2023年6月1日 第1回縦断調査の改善に関するワーキンググループ 議事録

政策統括官付参事官付統計企画調整室

日時

令和5年6月1日(木) 9:58~10:43

場所

厚生労働省仮設第4会議室

出席者

構成員(五十音順、敬称略、◎:主査)
  •  泉田 信行
  •  佐藤 香
  •  菅原 慎矢
  • ◎高橋 陽子
  •  野口 晴子
構成員以外の関係者
  •  西郷 浩 (早稲田大学政治経済学術院教授)
  •  廣松 毅 (東京大学名誉教授)
事務局
  •  岸本政策統括官
  •  田中政策立案総括審議官
  •  牧野参事官(企画調整担当)
  •  飯島統計企画調整室長
  •  渡邉審査解析室長
  •  藤井世帯統計室長
  •  菅沼縦断調査管理官
  •  野仲世帯統計室長補佐
  •  村田世帯統計室長補佐
  •  北世帯統計室長補佐

議題

  1. 1 縦断調査について
  2. 2 各調査の今後の方向性について
  3. 3 本WGの今後の進め方について
  4. 4 その他

議事

議事内容
○飯島統計企画調整室長
 定刻より少し早いですが、ただいまから、第1回縦断調査の改善に関するワーキンググループを開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席いただき、誠にありがとうございます。私は本年4月に統計企画調整室長を拝命いたしました飯島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は初回となりますので、委員の方々の御紹介をさせていただきたいと存じます。参考資料1の縦断調査の改善に関するワーキンググループの設置要綱を御覧ください。本ワーキンググループの構成員及び主査は、第27回厚生労働統計の整備に関する検討会において座長から指名されております。各構成員の皆様方の御紹介をさせていただきます。国立社会保障・人口問題研究所社会保障応用分析研究部長の泉田委員です。東京大学社会科学研究所社会調査・データアーカイブ研究センター教授の佐藤委員です。東京理科大学経営学部ビジネスエコノミクス学科准教授の菅原委員です。独立行政法人労働政策研究・研修機構副主任研究員の高橋委員です。高橋委員には主査をお受けいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。続いて、早稲田大学政治経済学術院教授の野口委員です。そのほか、審議協力者として、早稲田大学政治経済学術院教授の西郷委員と東京大学名誉教授の廣松委員に御出席いただいております。
 次に、事務局の紹介をさせていただきます。政策統括官の岸本です。政策立案総括審議官の田中です。企画調整担当参事官の牧野です。審査解析室長の渡邉です。世帯統計室長の藤井です。縦断調査管理官の菅沼です。世帯統計室長補佐の野仲、村田、北です。
 それでは、会議の開催に当たりまして、政策統括官の岸本から御挨拶を申し上げます。
○岸本政策統括官
 着席で失礼します。本日はお忙しい中、皆様御出席いただきまして誠にありがとうございます。委員の皆様には、日頃から厚生労働統計の改善等につきまして、多大なる御尽力と御理解を賜り、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
 現在、実施しております出生児・成年者・中高年者の縦断調査につきましては、いずれも10回以上継続して実施しており、各般にわたって利活用いただいておりますが、一方で、調査開始当初の客体が大きく減少している調査があることに加え、調査対象者の年齢や環境を考慮した調査項目の変更など、今後の調査のあり方等について検討していく必要が生じてきています。
 また、令和5年3月28日付けで閣議決定された「第Ⅳ期公的統計の整備に関する基本的な計画」において、平成22年出生児を調査対象とした21世紀出生児縦断調査につきましては、調査対象者の進学等を勘案の上、施策ニーズに即した調査の方向性や調査内容について検討することとされております。
 これらの課題について専門的な見地から御議論、御助言を賜りたく、この度、本ワーキンググループを設置させていただきました。引き続き、縦断調査の改善を図ってまいりたいと考えておりますので、活発な御議論をいただき、御指導いただければと存じます。よろしくお願い申し上げます。
