2022年7月11日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録

日時

令和4年7月11日(月)15:00~

場所

新橋8E会議室(8階)

出席者

出席委員(18名)五十音順

 (注)◎部会長 ○部会長代理
 

欠席委員(5名)五十音順

行政機関出席者
  •  八神敦雄(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  中山智紀(医療機器審査管理課長)
  •  山本晴子(独立行政法人医薬品医療機器総合機構医務管理監)
  •  池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
  •  高橋未明(独立行政法人医薬品医療機器総合機構執行役員(機器審査等部門担当)) 他

議事

○医療機器審査管理課長 それでは、薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会を開催したいと思います。私は、6月28日付けで着任いたしました医療機器審査管理課長の中山でございます。関野の後任でございます。よろしくお願いいたします。
 委員の先生方におかれましては、御多用の中御出席いただきありがとうございます。本日の委員の出欠状況についてですが、現時点で、医療機器・体外診断薬部会の委員23名のうち18名御出席いただいており、薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしていることを御報告させていただきます。9名の委員の方におかれましては、Webにて出席いただいているという状況です。
 次に、事務局の異動について簡単に御報告させていただきたいと思います。厚生労働省の医薬・生活衛生局長といたしまして、6月28日付けで八神敦雄が就任しておりますが、少々遅れて到着する予定です。よろしくお願いいたします。また、本日は欠席しておりますが、機構の審査センター長の鈴木洋史が、6月28日付けで機構の執行役員(再生医療製品・ワクチン等審査部門担当)併任となりました。それから、機構の審査マネジメント部長に、6月28日付けで清原宏眞が着任しております。一言お願いします。
○審査マネジメント部長 審査マネジメント部長の清原でございます。これまで新薬審査第五部という抗がん剤の審査をしている部署で約5年間おりまして、そこでは体外診断薬や医療機器を組み合わせた治療法の承認などを見てまいりました。今後ともよろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 それでは、議事に入ります前に、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、報告させていただきます。薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定されております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様には、会議開催の都度、書面の御提出を頂いており御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう何とぞよろしくお願い申し上げます。
 次に、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて、事務局から説明いたします。
○事務局 事務局です。本日の議題の公開・非公開の取扱いについて御説明いたします。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、本日予定している全ての議題について、医療機器の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開といたします。
 続いて、資料の確認をさせていただきます。会場の皆様のお手元には、資料が格納されたタブレットのほか、議事次第及び座席表を紙でお配りしております。また、Webにて御参加されている委員の先生方におかれましては、事前にお配りした資料1~6をお手元に御用意ください。タブレットの操作について御不明点等がありましたら、お近くの事務局員までお声掛けいただければと思います。
 次に、Web会議で御参加される委員の先生方へ注意事項を御説明させていただきます。審議中はマイクミュート、通信環境等支障がない限りカメラオンでお願いいたします。御発言の際は、画面右下の顔のマークのアイコンをクリックして、手のマークを押して挙手いただき、部会長から指名された後にマイクミュートを解除し、お名前をおっしゃっていただいてから、御発言いただきますようお願いいたします。また、接続トラブルが発生した場合は、チャット欄を御利用いただくか、事前にお送りいたしました事務局連絡先まで御一報いただければと思います。
 続いて、本日の審議事項に関する競合品目・競合企業について御報告させていただきます。資料5「競合品目・競合企業リスト等一覧」をお開きください。Webにて御参加されている皆様は、共有画面を御覧ください。1ページの「放射性医薬品合成設備MPS200Aβ」ですが、脳内アミロイドベータプラークの可視化の効能・効果を持つ、アミロイドイメージング剤を合成するための合成装置を対象として競合品目を選定しております。2ページ以降に議題2及び議題3に係る影響企業のリストがありますので、必要に応じて御覧ください。
 委員の皆様から、寄附金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、議題1から3のいずれの議題についても、薬事分科会審議参加規程第12条の「審議不参加の基準」に基づく、審議に参加できない委員はいらっしゃいませんでした。また、薬事分科会審議参加規程第13条に基づく、議決に参加できない委員もいらっしゃいませんでした。以上、御報告いたします。
○医療機器審査管理課長 事務局からは以上です。以後の進行については、荒井部会長、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 よろしくお願いします。ここまでの事務局からの説明について、何か御質問等はありますか。よろしいですか。
