第181回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会 議事録

日時

令和5年5月15日(月) 16:00~18:00

場所

厚生労働省 仮設第3会議室及びオンライン
(東京都千代田区霞が関1丁目2番2号 中央合同庁舎5号館12階)

議事

議事内容
○尾崎補佐 それでは、定刻となりましたので始めさせていただければと思います。
 開催に先立ちまして御連絡です。本日は、こちらの会場とオンラインの併用で開催しております。部会中は、オンラインの方は基本的に、カメラはオンで、マイクはオフでお願いいたします。発言される際には、会場の方は挙手、オンラインの方はZoomの「手を挙げる」機能を御使用いただきまして、部会長から指名があった後に御発言をお願いいたします。
 なお、傍聴は別会場にて、オンラインで行っております。
 進行に関する説明は以上となります。
○尾田雇用保険課長 それでは、ただいまより、第181回「雇用保険部会」を開催いたします。
 初めに、委員の改選がございましたので、新たに御就任いただいた委員を御紹介いたします。
 公益代表委員として、大阪大学経済学部教授の佐々木勝委員に御就任いただいております。
○佐々木委員 どうぞよろしくお願いいたします。
○尾田雇用保険課長 また、本日の委員の出欠状況ですが、労働者代表の三島委員は途中からの御出席、使用者代表の柴田委員が所用のため御欠席となっております。
 加えて、田中局長は公務のため途中退席とさせていただく予定となっております。
 続きまして、雇用保険部会長の選出の手続をさせていただきます。雇用保険部会長は、労働政策審議会令第7条第4項によりまして、労働政策審議会の本審に所属する公益委員の中から、本審に所属する委員により選出されることとなっております。当部会におきましては、小畑委員、中窪委員、守島委員の3名が該当されます。部会長に関して御推薦等ございますでしょうか。
 水島委員、御発言お願いできますでしょうか。
○水島委員 ありがとうございます。部会長は引き続き守島委員にお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
○尾田雇用保険課長 ありがとうございます。ほかに御発言はよろしいでしょうか。
 それでは、水島委員から守島委員の御推薦がございましたので、他に御発言なかったということで、守島委員に部会長をお願いすることでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○尾田雇用保険課長 それでは、守島委員に部会長をお願いしたいと思います。以降の議事進行は守島部会長にお願いいたします。
 マスコミのカメラ撮影はここまでとさせていただきますので、御協力よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○尾田雇用保険課長 それでは、守島委員、よろしくお願いいたします。
○守島部会長 皆さん方、お忙しい中お集まりいただき、どうもありがとうございます。ただいま部会長に選任されました守島でございます。今期もどうかよろしくお願いいたします。
 まず、部会長の就任に当たりまして、労働政策審議会令第7条第6項の規定におきまして、部会長代理を公益委員から指名させていただきたいと思います。当会規定に基づきまして、今回、中窪委員を部会長代理に指名させていただきます。それでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
 あと、私、今、授業のど真ん中でありまして、抜けて来ているのですけれども、本日はその後また授業を続けたいと思いますので、17時以降は退席をさせていただきたいと思いますので、今回の雇用保険部会が17時以降まで継続される場合には、部会長代理として中窪委員に進行をお願いしたいと思います。それもよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○守島部会長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思います。まず、「失業認定におけるデジタル技術の活用について」ということでございます。それでは、資料について事務局より御説明をお願いいたします。
○山口調査官 それでは、資料1に基づきまして、「失業認定におけるデジタル技術の活用について」御説明させていただきます。
 まず1ページを御覧いただけますでしょうか。昨年12月に規制改革推進会議のほうで取りまとめました中間答申において失業認定のオンライン化について記載されている部分でございます。
 厚生労働省は、雇用保険制度の失業認定について、原則として4週間に1度、ハローワークにおいて対面で実施している現行の制度について、まずは市町村取次の対象者などについて、遅くとも令和5年4月からデジタル技術を活用した取組を順次実施する。また、こうした取組や諸外国の実態を踏まえて、デジタル技術を活用した雇用保険制度の失業認定関連手続の在り方について対応の方向性の検討を行い、令和5年6月をめどに結論を得るとされているところでございます。
 1枚おめくりをいただきまして2ページを御覧いただければと思います。こちらは前回の雇用保険部会にお出しさせていただいた資料でございまして、市町村取次におけるオンラインの活用をどのように実施していくかということを示した資料になっております。市町村取次といいますのが、ハローワークへの出頭に往復6時間以上要する市町村であって、安定局長の指定を受けた地域にお住まいの基本手当の受給資格者の方については、ハローワークではなく、市町村役場に出頭いただきまして、市町村職員が労働の意思・能力を確認した上で、書類をハローワークに取り次ぎ、その書類をもってハローワークの職員が失業認定を行うという仕組みでございましたけれども、受給資格決定、それから失業認定、いずれにおきましても、市町村役場からオンラインでハローワーク職員と求職者の方をつないで失業認定等を行うという仕組みを実施することにしております。また、失業認定につきましては、御本人様の御希望があれば、市町村役場においでいただくまでもなく、自宅から直接、オンラインにてハローワークに接続するといった方法も認める方向で考えております。
