2023年3月24日 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録

日時

令和5年3月24日(金)15:00~

出席者

出席委員(20名)五十音順

 (注)◎分科会長 ○分科会長代理
 

欠席委員(3名)五十音順

行政機関出席者
  •  八神敦雄(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  吉田易範(医薬品審査管理課長)
  •  中山智紀(医療機器審査管理課長) 他

議事

○事務局 定刻となりましたので、ただいまから薬事・食品衛生審議会薬事分科会を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。本日の薬事分科会につきましては、Webを併用しての審議とさせていただきます。
委員の出欠についてですが、石井委員、小野委員、脇田委員から御欠席との連絡を頂いております。また、三谷委員、南委員より遅れて参加されることを御連絡いただいております。現在のところ、委員数23名のうち18名の御出席を頂いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。
 分科会を開始する前に、委員の先生方の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、御報告させていただきます。薬事分科会規程第11条において「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定しております。本分科会におきましては、会議開催の都度、薬事分科会規程の適合状況を書面にて御署名いただく形で御申告いただく運用をさせていただいており、今回全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、御報告させていただきます。委員の皆様には、毎度御負担をおかけしておりますが、御理解を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 本日はWebを併用しての審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、審議の進行方法について、御説明させていただきます。審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まずWeb会議システムにある挙手機能にて、発言の御意思をお示しください。その後、分科会長から順に発言者を御指名いただきます。よろしいでしょうか。
 本日の議題は、公開で報告事項が7件、非公開で報告事項が6件ございます。なお、本日審議を予定しておりました医薬品「メフィーゴパック」につきましては、パブリックコメントの結果、約1万2,000件の極めて多数の御意見を頂き、また、その内容といたしましても、単に賛成か反対かだけではなく、医薬品の流通管理の在り方や緊急対応の在り方など、様々な御意見を頂いております。そのため、その分析や対応の整理に時間を要していることから、本議題については、次回以降に延期させていただきます。具体的な審議日程が決まりましたら、改めて御連絡いたします。急な変更で大変恐縮ではございますが、御理解のほど、よろしくお願いいたします。
 それでは、奥田分科会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。
○奥田分科会長 それでは、始めさせていただきます。最初に、これまでの事務局からの御説明に、委員の方々から御質問はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、事務局から本日の資料の確認をお願いします。
○事務局 資料を確認させていただきます。資料番号1~10が公開案件に係る議題、資料番号11~33が非公開案件に係る議題の資料となっております。資料番号101~121につきましては、文書報告に係る資料となっておりますので、適時、御確認をお願いいたします。非公開案件の報告事項については、議題概要を作成しておりますので、こちらも併せて御参照のほど、よろしくお願いいたします。
○奥田分科会長 よろしいでしょうか。それでは、議事に入りたいと思います。本日の公開案件は、報告事項7件が予定されております。
まず、議題1、資料番号1「生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律案について」の御説明をお願いします。
○事務局 報告事項1、生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律案について、事務局より御説明させていただきます。資料1を御覧ください。
生活衛生等関係行政の機能強化を図るため、食品衛生基準行政に関する事務の厚生労働省から消費者庁への移管、水道整備・管理行政に関する事務の厚生労働省から国土交通省及び環境省への移管等を行うための「生活衛生等関係行政の機能強化のための関係法律の整備に関する法律案」が今月7日に閣議決定され、今後、国会で審議される見込みです。なお、本法案の施行期日は、令和6年4月1日の予定となっております。
 本法案が成立した場合には、令和6年4月1日から、食品衛生基準行政が消費者庁に移管されることに伴い、現在の薬事・食品衛生審議会の調査審議事項のうち、食品衛生基準行政に関する分野は、消費者庁に設置される審議会(食品衛生基準審議会)に、食品衛生監視行政に関する分野は、厚生科学審議会に移管されます。これにより、令和6年4月1日以降は、薬事・食品衛生審議会では、食品衛生に関する事項を調査審議しないこととなり、名称も薬事審議会へと改称される予定となっております。
事務局からの報告事項は以上となります。
○奥田分科会長 ありがとうございました。委員の方々から、御意見、御質問などはございませんでしょうか。よろしゅうございますか。それでは、本件については御確認いただいたものといたします。
 続きまして、議題2、資料番号2「医薬品等安全対策部会について」の御説明をお願いします。
○事務局 医薬安全対策課です。3月2日に開催いたしました医薬品等安全対策部会におきまして、一般用医薬品のリスク区分について御審議いただきましたので、その結果を御報告いたします。資料No.2「令和4年度第4回医薬品等安全対策部会について」を御覧ください。
一般用医薬品は、リスクに応じて第1類医薬品から第3類医薬品に分類し、販売規制が行われております。承認後は要指導医薬品として販売されますが、製造販売後調査終了以降1年間は第1類医薬品とされ、その後、分類の見直しを行うこととなっております。
