厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第51回) 議事録

日時

令和5年3月22日(水)15:00~17:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール12I

議事

議事内容
○江崎補佐 定刻となりましたので、ただいまから、第51回「厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会」を開会いたします。
委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は行わず、代わりに会議の模様をユーチューブによるライブ配信にて公開しておりますので、御了承ください。
本日、オンラインでの御参加の委員に向け、何点かお願い事項がございます。会議参加に当たり、ビデオカメラはオンにしていただき、マイクはミュートにしてください。発言されるときはマイクをオンにしていただくとともに、お名前をおっしゃっていただいた上で御発言をお願いいたします。発言が終わりましたら、マイクをミュートにお戻しください。御不明な点がありましたら、事前にお伝えしております電話番号におかけいただければ御案内いたしますので、いつでもお問い合わせください。
続いて、本日の出欠状況を確認いたします。本日の出席状況ですが、和田委員より御欠席の連絡をいただいており、小川委員より遅れての出席ということとなっております。
以降、議事の進行につきまして、水澤委員長にお願いいたします。
○水澤委員長 まず、資料の御確認をお願いいたします。
○江崎補佐 まず、お手元の資料でございますが、資料1-1、前回の議論を受けて修正した個票、新規の疾病追加について研究班から情報提供のあった疾病、そして資料1-2も前回の議論を受けて修正した個票でございますが、疾病名及び疾病の範囲の変更について研究班から情報提供のあった疾病、そして資料1-3は告示病名の変更、そして資料1-4は今後のスケジュール、そして資料1-5は研究班から提出のあった資料でございます。
続いて、参考資料でございますが、参考資料1として、新規の疾病追加について研究班から情報提供のあった疾病の一覧表、そして参考資料2については、新規疾病追加について研究班から情報提供のあった疾病の疾患群別の一覧、参考資料3でございますが、疾病名及び疾病の対象範囲の変更について研究班から情報提供のあった疾病、こちらは一覧表ということで、いずれも第50回、前回の指定難病検討委員会の資料と同じでございます。そして最後に参考資料4として、指定難病の要件、第26回の指定難病検討委員会の資料をおつけしております。
資料は御確認いただけましたでしょうか。資料の欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。
なお、本日の会議では、前回委員会までの議論を踏まえ、本委員会として指定難病の要件を満たすと判断すると妥当とされた疾病、そして疾病名及び対象範囲の変更案が妥当とされた疾病の確認を行っていただきたいと考えております。
以上でございます。
○水澤委員長 ありがとうございました。
それでは、まず、前回までの委員会の議論の整理について、事務局から御説明をお願いいたします。
○江崎補佐 資料1-1を御覧ください。前回までの委員会では、新規の疾病追加について研究班から情報提供のあった3疾病について、指定難病の要件に該当するかどうか、個別に御検討をいただきました。その結果、資料1-1の3疾病、具体的にはMECP2重複症候群、線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群を含む)、そしてTRPV4異常症について、本委員会として指定難病の要件を満たすと判断するということで議論がなされております。
また、資料1-2を御覧ください。既存の指定難病のうち、疾病名及び疾病の対象の変更について研究班から情報提供のあった2疾病について検討を行いました。その結果、資料1-2の2疾病、具体的には告示番号120番の遺伝性ジストニア、そして脳内鉄沈着神経変性症、これは現在の告示番号121番の神経フェリチン症を含むというものについて、疾病名及び疾病の対象範囲の変更がおおむね妥当ではないかという御議論をいただいたところでございます。よろしくお願いいたします。
○水澤委員長 ありがとうございました。
ただいま、事務局より前回の議論の整理をしていただきましたけれども、よろしいでしょうか。思い出していただけたかと思います。
それでは、先ほど御説明のありました5つの疾病について、前回委員会での指摘を踏まえて、指定難病に係る診断基準等の確認事項及び記載の修正点等につきまして、事務局から説明をしていただき、その後、議論をいただく形で進めていきたいと思います。
それでは、事務局から御説明をお願いいたします。
○原補佐 それでは、資料1-1を用いて個票の確認を行います。
3ページを御覧ください。MECP2重複症候群につきまして、「MACP2遺伝子の数的異常(定量PCR、MLPA、アレイCGH、FISHを組み合わせた検査による)」の記載を「MECP2遺伝子を含む領域のゲノムコピー数の過剰(定量PCR、MLPA、アレイCGH、FISHのいずれかの検査による)」と修正しております。「組合せ」と表現しますと、2つ以上の検査が必須であるとの誤解を生じる可能性があるため、研究班からの指摘で修正するものです。
また、診断のカテゴリーのDefinite、「Aの(主項目)のうち3項目かつ(副項目)のうち3項目かつBの鑑別診断を除外し、Cを満たすもの」という記載を、「Aの(主項目)のうち3項目かつ(副項目)のうち3項目以上かつBの鑑別診断を除外し、Cを満たすもの」と修正しております。同様にProbable、「Aの(主項目)のうち3項目かつ(副項目)のうち3項目以上かつBの鑑別診断を除外したもの」と修正しております。「以上」という文言を追加することにより、より明確化いたしました。
続きまして、6ページを御覧ください。線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群を含む)につきましては、修正等はございません。