 3ページを御覧いただければと思います。この市町村取次対象地域における試行実施の状況について御報告をさせていただきます。一部の地域におきましては、先行的にこの試行実施を始めておりまして、令和5年1月から3月において、大島、八丈島、新上五島の3か所におきまして、既存のテレビ会議システムというものを活用して失業認定を行っておりました。このテレビ会議システムにつきましては、昨年度をもって廃止ということになっております。
 試行実施の状況といたしましては、オンライン認定件数としては18件となっておりました。具体的な実施状況でございますけれども、認定日時の日程調整にやや時間を要するというようなお話もありましたが、トラブル等の報告はございませんでした。
 1回当たりの失業認定の所要時間といたしましては、平均して3分から10分となっております。最大の所要時間が15分程度ということで、このケースにつきましては、多くの書類の記載不備があったということのために時間を要したと伺っております。
 本人確認や申告書の確認・補正時における支障というのは、特段報告はございませんでした。
 このオンライン認定に係るハローワークの業務負担ということですけれども、自治体との日程調整、接続確認等々、対面に比して業務の量は増えると報告を受けております。また、オンラインに対応する職員については、オンライン認定に専念する必要があって、その結果として、窓口に出ているほかの職員の方の業務増につながったという報告を受けております。
 一方、自治体側の業務負担ということにつきましては、従来の方法と比較して、場所の確保や接続確認のみということが原則的な業務になりますので、従来の取次に比して基本的には軽減されているということでありますが、一部の自治体におきましては、書類のプレチェックですとか、オンライン面談中のサポートを行っていただいている箇所もあると伺っております。
 次に4ページでございます。令和5年4月以降の試行実施の状況について御説明した資料になっております。令和5年4月以降でございますけれども、オンライン環境が整って、自治体の協力が得られたという場所において、この試行実施を始めておりまして、7労働局41市町村において実施しております。試行の内容といたしましては、御本人様の希望に応じて、市町村役場または自宅からZoomでオンライン面談を実施するという形で失業認定を行っております。
 令和5年4月分までの実績ですけれども、オンライン認定件数としては32件、うち自宅からのオンライン認定実績が3件ございました。
 具体的な実施の状況ですけれども、認定日時の日程調整については、特段トラブル等の報告はなかったところでございます。所要時間につきましては、市町村役場においでいただいて失業認定を行ったというケースにつきましては、平均5分から15分程度、最長では20分程度かかったと伺っております。また、自宅から接続したケースにつきましては、平均15分程度ということで、最大所要時間が17分となっております。これには、申告書の撮影やZoom上での画面共有の操作に不慣れで時間を要したと伺っております。
 それから、本人確認や失業認定申告書の確認・補正時における支障の有無ということにつきましては、市町村役場で実施したケースにつきましては、光が反射して写真や文字が見えにくくなるといったようなケースがございましたが、一部調整をすることによって対応可能になったということでありました。
 自宅から接続したケースにつきましては、先ほども申し上げましたように、Zoom上での画面共有など操作方法の案内に時間を要したケースがあったということでございます。
 ハローワークや自治体における業務負担というのはテレビ会議システムの場合とおおむね同様と伺っておりまして、その他といたしまして、市町村役場において一時的に通信が不安定になったという報告はございましたが、接続不良でオンライン面談が中断されたということですとか、求職活動実績の不正申告があったというような報告はございませんでした。
 次に5ページを御覧いただければと思います。今年の夏以降の取組の方向性ということで、既に実施しております市町村取次の対象者に加えまして、以下のような取組を行って、速やかに効果検証を行いたいと考えております。まず実施エリアといたしましては、大規模労働局9か所のうち、ハローワークそれぞれ1か所選定して実施することにしております。
 試行内容といたしましては、以下の対象者のうち希望する方に対して、デジタル技術を活用した失業認定を実施するということにしておりまして、類型として2つお示ししておりますけれども、1つは、ハローワークへの出頭が非常に大きな負担となっておられる方、具体的には難病患者や長期療養者、子育て中の方等について、自宅から直接ハローワークをオンラインでつなぐということによって、オンライン面談による失業認定を可能にする取組を実施したいと考えております。
 2点目でございますが、雇用保険受給中の方であって、計画的な早期再就職を目指して特別なプログラムを受けておられるという方については、オンラインでの手続のみによる失業認定を可能にしたいと考えております。
