルギー疾患対策の事業・取組についてということで御紹介させていただきます。
 4ページ目を御覧ください。
 アレルギー疾患対策基本法は、皆様は御存じと思いますので簡単にですが、平成27年12月に施行されておりまして、それに基づきまして対策を推進しているというところでございます。右側に記載してありますように、少なくとも5年ごとにアレルギー疾患対策基本指針というものを策定、検討を加えて見直し等を行い、取組を進めるということになっています。
 次のページをお願いします。
 こちらは、令和4年3月に一部改正の議論をしていただきましたアレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針ということでお示ししております。5項目ございまして、アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な事項から啓発、知識の普及や医療の提供体制の話、調査、研究に関する事項、その他アレルギー疾患対策の推進に関する重要事項というような構成になってございます。こちらの改正のポイント等については後ほど触れさせていただこうと思います。
 続いて、6ページ目を御覧ください。
 こちらは今年度のリウマチ・アレルギー疾患対策の予算についての御紹介でございます。項目はアレルギー情報センター事業から医療提供体制の整備事業等、5項目にわたっておりますので、こちらも御紹介させていただきます。
 次のページをお願いします。
 まずアレルギー情報センター事業ということで、アレルギー疾患対策の基本指針に基づきまして、日本アレルギー学会・日本リウマチ学会の皆様と御協力させていただきながらアレルギー情報センター事業というものを実施してございます。主な内容としては、アレルギーポータルというウェブサイトの運営やアレルギー相談員養成研修会の実施、また、手引きの作成といった業務を実施していただいているところでございます。
 次のページをお願いします。
 特にアレルギーポータルの主な活用状況についてということで御紹介をさせていただきます。令和5年5月までに、見やすさですとか検索のしやすさなどに着目して以下のようなリニューアルを行ってまいりましたというところで、項目の御紹介をさせていただきます。引き続き、アレルギー疾患に関する手引きやガイドライン、マニュアル等が新規に作成・公表された場合に、速やかにポータル上で閲覧できるように管理をしていただくとともに、今後も幅広い利用者に向けたアレルギー疾患に関する正しい知識の普及・啓発に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
 次のページをお願いいたします。
 こちらはアレルギーポータルのページ閲覧数の経年の推移でございます。花粉症の流行が見込まれる1月から3月にかけて、特にアレルギーポータルの閲覧数が増加するような傾向が見てとれるというような月ごとのグラフになっております。また、経年的にも増加傾向にあるということは見てとっていただけるかと思います。
 続いて、10ページ目を御覧ください。
 次は医療提供体制のところで、アレルギー疾患医療提供体制整備事業というものでございます。こちらについては、アレルギー疾患診療連携ネットワーク構築事業をはじめとした4項目が事業の中に位置づけられていまして、アレルギー疾患に対する医療が適切に提供されるよう、専門性の高い医療機関から一般の医療機関まで含めたしっかりした連携体制をつくっていくための事業という形で展開をしているところでございます。
 新規の項目としては、中心拠点病院と都道府県拠点病院の間でのオンライン相談会の開催等、どうやって体制の整備を進めていったらよいかというようなところを中心拠点病院の先生方にサポートしていただきながら、各都道府県で実情に合わせつつ、しっかりと医療提供体制を整備していただくというような取組を進めたいという形で考えてございます。
 続いて、11ページ目を御覧ください。
 こちらは都道府県アレルギー疾患医療拠点病院の一覧でございます。現在、47都道府県に77の病院が設置されているという形になります。
 次のページをお願いします。
 こちらはリウマチ・アレルギー特別対策事業という予算のメニューの御紹介でございます。リウマチ・アレルギー特別対策事業について、左下、事業の概要の中でアレルギー疾患医療連絡協議会の開催をはじめとした医療従事者等向けのエピペンの講習会の実施や研修といったところと、患者カードの配布の促進や患者の自己管理等の正しい知識の普及啓発事業の実施といったメニューを御用意してございます。
 続いて、13ページ目を御覧ください。
 こちらは今年度からの新しい予算メニューでございまして、免疫アレルギー疾患患者に係る治療と仕事の両立支援モデル事業というところで、治療と仕事の両立支援というのは様々な疾病対策の中でも取り組まれておりますが、アレルギー疾患対策の基本指針においても、アレルギー疾患を有する者が適切なアレルギー疾患の医療を受けながら、本人またはその家族が就労を維持できるよう、環境の整備等に関する施策について周知を図ることとされているといったところを踏まえまして、今般、箇所数としては8か所を目途に、都道府県アレルギー疾患医療拠点病院において、免疫アレルギー疾患の患者やその御家族が安心して仕事の継続や復職に臨めるよう両立支援コーディネーターの配置をした上で、両立支援に向けた取組をしていただくというようなモデル事業を開始してございます。
 次の14ページ目を御覧ください。
 今回、モデル事業については多数手挙げをいただきまして、7か所の都道府県アレルギー疾患医療拠点病院から御応募いただきましたので、そちらを採択させていただき、実施していただくという形になっています。
 次のページをお願いします。
 厚生労働科学研究費等補助金の御紹介でございます。免疫アレルギー疾患政策研究事業で、いわゆる厚労科研で実施している項目をここで一覧化しているというところでございます。事細かに申し上げはしませんが、このような形で研究を進めておりますというのが御紹介でございます。
 続いて、16ページ目でございます。
 研究事業のもう一つはAMEDによる補助金でございまして、免疫アレルギー疾患実用化研究事業というものを実施してございます。こちらについては、疾患基礎研究というプロジェクトやゲノム・データ基盤プロジェクト、医薬品開発のプロジェクトなどのプロジェクトごとに研究テーマを設定して実施していただいているというところで、様々な疾患の研究を進めていただいているところでございます。
 次のページをお願いいたします。
 研究に関連しまして、免疫アレルギー疾患研究10か年戦略というものがございますが、こちらの中間評価を今年度実施したいと考えてございます。10か年戦略における各研究で得られた成果をしっかり届けていくには一定の期間が必要ですので、10年間という期間の中で目標設定を行いつつ、その進捗状況や国内外の研究の全体像等を継続的に把握して中間評価の見直しを行うということを求められておりますので、今年度、秋以降に免疫アレルギー疾患研究戦略検討会を開催した上で中間評価の検討を進めていく予定でございますので、御報告させていただきます。こちらは検討が進んできたところでこちらの協議会にも経過等を御報告させていただくという形になろうかと思っております。
 続きまして、18ページ目を御覧ください。
 国立保健医療科学院におけるアレルギー疾患対策従事者研修ということで、こちらは地方公共団体においてアレルギー疾患対策の中心的な役割を担う保健医療に関係する職種を対象とした人材育成を目的としたもので、昨年度から開始しているものでございます。研修の期間は、昨年度は2023年、今年の2月16日、17日の2日間で実施しておりまして、国立保健医療科学院において集合研修の形で実施したものでございます。今年度は年明けの2月15日、16日に実施予定としておりますので、関連する皆様にはぜひ御参加いただきたいと考えているところでございます。
 次のページをお願いします。
 ここからは次のセクションになりまして、アレルギー疾患対策基本指針に係る主な取組状況ということで御紹介をさせていただきます。
 次のページをお願いいたします。20ページ目でございます。
 令和4年に行った基本指針改正のポイントということでお示ししております。皆様御存じかと思いますが、アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な事項のところで、アレルゲン回避だけでなく免疫寛容の誘導も考慮に入れた環境の改善を図ることといった追記修正を行っていただいたことですとか、お示しのとおり、各セクションにおいて必要な追記修正等をしていただいているという状況でございます。
 次のページをお願いします。
 その内容も含めて、アレルギー疾患対策基本指針の概要とこれまでの各関係省庁における主な取組状況についてここから御紹介をしております。全て読み上げることはいたしませんが、21ページ目は啓発及び知識の普及とアレルギー疾患の予防のための施策に関する事項ということで御紹介でございます。次のページまで同じ項目に関連するところでございます。
 23ページ目を御覧ください。
 こちらは医療を提供する体制の確保に関する事項というところでございます。
 続いて、24ページ目がアレルギー疾患に関する調査及び研究に関する事項で、24ページ目の真ん中から下がその他アレルギー疾患の推進に関する重要事項ということになってございます。次のページまで第5の項目を各論に分かれて記載してございます。
 25ページ目は、その他の重要事項の中のアレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上のための施策に関する事項の続きでございます。
 26ページ目が個別項目の災害時の対応についてと必要な財政措置等に関する事項という形で御紹介させていただいております。
 次のページをお願いいたします。
 最後に、厚生労働省における花粉症対策ということで御紹介でございます。
 次のページをお願いいたします。
 こちら、令和5年5月30日に花粉症に関する関係閣僚会議で決定された花粉症対策の全体像という資料でございます。細かい資料なので画面上では見にくいかもしれませんが、まず、花粉症はいまだ多くの国民を悩ませ続けている社会的問題であるというようなことを念頭に置きまして、今後10年を視野に入れた政策も含めて、花粉症という社会問題を解決するための道筋を示すという形で関係閣僚会議が開催されました。
