第1回新しい時代の働き方に関する研究会 議事録

労働基準局労働条件政策課

日時

令和5年3月20日(月) 10:00~12:00

場所

AP虎ノ門 Aルーム

議題

新しい時代の働き方について

議事

議事内容
○労働条件政策課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第1回「新しい時代の働き方に関する研究会」を開催いたします。構成員の皆様方におかれましては、御多忙のところお集まりいただき誠にありがとうございます。
 本研究会の進行につきましては、座長が選出されるまでの間、事務局で務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 本日の研究会につきましては、会場とオンライン参加の双方による開催形式とさせていただきたいと考えております。
 続きまして、御出席いただいております構成員の皆様を、座席表のとおりでございますけれども、御紹介申し上げたいと思います。「あいうえお」順で御紹介申し上げます。
 ソニーグループ株式会社執行役専務 人事・総務担当の安部和志様。
○安部構成員 よろしくお願いします。
○労働条件政策課長 学習院大学名誉教授、学習院さくらアカデミー長の今野浩一郎様。
○今野構成員 よろしくお願いします。
○労働条件政策課長 立正大学経済学部教授の戎野淑子様。
○戎野構成員 よろしくお願いします。
○労働条件政策課長 早稲田大学政治経済学術院教授の大湾秀雄様。
○大湾構成員 よろしくお願いいたします。
○労働条件政策課長 法政大学現代福祉学部臨床心理学科准教授の小林由佳様。
○小林構成員 よろしくお願いいたします。
○労働条件政策課長 本日オンライン参加でございますけれども、株式会社メンバーズ専務執行役員、CHROの武田雅子様。
○武田構成員 よろしくお願いいたします。
○労働条件政策課長 公益財団法人連合総合生活開発研究所主幹研究員の中村天江様。
○中村構成員 よろしくお願いします。
○労働条件政策課長 東京大学社会科学研究所比較現代法部門教授の水町勇一郎様。
○水町構成員 よろしくお願いします。
○労働条件政策課長 なお、株式会社ビジネスリサーチラボ代表取締役の伊達洋駆様におかれましては、本日は御欠席となっております。
 以上で御紹介とさせていただきます。
 それでは、本研究会の開催に当たりまして、労働基準局長の鈴木より皆様に御挨拶申し上げます。
○労働基準局長 労働基準局長の鈴木でございます。構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、御参集いただきまして大変ありがとうございます。
 私どもの所管法律である労働基準法というものがございまして、これは戦後すぐにできた法律ですが、昨年11月でちょうど75周年を迎えてございます。人間で例えれば高齢者なのですけれども、今も現役の法律でございまして、残念なことに、法律を守っていただけない方がおられ、今も是正勧告や、場合によっては書類送検なども行っておりまして、労働行政の我々が持っている法律の中ではなくてはならない法律でございます。
 しかしながら、元々、この法律は全産業の全労働者に適用するコンセプトで制定された法律でありますけれども、75年も経ちますと、やはり設定当初は考えていなかったような働き方が出てきております。例えば、労働者の中でも、テレワークで場所的に使用者とは別のところで働いている方がいらっしゃいます。それから、副業・兼業ですが、これは少しは昔からありましたが、最近になりまして再び注目を浴びてきており、様々な形がある中でその労働時間をどう算定するのだという問題も生じます。さらに、今国会にも法律が出る予定でありますけれども、フリーランスの方、いわゆる非労働者の方が働いていらっしゃいまして、この方たちの保護をどうするのかという問題も生じてきているわけでございます。
 こうした問題に対しましては、その時々の課題に応じまして、例えば労災保険の特別加入を設けるなど、様々な対応をしてまいりましたけれども、やはりIT化がこれだけ進んで、かつ、新型コロナウイルス感染症の影響で働き方が大きく変わってきた中で、今後、さらにこういった傾向が進んでいくということも考えますと、このあたりで一度、労働基準行政全体としてどういう対策を考えていくべきかということを総ざらいして考えてみるべきではないかということで本研究会を開催させていただきました。
 今後もこういった働き方は増えてまいりますけれども、ただ、忘れてはいけないのは、これまでも大部分の方は従来型の労働者の方でありますし、今後、新しい働き方が出てきてもそういった方が大層であることはおそらく変わることはございません。ただ、新しい働き方をされる方が増えてくる中で、その部分にどう対応していくのかということを、ひとつじっくり考えてみようかということでございます。
 できましたら、皆様方におかれましては、75年とは言いませんけれども、例えば50年後まで我々の労働基準行政としての指標となるような対策の方向性などをこの検討会で出していただければと思っております。
 ぜひ皆様方の忌憚のない御意見をお願い申し上げまして、私の開会の御挨拶とさせていただきます。
○労働条件政策課長 では、続きまして、本研究会の開催要綱について御説明申し上げます。皆様、お手元の資料1を御覧ください。
 開催要綱について、読み上げさせていただきます。
 「1.趣旨・目的」
新型コロナウイルス感染症等の影響により生活・行動様式が変容し、働く方の働き方に対する意識、職業キャリアに関するニーズが個別・多様化している。
 これに加え、人口構造の変化等の経済社会の潮流、技術革新による産業構造の転換、新たな働き方の拡大等を踏まえ、これからの新しい時代の働き方を構想し、働く方の働きがいを促進していくため、組織と個人の働く関係を捉え直す時機が到来している。
 このため、働き方や職業キャリアに関するニーズ等を把握しつつ、新しい時代を見据えた労働基準関係法制度の課題を整理することを目的として、「新しい時代の働き方に関する研究会」(以下「本研究会」という。)を開催する。
 「2.検討事項」
本研究会においては、次の事項等について調査・検討を行う。
 ① 働く方の働き方や職業キャリアに関するニーズの変容について
 ② 企業の意識、人材の管理・活用等の変容について
 ③ 働く方の健康確保と働きがいの促進について
 ④ デジタル技術を活用した働く方の保護について
 ⑤ ①から④までを踏まえた、法制度の基本的在り方について
 「3.運営」
(1)本研究会は、厚生労働省労働基準局長が有識者(別紙)の参集を求めて開催する。
(2)本研究会においては、必要に応じ、(1)の参集者以外の者の出席を求めることがある。
(3)研究会、会議資料及び議事録については、原則として公開とする。ただし、個社のヒアリング等、公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある場合等において、座長が、非公開が妥当であると判断した際には、非公開とすることができる。なお、非公開とする場合には、その理由を明示するとともに、議事要旨を公開する。
(4)本研究会の座長は、参集者の互選により選出し、座長代理は座長が指名する。
(5)本研究会の庶務は、厚生労働省労働基準局労働条件政策課において行う。
 裏面は、ただいま御紹介申し上げました参集者の皆様の名簿となってございます。
 開催要綱の説明は以上でございます。
 それでは、続きまして、本研究会の座長の選出に移らせていただきます。
 ただいま御説明いたしました開催要綱の「3.運営」の(4)におきまして「本研究会の座長は、参集者の互選により選出し、座長代理は座長が指名する。」としております。
 座長の選出については、事前に事務局より各構成員にお諮りさせていただいておりますとおり、今野構成員にお願いしたいと考えておりますが、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○労働条件政策課長 ありがとうございます。それでは、今野構成員に座長をお願い申し上げます。
 それでは、これ以降の進行は今野座長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○今野座長 皆さん、よろしくお願いします。
 今の開催要綱でもありましたし、鈴木労働基準局長から話もありましたが、働き方や働くニーズが非常に変わってきました。そういう中で、これからの労働基準行政といいますか、労働基準法制度がどう変わっていくべきかを考えるようにという大変難しい課題でございまして、考えるようにということは点検するということでありますし、さらに、点検した後にどういう課題があるかを考えるようにということですし、できれば、どういう方向でいくのかを考えるようにということになると思います。
 したがいまして、最終的にどうまとめるかなどは、とりあえずはあまり気にせずに、皆さんはとにかく言いたいことをどんどん言っていただいて、それで良いものをつくっていきたい。そういう皆さんの忌憚のない議論を踏まえて何かの形にまとめていく原案は事務局に頑張ってもらいますので、それを受けてまた我々は議論することになると思いますので、しつこいですけれども、細かくまとめるなどはあまり気にしないで、言いたいことは言うということで進めさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ちなみに、先ほどの鈴木労働基準局長の言葉で50年後まで見据えるというのですから、ぐっとプレッシャーがかかりましたのでけれども、よろしくお願いいたします。
 それでは、先ほどもありましたように、開催要綱3.(4)に基づきまして、本研究会の座長代理を指名させていただきたいと思います。
 座長代理は、水町構成員にお願いしたいと思います。水町構成員、よろしいでしょうか。
○水町構成員 承知しました。
○今野座長 よろしくお願いいたします。カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退室)
 それでは、まず本研究会の開催に当たりまして、会議の公開等について事務局から説明をお願いします。
○労働条件政策課課長補佐 事務局でございます。資料2を御覧ください。「研究会の公開の取扱いについて(案)」でございます。