 このプログラムの対象者の方については、週1回ないし2週に1回はハローワークで就職活動を熱心に行っておられるということで、ハローワーク側も十分にその方の求職活動状況を把握しているということから、失業認定のみのためにハローワークへの来所や面談は要しないということを考えております。
 ただし、この場合であっても初回の失業認定日は来所が必要ということでありますし、個別支援期間が終わった後、なお就職できていないという場合につきましては、対面による認定に切り替えるということで考えております。
 こうした取組の検証事項といたしましては、事務が円滑に実施できているか、就職支援の影響がどのようなものか、不適正な申告が行われていないか、ハローワークの体制が確保できているか、就職支援を効果的に行いつつ、不適正な申告を防止するなど、円滑に実施するためにどのような工夫、取組が有効かといった内容を検証したいと考えております。
 御説明は以上になります。
○守島部会長 ありがとうございました。
 それでは、今の御説明に関しまして御質問等がありましたらお受けしたいと思います。
 大谷委員が手を挙げていらっしゃいます。どうぞ。
○大谷委員 ありがとうございます。全国中央会の大谷です。
 失業認定について、離島など、ハローワークへの出頭が難しい状況にある方等々につきまして、現在、オンライン化で大きな問題もなく進められたということですので、継続して実施していただきたいと思っております。また、現在の試行から大規模な地域のほうに対象を広げていくというお話でございましたので、それによる課題等が出てくるのであれば、今後の部会等で御報告いただきたいと思っております。
 また、以前の雇用保険制度研究会で、失業認定は職業相談との連携が重要であるというような意見が出ておりましたので、検証事項のほうにも書いておりますけれども、対面とオンラインの違いによって就職に影響がないのかどうかといったようなデータなどを蓄積いただきますようお願いいたします。
 また、来所の困難な方の定義について、今のところ、難病患者、長期療養者、子育て中の者等となっておりますけれども、この辺のところをもう少し、さらに具体的な書き方にしていただきたいということと、デジタル化によってハローワーク職員の通常業務に若干問題が出ているようなことも書いてありましたけれども、システムの構築によって過度な負担が出ないようなものにしていっていただきたいと思っております。
 以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。では、ほかの方どなたかいらっしゃいますでしょうか。どうぞ、冨髙委員、お願いいたします。
○冨髙委員 ありがとうございます。
 この間も重ねて申し上げていますが、失業認定におけるデジタル技術活用のうち、オンラインでの認定については、求職者のニーズ、現場の体制や適正な実施などの観点から、トライアルに基づく検証を通じてぜひ丁寧に検討していただきたいと考えています。
 オンラインの活用は来所困難者の選択肢を増やすという意味において意義があるものと考えていますが、例えばマザーズコーナーの設置など、来所時の面談に困難を抱える方たちが安心して面談が受けられるために様々な創意工夫をしていただいていますので、そういった対応は引き続き進めていただきたいと考えています。
 また、先ほど大谷委員からもございましたけれども、これから対象が広範になることも踏まえると、オンラインの場合に、事前の日程調整、また事後のデータ登録の業務負荷が増えることはこれまでのトライアルでも判明しておりますので、人員体制の拡充や、把握した課題の解決を図っていただきながら、失業認定の現場実態も踏まえて検討を進めていただきたいと思います。
 最後に、5ページの検証事項のところで、「求職活動状況報告の不適正な申告が行われていないか」という記載がありますが、今考えられている不適切な申告というのはどういうものがあるのか、何か想定されているものがあれば教えていただきたいと思います。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。事務局、お答えになりますか。
○尾田雇用保険課長 御質問ありがとうございます。不適正な申告といたしましては、求職活動についての不適切な申告について、対面ではその場で確認できるところをオンラインでも十分に確認できるかというようなことを考えております。これに当たりましては、そういう場面が確認できましたら、しっかりと対処するとともに、そういうことが生じないようなチェックというものを別途必要に応じて考えていきたいと思っております。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御質問とか御意見とかある方、いらっしゃいますか。では平田委員、お願いいたします。
○平田委員 ご説明ありがとうございました。
 1月以降実施している、オンラインでの失業認定の試行について、目立ったトラブルや支障は発生していないと承知しました。一方で、ハローワーク職員の業務負担が増していることは懸念するところです。雇用保険制度において失業認定は、極めて重要なプロセスと理解しており、求職者とハローワーク職員の双方の負担を軽減する方向でオンライン化の対象を広げていくことが必要と思っております。引き続きの検討をお願いいたします。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御意見とか御質問とかおありになる方いらっしゃいますでしょうか。
 ありがとうございました。事務局におかれましては、本日いただいた御意見等に留意しつつ、これからも適切なタイミングで当部会に御報告いただきたいと思います。また、このプログラム自体はもちろん進めていただきたいと考えます。よろしくお願いいたします。
 それでは、議題1についてはこれで終わらせていただきたいと思います。
