第22回 社会保障審議会企業年金・個人年金部会 議事録

日時

令和5年5月17日(水)9:58~12:16

場所

TKP新橋カンファレンスセンター 15階ホール15D

出席者

(オブザーバー)

議題

関係団体からのヒアリング

議事

議事内容
○森戸部会長 
 皆さん、おはようございます。定刻よりちょっと早いのですけれども、許可が出ましたので、時間前に始めてしまいたいと思います。ただいまより第22回「社会保障審議会企業年金・個人年金部会」を開催いたします。
 お忙しいところ、お集まりいただきありがとうございます。
 本日の委員の出欠状況ですけれども、山口委員から御欠席との御連絡をいただいております。
 御出席いただきました委員の方が3分の1を超えていますので、会議は成立しておりますことを御報告申し上げます。
 では、議事に入りたいと思いますが、まずは事務局から資料の確認をお願いいたします。

○大竹企業年金・個人年金課長 
 資料の確認をさせていただきます。
 本日の資料といたしましては、資料1、本日ヒアリングに御出席いただいている方の一覧でございます。資料2、企業年金連合会提出資料。資料3が企業年金連絡協議会提出資料になります。資料4、国民年金基金連合会提出資料になります。また、参考資料といたしまして、参考資料1が前回御議論いただきました今後の検討における主な視点。参考資料2は、私的年金制度全般に関する現状等の資料でございます。参考資料3、委員の方々の名簿を準備しております。
 以上でございます。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 それでは、議題に入りたいと思います。
 カメラの方がもしいらっしゃいましたら、退室をお願いいたします。
 本日は、「関係団体からのヒアリング」を議題といたします。企業年金連合会、企業年金連絡協議会、国民年金基金連合会から御意見を頂戴いたします。
 お時間もありますので、各団体からプレゼンをいただいて、その後一括して御意見、御質問をいただきたいと思います。
 では、早速企業年金連合会より御説明をお願いいたします。

○鮫島企業年金連合会理事長 
 企業年金連合会の鮫島でございます。説明の機会を頂戴しまして大変ありがとうございます。
 本日は、企業年金制度とその運営につきまして、企業年金の現場から私どもが聞いております提言・要望をお伝えしたいと思っております。
 私どもの資料の3ページを御覧ください。目次ですけれども、本日は、初めに現状認識や基本的な考え方をお話しし、その後、具体的な提言・要望を御説明したいと考えております。
 4ページを御覧ください。公的年金の給付調整や高齢期の長期化が進行する中で、上乗せであれ、つなぎであれ、企業年金による老後所得保障の重要性は高まっていると思いますが、残念ながら企業年金のカバレッジや給付水準は十分ではなく、そのうちDBは減少傾向にあります。とりわけ中小企業の企業年金につきましては、この部会においてもしばしば言及されておりますが、適格退職年金の廃止や厚生年金基金の解散が進んだ後、大きく落ち込んでいるのが実情です。
 また、離転職者の増加や、女性や高齢者の就業拡大に伴い、働き方やライフコースの多様化が進んでいますが、そうした中で老後資産形成が継続されるよう促していくことの重要性が高まっていると思います。
 こうした状況の下で、企業年金制度の持続可能性の向上やさらなる普及を図るためには、業務運営面の負担や財政面の負担を軽減し、柔軟で使い勝手のいい制度にしていくことや、税制優遇などの支援を強めていくことが必要と考えます。
 やや敷衍して申し上げますと、負担軽減や柔軟な制度運営の実現に向け、様々な規制・基準の緩和、見直しや手続の簡素化を検討していただきたいと考えています。後ほど御説明いたしますが、具体的にはDCの掛金拠出の在り方や、DBの財政リスクの軽減方策、定年延長時の給付減額の判定基準の見直し等でございます。
 また、中小企業では事務負担の問題等により、単独での企業年金制度の実施が困難なため、総合型のDB・DCがそうした負担を集約、代行する形で受け皿になっています。中小企業への普及促進のためには、こうした総合型の企業年金について適切なガバナンスを確保しつつ、運営負担の軽減を図り、中小の事業主が利用しやすい環境を整えることが有効であると思います。
 次に、DCにつきましては、拠出限度額を老後所得保障の観点から十分な水準に引き上げ、資産形成への支援を強める必要があると考えます。
 一方、退職金制度に由来するDBは、個々の企業の状況に応じた柔軟な制度設計が可能な仕組みになっており、老後の所得保障に大きな役割を果たしています。したがって、今後もDBの衰退を招くような制約を課すことなく、DB運営の持続可能性を維持し、高める方向で検討することが必要です。私どもとしては、DB・DCが企業年金の両輪としてそれぞれの機能を発揮し、共に普及、発展していくことが望ましいと考えています。
 さらに、働き方やライフコースが多様化する中で、老後資産の蓄積が十分に進まないおそれがありますので、年金ポータビリティ制度の拡充とともに、運用面の強化が重要と考えておりまして、これについても後ほど提案したいと思います。
 以下、5ページからは具体的な提言・要望です。
 まず、特別法人税の撤廃であります。特別法人税については、租税特別措置法の改正により令和8年3月まで課税停止期限が延長されました。しかし、もしこれが将来課税されることになれば、負担は非常に重く、企業年金の普及を阻害するほか、制度の存続、特に中小企業における制度の存続が困難になるおそれもありますため、撤廃をお願いしたいと考えています。仮に撤廃されない場合には、課税停止期限は今後も延長していただく必要があると考えます。
 次の6ページは、定年延長時の給付減額の判定基準の見直しです。この点については、これまでもこの部会でも議論されていますが、現在は企業の定年延長に伴い、DBの支給開始年齢を引き上げようとする場合、給付額を維持・増額するケースであっても、予定利率で割り引く期間が長くなり、給付現価が減少すると給付減額と判定されることになります。この場合、実務上、支給開始年齢を引き上げることは難しくなり、定年延長の阻害要因になっているとの指摘もあります。そこで、定年延長に伴いDBの支給開始年齢を引き上げる場合の給付減額の判定基準の在り方について見直しをお願いするものです。
 また、給付減額と判定される場合には加入者の同意が必要になりますが、中小企業では労働組合のない事業所も多いことから、この同意要件を緩和し、手続の簡素化を図る必要があると考えています。
 7ページはDCの拠出限度額の見直しと生涯拠出枠の導入についてです。企業型DCは、加入者数で見れば、企業年金の一方の柱と言えるまでに成長してきましたが、資産額で見ると、相対的に歴史が浅いこともあって、まだ少額にとどまっているのが現状です。また、DCの拠出限度額は来年12月から月額5.5万円からDB等の他制度掛金相当額を控除した額となり、拠出額の合算管理の仕組みが導入されます。この場合、DBとDCを併用している企業では、将来、拠出額が限度額に抵触し、制度運営の制約となるケースが発生する可能性があり、それがDBの縮小・廃止の要因にもなりかねません。
 以上を踏まえ、私どもとしては、DCの拠出限度額について、老後所得保障の観点から、十分な水準への引上げが必要と考えます。
 iDeCoの拠出限度額の引上げについては、既にこの部会でも次期制度改正に向けて検討するとされていますので、企業型DCを含めての検討をぜひお願いいたします。
 さらに、企業型DCの掛金額を給与等の額に比例して設定している場合、賃金カーブの形状により、若年時は拠出枠の使い残しが発生し、中高年時は拠出限度額を超過する事態が生じることから、超過分をそのほかの手段で調整せざるを得ない企業が存在しています。
 そこで、DC制度を企業の賃金カーブや個々人のライフコースに対応した柔軟な制度とするため、DCの拠出限度額について、生涯拠出限度枠を設定し、若年時の使い残しを高齢時に繰り越して拠出を増額できる仕組みにすることが必要と考えます。また、その際には個人のマッチング拠出やiDeCoの掛金に設定されている上限額についても見直しの検討をお願いいたします。
 8ページは、マッチング拠出における本人拠出額の上限見直しです。企業型DCにおいて加入者が事業主掛金に上乗せして掛金を拠出できるマッチング拠出は、加入者にとって新たに口座を開設する必要がないなど利便性が高く、自助努力による老後資産の形成に有効な制度であります。しかし、現在この加入者掛金は事業主掛金の額が上限とされており、事業主掛金の額が低い場合には拠出限度額の枠を十分に活用することができない状況となっています。
 したがいまして、自助努力による老後資産形成を促進するため、マッチング拠出において、加入者掛金の額の上限を事業主掛金の額とする規制を撤廃することを要望いたします。
 9ページは、年金ポータビリティを活用した老後資産形成の継続の促進です。ポータビリティは離転職の増加に対応して制度としては拡充されてきましたが、実際のところ退職時には一時金で受け取るケースがほとんどで、老後の資産形成につながるポータビリティは十分に活用されていないのが実情です。このため、今後終身雇用が減り、複数回の転職を経て引退するケースが増えた場合、転職の都度一時金として受け取っていては貴重な資産が消費され、十分な老後資産が形成されないことが危惧されます。
 そこで、ポータビリティを利用した老後資産形成の継続を促すため、ポータビリティの利用に誘導するナッジ等の方策、例えば老後資産形成の重要性に関する教育機会の提供を通じて年金選択への行動変化を促す施策や、中途退職時にポータビリティの選択をデフォルトに設定するといった施策を検討することを提案したいと思います。
 なお、私ども企業年金連合会では、ポータビリティの受け皿として、中途退職者等の企業年金の資産を通算して、終身年金として受け取ることができる通算企業年金を実施しておりますが、現在改めてポータビリティを利用した老後資産形成の重要性や通算企業年金に関する広報の強化に乗り出しています。今年2月に私どものホームページに特設ページを設けて分かりやすく解説するとともに、視覚的、聴覚的に親しみやすいコンテンツとして2本の動画も掲載いたしました。詳細につきましては、この資料の18ページに掲載しておりますので、後ほどぜひ御覧いただきたく存じます。
 以上が私どもの具体的な提言・要望の御説明ですが、10ページ、11ページにはその他の提言・要望として、平均余命の延伸に対応したDBの保証期間の上限引上げによる財政リスクの軽減や、中退共から企業年金への資産移換の拡大等、提言・要望を5点記載しております。本日詳しい御説明はいたしませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
 また、12ページからは参考資料を掲載しています。時間の関係で説明は割愛いたしますが、16ページから私どもが実施しております事業や健全な財政状況について御紹介しておりますので、後ほど御高覧いただければと存じます。
 本日は、企業年金の現場の声を踏まえまして、企業年金制度の普及促進や持続可能性の向上、働き方・ライフコースが多様化する下での老後資産形成の継続促進といった観点から提言・要望を申し上げました。今後の御検討方、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 続きまして、企業年金連絡協議会より御説明をお願いいたします。