 よろしければ、これから議題を始めさせていただきます。今日は、1番から3番が審議事項、4番が報告事項となっています。普段とは大分内容が異なりますが、よろしくお願いします。
 それでは、議題1です。医療機器「放射性医薬品合成設備MPS200Aβ」の使用成績評価の調査期間延長の可否についてです。まず、事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局より、議題1、医療機器「放射性医薬品合成設備MPS200Aβ」の使用成績評価の調査期間の延長について御説明いたします。
 資料1の1ページを御覧ください。今回、御審議いただく品目「放射性医薬品合成設備MPS200Aβ」の概要です。申請者は住友重機械工業株式会社です。
 3ページを御覧ください。本機器の外観図となります。本機器は、サイクロトロンを有する医療施設に設置され、遠隔操作により自動的にPET用トレーサのフロルベタピル(18F)を合成する医療機器であり、院内合成したフロルベタピルをアルツハイマー型認知症患者に注射してPET検査を行うことで、脳内に蓄積されるアミロイドβプラークを可視化することができます。
 なお、放射性医薬品合成設備を用いて合成された薬剤の薬事的な位置付けにおいては、薬剤の品質、有効性・安全性については、医療機器たる合成設備の承認審査で確認していることから、医薬品としての承認は不要となっております。したがって、放射性医薬品合成設備の使用成績評価においては、設備そのものに由来する事象と、合成した薬剤に由来した事象について、調査することとなっております。
 1ページにお戻りいただき、下段を御覧ください。本機器は、平成27年6月に開催された本部会において御審議いただき、3年間で○症例の安全性を確認する使用成績調査を実施することとして、平成27年9月に承認されたものになりますが、当該調査期間においては、本機器に導入した施設は○施設にとどまり、症例登録も認められなかったことから、平成30年6月に開催された本部会で、令和4年9月までの4年間の延長を認めていただいたところです。
 現時点においては、本機器の導入施設は○施設まで増えましたが、本機器で合成された製剤によるPET検査の保険診療が認められていないこと、コロナ禍による影響により導入施設での稼働準備に時間を要していることなどの理由により、登録症例者数は○例にとどまり、十分な患者数の登録ができていないことから、再度4年間の調査期間の延長についてお諮りいたします。
 関連する情報といたしまして、既に承認整理はされてしまいましたが、本機器と同様、院内でフロルベタピル(18F)を合成するイーライリリー社製の機器の再審査において、エタノール濃度が上昇する品質上の不具合が2例報告されていますが、本機器を用いた○例においての副作用や品質に問題となる事象は確認されておりません。また、本機器の後の平成28年12月に承認されましたフロルベタピル(18F)を主成分とする放射性医薬品アミヴィッド静注においては、8年間で500症例の市販後調査が実施されており、承認時、市販後合わせて、現時点で○例の解析が行われ、倦怠感が1例報告されている状況です。
 本機器を用いた症例登録については、令和3年度では月に○症例のペースで登録されており、今後も月に○症例の登録が見込まれているとの申出があったことから、追加で4年間の延長をすることが妥当と考えております。
 また、本機器を4年間延長した場合、アミヴィッド静注の再審査終了とほぼ同一の時期になることが予想され、アミヴィッド静注の再審査情報を用いて比較考察を加えることにより、本機器の総合的な市販後安全性評価を行うこと等も検討したいと考えております。
 御説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。今の説明にありましたように、最初の審査期間が3年、それが4年延びて、今回更に4年ということで、最初の承認のときから数えますと、都合11年ということです。理由としては、機器の導入自体が非常に限られた施設ということで、最初は○施設、その後○施設、後になってようやく○施設ということ、それからコロナの影響もあったということです。症例数はこのままで、今から4年延長したらどうかというお話だったと思います。委員の方から御意見はいかがでしょうか。冒頭で説明いただきましたように、PET製剤に関しては薬剤の方に分類されるという感覚がありますが、それを合成する装置の方ということで、機器としてこの部会での取扱いとさせていただいています。この点については既に御存じかと思いますが、御了承ください。よろしいでしょうか。
 では今野先生、よろしくお願いします。
○今野委員 私どもも、サイクロトロンを有しPET等の研究をしているものですから、少し関係者にも当たってみたのですが、本トレーサは早期にディテクトできるということで、大変期待されているにもかかわらず、かなり遅れているという認識であるようです。最近1年ぐらい順調にいっているということなのですが、最初の予定がなかなかうまくいかなかったのは、もちろん保険収載されないとなかなか増えないのは当然のことだと思うのですが、その原因はコロナ禍が主なものだということでよろしいのでしょうか。それとも、何か振り返ってみて改善すべき点があったのでしょうか。少しお聞きしたいと思います。以上です。
○事務局 ありがとうございます。今回の遅れている原因が、コロナ禍以前どうだったかというところですが、まず、この機械が○施設に導入されたのですが、初めに導入された施設が平成30年1月ということで、4年間の延長の前、直近で延長されたということになり、その後準備を進めていたのですが、その2年後にコロナが始まり、その準備に追われてしまい、登録がここ最近始まったとお聞きをしているところです。
○荒井部会長 ということは、導入の遅れが原因ということですか。
○事務局 導入とその準備に時間が掛かったと聞いております。
○荒井部会長 分かりました。では、今後は速やかに登録されるだろうということでよろしいですね。
○事務局 そうです。
○荒井部会長 分かりました。ありがとうございます。小西先生、どうぞ。
