2023年3月17日 第27回厚生労働統計の整備に関する検討会 議事録

政策統括官付参事官付統計企画調整室

日時

令和5年3月17日(金) 11:00~11:28

場所

オンライン会議

出席者

構成員(五十音順、敬称略、◎:座長

  •  大久保 一郎
  • ◎加藤 久和
  •  高橋 陽子
  •  津谷 典子
  •  樋田 勉
  •  永井 暁子
  •  野口 晴子
  •  康永 秀生
  •  渡辺 弘司

構成員以外の関係者

  •  西郷 浩
  •  廣松 毅

事務局

  •  岸本政策統括官
  •  田中政策立案総括審議官
  •  牧野参事官(企画調整担当)
  •  藤井統計企画調整室長
  •  渡邉審査解析室長
  •  鎌田人口動態・保健社会統計室長
  •  奥垣世帯統計室長
  •  笹木縦断調査管理官
  •  井嶋労働施策情報分析官
  •  角井賃金福祉統計室長
  •  矢野国立社会保障・人口問題研究所企画部部長

議題

  1. 「公的統計の整備に関する基本的な計画」別表の検討状況等について
  2. 縦断調査の改善に関するワーキンググループの設置
  3. 毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループについて
  4. その他

議事

議事内容
○牧野参事官(企画調整担当)
 定刻になりましたので、ただいまから第27回厚生労働統計の整備に関する検討会を開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして誠にありがとうございます。私は政策統括官付企画調整担当参事官の牧野でございます。よろしくお願いいたします。
 本日の出席状況ですけれども、黒田委員、原委員が御欠席でございます。また、本日は審議協力者として、西郷先生、廣松先生に御出席いただいております。
 それでは、以後の進行につきましては加藤座長にお願いいたします。よろしくお願いします。
○加藤座長
 加藤です。おはようございます。今日は、お忙しい中御参集いただきましてありがとうございます。それでは、早速議事に入らせていただきたいと思います。
 本日の議題ですが、1つ目は「「公的統計の整備に関する基本的な計画」別表の検討状況等について」、2つ目は「縦断調査の改善に関するワーキンググループの設置」について」、3つ目は「毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループについて」、4つ目は「その他」となっております。
 それでは、議事1の「公的統計の整備に関する基本的な計画」別表の検討状況についてでございます。事務局より御説明をお願いいたします。
○藤井統計企画調整室長
 それでは、資料1について御説明いたします。資料1は、公的統計の整備に関する基本的な計画の別表の検討状況等としております。公的統計の整備に関する基本的な計画につきましては、政府全体として公的統計の整備に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図ることを目的としまして、おおむね5年ごとに統計委員会及び国民の意見を聞いた上で定められている計画で、現在の計画は第Ⅲ期のものとなっており、平成30年度から令和4年度までの5年間を期間として定められているものです。今年度が最終年となっていますので、その検討状況、実施状況について御説明をさせていただければと思います。資料中、赤字にしておりますのが、令和4年度、今年度に取り組んだ事項になっておりますけれども、今年度が最終年になっていますので、指摘されている事項について、それぞれ御説明させていただければと思います。
 まず、1ページ目が、国民生活基礎調査に関する指摘になっております。国民生活基礎調査につきましては4点の課題が指摘されています。
 1点目です。国民生活基礎調査におきましては、世帯員を対象とした抽出調査となっておりますけれども、国民生活基礎調査の結果と総務省の国勢調査の結果のかい離が生じておりまして、このかい離の縮小に向けた取組と回収率の向上方策の検討をすることというのが1点目になっております。これにつきましては、令和3年調査で調査員の訪問回数などの検証を行い、令和5年調査から郵送回収の要件緩和を行うとともに、オンライン調査の導入を予定するということで、回収率の向上を図るというものです。
 2点目です。調査単位区の設定など、都道府県を含めた準備調査の在り方や、調査業務全般の効率化や調査方法の改善を検討するというものです。これは、3点目とも重複するものですけれども、効率化の検討につきましては、オンライン調査を導入することで業務の効率化、記入者の負担軽減を図ることを目的としまして、令和4年調査で、一部の都府県におきまして試行的にオンライン調査の導入を実施しております。この結果を踏まえ、令和5年、今年の調査になりますけれども、オンライン調査の適用を全ての都道府県、全ての世帯を対象として拡大をしていく予定としております。
 4点目ですが、国民生活基礎調査の推計方法の検討状況や結果精度に関する情報提供の充実ということが指摘されております。これにつきましては、既に厚生労働省ホームページにおきまして、推計方法及び結果精度に関する情報の充実を図ってきているという点です。国民生活基礎調査については以上です。
