第6回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会(議事録)

日時

令和5年2月24日(金)13:00~15:00

場所

オンラインによる開催(厚生労働省仮設第1会議室)

議事

○小森地域就労支援室室長補佐 皆様、お待たせしました。それでは、ただいまから「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会第6回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会」を開催いたします。皆様方におかれましては、お忙しいところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。本日の作業部会は、こちらの会場とZoomを使ったオンラインで開催をいたします。開催に当たりまして、簡単ではございますが、オンラインについて操作方法のポイントを御説明いたします。作業部会の進行中は、皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言をされる際にはサービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックし、主査の許可があった後にマイクをオンにして、聴覚・視覚障害者の方々への情報保障という観点から、お名前を名乗っていただいてから御発言をお願いをいたします。会議進行中、トラブルがございましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡をお願いいたします。通信遮断等が生じた場合につきましては、一時休憩とさせていただくこともございますので御容赦いただきますようお願いいたします。なお、本作業部会は御希望の方に傍聴いただいておりますので、あらかじめ御了承いただければと思います。
続いて資料の確認です。本日の資料は議事次第、資料1から7まで御用意をさせていただいております。
それでは、議事に入りたいと思います。以後の進行は小川主査にお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○小川主査 大妻女子大学の小川です。本日も皆さん、よろしくお願いいたします。本日の議題は、(1)関係団体からのヒアリング、(2)広義のジョブコーチ支援について、(3)ジョブコーチ支援の活性化に向けた対応について、(4)中間取りまとめ項目(案)についてとなっております。それでは議題(1)について、まずは事務局から進め方について御説明をお願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 事務局、障害者雇用対策課の小森です。本日の関係団体ヒアリングについて御説明をいたします。前回、1月17日に開催しました第5回では、障害者団体の皆様にヒアリングを行い、御意見を頂戴いたしました。本日は2団体から御意見を頂くこととしており、うち1団体は文書による御意見の提出となっております。団体のお名前につきましては議事次第を御確認ください。限られた時間ではございますが、ヒアリングは1団体につき質疑応答を含めて約17分を予定しております。冒頭の10分間で団体から御説明を頂きまして、その後、7分間に構成員の皆様から御意見、御質問を頂くという形で進めてまいります。御説明に当たりましては、残り3分と10分たった際に、事務局がベルでお知らせしますので、発表に当たっての目安としていただければ幸いです。事務局からの説明は以上です。
○小川主査 ありがとうございます。それでは、関係団体からのヒアリングを始めたいと思います。初めに、NPO法人全国就労移行支援事業所連絡協議会の皆様、お願いいたします。
○NPO法人全国就労移行支援事業所連絡協議会 本日は貴重な機会を設けていただきまして、誠にありがとうございます。NPO法人全国就労移行支援事業所連絡協議会の副会長をしております稲葉と申します。よろしくお願いします。本日は当協議会としてのジョブコーチに求める役割並びに支援について、限られた時間ではございますが意見を述べさせていただきたいと思っております。基本的にはお手元にヒアリング資料が既にあるかと思いますが、そちらを基に御説明させていただきます。若干口頭での追加事項もございますので、あらかじめ御了承ください。それでは、早速ですが、項目に沿って御説明をさせていただければと思います。
まず、「Ⅰ.法令上の位置づけについて」です。現在、雇用障害者が5人以上在籍している企業については、障害者職業生活相談員の配置が義務付けられているところではございますが、障害の多様化、昨今の職場環境の変化や業務の高度化等を踏まえ、職場において業務を遂行する職場環境の整備であったり、また同僚や上司、支援機関との間に入って調整する人材を充実させ、職場適応、職場定着を図ることが重要であると考えております。そのため、一定の雇用数に応じて、障害者職業生活相談員から企業在籍型ジョブコーチの配置に切り替えて義務付けてはどうかと考えております。また、企業在籍型ジョブコーチの配置が困難な企業や中小企業等については、積極的に訪問型ジョブコーチを利用できるような制度に発展させるなど、後ほど述べさせていただきますが、ジョブコーチの資格化について検討する際には配置義務等も法令上、一体的に整備する必要があると考えております。
2点目です。現行のジョブコーチ制度の見直しに関して何点か述べます。まず財源についてです。現在、ジョブコーチ制度は障害者雇用納付金が財源になっていると思いますが、それが適正かどうかどうか疑問があります。企業の負担である障害者雇用納付金よりも、全国民が享受できる制度や財源が理想であるのではないかと考えております。例えば、現在、公務部門の訪問型ジョブコーチは財源の理由で利用ができないことになっています。しかし、働く障害者にとっては公務部門か否かに関係なく、ジョブコーチ的な支援が必要であって、ILO条約及び勧告の職業リハビリテーションの定義や適用範囲から考えても、障害のある人が公平に利用できる制度にすべきであると考えております。そう考えると、納付金財源だけでは限界で、財源そのものを見直す、あるいは対象者の働く職場に応じて、別の財源に基づいてサービスがしっかり提供できる仕組みというものを考えていく必要があるのではないかと思っております。なお、公務機関で働く障害者に対しては、ハローワークであったり、組織内で研修を受講した職場適応支援者が今、主な支援者として期待されているところではあるのですが、人事異動の影響もあって、なかなか量も質も十分な状況ではないと考えております。
次に、障害者就業・生活支援センターのジョブコーチの配置についてです。現在の制度に該当しない対象者の支援であったり、地域において更なるニーズに対応していくために、障害者就業・生活支援センターにジョブコーチの配置を必須にしてはどうかと考えております。就業支援・生活支援に職場適応支援を加え、財源的にも安定したジョブコーチの支援が実施できる制度を新たに設けることが必要なのではないかと考えております。
続いて、ジョブコーチのOJTについてです。地域のジョブコーチの質の向上並びに専門性の担保をしていくためにも、地域障害者職業センターが行うペア支援等の更なる強化・充実を図っていくことが必要だと考えています。また、都道府県に1か所しかない地域障害者職業センターだけでペア支援に関わるのは、実質難しいと考えております。例えば一定の要件を満たした経験のあるジョブコーチについてはペア支援が認められるよう、地域障害者職業センター以外でもペアのマッチングができる仕組みの検討が必要なのではないかと考えています。
それによって地域でのOJTが可能となって、ネットワーク自体も広がっていくことにつながっていくのではないかと考えています。なお、ここには記載していないのですが、ジョブコーチの達成に向けては担当カウンセラー、配置型のジョブコーチ、訪問型ジョブコーチの顔の見える関係作りも重要だと考えています。そのため、従前から取り組んできているジョブコーチの推進協議会があるかと思うのですが、そちらの活性化が望まれると考えています。具体的には現場レベルでのケース検討であったり、支援技法の共有というものを図っていきながら関係性を構築していくことが大切ではないかと考えています。その際、助成金の適用範囲になることも含めて、改めて推進協議会の持ち方についても再検討が必要ではないかと考えています。
次に、ジョブコーチ制度の発展についてです。地域におけるジョブコーチの計画的な体制整備や進捗状況の把握などを推進する観点からも、ジョブコーチ制度で稼働する人員数であったり支援日数、更にはJEEDや民間指定機関を含めたジョブコーチの養成数の目標値を設定することなど、国がある程度一定の指針を示して推進していくことも必要なのではないかと考えております。
ここで1点、また追加させていただきたい事項がございます。助成金の申請期間に関するところです。今回紙面では挙げていませんけれども、2021年度から職場適応援助者助成金が雇用保険会計から納付金会計に移管されて、管轄がJEEDになったかと思います。この切替えに当たって幾つかの変更点があったと思いますけれども、助成金の支払いが、初めて実施する支援の開始日から6か月ごとの支給となったかと思います。多くの事業所から、キャッシュフローで困っているというような声が上がっておりますので検討いただきたい。そのため、この助成金自体が人的支援、人が関わるところということも含めて見直しが必要なのではないかと考えております。具体的には、以前のように少なくとも3か月間としていただきたいと考えております。
大項目で3点目です。養成研修についです。現在、就労支援基礎的研修の創設に向けて議論がされていて、就労系の障害福祉サービスの就労支援員であったり、定着支援員の受講が悉皆となることについては歓迎する動きです。しかし、あくまでも基礎的な内容であるため、更なる上位の研修を受講できる仕組みが必要であって、その対象がジョブコーチ養成研修であることは間違いないかと思っております。更なる事業所の質、サービスや支援力向上に向けて、多くの事業所が基礎的研修に加え、ジョブコーチ養成研修の受講が進むよう、加算などのインセンティブの強化が求められるのではないかと考えております。一方で、各々の研修内容が盛りだくさんすぎてしまっても、受講のハードルがどんどん高くなってしまうのではないかということも危惧しております。上位の研修であるジョブコーチ養成研修と基礎的研修の内容が重複しないよう、合理的なカリキュラムや仕組みの検討をお願いしたいところです。また、JEEDと民間研修機関の実施主体が違うことによる費用負担の差についても、受講生の側から見ると負担の不公平感を感じるところです。受講者の費用発生部分については、全て助成措置をしていただくなどの検討をお願いしたいところです。
