第1回就業支援担当者研修等のカリキュラム作成に関する作業部会(議事録)

日時

令和5年6月26日(水)16:30~18:00

場所

オンラインによる開催(厚生労働省仮設第4会議室)

議事

○小森地域就労支援室室長補佐 皆様、お待たせしました。定刻となりましたので、ただいまから「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会 第1回就業支援担当者研修等のカリキュラム作成に関する作業部会」を開催いたします。
 皆様方におかれましては、お忙しいところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。本日の作業部会につきましては、こちらの会場とZoomを使ったオンライン会議で開催いたします。開催に当たりまして、簡単ではございますが、オンラインについて操作方法のポイントを御説明いたします。
 作業部会の進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言をされる際にはサービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックしていただきまして、主査の許可があった後に、マイクをオンにして、聴覚・視覚障害者の方々への情報保障という観点から、お名前を名乗ってから御発言いただきますようお願いいたします。会議進行中トラブルがございましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡をお願いします。通信遮断等が生じた場合につきましては、一時休憩とさせていただくこともございますので御了承をお願いいたします。
 なお、本作業部会は御希望の方に傍聴いただいておりますので、あらかじめ御了承をお願いいたします。続いて資料の確認でございますが、本日の資料は、議事次第と資料1~4、また参考資料1と2をお付けしております。
 さて、本日は1回目の開催でございますので、本作業部会について簡単に御説明させていただきます。本作業部会は、「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会」の下で開催されるものとなっております。同じく検討会の下で開催されました「障害者の就労能力等の評価の在り方に関するワーキンググループ」の構成員のうち、検討会の駒村座長が指名する方に、議論の中心的な役割を担っていただく者として参画いただきまして、その他、実務経験に長けた方に専門アドバイザー、参集者として御出席をお願いしております。それでは、参集者の皆様と事務局を御紹介させていただきます。資料1の2ページを御覧ください。
 まず、ワーキンググループ構成員のうち座長が指名する者として、秋田大学教育文化学部教授の前原和明様に御参集をお願いしております。前原様には、本作業部会の主査を務めていただきます。それでは続いて、名簿順に御紹介をさせていただきます。まず、障害者就業・生活支援センター オープナー 主任就業支援担当者の荒木浩様です。よろしくお願いいたします。続きまして、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構 職業リハビリテーション部次長の市川浩樹様です。続きまして、NPO法人 全国就労移行支援事業所連絡協議会 副会長の稲葉健太郎様です。続きまして、リゾートトラスト株式会社人事企画部ダイバーシティ推進室の北沢健様です。最後に、NPO法人 全国就業支援ネットワーク代表理事の藤尾健二様です。よろしくお願いします。以上の皆様に御参集いただいております。続きまして、事務局の御紹介です。障害者雇用対策課課長の小野寺です。続きまして私、障害者雇用対策課地域就労支援室室長補佐の小森です。また、オブザーバーとして、障害福祉課の松浦課長補佐に参加いただきますが、本日は都合により代理といたしまして、同課の佐藤就労支援専門官に参加いただいております。以上です。
 それでは、議事に入りたいと思います。以後の進行は、前原主査にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○前原主査 検討会の駒村座長から、本作業部会の主査に御指名いただきました。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、議題のとおり、まず本作業部会の進め方、論点、並びに就業支援担当者研修等のカリキュラムの現状等について皆様で共有した後、お気付きの点等、御意見いただきたいと思っております。それでは、議題1について、事務局から説明をお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局障害者雇用対策課長の小野寺でございます。議題1の資料1に基づいて御説明させていただきます。「就業支援担当者研修等のカリキュラム作成に関する作業部会」の開催についてということで、冒頭に事務局からも申し述べておりましたけれども、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会に当たりましては3つのワーキングを設けまして、障害のある方を中心に雇用施策と福祉施策それぞれの支援サービスが適切に届くように、シームレスな支援を目指したときに、やはりそれらに携わる人材の育成強化ということが重要なテーマ立ての1つとして掲げられていたわけです。
 既に令和4年12月の臨時国会で法案等成立いたしておりますけれども、法改正に向けた議論の結果、人材育成では特に基礎的研修というものを創設しようということになっております。この基礎的研修につきまして、障害者就業・生活支援センターは、検討会の当初とりまとめにおいては就業担当の方のみでしたけれども、その後、更に生活担当も含めて両担当の方々、それから移行支援事業所の就労支援員さんと就労定着支援に携わっている就労定着支援員の、少なくともこの4者を必須ということで受講していただくことになりました。それ以外にも、もちろん広く多くの方に受講していただく機会を設けていくわけですけれども、基礎的研修を受けていただいて、そこをゼロステップとして、そこから更に高度な研修に移行していっていただくという絵柄を描いておりました。
 特に今後、御議論いただく就業支援担当者の皆様におかれましては、現行でも新任の就業支援担当者に対する就業支援担当者研修というものが設定されているわけでありますけれども、今回改めて基礎的研修というものが確立されたことを踏まえまして、その研修から円滑に、より上位であります次のステップの就業支援担当者研修などに進んでいっていただく、その道筋を作っていくことを前提において、まずはカリキュラムをどうしていくのかといったことを中心に御議論いただくものであります。検討会及びその後の議論の中におきましても、基礎的研修から就業支援担当者研修が切れ目なく円滑に受講が促されるようにといったような運用面での課題等の御指摘いただいておりますので、カリキュラムの中身のみならず、運営方法につきましても効果的な、実効性あるものとしていくことができますように作業部会を設置いたしまして御検討を賜るものです。説明としては以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
○前原主査 ありがとうございました。続いて、議題2について事務局から説明をお願いします。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。私のほうから資料2に基づき、本作業部会における今後の論点について御説明させていただきます。1つ目の論点ですが、まずゼロステップである基礎的研修の内容を踏まえまして、次のステップである就業支援担当者研修等の研修体系をどのように整理するのか。現行の就業支援担当者研修、その後一定の経験を積んだ後の就業支援スキル向上研修、また主任という管理的立場になった方に関しては、主任就業支援担当者研修等を受けていただいておりますが、そのような研修体系をどのように整理するのかについて、御議論をお願いしたいと思います。
 2点目ですが、支援の現状を踏まえ、就業支援担当者研修等のモデルカリキュラムの具体的な内容ですが、各科目の研修の内容に限らず、総研修時間や各科目の研修形態・時間であったり、そういった点について新たに何か設定すべきか、若しくは基礎的研修と重複する部分について、どのように扱うのかといった点について、種々の御意見を頂ければと思います。
 3点目ですが、基礎的研修をゼロステップとして受講した後、切れ目なく就業支援担当者研修を受けていただくために、その研修の運営方法について、実施主体であったり、オンラインとの効果的な運営方法といったところについて、どのようにしていくのかについて、皆様から御議論をお願いしたいと考えております。論点としては、以上の3つを考えております。説明としては以上でございます。
○前原主査 ありがとうございました。続いて、議題3について事務局から説明をよろしくお願いします。