○小西委員 検査の目的を確認したかっただけです。今野先生から今御説明があって、早期発見を目的としているというのが分かりましたので、一応それで進んでいっていいのではないかと思いました。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。永井先生も手を挙げられていらっしゃいます。どうぞ。
○永井委員 質問なのですが、これは実際にやろうとすると、いわゆる混合診療に抵触するので、それを避けるために先進Bの枠組みでやっておられるのでしょうか。薬事とは関係ないと言えばないのですが、症例の登録、蓄積の遅延という点では関係あり得るかと思ってお尋ねした次第です。
○荒井部会長 どなたか。では、どうぞ。
○医療機器審査第一部長 御質問ありがとうございます。機構です。一応、後ほど再確認はさせていただきますが、本品は検査用の合成装置でして、一連の検査が今のところまだ保険が効いていないということですので、他の治療との併用を同時にするとかということを意図していませんので、混合診療のケースはほとんどないのではないかとは思っております。念のため、再度当該企業にも確認したいと思います。
○永井委員 御承知のとおり、「混合診療」という言葉の定義は、厚労省のホームページにも「いわゆる混合診療」と表記され、非常に定義が不明確であるというのは先生方も御承知だと思います。プラスして使われる薬剤についても保険収載がないので、そちらもやはり混合診療問題にぶち当たります。コメントです。
○医療機器審査第一部長 ありがとうございます。先ほど事務局から説明がありましたアミヴィッド静注というのは、多分医薬品のメーカーが製造販売承認をもらっている製品で、医薬品だと認識しています。今回のこの製品は、院内で合成する装置、かつ合成された放射線医薬品ということで、いずれも確かに御指摘のとおり保険がまだ効いていないという状況です。以上です。
○永井委員 医薬品の方も保険適用外ですよね。
○医療機器審査第一部長 はい、そのとおり認識しています。
○荒井部会長 よろしいでしょうか。山上委員からも手を挙げていただいていましたが、山上先生どうぞ。
○山上委員 先ほどの方と重複しましたので結構です。ありがとうございます。
○荒井部会長 よろしいですか。ありがとうございます。そのほか御意見はいかがでしょうか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 今御指摘のあったものは、どのような枠組みでいかないと症例数の登録が進まないのかということに置き換えて考えなくてはいけないので、それを指導することをしなければ、この症例が1か月○例ということであっても合計○例で、つまり初期の○例というところまで届かないわけです。ですから、どういう枠組みにするのか、先進医療B、多分そうだろうと思うのですが、どのような形態の枠組みの中に入れればいいのかということもある程度指導していかないと、これが進んでいかないのかなと思うので、是非ともそれは明らかにしていただければと思います。それから、どちらにしても、これは保険適用にすれば症例がどんどん進んでいくようなものなのかということも冷静に見ていかなければいけない、それもここで議論することではないことは分かっていますけども、そういうものが上がってきたときには、よほどそういったことにも注意して、枠組みの中に入れていくことが重要かなと考えますので、よろしく御指導いただければと思います。
○荒井部会長 ありがとうございます。
○医療機器審査管理課長 よろしいですか。
○荒井部会長 どうぞ。
○医療機器審査管理課長 御指摘どうもありがとうございます。この症例数がしっかり集まらない原因はどういうところにあるかということと、それを改善するためにはどうしたらいいかということを、しっかり踏まえた上で、企業には指導をしっかりとしていくこととしたいと思います。ありがとうございます。
○荒井部会長 よろしくお願いします。先ほど申しましたように、このPET製剤に関しては、グレーゾーンという言葉が適切ではないかもしれませんが、特に施設の合成装置で作ったものという特殊な扱いになっているため、確かにこの製品に限らず、今後出てくるもの、今行われているものに関しても、適切な指導をしていかないと、承認後の症例が集まらないということもあるかもしれません。その辺は全体としてもう1回確認をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 よろしいでしょうか。それでは議決を行います。医療機器「放射性医薬品合成設備MPS200Aβ」の使用成績評価は期間を11年として指定することとしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。本件は分科会にて報告をさせていただきます。それでは、これで議題1を終了します。
 続いて、議題2に入らせていただきます。議題2「医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について」です。では、事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局から説明させていただきます。資料2を御覧ください。
 既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器があり、新たに一般的名称を新設する際には、「高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器への指定」及び「特定保守管理医療機器の指定の要否」について、御審議いただいております。
 今回は、医療機器の承認等に際し、新設が必要と考えられる一般的名称が1名称ありました。
 まず1ページを御覧ください。新設予定の一般的名称は、「体内固定用腓骨髄内釘」です。本名称の定義は、「金属性等のロッドをいう。腓骨の髄内に挿入し、骨折又は病的状態にある骨の両端を正しい位置に保持するための固定器具としての役割を果たす。」です。
 続いて4ページを御覧ください。外観図を用いて、本品の概要について御説明します。こちらの図は、ヒトの右足を正面から見た図です。右側の太い骨が脛骨、スネの骨で、左側の細い骨が腓骨、外くるぶしにある骨です。骨折等が原因で左側の腓骨がずれた場合、正しい位置に戻すため、脛骨と腓骨を固定する処置が行われますが、本品は、腓骨の髄内に挿入、固定され、脛骨と腓骨間を固定する処置に用いられる医療機器となっております。本品の概要については以上です。
