2022年10月31日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録

日時

令和4年10月31日(月)18:00~

出席者

出席委員(20名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(1名)
行政機関出席者
  •  八神敦雄(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  吉田易範(医薬品審査管理課長)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  鈴木洋史(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長) 他

議事

○医薬品審査管理課長 定刻となりましたので、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開催いたします。本日は、お忙しいところ御参集いただき誠にありがとうございます。本日の医薬品部会につきましても、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。
 本日のWeb会議における委員の出席についてですが、小崎委員より御欠席との連絡を頂いております。このほか、川上委員から遅れて御参加されるとの御連絡を頂いております。また、亀田委員がまだ会議に参加されておりません。以上から、本日は現時点において、部会委員数21名のうち18名の委員にこの会議に御出席いただいておりますので、定足数に達しておりますことを御報告いたします。
 部会を開始する前に、事務局より、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について御報告いたします。薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定されております。今回、全ての委員の皆様から、同第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので御報告いたします。委員の皆様におかれましては、会議開催の都度、書面を御提出いただいており御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力をよろしくお願いいたします。
 それでは、清田部会長に以後の進行をお願いします。
○清田部会長 皆さん、こんばんは。清田です。それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から、資料の確認と審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告をお願いいたします。
○事務局 それでは、本日のWeb会議における資料の確認をさせていただきます。あらかじめお送りさせていただいている資料のうち、資料No.1~No.9を用いますので、お手元に御用意をお願いいたします。このほか、資料No.10として「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」を、資料No.11として「競合品目・競合企業リスト」を事前に電子メールにてお送りさせていただいております。なお、システムの動作不良などがございましたら、会議の途中でも結構ですので、事務局までお申し付けください。
 続きまして、本日のWeb会議における審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて御報告いたします。資料No.11の1ページを御覧ください。「ペムブロリズマブ」ですが、本品目は「原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫」を予定効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定させていただきました。以上です。
○清田部会長 今の事務局からの御説明に特段の御意見はございますか。よろしいでしょうか。それでは、本Web会議の審議事項に関する競合品目・競合企業リストにつきましては、皆様の御了解を頂いたものといたします。
 それでは、委員からの申出状況について御報告をお願いいたします。
○事務局 薬事分科会審議参加規程第11条に基づく各委員からの申出状況、また、第5条に基づく取扱いについては次のとおりです。議題1の「ペムブロリズマブ」につきまして、退室をされる委員が川上委員、議決に参加されない委員が大隈委員、亀田委員、中野委員、南委員、山口委員、横幕委員、以上でございます。
○清田部会長 今の事務局からの御説明に特段の御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。よろしければ、皆様に御確認いただいたものといたします。