 続きまして、「雇用保険制度の現状について」、第2の議題にいきたいと思います。まず、事務局より資料について御説明をお願いいたします。
○山口調査官 資料2に基づいて雇用保険制度の財政の状況について御説明を差し上げます。
 2ページを御覧いただければと思います。まず、失業等給付関係の収支状況についての資料でございます。4年度の補正後収支イメージという欄につきましては、昨年11月の部会におきまして御説明させていただきましたので、今回新しいのは5年度予算というところの欄になっております。
 まず収入でございますけれども、上から2段目、保険料収入といたしまして、1.59兆円という記載がございます。こちら、昨年度と比べまして増えておりますけれども、5年度から雇用保険料率、失業給付に係るものにつきまして、原則復帰したということの影響を受けましてこのような金額になっているものでございます。
 それから、その下の欄の失業等給付に係る国庫負担金という部分でございますけれども、3年度、4年度につきましては、補正予算で一般会計を繰り入れたことから金額が大きくなっておりますが、5年度につきましてはそれ以前の通常の平均約200億ということで、給付費の定率の国庫負担分について計上されているところでございます。
 支出の欄でございますが、うち失業等給付費というところを御覧いただきますと、1.26兆円というふうに計上してございます。受給者実人員としては41.9万人を想定した金額ということになっております。差引剰余が0.14兆円で、それから、雇調金に充当するために雇用安定事業費への貸し出しが約4,600億円という想定になっておりまして、結果といたしまして、令和5年度末の積立金残高が約5,300億円ということになっております。また、雇用安定事業への貸出累計額というのが3.65兆円ということになっております。
 3ページを御覧いただければと思います。次に、雇用保険二事業関係の収支状況について御報告いたします。
 収入の欄の上から2つ目でございますが、保険料収入といたしまして0.7兆円、こちらは3.5/1000の料率に相当する収入額というのを計上してございます。
 それから、その下の一般会計より受入という欄でございますけれども、こちらは、2年度から4年度にわたっては、雇調金の日額上限超えの部分に一般会計を充当するということで金額計上されておりますが、5年度からはそうした仕組みがなくなりますので、0という数字になっております。
 それから、積立金からの受入というのが4,600億円ということになっております。
 一方で支出でございますけれども、雇用調整助成金の支出の規模といたしましては、約5,900億円ということになっておりまして、それ以外の二事業の事業費としては6,400億円の計上となっております。
 結果といたしまして、差引剰余が0、積立金への返還も0で、安定資金残高が引き続き0ということになっております。
 4ページを御覧いただければと思います。育児休業給付関係の収支状況についての資料になっております。令和5年度につきましては、まず保険料収入、上から2つ目の欄ですけれども、0.79兆円、これは料率4/1000に該当する収入額となっております。それから、国庫負担金につきましては、給付費の1/80に相当する額として、約100億円という計上になっております。
 一方で支出額でございますが、7,800億円ということで、昨年度と比べまして少し増加した金額を置いておりまして、結果として、差引剰余が200億円、育休の資金残高が約3,000億円という形になっております。
 資料の御説明は以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの御説明に関しまして御質問、御意見等がありましたらお伺いしたいと思います。では佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 ありがとうございます。労働側の佐藤でございます。2点申し上げたいと思います。
 1点目が雇用保険財政についてです。失業等給付や雇用保険二事業につきましては、雇用情勢の大きな変化がないと仮定するならば、令和5年度には単年度黒字となることが見込まれる予算だと承知いたしました。しかしながら、失業等給付から雇用保険二事業への貸出額の返済については、現時点で見通しが立っていないということで先ほど御説明があったところです。雇用安定資金は4年連続で枯渇状態となるということですし、失業等給付の積立金についても、今後の雇用情勢の大幅な悪化に耐え得る額が積み上がっていない状況です。財政の安定化に向けて新たな国庫繰入制度の活用も含め、機動的かつ実効的な対応を行っていただきたいというのが労働側の意見です。
 もう一点が育児休業給付についてです。昨年1月の雇用保険部会報告では、育児休業給付の在り方等については令和4年度から検討を開始し、令和6年度までを目途に進めていくべきとされたところです。
 令和6年度末に収支が単年度赤字となる可能性があることに加えて、こども未来戦略会議や財政審の財政制度分科会において、育児休業給付の給付率の一部引き上げなどの議論があるように聞いていますが、当部会においてどのようなスケジュール感で議論していく予定なのか、事務局の見解をお聞きしたいと思います。
 私からは以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございます。事務局、後でまとめてお答えいただけますでしょうか。
○尾田雇用保険課長 はい。後でまとめて御説明させていただきます。
○守島部会長 よろしくお願いいたします。では、大谷委員、お願いいたします。
○大谷委員 全国中央会の大谷です。御説明ありがとうございました。