 この中で、花粉症対策の3本柱という形で画面下のほうにお示ししております。発生源対策、飛散対策、発症・曝露対策という3つの柱がございます。こちらは関係各省庁における対策を念頭に置いて記載されているものでございますが、特に厚生労働省に関連する部分については、一番右の発症・曝露対策の赤枠で囲んであるところ、花粉症の治療のところと予防行動のところでございますので、御参照いただければと思います。
 ここから先のページは参考資料となってございまして、関係閣僚会議においてお示ししている花粉症の現状や取組に関する資料でございますので、適宜御参照いただければと思います。
 長くなりましたが、資料1について事務局からの御説明は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○海老澤会長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明について、何か御質問、御意見等はありますでしょうか。
 まず、アレルギー疾患対策の事業・取組について御質問、御意見があればよろしくお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 藤澤先生、どうぞ。
○藤澤委員 藤澤と申します。
 アレルギーポータルのことについて教えていただきたいのですが、非常に閲覧数が増えたとか、それから、私も見せていただいていますが、中身がかなり充実できたのはとてもいいのですが、世の中には間違った情報が非常に氾濫しているという現状があって、やはり患者さんがそういうところにとらわれてしまうということがあるのですが、例えば誤情報に対する何か特別な方針とかというのはあるのでしょうか。
○原澤課長補佐 御質問いただきありがとうございます。事務局でございます。
 御指摘いただいた点は重要な点かと存じております。他方で、誤った情報とされるものを事後的にそれはよくないので消してください、といった対応をしていくのはなかなか難しいところがあるので、いかに正しい情報をきちんと見ていただける環境をつくるかとというところがまず厚生労働省としてはできることかなと考えてございます。ですので、おっしゃっていただいたような中身をしっかりアレルギーポータルを中心に関連する情報提供のツールを充実させて、それをしっかり国民の皆様の目に届くように工夫を重ねていくというところが一旦国としてはできることかなと考えているところでございます。
 以上でございます。
○藤澤委員 正しい情報を発信しているところもたくさんあると思いますので、そういうところとのネットワークみたいな、アレルギーポータルがもちろん中心になると思いますので、そこを中心にして、出しているところにアレルギーポータルに集約するように依頼するとか、各自治体でいろいろ工夫されたのを作っておられるところも多くあるので、そういうところが連合すれば正しい情報に行き当たる確率が高くなるのではないかなと思います。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
 おっしゃっていただいたような関連する団体や自治体との連携、情報のリンケージというか、そういったところも含めて今後取組を進めていければと思います。どうぞよろしくお願いします。
○海老澤会長 あと、アレルギーの症状や事業などに関する動画を10本公開したということも、日本アレルギー学会として、最近の若い方はどうしても文章を読むより短い動画を見るということのほうが結構利用されるので、今回、大体2~3分の動画で分かりやすいもので、かつクリニックなどでも使っていただくことを想定してリンクフリーで、あと、この10本を全部つなげたバージョンとかも提供して、このポータルの知名度というか、アクセス数をもっと増やしていこうと考えてそういう取組も行って、今年度もまた作っていこうかなと考えております。
 そうしましたら、藤澤先生、この件に関してはよろしいですか。
○藤澤委員 はい。ありがとうございます。
○海老澤会長 そうしましたら、手が挙がっていらっしゃる荒木田委員、御発言いただけますでしょうか。
○荒木田委員 ありがとうございます。荒木田です。
 私もアレルギーポータルに関して、要望というのではなくて情報提供なのですけれども、実は私は看護系の教員で、看護系の大学の中でいつもアレルギーに関する教育が十分にされていないなというところは感じておりまして、この2023年の2月から3月にかけて、今、看護系の大学は300ぐらいあるのですが、そちらに調査をかけました。教育をどれぐらいしていますかという調査なのですが、その中の一つにアレルギーポータルを授業等で活用しているかというような質問項目を作りまして、見てみました。そうすると、活用しているというところは本当にわずかではあったのですが、233件中の23件あったということと、しかし、アレルギーポータルのホームページだとかを見たことがないというのが57%という状況だったので、これは非常に残念だなと思っております。ただ、その際にアレルギーポータルのURLとかもつけて見ていただくように誘導してみたりしまして、ぜひまた大学とかにも今後ともこのアレルギーポータルの存在を周知していただきたいなと思っておりますし、私も周知していこうと思っております。今、海老澤会長も言っていただいたようにとてもいい、使いやすい動画が出ているなということは感じております。
 以上です。
○海老澤会長 貴重な御意見ありがとうございました。
 大学等の教育機関に対してそういうアプローチをしていくということはどうかという御意見だったと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○原澤課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。
 どういった形で、今おっしゃっていただいたような形で情報を広げていくことができるかというのは引き続き御相談かと思いますが、今のようなアプローチも重要だと思いますので、引き続き関係者の皆様の御協力をいただいて進められればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○海老澤会長 大変貴重な意見をありがとうございました。そういうお立場にある先生方の御協力をさらに広げていっていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、益子委員、お願いいたします。
○益子委員 ながさき食物アレルギーの会ペンギンの益子と申します。本日はありがとうございます。
 本職で小中高大の家庭科の教員をしております。
 スライドの7ページ目から9ページ目にあるアレルギーポータルに関して発言をさせていただきたく存じます。アレルギーポータルのアクセス数に関してですが、1月から3月にアクセス数が増えるということでしたが、園や学校、また、保護者からのアクセス数も増えるということも考えられるのではないかなと思いますが、いかがでしょうか。年が明けて1月になると、次年度に向けての食物アレルギー面談をする園や学校が多いかと思います。アレルギー児童、生徒を預かる立場の一人としては、正しい最新の知識を持ってどのような対応がこの児童、生徒にできるか、さらに保護者にも寄り添うことができるか、学校としてハード面、ソフト面を含めてどのような対応ができるかということを考えながら、学年部や管理職、そして、全教職員と共有して対応を決めていっております。
 アレルギーポータルは、正しい最新の知識をウェブで得るためには大変ありがたいサイトだと感じておりますし、このサイトを私が紹介した先生方、そして、保護者の方からも大変喜ばれています。残念ながら、このサイトを御存じない方にまだまだお会いするような現状です。リニューアルでアレルギーの症状や治療に関する動画が公開されて、園や学校の先生の卵の学生さんには特に有益だと考えております。今後ともさらなる充実をお願いできればありがたく存じます。
 以上でございます。
○海老澤会長 貴重な御意見ありがとうございました。医療機関等を通してのポータルの患者さんへの普及啓発ということも必要かなと思いますので、拠点病院の先生方とまた面談する機会等もあるので、各都道府県の拠点病院の中心になってやっていらっしゃる先生方にそういうお願いとかも広げて、また、県の中でさらに医療連携体制がある程度できているところにおいては、それをさらに広げていってもらうというようなことも考えていきたいなと個人的には思いましたが、厚労省としてはいかがでしょうか。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。
 今、冒頭、益子委員から御発言いただいた時期的に1月から3月が多いというところについて、新年度の準備というのもあり得るのではないかという御指摘だと思います。詳細な分析については資料ではお示しできておりませんが、確かに閲覧しているサイトの中身を見てみると、その時期も必ずしも花粉症だけではなくて、一番多いのは食物アレルギーに関連するページをどうやら見ているということもありそうなので、やはりそういった御活用もあり得るのだと思います。そういった形で、教育現場でしっかり活用していただけるようになっているのであれば、すばらしいことだと思いますので、今、海老澤会長からも発言があったような連携というものを引き続き進められるかどうかを含めてしっかり検討していきたいと思いますし、関係者の皆様とも情報共有等もしっかり進めながら対応について考えていきたいと思います。
 以上でございます。
○海老澤会長 益子委員、よろしいでしょうか。
○益子委員 はい。ありがとうございました。
○海老澤会長 それでは、手が挙がっています。前田委員、よろしくお願いします。
○前田委員 前田です。ありがとうございます。
 24ページのほうで発言をしようかなと思っていたのですけれども、入学というワードが出てきましたので、ここで発言させていただきたいと思いました。学校のアレルギー疾患に対する取組ガイドラインは、学校関係者だけではなくて、保護者も誰でも内容を知ることができるようにウェブでも公開されています。このガイドラインには、学校関係者と保護者が同じ情報を共有して意思疎通をしていくという願いを込められているのではないかなと思います。ですが、学校の取組状況が公開されていない地域もあって、入学するときになって初めて給食対応を知って困る保護者もいます。特に重症の食物アレルギーの家庭にとっては、年少さん、年中さんのうちから地域の小学校の給食対応と情報を知って治療を進めたり、子供ともども心構えをしたりと準備が必要になります。ぜひ学校の給食対応について保護者からの理解と協力を得ていくためにも、情報公開を積極的にしていただけるように、文科省ですとか医療従事者の方や様々な御関係の方から教育委員会に働きかけてほしいと思います。
