第8回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会季節性インフルエンザワクチンの製造株について検討する小委員会議事録

健康局 健康課予防接種室

日時

令和5年4月24日(月) 14:00~

場所

Web会議
中央合同庁舎5号館 専用第21会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2)

議題

  1. (1)2023/24シーズン向けインフルエンザワクチンの製造株について
  2. (2)その他

議事

議事内容
○溝口室長補佐 ただいまより、「第8回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会季節性インフルエンザワクチンの製造株について検討する小委員会」を開催いたします。本日の議事は公開となっております。議事の様子については、YouTubeで配信しておりますので御了承ください。また、事務局で用意しているYouTube撮影以外のカメラ撮りについては議事に入るまでとさせていただきます。プレス関係の方においては御理解と御協力をお願いします。また、傍聴される方は、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。会議冒頭の頭撮、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることはできません。
本日は、新型コロナウイルス感染症における状況を勘案し、一部Web会議で開催することとしております。Web会議を開催するに当たりまして、会議の進め方について御連絡をさせていただきます。御発言をされる先生は、まず名前をおっしゃっていただきまして、委員長の御指名に基づいて御発言をお願いいたします。なお、Web会議となりますので、タイムラグが生じますことを御了承ください。会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合には、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして委員の出欠状況ですが、今日14時の冒頭では、委員9名中9名の御出席でしたが、当方のトラブルによりまして岡田委員が14時50分までで退室ということで、実質は欠席となります。大変申し訳ありません。また、その他の先生方には御出席いただいておりますので、厚生科学審議会の規定により定足数を満たしており、本日の会議が成立したことを御報告いたします。また、本日は参考人としまして6名の方に御出席をいただいております。国立感染症研究所インフルエンザ・呼吸器ウイルス研究センター長の長谷川参考人、国立感染症研究所インフルエンザ・呼吸器系ウイルス研究センター第一室長の渡邉参考人、日本ワクチン産業協会インフルエンザ専門委員の金子参考人、中川参考人、松浦参考人、渡辺参考人に御出席いただいております。申し訳ございませんが、冒頭のカメラの撮影につきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
 それでは議事に先立ちまして、資料の確認をさせていただきます。本委員会の資料は、あらかじめ送付させていただいた電子ファイル及びお手元のタブレット端末で閲覧する方式で実施しております。番号01の議事次第及び委員名簿~番号07の利益相反関係書類を用意しております。資料の不足等、御不明な点がございましたら、事務局のほうにお申し出ください。
 それでは、ここからの進行は坂元委員長にお願いしたいと思います。
○坂元委員長 皆さん、川崎市の坂元でございます。お待たせいたしました。本日は、よろしくお願いいたします。では、利益相反の確認を事務局からお願いいたします。
○溝口室長補佐 引き続き事務局から、審議参加に関する遵守事項等について報告いたします。審議参加の取扱いについて御報告します。本日、出席いただきました委員及び参考人から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄付金等の受取り状況及び申請資料への関与について申告をいただいております。各委員・参考人からの申告内容については、資料07の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