○芥川企業年金連絡協議会共同会長 
 企業年金連絡協議会、略称「企年協」でございます。本日は、私どもにもこのような席での発言の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。私は共同会長を務めております、電子情報技術産業企業年金基金の芥川と申します。よろしくお願いいたします。
 早速でございますが、まず企年協について御説明いたします。資料の1ページに沿革を記しましたが、ちょうど50年前の1973年、東京所在の単独連合の厚生年金基金を主たる会員としてスタートいたしました。
 2ページにお示しした理念に基づきまして、企業年金基金の運営に携わる実務者の相互の交流、研さん、情報交換等を行い、年金制度の運営に関する課題解決を図り、企業年金制度の発展に寄与することを目的として活動している団体でございます。
 1997年には東京に限らずということで、全国の厚生年金基金が加わり、その後の企業年金2法制定により、現在の名称となっております。
 総合型の厚生年金基金は、以前は総合型のみで協議会を形成しておりましたが、2013年の法律改正により、500ほどございました総合型の厚生年金基金が解散、代行返上等により150ほどがDB基金に移行いたしました。これをきっかけに企年協と合流し、企年協総合部会として活動しております。
 1ページの下に表にしてございますが、現在会員数はこれだけの数を数えることとなっております。なお、会員制度数につきましては、各基金等で人数の多い団体としての登録をしていますので、見かけ上、DCは6と少ない数となっていますが、多くの基金がDB、DCを併用しているところがありますので、数字的にはDBでカウントされているものが多くなってございます。
 3ページでございます。企年協には総合部会のほか、制度、地域、研究テーマなどにより、11の部会、委員会、研究会を設置して活動しています。
 資料5ページにお進みください。実務者の立場から制度の現状を簡潔にまとめさせていただきました。設立形態ですが、単独型、連合型、総合型と分類されます。単独型、連合型のほとんどは大企業が母体となっておりますが、総合型は中小企業が同種同業の業界で設立したものがほとんどでございます。したがいまして、総合型の場合、掛金設定は負担能力を考慮し、いわゆる護送船団方式で設定することとなり、したがって、給付額も限定的にならざるを得ないという状況になっております。
 また、事務局も母体企業の一室というわけにはまいりませんので、加入者の少ない基金ほど事務費のやりくりに苦労しているという現状がございます。理事会、代議員会などの開催もその都度会場を手配し、出席者に旅費を支給するなどの経費が必要となります。
 また、制度別ではDB、DCということになるわけですが、DBにつきましては、まず厚生年金基金は制度上、当然終身年金が原則でございましたが、年金2法制定後、DBへの移行とともに、単連型では引き続き終身年金を維持しているところも一部にございますが、ほとんどが終身を有期へ変更しており、つなぎ年金の色合いが濃くなっているのが現状でございます。
 また、総合型DB基金では掛金の引上げはほぼできませんので、多くが予定利率を低めに設定するなどの制度設計となってございます。
 DB制度は、退職金由来の性格上、一時金選択が多くなっており、年金選択率の向上が課題となっております。
 DCにつきましては、言われているとおり、金融リテラシーの向上が大きな課題となってございます。運用利回りが想定利回りに届いていないと、20年後、30年後に本人がそれに気づくというケースも出てくるのではないかと懸念されます。
 また、拠出限度額は一律に確保されているわけですが、若年層は余裕がなく、退職間際の層は限度額では足りないというケースが多く見られます。
 運用商品は退職までの想定しかしていないものが多く、その後の終身年金を意識した商品は手数料が高く、このことも一時金選択が多い一因となっているのではないかと思料しています。
 6ページは項目を一覧表にしてございますので、併せて御覧いただければと思います。
 それでは、具体的な要望等につきまして、企年協の専任顧問、前会長の田川より具体的項目について御説明を申し上げます。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 田川と申します。
 それでは、7ページから御説明をさせていただきます。まず、年金税制の要望でございますが、7ページは連合会さんの提言1と同じでございますので、飛ばさせていただきます。
 8ページでございますが、現在、一時金は退職所得控除、年金は公的年金等控除ということで、今後の退職所得控除の見直しが世間をにぎわしておりますけれども、その場合に年金と一時金で扱いが異ならないように、互いに中立的で公平なバランスの取れた制度見直しをお願いしたいと考えております。8ページは以上でございます。そういう形で、できるだけ一時金から年金への流れというのをつくっていけないかなと考えている次第でございます。
 9ページでございます。9ページも連合会さんの提言5と同様でございますので、上の段は省かせていただきます。
 1点付け加えたいところは移換手続ですけれども、現在ペーパーでほとんど実施されて、非常に手続が煩わしいということがございますので、これのデジタル化推進をしたい。移換手続等についてはできるだけ事務負担を減らしていただくような環境を作っていただきたいと思います。
 10ページ、給付減額の解釈ということで、ここからDBの話になっていきますが、これは連合会さんの提言2と同じでございます。要は、定年延長の判断基準の見直し。これが給付減額になるのか。先ほど理事長からもお話があったように、定年延長の制約にならないような形で給付減額の考え方の見直しをお願いしたいというところでございます。
 11ページでございます。今回、企年協の提言はDCが多いという部分があるのですけれども、2024年12月以降、事実上はDBとDCの拠出限度額の合算管理が行われると。そうすると、月額上限5万5000円というものが生じてきます。企業型DCは一応経過措置はあるということでございますけれども、一部の基金さんでは既に合算で5.5万円を超過しているところがある。全体数で見れば10%弱ということでございます。とはいえ、一応そこの部分で使い勝手に制約が出るというところは、今後給付設計を変更していく場合に、掛金拠出限度額の削減、あるいは停止となる。その枠いっぱい使って、それ以上使えないという状態が既に出始めていきますので、今後より一層私的年金を充実する意味では、大分当時とさま変わりしているというところがございます。
 12ページです。5万5000円のそもそもの拠出限度額の考え方というのは、厚生年金基金の上乗せをベースに考えられておりますので、あるべき給付も変化していくというふうに考えております。昨今はインフレ状態もかなり顕著になってきておりますので、また限度額の見直しをお願いしたいという部分でございます。もともと限度額は、2001年、2004年、2010年、2014年と見直されてきて、今5.5万円に至っておりますので、この部分もぜひ先ほどの件と併せて検討していただければ幸いです。
 それから、他制度掛金がDBサイド。DCはDCの掛金額といった場合に、他制度掛金相当額というのは、予定利率が低いほど高い金額として出てくる。
 それから、予定利率が異なるという理由で、拠出限度額に差が出るということが本当に受給者にとって公平なのだろうかという部分は、いまだ残っている。
 終身年金を採用したほうが他制度掛金相当額は高い金額として算出されますので、13ページでございますが、予定利率の高低や終身年金の有無を調整する仕組みを何か検討していただけないかと考えている次第です。
 企業年金と本来個人年金の自助努力の側面が強いiDeCoで、iDeCoは外枠のほうが本当はぴったりくるのかなというのが正直な気持ちであります。
 13ページの最後のところです。これは連合会さんの提言3と同様でございます。生涯枠と1年枠のところの使い残しを繰り越す。生涯枠を設ける。
 それ以外に、一番下の段ですが、退職金の準備世代で出遅れた人はキャッチアップできる追加拠出枠といったものがあると、より使い勝手が高まるのかなというところでございます。
 14ページを御覧ください。14ページもマッチング拠出の意見・要望で、連合会さんの提言4と同じでございますので、ここは省略させていただきます。
 14ページの下の段は、脱退一時金の受給要件の緩和というところで、企業の倒産、解雇による生活困窮時には脱退一時金としての受給要件の緩和を要望する。国によってはペナルティーを科すことによってそれを認めるという制度もあるわけでございますので、ここは困窮状態に陥らないようこういう制度も必要ではないかということでございます。
 15ページは、省略させていただきます。
 16ページから実務的な課題ということで、我々企年協ならではのところでございますが、特にDCの運用商品を考えた場合に、レコードキーピングのコスト開示が必要ではないかと考えております。そうしませんと、一度選んだところでそのままずっと使われてしまうということで、どうも手数料の開示が日本は遅れているのではないかと考える次第であります。
 それから、御承知のとおりでございますが、DCは専ら一時金での受給が中心です。統計上も90%以上。会員に聞きますと、正直DCでの年金商品が魅力のあるものが少ない。ですから、先ほど通算企業年金のお話もあったし、それから我々が提言している年金給付専用口座というものがあれば、この部分の年金化に寄与できるのではないかということで、商品開発が必要。あとはコストの問題。それから受け入れられる制度が必要ではないかという提言でございます。
 17ページは、DCの加入者データと加入者への通知についてでございます。事業者側からいろいろとプッシュ情報、加入者分析をしたいときにデータが欲しいときがあるのですけれども、なかなかそれに応じた提供がなされないケースがあるということで、加入者の実態が事業者にきちんと把握されているのかどうか、ここは大きな問題なのです。セルサイドで分かっていても、バイサイドで本当に情報が正しく対称性を持ってなされているのかどうかということで、加入者データの提供を個人情報を特定しない範囲でもう少し教えていただけないか。
 加入者への通知も、元本確保型100%運用者というのは、企業型DCでも統計的にはまだ44%近くいるわけでございますので、プッシュ情報を送りたい。あなたはこのまま行くとこんなふうになりますよというのも、事業者側のアプローチという意味で必要ではないかという意味でここは記入させていただきました。
 18ページでございます。運営管理機関の交替というのは、実務上は実際ほとんどできておりません。というのは、一番大きなネックになっているのは、交替時に加入者資産をキャッシュ化しなければならないというところが大きな制約になっているということで、現物移換ができる仕組みにできないかというのが18ページの上段の運営管理機関に関するお願いでございます。
 下のほうはフィーでございます。DCというのは手数料が高いという声は、アンケートを取ってもまだまだ出てまいります。特に運営管理機関フィーについては、導入時期が古いDCほどどうも高い傾向があるというふうにDC部会のほうからは報告が上がっていますので、この辺のフィーの開示もきちっとしていただいて、運管を評価するときの一つの基準になってほしいという願いでございます。
 最後が19ページでございます。ここは事務の合理化です。それから、今、電磁的な帳簿という動きもあるし、デジタル技術の活用ということがこの年金部会でもずっと言われておりますので、極力事務コスト、事務負担を下げたい。当初は事務コストがかかっても、最終的には人件費コストが下がっていくような方向なども取れるのではないかということで、こういうデジタル化技術の推進の活用をお願いしたい。
 20ページ以降は参考資料でございます。これまで企年協としていろいろと提案、提言してきたところを書かせていただいたものでございますので、後ほど御覧いただければよろしいかと思います。
 以上で御説明を終了させていただきます。

