2023年3月16日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会 議事録

日時

令和5年3月16日(木)17:00~

出席者

出席委員(20名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理
 他参考人1名出席


欠席委員(2名)五十音順

行政機関出席者
  •  八神敦雄(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  髙橋暁子(安全使用推進室長) 他

議事

○医薬安全対策課長 定刻になりましたので、令和4年度第2回薬事・食品衛生審議会医療機器・再生医療等製品安全対策部会を開催いたします。
本日御出席の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
今回は、会議の公開については、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、YouTubeによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。
また、今回もWeb開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。議事に先立ちまして、審議の進行方法等について事務局より説明させていただきます。
○安全使用推進室長 それでは、御説明させていただきます。まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問を頂く際は、ミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。御発言のタイミングが重なったりした場合は、部会長から順に発言者を御指名していただきます。会議中、マイクの調子が悪かったりした場合などは、音声の代わりにメッセージに御記入いただくようお願いする場合がございます。システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡ください。また、もし事務局のサーバーがダウンするなどのトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
 今回より、元国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院長でいらした荒井保明委員、株式会社リテラシー・リテラジャパン代表取締役でいらした西澤真理子委員が御退任されます。荒井先生、西澤先生には、この場を借りて、これまでの御議論において貴重な御意見を頂きましたことにつき、御礼申し上げます。あわせて、新任となる委員を御紹介いたします。差し支えなければ、一言ずつ御挨拶を頂ければ幸いです。
国立循環器病研究センター心不全・移植部門長の泉知里先生です。
○泉委員 はじめまして。国立循環器病研究センターの泉です。初めてで、余り慣れないことばかりですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
○安全使用推進室長 産経新聞東京本社論説委員の佐藤好美先生です。
○佐藤(好)委員 産経新聞社の佐藤好美です。この分野に専門性があるわけではないので、少しずつ勉強しながらやっていきたいと思います。よろしくお願いします。
○安全使用推進室長 聖マリアンナ医科大学放射線医学講座画像診断・IVR分野主任教授の三村秀文先生です。
○三村委員 聖マリアンナの三村でございます。今年度まで医療機器・体外診断薬部会で委員をさせていただいておりましたが、こちらの部会は初めてですので、しっかり勉強させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○安全使用推進室長 次に、本部会の部会長につきましては、1月26日に開催された薬事分科会において、佐藤陽治委員が選任されておりますので、併せて御報告申し上げます。佐藤部会長、よろしければ一言御挨拶を頂けますでしょうか。
○佐藤部会長 分科会で選任いただきました国衛研の佐藤と申します。よろしくお願いいたします。数年前から、この部会の委員を務めさせていただいております。私自身は、10年以上、再生医療等製品の品質・有効性・安全性の評価に関する研究をしております。また、日本再生医療学会の方では、再生医療等製品の市販後調査のためのデータベースの運営にも関わっております。本部会の先生方におかれましては、それぞれの御専門の見地から、御指導のほどよろしくお願いいたします。
○安全使用推進室長 続きまして、部会長代理につきましては、薬事・食品衛生審議会令第7条第5項の規定に基づき、部会に属する委員のうちから部会長があらかじめ指名することとされております。佐藤部会長、御指名をお願いいたします。
○佐藤部会長 それでは、三村委員にお願いしたいと存じます。三村委員は、放射線医学そして画像下治療の御専門で、幅広い医療機器の知見をお持ちですし、医療機器・体外診断薬部会の委員の御経験もあり、市販前から市販後を通した視点もお持ちでいらっしゃいますので、御適任だと存じます。
○安全使用推進室長 ありがとうございます。それでは、三村部会長代理から一言御挨拶を頂けますでしょうか。
○三村部会長代理 ありがとうございます。私は、画像診断、そしてIVRと申しますのは、いわゆる画像下治療で、カテーテル治療などでございますけれども、そういう医療器具などの使用に関して経験を積んでまいりました。その経験を活かせますように頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○安全使用推進室長 ありがとうございました。関連いたしまして、部会委員の変更に伴い、安全対策調査会についても委員の変更がありますので、御報告いたします。参考資料の「医療機器・再生医療等製品安全対策部会安全対策調査会委員の改選について」を御覧ください。荒井委員に代わりまして三村委員が指名されております。
事務局からは以上です。以降の議事進行は、佐藤部会長にお願いいたします。
○佐藤部会長 議事に入ります前に、委員の出欠状況、審議への参加等につきまして、事務局から御説明をお願いいたします。
