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技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議(第68回)議事要旨
人材開発統括官海外人材育成担当参事官室
日時:令和5年6月5日(月) 10:00~12:00
場所:Web会議
出席者:市田委員、岩崎委員、漆原委員、大迫委員、後藤委員、當間委員、花山委員、堀委員
厚生労働省人材開発統括官付海外人材育成担当参事官室、出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課、外務省領事局外国人課、外国人技能実習機構
(林業職種関係)林業技能向上センター、林野庁林政部経営課林業労働・経営対策室
(食鳥処理加工業職種関係)日本食鳥協会、農林水産省畜産局食肉鶏卵課
(宿泊職種関係)宿泊業技能試験センター、観光庁観光産業課、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生課
議題
(1)林業(育林・素材生産作業)の職種追加について(職種の概要等の確認)
(2)食鳥処理加工業職種(食鳥処理加工作業)の試験の実施・運営の改善について
(3)宿泊職種(接客・衛生管理作業)の試験の実施・運営状況の報告について
【概要】
(1)林業(育林・素材生産作業)の職種追加について(職種の概要等の確認)
○林業(育林・素材生産作業)を移行対象職種として技能検定及び審査基準を整備することに関して、林業技能向上センターから職種の概要等について説明が行われ、主として以下のような質疑が行われた。
・集材作業について、関連業務に位置付けているが、重機を使用するなど危険な作業であるため、必須業務へ位置付けを変更し、集材作業に関する技能の習得状況も試験で確認すべきではないかとの意見があった。これに対し、関連業務として伐木等機械や走行集材機械を運転させる場合であっても、事業者は労働安全衛生法令に基づく特別の教育を行わなければならないことから、当然、技能実習計画にも当該教育の実施が盛り込まれ、十分な技能習得がなされることになると考えているとの回答があった。
・労働安全衛生法令に基づく特別の教育は12時間と限られており、日本語が母国語でない技能実習生に対しては十分ではないと思われることから、理解度の確認が必要であるとの意見があった。これに対し、検討する旨の回答があった。
・技能の習得と、技能に付随して習得する安全衛生対策とは、別に分けて整理してもいいのではないか、その中で、技能を評価する際に、安全衛生対策についても確認し、労働者の安全衛生対策が逸脱している場合には、試験を中止するということはよくあることではないかとの意見があった。これに対し、作業ごとに必要な安全衛生対策を整理するとの回答があった。
・国内の林業の従事者が減少している推移が示されているが、この足りない労働力を技能実習生で補填することを考えているのかとの質問があった。これに対し、国内の林業の従事者が減少している推移のデータを出しているのは、国内の林業従事者の減少を技能実習生で補填するといった意図ではなく、労働者は減っている中で生産量が増えているという生産性が向上していることを示すためとの回答があった。
・技能実習は、技能を移転しながら、同時に労働力も確保するという考え方なのかとの質問があった。事務局から、技能実習法に労働力需給の手段としてはならないという明文の規定があるため、現行制度は制度上、労働力確保を目的としていないとの回答があった。加えて、日本人がなかなか就業しない産業の労働力として期待されている実態を無視していくことは難しいが、少なくとも、この会議の場では、移転すべき技能を段階的に習得することができる技能実習になるのかどうかとの観点で確認することとなるとの回答があった。
・今回の林業職種について、母国においてどのような業務に従事している者を、技能実習生として受け入れることを想定しているのかとの質問があった。これに対し、実習を希望する者の母国における林業との関わりの度合いは様々であると考えており、その場合は、個々の実習計画が異なってくると考えているとの回答があった。
・前職経験がなくても、日本で一から林業を学びたいとの意欲のある人を受け入れると整理すべきで、従事経験のない素人が入る前提での実習内容を検討すべきではないかとの意見があった。これに対し、事務局から、現行制度上、従事経験や関連教育を受けているなど、程度は様々であるが関連の経験をしていることを求めているところであるが、本日の説明によると、海外の現場の現状は日本の現場と全く異なっているとのことなので、素人を受け入れることを前提とした安全教育や技能の習得方法を検討することになるのではないかとの回答があった。
〇検討の結果、林業(育林・素材生産作業)については、次回以降、引き続き、議論が行われることになった。
(2)食鳥処理加工業職種(食鳥処理加工作業)の試験の実施・運営の改善について
〇食鳥処理加工業職種(食鳥処理加工作業)の試験の実施・運営について、日本食鳥協会から、第65回会議での指摘を踏まえて、どのように改善を図っていくのか説明が行われ、主として以下のような質疑が行われた。
・通訳について、試験中に同席させるのかとの質問があった。これに対し、試験前の注意事項を説明する際には同席させるが、試験中は同席させないとの回答があった。
・受検にあたっては、技能実習生が日本語による注意事項について理解できるようになっていることが前提ではないのかとの質問があった。これに対し、例えば、体調不良時にどこが悪いのか的確に日本語で伝達するのは難しいこともあることから、何かあったときのために、通訳にいてもらっているとの回答があった。
・受検に遅刻した理由が病院へ行ったための場合、確認する方法として診断書を入手させるのかとの質問があった。これに対し、技能実習生が1人で病院に行くようなことはあまりなく、実習実施者が連れて行くことになるため、診断書を入手させるようなことはないとの回答があった。
○ 報告の結果、食鳥処理加工業職種の技能実習評価試験について、試験実施機関は会議で受けた指摘に対応し、より一層適切な実施に努めることとされた。
(3)宿泊職種(接客・衛生管理作業)の試験の実施・運営状況の報告について
○ 宿泊職種(接客・衛生管理作業)の試験の実施・運営状況について、宿泊業技能試験センターから報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・試験において、接客に対する心構えといった技能をどのように評価するのかとの質問があった。これに対し、心構えというと抽象的だが、接客対応はマニュアル化されており、マニュアルに沿った対応ができるかどうかで評価するとの回答があった。
・採点基準に、出発時の対応の笑顔があるが、笑顔ができているかどうか客観的な基準がないと、試験監督者の採点にばらつきが出るのではないかとの質問があった。これに対し、実技試験採点マニュアルにおいて、文字や写真で、口角が上がっているかなど具体的に示しているとの回答があった。これに対し、できるだけ客観的な基準とするよう、意見がなされた。
○ 報告の結果、宿泊職種の技能実習評価試験について、試験実施機関は会議で受けた指摘に対応し、より一層適切な実施に努めることとされた。
(以上)