 本研究会については、原則公開とすることとし、資料2の①から④までに該当する場合であって、座長が非公開が妥当であると判断した場合には、非公開とさせていただきたいと思います。
○今野座長 よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○今野座長 ありがとうございました。それでは、会議の公開につきましては、今、説明があったとおりにさせていただきます。
 では、まず、議論の基本的なベースとして、経済社会や働き方の変化等について、事務局から資料を整理いただきましたので、それをまず聞いて参考にしたいと思いますので、事務局から説明をお願いします。
○労働条件政策課課長補佐 事務局でございます。資料3を御覧ください。「経済社会と働き方の変化等について」を御説明いたします。
 1ページ目の目次を御覧ください。大きく「1.経済社会の潮流」「2.技術革新による変化」「3.新しい働き方の拡大」「4.働き方への考え方」という項目がございます。これより、それぞれのテーマに関し、各種データを御説明いたします。
 まず、2ページ目より「1.経済社会の潮流」の「(1)人口構造・産業構造の変化」を御説明いたします。
 3ページ目を御覧ください。日本の人口の推移でございます。棒グラフのとおり、日本の人口は既に減少局面を迎えており、また、紺色の折れ線グラフのとおり、今後は15歳から64歳の現役世代の減少が更に進む見込みです。
 4ページ目を御覧ください。日本の人口ピラミッドの変化でございます。団塊世代が全て75歳となる2025年には、薄い赤と濃い赤の部分のとおり、65歳以上が全人口の30%となる見込みです。また、2040年には、人口は1億1,092万人に減少する一方で、65歳以上は全人口の35%となる見込みです。
 5ページを御覧ください。2040年までの人口構造の変化でございます。左側の65歳以上の人口は2000年から2025年にかけて急増しますが、2025年から2040年にかけては増加が緩やかになる見込みです。他方、右側の20歳から64歳人口は2025年から2040年にかけて減少が更に進む見込みです。
 6ページ目を御覧ください。産業別就業者数の推移でございます。1951年から2021年の年平均の推移で見ますと、ピンク色部分のとおり、第三次産業での就業者が増加しています。
 7ページ目を御覧ください。GDP(国内総生産)に占める第三次産業の構成比の推移でございます。青色部分のとおり、第三次産業がGDPに占める割合は、1970年が全体の約5割であったのに対し、現在では全体の約7割に高まってきています。
 8ページ目を御覧ください。主要国の一人当たり名目GDPでございます。一番右側の日本の一人当たりの名目GDPは、2021年では3万9,803ドルであり、これはOECD加盟国の中では第20位となっています。
 9ページ目を御覧ください。労働力人口の推移と人手不足の動向でございます。左のグラフの青線と赤線のとおり、近年では女性や高齢者の労働参加が進んだこともあって、労働力人口・就業者数は2019年まで増加傾向にありましたが、2020年以降はコロナの影響により増加傾向に鈍化が見られます。また、右のグラフのとおり、人手不足の状況は、コロナ禍で一時的に過剰方向となった後、産業間で差が見られつつ不足感が高まり、2022年に入り更に人手不足感が高まっています。
 10ページ目を御覧ください。転職者数・入職率・離職率の推移でございます。左側の転職者数につきましては、2010年以降、増加傾向にあり、2016年以降は300万人を超える水準で推移しているものの、コロナの影響により足下では減少している状況です。また、右側の入職率と離職率につきましては、2013年から2019年は入職率が離職率を上回る水準で推移したものの、コロナの影響により2020年は入職率・離職率ともに大きく低下しています。
 11ページ目を御覧ください。年齢階級別の転職入職率の推移でございます。転職入職率、すなわち常用労働者数に対する入職前1年間に就業経験のある入職者数の割合で、その推移を見ますと、概ね10%前後で推移しています。その中で、年によって変動はありつつも、経年で見ますと、青色と赤線の実線のとおり、20代の転職入職率が高い状況でございます。
 12ページ目を御覧ください。企業規模別の労働移動の現状でございます。入職者に占める転職者の割合は、1991年から2006年にかけてやや上昇した後、6割程度横ばいに推移しています。これを企業規模別に見ますと、規模が小さいほど入職者に占める転職者の割合が高い傾向にありますが、近年では、濃い黄色と緑色の線のとおり、企業規模300人以上の企業で上昇傾向が見られます。
 続きまして、13ページ目より「(2)人事労務管理等の現状」を御説明いたします。
 14ページ目を御覧ください。平均給与の推移でございます。給与所得者の平均給与の推移を見ますと、緑色の棒グラフのとおり、2021年分は男女計で約443万円となっており、2002年分とほぼ同じになっています。
 15ページ目を御覧ください。年齢階級別平均給与の推移でございます。各実線のとおり、59歳までは年齢が高くなるほど平均給与が高くなる傾向に大きな変化はありません。
 16ページ目を御覧ください。給与階級別給与所得者の構成比の推移でございます。給与所得者の構成比の推移を見ますと、ピンク色の部分のとおり、一貫して年間給与額が300万円超400万円以下の階級が多く、ピンク色の部分以下の400万円以下の層が5割を占める状況でございます。
 17ページ目を御覧ください。雇用形態別雇用者数の推移でございます。青色の正規の職員・従業員は6割、赤色のパート・アルバイトが3割弱を占めている状況です。
 18ページ目を御覧ください。従業者規模別雇用者数(非農林業)の推移でございます。ピンク色の線のとおり、500人以上規模の企業の雇用者数が増加傾向にある一方で、青色の線のとおり、1から29人規模の企業の雇用者数が減少傾向にあります。
 19ページ目を御覧ください。年代ごとの人事労務管理の特徴と経済環境でございます。人事労務管理につきましては、成長期の中では主に年齢による処遇だったものが年齢・能力による処遇に変化していきましたが、後退期以後では目標管理制度や役割等級制度の下、成果主義的な処遇が取り入れられ、近年ではいわゆるジョブ型雇用への関心が高まってきています。また、直近では、定年延長、同一労働同一賃金、働き方改革、テレワークなど、人事評価制度に限らず様々な変化が起きています。
 20ページ目を御覧ください。賃金制度(体系)の状況でございます。賃金制度(体系)につきましては、両グラフの青線のとおり、管理職層、非管理職層ともに役割・職務給の導入率が増加しています。また、右側のグラフの緑色の線のとおり、非管理職層においては年齢・勤続給の導入率が減少しています。
 21ページ目を御覧ください。国際比較を通して見た日本でございます。上から1つ目と2つ目のとおり、日本は、「就業率」や「失業率」などでは良い指標が出ている一方、下から1つ目と2つ目のとおり、労働時間や仕事の内容等に関する決定権等で計られる「仕事上の重荷」という指標や「労働生産性成長率」という指標ではOECD平均を下回っています。
 22ページ目を御覧ください。従業員エンゲージメントの国際比較でございます。日本企業の従業員エンゲージメント、すなわち従業員の仕事や職場への関与・熱中の度合いにつきましては、世界全体で見ますと低い状況でございます。
 23ページ目を御覧ください。高度な教育を受けた労働者を誘致・維持する魅力度でございます。高度な教育を受けた労働者の日本に対する魅力度は、38カ国中22位となっています。
 続きまして、24ページ目より「(3)企業の人材戦略」を御説明いたします。
 25ページ目を御覧ください。人生100年時代で企業が予測していることでございます。企業が雇用管理を定める場合にイメージする「人生100年時代」としましては、左側から1つ目と2つ目のとおり、従業員の勤続がより長期化するとともに、従業員の介護負担の増加などから働き方への配慮がより求められるといった内容でございました。
 26ページ目を御覧ください。人生100年時代に求められる能力でございます。企業が考える人生100年時代に求められる能力としましては、左側から3つ目の「自ら考え、行動することのできる能力」や右から1つ目の「柔軟な発想で新しい考えを生み出すことのできる能力」等の割合が高くなっています。
 27ページ目を御覧ください。企業の情報開示の概況(施策実施と情報開示の関連)でございます。縦軸が情報開示企業の比率、横軸が実施企業の比率で、情報開示が最も進んでいる施策は「女性社員の活用」であり、それに続くのが「仕事・介護両立支援」と「仕事・育児両立支援」といったワークライフバランス関連でございます。それに対して、「有給取得促進」や「残業削減」といった労働時間分野は、取組状況はワークライフバランス関連と遜色がないものの、情報開示はやや遅れている状況でございます。
 28ページ目を御覧ください。日本国内株への投資の際に考慮する企業の人材育成関連の情報でございます。上から1つ目と2つ目のとおり、日本国内株への投資を行う際に、「労働関係の法令違反の有無」、「人材育成・教育訓練の取り組み」を考慮する機関投資家の割合が高くなっています。
 29ページ目を御覧ください。機関投資家が開示してほしい人事施策・CSR関連情報でございます。機関投資家の「開示要望比率」、具体的には青色の「ぜひ開示してほしい」と赤色の「開示されていれば参考にする」の合計割合でございますが、上から、「メンタルヘルスによる休職者数」で59.4%、「労働時間や勤務場所の柔軟化の取り組み」で59.4%、「従業員の健康維持・増進に対する取り組み」で58.8%、「従業員のキャリア形成に対する支援」で57.1%と、相対的に高くなっています。
 続きまして、30ページ目より「2.技術革新による変化」を御説明いたします。
 31ページ目を御覧ください。中期的な労働需要の変化(産業別の就業者数の変化)でございます。縦軸が労働生産性、横軸が就業者数となっており、また、各線に年号を付して、経年で両者の推移をお示しする形としています。産業別に労働生産性(1時間当たり)と就業者数の長期的な推移をみますと、赤線のとおり、「製造業」では、就業者数は減少しているものの労働生産性は上昇しています。また、濃い緑色の線のとおり、「情報通信業」では、就業者数の変化はほぼみられない中で労働生産性が大幅に上昇しています。