○飯島統計企画調整室長
 次に、本日の出席状況ですが、全ての委員の皆様に御出席いただいております。
 それでは、以後の進行については高橋主査にお願いいたします。
○高橋主査
 皆様、本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。本ワーキンググループ主査の高橋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは議事を進めてまいります。本日の議題ですが、「1.縦断調査について」、「2.各調査の今後の方向性について」、「3.本WGの今後の進め方について」、「4.その他」となっております。
 本日のワーキンググループは11時30分までを予定しておりますが、予定時間を若干過ぎる可能性があるかと思います。そのような場合、御予定がある方は御退席いただいても結構です。
 まず、議事1の「縦断調査について」です。それでは事務局から簡潔に御説明をお願いいたします。
○菅沼縦断調査管理官
 縦断調査管理官の菅沼です。よろしくお願いいたします。
 それでは、議事1の「縦断調査について」、資料1-1、資料1-2について御説明いたします。まず、資料1-1「縦断調査の実施状況・利活用状況等」を御覧ください。3ページ目、縦断調査の概要です。厚生労働省では、出生児調査、成年者調査、中高年者調査の計5本の縦断調査を実施してまいりました。そのうち、平成13年から始めました出生児調査については、多くの対象者が高校生となった第16回調査以降、少子化対策のみならず、教育面を含む国の政策に活用するため、文部科学省を実施主体とした共管調査として実施しております。また、平成14年から始めた成年者調査については、10年分の蓄積データを使用した特別報告を公表したこと、あと客体の脱落が対象者の7割近くに達したことから、第14回調査で終了しております。現在、厚生労働省では、平成22年出生児、平成24年成年者、中高年者の3本の縦断調査を実施しています。
 4ページを御覧ください。出生児縦断調査の客体数や回収率の表となっております。左側、平成13年出生児は、対象者が高校1年となった第16回から、文部科学省が実施主体となっており、令和3年の第20回、大学2年等の回収客体数は約2万4,000、第1回回収客体からの回収率は51.8%となっております。右側の平成22年出生児は、令和3年の第11回小学校5年の回収客体数は約2万3,000、第1回回収客体からの回収率は60.2%となっております。
 5ページを御覧ください。成年者縦断調査の回収客体数や回収率の表となっております。左側、平成14年成年者は、平成27年第14回の回収客体が約9,500、第1回回収客体からの回収率が34.2%となったところで調査を終了いたしました。右側、平成24年成年者は、令和3年第10回の回収客体が約7,700、第1回回収客体からの回収率が24.8%となっております。なお、成年者調査につきましては、平成14年成年者の対象年齢が20~34歳と、15歳の年齢幅となっておりますが、一方、平成24年成年者では20~29歳の10歳の年齢幅となっておりますので、御留意いただければと存じます。
 それでは6ページを御覧ください。中高年者の客体数と回収率の表となっております。平成17年に50~59歳の方を対象に調査し、令和3年第17回で対象者は66~75歳、回収客体が約1万9,000、第1回回収客体からの回収率が55.5%となっております。
 7ページです。縦断調査の特性を活かし、複数年分のデータを用いて分析を行った特別報告をまとめたものです。
 1段目は、出生児調査から家族の状況、母の就業状況の変化を多面的に分析したものです。2段目は、出生児調査と成年者調査から、若者を中心とした就業、結婚、出産における行動の変化や政策の効果をまとめたものです。3段目は、出生児調査から、子ども、親を取り巻く環境が、子どもの成長や健康、将来に対する意識等に与えた影響について取りまとめたものです。4段目は、中高年者調査から、10年間の就業や健康等に与えた影響を取りまとめたものです。なお、特別報告にはデータ分析など、専門的な知識が必要となるため、1つ目を除き研究機関の協力を得て作成しております。また、22年出生児、24年成年者を利用した特別報告はまだ実施されておりません。