 続きまして、2ページ、毎月勤労統計調査に関する事項でございます。毎月勤労統計調査につきましては3点の課題を指摘されております。1点目です。令和4年1月のローテーション・サンプリングへの全面移行に向けての都道府県との連携ということ、結果公表に当たって利用者の混乱を来さないよう、移行期間であることの配慮、それから、継続標本による参考指標も続けて公表するという指摘に対しましては、令和4年1月にローテーション・サンプリングへの全面移行が完了し、入替え方法を変更したこと、それから、継続する事業所の参考指標などの結果も公表することを継続しております。また、令和3年には本検討会の下にワーキンググループを設置しまして、令和4年1月のベンチマークの更新に向けた検討を行うとともに、母集団労働者数の推計方法、季節調整法の見直しについて、引き続き検討を行っていくということにしています。
 2点目です。母集団情報を事業所母集団データベースの年次フレームに変更するに当たって、抽出方法や復元方法の検討を行うというものです。これにつきましては、先ほどもお話をしましたローテーション・サンプリングを平成30年から取り入れておりますけれども、この導入に伴いまして毎年最新の母集団情報を用いて抽出を行っており、復元についても抽出率逆数を用いた処理を行っているということです。
 3点目です。総務省で行っております世帯員を対象としました労働力調査と毎月勤労統計調査の調査方法等の相違点を整理し、Web上で明確にして、利用者の利便性の向上に努めるというものです。これにつきましては、調査方法や調査事項の相違点、それから就業・常用雇用者など用語の定義の対応関係について整理をし、調査結果の比較を行う際の留意点についても整理を行いまして、厚生労働省のホームページに掲載しております。
 3ページ、賃金構造基本統計調査になります。こちらは、3点の課題が指摘されております。1点目ですが、賃金構造基本統計調査は毎月勤労統計調査と同様に、賃金に関する情報を把握しておりますけれども、この両者の調査の中で非標本誤差の分析など技術的な検討を行い、検討結果を情報提供することという指摘です。これにつきましては、総務省のほうで令和2年度の委託研究事業というのがあるのですが、この中で両調査の同一事業所の個票を用いた比較を行って検討したということが研究事業で行われており、この検討結果が総務省のホームページで公表されています。
 2点目は、賃金構造基本統計調査の二次利用の中で、匿名データの提供について検討することという点が指摘されています。これにつきましては、昨年3月の統計委員会において、提供に当たっての答申が行われておりまして、平成27年から令和元年までの5年間分を、匿名データとして作成することが了承されております。令和4年度については提供するデータの作成を行い、令和5年度から順次提供を開始することとしております。
 3点目ですが、賃金構造基本統計調査の公表の早期化に向けた調査方法の見直し、それから職歴や学歴区分の細分化、回収率を考慮した推計方法の検討、対象事業所内の全労働者を調査すること等の指摘を頂いております。これにつきましては、令和2年調査から郵送調査を基本としつつ、オンライン調査を導入するとともに、審査業務の一部を民間委託するなどの業務の効率化を行っております。また、職歴、学歴区分の見直し、回収率を考慮した推計方法の見直し、希望する事業所においては全労働者が回答できるような変更を令和2年調査で行っています。
 続きまして、4ページ目、社会保障費用統計についてです。こちらにつきましては、2点の指摘事項がありました。1点目です。社会保障費用統計の作成に当たって使用している基準がOECDの基準になっているのですけれども、財源の比較等々が可能となるよう、EU基準に準拠した統計についても作成することを検討するということです。これにつきましては、平成30年度のデータについて、EUの基準に準拠した集計を試行的に行い、この集計方法等について有識者の意見等々を聴取して作成した表を、社会保障費用統計の参考表ということで今年度中に公表する予定にしています。
 2点目です。国際基準に準拠した地方公共団体の社会保障支出の総合的な把握に向けて利用する一次統計の活用の検討や改善を図るというものです。これにつきましては、地方単独事業のうち、総務省から社会保障施策に要する経費の動向調査というものを提供いただいておりますけれども、これで決算値の推計が可能となっております。今後、現在未計上又は推計値で算出を行っている部分については、引き続き総務省に働きかけを行い、情報収集、検討を進めることにしています。
 5ページ、人口動態調査についてです。人口動態調査につきましては、3点の課題が指摘をされております。1点目ですけれども、人口動態調査で把握している外国人の情報について、一定程度の居住者のある市町村別の集計が可能となるよう検討することとの指摘をされております。これにつきましては、令和2年度の集計表の見直しについてパブリックコメントのような形で意見募集をし、それらの意見を踏まえた調査計画の変更を行って、新たに外国人に関する集計表の追加を行ったことで対応をしています。