 本日は、審議事項1議題、報告事項6議題、その他事項2議題となっております。それでは、審議事項の議題に移ります。議題1、これにつきましては、川上委員におかれましては利益相反のお申出に基づき、議題1の審議の間、会議から御退出して御待機いただくことといたします。川上委員は御退室の対象でありますが、まだ会議に参加されていないようですので、このまま続けたいと思います。議題1につきまして、事務局から概要の御説明をお願いいたします。
○事務局 議題1、資料1、ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)を希少疾病用医薬品として指定することの可否について、事務局より御説明いたします。希少疾病用医薬品該当性事前評価報告書のファイルをお開きください。
 報告書の最初のページの中段を御覧ください。申請者は「MSD株式会社」、予定される効能・効果は「原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫」です。以下、原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫は「PMBCL」と略させていただきます。
 まず、対象者数について、本邦におけるPMBCLの総患者数は1,000人未満と推測されることから、指定基準を満たしているものと考えております。
 次に、医療上の必要性についてですが、未治療のPMBCLでは、初回治療を施行しても10~30%が再発又は初回治療に対して難治性であることが報告され、また、再発又は難治性のPMBCLに対しても標準的な治療は必ずしも確立していないことから、新たな治療薬の開発が望まれています。以上より、本剤の医療上の必要性は高いと考えております。
 最後に、開発の可能性についてです。再発又は難治性のPMBCL患者を対象とした海外第II相試験が実施され、主要評価項目とされた奏効率は45.3%でした。また、本邦においても同様の患者を対象とした第I相試験が実施され、奏効率は42.9%であり、本剤の開発の可能性は高いと考えております。したがいまして、希少疾病用医薬品の指定の3要件を満たしていると考えております。
 なお、事前に渡辺委員より御質問を頂いており、概要を述べさせていただきます。「乳癌、肺癌等では、ある程度以上のPD-L1の染色性が認められる場合に限りペムブロリズマブの使用が認められております。PMBCLの場合は、添付資料の表3-3の患者背景の表で、Positive、Negative、Missingに分類されているのみです。希少疾患なので仕方ないでしようか。それとも、今後ペムブロリズマブをPMBCLの治療薬として承認した場合、ある程度以上の染色性を必須とするのでしょうか。希少疾患なので大ざっぱなままでいいでしょうか」との御質問を頂いています。
 御質問いただいた点につきましては、今後PMBCLに係る効能・効果を追加する本剤の一部変更承認申請がなされれば、その審査の中で、PD-L1の発現状況別の患者集団における有効性や安全性を確認する等した上で、投与対象について検討していくものと考えております。事前に頂いた御質問に対する回答は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○清田部会長 ありがとうございます。渡辺先生、ただいまの御説明に対していかがでしょうか。
○渡辺委員 了解いたしました。先ほどの表3-3ではあまりにもMissingが多いものですから、一体どういう対応なのかなと思ったのですが、今、承認後の対応について伺いましたので理解いたしました。ありがとうございます。
○清田部会長 ありがとうございます。それでは、ほかの委員の先生方から御質問を承りたいと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ないようでございます。
 それでは、議決に入ります。大隈委員、亀田委員、中野委員、南委員、山口委員、横幕委員におかれましては、利益相反に関するお申出に基づきまして議決への参加を御遠慮いただくことといたします。本議題につきまして、指定を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、指定を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。
 では、ロビーで待機されている川上委員をお呼びいただけますか。まだ、川上委員はお入りになっていないようです。このまま続けたいと思います。
 報告事項に移ります。報告事項議題1~6について事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、報告事項議題1~6について順に説明をさせていただきます。まず、議題1~4につきましては承認事項の一部変更についてです。