最後、4点目です。資格化に向けてということです。ジョブコーチの国家資格を目指していくのであれば、ジョブコーチの数を増やしていくことと合わせて質の担保が重要になってくるのではないかと考えています。そのため、例えばですが、キャリアコンサルタントの資格のように技能検定から始めて国家資格化を目指していくなどの段階を踏んで、あるべきジョブコーチの国家資格化像を検討することも必要なのではないかと考えております。さらに、就労支援者の資格化に向けては、これまでも障害者雇用対策課にも御要望させていただいてきたかと思うのですが、地域により専門性の高い人材が職業リハビリテーション計画の策定や職業評価の実施を担って、支援者の養成に向けて助言を行うなど、身近な地域での職業リハビリテーションサービスの充実を図ることが必要であると考えています。そのため、現在、JEEDだけに配置されている障害者職業カウンセラーの所属、組織の枠組みを見直して、オープン化も合わせて検討すべきではないかと考えております。
以上で、全国就労移行支援事業所連絡協議会からの御意見とさせていただければと思います。ありがとうございました。
○小川主査 ありがとうございます。ただいまの御発表について、構成員の皆様から御質問や御意見がありましたら、お願いします。いかがでしょうか。青野構成員、お願いします。
○青野構成員 青野です。よろしくお願いします。今の御発言の冒頭の部分、企業の中にジョブコーチの配置を義務付けていくことについて、私からも非常に重要なのではないかと思って発言させていただきます。今、雇用促進法において、障害者職業生活相談員の配置は義務付けられていると思うのですが、私の知る限りにおいては、特にどちらにも申告をしたり報告をするという書面での届出がないと思います。なので、もし企業在籍型ジョブコーチの配置をすることを今後検討の中で進められるのであれば、そういったことも報告・申請をして、企業がちゃんとそれに対して処置をしているのかを確認する必要があるのかと思いました。一方で、その場合に、今、稲葉様もおっしゃっておられましたが、ジョブコーチが足りるのかというところは少々疑問が残りますので、ジョブコーチの養成とか輩出も、養成できる機関を増やすとか、既に知見のある企業の力を借りていくことを検討いただいてもよいのではないかと思いました。
もう一点は、企業在籍型ジョブコーチの配置を企業に義務付けるのが重要な視点ではないかと思った背景に、今後、雇用率の引上げが実現されて、企業で雇われる障害者が増えていくと思うのですが、そうすると、今まで企業が採用していた層よりも、少し安定をしていない層のメンバーに対しても、雇用を検討していく必要があると思っています。現に私たちも雇用率の引上げに対処するために、今までフルタイムの方の採用をしていたのですが、ショートタイムの方も受け入れるようにという検討をし始めています。そうすると企業が、より専門的な知見を持っている人をきちんと配置して育成をしていかないと、いろいろな危険をはらむのではないかと思っているために、今、御発言いただいた視点は非常に重要かと思いました。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 少し遅れて入りましたことをおわびします。私は協議会の稲葉様に御質問させていただければと思います。公務部門のジョブコーチの派遣の話があったかと思うのですが、就業・生活支援センターでも、実はこの点については過去にも様々な議論があり、省庁との個別の契約の中で支援、提供するのであればという条件でこれまでも対応してきている経過があるのです。何か就労移行支援事業所連絡協議会の中でそういった事案が、実際のジョブコーチの派遣という点であったのかどうかを教えていただければと思いました。よろしくお願いします。
○NPO法人全国就労移行支援事業所連絡協議会 御質問ありがとうございます。協議会の中で具体的な事案が幾つかあったのはあったと思うのですが、ぱっと出てこないので、私自身で今困っていることを少し御紹介させてもらえればと思います。公務部門といいましても、国家公務員だけではありませんので、地方公務員等でいけば、ほとんど支援がなされないところが私の中では課題感としては大きく持っています。
そうした際に、今ある職場適応支援者に対しては、国家公務員にしか提供されておらず、また、ハローワークに置かれているジョブコーチに関しても、愛知県で言いますと2名いらっしゃるのですが、国家公務員を優先的にということで、そちらを派遣することに数的にも十分足りてない実情があるかと思っております。市町村で小さい所になりますと、そこを財源をもって委託することも、なかなか難しい実情にありますので、裾野を見るとかなり大きな問題があるのではないかと考えております。以上です。
○小川主査 若尾構成員、よろしいですか。この点については、厚労省から何かコメントはありますか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局です。公務に対してのジョブコーチ支援を含め、いわゆる納付金、あるいは二事業に基づく業務、支援自体が、今、ダイレクトには使えていない状況にあります。これについては、元年改正の際、いろいろな議論をする中においてもそうでしたし、平成30年に起きた不適切計上の状況等を踏まえたときに、まず政策的な優先順位として低いことと併せて、生じた理由が公務の不適切な対応だったこともあり、極めて厳しい議論がなされたと認識しております。
ただ、一方で、例えば先ほどおっしゃっていた就業・生活支援センターの援助で言えば、もともとセンターを利用していた支援対象者が、たまたま公務に就職すると支援が途切れてしまう状況については、合理性は欠けるのかというところもありますので、状況を見ながらですが、支援の継続性の中で優先順位を上げることができるのであれば、そういった対応は差支えないのではないかということ。
一方で、自治体については、国と同様自立的にやっていくということで、各機関において予算を措置してやっている。あわせて、活躍推進計画作成指針なども作っている意味は、それぞれの機関が責任を持ってやっていくことをうたったものでありますので、自治の範囲まで広げて国がすべからく財源的に措置をしていくのは、恐らく現実的には難しいだろうと思っております。ただ、自立的な支援ができるように地方自治体を含めて支援をしていく方向で言えば、ある程度何か、個別にというのは難しいですが、支援策は考えなくてはいけないのかと思いますが、繰り返しになりますが、国に比べると更に地方自治についてはまた整理の位置付けが違ってくると認識しており、御指摘のような問題も踏まえて、何ができるかは継続的に検討してまいりたいと思います。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。そのほか構成員の皆様から御質問、御意見はありますか。よろしいですか。1点だけ私から確認をさせていただきたいのですが、ジョブコーチのOJTについて、OJTが必要ということについては議論の余地がないかと思います。地域障害者職業センターが行うペア支援について、地域障害者職業センターだけがペア支援に関わるのは実質的に困難と思われるということで、あるいはペア支援のニーズと対応力について、地域の就労支援を行っている方たちの御意見、JEEDの御意見を伺えればと思います。いかがでしょうか。木村構成員、お願いします。
○木村構成員 木村です。私のほうでは、配置型のジョブコーチと一緒に稼働していく時間が現状なかなかないというところで、地域内である一定期間、スキルや経験のある職員と一緒にペア支援を行うことで支援がスタートできるというところは、非常にいいとは思っています。スピード感を考えると、地域の中でできる仕組みが有効なのではないかと考えます。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。JEEDの皆様、何か御意見はありますか。お願いします。
○石井構成員 JEED職業リハビリテーション部研修課の石井です。まず、地域において、地域センターは、御指摘のとおり各都道府県に1か所若しくは2か所ということで、遠隔にある地域への支援には限界があったり、マンパワー的にも制限があります。この後の御議論もあるかと思うのですが、配置型以外において、経験豊富なジョブコーチとのペア支援を通じてOJTが行われていく方向性については、異論がないところです。以上です。
○小川主査 ありがとうございました。そのほか、皆様からありませんか。それでは、ちょうど時間になりましたので、ただいまの御発表については、これで一旦区切らせていただきます。NPO法人全国就労移行支援事業所連絡協議会の皆様、ありがとうございました。
○NPO法人全国就労移行支援事業所連絡協議会 ありがとうございました。では、こちらで失礼させていただきます。
○小川主査 次に、特定非営利活動法人全国就業支援ネットワーク様ですが、本日は文書にて御意見を頂いております。構成員の皆様には、事前にお配りしているところです。これについては、皆様から何か頂いてもお答えが難しいので、お目通しいただいたということで次に進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。それでは、以上で本日の議題(1)ヒアリングについては、終了させていただきます。改めて、本日の御発表いただいた関係団体の皆様には、御協力に感謝を申し上げます。
続いて、広義のジョブコーチ支援について、御議論いただきたいと思っております。第4回で皆様から頂きました御意見を踏まえて、事務局において更に議論を深めたほうがいいのではないかという論点について整理をしております。それでは、これについて事務局から御説明をお願いします。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。資料3に基づいて、広義のジョブコーチ支援(上級ジョブコーチ)について御説明をさせていただきます。第4回において構成員の皆様に御議論いただきまして、その際は上級ジョブコーチの要件について主に議論の焦点が当たっていたかと思いますが、その際、もう少し広義の上級ジョブコーチの人材像や、若しくは実際にどういった業務を担当するのか、業務の範囲についても議論すべきという御意見を頂きましたので、改めて、事務局で、論点を4点ほど整理をさせていただき、本日、御議論をお願いできればと思います。