 以上です。
○海老澤会長 御意見ありがとうございました。
 先ほど、最初の部分に関して御意見をいただいているところだったのですけれども、アレルギー疾患対策の事業・取組について御意見をいただいたのですが、2番目のアレルギー疾患対策基本指針に係る主な取組状況についての学校関係の御意見であったと思いますが、今回、文部科学省の方にお越しいただけていないので、どういうふうにお伝えしていくかということかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
 厚生労働省といたしまして、今いただいた御意見について、文部科学省とも連携しながらどういうふうな対応が可能かというのは検討する必要があると思いますので、本日いただいた御意見についてはきちんと関係省庁にはお伝えした上で、対応についてしっかり検討していきたいと思っております。
 一旦以上でございます。
○海老澤会長 昨年度、文部科学省と日本学校保健会のほうで全国の小学校、中学校、高等学校の児童、生徒についてのアレルギー疾患、あるいはその取組に対する調査が9年ぶりに行われました。その報告書が日本学校保健会のホームページに出ておりますので、それも全国の教育委員会あるいは学校のアレルギー対応の現状というのがよく分かると思いますので、ぜひ日本学校保健会のホームページを一度御覧なっていただいて、またそれについて御意見等がいろいろあると思うのですけれども、あと、どういったことを進めていったらいいかということも具体的に多分課題というのが出てくると思うのですが、アレルギー対策として学校現場のアレルギー対応ということも非常に重要なことなので、また御意見をいただければと思います。どうもありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。先ほど1番目と言っていたのですけれども、2番目のアレルギー疾患対策基本指針に係る主な取組状況についても御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 藤澤委員、どうぞ。
○藤澤委員 両立支援のモデル事業について今回新しく始めていただいたことは、本当にありがたく思います。私たちの施設でも応募させていただいて採択いただいたので、これからどうしようかということ、今回のことについて準備するに当たり、やはりいろいろな問題点が見えてきたところで、両立支援についてはがんとか糖尿病とかというのは先行しているということを今回勉強させていただいたのですが、そこで大きな違いは、やはりアレルギー免疫疾患の方は若い方が多いということで、そうすると、私たちが見ている患者さんでも就職の時点で非常に困難を感じている方がある。それで自分の将来ができないとか、そういうところで壁に当たっている方とか、なかなかずっと重症のためにいい仕事がなくて、それで経済的に厳しくて、最近の高いお薬が使えないとかという方がいらっしゃるということを知って、なかなか問題は深いなと思ったのですが、その辺について、例えばな両立支援と言っても簡単にはなかなかいかないということを思って、今回のモデル事業で何らかの方向性が出てくればいいということを期待しているのですが、患者会の代表の皆様から何か一言こういう状況についてお教えいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
○海老澤会長 アレルギーの患者さんたちの就労状況とか、そういうサポートについてのことということですかね。
○藤澤委員 何か問題とかがありましたら、お教えいただけたらと。また次の機会でも結構です。
○海老澤会長 益子委員、手が挙がっていますね。お願いします。
○益子委員 益子です。失礼します。
 就業に関してということですが、うちの患者会の中では、お母さんが仕事を辞めた、仕事を変わったというのはよく聞きます。私自身も息子が高2で大分大きくなったのですけれども、小学生の頃は給食を食べて、アレルゲンを食べていなくても発赤が出たりとかという症状があって職場に電話がかかってくるというような状況もあり、なので、給食が始まる12時半には仕事を全部終わらせていました。私自身もそのような働き方をさせていただいておりました。それプラス受診もなかなか取りづらい状況がありまして、この日の午前中しか駄目ですよともちろん決まっておりますので、そこで休みを定期的に取るためにはどうしたらいいか、仕事を辞めるしかないのでしょうかという御相談は会を始める前も今でもコンスタントにいただく相談の一つかなと思います。
 私からも質問をさせていただいてもよろしいでしょうか。この両立支援モデル事業は、どのような状況で、どのような時期に、結果というか、途中経過でもよろしいのですけれども、公開していただけるのか、もし現時点でお分かりであれば教えていただければありがたいです。
○海老澤会長 この研究班は単年度ですよね。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
 今のモデル事業は、今、海老澤会長から御発言があったとおり、単年度事業になりますので、各年度で一定の事業をやっていただいて、その成果についても御報告いただく形になるのではないかと想定しています。具体的に現時点でいつどんな形でということはお伝えできませんが、各年度で一旦区切りながら進んでいくということだと思っておりますので、逐次御報告できるように考えてみたいと思います。
 以上でございます。
○益子委員 ありがとうございます。
○海老澤会長 宮﨑委員から手が挙がっています。よろしくお願いします。
○宮﨑委員 お願いします。
 先ほど藤澤先生がおっしゃってくださったように、やはり就職の壁というところが一つ大きな課題になっていると思います。まだまだ集めきれていない就職の壁があった方の声を集めていただきたいです。御承知だと思うのですけれども、そういった集計をもオープンにしていただいて、今後、未来に向かって就職を目指して、エピペンを所持されている子供たちもたくさんいるので、その不安を払拭するためにも、ぜひモデル事業を行っていただきたいです。モデル事業を行っていただけるというところでも私たちも少しほっとしたところではあるのですけれども、今までの方がどうだったかというところの声も、漏れることなくぜひ聴いて集計などをし、今後に役立てていただいたらありがたいなと思います。
 以上です。
○海老澤会長 ありがとうございました。
 今回、7都道府県の小児から成人までの取り扱っている施設になるので、多分いろいろな情報が出てくるのかなと思いますが、藤澤先生、具体的にはどういう調査を計画されているのでしょうか。
○藤澤委員 まずはうちにかかっておられる患者さんがどういうことに困っているかということと、それから、職場の受入れの問題もありますので、そこの職場に対する調査、どういう形だったら受け入れることができるのか、例えばある方が仕事をするに当たってどうしてもここで休まなくてはいけないとか、アトピー性皮膚炎がひどくて手荒れがひどいのでこの仕事はできませんとなったら、誰かほかの方がやらなくてはいけない。そういうことをどうカバーしていくのかという職場の受入れの問題も事業所に調査をしようと考えています。あとは、患者会の皆さんにお願いして、どういうことで困っていらっしゃるかということ、両面からアプローチできたらなと思っております。
○海老澤会長 ありがとうございました。
 前田委員、手が挙がっているのでお願いいたします。
○前田委員 ありがとうございます。
 参考になるかどうか分からないのですけれども、我々、子供が小さいときにはこの子は将来困るのではないかなと思って非常に不安を抱えて育てているわけなのですけれども、意外に大きくなってくると本人たちは対処方法を身につけていて、自分が進みたい道に向かってどうやったら進めるかというのを会得してきているような気がするのです。高校生ぐらいになってくると将来のことを考え出しますし、治療についても、どうやったら続けていけるかですとか、教えたわけではないのですけれども、定期的に帰省するときに受診の予約を入れていたりしていますので、意外にしっかりしているものだなというところもありまして、ぜひ本人たちの声を聴いてみてはいかがでしょうかと思います。意外に私たち親が思っているほど本人たちはあまり気にしてなかったり、いや、そういうことはもう慣れていて何とかできるよと思っていたりしている姿も目にしますので。
 以上です。
○海老澤会長 ありがとうございます。
 実際に患者さんの中でも、自分がアレルギー疾患を持っていることによって医学部に進んでいただいたり、アレルギーを志してくれたりという医師も出てきたり、あと、看護学校のほうへ進んでアレルギーの対応に尽力したいというような方々も結構いらっしゃるのかなと思いますし、あと、様々な領域で結構しっかりやってくれているような気もいたします。
 今回の単年度での調査が出て、また問題点とかもきっと明らかになってくるかなと思うのですけれども、先ほどの重篤な方の生物学的製剤とかそういうものを使っていけるか使っていけないかとか、その辺も多分QOLとかにすごく影響してくることだと思うのですけれども、そういうことも含めてまた検討していただけたらなと思います。
 このテーマに関しては取りあえずよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 ほかに御意見があれば受けたいと思いますけれども、先ほどのポータルについてのところに話が戻ると、今回の対応指針の改定というのを受けまして、それを動画で表現してみようかなと思ったのが動画を作る一つのきっかけだったのです。ある市区町村のところに行って、患者さん向けの教育的な資材をいろいろな市町村でそれぞれが作っていくのは不経済だよねという意見をいただいて、ではポータルで一個作って、それを全国の市区町村あるいはクリニック、病院とかで全部使っていただけたらいいなという発想で今回日本アレルギー学会で作ったので、ぜひいろいろなところで先生方も、あるいは委員の先生方もばらまいていただけたらなと思うので、日本アレルギー学会のほうにリンクどうこうとかという許可も求めないとしていますので、リンクフリーで幾らでも、クリニックでも市町村でもいろいろなところでぜひ使っていただきたいなと思っております。
 前田委員、まだ手が挙がっている状態ですが、御発言されるのですか。
○前田委員 別件で発言をお願いしたいと思いました。