 32ページ目を御覧ください。スキル別就業者割合の変化(国際比較)でございます。いずれの国におきましても、緑色の高スキル職業や青色の低スキル職業の就業者割合が増加する一方、赤色の中スキル職業の就業者割合は減少しています。他方で、日本は、ドイツ、アメリカ等と比べて、高スキル職業の増加幅も、中スキル職業の減少幅も小さい状況でございます。
 33ページ目を御覧ください。AI等の新技術による雇用への影響でございます。左のグラフを御覧ください。赤い棒グラフのとおり、専門性の高い職業やコミュニケーションを必要とする職業等の増加が見込まれている一方、青色の棒グラフのとおり、一般事務や総務・人事・経理等の定型業務が多いと思われる職業の減少が予想されています。次に、右のグラフを御覧ください。左より、会計・財務・税務、定型的な書類作成、労務管理関係、スケジュール等の調整、製造・組立等、定型的な業務を中心にAIへの代替希望が強い傾向にございます。
 34ページ目を御覧ください。新技術と柔軟な働き方の関係でございます。左から2つ目の「AI等活用」とは、「AIの活用」又は「ビッグデータ・IoTの活用」を行っている企業を指し、「組織改編等」とは、「ICT専門の総括責任者の設置」、「ICTに対応した組織の改編」又は「新技術導入・活用に関する中期計画の作成」を行っている企業を指しますが、AI等を活用している企業や新技術に対応した組織改編等を行っている企業におきましては、青色のフレックスタイム制や赤色のテレワーク等の柔軟な働き方を積極的に導入している傾向にございます。
 35ページ目を御覧ください。アウトソーシングの現状でございます。左側の折れ線グラフのアウトソーシングを行っている企業割合の推移をみますと、赤線のとおり、製造委託以外の業務委託が増えています。また、右側のグラフのとおり、左より環境・防犯関連、物流関係、税務・会計、情報処理といった専門的なサービスが外部委託されているほか、左側から5つ目の一般事務処理といった定型的な業務や、右側から2つ目の研究開発関連の高度な業務等、幅広い分野で外部委託が行われています。
 続きまして、36ページ目より「3.新しい働き方の拡大」を御説明いたします。
 37ページ目を御覧ください。テレワーク導入状況でございます。左側のテレワーク導入状況の推移を見ますと、2020年は前年から大幅に割合が上昇しており、2021年もその割合が維持されています。右側上部の、2020年8月末時点の産業別導入状況を見ますと、「情報通信業」などでテレワークを導入している企業の割合が高く、また、右側下部の企業規模別導入状況を見ますと、企業規模が大きいほど導入している割合が高くなっています。
 38ページ目を御覧ください。テレワーク実施率の推移(地域別)でございます。2021年4月以降では、オレンジ色の東京都23区で5割台、水色の地方圏で2割台の水準で推移しています。
 39ページ目を御覧ください。テレワークの実施率推移(業種別)でございます。左側から1つ目と2つ目のとおり、「情報通信業」、「電気・ガス・水道業」などで実施率が高い状況です。
 40ページ目を御覧ください。緊急事態宣言発出前後の労働者代表の有無とテレワークに関する状況でございます。青色のテレワーク実施につきましては、左の緊急事態宣言発出前後ともに労働者代表なしの場合ではテレワーク実施割合が低くなっています。赤色の生産性につきましては、真ん中の緊急事態宣言発出前は労働者代表がないが、発出後に労働者代表ありの場合で21.3%が生産性は向上したと回答しています。緑色の仕事満足につきましても、労働者代表が存在している場合には高くなっており、特に、真ん中の緊急事態宣言発出前は労働者代表がないが、発出後に労働者代表ありの場合では、仕事満足割合が高くなっている状況でございます。
 41ページ目を御覧ください。雇用形態別副業の有無でございます。上から1つ目の正規雇用では副業を持っている割合は小さいですが、持ちたいと希望している割合は大きく、半数を超えています。また、上から2つ目の非正規雇用でも、「副業を持ちたいが持っていない」とする割合が大きく、5割近くを占めています。
 42ページ目を御覧ください。勤務先の副業制度でございます。上から1つ目の正規雇用では赤色部分の副業を持つことを禁止されている割合が大きく、上から2つ目の非正規雇用では緑色の自身の勤め先の副業を持つ制度があるかどうかを認知していない割合が大きい状況でございます。
 43ページ目を御覧ください。年収別副業の有無でございます。年収別に副業に関する意識をみますと、年収が低い層では副業を保有する割合が大きく、年収が高い層では副業を持ちたいと思わない層の割合が大きい状況でございます。
 44ページ目を御覧ください。副業動機(従業員側調査)でございます。左側の実施動機の上位順位をみますと、副業動機の中で最も高い項目は「副収入(趣味に充てる資金)を得たいから」で70.4%となっています。また、右側の大きく6つに分類した副業動機を相対的に比較しますと、右側から1つ目の「収入補填」が最も高くなっています。
 続きまして、45ページ目より「4.働き方への考え方」を御説明いたします。
 46ページ目を御覧ください。就業価値観の推移(就労者のみ)でございます。過去20年にわたる就業価値観の変化をみますと、青色の線のとおり、会社の発展のために尽くすといった意識は減少傾向にあり、赤色や緑色の線のとおり、自分や家庭のことを優先したいや、勤務時間が短いほうがよいといった、ワークライフバランスへの意識が高まってきています。一方で、紺色の線のとおり、7割が現在の業務に満足していると回答しています。
 47ページ目を御覧ください。テレワーク実施者・非実施者における就業価値観の違い(正社員のみ、20代~50代)でございます。青色のテレワーク業務の実施者は、赤色の非実施者と比べ、左側から1つ目の会社への貢献意識や、右側から2つ目の余剰時間を活用した資格取得への意向、右側から1つ目の就業への満足度が高くなっています。
 48ページ目を御覧ください。働きたい組織の特徴①【経営スタイル・貢献と報酬の関係】(大学生)でございます。大学生に働きたい組織の特徴を調査した結果、上から1つ目の「若く新しい企業」よりも、「歴史や伝統がある企業」が支持されています。また、上から2つ目の「リスクをとり、チャレンジングな事業成長を目指している」ことよりも、「安定し、確実な事業成長を目指している」ことが支持されています。
 49ページ目を御覧ください。働きたい組織の特徴②【成長スタイル・ワークスタイル】(大学生)でございます。こちらも大学生に働きたい組織の特徴を調査した結果でございますが、上から4つ目の「短期で成長できるが、体力的・精神的なストレスもかかる」よりも、「短期での成長はしにくいが、体力的・精神的なストレスがかからない」が支持されています。
 50ページ目を御覧ください。働きたい組織の特徴③【ワークスタイル・コミュニケーションスタイル】(大学生)でございます。こちらも大学生に働きたい組織の特徴を調査した結果で、これを見ますと、上から2つ目の、「全国や世界など、幅広い地域で働く」よりも「特定の地域で働く」が支持されていること、上から4つ目の、「自分のやりたいことを起点に、個人のイニシアティブで働くことが求められる」よりも、「組織の目的や目標に向けて、チームで働くことが求められる」が支持されていること、下から3つ目の、「仕事と私生活は区別なく、一体として働ける」よりも、「仕事と私生活のバランスを自分でコントロールできる」が支持されていること、下から1つ目の、「コミュニケーションは希薄で、個人の自由に任せる」よりも、「コミュニケーションが密で、一体感を求められる」が支持されていることがそれぞれ示されています。
 51ページ目を御覧ください。若者の労働価値観でございます。若者(中学生、高校生、大学生)の労働価値観で、「外的報酬に対する欲求」につきましては、より高い報酬を得たいという欲求が強い傾向にあり、また、「内的報酬に対する欲求」につきましては、外的報酬に対する欲求と比べて総じて強い状況でございます。また、「ハードワークに対する許容度合い」につきましては、許容度が低い傾向にあり、特に、「やりたい仕事であれば精神的にきつくても仕方がない」と思わない若者は、他の2つの設問と比べて相対的に多くなっています。
 52ページ目を御覧ください。働く時間・場所の希望でございます。好きな時間に働く、好きな場所で働く、といった自由な働き方を希望する人は、この6年の間に20代から30代の社員で増加傾向にあります。特に20代前半には多く、2022年には約52%が好きな時間、約44%が好きな場所で働くことを希望しています。
 53ページ目を御覧ください。今後伸ばしたいスキル・能力でございます。雇用者が今後働く中で、具体的に伸ばしていきたい特定のスキルや能力を3つまで選んでもらったところ、右側から1つ目の「特にない」が最も多く、次いで、左側から1つ目の「ITを使いこなす一般的な知識・能力」、左から2つ目の「コミュニケーション能力・説得力」が多いという結果でございました。
 54ページ目を御覧ください。自己啓発の実施状況でございます。左側の青色と赤色部分のとおり、雇用者の自発的な学習意欲は2022年4月調査以降、緩やかながら低下し続けていますが、大きな差はございません。また、右側のグラフで、自己啓発を「行っている」「行っていないが、始めたいと思っている」者を対象に、その目的を複数回答で聞いたところ、左側から1つ目の「現在の仕事に必要な知識・能力を身につけるため」が最も多く、次いで左側から2つ目の「将来の仕事やキャリアアップに備えて」が多くなっています。
 55ページ目を御覧ください。企業のリスキリングへの認識でございます。左側の企業規模別のリスキリングに取り組む必要性に対する認識のグラフを見ますと、従業員数1,001名以上の大企業では「取り組む必要がある」が86%、301名以上1,000名以下の中堅企業では71%、300名以下の中小企業では64%となっており、企業規模が大きいほどリスキリングに取り組む必要性があると感じている企業が多い状況でございます。また、右側のリスキリングに「取り組む必要がないと考える理由」のグラフを見ますと、上から、「他の優先課題がある」が最多で39%、次いで、「事業戦略上特に必要がない」が30%、「取り組みを進められる人材が社内にいない」が26%となっています。