 第1類医薬品に分類されておりました「チェストベリー乾燥エキス」につきましては、3月の部会に先立ちまして、昨年12月27日の令和4年度第22回安全対策調査会において、製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討を行いました。安全対策調査会においては、参考人として産科婦人科の専門家にも御参加いただきまして、審議を行っております。参考人からは本剤について、重篤な副作用として乳がん1例の報告がありますが、その関連性は必ずしも明確でないことから、第1類医薬品から第2類医薬品等への移行は可能であるとの御意見が出ました。一方で、乳がんの報告等を考慮すると、全く日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがないとは言えず、本剤と同種の医薬品はございませんが、同じような症状の方が使用することが想定されますOTCの漢方薬につきましては、第2類医薬品に分類されていることも参考にすると、第2類医薬品とすることが適切ではないかとの御意見も頂いております。これらを踏まえ、本剤は第2類医薬品に分類することが妥当という結論となりました。3月の部会におきましても、パブリックコメントの結果も踏まえて審議を行い、本剤に関しては、第2類医薬品に分類することが適当であると議決され、答申を頂いているところでございます。資料2の報告については以上です。
○奥田分科会長 ありがとうございました。医薬品等安全対策部会長の岡委員から、追加の御発言などはございますか。
○岡委員 ありがとうございます。特にございません。今の御説明でよろしいかと思います。
○奥田分科会長 ありがとうございます。委員の方々から御意見、御質問などはございませんでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本件については御確認いただけたものといたします。
 続きまして、議題3、資料番号3「先駆け審査指定制度の対象品目の指定の取消しについて」の御説明をお願いします。
○事務局 資料3-1及び資料3-2について御説明いたします。
まず、資料3-1を御覧ください。対象品目は、アレクシオンファーマ合同会社のエクリズマブ(遺伝子組換え)であり、指定を受けた予定効能・効果は「ギラン・バレー症候群」です。取消しの理由としては、2ポツにあるとおり、国内第III相試験の結果、本薬群と対照群との比較において、主要評価項目及び副次評価項目のいずれも統計的に有意な差が認められず、指定要件3の「対象疾患に係る極めて高い有効性」を満たさなくなったためとしております。
 続いて、資料3-2を御覧ください。対象品目は、小野薬品工業株式会社の「ニボルマブ(遺伝子組換え)」であり、指定を受けた予定効能・効果は「胆道癌」です。取消しの理由は、令和4年12月23日付けで、対象品目と同じ作用機序である「デュルバルマブ(遺伝子組換え)」が胆道癌に対する治療薬として承認されたことから、指定要件1の「治療薬の画期性」を満たさなくなったためです。
これらの品目については、こうした理由から先駆け審査指定制度の対象品目から取消しをさせていただく予定です。
○奥田分科会長 この二つについて、医薬品第二部会長の清田委員から、追加の御発言などはございますか。
○清田分科会長代理 私からはございません。
○奥田分科会長 委員の方々から、御意見、御質問などはございませんでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本件について、御確認いただけたものとします。
 続きまして、議題4、資料番号4「生物学的製剤基準の一部改正について」の御説明をお願いします。
○事務局 医薬品審査管理課です。資料4を御覧ください。この度の生物学的製剤基準の改正では、公開議題として、異常毒性否定試験及びpH試験の削除、非公開議題として、品目にひも付く生物学的製剤基準の新設及び整備が行われております。ここでは、まず公開部分を御説明させていただきます。
 改正内容としては、A型肝炎ワクチン、狂犬病ワクチン、各抗毒素に規定されている、異常毒性否定試験及びpH試験を削除するものです。異常毒性否定試験は、生物学的製剤基準の一般試験法に定められている試験で、モルモットの腹腔内に投与して、体重減少やその他の異常がないことを確認する試験です。歴史的に、ワクチンや血液製剤等の生物学的製剤に対して実施されてきた試験ですが、近年は生物学的製剤の製造管理や品質管理方法の向上に伴い、こういった試験によらずとも、製品の品質を確保することが可能となってきているということに加えて、動物愛護の観点もあり、世界的に廃止の流れとなっております。
 このような背景を踏まえて、昨年来、順次各ワクチンについての検討を進めているところです。今回は、A型肝炎ワクチン、狂犬病ワクチン、各抗毒素の7品目についての検討を行い、これらのワクチンの各条から、異常毒性否定試験を削除して差し支えないと判断したものになります。
また、pH試験については、各品目の承認書においては、当然規定されている規格試験の項目ですけれども、生物学的製剤特有の管理項目かと言うと、そう必要なものではないということから、今回、記載整備として削除することとしております。
今回の改正で、現在、日本国内で流通している生物学的製剤については、全て異常毒性否定試験が削除されることとなっております。
○奥田分科会長 医薬品第二部会長の清田委員から、追加の御発言などはございますか。
○清田分科会長代理 私からは特にございません。
○奥田分科会長 委員の方々から、御意見、御質問などはございませんでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本件について御確認いただけたものとします。
 続いて、議題5、資料番号5「基本要件基準の一部改正について」の御説明をお願いします。
○プログラム医療機器審査管理室長 資料5について御説明いたします。
1ページを御覧ください。医療機器の性状、品質、性能の適正を図るための基準として、「基本要件基準」が策定されております。その基本要件基準に基づいて、医療機器のメーカー、製造業者については、医療機器の安全性を確保し、危険性の低減を要求された場合は、危険性を管理することが必要とされております。今回、令和2年3月に国際医療機器規制当局フォーラム(IMDRF)で策定された「医療機器サイバーセキュリティの原則及び実践に関するガイダンス」が取りまとめられることを踏まえて、そのガイダンスの一部文書の内容を踏まえた、プログラムを用いた医療機器に関する基本要件基準の改正を行いました。