 なお、高度管理医療機器等への指定についてですが、本品はクラスIIIの高度管理医療機器に指定されるべきものと考えております。また、特定保守管理医療機器の指定については、不要と考えております。
 御説明は以上です。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。御意見いかがでしょうか。私はこの領域は全く素人なのですが、わざわざ新設しないといけないという、要するにこれに該当するような項目は今までなかった、だから作ったということでしょうが、そういう理解でいいのですよね。確認です。
○事務局 そのとおりでございます。腓骨の整復術でして、これまではプレートで固定していたものなのですが、プレートですと皮膚の切開部位が大きくなったりするのですけれども、髄内釘の場合はそれが少なくて、侵襲性も少ないということから、本邦に導入されたいということで、今回新設したいということで、申請者から申出があったものです。
○荒井部会長 ありがとうございます。素人じみた質問で申し訳ありません。委員の方々、御質問などはよろしいでしょうか。
○河野委員 よろしいでしょうか。
○荒井部会長 はい、河野委員。
○河野委員 私は整形外科医でして、実際この会議に参加して整形外科領域のことが出るのが初めてなもので、初めて発言するのですが、この一般的名称というものがある中で、今はもう既に採用されているものが一般的名称の区分に入っているのですが、「脛骨髄内釘」という一つの骨を指しているものもあれば、「上肢髄内釘」というすごく包括的なものもあって、このように1個1個の解剖学的に骨ごとに一般的名称を作るというのは、余りに煩雑なように思います。上肢があるのであれば下肢でいいように思いますし、体内固定用髄内釘とありますが、体外の髄内釘もあり得ませんし、「馬から落馬している」ような名称で、体内に固定するために髄内釘を使うに決まっているので、何か非常に煩雑で項目ばかり増えて皆さんの仕事を増やすだけのように思うのです。
 もし許されるのなら、「上肢髄内釘」で上肢の骨の骨内のものが全部包含されるのであれば、こんな一つ一つの骨の名前を付けずに「下肢髄内釘」とまとめてしまえば、また次に新しいものが出るたびに、1個1個の骨の髄内釘の議論をする無駄がなくなると思いますが、いかがでしょうか。
○事務局 事務局からお答えします。御指摘どうもありがとうございました。ちょっと行政側の事情になってしまうのですが、この一般的名称なのですけれども、新設する際には、どうしても過去の作成状況も踏まえて設定させていただいておりまして、確かに今御指摘のあったように、一まとめにできるものは一まとめにして、できるものもあるのではないかという御指摘はごもっともです。それについては今後ですが、この一般的名称について見直していったほうがよろしいのではないかという意見は確かに御指摘のあるところで、それは今後時間を掛けて見直すということをやろうとしています。
 今回のこの髄内釘については、上肢については前腕ですとか上肢全て入った形で作らせていただいているのですが、部位によって強度などで分けて指定するべきということで、過去は一般的名称を作成させていただいておりまして、特に大腿骨や脛骨についてはロック型のものもありまして、今回のものについてはそういったものはないのですが、定義によっても書き分けていかなければいけないものもありまして、今回腓骨については新設が必要と判断して、審議事項として挙げさせていただいております。いかがでございましょうか。
○河野委員 余り納得できるお答えではなかったと思うのですが、とにかく厚労省として、この流れで積み重ねていくしかないのであれば、これは認めざるを得ないので、余り議論の余地がなければ仕方がないと思います。今後そういう、無駄なと言ったら失礼ですが、変な分類が増えていかないようにまとめる方向であれば、今回のこの名称というのは許容できるかと思います。以上です。
○荒井部会長 河野委員、貴重な御意見ありがとうございました。
○医療機器審査管理課長 個別のケースとして、今は一般的名称を一つ一つ積み上げているというのが現状かと思いますが、先ほども説明にありましたとおり、見直すべきものがあれば、きちっと一つのくくりとして見直すときもあるということになると思います。全体として、一般的名称はたくさんありますので、全体の中でどう考えていくか、国際的な整合性等も含めてどう考えるかとか、そういった総合的な検討の中で考えていくことかなと理解しております。よろしくお願いします。
○荒井部会長 ありがとうございます。課長の方から、検討を進めていただくという御説明をいただきました。今、河野委員から御指摘がありましたが、このいわゆる箱を作るという作業に関しては、実は整形外科領域に限らずいろいろな領域で、どんどんどんどん数が増えてくるということが、これまでにも話題になったことがあります。河野委員は遠慮されて無駄という言葉を使わないで発言されましたが、確かにどんどん数が増えていくのは好ましいことではないと思われます。大変な作業にはなると思いますが、学会等の意見を聞きながら、臨床現場の状況を踏まえながら、ある程度そういったものをまとめていくための検討もしていただきたいと思います。河野委員、よろしいでしょうか、そんなまとめ方で。
○河野委員 ありがとうございました。了解しました。
○荒井部会長 ありがとうございます。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 部会長がそのようにおまとめになったので全く異論はございません。ただし、そういうようなタイムスケジュールというものを、ちゃんと厚労省は考えていただかないといけないと思います。先ほどお話になったように、箱作りというものが非常に煩雑になって、これがもっと増えてくるのだろうと思います。適切な箱作りをどのようにするかということは、しっかりと議論しないといけないので、そのところをどういう時期にどのようにやっていくのかという、ある程度のロードマップではないですけれどもそういうものを作っていかないと、多分先ほどの河野委員のお話のように、少し煩雑というかそのようになってしまうので、箱作りだけで議論するということは余り意味のないことで、本来からすると、その製品一つ一つについてそれがどうなのかということを議論するということが一番有効なので、箱作りよりはその辺に時間を費やすというべきであろうかと思います。箱作りに関しては、私もここに新任になったときから、箱作りというのは大変なのだというように教育を受けた覚えがありますので、是非改善というものも考えていただければと思います。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。そのほか御意見よろしいでしょうか。