 議題1、資料No.2を御覧ください。医薬品エンハーツ点滴静注用100mgの製造販売承認事項一部変更承認についてとなります。本剤は、ヒト上皮増殖因子受容体2型、HER2に対するIgG1サブクラスのヒト化モノクローナル抗体と、トポイソメラーゼI阻害作用を有するエキサテカン誘導体を、リンカーを介して結合させた抗体薬物複合体であるトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)を有効成分とする抗悪性腫瘍剤です。現在は、「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」及び「がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌」を効能・効果として承認されています。
 今般、第一三共株式会社から、乳癌に関する効能・効果について、「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌」に変更するという、つまり括弧書きで付いていました「標準的な治療が困難な場合に限る」という部分を落とす形の承認事項の一部変更申請がされています。機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断いたしました。
 資料のうち、No.2-2の審査報告書の30分の25ページを御確認いただけますでしょうか。総合評価ですが、本剤は初回の承認を受けた際に条件付き早期承認制度が適用されており、今御覧いただいている総合評価の所の真ん中の辺りの黒ポツですが、承認条件として「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌患者を対象に実施中の第III相試験における本剤の有効性及び安全性について、医療現場に適切に情報提供すること」という条件が付されていました。今回の一部変更申請におきまして、当該第III相の検証的試験の成績が提出され、有効性・安全性に関する情報が医療現場に提供されることになりますので、この承認条件が対応済みと判断いたしました。本剤については以上です。
 続きまして、議題2、資料No.3、医薬品アドリアシン注用10及び同注用50の製造販売承認事項一部変更承認について、それから、議題3、資料No.4の医薬品注射用エンドキサシン100mg及び同500mgの製造販売承認事項一部変更承認について、この二つですが、両剤を併用した場合の併用療法に関する一変ですので、二つまとめて説明させていただきます。
 アドリアシンは、ドキソルビシン塩酸塩を有効成分とするアントラサイクリン系の抗悪性腫瘍剤です。また、エンドキサンはシクロホスファミド水和物を有効成分とするナイトロジェンマスタード系のアルキル化剤です。現在は、乳癌患者に対して両剤を併用投与する形で承認されていますが、その用法として3週間間隔で投与するという形で承認されています。
 今般、サンドファーマ株式会社及び塩野義製薬株式会社から、乳癌患者に対する両剤の併用投与として、投与間隔をこれまでの3週間から新たに2週間に短縮した用法・用量を追加したいとの一部変更承認申請がされています。こちらも機構における審査の結果、本変更を承認して差し支えないと判断しております。
 続きまして、議題4、資料No.5、医薬品ティーエスワン配合カプセルT20ほか、関連製剤の承認事項一部変更承認についてです。本剤は、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤である5-FUのプロドラッグとなるテガフールに、5-FUの分解酵素を阻害するギメラシルと、5-FUのリン酸化酵素を阻害するオテラシルカリウムを含有する配合剤です。現在は、手術不能又は再発乳癌等を効能・効果として承認されています。
 今般、大鵬薬品工業株式会社及び岡山大鵬薬品株式会社から、「ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法」の効能・効果及び用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。機構における審査の結果、本品目を承認して差し支えないと判断しております。
 なお、本件につきまして、渡辺先生より事前に御質問を頂いておりますので御紹介いたします。まず、御質問の内容を読み上げます。「今回、「ティーエスワン配合カプセルによるホルモン受容体陽性かつHER2陰性、再発高リスクの乳癌における術後薬物療法」の適応追加が検討されることになりましたが、なぜホルモン受容体陽性でなければいけないのでしょうか。理由は、POTENT試験の対象疾患、これがホルモン受容体陽性かつHER2陰性であったわけですが、これに準じてホルモン療法薬とティーエスワン配合カプセルを併用する形での承認となっているのだとは思います。しかし、同種・同効・同成分であるユーエフティではこのような規定はなく、ホルモン受容体陰性症例には、NSAS-BC01試験のエビデンスに基づき、ユーエフティ単独での使用も一般に行われております」との御質問を頂いています。