資料に戻り、1点目です。上級ジョブコーチの人材像です。上級ジョブコーチについて、どういったイメージでこれから議論をしていくのかについて、こういったイメージで今後議論をしてはどうかと事務局から提案させていただいています。上級ジョブコーチの人材像について、当然豊富な経験や高度なスキルを持っているということで、それを生かして、アセスメントを通じてジョブコーチ支援計画策定(プランニング)ができるもの、特定の企業や障害者ではなく、マッチング前からの雇入支援を含む一般的な支援や障害者雇用の経験が少ない企業への雇用管理等、非常に介入度の高い支援ができるもの、地域におけるジョブコーチ支援能力向上のため、ほかのジョブコーチへのスーパーバイズ、ジョブコーチ支援のコーディネートを行うことができるもの、としてはどうかと提案をさせていただいています。
2点目は、上級ジョブコーチの業務の範囲です。1つ目の○、障害者就業・生活支援センター(ナカポツセンター)に、現在、主任職場定着支援担当者を配置しています。その主任職場定着支援担当者の業務をモデルとして検討してはどうかと提案をさせていただきます。主任職場定着支援担当者の業務については、自ら困難事例への支援を行うこと、職場定着や雇用管理等の企業への相談・助言、他の機関へのコーディネート、地域のジョブコーチへの助言などの業務を行っておりますので、こういった業務をモデルとして業務の範囲を設定してはどうかと提案をしています。
また、これ以外に上級ジョブコーチの業務として考えられるものはないかということで、狭義のジョブコーチの支援の対象となっているのは、あくまでもマッチングしてからの支援になっていますが、当然、上級ジョブコーチに関してはマッチング前からの雇入支援を含む一般的な支援を入れることを想定していますが、それ以外にもほかに含めるべき支援があれば、御提案等を頂ければと思います。
3点目です。上級ジョブコーチの要件です。前回も幾つか御議論いただいていたかと思いますが、それを踏まえて整理をさせていただいています。上級ジョブコーチについて、今後検討する上級ジョブコーチ研修の修了者とすることを適当と考えておりますが、その上級ジョブコーチ研修を受講する前提としてどのような要件が考えられるのか、この点について御議論をお願いできればと思います。例えば、助成金活用を含む支援実績や隣接資格の保持等を前提条件として考えられるのではないか、若しくはそのほかにも何か含めるべき要件があれば御意見を頂ければと思います。
2つ目の○ですが、支援実績について、どう評価するかです。前回では、実務経験年数だけでいいのかなど、年数以外に支援の質を評価する方法として、何かあれば御提案等を頂ければと思います。
3つ目の○です。要件として、助成金活用を含む支援実績のみとした場合、支援者の中では管理的立場に就いていらっしゃって、実際に支援の現場に出ていらっしゃらないが、実際にはプランニングやスーパーバイズなどのジョブコーチ支援の管理的立場で関わっている方もいらっしゃると思います。そういった方では、なかなか助成金の対象になってこない場合がありますが、助成金を活用したジョブコーチ支援に準ずる支援、助成金を活用していない同様の支援等を含めてはどうか。この場合、その「準ずる支援」の範囲をどのようにするのか、その評価の方法について御意見等を頂ければと思います。やはり、助成金活用だけに限ってしまいますと、なかなか上級ジョブコーチの裾野が広がらないという懸念もありますので、この点についても、皆様の御意見を頂ければと思います。
4つ目の○です。上級ジョブコーチの配置、これは事務局からの提案です。地域に安定的・継続的に上級ジョブコーチが配置される仕組みとして、ナカポツに上級ジョブコーチを必ず配置することとしてはどうか。財源的な問題もありますが、一応、アイディアとして事務局から提案をさせていただいています。説明は以上です。
○小川主査 ありがとうございます。ただいま御説明いただきました内容について、構成員の皆様から御質問、御意見などを頂きたいと思います。いかがでしょうか。國﨑構成員、お願いいたします。
○國﨑構成員 広義の部分に関してなのですが、今回、この作業部会に参加させていただきまして、これまでもこういった方向性が必要だとずっと議論がされてきて、その必要性はすごく感じております。ただ、私自身は訪問型のジョブコーチ支援で動いていることが多い立場で、ジョブコーチの専門性や、ほかの資格の優位性や専門性というお話がたくさん出る中で、ジョブコーチの専門性は一体何だろうというのを、ここ1か月ぐらいずっと考えていました。
この広義のジョブコーチの、こういった人が必要なのは非常に分かるのですが、少し気になったのが、もしかすると、ここに書かれている内容だと、企業在籍型の方の広義という意味合いと訪問型のジョブコーチの広義の意味合いというのは、経験の評価やその専門性の在り方でいうと少し違うのではないかなと。今の養成研修でも、同じ広義の中でも、どちらの目線でということで演習なども組み込まれていたり議論されたりする場面があるかと思うのです。この広義のジョブコーチの在り方についてはすごくいいと思うのですが、もう少し丁寧に、企業在籍型の延長上と訪問型の延長上の整理は必要ではないかなと、非常に思ったところです。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。広義のジョブコーチの土台のところについては、もう必要性について十分議論されてきて、それについてはいいのだが、一歩踏み込んで議論をするときに、具体的には恐らくカリキュラムということになっていくと思いますが、企業在籍型と訪問型と分けて考える必要があるのではないかと。カリキュラムを考えるときも、実際に、やはり実働の状況と、現実にどういった役割が企業の中と地域の中で行われているのかをよく確認する必要があるかもしれません。ありがとうございました。
○小野寺障害者雇用対策課長 少し確認させていただいていいですか。
○小川主査 どうぞ。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局です。今の國﨑構成員の御意見としては、養成研修の内容というよりも、最終的な人材像として、今事務局が整理をしたような形で一くくりにするのではなくて、訪問型と在籍型を分けて整理をしたほうがいい、そこにもちろんカリキュラムなどが紐付いてくるわけですが、仕上がりの人材像から整理をしたほうがいいという御意見と受け止めたほうがよろしいのでしょうか。この確認をさせていただきたいのですが。
○國﨑構成員 要は、カリキュラムにももちろん影響してくるところなのですが、やはり広義の上級ジョブコーチがどうあるべきかを押さえておかないと、全てそこら辺はリンクしてきますので、本当にそこの分割も当初から必要だと思います。それに応じて評価して、広義のジョブコーチ養成研修を受ける方の要件も、それに基づいて評価されるべきですし、実際に広義のジョブコーチとなって活動する者も、今、ナカポツの主任定着のモデル的なものになっていますが、この辺も企業在籍の方のスキルをいかしてということと、地域でというのは少し違ってくるものがあると思いますので、基本的なところからも少し整理した上で、カリキュラム、その後の活動や、養成研修を受ける要件も考えていってはどうかなと思っております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。いかがですか。
○小野寺障害者雇用対策課長 御指摘は理解いたしました。どういった形がいいのかというところ、最終的に資格化を目指すことも含めて考えると、どこで活動しているかということではないのかなと思っています。今のこの検討自体は、養成研修について検討していますので、企業在籍型なのか訪問型なのかによって、それぞれ仕上がり像が違うだろうというのはおっしゃるとおりかなと思います。ただ、その先において資格化を目指すと、どこに配置されているか、どういう活動をするかというよりは、もう少し本質的な議論なのかと思うので、そこは少し引き続き整理をさせていただきたいと思います。
○小川主査 そうですね。今回のこのレジュメの中で、人材像と研修としての上級ジョブコーチと、その研修を受けた人が制度の下でどこに配置されるべきかという論点がミックスで述べられていますが、実際に、今後議論を進めていくときには、國﨑構成員がおっしゃられたようなことを踏まえて検討していくことになると思います。
ただ、人材像については、1つは、やはりアセスメントに基づいて支援計画を立てられることと、スーパービジョンができること、全体のコーディネートを行う、これは地域や企業様の場合にはグループ会社等も含めて全体のコーディネートと読み替えていけるのではないかと思いますので、基本的にこの全体像については、訪問型も、これから目指すべき企業在籍型も、イメージとしては、ずれがないのではないかなと私は理解しています。ただ、その上で、具体的なところについて、カリキュラムの中で企業在籍型と訪問型、それぞれの相違点を明確にして組んでいく部分も必要ではないかという御指摘はそのとおりかと思います。そのような理解をしておりますが、よろしいでしょうか。この辺をまた詰めていきたいと思います。
○小野寺障害者雇用対策課長 はい、そうですね。
○小川主査 青野構成員、お願いします。
○青野構成員 青野です。今の点なのですが、これまでの本作業部会の中で、上級ジョブコーチについては訪問型を中心に考えていくという議論があったかと思うのですが、その点も含めて、企業在籍型も上級ジョブコーチに進める可能性があるという検討になっているという理解で大丈夫でしょうか。
○小野寺障害者雇用対策課長 そのとおりです。特に企業在籍型は上級がないということではなく、今の研修体系の中で上級を作っていこうということなので、おっしゃるとおりです。
○青野構成員 ありがとうございます。
○小川主査 そのほかはいかがでしょうか。青野構成員、お願いいたします。