 9ページを御覧ください。利活用状況となります。上段、労働政策審議会、経済財政諮問会議、未来投資会議の会議資料として、第1子出産後の妻の就業変化、夫の休日の家事・育児時間別にみた第2子以降の出生割合、高年齢者の雇用形態別就業率などで利用されております。また、白書、局内資料の指標として利用されているところでございます。
 10ページ目を御覧ください。二次的利用の状況についてまとめたものです。これについては令和3年度の実績となっております。統計法第32条に基づくものでは、育児・介護休業法改正の基礎資料として、成年者調査が利用されております。統計法第33条に基づくものでは、平成13年出生児が9件、平成22年出生児が8件、中高年者が7件となっております。
 11ページです。厚生労働省ホームページへのアクセス件数をまとめたものです。調査の中では出生児調査のアクセス数が一番多く、月別では網掛けの公表月がピークとなっております。
 12ページを御覧ください。e-Statでのダウンロード件数について、令和4年1年間の実績をまとめたものです。32位の平成22年出生児が一番多く、中高年者調査、成年者調査と続いております。厚生労働省全体では176調査がありますが、上位半分に入っており、比較的関心の高い調査になっているかと存じます。資料1-1の説明は以上となります。
 引き続き資料1-2を御説明いたします。資料1-2「縦断調査における課題・有識者ヒアリングの結果」を御覧ください。
 2ページ目を御覧ください。縦断調査では、いずれも10回以上継続して実施しておりますが、調査開始当初の客体数が大きく減少しているもの、対象者の年齢等を考慮した調査項目の見直しを行うなど、今後のあり方について検討していく必要があると認識しております。
 1段目、平成13年出生児については、現在、文部科学省で実施されているところですが、多くの対象者が学業を終え、就業、結婚、出産を経験する年齢を迎えようとしており、今後どのような調査としていくべきかが課題となっております。
 2段目、平成22年出生児は、令和4年で対象者が小学6年となり、調査対象者の進学等を勘案し、平成13年出生児と同様、調査対象者が高校1年生となる第16回調査から、実施主体を文部科学省とする共管調査にすべきか課題となっております。なお、本件につきましては、3ページの下段にありますとおり、第Ⅳ期基本計画において、政策ニーズに即した今後の調査の方向性や調査内容について検討し、令和5年度末までに結論を得ることとなっております。
 3段目の平成24年成年者は、客体の減少が激しく、調査の継続が課題となっております。4段目、中高年者調査につきましては、既に全ての対象者が65歳を超え、今後多くの者が後期高齢期を迎えることになりますので、調査事項の見直しが課題となっております。
 3ページを御覧ください。上段は、各縦断調査共通の課題です。縦断調査は分析に時間を要することから、政策部局の資料としてはなじみにくい面があります。政策に利活用されるためにはどのような調査項目とすべきかが課題となっております。また、新たな集団を対象に調査を実施する必要がある場合、どのような対象とすべきかが課題となっています。
 2段目です。特別報告、研究者との連携では、一度も特別報告を作成していない平成22年出生児、平成24年成年者について、どのような内容にすべきか、研究者とどのような連携方法とすべきかが課題となっております。
 5ページ以降となりますが、5ページからは今回のワーキング開催に当たりまして、昨年9~12月にかけ、計13名の有識者の方にヒアリングをさせていただきました。その要旨をまとめたものです。内容の説明につきましては、時間の関係もありますので割愛させていただきたいと思いますが、ヒアリングを踏まえ、先ほど御説明した課題について、今後の方向性を検討してまいりました。資料1-2の説明は以上となります。御審議よろしくお願いします。
○高橋主査
 御説明ありがとうございます。それでは、ただいまの御説明について、御質問も含めて、委員の皆様、何かございますか。特に意見はないようですので、次の議題に進めさせていただきたいと思います。
次に、議題2の「各調査の今後の方向性について」です。それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○菅沼縦断調査管理官