 56ページ目を御覧ください。管理職志向・専門職志向でございます。「どのポストまで昇進したいか」という問いに対して、男女計で最も多かったのは「専門職<スペシャリスト>」で17.3%、続いて、「どうでもよい」で16.0%でした。これを男女別で見ましたところ、男女差が大きく、男性で多い回答は「部長」で18.6%、「社長」で18.4%ですが、女性で多い回答は「専門職<スペシャリスト>」で22.7%、「どうでもよい」で19.0%となっています。
 57ページ目で、共働き・子育てへの意識でございます。大学生の意識調査で、左側の折れ線グラフのとおり、男女ともに共働き希望が増加しており、また、右側の折れ線グラフのとおり、育児休業を取って積極的に子育てをしたい男性の割合も年々増加しています。
 58ページ目を御覧ください。「心の病」の最も多い年齢層でございます。「心の病」の年代別割合につきましては、2019年までは青線の10代から20代が増加し、赤線の30代や緑色の線の40代と横並びになっていましたが、直近では30代との回答が再び増加し、10代から20代や40代を10ポイント超上回り最多となりました。
 59ページ目を御覧ください。仕事のやりがい別の満足度でございます。縦軸が現在の生活にどの程度満足しているかの度合いである「総合主観満足度」と、「雇用と賃金」への満足度と、「仕事と生活」への満足度の点数、横軸の点数が仕事のやりがいの点数となっております。いずれの満足度においても、現在の仕事にやりがいを感じている人ほど、満足度は高くなっています。また、0点から2点の仕事にやりがいを感じていない者と、8点から10点の非常に仕事にやりがいを感じている者の満足度の差は非常に大きくなっています。
 60ページ目を御覧ください。仕事にやりがいを感じる要因でございます。今度は、具体的にどのようなことに仕事にやりがいを感じるのかを複数回答で尋ねた結果で、左より、「努力や成果が収入に反映されること」、「お礼や感謝の言葉をもらうこと」、「仕事の成果を認められること」と回答した人の数が多い状況でございました。
 最後に、61ページ目を御覧ください。年収階層と雇用賃金満足度でございます。年収が高いほど、雇用と賃金に対する満足度が高い状況でございます。
 資料3の説明は以上となりますが、このほか、厚生労働省におきましては、現在、働く方の働き方や労働条件、職場環境等に関するニーズを把握するための委託調査を実施しており、結果が取りまとまり次第、本研究会において御報告をさせていただく予定でございます。
 事務局からは以上です。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、基礎的な情報の提供をいただきましたので、これをこれからの議論の参考にしていきたいと思うのですが、これについて、本当は皆さん色々な御意見があると思いますが、今日は初めてここに集まりますので、自己紹介も兼ねて、お互いにどういうことを考えているのかを相互に理解しておくことが非常に重要かと思いますので、本日はそれぞれの方に、今回のテーマである働き方や、それとの関係で、考えられていることを最初は、少し短い時間でお願いしたいと思います。
 それでは、最初、安部構成員からお願いできますか。
○安部構成員 ソニーで人事・総務を担当しております安部と申します。よろしくお願いいたします。結果的に入社以来40年近く、ずっと人事を歩むことになり、改めて、人事と言う課題の大きさや深さと同時に、様々な施策や取り組みを行うことにより、新たな価値が創出される機会と可能性の大きさを感じています。
 冒頭で鈴木労働基準局長から労働基準法が施行されて75年になるとお聞きしましたが、ソニーも1946年に創業され今年でちょうど77年目を迎えます。変化と競争の激しい環境下、77年間、一つの産業で成長し続けると言うのは、非常に困難なことです。ソニーも皆さんがイメージされるのは、恐らくソニーブランドを冠したAV製品ではないかなと思いますが、いわゆる祖業であるソニーのエレクトロニクスの事業が占める割合は、企業の歴史と共に相対的に縮小し続けています。現在ソニーを構成する6つのセグメントは、それぞれが独立して事業を運営するものを、ソニーグループの傘下で単に束ねるだけでなく、グループ全体の価値を最大化すべく、相乗効果で独自の価値を生みながら企業全体の価値を高める事を追求し続けています。業績が低迷したり足踏みをした時代もありましたが、厳しい時代を経て、やはり「画一」でなく「多様」、「個別」と言う考え方が大きな環境変化に対応していく鍵ではなかったかと感じています。昨今、言われている通り、正に「多様性を活かす」ことこそが、生き残り、成長し続ける上で重要なのだと思います。
 人事制度も事業毎に最も適した制度があって然るべきで、必ずしも制度で統一することなく、重視すべき点を「求む」、「伸ばす」、「活かす」であることを共通の考え方とした上で、後は、いかに各事業で必要な人材を「魅了し続け」、入社したら「成長し続け」てもらい、一番大事なのは、常に意識高くエンゲージメントを高く保って「活躍し続け」てもらうことだと思っています。今、我々を取り巻く環境を見ていると、課題も極めて多様になってきています。昨日のNHKの「日曜討論」を見ていましても、労働をめぐる課題はそう簡単なものではないと改めて感じました。企業から見える視点と労働者政策という観点から見る世界とは、やはり違うものがあり難しいテーマだと感じました。画一的な施策で課題解決を図るのではなく、例えば、我々の勝手な3つの整理を労働政策にも当てはめ、労働者を「守る」、「伸ばす」、そして持続性を確保するために「保つ」と言う考え方だけを基本として揃えた上で、必ずしも画一的でない労働法制と言った整理も可能なのではないか、などと考えておりました。この研究会を通して何か一つの道筋が見えてきたらと思っております。
 最近、ソニーも少し業績が良くなり「いいですね、ソニーさんは自主性あふれる、挑戦心あふれる社員ばかりが集まられて」と言われることがあります。決して全員が常にそのような意識や行動を取る社員ばかりと言うわけではありません。多様な考え方や価値観の社員がいて、一人ひとりが様々な思い、悩みを抱える中、会社として、常に語り続け、対話し続けて行かなければならない、と日々感じています。業績不振の時に、大学の先生にふと「最近の学生は元気がなくなってきていますね」とお話ししたら、「学生は企業の鏡です。元気のない企業に元気な学生は近づきません」と言われて、ハッとしたことがあります。社員や学生と対話し続ける、社会の課題に対しても、企業としてしっかり向き合い、明確なメッセージを出し続けて行くことの意義を強く感じています。この委員会での貴重な機会に恵まれ、皆さんと意見交換することで、我々自身を見つめ直すことに繋がればと思っています。よろしくお願いします。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、次に、戎野構成員、よろしくお願いします。
○戎野構成員 改めまして、戎野と申します。よろしくお願いします。私は労使関係が専門なので、その視点から最近感じていることを少しお話しさせていただければと存じます。
 今、これまでにもお話がありましたように、非常に多様化が進んでいる。これは働く側も多様になっていますが、企業側も同様に多様になっていて、まさに相互作用の中でその関係性が構築される労使関係も非常に多様なものがつくられてきていると思っております。
 労使関係については、個別に見るものから、御存知のとおり、集団的に見るものもございますけれども、まず、個別に見ましても、今、非常にその関係性が複雑になってきていると思います。昨今、特に人手不足の問題は深刻で、企業は危機感を感じており、また技術革新もそのような中で進めていくにあたり、人が重要だということの認識は共通していると思いますが、そこにおける課題はかなり産業によっても規模によっても違っていると思います。大企業でもかなり中途採用を増加させ、しかしながら、他方で新卒も大事であり、教育に力を入れたいと思いつつも少し離職も増えてきている等々のことから、これまでの人事制度をどう改革していくのか、いろいろな考えが生じていることが私どもの調査からも分かりました。
 中小企業になってきますと人手不足感が危機的状況で、今回、コロナの中で半ば強行突破の形でテレワークなどを実施したところでは新たな発見をしている企業もあります。この地域で人を集めることを諦めて、全世界からオンラインでつながることによって業務遂行を実施していこうというもので、新たな労使関係が生まれようとしているところも見受けられます。すなわち、労使関係といいましても、雇用関係だけではなくて、労働者と経営者、企業との関係の在り方に新たな仕組みを構築していこうという動きが出ているのではないかと思います。したがって、多様な人材、これは雇用形態のみではなく、中途や新卒、請負、フリーランスも全て含めて、どのように人材を活用していくのかという課題に企業は直面していて、そこにおいて様々な労使関係が形成されてきています。そのため、今後ぞれぞれの労使関係を、どのように公正に、かつ公平に扱っていくのかということが重要になってきていると思います。そして、そこにおける新たなルールづくりが大きな課題になっていると感じます。
 労働者も、先ほど資料等で御説明がありましたように、時間や場所に関する自由度へのニーズが非常に高まっており、ニーズは多様でバラバラになっています。しかしながら、こちらも先ほどの調査でもありましたように、チームも非常に大事にしているという結果もあり、全員が同じ方向を向いているわけではありません。さらに、就業人生も60年から65年、さらには70年ということが視野に入っていきますと、1社で一生勤め上げるということは、これからは中々難しいだろうと思いますし、あるいはそういうことを前提に考えない就業人生が非常に広がってきて、まさに就業人生自体も多様になってくると思います。つまり、企業も多様な人材を活用し、多様な考え方を持ち、また、労働者自身も多様な働き方が様々な要因から生まれてくると、様々な種類の労使関係がそのときの企業、労働者のニーズによってマッチングされて出来てくるだろうと思います。そのため、これによる収入の格差であったり処遇の差であったりというものが一層広がってくる可能性もあり、いかに公平感・公正感を保っていくのかということは大きな課題ではないかと思います。
