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令和5年4月28日 第93回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和5年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録
日時
令和5年4月28日(金) 13:00~16:00
場所
WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))
4月28日合同部会 議事録
○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第93回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和5年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議の開催に当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡いたします。
御発言される場合は、まず、名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じます点、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、または、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
現在、副反応検討部会委員9名のうち7名、安全対策調査会委員6名全員の御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立することを御報告いたします。
なお、全ての委員において、関係企業の役員・職員等でない旨を申告いただいております。
なお、多屋委員、長谷川委員より、御欠席される旨の御連絡をいただいております。
また、藤井委員、宮入委員より、途中退出される旨、御連絡をいただいております。
本日は、国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の神谷元参考人、国立研究開発法人国立国際医療研究センター国際感染症センター・センター長の大曲貴夫参考人、川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦参考人にお越しいただいております。神谷参考人からは、遅れての御出席となる旨、御連絡をいただいております。
次に、事務局側で人事異動がございまして、私、4月1日付で医薬安全対策課の鉄橋が着任しております。どうぞよろしくお願いいたします。
冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。御協力、よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の傍聴への留意事項を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日、御出席される委員の方々の、過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に御申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は、新型コロナウイルス、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、HPV、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、13価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、インフルエンザウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社、アストラゼネカ株式会社、モデルナ・ジャパン株式会社でありまして、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、齋藤委員がデンカ株式会社から、宮入委員がアストラゼネカ株式会社から、それぞれ50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。また、舟越委員が第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜの各ワクチンについて意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいております。
藤井委員、柿崎委員より、塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあった旨、申告いただいておりますので、御報告いたします。
申請資料作成関与に関する申告でございますが、伊藤澄信委員が、第一三共株式会社及びKMバイオロジクス株式会社、一般財団法人阪大微生物病研究会、デンカ株式会社のインフルエンザワクチンの申請資料の作成に関与しているため、インフルエンザワクチンの審議の際に、退出に該当いたします。
また、宮入委員が、ファイザー株式会社の13価肺炎球菌ワクチンの申請資料の作成に関与されているため、当該ワクチンの審議の際、退出に該当いたします。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳・源泉徴収票などの書類も御確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
ただいま事務局から、審議の参加について報告がありましたが、宮入委員は、13価肺炎球菌ワクチンの薬事承認申請資料等の作成に関与していることから、当該ワクチンの審議に参加いただけません。しかし、規定上、申請資料の作成に関与している場合であっても、分科会等が認めた場合には意見を述べることができるとされております。宮入委員は、当該ワクチンにつきまして深い知識をお持ちであるため、ぜひ意見を述べていただきたいと思いますが、皆様、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 ありがとうございます。うなずいていただきました。
それでは、部会として了承いただけたこととさせていただきます。
また、伊藤澄信委員におかれましても、インフルエンザワクチンに関しまして、従前の対応とさせていただくことでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、伊藤澄信委員におかれましても御了承いただけたということで、審議に入らせていただきます。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
本日の資料といたしましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-9、資料2-1から2-30、資料3、大曲参考人提出資料、参考資料1から18になります。
資料順が前後いたしますが、大曲参考人、岡部参考人の御予定の関係から、大曲参考人提出資料の御説明から始めさせていただきたく思います。
資料の不備等がございましたら事務局までお申しつけください。
○森尾座長 それでは、審議を始めたいと思います。議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等について」でございます。
「新型コロナワクチン追加接種並びに適応拡大にかかわる免疫持続性および安全性調査(コホート調査)」(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)の分担研究班である「新型コロナワクチン接種後の遷延する症状に係る実態調査」について、本日、第一報の御報告をいただけると伺っております。
それでは、まず、大曲参考人から資料の説明をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
○大曲参考人 ありがとうございます。国際医療研究センターの大曲と申します。今、御紹介いただきました研究班の分担を務めております。
早速ですが、この調査に関して報告いたします。今回は、第一報でございます。本日の御議論、御意見を踏まえて、さらに、データの集積も追加でございますので、二報以降を御報告する予定でおります。使います資料は、私の名前がついています大曲参考人提出資料というものでございます。それでは、右下のページ番号に基づいて発表してまいります。手元資料を使って行います。
2ページ目をご覧ください。まずは、研究の概要から御説明したいと思います。
コロナのワクチンの接種が進むにつれて、接種した後に遷延する症状が出るのではないかという御意見の提示がございました。ただ、実際には、それを検討するために必要な事実がなかなかなく、実態が不明であるというところでございます。ですので、新型コロナワクチンの接種後の副反応を疑う症状について、遷延する症状も踏まえて、実態の把握をまず行うというのが今回の研究の目的でございます。
調査の方法でございますけれども、まずは受診実態がどういう状況なのか。どういう症状を訴えて、どういう方が受診されているのかということを記述的に把握するということを考えて行ってきました。ですので、ワクチンの接種後の症状を呈した患者さんが受診した紹介先の専門的な医療機関に対して調査票を送る。そこで情報を得ることにしました。
この調査票は2つございます。1つは、事務的な調査票というものでありまして、病院でいいますと地域連携室でありますが、そちらでこのような問題を抱えて受診された方々のいわゆる医事課的な情報をお持ちです。年齢、性別、受診診療科、診断名等も含めてお持ちです。これらを事務部門の方々から登録していただく。2点目は、医師に出していただくものです。これは、もうちょっと詳細にわたる症状、診断、治療、転帰、診断病名といったところまで集めることが可能です。
今回、対象とした方は、令和3年2月1日から令和4年5月31日までに受診した方であります。そして、調査票の配付と回答までの締め切りは、今年の2年15日より調査票を送付しまして、今年の3月15日までに回答があった報告を評価の対象としております。
それでは、1枚おめくりください。3枚目でございます。こちらは、今、申し上げた今回の研究のフローを図式化したものでございますので、この程度といたします。
1枚おめくりください。4枚目です。まず、結果の概要から入ります。ワクチン接種後の遷延する症状に関する実態調査結果の概要ということでありますが、ワクチン接種後の様々な健康の問題を受けるような専門医療機関が、各都道府県で指定されています。470あるわけですが、これら470の医療機関に対して、今回の調査研究に対する協力の意向について事前に打診してみました。そうしますと、193の医療機関から内々、同意を得られたところでございます。その結果、最終的にはどうなったかといいますと、地域医療連携室から得られた回答が38の医療機関からございました。そのうち、明示的に該当事例がありましたとお答えいただいたのが15医療機関。23の医療機関では、そういう事例はありませんでしたということで明示的に回答いただいています。このようにして医療機関の地域連携室からいただいた症例の数が128例。
一方、ドクターにも調査をかけています。そうしますと、担当医師から回答が得られたのは、医療機関の数でいいますと16医療機関でございました。結果的に、医師からの回答の中で119症例の回答をいただいております。
また、このページの右側には、各ブロックごとに研究への同意状況、回答が得られた状況というものをお示ししてあります。これを多い少ないと言うことはできませんが、少なくとも全てのブロックから1以上の登録がなされていますので、最低限、各ブロックからデータは得られているところでございます。
1枚おめくりください。5枚目でございます。まずは、地域連携室に送付した事務的調査票の回答の状況でございます。最終的に回答いただけたのは49施設です。先ほど申し上げたように、実際に該当事例があったとお答えになったのが15施設、該当症例がなかったとお答えになったのが23施設、回答を最終的に辞退された施設は11でございました。
下には、年齢・性別ごとの登録された患者さんの数が示してあります。男性・女性を左・右に並べてございますが、全体として数でいけば、男性47人、女性81人でありまして、比率としては女性が高いところです。また、10歳刻みの年齢階級ごとの実際の登録人数が書いてございますが、見ていきますと、階級ごとで数が一番多かったという点では、女性の40~49歳、22人という状況でございます。
1枚おめくりください。6枚目です。これは、それぞれの患者さんが紹介されてきて、いずれかの診療科を受診されるわけです。どの診療科で評価されたかというものを、重複も加味して並べたものがこちらでございます。多いところからいきますと、総合内科、救急科、脳神経内科が目立って多いわけですが、下を見ていきますと、実に様々な診療科で御対応していただいているということが分かります。
1枚おめくりください。7枚目でございます。これは、症状の発症日及びワクチン接種後の症状について当該医療機関を受診した初診日でございます。
左が症状の発症日です。2021年と2022年に分けて書いてあります。2022年の6月以降は調査対象外ということもあるのですが、全体の数でいきますと、2021年に受診された方が全体の約89%でございます。
右は初診日でありますけれども、基本的には同じような傾向を示しております。
1枚おめくりください。8枚目でございます。こちらは、発症してからワクチン接種後の症状について当該医療機関を初回受診するまでの期間であります。発症してから実際に病院に来るまでの時間です。これは、日数ごと、0、1、2と見ておりますが、0日目で来られた方が47人と、一番多いところです。全体128人の中で0~7日の間に受診された方は69人、8~30日で受診された方が38人でありました。一部、91~365日たって来られた方が7人という結果も出ております。
次、お願いします。9枚目でございます。地域連携室からの調査報告をここで一度まとめます。
男性よりも女性、特に40代が多かった。
受診した診療科は、総合内科、救急科、脳神経内科等が多いのですが、それ以外にも多岐にわたっておりました。
また、受診患者さんの発症の日は、2021年が約89%でした。
また、ワクチン接種後の症状に係る当該医療機関の初診日でありますが、発症当日が最多です。半数以上が発症日から1週間以内であったということが分かっています。
また、こちらの研究ですが、つけられた診断と、そもそもそれがワクチンに起因するものかどうかという因果関係に関しては、研究の性質上、評価できないということになりますので、御留意いただければと思います。
それでは、1枚おめくりください。10枚目のスライドでございます。医師に送付した医学的調査票の回答の状況を御報告します。
実際に報告いただいた施設数は16、該当事例があったのが同じく16、症例数は合計で119でございます。
下に年齢、性別ごとの内訳の数が示してあります。左が男性、右が女性ということで示してありますが、先ほどの医事課、いわゆる地域連携室のデータと傾向としては似ておりまして、全体の数としては、女性のほうが78人、65.5%と比率が高い。そして、年齢階級別、性別の患者さんの数の最大のところを見ますと、40~49歳の女性で22人というところになります。
1枚おめくりください。11枚目です。ワクチンの接種後の症状に係る受診の状況でございます。
この中で入院された方ですが、「あり」と明示的に答えられたのが18.5%、「なし」と明示的に示されたのが48.7%でありまして、未回答が32.8%です。
また、どうやって受診されてきたかというものが下半分に示してありまして、ほかの紹介を受けずに、この専門医療機関に直接受診された方が46.2%いらっしゃいました。それから、以前、1施設、どこかで評価を受けてから来られた方が47.9%、2施設で評価を受けた方もいらっしゃって、これは5人、4.2%でございます。
1枚おめくりください。次は、12枚目でございます。これは、ワクチン接種後の症状に係る当該医療機関の初診日でございます。21年、22年と見ております。もちろん、22年は対象期間外の時期が多いわけですが、それらを留意しながらも、合計数としては2021年のほうが101人と、多いところでございます。
次に、13枚目をお願いします。これは、受診患者さんの属性で、基礎疾患、日常生活の自立度、いずれも接種前の状況ですが、基礎疾患のある方が42.9%、不明の方は7.5%ということでありました。
日常生活の自立度は、119人のうち「自立」が114人です。「一部介助が必要」「介助」がそれぞれ3人と2人ということでございました。
1枚おめくりください。14枚目に入りました。今回の症状に影響を及ぼした可能性のあるワクチンをいつ接種したかということと、回数、種類が示してあります。
接種時期ですが、左に示しました。こちらも21年に接種された方が、数としては比率が高いところです。
接種回数をその右に示しておりますが、「1回」とお答えになった方が43.7%、「2回」の方が40.3%となりました。「3回」になると8.4%に下がります。
その下、ワクチンの種類がありますが、ファイザーのコミナティが60.5%、武田/モデルナのスパイクバックスが8.4%、不明が37人、31.1%でございました。
次に、15枚目にお移りください。こちらは、当該医療機関の受診のきっかけとなった症状のうち、実際に日常生活を送る上で最も支障を来している症状に関してお答えくださいとしていますが、当然、複数回答もあります。複数回答も含めて、全ての症状を集計したものがこちらでございます。
左上から数の多いものが載っておりますが、見ていきますと、発熱28、疼痛13、倦怠感12、頭痛11といったところが多いところですけれども、それ以下、非常に様々な症状が続いております。ただ、一般的にワクチンを打った後に急性期に出ることが多いような症状が、左上の報告数が多いものとしては出てきているところでございます。
次、16枚目です。こちらは、評価のために行われた検査と検査所見の概要であります。結果の中身までは存じ上げませんが、取りあえず数の多いところを見ていきますと、血液検査が多い、69。尿検査が32、あとは心電図が26でした。あとは、胸部のX線写真が30、CTスキャンが25でございます。これを見ますと、こんな理由でやったのではなかろうかと、医師として想像しますが、その理由まで聞けていません。
次は、17枚目でございます。この症状に対して実際に行われた治療内容を示してあります。
まず、大分類で見ていくと上半分でして、これは調査項目そのものを見ていくと、薬剤治療単独で45、薬剤治療と経過観察で33、そして薬剤治療と外科的治療が1というところでございました。経過観察37、それ以外のものはお示ししたとおりであります。
薬剤治療の中身が気になりますが、中身の分かる79で見ていきますと、解熱鎮痛剤23、ステロイド14、補液8でありました。その他が55でございます。
次、おめくりください。18枚目でございます。これは、ワクチン接種後の症状に係る確定病名の一覧でございます。しつこいですが、これがワクチンに起因するかどうかという因果を見たものでは、一切ございません。
多いものから左上から並べてありますが、予防接種副反応が54、アナフィラキシーが4、その後、頭痛、ワクチンによる副反応疑い、夜間の不明熱というところまでが比較的多いところですけれども、それ以外にも多領域にわたる様々な診断がついているということがお分かりいただけると思います。ただ、一例一例の数は少ないといいますか、1~3程度でございます。
次、19枚目です。疑い病名の報告をされた事例もありまして、こちらに関しては数が多くなかったので、全部を並べてお示ししております。ご覧いただければ幸いでございます。
1枚おめくりください。20枚目です。報告された症状の経過です。転帰、受診状況等ですが、最終的に回復/軽快された方が全体の75.6%です。未回復の方が5.1%。死亡という事例もありました。脳出血、多臓器不全、心室細動が各1例ずつでございます。詳細に関しては、今回の調査の特性上、個票レベルの具体的なところまでは追えておりません。不明と答えられたのが16.8%でございました。
1枚おめくりください。21枚目でございます。入院された例が22例ありました。つまり、この調査期間の間にワクチンを打った後の症状だということで病院に来られて評価されるわけですけれども、その結果、入院された事例の入院時の診断名をこちらに示してあります。主病名だけではなくて、もともとの合併症等の副病名等も、こちらには併せて示してあります。22例の数で一覧表ですので、これから物事を何か引き出すのは難しいのですが、アナフィラキシーとか骨髄性白血病とかスチル病とかありますけれども、最終的にはこうした病名が診断としてついているという事実的な定義のみでございます。
次の22枚目も先ほどの続きであります。
23枚目に移ってまいります。医師からの調査報告のまとめです。
報告数ですが、男性に比べますと女性が多くて、40代が最多です。
受診者数は、2021年に多い。接種回数は、1回目、2回目が多い。
そして、今回、様々な症状の訴えがあって受診されること。最終的につく診断も様々であるということが、担当医師から報告されています。
転帰の観点では、症例の4分の3以上で回復または軽快であったということですが、こちらに関しても、ワクチンの接種と発生した症状、あるいは、ついた診断に関しての因果関係は評価できないというのが、今回の研究の立てつけでございます。
最後に、現時点での考察でございますが、本調査は第一報です。