 それでは、議題2の「各調査の今後の方向性について」、資料2「各調査の今後の方向性(案)」を御説明いたします。
 資料2の2ページを御覧ください。世帯統計室では、各調査の課題につきまして、先ほど御説明した資料1-2の有識者ヒアリングを踏まえて、今後の方向性を検討してまいりました。1段目です。平成13年出生児は、現在、文部科学省で調査されておりますが、多くの対象者が学業を終え、就業・結婚・出産を経験する年齢を迎えようとしており、今後の調査が課題となっておりました。文部科学省で実施中の調査では、回収客体が約2万5,000残っており、実施主体を当省に変更した上で、成年者調査で把握している調査項目を把握してはどうかと考えております。これにより、出生から就業に関する長期パネルになるのではないかと考えているところです。今後、本ワーキンググループにおいて、具体的な調査項目などを御議論いただければと存じます。
 2段目。平成22年出生児につきましては、調査対象者の進学等を勘案し、平成13年出生児と同様、対象者が高校1年生等となる第16回調査から、文部科学省を実施主体とする共管調査にすべきかが課題となっておりました。平成13年出生児と世代間比較を可能とし、少子化対策のみならず、教育面を含む国の政策に活用することを目的として、第16回(令和8年)調査から、実施主体を文部科学省とする共管調査に変更してはどうかと考えております。
 3段目。平成24年成年者につきましては、客体の減少が激しく、調査の継続が課題となっておりました。第10回(令和3年)調査の残存率が24.8%、回収客体数が8,000弱と減少が激しく、世代間比較、調査の継続が難しくなっていることから、中止の時期について判断をしてはどうかと考えております。
 4段目。中高年者調査につきましては、今後多くの者が後期高齢期を迎えることになるため、調査項目の見直しが課題となっておりました。第21回(令和7年)調査から対象者が全員70歳以上となるため、今後、ワーキンググループにおいて具体的な調査項目の見直しを検討してはどうかと考えております。
 下から2段目です。特別報告、研究者との連携につきましては、一度も特別報告を作成していない平成22年出生児、平成24年成年者について、どのような内容にすべきか、研究者とどのような連携方法とすべきかが課題となっておりました。特別報告では、専門的な知識が必要であるため、今後、本ワーキンググループにおいて、特別報告の内容、研究者との連携方法について検討してはどうかと考えております。今後、新たな集団を対象とした調査につきましては、その必要がある場合、どのような対象とすべきかが課題となっておりました。今後、本ワーキンググループにおいて対象者、調査内容について検討してはどうかと考えております。
 資料2の説明は以上となります。課題を踏まえた今後の方向性につきまして、御審議をお願いいたします。
○高橋主査
 ありがとうございます。それでは、ただいまの御説明について、御質問も含めて委員の皆様、何かございますでしょうか。野口先生、よろしくお願いいたします。
○野口委員
 大変分かりやすい御説明をいただき、どうもありがとうございました。非常にこれらの縦断調査は20年近くにわたって厚生労働省様が収集、管理をされていて、すばらしい調査だと思っております。その中で、これは意見ということになるのですが、例えば中高年縦断調査が典型なのですが、今後、70歳以上ということで、いわゆる後期高齢者になることを踏まえると、医療需要あるいは介護需要というものがこの方々については高まってくるということが予想されています。もちろん、これは調査なので御自身が回答するという非常に貴重な情報ではあるのですが、中高年縦断調査については、例えば行政管理情報、NDBあるいは介護DB等と連結が進んで、非常に世界的に見てもすばらしいデータセットが作られつつあるのですが、こういった行政管理情報と、例えば中高年縦断調査を突合する可能性について、これらの行政管理情報はサンプルサイズが大きくてすばらしいのですが、ただ、例えば家族の情報や仕事・就業状況、家族内に介護してくれる人がいるかどうかといった情報が余りないということで、非常に欠点もあるわけですが、例えばこういった中高年縦断調査と行政管理情報を合わせることにより、そういう欠点というのが捕捉されることもありますので、そういった可能性。ほかのそういったデータと突合して、より充実した医療政策、あるいは介護政策に役立てるような研究結果が出るような形に調査をより発展的に構築仕直すみたいなところは考えとしておありになるのか、ないのかを伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○高橋主査