 私のほうからも、先ほどの御意見とかぶってしまうのですけれども、財政面についてお聞きしたいと思います。安定資金残高0円の状態が続いている中、今回は5年度の予算までというお話でございましたけれども、現状のまま推移する場合、二事業の収支が好転するのはいつぐらいになるのかを教えていただきたいと思います。加えて、積立金への返還の在り方について、何かお考えがあるのであれば併せて教えていただきたいと思います。
 また、今後、子ども子育てや教育訓練の充実について骨太の方針で示されまして、制度設計などは本部会で検討されるというような流れになるかと思いますけれども、今のところ、そちらの財源について明確に決まっていないというような状況かと思います。中小企業へのさらなる負担が出ることのないように御配慮いただきたくお願い申し上げます。
 以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。では続きまして、清田委員、お願いいたします。
○清田委員 ありがとうございます。日本商工会議所の清田でございます。
 私の意見も、今のお二方と相当重複をしてしまいますが、改めて申し上げます。
 令和5年度の財政状況について、雇用保険二事業については保険料収入のみでは収支マイナスが継続し、失業等給付についても引き続き厳しい状況と受け止めています。従来からの繰り返しになりますが、今後、コロナ禍の影響も整理しつつ、一般会計からのさらなる投入も検討した上、財政の早期安定化への道筋を示していただきますようにお願いいたします。
 また、現在、政府において労働市場改革や子ども子育て支援の拡充に関して、雇用保険制度・財政への関連が見込まれる内容が相当議論されておりますが、こうした財政状況を十分に考慮の上、負担と給付の整合性を十分に踏まえた検討が必要だと考えております。また、賃上げによる好循環を社会全体で目指していくという視点においても、今後料率の引上げによってさらなる負担増加とならないよう慎重に検討していただきたいと思います。
 以上です。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御意見とか御質問とかおありになる方いらっしゃいますでしょうか。どうぞ、平田委員、お願いいたします。
○平田委員 ありがとうございます。雇用保険財政は、危機的な状況にあると認識しております。こうした中、政府が後押ししている人への投資や、円滑な労働移動の推進の観点からも、雇用保険財政の再建に向けた早期の検討の開始が不可欠だと考えております。
 次に、育児休業給付の国庫負担について申し上げます。昨年10月の産後パパ育休制度の創設に加えて、こども・子育てに関する政府試案では、男性の育児休業取得率の目標の引上げや、産後パパ育休期間の給付の拡充なども示されていると承知しております。こうした中で、今後、男性の育児休業取得者のさらなる増加が想定され、育児休業給付関係の収支への影響を懸念しております。国をあげて育児休業の取得を推進するにあたって、2024年度末まで暫定的に引き下げられている国庫負担割合を一刻も早く本則に復帰させる必要があるのではないかと思っております。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御意見とかおありになる方、いらっしゃいますでしょうか。
 ないようですので、では事務局から御回答をお願いいたします。
○尾田雇用保険課長 御意見いただきましてありがとうございました。
 まず、二事業の財政再建について、複数の委員から御指摘がございました。また、大谷委員からは、二事業の財政の好転はいつなのかという御指摘がございました。先ほど調査官から御説明いたしましたとおり、5年度の予算上、保険料収入0.7兆円、一方で、支出のほうが1.23兆円ということで、今の予算上は差引剰余マイナス、その部分を積立金の受入れで対処するという予算になっております。
 ここのところは、5年度におきます雇用調整助成金の支出額がいかなるものになるか等に基本的にはかかってきているかと思います。今の状況は、新型コロナウイルス感染症の取扱いが5月8日から変更になりまして、今後は、これまでの雇用調整助成金中心の雇用対策から経済活性化に向けた対応ということに世の中全体がシフトしていくことかと思います。そうした中で雇調金の支出がどうなっていくかということによりまして、早ければ本年度後半にもそういった姿が見えましょうし、ちょっと予算上どこで見えるかということは分かりませんが、そういった状況かと思っております。
 また、その中で二事業の早期再建の道筋を早く示すべきだという御指摘が清田委員からもございました。これにつきましては、この雇用保険部会の場でも、労使の皆様から御意見をいただきながら、しっかりと早めに対処、検討していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、育児を中心としまして、今、政府での様々な会合等におきまして、雇用保険に絡む見直しについて指摘を受けているところでございます。それらにつきましては、現在、子育て政策については政府のこども未来戦略会議のほうで具体策の検討が進められていると承知しておりますが、そういったことも踏まえた上で、材料がそろった上で、雇用保険の制度でどうするかということになりますれば、当然ながら、改めてこの雇用保険部会の労使公益の皆様にしっかりと御議論いただいて成案を得たいと思っておりますので、我々としてもしっかりした準備をした上で、皆様の御議論をいただきたいと思っております。
 大谷委員から、返済免除の在り方についての具体的なアイデアという御指摘もいただきましたが、現時点で我々としては明確なアイデアはございませんが、こういった点につきましても、労使の委員の皆様にしっかりと御意見をいただきながら対処を決めていきたいと思っております。