○森戸部会長 
 ありがとうございました。
 では、続きまして、国民年金基金連合会より御説明をお願いいたします。

○松下国民年金基金連合会理事長 
 国民年金基金連合会の松下でございます。このような機会をいただきまして感謝申し上げます。
 本日は、国民年金基金と個人型確定拠出年金(iDeCo)、この2つの制度運営を担う立場といたしまして、主に実務上の観点から私どもが抱える課題や要望について御説明をしたいと思います。
 まずは両制度の概要及び当連合会の役割について若干御説明を申し上げます。資料4ページでございます。平成3年から実施されている国民年金基金制度は、国民年金法の規定に基づきまして、自営業者やフリーランスなど第1号被保険者の方のための上乗せ年金となる確定給付型の私的年金であります。本年5月で発足後32年を経過したところでございます。
 資料に記載のとおり、掛金や給付につきましては様々な税制優遇措置が設けられているとともに、掛金については国民年金の保険料と合わせた納付も可能になっておりまして、公的年金制度との関わりが深い制度となっております。
 5ページでございます。制度の運営主体としては、地域型である全国国民年金基金と職能型である歯科医師国民年金基金、司法書士国民年金基金及び日本弁護士国民年金基金の4つの基金から構成されておりまして、さらにこれらの基金が会員になっている私ども国民年金基金連合会がございます。既存加入員数等につきましては、資料記載のとおりであります。
 6ページを御覧ください。iDeCoの制度概要でありますが、平成14年から実施されておりますiDeCoにつきましては、確定拠出年金法に基づきまして、当連合会が事業主体者として個人型年金規約を定めて実施する確定拠出型の私的年金であります。こちらも様々な税制優遇が設けられておりますが、こちらは発足後21年という形になります。
 7ページを御覧ください。現存加入者数は、令和4年度末の時点で約290万人となっておりまして、平成28年の法改正以降、飛躍的に制度の規模を拡大してきております。これに伴って、後述いたしますが、様々な対応課題があると認識しております。
 その他の主要計数につきましては資料記載のとおりでありますけれども、詳細は後ほど申し上げます。
 8ページは、この両制度の概要を比較できる形でまとめておりますので、御参照いただければと思います。
 9ページであります。当連合会はこの2つの制度運営に関わっているわけですが、組織体制といたしましては、令和4年度末の時点で常勤役員が3名、職員が60名という比較的小規模な体制になっております。具体的な業務内容については、資料記載のとおりでございます。
 10ページからは、それぞれの制度の運営に関する課題と私どもの要望事項を御説明したいと思います。
 11ページを御覧ください。まず、国民年金基金制度の運営に関する課題を3つ挙げております。この中でも最大の課題は、現存加入員数の増加を図るための加入勧奨の強化であります。令和元年に全国国民年金基金が設立されまして、それまで都道府県単位で実施しておりました加入勧奨業務について、統一的方針に基づいて推進を行うほか、業務効率化にも取り組み、支部統合を行って地域別のブロック化を進め、この結果、全国国民年金基金が設立しました当初は49支部ございましたが、令和5年5月時点で38支部という状況になっております。こういうブロック化を進めていく中で、好事例の情報共有やブロック間の協働連携を図ることによりまして、加入勧奨を効率的に実施することが可能になってきたというところであります。
 連合会といたしましても、引き続き各基金と協力をしながら加入推進体制の強化、募集委託金融機関との連携・協力の強化、また、業界団体等とのさらなる協力体制を進めるということを通じて加入推進を強力に図っていきたいと考えております。
 そのほかの課題としては、安全かつ効率的な運用を実現するためのガバナンスの強化や、政府において現在進められているデジタル改革について、着実にその対応を行っていくということが制度運営上の課題であると認識しております。
 12ページを御覧ください。ここでは新規加入員数の推移についてお示ししております。全国国民年金基金が令和元年に設立以降、加入推進体制の強化が図られた結果といたしまして、特に令和2年度以降につきましては、実績として3万人前後で安定的に推移しているという状況であります。
 13ページを御覧ください。ここでは加入勧奨の要になります国民年金基金制度に関する広報の取組について、主なものを紹介させていただいております。具体的には、厚生労働省と連名のダイレクトメールでありますとか、テレビ広告、インターネット等々、様々な手段を活用して制度の周知を図るとともに、国民年金基金制度並びにiDeCoの共同オンラインセミナーや両制度を紹介するパンフレットを通じて、基金とiDeCo、それぞれの制度の特徴やメリットを分かりやすく説明するということで、DBとDCという両制度の違いをよく理解いただいた上で、御自身に合った制度を選択いただけるよう、理解の促進を図っているというところであります。
 14ページを御覧ください。積立金の運用状況につきましては、直近5年、10年、15年の累積年率ベースの収益率の実績で、それぞれ6.9%、8.6%、4.4%ということで、安定した運用実績となっているほか、有識者による資産運用委員会を設けて、専門的知見に基づく御審議をいただき、アセットオーナーとしてのガバナンスの利いた運営に努めているところであります。
 15ページからは要望事項について申し上げます。国民年金基金につきましては3点ございます。1点目は、国民年金基金制度の第1号被保険者以外への適用拡大でございます。当連合会といたしましては、引き続き高齢化の進展、単身世帯の増加が見込まれる中で、全ての方について老後のさらなる備えとして終身年金である国民年金基金を活用していただくことが有用であると考えております。しかしながら、国民年金基金はiDeCoと異なりまして、現在第1号被保険者しか加入することができないということになっておりますので、第2号、第3号被保険者が加入できるように適用範囲をぜひ拡大していただきたいと思います。なお、この点につきましては前回法改正時の附則にも今後の検討課題として位置づけられているということは、皆様御承知のとおりであります。
 16ページを御覧ください。2点目は国民年金基金の加入可能年齢の上限の引上げでございます。現在の加入要件は第1号被保険者たる加入員、すなわち、原則60歳到達前月までに限られておりまして、60歳以降は国民年金の任意加入者のみという形になっております。年末の「資産所得倍増プラン」でiDeCoの加入可能年齢の70歳までの引上げの方向性が示されておりますが、国民年金基金とiDeCoは第1号被保険者の公的年金を補完する制度として、それぞれの制度の特徴を生かし、共に重要な役割を果たしております。したがいまして、iDeCoの加入年齢引上げ等の改革が行われる場合には、両制度間、あるいは被保険者間において偏りのない、バランスの取れた取扱いとなるよう、国民年金基金制度につきましても必要な改革を実施していただきたいと考えている次第でございます。
 17ページを御覧ください。3点目は、国民年金基金の掛金額の上限引上げでございます。現在の国民年金基金の掛金額の上限は、iDeCoと合わせまして月額6万8000円ということになっております。平成3年に国民年金基金が設立された以降、30年以上にわたって変更がされていない掛金額の上限について、受給者の年金水準の維持の観点からも引上げの検討をぜひお願いしたいと思います。
 なお、「資産所得倍増プラン」でiDeCoについては拠出限度額の引上げについての方向性が示されておりますが、掛金額の上限については、国民年金基金とiDeCoの掛金を合算して定められているということであることから、iDeCoについて拠出限度額の引上げが行われる際には、国民年金基金掛金額の上限も同様に引き上げられるということが必要であろうと考えている次第であります。
 18ページを御覧ください。こちらの表は国民年金基金の設立時から掛金月額の階級別の現存加入員数を示しております。これを御覧いただきますと、国民年金基金が設立された平成3年度末に掛金月額の上限に近い6万円超の人数の割合は全体の8%弱だったわけですが、令和3年度末にはこれが16%超ということで、約2倍の伸びになっているというところであります。このことからも、掛金月額の上限を引き上げるニーズというのは潜在的に非常に高いというふうに認識している次第であります。
 19ページでございます。こちらの表は、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の世帯数の将来推計」になります。これまで15ページ、17ページで申し上げてまいりました要望事項の背景として、高齢者世帯数やその割合、また、高齢者単身世帯、高齢者夫婦世帯の増加が見込まれていることの証左を示す参考資料として添付をさせていただきましたので、御参照いただければと思います。
 次に、iDeCoの制度運営に関する課題について申し上げます。21ページでございます。iDeCoの業務運営に関しての現状の課題は、1つは加入者数の増加に対応した事務処理の効率化、迅速化であります。もう一つ、各種届出の簡素化及び電子申請の促進。この2点を掲げております。
 22ページを御覧ください。平成29年1月の加入対象範囲の拡大によりまして、冒頭申し上げたとおり、iDeCoの加入者は急増しております。昨年5月の加入可能年齢の引上げによりまして、60歳以上の加入者の方も増加しておりまして、令和4年度末では約8万人という実績になっているところであります。
 このように、加入者の大幅な増加に伴いまして事務が当然増大しているわけでありますので、各種事務の簡素化、効率化及び加入者にとっての利便性の向上にも資するいわゆるオンライン化の対応、これらの実現に向けての課題というのが重要テーマになっているというところであります。
 23ページを御覧ください。このような事務の効率化や加入者の利便性向上に向けての連合会の取組として、今、申し上げた加入手続のオンライン化が挙げられます。加入手続のオンライン化につきましては令和3年1月からスタートいたしましたが、現在では全体の約13%の方がオンラインにて加入申込みをいただいているという実績であります。また、今年度から控除証明書の電子交付もスタートする予定であります。さらに、令和6年12月の事業主証明の廃止と併せまして、iDeCoの手続のさらなる簡素化、効率化に取り組んでいく所存であります。
 24ページを御覧ください。ここではiDeCoの収支について御説明をしております。加入者の増加に伴いまして収入は堅調に増加いたしております。一方で、これらに伴う事務量の増大、また、段階的に続く法律改正に対応するため、システム開発経費や事務委託費など支出につきましても大幅に増加しておりまして、手数料収入だけではカバーし切れず、収支ベースではここ数年、非常に厳しい運営が続いている状況であります。
 特に平成28年の法改正及び令和2年の法改正に伴うシステム開発経費につきましては、一時的な経費増を賄うため長期の借入れを行っているところであります。長期借入金につきましては、令和5年度の予算ベースで見ますと、令和12年度(2030年度)までに返済を終えるという予定になっております。
 今、申し上げましたように、平成28年の法改正以降のiDeCoの収支状況を含めた業務環境というのは非常に大きな変動要因にさらされておりまして、このような中で着実に制度改正の実務を行っていくとともに、業務の効率化を実現していくことに私どもとしては努めてきたところであります。また、併せて今後政府のデジタル改革への対応も並行して行っていく必要があるという状況であります。
 なお、このような業務環境の状況下ではありますが、手数料の課題につきましても、私どもとしてはその重要性を認識しておりまして、毎年度の予算・決算の執行状況や予算策定時の収支見通しなどを踏まえて、年度事業計画の中でこの検証に取り組んでいるところであります。今後も様々な変動要因の状況を十分に見極めながら、厚生労働省とも協議を重ねてまいる方針であります。
 繰り返しになりますが、当面については法改正、デジタル改革など複合的な対応が必要となる案件が続くという状況の中で、収支状況は非常に厳しいということでありますが、引き続き効率的な運営に努めてまいりたいというところであります。
 25ページを御覧ください。ここからはiDeCoに関する要望について5点申し上げます。1点目は、加入可能年齢の上限の引上げについてであります。「資産所得倍増プラン」におきましてiDeCoの加入可能年齢の上限を70歳まで引き上げる旨、盛り込まれております。その方向性につきましては特に異論はございませんが、現状もかなり細分化されている資格区分の下で、加入者にとっても手続の負担が非常に大きく、また、私ども実務上の負担も大きくなっています。このため、要望としては、加入可能年齢の上限引上げの検討に当たっては、できるだけシンプルに、かつ多くの方が加入できる仕組みにしていただきたいというのが1点目でございます。
 26ページであります。2点目は、受給開始年齢の上限の引上げについてであります。同じく「資産所得倍増プラン」において受給開始年齢の上限の引上げについて検討することが盛り込まれているというところでありますが、受給開始年齢の上限については、昨年4月に75歳まで引き上げられまして、さらなる受給開始年齢の上限引上げについては、いわゆる認知機能の低下などによって、御本人の受け取りが困難になるケースや相続財産になるケースなどが増加することが想定されます。こうした社会的課題や実務上の懸念も踏まえて慎重に検討すべきであると私どもとしては考えている次第でございます。
 27ページを御覧ください。3点目は、資格区分、限度額区分等の簡素化・合理化であります。iDeCoの資格区分や拠出限度額につきましては、公平性の観点を追求した制度であるがゆえに非常に複雑な取扱いになっております。国民にとっても非常に分かりにくい、あるいはiDeCo加入のハードルにもなっているのではないかと考えます。また、連合会の資格確認や拠出限度額の管理の事務も非常に負荷が大きくなってきている状況であります。
 働き方改革の流れや社会の雇用環境の変化などもありまして、こういう資格区分の変更というのは今後ますます増え、常態化することが予想されます。このため、現在の資格区分及び限度額区分をより簡素化・合理化していただくことを御検討いただきたいと思います。
 また、年金制度全般の理解促進に加えて、企業年金の加入状況等について、個人が必要な情報にアクセスしやすい仕組みを御検討いただければ幸いであります。
 29ページ目であります。4点目は掛金額の上限引上げでございます。第1号加入者については、平成14年の制度発足当時から20年超が超過したと申し上げましたが、掛金額の上限は変わっておりません。また、各号加入者の状況を見ると、掛金額は上限に近い方が一定数存在しているという状況であります。老後の資産形成を一層促進する観点から、iDeCoの掛金額の上限についても引上げを御検討いただきたいというところであります。
 31ページを御覧ください。5点目は自動移換者への対応でございます。企業型年金加入者の増加に伴いまして、自動移換者も年々増加を続けている状況であります。そのうち資産ありの方については、令和4年度末には約66万人という状況であります。当連合会に自動移換された資産は毎年約200億円ずつ増加している状況でありまして、当連合会が管理する自動移換者の個人別管理資産の総額は、令和4年度末で約2820億円という規模になっております。
 私どもとしては、これまで様々な取組を行い、この対応について一定の効果は出てきていると考えておりますが、残念ながら自動移換者の増加自体に歯止めをかけるというところまでは至っておりません。こうした状況を踏まえますと、もはや実務的な対応では限界があり、ぜひ制度的な対応を御検討いただきたいというのが要望事項の5点目でございます。
 以上が連合会の業務運営における課題と今後の制度運営に関する要望でございます。
 最後に、34ページでありますが、前回の法改正時の当部会で連合会と私どもからお出しした要望事項と今回のものを比較させていただいております。御覧のとおり、前回の要望事項のうち、iDeCoに関しましては幾つかの項目で実現が図られたということであるのに対して、国民年金基金は変化がないという状況であります。昨年末の「資産所得倍増プラン」の審議の場でも申し上げたとおり、両制度間でバランスの取れた内容になるよう、ぜひ御配慮をお願いしたいと思っております。
 私どもからは以上です。ありがとうございました。