 改正の内容については、製品の全ライフサイクルにわたって医療機器サイバーセキュリティを検討する計画を備えること、サイバーリスクを低減する設計及び製造を備えること、適切な動作環境に必要となるハードウェア、ネットワーク、ITセキュリティ対策の最低限の要件を設定することを、基本要件基準に盛り込むといった改正を行うことにいたしました。
 3ページを御覧ください。こちらに、基本要件基準「プログラムを用いた医療機器に対する配慮」の第12条第3項の改正条文(案)が記載されております。上半分が、追加する条文です。先ほど説明したとおり、基本要件基準について、具体的に記載されております。
 27ページを御覧ください。こちらは令和5年1月16日の部会で、先ほどお示しした「基本要件基準の一部改正について、改正することが適当である」との審議結果を頂いております。これを受けて、本年3月9日に基本要件基準の改正に関する告示を行いました。告示を踏まえて、4月1日から、この告示の内容を適用させていただく予定です。
○奥田分科会長 委員の方々から、この件について、御意見、御質問などはございませんでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本件についても御確認いただけたものとします。
 続いて、議題6、資料番号は6~8になりますが、「血液事業部会について」の御説明をお願いします。
○事務局 議題6「血液事業部会について」の説明をさせていただきます。
はじめに、令和5年度の献血の推進に関する計画について、御報告いたします。資料6を御覧ください。1ページの概要のとおり、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律に基づいて、厚生労働大臣は、毎年度、翌年度の計画を定めることとされており、令和5年度の献血により確保すべき血液の目標量及びこれを達成するために必要な献血推進に関する事項を定めているものです。
 献血推進計画の内容については、1ページの概要の「2.内容」のとおり、血液法第10条第2項に基づいて、当該年度に献血により確保すべき血液の目標量、当該目標量を確保するために必要な措置、その他献血の推進に関する重要事項、この内容を定めております。
 令和4年度の計画からの主な変更点ですが、第2の事項「その目標量を確保するために必要な措置に関する事項」において、「献血セミナー」等をきっかけとして献血に関心を持った献血未経験者等に、採血事業者が提供する献血Web会員サービス「ラブラッド」への登録を働きかけることについて、追記いたしました。
 具体的な内容は5ページからになります。「第1」として、令和5年度に献血により確保すべき血液の目標量を定めております。赤血球製剤は52万L、血漿製剤は25万L、血小板製剤は17万Lと見込んでおります。この数字はいずれも、令和4年度とほぼ同量ということになります。これに血漿分画製剤用の原料血漿として確保すべき量を勘案して、献血により確保すべき血液の量を定めております。また、原料血漿として確保すべき量ですが、この計画の中では120万Lを見込んでおります。この120万Lは、令和4年度の計画が125.3万Lでしたので、5.3万Lの減少となります。輸血用血液製剤の量はほぼ同量ですが、原料血漿の量が減少しておりますので、それに伴って献血により確保する血液の量が減少することになります。全血の採血では、令和4年度よりも2万L増の135万L、血漿成分採血では8万L減の54万Lで、これが主に原料血漿の確保に跳ねております。血小板成分採血は、前年度と同量の31万Lです。合計で6万L減の220万Lで、この血液を献血により確保するとしております。
 同じく右下の5ページから、「第2」として、目標量を確保するために必要な措置を示しています。具体的には、複数回献血の推進、若年層への働きかけの強化などの、国民全般を対象とした普及啓発や、献血者の利便性向上など採血所の環境整備等を実施し、献血推進の施策を実施していくところです。
 右下の9ページからは、「第3」その他の事項として、本年は主な変更はございませんが、昨年度に追記した災害時等における献血確保についても、引き続き示しているというところです。
 本計画については、令和4年10月24日に開催された第3回血液事業部会献血推進調査会で議論いただいた後、同年12月2日に開催された第1回血液事業部会において審議いただき、適当である旨議決され、同内容で答申を頂いております。なお、献血推進計画については、本年2月28日に告示をしており、4月1日からの適用となっております。
 次に、令和5年度の献血の受入れに関する計画について、報告いたします。資料7を御覧ください。1ページの概要のとおり、献血受入計画については、安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律の第11条に基づき、厚生労働大臣が定める基本方針及び献血推進計画に基づいて採血事業者、ここでは日赤になりますが、毎年度、都道府県の区域を単位とした都道府県計画、都道府県の意見を聞いた上で翌年度の献血の受入れに関する計画を策定し、厚生労働大臣の認可を受けることとなっております。
 2ページにあるとおり、採血事業者である日本赤十字社から、令和5年2月14日付けで令和5年度の献血受入計画の認可申請がありましたので、血液事業部会で審議いただいています。こちらについても、血液事業部会での審議後、薬事分科会での報告とさせていただいております。
 3ページからは本計画の本文になりますが、基本的には先ほどの献血推進計画の中で、採血事業者に求めているものを書いていますので、説明は割愛いたします。また、都道府県ごとの確保目標量については9ページに、10ページには種類別の一覧がございますので、御覧ください。
本計画については、令和5年2月27日の第2回血液事業部会において審議いただき、同計画は認可するに当たって適当である旨議決されました。同内容の答申を頂いております。この認可については今年度中に行う予定です。
 続きまして、資料8を御覧ください。こちらは血液製剤の安定供給に関する需給計画ということで、血漿分画製剤の原料血漿の目標量と、各血液製剤を製造する事業者への配分量などを定めた計画です。
2ページからがその内容になっておりますが、主な部分を御紹介いたします。3ページを御覧ください。「第3」のところに「令和5年度に確保されるべき原料血漿の量の目標」とありまして、令和5年度の目標は120万Lとなっており、今年度の125.3万Lから5.3万Lの減少となっております。こちらですが、血漿分画製剤のうち、特に免疫グロブリン製剤が増加傾向にあるということを踏まえ、近年は原料血漿の在庫を多く確保してきましたが、令和5年度は十分な在庫確保はできており、積み増す在庫がない分、減少しております。医療需要は満たしております。