今回報告された症状、確定病名、疑い病名を丹念に見てまいりましたが、現時点で懸念を要するような特定の症状や疾病の報告の集中は見られておりません。補足しますと、症状を見ていけば、発熱や痛みといった、ワクチンの接種後に急に見られるような所見が多く報告されていたのは、これは予測されていたことでありまして、事実としてあります。それ以外にも、数はそれほど多くなくても、何か重大な疾病が集積して見られているようなシグナルは、今、データを見させていただく限りでは見てとれないところです。本調査の性質上は、症状とワクチンの接種との間の因果関係を検証できません。
我々の今後の課題の一つとしては、症状が遷延している事例がもともとの問題となっていますので、これを可能な限り個別の事例単位で調査していくということが必要であると考えております。恐らく、全体の報告数からすると比率としては非常に小さくなるのではないかと想像します。ただ、そこをきちんと丁寧に拾い上げていく、詳細を見ていくということが絶対的に必要だろうと思っております。
私からは以上でございます。
○森尾座長 大曲参考人、御説明、どうもありがとうございました。
岡部参考人、御発声、可能でしょうか。よろしければ、研究に関する御見解など、御意見を頂戴できれば幸いでございます。
○岡部参考人 ありがとうございます。感染症学会参加中なので、いい場所じゃないので、ひそひそ話みたいになりますけれども、すみません。
私、このスタディーをお引き受けしたのは、これまでにHPVワクチンの後の問題点、あるいは自然感染後のいわゆるlong COVIDといったようなもので、慢性に何か起きるかということ。
それから、long COVIDの調査をしている中で、ワクチン接種によって同じような症状が出てきたり、あるいはワクチン接種によって治ったり、ワクチン接種によって悪化したりといった様々なものが出る中で、大曲参考人がおっしゃったように、まず、実態で接種後に何か起きたというのは事実なので、それを把握していくことが肝心だろうと思いました。そういう思いでお引き受けしたのですけれども、まだ中間発表といいますか、現時点の報告なので、結論的なことはもちろん言えませんけれども、症状としても非常にバラエティーに富んでいるというのは、ある意味ではそうかな、予想どおりといいますか、そういったところがあります。
逆に、総花的にいろいろな状況が出ているということなので、大曲先生がおっしゃったように、これから一つ一つで、もしかすると関連があるかもしれない。あるいは、関連があるなしにかかわらず、回復にむけてサポートしていくということが大切なので、こういった調査の意義というのは、因果関係をはっきりする、白黒つけるということではないと思いますけれども、症状が実際に起きたような問題点に対して、どういう解決をしていくかという意味で、私は意義ある調査じゃないかと思ってお引き受けした次第です。これからさらに調査を進めて、大曲先生がほぼ中心になってやっていただいているのですけれども、それについて各方面の御意見いただきながら、ある種の方向性といいますか、解決法を少しでも見出していければと思います。
コメントみたいな発言で申し訳ないのですけれども、以上です。ありがとうございました。
○森尾座長 岡部参考人、ありがとうございます。
それでは、委員の皆様から、大曲参考人の御説明及び岡部参考人からの御発言等につきまして質問や意見等がございましたら、お受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。
齋藤委員、お願いいたします。
○齋藤委員 新潟大学の齋藤玲子と申します。
大曲先生、貴重な御報告ありがとうございました。今回の大曲先生の調査における分析で、新型コロナワクチンの接種後の症状として、年代や性別などに何か特徴的な症状や診断名などはございましたでしょうか。
○森尾座長 お願いいたします。
○大曲参考人 齋藤先生、御質問いただきまして、ありがとうございます。
御指摘の点、非常に重要だと思っていまして、実は今日はデータをお示ししておりませんが、少なくとも10歳ごとの年齢階級ごとに層別化して見てみました。そうすると、発熱とか痛みといった非常に数の多いものに関して見ていくと、適切な言い方か、よく分からないのですけれども、それなりの数が配分されていくといいますか、分布するという状況になったのが1点です。
もう一点、先生方が気にされているのは、もっと特異的な問題の集積だと思うのですけれども、これに関しては、症状にしても、診断名にしても、実際的には年齢階級ごとに層別化した段階で、各症状が本当に分散していて、各カラムの数字が1とか2になってしまうのです。ですので、現実的にこれを見たときに、どちらと比較してすごく差があるというふうには見てとりにくいというのが現状の印象でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。貴重な検討、どうもありがとうございました。
4分の3以上の方が回復または軽快されているということなのですが、回復や軽快までの期間で何か特徴的なことはありますでしょうか。
○大曲参考人 先生、ありがとうございます。
実は、そのお答えをするためのデータを持っていないのです。つまり、結果としての転帰のみを問うていまして、時系列経過としての縦断的な調査、何が起こったのかとか、どれぐらいかかったのかという情報が今、手元にはありません。ですから、今、お答えできないというところです。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。
大曲先生、岡部先生におかれましては、本日、本当に貴重な御発表をいただきまして、ありがとうございました。大変な調査でございますが、非常に重要な調査でございますので、引き続き、研究班におかれましては、第二報に向けての分析をお願いできればと思っております。これ以降の議論につきましては、先生方に御意見を求める予定はございませんので、御退席いただいても差し支えございません。本日は誠にありがとうございました。お礼申し上げます。
○大曲参考人 ありがとうございました。
○岡部参考人 ありがとうございました。それでは、失礼します。
○森尾座長 続いて、資料1-1-1から資料1-5について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1-1から1-5を用いまして、今回の集計対象期間、3月12日までの期間において、副反応疑い報告事例の動向などに変化があった点を中心に御説明いたします。
なお、今回よりコミナティ小児用のBA.4-5の2価ワクチンが追加となってございます。
まず、資料1-1-1をご覧ください。
2ページ、医療機関からの副反応疑い事例の報告状況の概要を御説明いたします。
コミナティでございますけれども、BA.1の推定接種者数は818万6613回、副反応疑いの報告頻度としては0.0012%で、重篤は0.0004%、死亡の報告は5件でございました。
BA.4-5の推定接種回数は4339万7362回、副反応疑いの報告頻度としては0.0012%で、重篤は0.0005%、死亡の報告は61件でございます。
BA.1、BA.4-5、いずれもコミナティ全体と比較して頻度等は高くなってございません。
続きまして、3ページをご覧ください。
コミナティの6か月~4歳用につきまして、推定接種者数は36万9270回、副反応疑い報告は6件でございます。集計対象期間内の死亡症例の御報告はございませんでしたが、集計対象期間後に1例、死亡症例の報告がされており、これにつきましては後ほど御説明いたします。
コミナティの5歳~11歳用全体といたしましては、推定接種者数412万9280回、副反応疑いの報告頻度としては0.0035%、重篤は0.001%、死亡事例は前回部会以降、新たな報告はございません。その内数となりますが、コミナティ5歳~11歳のBA.4-5の2価ワクチンにつきましては、推定接種者数が723回で、副反応疑いの報告はございませんでした。
4ページ、スパイクバックスにつきましては、BA.1の推定接種回数は316万1510回、副反応疑いの報告頻度としては0.0017%で、重篤は0.0005%、死亡の報告は3件でございました。BA.4-5の推定接種回数は103万4573回、副反応疑いの報告頻度としては0.0022%、重篤は0.0004%、死亡の報告はございません。BA.1、BA.4-5いずれも、スパイクバックス全体と比較して高い頻度とはなっておりません。
ヌバキソビッドつきましては、30万8795回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0136%であり、件数としては4件増加してございます。
接種回数別の報告状況については65ページ以降、ロット別については74ページ以降にまとめておりますが、報告状況の顕著な変化はございませんでした。
資料1-2には企業報告について同様の形でまとめておりますが、今、ご覧いただきました医療機関報告と傾向に大きな違いはございません。
資料1-1と1-2についての御説明は以上となります。
続きまして、資料1-3-1をご覧ください。コミナティの死亡事例について御報告いたします。
1ページ、「1.報告状況」です。
今回集計対象期間において死亡として報告された事例は、総数としては1829件、うち4回目接種以降は128件でございました。
2価ワクチンについては、BA.1が8件、BA.4-5が85件の報告となってございます。
「2.専門家の評価」の項に結果を表としてまとめてございます。
3ページの参考2、報告頻度の部分をご覧ください。各接種回数における100万回当たりの報告頻度につきましては、前回から大きな変化はございません。また、2価ワクチンについても、全体と比較して高い頻度とはなってございません。
今回報告されたBA.1の死亡事例は274ページのNo.5以降にございますが、専門家による評価の結果、いずれもγと評価されております。
また、BA.4-5の死亡事例は287ページのNo.56以降にございますが、こちらも専門家による評価の結果、γと評価されてございます。
続きまして、資料1-3-2をご覧ください。スパイクバックスの死亡事例について、御報告いたします。
1ページ目の「1.報告状況」ですが、今回の集計対象期間において死亡として報告された事例は、総数として224件、うち4回目接種以降は30件でございました。
2価ワクチンについては、BA.1が5件、BA.4-5が1件となってございます。
「2.専門家の評価」の項に結果をまとめております。
3ページ、報告頻度の項、参考2をご覧ください。こちらも、各接種回数における100万回当たりの報告頻度について、前回から大きな変化はございません。BA.1ワクチンの5回目接種後とBA.4-5ワクチンの4回目接種後にそれぞれ1件、報告があったことに伴い、頻度としては若干増加となってございますが、2価ワクチンについて、全体と比較して高い頻度とはなっておりません。
スパイクバックスのBA.1の死亡事例につきましては、48ページのNo.5でございますが、専門家による評価の結果、γと評価されてございます。
また、BA.4-5の死亡事例については、49ページに記載がございますが、こちらもγと評価されております。
スパイクバックスの説明は以上となります。
資料1-3-3、ヌバキソビッドにつきましては、新たな報告はございませんので、説明は割愛させていただきます。
続きまして、資料1-3-4をご覧ください。コミナティ5~11歳用につきまして、今回よりBA.4-5の2価ワクチンについても追加となってございますが、新たな報告はございません。
5ページをご覧ください。前回も御報告しましたNo.3、11歳男性の事例につきまして、新たに解剖医からの報告が寄せられております。基礎疾患等の下線部のところでございますけれども、浴槽内に溺水の状態で発見された。解剖で急死の所見を認め、溺水として矛盾しない。病理組織学的検索で死因になり得る病変を認めなかった。加えて、血液検査結果および病理組織学的探索でアナフィラキシーは否定的と考えられた。薬毒物検査は陰性であった。以上より、本屍の死因は「溺水」と判断する。なお、剖検結果からは新型コロナウイルスのワクチン接種との因果関係は不明であると報告を受けております。
専門家の評価につきましては、病理学的検索の結果、溺水、急死に矛盾せず、アナフィラキシー、てんかん、心筋炎などは否定的で、内因性疾患による死因を推定できる所見は得られませんでした。一方で、ワクチン接種との関連を直接示唆する所見も認めず、接種との因果関係は不明ですとされており、γと評価されてございます。
資料1-3-5をご覧ください。コミナティ筋注6か月~4歳用について、今回の集計対象期間後に1件、死亡事例の報告がありましたので、3ページをご覧ください。
基礎疾患等の欄でございますけれども、ピアソン症候群等の基礎疾患を有する1歳の男児で、日齢48より腹膜透析となってございます。
2月16日に新型コロナワクチン乳幼児用の3回目接種をされ、翌日14時頃から38.1度の発熱。16時10分頃より、ふだんより多い酸素投与がされている。21時頃、37.7度で、ふだんよくある程度の湿性咳嗽があったというものでございます。
2月18日の19時半過ぎ、腹膜透析が開始され、20時頃、よくある程度のぐずりが見られているところでございます。21時半頃、心肺停止で発見され、救急搬送されましたが、22時38分、死亡が確認されております。死亡時の画像診断、剖検は実施されておりませんでした。
報告者からは、基礎疾患は重篤であり、因果関係は不明である。酸素投与がやや多めに必要となっていたことを考慮すると、万全な健康状態だったとは言いがたいとの報告を受けております。
専門家による評価でございますけれども、4月28日時点の欄をご覧いただければと思います。変異laminin β2遺伝子のコンパウンドへテロ接合体によるPierson症候群の1歳児。先天性ネフローゼ症候群、末期腎不全に対する腹膜透析治療を連日受けている。血清クレアチニン値は5.58mg/dLと高値。ワクチン接種翌日から熱発したが、認められた咳嗽は普段認められるものと同じで、全身状態もぐずる程度で格別な悪化は認められなかった。患児は2日後の夜に心肺停止状態で発見された。死亡時画像診断や剖検は実施されなかった。ワクチン接種と死亡との時間的前後関係はあるが、因果関係を推定できる医学的証拠はなく、両者の間の因果関係を評価することはできないとコメントされ、γと評価されております。
資料1-3につきましては、以上でございます。
続きまして、資料1-4-1をご覧ください。心筋炎・心膜炎疑いの報告の状況について御説明いたします。
資料1-4-1、コミナティでございますけれども、2価ワクチンであるBA.1において心筋炎疑いは5件、BA.4-5においては14件報告されております。
心膜炎疑いにつきましては、BA.1ワクチンにおいて3件、BA.4-5においても3件報告されております。
2価ワクチンの心筋炎の事例は37~38ページ、心膜炎の事例は44ページにお示ししておりますが、評価はいずれもγとなってございます。
続きまして、資料1-4-2をご覧ください。スパイクバックスBA.1とBA.4-5の2価ワクチンについて、心筋炎・心膜炎の新たな報告はありませんでした。
また、資料1-4-3、1-4-4でございますが、ヌバキソビッド、小児用コミナティにおいても、心筋炎・心膜炎疑いの新たな報告はございませんでした。
資料1-5でございますが、乳幼児ワクチン接種後の熱性けいれんに関する報告をまとめた資料でございますが、前回から新たな報告はございませんでした。
資料1-5までの説明は以上となります。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、資料1-6について、引き続き、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
資料1-6をご覧ください。mRNAのコロナワクチンの接種後の肺塞栓症のリスク解析について御説明いたします。
2ポツの「概要」をご覧ください。昨年12月16日に開催された本合同部会におきまして、AMED研究班の研究で、女性の1回目接種後に肺塞栓症のシグナルが観察された旨、一方で、アメリカ、フランス、イスラエルにおける研究においては、mRNAワクチン接種後の肺塞栓症の有意なリスク上昇は認められなかった旨、御報告いたしました。その際の本合同部会の資料は、この資料の10ページ、11ページにお示ししてございます。
その議論の際ですが、現時点でリスクがあるとは認められないものの、性差も含めて、今後も引き続き注視していく必要性、また、別のデータセットでの検討の必要性等、御指摘がありまして、これを踏まえ、肺塞栓症につきまして国内のmRNAワクチン接種後の副反応疑い報告を基に検討を行いました。
製造販売業者からの副反応疑い報告数としては、令和5年1月22日までの間に192例の報告を受けております。
詳細な解析条件等は、3ページ目以降に記載しておりますが、リスク期間を3パターン、肺塞栓症の疾患定義を3パターン、背景発現率の算出年をコロナ流行前後の2パターンという複数の解析条件でO/E解析を実施いたしました。
その結果、13ページ目以降にお示ししておりますが、全ての解析条件において、いずれの性別及び年齢層においても、背景発現率と比べ、報告頻度に統計学的な有意差は認められませんでした。
海外の状況といたしましては、米国FDAにおいて、高齢者を対象にワクチン接種後の事象の発生率と、COVID-19パンデミック前の事象の発現率を比較したところ、肺塞栓症の潜在的なリスクが認められたとの報告がございます。一方で、対象者が65歳以上であること、基礎疾患等のリスク因子等があること、こういった背景因子を調整した評価が必要だとされて、さらなる検討を実施中となっており、FDAは本調査結果をもって追加の安全対策措置は行っていないという状況でございます。
そのほか、英国、EU等におきましても、現時点でmRNAワクチン接種後の肺塞栓症について、添付文書等において注意喚起はなされていないところでございます。
以上の状況を踏まえまして、現時点で追加の安全対策措置は不要と考えており、今後も副反応疑い報告や国内外の調査・研究状況を注視していくこととしてございます。
資料1-6の説明としては以上となります。よろしくお願いいたします。
○森尾座長 ありがとうございました。肺塞栓症のリスク解析ということで御説明いただきました。
続いて、資料1-7について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。よろしくお願いいたします。
今回も先生方の御議論に御活用いただきますよう、資料1-7を準備してございます。
まず、2ページ目をご覧ください。今回の審議会の資料構成でございますけれども、1項において副反応疑い報告全体の概要について、2項においてその他、3項において当該審議会における論点について効率的に御議論いただける資料構成としております。
おめくりいただきまして、4ページ目から6ページ目でございます。こちら、副反応疑い報告の概要でございます。3月12日のデータロックまでの報告状況等について、資料1-1-1及び資料1-2-1をまとめております。
報告状況の数値につきましては、先ほど御説明させていただきましたので割愛させていただきますが、4ページ目におきましては、前回同様、オミクロン株対応ワクチンを含め、ファイザー社ワクチン接種に係る推定接種回数、報告数、報告頻度について、お示ししてあります。
5ページ目におきましては、同様にモデルナ社ワクチンに係る報告状況について、お示ししております。
6ページ目におきましては、5歳から11歳の小児用ワクチン、6か月から4歳用の乳幼児ワクチンに係る報告状況について、お示ししており、今回の資料より、中段に5歳から11歳用のBA.4-5対応ワクチンに係る報告状況についての表をお示ししております。
また、7ページにおきまして、ノババックスワクチンに係る報告状況について、お示ししております。
続いて、9ページ目をご覧ください。こちらは、前回の3月10日の審議会におきまして、特に新型コロナワクチン接種前の問診のほか、接種後一定時間の被接種者の状態の観察及び副反応を疑う症状が生じた場合に、適切に対応するための体制の整備の重要性、並びに接種直後に重篤な症状が発現した報告事例の因果関係評価に係る情報収集の重要性について、先生方より御指摘いただいたことを踏まえまして、新型コロナワクチンの接種に伴い、副反応を疑う症状が生じた際の対応について、再周知の事務連絡を、ご覧のとおり、出させていただきましたので、御報告させていただきます。
11ページ目から18ページ目がまとめのスライドとなります。構成といたしましては、前回と同様、11ページ目に死亡事例、12ページ目に心筋炎・心膜炎、13ページ目に5歳から11歳の小児用ワクチン、14ページ目に6か月から4歳用の乳幼児ワクチン、15ページ目に4及び5回目接種に係るまとめスライド、16~17ページ目としてオミクロン株対応ワクチンについて、それぞれの副反応報告状況をまとめてご覧いただけるよう準備させていただいております。
14ページ目の乳幼児ワクチン接種後の副反応に関するまとめのスライドをご覧ください。
今回、データロック外に死亡として報告された事例が1件あったことを踏まえまして、青囲み、最新の死亡例の報告状況等の整理におきまして、4丸目といたしまして、当該事例にかかるファクトをご覧のように記載させていただきました。本事例も含め、乳幼児ワクチン接種後の報告状況について、現時点においては、引き続き、ワクチン接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えてよいかとして、お諮りしております。
その上で、今回の全体のまとめといたしまして、18ページ目でございますけれども、主な検討項目として、死亡、心筋炎、心膜炎、それから、先ほどの資料1-6における肺塞栓症、4~5回目接種、小児用ワクチン等の検討も含め、現時点においては、引き続き、新型コロナワクチンの接種を継続していくこととしてよいかとして、お諮りしております。