本委員での調査審議を行う品目は、季節性インフルエンザワクチンとなります。本日の出席及び参考人の寄付金等の受取り状況から、参加規程第5条により、中野委員、日本ワクチン産業協会の中川参考人及び渡辺参考人が、調査審議を行う品目の申請書類に関与されておりますので、審議時に「退室」に該当します。また、参加規程第6条に基づきまして、日本ワクチン産業協会の中川参考人、金子参考人、松浦参考人、及び渡辺参考人が、調査審議されるワクチンを製造販売する企業との間で特別の利害関係を有すると考えられますので、審議時に「退室」に該当します。また、参加規程第8条に基づきまして、御欠席ではございますが、御紹介で岡田委員が寄付金受取りの実績があり、かつ、その額が500万を超える年度があることから、審議不参加の基準に該当するので、審議時に「退室」に該当し、参加規程第9条により、中野委員が寄付金受取りの実績があり、かつ、その額が50万を超え、500万円以下の年度があることから、議決不参加の基準に該当しますので、審議の際、「議決に参加しない」に該当します。なお、このほかの方で「退室」や「審議又は議決に参加しない」に該当される委員はいらっしゃいませんでした。事務局からは以上になります。
○坂元委員長 ただいま事務局から本日の審議参加について御報告がありました。参加規程第5条により、中野委員、日本ワクチン産業協会の中川参考人、及び渡辺参考人が、参加規程第6条により、日本ワクチン協会の中川参考人、金子参考人、松浦参考人、及び渡辺参考人が、審議時に「退室」に該当します。また、もう退室されてしまいましたが岡田委員が、参加規程第8条により、審議時に「退室」に該当し、中野委員が、第9条により、審議の際に「議決に参加しない」に該当します。
しかしながら、参加規程によりますと、「審議会場から退室する」との取扱いにつきましては、「該当委員等の発言が特に必要であると委員の皆様方が認めた場合には、出席し、意見を述べることができる」となっております。今回の会議では、委員長として、岡田委員はもう退室されましたが、中野委員には「専門家としての意見を述べていただきたいこと、また意見を述べることがありましたら公平な立場でお願いしたい」と思います。また、日本ワクチン産業協会の中川参考人、金子参考人、松浦参考人及び渡辺参考人には、ワクチン製造候補株の検討について資料を準備していただいており、これら4名の方につきましても、専門家としての意見を述べていただきたいこと、また意見を述べることがありましたら公平な立場でお願いしたいと思いますが、委員の皆様方、以上でよろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○坂元委員長 異議なしということなので、その他、本委員会での意見の取りまとめは、「議決」には当たりませんが、先ほど報告のありました、既に退室しております岡田委員におかれましては、参加規程第9条に準ずる形で、中野委員と同様に、意見の取りまとめの際には参加いただかないということにしたいと思います。これも、よろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○坂元委員長 ありがとうございます。異議がないということですので、委員会としての了承が得られたということで、早速、議事に入りたいと思います。
本日の議題は、2023年、2024年シーズン向けインフルエンザワクチンの製造株についてです。まず、事務局より御説明をお願いします。なお、質疑応答につきましては、全ての資料について御説明いただいた後に、時間を設けたいと思います。では、よろしくお願いいたします。
○清水専門官 事務局です。資料1に基づいて、2023/24シーズン向けインフルエンザワクチンの製造株について御説明させていただきます。資料1の2ページを御覧ください。例年使っているスライドになりますが、季節性インフルエンザワクチンの製造株選定に当たっての基本的考え方です。基本的考え方は、上の灰色の所にありますとおり、原則としてWHOが推奨する株の中から、期待される有効性、ワクチンの供給可能量を踏まえた上で、検討しているところです。具体的な製造の流れのイメージ図が、鶏から始まって製造するという流れ、製造の流れが下に示しているところです。2023/24年シーズンのインフルエンザワクチンの製造株については、昨年から坦々と製造を開始しているところです。
 次のスライド、3枚目のスライドを御覧ください。2023/24年シーズンに向けたワクチンの製造の候補株の基本的な流れを示しております。基本的な流れは、上の緑の矢印のところになります。最初の赤い吹き出しの所でWHOの推奨があり、今年も例年並みの2月24日に公表されたところです。インフルエンザワクチンには4つの株があり、その中の1つであるA型のH1N1型は、WHOの推奨が去年から変更になっているところです。それを踏まえて、国内の製造メーカーが製造工程を確認した上で、感染研の中で検討していただいたところです。そちらで検討していただいた結果が、この3枚目のスライドの右の下の所の4つの株であり、こちらが推奨の株になっています。具体的に申し上げると、WHOの推奨を踏まえて、感染研として推奨していただいたところです。
 4枚目のスライドは、製造の特徴の概念図を示しています。先ほど申し上げたとおり、インフルエンザのワクチンは、4価の株ワクチンになっており、どれか1つをたくさん作っても供給するのが困難で、4種類をバランスよく供給する、バランスよく原液を作ることで、ワクチンが適切に供給されるということを示した概念図、イメージ図です。