○森戸部会長 
 ありがとうございました。
 それでは、ただいま御説明のありました資料について一括して議論に入りたいと思いますけれども、お三方からかなり具体的な御提案もいただいています。個別の政策の是非というよりは、それぞれの御提案の背景にある課題、問題意識についての議論を深めるという観点でコメントをいただければと思います。要は、これは賛成、これは反対とやっていると、項目がいっぱいあるので時間が足りなくなりますので、そういう機会は、具体的に政策課題になってきたところで議論する時間があると思いますので、今のような観点でコメントをいただければと思います。それでは、委員の皆様から御質問、御意見をいただきたいと思います。どなたでも。いかがでしょうか。では、金子委員。

○金子委員 
 金子でございます。
 盛りだくさんで、いろんな観点で御意見をいただきましたので、多分委員の方もこれに関していろいろ感想を持たれているのだと思います。重複を避けるため、ほかの委員がきっと言うだろうなというのを外させていただきました。そういう意味で、すごくマイナーなことを言うやつだなと思われてしまうかもしれませんけれども、そういうことを意図的にやっているものですので、それは御勘弁いただけたらと思います。
 まず、企年協さんの資料の8ページ目に関する感想で、田川さんの御説明を聞く限り、主に税制のことを御指摘されているので、その趣旨とは違う観点からの感想になります。というのは、一部表現の中で、老後所得の安定確保の観点から年金を選択したほうが好ましいというような前提で要望事項をまとめられているような感じがします。老後所得の安定確保の観点から一時金の選択率が高いことが問題だと言い換えることができると思うのですけれども、私も多分そうなのかなと思っていますし、それ自体、そう思う委員の方も多いのだと思うのですが、ただ、一時金でもらった後のどんな状況を想定してそれが悪いと言っているのかについては、委員の方でも見方が変わってくるのかなと思っています。一時金の選択率が高いことが老後所得の安定確保の観点で大きな問題であるなら、当部会としても税制以外の取組で解決に近づく手だてを模索する必要があるのではないかと思っています。私は少なくとも小さな問題ではないと思っていますが、私的年金分野全体を俯瞰する立場の当部会として、どの程度の問題と考えるかということは議論していただいたほうがいいかなと思いました。
 2つ目ですが、同じく企年協さんの資料の18ページ、運管交替に関するところです。同じような指摘が4月下旬に金融庁から公表された「資産運用業高度化プログレスレポート」でも記載されています。見られた方も多いのではないかと思いますが、レコードキーパー同士のデータ連携の仕組みの欠如が、企業による運営管理機関の変更を実質的に困難にしていると。そこではそんな感じの書きっぷりになっていました。あるいは、ちょっと違う観点で、個人においては転職時の商品のポータビリティが確保されていないということも指摘されています。現物移換を実現するためには、RK同士のデータ連携だけで実現できるのかとか、あるいは他に何をする必要があるのか、あるいはデータ連携を行った際に、現物移換以外にどんな問題が解決されるのか。部会としても理解した上で、希望する優先順位や重要度を示しておいたほうが、対応する運管やレコードキーパー、場合によっては資産管理機関の方も動きやすいのかなと思った次第です。
 3つ目が、国基連さんの資料の27ページ目、iDeCoの資格区分、限度額区分の簡素化です。私もどちらかというとこの意見には賛成ですけれども、とはいえ、この問題は公平性とトレードオフの関係にあります。国基連の方もそれを意識してだと思いますけれども、単に簡素化しろと言っているわけでなくて、自身の必要な情報にアクセスしやすいよう取組を進めてはどうかとも指摘されています。
 私も部会の議論に参加して、私的年金の世界ではかなり公平性が重視されているということを感じていますし、今後もさらにこれを強化していこうというふうに動いているのだなとも感じております。そうだとすれば、自身に必要な情報にアクセスしやすいようにする取組を同時に推し進めるべきだと思っています。例えばマイナポータルへの情報集約により、資格区分とか限度額が一目で分かるような仕組みも検討してもいいのかなと思いました。
 4つ目が国基連さんの資料の31ページ目の自動移換者の対応の話です。これはたしか2009年だったと思いますが、国基連さんの自動移換者問題連絡協議会というのが置かれまして議論されて、その報告書までまとめられていると思います。そこではアメリカのデフォルトプラン方式を参考に、事前に企業型DCの規約に資格喪失後に移換する個人型DCの運管を規定することを認めてはどうかといった指摘がされていたと思います。そういったことも検討すべきだと思いますし、あるいはその際、住所情報の把握が重要であり、大変なところだと思いますので、例えばマイナンバーカードの利用者の基本4情報提供サービスなどを利用できる手だての確保といったことも同時に考えておく必要があるのだろうなと感じた次第でございます。
 以上でございます。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 確認ですけれども、最初の2つは、企業年金連絡協議会へのコメントということですね。

○金子委員 
 はい。

○森戸部会長 
 分かりました。

○金子委員 
 全て基本的には感想というか、コメントです。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 企業年金連合会と企業年金連絡協議会がややこしいから。

○金子委員 
 連絡協議会さんのほうのやつで。

○森戸部会長 
 すみません。別に正式略称が決まっているわけではないと思うのですけれども、「企年協」と普通おっしゃっているかなと。すみません。余計なことで。
 コメントは、マイナーなと言いつつ全体に大きく関わる大問題もあったと思いますが、一応コメントということで伺っておいてよろしいですか。

○金子委員 
 はい。

○森戸部会長 
 では、コメントがあるとは思うのですが、言っていると長くなってしまうかもしれないので、すみません、また後で時間があればコメントをいただくかもしれませんけれども、ほかの方のコメントをお願いしたいと思います。では、大江委員、お願いします。

○大江委員 
 今の金子委員に関係するところもあるので手を挙げさせていただきました。私のほうからは、今、お話があった自動移換の関係については、手だてを本気で議論しなければいけないステージだと思っていまして、運用指図者に比べて自動移換の管理手数料が安いというのは、制度の適切な在り方からすると問題であり、ずっと変えていない自動移換の管理手数料について一定の引き上げも議論をするべきではないかと思います。
 あと、これも金子委員の御意見に関連するところですけれども、RKとかデータ処理というところについて、確定拠出年金(iDeCo)については、より効率的な運営及びデジタル化、マイナポータルとの連携といった改善をすべきだと思っております。その際に、特に国基連さんから事務的な煩雑さが増えているとか、管理上、整合をつけなければいけないところが増えているという御意見もありましたので、本当の意味で事務を軽減していくために困るところであるとか、例えば加入者等の過去データの保存について期間や項目がぐっと減らせれば改善ができるということようなことを具体的に出して頂いて、法令とか通知で手当てするような必要があれば部会でも議論して前に進めるように、そこはサポートをするべきではないかなと思っております。
 国基連さんに2点質問がありまして、1つは、国民年金基金について、12ページで加入員数等々、御報告をいただいているのですけれども、受給者数も相当増えていますので財政的な面を心配しております。特に過去は非常に高い金利で契約されたと認識しておりますので、財政状況について大丈夫なのかというところについて、一言状況をお話しいただきたいなと思っております。
 あとは、7ページ、iDeCoについては運営管理業務委託をされているところが157あるということですけれども、そこについて管理監督という面でどういう取組をされているのか。といいますのも、iDeCoにおいては、同じカテゴリー、同じパッシブでもコストが違うような商品が並んでいる現状がありまして、この辺りについてどのような監督をされているのか、差し支えなければお話しいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 コメントと、国民年金基金連合会さんに2つ質問があったかと思いますので、コメントをよろしくお願いいたします。

○松下国民年金基金連合会理事長 
 御指摘ありがとうございます。直接当方への質問ではありませんけれども、お話しのあった自動移換の手数料等につきましては、全体の検証の中でしっかり見ていきたいと考えております。
 それから、今、御質問が2点ございましたが、1点目、国民年金基金の財政状況についての御質問であります。口頭で恐縮ですけれども、令和4年度の実績については今、決算作業の真っ最中というところでありますので、令和3年度の状況について申し上げますと、令和3年度の私どもの運用利回りは、報酬控除前で6.79%という状況でございまして、この結果、3年度末の純資産が4兆7350億円。これに対して責任準備金が5兆4828億円ということで、いわゆる積立比率という概念で捉えますと、86.4%という状況になっております。私どもとしては、運用面で申し上げれば、引き続き効率的な資産運用に取り組んでいくとともに、給付が増えているという御指摘がございましたが、いわゆる制度として成熟化が非常に進んでいるということに鑑みますと、新規加入の実績を上げていくというのは非常に喫緊の重要課題だと認識しております。
 財政面での健全性を確認するという意味では、将来にわたっての制度が維持できるように、私どもとしては、5年に一度の財政再計算の際に、将来にわたってこの年金財政のシミュレーションを実施しておりまして、この中で年金財政の健全性を検証しているというプロセスを踏んでいるというところでございます。この結果として、若干時間はかかりますが、積立比率の回復とともに、持続的な基金運営は十分可能だという認識をしているという状況でございます。
 2つ目がiDeCoの運営管理機関の管理監督というお話であったかと思います。連合会は確定拠出年金法の第60条の規定によりまして、管理業務をいわゆる運営管理機関に委託しなければならないということになっております。この規定に基づいて私どもが運営管理機関と契約を締結して管理業務を委託し、受託した運営管理機関側は善管注意義務の下でこの業務を履行すると。こういう建て付けでございます。
 何らかの報告を受けているかどうかということでありますが、いわゆる管理監督・監査という意味では、私どもとしては行っておりません。ただ、委託業務状況の報告という意味では年次で一応管理機関から全て報告を受けているということであります。直接の管理監督という意味では厚生労働省さんになろうかと思いますので、私どもの業務委託という範囲の中での管理監督は現状行っていないというのが実態でございます。
 以上です。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 大江委員 よろしいでしょうか。