なお、最後に、参考資料16におきまして、これまで同様、新型コロナワクチン接種後におけるアナフィラキシー、心筋炎及び心膜炎と評価された報告の状況について、性・年齢別の報告状況をまとめておりますので、御議論の際に御活用いただけますと幸いでございます。
資料1-7に関連した事務局からの説明は以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
それでは、続いて、資料1-9について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 続きまして、資料1-9、新型コロナワクチン接種後の健康状況調査、いわゆるオンライン調査の中間報告につきまして、前回までの内容を踏まえまして簡潔に御紹介申し上げます。
今回の集計対象範囲は4月2日までとなっており、主に4回目接種後の報告を中心にデータが集積しています。
90ページをご覧ください。90ページのスライドの下のほう、4回目接種当日中にエントリーし、回答いただいた方は886名、そのうち、有効回答者数は730名となっております。有効回答者数は前回と比較して11名増加しております。このほか、3回目接種当日の有効回答者数は2名、5回目接種当日の有効回答者数が1名増加しております。
続きまして、149ページから症状の分析結果を掲載しておりまして、さらに飛びまして190ページから、ワクチンのメーカーごとの症状の発現率をお示ししております。
194ページと195ページに接種4回目の後の症状の発現率を、196ページと197ページに接種5回目の後の症状の発現率をお示ししております。症状の発現率などの傾向につきまして、前回までと比較して特筆すべき変化はございません。
続きまして、338ページからは接種後に医療機関を受診した方の割合、342ページからは医療機関での診断結果、348ページからは入院状況、352ページからは3回目、4回目、または5回目の接種を受けられた方に対して、前回の接種と比較して体調がどうであったかを質問した結果をお示ししております。いずれも前回とは特筆すべき変化はございません。
最後に、361ページからは新型コロナワクチン4回目または5回目の接種の前後13日以内にインフルエンザワクチンを接種した方の人数をお示ししております。前回と比較しまして、新たに新型コロナワクチンの4回目または5回目接種の前後13日以内にインフルエンザワクチンを接種したと回答した方はいらっしゃいませんでした。
資料1-9につきまして御説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、資料1-8、接種後健康状況調査につきまして、伊藤澄信委員から御説明をお願いいたします。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。
資料1-8です。本日は、オミクロン対応2価ワクチンの安全性に加えて、3か月後までの抗S抗体価の推移と、1か月後までのオミクロン株の中和抗体価、武田/ノババックス社の3回目、4回目、5回目の追加接種後の安全性とオミクロン株の中和抗体価、6か月から4歳のファイザー社ワクチンの安全性について報告させていただきます。
6ページから8ページが概略ですが、オミクロン対応の2価ワクチンの追加接種は、昨年10月にBA.1対応2価ワクチンを開始しています。ファイザー社が242人、モデルナ社が45人の結果です。11月からは、BA.4-5対応の2価ワクチンの接種が始まっておりますが、ファイザー社が1,557人で、モデルナ社が441人です。
9ページから抗S抗体価、11ページからは中和抗体価を含めた抗体価の推移を示しています。今までは、接種前、接種1か月後、3か月後などの全ての抗体価がそろった方の抗体価のみを抽出して集計しておりましたが、中和抗体については、全ての保存検体を測定しているわけではないこともありますので、測定結果が得られたものを集計しております。例数も提示しておりますので、比較する際は御留意いただければと思います。前後比較や多変量解析をする際は同一人の検体が必要ですので、今回は抗体価倍率は計算しておりません。
9ページは、モデルナ社の2価ワクチンのBA.1とBA.4-5、ファイザー社のBA.1とBA.4-5の4つの組合せがそろった結果です。グラフをご覧いただいて分かりますが、エンジ色の接種1か月後の抗体価は、どれも2万6000から3万5000程度で、95%信頼区間を表しておりますエラーバーで分かるとおりですが、差がありません。また、接種3か月後の抗体の減衰も、3~4回目接種と変わりがないようです。
10ページに、接種前あるいは接種後1か月後の抗N抗体が陽性だった人271人と、陰性だった人487人で比べております。医療従事者が多いので、昨年暮れから2月の感染状況を示しておりますが、35.8%が抗N抗体陽性でした。ご覧いただいて分かりますが、抗N抗体が陽性ですと、接種前から抗S抗体価が高くて、接種1か月後、3か月後でも高いということが分かります。
11ページに、起源株の中和抗体と、BA.1の中和抗体、BA.5株の中和抗体と、参考までに中和抗体を測定した方の抗S抗体価をグラフにしています。縦軸の単位は抗S抗体価と中和抗体価の両方が混在する形になっていますが、尺度を同じにしておりますので、御留意いただければと思います。モデルナ社のBA.1対応2価ワクチンと、ファイザー社のBA.4-5対応2価ワクチンは、起源株、BA.1株、BA.5株の中和抗体価の結果がそろっておりますが、ファイザー社のBA.1対応2価ワクチンはBA.5の抗体価の結果です。
12ページに、これらをまとめて、2価のBA.1対応株と2価のBA.4-5対応株のワクチンごとに集計してみました。1か月後の抗体価を見ていただくと分かりますように、BA.1対応株を接種しても、BA.4-5対応株を接種しても、BA.5株に対する中和抗体価は変わりがありません。したがいまして、2価ワクチン接種に際して、BA.1対応株なのか、BA.4-5対応株かを区別して選択する必要はなさそうだという結果が得られております。
13ページは、接種1か月後までの抗N抗体陽性の方と陰性の方で区別して集計しています。抗N抗体が陽性の方は、接種前から起源株BA.1株、BA.5株、いずれにしても抗体価が高くて、接種後も明らかに高いという結果でした。
14ページに、接種回数が3回目、4回目なのか、5回目なのかを層別してみましたが、大きな違いはありませんでした。
16ページから26ページまでは、安全性の情報を示しております。今回、モデルナ社のBA.4-5株対応2価ワクチン接種5回目の5日目、Day6に発症してDay10に38度から40度の発熱が見られた20歳代の女性の結節性多発動脈炎の症例をPMDAに報告しております。この方は、3回目までがファイザー社、4回目がモデルナ社の起源株を接種されていて、診断については、下肢の皮膚生検で、真皮層を主体とする皮膚全層性の血管炎が確認されています。プレドニンで加療されて軽快されております。
28ページからは、武田/ノババックス社の組換えたんぱくワクチンの3回目接種の結果です。令和4年秋回接種として4回目83人、5回目13人の結果も併せて解析しております。
34ページは、アストラゼネカ社、モデルナ社、ファイザー社と、初回シリーズ別の3回目接種から6か月までの抗S抗体価の推移と、4~5回目接種前と1か月後の推移を示しています。
下の表に示しておりますが、接種前から接種6か月後までの抗N抗体の陽性の方は43%程度でした。抗N抗体が陽性か否かが、抗体価について一番強い因子で、抗体価が減衰するかどうかというのは、抗N抗体が陽性かどうかが一番影響していました。
35ページです。こちらは、起源株中和抗体とBA.5抗体価の中和抗体を測定した結果です。抗S抗体に関しては、中和抗体を測定した人だけに限定した形で、3か月後まで出していますが、抗N抗体が陽性の人と陰性の人で分けて提示しています。抗N抗体が陰性の人は、3回目接種前のBA.5の抗体価が陰性ですけれども、3回目接種以降ではBA.5に対する中和抗体が出ている。抗N抗体が陽性の人は、接種前からBA.5に対する中和抗体があるということも分かります。
37ページに、発熱の時系列のグラフを示しておりますが、16ページのファイザー社、19ページのモデルナ社の発熱に比べても、発熱や局所疼痛、全身倦怠感などの頻度が低いということが分かります。
3つのワクチンの比較表を42ページにつくっておりますので、御参考にご覧いただければと思います。
46ページからは、6か月~4歳の乳幼児接種の結果です。乳幼児が2回目が3週後、3回目が2回目から8週以降の3回接種ですが、29人のお子さんに接種いただいております。
53ページに、1回目から3回目までの発熱の時系列の頻度を示しております。母数はグラフの下に示しておりますが、母数が小さいのでトレンドが見にくいと思います。特に、接種後数日して発熱者が出ているように見えるので、54ページに、被接種者全員の体温の推移を箱ひげ図にしました。箱ひげ図の見方は下に書いてあるとおりですが、数字の番号が同じであれば同じ子供さんの推移です。ご覧いただいて分かるとおりで、特定のお子さんによって発熱頻度が高くなっていて、前回も説明いたしましたけれども、冬季の乳幼児の感染症による発熱を見ているかもしれません。乳幼児の接種については、御協力いただくのに少し手こずっておりまして、小児治験ネットワークにもお願いを開始しております。引き続き、医療機関に協力をお願いしております。
報告は以上です。
○森尾座長 伊藤澄信委員、本当にいつもありがとうございます。
それでは、事務局から報告がありました、これまでの副反応疑い事例、副反応の解析、様々な部会資料、健康状況に関する調査について、効率的に議論を進めるために論点に沿って議論を進めていきたいと思います。
まず、副反応疑い事例に関して、新型コロナワクチンの安全性評価については、1番として死亡事例について、2番として小児、乳幼児接種について、3.その他の論点についての順で御議論をお願いしたいと思います。伊藤澄信委員の御発表に対する御質問等は、その他の部分でお受けしたいと思っております。
まず、死亡事例について議論を行いたいと思います。今回は、乳幼児接種における死亡事例の報告もございました。1歳のピアソン症候群をベースにされている方の死亡でございます。そのほかの事例も含めて、ワクチン接種と副反応疑い報告との観点から、接種継続の可否等について、どう考えるかという点をお伺いしたいと思います。
まず、資料1-7の11ページにおいて死亡事例の論点が挙げられてございます。皆様、ご覧いただきまして、こちらにつきまして、どう考えるか、御意見、御質問あれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。乳幼児の症例につきまして、よろしいですか。どうもありがとうございます。
続きまして、小児、乳幼児の接種についてということで議論を行わせていただきたいと思います。小児接種の論点につきましては、資料1-7の13ページ目に事務局から挙げていただいております。こちらにつきまして、御意見、御質問がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 国際医療福祉大学小児科の藤井でございます。
貴重な御報告ありがとうございました。
このページ、それから検討していただいたと思いますけれども、現時点では、特にワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念はないと私は考えました。
以上です。
○森尾座長 御意見、どうもありがとうございます。
ほかの委員からいかがでしょうか。よろしいですか。おおむね、この記載の方向でということでよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
続きまして、乳幼児接種の論点について、資料1-7の次のページ、14ページに事務局から投げていただいております。こちらは、先ほども少しお話しをさせていただきましたけれども、ピアソン症候群、laminin β2の異常の方でございますけれども、腹膜透析を生後2か月以降されていた方でございまして、その方の死亡が報告されております。その方の報告は、専門家によると評価はγであったということでございますが、この症例を含めまして、乳幼児接種について何か御意見、御質問がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 ありがとうございます。
ピアソン症候群ということで、大変難しい代謝性疾患だと存じますけれども、外因性のものと、もともとの腎機能の不全症状があるので、本症例のみから判断することはなかなか難しいかなと考えております。γということで、そのような判断は妥当なものかと考えております。
○森尾座長 藤井委員、ありがとうございました。
そのほかの委員の皆様、いかがでしょうか。乳幼児接種について、よろしいですか。どうもありがとうございます。
それでは、そのほかの論点に移りたいと思います。
資料1-7の論点スライドの中で示されました、4回目以降の接種後、2価ワクチン、心筋炎等の副反応を含めまして、新型コロナワクチンの安全性に関連して、これまでの論点以外の観点から御質問、御意見がありましたら承りたいと思います。こちらには、今回、事務局から提示していただきました肺塞栓症のO/E解析や、伊藤澄信委員からの今回の御提示ということも含ませていただきます。いかがでしょうか。
柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
伊藤先生、いつも貴重な検討、ありがとうございます。
先ほど大曲先生のほうから、接種後の症状が遷延する方がいらっしゃるということだったのですけれども、伊藤先生のコホートでは、そういった症状が遷延される方がいらっしゃるのかどうかというのをお伺いしたいと思います。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。
柿崎先生には、この調査にいつも御協力いただいておりまして、ありがとうございます。
小児やアストラゼネカなども加えますと、今まで16プロトコルほどの調査をしております。最終接種終了28日後までの有害事象には、接種28日後までに発現したものをすべて含めて添付文書と同じような形式でどの時点で発現しても1事象として、発現時期を明示せずに提示しておりまして、日誌2、接種の9日目から28日までの有害事象だけを集計した表をつくっていないものですから、今まで提示させていただいておりません。事前の勉強会で御質問がありましたので、一番人数が多かったファイザー社、初回シリーズ、2回目の際の記録を見てみました。
日誌2の回収ができた1万9542人のうち、10日以上発熱があった人が21人で、21日以上発熱があった人が1人。この方は27日目に軽快されています。倦怠感が10日以上継続していた人というのが76人で、21日以上継続していた人が5人、28日以上が1人で、最終的に35日までという記録が残っています。
頭痛に対しては、78人で、21日以上の人が7人で、28日以上が3人で、最長が39日で、0.1から0.3%ぐらいの人が、こういった症状が遷延することが、最初の初回シリーズのデータでも分かっています。
それ以外に、10日以上遷延して、担当医によって因果関係ありと評価された症状では、消化器症状、咳嗽、咽頭痛、浮動性のめまいとか腰痛や、接種部位の痛みが再燃したなどの報告が9件ありました。
初回接種のときは皆さん、不安が大変高かったので、SAEとしてPMDA報告したのは23件で、あの当時はアナフィラキシーのような症状が出ると、すぐ入院しておりましたので、そういったものも含めて23件が入院もしくはPMDA報告がありました。
3回目接種以降の本調査の中で、入院以上のSAEについては、日誌2の回収時の1か月後までと、3か月後、半年、12か月後まで取っているのですけれども、そのときにはCOVID-19の感染の有無と入院以上のSAEを質問していますが、遷延した症状があったかどうかということについては聞いていませんので、こちらは情報が取れておりません。1か月以後に因果関係があるとしてPMDA報告したのは、先ほどの23件と違って、3回目接種のファイザー接種のリンパ節炎だけで、3回目以降では、PMDA報告は激減しておりました
今までのコホート調査の状況からは以上です。
○柿崎委員 詳細にありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。非常に貴重なデータだと思います。
伊藤委員、遷延する神経症状みたいな方はいらっしゃらなかったということでよろしいでしょうか。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。少なくともファイザーの初回接種、約2万人程度の人たちを見る限り、28日後の時点では2万人の中にお一人もいらっしゃらなかったと認識しています。SAEも皆さん軽快になっていますし、PMDA報告をした方も遷延している人というのは、今のところいなかったと思っております。
以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
そのほかの点につきまして、何でも結構でございます。委員の皆様から御質問、コメント等、いかがでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございます。
それでは、これまで議論された内容をまとめさせていただきたいと思います。
これまで確認できた内容といたしましては、まず、集計期間における副反応疑い報告の傾向でございますが、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告については、副反応疑い事例全体の報告状況や、年齢・性別の報告状況、ロット別の報告状況、4回目以降も含めた接種回数別の報告状況、心筋炎・心膜炎について報告状況や専門家評価の結果に、動向の大きな変化はございませんでした。
死亡事例についてでございます。死亡事例の報告状況を整理いたしますと、コミナティについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに47件の死亡事例の報告があり、うち37件が4回目以降の接種後の死亡事例でございました。専門家による評価では、接種開始以降報告された1829例については、1件がα、10件がβ、そのほかの事例はγと評価されました。
スパイクバックスについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに9件の死亡事例の報告があり、うち4件が4回目以降接種後の死亡事例でございました。専門家による評価では、接種開始以降報告された224件については、1件がβ、そのほかの事例はγとされました。
ヌバキソビッドについては、新規の死亡事例の報告はございませんでした。
これまでの死亡に係る副反応疑い報告の状況、及び国内外のCOVID-19 mRNAワクチン接種後のリスクの分析のエビデンスも踏まえますと、現時点においては、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
続いて、小児接種についてでございます。コミナティ筋注5~11歳用については、3例が死亡事例として報告されており、いずれもγと評価されました。
また、心筋炎、心膜炎について、報告状況や専門家評価の結果に、動向の大きな変化はありませんでした。
また、コミナティ筋注5~11歳用接種後の報告状況について、現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
乳幼児接種についてでございます。コミナティ筋注6か月~4歳用については、心筋炎、心膜炎事例の報告はありませんでした。
熱性けいれんについては、3月12日までに医療機関から2件、製造販売業者から2件の副反応疑い事例の報告がありました。
死亡事例については、2023年3月13日から4月27日までに1件報告があり、専門家による評価ではγとされました。
コミナティ6か月~4歳用接種後の報告状況について、現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
続いて、肺塞栓症のO/E解析の報告がございました。肺塞栓症に係る副反応疑い報告を基に複数の解析条件でO/E解析を実施したところ、全ての解析条件で、いずれの性別及び年齢層においても、背景発現率と比べて報告頻度に統計学的な有意差は認められず、追加の安全対策措置は不要と考えられるとまとめさせていただきました。
そして、ワクチン接種後の遷延する症状についてでございます。本日、研究班のほうから第一報がございました。調査の性質上、症状とワクチン接種の間の因果関係を検証するものではございませんが、今回報告された症状、確定病名及び疑い病名の一覧からは、現時点で懸念を要するような特定の症状や疾病の報告の集中は認められなかったという報告がなされました。
このようなまとめ方でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございます。
以上、今回報告のありました具体的な事例などを踏まえまして、新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見がございましたらお願いいたします。
それでは、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 皆様、うなずいていただいたと認識いたしました。どうもありがとうございました。
それでは、新型コロナワクチンに関する議論は以上でございます。
続きまして、議題2「新型コロナワクチン以外の各ワクチンの安全性について」の議論に入りたいと思います。