 さらに、私がもう一つ懸念しているのは、今のニーズによって労使関係が形成されてくるところです。確かに、人手不足など目の前の状況に対応することは大変重要なのですけれども、そこでマッチングされた労使関係が将来性を持つものなのかというところを一つ危惧しております。将来に向けて、これまで築いてきた技術・技能がしっかりと蓄積されていくのか、または伝承されていくのか、そして、何よりも人材が育っていくのか。こういったものが、今の労働者と企業との変化の中で構築される労使関係では、非常に希薄になってきているのではないかと思います。
 最後に、集団的に見てみます。労働組合の組織率も17%を切っているような中で、先に述べました多様な労使関係をまとめていくのは非常に難しいところであり、パワーが限定的であることはよく言われています。しかしながら、これまでの調査でもありましたように、目の前のコロナや様々な危機に対しては、一丸となって労使で立ち向かうことによって非常に高い効果をあげており、強みも多数あります。特に労使コミュニケーションや労使関係に関する調査を見てみますと、企業や労働者、労働組合、いずれも労使関係は良好であるという回答が多いのが一つの特徴かと思います。激しい紛争等も少なく、また、危機に関しては一丸となって取り組める。この重要な力を今後より活かしていく必要があるのではないかと思います。
 ただ、他方でこちらも気になるところがあり、先ほど、労使関係の将来性を非常に危惧していると申し上げましたが、将来の発展につながり、企業並びに労働者が発展していける労使関係なのかといったときに、現在の労使協議の内容を見てみますと、教育、能力開発、あるいは新技術の導入や、これからの技術革新への取組に対する協議が非常に薄いです。目の前の職場の課題に対しては協議をしているのですけれども、将来の労働者、将来の企業の発展に関する項目に関しては協議を行っているところが非常に少ない傾向が見られます。したがって、個別に見ても、また、集団から見ても、現在の労使関係に共通して、将来の企業、将来の労働者が発展していく、そういう労使関係が構築される仕組み・制度・ルールが求められているのではないかと思う次第です。
 以上です。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、次は大湾構成員、お願いできますか。
○大湾構成員 ありがとうございます。労働基準行政の枠内ではなくて、労働行政全般についての考えを申し上げたいと思います。
 私は、色々な問題があると思うのですけれども、一番中心に据えて考えたいのは、人的資本投資の低下をどうするか、どういうふうに企業の人的資本投資を引き上げていくかをやはり中心に考えたいと思っております。今の労働市場の問題は、人的資本投資の低下と賃金の低迷だと思うのです。この2つの問題はコインの表裏の関係にあって、賃金を上げていくためにも人的資本投資を拡大していくことが必要で、そのためには、企業内外の市場メカニズムが働くような労働市場に変えていくことが大変重要だと考えています。
 まずは、企業外で市場メカニズムをどう働かせるかという話と、次に、企業内でどう働かせるかという話をしたいと思います。
 人的資本理論でよく知られた結果に、ある2つの条件が成り立てば人的資本投資が効率的に行われるというベッカーの理論があるのです。2つの条件は、一つは人的資本投資が契約に書けること、それから、2つ目の仮定は、労働市場が競争的であることなのです。この2つが満たされれば、企業の人的資本投資は効率的になる。実は、このベッカーの理論はあまり知られていません。なぜなら、昨今の人的資本情報開示の議論などを見ていると、そういった視点がほとんどないからです。この2つの条件は、現時点では成り立たないのですけれども、近づけることはできるわけです。
 その一つは、人的資本情報の開示を通じて、企業の人材育成の考え方や施策を開示させ、それが広く知れ渡るようにする。従業員もそれを期待して行動するようになれば、従業員だけではなくて、求職者も含めて企業に投資を期待し、それに共有されてきたものを通じて関係的契約が形成される。そうすると、契約に書くのと同じ効果が生まれるということです。こういった重要性はあまり認識されていないのではないかなと思うのは、先ほどの資料の中でも、人的資本情報は何を開示していますか、あるいは機関投資家はどういった情報を見たいですかという質問に対して、この人的資本政策や施策があまり話の中で出てきていない。一番重要なものが欠落していると私は感じています。
 もう一つは、2つ目の条件は、できるだけ労働市場が競争的に働くように制度を変えていく必要があるということです。まず第一に、雇用コストを下げる。雇用コストというものは、摩擦によって生じるコストを下げていくことが非常に重要であると考えています。例えば解雇コストが不透明なために採用が控えられる、あるいは非正規を増やす結果になっている。いまだに非正規の比率は4割ぐらいあります。この4割の非正規労働者にはあまり人的資本投資が行われていないわけです。それは非常に大きな問題で、それを変えていくためにはやはり解雇の金銭補償ルールを定めて、解雇したときのコストが見えるようにする。それに合わせて非正規を減らしていくような施策を取っていく。例えば雇い止めを非合法化するといった法的な改革が必要になってくると思っています。
 それと同時に、情報の非対称性を下げていくことも非常に重要で、そのために情報やスキルの標準化がすごく大事だと考えています。そのため、今、ジョブ型雇用という流れの中、企業も職を標準化する、あるいは最近、大企業の中では社内で必要なスキルをどうやって体系化していくかに真剣に取り組んでいる企業が増えてきていて、こういったものが進んでいくと、ある程度、その人のキャリアを見ることでその人の生産性を、外部労働市場をはかることがだんだん可能になってくる。そういった制度変更に対しても政府の支援が必要だろうと思っています。
 次に、企業内でどう市場メカニズムを導入するかという問題ですけれども、どうしてこういうことを申し上げるかというと、これまでの伝統的な日本企業における、日本企業の特徴とも言われる集権的人事が今や人的資本投資を非常に阻害している現象が明確になってきているということであります。
 一つは、自分で自分のキャリアを形成できないことが自己研鑽意欲を削いでいる。そのため、先ほどの資料にもありましたけれども、今、何か身につけたいスキルがありますかという質問に対して、4割以上がないと答えている。あるいは今、自己研鑽活動をやっていますかという質問に対して、ある調査では、やはり5割近い人がないと答えている。あるいは自分の仕事が面白いですかという質問をすると、5割ぐらいの人は面白くないと答えている。なぜなら、自分の興味・関心とマッチしていないからです。そのため、そういった構造を正していくことがまず大事だと思っています。
 2つ目に、現場が機動的に使える十分な育成予算を与えられていないことも問題で、この人事権を現場に落としていくことは、採用、育成、それから、異動・配置についても現場の権限を増やしていくことであります。そのため、現場が自分たちのニーズに応じて、必要に応じて人材投資をできるようにしなければいけない。
 それと同じことですけれども、3つ目に、管理職が、部下の育成が自分たちの主務だという意識が非常に薄いと思うのです。これはどうしてかというと、今まで人事部あるいは研修部といった組織が育成を担ってきたことが背景にあって、でも、本当は管理職が最も部下の育成にコミットしなければ中々部下の能力・スキルは上がっていかないことが、ある程度、明らかになっていますし、日本は管理職が部下の育成に使っている時間が国際的に見ても低いのです。こういったものを変えていくためには人事の分権化を考えていかないといけない。
 それから、最近、多様性といいながら、非常に画一的な育成施策を取っていて、これも変えていく必要がある。こういった今までの集権的な人事部の在り方を変えて、現場社員個人に予算権限あるいはキャリアを選ぶ自由を与えていく。単に企業の自主性に任せるだけではなくて、もう少し踏み込んでもいいのではないか。例えば今までは人事の裁量権として認められてきた、本人の意向を無視した異動や転勤をできるだけやらせないように、もう少し社員のキャリアを考えて人材配置するように何らかの努力義務を課すような制度的な仕組みづくりが必要なのではないかと思うのです。
 最後に、こういった人事の分権化を進めることを考えていく場合には、ある程度、キャリアが可視化されてくることが必要で、それから、現場が人材を集めてくるためにはやはり人材データベースが、ある程度、社内で整備されている必要がある。そうすると、これまで国の支援は、育成機会を支援する、企業の人的資本投資に対する助成金を出すような支援の仕方だと思いますけれども、様々な社内でのデータ活用を通じた分権的な人事の推進に対しても何らかの政策的な支援が必要になってくるのではないかなと思います。データの整備・利用についての議論もこういった研究会でお話ができればいいなと思っています。労働時間とか健康状態とか、あるいは社内の格差の現状をきちんとモニターできることは非常に重要ですので、それを企業ができるような環境づくりが必要だろうと思います。
 私からは以上です。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、小林構成員、お願いできますか。
○小林構成員 よろしくお願いします。小林でございます。
 まず、自己紹介で、私は臨床心理が専門となりまして、企業の中で従業員の方のカウンセリングをしたり、環境を整えたり、そういったことを主な仕事としてやっております。加えて、そういった社会心理的な側面から研究も行っております。
 今回の働き方に関するテーマについて、今の関心事項についてお話ししますと、まず、今のお話にありましたように、キャリアに対する考え方はすごく変わってきているなと感じておりまして、今、ライフキャリアというふうに関心も変わってきているところはあると思いますけれども、ライフとキャリアの融合で、育児休業やテレワーク、副業・兼業を取り入れながら自分らしいキャリアを築いていくことへの関心はやはり高まっているなと感じます。