○小森地域就労支援室室長補佐 続きまして、資料3と4を用いまして、私、障害者雇用対策課の小森から、就業支援センターの支援の現状であったり、またモデルカリキュラム等の現状について御説明させていただきたいと思います。
 それでは、まず資料3を御覧いただければと思います。資料3の3ページですが、障害者就業・生活支援センター、通称ナカポツセンターと言っていますので、この後は「ナカポツセンター」ということで統一をさせていただきます。ナカポツセンターの役割ですが、障害者の身近な地域において就業面と生活面の一体的な相談・支援を行うという形となっています。障害のある方だけではなく、その雇用をする事業主様、若しくは雇おうとする事業主様のほうから、御相談を頂きまして、地域の各機関と連携をして雇い入れ、若しくは職場定着における様々な課題について解決に向けて伴走的な支援を行っていくという形になっています。
 令和5年4月現在で、337センターが全国に配置されています。このナカポツセンターのほうは障害福祉圏域に1センターを配置することになっていますが、まだ全ての配置とはなっていませんが、9割程度の障害福祉圏域はカバーされているという状況になっています。
 続きまして、4ページです。ナカポツセンターの概要です。どういった法人が運営主体になっているのかというところですが、地域の就労支援機関等について、都道府県知事が指定を行っています。社会福祉法人が9割を占めているというところです。運営の予算としてですが、就業支援に関しては、厚生労働省の障害者雇用対策課の雇用安定等事業、雇用保険等を財源にして予算を配布させていただいています。生活支援に関しては、都道府県と国の折半の負担で一般会計となっています。
 また人員配置としては、主任就業支援担当者を各センターに1名、また、その規模や業務量に応じて、就業支援担当者が複数名配置されていますが、全国に1,243名配置されているという形になっています。
 また、このほかに主任職場定着支援担当者として、地域のジョブコーチ等にスーパーバイズを行っていくというような主任職場定着支援担当者を全国55センターに配置しています。そのほか、生活支援担当に関しては、各センターに1名以上配置されているということになっています。
 続きまして、5ページは、ナカポツセンターの設置状況です。この事業は平成14年から開始されていますが、地域の支援ニーズに応じて設置を徐々に増やしてきていまして、令和5年度は337センターとなっています。
 続いて6ページは、支援対象者の状況です。まず障害者の状況ですが、障害者種別ごとの支援対象者を記載させていただいています。ここ直近5年間の状況ですが、平成30年の18万8,000人から令和4年度の21万8,000人ということで、やはり支援対象者が段階的に増えてきているという状況になっています。特に知的障害者が多く、続いて精神障害者が多い状況となっています。
 7ページは、実際に相談・支援した件数となっています。130万件前後で推移しています。一番下は、令和4年度の内容別の相談支援件数となっていますが、一番多いのが職場定着で36%、続いて雇い入れ(就職)に当たっての相談ということで33.9%となっています。
 続いて8ページは、事業主様からの相談支援件数の推移となっています。おおよそ44万件から47万件ということで、直近、非常に増えてきています。一番下は相談内容別に見た件数で、職場定着に関する相談が約6割となっています。続いて、雇い入れの27.5%となっていますが、障害者の支援と異なるのは、やはり職場定着に関する相談内容が非常に多いというところが事業主支援の特徴となっています。
 続いて9ページですが、職場実習のあっせん件数ということですが、ナカポツセンターで雇い入れを前提としていない職場実習等をあっせんさせていただいていまして、場合によってはその後、職場に適応すれば就職に結び付けるということになっています。右の一般事業所への就職件数の推移と非常に相関しているということが分かるかと思います。
 続いて10ページですが、ナカポツセンターが就職支援を行った場合の就職率となっています。知的障害者がほぼ100%ということで、非常に高い一方、その他障害、これは手帳を持たない発達障害の方、若しくは難病、高次脳機能障害、そういった方が、「その他障害」ということになっていますが、その他障害に関しては約6割となっています。障害種別により異なっているという状況になっています。
 11ページは、職場定着率です。就職後、一般事業所で1年後の状況を調べたものになっています。右のグラフは、また調査は違うのですが、「障害者の就業状況等に関する調査研究」の出典ということで、JEEDにおいて2017年に行った調査研究です。まず「連携なし」は、支援機関の支援なしに就職して定着支援等がなかった場合の定着率です。これは1年後、52.2%ということで約半分程度になっています。
 一方、左のグラフは、センターによる支援を行った場合の定着率となっていて、1年後の定着率の推移となっています。これらを調べると、8割程度と、極めて高い結果になっています。やはり、これは職場実習から職場定着までの一貫した専門的支援が非常に効果的だということがお分かりになるかと思います。
 続いて13ページ以降ですが、これまでのナカポツセンターを巡る様々な検討会における議論について御紹介をさせていただきたいと思います。
 まず13ページは「障害者の一般就労を支える人材の育成のあり方に関する研究会報告書」です。これは平成21年3月において、ナカポツセンターの就業支援担当者やジョブコーチ、そういった一般就労を支える人材の研修のためのモデルカリキュラム等を種々設定したものとなっています。平成21年3月に就業支援担当者のモデルカリキュラムを設定されてから現在まで見直されていないというところがありましたので、今回、アップデートをお願いしたいと考えています。
 「障害者の一般就労を支える人材の育成のあり方に関する研究会」において、どのような議論がされたかということですが、まず就業支援担当者の役割・必要な能力ということで、就業支援担当者に関しては、地域の就労支援において幅広い役割を担い、就労支援の全てのプロセスを理解する必要があると指摘されていました。その上で、単独で支援することよりも関係機関と連携しながら支援を行うことが求められるとされていました。
 2つ目は、主任就業支援担当者ですが、支援の進捗状況を把握して就業支援担当者の指導を行う管理的な役割と、就労支援に必要な関係機関との連携を構築する役割を担うとされていました。
 3つ目では、就業支援担当者には地域の障害者の実情や社会資源に精通して、どの機関とどのように連携するのか、そういったような役割分担等も役割として視野に入れています。また福祉や雇用に関する正確な知識と、支援のコーディネートに関する実践的なスキルが求められると整理されていました。さらに、主任就業支援担当者に関しては、就業支援担当者の管理を行う、若しくは業務の進捗管理等を行う管理者としての役割、また地域全体のケアマネジメントを担うためのスキル、指導力が必要になると整理されていました。
 こういった考えの下、後ほど御紹介させていただきますが、モデルカリキュラムが設定されているという形になっています。
 続いて14ページです。こちらは平成26年に出された「地域の就労支援の在り方に関する研究会報告書」です。まず、当時の状況としては、精神障害者の雇用が非常に進んでおりました。そして、2つ目のポツですが、発達障害、高次脳機能障害、難病等により支援を必要とする者が増加していることから、多様な障害に関する支援が必要になってきているといった御指摘がありました。
 2番目ですが、ナカポツセンターに関しては、自ら定着支援を実施するほか、周囲の利用可能な社会資源と連携を図るというハブ的な役割、そういったコーディネート機能の役割を果たすことが重要であると指摘されていました。その結果、各ナカポツセンターに職場定着支援に関する経験豊富なジョブコーチが配置されれば、定着能力の向上が図られるということで、主任職場定着支援担当者の配置につながったというところになっています。
 一番下の支援水準の引上げという所ですが、現行でも、日本全国を複数のブロックに分けて、ナカポツの経験交流会議を開催しています。それに加えて、県レベルの地域特性に類似したナカポツセンターでの経験交流を県単位でも実施するような形で、そういった支援スキルの引上げを行っていってはどうかという御指摘を頂いています。現行の連絡会議等、県単位でナカポツの連絡会議等も開催しているという状況になっています。
 続いて15ページは、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会で、この親の検討会になっています。こちらの上から4つ目のポツですが、ナカポツセンターの役割について、基幹型の役割についての提案がなされています。地域の支援機関にスーパーバイズを行ったり、また自らも困難な事例の対応を行うといったような基幹型の役割も担っていくことが必要ではないかというような御指摘がありました。