○青野構成員 青野です。もう一点、上級ジョブコーチの資質や質を担保するというところでの御相談なのですが、私たちは企業の中でジョブコーチ支援を導入するときは、企業の中にいるので、自分たちの支援が本当に効果があったものなのか、なかったものかは、直接自分たちがフィードバックを受ける環境にいます。
一方で、社外の定着支援をしてくださる就労移行支援事業所や、定着に関する各所、センターの方と連携をしたときは、もちろん大変お世話になっていて、非常に助けられるときもあれば、少し支援が一方通行だなと思うときも実はあるのが現実だと思っています。それは、教科書的な支援や理想的な支援のアドバイスを頂くのみで、現実に企業の中でそれを落としたときに、効果を得ることができないことが十分にあるのが実態だと思っています。
なので、上級のジョブコーチといったときに、何か第三者などのサービスの受け手から評価を受けられる仕組みを検討いただくと、この業界の質の向上にもつながり、その担保にもつながってくるのかなと思っております。コメントでもいいですし、あるいはリクエスト件数でもいいので、何か第三者の評価を受けられるような仕組みを考えられないかなと思いました。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。御意見として伺っておけばよろしいですか。参考とさせていただきます。
○青野構成員 ありがとうございます。
○小川主査 そのほかはいかがでしょうか。では、私からいいでしょうか。
○小野寺障害者雇用対策課長 お願いします。
○小川主査 3の広義のジョブコーチの要件の所で、上級ジョブコーチは1回研修を受けた後、それを維持する、いわゆる更新の仕組みについてもディスカッションが必要なのかと思いますが、いかがでしょうか。
それから、4番目、広義のジョブコーチの配置について、ナカポツに上級ジョブコーチを必ず配置することとしてはどうか、これは2の主任職場定着支援担当者の業務をモデルとして検討してはどうか、という所と関連して、基本的には賛成です。先ほども、やはり地域の中に上級ジョブコーチがいる必要があるというところで、そこの基地を求めていくと、やはりナカポツが、それだけにするか、あるいはほかの可能性も検討するかはまた次の議論になるかと思いますが、第1次としてはナカポツが適当なのではないかと考えます。ただ、主任職場定着支援担当者のときも、やはりそれだけの要件を満たした訪問型が地域にいないということで、なかなか主任職場定着支援担当者が当初の設計どおりには進まなかったこともありますので、まず、ナカポツに関係するジョブコーチ、これは上級ジョブコーチに限らず配置して、その人が実務経験を積んで、そして研修を受けて上級ジョブコーチになるというプロセスも含めての、恐らく4番の御提案ではないかなと捉えていますが、いかがでしょうか。その点について何かありましたらお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局から、今の御指摘についてお答えいたします。まず、1点目の更新の必要性については、これは最終的な資格化を目指したときにも、一定の養成研修の中での階層的な構造を構築する上で留意しておくべき御指摘かなと思っております。先ほど青野構成員からもあったように、質の担保という意味でも、何らかの形で一定の第三者から評価を受ける、御指導を頂くという仕組み作りは必要であろうし、そういったことを経た上で更新ができる形を取っていくことが理想的なのかもしれません。ただ、そういったソースをどこに求めてやっていくかは現実的にとても難しいので、留意しながら引き続き検討していきたいと思います。
それから、先ほども御指摘があったように、今回、資料3でお示ししたペーパー自体が、人材像という形での専門人材としての議論と、業務で言うと、これが企業在籍型か訪問型かで大分具体的なイメージが変わってきますので、そういった整理が少し不十分だったなという意味で申し上げると、4の配置も、主に訪問型ジョブコーチを念頭に置いたような形になってしまっていますので、更に整理が必要かなと思ってお聞きしておりました。
いずれにしても、ナカポツ自体は、いわゆる就労支援機関の在り方の中においても基幹型の位置付けを目指していこうとなっていますので、経過期間などいろいろなことはあるとしても、最終的には上級ジョブコーチが必ず配置されている状況を目指す方向性にフィックスした上で、プロセスをどう置いていくかは、また別途議論しなければいけないのだろうと思います。
また逆に一方で、今、主任職場定着と名乗っている人が主任職場定着と名乗れるレベルではない方もいらっしゃるので、ここはここで前提として整理をしていく必要性があるのだろうと思います。いずれにしろ、進むべき方向が何かをまずフィックスして、そこに向けてのプロセスをいろいろ取らないと、一気には行けないだろうというのは十分分かっていますので、そこも含めて検討できればいいかなと思います。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。そのほかはいかがでしょうか。若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 広義のジョブコーチの人材像の中で、幾つかモデルのような形で示していただいていますが、これは総量として、どのぐらいの数の上級ジョブコーチを地域の中に配置していくことを検討されているのか。これも第4回の作業部会の中で意見を申し上げたのですが、そもそもの訪問型ジョブコーチの活動状況を鑑みたときに、更にその上の階層にジョブコーチの上級職を作ることになると、やはり先細りの感じが何となくしているところです。どのぐらいのイメージでいらっしゃるのかと。
御意見として少し述べさせてもらえるのであれば、一定の訪問型ジョブコーチとしての経験を積むことは大前提なのですが、かなり法人の組織の中で役職が上がっていって、現任職から外れてしまっているような方も、もしいらっしゃるのだとすると、そういう方たちについても、上級ジョブコーチとしての人材像としてはリンクするのかどうか、もしするのであれば、もう少し裾野を広げていくことができるのではないかと感じています。御意見として述べさせていただければと思いました。以上です。
○小川主査 これについて何か事務局からありますか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局です。最終的なボリュームがどのぐらいかについては、現時点において具体的な数値を申し上げるのは難しいかと思っています。ただ、繰り返しになりますが、最終的に資格化を目指していくと、かなりのボリューム感をもっていかなければいけないと思っています。ただ、養成機関との裏打ちも必要ですし、そこをどうプロセスとして描いていくかなのだろうと思います。
最後は作業部会としては、その辺りまでを想定しながら取りまとめていくのだろうと思いますが、現時点では、そこをお答えするのは難しいかと。一方で、今、そういった御指摘を頂く意味としては、先ほどおっしゃっていたような、余りにも間口を狭く置いてしまうと、そもそもそこに到達するのが極めて困難になってしまうことと、ただそうは言っても、一定の質を担保しながらどこまで間口を広げていくかと言えば、現時点において実践を外れていて完全にスーパーバイザーやスーパービジョンの役割に立っている方についても、ここは3の要件にも書いていますが、「準ずる」というところをどこまで見るかも含めて、過去に遡って、今、いわゆる実践を積んでいる方の指導していることをもって、それイコール実践と見立てるなど、そういった形で少し広く捉えることができる部分については、十分に留意して入れていくことでいいのではないかと、現時点においては考えております。以上ですが、よろしいでしょうか。
○小川主査 ありがとうございます。労働政策の中で考えると、やはりナカポツの配置や現行の助成金で活動するジョブコーチの更にステップアップとして考えていくことになりますが、就労移行支援事業所でのサービス管理責任者は、やはりこの上級ジョブコーチ研修をきちんと修了した上級ジョブコーチであることが、将来的に評価されたり、あるいはナカポツのスタッフも、ジョブコーチの担当者以外にもきちんとこの上級ジョブコーチ研修を受けていたり、あるいは企業在籍型ジョブコーチの中にも、こういった方たちが多くいる状況になっていくことを目指して、それぐらいのボリューム感でいくと、当然、百単位ではなく何千という単位であったり、それから年度の経過により1万を超えるようなことも考えてもいいのではないかと。少なくとも、就労支援の組織単位の中に上級ジョブコーチがいるということぐらいを、個人的には目指してもいいのではないかなと思っています。あくまで個人のイメージです。それでは、國﨑構成員、お願いいたします。
○國﨑構成員 すみません。これまでの会の中でも明確にお話があったのかもしれませんが、広義のジョブコーチと資格化の所は、資格化というのは、その上級ジョブコーチを言っている意味合いではないという理解でよかったでしょうか。
○小川主査 上級ジョブコーチと資格化の関連性のところですね。
○國﨑構成員 はい。要は、やはりこういう人材が資格化をもって増えることはいいのですが、正にこの上級ジョブコーチの在り方や持っている経験、やるべき対応内容を考えていくと、資格化としてもう少し。私はキャリアコンサルタントを持っていますが、ザーッと研修して、試験を受けて、実務もやりながら一定の資格を取って、あとはフォローアップの研修を受ける方針になっています。その部分と、この上級ジョブコーチということで、正に地域ネットワークや地域での人材を広げる役割をこの広義のジョブコーチの方が担ってほしいと思っているのですが、リンクして、上級ジョブコーチが資格化の対象という意味合いではないという理解で大丈夫でしょうか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局です。明確に上級ジョブコーチイコールそのまま資格になるというイメージをお伝えしてきたつもりはなく、もしそういった誤解があれば申し訳ありません。
まずは、今の研修体系の中で、階層的な育成という形のスタイルを作り上げることが大前提にあり、その中で最後に、そこを核としたときに、障害者の就労支援に携わる専門人材をどう描いていくのかで言えば、もう少し広い範囲を視野に入れながらの人材像となっていくのではないかと思っています。まず、こういった障害者の就労支援に携わる人たちが、専門的に育成されていくという姿を描かないと、その先の資格化は多分あり得ないので、継続的につながっていく議論ではありますが、イコールではないという認識でよろしいのではないかと思います。