 2点目ですけれども、PDFや紙で提出された調査票情報のテキスト化を行うことという点です。これにつきましては、平成30年調査からテキスト化による提供を開始しています。最後が、人口動態のオンラインシステムについて改善を図ることという指摘です。これにつきましては、市町村のセキュリティ上の制限などで使えないソフトウエアがあったということがありますけれども、こういうソフトを使用しないような機能変更、操作方法の変更のFAQを作成して提供するとともに、送信忘れ防止というような機能の追加などを行っています。第Ⅲ期の基本計画において指摘された点の検討状況、実施状況については以上です。
○加藤座長
 御説明ありがとうございました。それでは、ただいまの御説明につきまして、御質問を含めて、委員の皆様、何かございますでしょうか。もしございましたら、どうぞ御発言いただければと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。最後に、また御意見等ございましたら、お伺いさせていただきたいと思います。それでは、御質問、御意見がないということで、次の議題に移らせていただきたいと思います。
 続きまして、議事2「縦断調査の改善に関するワーキンググループの設置」についてです。事務局から御説明をお願いいたします。
○笹木縦断調査管理官
 世帯統計室縦断調査管理官の笹木と申します。資料2について、私から御説明いたします。
 まず、縦断調査の改善に関するワーキンググループの設置についてです。1番の概要に書いてありますとおり、厚生労働省においては、同一客体を継続的に調査し、意識の変化、行動の変化を把握し、詳細に分析することが可能な調査として、21世紀出生児縦断調査、21世紀成年者縦断調査及び中高年者縦断調査を実施しております。※にありますとおり、21世紀出生児縦断調査については、平成13年出生児を対象とする調査を文部科学省で、平成22年出生児を対象とする調査は厚生労働省で実施しておりますので、計4つの縦断調査が動いていることになります。
 概要の2段落目に戻り、これらの縦断調査は、いずれも10回以上継続して実施しており、調査開始当初の客体が大きく減少していたり、調査対象者の年齢や環境に考慮した調査項目に変更するといったような、今後のあり方について検討していく必要があると考えております。
 厚生労働省において、令和4年度、縦断調査に知見の深い専門家の方々の御意見を頂き、各調査における論点や議論の方向性について検討しましたので、今後、専門家の皆様の知見等を得て更に検討するため、こちらの整備検討会の下にワーキンググループを設置していただきたいと考えております。
 2番の検討内容ですが、大きく2つあります。1つ目は、縦断調査における今後の調査方針及び調査事項についてです。先ほど申し上げました4つの縦断調査について、今後どのような形でやっていくのかということを議論させていただきたいと思っております。もう1つとしては、縦断調査特別報告というものがあります。そもそも特別報告というのは、複数年のデータを用いて各調査対象者の行動の変化等を分析したものなのですが、21世紀出生児縦断調査の平成22年出生児と、21世紀成年者縦断調査の平成24年成年者は、特別報告を作成した実績がないことから、どのような内容で特別報告を作るべきかを検討していただきたいと考えております。
 3番、スケジュールですが、もし今回ワーキンググループを設置させていただきましたなら、令和5年度からおおむね2、3か月に1回程度開催し、令和6年度に検討内容について結論を得たいと考えております。
 次のページは、ワーキンググループの設置の規程に関する意見ですので、ほかのワーキンググループと同様ですが、2.については、本ワーキンググループは令和7年3月までに検討を行い、検討結果を検討会に報告する形にさせていただきたいと思います。私からの説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○加藤座長
 御説明どうもありがとうございました。ただいまの御説明について、委員の皆様、御質問も含めて何かありますか。何かあれば、御自由に御発言を頂ければと思います。よろしくお願いします。廣松先生、よろしくお願いします。
○廣松委員
 縦断調査のワーキンググループができるということは大変良いことだと思います。私は現在、たまたま文部科学省の21世紀出生児縦断調査の研究会の構成員でもあり、そこでいろいろと議論をしています。そこで少し気になっているのが、厚生労働省が中心の調査と文部科学省が中心の調査との関係というか、両省で、調査事項の検討も含めてもう少し密に議論をしていただければということです。これは意見というよりは希望です。
 具体的には、文部科学省における研究会の議論において、文部科学省ですから、当然教育面が中心です。現在、21世紀出生児縦断調査について厚生労働省と文部科学省の共管調査となっているわけですが、調査対象者が高校生になってから文部科学省が中心になって調査を行うという形になっています。教育面を中心に考えると、高校に進学するまでの教育もきわめて重要であり、それまでどういう教育を受けてきたのか、またそのときの自己評価や(本人の)心理状態はどうだったのかということに関する事項が必要です。成長や発育を中心に厚生労働省が行う21世紀出生児縦断調査の調査事項としても、これらに関する事項も含めて、両省で御検討いただければと思います。以上です。