 それでは特に御意見がないようですので、議決を行います。「体内固定用腓骨髄内釘」を、高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器としては指定しないということでよろしいでしょうか。御異議がないようですので、そのようにさせていただきます。本件は分科会にて文書報告をさせていただきます。それでは、これで議題2を終了いたします。
 引き続きまして、議題3に入ります。議題3は「体外診断用医薬品の劇薬の指定の除外の可否について」です。それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題3について事務局から説明させていただきます。
 資料の説明に入る前に、本部会で、体外診断用医薬品の劇薬の指定の除外の可否を議論するに至った経緯について、説明させていただきます。
 当日配付資料1「薬事分科会規程新旧対照条文」を御覧ください。令和4年6月1日付けで、薬事分科会規程の「(所掌)」第3条第7項を改定しております。4ページの赤枠の部分が追加されておりまして、簡単に申し上げると、本部会において、毒薬及び劇薬の指定に関する事項を調査審議すると改定いたしました。これまでも、本部会において体外診断用医薬品の劇薬の指定の除外については、「その他」の項目に基づいて議論しておりましたが、今回、薬事分科会規程の改定で明確化させていただいたことを御報告します。
 それでは、資料3-1を御覧ください。1ポツ目の「概要」を説明させていただきます。医薬品医療機器等法第44条第2項の規定に基づく、施行規則第204条の別表第三(劇薬の範囲)において、十として「銀の無機酸塩類及びその製剤」が劇薬として規定されており、(4)及び(5)については、体外診断用医薬品の除外規定として、劇薬から除外されているという状況です。
 1容器中硝酸銀12.57mg(5.85%)を含有する体外診断用医薬品については、除外規定である(4)と(5)のいずれにも該当しないことから、劇薬に指定されていますが、今般、製造販売業者から提出された当該製品の安全性評価を踏まえまして、この劇薬の指定の除外の可否について、本部会で御審議をお願いしたいと思います。
 まず、二つ目のマルについてですが、そもそも体外診断用医薬品は、人体に直接投与又は塗布されるものではありませんが、これを服用した場合を想定したとき、1容器中硝酸銀12.57mgは体重50kgと仮定した場合の経口摂取量は0.2514mg/kgとなり、ラットとマウスにおける硝酸銀の経口投与のLD50は1,173mg/kg及び50mg/kgであり、マウスのLD50と比較しても198倍の乖離があることから、劇性があるとは認められないものと考えております。
 次の三つ目のマルについてですが、1容器中硝酸銀12.57mgのラットとマウスにおける経口投与の急性毒性推定値は20,051mg/kg及び855mg/kgと算出されており、平成10年3月12日の中央薬事審議会常任部会で了承された経口投与での劇薬指定基準300mg/kg以下の基準に対し、マウスの急性毒性推定値であっても2.85倍の乖離があることから、劇薬に該当しないものと考えております。
 今回、劇薬指定除外の対象となる体外診断用医薬品については、2ポツ目に示している2製品でございます。
 最後に、3ポツ目の「劇薬指定除外の案」について、本部会で御了承いただけましたら、1容器中の硝酸銀12.57mgの製品を想定した安全性評価は十分な安全域があることから、硝酸銀として1容器中12.6mg以下を含有する体外診断用医薬品を劇薬指定から除外することとし、施行規則第204条の別表第三(劇薬の範囲)に、下線部分の(6)を追加する改定を行う予定です。
 御説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。これも普段の部会でなかなか議論することがないテーマなのですが、委員の方々から御意見あるいは御質問はいかがでしょうか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 これは、メーカーの方の要望書を読みますと、いわゆる根拠という所に1、2、3、4と書いてあるわけですが、1には構造上の問題ということで書いてありまして、その次の所に急性毒性と書いてあります。もともとこれはどのような枠というか、急性毒性でも毒性で問題ないからこういうのでいいのだよというのか、構造上の問題も含めてこういうことだからいいのかということになると、この「可否について」という1枚紙の資料の2ポツに記載されている劇薬指定除外の対象となる体外診断用医薬品として二つ書いてあるわけですが、これは両方ともカートリッジといったようなものですよね。それに限定するのか、そうではなくて、劇薬として、そういう枠付けで、用量で問題ないのだとするのかをはっきりとしていかないと、「指定除外の対象となる」と書いてあると、そこだけの枠付けになるのかということなので、そこはどのように内容を吟味していくのか、是非教えていただきたいと思います。
○荒井部会長 ありがとうございます。重要な御指摘だと思います。最初に除外の規定が作られた根本原理があったはずで、今回このような要望が企業から出たのでこれについては除外しましょうという流れですと、「それなら他のものはどうなのだ」という疑問は当然出てきます。ここに関しての状況を御説明いただけますか。お願いします。
○医療機器審査管理課長 お答えいたします。基本的には、これはその成分たる硝酸銀の濃度とその毒性に関して検討した結果、劇薬の基準には該当しないという判断になるかと思います。