 ただ、下から2つ目のポツですが、地域の拠点としての役割と個別支援の実施機関としての役割のバランスについては十分留意する必要があるとされていますが、やはり地域によって支援機関の状況が異なると思いますので、やはり地域の実情等に応じて、個々に検討していくことが必要であるといった留意もされているというところになります。
 続いて16ページです。こちらは令和4年6月に出された「労働政策審議会障害者雇用分科会の意見書」となっています。ナカポツセンターにおいては、地域の実情に応じて、基幹型の役割を果たす機関として位置付け直し、地域障害者職業センターとの連携を強化するという指摘がされています。
 また、長期継続雇用の評価として、企業からは中高年齢者である障害者を継続して雇用する中で生じる課題に対応する窓口がないことから、この役割をナカポツセンターに担っていただきたいという意見が寄せられ、今後そのような方向で体制を強化することを検討しているという状況です。
 17ページですが、基礎的研修を創設する際のモデルカリキュラムのイメージを検討した作業部会での議論になっています。カリキュラムに盛り込むべき内容として、一番最後の行ですが、就業支援担当者研修に関してはそれぞれの役割に応じた内容、またより高い内容、高度な内容とすべきである。そのような指摘がされていました。
 下の受講を必須とするものの要件として、可能な限り、ナカポツセンターに関しては国の事業で行っているので、初年度に基礎的研修を受講できるように優先的にすべきであるというような指摘がされています。
 続いて18ページは、障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会で示された研修体系のイメージ図となっています。
 それでは、この後、就業支援担当者研修等の概要について、少し説明をさせていただきたいと思います。20ページです。現行の就業支援担当者研修等の概要と、モデルカリキュラムとなっています。左のほうですが、就業支援担当者研修の対象者ですが、新任の就業支援担当者となり、研修時間としては20時間程度、受講者は50人程度を想定しています。右のモデルカリキュラムのほうですが、8つの科目から構成されていまして、当然、その障害者雇用の現状及び制度に関するものが1つ目としており、その他障害特性、それに基づく職業的課題について講義が予定されています。また、就業支援に関するケアマネジメントということで、就労支援のプロセス全般であったり、またアセスメント等について学ぶこととなっています。
 4番目としては、労働関係法規の基礎知識となっています。5番目は、関係機関と連携していく中で地域ネットワークの活用の仕方等について学ぶこととなっています。6番、7番は企業支援に関する内容となっています。8番はケースワーク、事例検討となっています。実際の事例等を用いたモデル事例等のケーススタディとなっています。
 右のほうの形態は、講習の形態となっていますが、ほぼほぼ講義中心となっていまして、一部は事例の検討が含まれているという状況になっています。
 21ページが、就業支援スキル向上研修と主任就業支援担当者研修の概要となっています。スキル向上研修に関しては、ナカポツセンターにおいて3年程度の実務経験を有する者を対象としています。25時間程度で、30人程度の実施としています。いわゆるナカポツセンターの支援を一定程度経験して、その後、その経験をもとに理論や実践について再度学び直すということと、また自らの支援方法についての課題や、その改善に向けた取組を促すことを目的として実施しているという状況です。右のモデルカリキュラムのほうを見ていただきますと、カウンセリングやアセスメント、また企業へのプレゼンテーション、ケースワーク等で、どちらかというと、講義というよりも演習や事例検討が中心で、より実践的な内容となっています。
 主任就業支援担当者研修については、新任の主任就業支援担当者が対象となっています。12時間程度で、30人程度の開催としています。右のモデルカリキュラムを見ていただきますと、マネジメント方法やコンサルティング、またスーパービジョンなど、管理者としての役割を理解するための内容となっています。こちらも演習や事例検討が中心となっています。
 続いて22ページです。こちらは高齢・障害・求職者支援機構(JEED)における研修の実施状況となっています。就業支援担当者研修に関しては、年3回となっています。大体50人程度を想定しているのですが、やはり希望等が多くきていますので、大体70名から80名程度、年度を通じて200数十名の受講者になります。令和2年度、3年度においてはコロナ禍のため一部開催が見送られているという状況となっています。
 就業支援スキル向上研修に関しては、毎年30名程度、主任就業支援担当者研修に関しては、1回が大体20名から30名程度で、年3回で計70名から80名程度となっています。令和4年度の実績のうち、下線の引いてあるものはオンライン開催によるものとなっています。
 続いて23ページ、24ページは、基礎的研修のカリキュラムイメージとなっています。こちらの説明は割愛させていただきます。26ページ以降は、障害者雇用の現状となっていますので、御参考に見ていただければと思います。
 続いて資料4です。こちらはカリキュラム比較となっていますが、左のほうに、就業支援担当者モデルカリキュラムを順番に並べさせていただいています。また、それに対応する形で、右のほうに基礎的研修カリキュラムを順不同で切り貼りさせていただいているという形になっています。ゼロステップとして、基礎的研修を受けた後、切れ間なく、その後、就業支援担当者研修を受けていただくのですが、その重複状況について、議論の参考にしていただければと思いまして、こちらの資料を用意させていただきました。
 まず1つ目の就業支援担当者のモデルカリキュラムの科目の1ですが、こちらの障害者の雇用の現状であったり、ナカポツセンターの役割について学ぶ科目となっています。基礎的研修に関しては、これはナカポツセンターに限らず様々な就労支援機関や、国の障害者雇用の現状と、障害者雇用施策の体系、それを取り巻く様々な制度、福祉施策も含んだ各種制度、非常に幅広に講義を頂くこととなっています。
 2番目の障害特性と職業的課題に関しては、ほぼ重なり合う形となっていますが、ただ、こちらのカリキュラムは10年以上前に設定されたものですので、難病に関する記載がなかったり、ちょっと合理的配慮に関する記載がないということになっていますが、これはあくまでモデルカリキュラムということで、実際はJEEDにおいて、受講者のアンケート等に基づいてアップデート、若しくは様々な制度の変更に応じてアップデートしていただいているという状況になっています。
 続いて次のページですが、就業支援担当者研修の科目の3です。就業支援のケアマネジメントということで、就労支援のプロセスやアセスメント方法を学ぶ形となっています。右の対応する基礎的研修のカリキュラムのほうは、5つの科目から対応しているということで、非常に手厚く基礎的研修のほうで講義を受けているという形になります。
 下の4は、労働関係法規の基礎知識となっていますが、就業支援担当者研修では労働基準法や最低賃金法について、一律の最低条件について学ぶ形となっています。一方、基礎的研修のほうは、労働契約上の留意点ということで、労働契約や解雇等の個別の労働問題における争点、そういったところについて学ぶ形となっています。
 次のページです。こちらは就業支援担当者のモデルカリキュラムの5番では、関係機関との連携や地域ネットワークについて学ぶ科目となっています。基礎的研修のほうでは、3つの科目で対応する形となっています。
 6番と7番に関しては、企業における雇用管理の実際、また事業主支援の基礎理解ということで、それぞれ基礎的研修についても対応する科目があるという形になります。
 就業支援担当者研修の8番に関しては、ケースから学ぶ就労支援プロセスの実際ということですが、これは事例検討ということです。こちらの基礎的研修のほうは、グループワーク、事例検討が用意されており、対応しているという状況になります。
 なお、基礎的研修の14番には、オンライン形式での講義の振り返りということで、オンライン講義を予定されています。一方、就業支援担当者研修に関しては、それらのことが10年前は予定されていませんでしたので、対応するものはないという状況になっています。非常に駆け足で説明させていただきましたが、ナカポツセンターにおける現状とモデルカリキュラムの状態について事務局から御説明させていただきました。私からは以上です。
○前原主査 ありがとうございました。それでは、質疑応答に入りたいと思います。事務局からの資料や説明について、御質問、御意見がありましたら、オンラインの方は、Zoomサービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、私が指名した後に、お名前を名のって御発言いただくようにお願いいたします。よろしければ、質疑等があれば手を挙げて御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。就業支援研修に関する様々な、これまでの経緯とか、研修のカリキュラムについて御説明いただいたところですが、稲葉構成員ですかね。それでは、稲葉構成員、よろしくお願いいたします。