 これについての回答になりますが、御指摘のとおり、本剤の効能・効果につきましては、根拠となりました臨床試験の結果、すなわち本剤の術後薬物療法としての臨床的有用性が示されたのは、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の患者を対象としたPOTENT試験のみがエビデンスとされていますので、これに基づきまして、効能・効果におきましてもホルモン受容体陰性の患者でのエビデンスがないということで、効能・効果はホルモン受容体陽性に限定しております。以上になります。
 続きまして、報告事項議題5、医療用薬品の承認条件についてになります。こちらは2件ございまして、まずバベンチオですけれども、資料No.6-1を開いていただきまして、ページ番号8分の2ページを御覧ください。品目の概要を示していますが、バベンチオ点滴静注200mgは、平成29年9月27日に「根治切除不能なメルケル細胞癌」の効能・効果で承認されています。その際に承認条件として全例調査が付されていました。このたび、メルクバイオファーマ株式会社から、承認条件に基づいて実施された全例調査の報告書が提出され、機構における評価の結果、承認条件は対応されたものと判断しております。
 続きまして、二つ目ですが、資料No.6-2のキイトルーダになります。こちらもページ番号の11分の2ページから品目の概要をお示ししています。キイトルーダ点滴静注100mgは、平成28年12月19日に「PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の効能・効果で承認され、その際に承認条件として全例調査が付されております。このたび、MSD株式会社から、承認条件に基づいて実施された全例調査の報告書が提出されており、機構における評価の結果、承認条件は対応されたものと判断しております。
 最後ですが、議題6、希少疾病用医薬品の指定の取消しについて御報告いたします。こちらも2件ございまして、まず資料No.7-1を御覧ください。こちらは、MSD株式会社の「ペグインターフェロンアルファ-2b(遺伝子組換え)」になります。本剤は、「悪性黒色腫における術後補助療法」を予定される効能・効果として、希少疾病用医薬品に指定され、また、当該効能・効果について承認も受けていましたが、今般、当該効能・効果に対する本剤の需要が減少し、代替薬もほかに存在することから、承認を整理することとされました。したがいまして、これに伴って本剤の本効能・効果に係る希少疾病用医薬品の指定も取り消すこととしました。
 続きまして、もう一つの品目、資料No.7-2を御覧ください。こちらは品目の名称がまだアルファベットなのですけれども、「Lenabasum」、レナバサムと呼びます。届出者は科研製薬株式会社です。本剤は、「全身性強皮症」を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品に指定されておりましたが、今般、実施されていた第III相臨床試験の結果、有効性が認められないなど、今後の開発継続が困難な状況になったことから、開発が中止されることとなったと報告を受けました。したがいまして、本剤の本効能・効果に係る希少疾病用医薬品の指定を取り消すことといたします。報告事項は以上となります。
○清田部会長 ありがとうございました。委員の先生方からの御質問がございましたら承ります。いかがでしょうか。
○渡辺委員 渡辺です。議題4についてコメントを送ってあるのですが。
○清田部会長 ちょっとお待ちください。
○事務局 議題4、ティーエスワンだと思いますが、先ほど事前に頂いた御質問と、それに対する回答を申し上げたつもりだったのですが、もう一度説明させていただきます。
 まず、渡辺委員から事前に頂いた質問を読み上げます。「今回、「ティーエスワン配合カプセルによるホルモン受容体陽性かつHER2陰性、再発高リスク乳癌における術後薬物療法」の適応追加が検討されることになりましたが、なぜホルモン受容体陽性でなければいけないのでしょうか。理由は、POTENT試験の対象疾患、これがホルモン受容体陽性かつHER2陰性であったわけですが、これに準じて、ホルモン療法薬とティーエスワン配合カプセルを併用する形での承認となっているのだと思います。しかし、同種・同効・同成分であるユーエフティではこのような規定がなく、ホルモン受容体陰性症例には、NSAS-BC01試験のエビデンスに基づき、ユーエフティ単独での使用も一般に行われております」との御質問を頂きました。