 続きまして、4ページを御覧ください。中ほどの2番のところに、国内の血漿分画製剤の製剤製造販売業者への割当て量を記載しております。(1)から(3)の3者に対して、合計で120万Lの割当てとなっております。先ほどの確保されるべき原料血漿の量の目標と差分はありません。そのすぐ上に、原料血漿の標準価格がありますが、こちらについては昨年度と同額となっております。
6ページには、血液製剤の種類別の需要見込みと供給量をまとめた表がございますので、参考として御覧になっていただければと存じます。報告は以上です。
○奥田分科会長 血液事業部会長の三谷委員から、追加の御発言はございますか。よろしいでしょうか。
委員の方々から、御意見、御質問などはございますか。よろしいでしょうか。それでは、本件について御確認いただけたものとします。
 続いて、議題7、資料番号9、10の「化学物質安全対策部会について」の御説明をお願いします。
○事務局 化学物質安全対策室です。化学物質安全対策部会からの報告事項について、資料9と資料10で御説明いたします。
 まず、資料9を御覧ください。第一種特定化学物質の指定の関係です。1ページ目の「背景」を御覧ください。ストックホルム条約、通称「POPs条約」において、難分解性等の問題がある化学物質については、各国が協調して、製造・輸入禁止をすることとなっております。この担保法令が国内においては化審法とされておりまして、第一種特定化学物質に指定することによって、製造等を規制するものとしております。
 今回の対象物質については、2ページ目にあるペルフルオロヘキサンスルホン酸、いわゆるPFHxSとその塩及びPFHxS関連物質です。化審法による対応としては、PFHxSとその塩については、科学的知見が蓄積されており、また、POPsとしての要件を満たしていることが、POPs条約締結国会議の下に設置された委員会により、既に科学的に評価されていることから、過去に附属書Aに掲げられている化学物質と同様に、化審法の第一種特定化学物質に指定することとし、部会で審議いただき、指定することについて御了承いただいたというものです。具体的な物質については3ページ目の表にございます。
 続いて、資料10を御覧ください。第一種特定化学物質に指定されたPFHxSとその塩の措置に関係する話です。具体的な内容については、2ポツ目になります。概要を申しますと2点あります。1点目が輸入を禁止する製品の指定で、2点目が取扱上の技術基準を策定する製品の指定です。一つずつ説明いたします。
 1ページ目の下の部分、「輸入を禁止する製品の指定」です。化審法の第一種特定化学物質の指定に関しては、化学物質として指定しますが、海外から製品として輸入する場合もありますので、製品を特定して輸入を止めるというものです。具体的な製品群は表にありますが、消化器等を指定することとしております。
 続いて2ページ目を御覧ください。二つ目が、技術上の基準を定めるものとしているものです。こちらに関しては、既に国内で流通している可能性がある消火器などについて、製品の仕様、取扱い、汚染の防止等について、基準を作るというものです。こちらについては、環境省が中心になって、具体的な内容については今後策定していくものです。こちらの内容についても、部会で御審議いただき、指定することに関して御了承いただいたというところです。説明は以上です。
○奥田分科会長 化学物質安全対策部会長の合田委員から、追加の御発言などはございますでしょうか。
○合田委員 特にありません。
○奥田分科会長 委員の方々から、御意見、御質問などはございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本件についても御確認いただけたものといたします。
以上で公開案件を終了いたします。別室で傍聴されている方々においては、退室をお願いいたします。
 それでは、非公開案件の議事に入ります。本日の非公開案件は、6件の報告事項が予定されております。
まず、資料11の副作用・感染等被害判定第一部会、第二部会について、御説明をお願いします。
○事務局 医薬安全対策課です。資料11を御覧ください。令和4年12月、令和5年1月及び2月に、ハイブリッド形式で開催した判定第一部会及び判定第二部会の結果について、御報告いたします。資料は、1ページから2ページにかけて、3回分の判定結果を取りまとめたものをお示ししており、3ページ以降に、各回の判定結果とその一覧表を添付しております。取りまとめに沿って御説明させていただきます。
 1ページです。副作用被害判定については、「請求等の内訳」にあるとおり、新規の案件が258件、継続が21件、現況が70件、計349件の請求があり、判定が行われております。
判定結果については、「支給決定することが適当であると考えられるもの」が292件、その内訳については(1)、(2)、(3)にお示ししているとおりで、全体の約84%が支給となっております。
 2ページです。「不支給決定することが適当であると考えられるもの」については57件で、内訳については件数が多いものから順に挙げております。「マル1 疾病、障害又は死亡が医薬品の副作用により発現したと認められないため、不支給とすることが適当である。」が25件、「マル2 判定不能のため、不支給とすることが適当である。」が15件などとなっております。
副作用・感染等被害判定結果の御報告は以上です。
○奥田分科会長 副作用・感染等被害判定第一、第二部会長の長瀬委員から追加の御発言などはございますか。
○長瀬委員 特にございません。
○奥田分科会長 委員の方々から、御意見、御質問などはございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本件について御確認いただけたものといたします。
 続いて、資料12から資料25、医薬品第一部会、医薬品第二部会について、御説明をお願いします。
○事務局 医薬品第一部会及び医薬品第二部会関係の報告をさせていただきます。資料は「議題概要【非公開案件】」を御覧ください。
まず、資料12の「ドプテレット」ですが、本剤はアバトロンボパグマレイン酸塩を有効成分とする医薬品であり、効能・効果は「待機的な観血的手技を予定している慢性肝疾患患者における血小板減少症の改善」となっています。部会における御議論としては、「Child-Pugh分類Cの症例に対して情報提供が不足しているのではないか」との御指摘があり、回答としては、肝機能障害の重症度別のデータ等については、医療従事者向け資材に記載し、情報提供するとしております。