○稲葉構成員 全国就労移行支援事業所連絡協議会の稲葉です。よろしくお願いいたします。丁寧な御説明をありがとうございます。今回、就業支援担当者の育成に関するカリキュラムの見直しということなのですが、まず大前提で、今回、連携強化に関する検討会で、まず悉皆の基礎的研修が作られてきたということは非常に喜ばしいことで、協議会としても応援していきたいなと思っているところです。一方で、ナカポツセンターですが、先ほど説明がありましたように、基幹型の役割ということで、役割がますます重要なポジションになってくるのかなと思っているところです。そうしたところ、かなり高度な支援技術等も求められてくることが考えられるのかなと思っています。
 研修自体をこれからどのように見直していくのかというところを考えるに当たって、現状について少しだけ御質問があります。1点目が、まず現状の就業支援担当者の研修に関して、受講の実績は出ているのですが、受講されている方々は、そもそもどれぐらいの経験値がある方が受講されてきているのかというところを、もし分かれば知りたいなと思っているところです。先ほどの受講件数だけを見ると、昨年度でいうと220ですかね、ナカポツセンターの研修を受けていただいているのかなと思うのですが、先ほどナカポツセンターの職員さんは1,200とかという話が出ていたかなと思うのですけれども。そうすると、2割近く受講されているのかなと感じました。
 何を申し上げたいかというと、愛知県においても、ナカポツセンターの職員さんが定着しないで入れ替わりが非常に多いなという印象がある中で、今のナカポツセンターの実態を踏まえた研修というのを考えなければいけないのかなと思っています。まず大前提として、今の実態が、もし分かる範囲のものがあれば教えていただきたいというところと、現在のナカポツセンターの研修の中で、既にアンケートとかを取られていて、こういったものが課題となっているとか、こういったものが問題となっているというようなことがあれば教えていただけると大変有り難いなと思って御質問させていただきました。以上です。
○前原主査 ありがとうございました。ただいま稲葉構成員より、大きく2点の御質問を頂きましたが、事務局、いかがでしょうか。
○小森地域就労支援室室長補佐 事務局、障害者雇用対策課の小森です。私から、まず1点目について回答させていただきます。JEEDにおいての現状を、資料3の22ページで受講実績を示させていただきました。基本的には、希望者に関しては、年に3回行っていますので受けられているという状況ですが、中には、家庭の状況で受講できなかったりとか、なかなか受講できていないという状況もあるかと思います。今は1,243名が、枠として配置されているのですが、現状として配置されているもののうち、どれぐらいが就業支援担当者研修を受けているのかというところに関しては、事務局でも現在はデータがないところです。ですので、よろしければ、事務局で一度、そういった状況に関してナカポツセンターに対して調査をするとともに、どれぐらいの勤務実績があるのかとか、そういった経験年数も併せて、ナカポツセンターに事務局からアンケート調査を行って、次回若しくは次々回になるかもしれませんが、こちらの作業部会に示させていただきたいと考えています。よろしいでしょうか。
○前原主査 稲葉構成員、よろしいですか。
○稲葉構成員 ありがとうございます。もし、アンケートを実施していただけるということであれば、内容に関する項目に関しても取っていただけると有り難いなと思っているのと、もう1つは、この後の議論にも関わってくるのかなと思うのですが、ジョブコーチの養成研修ですかね、職場適応援助者の養成研修も、研修の内容として重複する部分もあるかなと考えていて、ナカポツセンターの中で実際にジョブコーチの養成研修は、受講されている方々がどれぐらいいらっしゃるのかなというのも少し聞いていただけると有り難いと思いました。ありがとうございます。
○前原主査 ありがとうございます。これらについては、いかがでしょうか。
○小森地域就労支援室室長補佐 事務局の小森です。今、御提案いただいたジョブコーチ養成研修の受講の状況に関しても、併せてアンケートを取らせていただきたいと思います。アンケートを取る際は、こういった形でどうかということで、事前に皆様にも少し御意見等をお伺いできればと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。あとは、JEEDのほうから……。
○前原主査 分かりました。2点目について、現状の研修の課題等については、市川構成員、JEEDの研修の状況とかで、いかがでしょうか。
○市川構成員 JEEDの市川です。聞こえていますか。大丈夫ですか。
○前原主査 はい。
○市川構成員 アンケートの結果を見ますと、一番よかったと、受講者の方がおっしゃっているのは、ほかのナカポツセンターの人の意見をいろいろ聞けたと、全国各地のいろいろな地域の方の意見が聞けたということが大変よかったというのは、どの会の研修でも一番に上がることです。それから、昨年はオンラインでもやっているわけですが、オンラインでやってもらってよかったという意見も相当数ありますが、一方で、グループワークの所では、オンラインはなかなかやりにくいという意見もあって、意見が分かれているということがあります。ただ、グループワークであっても、オンラインの中できちんとできたという意見もあるので、今は意見が分かれているという状態にあります。
 それと、オンラインでは、この長時間はちょっと疲れるという方も中にはいらっしゃいました。ただ、遠くにいらっしゃるので、オンラインでやっていただけて有り難いという声も多数ありました。かい摘んで言うと、そんなところです。
○前原主査 ありがとうございます。稲葉構成員、今の御説明でよろしいでしょうか。大丈夫でしょうか。
○稲葉構成員 はい。ひとまず、ありがとうございます。
○前原主査 ありがとうございました。そのほか、質疑応答等がありましたら御発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。今の話に絡めてでも、また別の論点でも構いませんが、いかがでしょうか。ありがとうございます。それでは、北沢構成員、よろしくお願いいたします。
○北沢構成員 リゾートトラストの北沢と申します。よろしくお願いいたします。こういう場は初めてなもので余り慣れていないのですが、よろしくお願いいたします。企業側の人間として今回、参加させていただいています。企業側としても、専門的な知識を持った方がたくさん出てきてくれることは大変有り難いと思っています。その中で、企業の場合ですと、職業生活相談員研修というのが基本、まずはあるかと思っています。私の会社ですと、最初に担当者になった方は職業生活相談員の研修をまず受けてきて、それで基礎を身に付けましょうという話をしています。その辺の部分と基礎的研修と、そういった差がどういうところにあるのかというところが、まず1つ聞いてみたいなと思ったところです。
 それと、私は実は、企業で障害者雇用を12年担当していますが、その前は世田谷の「就労支援センターすきっぷ」という就労移行のほうで働いていたものですから、その辺の目線からということですが、研修内容を見ると、個別支援計画とか、そういったものが余り含まれていないのかなと思うのです。その辺は、どちらかというと、サービス管理責任者とか、就業支援の実務研修とか、そちらに含まれているのかな、どうなのかなと、ナカポツセンターの方たちがどのように扱っているのかなと。あと、キャリアパスポートとか、そういったものがなかなか出てきていないのかなというところも、ちょっと気になるところかなと思ったのですが、何か、そこら辺は、ここにはまっているよとか、こういうところでやっていますというものがあれば教えていただけると有り難いなと。ずっと離れていたもので、その辺が余りよく分かっていないところなので、教えていただけると有り難いと思っています。以上です。
○前原主査 北沢構成員、ありがとうございました。今、2点ほど御質問を頂きましたが、事務局で何か御説明することはありますか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、障害者雇用対策課長の小野寺です。1点目のほうを私からお答え申し上げたいと思います。御質問いただき、ありがとうございました。基礎的研修と、いわゆる職業生活相談員講習の違いということの御質問だったかと理解しています。まず、生活相談員の講習については、おっしゃっていただいたように、企業の皆様方が障害者に対する支援を担当する等の立場になられた際に、それこそファーストステップとして受講されていると理解しています。基礎的研修は、もともと雇用施策と福祉施策の連携ということで、それぞれの立場は違っても、障害のある方を中心に置いてシームレスに支援をという発想の中で検討した結果です。