○海老澤会長 では、ポータルに関しては一応そういうことで、厚労省のほうからもぜひ市区町村とか都道府県とかにまた周知していただけると、昨年度は呼吸器関係は意識して作らなかったのです。今年度は喘息系、大人の方のアレルギー系のところを意識して作っていこうかなと思っていますので、また先生方にも御協力いただくかと思うのですけれども、よろしくお願いいたします。
 では、ポータルはそれで終わりにして、前田委員、どうぞ。
○前田委員 ありがとうございます。
 後半の2のほうもということでしたので、22ページのほうで発言させていただいてよろしいでしょうか。
○海老澤会長 どうぞ。
○前田委員 ありがとうございます。
 アレルギー表示に関することなのですけれども、22ページのクのところです。最後の○になります。外食・中食の普及のパンフレットについてなのですけれども、よい資料を作っていただいて感謝しております。ありがとうございます。患者は外食・中食を安全に利用したいと思っています。この冊子が届くべき人に届いてほしいと願っています。どういう事業者さんに届いてどういう効果があったのかぜひ検証していただいて、外食・中食でのアレルギー表示のルール化について進めてほしいと思っています。
 それから、もう一つ、学童などの放課後事業で、夏休みなどの仕出し弁当などの昼食提供について東京23区の区立学校でも幾つか始まっています。アレルギー対応はしない、保護者と事業者との直接契約など、やり方は様々です。外食・中食にルールがない中で、学校でも保育園でもない放課後事業という場所で、特に夏休みなどは働くスタッフの入れ替わりも考えられます。少なくとも初発を含めたアナフィラキシーに現場のスタッフが対応できる体制で導入すべきと考えています。放課後事業の現場任せにせず、多くの関係者が事故のない食の提供を組織全体で考えていくことが必要だと思います。こうした食の多様化が進んでいますので、この観点からも外食・中食のルール化はぜひできるところから始めていただきたいと思います。
 以上です。
○海老澤会長 ありがとうございます。
 今日、消費者庁の平木さんに御参加いただいていますので、平木さん、よろしくお願いいたします。
○消費者庁平木係長 消費者庁の平木でございます。よろしくお願いします。
 参考資料でも提出させていただいているのですけれども、昨年度、アレルギー疾患対策基本指針の中に、外食・中食に関して実効性に配慮しながら情報提供を積極的に推進する旨が追記されたことを踏まえて、昨年度に外食・中食に関して事業者向けと消費者向けのパンフレットを作成いたしました。前田委員におかれましても周知等に御協力いただきまして、ありがとうございました。今回、外食・中食に関して、事業者に関してもまだ食物アレルギーについてあまり内容について理解されていないというのが現状だと思います。昨年度作成したパンフレットについて、今年度にまず普及啓発について注力して取り組んでいきたいと思います。前田委員からも御指摘のありました成果、どういった場所に配布し、どのように今後活用していくかという点については、また追って検討させていただきたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いします。
○海老澤会長 外食・中食についてルール化というのが、事業規模の大きなところと小さなところと、外食・中食については幅がすごく広いのですよね。だから、まずは食物アレルギーについて正しい知識を事業者の方に持っていただくというところが第一なのかなと思うのと、やはり間違った情報提供をされることによって誤食事故というのはよく起こってしまいますので、そういうことがないようにしていくためにどういうことが必要なのかということも消費者庁のほうと検討しながら、今すぐルール化というのは難しいのかなと思っているのですけれども、知識の普及啓発、そして、その先の情報提供の在り方について精度を高めていくという流れに多分なっていくのかなと。加工食品と違って義務表示化とかそういったことにすぐに踏み切るというような状況ではないのと、外食というと、いわゆる高級店などの場合ですとレシピは秘密とかいろいろなところがあって、アレルギー表示にどれぐらい協力してくれるかというのは事業者によってかなり違ってくるのかなとも思っているのです。ただ、やはり一つ一つきちんと進めていくという観点から、消費者庁のほうとその辺も連携しながらきちんと進めていきたいと考えております。
 よろしいでしょうか。
 そうしましたら、荒木田委員から手が挙がっていますか。
○荒木田委員 話を少し戻してしまうのですが、先ほどの治療と仕事の両立支援のモデル事業のところで、1つだけこういう見方もしていただけたらというところなのですが、私が産業保健師をしていたときに、喘息だとかアトピーとかで悪化する方というのは、環境が変わったり、あと、やはりメンタルヘルスの不調が起きてアレルギーもとお互いにぐるぐる回るような状況があったかなと思っています。産業保健師とか産業医さんとかにもアプローチして話を聞いていただくと、そういう困った事例というか両立支援で苦労した事例というのも聞けるかなと思いますので、会社のほうのサイドで産業保健師、産業医さんとかにも話を聞いていただくといいかなと思いました。
 それだけです。すみません。話を戻しました。
○海老澤会長 ありがとうございました。また研究班の先生方に情報提供ができればなと思います。
 ほかはいかがでしょうか。
 令和4年に行ったこの基本指針改正のポイントというのを受けて、先ほどの外食・中食の話とか、あるいはこの後また都道府県の拠点病院等の話も研究班でやったことでお話しさせていただきますけれども、基本指針が変わって、さらに歯科あるいは管理栄養士さんにも取組に入っていただくということとか、医療提供体制の在り方、さらに先ほどの就労支援とか、実際に過去1年ぐらいの間にいろいろな動きがあったのではないかなと思います。また、各省庁で先ほどの学校保健の話とか、情報が新たに出てくるたびに日本アレルギー学会としてきちんとポータルのほうでオンタイムの情報をまた流してリンクを張ったり、いろいろこの指針の動きとか新しい情報についても周知していけるようにしていきたいと思いますので、またよろしくお願いします。
 先ほどの2番目のところまでで、委員の先生方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 そうしたら、最後の厚労省における花粉症対策について御意見、御質問があればお受けしたいと思いますが、岡本先生とか何か御意見とかはございますか。指名してしまって申し訳ないのですけれども。
○岡本委員 よろしくお願いします。
 事務局には先週申し上げたのですが、花粉症対策ということで、厚労省が発症や曝露対策に取り組むということで、それは結構だと思いますが、花粉症はスギだけではなくて、花粉症の原因となるものは、例えば大きな問題となっているのはヒノキとか、あとはイネ科とか、いろいろな花粉によって引き起こされています。そういったものに対する曝露対策とか治療についても十分な検討をしていただきたい。特に林野庁あるいは環境省等とも連携を取って対策を進めていただければと思います。例えば花粉数の測定とか、それも対策の基本的なことになるのですけれども、そこについても、環境省の業務かもしれませんが、ぜひ連携をして曝露対策として取り組んでいただければと思います。
 また、治療については、私は耳鼻咽喉科学会に属していますが、耳鼻咽喉科学会でも花粉症重症患者ゼロ作戦というので学会として今年から本格的に取組を進めているので、ぜひそういうところとも連携を取って進めていただきたいと思います。
 以上です。
○海老澤会長 ありがとうございました。
 御専門の立場から、特に花粉のモニタリング、実際にそれぞれの地域の独自の努力によって行われている、例えば相模原病院の例を挙げますと、1人カウントする人がいて、屋上のところに置いて、それを顕微鏡で見て、それを地道に情報発信している。西間先生、多分福岡病院もそういう状況ですよね。人を雇ってそういうことをやっていくというところがだんだん多分減ってきていると思うのです。そこら辺について、今の時代、人がマニュアルで目で実際に見てやっていくというのも今までの方法なのですけれども、そういうのを例えば画像をコンピューターに覚えさせて、実際にAIとかを活用してやっていけないかなとか、オートマティックにできたらいいなとかというような話もうちのスタッフとしていたのですけれども、その辺の実際に日本の定点観測みたいなことというのをきちんと、なかなかそこにお金がついていないので、個人的な努力に基づいている、あるいは個人の施設に基づいて、北海道などもたしかすごい先生がお一人おられて、クリニックですごくやられていたと思うのですけれども、そこら辺も体制づくりというか、少しイノベーションを入れながらやっていくようなことというのも必要かなと思った次第なのです。
 治療については、ほかの先生がお話しされたようなほうで、また日本アレルギー学会のほうでもぜひ進めていきたいなと思っております。
 その点に関してはいかがでしょうか。よろしいですか。
○岡本委員 今お話がありましたように、花粉の測定、モニタリングというのはかなりボランティアに頼ってやっているのが現状なので、やはり公的なところが責任を持って、欧米のようにぜひそういう形で対応を図っていただきたい。その必要性が非常に高いと思います。
 以上です。
○海老澤会長 ありがとうございました。そこはぜひやっていかなければいけないことなのだろうと思っておりますので、また進めていきたいと思っております。
 ほかはよろしいでしょうか。厚労省の事務局のほうから御説明いただいたアレルギー疾患対策の事業・取組、そして、基本指針に係る主な取組状況、厚労省における、今回首相が発言されて、それから動いた花粉症対策についての話、ここら辺でひとまず終わらせていただいてよろしいでしょうか。
 西間先生、ここまでで何か御意見はございますか。
○西間参考人 参考人の西間です。
 幾つか話したいことはありましたけれども、最後の花粉症に関してはもう少し基本的な議論をここでやっておかなくてはならないのではないかと思います。つまり、花粉の量を減らすということに資金を投入するのか、免疫療法に資金を投入するのか、それから、基礎的な花粉の飛散がどんなふうになっているかという定点観測、それが国としてしっかりとやっていくのにお金を出すのかとか、その辺の議論をやらないと、急に内閣から意見が出てきたのでばたばたと仕事をするというのでは、これは10年、20年、30年先のことも考えてでしょうけれども。医学の進歩もすごいスピードで、免疫の知識も検査法もすごい進歩で行っていますので、その競争はどちらが勝つのかとか、そういう議論はやらないと、10年、20年たったときにこれは無駄だったなということもあり得ると思いながら聞いておりました。