○安全使用推進室長 最初に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。宮﨑委員、山本謙吾委員より御欠席との連絡がありました。本部会の委員22名中、現時点で20名の委員に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により、定足数に達していることを報告申し上げます。
 続きまして、本日参考人として参加いただく先生を紹介いたします。「議題4.その他」の関係で、国立大学法人千葉大学大学院薬学研究院社会薬学准教授の小林江梨子先生です。
 最後に、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、報告させていただきます。薬事分科会規程第11条には、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定されております。今回、全ての委員より、適合している旨を御申告いただいております。以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に対しまして、御意見、御質問等はございますか。よろしいでしょうか。
 続いて、事務局から配付資料について御説明をお願いします。
○安全使用推進室長 資料はあらかじめメールにてお送りさせていただいておりますが、議題1に関して資料1-1-1~資料1-8-2、議題2に関して資料2-1~資料2-3-2、議題3に関して資料3-1-1~資料3-2-2、議題4に関して資料4及び参考資料4-1~参考資料4-3があります。その他、議事次第・資料一覧、委員名簿、及び参考資料として「医療機器・再生医療等製品安全対策部会安全対策調査会委員の改選について」をお送りしております。お手元に御用意のない方がいらっしゃいましたら、事務局までお知らせください。なお、本日の議題は全て報告事項となっておりますので、よろしくお願いいたします。
○佐藤部会長 ありがとうございました。早速ですけれども、議題1「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」に入りたいと思います。事務局から御説明をお願いします。
○事務局 事務局より、議題1「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」、前回の部会以降の約半年間のうちに、医薬安全対策課から発出した医療機器及び再生医療等製品の安全対策に関する通知等を御紹介いたします。
資料1-1-1~資料1-8-2にお示ししているとおり、約半年間で15報の通知等を発出しています。会議時間の都合上、各通知の詳細な説明は割愛させていただきますが、特に重要なものとして、資料1-3-1及び資料1-8-1について、御説明させていただきます。
資料1-3-1「医療機器、体外診断用医薬品等を特定するための符号の容器への表示等について」です。医薬品等の容器等に使用期限、製造番号等の製造固有の可変情報を含めた特定用符号(いわゆるバーコード)を表示することにより、その情報を電子的に管理することが可能となります。これを活用することで、製造から医療現場に至るまでの流通の一連の流れにおいて、使用記録の追跡、回収ロットの特定、製品の取り違え防止などの市販後安全対策の向上につながるという趣旨を踏まえ、令和元年の薬機法改正により、製造販売業者がこの特定用符号を製品の容器へ表示することを義務付けました。令和4年12月からの施行に際し、その詳細を当該通知で示しております。
 一部の例外を除き、全ての医療機器の容器に対して、特定用符号を表示することとしました。容器に特定用符号を表示できないような小型の製品、容器に納められないような大型の製品、プログラム等は、例外として、容器ではなく紙等に特定用符号を表示することとしました。
 続きまして、資料1-8-1「医療情報データベースを利用した調査結果に係る電子化された添付文書への記載要領の改正について」です。適正使用の観点から、医療情報データベースを利用した調査に関し、電子化された添付文書による情報提供を充実させる取組が望まれています。特に、小児などの特定の背景を有する患者のうち、十分な安全性データが得られていない患者群については、この取組の意義が高いと考えられます。実運用はこれからとなりますが、まずはこの取組と考え方を当該通知で示したところです。
議題1の説明は以上となります。
○佐藤部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に対しまして、御意見、御質問等はございますか。
ちなみに、私から一つだけ。1-3-1に関して、私自身は先ほど申し上げたとおり再生医療等製品が仕事の中心になるのですけれども、今後、再生医療等製品などについても、こうした検討はなされていくのでしょうか。
○事務局 先生、ありがとうございます。今回の施行ですけれども、医薬品、医療機器、再生医療等製品、全てが対象となっておりますので、再生医療等製品についても、その販売包装単位にバーコードを付けるというようになっております。
○佐藤部会長 ありがとうございます。
そのほか、先生方の方で御質問、御意見ございますか。よろしいでしょうか。では、議題1の報告は以上となります。
 それでは、議題2「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について」にまいります。事務局から御説明をお願いします。
○事務局 資料2-1の1ページ目を御覧ください。令和4年度の上半期である令和4年4月1日から令和4年9月30日までの6か月間の報告状況について、報告いたします。
2ページ目を御覧ください。不具合等報告の全体の概要となります。医療機器及び再生医療等製品の不具合報告制度は、製造販売業者等からの報告である企業報告制度と、医療機関等の医薬関係者からの報告制度の二つから成り立ち、1.は医薬品医療機器等法第68条の10第1項に基づく製造販売業者等からの不具合等報告について、3ページ目の2.は医薬品医療機器等法第68条の10第2項に基づく医薬関係者からの不具合等報告になり、それぞれについて報告いたします。