 行政管理情報との連結について、御意見をいただきました。事務局の方、いかがでしょうか。
○菅沼縦断調査管理官
 行政管理情報につきましては、それぞれ利活用されているところではありますが、活用するに当たっては、ガイドラインや様々な制約もあったりいたしますので、利用に当たって、連結していいものを作っていきたいとは存じますが、課題や方法などを少し整理させていただき、次回以降御相談をさせていただければと思います。
○高橋主査
 ありがとうございます。それでは、ほかに御意見はございますか。佐藤先生、よろしくお願いいたします。
○佐藤委員
 御説明ありがとうございました。方向性は大体これでよろしいのではないかと思います。それで、中高年者の縦断調査の調査項目の見直しですが、これはやはり厚生労働行政で中高年がどのような政策対象になり得るのかということを整理していただき、今まで老齢者、高齢者に対して行政ニーズなどを捉えるような調査をしていたかもしれないし、していなかったかもしれませんが、そういう厚生労働省様の御経験に基づいて、調査設計をなさるのがよろしいのではないかと思います。
 それから、研究者との連携は様々な方策があると思いますが、もし研究会のようなものを設置なさるのであれば、それなりの予算措置も必要になるかと思いますので、それも含めて御検討いただければと思って聞いておりました。私からは以上です。
○高橋主査
 ありがとうございます。中高年調査の調査項目の見直しと、研究者との連携について御意見をいただきました。事務局から、お返事はありますでしょうか。
○菅沼縦断調査管理官
 中高年者につきましては、当初、調査開始時点では50~59歳ということで開始させていただきましたが、介護をする立場から、今度は介護を受ける立場というように、対象者も変わってきておりますので、そのような中での行政ニーズというものの見直しを念頭に、調査項目の見直し、御議論いただければと思います。
 また、研究者との連携につきましても、どのような環境が必要になってくるのかということも含めて、整理して御議論いただこうと思います。よろしくお願いいたします。
○佐藤委員
 どうぞ、よろしくお願いいたします。
○高橋主査
 ありがとうございます。それでは、ほかに御意見はございますか。西郷先生よろしくお願いいたします。
○西郷委員
 御説明、どうもありがとうございます。いろいろな調査、出生児と成年者と中高年者の調査が3本立てで走っているということですが、どれも大事な調査だと思います。私の個人的な意見としては、平成13年に始まった出生児の、今ちょうど大学を卒業するぐらいまできたというパネルが、一番この調査の中で大事な部分ではないかと思います。と言いますのも、これを、これから先、平成13年に生まれた出生児を、成年になっても中高年になってもずっと追い掛けるという形で続けていけば、この縦断調査全体の設計としても、当初の1人の人をずっと一生追い掛けるのだという発想が完結することにもなりますし、恐らくは彼らが就業するという段階に、社会人になるという段階になると、労働経済学、あるいは教育経済学などの観点から分析したい人がかなりたくさん出てくると思いますので、是非、この部分はきちんと調査を続けるという方針を貫いていただきたいなと思っています。
 ただ、その観点からすると、平成13年のパネルに関してはこれからが試練で、というのは、成年者のほうになると途端にattrition、脱落が増える傾向がこれまでにもあるので、何か今までと同じやり方で、この平成13年のパネルを維持しようとしても、うまくいかないのではないかということを強く心配しております。ですので、是非、この平成13年のパネルをどうやって維持するのかについては、かなり時間を割いて検討して、かなり難しいことだと思いますが、attritionがあまり起きないように努力をしていただければなと思います。この調査、平成13年のパネルが例えば途中でもう潰えてしまって、調査が立ち行かなくなるという形になると、この縦断調査全体が計画として失敗だったということになりかねないので、是非、御検討いただければなと思います。以上です。