○大江委員 
 はい。

○森戸部会長 
 ありがとうございました。
 では、ほかの方。小林司委員、お願いします。

○小林(司)委員 
 ありがとうございます。
 各団体に質問させていただければと思います。まず、企業年金連合会の鮫島理事長、御説明ありがとうございました。
 少し理念的な質問になってしまうかもしれません。基本的な考え方のところでは、中小企業への企業年金の普及が課題と御指摘をなさっていて、その中で拠出限度額を引き上げていくことの御提案と読み取っておりますが、この間もこの部会において掛金の状況とか、様々なデータが厚生労働省から示されてきたと思います。ここ数年、あるいは最近、掛金の状況として、何か目立った動き、傾向の変化などあるのかどうか。その辺、状況の御認識があったら教えていただきたいと思います。
 私たちはこの間、勤務先の企業によって労働者間の格差の拡大になることを懸念して、単純にそのニーズに応えて、DCの拠出限度額を広げていくことについては慎重な姿勢をとってまいりました。税の公平性もあるのですが、格差の拡大や勤務先による違いなどについてはどう考えているのか、お聞かせいただければと思います。
 もう一つ、関連いたしますが、スライド8でマッチング拠出のことに触れられております。本人拠出額の上限の見直しについては、企業年金が退職給付制度であり、事業主による拠出が基本という考え方の中で、今回の御提案との整合について、例えば事業主の掛金を労働者側が負担していけばよいのではないか、拠出していけばよいではないかといった転嫁の懸念もある中で、どのようにお考えなのかお聞かせいただければと思います。
 企業年金連絡協議会の田川専任顧問と芥川共同会長、御説明ありがとうございました。スライド15では60歳からの受け取りについて御提案いただいています。ここ数年、こうした傾向やニーズに関する声の高まりがあるのか、どのような声が届いているのかなど、実態について教えていただけたら幸いです。
 最後に国民年金基金連合会の松下理事長、御説明ありがとうございました。スライド31ページ、先ほどから他委員も発言されている自動移換者の関係です。資料においては、様々な取組で一定効果はあったが増加に歯止めがかかっていないとされています。そのうえで、入口対策がまず重要だとしつつも、実務的な対策では限界が明らかだと触れられております。制度的な対応として、イメージでよいのですが、誰がどのようなことを行うことが抜本的に自動移換者を減らしていくことにつながるのか、例えばこのような調査があったらよいなども含め、アイデアをお持ちでしたら、お聞かせいただけないかと思います。
 以上になります。

○森戸部会長 
 では、順番にお答えをお願いしたいと思います。企業年金連合会からお願いします。

○鮫島企業年金連合会理事長 
 1点目の御質問ですけれども、まず最初におっしゃいましたのは、中小企業における企業年金の掛金の動きが今どうなっているかという点について、何か情報があるかという御趣旨でしょうか。後段はまた後にしまして。

○小林(司)委員 
 DCの拠出限度額の引上げの観点からの質問でした。現在、拠出掛金限度額、要は、その枠では足りないところが増えてきているのか、それともあまり変わっていないのか。そういったところのデータについて御存じかどうかです。

○鮫島企業年金連合会理事長 
 掛金の状況、足元どれぐらいの変化が起きているかということについては、私どもも直近の情報を手元に持っておりませんので、はっきり認識しておりませんが、恐らく、水準の問題としては大きく変わっていないだろうと思っております。
 先ほど田川さんからもお話がありましたけれども、前の部会の数字でも御認識のことと思いますが、現状でも5.5万円、あるいは2.75万円、この上限に抵触している企業年金というのは、比率としてそう多いわけではありませんが、存在はしています。したがいまして、そういう企業につきまして制度運営上の制約になるというのは事実でありますので、企業年金の柔軟な設計、運営という観点から見て、私は引き上げることが望ましいと思っております。
 ただ、御指摘がありました格差の問題、あるいは公平性の問題というのは、当然別の観点から、特に税制に関しては考えていくべきテーマと思っておりますし、この部会でもかねてより議論があるところですので、それはそれで検討していくということかと思っておりますけれども、実際のところ企業がどれぐらいの財務状況で、どういう企業年金制度を運営できるかということについては、それぞれの企業の状況によって決まっていくという部分は当然あるわけでありまして、労使で協議をして合意に至るというプロセスがありますから、それは尊重していくということはもちろんのことですが、やはりそれぞれの企業において決まってくる部分というのは存在するというように理解しております。
 それから、マッチング拠出の件について。御質問の趣旨は、私どもが事業主掛金を上限とするという規制について撤廃をということを申し上げましたので、企業は掛金を増やすということではなく、むしろ個人の自助努力でやっていくべきだという考えかという御趣旨の御質問だったかと思いますが、もちろんそういうことではありません。事業主も、先ほど申し上げたように、その会社の財務状況に応じて、人事・報酬政策の中でどういう退職給付の制度を実現するかということを当然考えていくわけでありますから、その中でできることであれば事業主掛金を増やしていくという選択もあると思います。
 ただ、一方で、公的年金の給付が今後調整されていくという中では、個人の自助努力でそれを補っていくことも当然必要でありますし、そういう中で、仮に事業主掛金が非常に低い企業の場合、マッチング拠出においてそれ以上の努力をする手だてがないということであれば、従業員にとっても不利益でありますので、その点は改善したほうがよいのではないかという趣旨であります。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 では、企業年金連絡協議会さん、お願いします。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 ありがとうございました。
 15ページは、はしょった部分でございますが、まだまだ60歳定年で、退職金だけで清算してしまおうという企業は結構残っています。要は企業の何らかの退職金があって、それを60歳で一時金でもらう、あるいは年金化する中で、DCの制約というのは通算加入者等期間が10年以上ないと受け取り期間が少し後ろへずれてしまいます。最近は時期をずらして、退職金をもらうことで、退職所得控除をうまく利用してもらうと有利ですよという税理士さんの解説なども結構出ているので、それはそれで一つの考え方だなと思っているのですが、実態上、これが60歳でまとまったお金を欲しいといったときに、現状それができない制約になっている。ただ、今後加入期間が延びて、受け取る期間も大分延びていくと考え方は変わってくるだろうなとは思っています。過渡期にこういう状態が起きているということで、当協議会の部会等から意見がありましたので、こういう意見があるということを残しておきたいということで、ここに書かせていただきました。
 以上です。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 では、国基連、お願いします。

○松下国民年金基金連合会理事長 
 御質問ありがとうございます。
 自動移換の対策についてでありますけれども、私どももこれまで様々な施策を実施してまいりまして、例えば年1回の定期通知による移換の勧奨でありますとか、令和5年度の予定で言うと、49万件という数に上っておりますし、いわゆる基礎年金番号の情報が一致した方について、申出なしで企業型DC等への移換を行う等々の施策を行ってきておりますが、先ほど申し上げたように、残念ながら歯止めがかかっていないという状況であります。
 それに対して具体的な対策として何を想定しているのかということでありますが、先ほど金子委員のほうからもお話がございましたように、過去に御検討いただいていたいわゆる自動移換時のデフォルトプランの策定というのは非常に有効なのではないかと思っておりますし、それから既に自動移換者である方のうち資産額が一定以上の方については、後発的にデフォルトプランを設定するとか、あるいは資産が一定額以下の方については、この制度からの脱退を容易にする等々の仕組みが考えられるのではないかなと考えております。
 実態としては様々な施策を取り組んでみても、打てど響かずと言ってしまったら言い過ぎかもしれませんが、昨年度もマスコミのほうで本件をいろいろ取り上げていただいたこともありましたけれども、残念ながら直後に私どものコールセンターに問合せが増えたかというと、全く反応しないという状況でありまして、そういう意味では、川下で対策を打ってもなかなか難しいのかなと実務者としては実感しているところでございます。
 蛇足ですけれども、アメリカの401kなどでも一旦雇用関係を失った個人を企業がフォローしていくというのは大変なのだということが言われているというお話も伺ったこともありますので、そういう意味では、事後的なフォローというのは難易度が非常に高いのではないかなというのが実務者としての実感というところでございます。
 以上でございます。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 では、ほかのコメント、いかがでしょうか。小林洋一委員、お願いします。

○小林(洋)委員 
 御説明ありがとうございました。
 私は、既に企業年金、個人年金制度を活用している個人や企業の利便性を高めるという視点だけではなくて、いまだ制度を活用していない個人や企業へ裾野を広げるために何をすべきかという論点での議論も重要と考えておりますので、意見を申し上げたいと思っております。
 本日は3点申し上げます。1点目といたしましては、特別法人税の撤廃についてです。商工会議所としては、企業年金連合会様、企業年金連絡協議会様の意見に賛同しております。企業年金の積立金に対する特別法人税は、先般決定した税制改正において、課税停止措置の適用期限が3年延長となりました。しかし、元来、この税制は、中小企業における企業年金の普及拡大を阻害する制度と認識しております。適用期限の到来後、課税停止措置が廃止される可能性を考慮し、税負担を避けるために企業年金制度を導入しないと判断する企業があるとしたら、我々が目指す姿とは異なると言えるのではないでしょうか。本部会として、特別法人税は廃止すべきと、明確に打ち出していただけたらと思っております。
 2点目を申し上げます。2点目に関しましては、小林司委員からお話が一部ありましたけれども、少々重複しますが、掛金額、拠出限度額の引上げについてです。3団体様とも、この点を要望されていますけれども、なかなか難しいこととは思うのですが、どの程度の引上げ幅が望ましいのか、お考え、コメントがあったら、少しいただければと思っております。
 加えて、掛金額、拠出限度額を引き上げた場合、どのような影響が考えられるのか。例えば税収の減少、及び掛金を多く払える人とそうでない人との公平性について、どう考えるかということです。また、この点に関して、厚生労働省様にもコメントをいただけたらと思っております。
 3点目は、企業年金制度を導入していない企業への普及促進についてです。iDeCoやiDeCoプラスに関心を持った中小企業の相談に対応する公的な個別相談窓口を、全国に設置していただきたいと、前回の部会で申し上げさせていただきました。企業年金やiDeCoプラスに興味があっても、具体的にどのように進めればよいのか、第一歩を踏み出すのを躊躇している中小企業が多いのが現状です。資料2の15ページに記載のとおり、企業年金に加入している中小企業は決して多いとは言えません。中小企業が導入しやすい環境づくりをぜひ求めさせていただきます。
 そこで、現在3団体で実施されている普及拡大のための取組を、もしこの場で御紹介いただければいただきたいですし、また、今後さらなる拡大に向けた具体的な案等あれば、コメントをお願いできますでしょうか。
 以上です。よろしくお願いします。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 では、3団体、掛金の上限、iDeCoと企業DCと両方だと思いますけれども、掛金の引上げのお話がいずれもあったので、それについてのコメントというか、補足があればということが1点目。
 それから、普及拡大の取組。これも少しお話もありましたけれども、何か補足があればということで、順番に企業年金連合会からお願いしてよろしいですか。