 まず、2ページ目の「1.製造販売業者等からの不具合等報告」です。医薬品医療機器等法第68条の2の6第1項において、医療機器及び再生医療等製品の製造販売業者又は外国製造医療機器特例承認取得者等は、医療機器及び再生医療等製品の有効性及び安全性に係る事項、その他製品の適正な使用のために必要な情報について、能動的に収集するよう規定されております。
国内にて、医療機器又は再生医療等製品の不具合が原因又はその不具合が原因と疑われる死亡や重篤な健康被害が発生した場合、又は不具合によりそれらが発生するおそれのある症例が発生した場合、製造販売業者等がそのことを知ったときには、医薬品医療機器等法第68条の10第1項に基づき、厚生労働大臣に報告する義務があります。報告の対象や、情報を入手してから報告するまでの期限については、医薬品医療機器等法施行規則第228条の20により定められております。
また、海外で使用される医療機器又は再生医療等製品にて、死亡又は重篤な健康被害が発生した症例、又はそれらのおそれがあると判断された症例に関する不具合に関する情報については、医療機器等が使用されている国の規制に従って各国の規制当局に報告等されることとなりますが、日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能、効果、性能等が同一性を有すると認められる医療機器については、それらの海外における医療機器の不具合等に関する情報を日本の製造販売業者が入手したときには、日本においても外国症例の不具合報告とし、不具合報告の対象となります。この場合の報告者は、日本の製造販売業者となります。
今回の資料では、令和4年度の前期である令和4年4月1日から令和4年9月30日までの医療機器の不具合等報告について、各項目の報告件数を示しております。
1.(1)「1)不具合報告」の件数については、国内と外国の合計が14万4,093件で、前回の令和4年7月の部会で報告しました令和3年度後期である令和3年10月1日から令和4年3月31日の件数である7万7,914件と比較して、約6万6,000件の増加となっております。今回の14万4,093件の内訳ですが、九つの製品の分類でいいますと、多いものは分類3「処置用・施設用機器等」の2万6,564件と、分類4「生体機能補助・代行機器」の11万1,006件で、この二つで全体の約95%を占めております。
 国内報告と外国報告の件数ですが、国内報告が1万3,575件、外国報告が13万518件となっており、前回の国内報告である1万4,054件から479件の減少、外国報告については前回の6万3,860件から約6万6,700件増加となっております。
また、コンビネーション医薬品の医療機器部分における不具合報告は、国内報告876件、外国報告が1,481件の、計2,357件がありました。また、再生医療等製品の不具合報告は、国内報告214件、外国報告が1,164件の、計1,378件の報告がありました。
 続いて、「2)感染症報告」は、医療機器、コンビネーション医薬品、再生医療等製品0件でした。
3ページ目に入りまして、(2)の海外の規制当局や外国製造元等が行った措置を報告する外国措置報告については、医療機器が380件、再生医療等製品は5件でした。
「(3)研究報告」は、医療機器について2,002件、再生医療等製品は0件、「(4)感染症定期報告」は、医療機器が32件、再生医療等製品が74件でした。感染症定期報告の詳細については、次の議題で御説明いたします。
また、「2.医薬関係者からの不具合等報告」は、医療機器では132件、コンビネーション医薬品では6件、再生医療等製品では0件でした。「3.副作用救済給付又は感染救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告」は、医療機器、再生医療等製品ともに0件でした。
 次に、全体の報告件数の推移等について御説明いたします。4ページ目を御覧ください。4ページ目から7ページ目には、過去3年分の不具合報告件数の推移を、グラフ及び表で示しております。4ページ目は国内報告と外国報告を合わせた件数のグラフを、5ページ目は国内報告件数のグラフを示しております。医療機器不具合報告の全体の報告件数の傾向としては、令和3年度後期の7万7,914件から今回の報告まで6万6,179件増加の14万4,093件となっており、報告数全体としては増加しており、特に外国報告の件数が増加しております。
この理由は、フィリップス社によるCPAP製品の回収が大きいと考えております。CPAP製品群は、分類4(上から2本目の青色の線)に含まれており、令和4年度前期にかけて増加しており、今回の報告期間では製品群全体で約5万件報告されております。分類3(上から3本目の黄色の線)は、メドトロニック社のポータブルインスリンポンプの電池キャップ破損に係る情報提供があったため、増加しております。なお、回収や情報提供の実施により、使用者の当該事象の認知度が高まり、不具合が発見されやすい状況となったことから、事象に関する報告が増加している可能性が考えられます。
 続いて、6ページ目のコンビネーション医薬品については、令和元年度後期から2,000件前後の水準となっており、報告件数に大きな増減傾向は認められません。
再生医療等製品については、前回の報告期間から大きな増減傾向は認められません。市販後において新たに確認された不具合については、添付文書改訂指示を行う等、引き続き対応してまいります。具体的な再生医療等製品の品目別不具合発生件数の推移については、15~16ページ目に記載のとおり、令和3年度の後期と比較して、国内報告は2件増加、外国報告は160件増加しております。
○医薬品医療機器総合機構 続きまして、8ページ目以降の、製品の分類ごとの不具合について、機構から説明いたします。8ページ目以降においては、後の資料2-2-1~2-2-2の膨大なラインリストより、主要なものをピックアップして説明いたします。
まず、8ページ目を御覧ください。「2.令和4年度前期の不具合報告の概況」の「2-1各分類における国内不具合報告」には、各分類における国内の不具合報告件数と、その中でも特に報告件数の多かった品目の一般的名称、その主な不具合又は健康被害状況をピックアップして記載しております。