○小川主査 よろしいでしょうか。
○國﨑構成員 ありがとうございます。
○小川主査 そのほか、いかがでしょうか。青野構成員、どうぞ。
○青野構成員 青野です。今の議論で、ジョブコーチや上級ジョブコーチがどうやってニーズが増えていって、国の中で障害者を育成する専門人材が育つかというところなのですが、もしかすると、大企業、何千人以上の企業に対しては、先ほどの企業在籍型ジョブコーチの配置を求めるなどの整備をしていただくと、例えば費用など、耐えられる企業から必要性が進んでいって国に浸透していくのかなということを少々思いましたので共有させていただきたいと思います。そして、企業が必要と認識するところから専門人材の必要性や認知が広まっていくのかなと少々思ったところです。
○小川主査 ありがとうございます。そのほか、いかがですか。では、1点だけJEEDに伺いたいのですが、広義のジョブコーチの人材像の所の上のほうで、アセスメントを通じてジョブコーチ支援計画策定(プランニング)ができるもの、3点目として、スーパービジョン、コーディネートができるもの、この要件は、かなり障害者職業カウンセラーと似ているというか、役割が重なっている部分があるかと思うのですが、こういった要件ができるようになっていくための、何かポイントや研修の体系、あるいは実務経験など、その辺でコメントを頂けることはありますか。というのは、これは、やはり研修だけでは難しいであろうと。やはりスーパービジョンを受けることによって、スーパービジョンをできるようになるし、支援計画を作成して、それについて指導を受けることによってできるようになっていくのではないかなと、ちょっと想定しているので、カウンセラーの方の成長・育成のことと併せて考えていく必要があるかなと思い、御助言を頂ければと思います。
○石井構成員 ありがとうございます。JEED職業リハビリテーション部研修課の石井です。正しく、小川主査のおっしゃるとおり、研修の知識だけでスーパーバイズやコーディネートを行うことは非常に難しく、カウンセラーの養成においては、まず1年目に、集合形式で3か月程度専門的な知識を付与するとともに、地域センターにおいて実際の支援等に携わることを通じて、基本的なカウンセラーの資質を備えられるようにしています。更に2年次、3年次においては、若手のOJTという形で、地域センターの業務全般、つまり、アセスメントやプランニングだけではなく、事業主支援や関係機関支援の全体を分かった上で、徐々に後輩のカウンセラーの指導などを行っていく形となります。やはり、特にOJTが効果的だと思われ、実務を通じた研修が重要になってくるかと考えます。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。研修だけでなれる上級ジョブコーチではないものにするために、なかなか難しい課題ではありますが、OJTを、スーパービジョン関係というのをどういうように盛り込んだらいいのかというのも検討の余地があるかなと感じました。ありがとうございます。そのほか、いかがでしょうか、よろしいでしょうか。それでは、時間の都合もありますので、この課題については一旦区切らせていただきます。
続いて、ジョブコーチ支援の活性化に向けた対応まるいち、助成金と申請手続について御議論を頂きたいと思います。具体的な助成金額の案について、事務局からお示しするとともに、職リハ計画や支援計画承認手続の省略等の申請手続に関わる論点について整理していきたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。資料4を使って、ジョブコーチ支援の活性化に向けた対応まるいちについて御説明をいたします。
前回の第4回、助成金の金額や申請手続等についての御議論を踏まえて、事務局で整理しております。資料4の1枚目ですが、まず支給金額について御説明いたします。訪問型と企業在籍型にそれぞれ分けておりますが、まず、その前提として、障害者雇用納付金財政の安定的運営のため、納付金を財源とする助成金制度の全体のバランスを取りながら、以下の一定の見直しを行いたいと考えております。まず、訪問型ですが、現在の助成金の日額の単価については、現行の4時間を区切りとする計算方法を維持した上で、一定額引き上げる方法で見直しをしたいと考えております。現行、4時間以上の支援だと1万6,000円、4時間未満だと8,000円となっておりますが、障害福祉サービス等の従事者の処遇等の状況を見ながら、変更案として、4時間以上は1万2,000円を引き上げて1万8,000円、4時間未満がその半額の9,000円としてはどうかということで提案をしております。
さらに、2つ目の○のほうですが、こちらも新しい考え方、計算方法になりますが、1日に複数のケースを支援した場合、支援ケースごとに支給決定するとともに、1日の支給金額の上限を日額以上に引き上げてはどうかということで提案をしております。現行は、1日に複数の支援をしたとしても、合計の時間で決められているので、上限額は現行で1万6,000円となっております。これを、例えば1日4時間を2ケースやった場合を想定すると、変更案が1万8,000×2で3万6,000で、1日の上限額を3万6,000円としてはどうかということで示しております。
3点目ですが、支援計画作成のためのアセスメントについて、支給対象となる日数を増加させてはどうか。前回、國﨑構成員のほうから、アセスメントの日数を最大4日からプラス1日という御提案を頂きましたが、今後、複数のジョブコーチによるペア支援や配置型以外とのペア支援も想定されることもあるので、例えば、2人のジョブコーチがそれぞれ一緒にアセスメントを行った場合、4×2で最大8日ぐらいにしてはどうかということで提案をさせていただいています。これらの複数のジョブコーチによる支援を想定した場合で、例えば、中には経験を積まれて1人でアセスメントをやられる場合もあると思うのですが、そういった場合、現行の助成金の実態を見ていると、1人で最大4日までやるケースがそれほどないというような実態もあります。そうした場合、複数のジョブコーチの支援、アセスメントを行う場合は最大4日として、単独にする場合は現行の4日、若しくは5日とするか、そういったところについても御意見を頂ければと思います。
続いて、企業在籍型ですが、ジョブコーチによる同一事業主の同一事業所における2回目以降の支援についても、現行は対象となっていないのですが、これを対象とするとともに一定の制限を行うということで提案をしております。その制限については、過去の支給実績を参考に、同一事業主の1年度内の上限額を設定してはどうかということで提案をしております。過去、令和2年度までは雇用保険財源のほうで、この助成金を扱っておりましたが、その際は、回数の制限はありませんでした。そこの実態を見ていると、およそ数パーセントの事業主が全体の予算の半分ぐらいを持っていってしまっているという実態もあったので、それを踏まえて、その状況を見て、上限を300万円ということで設定しております。
続いて、2枚目ですが、支給申請手続について幾つか論点を示しております。職業リハビリテーション計画についてですが、これを不要、策定する必要はないのではないかということで、まず、策定しない理由について整理をしたいと思っております。職業リハビリテーション計画について、マッチング後や雇用継続中における計画的な支援が必要な場合は、一般的にはジョブコーチ支援による支援が行われると考えていて、そうした場合、必ずしも策定する必要はないのではないかと。また、この場合、ジョブコーチ自身がアセスメントを通じてジョブコーチ支援の必要性を判断することになるのですが、その判断をするのは、上級ジョブコーチや経験豊富なジョブコーチをその判断ができる者として設定してはどうかということで提案しております。その場合、上級ジョブコーチに関しては、一定の要件を持つ者が上級ジョブコーチ研修を受けて上級ジョブコーチになっていくことを想定していて、その辺は要件としては分かりやすいのですが、経験豊富なジョブコーチを設定する場合、その要件をどのように考えるのかということで御意見等を頂ければと思います。
それでは、2つ目の支援計画承認手続を不要とする点についてです。現在、地域障害者職業センターによる支援計画承認手続を不要とする場合、今後、その要件はどのようなものが考えられるのか御意見を頂ければと思います。その要件として、例えばジョブコーチ自身の支援実績、また、訪問型であれば運営法人のスーパーバイズの体制であったり、要件についてどのようなものが考えられるのか御意見を頂ければと思います。また、この承認手続を不要とする場合、どのような方法で支援の質を担保するかについても御意見を頂ければと思います。例えば、ジョブコーチについて定期的な研修受講を義務付ける、また、外部機関による確認・指導等を設けるなど、そういった支援の質の担保の方法について御意見を頂ければと思います。
続いて、ペア支援です。現在、初回支援については配置型のみとなっていますが、初回支援について、配置型ジョブコーチ以外のジョブコーチとのペア支援も可能とすることとして、その場合、ペア支援可能なジョブコーチは上級ジョブコーチとしてはどうかということで提案をしております。ただ、その場合、ペア支援可能なジョブコーチの情報管理やマッチングをどのように行うのかということについて、今現在、各地域に活動可能なジョブコーチの情報、そもそも養成研修が終わった方の情報もなかなか把握できていないというところもあります。マッチングの前提として情報管理が必要になると思うので、その情報管理を誰がどのように行うのかという点について御意見等を頂ければと思います。この論点については、今後の活性化に向けた対応でも論点となってくるので、併せて議論していきたいと思います。
最後に、4点目の支給申請の期間です。支給申請の期間を6か月から3か月に短縮してはどうかと、この作業部会で様々な構成員の方から御意見を頂いておりますが、今後、申請事務であったり審査事務の負担増を踏まえて、引き続き検討してはどうかということで示しております。簡単ではありますが、私からの説明は以上です。