 5枚目のスライドは、スケジュール感を坦々と示したスライドになっており、今年の2月から原液を製造しており、4月の今の段階で、株をどうするかについて御意見を賜りたいと考えているのが、今回の本日のお話です。
 6枚目のスライドが製造効率を示したもので、変更のないものに関しては、それぞれ製造効率は例年と同じで、変更になるA型のH1N1型に関しても、製造効率においては前年度に比べて問題がないとなっています。
 残り2枚のスライドは参考のスライドです。参考の1つ目は、インフルエンザワクチンの供給量と使用量の年次推移を示しています。最後のスライドは、過去5年間のワクチンの推奨株がどのようなものだったのかを示しています。この後、感染研の長谷川先生から、推奨株について御説明いただき、感染研のほうで御検討いただいた推奨株で問題がないのかということについて、医院の皆様から御意見を賜わりたく存じます。事務局からの説明は以上です。
○坂元委員長 引き続きまして、国立感染研究所の長谷川参考人から、資料2-1に基づいて御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○長谷川参考人 ありがとうございます。そうしましたら、資料2-1を御覧ください。こちらからスライドを共有させていただきます。まず最初のA/H1N1ですけれども、こちらは流行状況を示しております。2021年、2022年のシーズンは、コロナの対策などの副次的効果と考えられますけれども流行が非常に極めて小さいものでした。2022年、2023年には流行が戻ってきまして、世界的には94%がA型を占めていて、そのうち亜型と同定されたものでA/H3が70%でした。あと、B型は全てがビクトリア系統でした。国内では、約95%がA/H3でした。
 これらの状況と、それぞれの亜型について説明させていただきます。まず、A/H1N1ですが、こちらに系統樹を示しております。H1N1というのは、資料の2ページ目にありますように、グレードとしましては6B.1A.5a.1、あとは5a.2群に分かれておりまして、それがこの系統樹では、5a.1と5a.2の群になります。2022年を見ていきますと、ほとんどがここのグレード(5a.2群)に入っております。5a.2群は、5a.2a群と5a.2a.1群に分かれます。
 地域別には、5a.1群のほうはアフリカや南米から、5a.2a群のほうは多くの国から分離されて検出されておりまして、5a.2a.1群のウイルスはヨーロッパと北米、中米の国で検出されております。国内では、そのA/H1N1の検出は非常に少なかったのですけれども、5a.2aに属しておりました。5a.1と5a.2aが、この一番左の昨年の9月から現在までの間、非常に多く割合を占めているということを示しております。
 こちらがフェレット感染血清を用いた抗原性の解析ですけれども、一番左ですが、5a.1に対する血清は5a.1には当たりますけれども、5a.2a及び5a.2a.1群の分離株に関しては非常に反応性が落ちています。それに対しまして、こちらの2つ目、5a.2、5a.2a.1ですけれども、こちらの血清は5a.2a、及び5a.2a.1全てに対して良好な反応を示しています。しかし、一番上の2つの5a.1に対しては反応性が落ちているという結果です。
 続きまして、昨年度(2022/23シーズン)のワクチンを接種した人たちの血清の反応性を見たものですけれども、これはブルーのほうが反応性が良いということを示していまして、これが暖色になるに従って反応性が落ちていることを示しておりますけれども、5a.2については反応性が非常に良いのですけれども、5a.2aと5a.2a.1に対しては反応性が落ちているということで、反応性の低下が認められました。
 5a.2a.1群に属するウイルスが増えてきていることと、ワクチン接種者の反応性が下がっているということから、WHOでは2023/24シーズンの北半球用のA(H1N1)pdm09に関しては、5a.2群に属するA/Victoria/2570/2019類似株から、5a.2a.1群に属するA/Victoria/4897/2022類似株に変更いたしました。
 それを受けて、感染研では国内のA(H1N1)pdm09亜型ワクチン製造候補株として、高増殖株のA/Victoria/4897/2022(IVR-238)を入手し、国内のワクチン製造所4社に分与しました。本株について、各製造所で増殖性と、ショ糖クッション法によるウイルスたん白質収量、およびエーテル処理によるスプリット工程、及びろ過工程まで行った生産性が評価され、昨年度と比較して特に増殖性に問題がなかったということが示されております。以上から、令和5年度のA/H1N1pdm09亜型ウイルスのワクチン株として、A/Victoria/4897/2022(IVR-238)を推奨しました。