 表の「一般的名称等」の列には、一般的名称ごとの不具合等報告の件数について、多いものから順に第1位から第3位までの一般的名称を掲載しております。また、「主な不具合又は健康被害状況」の列には、それぞれの一般的名称の製品群で報告された不具合又は健康被害の件数について、多いものから順に第1位から第3位までの事象を記載しています。なお、同数で同順位となる一般的名称や事象名についても、全て掲載しております。
 分類(1)の「画像診断用機器」として、超電導磁石式全身用MR装置、OCT画像診断装置等、合計18件報告されております。
分類(2)の「生体監視・臨床検査機器等」として、再使用可能な高周波処置用内視鏡能動器具、再使用可能な内視鏡用能動処置具、硬性手術用ランバースコープ等、合計470件報告されております。
分類(3)の「処置用・施設用機器等」として、ポータブルインスリン用輸液ポンプ、中心循環系血管内塞栓促進用補綴材、アブレーション向け循環器用カテーテル等、合計5,204件報告されております。
 続いて9ページ目を御覧ください。分類(4)の「生体機能補助・代行機器」として、大動脈用ステントグラフト、成人用人工呼吸器、心内膜植込み型ペースメーカリード等、合計6,475件報告されています。
分類(3)と(4)については、リスクの高い医療機器が多く分類されていることもあり、報告件数が多くなっております。
分類(5)の「治療・鋼製機器等」として、骨手術用器械、治療用電気手術器、脊椎手術用器械等、合計1,139件報告されております。
分類(6)の「歯科用機器・材料」として、歯科用骨内インプラント材、歯科用インプラントフィクスチャ、歯科用カーバイドバー等、合計6件報告されております。
分類(7)の「眼科用機器」として、挿入器付後房レンズ、多焦点後房レンズ、後房レンズ等、合計184件報告されています。
 続いて10ページ目を御覧ください。分類(8)の「衛生材料・避妊用具・家庭用機器等」として、家庭用創傷パッド、家庭用電気マッサージ器、子宮内避妊用具等、合計で11件となっております。
分類(9)の「プログラム医療機器」は、生殖細胞系列遺伝子変異解析プログラム(罹患リスク判定用)、ホウ素中性子捕捉療法用治療計画プログラム、体細胞遺伝子変異解析プログラム(抗悪性腫瘍薬適応判定用)等、合計68件と報告されております。
なお、これらの国内での不具合の報告及び外国での不具合の報告については、資料2-2-1にまとめておりますので、後ほど説明いたします。
 続いて11ページ目を御覧ください。令和元年10月1日から令和4年9月30日までに、新医療機器として承認された品目の国内での主な不具合報告の状況について説明いたします。各承認年度において不具合等報告の件数のうち、多いものから順に第1位から第3位までの品目を掲載しており、令和元年度から令和4年度までで、分類としては分類3、4、5、9です。多くが添付文書に記載されている既知の事象となっております。また、未知の事象については、今後も注視し、必要に応じて添付文書を改訂するとともに、医療現場への情報提供を行ってまいります。引き続き、不具合・健康被害の情報を注意深く収集しております。
 コンビネーション医薬品の医療機器部分の不具合報告のうち、国内報告は780件となっております。これらの不具合報告の詳細については、資料2-2-2「コンビネーション医薬品不具合報告」に別途まとめております。
 続いて17ページ目を御覧ください。こちらは、国内での過去5年間の不具合報告の公表状況についてまとめたものです。年度単位での集計になっております。報告された不具合報告は、公表するとともに、最終的に転帰が死亡として報告された症例については、製造販売業者による調査が全て完了した後に、事象と製品との因果関係について評価を行い、評価が終了したものから、その結果についても随時公表しているところです。死亡との因果関係が否定できないものをA評価、死亡との因果関係が認められないものをB評価、死亡との因果関係が評価できないものをC評価としております。
 続いて、18~19ページ目には、死亡症例のうち、死亡との因果関係が否定できないAと評価された医療機器の一般的名称別の件数を示しております。こちらの表の報告件数については、一般的名称で分類していること及びそれぞれの分類における製品数や使用者数も異なることから、この資料により、個々の製品の不具合発生率の傾向等について議論ができるものではありませんが、御参考として御覧いただければと思っております。主に、大動脈用ステントグラフト、経カテーテルウシ心のう膜弁、経カテーテルブタ心のう膜弁などのリスクの高い症例での治療に使用される分類(3)と(4)の医療機器の件数が多い傾向にあります。医療機器に関する資料2-1の説明は以上です。
 続いて、資料2-2-1~2-2-2ですが、先に説明しましたとおり、資料2-1の中で主要な不具合について説明いたしましたので、内容の説明については先の説明をもって資料2-2-1~2-2-2の説明に代えさせていただき、ここではラインリストの見方についてのみ紹介いたします。
まず、資料2-2-1の1ページに「注意事項」として、この不具合報告リストの見方を記載しております。このリストについては、医療機器との因果関係が不明なものも含め、製造販売業者等から報告された内容を基に記載しております。また、報告に関する分類は(1)から(9)まで9分類に分類されていて、次に「目次」が記載されており、その次から表の下にページ番号を記して一覧を記載しております。一覧の掲載順については、医療機器の一般的名称、販売名、企業名の順に五十音順で掲載しております。それぞれの件数については、提出された報告書の件数を示したものであり、同一の症例で複数の医療機器が関与している場合には、複数の企業からそれぞれ報告されることがあることから、このような場合には同一の症例を重複してカウントしております。したがって、報告件数がそのまま症例数にはならない場合があることに御留意いただければと思います。
 また、報告症例の中には、不具合状況がなし又は不明であり、かつ、健康被害状況が不明のケースがあります。これは、健康被害状況が不明で、現品調査を実施できない、得られた使用状況の情報が限られているなどの理由から、機器との因果関係を否定できないと判断するだけの情報が得られなかったため、不具合報告がされたものです。