○宮川委員 では、構造上の問題は関係ないということでいいのですね。
○医療機器審査管理課長 それで結構だと思います。構造上は、あくまで参考の情報として、これは意図的に何かをしなければ、中の成分は外には取り出せない構造になっているという、それは参考の情報としてあるとお考えいただいて、あくまでも劇薬の指定をするかどうかは、その毒性の評価の部分でしていると。
○宮川委員 だから、そこだけで抜いていいのですよね。つまり、資料3-1にある3ポツの(6)で、最後のアンダーラインが入っている部分、そこだけでいいのですよね、そういうふうにお答えになったということは。それだけが項目ということですよね。
○医療機器審査管理課長 はい。そのとおりです。
○宮川委員 それでいいのですね。
○医療機器審査管理課長 はい。
○宮川委員 それならば、そこだけ書くということであればいいのに、いろいろなことが書いてあるので。それだけなのですよね。それは確認です。
○荒井部会長 ありがとうございます。そのほか委員の方々、御意見はいかがでしょうか。私もこの部会を結構長くやっていますが、この項目が出てきたのは多分初めてではないかなというぐらい、余り出てこないものです。よろしいですか。
 特に御異議がないので、議決に入ります。1容器中硝酸銀12.6mg以下を含有する体外診断用医薬品を劇薬の指定から除外するということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、そのようにいたします。本件は、分科会にて報告をさせていただきます。これで、議題3を終了いたします。
 それでは、最後の議題4に入ります。議題4「医療機器の再審査結果について」です。事務局から説明をお願いします。
○事務局 議題4「医療機器の再審査結果について」事務局より御報告いたします。まず、再審査は平成25年改正以前の薬事法第14条4の規定に基づき、新医療機器等を対象として再審査期間を定め、承認後の使用成績等の調査を行わせるもので、その調査結果に基づいて、有効性及び安全性の再確認を行うことを目的とした制度となっております。
 それでは、今回の対象品目について御説明しますので、当日配付資料2を御覧ください。1ページより御説明します。今回の対象品目の販売名は「迷走神経刺激装置VNSシステム」です。申請者はLivaNova USA, Inc.、国内での製造販売の責任を負う選任製造販売業者はリヴァノヴァ株式会社となっております。
 この品目は、薬剤抵抗性の難治性てんかん発作を有するてんかん患者(開頭手術が奏効する症例を除く)の発生頻度を軽減する補助療法のため、迷走神経を刺激する植込み型の電気刺激装置となっております。機器の構成としては、電気パルスを発生させるジェネレータ、ジェネレータと刺激部位である迷走神経を結ぶリード、及び刺激強度等の設定のためのプログラミングワンドから成っておりまして、平成22年1月8日に初回承認されております。初回承認時には、海外臨床試験成績を主たる試験として承認されておりますので、国内での使用実態下における不具合発現状況、安全性、有効性等を確認することを目的として、承認条件として再審査期間中の使用成績調査が課されております。以降、試験の概要について御説明します。
 3ページの下部にある表1を御覧ください。当該表は、使用成績調査において、調査対象となった患者背景を示しております。12歳未満の小児85症例を含む計385症例について実施されました。これらの患者に対する調査結果について御説明いたします。
 まず、安全性について御説明します。4ページ、表2が不具合及び有害事象をまとめた表となっております。冒頭にあります高インピーダンスについてなのですが、こちらについて御説明いたしますと、ジェネレータと迷走神経を結ぶリードという部位があるのですが、こちらが通常よりも高い電気抵抗を示す不具合となっており、リード取替え等の再手術等の追加治療が必要となる場合がありますので、重篤にカテゴライズされております。表2の次にある表3ですが、こちらは海外臨床試験において見られなかった有害事象等となります。今、表2と表3でお示ししました有害事象なのですが、総じて、因果関係ありとされた重篤な有害事象等はなく、既知の有害事象等についても、海外試験との安全性プロファイルに大きな差が見られないということから、未知の有害事象を添付文書等において情報提供することで、適切に対応されたものと判断しております。
 続いて、有効性について御説明します。12ページの表10を御覧ください。こちらの表が、刺激開始後からの経過時間による発作発生頻度の減少率を解析した表となっております。いずれの部分集団においても、術前と有意な差をもって発作頻度が減少しておりまして、かつ、経時的に減少率が上昇していることからも、海外試験と同等以上の結果であることが示されております。以降のページにおいて、層別の解析として、12歳未満とそれ以上での年齢別の解析を実施しておりますが、いずれも海外試験と同等の結果が示されております。有効性の説明については以上となります。
 ここまで御説明しました結果を踏まえた承認条件の対応について、御説明いたします。16ページの「7.承認条件」の項目です。本品の承認時には、二つの承認条件が付されております。まず一つ目が、「てんかん治療に対する十分な知識・経験を有する医師が、難治性てんかん発作に対する本品の有効性及び安全性を十分に理解し、手技及び当該治療に伴う合併症等に関する十分な知識・経験を得た上で、適応を遵守して用いるように必要な措置を講じること」、二つ目として、今回の再審査に係る承認条件が付されておりまして、「使用成績調査により、登録症例(国内治験症例を含む。)及び全ての小児症例の長期予後について、経年解析結果を報告するとともに、必要により適切な措置を講じること」の二つの承認条件が付されております。今般の再審査によりいずれも実施が確認されておりますが、前者については引き続き適切に対応することとしまして、後者については今回の再審査をもちまして解除を行うことが適切であると判断しております。
 以上を踏まえまして、総合評価として、本品の再審査結果の区分は、薬事法第14条第2項第3号のイからハまでのいずれにも該当せず、使用目的又は効果、使用方法などの承認事項について変更の必要がない、カテゴリー1と判断しております。