 先ほど申し上げた回答を改めて繰り返させていただきますが、本剤の効能・効果については、御指摘のとおり、術後薬物療法としての臨床的有用性が示されたのは、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の患者を対象としたPOTENT試験のみがエビデンスとなっておりますので、ホルモン受容体陰性の患者でのエビデンスはありません。したがって、効能・効果にホルモン受容体陽性であることを明記したというところです。
○渡辺委員 これは理論的におかしいわけです。もう一つ質問したのは、例えばホルモン受容体陰性でもこのテガフールは効くわけです。それの増強剤というか、分解抑制剤なわけですから、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性の再発高リスク術後乳癌症例にティーエスワンを使った場合、保険支払基金としては適応外とされて、承認されないことになってしまうのですけれども、それはどう考えても、理論的にも医学的にもおかしいと思うのですが、その辺りの御説明をお願いいたします。
○清田部会長 これは、事前説明で。
○事務局 保険適用とはしてあるのですが、まず薬事のところということで、一旦機構に。
○清田部会長 では、機構からお答えいただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 機構です。ちょっと保険の部分は、我々は所掌ではないので、それ以外の。
○渡辺委員 それはそうなのですが、ホルモン受容体陰性に使ってはいけないということですね。
○医薬品医療機器総合機構 はい。我々としては、現状でホルモン陰性の患者さんに使っていただくエビデンスはないと思っておりますので、あくまでもホルモン陽性の患者さんで使っていただきたいと考えております。
○渡辺委員 理論的に考えても、臨床的に考えても、全くおかしい話だと思うのですが、これで引き下がりますけれども、どうも杓子定規のような対応にはちょっと納得がいきません。
○清田部会長 機構、いかがですか。
○医薬品医療機器総合機構 コメントありがとうございます。先生がおっしゃっているのは、ティーエスワン自体がホルモン受容体のステータスに関係なく薬効を示すだろうと。であるので、ホルモン受容体陰性まで含めたらどうだという御提案かと思いますが、我々が今回評価したPOTENT試験というのは、あくまでも内分泌療法を対照群に置いてその上乗せを見た試験ですので、まずはそこをターゲットに承認していくものと考えております。先生が実施された非常に有名なNSAS-BC試験のように、ホルモン受容体陰性の対象の患者さんのエビデンスが出てくれば、もちろんそちらに関しては改めて評価を行っていきたいと考えております。以上です。
○清田部会長 渡辺先生、いかがでしょうか。
○渡辺委員 納得のいかない説明を聞いたので納得はいかないのですが、POTENT試験というのは臨床腫瘍学の基本的な考え方からして非常にずれた試験だったのです。その結果に基づいて、このような行政に反映されるということについては極めて残念至極です。以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。機構では、将来的にはエビデンスが蓄積されれば認められていくという理解でよろしいのですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構です。その御理解のとおりです。
○清田部会長 では、渡辺先生、そこら辺で御納得いただければと思いますが、よろしいですか。
○渡辺委員 納得はしませんが、黙ります。
○清田部会長 分かりました。ありがとうございます。ほかに御意見、御質問はございますか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、報告事項議題1~6については、御確認いただいたものといたします。
 続いて、その他事項に移ります。その他事項議題1について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 その他事項議題1です。医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請を行うことが適当と判断された適応外薬の事前評価について、事務局より御説明いたします。その他事項の資料No.8、公知申請の事前評価報告書のファイルをお開きください。
 今回、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請を行うことが適当と判断され、本部会に御報告する品目は、オキサリプラチン、フルオロウラシル、レボホリナートカルシウムの3品目です。いずれも、治癒切除不能な進行・再発胃癌の効能・効果に関して、日本胃癌学会より要望がなされたものです。
 御説明に先立ち、フルオロウラシル、レボホリナートカルシウムに誤記がありましたので、先に御説明いたします。24ページ及び47ページに正誤を付けておりますので、適宜御確認いただければと思います。いずれも、要望の用法・用量に誤記があり、修正させていただいたものとなっております。この修正に関しては、未承認薬検討会議の委員等にも御報告しております。