○加藤座長
 ありがとうございます。事務局からいかがでしょうか。
○笹木縦断調査管理官
 廣松先生、御質問ありがとうございます。今回のワーキンググループ設置に先立ちまして、文部科学省の事務方とはいろいろ話をしているところです。今後、ワーキンググループ設置に際しまして、引き続き具体的調査事項や方法についても、相談しながらワーキングに臨んでいきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○廣松委員
 よろしくお願いします。
○加藤座長
 ありがとうございました。大久保委員、お願いします。
○大久保委員
 ありがとうございます。この検討会を設置することについては、特に異論はありません。現状として、これらの縦断調査は、即答者と比べて、今どのくらい回答者は減ってきているのか、その割合だけ、現状を教えていただければと思います。
○加藤座長
 事務局のほうでお願いします。
○笹木縦断調査管理官
 大久保先生、ありがとうございます。資料に、大きく減少している調査があると書かせていただいたのですが、例えば一番顕著に少なくなっているものとして、21世紀成年者縦断調査の平成24年調査については、第1回の調査回収が3万件あったのですが、今、第10回調査で8,000件ほどになっているということで、3割を切っている状況です。そのほかの調査については、出生児とか中高年者については、まだ半数程度は確保できているのですが、一番顕著なのが成年者でして3割を切っている状況です。
○大久保委員
 ありがとうございました。今回の検討では、減少というか、脱落といいますか、そういうものがいかに抑えられるかも併せて検討されるという理解でよろしいのですか。
○笹木縦断調査管理官
 どういう形でやっていくかということを、全体的に見ながら進めていきたいと思っております。
○大久保委員
 ありがとうございます。
○加藤座長
 ありがとうございました。ほかにどなたか御意見、御質問等がありましたら、どうぞお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、本検討会の下に縦断調査の改善に関するワーキンググループを設置させていただくことでよろしいでしょうか。お認めいただけますか。
(異議なし)
○加藤座長
 ありがとうございました。それでは、ワーキンググループの具体的な構成員等に関してです。ワーキンググループの構成員と主査は、本検討会の開催要綱に基づき、座長である私が指名をさせていただけるということでございます。そのため、構成員については、高橋委員、野口委員、また、本検討会の構成員のほかに、国立社会保障・人口問題研究所の泉田先生、東京大学の佐藤先生、東京理科大学の菅原先生を指名させていただきたいと思います。また、審議協力者として、早稲田大学の西郷先生、東京大学の廣松先生にお願いをしたいと思っております。そして、主査についてですが、高橋先生に担当していただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題に移ります。続いて、議事3の「毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループについて」です。事務局から御説明をお願いします。
○藤井統計企画調整室長
 それでは、資料3を御覧ください。毎月勤労統計調査の改善に関するワーキンググループについてということで、開催要綱をお示ししておりますが、この中の2.ですが、本ワーキンググループは、「令和5年3月までに検討を行い」となっていましたところ、1年間延長するということで、「令和6年3月までに検討」という改正をしたいという内容でございます。資料については以上です。
○加藤座長
 ありがとうございます。それでは、ただいまの御説明について、御質問を含めて、委員の皆様から何かありますか。1年間の延長ということです。よろしいでしょうか。
(異議なし)
○加藤座長
 それでは、お認めいただけたということで、ありがとうございました。最後に、議事4として「その他」となっておりますが、事務局から何かありますか。
○藤井統計企画調整室長 
 事務局からは、特にありません。
○加藤座長
 ありがとうございました。それでは、本日予定をしていました議題は以上ですが、全体を通して御質問、御意見、コメント等がありましたらお願いできればと思います。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、本日予定をしていました議題は以上となります。それでは、事務局にお返しをします。どうぞよろしくお願いします。
○牧野参事官(企画調整担当)
 皆様、本日はお忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございました。これをもちまして、第27回厚生労働統計の整備に関する検討会を閉会といたします。どうもお疲れさまでございました。
(了)

照会先

政策統括官付参事官付統計企画調整室

電話:03-5253-1111(内線7373)