○海老澤会長 貴重な御意見ありがとうございました。また厚労省の事務局のほうと相談させていただきたいなと思っております。
 それでは、続きまして議事の2、厚労科学研究班からの報告に移ります。
 資料2については私のほうから説明させていただきたいと思います。
 これは昨年度、令和4年度、アレルギー疾患に関する地域医療の現状調査ということで、研究班で過去にモデル事業を厚労省で行った施設のある都道府県の実態を調査させていただいたという調査結果のまとめになります。
 それでは、次をお願いします。
 一次調査について、昨年の12月から本年の2月まで行ったものになりますが、次をお願いします。
 先ほど申し上げたように、モデル事業の施設11施設の都道府県下で、既に診療連携体制がある程度その都道府県が取れているという前提で、内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科を有する病院の病院数がそこに示されておりますけれども、その中で調査をそれぞれ行った、10%から20%の病院に対して調査をかけさせていただいて、回答施設数が赤でくくったところになります。かなり細かい調査であったので、回収についてはなかなか難しいところもあったのですけれども、ある程度のデータは集まりましたので紹介したいと思います。
 次をお願いします。
 細かくて恐縮ですけれども、これがそれぞれのモデル事業を行った施設においてお答えいただいた施設名になります。
 次をお願いします。
 合計が62施設からお答えいただいたわけですけれども、まずこれがそれぞれの施設の診療体制について聞いたものになります。日本アレルギー学会の専門医の常勤医の数ということで、内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科でそれぞれ、グレーがいない施設で、グリーンが1人、そして、薄肌色が2人、それから、色が濃くなるについて3、4、5となってきますけれども、内科と小児科についてはある程度、半数ぐらいの施設で日本アレルギー学会の常勤医というのが在籍しているということも分かったのですけれども、予想はされていたのですが、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科については、やはり日本アレルギー学会の専門医を取っていただいている先生方がそれぞれの県の総合病院レベルのところで御活躍されているという状況にはない。ただし、右側の棒グラフに移っていただくと、基本領域の専門医を基本的にはお持ちになっていて、耳鼻咽喉科、皮膚科、眼科の専門医の先生方がそれぞれのアレルギー領域の診療に当たっていただいて、御尽力いただいているという姿が明らかになってきました。これはある程度予測されていた結果なのですけれども、それがまさに数字として出てきたという状況です。
 次をお願いします。
 診療状況について、2022年の4月から調査時点における診療状況についてお伺いいたしました。
 次をお願いします。
 これはアレルギー疾患患者の診療状況ということで、左側が成人、右側が小児になります。先ほど診療体制については62施設からお答えいただいたのですが、これについては57施設からの回答になります。
 成人の重症度に関わらず診療可能が赤で、症例により選択しているというのが黄色で、原則診療していないというのがグレーになりますが、重症度に関わらず診療可能というのが、左側からアナフィラキシー、気管支喘息、アトピー皮膚炎などについては問題なかったのですけれども、成人の食物アレルギーについての症例が重症度に関わらず診療可能という割合が少なかったかなというところがあります。あとは、消化管アレルギーについても、これは好酸球性の消化管疾患なのですけれども、それもなかなか難しい状況なのかなと思います。
 小児のほうを見ていきますと、成人と違って小児の食物アレルギーの受入れというのはかなり総合病院レベルでも行っていただいているということになります。金属アレルギー対応というのは基本的に小児などではあまり多くないので、多分そういう受入れがなかなかできていないのかなと思います。
 次をお願いします。
 これはアレルギー疾患に関する検査の実施状況ということで、プリックテストとかパッチテストとか呼吸器系の検査などは実際に総合病院レベルでも結構行っていただいているという状況がありますが、アレルギー疾患の基本になってくるプリックテストは、どちらかというと小児科のほうが結構やっていて、成人だと血液検査などで代用していくことというのも多いのかもしれませんけれども、例えば成人の食物アレルギーの場合などだとプリックテストがかなり有効という報告もあるので、その辺がやはり先ほどの成人の食物アレルギー、例えばここでは食物経口負荷試験というのが成人では診療報酬もついていないという側面もありますけれども、外来でも入院でも、入院はDPC病院では経口負荷試験が可能なのですけれども、それでもやはりなかなかその辺ができていないという状況が成人においてはありました。
 小児におきまして、気管支喘息あるいはアレルゲンの検査など、多分パッチテストとかは皮膚科のほうに依頼してということになってくるのかなと思うのですけれども、その辺が少し低いのかなというところと、そのほかに関しては、小児は先ほどの食物アレルギーの診療というのは結構行われているということを反映するように、経口負荷試験も外来、入院で結構行われているという状況があるというところが明らかになりました。
 次をお願いします。
 今度はアレルギー疾患に関する治療の状況です。こちらは、先ほど申し上げた検査、そして、診療状況を受けて、成人において経口免疫療法というのが非常に低いというのは当然かもしれませんけれども、生物学的製剤についてはかなり行われていて、あと、アレルゲン免疫療法、皮下は最近舌下に比べるとなかなか導入されている症例数自体も多くないのかなと思うのですけれども、舌下免疫療法などもある程度やっていただいている。あとは、それぞれの耳鼻咽喉科領域、そして、耳鼻咽喉科領域の手術などもある程度行われておりました。アトピー性皮膚炎に関連した眼科領域の対応というのも成人においては行われていた。小児におきましても、アレルゲン免疫療法の皮下というのは、最近やはり舌下のほうが圧倒的に多くなってきているのだと思いますけれども、小児ですと経口免疫療法を提供している施設も結構あって、経口免疫療法は現在診療報酬としての位置づけというのはない、研究レベルの対応ということになりますけれども、そのような状況がありました。小児における生物学的製剤については、成人より若干低いかなという状況がありました。
 次をお願いします。
 都道府県拠点病院との連携ということで、これが地域における医療連携を反映してくるところなのですが、次をお願いします。
 基本的にはそれぞれのアナフィラキシーから気管支喘息、アトピー性皮膚炎、次いで結膜炎、鼻炎とか、様々な疾患において大体半数ぐらいの、成人も小児も大体50%ぐらいの施設で地域の都道府県の拠点病院との連携が行われているということが明らかになりました。
 次をお願いします。
 さらに、人材の育成です。総合的な連携教育が77%で行われているということなので、モデル事業を行った都道府県において、それぞれの地域の総合病院との連携などもやはりモデル事業を行うと結構行われているのだなということが明らかになりました。
 次のスライドをお願いします。
 あと、災害対応、拠点病院というのが最終的にはローカルの災害のときには災害対応の中心になっていかざるを得ないのかなと思いますし、あと、もちろんそれぞれの都道府県における災害拠点病院というのもありますので、アレルギーの災害のときの対応と本当の災害対応の病院とが同一であるかどうかというのは都道府県によって違うかもしれませんけれども、このようなアレルギー疾患の患者に対する災害対応の準備ということについても、都道府県で拠点病院と連携し実施、災害拠点病院と連携して実施、自施設のみで実施ということで、大体40%弱ぐらいの施設が災害対応の準備をしていただいているという状況でした。
 次のスライドをお願いします。
 あとは拠点病院との連携を含めてアレルギー疾患の診療で困っていることを記述式等で聞いたわけですけれども、棒グラフで示したものはある程度の数があったものでありまして、相談できる専門医がいないという御意見と、最近の標準的治療が分からない、紹介するタイミングが分からない。
 その下に行きますと、自由記述で経口負荷試験の正しい方法が見たことがないので分からない。それと、成人移行、必ずしも重症でないアトピー性皮膚炎などの症例を小児科から成人のほうに移行していくときにどういうふうにしていったらいいのかという体制が整えられていないということですね。あとは、花粉、食物アレルギーの症候群の場合に、多分これは成人を言っているのだと思うのですけれども、複数科を回らなければいけないと。耳鼻科と例えば皮膚科などですかね。そういうようなこと。小児の領域ですと、多分小児のアレルギー専門医が1か所で診ていて、大人になった途端にそれが複数の科をまたがって受診しなければいけなくなってくるというところが意見だったと思うのですけれども、あとは検査試薬が入手困難、情報がない。これは最近、鳥居薬品とかでプリックテストの大幅な縮小、プリック液ですね。大幅な減少が起きているので、その辺も言っているのかなと思います。あとは成人に達した食物アレルギー患者の紹介先がない。近隣の医療機関との連携、成人アレルギー相談の紹介先で、成人の相談できる専門医がいないということで、成人における食物アレルギーとかが多分これはターゲットになっているのかなと思うのですけれども、今、その辺の診療体制ができていないというところが大きいのかなとこの記述を見て思った次第です。
 次をお願いします。
 地域連携、移行期医療、情報公開、啓発活動などについてもそれぞれ聞いたのですけれども、これは都道府県拠点病院に行ってもらいたいことということで聞いたものになります。
 拠点病院で診療できない疾患、例えば成人の食物アレルギーを拠点病院外の適切な病院に紹介してほしいと。だから、やはり成人の食物アレルギーの診療に結構困っているのかなという実態が明らかになってきたのかなと思いました。