 また、平田委員から国庫負担について御指摘ございました。我々といたしましても、子育て政策の充実に伴う育児休業給付の給付増ということは当然予測されるところと思っておりまして、御指摘も踏まえましてしっかりと、給付と負担の在り方については、我々としても考えてまいりますし、また、部会の委員の皆様にもしっかりと御議論いただきたいと思っております。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御意見とか御質問がおありになる方はいらっしゃいますでしょうか。
 大丈夫ですかね。
 ありがとうございました。それでは、議題2は以上とさせていただきたいと思います。
 では続きまして、議題3に移ります。議題3は「雇用保険制度研究会の中間整理について」でございます。まず、事務局より資料の御説明をお願いいたします。
○山口調査官 では、資料3-1に基づきまして御説明させていただきます。雇用保険制度研究会でございますけれども、昨年の5月にこの研究会を立ち上げまして、約1年間にわたって検討を進めてきたところでございます。本日、部会にも御参画いただいております佐々木先生にも委員になっていただきまして、労働法、社会保障法、それから労働経済の先生方の中で御議論いただいた内容を取りまとめたというものになっております。
 まず、2ページの中身を御紹介していきたいと思いますけれども、「総論」というところで、まず(1)で「問題意識」という記載がございます。コロナの感染拡大が雇用に大きな影響を与える中で、令和4年に雇用保険法改正ということを行いました。こちらの部会の場でも丁寧に御議論をいただきましたし、その後、法案の国会審議においても様々な御意見を頂戴いたしました。その過程の中において雇用保険制度の各給付を効果検証し、給付と負担の在り方について検討する必要性というのが指摘されたところでございます。これはこの研究会立ち上げの直接的な契機ということになっております。
 この中間整理の中では、何か一つの改正の方向性みたいなことを示すというものではなくて、本来、雇用保険制度が果たすべき役割や保護すべき対象は何かという点を整理し、今後の制度運営を考えるための材料や選択肢を提示するという考え方から、研究会での御議論を取りまとめたというものになっております。
 そうした具体的な御意見を紹介する前に、「雇用保険制度を構成する考え方、構造」というところで一通り制度の骨格ということを触れております。最も中心的な概念といたしまして、雇用保険制度が自らの労働により賃金を得て生計を立てている労働者、いわゆる生計維持者と呼ばれる方々が失業した場合の生活の安定を図る制度という考え方のもとに、同じ危険を持っている、危険にさらされている方の集団ということで適用対象を決めているということでございます。
 また、失業ということを保険事故とする保険制度になっておりますが、この失業ということの特性ということでいろいろと意見が出た部分を記載しております。こちら、生きた社会経済現象であって、その発生率等について事前に一定の推定を行うことが難しいという性格がある一方で、失業の発生はマクロ経済情勢の影響を受けているので、好況時、不況時といった一定の時間経過の中でリスク分散がされているということも考えられる。また、失業状態からの脱却というのは求職者個人の意思や努力にも依存しているという側面がありますので、そこから積極的に脱却しようとしないというモラルハザードを招くおそれがあるという指摘がありました。
 また他方で、事前に一定の発生の推定を行うことが困難としつつも、労働契約の終了や定年、自己都合退職のように、被保険者個人が事前に失業の発生の推定を行うことができるというケースもあるということでございます。
 また、雇用保険における「失業」というのが、単に職業に就いていないという事実だけではなくて、労働の意思・能力があるにもかかわらず仕事に就くことができていない状態ということを意味しており、したがって、原則4週間に1回の失業認定日にハローワークで労働の意思と能力があるかどうかということを判断しているという仕組みになっております。
 また、雇用保険制度は失業以外の保険事故に対しても給付を行うとともに、雇用保険二事業や求職者支援制度のような附帯事業も実施しているところでございます。
 こうした「雇用保険制度をとりまく労働市場や社会経済情勢の変化」ということで、大きく2つの観点から雇用情勢等を振り返っております。1つは、直近の大きなインパクトでありましたコロナの影響ということですけれども、この際、二事業の一種である雇用調整助成金について様々な特例措置が講じられて、積極的に活用されたということ。特にコロナの休業による収入への影響というのが宿泊・飲食サービス業や卸売・小売業の中高年女性パートや学生バイトを中心に生じたということで、雇用保険の適用対象となっていない労働者についてもセーフティネットの必要性があったことが示唆されるとしております。
 また、少し時間軸を長く取りまして、20年、30年を見たときの労働市場の変化という点につきましては、少子高齢化の中にあっても、主に非正規雇用による女性や高齢者の労働参加率の高まりによって労働力人口が増加傾向にあるということ。賃金の水準を見ると、女性労働者の賃金水準が伸びる一方で、男性の40代、50代前半の正規労働者は低下傾向にあるということ。それから、共働き世帯数が専業主婦世帯数の2倍を超えている。かつ、世帯の収入に占める女性配偶者の収入の割合が増加しているという傾向が認められます。
 労働移動の傾向につきましては、一般とパートを比較すると、パートのほうが転職入職率が高く、また離職前の勤続年数が短く、転職に要する期間が短い。それから、テレワークや兼業・副業といった多様な働き方の広まりということも見られているところでございます。