○小川主査 それでは、この件についての意見交換に入っていきたいと思います。前半の部分と後半の部分はやや論点が違ってきますので、まず、前半の助成金の支給金額の件について、御意見、御質問を頂きたいと思います。皆様、いかがですか。これはかなり具体的な額が提示されていますので、実際に助成金を活用されている方たちの感想や御意見を頂ければと思います。いかがですか。國﨑構成員、お願いします。
○國﨑構成員 今回頂いている、活性化のための助成金の額面と計画策定についての所は、今と倍の金額の状況となりますので、運営の活用が広がるということには一石を投じる状況になるのかと思っています。また、計画策定については、私もこの日程について以前意見を述べさせていただいたのですが、そういった意味で、今後ペア支援が増えていく場合、それは地域間や、上級ジョブコーチが今後発生するようになったとき、また、法人の中でもダブル体制を取る中では、この日数が増えることは非常に有り難いと思っています。計画までをしっかり作ることで、その後の支援が明確になりますので、とても良い提示を頂いていると思っております。以上です。
○小川主査 そのほか、訪問型についても、また企業在籍型についても、御意見はいかがですか。青野構成員、お願いします。
○青野構成員 青野です。企業在籍型について2回目以降の支援についても対象とするという検討については、大変有り難いと思っております。是非、お願いできればと思います。もう一点は、今後の専門人材の育成を促進していくことを踏まえて、スーパービジョンを行ったときについても、特定の相手に対する支援というよりは、実施時間を助成金の対象にすることを御検討いただいても有り難いのではないかと思いました。以上です。
○小川主査 青野構成員、スーパービジョンは、企業在籍型の場合に、どういった方が、どういった方に対してのスーパービジョンということを想定したらよろしいですか。
○青野構成員 企業在籍型の支援を行っている者同士、訪問型であれば訪問型同士ということを現時点では想定しました。
○小川主査 ありがとうございました。そのほかにいかがですか。若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 私からも意見を申し上げます。訪問型の1日に複数のケースをした場合の支援ケースごとの支給変更案として3万6,000円ということについては、私も非常に有り難いと思います。複数の箇所に訪問するケースは、訪問型の場合は従来からやっていました。上限が決まっているということで、請求ができない支援はこれまでも行っていた現状がありますので、こういった形を認めていただけるのは非常に有り難いと思っています。是非、導入していただけると有り難いです。以上です。
○小川主査 そのほかはいかがですか。
○小森地域就労支援室室長補佐 事務局の小森です。説明の中でも少し触れましたが、訪問型の場合のアセスメントの日数です。今回、複数のジョブコーチの支援を想定して倍増とさせていただいておりますが、実際の単独支援の場合のアセスメントの際に必要な日数となりますと、8日まで必要になることはありますか。例えば、単独支援の場合は、8日までとせず、5日だったり、6日だったり少なくなる場合もありますが、その辺は実態として単独支援の場合のアセスメントの日数はどれぐらいになりますか。その辺がもし分かりましたら、実態を教えていただけると有り難いです。
○小川主査 この点はいかがですか。木村構成員や國﨑構成員は、現場の支援の御経験で、いかがですか。木村構成員、お願いします。
○木村構成員 私としても國﨑さんがおっしゃっているとおり、5日間ぐらいあったほうが、丁寧なアセスメントというところではいいのかなと感じております。以上です。
○小川主査 逆に、8日ぐらいの事例というのは、これまでの御経験の中で必要性についてはいかがですか。
○木村構成員 8日だと妥当かと思っています。
○小野寺障害者雇用対策課長 単独支援の場合ですか。
○小川主査 単独支援の場合に、ざっくり3日とか、あるいは1週間入るとか、更に1週間では足りなくて8日とか、そのような整理になるかと思います。単独支援の場合でも、8日間が必要とお考えですか。
○木村構成員 特にナカポツセンターの場合は、入る前のアセスメント量がもしかすると極端に少ない対象者の方もいるので、少し長めの日数を設定していただけると、稼働に関して不安はないのかなと思います。
○小川主査 分かりました。國﨑構成員、いかがですか。
○國﨑構成員 計画策定までを入れての日数という理解でよろしいですか。書面の計画策定の分までという意味合いだと理解していますが、現状、実務でやっている中で言いますと、正直もう1日あったら非常に助かるのが肌感覚的にはあります。ただ、今、木村構成員がおっしゃったように、移行さんなど情報が非常に少ないとか、企業からの依頼で支援計画が付いていない方の支援をスタートすると思うと、更にもう1日、2日あればもう少しがっつりと今の課題で、どこを支援したらいいかという計画を明確に立てやすい日数になるかとは感じているところです。以上です。
○小川主査 現場のほうの御経験で、若尾構成員、何かありますか。
○若尾構成員 私の法人でいきますと、大体、2週間、10日ぐらいの実習期間を相場として企業と調整しながら求めていくのが、事例としては非常に多いのです。そのうち、結局、今のジョブコーチで計画を作成するに当たっては、1日以上は現場に入らなければいけないということになっているはずです。それ以外の日数が結果的には計画書の作成ということになるのです。そこの上限が、現行では4日となっていますので、私は最大1週間の5日ぐらいは設定していただけると有り難いと思っています。これは多分、4時間以上4時間未満になるので、4時間以上の枠が最大8日で倍増になっているということでよろしいですよね。4時間未満でいくと、これが16日になるのだと認識しています。例えば、2週間ぐらいの実習期間中にアセスメントを取って、実際に現場には4時間未満であれば2日分、それ以外の日数を計画作成に載せるのだと、ちょうど今、私たちがやっているような実習にジョブコーチを派遣するときの実働の日数になってくるかとは思っていますので、8日頂けると非常に有り難いことになると思います。現実的な話でいくと、多分、これが7日ぐらいで、4時間未満でいけば14日という感覚なのかなと捉えていましたから、あえて少なくなる発言はしないほうがいいのかなと思って言ってはいなかったのですが。すみません、そんな感じで感想としては思っています。
○小川主査 國﨑構成員、どうぞ。 
○國﨑構成員 その点で言いますと、今、若尾構成員がおっしゃったように、私どもの場合では、実習支援の所は全てボランティアになっているので、本当にその部分まで言いますと、今おっしゃったような日数があると非常に有り難いと言いますか、丁寧にやれるというのが現状です。今は実習の採用確定までで、あらかじめこの方は支援依頼をしたいのだというニーズがあったときには、実習の所に1日、2日行くことはあるのですが、全てボランティアで動いているのが現状です。以上です。
○小川主査 よろしいですか。これは企業さんの規模と、障害者雇用の経験によっても随分必要性が変わってくるかと思います。特例子会社様に送り出していく場合と、雇用経験のない、本当に小さな企業さんに送り出していく場合と、多分、同じアセスメントと言っても支援の厚みが違ってくるかと思いますので、なかなかお答えも難しかったのではないかと思います。ありがとうございました。参考とさせていただきます。
それでは、次の論点の、計画等の手続の簡略化というか、よりシンプルに、効率的に進めたらどうかという提案を頂いていますが、これについてはいかがですか。職業リハビリテーション計画、支援計画の承認手続、ペア支援、支給申請の期間、4つ御提案いただいています。御意見をお願いします。青野構成員、お願いします。
○青野構成員 支援計画の承認手続で、地域職業センターによる承認を不要とする場合のアイディアですが、今後、ジョブコーチを増やしていくことを考えますと、ジョブコーチ養成研修実施機関が承認の役割を担うということはいかがですか。以上です。
○小川主査 そのほかはいかがですか。景山構成員、田村構成員、何かありましたら、どうぞお願いします。木村構成員、どうぞ。
○木村構成員 ジョブコーチ支援を行っていくに当たって、職業リハビリテーション計画は大変重要なものかと私も認識しておりますので、是非、引き続きJEEDさんに行っていただけると良いかと思っています。それに伴って、やはりジョブコーチの支援は、少し地域性だったり、スピード感を持ってというところがあるので、中身についての精査はある程度経験豊富なジョブコーチだったり、上級ジョブコーチがいる所に任せていきながら、お金の管理をJEEDさんに絡んでもらうことで、タイムリーな支援につながるのではないかとは思っています。以上です。
○小川主査 木村構成員の中で、職業リハビリテーション計画はJEEDさんで継続を、具体的なジョブコーチ支援計画はもう少し地域のほうでスピーディに、職業リハビリテーション計画については、普段、どのような位置付けというか、捉え方になっていますか。
○木村構成員 私たちのセンターでは、基本、職業評価を受けた内容を、カウンセラーさんが仕上げる前に、評価の中である程度詰めた上で、それをもとにこういうふうに進みますということをダイレクトに落として、時間差がないような形で運用させていただいている現状がありました。書面が来て、それを待ってということになってしまうとなかなか難しいので、うちのセンターで関わっている場合はそういう方法を取りながらタイムリーに支援をしているのです。問題なのは、うちのセンターが関わっていない所はどうしていったらいいかは、私の考え的にはまとまってなかったです。
○小川主査 職業リハビリテーション計画は、やはり策定のところで、障害者職業カウンセラーさんとのコミュニケーションがまずスタートするということでしょうかね。ありがとうございます。若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 私は、職業リハビリテーション計画は必ずしも策定する必要がないのではないかという意見に賛成です。私の所は複数のジョブコーチを配置していて、更にその上に職業カウンセラーと同じような役割として、そのマネジメントを行う職員も配置している状況になるので、今の現行の職業センターに、私どもがお願いをしていくプロセスで言いますと、明確なリハビリテーション計画の指導を受けながら計画を作成することがほとんどありません。そういう意味では、私たちのように、自立して進めていけるような所に関しては、是非、そういうところも担わせていただきたいと思っております。逆に、広義のジョブコーチを今後増やしていくという方向性を考えたときには、そういうことを横展開していけるような形を目指していかないと、今の訪問型ジョブコーチの数であるとか、限られた人たちの中だけでこれをやっていくのは限界があるのだと思っていますので、できればこれをそういう方向に持っていきたいと思います。