○鮫島企業年金連合会理事長 
 拠出限度額の望ましい上限というお話だったと思いますが、大変恐縮ですが、今、具体的な数字の額は私どもとして持ち合わせておりません。過去もいろいろ議論があったところと思いますが、企業年金の望ましい給付水準、あるいは望ましい掛金水準ということについては、いろいろな要素があり、例えば公的年金の給付水準がどうなっていくか、あるいは老齢期間、高齢者雇用がどうなっていくかという見通しもあると思いますし、もちろん金融・経済情勢の見通しということもあると思いますので、これは今後議論をし、検討していくべき問題と思っておりますが、恐縮ですが、具体的な水準は持ち合わせておりません。
 我々としては、先ほどもお話が出ておりましたけれども、今の拠出限度額の水準が厚生年金基金時代に設定されたもので、海外の主要国に比べても相対的に見劣りするということでありますので、やはり引上げ方向で今後検討していただきたいと思っておりますし、その際には、個々の企業の状況に応じた柔軟な制度設計を妨げない水準に設定するということが望ましいと思っております。
 それから、普及に関してということであります。先ほどもお話をいたしましたけれども、例えばアンケート調査を見ておりますと、中小企業が企業年金制度をなかなか導入しがたい理由について、一つには事務負担、もう一つは財政負担ということを見聞きいたします。そういう意味で、まず運営負担の軽減を図って、中小の事業主が利用しやすい環境をつくるということが必要であると考えますので、先ほど申し上げた様々な規制・基準の見直しということをお願いしているということであります。
 また、中小企業への普及促進という点では、人手や事務コストの問題により単独での企業年金制度の実施が難しいということがありますので、その受け皿として総合型のDB・DCを活用していくということが意味があるだろうと思っておりますので、その点にも配慮した規制・手続の見直しということはぜひお願いしたいと思っております。
 それから、総合型の企業年金について言いますと、それぞれ中小企業の勧誘ということには、取り組んでおられるのですが、総合型の企業年金では、企業年金を実施していない事業所がわかりませんので、勧誘するにあたって、、情報収集することが大変だという話はよく聞きます。したがいまして、実現するかどうかわかりませんが、例えば日本年金機構が持っておられる厚生年金の適用事業所の情報についてアクセスができれば、そういう労力を省く助けにはなるだろうと思います。
 それから、先ほど窓口の設置ということをおっしゃっていて、それにも関連すると思うのですけれども、広報活動も必要だろうと思っておりまして、企業年金制度の認知度を向上させていくという意味で、これは国にも広報の強化をぜひお願いしたいと思っておりますが、私どもとしても、国や、あるいは商工会議所さんもいろいろなルート、仕組みをお持ちだと思いますので、相談、連携をしながら考えてまいりたいと思います。
 以上でございます。

○森戸部会長 
 では、企年協、お願いします。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 掛金水準に関しては私のほうからお話をさせていただきます。特に今日お話しさせていただいた部分は、DBとiDeCoの共通枠で見たときの5.5万円というのはどこから出てきているのかというところに遡ると考えております。これはいわゆる退職前の直前給与の6割。退職給付水準の61.3%を、よく6割、6割という言葉があるのですが、これは公的年金と私的年金を足して大体望ましい水準はどのぐらいかというふうにはじいたものなのです。制度開設時当初は3万6000円。2004年で4.6万円、2010年で5.1万円、2014年10月で限度額が5.5万円になった。それはどういう計算をするかというと、大多数の民間サラリーマンの標準給与に免除保険料率という、いわゆる代行部分を計算するときの保険料率と、それから望ましい上乗せ水準は幾つかということで、2010年までは2.23を使われたという数値なのです。今は根拠もほぼそれに近いところで5万5000円が出てきていると。そうなると、退職直前給与の6割というのは何かといったら、今、公的年金と私的年金を足して大体望ましい水準を出したときに、それが全体で考えると退職前給与の6割ぐらいになるかどうか。
 ただ、これが本当に唯一金科玉条のごとく考えられる数値かというと、もう少し検証が要ると思います。特に家計消費支出とかいろいろな出る部分と入ってくる部分。特に老後になった場合は、働く部分での年金収入は6割、7割、8割となってきますので、そういう計算で考えていくと、5.5万円でDBとDCをくくると、飛び出てしまう企業が既に1割弱あります。2015年から2017年の計算のときに約8.3%いて、今どのぐらいいるかというと、実数はないのですが、10%弱ぐらいはあるということで、そこはもう既にはみ出ている。企業努力でDBで頑張って。DBは青天井だから頑張ったわけでなくて、従来からある退職金で頑張ってきたところに、さらにiDeCoで足してあげようとしたら、それがはみ出てしまうことによって飛び出てしまう。ということでは、月5.5万円の水準が本当に妥当かどうか。これはぜひ検証する必要がある。来年の12月から施行される法令でこんなことを申し上げるのは大変僣越ではございますが、その部分はぜひお考えいただきたいと願う次第であります。
 それから、中小企業については、芥川会長のほうから話をさせていただきます。

○芥川企業年金連絡協議会共同会長 
 芥川でございます。
 私自身が総合型の企業年金基金の人間でございますので、実態というところからお話をさせていただきたいと思います。総合型のDB基金は、今、全国で150ほどでございますけれども、そのほとんどが厚生年金基金が解散をして新しくつくられた基金か、または厚生年金基金を代行返上してDBに移行した基金という形でございますので、厚生年金基金の時代には基本的には規約で業界、業態でくくるということが規約で義務づけられておりましたので、現在もDB基金、それぞれの業界で形成をしているというケースがほとんどでございます。
 DB基金になりましてからは、DB法には規約上、業態でくくるということにはなっていませんので、そこの制約は外れてはおりますけれども、実態としてはほとんどが業界の団体という形でございますので、中小企業の加入していない事業所さんへのアプローチは、具体的に言えば、母体団体がしっかりしているような場合ですと、母体団体からのお声がけをお願いするというのが1つの手法としてございます。
 あとは、業界のお仲間にお声がけをいただくというところ。設立の経緯からしますと、信託銀行さんや生保さんにお取引先の中でお声がけをしていただいてというケースもございますけれども、現在はほとんど動けていないというのが実態ではないかと思っています。
 DBになりましてから業態のくくりがなくなったことにより、他の業界へのお声がけというのも可能になりましたので、ダイレクトメールとかでお声がけをするというケースも一部にあるやに聞いておりますが、これをやるということであれば、既存の役員さん、理事会、代議員会のメンバーの皆さんのコンセンサスを得るということがまず第一歩として必要になります。ほかの団体に広めていくのかどうなのかというところは、そこのところの判断がまず優先するのだろうと思っております。
 ただ、メンバーを増やすということは、先ほど御説明の中でも若干触れさせていただきましたが、中小の総合型の場合には事務費の負担というのが第一に問題になりますので、事務局の運営には事務費が非常に大きな負担になっています。メンバーを増やすというのは、ダイレクトに事務費の拡大、増やすことにつながりますから、今、どこの総合型基金でも様々な手段で何とかメンバー、加入事業所を増やそうという努力はしているということはございますが、具体的になかなかそれが実りになっていないというのが実態かという状況でございます。

○森戸部会長 
 では、国基連、お願いします。

○松下国民年金基金連合会理事長 
 1点目の拠出限度額の引上げについての具体的な水準のイメージということですが、こちらについては、現在、私どもは具体的なイメージを持ち合わせておりません。
 中小事業主にとっての福利厚生の普及という意味で、iDeCoプラスについてでございますけれども、こちらは御案内のとおりで、平成30年から導入された制度でありますが、本年3月末で約5,900事業所に導入をいただいているという状況です。事業主の方からは、事業主にとって比較的負担が少ない、非常にいい制度であるというお褒めの言葉を頂戴している一方で、導入に当たっての課題としては、そもそも制度が複雑で分かりにくいという御指摘であるとか、あるいは先ほど委員から御指摘がありましたように、まさに制度を導入する際にどこに相談していいのか分からないという御意見も頂戴しているところであります。
 こういう状況を踏まえて、私どもの取組としては、昨年度初めて中小事業主の経営者でありますとか、福利厚生の担当者向けにiDeCoプラスオンラインセミナーというのを2回開催させていただいて、申込者ベースで約550名という実績でございました。
 加えて、iDeCoの公式サイトを見直して、そこにアップしております必要な帳票等についてもできるだけ分かりやすい状況になるような掲示方法を取っていきたいということで、今、見直しをしているほか、運営管理機関からも業務改善の御提案をいただいておりまして、これは昨年度でありますが、いわゆる帳票の見直し、それに伴う帳票の解説の見直しなどのいわゆる事務改善といったところに取り組んでいるなど、主に3点の対策を実施しているところでございます。引き続きこういった取組を強化していきたいと考えております。
 以上です。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 事務局もコメントを求められています。

○大竹企業年金・個人年金課長 
 ありがとうございます。
 簡潔に。恐縮でございますけれども、拠出限度額を引き上げるということになりますと、やはり税制支援をするということになりますので、税制というツールを使ってある意味金銭的な支援をするということになります。そうしますと、そういう引上げをすることによって、誰を支援することになるのかとか、なぜそういう支援をする必要があるのかとか、どのような効果があるのかというところを整理する必要があるのだろうということかと思っています。そういう中でどの程度の支援が必要なのかというところも出てくるのだろうと思いますので、先ほど田川様からまとめていただいたとおり、それぞれ設定の考え方みたいなものがあるということでございます。企業年金にしても、iDeCoについても、例えば企業年金なしの2号の方であれば、その企業年金に入っていたとしたら受けることができる拠出と同程度の拠出にするとか、そういう考え方に沿って条件を設定しているというところがございます。とはいえ、一方で、これまで御議論いただいてきたとおり、また本日も御意見をいただいたとおり、公平性も大事だけれども、もう少し簡素化というか、分かりやすさも大事なのではないかという御意見もいただいているということかと理解しております。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 では、ほかの方。では、原田委員。谷内さんは次に。

○原田委員 
 原田でございます。
 今日はどうもどうもありがとうございました。
 私からは、今後の議論の参考にならないかなということで、個人的に考えていることとか検討の観点みたいなことを少しだけ話させていただきたいと思います。1つは特別法人税の撤廃の件です。企業年金の税優遇ということで、撤廃できるのであれば、それに越したことはないと考えておりますが、そもそも特別法人税は、拠出時と給付時の課税の時期がずれることを調整するための税金だと理解しております。それは給付時に本来所得税がかかるところを、企業では拠出時で損金に落としているからということかと思うのですけれども、例えばDB、確定給付ですと、短期勤続の場合ですとか懲戒解雇の場合など、給付額が少なかったり、なかったりといったこともありますし、DCにおいても、結局、60歳まで自由になるお金ではないということから考えますと、拠出時にその人の所得としてカウントするというのは難しいのだろうなと。
 ですので、給付のときに初めてその方の所得と認識すれば、そのときに税金をかけるというのが自然なのかなと思いますので、そうなってくると、拠出時の所得を繰り延べることに対する税金というのは、もしかしたらかけなくてもいいのではないかと感じている次第です。
 そうすると、事業主が拠出時に損金でということになってくると、そこが問題になるわけですけれども、理屈の上では、DBであれば予定利率、DCであれば想定利回りで割り引かれた金額を拠出していますので、前倒しの対価みたいなものはそこで負担しているというふうにも考えられるのではないかと思います。ですので、どこか矛盾しているような気がするのですけれども、そういう考え方の整理をすれば、特別法人税というのはなくてもいいのではないか、廃止できるのではないかと考えております。
 そこからつながるのですが、DCの拠出限度枠とか本人拠出の枠に関しまして少し申し上げますと、事業主の負担の部分というのは、従業員に対する報酬の一部、払い方の違いということであるということからすれば、あまり上限というのはなじまないのかなと考えております。要は、給与の支払いに対して上限を設けるということと近いのではないのかなと。特に今年はたくさん払って、来年は払わないとか、そういうことではなくて、労働協約等に基づいて決めている金額を拠出しているものですから、給与ですとかそういったものと性格的には近いものなのではないのかなと。それで、事業主負担についてはいろいろな経緯でトータルでの上限というのは理解しておるのですけれども、上限を撤廃するということも一つのアイデアなのではないのかと思います。
 一方で、本人拠出については、所得から拠出して税の恩典を受けるというところは明白でございますので、そちらは一定の限度が必要になってくるのかなと思います。ですので、今、全体で一つの枠になっていますけれども、事業主拠出と本人拠出というのを区分して整理したほうが何となく分かりやすいのではないのかなと。iDeCoも含めて、企業型DCのマッチング拠出も含めて、本人拠出の枠ということでやるというのは、取扱いが難しくなるかもしれませんけれども、考え方の整理としては分かりやすいのではないかと思います。
 最後に、給付減額の判定基準が少し出ておりましたが、こちらについても少しだけ触れさせていただきますと、加入者、受給者の権利の保護というところは非常に大切な問題だと思っております。一方で、制度変更するときに減額の判定がどういうルールになっているのかというところは、また改めて整理し直せばいいのではないのかなと思っております。御説明にありましたけれども、今は将来の給付の予測を年金制度の予定利率で割り引いて、その評価額が減ると給付減額ということになっておるのですが、予定利率というのが何なのかということでもあるのですが、企業、運営者が給付のための資産を準備するために現金として出すのか、運用で稼ぐのかというその手段の違いでしかないと考えれば、予定利率で評価するということではなくて、何か統一的な基準で評価して、いろいろな制度で同じルールに従って評価して判定するというのも一つの考え方なのではないかと思いました。ですので、今後これらのことを検討するに当たっては、ちょっと違う側面からも少し整理をしたり、見たりして検討していけばいいのではないかなと思った次第でございます。
 以上です。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。では、コメントということで承っておきます。
 では、谷内委員、お願いします。