 続きまして、A/H3N2の系統樹を説明します。A/H3N2亜型は、遺伝子の多様化が大分進んでいるのですけれども、ほとんど全てのウイルスが3C.2a1b.2a群に属しております。こちらの中で、更に3C.2a1b.2a群はその次の分岐として、1群、2群に分かれております。今シーズンのほとんどは、この2群に属するウイルスがこのように検出されてきております。
 2群は、更にHA上の特徴的なアミノ酸の変異によって、2a~2d群に分かれて、2a群は更に2a.1~2a.3群に分かれて、またその中でも細かく分かれています。世界的には、2a.1群、2a.3a.1群、2a.1b群、あるいは2b群に属するウイルスがよく検出されていました。国内の多くの分離株は、2a.3aと2a.3a.1群のウイルスですが、2bも検出されています。
 フェレット感染血清を用いた抗原性解析では、今シーズンのワクチンであるDarwin/6、これは細胞分離、Darwin/9、これは卵分離ですけれども、これらに対する血清はともに良好な反応性を示していて、こちらはHIアッセイ(赤血球凝集阻止試験)で、こちらがニュートラライゼーションのアッセイ(中和試験)です。
 また2022/23シーズンのワクチン接種、昨シーズンのワクチンを接種した血清との反応性を調べたものですけれども、こちらは細胞分離のA/Darwin/6/2021に対する反応性を比較した場合、2b群のウイルスとの反応性の低下が、若干見られておりますけれども、概して2群に属する流行株と良好な反応を示しました。以上のことから、2023/24シーズンの北半球用のA(H3N2)ワクチン推奨株を、今シーズンと同じA/Darwin/9/2021類似株を推奨しました。
 国内のA/H3N2亜型の製造用としては、令和4年度において高増殖株A/Darwin/9/2021(SAN-010)が使用されており、その後、新たなワクチン株の性状解析が実施されていないことから、令和5年度のA(H3N2)亜型ウイルスのワクチン株として、令和4年度と同一株であるA/Darwin/9/2021(SAN-010)を推奨しました。
 先ほどの昨シーズンのワクチンを接種した血清は、2022/23シーズンのワクチンを接種したヒトの血清です。訂正します。
 続きましてB型です。こちらがB型の系統樹を示しておりますけれども、HAたん白質に3アミノ酸欠損と136番目のE変異を持つV1A.3群内に属して、更に変異を有するV1A.3a群に属しています。V1A.3aは、更にV1A.3a1とV1A.3a2群に分かれています。フェレット血清を用いた抗原性解析では、今シーズンのワクチン推奨株のB/Austria/1359417/2021の類似株に対する血清は、同じV1A.3a.2群のウイルスとは良好に反応しました。また、B/Austria/1359417/2021類似株を含む、2022/23シーズンワクチンを接種したヒトの血清を用いた血清学的試験においては、V1A.3a.2群のウイルスとよく反応しているという結果になっています。
 以上のことから、WHOは、2023/24シーズンの北半球用のB/ビクトリア系統ワクチン推奨株として、今シーズンと同じB/Austria/1359417/2021類似株を引き続き推奨しました。
国内のB/ビクトリア系統のワクチン製造用としては、令和4年度の高増殖株のBVR-26が使用されており、本株以外に新しくワクチン候補株の性状解析が行われていないことから、令和5年度のB/ビクトリア系統ウイルスのワクチン株として、令和4年度と同一株であるB/Austria/1359417/2021(BVR-26)を推奨しました。
 続いて、B型山形系統に関しては過去3シーズンと同様に、ナチュラルなウイルスとしての検出がなく、弱毒生ワクチン由来の株の検出が見られたのみでした。現在のところ完全に山形系統がなくなったという確証がないため、WHOでは引き続き山形系統のウイルスを4価ワクチン用のウイルス株として推奨しました。これまで推奨されていたB/Phuketを引き続き、我が国でも令和5年度のワクチン株として推奨します。以上です。
○坂元委員長 長谷川参考人、どうもありがとうございました。引き続きまして、参考人の日本ワクチン産業協会から、松浦参考人、よろしくお願いいたします。
○松浦参考人 日本ワクチン産業協会の専門委員の松浦です。日本産業ワクチン協会から平成23年、24年シーズンの季節性インフルエンザHAワクチン製造候補株の検討成績を説明いたします。資料の3を御覧ください。
 まず、1ページ、製造候補株の製造適性評価の方法を簡単に説明させていただきます。製造候補株の製造適性評価は、小スケールの実験系で、ワクチン製造と同じように発育鶏卵にワクチン株を接種して培養します。発育鶏卵から尿膜腔液を採取し、濃縮、しょ糖クッション遠心を行います。得られた精製ウイルス液について、ウイルスたん白質の収量を評価します。これを中間評価と呼びます。
 2017/18シーズンまでは、収量の評価はここまででしたが、2017/18シーズンの埼玉株におけるスプリット工程収率低下を受けて、2018/19シーズンからは、小スケール実験系でスプリット工程、ろ過工程を実施し、模擬ワクチン原液まで作製して、ウイルスたん白質収量を評価するように変更しています。これを最終評価といいます。