 ただ、先ほどから、お話に出てきておりますように、企業の中でそうしたキャリアを積んでいこうというところが中々上手くいかない現実もありまして、個々の労働者はそれぞれに折り合いをつけながら、何かを諦めながらキャリア形成をしている現状があると思います。一方で、力のある、何か知識や技術を持っている労働者は、自分で自分のキャリアパスをデザインするために、組織から飛び出していって、転職したり独立したりしており、そういったことが今起こっていることなのかなと感じております。
 こうした状況を企業としては離職防止という形で一生懸命取り組んでいるところなのですが、そこの流動化は中々止められていないのが現状としてあり、やはり発想を転換して、労働者が自分のキャリアパスをどう構築していくかを支援していくという考え方が必要になってくるかなと思います。
 それから、健康の部分についても関心を持っているところでして、今までは企業がしっかりと健康管理をして、個々の従業員が健康で働けるようにという目的の下で取組を行ってきているところではあるのですが、これからはおそらく個々が自律的に健康管理をしていくことがやはりスタンダードになっていくかなと思っています。
 この個々が自分の健康を自分で管理していくところで言いますと、もちろん、知識や仕組みが必要になってきて、それに必要な技術は追いついてきておりますので、それは実現すると思うのですが、一方で、そういった自律的な健康管理が難しい方、弱い立場に置かれている方、それから、弱い立場に置かれている企業などのこともやはり考えておかないといけないと思っております。
 この企業のところで言いますと、私も小規模事業所の調査に関わっておりましたが、やはり人材不足は慢性的にありますし、資金もなく、時間もない中で、従業員の健康管理まで中々見ることができない。もっと言うと、従業員のモチベーションマネジメントなどもすごく難しく、すぐにやめてしまうみたいな状況があると思います。これまでの調査にも出ておりますように、企業規模、それから、地方か中央かでも随分と傾向の違いが出てくるのかなと思います。つまり、そういった資源に乏しい企業においては中々そういった自律的な従業員管理、人的資本管理は難しい部分があるのではないかなと考えています。
 そうしたことを考えていく中で、やはり現状大事になってくるのはコミュニケーションになるのですけれども、今、どうしても分断が起きやすい状況があるところで、例えば若手とベテランで意識が違うといったことや、使う側と使われる側や、もしくは結婚している側か結婚していない側か、子供を持っている側か持っていない側かなど、色々な違いによりどうしても分断が生じてきていると思うのです。
 現状、テレワークなどで好きな時間に働いて好きな場所を選べる状況になると、個々が自分の働き方を選べる、これはすごく時間的な効率性は高いのですけれども、同じ場で同じ時間を共有して効率的にコミュニケーションを育んできたところがやはり損なわれて、そこのコミュニケーションをどう取っていくかはまた新たな課題になっていると思います。それで、どうコミュニケーションを取っていくかというところによっても、どうしても分断が生じてしまっているところが、相互の理解不足による分断が生じているところはあるのかなと思います。
 でも、ここをどのようにバランスを取っていくかは個々の企業などで今まさに色々な検討がなされているところだとは思うのですけれども、こういったところは、やはり仕組みや一体感を醸成するような取組などが必要になってくるかなと思っています。
 今日、50年後のというところでお話がありましたけれども、今、私が考えているようなことはおそらく50年後には解決されていて、問題は変わっているのだろうなと思います。そういうことを考えると、理想をどこに置くかを考える必要もあるかなと思っておりまして、健全に競争してお互いに成長できるような関係性を持つためにはやはり教育や仕組みが必要になってくると思いますので、50年後、そういった社会をつくるために、今、どのような教育をするべきか、どのような仕組みをつくっていくべきかというところは考えていく必要があるなと考えているところです。
 以上となります。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、武田構成員、お願いします。
○武田構成員 武田雅子でございます。よろしくお願いいたします。
 現在、メンバーズという会社におりまして、あまり社名は皆さん、お聞き及びにならない会社かもしれないのですけれども、実は大手企業様を中心にホームページ等の運用やデジタルサービスのお手伝いをさせていただいている会社でございます。
 私自身は、実は今月から就任いたしまして、その前にはクレディセゾンというセゾングループのクレジットカードの取扱いをする会社に約30年、それから、その後に、カルビーのCHROを約5年弱経験ののちに今に至っております。前の2社はちょうど、先ほど鈴木労働基準局長から労働基準法75年というお話がありましたが、2社とも大体、会社の創業がそれぐらいになる会社であり、今いるメンバーズは、1995年設立の非常に若い会社です。最近は人も増やしているので、現在、ちょうど2,300人ぐらい従業員がいるのですが、そのうち800人が入社1~2年目です。さらに、来月4月に600人の新入生が入ってくる。会社の平均年齢が実は20代です。先ほど事務局からの説明を聞いていまして、世代間のギャップのお話もありましたが、この今いるメンバーの平均年齢とこれからの未来を担う若者たちの年代を考えると、世代間のギャップもこの研究会の中でしっかり意識しながら進めていかなくてはいけない部分があるなと思いつつ冒頭の話を聞いておりました。
 あと、今、私自身の本業のお話をさせていただいたのですけれども、副業ではボランティアで、がんを罹患された方の就労に関するサポートやカウンセリングを、また、がんの方の就労サポートについて制度を整えたい、又は会社の中で運用を見てほしいなどという企業側へのサポートもやらせていただいています。今、本業はちょうど3社目にはなるのですけれども、正直、どこの会社に行っても最初に手をつけるところはすごく似ている部分だなと思いながら、新しいところに着任したばかりという状態です。
 私自身がこちらの研究会で一番期待しているのは、やはり色々な問題を最後に詰めていくと、企業と従業員一人一人の、社員の方たちの関係性という部分です。最近気になっているのは、企業側、例えば人事による異動の発令がだいたい3年ごと、または数年ごとにあり、変わっていくキャリアの中で、結果、ちょうど私と同じ年代ぐらいを横に見ると、色々なことができて、もちろん、ゼネラルスタッフとしては優秀なのだけれども、では、「あなたのキャリアのコアは何ですか」といったときに、「あれ、何だっけ」という方が企業の中で、結構量産されてはいないかということや、会社も従業員から選ばれているのだという意識が実は会社側にも最近はより一層求められている中で、どうやらまだ薄いのではないかということです。
 また、社員側を考えたときに、実は若者の世代のところでは二極化が起きていると感じていて、大企業に就職せずに自分で起業するような、また、組織にとらわれないで働いていく優秀な若者が非常にたくさんいる中で、一方で、先輩たちの背中を見てきた結果、会社にキャリアもお任せ、会社は何をしてくれるのですかという割と受け身の、いわゆる組織の中でフリーライダーの人たちもやや増えてきているのかなという意識があります。
 ただ、やはりキャリアは自分でハンドルを持つことで非常に人生も豊かになりますし、幸せに生きていくことが可能になると思っていますので、そこを市場価値もありつつ、でも、自分自身はこの組織がいいので、ここで、この会社で働いているのだという方たちを、若者に限らず、どの階層でも増やしていくために、制度面、もちろん、その後、どう運用していくかというところと併せて、何をしていったらいいのかということが考えていけたらなと思っています。
 多分、私が一番実務で色々な案件を生々しく扱う立場なのではないかなと思ってお話をするのですが、直近、色々なことをマネジメントしている中で当たる壁として、3つテーマがあるかなと思っています。一つは、時間の管理、昔の製造業ベースの労働基準法のルールです。本当に最近すごくよく聞くのは、仕事が楽しくてもっと働きたい方たちの意見です。健康管理含めて任せてほしいという方たち入って医療いらっしゃいますし、業務の都合上、忙しいときとそうでないときをもっとメリハリをつけて、働きたいというチームの声もよく聞きます。また、時間外の労働は本当は効率が落ちているはずなのに、賃金の割増をしなくてはいけない。この時間に基づいた労務管理の問題は、社員側からもそうですし、制度を運用する人事側からも非常にやりづらいなというのが一つあります。
 それから、そこにまた絡む話なのですけれども、2つ目には副業の問題があると思っていて、先ほどの資料には副業は収入を当てにしてという話もありましたが、最終的に多分、個人と企業の関係は、いわゆる「就社」をするのではなくて、プロジェクトベースで、自分が価値を発揮できる仕事がそこにあるからそのチームに所属するような関係になると思うのです。その手前をもっと考えたときに、会社側の時間での管理の問題や、個人が責任を持って複数の仕事にコミットする働き方など、様々な課題があって、もちろん収入のために副業をされている方もいらっしゃると思うのですが、単純に収入だけの問題ではなくて、ポジティブに副業をされていらっしゃる方たちの声もモデルとしてもっと取り上げるべきなのではないかなと思っています。
 あとは、正社員イコール終身雇用というルールです。どうしても会社にキャリアを任せるということになりがちです。会社側も色々な社員を選ぶ、また、社員も会社を選ぶというイーブンな関係にしていくときに実は一番ネックになっているのはこのルールだと思っていて、いわゆるお互いがいい意味での緊張感を持って向き合うためにここはぜひ見直されるといいなと思っております。