まず、事務局から資料2-1から資料2-30までの説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
新型コロナワクチン以外の審議対象の全てのワクチンについて、2022年12月末までにおける副反応が疑われる症例の報告の状況について御説明いたします。
資料は2-1から2-30、及び参考資料18になります。
まずは、資料2-1 MRワクチンについてです。1ページの中段の表をご覧ください。MRワクチンの期間内の接種可能延べ人数は約48万人、製造販売業者からの報告は6件、医療機関からの報告は4件、うち重篤なものが4件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0013%、医療機関からの報告頻度は0.0008%となっております。
資料2-1は以上です。
資料2-2は麻しんワクチンについてです。接種可能延べ人数は約8000人、製造販売業者からの報告は3件、報告頻度は0.0360%となっております。
今回、医療機関からの報告はありませんでした。
資料2-2は以上です。
資料2-3 風しんワクチンについては、対象期間内に製造販売業者及び医療機関のいずれからも報告はありませんでしたので、説明は省略いたします。
資料2-4はおたふくかぜワクチンについてです。接種可能延べ人数は約36万人、製造販売業者からの報告は4件、医療機関からの報告は6件、うち重篤なものが6件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0011%、医療機関からの報告頻度は0.0017%となっております。
資料2-4は以上です。
資料2-5は水痘ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約50万人、製造販売業者からの報告は2件、医療機関からの報告は4件、うち重篤なものが4件ありました。製造販売業者からの報告頻度は0.0004%、医療機関からの報告頻度は0.0008%となっております。
資料2-5は以上です。
資料2-6は帯状疱疹ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約15万人、製造販売業者からの報告は22件、医療機関からの報告は2件、うち重篤なものは0件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0151%、医療機関からの報告頻度は0.0014%となっております。
資料2-6は以上です。
資料2-7は23価肺炎球菌ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約27万人、製造販売業者からの報告は6件、医療機関からの報告は5件、うち重篤なものが1件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0022%、医療機関からの報告頻度は0.0019%となっております。
資料2-7は以上です。
資料2-8はサーバリックスについてです。サーバリックスの接種可能延べ人数は約6815人、製造販売業者からの報告が4件あり、報告頻度は0.0587%となっております。今回、医療機関からの報告はありませんでした。
資料2-8は以上です。
資料2-9はガーダシルについてです。接種可能延べ人数は約37万人、製造販売業者からの報告が24件、医療機関からの報告は26件、うち重篤なものが10件ありました。製造販売業者からの報告頻度は0.0065%、医療機関からの報告頻度は0.0070%となっております。
資料2-9は以上です。
資料2-10はシルガード9についてです。接種可能延べ人数は1万7308人、製造販売業者からの報告が6件、医療機関からの報告は2件、うち重篤なものが0件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0347%、医療機関からの報告頻度は0.0116%でした。
資料2-8から2-10における医療機関及び製造販売業者からの報告事例につきまして、販売開始からの累計における重複事例の内訳は参考資料18にお示ししておりますので、御確認ください。
資料2-10は以上です。
資料2-11はDPTワクチンについてです。対象期間内に報告はありませんでしたので、こちらの説明は省略いたします。
資料2-12はDTワクチンについてです。接種可能延べ人数は約17万人、製造販売業者からの報告はなく、医療機関からの報告が1件、うち重篤なものは0件でした。医療機関からの報告頻度は0.0006%となっております。
資料2-12は以上です。
資料2-13 ジフテリアトキソイド、資料2-14 破傷風トキソイド、資料2-15の不活化ポリオワクチンにつきましては、対象期間内に報告はございませんでしたので、説明は省略させていただきます。
資料2-16は4種混合ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約78万人、製造販売業者からの報告は10件、医療機関からの報告は7件、うち重篤なものが6件ありました。製造販売業者からの報告頻度は0.0013%、医療機関からの報告頻度は0.0009%となっております。
資料2-16は以上です。
資料2-17は13価肺炎球菌ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約82万人、製造販売業者からの報告は22件、医療機関からの報告は11件、うち重篤なものは11件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0027%、医療機関からの報告頻度は0.0013%となっております。
また、6か月間の死亡症例の報告の頻度として、10万接種当たり0~0.07となっており、この数値は急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っております。
資料2-17は以上です。
資料2-18はHibワクチンについてです。接種可能延べ人数は約80万人、製造販売業者からの報告は18件、医療機関からの報告は12件、うち重篤なものが11件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0022%、医療機関からの報告頻度は0.0015%となっております。
また、こちらも6か月間の死亡症例の報告の頻度として、10万接種当たり0~0.07となっており、こちらも0.5を下回っております。
資料2-18は以上です。
資料2-19はBCGワクチンについてです。接種可能延べ人数は約19万人、製造販売業者からの報告は8件、医療機関からの報告は11件、うち重篤なものは5件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0043%、医療機関からの報告頻度は0.0059%となっております。
資料2-19は以上です。
資料2-20は日本脳炎ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約97万人、製造販売業者からの報告は4件、医療機関からの報告は7件、うち重篤なものが3件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0004%、医療機関からの報告頻度は0.0007%となっております。
資料2-20は以上です。
資料2-21はB型肝炎ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約88万人、製造販売業者からの報告は6件、医療機関からの報告は9件、うち重篤なものが7件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0007%、医療機関からの報告頻度は0.0010%となっております。
資料2-21は以上です。
資料2-22は1価のロタウイルスワクチンについてです。接種可能延べ人数は約29万人、製造販売業者からの報告は13件、医療機関からの報告は6件、うち重篤なものが5件でした。製造販売業者からの報告頻度は約0.004%、医療機関からの報告頻度は0.002%となっております。
資料2-22は以上です。
資料2-23は5価のロタウイルスワクチンについてです。接種可能延べ人数は約20万人、製造販売業者からの報告は18件、医療機関からの報告は4件、うち重篤なものが4件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0091%、医療機関からの報告頻度は0.0020%となっております。
資料2-23は以上です。
資料2-24をご覧ください。ロタウイルスワクチンによる腸重積の発生状況につきまして、これまでの会議と同様に、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン社、MSD社より資料の提供を受けております。
まず、資料の2ページ目から6ページ目までは、グラクソ・スミスクライン社のロタリックスについて、ワクチン接種時の週齢でまとめたグラフとなっております。
7ページ目以降は、MSD社のロタテックについて、ロタリックスと同様にまとめた資料となっております。
2020年10月に定期接種化されておりますが、報告頻度が特段高くなっているということはなく、また、VAERSに基づく海外との比較においても、外科手術や死亡に至った事例は低いことが示されております。
資料2-24は以上です。
資料2-25はインフルエンザワクチンについてです。今シーズンのインフルエンザワクチンについて、2022年10月から2022年12月末までの結果をお示ししております。接種可能延べ人数は約5600万人となっています。製造販売業者からの報告は8件、医療機関からの報告は50件、うち重篤なものが22件となっています。製造販売業者からの報告頻度は0.000014%、医療機関からの報告頻度は0.00009%となっております。
2ページ目からは、報告について内訳別の集計結果をお示ししております。
3ページ目の下段では、参考として2020年/2021年シーズン、2021年/2022年シーズンを記載しておりまして、今回の報告頻度は過去と比べて特段高いという状況ではございませんでした。
資料2-25は以上です。
資料2-26は後遺症疑いとして報告された症例をお示ししております。ワクチン接種後に後遺症が生じたとする報告が、報告対象期間前の事例において追加調査で判明したものが1件、報告対象期間内に2件ございました。因果関係評価の結果につきましては、No.1のBCGワクチン接種後に骨結核などが報告された症例において因果関係が否定できないとされております。
資料2-26は以上です。
資料2-27はADEM疑いとして報告された症例をお示ししております。今回の報告対象期間前の再評価事例において2件、報告対象期間内に2件あり、いずれも専門家により、情報不足等により因果関係が評価できないとされています。
資料2-27は以上です。
資料2-28はGBS疑いとして報告された症例をお示ししております。今回の報告対象期間前の再評価事例において1件あり、専門家により、情報不足等により因果関係が評価できないとされております。
資料2-28は以上です。
資料2-29はアナフィラキシー疑いとして報告された症例をお示ししております。今回の報告対象期間前の再評価事例において4件、報告対象期間内に13件あります。1ページ目、No.2のロタワクチン等の同時接種の症例について、専門家により、ブライトン分類2、因果関係は否定できないと評価されております。
資料2-29は以上です。
最後、資料2-30はワクチン接種後の死亡事例として報告された症例をお示ししております。報告対象期間前の症例で、今回、専門家により評価されたものが1件、報告対象期間内の症例で6件、報告対象期間後ではありますが、3月28日までに報告された症例で4件あります。
因果関係評価の結果について、前回の部会では評価中となっておりましたNo.1の帯状疱疹ワクチンの症例におきまして、ワクチンとの因果関係が認められないとされており、その他の症例につきましては、現在評価中のNo.3とNo.4を除きまして、いずれも情報不足等によりワクチンとの因果関係は評価できないとされております。
なお、No.6の男性の事例について補足させていただきます。HPVワクチン接種後2日目に死亡されたとして報告された事例になっておりますが、こちらはデータロックの3月28日時点においては、製造販売業者より自社製品疑いの事例として報告されていたものの、その後の追加調査の結果から、実際には男性に当該ワクチンが投与されていなかったことが確認されておりますので、現在は取下げとなっております。
資料2-30は以上です。
新型コロナワクチン以外のワクチンに関する資料は以上になります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
今の事務局からの説明につきまして、御質問、御意見等いかがでしょうか。
山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 ありがとうございます。
HPVワクチンで接種後の症状が出ている方で、生活に支障が出ていたり、そういう方はいらっしゃるのでしょうか。以前のように多様な症状によって学校へ行けなかったりということですが。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
HPVワクチンに関する資料につきましては、資料2-8から2-10にお示ししているものと、今回でいえば資料2-26のほうに後遺症のある症例としまして、4価のガーダシルの症例等が報告されているところになります。今回、後遺症の症例としてガーダシルですと、専門家の評価としては、情報不足により、因果関係は評価できないという状況として報告を受け付けております。
○山縣委員 因果関係というだけではなく、打ったために日常生活に支障が出るとか、その辺の情報というのは、なかなか分からないことなのでしょうか。
○森尾座長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○事務局 経過欄の記載等は事務局として確認しておりますが、今、これぐらいの数があってということはお示しできず、申し訳ありません。
○山縣委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ほかにはいかがでしょうか。
時々申し上げていることなのですけれども、BCG接種後に骨結核になられたり、播種性のBCG症になられた方などでは免疫異常症を疑うということがございまして、IL-12レセプタβ欠損症とかインターフェロンγレセプタ欠損症、慢性肉芽腫症などですが、うまく連結できるようなシステムがあればなと願っています。すみません、コメントでございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございます。
佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 念のため、ちょっと確認させてください。資料の見方かもしれないのですが、HPVのシルガードで、資料の4ページで女性の30歳の症例がありまして、転帰日が10月18日という記載があるのですけれども、非重篤ではあるものの未回復ということなのですけれども、これはこれ以上、追跡しないということになりますか。
○事務局 シルガードの医療機関から非重篤の症例ですね。No.1のものになりますでしょうか。
○佐藤委員 そうです。
○事務局 もし医療機関のほうから追加の情報等がございましたら、報告としてはアップデートされていくものと思っております。
○佐藤委員 分かりました。今のところデータはここまでということですね。
○事務局 現在のデータロック時点におきましては、お示ししている状況ということでございます。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 ほかには質問、コメント等、いかがでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございます。
それでは、これまで議論いただいた内容をまとめさせていただきたいと思います。
1.これまで確認された内容としましては、副反応疑いの報告頻度は、これまで検討したワクチンに比べて特段高いことはない。
2.また、インフルエンザワクチンについては、副反応疑い報告数、死亡数、アナフィラキシーの発生頻度等については、昨シーズンのそれらと同等程度であり、大きな変化はなかった。
3.後遺症の報告は、対象期間前の症例を含め3例報告され、BCGワクチン接種後の事例にて因果関係が否定できないと評価された。その他の事例については、いずれも専門家の評価では情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
4. ADEMの可能性のある症例は、対象期間前の症例を含め4件報告され、いずれも専門家の評価では情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
5.GBSの可能性のある症例は、対象期間前の症例で1例報告され、専門家の評価では、情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないものとされた。
6.アナフィラキシーの可能性がある症例は、対象期間前の症例を含め17例報告され、ロタワクチン等の同時接種の症例について、ブライトン分類2、ワクチンと症状名との因果関係が否定できないものとされた。その他の事例については、いずれも専門家の評価では、情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
7.死亡症例は、対象期間前の症例を含め11件報告された。帯状疱疹ワクチン接種後の事例にてワクチンとの因果関係が認められないとされており、現在調査中を除くその他の事例については、情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。また、対象期間後に報告された2例については、現在調査中であることから、次回以降で検討を行う。
8.13価肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンも、急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っていた。
このようなことでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございます。
この内容を踏まえまして、新型コロナワクチン以外の各ワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見はございますでしょうか。
それでは、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告等によって、この安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございました。では、そのような形でまとめさせていただきます。
続いて、議題3「その他」になります。HPVワクチンについて報告事項がございますので、事務局よりよろしくお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
HPVワクチンについての報告事項としまして、最近の状況を踏まえた接種の状況について御説明申し上げます。お手元の資料3「HPVワクチンについて」をご覧ください。
2ページ目、HPVワクチン接種状況の推移、マル1でございます。平成25年度から令和3年度までのHPVワクチン定期接種被接種者数・実施率の推移を示した表です。令和3年度の実施率は、先日更新されました地域保健・健康増進事業報告での最新の接種者数を基に算出しております。なお、実施率の算出方法ですけれども、接種者数をHPVワクチンの標準的な接種対象年齢である13歳の女子人口で割って算出したものでございます。令和3年度は53万1000人が分母となっております。
昨年の審議会で令和2年度のデータまでお出ししておりましたが、このたび3年度分を更新してお示ししております。実施率は、令和3年度にかけて上昇しております。
3ページ目、移っていただきまして、HPVワクチンの接種状況の推移、マル2でございます。こちらのデータも昨年の審議会でお示ししたものを更新したものでございますが、上段の表で記載されております接種者数は、実際に接種した数ではなく、施設納入数となります。先ほどお示しした地域保健・健康増進事業報告で実際の接種者数及び実施率が報告されるまでには時間を要しますので、数か月の時差で報告が上がってくる、こちらの施設納入数で接種者数の傾向を把握しております。
棒グラフは四半期ごとでまとめて、3か月分、お示ししております。経過を見ますと、令和4年度もこの納入数は増加しておりまして、同時期以降の実際の接種者数も上昇していると推察されます。
下の表、副反応疑い報告についてですか、先ほどお示ししたとおり、接種の実数は令和3年、4年と増加傾向であると思われるため、副反応疑い報告の実数に関しても多少増えておりますけれども、一番下のグラフでございますが、割合で見ると変化はなく推移しております。
事務局からは以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。重要な取りまとめ、御説明をいただきました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、引き続き、しっかりとフォローしていただいて、また御報告いただけたらと思います。どうもありがとうございました。