 ですので、基礎的研修はどちらかというと、雇用した後の企業の中での対応や障害種別に係る基礎知識等という話のみならず、福祉との連携をどうするかとか、働いた後の様々なステージの中で生じてきている生活支援をどうするかといった形で、両面の内容が入っております。生活相談員の講習よりは少し広い範囲で、両者の双方の施策に関連する内容が盛り込まれているといった違いがあります。御説明としては以上ですが、よろしいでしょうか。
○北沢構成員 ありがとうございます。
○小野寺障害者雇用対策課長 2点目については、研修内容についての御見解になりますので、市川構成員のほうで、よろしければお願いしたいと思います。
○前原主査 市川構成員、よろしくお願いいたします。
○市川構成員 JEEDの市川です。支援計画の所ですけれども、モデルカリキュラムにはありませんが、主任就業支援担当者の研修の中で、今、実際は個別支援計画の策定というものを入れてあります。そこで、ナカポツセンターの方々は、支援計画の策定は必ずしも必須とされていないという状況はありますが、個別支援計画を策定することの意味合い、有効性について知っていただいて、それぞれ実際にはどのようなものがあるのかということについて学んでいただいているという点があります。それから、企業の中でのキャリアルートについては、主任就業支援担当者の研修の中では、事業主へのコンサルテーションというのがありますし、就業支援担当者の所でも、事業主支援の基礎理解とか、職場における雇用管理の実際という枠組みの中で、それぞれ講師の方がその時期ごとのネタとして盛り込まれる場合があるという形です。私からは以上です。
○前原主査 ありがとうございます。北沢構成員、いかがでしょうか。大丈夫でしょうか。
○北沢構成員 ありがとうございます。その辺に組み込まれているのだということが分かれば大丈夫です。
○前原主査 ありがとうございました。それでは、藤尾構成員、よろしくお願いいたします。
○藤尾構成員 全国就業支援ネットワークの藤尾です。今日は、ありがとうございます。何点かあります。まず一番最初に、稲葉さんがおっしゃられていたように、アンケートで分かっていればということでいくと、私も1つ、コマをやらせていただいている中でいつも聞くのですが、経験年数はどれぐらいの方が受講されていますかという中でいくと、就業支援担当者に関しては1年から3年未満の方がほぼだと思います。ただ、3年たってからだとすごく遅いと思っていて、やはり初年度ないしは2年目には確実に受けていただかないといけないかなと思っています。
 全体の人数に対して年間200というのは、異動が多いので新規にこれだけの人が本当になっているかというと、そうではないと考えます。異動の問題というのは、各センターにあるのだろうなと思っているのと、もう1つは、今のお話にも若干絡んでくるのですが、このプログラムができたときと、今とでは、例えば就業支援担当者の役割と主任の役割のバランスが変わってきていると思います。主任レベルのことを就業支援担当の方がやらないと、地域では回っていけないのではないかと考えます。就業支援担当のカリキュラムを考えるときに、全体がどうあって、主任がどこをやって、そこから落とし込んでいったときに就業支援担当がどこまでやるのかというようにやっていかないと、枠が非常に捉えづらいのではと思います。要は、ここまでやっていればいいというものに収まらないのではないかなと最近は感じています。主任のコントロールの下で就業支援担当が動けば全部が回るかというと、そうではないのです。就業支援担当者がどこまでやるのかということを考えて、担当者のカリキュラムを見ていく必要があるのかなと思います。
 この中に入ってきているもので、最近変わったところで言うと、先ほど市川さんもおっしゃられていましたが、当時はなかった難病の方であったりとか、今で言えば生活困窮者の支援というのも、しっかりとうたわれているので、そういった方々のプログラムとかも入ってこなければいけないのだろうなと思います。もっと言うと、こういった方々のプログラムというよりは、今まで単純に地域多分、連携とかネットワークと言われていたものを、もうちょっと深く広くしていかないと連携がうまくいかないのだろうなと思っています。もう1つは、雇用促進法の理念のところを少ししっかりと時間を取って、障害者雇用のあるべき姿というところをもう少し踏み込んでいただきたいと考えます。地域の核となって動いていくときに、ここがぶれると地域がぶれていくという、一丁目一番地だと私は思っているので、その辺りを少し力点を置いていただけたら有り難いなと思っています。取りあえず以上です。
○前原主査 ありがとうございました。今、藤尾構成員からいろいろ御意見を頂いていますが、少しモデルカリキュラムの議論にも入っていく内容になってきていますけれども、いかがでしょうか。これに重ねて何か、御意見とか御質問がもしありましたら、引き続きモデルカリキュラムの内容も検討に含めて、いろいろお話いただければと思っていますが、いかがでしょうか。例えば、荒木構成員とか、もし何か御意見がありましたら、是非どうぞよろしくお願いいたします。ミュートですね。荒木構成員、ミュート解除ボタンですね。
○荒木構成員 すみません。よろしいでしょうか。荒木です。聞こえていますか。
○前原主査 聞こえています。
○荒木構成員 ありがとうございます。今の藤尾さんの意見と、かぶらないかもしれないのですが、よろしいでしょうか。
○前原主査 よろしくお願いいたします。
○荒木構成員 私自身もセンターに来てから主任としての経験が少ないのですが、その中で、先ほど来、稲葉さんからもお話があったように、ナカポツの基幹型とか、ハブ機能とか、そういったことを求められる中で、地域の中でどのような役割を担っていくかということを考えたときに、地域のアセスメントをどのようにするのかということが、自分自身としては難しいなと思っています。そういったことを主任就業支援担当者の中で、カリキュラムとしてどのように担保されていくのかというところを、事務局でどのように考えているのかとか、そういったことが聞けるといいなと思いました。
 私自身も、東京のナカポツの1つにいるのですが、今後どのように地域を作っていくのかと考えたときに、自分の地域が見えてこないと、どういう方向性で、それぞれでいいと書いてあるのですけれども、それぞれの良さというのを何に沿って考えていけばいいのかというところを、こういう講習の中できちんと考えていけるようなものにしていっていただけると有り難いなというのが、基本的に聞きたかったところです。すみません、長くなりました。
○前原主査 ありがとうございます。今の御意見に対して、事務局、いかがですか。何かありますか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、障害者雇用対策課長の小野寺です。御意見いただき、ありがとうございました。いずれにしても、今、世の中が大きく変わろうとしていて、アセスメントについても総合支援法の中での就労選択支援サービスも創設されていき、枠組みだけは整っていますが、各地域で実効あるものとしてどのように展開されていくのかというのがまだまだ見えてきていない部分です。いずれにしても、社会全体でアセスメントの強化を図っていくという方向性がありますので、今頂いた意見を踏まえて、今後の就業支援担当者研修の中でも、どこまでそれを強化していくのかということを引き続き御意見を頂ければと思います。
 それから、アセスメントのみならず、全体としてナカポツセンターの在り方だったり、就業支援担当者、先ほども御意見があったように主任との役割とか、立ち位置が大分変わってきているのではないかという現状も踏まえて、改めてその辺りも整理し直して、この場において皆様方の御意見を賜りながらと思っています。引き続き、また議論が深まっていくかなと思いますので、事務局としてもそれを受け止めて、検討を進めていきたいと思います。以上です。
○前原主査 藤尾構成員、よろしくお願いいたします。
○藤尾構成員 藤尾です。ありがとうございます。今、荒木さんが言われたアセスメントの言葉の中に、もう1つ、地域のアセスメントという言葉が入っていたと思うのですが。恐らく地域ごとにどうあるべきかというものを、どういう視点で見て、どうやって把握していくかということだと思うのです。そうなると、社会保障審議会で議論されていることとか、そちらのキーワードもきっと入っていて、例えば総合支援協議会とか、自立支援協議会などの就労部会的なものをしっかりと絡めていきましょうというような、そういったエッセンスも入ってこないといけないのかなと考えます。その際に、ここでカチッと固めたもので、この先5年、10年いくと考えると非常に難しいなと思っています。固まって動いていくものと流動的に変わっていくものというようなものを、イメージしながら組んでいかないと、その先の身動きが取れなくなるかなという感覚をちょっと持ったのですが、いかがですか。何か世の中の情勢に合わせていくと、変化していく所を柔軟にカバーしていくものが必要なのかなと少し思ったのですが。