 あとは、これは今言った3つの視点以外に、色々な制度を決めていくときに、どうしてもネガティブなところを規制するためのルールが法律的に多いと思うのですが、それよりは、むしろどこまで決めないか、どの程度現場に裁量を持たせるか、そして、企業が競争力を持つためにどうしたらいいかという視点で色々な制度・ルールが決まっていくとより現場の自由度が増すと思います。自由度を増すためには、きちんと運用ができない、又は社員の価値を上げられない、企業の成長がつくれないといった組織には人はいなくなり、よりきちんと人を大切に、かつ業績の持続や成長が見込めるところに正しく人が選んで集まってくる。そういう仕組みをつくっていくためのルールが必要であり、そして、それをきちんと運用する人たちがいて、結果、とても健全な競争が行われる。そういう社会をつくっていければいいなと思いますので、今、すごく大きな話をしましたが、そんなことを頭の片隅に置きながら参加したいと考えております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、次は、中村構成員、お願いします。
○中村構成員 連合総研の中村です。よろしくお願いします。
 前職はリクルートワークス研究所で10年ぐらい研究しておりまして、2022年に連合総研に転職しております。基本的に、一貫して個人と企業がお互い健全に、将来に希望が持てるような働き方を、外部労働市場でも、企業の中でも、また、それとは違うフリーランスのような形でも実現できるようなシステムの在り方を研究してまいりました。
 さて、今日は、本当にすごく幅広な、しかも今野先生が気にせずしゃべっていいということだったので、もしかしたら一部、労働行政からさえも少し外れるかもしれないのですが、私見を述べさせていただきます。
 こういう変化の中で、主に4つの観点について考えていく必要があると思っています。
 まず1つ目は、個人が将来性を感じられる場所を選べるようにするために、働くことに関する情報の見える化をさらに進めていくことが期待されると思っています。昨今、女性活躍推進法や有価証券報告書など、整備が様々進んでいるのですけれども、人的資本投資のところは雇用形態別の情報開示は有価証券報告書でまだ必須になっていません。男女の賃金は女性活躍推進法で整備されていると思うのですが、そういったあたりもさらに広がるといいと思います。
 それ以外に、まだ議論があまり俎上に出てきていないのですけれども、情報開示で2点考えたほうがいいと思う点があります。
 一つは、従業員の心理的安全性やメンタルヘルスに関する情報開示です。理由は、国際的な指標を様々見ていると、基本的には身体的安全性、労災事故の件数みたいなものの情報開示が一般的なのですけれども、一方で日本の国内の状況を見ますと、総合労働相談は10年連続1位がいじめ・嫌がらせですし、国際比較調査を行っても、日本はメンバーシップ型といいながら人間関係での離職が1位と他の国より多くなっています。長く健全に働くときに、先ほどJILPTの調査でもメンタルヘルスに関する情報開示が1位に来ていましたが、そういう心理的安全性に関する情報開示は考えてもいいと思います。
 もう一つ、テレワークの実施率に関する情報開示も今後、推進の余地があるのではないかと思っています。企業にも個人にもヒアリングすると、育児や介護との両立の問題はテレワークを認めてもらえれば結構緩和できるという声があるのですけれども、一方で中々認めてもらえませんといった声もありますし、まだまだ中小企業等では実施が難しい状況もあります。昨今、揺り戻しも出てきていますので、ケアと両立する働き方を推進する観点でのテレワークの実施率という項目も今後検討の余地があると思います。
 続いて、2点目は、やはり個人単位の労使コミュニケーションをどう整備していくかという個人的労使関係は必要だと思います。
 個人的労使関係について言うと2か所のポイントがあると思っていて、一つは入職時や雇用契約がジョブ型雇用等で切り替わる契約の更新時というタイミング。そこは労働条件の明示等、今、様々な整備がここ数年でどんどん進んでいると思うのですけれども、例えば同一労働同一賃金でも、11月に行った調査で非正規の人たちの7割は知らないと答えている状況がありまして、制度の整備と実態のギャップを埋めていく施策が期待されていると思います。
 もう一つは、入職した後、働いている最中のコミュニケーションをどうするかです。昨今、1on1ミーティングという形で、個人と上長が1対1で面談するようなものを導入する企業が増えています。その1on1の中で個別の、本人のライフキャリアの希望もそうですし、職業・キャリアの希望、目の前の仕事の問題、家庭との両立の問題が様々解決されている。少なくとも会社が耳を傾けることでそれを会社が把握するきっかけになっていることや、そういう1on1をすることによってエンゲージメントが明らかにその回数と比例して上がるという調査結果等も出てきています。職場の中での1対1の対話をどう推進していくかも検討する余地があるのかなと思いました。
 続いて、3点目が集団的労使関係の再活性化です。労働組合の組織率の低下を受けて、従業員代表制や労使委員会、他の発言チャネルの整備はこれまでも検討の俎上にのっていて、引き続き大事なテーマだと思います。一方で、では、労働組合をどう再活性化するのかは、意外と正面から議論されてきていないという認識を持っています。
企業内労働組合では従業員の人たちが組合員になっていて、従業員代表の機能を持っていて、労使交渉もしているのが日本的労使関係の特徴ですけれども、就業時間内に労働組合の活動をすると賃金カットの対象になる。企業がそこの賃金補填をすることは不当労働行為だと解釈をされていますが、実は、アメリカの法律はそうだけれども、欧州で見ればそうではなくて、賃金カットの対象にならない法律もあります。労働法の先生方の学説の中でも、従業員代表の機能を担っている企業別労働組合に対する経費援助の在り方は、そこまで厳密なものではないのではないかという学説もあります。改めて企業別労働組合の就業時間の中の活動における経費援助というテーマは、労働組合法の解釈なのか、法改正なのかはありますけれども、考えていく余地があるのではないかと思います。
 もう一つ、労働組合の機能を強化する観点でいくと、取締役会等の経営ボード、つまり企業ガバナンスにおける労働者代表の参加というテーマもあると思っています。理由は、欧州だと19か国で何らかそういう労働者代表がボードに参加するような規定がありますけれども、日本はそれがないことと、昨今、一方でステークホルダー資本主義ということで、使用者のみならず労働側、労働者も大事なステークホルダーであることが言われています。他方で、労働組合の中で見た場合は組合役員のなり手がいない。それから、魅力的なキャリアではなくなっている。そもそもなり手がいないこと自体が組合の脆弱化を招いているという観点を踏まえると、ガバナンス改革の一環の中でそういうところまで射程を広げることも、何十年後というスパンなのであれば、あるのではないかと思いました。
 あと、4点目は、これだけ働き方が非常に多様になってきている中で、労働監督行政におけるデジタル化もぜひ進めていただきたいなと思います。日本の労働基準監督官の配置人数は国際的に見て多くありませんし、一方で法律は細かく整備されているけれども、実態としてはそれから大きく逸脱している事例が多々あります。話を聞いていると、こんなところで手書きの資料で出さなければいけないというものが残っていたり、地域によって指導監督のレベルにばらつきがあるといったこともあります。横の情報を浸透させるところが、今、手が回っていない実態もあると思いますので、やはり監督行政のデジタル化もあわせて検討いただければなと思います。
 私からは以上です。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、水町構成員、お願いいたします。
○水町構成員 私は労働法を専門としていまして、特に外国との比較で労働法や雇用システムの在り方を考えることを研究の対象としています。この研究会に当たって、労働法やその本丸である労働基準法の在り方をどう考えるか。見直しに向けた2つの視点という観点から少しだけお話をさせていただきたいと思います。
 一つが、歴史的な視点から見た場合、そもそも、労働基準法は戦前の炭鉱や鉱山の鉱業法や、その後の工場法を前提にできた歴史があって、そもそも同じ場所にみんな集まって、同じ時間帯に働くときに生じる色々なリスクをどう解消しようかという観点からできてきたので、1947年、昭和22年に制定されたときの基本的な性質は画一的で、一律で、言葉を変えて言うと、硬直的な規制を罰則や労働基準監督署を通じて行っていくことを基本的な性質として持っていました。
 それが、実は大きな第一の改革は、1980年代、いわゆる柔軟化と言われたもので、工場労働者だけではなくて、やはりサービス経済化で第三次産業の人が増えてきていて、色々な時間帯に色々な場所で働く人が出てきているので、柔軟化しようというので世界各国で労働法の柔軟化が起こって、日本の労働基準法もそこで労働時間法制を中心に大きな改革が行われた。これは今から考えると40年前の話なので、労働基準法が1940年代にできて、その40年後の1980年代に大きな改革が起こったのですが、そのときの日本の改革の今日まで続く特徴が非常に複雑なものとしてできてしまった。昔からある制度の上に継ぎ足しで、接ぎ木でできているので、もともとある画一的な規制を残したまま、そこに複雑なものを足して出来上がってきて、他の国でも複雑だ、分かりにくいということがよく言われますが、私が見る限りは諸外国と比較しても日本のほうが極めて複雑であり、逆に言うと、非常に使い勝手が悪いものになって、40年後の今を迎えています。
 さらに、今、40年後にデジタル化・少子化という、40年前の多様化・柔軟化よりもまた次元の違うような新しい局面を迎えて、今日、皆さんがおっしゃっていたような中でどうしていくか。それはテレワークや兼業・副業、フリーランスなど、40年前には想定されなかったような働き方がたくさん出てきていて、元来硬直的であった労働基準法が、40年前から色々手をつけられたのだけれども、大きな路線としては変わらず、逆に分かりにくくなっているものをどうするか。そのため、これから50年もつかどうかは分かりませんが、40年ぐらいのタイミングで大きな改革のときが来て、今後40年ぐらいに向けてどういうふうに改革するかというのが一つ考えられるところかと思います。
 その中で、労働法の中でも労働基準法が法律の本丸でもあるので、そこにどうしていくかに視点を当てた研究会は非常に重要な意味を持つのではないかというのが一つ。