 表の右端の「対応状況」の欄に、報告症例に対する対応措置の項目として、原則として報告期間対象期間の末日である令和4年9月30日時点での措置の内容を簡潔に記載しております。「回収(改修)」と記載しているのは、製品を医療現場等から引き上げる「回収」をした場合、又は修理や検査の実施等を行った「改修」の措置をとったことを示しております。「情報提供」と記載したものは、添付文書の改定、あるいは書面による注意喚起文書を医療機関等に配布したなどの措置をとったものです。この中には、既に添付文書等で、関連する注意喚起の記述がなされているものも含んでおります。
資料2-2-1の医療機器の不具合報告のまとめと同様に、資料2-2-2ではコンビネーション医薬品の医療機器部分に関する不具合、資料2-3-1では再生医療等製品に関する報告を、それぞれ一覧表でまとめております。
 続いて、資料2-2-3について御説明いたします。医療機器に関する外国措置報告については、企業が外国でも同一性を有する製品、つまり日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能、効果、性能等が同一性を有すると認められる外国で使用されている医療機器を製造販売している場合に、外国の規制当局などでとられた措置について、日本の行政当局にも報告をするというものです。令和4年度前期では380件の報告がされております。資料の一番右の2列について、日本の対象製品がない場合を除き、おおむね日本においても同様の対応をとっているという状況です。
 続いて、資料2-2-4について御説明いたします。医療機器研究報告は、不具合の発生頻度、発生条件などの疫学調査や集計・分析等に関する内容の文献報告等があった場合に報告されるもので、今回は文献数にして2,002報ありました。なお、今回報告により、安全対策上の特段の措置が必要になったものはありません。
○医薬品医療機器総合機構 続きまして、再生医療等製品について説明いたします。
資料2-1の13ページ目を御覧ください。「2-3-1」に再生医療等製品の主な国内不具合報告をお示ししています。再生医療等製品は国内報告全体で214件報告されています。表には期間中の不具合報告件数が多い3品目を記載しています。また、主な不具合又は健康被害状況については、報告件数上位3位の事象を記載しております。これらの報告は、資料2-3-1「再生医療等製品不具合報告」にまとめております。
 続きまして、資料2-1の13ページ目の「2-3-2」を御覧ください。令和元年10月1日から令和4年9月30日までに、新再生医療等製品として承認された品目の、国内不具合報告について説明いたします。表には、期間中に国内不具合報告があった品目を示しており、主な不具合又は健康被害状況については、各々の品目における報告件数の上位3位までの事象を記載しています。なお、表に記載の品目以外に承認された品目は6品目ありますが、これらの品目については、期間中に不具合報告はありませんでした。20ページには、先ほどの医療機器と同様ですが、過去5年間の国内不具合報告の公表状況、死亡症例の公表等についてまとめています。詳細は割愛させていただきますが、参考にしていただければと思います。
 続きまして、資料2-3-2について説明いたします。再生医療等製品に関する外国措置報告は、期間中に5件あり、キムリア点滴静注に関する報告が1件、ゾルゲンスマ点滴静注に関する報告が4件となっています。キムリアの1件については、米国添付文書が改訂されたもので、本邦添付文書にて注意喚起済みの内容となっております。ゾルゲンスマの4件のうち、1件は感染症を合併した患者への注意等に関する内容で、本邦における対応は検討中となっております。残りの3件は致死的な肝不全に至った2例の海外報告を受けたものであり、本邦においても肝機能モニタリング等に関する注意を促す医療従事者向けのレターを企業より発出しております。
なお、再生医療等製品に関する研究報告はありませんでした。説明は以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局からの御説明に対して、御意見、御質問等はございますか。
○中川委員 よろしいでしょうか。
○佐藤部会長 はい、よろしくお願いします。
○中川委員 横浜栄共済病院の中川と申します。御報告ありがとうございます。大変多くの不具合、感染報告がありました。その中で、その数の多さに、年々増えていくことに対して、非常に驚きを感じています。資料2-1にありますが、医薬品医療機器等法の第68条の12について、ポイントをお伺いしたいのですが、「医療機器又は再生医療等製品の使用による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するために必要な措置を講ずるものとする」とありますが、この危害の発生とか拡大を防止するための「措置」が、添付文書の改訂や販売企業からの情報の発出等はあるのですが、それが現場の医療従事者にきちんと届いているかどうかの確認が、やはり必要ではないかと考えております。この拡大や危害の発生を防止するための「必要な措置」というのが、具体的にどういうものかを御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○佐藤部会長 ありがとうございます。事務局から御説明いただけますか。
○安全使用推進室長 事務局です。御質問ありがとうございます。今、先生が言ってくださった点が大切で、添付文書の改訂では、添付文書に必要な情報を追記する、添付文書とは別の情報提供が必要であれば、企業の方で情報提供文書を作って納入先の医療機関に配布していただく等、添付文書だけではなく、適宜情報提供文書を作って配布していただくことも重要ですので、そこは企業にしっかり納入先を押さえていただいて、きちんと情報をお届けできるように指導していくというような体制をとっております。以上です。
○佐藤部会長 よろしいでしょうか。
○中川委員 やはり販売メーカーからの情報の発出が非常に重要で、最終的には、その医療機器を利用する医療従事者まで、その情報が早く届くことを願っておりますので、是非よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○安全使用推進室長 ありがとうございます。
○佐藤部会長 非常に重要なポイントだと思います。ほかに、御意見、御質問、気になる点、御不明な点はありますか。佐藤好美委員、よろしくお願いします。