○前原主査 ありがとうございます。では事務局、お願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、障害者雇用対策課長の小野寺です。御指摘の点は非常におっしゃるとおりと思っております。いずれにしても、モデルカリキュラムというのは、あくまでも柱立てとして、必ず含まれなければならない中心となるべき項目を置いています。先ほどの御説明でもこれまでに見直しを行っていないという話をしていましたが、JEEDの運用上は、社会課題とか、時期に応じた対応等において柔軟に見直しを図りながら力点を移したりとか、強弱を付けたりということを実際にはやってきています。モデルカリキュラムは、あくまでもモデルカリキュラムであり、その中の運用の中で、細部についてはいろいろな工夫はその都度なされるのだろうし、もっと言えば、社会的な枠組みが大きく変わってきたときには、モデルカリキュラム自体も見直す可能性もあるかなと思います。そこは、カチッと決めているというわけではないと、いずれにしても、モデルカリキュラムでしかないということです。その上で、そこを一旦は決めていかなければいけないよねという理解で進めていただければと思います。以上です。
○前原主査 いろいろ御意見を頂き、ありがとうございます。もう既に、モデルカリキュラムの内容についての具体的な議論に少し足を踏み入れている状況です。ここからは焦点を少し絞り、支援の現状やナカポツに期待されている役割等を踏まえて、いわゆるモデルカリキュラムの内容について、追加・変更すべき内容等は何か。また、基礎的研修と重複する科目、内容の取扱いについて御意見を頂きますと、今後の議論につながっていくかなと思っているのですが、この点に関して皆様、御意見いかがでしょうか。藤尾構成員、よろしくお願いします。
○藤尾構成員 すみません、藤尾です。人数が少ないので、私だけ何か、申し訳ないです。皆さんから意見を。先ほど荒木さんがおっしゃったのは正にそうだと思っていて、基幹型の役割を担うときに、今回は全国就業支援ネットワークのモデル調査事業ということで、厚生労働省さんから依頼されて事業をやったのですが、地域での役割という点でいくと、地域性がものすごく影響すると思うのです。そうすると、地域を把握するための手立てや手段というのは絶対必要だと思うのです。それがベースにある中で、地域の中でナカポツがどういう役割を果たすべきかというように流れていくので、この視点は絶対に外せないのかなと。そうしないと、ナカポツセンターが地域で勝手なことを孤立してやっているみたいな、孤独な存在になってしまって全く機能しなくなると思うので、この視点はまず、いの一番に追加されるのであれば必要なのかなと、私は感じています。以上です。
○前原主査 藤尾構成員、質問で大変恐縮なのですが、例えば地域を把握するための手段とは、具体的な科目や内容としてはどういうものになるのでしょうか。イメージとしてはありますか。
○藤尾構成員 そうですね、その視点をしっかり持ってやっていくというところを、もう少し強くしていくということでしょうか。そうすると、例えば我々が動いているのは、もちろんハローワークとは連携していますし、職業センターとも連携しています。しかし、地域の総合支援協議会や自立支援協議会とどれぐらい連携しているか、あるいは地域の就労移行支援事業所とか、A型やB型とはどれぐらい連携しているか、基幹相談支援センターとどれぐらいやっているかとか、今でいえば、生活困窮者自立支援法に基づく支援機関との連携はしっかりやっているかみたいな。今までも、多少ネットワークという言葉ではカバーされているのですが、あれでは足りないと思うのです。逆に言うと、例えば地域に移行支援事業所がどれぐらいあって、どれぐらいの所と連携が取れているかみたいなことを自分たちで分析できるようなものがあって、地域の課題が抽出できて、それに対してナカポツがどうやって動いていくかという視点を持って、まず動けるかどうかを、今の研修でやれているのだとすると、既存のものでやれていたのであれば、もっとやれていたと思うのです。
 でも、それで届いていなかった部分で恐らく地域で法人独自の動きをしているセンター、課長の逆の言葉を借りれば、届いていないセンターもたくさんあるのだろうなと考えると、ここを少し強みを置いていいのではないかという印象を持っています。具体的にこうやれというのは、むしろ皆さんに、これから考えていただいたほうがいいかなと思うのですが、そういった視点が必要なのかなという意見です。以上です。
○前原主査 ありがとうございます。急に質問して大変申し訳ありません。今の御意見とも絡めてでも構いませんが。
○小野寺障害者雇用対策課長 障害者雇用対策課長の小野寺です。お答えというよりは、私も半ば質問に近い形になってしまうかもしれませんが。今おっしゃっていたような地域を把握すること自体、それはナカポツ自体がその地域でどうあるべきかということを形づくっていく上で不可欠だと思っております。私も、この間、各地で基幹型、あるいはこれまであるハブ的な総合調整機能をナカポツが担っていくという原則論をお話する中でも、結果的には自分のナカポツはどうしていくかということを地域で検討していきましょうということをお伝えしてきたわけです。
 ただ、例えば今の就業支援担当者研修の中において、今は関係機関との役割機能や連携の構築などが要素として入っていて、その前提となる自分たちの立ち位置をどう見た上でそれを作っていくかというところまでは確かに踏み込みきれていないのかもしれませんが、果たして、地域でのナカポツの立ち位置を見極めて、そのために周りの地域の資源やそれぞれの地域の状況を把握していくことを、ナカポツセンターとしては誰が中心になってやるのだろうかということです。例えば、センター長という立場の方なのか、一担当者に、それをあるべき姿としては伝えるとしても、実質的にそれをプレイングしていくのは就業支援担当ではないのではないかなという気がしていて、誰に対してどう付与するものなのだろうかというのを、それぞれレベル感も違うのかなと思いますが、もし現時点で、今のナカポツを考えたときに旗を振って地域を把握していく立場というのは、センターの中でのどういう立ち位置にある方なのでしょうかと。
○前原主査 藤尾構成員、よろしくお願いします。
○藤尾構成員 ありがとうございます。鋭い御意見で、すごく有り難いです。例えば、センター長や主任などがその役割になったときに、これは各組織の問題ではあるのですが、いわゆる会社でいうと中間管理職とその下とか、社長と部下とか、やはり同じものが根底にないと、うまく伝わらなかったり動けていないというパターンが多々あるのです。
 これは、昨年度の終わりに、千葉県内のナカポツセンターで、主任のみを対象にした研修会をやったのです。これは連絡協議会でやったのですが、大体出てくる悩みは一緒です。自分はこうなのだけれども、なかなか中ではと。これが1つや2つのセンターであったら、そこの法人の問題だろうということで返したかったのですが、そうではないのですね、16センターあるわけですから、その中で、ほぼ同じ課題点を持っているということになってくると、やはりベースとして、我々はこういったことを捉えてやっていくのだということは早い段階で認識して活動していくことが重要なのではないかと。
 そうすると、課題として感じるものも違ってくるし、進んでいく方向を考えていくときにも、きちんと進んでいける。要は、言われたからとか、やったことを否定されて、そうじゃないのではないかみたいなところで、疎外要因がたくさん入ってくると、先ほども言ったように異動が多いとなってくると、なおのこと、そこが行き渡ることがなかなかうまくいかないと。逆に、地域の中でやる役割は何かというと、基幹型の役割なので、これは各就業支援担当者に求められてくると思うのです。ですので、課長がおっしゃるように、逆に言えば、組織の中でそれがきちんと共有できて、末まで血として流れる体質になってという所ばかりであれば、そこの問題はないのかなと思うのですが。少なくとも千葉県内で各センタを見た感じでは、そこの課題は共通だったので、可能であれば就業支援担当者のレベルで、もう少し強みをもって入れていただきたいなと感じました。以上です。
○前原主査 これに関連して、市川構成員、よろしくお願いします。
○市川構成員 JEEDの市川です。現状の私どもの研修の中で、地域のアセスメントにも関連してくると思うのですが、就業支援スキル向上研修というものがあります。研修の概要にも入れていただいておりますが、そこのモデルカリキュラムに、支援の現状と課題とあります。前期、後期と分けて、後期のほうではそれぞれ現地で、対象が大体ナカポツセンターで3年程度の実務経験がある人となりますが、彼らが自分で課題を設定して、それをレポートにして意見交換をすることをやっているわけです。その課題に出てきたりしているのが、効果的な連絡会議の実施とか、就労移行支援事業所との情報共有のあり方ということを課題として挙げて、自分でレポートをまとめて意見交換すると。