ただ、懸念事項として木村構成員がおっしゃったように、1人で配置されている訪問型の所の数が非常に多いのです。そこに対してどういうOJTができるのか、若しくはリハビリテーション計画がそれになるのか、支援計画書作成のときにどういう関与の仕方ができるのか、その辺の一定のルールは、質を担保するためには必要ではないかとは思っています。
もう一点は、これは提案で計画の所からずれてしまうかもしれませんが、推進協議会の在り方についても、そこと連動させていただくことが支援の質を地域の中でどうやって担保していけるか。これを職業センターのカウンセラーの皆さんと共有しながら、地域の中でどうやって作っていけるかになるのではないかとも考えています。この計画については、そのような考えでいるところです。以上です。
○小川主査 先ほど景山構成員が手を挙げていて、私がスキップしてしまったような気がしますが、いかがですか。
○景山構成員 私は企業在籍型ですので、職業リハビリテーション計画、支援計画等の作成はしたことがありません。ただ、今、聞いていて思うのは、こういったところをなるべくスムーズに整合性のあるようなやり方に持っていって、訪問型の方が実際企業にどんどん入っていき、我々企業在籍型を鍛えていただくような、共に力を付けていくようなお立場に早くなっていただけたらと思います。それに関しては、前ページにありました、企業在籍型が上限300万円ということは大変有り難いお話ではあるかと思いますが、私ども中小企業からしてみますと、300万円はとてつもない数字になりまして、そんなに必要なのかと。できればもう少し中小零細があまねく受けられるような形に持っていくためにも、上限をもっと下げてもいいのではないかと。限られた財源の中で、訪問型の方が、なお力が発揮できるような合理的な財源の活用も、もう少し計画を考えてもよろしいのではないかと思います。
もう一点は、中小企業庁から、約束手形の支払い期間は60日以内という要請が出ている現状で、キャッシュフローを考えたときには、事案が起きてからお金が入ってくるまでが大体90日あれば健全な活動ができるということで、中小企業庁も要請されているのかと思いますと、できればこの3か月が望ましいのではないかと思います。以上です。
○小川主査 中小企業のお立場からの御意見は大変参考になりました。そのほかはいかがですか。職業リハビリテーション計画、あるいは支援計画案について、JEEDからのお考えも聞かせていただければと思いますが、いかがですか。
○石井構成員 JEED職業リハビリテーション部研修課の石井です。まず、現状をお話させていただきますと、訪問型ジョブコーチの方、企業在籍型ジョブコーチの方、両方ですが、やはり経験とか実績のある方と、これから始められる方では、大きく違いがあります。経験や実績を積まれている法人やジョブコーチは、ジョブコーチ支援計画の策定に関する助言を特段必要としないのが実情です。
あとは、資料で御提言いただいている、マッチング後や雇用継続中における計画的な支援が必要な場合は、一般的にはジョブコーチによる支援が行われるので、必ずしも策定する必要はないのではないかということについて、JEEDにおいてはですが、マッチング後や雇用継続中における職リハ計画のバリエーションとして、ジョブコーチ支援のほかに、カウンセラーが事業所へ出向いて相談や情報提供を行う、施設内の支援を使って職場定着に必要なスキルを付与する、職場復帰の方にはリワーク支援を提供するといったことがあるのですが、計画的に支援を行ったほうがよい場合については、ジョブコーチ支援が一般的な方法になってくるかと思われます。そういった意味で、職リハ計画の策定について、JEED以外の所にその必要性を判断していただくことも妥当ではないかと考えております。以上です。
○小川主査 支援計画、職リハ計画等、個々の計画については、お考えはよく分かりました。それから、地域で支援されている方たちの御意見とも合っているように思います。これまでの経過の中で、都道府県内で訪問型ジョブコーチを実施している機関がどういった状況なのかとか、訪問型をやめてしまったので次の方は大丈夫かなとか、常に都道府県内の訪問型ジョブコーチの状況について把握し、また、維持や活性化について、一定の役割を地域障害者職業センターが果たしてきたように私は理解しております。こうした計画での紐付け、関係性がなくなることによって、そこの役割機能が少し落ちてしまうことが心配だなと私は思うのですが、そういったことについてはいかがですか。何か別な方策とか、あるいはお考えがあればお聞かせいただければと思います。
○石井構成員 JEED職業リハビリテーション部研修課の石井です。確かにおっしゃられるとおり、職リハ計画承認等においての関わりがなくなった法人、ジョブコーチの方との関わりが薄くなることは否めないかと思います。その関わりをJEED、地域センターとしてどうするのかという議論は必要になってくるのではないかと思います。それは、地域におけるジョブコーチのネットワーク作りをどのようにしていくのかという議論にもつながってくるのではないかと考えます。以上です。
○小川主査 そうですね。ネットワーク作りの役割をどういうふうに考えるのか、また、推進協議会の在り方等についても考えていく必要があるかと思いました。そのほかはいかがですか。
○石井構成員 たびたび申し訳ありません。JEED職業リハビリテーション部研修課の石井です。私どもの役割としては、ジョブコーチの養成・育成もあり、現行でも、養成研修や上位のスキル向上研修を行っております。併せて、地域におきましても、それぞれの研修が修了された方を対象に、ケーススタディや技法の伝達を行う研修修了者サポート研修を行っておりますので、そのノウハウの普及の部分で私どもの役割が発揮できると思っております。以上です。
○小川主査 若尾構成員、どうぞ。
○若尾構成員 ペア支援について少し御意見を述べさせていただきます。配置型ジョブコーチ以外のジョブコーチのペア支援も可能とする、ペア支援可能なジョブコーチを上級ジョブコーチとしてはどうか、ジョブコーチの情報管理はマッチングとポイントを置いていただいているのですが、どのように周知をしていくかについて、1つ意見を述べさせていただきます。
国の機関とも調整しながらだと思いますが、地域にこういうジョブコーチがいるということを、是非、併せて周知いただけるような仕組み作りをお願いできればと思います。どこにそのジョブコーチがいるのかなかなか判明しないことも、もしかすると大きいのではないかと思っていますので、周知する方法があれば、登録制度でもよろしいとは思いますが、何かそういうことを検討していただければと思います。よろしくお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局です。今の御指摘はそのとおりで、今回ペア支援の所にも書いてありますが、活性化に向けた対応ということで、今後、そういったことでの情報の集積と、それを地域内でどういうふうに共有化するかということは議論させていただきたいと思っております。
○小川主査 青野構成員、どうぞお願いします。
○青野構成員 青野です。支援計画の承認手続で少し教えてください。承認手続を不要とした場合でも、支給の申請のところで支援の記録は提出するという理解で合っていますか。あるいは、どこまでが削減されることを議論されているのか、もう少し教えていただけると助かります。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。今回、こちらの支援計画承認手続で想定しているのは、あくまで支援計画自体、記録は当然作っていただくのですが、地域職業センターで支援計画を承認してもらう部分を省略することを想定しております。助成金、お金を出させていただく以上、やはり、それを確認する行為は必要になりますので、支援の内容などは引き続き申請書等に記載していただくという形になるかと思います。
○青野構成員 ありがとうございます。申請等の手続の中で、記録を提出したり、計画を立てたりすることは重要かと思いましたので確認させていただいた次第です。
もう一点は、先ほどの企業在籍型の助成金の限度額の300万円は、景山構成員から御意見がありましたが、ごもっともだなと思いました。なので、全体最適を考えて検討いただくのは良いと思いますが、一方で、この上限を見たとき、企業に所属するジョブコーチの人材の価値にも直結するのかと思いました。これだけ助成金を外から持ってこられるので、この金額をジョブコーチとして雇用されている従業員の給与とかに還元できるのかと思った側面がありまして、下げるという方向に走られることも慎重に御検討いただけるといいかなと思いました。以上です。
○小川主査 國﨑構成員、お願いします。
○國﨑構成員 この項目にはないのですが、この流れから言いますと、今、ケース会議は必ず職業センターのカウンセラーとの実施のみが助成金対象となっています。地域連携で会議をやったときも、全てフォローアップ支援の中で関係先訪問という形で取っています。やはり、ネットワークや今後の育成を考えますと、ケース会議が非常に大事だと思っていますので、その点では職業センターさんが関わらない事案についても、ここにあるように、経験のある方とか、実績に応じて今後の承認とか、計画の所と同様にケース会議の対象としていただけるということで理解してよろしいですか。もしなければお願いしたいと思います。以上です。
○小川主査 この件については。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。ケース会議についても、今後、カウンセラー以外等、例えば上級ジョブコーチ、経験豊富なジョブコーチ、今後、上級ジョブコーチとのペア支援等も可能になってくれば、そういった点も含めて対象とすることを検討させていただきたいと思いますので、この点は皆様の御意見も踏まえつつ前向きに検討させていただきます。
○小川主査 よろしいですか。
○青野構成員 ありがとうございます。
○小川主査 木村構成員、どうぞ。