○高橋主査
 ありがとうございます。幾つかの調査の中で、特に平成13年出生児が重要であること、また、その長期のパネルデータの構築について御意見をいただきました。またattritionの問題について、どう対処していくかという点についても御意見をいただきました。事務局から、お返事はございますか。
○菅沼縦断調査管理官
 ありがとうございます。平成13年出生児の継続につきまして、現在、出生児とは別に成年者調査を実施しているところでございますが、やはり成年者調査の中では、過去、子どものときにどういう教育を受けたのかなどが分かりにくい面がありました。そういう意味で、この出生児を継続して調査していくことにより、その成年者が子どものときにどういう状態だったかといったことも把握できるようになってくるのかなというように考えております。この平成13年出生児調査を有効活用できるように、調査項目、調査方法について御議論、御検討させていただければと思いますのでよろしくお願いいたします。
○高橋主査
 ありがとうございます。ほかに、御意見はございますか。
○廣松委員
 審議協力者の廣松ですが、よろしいでしょうか。
○高橋主査
 よろしくお願いいたします。
○廣松委員
 私も基本的に、先ほど西郷さんがおっしゃっていたことに賛成です。この平成13年出生児縦断調査に関しては、言葉が適当かどうか知りませんが、今後も、死守していくべきものだと思います。それとは別に、資料1-1の11ページWebサイトのアクセス件数の所ですが、これは厚生労働省のホームページへのアクセス数のみで、平成13年出生児縦断調査全体としては、今は文部科学省が調査しているので、文部科学省のホームページにもアクセスがあると思うのですが、その情報も是非教えていただければと思います。
 それと、この平成13年出生児縦断調査の対象者はこれから成年期に入っていくことになり、社会的なモビリティーが一番高い年齢層に入っていくわけで、回答者数をどうやって維持していくのかということがきわめて重要になると思います。その対策の1つとして、この調査の正に過去の蓄積のお陰だと思いますが、今までずっと保護者も追跡してきた保護者票もあり、これまでの成年者調査とは違って、保護者のほうから調査対象者の移動状況などの情報を得るということが可能ではないかと思います。平成13年出生児縦断調査は、令和9年からまた厚生労働省のほうで調査を実施するということですが、その意味でも、是非、文部科学省と協力を密にしていただき、様々な手段で調査対象者を捕捉する努力をしていただければと思います。以上です。
○高橋主査
 ありがとうございます。出生児調査について、文部科学省のアクセス数も加えてはどうかということと、attrition対策について、保護者についても調査をすればよいのではないかというアイディアをいただきました。また、文部科学省との緊密な連携が必要ではないかと御意見をいただきました。事務局から、お返事はございますでしょうか。
○菅沼縦断調査管理官
 ありがとうございます。平成13年出生児の利活用状況、ホームページのアクセス数等につきましては、次回のワーキングに向けまして、文部科学省のほうに確認させていただければと思います。
 また、平成13年出生児の客体数を維持するために、保護者票ということも含めて、現在、文部科学省でも、いろいろ客体を維持するため課題があるかと存じますので、その辺は文部科学省とも情報交換をして、年齢が徐々に上がってきておりますので、課題等も踏まえて検討していきたいと思います。
○高橋主査
 ありがとうございます。そのほかに、御意見はございますか。よろしいでしょうか。それでは委員の方から出ました御意見につきましては、事務局のほうで御検討いただきまして、次回のワーキンググループで資料を提出していただきたいと思います。
 次に、議題3の「本WGの今後の進め方について」です。それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
○菅沼縦断調査管理官