 3ページを御覧いただければと思います。こうした労働市場の変化ということを踏まえて、雇用保険制度が雇用のセーフティネットとしてどうあるべきか、雇用保険制度がカバーすべき労働者の範囲をどう考えるかという点について様々な検討の視点が示されたところでございます。
 こちらでは幾つか御意見を抜粋して記載しておりますけれども、実際にはもっと大量の御意見をいただいておりますので、お時間のあるときに本体のほうを御覧いただければと思います。
 簡単に御紹介いたしますと、1点は、「社会保険方式でセーフティネットを整備することの意義」をどう考えるかという点に関して議論がございまして、社会保険で制度を運営するということは事前に保険料を拠出する必要があり、そういった意味で保険料の負担能力は無視できない論点であるということ。雇用保険の適用対象とすることで、いざというときには保障を受けられるけれども、保険料負担によって毎月の手取り賃金は減るということについて国民の合意が得られるかという御指摘がございました。
 また、「同種類の危険にさらされている集団」ということで、先ほど、生計維持者をこうした集団と考えているという御説明をしましたが、その具体的な適用基準として週所定労働時間20時間という線引きというのが果たして妥当なのかということですとか、労働時間ではなく収入で適用を線引きするのも考えられるのではないかというような御指摘もございました。
 また、この適用対象となっていない労働者への支援というのを適用拡大以外の方法によって対応することが適当ではないかという御意見もありましたし、逆に、生計維持者という概念をもう少し広げて、失業した場合に生計に支障を与える、生計の一端を担う方まで同種の危険にさらされている集団という考え方を広げてはどうかという御意見がございました。
 それから、「現行の適用対象労働への影響」という部分でございますけれども、現行は週所定労働時間20時間以上の方を適用対象としており、労働時間が20時間未満になったという場合に給付が行われる仕組みになっております。仮にこの適用対象となる労働時間を20時間より引き下げたという場合に、「適用基準=失業認定基準」という考え方を維持すると、現在、適用対象となっている労働者の方も含めて、例えば引き下がった時間を下回るまでは給付が出ないといった仕組みになると考えられるけれども、この点についても議論が必要というような指摘がございました。
 それから、4点目といたしまして「失業以外の保険事故に対して支給される給付」ということでございますけれども、教育訓練給付や育児・介護休業給付については、いずれも労働者個々人の選択の問題で支給事由となる事項が生じるので、その制度の位置づけや財源を検討する必要があるのではないかというような御意見がございました。
 次に4ページを御覧いただければと思います。こちら、「各論」ということで、基本手当、教育訓練給付、育児休業給付、求職者支援制度という個別の給付に着目をして議論をしたときに出てきた意見を記載しております。こちらも何点か抜粋したもののみ御紹介させていただきます。
 まず、基本手当につきましては、少なくとも所定給付日数を延ばすとマッチングがよくなるという一貫したエビデンスがないので、総合的に考えると、日数を延ばすことには慎重になるべきではないか。それから、諸外国の例を見ても、自ら保険事故を起こした自己都合離職の場合は給付しないか、給付制限期間を設けていて、その給付制限期間を撤廃するということには慎重であるべきではないか。そして、保険事故としての失業の特殊性から、失業状態から積極的に脱却しようとしないモラルハザードが生じるおそれがあるということを考えると、保険制度の適切な運営という観点から、オンラインによる失業認定をどう考えるか議論すべきではないかという御指摘がございました。
 教育訓練給付につきましては、「人への投資」の目的というのは雇用政策にとどまらず、経済政策の側面があるということと、また、雇用保険の被保険者に限らず、学び直しのニーズが存在しているので、雇用保険のみがそれを担うのではなく、省庁を超えたもう少し幅広な施策で対応していくべきではないかという御指摘がございました。
 育児休業給付につきましては、日本の場合、労働者個人に権利付与されていて、他国と比べても給付率が非常に高いということが特徴である。他方で、就業継続の観点から、時短勤務を選択した場合の給付の創設が考えられるのではないかという御意見がございました。
 それから、育児休業給付の性格ですけれども、当初、雇用継続のための給付として創設されたものでございますが、現在、雇用保険制度の中心的な趣旨からすると、やや位置づけが外れたものになりつつあるのではないか、雇用保険の中でなお維持すべきかどうか、財源の在り方も含めて見直しが必要ではないかという御意見がございました。
 求職者支援制度につきましては、リスキリングの観点から、経験職種の中でスキルアップするために活用することも重要ではないかという御指摘もございました。
 最後、「おわりに」という部分でございますけれども、今後の雇用保険制度を議論していくに当たって留意すべき事項ということを御指摘いただいております。雇用保険は単なる失業時のセーフティネットというだけではなくて、「失業状態からの救済」等いろんな機能があって、その中で何が基本的・根幹的目的なのか、また、今後、そうした雇用政策的な色彩を強めていくのか、それとも制度をスリム化していくのか、議論が必要であるということを御指摘いただいております。また、持続可能な制度運営のためには、行政運営機関に必要なコストや財源の種類と財政的な実現可能性、EBPMに基づく効果検証の重要性なども考慮すべきとされております。