 もう一つが、最近はコンプライアンスとも言われていますが、どうやって法を守らせるかという法遵守の在り方が日本は諸外国と比べてあまりうまく機能してこなかったところがあるかと思います。
 大体、労働法を守らせるときは大きく3つぐらい手段があって、一つは裁判所で、裁判所に行って、判決をもらって、直してくださいと言われるもの。日本では労働審判制度ができて裁判所利用率が少し高まっていると言われていますが、労働審判を合わせても年間7,000件か8,000件ぐらいしかないのです。労働力人口が日本よりも少ないドイツやフランスでは何十万件と起こっているので、これは桁違いではなくて2桁違うぐらい、労働審判制度をつくっても裁判所利用率がやはり低いことが一つ。
 2つ目の実効性確保は、やはり行政権として労働基準監督署みたいなものが諸外国にありますが、労働基準監督署は、日本は相対的に見れば頑張っていると思います。ただ、諸外国と比べて、労働力人口比で労働基準監督官の数が日本は相対的に少ないのですが、これまでかなり高い能力を持って全国均一で行ってきて、そのレベルは非常に高いと思いますが、いかんせん、人数が少ないのと、デジタル化がまだ十分に進んでいないということと、また、中小企業がすごく多いので、中小企業の数に対して監督をいちいち細かいところまでできない状況の中で、監督行政も頑張っているけれども、あまり十分な機能を発揮できていないところがあります。
 3つ目が、これが日本の一番大きな特徴と言えるかもしれませんが、労使関係です。現場で例えば労働組合があって、法遵守のために話し合いをしたり、法を守らせるような現場での努力をしているところがありますが、日本は企業別労働組合なので、企業を超えた労働組合よりも相対的に交渉力が弱い特徴がありますが、それは置いておいても、中小企業まで入れると、ほとんどの事業場には労働組合がありません。日本の労働基準法制はどうしているかというと、過半数組合があるところは過半数組合で、過半数組合がないところは過半数代表者という、個人を選んで、そこと三六協定などを結んでくださいという制度となっており、非常に重要な役割を担っている人たちが、戦後、三六協定をつくったときからずっとこの制度が変わらず、そこが実際、法遵守とか法のルールをつくるために機能していないので、日本のほとんどの事業場で重要な労使協定があまり真剣に取り組まれていないところがある。
 そういう中で、法をどう守らせるかが日本では外国よりも非常に重要な政策的な課題であるし、それが法と実態の乖離という形で、日本では非常に重要な問題です。
 これをどうするかというと、過半数代表者の在り方について、現場の労使でいかに情報を共有しながらルールを作っていくかという在り方を考えることが一つだと思います。もう一つは、裁判所や労働基準監督署が、罰則を前提に、強行的にルールを当てはめる従来型の法規制の在り方もまた大切なところはありますけれども、そうではない形として、市場メカニズムをどうルールの中に取り込んでいき、ルールを見える化して、そこで現場で話し合うことによって実効性を上げられるかという視点も重要であり、今、新しい動きとして出ているので、法規制の在り方をこれからどういうふうに制度設計をしていくか。これから40年ぐらいを見据えるのであれば、少し思い切ったことを提言することも考えられるかなと思います。
 そういう観点から言って、ポイントは大きく3つだけ確認させていただくと、諸外国でもこういう議論はあるのですが、一つは分かりやすさです。日本は特に労働基準法の規制が非常に分かりにくくなっているので、働いている人や、企業で人事労務をやっている人が法律を読んだりルールを見たら分かるという、分かりやすいルールにすることがまず一つ。
 2番目が、その分かりやすいルールに再編するときに、法の趣旨や目的、何のためにこういう規制があるのかという観点から法規制の在り方をもう一度整理し直すことが必要なのではないかと思います。継ぎ足しでやっていたので、何のためにこういう規制があるか分からないまま、非常に複雑なルールができていて、ルールをつくったりルールを変えたりすることが自己目的化して、その後、ちゃんと守られて法の趣旨・目的が達成できているのかということに必ずしもこれまで注意が注がれてこなくて、使い勝手の悪いものが法改正でできたけれども、やはり使えなかったねということがたくさんあるのではないか。だから、再編するとすれば、法の趣旨・目的に沿って分かりやすくすることが必要です。
 もう一つは、どうやって法を守らせるか、実効性の高いルールをつくっていくかという点。先ほど申し上げたように、労使関係の在り方や、そもそも、法の在り方として、市場メカニズムを取り入れたような法の在り方によって、狭い意味での硬直的な労働者以外のフリーランスのような人たちも含めて、その目的をどう及ぼしていくかという、こうしたところにも射程が及ぶ柔軟な制度の在り方が、今模索されている。分かりやすさと、法の趣旨・目的に沿って再編することと、きちんと守られるようなルールにするという観点から考えることが一つヒントになるかなと思います。
 私からは以上です。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、伊達構成員は本日は欠席なので、次回に自己紹介やプレゼンの時間を持ちたいと思います。
 皆さんから御意見をいただいたので、私も最後に短くコメントさせていただければと思うのです。
 私は専門が人事管理なので、どうしても人事管理っぽい見方になるかなと思うのですけれど。今、皆さんから個々のお考えを色々いただいたのですが、それを全体的に整理すれば多分、議論の箱、枠組みは大体こんな感じになるだろうなと思ってお話を聞いていました。当然、労働の分野ですから、働く側の働くニーズが変わりますということが一つあって、もう一つは企業が、雇う側が、雇うニーズが変わりますという2つの面がある。前者については、例えば多様化が進む例があります。後者は企業の競争力が落ちて、競争も非常に厳しいところなので、やはりイノベーションを進めて、生産性を上げたい。そのためには、社員にはこうやってほしいというニーズがある。この2つのことを受けて働く場が形成され、変わっていく。
 さらに、働く場が変わっていくときに、それに対して労働基準関係制度は見直しが必要ではないですか、あるいはどういう点を見直したらいいですかということを我々は求められている。
 この働く場の変化をどう見るかは非常に難しいのですけれども、今日、皆さんからいただいた意見の中で例えば私が印象に残っているのは、個人と会社との間の関係が今後変わるのではないかということです。戎野委員は労使関係という言葉を使っておられましたが、会社が管理するような関係から、会社は個人が成長するように支援するみたいな関係に変わるという意見がありました。さらに個人がやる仕事内容が変わってくる。それを受けて、企業が行う人事管理が変わってきます。さらに、その中で働く個人は自分の能力を開発して、発揮して、いいキャリアを積むために行動を変える。そういう点で働く場が変わったときに、では、それを受けて労働基準関係の制度はどうしたらいいかを考えましょうということだと思うのです。
 今、言った箱どのような場合にも一緒だと思うのです。問題はその中に何を放り込むかだと思うのですけれども、それによって働く場や雇用の場が変わったときに、労働基準関係制度でどう受けるかというときに考えなければいけないことがあるなと思ってお聞きしていました。一方、色々変わったとしても、労働基準関係制度は働く人の安心・安全を確保する基本ミッションは変わらないので、そうすると、そういうミッションを果たしながら、雇用の場の変化や働く場の変化に対応するときに何を言っていくのかを考えていかないといけません。一つは、雇用の場や働く場が変化するので、変化の中でどうやって安心・安全を確保するのかという問題の見方が一つと、もう一つは、何らかの形で安心・安全を確保することを通して、労働者が実現したいこと、企業が実現したいことに貢献できる制度をどう設計をするのかという、この2つの面があって、意外に今日は後者の面に関わる御意見があったかなと思います。
 ちなみに、私は前者を守りの見直し、後者を攻めの見直しと言おうかなと思っているのですけれども、何となく今まで労働基準法は専ら守りという感じだったのですが、働く価値観や働き方が多様化したり、企業も雇い方が多様化したりすることを考え、その中で個人が成長し、会社も伸びることを考えると、今、いい言葉か分かりませんけれども、攻めの労働基準法、安心安全を担保した上での労働基準の攻めの制度はどうつくったらいいかという視点も重要かなというふうにお話を聞いておりました。
 そういうことで、皆さんに私はお願いしたいことは、さきほど言った箱の中にいいコンテンツをこれからたくさん入れていただきたい。全体を通してストーリー化するのは別途、案は事務局と私などで一生懸命考えますので、その中の素材をどんどん入れていっていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
 それでは、今日は一通り、自己紹介と考えていることのお話をいただきましたので、最後に、本研究会の今後の進め方について事務局からお話をいただいて今日は終わりにしたいと思います。それでは、お願いします。
○労働条件政策課課長補佐 事務局でございます。資料4を御覧ください。「今後の進め方について(案)」でございます。
 今後の進め方につきましては、シンクタンクや企業のヒアリング、構成員の皆様からのプレゼンテーション、個別の論点、議論の取りまとめという進め方でお願いできればと考えております。
 事務局からは以上です。
○今野座長 ありがとうございました。
 それでは、今日はこれで終わりにさせていただきますが、議論の内容についてではなく、進め方について全体を通して何か御意見があればいただければと思うのですが、よろしいでしょうか。
(構成員首肯)
○今野座長 それでは、本日はこの辺で終わりにさせていただきます。
 最後に、事務局から次回の日程について説明をお願いします。
○労働条件政策課課長補佐 事務局でございます。
 次回につきましては、3月29日水曜日10時から12時で、本日と同じ場所で行います。
○今野座長 それでは、本日はここまでとさせていただきます。
 ありがとうございました。