 それでは、議題3「今後の進め方について」、資料3「本WGの今後の進め方(案)」で御説明させていただきます。先ほど御説明した資料2の「今後の方向性」につきまして、御了承いただければ、資料3の2ページを御覧ください。おおむね、2~3か月ごとに1回の頻度で、計6回のワーキンググループを開催したいと考えております。令和5年度末に中間まとめ、令和6年度中に結論を得て、報告書案をまとめたいと考えております。
 第1回は本日ですが、資料2にありました、各縦断調査の今後の方向性(案)、現在見ていただいている本資料で、今後の進め方について御検討いただければと考えております。
 第2回は、令和5年度秋頃を予定しておりますが、ここでは中高年者調査の調査項目の見直しについて検討を予定しております。中高年者調査では、令和7年に全対象者が70歳を迎えることから、令和7年調査から調査項目を変更する場合、令和6年度から総務省への申請等の準備が必要となります。そのため、令和5年度中に結論を得ておく必要がありますので、第2回ワーキンググループにおいて、先行して御議論いただければと考えております。
 また、第2回、第3回のワーキンググループでは、平成22年出生児につきまして、文部科学省との共管、平成24年成年者の今後の継続についても、メリット・デメリット等を含めて御議論いただき、中間まとめ案に盛り込んでいただければと考えております。
 第3回、第4回のワーキンググループにおいて、特別報告の内容、研究者との連携方法を御議論いただいたらどうかと考えております。
 令和6年度に予定しております第4回、第5回のワーキンググループでは、文部科学省で実施している「平成13年出生児」の実施主体を当省に変更した場合の調査項目案を御議論いただいてはどうかと考えております。 
 第5回、第6回のワーキンググループでは、新たな集団の対象者、調査内容を御議論いただき、第6回ワーキンググループで、全体の御議論について報告案として取りまとめてはどうかと考えております。
 資料3「今後の進め方(案)」に関する説明は以上となります。御審議、よろしくお願いいたします。
○高橋主査
 ありがとうございます。それでは、ただいまの御説明について、御質問も含めて、委員の皆様何かございますか。特に御意見はないようですので、事務局の御提案のとおりに進めていただくよう、お願いいたします。
 最後に、議事4として「その他」がありますが、事務局から何かありますか。
○飯島統計企画調整室長
 事務局からは特段ございません。
○高橋主査
 ありがとうございます。
○廣松委員
 質問ですが。
○高橋主査
 よろしくお願いいたします。
○廣松委員
 今後の全体の仕組みに関することですが、こども家庭庁との関係はどうなるのですか。縦断調査、特に出生児調査の育児だとか、教育の分野も大いに関係すると思うのですが、こども家庭庁はできたばかりで、どういう所管になっているのか私はよく知らないのですが、厚生労働省、文部科学省、こども家庭庁の間で整理なさっているというか、交渉はなさっているのでしょうか。
○菅沼縦断調査管理官
 現在、こども家庭庁のほうとは、明確に切り分けが、まだ合意といいますか整理ができているわけではありませんが、こども家庭庁とも調整の連絡窓口を設けて、それぞれ連携して確認をしておりますので、議論の中でも、また、こども家庭庁の状況などを御報告できればと思います。
○廣松委員
 分かりました。具体的な検討はこれからだろうと思いますが、例えば、この調査に関して、こども家庭庁との共管ということもあり得るわけですね。
○菅沼縦断調査管理官
 それを含めて、こども家庭庁とも相談しつつ、検討していきたいと思います。
○廣松委員
 分かりました。ありがとうございました。
○高橋主査
 ありがとうございます。そのほか、ございますか。それでは、本日の議題は全て終了となります。事務局へお返しいたします。
○飯島統計企画調整室長
 皆様、本日はお忙しい中御出席いただき、ありがとうございました。これをもちまして、第1回縦断調査の改善に関するワーキンググループを閉会させていただきます。次回以降の開催の日程につきましては、事務局から追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。
(了)

照会先

政策統括官付参事官付統計企画調整室

電話:03-5253-1111(内線7373)