それでは、本日の議題は以上となりますが、そのほか、全体を通じまして、御質問、御意見はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、事務局にお返しいたします。
○事務局 本日は、長時間にわたり活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、改めて御連絡さしあげます。
○森尾座長 それでは、本日の会議をこれで終了いたします。活発な御討議、どうもありがとうございました。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議の開催に当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡いたします。
御発言される場合は、まず、名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じます点、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、または、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
現在、副反応検討部会委員9名のうち7名、安全対策調査会委員6名全員の御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立することを御報告いたします。
なお、全ての委員において、関係企業の役員・職員等でない旨を申告いただいております。
なお、多屋委員、長谷川委員より、御欠席される旨の御連絡をいただいております。
また、藤井委員、宮入委員より、途中退出される旨、御連絡をいただいております。
本日は、国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の神谷元参考人、国立研究開発法人国立国際医療研究センター国際感染症センター・センター長の大曲貴夫参考人、川崎市健康安全研究所所長の岡部信彦参考人にお越しいただいております。神谷参考人からは、遅れての御出席となる旨、御連絡をいただいております。
次に、事務局側で人事異動がございまして、私、4月1日付で医薬安全対策課の鉄橋が着任しております。どうぞよろしくお願いいたします。
冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。御協力、よろしくお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の傍聴への留意事項を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日、御出席される委員の方々の、過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に御申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は、新型コロナウイルス、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、HPV、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、13価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、インフルエンザウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社、アストラゼネカ株式会社、モデルナ・ジャパン株式会社でありまして、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、齋藤委員がデンカ株式会社から、宮入委員がアストラゼネカ株式会社から、それぞれ50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。また、舟越委員が第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜの各ワクチンについて意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいております。
藤井委員、柿崎委員より、塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあった旨、申告いただいておりますので、御報告いたします。
申請資料作成関与に関する申告でございますが、伊藤澄信委員が、第一三共株式会社及びKMバイオロジクス株式会社、一般財団法人阪大微生物病研究会、デンカ株式会社のインフルエンザワクチンの申請資料の作成に関与しているため、インフルエンザワクチンの審議の際に、退出に該当いたします。
また、宮入委員が、ファイザー株式会社の13価肺炎球菌ワクチンの申請資料の作成に関与されているため、当該ワクチンの審議の際、退出に該当いたします。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳・源泉徴収票などの書類も御確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
ただいま事務局から、審議の参加について報告がありましたが、宮入委員は、13価肺炎球菌ワクチンの薬事承認申請資料等の作成に関与していることから、当該ワクチンの審議に参加いただけません。しかし、規定上、申請資料の作成に関与している場合であっても、分科会等が認めた場合には意見を述べることができるとされております。宮入委員は、当該ワクチンにつきまして深い知識をお持ちであるため、ぜひ意見を述べていただきたいと思いますが、皆様、いかがでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 ありがとうございます。うなずいていただきました。
それでは、部会として了承いただけたこととさせていただきます。
また、伊藤澄信委員におかれましても、インフルエンザワクチンに関しまして、従前の対応とさせていただくことでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、伊藤澄信委員におかれましても御了承いただけたということで、審議に入らせていただきます。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
本日の資料といたしましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-9、資料2-1から2-30、資料3、大曲参考人提出資料、参考資料1から18になります。
資料順が前後いたしますが、大曲参考人、岡部参考人の御予定の関係から、大曲参考人提出資料の御説明から始めさせていただきたく思います。
資料の不備等がございましたら事務局までお申しつけください。
○森尾座長 それでは、審議を始めたいと思います。議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等について」でございます。
「新型コロナワクチン追加接種並びに適応拡大にかかわる免疫持続性および安全性調査(コホート調査)」(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)の分担研究班である「新型コロナワクチン接種後の遷延する症状に係る実態調査」について、本日、第一報の御報告をいただけると伺っております。
それでは、まず、大曲参考人から資料の説明をお願いいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
○大曲参考人 ありがとうございます。国際医療研究センターの大曲と申します。今、御紹介いただきました研究班の分担を務めております。
早速ですが、この調査に関して報告いたします。今回は、第一報でございます。本日の御議論、御意見を踏まえて、さらに、データの集積も追加でございますので、二報以降を御報告する予定でおります。使います資料は、私の名前がついています大曲参考人提出資料というものでございます。それでは、右下のページ番号に基づいて発表してまいります。手元資料を使って行います。
2ページ目をご覧ください。まずは、研究の概要から御説明したいと思います。
コロナのワクチンの接種が進むにつれて、接種した後に遷延する症状が出るのではないかという御意見の提示がございました。ただ、実際には、それを検討するために必要な事実がなかなかなく、実態が不明であるというところでございます。ですので、新型コロナワクチンの接種後の副反応を疑う症状について、遷延する症状も踏まえて、実態の把握をまず行うというのが今回の研究の目的でございます。
調査の方法でございますけれども、まずは受診実態がどういう状況なのか。どういう症状を訴えて、どういう方が受診されているのかということを記述的に把握するということを考えて行ってきました。ですので、ワクチンの接種後の症状を呈した患者さんが受診した紹介先の専門的な医療機関に対して調査票を送る。そこで情報を得ることにしました。
この調査票は2つございます。1つは、事務的な調査票というものでありまして、病院でいいますと地域連携室でありますが、そちらでこのような問題を抱えて受診された方々のいわゆる医事課的な情報をお持ちです。年齢、性別、受診診療科、診断名等も含めてお持ちです。これらを事務部門の方々から登録していただく。2点目は、医師に出していただくものです。これは、もうちょっと詳細にわたる症状、診断、治療、転帰、診断病名といったところまで集めることが可能です。
今回、対象とした方は、令和3年2月1日から令和4年5月31日までに受診した方であります。そして、調査票の配付と回答までの締め切りは、今年の2年15日より調査票を送付しまして、今年の3月15日までに回答があった報告を評価の対象としております。
それでは、1枚おめくりください。3枚目でございます。こちらは、今、申し上げた今回の研究のフローを図式化したものでございますので、この程度といたします。
1枚おめくりください。4枚目です。まず、結果の概要から入ります。ワクチン接種後の遷延する症状に関する実態調査結果の概要ということでありますが、ワクチン接種後の様々な健康の問題を受けるような専門医療機関が、各都道府県で指定されています。470あるわけですが、これら470の医療機関に対して、今回の調査研究に対する協力の意向について事前に打診してみました。そうしますと、193の医療機関から内々、同意を得られたところでございます。その結果、最終的にはどうなったかといいますと、地域医療連携室から得られた回答が38の医療機関からございました。そのうち、明示的に該当事例がありましたとお答えいただいたのが15医療機関。23の医療機関では、そういう事例はありませんでしたということで明示的に回答いただいています。このようにして医療機関の地域連携室からいただいた症例の数が128例。
一方、ドクターにも調査をかけています。そうしますと、担当医師から回答が得られたのは、医療機関の数でいいますと16医療機関でございました。結果的に、医師からの回答の中で119症例の回答をいただいております。
また、このページの右側には、各ブロックごとに研究への同意状況、回答が得られた状況というものをお示ししてあります。これを多い少ないと言うことはできませんが、少なくとも全てのブロックから1以上の登録がなされていますので、最低限、各ブロックからデータは得られているところでございます。
1枚おめくりください。5枚目でございます。まずは、地域連携室に送付した事務的調査票の回答の状況でございます。最終的に回答いただけたのは49施設です。先ほど申し上げたように、実際に該当事例があったとお答えになったのが15施設、該当症例がなかったとお答えになったのが23施設、回答を最終的に辞退された施設は11でございました。
下には、年齢・性別ごとの登録された患者さんの数が示してあります。男性・女性を左・右に並べてございますが、全体として数でいけば、男性47人、女性81人でありまして、比率としては女性が高いところです。また、10歳刻みの年齢階級ごとの実際の登録人数が書いてございますが、見ていきますと、階級ごとで数が一番多かったという点では、女性の40~49歳、22人という状況でございます。
1枚おめくりください。6枚目です。これは、それぞれの患者さんが紹介されてきて、いずれかの診療科を受診されるわけです。どの診療科で評価されたかというものを、重複も加味して並べたものがこちらでございます。多いところからいきますと、総合内科、救急科、脳神経内科が目立って多いわけですが、下を見ていきますと、実に様々な診療科で御対応していただいているということが分かります。
1枚おめくりください。7枚目でございます。これは、症状の発症日及びワクチン接種後の症状について当該医療機関を受診した初診日でございます。
左が症状の発症日です。2021年と2022年に分けて書いてあります。2022年の6月以降は調査対象外ということもあるのですが、全体の数でいきますと、2021年に受診された方が全体の約89%でございます。
右は初診日でありますけれども、基本的には同じような傾向を示しております。
1枚おめくりください。8枚目でございます。こちらは、発症してからワクチン接種後の症状について当該医療機関を初回受診するまでの期間であります。発症してから実際に病院に来るまでの時間です。これは、日数ごと、0、1、2と見ておりますが、0日目で来られた方が47人と、一番多いところです。全体128人の中で0~7日の間に受診された方は69人、8~30日で受診された方が38人でありました。一部、91~365日たって来られた方が7人という結果も出ております。
次、お願いします。9枚目でございます。地域連携室からの調査報告をここで一度まとめます。
男性よりも女性、特に40代が多かった。
受診した診療科は、総合内科、救急科、脳神経内科等が多いのですが、それ以外にも多岐にわたっておりました。
また、受診患者さんの発症の日は、2021年が約89%でした。
また、ワクチン接種後の症状に係る当該医療機関の初診日でありますが、発症当日が最多です。半数以上が発症日から1週間以内であったということが分かっています。
また、こちらの研究ですが、つけられた診断と、そもそもそれがワクチンに起因するものかどうかという因果関係に関しては、研究の性質上、評価できないということになりますので、御留意いただければと思います。
それでは、1枚おめくりください。10枚目のスライドでございます。医師に送付した医学的調査票の回答の状況を御報告します。
実際に報告いただいた施設数は16、該当事例があったのが同じく16、症例数は合計で119でございます。
下に年齢、性別ごとの内訳の数が示してあります。左が男性、右が女性ということで示してありますが、先ほどの医事課、いわゆる地域連携室のデータと傾向としては似ておりまして、全体の数としては、女性のほうが78人、65.5%と比率が高い。そして、年齢階級別、性別の患者さんの数の最大のところを見ますと、40~49歳の女性で22人というところになります。
1枚おめくりください。11枚目です。ワクチンの接種後の症状に係る受診の状況でございます。
この中で入院された方ですが、「あり」と明示的に答えられたのが18.5%、「なし」と明示的に示されたのが48.7%でありまして、未回答が32.8%です。
また、どうやって受診されてきたかというものが下半分に示してありまして、ほかの紹介を受けずに、この専門医療機関に直接受診された方が46.2%いらっしゃいました。それから、以前、1施設、どこかで評価を受けてから来られた方が47.9%、2施設で評価を受けた方もいらっしゃって、これは5人、4.2%でございます。
1枚おめくりください。次は、12枚目でございます。これは、ワクチン接種後の症状に係る当該医療機関の初診日でございます。21年、22年と見ております。もちろん、22年は対象期間外の時期が多いわけですが、それらを留意しながらも、合計数としては2021年のほうが101人と、多いところでございます。
次に、13枚目をお願いします。これは、受診患者さんの属性で、基礎疾患、日常生活の自立度、いずれも接種前の状況ですが、基礎疾患のある方が42.9%、不明の方は7.5%ということでありました。
日常生活の自立度は、119人のうち「自立」が114人です。「一部介助が必要」「介助」がそれぞれ3人と2人ということでございました。
1枚おめくりください。14枚目に入りました。今回の症状に影響を及ぼした可能性のあるワクチンをいつ接種したかということと、回数、種類が示してあります。
接種時期ですが、左に示しました。こちらも21年に接種された方が、数としては比率が高いところです。
接種回数をその右に示しておりますが、「1回」とお答えになった方が43.7%、「2回」の方が40.3%となりました。「3回」になると8.4%に下がります。
その下、ワクチンの種類がありますが、ファイザーのコミナティが60.5%、武田/モデルナのスパイクバックスが8.4%、不明が37人、31.1%でございました。
次に、15枚目にお移りください。こちらは、当該医療機関の受診のきっかけとなった症状のうち、実際に日常生活を送る上で最も支障を来している症状に関してお答えくださいとしていますが、当然、複数回答もあります。複数回答も含めて、全ての症状を集計したものがこちらでございます。
左上から数の多いものが載っておりますが、見ていきますと、発熱28、疼痛13、倦怠感12、頭痛11といったところが多いところですけれども、それ以下、非常に様々な症状が続いております。ただ、一般的にワクチンを打った後に急性期に出ることが多いような症状が、左上の報告数が多いものとしては出てきているところでございます。
次、16枚目です。こちらは、評価のために行われた検査と検査所見の概要であります。結果の中身までは存じ上げませんが、取りあえず数の多いところを見ていきますと、血液検査が多い、69。尿検査が32、あとは心電図が26でした。あとは、胸部のX線写真が30、CTスキャンが25でございます。これを見ますと、こんな理由でやったのではなかろうかと、医師として想像しますが、その理由まで聞けていません。
次は、17枚目でございます。この症状に対して実際に行われた治療内容を示してあります。
まず、大分類で見ていくと上半分でして、これは調査項目そのものを見ていくと、薬剤治療単独で45、薬剤治療と経過観察で33、そして薬剤治療と外科的治療が1というところでございました。経過観察37、それ以外のものはお示ししたとおりであります。
薬剤治療の中身が気になりますが、中身の分かる79で見ていきますと、解熱鎮痛剤23、ステロイド14、補液8でありました。その他が55でございます。
次、おめくりください。18枚目でございます。これは、ワクチン接種後の症状に係る確定病名の一覧でございます。しつこいですが、これがワクチンに起因するかどうかという因果を見たものでは、一切ございません。
多いものから左上から並べてありますが、予防接種副反応が54、アナフィラキシーが4、その後、頭痛、ワクチンによる副反応疑い、夜間の不明熱というところまでが比較的多いところですけれども、それ以外にも多領域にわたる様々な診断がついているということがお分かりいただけると思います。ただ、一例一例の数は少ないといいますか、1~3程度でございます。
次、19枚目です。疑い病名の報告をされた事例もありまして、こちらに関しては数が多くなかったので、全部を並べてお示ししております。ご覧いただければ幸いでございます。
1枚おめくりください。20枚目です。報告された症状の経過です。転帰、受診状況等ですが、最終的に回復/軽快された方が全体の75.6%です。未回復の方が5.1%。死亡という事例もありました。脳出血、多臓器不全、心室細動が各1例ずつでございます。詳細に関しては、今回の調査の特性上、個票レベルの具体的なところまでは追えておりません。不明と答えられたのが16.8%でございました。
1枚おめくりください。21枚目でございます。入院された例が22例ありました。つまり、この調査期間の間にワクチンを打った後の症状だということで病院に来られて評価されるわけですけれども、その結果、入院された事例の入院時の診断名をこちらに示してあります。主病名だけではなくて、もともとの合併症等の副病名等も、こちらには併せて示してあります。22例の数で一覧表ですので、これから物事を何か引き出すのは難しいのですが、アナフィラキシーとか骨髄性白血病とかスチル病とかありますけれども、最終的にはこうした病名が診断としてついているという事実的な定義のみでございます。
次の22枚目も先ほどの続きであります。
23枚目に移ってまいります。医師からの調査報告のまとめです。
報告数ですが、男性に比べますと女性が多くて、40代が最多です。
受診者数は、2021年に多い。接種回数は、1回目、2回目が多い。
そして、今回、様々な症状の訴えがあって受診されること。最終的につく診断も様々であるということが、担当医師から報告されています。
転帰の観点では、症例の4分の3以上で回復または軽快であったということですが、こちらに関しても、ワクチンの接種と発生した症状、あるいは、ついた診断に関しての因果関係は評価できないというのが、今回の研究の立てつけでございます。
最後に、現時点での考察でございますが、本調査は第一報です。
今回報告された症状、確定病名、疑い病名を丹念に見てまいりましたが、現時点で懸念を要するような特定の症状や疾病の報告の集中は見られておりません。補足しますと、症状を見ていけば、発熱や痛みといった、ワクチンの接種後に急に見られるような所見が多く報告されていたのは、これは予測されていたことでありまして、事実としてあります。それ以外にも、数はそれほど多くなくても、何か重大な疾病が集積して見られているようなシグナルは、今、データを見させていただく限りでは見てとれないところです。本調査の性質上は、症状とワクチンの接種との間の因果関係を検証できません。