○木村構成員 ペア支援に関して、こちらに記載されているとおり、配置型ジョブコーチ以外の上級ジョブコーチ等々、一緒に動けることは非常に有り難いと思っています。併せて、上級ジョブコーチ的な人間がどこにいるのかは、やはり一定の支援スキルや支援計画策定の件数をもとに、職業センターさんが決めて管理していただけるといいのかなと思っています。
先ほどJEEDの石井様からお話があったとおり、ジョブコーチのスキル向上研修やサポート研修があるのですが、ジョブコーチのスキル向上研修になると、助成金を使って稼働しているジョブコーチと、全くそうではなく名前ばかりのジョブコーチの方も参加されていたので、私が昨年参加させていただいたところ、実際の現状と絵に描いた餅的な感じでのやり取りで、中身が深まっていないという印象でした。やはり今後、地域に職業センターさんのノウハウをどんどん落としていくというところでは、誰彼構わずではなくて、少し整理をしながら必要な人がきちんと研修を組んでいけるような状況にしていけるといいかなと思いました。サポート研修などでも上辺で終わっている様子がかなり多く見られるので、そこをきちんとマネジメントして、どう地域に落とすかまで踏み込んだ形で助成金対象にして、助成金対象のジョブコーチがしっかり学びの場となるような研修を検討していただけると有り難いです。少しずれてしまいましたが、以上です。
○小川主査 そのほかはよろしいですか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局から最後に申し上げます。今の御提案した資料4、特に助成金の支給要件に係る部分、日額の引き上げや上限の設定については、障害者雇用分科会の諮問案件になります。ですので、作業部会として、今日、御意見を賜りましたが、最終的には審議会で決めさせていただくことになりますので、そこはひとつ御理解ください。
前回の審議会で、一旦、作業部会での御意見なども想定しつつ、御提案は既にしておりますが、大きく審議会構成員からの御異論はなかったかと思っております。一方で、少し別の観点で、訪問型ジョブコーチは特にそうですが、訪問型ジョブコーチなどで想定される、県域をまたいだ遠方に対しての支援に当たって、交通費の措置という御意見なども頂いております。これはいわゆる省令告示事項ではないので、要領の中で対応することになりますが、細かい部分での御意見も踏まえながら、最終的には運用に向けて準備をしていきたいと思っております。以上です。
○小川主査 ありがとうございました。それでは、次の議題にまいりたいと思います。本作業部会では、令和4年4月から1年にわたり、ジョブコーチについて議論してまいりました。今後の検討を進めるに当たり、令和4年度内に議論された内容について、中間の取りまとめという形で整理をしてまいりたいと思います。それでは、事務局で中間取りまとめの項目(案)を作成していただいていますので、それについて御説明いただいた後、また意見交換をしたいと思います。それでは、よろしくお願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。資料5に基づきまして、次回行います中間取りまとめに先立ち、その項目(案)について事務局から提示させていただきます。これに基づいて加えるべき内容等が更にあれば、御意見を頂ければと思います。
それでは、項目(案)ですけれども、主に大まかに4つのパートに分けておりまして、1つ目が「はじめに」で、この作業部会のそもそもの設置経緯であったり、趣旨を説明したいと思います。2は、作業部会における議論ということで、これまで1年掛けて議論してきた内容についてまとめたいと考えております。
(1)は職場適応援助者の現状と課題で、訪問型などの方がなかなか活動の状況が芳しくないといった課題を幾つか例示するとともに、(2)で狭義のジョブコーチ支援ということで、過去のジョブコーチを巡る議論を踏まえ、この作業部会における狭義のジョブコーチ支援の考え方について再度整理をさせていただきたいと思います。(3)で基礎的研修の内容を踏まえたジョブコーチ養成研修の在り方ということで、今回の見直しの概要であったり、モデルカリキュラムの見直し内容等について再度示させていただきたいと思います。(4)と(5)は、第4回と本日御議論いただいた内容ですけれども、まだ広義のジョブコーチ支援、上級ジョブコーチであったり、申請手続につきましては、様々今後議論する必要もございますので、取りあえず本日議論いただいた内容と、また今後更に必要なところについて書き分けながら、整理をしたいと考えております。
3ですが、これは第5回と本日、関係団体からジョブコーチ支援に関する御意見、御要望、ヒアリングを行いましたので、そちらについてまとめたいと思います。
4は今後整理すべき課題ということで、ジョブコーチ支援の活性化に向けた対応、関係機関との連携、またジョブコーチ制度の周知等の対応について検討いただきたいということと、(2)として上級ジョブコーチ研修の在り方、(3)は今後のジョブコーチの育成・確保のための方策について具体的に検討していく。さらに、(4)はジョブコーチに係る資格化の検討ということで、今回この作業部会でいろいろ整理していただいたのですが、更に今後どのように解決していくのか、また、解決した上で資格化に向けてどのようなロードマップを描くのか等について御意見を頂ければと思います。あとは、予備的に(5)その他と用意しております。このような項目立てで検討はしておりますけれども、ほかにこういった部分について整理したほうがいいという御意見等をお願いできればと思います。私からは以上です。
○小川主査 ありがとうございます。それでは、この中間取りまとめの項目(案)について皆様から御意見、御質問等ありましたら、お願いいたします。JEEDの井口様、お願いします。
○井口構成員 JEED障害者職業総合センターの井口です。ただいまの項目(案)の4の(1)のジョブコーチ支援の活性化に向けた対応という、これは非常に重要な項目になると思いますが、括弧内で関係機関との連携、周知だけに表現をされているのは、もうちょっと幅広く考えないといけない部分ではないかと思いますので、括弧を取っていただくか、あるいはそれが難しいようであれば、「等」を付けていただくか、そこは余り議論を矮小化しないほうがいいのではないかという考えを持っています。以上です。
○小川主査 分かりました。具体的にどのような項目がいいとか、あるいはこういった内容で、ここについては入れてほしいとかありましたら、御意見をお願いしたいのですが。
○井口構成員 関係機関との連携、周知については異存はありませんが、さらに、関係団体からの要望も幾つかありました就労系障害福祉サービスとの連携を促進し、ジョブコーチ支援の裾野を広げていくようなことも考えるべきではないかと私は思っていまして、そういうことも含めてこれから検討したらどうかという考えを持っております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。私も似たような観点で、先ほどの議論にもありましたように、地域障害者職業センターがこれまで担ってきた役割がどこに移行するのか、そこと訪問型、あるいは上級ジョブコーチといった役割が、どこでどのように機能していくのか、やはり地域のジョブコーチというキーワードをベースにしたネットワークの設計図の書き直しが必要なのかなと思います。そこまで明確に突っ込んだ議論は難しいかもしれませんが、やはりそれについて、これまでは支援計画の在り方とか、上級ジョブコーチの職員像とか、そういった論点で話をしてきましたけれども、全体としてどんな地域の在り方を考えるのかということも、論点に含めたらいいかなと思いました。(1)に地域の関係機関の在り方、連携といった趣旨も含めていただければと思います。そのほか皆さん、いかがでしょうか。
上級ジョブコーチについて、今日の議論の中でも上級ジョブコーチをナカポツに配置したらどうかというような項目もありましたけれども、この辺については2の(4)、あるいは4の(2)に含まれるという理解でよろしいでしょうかね。やはり研修としてのジョブコーチと、制度として研修を受けた人が地域の核としてどこに配置されるのかという2つの論点があると思うのですが。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局です。今の御指摘で申し上げると、主には今日御議論いただいた内容も含めて(4)に入ってくる部分と、4以下、今後整理すべき課題については、まだ具体的な議論はしていない中で、こういったことで議論を進めていきましょうという話になりますが、その中で(4)の御議論も踏まえながら研修の在り方という形での検討が進む方向を記載していくのかなと思います。いずれにしても、リンケージしている中身が分かるように整理していくということかなと思っております。
○小川主査 それでしたら、2の(4)上級ジョブコーチのイメージ(人材像、業務の範囲等)に、配置等というか、そんなのを入れていただくと、議論のときに漏れなくていいかなと思っています。
○小野寺障害者雇用対策課長 留意いたします。
○小川主査 そのほか皆様、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、項目(案)でありますので、この項目に沿って文章が付いていきます。また具体的にはそのときに議論できるかと思います。それでは、この項目(案)は皆さんに御賛同いただいたということにさせていただきます。
それでは、本日の議論は、準備した議題については終了となります。それでは、第6回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会は終了とさせていただきます。今日も活発な御意見、どうもありがとうございました。最後に事務局から連絡事項がございましたら、お願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。次回は令和5年3月29日(水)10時からの開催を予定しております。今回提示しました中間取りまとめの項目(案)を基に事務局で中間取りまとめ(案)を提示させていただきまして、皆様から御意見を頂くことを予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。私からは以上です。
○小川主査 ありがとうございました。それでは、以上で終了とさせていただきます。ありがとうございました。