○佐藤(好)委員 ありがとうございます。産経新聞の佐藤です。基本的なことを質問させていただきます。医薬品については、一部の薬を除いて副作用被害救済制度のようなものがありますが、医療機器については、このような制度があるのかないのか、ないとすればその理由を教えてください。
○佐藤部会長 これは、事務局から御回答いたしますか。
○事務局 先生、御質問ありがとうございます。医療機器については、救済制度といったものはありません。ただ、医薬品は適正使用された場合であっても副作用が起こると想定されることから制度ができているのですが、医療機器は適正使用された場合の不具合、破損や作動不良といったものが想定しづらく、使用者の手技や手順によるところが大きいと考えられますので、制度の対象として含まれていないという状況になっております。
○佐藤(好)委員 分かりました。ありがとうございます。何となく必要なのではないかという気もいたしましたが、取りあえず承知いたしました。ありがとうございました。
○佐藤部会長 そのほか、いかがでしょうか。
それでは、私から一つ、よろしいですか。資料2-1の「分類(9)プログラム医療機器」のところで、「一時的に最終報告へのアクセスができなくなった疑い」が52件あるということなのですが、これはプログラム自体の問題なのか、それとも外部からの何か攻撃のような外部要因なのかは、区別しなくていいのかということが少し気になるのですが、その辺はいかがでしょうか。
○安全使用推進室長 ちょっとお時間を頂きます。
○医薬品医療機器総合機構 機構からお答えさせていただきます。こちらについては、まず、他者からのアクセスということではなく、プログラム自体の問題、不具合であったということでした。改修も行われていますので、当該不具合は解消しております。
○佐藤部会長 ありがとうございます。そうすると、今、申し上げたような後者の場合は、また別の表現で報告がくるということですか。
○医薬品医療機器総合機構 他者のアクセスの場合でしょうか。
○佐藤部会長 はい。
○医薬品医療機器総合機構 そちらは、区別して評価すべきとこちらも考えておりますので、そういった場合には、こちらの文言については、報告企業と相談しながら、適切な文言で区別ができるように工夫をしていきたいと思っております。
○佐藤部会長 承知しました。ありがとうございます。
そのほか、ございますか。よろしいですか。
○外園委員 いいですか。見ながら考えていたので質問が遅くなったのですが。
○佐藤部会長 外園委員、よろしくお願いします。
○外園委員 再生医療製品が増えてきた中で、再生医療製品だけは医薬品と医療機器と全然カテゴリーが違っていて、製品が生ものなので、この再生医療等製品の「不具合状況」が「なし」とは、どういうことなのかなと。いろいろな健康被害がこれまでのカテゴリーで分類されていると思うのですが、再生医療製品は、生ものとして駄目になることがありえる中で、こういった回収の形でいいのかなと。再生医療製品は製品のクオリティとかも含めて、多分、機構の審査も非常に慎重に審査されていたと思うので、「不具合」が分かりにくい。不具合の回収の仕方が、これで本当にいいのかなと思いました。コメントといいますか、その辺をどのように考えられているのかなと思い、教えていただければと思います。
○安全使用推進室長 先生、事務局です。今、不具合状況が「なし」とおっしゃっておられたように聞こえたのですが、どちらの資料でしょうか。
○外園委員 表ですね。資料2-3-1の再生医療等製品不具合報告の、私が見て気にしていたのは、この1ページの「不具合状況」と「健康被害状況」という、この表の上のラインのところです。健康被害状況は、番号が1の方だったら「血小板減少症」と書いてあり、その不具合状況が「なし」で入っていて、これはどう解釈するのかなと思い、この表をずっと見ていたのです。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えいたします。資料2-3-1に記載がある、不具合状況が「なし」となっているものに関して、製品自体の機能不全、例えば、製品を適用した後に生じた健康被害という視点ではなくて、製品自体に何らかの品質上の不具合が報告されたケースに分類されて報告があった場合に、不具合状況が「あり」となります。多くのケース、今御覧いただいているもの、「なし」となっているものに関しては、そういった製品自体の不具合は報告としてはなく、内容としては、製品を投与した後に生じた健康被害状況が報告されているという見方になります。
○外園委員 そのときに、再生医療製品だけが、例えば生物由来の感染などいろいろ報告するので、その「なし」というのが、本当に「なし」なのかなと、そういう目で見てしまいましたので、「不明」とか、もう少し詳しく説明があったらよかったかなと。感想ですが。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。感染がもしあった場合には、健康被害等でまた上がってくると思いますが、その場合に、何に由来しているのかといったところの分析等は行っていくことになりますので、その中で、どのような報告があるかについては、分析、評価もさせていただきたいと思っております。
○外園委員 分かりました。ありがとうございます。
○佐藤部会長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、議題2の報告は以上となります。
 それでは、次にまいりたいと思います。議題3「医療機器・再生医療等製品の感染症定期報告について」です。事務局から御説明をお願いします。
○事務局 それでは、報告3の感染症定期報告についてです。資料は資料3のシリーズになります。
まず、感染症定期報告について、制度の概要を説明いたします。ヒトや動物等に由来し、保健衛生上特別な注意を要するものとして、厚生労働大臣が指定する生物由来製品については、その原材料が細胞組織等であることから、未知の感染因子を含有している可能性が否定できません。また、感染症については、一般的な医薬品・医療機器の副作用、不具合等と比べ、製品との因果関係が明確になる以前から潜在的に感染が進行するおそれがあり、さらに、感染した後は、時間の経過に伴い軽減することなく、一定期間経過後に顕在化するおそれもあります。このような背景も踏まえ、生物由来製品については医薬品医療機器等法において、製造販売業者等に対し、製品への直接的な影響がまだ不明の原料動物等の感染症に関する最新の知見を常に把握し、それを集積した上で感染症のリスクを多角的に評価・検討し、その結果を報告するよう義務づけております。これが感染症定期報告になります。感染症定期報告で寄せられた情報については、本部会も含めた薬事・食品衛生審議会に報告し、措置が必要ないかを御検討いただいております。以上が感染症定期報告の概要です。