 WHOの推奨株は、A/H1N1以外は、22-23年シーズンから変更がありませんでしたので、変更のあったA/H1N1のみ製造候補株を評価しております。
 3ページ目は、A/H1N1製造候補株の中間評価の結果です。製造候補株は、感染研からA/Victoria/4897/2022(IVR-238)株の1株のみ分与されましたので、この株について検討を行っています。その結果、たん白質収量は、昨シーズンの製造株であるA/Victoria/1/2020(IVR-217)株に対して130%という結果となりました。
 4ページ目は、A/Victoria/4897/2022(IVR-238)株のウイルス粒子の形状を電子顕微鏡で観察した画像となります。桿状のウイルス粒子も観察されておりますが、この量は過去の製造株と同程度と考えられまして、ウイルス粒子の形状による製造への影響はないと考えております。
 5ページ目は、A/Victoria/4897/2022(IVR-238)株の最終評価の結果です。最終評価の模擬ワクチン原液の段階では、昨シーズンの製造株であるA/Victoria/1/2020(IVR-217)株に対して、A/Victoria/4897/2022(IVR-238)株は122%のたん白質収量という結果でした。この表には出しておりませんが、最終評価をした際に、精製ウイルス液の段階でのたん白質収量も確認しておりまして、そこでは119%という結果が得られております。スプリット工程でも収率低下は見られておりません。これらの結果から、ワクチン産業協会としては、A/Victoria/4897/2022(IVR-238)株の製造適性は十分にあるというように結論付けております。ワクチン産業協会からは以上です。
○坂元委員長 どうもありがとうございました。続きまして、何か事務局から補足的な説明等はございますか。
○清水専門官 事務局でございます。残りの資料2-2につきましては、WHOの推奨株、類似株を示したものとなっておりますので、適宜、御参照いただければと思います。先ほど私のほうから説明させていただきました資料1の3ページに基づきまして、WHOの推奨の概要等を感染研の先生方に検討していただいた株があります。こちらを踏まえて、感染症研究所で検証していただいた株でよいのかということに関して、御意見を賜われればと考えております。御審議のほど、よろしくお願いします。
○坂元委員長 どうもありがとうございました。ただいま2名の参考人、及び厚生労働省から追加説明を頂きました。では、ただいまから質疑応答の時間とさせていただきたいと思います。御質問のある方は、挙手若しくはリアクションボタンを押していただければと思います。よろしくお願いいたします。
よろしいですか。では、特に質問等、御意見等がないという形で、それでは早速、審議にまいりたいと思います。次のシーズンにインフルエンザワクチンの製造株として選定することが適当と考える株について、御意見を頂きますようお願いいたします。今まで説明がありましたが、資料1に、推奨株が出ておりますが、いかがでしょうか。この株について、何か御異議等はございますか。
 ありがとうございます。本日の議論のまとめに移りたいと思います。(1)A型のH1N1については、ビクトリア株のIVR-238を選定すること、(2)A型のH3S2については、昨年度と同じく、ダーウィン株のSAN-010を選定すること、(3)B型のビクトリア系統については、昨年度と同じく、オーストリア株のBVR-221を選定すること、(4)B型の山形系統については、昨年度と同じく、プーケット株を選定すること、以上で御異議はございませんか。よろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○坂元委員長 それでは、皆様から御異議がないということで、そのようにさせていただきたいと思います。本日の予定した記事は終了となりますが、その他、事務局から何かございますか。
○清水専門官 すみません、事務局です。坂元先生、3番目の株は、オーストリア株のBVR-26株でございます。
○坂元委員長 では、先ほどのオーストリア株に関しては、BVR-26に訂正させていただきたいと思います。それで御異議はございませんでしょうか。
                                   (異議なし)
○坂元委員長 では、事務局からはよろしいですか。何か追加はございますか。
○溝口室長補佐 ありがとうございます。次回の開催につきましては、追って御連絡をさせていただきます。事務局からは以上でございます。
○坂元委員長 それでは、本日の季節性インフルエンザワクチン製造株について検討する小委員会をこれで終了いたしたいと思います。委員の皆様方、参考人の皆様方、どうもありがとうございました。終了いたしたいと思います。