 それでは、治癒切除不能な進行・再発胃癌に関して、まとめてオキサリプラチンの報告書を用いて御説明させていただきます。16ページ下段を御覧ください。要望効能・効果での承認はなされていないものの、オキサリプラチン、フルオロウラシル、レボホリナートカルシウムの3剤併用療法は、FOLFOX療法として、国内外の教科書及び、次ページにまたがりますが、国際的なガイドライン及び国内ガイドラインにて標準的な治療法と位置付けられております。これらを踏まえて、19ページ下段にありますように、検討会議は要望効能・効果におけるFOLFOXの臨床的有用性は、医学薬学上公知であると判断しております。
 効能・効果、用法・用量ですが、20ページを御覧ください。オキサリプラチンについては、既に胃癌に関する承認効能を持っているためこのままとして、用法・用量に関しては、胃癌においてもA法が使えるように整備することとし、用法・用量関連注意にて術後補助化学療法に関する注意喚起をすることといたしました。
 また、フルオロウラシルについては43ページを御覧ください。効能・効果に、治癒切除不能な進行・再発胃癌を追加し、関連注意に術後補助療法に関する注意喚起をすることとしております。用法・用量については、膵癌の後に当該効能・効果である胃癌に関する内容を記載しております。
 最後に、レボホリナートカルシウムについてですが、66ページを御覧ください。効能・効果に治癒切除不能な進行・再発胃癌を追記しており、用法・用量についても、先ほどのフルオロウラシル同様に、膵癌の後に当該効能・効果について記載することが適切と判断されました。
 以上より、検討会議は、フルオロウラシル、レボホリナートカルシウム、オキサリプラチンの治癒切除不能な進行・再発胃癌に関する本薬の有効性及び安全性は、医学薬学上公知であると判断しております。以上です。
○清田部会長 ありがとうございます。ただいまの御説明に対して、御質問はございますか。大丈夫ですか。よろしいですか。渡辺先生、大丈夫ですか。
○渡辺委員 はい、問題ないです。
○清田部会長 これは、私から渡辺先生にちょっと伺っておきたいのですが、このレジメンがレジメンどおりに完粋するということは普通なのですか。
○渡辺委員 大体9割以上は完粋するものですが、先ほどの問題となった試験に関しては、そもそも基本的な理念がちょっと最初からずれていたように思っているのです。
○清田部会長 分かりました。ありがとうございます。ほかの先生方、御意見がないようでしたらば、その他事項議題1については御確認いただいたものといたします。
 続いて、その他事項議題2に移ります。議題2について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 その他事項の議題2、医薬品スパイクバックス筋注について御報告いたします。資料No.9のオミクロン株BA.4-5対応スパイクバックス筋注についてを御覧ください。スパイクバックス筋注は、SARS-CoV-2による感染症の予防を効能・効果とするワクチンであり、SARS-CoV-2の起源株(オリジナル株)のSタンパク質をコードするmRNAであるエラソメランを有効成分とする1価のワクチン及びエラソメランとオミクロン株BA.1のSタンパク質をコードするmRNAであるイムエラソメランの2成分を有効成分とする2価のワクチンとして現在、承認されております。
 今般、モデルナ・ジャパン株式会社から、エラソメランとオミクロン株BA.4-5系統のSタンパク質をコードするmRNAであるダベソメランを有効成分とする2価ワクチンの追加免疫に係る製造販売承認事項一部変更承認申請がなされました。なお、本説明においては、エラソメランとダベソメランを含有する今回申請されたオミクロン株BA.4-5対応型の2価ワクチンを「BA.4-5対応2価ワクチン」といたします。
 資料の1ページを御覧ください。本品については、効能又は効果、用法及び用量についての変更はありません。剤形・含量の欄に記載していますとおり、ダベソメランを追加する変更が申請されております。また、資料の2ページ上段に記載していますとおり、海外での状況としては、既に欧米において、BA.4-5対応2価ワクチンが品質及び非臨床データのみで審査され、承認されている状況です。
 本剤に対する審査の考え方としては、資料の2ページ中段に記載したとおり、先般10月5日に報告しましたファイザー社のオミクロンBA.4-5対応2価ワクチンと同様に、同一系統間の株の変更については、ウイルスの抗原性が大きく異ならないと考えられることから、株変更前後のワクチンで得られる免疫原性も大きく異ならないことが想定されるという考え方に基づき、BA1対応の2価ワクチンで臨床データを含めた評価がなされているという前提で、BA.4-5対応2価ワクチンについては、非臨床データにより評価することは可能と考えております。ただし、臨床データに関しては、現在、臨床試験実施中であり、承認後に追って提出を求めることとしたいと考えております。