 それらの意見交換も非常に勉強になったと、自分たちもそういうことをやってみようとか、受講者それぞれは非常に勉強になったと言っているのですが、恐らくそれが組織として共有化され、組織としての姿勢として定着しているかについては、分からないです。多分、その場限りの学びの場ということになっているのかもしれないと思います。藤尾さんの話を聞いて、そのようなことを若干思いました。以上です。
○前原主査 貴重な情報提供をありがとうございます。非常に重要な部分であるのかなと思っております。現状のカリキュラムの中にも要素としてはあるのだけれども、それをどのように、どこまで新しいカリキュラムの中で達成していくのか、逆に達成できないのであればどこにお願いしていくのかということも、今後の議論の課題になるのかなと思いながら聞かせていただきました。そのほかに御意見等がありましたら、是非よろしくお願いします。いかがでしょうか。北沢構成員、よろしくお願いします。
○北沢構成員 先ほどのネットワークづくりで、企業側としても是非やっていただきたいなというところはあります。さらに言うと、東京のほうでは大分、民間企業の方たちが、コンサルティング会社やいろいろな所が企業同士のネットワークづくりみたいなものを今始めているのかなという所がとても多くあって、そのような中に、きちんと支援機関やナカポツセンターなど、いろいろなものが入ってくるといいなと思いました。
 企業自体は障害者雇用をやっていると孤立になりやすい所もあったりするものですから、そのような所で仲間を増やすではないですが、SACECさんではないですが、いろいろな仲間が増えていくことでお互いが勇気づけられたりするところもあります。支援機関が最初に対応をよくしてくれると、その次がどんどんつながっていくということもあると思います。私どももオープナーさんとつながっていますが、すごくしっかりとやっていただいているので信頼をおけるなと思いながらやっています。以上です。
○前原主査 ありがとうございます。稲葉構成員、よろしくお願いします。
○稲葉構成員 全国就労移行支援事業所連絡協議会の稲葉です。今の話に絡んだ部分で言いますと、ネットワークづくりや地域のアセスメントというのは非常に重要かなと思っています。今も研修で入れていただいているというお話を聞いたので、それをどのようにブラッシュアップしながらやっていくのかを考えていただけるといいなと思っております。
 実際に、私は愛知県の中で今、就労移行、就労A型・B型の事業所向けのアドバイザー事業のようなものをやっているのですが、各事業所で余り横のつながりがなかったり、地域が面として関わっているという感じがもてないなということを、非常に実感しているところではあります。そういったA型・B型からも一般就労を目指す事業所も結構出てきてはいるなと思っているので、そういった所を面にしていくのは多分、ナカポツセンターの役割でもあるのかなと思っています。是非そういった所での話や意識づけを図られるといいのかなと思っております。
 先ほど来、お話を聞いていて、私も冒頭で少し話したのですが、もともとこの研修を考えるときに、基幹型として求められることを研修でどう盛り込むかというポイントと、今の実態として、きちんと研修で押さえなければいけないことの2つのポイントがあるのかなと思っています。その観点から言いますと、求められるという所ではなくて、実態から見た所でデータだけ見て気になった所が1点あります。ナカポツセンターの支援対象者の所なのですが、ハローワークが職業紹介をしている所は、精神・発達の方が非常に増えているというデータが出ていると思うのですが、ナカポツセンターは、知的の方が依然としてかなり多くの割合を占めていると捉えています。また、身体の方も、変わらずに安定的にいるなとは思っています。実際に、例えば就業支援ワーカーさんが新しく、新人で来られたとか異動して来られたというところでいいますと、地域づくりだけではなくて基本的なところも押さえなければいけないのかなと思っています。
 そうしたときに、知的障害の方が対象となると、ある種、職場の職務の再構成も結構重要な視点であって、もう少しきちんと学んでいただいてもいいのかなと思いました。カリキュラムの中に、その辺りが詳しく書かれていなかったと思っています。特に、また今後、中小企業へのアプローチということも言われている中で、職務の再構成みたいな職場改革であったり、基本的なことではあるのですが、きちんと押さえていただくことが必要なのではないかと。それが、もしかすると、先ほど冒頭にもお話したジョブコーチの養成研修とも重なってくる部分もあるなと思っているので、全体として、そういった基本的な事項に関して、どこの研修でどのように押さえていくのかということが考えられるといいかなと思い、1点気になったことを意見として出させていただきました。以上です。
○前原主査 貴重な御意見をありがとうございました。これに関連してでも、また別の視点でもいいのですが、藤尾構成員、よろしくお願いします。
○藤尾構成員 全国就業支援ネットワークの藤尾です。多分、稲葉さんが今おっしゃったことにも絡んでくると思うのですが、これはジョブコーチの研修と就業支援担当者の研修を跨いで受けるというのは想定をされていないですか。
○稲葉構成員 そこは、私の中では、まだ全くノープランです。
○藤尾構成員 多分、就業支援担当者の研修とジョブコーチの研修で、同じようなかぶる所は絶対に出てくるのだろうなと思っていますし、逆に、先の関係で、ひょっとしたら今後ナカポツの担当者研修でジョブコーチの研修を受ける方が増えるということも出てくるのだろうなと思っています。そのような流れもある中で多分整理していかなければいけないのかなと思いました。
 それから、知的の方が基本的にまだ多いという最大の理由は、特別支援学校から就労された方の定着支援の登録者が増えていると。今、ナカポツセンター全体でも言われているのですが、定着支援センター化している部分が結構あって、やはり定着支援に係るスキルが重要なのかなと思いつつ、ただ、稲葉さんが言われたように、職務の再構築であったり、技法的、スキル的なところに関しては、再就職の支援なども結構ありますし、ゼロ人雇用、中小企業に対しての雇用支援をしていく中では、恐らく重要な要素になってくると思うので、必要だなと感じながら聞いていました。以上です。
○前原主査 ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか。御意見等はありますか。北沢構成員、よろしくお願いします。
○北沢構成員 リゾートトラストの北沢です。ちょっとお聞きしたいのですが、この主任研修等を含めて、何か最後にテストやレポートの提出みたいなものは行われているのかをお聞きしたいと思います。企業ですと、今はほとんどの研修が、eラーニングやWebでやっており、ほとんどがテストを受けて合格しないと次にいけないというパターンになっているかと思うのです。そこの部分の専門性や内容の確認みたいなものがきちんとできるのかなと。特にWebでやった場合に、条件が悪いと、ほとんど聞こえていませんでしたみたいな、きちんと聞こえているか分かっていないようなところも正直見られるのかなというところでは、そのような確認をどのようにやっていらっしゃるのかというところが気になりました。以上です。
○前原主査 ありがとうございます。質問になりますが、いかがですか。JEEDのほうで、もし把握している状況がありましたら、市川構成員、いかがですか。現状、どのような状況かだけでも教えていただければと思います。
○市川構成員 JEEDの市川です。受講を修了して、どの程度かは正確にやっておりませんが、8割以上というか、その受講時間で修了と認めるかどうかという判断をしています。もう1つは、受講修了後半年後に、所属長にアンケートを取っています。所属長に、受講者が、この研修を受講した成果があったかどうか、受講者がそのナカポツの職員として受講した結果が、行動として変化が表れて効果があったかどうかという確認を、所属長アンケートとして実施はしています。以上です。
○前原主査 ありがとうございます。藤尾構成員、よろしくお願いします。
○藤尾構成員 全就ネットの藤尾です。残り時間が僅かだったので、慌てて発言させていただきます。今、北沢さんからお話いただいたことに絡めてなのですが、これは基礎的研修の検討会でも結構話題になったことで、Webでやったときにどうやって担保するのだということです。確か、あちらのオンラインでやったものに関しては、何かしら必要だよねという意見があったのですが、現行就業支援担当者研修に関しては、オンラインも一部ありますが、ほぼ集合でやっているケースが多いので、多分、職業生活相談員の研修などと同じように、受講したらそれでOKという流れだと思うのです。