我々の今後の課題の一つとしては、症状が遷延している事例がもともとの問題となっていますので、これを可能な限り個別の事例単位で調査していくということが必要であると考えております。恐らく、全体の報告数からすると比率としては非常に小さくなるのではないかと想像します。ただ、そこをきちんと丁寧に拾い上げていく、詳細を見ていくということが絶対的に必要だろうと思っております。
私からは以上でございます。
○森尾座長 大曲参考人、御説明、どうもありがとうございました。
岡部参考人、御発声、可能でしょうか。よろしければ、研究に関する御見解など、御意見を頂戴できれば幸いでございます。
○岡部参考人 ありがとうございます。感染症学会参加中なので、いい場所じゃないので、ひそひそ話みたいになりますけれども、すみません。
私、このスタディーをお引き受けしたのは、これまでにHPVワクチンの後の問題点、あるいは自然感染後のいわゆるlong COVIDといったようなもので、慢性に何か起きるかということ。
それから、long COVIDの調査をしている中で、ワクチン接種によって同じような症状が出てきたり、あるいはワクチン接種によって治ったり、ワクチン接種によって悪化したりといった様々なものが出る中で、大曲参考人がおっしゃったように、まず、実態で接種後に何か起きたというのは事実なので、それを把握していくことが肝心だろうと思いました。そういう思いでお引き受けしたのですけれども、まだ中間発表といいますか、現時点の報告なので、結論的なことはもちろん言えませんけれども、症状としても非常にバラエティーに富んでいるというのは、ある意味ではそうかな、予想どおりといいますか、そういったところがあります。
逆に、総花的にいろいろな状況が出ているということなので、大曲先生がおっしゃったように、これから一つ一つで、もしかすると関連があるかもしれない。あるいは、関連があるなしにかかわらず、回復にむけてサポートしていくということが大切なので、こういった調査の意義というのは、因果関係をはっきりする、白黒つけるということではないと思いますけれども、症状が実際に起きたような問題点に対して、どういう解決をしていくかという意味で、私は意義ある調査じゃないかと思ってお引き受けした次第です。これからさらに調査を進めて、大曲先生がほぼ中心になってやっていただいているのですけれども、それについて各方面の御意見いただきながら、ある種の方向性といいますか、解決法を少しでも見出していければと思います。
コメントみたいな発言で申し訳ないのですけれども、以上です。ありがとうございました。
○森尾座長 岡部参考人、ありがとうございます。
それでは、委員の皆様から、大曲参考人の御説明及び岡部参考人からの御発言等につきまして質問や意見等がございましたら、お受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。
齋藤委員、お願いいたします。
○齋藤委員 新潟大学の齋藤玲子と申します。
大曲先生、貴重な御報告ありがとうございました。今回の大曲先生の調査における分析で、新型コロナワクチンの接種後の症状として、年代や性別などに何か特徴的な症状や診断名などはございましたでしょうか。
○森尾座長 お願いいたします。
○大曲参考人 齋藤先生、御質問いただきまして、ありがとうございます。
御指摘の点、非常に重要だと思っていまして、実は今日はデータをお示ししておりませんが、少なくとも10歳ごとの年齢階級ごとに層別化して見てみました。そうすると、発熱とか痛みといった非常に数の多いものに関して見ていくと、適切な言い方か、よく分からないのですけれども、それなりの数が配分されていくといいますか、分布するという状況になったのが1点です。
もう一点、先生方が気にされているのは、もっと特異的な問題の集積だと思うのですけれども、これに関しては、症状にしても、診断名にしても、実際的には年齢階級ごとに層別化した段階で、各症状が本当に分散していて、各カラムの数字が1とか2になってしまうのです。ですので、現実的にこれを見たときに、どちらと比較してすごく差があるというふうには見てとりにくいというのが現状の印象でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。貴重な検討、どうもありがとうございました。
4分の3以上の方が回復または軽快されているということなのですが、回復や軽快までの期間で何か特徴的なことはありますでしょうか。
○大曲参考人 先生、ありがとうございます。
実は、そのお答えをするためのデータを持っていないのです。つまり、結果としての転帰のみを問うていまして、時系列経過としての縦断的な調査、何が起こったのかとか、どれぐらいかかったのかという情報が今、手元にはありません。ですから、今、お答えできないというところです。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございました。
大曲先生、岡部先生におかれましては、本日、本当に貴重な御発表をいただきまして、ありがとうございました。大変な調査でございますが、非常に重要な調査でございますので、引き続き、研究班におかれましては、第二報に向けての分析をお願いできればと思っております。これ以降の議論につきましては、先生方に御意見を求める予定はございませんので、御退席いただいても差し支えございません。本日は誠にありがとうございました。お礼申し上げます。
○大曲参考人 ありがとうございました。
○岡部参考人 ありがとうございました。それでは、失礼します。
○森尾座長 続いて、資料1-1-1から資料1-5について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-1-1から1-5を用いまして、今回の集計対象期間、3月12日までの期間において、副反応疑い報告事例の動向などに変化があった点を中心に御説明いたします。
なお、今回よりコミナティ小児用のBA.4-5の2価ワクチンが追加となってございます。
まず、資料1-1-1をご覧ください。
2ページ、医療機関からの副反応疑い事例の報告状況の概要を御説明いたします。
コミナティでございますけれども、BA.1の推定接種者数は818万6613回、副反応疑いの報告頻度としては0.0012%で、重篤は0.0004%、死亡の報告は5件でございました。
BA.4-5の推定接種回数は4339万7362回、副反応疑いの報告頻度としては0.0012%で、重篤は0.0005%、死亡の報告は61件でございます。
BA.1、BA.4-5、いずれもコミナティ全体と比較して頻度等は高くなってございません。
続きまして、3ページをご覧ください。
コミナティの6か月~4歳用につきまして、推定接種者数は36万9270回、副反応疑い報告は6件でございます。集計対象期間内の死亡症例の御報告はございませんでしたが、集計対象期間後に1例、死亡症例の報告がされており、これにつきましては後ほど御説明いたします。
コミナティの5歳~11歳用全体といたしましては、推定接種者数412万9280回、副反応疑いの報告頻度としては0.0035%、重篤は0.001%、死亡事例は前回部会以降、新たな報告はございません。その内数となりますが、コミナティ5歳~11歳のBA.4-5の2価ワクチンにつきましては、推定接種者数が723回で、副反応疑いの報告はございませんでした。
4ページ、スパイクバックスにつきましては、BA.1の推定接種回数は316万1510回、副反応疑いの報告頻度としては0.0017%で、重篤は0.0005%、死亡の報告は3件でございました。BA.4-5の推定接種回数は103万4573回、副反応疑いの報告頻度としては0.0022%、重篤は0.0004%、死亡の報告はございません。BA.1、BA.4-5いずれも、スパイクバックス全体と比較して高い頻度とはなっておりません。
ヌバキソビッドつきましては、30万8795回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0136%であり、件数としては4件増加してございます。
接種回数別の報告状況については65ページ以降、ロット別については74ページ以降にまとめておりますが、報告状況の顕著な変化はございませんでした。
資料1-2には企業報告について同様の形でまとめておりますが、今、ご覧いただきました医療機関報告と傾向に大きな違いはございません。
資料1-1と1-2についての御説明は以上となります。
続きまして、資料1-3-1をご覧ください。コミナティの死亡事例について御報告いたします。
1ページ、「1.報告状況」です。
今回集計対象期間において死亡として報告された事例は、総数としては1829件、うち4回目接種以降は128件でございました。
2価ワクチンについては、BA.1が8件、BA.4-5が85件の報告となってございます。
「2.専門家の評価」の項に結果を表としてまとめてございます。
3ページの参考2、報告頻度の部分をご覧ください。各接種回数における100万回当たりの報告頻度につきましては、前回から大きな変化はございません。また、2価ワクチンについても、全体と比較して高い頻度とはなってございません。
今回報告されたBA.1の死亡事例は274ページのNo.5以降にございますが、専門家による評価の結果、いずれもγと評価されております。
また、BA.4-5の死亡事例は287ページのNo.56以降にございますが、こちらも専門家による評価の結果、γと評価されてございます。
続きまして、資料1-3-2をご覧ください。スパイクバックスの死亡事例について、御報告いたします。
1ページ目の「1.報告状況」ですが、今回の集計対象期間において死亡として報告された事例は、総数として224件、うち4回目接種以降は30件でございました。
2価ワクチンについては、BA.1が5件、BA.4-5が1件となってございます。
「2.専門家の評価」の項に結果をまとめております。
3ページ、報告頻度の項、参考2をご覧ください。こちらも、各接種回数における100万回当たりの報告頻度について、前回から大きな変化はございません。BA.1ワクチンの5回目接種後とBA.4-5ワクチンの4回目接種後にそれぞれ1件、報告があったことに伴い、頻度としては若干増加となってございますが、2価ワクチンについて、全体と比較して高い頻度とはなっておりません。
スパイクバックスのBA.1の死亡事例につきましては、48ページのNo.5でございますが、専門家による評価の結果、γと評価されてございます。
また、BA.4-5の死亡事例については、49ページに記載がございますが、こちらもγと評価されております。
スパイクバックスの説明は以上となります。
資料1-3-3、ヌバキソビッドにつきましては、新たな報告はございませんので、説明は割愛させていただきます。
続きまして、資料1-3-4をご覧ください。コミナティ5~11歳用につきまして、今回よりBA.4-5の2価ワクチンについても追加となってございますが、新たな報告はございません。
5ページをご覧ください。前回も御報告しましたNo.3、11歳男性の事例につきまして、新たに解剖医からの報告が寄せられております。基礎疾患等の下線部のところでございますけれども、浴槽内に溺水の状態で発見された。解剖で急死の所見を認め、溺水として矛盾しない。病理組織学的検索で死因になり得る病変を認めなかった。加えて、血液検査結果および病理組織学的探索でアナフィラキシーは否定的と考えられた。薬毒物検査は陰性であった。以上より、本屍の死因は「溺水」と判断する。なお、剖検結果からは新型コロナウイルスのワクチン接種との因果関係は不明であると報告を受けております。
専門家の評価につきましては、病理学的検索の結果、溺水、急死に矛盾せず、アナフィラキシー、てんかん、心筋炎などは否定的で、内因性疾患による死因を推定できる所見は得られませんでした。一方で、ワクチン接種との関連を直接示唆する所見も認めず、接種との因果関係は不明ですとされており、γと評価されてございます。
資料1-3-5をご覧ください。コミナティ筋注6か月~4歳用について、今回の集計対象期間後に1件、死亡事例の報告がありましたので、3ページをご覧ください。
基礎疾患等の欄でございますけれども、ピアソン症候群等の基礎疾患を有する1歳の男児で、日齢48より腹膜透析となってございます。
2月16日に新型コロナワクチン乳幼児用の3回目接種をされ、翌日14時頃から38.1度の発熱。16時10分頃より、ふだんより多い酸素投与がされている。21時頃、37.7度で、ふだんよくある程度の湿性咳嗽があったというものでございます。
2月18日の19時半過ぎ、腹膜透析が開始され、20時頃、よくある程度のぐずりが見られているところでございます。21時半頃、心肺停止で発見され、救急搬送されましたが、22時38分、死亡が確認されております。死亡時の画像診断、剖検は実施されておりませんでした。
報告者からは、基礎疾患は重篤であり、因果関係は不明である。酸素投与がやや多めに必要となっていたことを考慮すると、万全な健康状態だったとは言いがたいとの報告を受けております。
専門家による評価でございますけれども、4月28日時点の欄をご覧いただければと思います。変異laminin β2遺伝子のコンパウンドへテロ接合体によるPierson症候群の1歳児。先天性ネフローゼ症候群、末期腎不全に対する腹膜透析治療を連日受けている。血清クレアチニン値は5.58mg/dLと高値。ワクチン接種翌日から熱発したが、認められた咳嗽は普段認められるものと同じで、全身状態もぐずる程度で格別な悪化は認められなかった。患児は2日後の夜に心肺停止状態で発見された。死亡時画像診断や剖検は実施されなかった。ワクチン接種と死亡との時間的前後関係はあるが、因果関係を推定できる医学的証拠はなく、両者の間の因果関係を評価することはできないとコメントされ、γと評価されております。
資料1-3につきましては、以上でございます。
続きまして、資料1-4-1をご覧ください。心筋炎・心膜炎疑いの報告の状況について御説明いたします。
資料1-4-1、コミナティでございますけれども、2価ワクチンであるBA.1において心筋炎疑いは5件、BA.4-5においては14件報告されております。
心膜炎疑いにつきましては、BA.1ワクチンにおいて3件、BA.4-5においても3件報告されております。
2価ワクチンの心筋炎の事例は37~38ページ、心膜炎の事例は44ページにお示ししておりますが、評価はいずれもγとなってございます。
続きまして、資料1-4-2をご覧ください。スパイクバックスBA.1とBA.4-5の2価ワクチンについて、心筋炎・心膜炎の新たな報告はありませんでした。
また、資料1-4-3、1-4-4でございますが、ヌバキソビッド、小児用コミナティにおいても、心筋炎・心膜炎疑いの新たな報告はございませんでした。
資料1-5でございますが、乳幼児ワクチン接種後の熱性けいれんに関する報告をまとめた資料でございますが、前回から新たな報告はございませんでした。
資料1-5までの説明は以上となります。
○森尾座長 ありがとうございます。
それでは、資料1-6について、引き続き、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
資料1-6をご覧ください。mRNAのコロナワクチンの接種後の肺塞栓症のリスク解析について御説明いたします。
2ポツの「概要」をご覧ください。昨年12月16日に開催された本合同部会におきまして、AMED研究班の研究で、女性の1回目接種後に肺塞栓症のシグナルが観察された旨、一方で、アメリカ、フランス、イスラエルにおける研究においては、mRNAワクチン接種後の肺塞栓症の有意なリスク上昇は認められなかった旨、御報告いたしました。その際の本合同部会の資料は、この資料の10ページ、11ページにお示ししてございます。
その議論の際ですが、現時点でリスクがあるとは認められないものの、性差も含めて、今後も引き続き注視していく必要性、また、別のデータセットでの検討の必要性等、御指摘がありまして、これを踏まえ、肺塞栓症につきまして国内のmRNAワクチン接種後の副反応疑い報告を基に検討を行いました。
製造販売業者からの副反応疑い報告数としては、令和5年1月22日までの間に192例の報告を受けております。
詳細な解析条件等は、3ページ目以降に記載しておりますが、リスク期間を3パターン、肺塞栓症の疾患定義を3パターン、背景発現率の算出年をコロナ流行前後の2パターンという複数の解析条件でO/E解析を実施いたしました。
その結果、13ページ目以降にお示ししておりますが、全ての解析条件において、いずれの性別及び年齢層においても、背景発現率と比べ、報告頻度に統計学的な有意差は認められませんでした。
海外の状況といたしましては、米国FDAにおいて、高齢者を対象にワクチン接種後の事象の発生率と、COVID-19パンデミック前の事象の発現率を比較したところ、肺塞栓症の潜在的なリスクが認められたとの報告がございます。一方で、対象者が65歳以上であること、基礎疾患等のリスク因子等があること、こういった背景因子を調整した評価が必要だとされて、さらなる検討を実施中となっており、FDAは本調査結果をもって追加の安全対策措置は行っていないという状況でございます。
そのほか、英国、EU等におきましても、現時点でmRNAワクチン接種後の肺塞栓症について、添付文書等において注意喚起はなされていないところでございます。
以上の状況を踏まえまして、現時点で追加の安全対策措置は不要と考えており、今後も副反応疑い報告や国内外の調査・研究状況を注視していくこととしてございます。
資料1-6の説明としては以上となります。よろしくお願いいたします。
○森尾座長 ありがとうございました。肺塞栓症のリスク解析ということで御説明いただきました。
続いて、資料1-7について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。よろしくお願いいたします。
今回も先生方の御議論に御活用いただきますよう、資料1-7を準備してございます。
まず、2ページ目をご覧ください。今回の審議会の資料構成でございますけれども、1項において副反応疑い報告全体の概要について、2項においてその他、3項において当該審議会における論点について効率的に御議論いただける資料構成としております。
おめくりいただきまして、4ページ目から6ページ目でございます。こちら、副反応疑い報告の概要でございます。3月12日のデータロックまでの報告状況等について、資料1-1-1及び資料1-2-1をまとめております。
報告状況の数値につきましては、先ほど御説明させていただきましたので割愛させていただきますが、4ページ目におきましては、前回同様、オミクロン株対応ワクチンを含め、ファイザー社ワクチン接種に係る推定接種回数、報告数、報告頻度について、お示ししてあります。
5ページ目におきましては、同様にモデルナ社ワクチンに係る報告状況について、お示ししております。
6ページ目におきましては、5歳から11歳の小児用ワクチン、6か月から4歳用の乳幼児ワクチンに係る報告状況について、お示ししており、今回の資料より、中段に5歳から11歳用のBA.4-5対応ワクチンに係る報告状況についての表をお示ししております。
また、7ページにおきまして、ノババックスワクチンに係る報告状況について、お示ししております。
続いて、9ページ目をご覧ください。こちらは、前回の3月10日の審議会におきまして、特に新型コロナワクチン接種前の問診のほか、接種後一定時間の被接種者の状態の観察及び副反応を疑う症状が生じた場合に、適切に対応するための体制の整備の重要性、並びに接種直後に重篤な症状が発現した報告事例の因果関係評価に係る情報収集の重要性について、先生方より御指摘いただいたことを踏まえまして、新型コロナワクチンの接種に伴い、副反応を疑う症状が生じた際の対応について、再周知の事務連絡を、ご覧のとおり、出させていただきましたので、御報告させていただきます。
11ページ目から18ページ目がまとめのスライドとなります。構成といたしましては、前回と同様、11ページ目に死亡事例、12ページ目に心筋炎・心膜炎、13ページ目に5歳から11歳の小児用ワクチン、14ページ目に6か月から4歳用の乳幼児ワクチン、15ページ目に4及び5回目接種に係るまとめスライド、16~17ページ目としてオミクロン株対応ワクチンについて、それぞれの副反応報告状況をまとめてご覧いただけるよう準備させていただいております。
14ページ目の乳幼児ワクチン接種後の副反応に関するまとめのスライドをご覧ください。
今回、データロック外に死亡として報告された事例が1件あったことを踏まえまして、青囲み、最新の死亡例の報告状況等の整理におきまして、4丸目といたしまして、当該事例にかかるファクトをご覧のように記載させていただきました。本事例も含め、乳幼児ワクチン接種後の報告状況について、現時点においては、引き続き、ワクチン接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えてよいかとして、お諮りしております。
その上で、今回の全体のまとめといたしまして、18ページ目でございますけれども、主な検討項目として、死亡、心筋炎、心膜炎、それから、先ほどの資料1-6における肺塞栓症、4~5回目接種、小児用ワクチン等の検討も含め、現時点においては、引き続き、新型コロナワクチンの接種を継続していくこととしてよいかとして、お諮りしております。
なお、最後に、参考資料16におきまして、これまで同様、新型コロナワクチン接種後におけるアナフィラキシー、心筋炎及び心膜炎と評価された報告の状況について、性・年齢別の報告状況をまとめておりますので、御議論の際に御活用いただけますと幸いでございます。
資料1-7に関連した事務局からの説明は以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