 あとは、移行期医療、これは小児から成人へのトランジションをどうしていくか。あとは、小児期発症で成人期に達した、これも食物アレルギーの診療ネットワークの構築ということなので、やはり小児で診ていたのが大人になっていったときにどうしていったらいいのでしょうかという話なのだと思うのです。そこら辺も、経口免疫療法などの最新情報が欲しいとか、あと、内科医に対するアレルギー診療の啓発、あと、経口免疫療法のこととかいろいろ挙がってきておりましたが、どうも全体を通して見ていくと、多分御意見としては小児から成人の移行期医療の問題点と、成人の食物アレルギーの診療体制がそれぞれの都道府県になくて、結構困っている先生方の姿というのが浮かび上がってきたかなと思いました。
 そして、先ほどの57施設の先生方に二次調査への協力の可否ということでお伺いしたところ、半数の先生方に二次調査ということで今年の2月から3月にかけて二次調査を行いました。二次調査は、それぞれのまずモデル事業の11の都道府県の病院と、モデル事業を行ったそのほかの都道府県の拠点病院と非拠点病院での診療行為の差を見ていこうということで調査をさせていただきました。
 これは、どうしてこういう調査をしたかということについては、拠点病院がそれぞれの非拠点病院に比べてアレルギー診療に関して診療レベルがどうなっているのかということについての検証が行われておりませんので、その辺について調査をしたということになります。
 まず、検査については2022年の9月から12月の診療実績ということで、次をお願いします。
 これが調査結果なのですけれども、プリックテスト・パッチテスト、肺機能検査、呼気への呼吸抵抗、食物経口負荷試験、涙液中総IgE定性、鼻汁中好酸球検査について、これは請求コードによって実施件数を調べさせていただいたのですけれども、平均的に見ていきますと、やはり拠点病院のほうが専門的な検査をやられているという状況が見てとれました。
 次をお願いします。
 医薬品・診療行為についてのデータも御紹介します。
 次をお願いします。
 これは、主に生物学的製剤とアトピー性皮膚炎における分子標的薬でどれぐらいの違いがあるのかということを見たのですけれども、オマリズマブ、メポリズマブ、ベンラリズマブ、デュピルマブ、デュピルマブは喘息とアトピー性皮膚炎と好酸球性副鼻腔炎に適応がありますけれども、最初の3つに関しては気管支喘息がメインなターゲットになります。やはり拠点病院のほうが生物学的製剤の使用というのは圧倒的に多くて、デュピルマブは余計違いがあるということと、あとはJAK阻害薬が下の3つになりますけれども、アトピー性皮膚炎などにおいても、やはり拠点病院の診療のレベルというのが非拠点病院に比べてより専門性の高いことに取り組んでいただけているという実態が明らかになったということになります。
 次をお願いします。
 医薬品・診療行為として、アレルゲン免疫療法です。これもダニ特異的なアレルゲンの皮下注射が最初で、次がスギ花粉の皮下注射です。その次がダニの舌下錠、そして、その隣がスギ花粉の舌下錠、下はエピペンの処方です。アナフィラキシーのプレホスピタルケアの0.3mg製剤と0.15mg製剤ということで、やはり皮下のアレルゲン免疫療法も拠点病院のほうが総じて行われていますし、そして、スギとダニの舌下療法についても拠点病院のほうが多く行われていたということと、アナフィラキシーの管理についても多分拠点病院のほうがより多くフォローされているのだろうというようなエピペンの処方状況であったということが明らかになりました。
 次をお願いします。
 これは、今度は皮膚科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、眼科の特殊医療行為です。皮膚科の光線療法、気管支熱形成術、鼻腔形態改善手術、鼻漏改善手術、アレルギー性眼疾患に関連した白内障・網膜剥離・緑内障の手術についての件数をお聞きして、このような状況で、やはりこれも総じて拠点病院のほうがよりそれらのことに取り組んでいたということが明らかになりました。
 次をお願いします。
 今回、モデル事業11施設の都道府県下の内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科を有する62施設から回答を得まして、そのうちの5施設以外、57施設から診療実態を明らかにさせていただきました。先ほど申し上げたように、日本アレルギー学会の認定専門医の在籍というのは内科、小児科がどちらかというと多かったわけですが、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科では基本領域の先生方が診療を担ってくださっていて、拠点病院と非拠点病院との連携というのもモデル事業を行っていた都道府県では50%行われて、相互教育は77%行われていたと。やはり二次調査においては、拠点病院と非拠点病院を比較していくと、検査あるいは特殊な治療において拠点病院での診療のレベルの高さというのがある程度実証できたのではないかなと思います。
 今回の研究班での調査はモデル事業を行った都道府県での話なので、これから先、モデル事業が行われていないところについて、同じ調査をしていくというのは非現実的な話なので、これから7月、8月にかけて、東北、北海道、中国、四国、九州の拠点病院の先生方と、今回の調査結果を基にして、どういった状況にあるのかということを少し短いウェブ面談でヒアリングさせていただいて、拠点病院をそれぞれのまだモデル事業を行っていない都道府県でどうやったらより充実していくかということについて、また研究班のほうで取り組んでいきたいなと考えております。
 私からの発表は以上になりますが、御質問、御意見等がありましたらお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。
 藤澤先生、実際に三重県などで、モデル事業で、医療連携体制というのをある程度整えていくために、モデル事業をやっていない県でどんなことをやっていったらいいのかというアイデアみたいなものはありますでしょうか。
○藤澤委員 連携体制ということですね。私たちのところは、県の医師会を通してどんなアレルギー疾患を診療しているのかということについて各医療機関に自主的に表示をしていただいて、それを三重県のホームページに載せるという形にして、それでどこが何をやっているかということを患者さんと医療機関双方が見える化するという形で、自然と必要なところに紹介がされるということを期待してやっているわけですが、どんなアレルギー疾患を診療しているかという基準は、この疾患についてガイドラインに基づいた診療していますかという質問でやっていますので、本当にガイドラインをちゃんと読まれているかどうかは別として、そのように宣言されている施設がホームページに載るという形でやっていますが、その効果についてまだ検証ができていませんので、今後やっていきたいと思います。
○海老澤会長 ありがとうございます。
 先ほどの移行期医療の問題、小児から成人のアレルギー疾患を見ていくときに、小児科だと多分1つの病院とかで、あるいは1つのクリニックで終わってしまうところが、成人になった途端に4科受診しなければいけないとか、違う病院にかかったり、いろいろなことしなければいけなくなってくる。そういう問題というのは今回明らかになってきたのですけれども、三重県などだとその辺は、移行期医療はどうなっているのですか。
○藤澤委員 なるべく紹介をするようにはしていますが、なかなか成人の診療科でやっていただけるところがないので、結局私たちが診ている。だから、40歳、50歳の患者さんを私が診ているというところがあって、なかなか今後難しい。だから、中央拠点病院等で研修を今していただいていますが、そういうシステムを利用して各基幹病院の先生方が基本的なことだけでも研修をしていただけるのがこれからもっと進んでいくといいなと思っております。
○海老澤会長 ありがとうございます。
 トータルアラジストを育成していきたいというようなことを日本アレルギー学会としては考えていて、これから機構認定の専門医制度に移っていくときにそういうことも非常に重要になってくるのですけれども、成人の診療体制が臓器別になってしまっていてなかなか難しい側面があるのかなと思うのですが、その辺はなかなか難しいですね。
○藤澤委員 難しいです。特にやはり一番問題は成人の食物アレルギーで、誰も診ないという形になっています。
○海老澤会長 分かりました。
 浅野先生、御発言をお願いいたします。
○浅野委員 ありがとうございます。
 小児からの移行期医療という形で内科が受皿になれるかということなのですけれども、重症の患者さんであれば、基幹病院から基幹病院への受入れということはしなければいけないと思うのですが、必ずしも小児から移行されている患者さんの疾患が重症でない場合には、基幹病院の内科医が診るということはあまりなくなります。うまく小児科からその患者さんを診られるクリニックに紹介していただくということが恐らく必要になってきて、逆に複数の領域にわたる患者さんを1つのクリニックで見てもらうということが可能になってくるだろうと思います。
 では、小児の段階で重症のアレルギー疾患を持っている患者さんをどういうふうに診ていくかという部分は、今度は基幹病院内の内科医あるいは臓器別の医師がどういうふうに引き継いでいくかということになるのですが、複数のアレルギー疾患を持っていても、例えば重症のアトピー性皮膚炎を持っているけれども喘息は軽症であるという場合に、基幹病院の内科医が軽症の喘息を診るかというと、必ずしもそうならないということは御理解いただきたいと思います。内科医として診なければいけない重症のほかの疾患を多く診ているので、軽症の方全てを小児期から引き継いでいくということができません。その辺りを含めて、どの重症のアレルギー疾患を移行期として引き継いでいかなければいけないのかというところの調査が必要なのと、比較的軽症な方で小児科で病院で診ていた方をどういうふうな形で地域のクリニックにスムーズに移行するかという枠組みをつくるということが、やはりスムーズな移行期医療をつくる上では必要なのだと思います。
 以上です。
○海老澤会長 ありがとうございました。
 気管支喘息については多分、今、先生がおっしゃったとおりで、どちらかというと成人期発症のほうがやはり非常に重篤な方が多くて、小児期発症の方というのは比較的半数がアウトグローして、それで残りの5割が残りますけれども、成人の重篤例に比べたらそれでも軽いという状況があるのですが、多分小児科的に言うと、そこはそうなのですけれども、それにもともと例えば食物アレルギーを合併していて病院でどうしても診なければいけないとか、アトピーが重いとか、先生が御指摘されたとおりなので、それを拠点病院の中で成人の皮膚科のほうとかに回したい。そして、食物アレルギーが大人まで残ってしまった人はやはりどうしていったらいいのかなというところが大きな課題なのかなとは思います。