 提出された具体的な非臨床データについては、資料の2ページの下段以降に記載しております。まず、免疫原性を確認する試験の結果を資料の3ページの図1に示しております。各グラフの一番右、紫色のグラフですが、追加免疫としてBA.4-5対応2価ワクチンを投与したマウスでは、起源株、デルタ株及びオミクロン株(BA.1、BA.5)に対して幅広い中和抗体の誘導が認められているということが分かります。
 また、資料の4ページの図2では感染防御試験の結果を示しております。こちらは、マウスにワクチンを接種した後に、SARS-CoV-2のオミクロン株BA.5を経鼻投与して、ウイルス投与4日後の肺におけるウイルスRNA量を測定した結果です。図Aにお示ししていますとおり、肺でのウイルスRNA量は、BA.4-5対応2価ワクチンにおいて陰性対照群に比べて有意に低いという結果が得られております。さらに、1価の起源株ワクチンと比較しても低値であったことから、オミクロン株BA.5に対する感染防御効果が期待されることが考えられます。
 安全性については、既に承認されているBA.1対応2価ワクチンと同じオミクロン株系統のワクチンであることから、BA.4-5株の配列のmRNAに変更することで、安全性に影響を及ぼす可能性は低いと考えております。また、海外での使用実績がMonthly Summary Safety Reportで報告されており、現時点で特段の安全性上の懸念は見られていないと分析されています。こうした状況を踏まえつつ、最新の状況を引き続き注視していく所存ですが、以上を踏まえて、本BA.4-5対応2価ワクチンを承認しても差し支えないと判断しているところです。説明は以上となります。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から何か御質問がございましたら承ります。いかがでしょうか。中野先生、どうですか。
○中野委員 御指名ありがとうございます。先ほど御説明いただいた報告書と、お送りいただいた添付文書の内容も確認させていただきました。免疫原性が担保されておりますし、動物実験において同じオミクロン株のワクチンということで、株を変えるということで、あと、添付文書も確認させていただいたのですが、こちらのワクチンは追加免疫用のワクチンでして、3回目接種、4回目接種に使用できるわけですが、対象年齢は18歳以上ということで、これまでのモデルナ社のスパイクバックスの仕様と同じような形で、18歳以上という理解でよろしいですね。
 それと、もう一点は互換性の問題です。動物実験の方も、過去にモデルナ社のワクチンを打った実験でしたが、有効性と安全性に関しては十分なデータはないわけですけれども、互換性をもって運用するかどうかは、予防接種・ワクチン分科会の議論に基づいて決定されるという理解でよろしいでしょうか。その点、一応確認です。
○清田部会長 どなたがお答えになりますか。
○医薬品審査管理課長 御質問ありがとうございます。二つ御質問がありますが、まず年齢については、先生の御指摘のとおり18歳以上が対象という形です。それから、互換性の話ですが、従来のワクチンがそうであったのと同じように、今回についてもワクチン分科会で検討がなされると。恐らく問題なく使える形になるのだと思いますが、そういうことになるかと考えております。以上です。
○清田部会長 よろしいでしょうか。
○中野委員 大丈夫です。理解できました。ありがとうございます。
○清田部会長 宮川先生、何かありますか。
○宮川委員 特にありませんが、添付文書の7.4の所は非常に重要なので、そういうことをしっかりと確認していただくことが重要だろうと考えます。接種時期と有効性・安全性の部分をしっかりと確認していただくことが現場の医師にとって重要であろうと考えますので、そこはしっかりと読んでいただければいいと思います。以上です。
○清田部会長 ありがとうございました。ほかの委員の先生、よろしいでしょうか。それでは、御意見、御質問はないようですので、その他事項議題2については御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上ですが、事務局から何か御報告はございますか。
○事務局 事務局からは、特段の報告はありませんが、次回の部会の日程については、追って御連絡させていただきます。以上です。
○清田部会長 ありがとうございました。それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。どうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬品審査管理課 課長補佐 松倉(内線2746)