 資料は3-1と3-2に分かれており、3-2は重複を含む期間中の全ての報告になります。そのうち、重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが資料3-1になります。また、資料番号末尾が1の3-1-1及び3-2-1が医療機器、末尾が2の3-1-2及び3-2-2が再生医療等製品の報告をまとめたものとなっております。
 それでは、資料3-1-1の医療機器の報告を御覧ください。今回は、2022年4月1日から2022年9月30日までに報告されたものをまとめております。こちらについては、今回、新たに報告された文献は47件ありました。詳細な説明は省略させていただきます。
 次に、資料3-1-2の再生医療等製品の報告を御覧ください。こちらについては、今回、新たに報告された文献は10件ありました。
これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員、宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に、御確認いただいております。
 資料3-1-1のID39のBSEに関する文献の一部記載について、誤解を与え得る表現があるとして、脇田委員、宮﨑委員よりコメントを頂いておりますので紹介させていただきます。「概要欄中に、非定型BSEについて「ヒトへの感染およびウシ-ウシ間の伝播の証拠は確認されていない。」と記述されており、原文の方にも同様の記述がされていることを確認しました。しかしながら、実験的には非定型BSEがウシからウシへと伝播することが示されていることを考慮すると、非定型BSEに対するリスク評価に誤解を与え得る表現のように思われます。ただし、本報告自体は、新たな安全対策措置が必要であることを示唆するものではないと判断します。」というコメントを頂いております。
 事務局としては、原文及び感染症定期報告書内で該当の記載があることを踏まえ、資料内ではそのまま引用する形としていますが、一方で、非定型BSEに対するリスク評価に誤解を与え得る表現となっていることは御指摘いただいているとおりですので、先生方よりコメントを頂いた部分として、この場で御紹介させていただきます。
報告3の感染症定期報告に関する説明は以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に対して、御不明な点や、御意見、御質問等はありますか。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。では、議題3の報告は以上となります。
続いて、議題4「その他」です。事務局の方から御説明をお願いします。
○事務局 資料4「医療機器の総括製造販売責任者の資格要件の見直しについて」、御説明いたします。まずは、本議題の背景について説明させていただきます。医療機器の製造販売業者は、医療機器の製造管理及び品質管理並びに製造販売後安全管理を行わせるために、総括製造販売責任者、いわゆる「総責」を置かなければならないとされ、資料4の3ページに別紙1として示しているとおり、該当する者の基準が定められています。
令和3年度の規制改革推進会議において、プログラム医療機器、以下「SaMD」と言いますが、その開発に関する医療機器製造販売業規制等の見直し等について議論がなされました。同会議が令和3年12月22日に決定した「当面の規制改革の実施事項」において、現行の医療機器の総責の資格要件について、「諸外国の状況も含めた実態の把握を行い、SaMDの適切な製造管理及び品質管理並びに製造販売後安全管理を行うための課題を明らかにした上で、資格要件として定められている学歴に該当しない場合の対応として、オンラインでの研修等を含めて検討する。」こととされました。
 この規制改革での議論を受け、本日、参考人として御出席いただいている千葉大学薬学研究院の小林江梨子先生を研究代表者として実施した令和4年度厚生労働科学特別研究事業「医療機器の総括製造販売責任者の資格要件の見直しに資する研究」、以降「研究班」と称しますが、それにおいて、SaMDに限らず、総責の適切な資格要件を検討するための基礎的な知見を得ることを目的とした検討がなされました。
今般、研究班から参考資料4-2の提言書が提出されたことを踏まえて、総責の要件について見直しを行うこととしました。
 「2.」に、研究班による検討結果を示しています。研究班では、国内の医療機器製造販売業者を対象とした総責の資格等要件基準に関する調査、以下「アンケート調査」と言いますが、を実施しました。その中で、総責の要件に関する要望として、「研修受講により業務経験年数を代替する措置を追加してほしい」、「大学で指定の専門課程以外の課程を修了した者であっても、研修受講により資格要件を満たすようにしてほしい」の二つが高い要望としてあげられました。
また、海外調査においては、本邦における総責に合致するポジションはないものの、例えば欧州では、大学の学位+専門的な経験を規制遵守責任者の要件としている例がみられました。
アンケート調査及び研究班での検討の結果に基づき提出された提言書において、現在、大学等で指定の専門課程以外の課程を修了した者は、医薬品医療機器等法施行規則第114条の49第1項第3号の規定により、医薬品、医療機器又は再生医療等製品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に5年以上従事した後、講習受講により資格要件を満たしていることから、大学等で指定の専門課程以外の課程を修了した者が、研修受講により業務経験年数を代替する要件として、四角囲みでお示ししているとおり、「学部を問わない大学等卒業+医薬品、医療機器、再生医療等製品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に3年以上従事+講習(資料4の4ページの別紙2でお示ししている、現行の第3号の講習内容から変更なし)」という案が提案されました。