○浅野委員 先生のおっしゃるとおりだと思います。食物アレルギーを診るということができる成人のアレルギー科医をつくっていくということは、かなりこれから重要な課題だと思います。
○海老澤会長 ありがとうございます。
 下浦委員。
○下浦委員 恐れ入ります。ありがとうございます。日本栄養士会の下浦でございます。
 先ほどの海老澤先生からの都道府県の拠点病院を含む地域のアレルギー疾患の診療体制に関する現状調査の報告、ありがとうございました。
 まず私のほうとして、お願いということでお話をさせていただきます。今後の研究班での議論におかれまして、地域においてアレルギー疾患患者の治療における多職種連携も含めた医療連携体制の課題でありますとか、それぞれの職種の役割等を御整理いただいて、今後ともこの調査、研究の推進を是非お願いしたいということです。
 といいますのも、令和4年の3月のアレルギー疾患対策基本指針の改正におきまして、「歯科医師」及び「管理栄養士」が医療従事者として明記されたことによって、よりこれらの取組を推進していきたいと考えているところでございますので、その際は皆様方に御助言を賜りましたこと、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。
 また、都道府県拠点病院等の選定要件の中に、アレルギー疾患に関する専門的な知識及び技能を有する職種ということで薬剤師、看護師、管理栄養士の配置が望ましいとされているところでございますので、我々、アレルギー患者さんの治療においては、医師を中心として多職種が連携して実施することで治療及び安心・安全な療養生活を送ることができるのではないかと考えているところでございます。特に私ども日本栄養士会は、食物アレルギー患者さんの食生活を考える上で、管理栄養士は都道府県拠点病院等において栄養・食事指導や食事提供を担うだけではなく、地域の医療機関においても、患者さんの食生活を支える上で、特に重要な実務、責務を担えると考えているところでございます。
 当会でも2019年度から食物アレルギーに関する正しい知識と対応技術を習得するために、「食物アレルギー分野管理栄養士」の認定制度を立ち上げて、安全な食の提供と栄養教育を目指す専門職の人材育成に努めているところでございます。今後、日本栄養士会としても多職種連携を含めてその課題解決に向けて議論をしていきたいと考えておりますので、是非、今後の研究班での調査や研究の推進を図っていただきますよう、重ねてお願いを申し上げたいと思っております。
 以上でございます。ありがとうございました。
○海老澤会長 貴重な御意見ありがとうございました。アレルギー疾患医療を提供する体制の確保というところで、改正において管理栄養士も明記されて、当然そういう多職種の連携によるアレルギー疾患に対するハイレベルな医療提供体制というものが求められるのが拠点病院だと認識しております。今回の調査ではそこまで手が及ばず申し訳ありませんでしたが、また将来そういうこともきちんとしていきたいなと思っております。
 加藤委員、お願いします。
○加藤委員 成人の食物アレルギーですけれども、我々の施設では皮膚科が成人の食物アレルギーを診ていて、負荷試験も入院の上でよくやっています。先ほどの全国の拠点病院連絡会議等で、成人の食物アレルギーの診療の実態の各都道府県での調査を行うとともに、もしある県ではしっかりと成人の食物アレルギーが診療できていないということであれば、例えば総合アレルギー講習会、アレルギー学会学術大会、あるいは相模原のセミナー等で成人の食物アレルギーをテーマにしたしっかりした教育体制を整えていく必要があると考えます。成人の食物アレルギーの症例は増えていっているという印象を持っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 以上です。
○海老澤会長 貴重な御意見ありがとうございました。
 今回のこの指定研究の研究班ではなく、経口負荷試験の研究班のほうがあるのですけれども、そこにおいて成人の食物アレルギーの全国の診療実態の調査というのも行っておりまして、それをベースにすると、やはり先生の御指摘のとおり、皮膚科の先生が担っていただいている、内科の先生が担っていただいている。地域によっていろいろな違いがあるのですけれども、すっかり抜けているというところも多々ありまして、そこがやはり日本アレルギー学会としても非常に大きな課題かなと思っておりますし、今回の医療連携体制についてのアンケートなどでもその辺が指摘されるところかなと思います。学会としても、研究班としても、診療報酬も含めてそういったことというのを、やはり今、診療報酬が何もないというところは大きな問題なのかなと思っていますので、少しでも成人の食物アレルギーの診療体制をよりいいものにしていくための何らかの施策というのが必要なのかなと思っております。
 益子委員、お願いします。
○益子委員 失礼します。ありがとうございます。
 小児から成人への移行期医療のお話に関してですが、都道府県をまたぐ進学や就職の場合、ハードルがより高いなと感じております。うちの息子の場合、皮膚の接触でも発症するため、アルバイトをするにも飲食店NGという制限がかかってしまいますし、本人は進学で東京か神奈川に行きたいと思っておりますが、アルバイトの選択に限りがある状況でやっていけるのかという現実問題を近々に抱えております。
 今かかっているアレルギー専門の先生に、県外に行っても行かなくても、今は小児科なので18歳になったら紹介状をどこかに書いていただけるというお話はいただいてはおりますが、都道府県をまたぐ場合はお母さんが見つけてきてねというお話で、都道府県をまたぐ場合、ドクターや病院間で、例えばこの大学に進学することになっていて、ここ辺りに住むのであればというような横のつながりなどはございますでしょうか。また、保護者の立場として、探すすべなどがございましたら御教示いただけたらありがたいです。
○海老澤会長 今、アレルギー協会のほうから出ている、アレルギー領域の専門性を各科の先生方が明示していいという先生方のリストというのは一応あるのです。だから、それも一つだろうと思いますし、あとは日本アレルギー学会の専門医を探そうというサイトもあって、各都道府県の内科ベース、小児科ベース、皮膚科ベース、耳鼻咽喉科ベースで、あと、眼科ベースでも探せるというところもあります。ただ、そこについての詳細な先生方の協会で出しているような情報提供というのができていないかなとは思います。
 また、今おっしゃったことというのも今後必要なことかなと思いますので、そういう情報提供ができれば、確かに患者さんのためにいいなと思っております。
○益子委員 ありがとうございます。
○海老澤会長 浅野先生、お願いします。
○浅野委員 先ほど海老澤先生がおっしゃっていた診療報酬の点はぜひ検討していただかないと、現在、例えば内科医が食物アレルギーに興味を持って勉強しても、それを診療として実践する際に、病院の経営側から、明らかにほかの診療と比べて経営上はマイナスになってしまうので止められてしまうということは十分あり得る状況です。今の状況で成人の食物アレルギーをやっているというのは、どちらかというとモチベーションが非常に高い医師があえてやっている取組ということになってしまっているので、診療報酬の裏づけがない限り、成人の食物アレルギー診療というのは進まないと思います。
○海老澤会長 御指摘のとおりで、小児の食物アレルギーの診療ももともと何も診療報酬がないところから始めて、やはり診療報酬が経口負荷試験について、あと、栄養食事指導についてからやはり大きく変わったというところがありますので、ぜひいかに本当にやっている方にきちんとそういう診療報酬が行くというようなものも考えていきたいなと思っております。ありがとうございました。
 矢上先生、どうぞ。
○矢上委員 ありがとうございます。矢上です。
 食物アレルギーの診療では、小児科の先生の診ている食物アレルギーの患者様と、成人の食物アレルギーで診ている患者様には異なる部分があります。成人の場合には、発症の原因が職業性であったり、また、日用品だったり、皮膚や粘膜から発症する方がいて、様々です。そういうふうに考えていくと、これから先、小児からの持ち越しの方や成人で職業性などで発症する方々を診ていくときに、小児科の先生の考えやスキル、または成人を診ている皮膚科とか内科の先生方の診療スキルを一緒にもっと議論して作りあげる診療体制というのが要るのかなと思っています。拠点病院かもしれませんけれども、それこそ総合アレルギー科とか、アレルギー科などチームになって診療していく拠点病院が各都道府県にあり、患者さんが頼れる医療機関があればいいと思います。今後、そのような医療機関を目指していきたいと思いますし、全国にできたら、小児科の持ち越し、または成人発症で苦しんでいる食物アレルギーの方々を助けられるような医療ができるのではないかと思います。
 ありがとうございます。
○海老澤会長 貴重な御意見ありがとうございます。
 日本アレルギー学会では、つい最近、食物アレルギー委員会を立ち上げまして、先生にも入っていただくことになっていますが、小児科領域、そして、内科領域、皮膚科領域、耳鼻咽喉科領域の先生方に皆さん入っていただいて、今までは食物アレルギーというと小児だけという考え方だったのですけれども、全年齢を通してどうやって診療体制をつくっていくかとか、考え方を統一していくかとか、そういったことがこれから必要になってくるのではないかなと思っているので、学会としてもそういうことをいよいよきちんと取り組まなければいけないなと思っていますし、また、それを浅野先生におっしゃっていただいた診療報酬もきちんと取れるようにしていきながら、連携体制を各都道府県にきちんとつくっていくということがこれからの課題かなと思っています。すごく大きな問題ではないかなと思っていますので、またぜひ先生方の御尽力をいただけたらと思っております。ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 そうしましたら、続きまして、最後に議事4「その他」に入りたいと思いますけれども、何か委員から御意見はございますでしょうか。今まで事務局のほうで用意していただいた議事に沿って進めてまいりましたけれども、ここでぜひ発言しておきたいという方がおられましたら挙手していただいて、お話しいただきたいと思います。
 考えている間に、西間参考人、指名させていただいてよろしいでしょうか。