それでは、続いて、資料1-9について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 続きまして、資料1-9、新型コロナワクチン接種後の健康状況調査、いわゆるオンライン調査の中間報告につきまして、前回までの内容を踏まえまして簡潔に御紹介申し上げます。
今回の集計対象範囲は4月2日までとなっており、主に4回目接種後の報告を中心にデータが集積しています。
90ページをご覧ください。90ページのスライドの下のほう、4回目接種当日中にエントリーし、回答いただいた方は886名、そのうち、有効回答者数は730名となっております。有効回答者数は前回と比較して11名増加しております。このほか、3回目接種当日の有効回答者数は2名、5回目接種当日の有効回答者数が1名増加しております。
続きまして、149ページから症状の分析結果を掲載しておりまして、さらに飛びまして190ページから、ワクチンのメーカーごとの症状の発現率をお示ししております。
194ページと195ページに接種4回目の後の症状の発現率を、196ページと197ページに接種5回目の後の症状の発現率をお示ししております。症状の発現率などの傾向につきまして、前回までと比較して特筆すべき変化はございません。
続きまして、338ページからは接種後に医療機関を受診した方の割合、342ページからは医療機関での診断結果、348ページからは入院状況、352ページからは3回目、4回目、または5回目の接種を受けられた方に対して、前回の接種と比較して体調がどうであったかを質問した結果をお示ししております。いずれも前回とは特筆すべき変化はございません。
最後に、361ページからは新型コロナワクチン4回目または5回目の接種の前後13日以内にインフルエンザワクチンを接種した方の人数をお示ししております。前回と比較しまして、新たに新型コロナワクチンの4回目または5回目接種の前後13日以内にインフルエンザワクチンを接種したと回答した方はいらっしゃいませんでした。
資料1-9につきまして御説明は以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
それでは、資料1-8、接種後健康状況調査につきまして、伊藤澄信委員から御説明をお願いいたします。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。
資料1-8です。本日は、オミクロン対応2価ワクチンの安全性に加えて、3か月後までの抗S抗体価の推移と、1か月後までのオミクロン株の中和抗体価、武田/ノババックス社の3回目、4回目、5回目の追加接種後の安全性とオミクロン株の中和抗体価、6か月から4歳のファイザー社ワクチンの安全性について報告させていただきます。
6ページから8ページが概略ですが、オミクロン対応の2価ワクチンの追加接種は、昨年10月にBA.1対応2価ワクチンを開始しています。ファイザー社が242人、モデルナ社が45人の結果です。11月からは、BA.4-5対応の2価ワクチンの接種が始まっておりますが、ファイザー社が1,557人で、モデルナ社が441人です。
9ページから抗S抗体価、11ページからは中和抗体価を含めた抗体価の推移を示しています。今までは、接種前、接種1か月後、3か月後などの全ての抗体価がそろった方の抗体価のみを抽出して集計しておりましたが、中和抗体については、全ての保存検体を測定しているわけではないこともありますので、測定結果が得られたものを集計しております。例数も提示しておりますので、比較する際は御留意いただければと思います。前後比較や多変量解析をする際は同一人の検体が必要ですので、今回は抗体価倍率は計算しておりません。
9ページは、モデルナ社の2価ワクチンのBA.1とBA.4-5、ファイザー社のBA.1とBA.4-5の4つの組合せがそろった結果です。グラフをご覧いただいて分かりますが、エンジ色の接種1か月後の抗体価は、どれも2万6000から3万5000程度で、95%信頼区間を表しておりますエラーバーで分かるとおりですが、差がありません。また、接種3か月後の抗体の減衰も、3~4回目接種と変わりがないようです。
10ページに、接種前あるいは接種後1か月後の抗N抗体が陽性だった人271人と、陰性だった人487人で比べております。医療従事者が多いので、昨年暮れから2月の感染状況を示しておりますが、35.8%が抗N抗体陽性でした。ご覧いただいて分かりますが、抗N抗体が陽性ですと、接種前から抗S抗体価が高くて、接種1か月後、3か月後でも高いということが分かります。
11ページに、起源株の中和抗体と、BA.1の中和抗体、BA.5株の中和抗体と、参考までに中和抗体を測定した方の抗S抗体価をグラフにしています。縦軸の単位は抗S抗体価と中和抗体価の両方が混在する形になっていますが、尺度を同じにしておりますので、御留意いただければと思います。モデルナ社のBA.1対応2価ワクチンと、ファイザー社のBA.4-5対応2価ワクチンは、起源株、BA.1株、BA.5株の中和抗体価の結果がそろっておりますが、ファイザー社のBA.1対応2価ワクチンはBA.5の抗体価の結果です。
12ページに、これらをまとめて、2価のBA.1対応株と2価のBA.4-5対応株のワクチンごとに集計してみました。1か月後の抗体価を見ていただくと分かりますように、BA.1対応株を接種しても、BA.4-5対応株を接種しても、BA.5株に対する中和抗体価は変わりがありません。したがいまして、2価ワクチン接種に際して、BA.1対応株なのか、BA.4-5対応株かを区別して選択する必要はなさそうだという結果が得られております。
13ページは、接種1か月後までの抗N抗体陽性の方と陰性の方で区別して集計しています。抗N抗体が陽性の方は、接種前から起源株BA.1株、BA.5株、いずれにしても抗体価が高くて、接種後も明らかに高いという結果でした。
14ページに、接種回数が3回目、4回目なのか、5回目なのかを層別してみましたが、大きな違いはありませんでした。
16ページから26ページまでは、安全性の情報を示しております。今回、モデルナ社のBA.4-5株対応2価ワクチン接種5回目の5日目、Day6に発症してDay10に38度から40度の発熱が見られた20歳代の女性の結節性多発動脈炎の症例をPMDAに報告しております。この方は、3回目までがファイザー社、4回目がモデルナ社の起源株を接種されていて、診断については、下肢の皮膚生検で、真皮層を主体とする皮膚全層性の血管炎が確認されています。プレドニンで加療されて軽快されております。
28ページからは、武田/ノババックス社の組換えたんぱくワクチンの3回目接種の結果です。令和4年秋回接種として4回目83人、5回目13人の結果も併せて解析しております。
34ページは、アストラゼネカ社、モデルナ社、ファイザー社と、初回シリーズ別の3回目接種から6か月までの抗S抗体価の推移と、4~5回目接種前と1か月後の推移を示しています。
下の表に示しておりますが、接種前から接種6か月後までの抗N抗体の陽性の方は43%程度でした。抗N抗体が陽性か否かが、抗体価について一番強い因子で、抗体価が減衰するかどうかというのは、抗N抗体が陽性かどうかが一番影響していました。
35ページです。こちらは、起源株中和抗体とBA.5抗体価の中和抗体を測定した結果です。抗S抗体に関しては、中和抗体を測定した人だけに限定した形で、3か月後まで出していますが、抗N抗体が陽性の人と陰性の人で分けて提示しています。抗N抗体が陰性の人は、3回目接種前のBA.5の抗体価が陰性ですけれども、3回目接種以降ではBA.5に対する中和抗体が出ている。抗N抗体が陽性の人は、接種前からBA.5に対する中和抗体があるということも分かります。
37ページに、発熱の時系列のグラフを示しておりますが、16ページのファイザー社、19ページのモデルナ社の発熱に比べても、発熱や局所疼痛、全身倦怠感などの頻度が低いということが分かります。
3つのワクチンの比較表を42ページにつくっておりますので、御参考にご覧いただければと思います。
46ページからは、6か月~4歳の乳幼児接種の結果です。乳幼児が2回目が3週後、3回目が2回目から8週以降の3回接種ですが、29人のお子さんに接種いただいております。
53ページに、1回目から3回目までの発熱の時系列の頻度を示しております。母数はグラフの下に示しておりますが、母数が小さいのでトレンドが見にくいと思います。特に、接種後数日して発熱者が出ているように見えるので、54ページに、被接種者全員の体温の推移を箱ひげ図にしました。箱ひげ図の見方は下に書いてあるとおりですが、数字の番号が同じであれば同じ子供さんの推移です。ご覧いただいて分かるとおりで、特定のお子さんによって発熱頻度が高くなっていて、前回も説明いたしましたけれども、冬季の乳幼児の感染症による発熱を見ているかもしれません。乳幼児の接種については、御協力いただくのに少し手こずっておりまして、小児治験ネットワークにもお願いを開始しております。引き続き、医療機関に協力をお願いしております。
報告は以上です。
○森尾座長 伊藤澄信委員、本当にいつもありがとうございます。
それでは、事務局から報告がありました、これまでの副反応疑い事例、副反応の解析、様々な部会資料、健康状況に関する調査について、効率的に議論を進めるために論点に沿って議論を進めていきたいと思います。
まず、副反応疑い事例に関して、新型コロナワクチンの安全性評価については、1番として死亡事例について、2番として小児、乳幼児接種について、3.その他の論点についての順で御議論をお願いしたいと思います。伊藤澄信委員の御発表に対する御質問等は、その他の部分でお受けしたいと思っております。
まず、死亡事例について議論を行いたいと思います。今回は、乳幼児接種における死亡事例の報告もございました。1歳のピアソン症候群をベースにされている方の死亡でございます。そのほかの事例も含めて、ワクチン接種と副反応疑い報告との観点から、接種継続の可否等について、どう考えるかという点をお伺いしたいと思います。
まず、資料1-7の11ページにおいて死亡事例の論点が挙げられてございます。皆様、ご覧いただきまして、こちらにつきまして、どう考えるか、御意見、御質問あれば承りたいと思いますが、いかがでしょうか。乳幼児の症例につきまして、よろしいですか。どうもありがとうございます。
続きまして、小児、乳幼児の接種についてということで議論を行わせていただきたいと思います。小児接種の論点につきましては、資料1-7の13ページ目に事務局から挙げていただいております。こちらにつきまして、御意見、御質問がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 国際医療福祉大学小児科の藤井でございます。
貴重な御報告ありがとうございました。
このページ、それから検討していただいたと思いますけれども、現時点では、特にワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念はないと私は考えました。
以上です。
○森尾座長 御意見、どうもありがとうございます。
ほかの委員からいかがでしょうか。よろしいですか。おおむね、この記載の方向でということでよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
続きまして、乳幼児接種の論点について、資料1-7の次のページ、14ページに事務局から投げていただいております。こちらは、先ほども少しお話しをさせていただきましたけれども、ピアソン症候群、laminin β2の異常の方でございますけれども、腹膜透析を生後2か月以降されていた方でございまして、その方の死亡が報告されております。その方の報告は、専門家によると評価はγであったということでございますが、この症例を含めまして、乳幼児接種について何か御意見、御質問がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 ありがとうございます。
ピアソン症候群ということで、大変難しい代謝性疾患だと存じますけれども、外因性のものと、もともとの腎機能の不全症状があるので、本症例のみから判断することはなかなか難しいかなと考えております。γということで、そのような判断は妥当なものかと考えております。
○森尾座長 藤井委員、ありがとうございました。
そのほかの委員の皆様、いかがでしょうか。乳幼児接種について、よろしいですか。どうもありがとうございます。
それでは、そのほかの論点に移りたいと思います。
資料1-7の論点スライドの中で示されました、4回目以降の接種後、2価ワクチン、心筋炎等の副反応を含めまして、新型コロナワクチンの安全性に関連して、これまでの論点以外の観点から御質問、御意見がありましたら承りたいと思います。こちらには、今回、事務局から提示していただきました肺塞栓症のO/E解析や、伊藤澄信委員からの今回の御提示ということも含ませていただきます。いかがでしょうか。
柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
伊藤先生、いつも貴重な検討、ありがとうございます。
先ほど大曲先生のほうから、接種後の症状が遷延する方がいらっしゃるということだったのですけれども、伊藤先生のコホートでは、そういった症状が遷延される方がいらっしゃるのかどうかというのをお伺いしたいと思います。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。
柿崎先生には、この調査にいつも御協力いただいておりまして、ありがとうございます。
小児やアストラゼネカなども加えますと、今まで16プロトコルほどの調査をしております。最終接種終了28日後までの有害事象には、接種28日後までに発現したものをすべて含めて添付文書と同じような形式でどの時点で発現しても1事象として、発現時期を明示せずに提示しておりまして、日誌2、接種の9日目から28日までの有害事象だけを集計した表をつくっていないものですから、今まで提示させていただいておりません。事前の勉強会で御質問がありましたので、一番人数が多かったファイザー社、初回シリーズ、2回目の際の記録を見てみました。
日誌2の回収ができた1万9542人のうち、10日以上発熱があった人が21人で、21日以上発熱があった人が1人。この方は27日目に軽快されています。倦怠感が10日以上継続していた人というのが76人で、21日以上継続していた人が5人、28日以上が1人で、最終的に35日までという記録が残っています。
頭痛に対しては、78人で、21日以上の人が7人で、28日以上が3人で、最長が39日で、0.1から0.3%ぐらいの人が、こういった症状が遷延することが、最初の初回シリーズのデータでも分かっています。
それ以外に、10日以上遷延して、担当医によって因果関係ありと評価された症状では、消化器症状、咳嗽、咽頭痛、浮動性のめまいとか腰痛や、接種部位の痛みが再燃したなどの報告が9件ありました。
初回接種のときは皆さん、不安が大変高かったので、SAEとしてPMDA報告したのは23件で、あの当時はアナフィラキシーのような症状が出ると、すぐ入院しておりましたので、そういったものも含めて23件が入院もしくはPMDA報告がありました。
3回目接種以降の本調査の中で、入院以上のSAEについては、日誌2の回収時の1か月後までと、3か月後、半年、12か月後まで取っているのですけれども、そのときにはCOVID-19の感染の有無と入院以上のSAEを質問していますが、遷延した症状があったかどうかということについては聞いていませんので、こちらは情報が取れておりません。1か月以後に因果関係があるとしてPMDA報告したのは、先ほどの23件と違って、3回目接種のファイザー接種のリンパ節炎だけで、3回目以降では、PMDA報告は激減しておりました
今までのコホート調査の状況からは以上です。
○柿崎委員 詳細にありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。非常に貴重なデータだと思います。
伊藤委員、遷延する神経症状みたいな方はいらっしゃらなかったということでよろしいでしょうか。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。少なくともファイザーの初回接種、約2万人程度の人たちを見る限り、28日後の時点では2万人の中にお一人もいらっしゃらなかったと認識しています。SAEも皆さん軽快になっていますし、PMDA報告をした方も遷延している人というのは、今のところいなかったと思っております。
以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
そのほかの点につきまして、何でも結構でございます。委員の皆様から御質問、コメント等、いかがでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございます。
それでは、これまで議論された内容をまとめさせていただきたいと思います。
これまで確認できた内容といたしましては、まず、集計期間における副反応疑い報告の傾向でございますが、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告については、副反応疑い事例全体の報告状況や、年齢・性別の報告状況、ロット別の報告状況、4回目以降も含めた接種回数別の報告状況、心筋炎・心膜炎について報告状況や専門家評価の結果に、動向の大きな変化はございませんでした。
死亡事例についてでございます。死亡事例の報告状況を整理いたしますと、コミナティについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに47件の死亡事例の報告があり、うち37件が4回目以降の接種後の死亡事例でございました。専門家による評価では、接種開始以降報告された1829例については、1件がα、10件がβ、そのほかの事例はγと評価されました。
スパイクバックスについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに9件の死亡事例の報告があり、うち4件が4回目以降接種後の死亡事例でございました。専門家による評価では、接種開始以降報告された224件については、1件がβ、そのほかの事例はγとされました。
ヌバキソビッドについては、新規の死亡事例の報告はございませんでした。
これまでの死亡に係る副反応疑い報告の状況、及び国内外のCOVID-19 mRNAワクチン接種後のリスクの分析のエビデンスも踏まえますと、現時点においては、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
続いて、小児接種についてでございます。コミナティ筋注5~11歳用については、3例が死亡事例として報告されており、いずれもγと評価されました。
また、心筋炎、心膜炎について、報告状況や専門家評価の結果に、動向の大きな変化はありませんでした。
また、コミナティ筋注5~11歳用接種後の報告状況について、現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
乳幼児接種についてでございます。コミナティ筋注6か月~4歳用については、心筋炎、心膜炎事例の報告はありませんでした。
熱性けいれんについては、3月12日までに医療機関から2件、製造販売業者から2件の副反応疑い事例の報告がありました。
死亡事例については、2023年3月13日から4月27日までに1件報告があり、専門家による評価ではγとされました。
コミナティ6か月~4歳用接種後の報告状況について、現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
続いて、肺塞栓症のO/E解析の報告がございました。肺塞栓症に係る副反応疑い報告を基に複数の解析条件でO/E解析を実施したところ、全ての解析条件で、いずれの性別及び年齢層においても、背景発現率と比べて報告頻度に統計学的な有意差は認められず、追加の安全対策措置は不要と考えられるとまとめさせていただきました。
そして、ワクチン接種後の遷延する症状についてでございます。本日、研究班のほうから第一報がございました。調査の性質上、症状とワクチン接種の間の因果関係を検証するものではございませんが、今回報告された症状、確定病名及び疑い病名の一覧からは、現時点で懸念を要するような特定の症状や疾病の報告の集中は認められなかったという報告がなされました。
このようなまとめ方でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございます。
以上、今回報告のありました具体的な事例などを踏まえまして、新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見がございましたらお願いいたします。
それでは、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 皆様、うなずいていただいたと認識いたしました。どうもありがとうございました。
それでは、新型コロナワクチンに関する議論は以上でございます。
続きまして、議題2「新型コロナワクチン以外の各ワクチンの安全性について」の議論に入りたいと思います。
まず、事務局から資料2-1から資料2-30までの説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
新型コロナワクチン以外の審議対象の全てのワクチンについて、2022年12月末までにおける副反応が疑われる症例の報告の状況について御説明いたします。
資料は2-1から2-30、及び参考資料18になります。