 なお、提言書では、現行の規制で講習を求められていない第1号や第2号の要件に該当する者についても専門研修を義務づけてはどうか、更新時に講習受講を求めてはどうか等の意見があり、既存の講習はオンライン受講ができ研修目的での受講も可能なので、そういった講習の活用や業界での研鑽の取組が期待されると付言されています。また、「総責の資格要件は、製造業の責任技術者の要件を参考に規定された経緯があることも踏まえ、責任技術者についても同様の見直しを検討することが望まれる。」とされました。
 「3.今後の対応方針」としては、研究班による調査結果を踏まえ、現在の総責の要件と同等以上の知識、経験を有する者として、「学部を問わない大学等卒業+医薬品、医療機器、再生医療等製品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に3年以上従事+講習(現行の第3号の講習内容から変更なし)」を追加することを考えております。資料の説明は以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございました。本日は、小林参考人にお越しいただいておりますので、小林参考人の方から御意見を頂きたいと存じます。よろしくお願いします。
○小林参考人 ただいま事務局から説明がありましたとおりです。研究班では、新たな「総責」の資格要件として、指定分野以外の大学等の卒業者に対して、研修と業務経験3年間により、総責の資格要件を満たすことが妥当であるとの結論を得ましたので、御報告いたします。以上です。
○佐藤部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に対して、御意見や御質問、そのほかコメントはありますか。
○中川委員 よろしいでしょうか。すみません。度々失礼します。機器の件なのですが、この中にプログラム医療機器というものが含まれていると思うのですが、そこの要件の所に、基本的には、修めてきた学問というものが、工学系のものや薬学系のものが主に含まれているのですが、これは、今後増えてくると思われるプログラム医療機器の不具合に対する専門的な知識を要求するものというのは、この要件の中に具体的に今後組み込まれるものというのを検討されているのかどうかをお聞かせください。よろしくお願いいたします。
○佐藤部会長 事務局の方から、検討状況、あるいはどうなっているのかということについて。
○事務局 中川先生、御質問いただきありがとうございました。今回、検討するきっかけとなったのはプログラム医療機器ですが、研究班においては限定せず医療機器全体の資格要件について検討しました。そのため、プログラムに関する不具合の専門的な知識を有する方を追加するという形になっていません。実際に、製造販売業者の方で、不具合に関しても適切に対応していただける方を選定しているというように考えておりますので、そこを要件の中に組み込むことは特段不要かと、現時点では思っているところです。以上です。
○中川委員 ありがとうございます。こちらの要件でということで理解させていただきました。将来的にプログラム医療機器というものが更に発展してきたところで、またこういった問題が出てくるかと思いますので、是非今後こういった資格要件等を決めるときに、新たに必要なプログラム医療機器のプログラムやサイバーセキュリティなどについても御検討いただき、医療の安全が確保できるようにしていただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 御意見として頂戴いたします。ありがとうございました。
○佐藤部会長 非常に重要なところだと思いますので、やはり世の中の動向や技術の進歩などを見ながら、行政の方にも対応していただきたいと存じます。ありがとうございます。
 そのほか、ありますか。正宗委員、お願いします。
○正宗委員 東京女子医大の正宗です。一応確認です。先ほど更新という件ですが、第1号、第2号も、今後いわゆる更新時に講習受講を求めるということで、今回の件も、これは何年かおきに更新するときにということがあるのかということと、その講習や受講をするのかというのが質問です。私は現行のルールも分かっていないので、その辺を教えていただければと思います。
○事務局 御意見いただきありがとうございます。現行の規制では特に講習等を求められていないものについても、研究班での検討結果、最新の情報などを得るために適切に講習をやっていったほうがいいのではないかという御意見がありましたので、そこについて厚労省としても検討してまいりたいというように考えております。
○事務局 補足しますと、現時点で、今回の議論の中で、直ちに講習を義務づけるということではなくて、まずは、既存の講習の研修目的で受講していただくとか、業界内での研鑽の取組というところで、お願いできればと考えているところです。
○正宗委員 先ほど言ったように、新しいものが、SaMDも然り、どんどん出てくるというところもあります。定期的にというとお手間にはなるので何年ごとが良いのかは議論が必要かもしれません。研鑽を求めるということでもありますが、そのようなところでも安全を保障したほうが良いのかと思いました。どうもありがとうございます。
○事務局 ありがとうございました。
○佐藤部会長 そのほか、ありますか。いかがでしょうか。よろしいですか。では、議題4の報告は以上です。
予定していた議題は以上ですが、事務局から何かありますか。
○安全使用推進室長 次回の部会の日程につきましては、本年7月頃を予定しておりますので、またよろしくお願いいたします。以上です。
○佐藤部会長 それでは、これで令和4年度第2回医療機器・再生医療等製品安全対策部会を閉会させていただきたいと存じます。長時間にわたり、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
( 了 )
 
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬安全対策課 安全使用推進室 医療機器情報専門官 齋藤(内線2751)