 資料13の「エムパベリ」は、ペグセタコプランを有効成分とする医薬品であり、効能・効果は「発作性夜間ヘモグロビン尿症」となっております。
 資料14の「オンボー」は、ミリキズマブ(遺伝子組換え)を有効成分とする医薬品であり、効能・効果は「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法と維持療法」となっております。
 続いて、資料15の「パリンジック」ですが、ペグバリアーゼ(遺伝子組換え)を有効成分とする医薬品であり、効能・効果は「フェニルケトン尿症」となっております。部会における御議論については、例えば一つ目のマルにおいて、「継続投与に伴って発現する過敏症反応の重症度が高くなる傾向が認められているか」といった御質問があり、継続投与に伴い、認められた事象の重症度が高くなる傾向は認められていないという回答をしております。
 資料16の「オファコル」は、コール酸を有効成分とする医薬品であり、効能・効果は「先天性胆汁酸代謝異常症」となっております。
 資料17の「アトガム」は、抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリンを有効成分とする医薬品であり、効能・効果は「中等症以上の再生不良性貧血」となっています。部会における御議論は、再投与についての御質問があり、機構からの回答としては、本邦において、これまではウサギ由来のATG製剤しか選択肢がなかったところ、本剤承認によって異なる動物種由来のATG製剤が選択可能となったことから、再投与については、他種由来のATG製剤の投与を含めて検討されるといった回答をしております。
 資料18の「フルミスト」は、経鼻弱毒生インフルエンザワクチンであり、効能・効果は「インフルエンザの予防」となっております。部会における御議論は、例えば一つ目のマルにおいて、「PCR検査のための検体採取が行われていなかった被験者が認められているが、これはGCP違反事例ではないのか」といった御質問があり、この点については、治験実施計画書からの逸脱事例であり、当該試験に係るGCP調査では、全体としては治験がGCPに従って行われていたと認められると判断した、といった回答をしております。この点については、佐藤俊哉委員から事前に御質問を頂いておりますが、説明の最後に御紹介して、御回答させていただければと思います。
 続いて、資料19-1、19-2ですが、「ゴービック」は沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヘモフィルスb型混合ワクチンであり、効能・効果は「百日せき、ジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎及びインフルエンザ菌b型による感染症の予防」となっています。
 資料20の「ベスレミ」は、ロペグインターフェロンアルファ-2bを有効成分とする医薬品であり、効能・効果は「真性多血症」となっております。
 以上の9品目については、本年1月から3月に開催された医薬品第一部会及び医薬品第二部会において御審議いただき、承認して差し支えない旨の結論を頂いております。
 続いて、資料21からは、直接資料を御覧いただければと思います。
まず、資料21は、生物学的製剤基準の一部改正についてです。資料の1ページ中ほどの「改正の内容」の(1)にあるとおり、医薬品各条の中に、「経鼻弱毒生インフルエンザワクチン」と「沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオヘモフィルスb型混合ワクチン」の基準を新設しております。これに伴って、(2)にあるとおりの記載の整備をしているところです。
 続いて、資料22、希少疾病用医薬品の指定についてです。2ページの一覧表にあるとおり、9品目に関して、それぞれ資料に記載の予定効能・効果について指定の可否を御審議いただき、指定して差し支えない旨の結論を頂いております。なお、このうち一部の品目については、本年2月22日に、既に指定をしているところです。
 資料23を御覧ください。先駆的医薬品の指定についてです。各表に記載のとおり、今回は4品目に関して、それぞれ資料に記載の予定効能・効果について指定の可否を御審議いただき、指定して差し支えない旨の結論を頂いております。なお、これらはいずれも既に先駆的医薬品としての指定をしているところです。
 続いて、資料24は、再審査期間の延長についてです。まず、資料24-1は「ステラーラ」に関するものです。これは「中等症から重症の活動期クローン病及び潰瘍性大腸炎の維持療法と導入療法」を効能・効果とするものです。資料24-2は「モビコール」です。こちらの効能・効果は「慢性便秘症」となっております。資料24-3は「オンボー」で、こちらは「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法、維持療法」が効能・効果となっております。最後、資料24-4は「ソーティクツ錠」で、こちらの効能・効果は「既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、膿疱性乾癬及び乾癬性紅皮症」となっております。以上の4品目について、小児患者における有効性及び安全性を検討するための治験を行うことから、再審査期間を延長することの可否について、医薬品第一部会、医薬品第二部会において御審議いただき、御了承を頂いております。
 部会審議品目についての報告事項は以上ですが、このほか最適使用推進ガイドラインを作成した品目がありますので、御説明いたします。資料25-1を御覧ください。こちらは「ウゴービ皮下注」です。効能・効果は「肥満症」です。こちらについての最適使用推進ガイドラインを作成しております。これについては、令和5年1月27日に開催された医薬品第一部会において報告し、御確認いただきました。また、資料25-2ですが、医薬品「オプジーボ」に対する非小細胞肺癌における術前補助療法の適応追加に伴い、最適使用推進ガイドラインを改正しております。これについても、令和5年2月27日に開催された医薬品第二部会において御報告し、御確認いただいております。
 最後に、「フルミスト」についての、佐藤俊哉委員からの御質問について御紹介させていただきます。御質問の要点を御紹介いたしますが、もし不足等があれば佐藤委員から御指摘いただければと思っております。