 また、雇用保険制度の仕組み、非常に専門的で難しいということでございますが、その果たしている役割を幅広く国民に共有し、国民がその意味を理解して納得した上で選択できるようにするといったことが大切であると最後結ばれているものでございます。
 資料の御説明は以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。
 では、ただいまの御説明に関しまして御質問とか意見ある方はいらっしゃいますでしょうか。小林委員、お願いいたします。
○小林委員 ありがとうございます。私から2点お伺いします。
 昨年5月の第1回の研究会で示された開催要綱では、研究会の趣旨・目的として、「現状分析や論点整理を行い、雇用保険制度の在り方を検討する」という記載がございました。1点目です。今回の中間整理では、雇用保険制度の各テーマに関する意見が多くありましたが、両論併記という形でされており、これをもって論点整理とするということでよろしいのでしょうか。
 2点目ですが、研究会での議論を踏まえて、当部会で直ちに議論するような論点があるのかどうかお考えをお伺いしたいと思います。
 以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。事務局、またまとめて御返答をお願いいたします。ほかに御意見とか御質問のある方、いらっしゃいますでしょうか。
 清田委員が手を挙げていらっしゃいます。どうぞ。
○清田委員 御説明ありがとうございます。本報告書では、雇用保険制度の目的と役割の視点にくわえ、現状の運用課題についても整理されており、大いに共感する内容と感じました。現在の社会経済状況や労働市場の変化を踏まえますと、やはり今後大きく見直すべき視点が多いと感じております。
 特に育児休業給付につきましては、雇用継続のための制度というものを超えて、家族政策や少子化対策という位置づけが非常に強まっていると感じております。日商としては、少子化対策、子ども子育て政策は社会全体で支えるという視点から、広く公平に負担するべきと常々主張させていただいてございます。中間整理の資料にもございますとおり、果たしてこれが雇用保険制度で担うべき政策なのかというところはさらに議論が必要ではないかと受け止めてございます。
 また、先ほどの議題でもございましたが、現在の育児休業給付における国庫負担については、本則の10分の1になっているという状況を踏まえますと、早急に本則に戻していただくとともに、一般会計による負担割合をさらに高めていくことが必要であると、この中間報告の整理を見て改めて感じたところでございます。
 意見です。以上です。
○守島部会長 ありがとうございます。ほかに御意見とか御質問のある方いらっしゃいますでしょうか。
 平田委員が手挙げていらっしゃいます。どうぞ。
○平田委員 ありがとうございます。基本的な考え方を含め、今後の制度運営における検討課題や解決に向けた選択肢について中間整理として幅広く提示していただいたということにまず感謝を申し上げたいと思います。
 先ほどの発言の繰り返しになりますが、雇用保険財政の再建だけでなく、人手不足への対応、成長産業等への円滑な労働移動に向けて課題は山積していると認識しております。この中間整理を活用して多角的な視点から雇用保険制度の在り方を当部会で議論していくことが極めて重要だと思っております。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御意見とか御質問のある方いらっしゃいますでしょうか。
 特にないようなので、では事務局、回答をお願いいたします。
○尾田雇用保険課長 小林委員から御指摘いただいた1点目でございますけれども、本中間整理では、先ほど調査官から御説明いたしましたとおり、今後の制度運営を考えるための材料や選択肢を提示するという趣旨で、今回、中間整理をおまとめいただいたところでございます。ですから、そういった意味で、この両論併記、委員からいただいた意見をフラットにまとめた形で、今回、中間整理ということでまとめさせていただいたということでございます。
 また、小林委員から、この中ですぐに議論すべき点はどれかという御指摘がございました。私どもといたしましては、当初の開催要綱にもございましたとおり、また、開催の過程で様々御指摘いただいてきた点も含めて、今回、9回にわたりまして、研究会では網羅的に当面の論点については御議論いただいたと認識しております。ですから、これを今後どのような形で、雇用保険部会において労使で御議論いただくかということは今後検討してまいりたいと思いますが、いずれにしましても、今後当面必要となる議論の素材となる論点については今回の9回の研究会で網羅的に御議論いただいた、そういった準備はできていると認識しております。
 また、清田委員から国庫負担について御指摘がございました。先ほどもお話しさせていただきましたとおり、この育児休業給付の財政の在り方、給付と負担の在り方については本部会でも引き続き御議論いただきたいと思っております。私どもとしてもしっかりと検討してまいりたいと思っております。
 また、平田委員から、今後の円滑な労働移動に向けた対応ということの御指摘がございました。これも重要な論点かと思っております。私どもとしても雇用保険が今後の労働市場を支えるためのセーフティネットとして十分に機能するようにという観点から検討してまいりますし、また部会の皆様にしっかりと御議論いただきたいと思っております。
 以上でございます。
○守島部会長 ありがとうございました。ほかに御意見とか御質問のある方いらっしゃいますでしょうか。
 なさそうですね。それでは、議題3につきましては以上とさせていただきたいと思います。
 本日予定されている議題は以上ですので、本日の部会はこれで終了させていただきたいと思います。皆さん方、お忙しい中お集まりいただき、どうもありがとうございました。