○西間参考人 今日の話の中で、もう少し掘っていかなくてはならない、先ほど話したこと以外に、やはり移行期の医療は、ほかの疾患でもそうなのですけれども、このアレルギー疾患の場合の移行期医療をどうするか。まさに拠点病院がそこのグループで移行期をスムーズに小児から成人、それから、高齢者に流していくという場になると思うのですけれども、それにはあまりに今の拠点病院の能力は足りない病院が圧倒的に多い。これをどういうふうに打開していくかということは、本当にこの法律が生きた法律にするためにはそれがなくしてあり得ないと思うので、そこは頭が痛いなと思いました。それと治療と仕事等の両立支援ですけれども、これもまさに移行期医療とも関係がありますけれども、小さい子供の母親の就労が十分にできないとか、それから、実際に今度は思春期、青年期の人たちがどういう仕事に就けるのかという大きな問題もあるし、それから、いわゆる中高年になったときに治療の継続でどういうふうに、せっかくコントロールできているのが専門医との接触が十分に行かなくて治療の継続ができないようなところをどうするかというところは相当大きな問題です。しかし、これは現実的にやらなくてはならないことだなと思いました。一言で言うと、この法律の中で言われているいろいろなことは、拠点病院の充実なくして先に進まないということは間違いないこととして今出ているのではないかと思います。
○海老澤会長 ありがとうございました。
 拠点病院の充実ということも非常に重要な課題だと思っております。モデル事業やっていただいた都道府県においては少し一歩先に行っていただけたと思うのですけれども、多分それ以外の都道府県は置き去り状態になっていて、やはり何らかのサポートをしていかなければいけないのだろうなと思っています。それは今後厚労省ときちんと考えていきたいなとは思っておりますけれども、かなり時間のかかることなのかなということも認識しております。
 大矢先生、御発言いただけたらと思います。
○大矢委員 ありがとうございます。
 先生方からもかなり御発言いただきましたように、移行期医療の問題点は非常に大きいと思います。それで、食物アレルギーが現在近々で非常にいろいろな問題に直面しているわけですけれども、海老澤先生が日本アレルギー学会の食物アレルギー委員会をつくっていただいて、そういう成人も含めた食物アレルギー対策というのは非常にいいことだと思います。また、内容的にも、矢上先生がおっしゃったように、小児の食物アレルギーと成人の食物アレルギーはちょっと違いまして、それから、恐らく小児の食物アレルギーはこれからだんだん減っていくであろうと思われるけれども、成人の食物アレルギーはピアスなども含めてどんどん増えていって、恐らく成人のほうが主になっていくのではないか。
 それから、FPIESなど、消化管アレルギーも子供が今、ほとんど小児科医が診ているけれども、実際に調査するとやはり成人で結構いるということが分かってきて、そうすると、成人の場合は呼吸器内科の先生が今までアレルギーが中心でしたけれども、今度は消化器の先生ですよね。消化器の先生はほとんど日本アレルギー学会に入っていないので、これはすごく問題で、やはり消化器内科の先生方にも入っていただかないといけないかなと私は思います。なので、日本エネルギー学会としても、今までほとんど関与していない消化器内科の先生にも入っていただくとか、本当は内科でトータルアラジストという形で、アメリカのような形でできれば専門医も含めて進んでいくといいなとは思いますけれども、一足飛びになかなか難しい問題もあるので、そのことも一つ、先生は念頭に置いていろいろ活動されておられますけれども、それも推進しつつ、やはりもっとアレルギーに関わってくれる領域の人たちを増やしながら、この問題を解決していくということが今後ある程度必要ではないかなという気がいたします。よろしくお願いします。
○海老澤会長 貴重な御意見ありがとうございます。
 疾病の変化にきちんと目をつけて、そのときそのときの問題点というのを明らかにしていきながら対策というのは立てていかなければいけないと思っています。先生がおっしゃるように、消化管のアレルギーというのもこれから、先ほどの都道府県の拠点病院のところでもどうもやはり手薄になっているという状況で、多分消化器の先生方が担っていて、大人の領域だと好酸球性食道炎なども日本でも結構出てきているという状況もありますので、その辺、消化器とアレルギー領域のはざまの疾患をどうやって見ていくのかというのもこれから大きな課題かなと。
 あと、発症予防ということで、先生は食物アレルギーが減るかなという予測を立てているのかもしれませんけれども、世界を見ると発症予防は成功してなくて、全然食物アレルギー、ピーナッツアレルギーを減らすことができていないというのが現状で、木の実アレルギーが今増えていますけれども、成人まで持ち越すようなタイプの小児期発症の食物アレルギーというがこれからどんどん大人のほうに送り込んでいくような状況になっていくのではないかなと思っています。ですから、それも考えてやはり食物アレルギー委員会というのを日本アレルギー学会に立ち上げたのですけれども、先生のアドバイスも考えながら、またぜひいろいろな対策に取り組んでいきたいなと思っています。
 また、拠点病院の充実もやはりどうもその辺りが結構肝になってくるのかなと思っていますので、また先生方も御尽力いただけたらと思います。
 浅野先生、お願いします。
○浅野委員 アレルギー基本法の枠組みの中に入っていないアレルギー病態で、かつ企業からのサポートが得られないものが薬物アレルギーだと思います。例えば成人などでがんに対する化学療法をしている際の薬物アレルギーが生じた場合、適切な対応がなされないと治療が制限されるというような問題もあります。数、頻度が必ずしも多くないだけに、なかなかそこに対する取組の標準化とかそういったことができていない。あるいはがんはアレルギー科医が診ている患者さんではないですので、患者さんにとって必要な情報を適切に届けるかということを考える上では、やはり基本法の枠組みの中に薬物アレルギー、全部を入れるという必要はないかもしれません。ここは改めてもう一度検討していただければと思います。
 以上です。
○海老澤会長 ありがとうございます。
 事務局のほうとしてはいかがなものでしょうか。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
 今のお話は現状でアレルギー対策基本法の対象となっていないものも含めてどういうふうに考えていくかということかと思いますが、今、先生方におっしゃっていただいていたような課題の整理からまずはしっかり始めていって、その上で何が必要かというものをきちんと一つ一つ詰めていくということかと思いましたので、引き続き、まずは目の前の課題を、先生方から今御指摘いただいたような点を中心として、しっかり足元から対応していくということかなと思っております。
 現時点でのお答えとしては以上でございます。
○海老澤会長 ありがとうございます。
 西間先生、どうぞ。
○西間参考人 今の話ですけれども、最初に法律をつくるときに、確かに薬疹というか薬物アレルギーも大きなテーマであるということは分かっていたのですけれども、初めはIgE mediatedというのは即時型のアレルギーで代表的なものをということで出したので、そのときに認識はしていたのですけれども、必ずしもⅠ型だけではないということもあって難しいところがあったので、薬物アレルギーは入れていないのです。ですから、これは5年既にたって、あと数年たつと10年たちますから、そのときの大きなテーマになるのではないかと思います。だから、それまでに、実際にそれを入れたほうがいいというのであれば、それこそ1年間ぐらいの研究をやって、そこでいろいろなことをはっきりさせて、次に備えればいいのではないかと思います。
○海老澤会長 ありがとうございます。
 日本アレルギー学会のほうでもアナフィラキシー委員会のほうでPMDAのデータとかもまとめたのです。ドラッグによるアナフィラキシー、日本で初めてだと思いますけれども、浅野先生がおっしゃるように、海外ではドラッグアラジーに対しての脱感作、重要な薬物に対しては脱感作なども行われていて、その辺は日本でアレルギー学会として取り組めていないところだなとは思っています。先生の貴重な御意見はまた検討して、対策を立てていけたらと思っております。ありがとうございました。
 ほかの先生方はいかがでしょうか。あと残すところ5分になりましたが、大体今日話したいことはできたということでよろしいでしょうか。みたいですね。
 ということで、事務局のほうにお返しする前に、まずは、本日が現行委員での最後の協議会となります。指針の改正も一緒にさせていただいたのですけれども、今日いろいろな将来に向けての課題を頂戴したかなと思っております。拠点病院というコンセプトはいいけれども、それにどうやって魂を入れていったらいいかという話と、アレルギー対策として欠けているところがありますよねという話と、やはり小児から成人のアレルギー疾患の呼吸器系、皮膚、そして、全身を含めて、本当の意味での重篤なアレルギー疾患をどういうふうにそれぞれが診ていったらいいのかという問題なのだと思うのです。やはりその中で特に欠落しているのが成人の食物アレルギーとかドラッグアラジーだったりというお話もいただきました。
 今日、最初はそれほど議論が盛り上がらない可能性があるかなと思っていたのですけれども、将来に向けての様々な御意見をいただくことができまして、厚労省の事務局とともにこれから解決していきたいなと思った次第でありまして、先生方の活発な御意見、また、将来に向けての提言をいただきまして、誠にありがとうございました。
 それでは、事務局にお返ししたいと思います。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
 海老澤会長、ありがとうございました。
 また、委員の皆様におかれましても、今回17回まで2年間にわたりまして活発な御議論に御協力賜りましたこと、誠にありがとうございました。この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。
 引き続き国のアレルギー疾患対策への御理解及び御協力、また、御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いできればと思っております。
 それでは、以上をもちまして、本日の協議会を終了したいと思います。
 委員の皆様、長時間にわたりまして御議論いただき、誠にありがとうございました。
 それでは、失礼いたします。