 まず、議題概要の資料18の「フルミスト」の項目で、「部会での主な意見」の所を御覧ください。PCR検査のための検体採取が行われていなかったことについて、GCP違反ではないかとの指摘が部会においてございましたが、機構からは、全体としてGCPに従って行われていた旨の回答をしたと記載しております。
 これに関連して、資料18の審査報告書の15ページを御覧ください。マル1の上の辺りに、「治験実施計画書の趣旨とは異なる形で治験依頼者等から治験実施施設へ情報提供がなされていた」との記載がありまして、この治験実施計画書の情報提供の形が適切ではなかったということもあり、佐藤委員からは、「この点も踏まえて、治験依頼者の責任であることから、GCP違反ではないか」との御意見を頂いているところです。
 この御指摘の治験実施計画書の逸脱に関する規定についてですが、回答させていただければと思いますが、まず関連する規定としては、GCP省令の第46条第1項において、「治験責任医師等は、治験審査委員会が事前に承認した治験実施計画書を遵守して、治験を実施しなければならない。」と記載されているところです。今回、臨床試験において治験実施計画書からの逸脱があったことは事実ですが、一方、その内容は被験薬と対照薬の双方に対して平等に影響を与えるものであり、意図的に被験薬が有利になるようなものではないこと等を踏まえて、機構の評価においては、提出された承認申請資料に基づいて審査を行うことについて支障はないと判断されております。こうした点を踏まえて、今回の逸脱はGCP省令に違反するほどのものではないという判断をしているところです。なお、試験全体の評価には大きな影響は与えないものの、試験の実施方法として適切ではなかったことから、実施医療機関及び治験依頼者に対しては、改善すべき事項として指導がなされているところです。以上です。
○奥田分科会長 まず、今の点に関して、佐藤委員から追加のコメント、御発言を頂ければと存じます。
○佐藤(俊)委員 確かに御説明いただいたとおり、GCP省令だと、治験実施計画書からの逸脱というのは、治験担当医師や治験責任医師の規定しかないのですが、それは治験依頼者が治験実施計画書に違反したというか、反したことはしないというのが前提になっているわけですよね。今回はそれを「逸脱」と言って本当にいいのかというところは、若干疑問に残るのですが、いかがですか。
○事務局 機構における適合性調査の考え方としては、確かに依頼者側がミスリードするような情報提供をしていたことはあると認められてはいるのですが、それがあったとしても、最終的には治験の実施は医療機関側の責任ですので、責任医師等が実施計画書を遵守していたか否か、その事実を調査で確認して、改善を求めているところです。
○佐藤(俊)委員 そうしますと、治験依頼者が、治験実施計画書と全く違うような説明をしても構わないということになりますか。
○事務局 もちろん、構わないということはありませんので、そういった治験の実施の中で不適切なことについては、今回、改善するべき事項として指摘をさせていただいているところです。
○佐藤(俊)委員 今回、治験薬というか試験薬の方に有利に働かないからということをおっしゃっていましたが、有利に働く働かないというよりも、依頼者がこういうことをするというのは大きな問題だと思いますので、やはり、違反に準ずるような何か、ことを考えていただければいいのではないかなと思いました。ありがとうございます。
○奥田分科会長 ありがとうございます。今の点に関しては、やはりきちんと治験依頼者に御説明をしていただければと思います。
○医薬品審査管理課長 はい。御指摘ありがとうございます。治験依頼者の方にはその旨をお伝えしておきます。
○奥田分科会長 この件以外に、医薬品第一部会、第二部会の内容ですので、全般について、まず第一部会長の森委員から、追加の御発言はありますか。
○森委員 特に追加の発言はありません。ありがとうございました。
○奥田分科会長 第二部会長の清田委員から、追加の御発言等ありますか。
○清田分科会長代理 特にありません。よろしくお願いします。
○奥田分科会長 委員の方々から、全般の問題について、御意見、御質問などありますか。
○佐藤(好)委員 産経新聞の佐藤です。資料22について、感想めいた意見を申し上げてもよろしいですか。
○奥田分科会長 よろしくお願いします。
○佐藤(好)委員 希少疾病用医薬品の指定についてです。バイオ医薬品の開発が盛んになっており、希少疾病薬の開発も進んでいます。多くの薬が登場するようになったことは、大変喜ばしいと思っています。一方で、開発環境が変化する中で、大分以前に作られた希少疾病薬開発促進に関する制度が、今も同様に、当初意図した狙いを発揮しているのかどうか、検証する必要はないのだろうかと思いました。御意見を伺えれば有り難いです。
○奥田分科会長 事務局からお願いします。
○医薬品審査管理課長 御指摘ありがとうございます。先生がおっしゃる点については、別の場でもいろいろ御指摘を頂いているところです。いろいろな意味で、この国に対するドラッグロス、そういったようなことの要因の一つに、いわゆるオーファンの指定要件の在り方みたいなものがあるのではないかという話は御指摘いただいているところです。その辺りも踏まえて、今後どうするのかについては、また必要に応じて検討しなければいけないのかなとは思っているところです。まずは、どういう状況なのかをしっかり検証し、必要であれば必要な検討を続けていく。場合によっては、ちょっと分かりませんが、要件の見直しとか、法的な面も含めて必要な場合もあるかもしれませんが、まずその辺りどこまで手当しなければいけないのかということについては、その検討を踏まえてまた考えさせていただければと思っております。以上です。
○佐藤(好)委員 御回答ありがとうございました。もろもろ新しい問題も生じておりますので、当初の狙いが十分に発揮されるような制度で引き続きあるといいと思います。以上です。
○奥田分科会長 佐藤委員、貴重なコメントをありがとうございました。ほかに御意見、御質問はよろしいですか。それでは、本件については御確認を頂けたものといたします。
続いて、資料26、医療機器・体外診断薬部会について御説明をお願いします。
○プログラム医療機器審査管理室長 医療機器審査管理課です。資料26を御覧ください。医療機器・体外診断薬部会で、1月16日に審議されたものについてです。資料26、医療機器「VENOVO静脈ステントシステム」の使用成績評価の要否について御説明いたします。
 本品の販売名は「VENOVO静脈ステントシステム」、一般的名称は「静脈用ステント」、申請者は株式会社メディコンです。本品は、腸骨大腿静脈用ステントとデリバリーシステムから構成される静脈用ステントシステムであり、自己拡張型ステントを狭窄又は閉塞した血管に留置することで、血管を拡張し、開存性を確保する医療機器です。