まずは、資料2-1 MRワクチンについてです。1ページの中段の表をご覧ください。MRワクチンの期間内の接種可能延べ人数は約48万人、製造販売業者からの報告は6件、医療機関からの報告は4件、うち重篤なものが4件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0013%、医療機関からの報告頻度は0.0008%となっております。
資料2-1は以上です。
資料2-2は麻しんワクチンについてです。接種可能延べ人数は約8000人、製造販売業者からの報告は3件、報告頻度は0.0360%となっております。
今回、医療機関からの報告はありませんでした。
資料2-2は以上です。
資料2-3 風しんワクチンについては、対象期間内に製造販売業者及び医療機関のいずれからも報告はありませんでしたので、説明は省略いたします。
資料2-4はおたふくかぜワクチンについてです。接種可能延べ人数は約36万人、製造販売業者からの報告は4件、医療機関からの報告は6件、うち重篤なものが6件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0011%、医療機関からの報告頻度は0.0017%となっております。
資料2-4は以上です。
資料2-5は水痘ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約50万人、製造販売業者からの報告は2件、医療機関からの報告は4件、うち重篤なものが4件ありました。製造販売業者からの報告頻度は0.0004%、医療機関からの報告頻度は0.0008%となっております。
資料2-5は以上です。
資料2-6は帯状疱疹ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約15万人、製造販売業者からの報告は22件、医療機関からの報告は2件、うち重篤なものは0件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0151%、医療機関からの報告頻度は0.0014%となっております。
資料2-6は以上です。
資料2-7は23価肺炎球菌ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約27万人、製造販売業者からの報告は6件、医療機関からの報告は5件、うち重篤なものが1件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0022%、医療機関からの報告頻度は0.0019%となっております。
資料2-7は以上です。
資料2-8はサーバリックスについてです。サーバリックスの接種可能延べ人数は約6815人、製造販売業者からの報告が4件あり、報告頻度は0.0587%となっております。今回、医療機関からの報告はありませんでした。
資料2-8は以上です。
資料2-9はガーダシルについてです。接種可能延べ人数は約37万人、製造販売業者からの報告が24件、医療機関からの報告は26件、うち重篤なものが10件ありました。製造販売業者からの報告頻度は0.0065%、医療機関からの報告頻度は0.0070%となっております。
資料2-9は以上です。
資料2-10はシルガード9についてです。接種可能延べ人数は1万7308人、製造販売業者からの報告が6件、医療機関からの報告は2件、うち重篤なものが0件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0347%、医療機関からの報告頻度は0.0116%でした。
資料2-8から2-10における医療機関及び製造販売業者からの報告事例につきまして、販売開始からの累計における重複事例の内訳は参考資料18にお示ししておりますので、御確認ください。
資料2-10は以上です。
資料2-11はDPTワクチンについてです。対象期間内に報告はありませんでしたので、こちらの説明は省略いたします。
資料2-12はDTワクチンについてです。接種可能延べ人数は約17万人、製造販売業者からの報告はなく、医療機関からの報告が1件、うち重篤なものは0件でした。医療機関からの報告頻度は0.0006%となっております。
資料2-12は以上です。
資料2-13 ジフテリアトキソイド、資料2-14 破傷風トキソイド、資料2-15の不活化ポリオワクチンにつきましては、対象期間内に報告はございませんでしたので、説明は省略させていただきます。
資料2-16は4種混合ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約78万人、製造販売業者からの報告は10件、医療機関からの報告は7件、うち重篤なものが6件ありました。製造販売業者からの報告頻度は0.0013%、医療機関からの報告頻度は0.0009%となっております。
資料2-16は以上です。
資料2-17は13価肺炎球菌ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約82万人、製造販売業者からの報告は22件、医療機関からの報告は11件、うち重篤なものは11件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0027%、医療機関からの報告頻度は0.0013%となっております。
また、6か月間の死亡症例の報告の頻度として、10万接種当たり0~0.07となっており、この数値は急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っております。
資料2-17は以上です。
資料2-18はHibワクチンについてです。接種可能延べ人数は約80万人、製造販売業者からの報告は18件、医療機関からの報告は12件、うち重篤なものが11件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0022%、医療機関からの報告頻度は0.0015%となっております。
また、こちらも6か月間の死亡症例の報告の頻度として、10万接種当たり0~0.07となっており、こちらも0.5を下回っております。
資料2-18は以上です。
資料2-19はBCGワクチンについてです。接種可能延べ人数は約19万人、製造販売業者からの報告は8件、医療機関からの報告は11件、うち重篤なものは5件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0043%、医療機関からの報告頻度は0.0059%となっております。
資料2-19は以上です。
資料2-20は日本脳炎ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約97万人、製造販売業者からの報告は4件、医療機関からの報告は7件、うち重篤なものが3件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0004%、医療機関からの報告頻度は0.0007%となっております。
資料2-20は以上です。
資料2-21はB型肝炎ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約88万人、製造販売業者からの報告は6件、医療機関からの報告は9件、うち重篤なものが7件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0007%、医療機関からの報告頻度は0.0010%となっております。
資料2-21は以上です。
資料2-22は1価のロタウイルスワクチンについてです。接種可能延べ人数は約29万人、製造販売業者からの報告は13件、医療機関からの報告は6件、うち重篤なものが5件でした。製造販売業者からの報告頻度は約0.004%、医療機関からの報告頻度は0.002%となっております。
資料2-22は以上です。
資料2-23は5価のロタウイルスワクチンについてです。接種可能延べ人数は約20万人、製造販売業者からの報告は18件、医療機関からの報告は4件、うち重篤なものが4件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0091%、医療機関からの報告頻度は0.0020%となっております。
資料2-23は以上です。
資料2-24をご覧ください。ロタウイルスワクチンによる腸重積の発生状況につきまして、これまでの会議と同様に、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン社、MSD社より資料の提供を受けております。
まず、資料の2ページ目から6ページ目までは、グラクソ・スミスクライン社のロタリックスについて、ワクチン接種時の週齢でまとめたグラフとなっております。
7ページ目以降は、MSD社のロタテックについて、ロタリックスと同様にまとめた資料となっております。
2020年10月に定期接種化されておりますが、報告頻度が特段高くなっているということはなく、また、VAERSに基づく海外との比較においても、外科手術や死亡に至った事例は低いことが示されております。
資料2-24は以上です。
資料2-25はインフルエンザワクチンについてです。今シーズンのインフルエンザワクチンについて、2022年10月から2022年12月末までの結果をお示ししております。接種可能延べ人数は約5600万人となっています。製造販売業者からの報告は8件、医療機関からの報告は50件、うち重篤なものが22件となっています。製造販売業者からの報告頻度は0.000014%、医療機関からの報告頻度は0.00009%となっております。
2ページ目からは、報告について内訳別の集計結果をお示ししております。
3ページ目の下段では、参考として2020年/2021年シーズン、2021年/2022年シーズンを記載しておりまして、今回の報告頻度は過去と比べて特段高いという状況ではございませんでした。
資料2-25は以上です。
資料2-26は後遺症疑いとして報告された症例をお示ししております。ワクチン接種後に後遺症が生じたとする報告が、報告対象期間前の事例において追加調査で判明したものが1件、報告対象期間内に2件ございました。因果関係評価の結果につきましては、No.1のBCGワクチン接種後に骨結核などが報告された症例において因果関係が否定できないとされております。
資料2-26は以上です。
資料2-27はADEM疑いとして報告された症例をお示ししております。今回の報告対象期間前の再評価事例において2件、報告対象期間内に2件あり、いずれも専門家により、情報不足等により因果関係が評価できないとされています。
資料2-27は以上です。
資料2-28はGBS疑いとして報告された症例をお示ししております。今回の報告対象期間前の再評価事例において1件あり、専門家により、情報不足等により因果関係が評価できないとされております。
資料2-28は以上です。
資料2-29はアナフィラキシー疑いとして報告された症例をお示ししております。今回の報告対象期間前の再評価事例において4件、報告対象期間内に13件あります。1ページ目、No.2のロタワクチン等の同時接種の症例について、専門家により、ブライトン分類2、因果関係は否定できないと評価されております。
資料2-29は以上です。
最後、資料2-30はワクチン接種後の死亡事例として報告された症例をお示ししております。報告対象期間前の症例で、今回、専門家により評価されたものが1件、報告対象期間内の症例で6件、報告対象期間後ではありますが、3月28日までに報告された症例で4件あります。
因果関係評価の結果について、前回の部会では評価中となっておりましたNo.1の帯状疱疹ワクチンの症例におきまして、ワクチンとの因果関係が認められないとされており、その他の症例につきましては、現在評価中のNo.3とNo.4を除きまして、いずれも情報不足等によりワクチンとの因果関係は評価できないとされております。
なお、No.6の男性の事例について補足させていただきます。HPVワクチン接種後2日目に死亡されたとして報告された事例になっておりますが、こちらはデータロックの3月28日時点においては、製造販売業者より自社製品疑いの事例として報告されていたものの、その後の追加調査の結果から、実際には男性に当該ワクチンが投与されていなかったことが確認されておりますので、現在は取下げとなっております。
資料2-30は以上です。
新型コロナワクチン以外のワクチンに関する資料は以上になります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
今の事務局からの説明につきまして、御質問、御意見等いかがでしょうか。
山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 ありがとうございます。
HPVワクチンで接種後の症状が出ている方で、生活に支障が出ていたり、そういう方はいらっしゃるのでしょうか。以前のように多様な症状によって学校へ行けなかったりということですが。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
HPVワクチンに関する資料につきましては、資料2-8から2-10にお示ししているものと、今回でいえば資料2-26のほうに後遺症のある症例としまして、4価のガーダシルの症例等が報告されているところになります。今回、後遺症の症例としてガーダシルですと、専門家の評価としては、情報不足により、因果関係は評価できないという状況として報告を受け付けております。
○山縣委員 因果関係というだけではなく、打ったために日常生活に支障が出るとか、その辺の情報というのは、なかなか分からないことなのでしょうか。
○森尾座長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○事務局 経過欄の記載等は事務局として確認しておりますが、今、これぐらいの数があってということはお示しできず、申し訳ありません。
○山縣委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ほかにはいかがでしょうか。
時々申し上げていることなのですけれども、BCG接種後に骨結核になられたり、播種性のBCG症になられた方などでは免疫異常症を疑うということがございまして、IL-12レセプタβ欠損症とかインターフェロンγレセプタ欠損症、慢性肉芽腫症などですが、うまく連結できるようなシステムがあればなと願っています。すみません、コメントでございます。
ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございます。
佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 念のため、ちょっと確認させてください。資料の見方かもしれないのですが、HPVのシルガードで、資料の4ページで女性の30歳の症例がありまして、転帰日が10月18日という記載があるのですけれども、非重篤ではあるものの未回復ということなのですけれども、これはこれ以上、追跡しないということになりますか。
○事務局 シルガードの医療機関から非重篤の症例ですね。No.1のものになりますでしょうか。
○佐藤委員 そうです。
○事務局 もし医療機関のほうから追加の情報等がございましたら、報告としてはアップデートされていくものと思っております。
○佐藤委員 分かりました。今のところデータはここまでということですね。
○事務局 現在のデータロック時点におきましては、お示ししている状況ということでございます。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 ほかには質問、コメント等、いかがでしょうか。よろしいですか。どうもありがとうございます。
それでは、これまで議論いただいた内容をまとめさせていただきたいと思います。
1.これまで確認された内容としましては、副反応疑いの報告頻度は、これまで検討したワクチンに比べて特段高いことはない。
2.また、インフルエンザワクチンについては、副反応疑い報告数、死亡数、アナフィラキシーの発生頻度等については、昨シーズンのそれらと同等程度であり、大きな変化はなかった。
3.後遺症の報告は、対象期間前の症例を含め3例報告され、BCGワクチン接種後の事例にて因果関係が否定できないと評価された。その他の事例については、いずれも専門家の評価では情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
4. ADEMの可能性のある症例は、対象期間前の症例を含め4件報告され、いずれも専門家の評価では情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
5.GBSの可能性のある症例は、対象期間前の症例で1例報告され、専門家の評価では、情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないものとされた。
6.アナフィラキシーの可能性がある症例は、対象期間前の症例を含め17例報告され、ロタワクチン等の同時接種の症例について、ブライトン分類2、ワクチンと症状名との因果関係が否定できないものとされた。その他の事例については、いずれも専門家の評価では、情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
7.死亡症例は、対象期間前の症例を含め11件報告された。帯状疱疹ワクチン接種後の事例にてワクチンとの因果関係が認められないとされており、現在調査中を除くその他の事例については、情報不足等により、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。また、対象期間後に報告された2例については、現在調査中であることから、次回以降で検討を行う。
8.13価肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンも、急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っていた。
このようなことでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございます。
この内容を踏まえまして、新型コロナワクチン以外の各ワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見はございますでしょうか。
それでは、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告等によって、この安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○森尾座長 どうもありがとうございました。では、そのような形でまとめさせていただきます。
続いて、議題3「その他」になります。HPVワクチンについて報告事項がございますので、事務局よりよろしくお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
HPVワクチンについての報告事項としまして、最近の状況を踏まえた接種の状況について御説明申し上げます。お手元の資料3「HPVワクチンについて」をご覧ください。
2ページ目、HPVワクチン接種状況の推移、マル1でございます。平成25年度から令和3年度までのHPVワクチン定期接種被接種者数・実施率の推移を示した表です。令和3年度の実施率は、先日更新されました地域保健・健康増進事業報告での最新の接種者数を基に算出しております。なお、実施率の算出方法ですけれども、接種者数をHPVワクチンの標準的な接種対象年齢である13歳の女子人口で割って算出したものでございます。令和3年度は53万1000人が分母となっております。
昨年の審議会で令和2年度のデータまでお出ししておりましたが、このたび3年度分を更新してお示ししております。実施率は、令和3年度にかけて上昇しております。
3ページ目、移っていただきまして、HPVワクチンの接種状況の推移、マル2でございます。こちらのデータも昨年の審議会でお示ししたものを更新したものでございますが、上段の表で記載されております接種者数は、実際に接種した数ではなく、施設納入数となります。先ほどお示しした地域保健・健康増進事業報告で実際の接種者数及び実施率が報告されるまでには時間を要しますので、数か月の時差で報告が上がってくる、こちらの施設納入数で接種者数の傾向を把握しております。
棒グラフは四半期ごとでまとめて、3か月分、お示ししております。経過を見ますと、令和4年度もこの納入数は増加しておりまして、同時期以降の実際の接種者数も上昇していると推察されます。
下の表、副反応疑い報告についてですか、先ほどお示ししたとおり、接種の実数は令和3年、4年と増加傾向であると思われるため、副反応疑い報告の実数に関しても多少増えておりますけれども、一番下のグラフでございますが、割合で見ると変化はなく推移しております。
事務局からは以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。重要な取りまとめ、御説明をいただきました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、引き続き、しっかりとフォローしていただいて、また御報告いただけたらと思います。どうもありがとうございました。
それでは、本日の議題は以上となりますが、そのほか、全体を通じまして、御質問、御意見はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、事務局にお返しいたします。
○事務局 本日は、長時間にわたり活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、改めて御連絡さしあげます。
○森尾座長 それでは、本日の会議をこれで終了いたします。活発な御討議、どうもありがとうございました。