○谷内委員 
 では、私からは1点だけ、ポータビリティに関してコメントを述べます。今日のヒアリングでも、各制度において個別具体的な課題があるということは認識しました。これらの課題への対応も当然必要なのですが、これらと並行して、個別具体的な課題への対応を補完する役割としてポータビリティの拡充が有効だと私は考えます。
 資料3(企業年金連絡協議会資料)の20ページにちょうどいい図が掲載されていますので、こちらを用いて解説します。ポータビリティを拡充するメリットは2つあると考えます。1つは、私的年金の利用者間の公平性が確保できることです。私的年金は企業年金と個人年金に大きく分かれますが、企業年金は、そもそも会社が制度を導入していないと加入することができません。また、iDeCoは近年加入対象が大幅に拡大されましたが、加入者の区分によって拠出限度額に差が生じています。ただし、こうした制度間の差異は、単純にイコールフッティングすれば済むという話ではありません。前回(第21回)の部会でも渡邊部会長代理が指摘していましたが、企業年金は退職金としての、個人年金は貯蓄としての性格・役割を従来から担ってきているので、そうした性格・役割を無視して条件を均一にすれば済むというものではありません。しかし、あらゆる私的年金および資産形成制度のポータビリティの受け皿を拡充することによって、制度に加入できる人とそうでない人との間の公平性は一定程度担保できるのではないかと考えます。
 ポータビリティを拡充すべきもう一つの理由は、私的年金における受取方法の選択肢の拡大につながることです。私的年金には様々な制度がありますが、制度によって受取方法の選択肢が異なります。しかし、ポータビリティによって私的年金等の資産を集約あるいは一元化すると、そのぶん給付原資が増大します。給付原資が大きくなることによって、例えば、確定年金よりも多くの給付原資を必要とする終身年金という選択肢も現実的なものとなるといった効果があると考えます。
 そして、ポータビリティの拡充するための受け皿の整備には、大きく2つの方法があります。1つは、全国民1人ひとりに共通の個人勘定口座を設置する方法です。森戸部会長も過去に類似の主張をされているのを見たことがあります。また、新たな口座を一から作らなくても、既存の個人口座、例えば、iDeCo、国民年金基金、あるいは個人年金保険などの口座を活用するという方法もあります。
 もう一つの方法は、第三者機関を活用した受け皿の整備です。かつては、年金数理人の久保知行さんが退職者年金通算センターを設立すべしと提言していました。また、新たな第三者機関を一から作らなくても、企業年金連合会や国民年金基金連合会といった既存の年金通算機関を活用する方法もあります。
 繰り返しますが、個別の制度に対する具体的な対応はもちろん必要なのですが、それらを補完するための施策として、ポータビリティの拡充も併せて実施することが、私的年金の利便性を高めるという意味では意外と重要だと考えています。
 以上です。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 では、小林由紀子委員、手を挙げていらっしゃいます。あと、順番に行きますので。

○小林(由)委員 
 改めまして、本日の御説明ありがとうございました。各所から御提示いただいた内容は、制度の運営実務を担われている当事者の視点からの、様々な問題提起であると認識しております。具体内容としては、制度の内容そのものに関わる大きなものから実務上の個別課題まで多岐にわたり、19年に本部会で取りまとめられた議論の整理に既に含まれているものもあれば、今回新たに出てきたものもあったと思います。個々の事項については、今後論点が整理されて、全体像が明確になった段階で改めて議論させていただきたいと考えております。それに先立って、本日の御説明の趣旨、内容について、各団体様に一つずつ確認をさせていただきたい点がございます。
 1点目、企業年金連合会様ですが、定年延長時の給付減額判定基準の在り方ということで、見直しが必要と御提示がありました。具体的にどのような見直しが必要とお考えか、ご説明をお願いいたします。企業年金連絡協議会様からも同様のお話があったと思います。連合会様のご提案は、企年協様のご提案と類似と理解してよいか確認させていただきたいと思います。
 2点目は企年協様ですが、多くの意見、要望、実務的課題について項目が挙げられていました。先ほど来の御説明を伺いますと、これらは会員企業さんから様々出た声全体をまとめられたもので、少数意見も含まれているものと理解しました。その理解でよいか改めて確認させてください。
 特に会員企業様から特段要望の強い事項とか、優先度が高いとお考えの項目があれば、教えていただきたいと思います。
 3点目は国基連様です。これも先ほど来お話が出ていますが、31ページにありました自動移換の増加は、御指摘のとおり問題だと認識しています。具体的に今後議論するに当たっては、本日御説明いただいた移換資産の状況を含めて、背景や実態をよく見た上で検討する必要があると思っております。
 具体的な要望事項として、少し御説明もありましたが、入り口対策というキーワードが提示されていたと思います。この入り口対策について、何か具体的なお考えがあれば、併せて教えていただきたいと思いました。
 私からは以上です。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 では、順番に企業年金連合会からお願いします。

○鮫島企業年金連合会理事長
 定年延長時の給付減額の判定基準の話でしたけれども、大変恐縮ですが、定年延長に伴うDBの設計見直しというのはいろいろパターンがありまして、今、私どもから具体案を示すのは難しいという状況でございます。雇用延長を円滑に進めていく必要がありますので、改めてな企業の状況をお聞かせいただき、あるいは事務局のほうでも聞いていただいて、今後考えてまいりたい、また、この場でも議論していただきたいと思っております。
 以上です。

○森戸部会長 
 では、企年協さん、お願いします。
 

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 定年延長判断基準の見直しは、今、鮫島理事長がおっしゃったとおりのところがありまして、現状支給開始年齢を引き上げて金額ベースで給付水準を維持したとしても、逆に延びると、先ほどの予定利率で割り戻すと、給付現価で下がれば、それは給付減額だという判定で、本当に定年延長を後ろへ持っていくことができるのかどうかというところをよく検討していただけないかという趣旨が企年協としては強い意見でございました。
 それから、どこが主張したいかというところで、1点申し上げるとしたら、先ほどのお話にもあったのですが、一時金が退職所得控除、年金が公的年金等控除。金子委員からも御質問があったように、一時金の退職所得控除は有利だということで、それで一時金を本当に選択する人が多いのか。DBで約7割、DCで9割。それが本当かどうか。
 もう一つ金子委員から御指摘があったように、それを受け取った後、そのお金は一体どこへ行っているのだと。使われているのか、運用されているのか。これが実際に追跡されたものはよく分からない。恐らく銀行口座か郵便貯金に入っている。あるいは投資信託を買われたかもしれない。この辺の部分は実は不明瞭で、そこをある程度明らかにしていく必要があるのです。本当にもらった退職金が残っているのか、消えてしまったのか。この辺りを御指摘どおりきっちりと詰めていく必要があるので、我々もそこは探っていきたい。少なくとも私たちの基金とかDBにある限りは、有期年金であろうが、終身年金であろうが、入っているわけでございますから、そこは追跡できるのですが、そうでなくて一時金で取ってしまった後というのは、もしかすると詐欺に遭っているのかもという心配もあるのかもしれないので、その辺は我々民間団体で調べるというよりは、逆にもう少し大きいレベルで調べていただくことが肝心かもしれません。
 以上です。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 では、国基連、お願いします。

○松下国民年金基金連合会理事長 
 先ほど正確にお伝えできなかったかもしれませんが、入り口対策という趣旨では、いわゆる企業年金の加入時に自動移換時のデフォルトプランをあらかじめ設定しておくといった対策が考えられるのではないかと考えております。
 以上です。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 では、ほかの方。では、岩城委員、お願いします。

○岩城委員 
 岩城でございます。今日はありがとうございました。私からコメント2点、質問2点、お願い1点ということで、手短に述べさせていただきます。
 まず1点目ですが、金子委員からも御指摘がありましたように、プログレスレポートでレコードキーパー4社のデータ連携の仕組みをつくっていく必要性が言及されていました。労働市場の流動化がさらに進んでいくことを考えると、途中で現金化しなければならないというのは、資産形成にとって大きなマイナスだと思います。転職時に現物移換できるようにすることが必要というのは、谷内委員も先ほど述べられていましたが、今後さらに議論を深めて進めていければと存じます。
 2つ目は質問です。企年協さんの17ページの資料に、加入者へプッシュ情報を送る仕組みをつくれないかということがあり、すごくいいなと思うのですけれども、しかし、反面、運用商品の選択を加入者の金融リテラシーや企業の継続教育に委ねるのは、限界もあるのではないかと感じます。そこで、例えば企業によるデフォルトの設定義務など、もし具体的なお考えをお持ちでしたら教えていただきたいと思います。
 3つ目も質問ですが、拠出限度額やライフプランによる拠出機会の柔軟性ということについても議論を進めていきたいと思っていますが、国民年金基金さんの資料の18ページに掛金が6万円超の方が増えているというデータがあります。増えている背景についてどのようなことが考えられるか教えてください。
 4つ目はコメントですが、企業年金連絡協議会さんが年金税制について、年金への流れをつくりたいということをおっしゃっていました。税制優遇の公平性というのはその通りだと思います。また、今後、高齢で加入する方も増えると見込まれますが、運用期間が短いと元本割れする確率も高くなります。年金受け取りにすることで、つまり、運用しながら取り崩していくことで運用期間を延ばすことができます。このようなポイントも含めて、制度と運用という両方での知識の普及が大切なのではないかと思います。
 今後金融庁との積極的な協力体制、新設される予定になっています金融経済教育推進機構の活用などについても、当部会としてどのように考えていくかということも話し合っていただければと存じます。
 最後はお願いです。インフレや長寿化に対応するために、DC導入企業が増えていくとことは重要だと思います。DCの加入形態は、全員加入、選択型、一部選択制があると思いますが、特に選択制の給与減額型が増えているという印象があります。これは問題点も多いかと思いますので、この実情について知りたいというのと、当部会での認識や考え方を統一していったらどうかなと思っています。このような点を議論に加えていただきたいなと思っています。
 以上です。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 コメントと御要望の点は伺いましたので、質問が企年協と国基連にあったかと思いますので、一言ずつお願いできますでしょうか。企年協さん。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 加入者へのプッシュ情報のところは、恐らく企業の規模によって、要するに、DCをやっている規模によって違う。ここは継続教育と投資教育というところのやり方、それから方法で、恐らく大、中、小で差があるなと見ております。特に情報が行き届かないのは、むしろ人事部に関心がないとか、そうでないところということで、全部を指しているつもりはないのですが、元本確保型のよさと、それにあまりにもウエートが大きいと駄目という部分があるのですが、アンケートを取る限り、案外無関心なのです。ほったらかしというのが実際半分ぐらいいるのです。その実態がいいのかということで、今、いろんな機会を設けてFPの皆さんも言っていただいているのですが、本当に預けっ放しという方が多いのには驚いてしまう。その部分のプッシュ情報を事業所側からどうするか。単に投資教育、継続教育で済まない部分の情報提供、その在り方をもう少し突き詰めていかないと、きめ細かい対応にはなっていかないのではないかなという懸念があります。そのような回答でよろしいでしょうか。