 静脈用ステントとしては、既に「Zilver Vena静脈用ステント」が薬事承認されております。「Zilver Vena静脈用ステント」については、現在使用成績評価期間中です。本品は、既承認品と実質的に同等な構造・原理を有しておりまして、審査において、既存品の「Zilver Vena静脈用ステント」と同等の成績であることを確認しており、本品の使用成績評価の可否について御審議いただきました。
 部会での主な意見としては、本品と先行品とのステント部分の構造及び形状の違いによる影響について、質問がありました。本品と先行品の構造・形状は、全く同一ではないものの、臨床試験成績においては違いがほとんどなく、同じ使用目的において同等の製品であると考えている旨回答いたしました。
これらを含めて、本品の使用成績評価を指定すること、調査期間を7.5年とすることで差し支えない旨の結論を頂いております。医療機器審査管理課からは以上です。
○奥田分科会長 委員の方々から、この件に関して、御意見、御質問などはありますか。よろしいですか。それでは、本件については御確認を頂けたものといたします。
続きまして、資料27~31、再生医療等製品・生物由来技術部会について、御説明をお願いします。
○事務局 医療機器審査管理課から御報告いたします。「議題概要」に沿って御説明いたします。昨年12月12日に開催された再生医療等製品・生物由来技術部会で議論された品目について、御報告いたします。
 資料27-1「再生医療等製品「ブレヤンジ静注」の製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定の要否について」です。本品は、患者末梢血由来のCD4陽性T細胞及びCD8陽性T細胞に、遺伝子組換えレンチウイルスベクターを用いてCD19を特異的に認識するCARを導入し培養・増殖させたT細胞から構成される、再生医療等製品です。いわゆるCAR-T製品です。
 適応疾患としては、「再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫」です。本品は、これまで三次治療から使用することとされていたものを、適応疾患の範囲はそのままにして、二次治療からでも使用することができるように申請がなされたことに伴って、本部会において御審議を頂いたものです。
 本部会での主な意見としては、「有効性評価試験において、日本人患者の数が少ないので有効性が十分であるのか。また、日本人患者の数が少ないのであれば、市販後臨床試験を実施して確認するべきではないか。」という御質問を頂きました。これに関しては、日本人患者の数は限られていたため、日本人患者の集団と同様の背景因子を持つ集団を抽出して解析を行うことで有効性評価をしており、市販後臨床試験を行う必要はないと判断している旨を回答しております。
また、「ブレヤンジ静注」については、既に最適使用推進ガイドラインがありまして、今回の申請に伴い、資料27-2のとおり、本ガイドラインの一部を改正しております。主な改正点としては、今回の申請により、新たな臨床試験データが提出されておりますので、「対象となる効能、効果又は性能」、「投与対象となる患者」の箇所等を修正しております。
これらを含めて、本品は承認して差し支えない旨の結論を頂いております。
 続きまして、資料28-1「再生医療等製品「イエスカルタ点滴静注」の製造販売承認事項一部変更承認の可否及び再審査期間の指定の要否について」御説明します。
 本品は、先ほど御説明した「ブレヤンジ静注」と同様の再生医療等製品です。遺伝子組換えレトロウイルスベクターを用いてCD19を特異的に認識するキメラ抗原受容体遺伝子を患者由来のT細胞に導入した再生医療等製品です。
 適応疾患についても同様で、「再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫」です。本品の一部変更の内容についても、先ほどの「ブレヤンジ静注」と同じで、これまで三次治療から使用することとされていたものを、適応疾患の範囲はそのままにして、二次治療からでも使用することができるように申請がなされたことに伴い、本部会において御審議を頂いたものです。
 本部会での意見としては、「今後の治験デザインに関して、日本人患者の組入れの要否についてはどのように考えているのか。」という御質問がありました。回答としては、原則、審査に当たっては日本人患者のデータは必須であるが、海外の患者のデータのみで評価を行わざるを得ない場合もあり、個別に判断する旨を回答しております。
 また、「イエスカルタ点滴静注」についても、同様に既に最適使用推進ガイドラインがありまして、今回の申請がなされたことに伴い、資料28-2にお示ししているとおり、本ガイドラインの一部を改正しております。先ほども御説明した、「ブレヤンジ」と同じ内容の改正をしております。
 これらを踏まえて、本品は承認して差し支えない旨の結論を頂いております。
 続きまして、今年2月13日に開催された再生医療等製品・生物由来技術部会で議論された品目について、御説明します。先ほどと同様に、「議題概要」を御覧ください。
資料29「再生医療等製品「ジャスミン」の製造販売承認の可否、条件及び期限の要否並びに再審査期間の指定の要否について」御説明します。
 本品は、表皮細胞シートを含む培養表皮パッケージを主構成体、組織運搬セットを副構成体とする再生医療等製品です。適応疾患は「非外科的治療が無効又は適応とならない白斑」です。
 部会での主な意見としては、類似既承認製品として「ジェイス」というものがありまして、それで認められた有害事象との違いについて御質問がありました。「ジェイス」は、熱傷等を適応としており、ただれた部位等が存在する皮膚に移植する一方で、本品の治療対象は安定した状態の皮膚に移植するということで、治療の手技が「ジェイス」と異なるため、有害事象が全く同じものであるとは限らないと判断した旨回答をしております。
 本品については、8年間の再審査期間を付した上で、承認して差し支えない旨の結論を頂いております。
 続きまして、資料30「再生医療等製品「ビズノバ」の製造販売承認の可否、条件及び期限の要否並びに再審査期間の指定の要否について」御説明します。
 本品は、成熟分化培養ヒト角膜内皮細胞を含む角膜内皮細胞剤を主構成体、灌流液を副構成体とする再生医療等製品です。適応疾患は「水疱性角膜症」です。