 以上、再審査の報告とさせていただきます。
○荒井部会長 ありがとうございます。これは報告ですが、今の説明につきまして、委員の方々から御質問等ごさいますでしょうか。宮川委員、どうぞ。
○宮川委員 宮川です。教えていただきたいのですが、7/17の「申請者の回答は以下のとおりであった」という所の中程なのですけども、「例えば、添付文書には、当該事象の原因となるリード植込み部位への応力を防止するために、患者様の行動様式に対する注意喚起をしており」とあって、いろいろな注意喚起がたくさんこの中に出てくるのですが、行動様式に対する注意喚起というのは、どういうことを示しているのでしょうか。行動様式というのは、患者さんがいろいろ、これは実際には1歳から使われていますよね、1歳から85歳というか、そうすると、どのような行動様式になっているのか分からないし、それから高インピーダンスの不具合というものになれば、ある程度高齢者も入ってくるということで、行動様式のうんぬんということがずっと書いてありまして、これは迷走神経刺激療法と刺激装置の植込みに関するガイドラインというのが規定されていて、そのガイドラインの中に書いてあるのかどうか、それについて教えていただきたいのです。
○医薬品医療機器総合機構 機構の担当の者でございます。添付文書の記載につきましては、その他の注意事項として、激しい運動等を行うことですとか、植込み部位を圧迫したりいじったりしないことという注意喚起がされておりまして、そういったことです。
○宮川委員 それは当然のことなのですが、1歳から使われているということで、不具合も含めてなかったということなのですが、それは1歳からのことも含めて、圧迫しないということも含めてですが、この装置はある程度大きさもあるのですが、小児ということから見ても行動様式は規定できないのではないかなと思ったので、それをお聞きしたわけです。
 私は責めているわけでも何でもなくて、そういうようなことを行動様式と言うのだというのであれば、非常に難しい問題だなと感じます。ですから、この使用のガイドラインも含めてですけども、術者というか、携わる人間が、そのようなトレーニングといったようなものを受けてやるべきだろうと一番最後に書いてあるわけですが、その内容が非常に難しいなと、承認条件というのがより難しいなと思ったので、お聞きしました。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。そのほか御意見ございますでしょうか。実際これは、使用に関しては限定施設、限定施設というか、かなり限られていますよね。疾患というか、この治療自体が結構特殊な治療に該当するかと思いますので。どのくらいの数か分かりますか。
○医薬品医療機器総合機構 使用数ですか。
○荒井部会長 施設数。
○医薬品医療機器総合機構 すぐには、ちょっと手元にはございません。
○荒井部会長 分かりました。そのほか御意見いかがでしょうか。梅津委員、どうぞ。
○梅津委員 梅津です。承認条件はこれでクリアになったと思ったのですが、VNSの資格を認定する所は学会ですよね。どのくらいの数の方がこれで認定されたのですか。
○医薬品医療機器総合機構 認定者数ですか。
○梅津委員 はい。そんなに難しくなく取れるような資格なのかどうか。ちょっと気になったので質問しました。結局、ここの承認条件の中では、講習を受講するということですよね。それで、どのくらいの規模の人がこれを使えるのかなと思ってお聞きしました。
○医薬品医療機器総合機構 人数については手元にはデータがありませんが、てんかんの専門医であるという条件はあるかなと思います。そのうち資格の認定を受けた者という形です。
○荒井部会長 ごめんなさい。ここにいる委員の方々は、多分どなたもてんかんの専門医が何人ぐらいいるのか、例えば2,000人なのか200人なのか全く分からないわけです。ですから、規模感というのはどうなのですか。何か分かっていますか。
○医薬品医療機器総合機構 数百であろうという認識です。
○荒井部会長 数百ですか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。
○荒井部会長 結構ざっくりした数ですよね。最近のこの部会で通しているものについても、学会の認定とかを要件として入れているものが結構ありますが、今後の議論のときには、それがどのぐらい実際に使われているかとか、何人ぐらい使える人がいるのかということに関しては、ある程度データがあったほうが具体的に議論しやすいと思います。今はそれ以上詳しく分からなければ、ここでは結構ですが、今後議題として上がる場合には、その辺のデータをそろえていただくように、これは部会長としてお願いします。一色先生、どうぞ。
○一色部会長代理 先ほど宮川委員から御発言がありましたが、1歳から85歳に幅広く入れる機器というのはなかなかないものだと思います。これは電池交換が必要になるデバイスだと思いますので、1歳の患者に一旦植込みしたとすると、恐らく数年ごとの電池交換を一生の間ずっと続けていくことになるのだと思います。本当に1歳から85歳まで同じ適応でいいのか、そのような治療選択が妥当なのかということについては、慎重であるべきではないかとの懸念が否めません。私は専門家ではないので、その辺のニュアンスが分からないのですが、この点についてはいかがでしょうか。
○宮川委員 宮川ですが、よろしいでしょうか。難治性のてんかんというのは非常に難しくて、生命予後に関しても非常に大変です。親御さんも含めてですが、小児の場合は非常に大変な疾患なのです。非常にシビアな疾患であるということを認識して、私たちは事に当たっていかなければなりません。非常にそういうところは深読みして、それから患者さんに寄り添う姿勢というのが、審議会の中でも必要なのです。
 ですから、この審議に当たる人は、患者さんのシビアなこと、それからそのお子さんだったり御家族だったり、本当に大変な病態であるということを理解して、事に当たって資料を読み込むという、そのような真摯さがないといけないのだと私は思うのです。そういうことを皆さんに知っていただきたいのです。そこが審議会のすごく大切なことなのです。私はいつも分からないから質問をしているのですが、そういうところに真摯さがないと、審議というのは空虚なものになってしまうのだということを、是非御理解いただければと思います。これは非常にシビアな病態であるということを、私たちは理解していかなければいけないのだろうと思うのです。一色部会長代理がおっしゃったことは非常に重い言葉だろうと私は受け止めております。