○岩城委員 
 はい。ありがとうございます。

○森戸部会長 
 では、国基連さん、お願いします。

○松下国民年金基金連合会理事長 
 6万円超のゾーンの増加要因ということですけれども、直接これらの対象者にヒアリングをしたわけではないので、確かなことは申し上げられませんが、先ほど申し上げたように、30年にわたって限度額が据え置かれているという状況も踏まえますと、1号被保険者にとっては、老後の備え、基礎年金を補完するという意味での手段としては限られている中で、そういうニーズが高まっているというのが私どもが今、受け止めている理解ということでございます。
 

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 もう時間にはなってしまったのですが、延長させていただければと思います。公平性の観点のために、ちゃんと発言はしていただきたいと思いますので、遠慮なく。島村委員が手を挙げていましたね。お願いします。

○島村委員 
 今日は現場の声を聞かせていただき、誠にありがとうございます。
 企年協さんに3つ質問をさせていただきたいのですけれども、まず5ページのところで、終身年金から有期のDBについて増えているというお話がありましたが、有期というものの実態は、何年ぐらいのものが多いのかを教えていただきたいのが1点目です。
 2点目が16ページ、運用商品のところで、DCでは年金商品が貧弱と御指摘いただいたのですけれども、これは加入するときに事業主とか運管とかが用意しているもの自体が貧弱という御趣旨でよろしいのか。受給回りのところが、私、不勉強で分かっていないため、そこの部分を詳しく教えていただきたいというのが2点目です。
 最後に、現物移換ができることというのが必要ではないかと思っているのですが、現場の感覚としては一体何が障壁になっているのか。制度の問題なのか否かというところを教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

○森戸部会長 ありがとうございます。
 では、企年協、お願いいたします。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 お答えします。有期年金のところは大体15年から20年が多いです。たしか終身年金が厚年基金からDBに移行したときに有期年金にかなり移行されたところが多いので、15年、あるいは10年、15年、20年。これは連合会さんの統計があるので、統計を申し上げます。15年が大体7%、20年が12%という感じです。10年確定が6%です。
 もう一つの質問はどこでしたか。

○島村委員 
 16ページの年金商品が貧弱という部分。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 これはいざ受け取るときになったところの判断なのです。運用のところはそれぞれの運用でやっておられて、もらうときにコストが、例えば企業型DCだと、もらうときに企業で負担するか、自分で負担するか、いろんな制度を取っているところがあって、手数料等々を考えたときに、DCで受け取る年金商品はかなり限られてくるのです。もちろん、信託さんも年金商品があるのですが、恐らく運用利回りと手数料を考えると1%あるかないかだから、私でしたら連合会さんの通算企業年金のほうに移行したくなるような気持ちが強いですね。あれはたしか予定利率が1.25%ですから。移換時年齢によりますけれども。
 だから、それとの兼ね合いでどれを選択するかということで、実際に商品を調べてみると分かるのですけれども、かなり厳しい手数料、金利というのがお分かりになるかと思います。トータルで1%行かないのではないかなと感じております。

○島村委員 
 そのラインナップについてはどの段階で用意をしているのかというところが知りたかったのですけれども。最初の受ける段階。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 もちろん、終身年金でこういうのがありますよという情報は行っています。ただ、その際に支払われる金利は変動しますので、もらうときに判断するという形になります。

○島村委員 
 ありがとうございます。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 もう一点は現物移換のところです。これはキャッシュ化するというところが本人にとって一番のハードルです。現物でそのまま運用しているのだったら、そのまま移行したいという要望はかなり我々の会員からも挙がっています。

○森戸部会長 
 御質問は、多分何でできないのかという話ですよね。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 現物移換は駄目ということになっている理由ですか。

○森戸部会長 
 そうですよね。

○島村委員 
 はい。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 これはたしか法令でした。

○森戸部会長 
 もちろん、その制度上そうなっていると思うのですけれども、技術的にとか、できないものがあるのかと。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 技術的には、私も運管の立場でないので詳しいことは分からないのですけれども、異なる商品に変更する場合はわかりますが。

○森戸部会長 
 多分同じ商品でも今はキャッシュアウトするのです。転職のときとかも1回は。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 私もそういう理解で、1回はキャッシュアウトしないといけないという理解でした。

○森戸部会長 
 そもそも商品が違えば、それはキャッシュアウトするしかないということですね。

○田川企業年金連絡協議会専任顧問 
 同じ商品でも現金化して、時間がかかるというところもネックになっているようです。すみません。ちゃんと答えられなくて。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 ほかはいかがでしょうか。では、藤澤委員、お願いします。

○藤澤委員 
 藤澤でございます。手短にコメントいたします。
 説明ありがとうございました。特に国基連さんの24ページのスライドで、iDeCoの実施に係る経費の状況について、切実な状況を御説明いただきありがとうございました。この部会で何か解決できるようなことがあれば、今後オブザーバーとして参加されると思いますので、ぜひ共有いただければと思っています。
 例えば「資産所得倍増プラン」の中でもiDeCoの手続簡素化の部分で、マイナンバーの活用という記載がございます。マイナンバーは重要な個人情報でございますので、管理コストも一定程度発生すると思ってございます。マイナンバーを活用するに当たっての課題や障壁があれば、今後部会の中でぜひ共有いただければと思います。
 以上です。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 では、冨樫委員、お願いします。

○冨樫委員 
 お時間のないところ、申し訳ございません。1点確認をさせてください。企業年金連合会から定年延長時の給付減額の判定の話が出ておりました。この中の「中小企業では労働組合がない事業所も多く」という記載がありますが、それを踏まえた「同意要件の緩和」という点が、労働者側としてはちょっと引っかかっております。現在の同意要件について、判定基準そのものを緩和すべきという考えがあっての御提案なのか、念のため確認させていただければと思います。よろしくお願いします。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 では、その点、いかがでしょうか。

○鮫島企業年金連合会理事長 
 今、御質問の趣旨は分かったのですが、リファーされた箇所は。

○森戸部会長 
 多分資料6ページの「中小企業では労働組合がない事業所も多く」とか、そういう辺りですかね。具体的にどういう要件緩和を考えられての御提案かということだと思います。

○鮫島企業年金連合会理事長 
 ここは様々な御意見があるとは思いますが、私どもとしては、できましたら要件を緩和して、手続の簡素化ということにつなげられるとありがたいということであります。現状、例えば総合型のDBでは、事業主さんがたくさんおられるわけですが、その中でそれぞれの事業主、企業年金の事務局が同意書の取りまとめに非常に大きな労力を要するということで、運営上は結構負担になっているということですので、そういったことを念頭に置いて簡素化をお願いしたいと思っております。
 具体的なことを今考えているわけではありませんが、例えば、現在加入者の3分の2以上の同意という要件について、幾ばくか緩和することや、あるいは同意の方法について、不同意の場合に申出する方法を可能とすることなど、幾つかやり方は考えられると思いますけれども、何らかの形で手続の簡素化につなげられないかというように私どもは考えております。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。

○冨樫委員 
 はい。

○森戸部会長 
 ほかに。渡邊部会長代理、お願いします。

○渡邊部会長代理 
 お時間のないところで申し訳ございません。御報告いろいろありがとうございました。
 既に各委員からいろいろな御意見があったところ、重複しているところは割愛させていただき、1点だけ。国基連の資料26ページにございます受給開始年齢の上限引上げとの関係で現状課題として取り上げられている部分です。受給権者の方が認知機能を低下するといったケースが増えてくることが懸念されるということで、その対応ということが問題になり得るという御指摘がございます。このようなケースが増えてくるだろうということが当然予測されますので、制度上もそれなりの対応を取る必要があるだろうと考えているところですが、現時点でこのような認知機能の低下によって手続が困難になっているといった場面において、どのような対応を取られていらっしゃるのか。また、具体的に制度上こういった手当てがあることが望ましいといった御要望がございましたら、教えていただきたいと思います。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。それは国基連への御質問ということですかね。

○渡邊部会長代理 
 はい。

○森戸部会長 
 では、お願いします。

○松下国民年金基金連合会理事長 
 今、お話がありましたように、認知機能の問題も含め、広い意味で相続案件という部分も増えてきているということで、私どもとしては実務上、今、具体的にこういう対応をしていますというのは、この場で申し上げる材料を持ち合わせておりませんが、個別の事案に応じ顧問弁護士と協議をさせていただきながら、遺漏がないように業務対応しているのが実態でございます。今後の議論の中で具体的な要望事項があれば、お伝えしていきたいと考えております。

○森戸部会長 
 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。ほかにまだ御意見もあると思うのですが、時間を15分ほど超過してしまいましたので、一応本日の議事は終了いたしたいと思いますが、1点だけ。大体私の不手際で時間がなくて済みませんとか言うのですけれども、不手際はあまりないと思っていて、時間が足らないなと思いますので、それはこれから検討課題としてしたいと思いますが、とはいえ限界もあるので、私が前、クビになった年金部会という別の部会があるのですけれども、そちらは委員がペーパーとかをたまに出すのです。何とか委員提出資料みたいなもの。この部会とか前身の企業年金部会からそういうペーパーみたいなものが出たことはないのですけれども、それは出たことがないだけで、別に委員は出したいものは出してもらっていいと思うので。もしかして今、課長が駄目ですと思っていたら申し訳ないのだけれども、それは出していただいて構わないと思うので。
 例えば今日なども皆さん、時間がないから、本当は5つぐらい聞きたかったのに、森戸がぴりぴりしているから4つカットするかとしたと思うのですけれども、そういうのは後からでもいいので、こういう意見、こういうことを思いましたというのがあれば出していただいて構いませんので。ただ、ここに出すというとフォーマルだから、それは各自のSNSでも何でもいいのですが、とにかくせっかくなので、ぜひコメントとか。もちろん、事務局に伝えていただくのでもいいのだけれども、せっかくだから共有できるものは、気軽にメモでいいと言ったら怒られますけれども、委員提出メモもあって構わないと思いますので、それはぜひ御検討ください。もちろん、時間のほうも事務局とちょっと検討したいと思います。すみません。余計なことを申し上げましたが。
 では、今後の予定について、事務局からお願いいたします。

○大竹企業年金・個人年金課長 
 ありがとうございます。
 次回以降は時間配分を含めてちょっと調整をさせていただければと思います。次回につきましては6月を予定していますけれども、また追って御連絡をさせていただきます。
 以上でございます。

○森戸部会長 
 ありがとうございました。
 それでは、大変長時間になって申し訳ありませんでした。第22回「企業年金・個人年金部会」を終了いたします。
 御多忙の折、お集まりいただき、どうもありがとうございます。