 本部会における主な意見としては、眼圧上昇が各試験の間で発生頻度が異なるということについて御質問がありました。試験期間やステロイドの投与量が異なることが影響した可能性があるが、製造販売後の調査において情報収集する旨を回答しております。
 本品は10年間の再審査期間を付した上で、承認して差し支えない旨の結論を頂いております。
 最後に、資料31「リソカブタゲンマラルユーセルを希少疾病用再生医療等製品として指定することの可否について」御説明します。「議題概要」の7ページを御覧ください。
本品は、資料27で御説明したブレヤンジのことですので、概要と適応疾患等は割愛させていただきます。予定される効能・効果又は性能としては、「濾胞性リンパ腫(Grade1、2、3A)、辺縁帯リンパ腫」です。これに対する希少疾病用再生医療等製品の指定申請がなされたことに伴い、本部会で御審議を頂いたものです。
こちらについては、特に質問、意見等はありませんでした。本品を希少疾病用再生医療等製品に指定して差し支えない旨の結論を頂いております。
説明は以上です。
○奥田分科会長 これらについて、再生医療等製品・生物由来技術部会長の合田委員から追加の御発言などお願いします。
○合田委員 特にありません。
○奥田分科会長 委員の方々、御意見、御質問などはありませんか。よろしいですか。それでは、本件についても御確認を頂いたものといたします。
続いて、資料32、指定薬物部会について、御説明をお願いします。
○事務局 監視指導・麻薬対策課です。指定薬物部会について説明いたします。資料32を御覧ください。
指定薬物の指定とは、危険ドラッグに含まれる成分のうち、中枢神経系に作用する蓋然性があるものを、医薬品医療機器等法に基づき指定することにより、医療等の用途を除き、その製造、販売、使用などを禁止するものです。
 令和4年度第3回指定薬物部会が令和4年12月15日、第4回が令和5年3月9日に開催されました。第3回の部会では、カンナビノイド系2物質、フェンサイクリジン系1物質、オピオイド系1物質、カチノン系1物質の計5物質、第4回の部会では、トリプタミン系1物質、LSD系1物質、カンナビノイド系3物質、フェンタニル系1物質、フェンサイクリジン系1物質、計7物質について、指定薬物に指定するか否かを審議していただいた結果、いずれの物質も指定薬物とすることが適当であるとされました。指定薬物に指定した物質の名称、構造式等は、資料32の2ページ以降に記載しております。
 部会で審議いただいた第3回の5物質については、令和4年12月16日に指定薬物に追加する省令を公布し、同年12月26日に施行、第4回の7物質については、令和5年3月10日に公布し、同年3月20日に施行しました。報告は以上です。
○奥田分科会長 指定薬物部会長の関野委員から追加の御発言はありますか。
○関野委員 追加のコメントはありません。
○奥田分科会長 委員の方々から、御意見、御質問はありませんか。
○合田委員 これは今までの分科会でも何度か申し上げていますが、物質7、8、9、11は、天然物がもともと骨格の化合物です。その中で、立体を特に規定をしないで、平面構造で名前を付けて指定しています。そうしますと、ジアステレオマーまで全部、特にこれらはRS体だけではなくて、ラセミ体ではなくて、ジアステレオマーまで含めて指定してしまいます。まだTHC系の場合には、キラルな位置の両方の立体がひっくり返ったとしても、活性は残るだろうと想像しますし、その辺の周りのデータはありますが、いわゆるLSDタイプのエルゴリン骨格を持っているものについては、その部分の、ここだと6a位と9位、特に6a位の立体を反転させると、活性は大幅に減少して、指定薬物にするほどの活性はないだろうと私は考えています。これは、前回のときも申し上げています。ですから、こういうようなものの構造を規定するときには、エルゴリン骨格の名前、すなわち天然物の名前を使って規定すれば、そこの立体が規定できますので、そういうようにされたほうが私はいいと思っております。以上です。
○奥田分科会長 この点について、何か事務局から御発言はありますか。
○事務局 その件に関しては、また指定薬物部会の委員の先生方とどのようにするかという方向性を定めて、審議したいと考えております。以上です。
○奥田分科会長 引き続き御検討いただくということです。
ほかに、追加で御意見、御発言がもしなければ、この件についても御確認を頂いたものとしたいと思います。よろしいですね。
続きまして、資料33、動物用医薬品等部会について、御説明をお願いします。
○事務局 農林水産省です。動物用医薬品等部会について、御報告いたします。資料33-1、資料33-2を御覧ください。
資料33-1は、昨年12月15日に開催された動物用医薬品等部会において御審議いただき、御了承いただいたものです。動物用生物学的製剤についても、ヒト用と同様、医薬品医療機器等法に基づき、製剤基準を定めているところですが、本基準の医薬品の各条の一部を改正するというものです。資料の1ページを御覧ください。製剤のシードロット化に伴い、既存の「日本脳炎生ワクチン(シード)」を改正し、製剤用株の一部にマーカー試験の項目を追加することとしております。
 資料33-2については、本年3月8日に開催された動物用医薬品等部会において御審議いただき、御了承いただいたものです。こちらに関しては、動物用生物学的製剤基準の医薬品各条に新たな製剤の基準の追加を行うというものです。資料の1ページを御覧ください。再審査終了に伴い、「鶏サルモネラ症(サルモネラ・インファンティス、サルモネラ・エンテリティディス、サルモネラ・ティフィムリウム)(油性アジュバント加)不活化ワクチン」の各条を追加することとし、定義、製法、各段階での試験法、貯法及び有効期限を規定しております。以上、御報告させていただきます。
○奥田分科会長 この件について、動物用医薬品等部会長の川本委員から、追加の御発言などありますか。
○川本委員 特に追加の意見はありません。ありがとうございます。
○奥田分科会長 委員の方々から、御意見、御質問などはありますか。よろしいですか。それでは、本件についても御確認を頂けたものといたします。
以上で、本日の議題は全て終了いたしました。今回の薬事分科会全体を通じて、御意見、御質問はありますか。よろしいですか。最後に、事務局から報告事項はありますか。
○事務局 次回の薬事分科会の開催日程については、追って御連絡いたします。よろしくお願いします。
○奥田分科会長 以上をもちまして、薬事分科会を閉会いたします。どうもありがとうございました。
( 了 )
備考
この会議は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

総務課 薬事審議会係 (内線2785)