○荒井部会長 貴重な御意見ありがとうございます。今の一色部会長代理、宮川委員からの意見に関して、何か具体的なというか、数字というか、何かそこについて発言はありますか。どうですか。
○医薬品医療機器総合機構 調査で入ったデータしか、今、持ってはいないのですが、最小で1歳のお子さんが登録されていて、調査期間としては3年追わせていただいているところです。手持ちのデータは以上です。
○荒井部会長 ですから、実際問題、ディスカッションするとなると、そこから上がってきたデータから読み込むしかないわけではあるのですが、今の宮川委員あるいは一色部会長代理の御指摘は極めて重要だと私は思います。企業から上がってきたものだけから良い悪いと判断するのではなくて、現状がどういう状況にあるかについて、テーマによっては少し掘り下げないといけない部分があるように感じます。御指摘のように、ここでポンポンと上がってきたものを、委員だけで、「ああそうですね」としてしまうのは、ちょっと具合が悪いかなと思いますが、管理監、どうぞお願いします。
○医務管理監 機構医務管理監の山本でございます。宮川委員からの御指摘もあったように、確かにてんかん医療は非常に複雑かつ難しいところだと認識しております。私自身は神経内科医ですので、ある程度状況を把握しておりますが、特に小児に多いということで、難渋する症例もたくさんあると認識しております。
 てんかんの専門医は、日本てんかん学会で専門医を認定しておられて、バックグラウンドは小児科、神経内科、脳外科、精神科とかなり様々なバックグラウンドの先生方がいらっしゃいます。今、ちょっとてんかん学会のホームページを確認したところ、学会員であること、それからてんかん医療に従事していること、50例の症例リスト、研修施設で3年以上の研修歴相当の経験を踏まえた上で、試験を受けてなられるということです。ちょっと古いデータですが、平成28年の時点で専門医の認定は535名ということですので、増えたとしても1,000人にはなっていないだろうと思われます。
 本当に特殊な領域の、非常に少ない専門医の先生方がやっておられますので、委員の先生方から御指摘いただきましたように、やはり普通は薬で何とかしたいというのが、子供さんの親御さんなどは絶対そのように思われると思いますし、働いていらっしゃる方、成人の方でも、薬で止まるのであれば一番それが有り難いというように認識されると思うのですが、それでもある程度のこういう外科手技をした上で止めないといけないという難治性の方ということになりますと、もちろん専門医の先生方に講習を受けていただいた上で、本当にお薬ではコントロールできないのだということを確認の上で、使っていただく機器ということで、こちらとしても認識しております。
 それでもやはり、今もほかの機器でもてんかんの学会から要望を受けていたりすることもありまして、数少ない患者さんではありますが、これを必要としている方々がいらっしゃるということを、機構審査員一同確認して、そういうことを認識した上で、させていただいております。以上でございます。
○荒井部会長 ありがとうございます。今、小西委員が手を挙げていただいております。小西委員、お願いできますか。
○小西委員 死亡が結構多い、よく読んでみましたら結構多いなと思ったのですが、詳しく説明があったので、一応納得はしたのです。重症のてんかんということで、何もしなくてもこれくらいの死亡率があることを確認したいということと、それから、先ほどの12歳でしたか、年齢との関係が、死亡では何も書いていなかったかどうか、ちょっと確認したいのです。先ほど、年齢別で何か分けていましたよね。どういう方が亡くなっているかということだけ教えていただけたらと思います。以上です。
○医薬品医療機器総合機構 機構です。先生、一つ目の質問というのを、もう一回お願いできますでしょうか。
○小西委員 死亡例がかなり多かったのでちょっと心配だったのですが、この機械を付けなくてもこれぐらい死亡するような疾患だという理解でよろしいでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 まず、そのとおりでございます。審査報告書の11ページに海外臨床試験との比較も載せておりますが、難治性のてんかんの患者さんの一定程度の突然死の死亡率を挙げながら、本調査での結果と比較させていただいております。
○小西委員 死亡と年齢との関係はいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 はい。死亡症例は14例、因果関係ありなしにかかわらずありますが、最小の年齢で2歳のお子さんです。最大で58歳の方で、かなり幅広く生じております。
○小西委員 分かりました。余り年齢と関係ないということですかね。
○医薬品医療機器総合機構 関係ないということです。
○荒井部会長 ありがとうございます。そのほかに御質問、御意見いかがでしょうか。よろしいですか。特に御意見がなければ、これは報告事項ですので、これで議題4を終了いたします。
 今日はこの四つだけですので、一応本日の議題は以上ですが、事務局から何か連絡事項はございますでしょうか。
○医療機器審査管理課長 委員の先生方におかれましては、本日は御多忙の中、御参加いただきましてどうもありがとうございました。次回の部会につきましては、9月5日(月)15時からを予定しております。詳細につきましては、後日メールにて御連絡させていただきます。連絡事項は以上です。
○荒井部会長 この部会は皆さんの御協力を頂いて、なんとか時間内ぎりぎり終わるのが常で、今日のように早く終わるパターンは本当に珍しいように思います。ありがとうございました。9月はまたどうなるか分かりませんが、どうぞよろしくお願いします。
 それでは、これをもちまして、本日の医療機器・体外診断薬部会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医療機器審査管理課 再生医療等製品審査管理室長 高畑(内線4226)