 何で最後だからお話をさせていただきたかったかというと、この後、これのあり方、どういうやり方をするかという話に多分つながってくるのだろうなと思っていたのですが。先ほど、市川さんから、どちらもありだよねという声が挙がっていると。オンラインなので参加しやすかったとか、現場のほうがよかったという声が挙がっているというお話だったのですが、やはり実際にナカポツの研修をやっていただく千葉県内の連絡協議会、それから全就ネットで活動している中で感じたのは、やはりこの研修は人数がそんなに多くないので、集合でやってもらいたいなということの最後のお願いというか、意見です。
 ここは、やはりオンラインではどうしても得られないものがあって、もちろん参加しやすさというのは、オンラインではメリットとしてありますし、更に言えば発言のしやすさというメリットもあると思うのですが、一方で、やはり集合体の研修でないと得られないものも山ほどあります。先ほど北沢さんが、企業で障害者雇用をしていると孤独だとお話されましたし、横が見えないというお話がありましたが、実は、ナカポツセンターも全く同じで、法人の中でナカポツセンターというセクションはものすごく小さいです。法人の中で同じ仕事をしている人がいないという、ある意味、法人の中でちょっと特異な存在なので、横のつながりがしっかり感じられて、こうやっていけばいいのだということを確認するという意味では、集合の研修を、私は節にお願いをしたいなということをお伝えさせていただきたくて、発言いたしました。以上です。
○前原主査 ありがとうございます。これは今後の議論にもつながるような御意見ということで承っておきます。先ほど、藤尾構成員がおっしゃったように、だんだん時間がなくなってまいりましたが、いかがでしょうか。そのほかにも例えば、いわゆる基礎的研修カリキュラムとの重複の部分も含めて、もちろん重複とは言いつつも、やり方や例えば演習の要素が多いとか、いろいろ応用的なものも含まれていくことによって、少し形は変わってきている部分があるとは思うのですが、いかがでしょうか。この辺りの重複の捉え方なども含めて、何かもし御意見があれば、いかがでしょうか。
 例えば障害特性に関することについては、かなり近いような内容が指導される部分、享受される部分が恐らくあるのではないかなと思うのですが。その一方で、例えば事例を踏まえてという形で、いわゆる知識をどのようにスキルに使っていくのか、応用的な観点みたいな要素が違いとしてあるのかもしれないのですが、いかがですか。この辺りに関して何か、もし御意見があればと思いますが、どうでしょうか。北沢構成員、よろしくお願いします。
○北沢構成員 リゾートトラストの北沢です。個別の障害というところでは、今、うちの社員も職場適応援助者の研修に出しておりますが、障害特性でまとめられてしまうことも結構多いのかなと。今は発達障害のほうが多いのかな等、そのときのニーズに合わせていろいろと研修していただいているのかなということを思っているのですが。基礎的なところで言ったら、全部の障害がどういうことなのかということをきちんと教えていただきたいなと。特に企業の人間は、福祉などを全く勉強していない者が多いものですから、基礎的なところを教えてほしいなと思います。
 それから、やはりナカポツセンターであれば、きちんとその方たちの特性を積み重ねた、その方のデータベースみたいなものをどうやって作るのかということが本当に大切だと思っています。私もオープナーさんでマイノートというものを勉強させていただいて、すごく参考になったりしました。そのような発達や精神の方たちは、なかなか振り返りなどができない中での支援スキルも、ひとつあってもいいのかなということは思いました。すみません、ちょっとまとまりきらないのですが。支援計画ではないのですが、支援のそれぞれの特性で、ちょっと偏るところもあるのかなと思い、発言いたしました。
○前原主査 ありがとうございます。スーパーバイズ的な機能も今後求められていくときに、いわゆる知識をどのように具体的に使えるのかということを丁寧に教えていただける所もあってもいいのかなと思いながら聞かせていただきました。いかがでしょうか。ほかに御意見等はありますか。荒木構成員、よろしくお願いします。
○荒木構成員 時間がないところ、すみません。基礎的研修の中で、教育機関等のことにも少し触れているようなカリキュラムが組まれているのですが、実はこの間たまたま特別支援校の様子のお話をお聞きすることがあり、意外とカルチャーショックを受けたのです。こういったことを聞く機会がなかったのですが、雇用と福祉の施策のカリキュラムのなかで、どこまで取り扱うかはあるのですが、やはり特別支援校などですと、教育という枠組みで対象者の方を捉えているので、指導や教育の視点と、福祉の視点の大きな違いみたいなことに、意外とびっくりしました。
 そういうことで考えると、特別支援校の方の支援も結構ナカポツでもやっていると思うのですが、もう少し学ぶ機会があってもいいのかなということも少し考えたりもしました。以上です。
○前原主査 ありがとうございます。藤尾構成員、よろしくお願いします。
○藤尾構成員 全就ネットの藤尾です。時間のないところ、重ねてすみません。今のお話にも少しかぶるのですが、単純に障害福祉サービスのことを学ぶとか、特別支援教育は多分、60分のプログラムが基礎的研修の中には入っていると思うのですが、そのようなものをやるのではなくて、学校の視点で見るからこうなのだよ。でも、ナカポツだったらこうだよねとか、障害福祉サービスで動くからこういう動きになるけれども、ナカポツだったらこうだという、何かちょっと踏み込んで、ここまで言っていいのかなと思えるようなところまで、良し悪しではなくて、違いを明確に伝えていくことは結構重要かなと思っています。そこを理解しないと、地域連携はうまく図れなかったりすると思うのです、どちらがいいとか悪いみたいな話になって。
 そうではなくて、制度上の違いであったり、もっと言ってしまえば予算が違うとか、学校でいえば何で学校の先生はアフターフォローしてくれないのだと。いや、そんな予算はないよみたいな、ちょっと踏み込んだところまでひょっとしたら伝えられると、あとは何かうまく動いて連携がとれるのかなと。そういうものは実は、後から我々は知るのです。地域でネットワークを組んだ後から、実はこうだった、だからこういった視点が必要だよねみたいになるので、障害福祉サービスも含めてなのですが、障害特性だけでなくて関係機関の立ち位置や関わり方を学ぶことを、やはり色濃くやったらいいのかなというのはちょっと感じました。今、教育の話が出たので、ちょっとお伝えいたします。以上です。
○前原主佐 ありがとうございます。それでは稲葉構成員、よろしくお願いします。
○稲葉構成員 全国就労支援事業所連絡協議会の稲葉です。時間がないところ、すみません。今の障害特性の所なのですが、基本的には全く重複する内容は実施しなくていいというか、おさらいをするぐらいでいいのかなとは思っております。ここにも書かれているように、実際にナカポツセンターにおいて実際の事例を通した説明はあってもいいのかなと。講義項目をどうするかという整理はあるのですが、あってもいいのかなと思っているのが1つです。
 もう1つは、やはりナカポツセンターは先ほど来、皆さんからもお話が出ているとおり、ネットワークの中で解決していくというのが1つのキーワードでもあるかなとは思っております。今であれば対象となる精神障害の方、知的障害の方ということの障害特性は、恐らく十分に理解をしていけるのかなと思っているのですが、やはりなかなか相談件数が少ない障害、例えばうちで対象としているところでは、高次脳機能障害の方や視覚障害の方になると、ある種、ナカポツセンターだけでも解決できない。一般的な知識は知っていても、自分たちで解決できないといったときに、どのように地域と連携して解決をしていくのかということがあってもいいのかなと思っています。ですので、視覚障害や高次脳機能障害でいうと、そういう専門の機関が地域にある所とない所もあったりすると思っているので、そういった所とどのような連携を取ってどのような解決の方法があるのかというような事例をお話する機会もあってもいいのかなと思いました。以上です。
○前原主査 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。よろしいでしょうか。特にないようでしたら、本日出た意見については、事務局で整理していただき、次回の議論に向けた準備を進めていただくようにお願いいたします。
 最後に、議題4、その他として、事務局から何かありますか。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。議題4に関しては、特にありません。
○前原主査 それでは、本日の議論は終了となりますので、第1回就業支援担当者研修等のカリキュラム作成に関する作業部会は終了いたします。
 最後に、事務局から連絡事項がありましたら、お願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。次回の日程については未定となっておりますので、改めて日程調整の御連絡を差し上げます。私からは以上です。
○前原主査 本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。