照会先

健康局 予防接種担当参事官室

ワクチンシステム高度化推進専門官
 小畠 啓史(内線2377)
リスクコミュニケーション係長
 上田 麻亜弥(内線2388)

(代表電話) 03 (5253) 1111

報道関係者各位

「HPVワクチンに関する調査」(理解度に関する調査、情報周知の実態に関する調査)の結果を公表します

 厚生労働省では、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン(※)について、接種対象者本人やその保護者における理解の傾向等について調べるため、「HPVワクチンにおける理解度に関する調査」を実施しました(令和5年1~2月)。
 また、自治体における情報周知の現状、および自治体担当者が抱えている問題意識について調べるため、「HPVワクチンにおける情報周知の実態に関する調査」も併せて実施しました(令和5年1月)。
 このたび、これら2調査の結果を取りまとめましたので公表いたします。詳細は別添資料のとおりです。
 
(※)HPVワクチンに関する詳細については、厚生労働省ホームページ「ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がんとHPVワクチン~」をご参照ください。
 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html


【調査結果概要】

調査1 HPVワクチンにおける理解度に関する調査(対象:接種対象者・保護者)

○ 子宮頸がんやHPVワクチンに対する理解(別添資料P7~14)
 <子宮頸がんについて>
  • [子宮頸がんという病気]については、接種対象者本人の69%、保護者の91%が「知っている」または「少し知っている」と回答した(同P7)。
  • [子宮頸がんは深刻な病気だと思う]については、対象者本人の76%、保護者の85%が「非常にそう思う」または「そう思う」と回答した(同P9)。
  • [HPVは、性交渉の経験のある女性であれば、誰でも一生に一度は感染する可能性がある]について、「非常にそう思う」または「そう思う」と回答したのは、対象者本人の37%、保護者の46%であった(同P9)。
 
 <HPVワクチンについて>
  • [HPVワクチン]については、対象者本人の28%、保護者の9%が「知らない(聞いたことがない)」と回答した(同P7)。また、[HPVワクチンの接種方法・必要な手続き] [政府が、HPVワクチンの接種をお勧めする取組(積極的勧奨)を再開したこと]についてはいずれも、対象者本人の53%、保護者の23%が「知らない(聞いたことがない)」と回答した(同P7~8)。さらに、[政府が、1997~2005年度生まれの女性に対し、HPVワクチンを公費で接種できる機会を提供していること(キャッチアップ接種)]については、対象者本人(高校2年相当~1997年度生まれの女性)の53%、保護者(小学校6年~高校3年相当の娘の保護者)の26%が「知らない(聞いたことがない)」と回答した(同P8)。
  • [HPVワクチンは、子宮頸がんを予防するのに有効である]について「非常にそう思う」または「そう思う」と回答したのは、対象者本人の48%、保護者の54%であった。また、[公費で接種できるHPVワクチンで、50~70%の子宮頸がんが予防できる]について「非常にそう思う」または「そう思う」と回答したのは、対象者本人の33%、保護者の47%であった(同P10)。
  • [HPVワクチンは重要である]について「非常にそう思う」または「そう思う」と回答したのは、対象者本人の49%、保護者の52%であった。一方、[HPVワクチンは安全である]について「非常にそう思う」または「そう思う」と回答したのは、対象者本人の22%、保護者の23%で、対象者本人の59%、保護者の55%は「どちらともいえない」と回答した。[HPVワクチンは有効である]については、対象者本人の43%、保護者の49%が「非常にそう思う」または「そう思う」と回答したが、対象者本人の50%、保護者の45%は「どちらともいえない」と回答した(同P14)。
  • [HPVワクチンのリスクについて十分な情報がなく、接種する/させるかどうか決められない]については、接種対象者本人・保護者のそれぞれ51%が「非常にそう思う」または「そう思う」と回答した。さらに、[接種することで以前報道で見たような健康被害が起きるのではないかと思っている]については、対象者本人の38%、保護者の49%が「非常にそう思う」または「そう思う」と回答した(同P11)。
  • HPVワクチンに関する誤情報のうち、「どちらともいえない」の回答が多かった項目は次のとおり。[接種すると子宮頸がんにかかる可能性がある](対象者本人47%、保護者46%)、[接種すると不妊や流産を起こす](対象者本人51%、保護者50%)、[子宮頸がん検診を受けていれば接種する必要はない](対象者本人46%、保護者45%)、[すでに性的接触を経験した人は接種しても意味がない](対象者本人45%、保護者44%)(同P12~13)。
 
○ HPVワクチン接種に対する考え方(別添資料P15~17)
  • [あなたは/あなたの娘はHPVワクチンを接種したことがありますか]の質問に対し、接種したことがある(「1回接種した」「2回接種した」「3回接種した」「接種したことはあるが、何回接種したかはわからない(覚えていない)」)と回答したのは、全体の24%であった(同P15)。
  • 接種した理由で回答が多かったのは、「HPVワクチンは有効だと思っているから」(対象者本人36%、保護者66%)、「子宮頸がんは危険だと思ったから」(対象者本人42%、保護者57%)であった。これらに次いで多かったのは、対象者本人では「母親がHPVワクチンの接種を勧めていたから」(33%)、保護者では「現在、HPVワクチンを公費で接種できるから」(33%)であった(同P15)。
  • ([あなたは/あなたの娘はHPVワクチンを接種したことがありますか]の質問に対し、)「3回接種した」以外の回答をした人に、[今後、HPVワクチンを接種したい/させたいと思いますか]と尋ねたところ、対象者本人の45%、保護者の38%が「わからない」と回答した。接種対象者の28%、保護者の32%は「強く接種したい/させたい」または「接種したい/させたい」と回答し、対象者本人の28%、保護者の31%は「あまり接種したくない/させたくない」または「強く接種したくない/させたくない」と回答した(同P16)。
  • 「強く接種したい/させたい」「接種したい/させたい」と回答した人のうち、その理由として回答が多かったのは「子宮頸がんは危険だと思ったから」(対象者本人65%、保護者60%)、「HPVワクチンは有効だと思っているから」(対象者本人53%、保護者63%)であった。一方、「あまり接種したくない/させたくない」「強く接種したくない/させたくない」と回答した人のうち、その理由として回答が多かったのは「HPVワクチンは安全ではないと思うから」(対象者本人28%、保護者47%)、「接種の決断を下すのに十分な情報を得られていないから」(対象者本人24%、保護者43%)、「友人たち/友人の娘たちも、HPVワクチンを接種していないから」(対象者本人16%、保護者15%)であった(同P17)。


調査2 HPVワクチンにおける情報周知の実態に関する調査(対象:市区町村)

○ 自治体での情報周知の状況(別添資料P20~25)
  • 接種対象者への個別案内については、令和5年1月末時点で90%以上の自治体が、年度当初計画していた送付対象者への送付を完了している。
  • 厚労省が作成したリーフレットを自治体HPまたは窓口で掲載または配布している自治体は、全体の半数程度であった。

○ 担当者が抱えている問題意識(別添資料P26~27)
  • 「接種に対する不安感の払拭の必要性」のほか、「効果的な周知方法に苦慮」「対象者の関心が低い」などの課題が挙げられている。



「HPVワクチンに関する調査」(理解度に関する調査、情報周知の実態に関する調査)の結果について[2.1MB]