続きまして、13ページを御覧ください。TRPV4異常症につきましては、前回の御議論において、重症度分類を用いた場合、対象となる患者はおおよそ60%であることについて、もう少し詳しいデータ等を研究班から提示していただく必要があるとの御意見をいただきました。
資料1-5を御覧ください。研究班からの提出資料となります。研究班に確認しましたところ、重症度分類を用いた場合にmodified Rankin Scale3以上となる患者はおおよそ60%でありますが、椎体変形、もしくは狭胸郭が存在する症例は、変容性骨異形成症と脊椎骨幹端異形成症を合わせた42名中40名とほとんどであり、既に指定難病となっている273番、肋骨異常を伴う先天性側弯症、274番、骨形成不全症と同程度に長期の療養を要すると整理できると報告されております。
また、個票の記載内容につきましては、「整形外科的な治療を要する」といった記載が重複しているため、一部削除しております。
また、生命予後につきまして、必ずしもよいわけではないため、修正しております。
その他、記載整備をしております。
以上となります。
○水澤委員長 ありがとうございました。
ただいま、3つの新しい疾患についての御説明をいただきました。最初がMECP2重複症候群でありまして、今回のは微修正で、3ページの遺伝学的検査の記載、それから診断のカテゴリーのところの記載を微修正いただいたということでございます。これについて何かございますでしょうか。御意見やコメントはよろしいでしょうか。
石毛先生、よろしいでしょうか。
○石毛委員 特にございません。
○水澤委員長 ありがとうございます。
それでは、MECP2重複症候群につきましては、これでよろしいということにしたいと思います。
6ページの繊毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群を含む)につきましては、特に修正はなかったわけですけれども、追加でのコメントや御質問はないでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、こちらも御承認いただいたということにしたいと思います。
10ページのTRPV4異常症は、前回少し御議論がありまして、今も詳しく御説明いただきました。研究班からの新しい資料1-5の提出もあったということでございます。こちらにつきましてはいかがでしょうか。もしあれば、いただければと思います。
それでは、これも小児科ということで、石毛先生、何かコメントはございますでしょうか。
○石毛委員 研究班からの資料にも出ておりますように、長期の療養をどこまでというふうに解釈するかというところが今回の問題なのだと思っており、疾患的には非常にきれいにまとめてありますし、研究班が症例もまとめて、予後もまとめてくれておりますので、長期の療養を要すると判断されるというのであれば、そうなのだと思います。
あとは、ほかの疾患群2つと比較しての資料の提出でしたので、今までそのような形で比較しての認定というのはあまり行ってこなかったように記憶しておりますので、それをどのように判断されるかということではないかと思います。
以上です。
○水澤委員長 ありがとうございました。
今回、かなり詳しい資料も出していただきましたけれども、私も実は整形外科の専門家の方にちょっとお聞きしました。整形外科の方ですけれども、国立大学法人の難病センターのセンター長もやっておられたという方でしたので御相談しましたけれども、おおむねこの研究班からの御回答の内容でございました。
石毛先生がちょっとおっしゃったように、新しい視点として、同様な領域に属する疾患と比較するということも今回していただいたということでございますので、それで既に認められている、ここにありますような先天性側弯症、あるいは骨形成不全症などと同程度の長期の療養を要するというふうに理解できるものであるということを御報告いただきましたので、そういう意味では少しコンファームしていただくことになったのではないかなと感じております。
いかがでしょうか。ほかに御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
前回より遥かにそこのところがはっきりとしたと言えるかと思います。特に御意見がなければ、お認めいただいたということにしたいと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、次の診断領域等の変更が考えられている2つの疾患の御説明をお願いいたします。
○原補佐 それでは、資料1-2を御覧ください。
前回の議論では、120番の遺伝性ジストニア及び121番の脳内鉄沈着神経変性症の病型の整理に伴う重症度分類で対象となる患者の割合についてお尋ねがありました。この点について研究班に確認したところ、患者数そのものが希少であるため、各病型ごとに大きく変わらないということでした。
患者数につきましては、変更後の120番の遺伝性ジストニアは200人以下、121番の脳内鉄沈着神経変性症は20人程度と推定されており、いずれもバーセルインデックスでは80点未満が大半と推定していると報告されています。
続きまして、前回御指摘をいただいた脳内鉄沈着神経変性症の個票の修正箇所について、研究班の確認が済みましたので、改めて御説明いたします。
資料1-2の37ページを御覧ください。「表2.代表的なNBIAの画像」のところになります。「A:NBIA1(PKAN):大多数の症例でT2画像上、いわゆるeye of the tiger signを示す」の後ろに括弧書きで「矢印」という文言を追加しております。
また、「C:NBIA4(MPAN):淡蒼球≒黒質への鉄沈着、内側随板の縞状画像」の後ろに括弧書きで同様に「矢印」という文言を追記しております。さらに、「内側随板」を「淡蒼球内側随板」としております。
また、「D:NBIA5(BPAN):T1で黒質・大脳脚高信号となる」とございましたが、こちらは誤記のため、「T1」を「T2」に修正しております。
続きまして、38ページを御覧ください。
「3.特記すべき検査所見」の「(1)脳MRI画像」につきまして、「擬陽性」など、より適切な記載に改めております。
そのほか、記載整備として120、121共通としまして、診断のカテゴリーについて、鑑別診断を除外することなどを明記し、記載を整備しております。内容については変更ございません。
また、共通事項として、「伴性遺伝」を「X連鎖遺伝」と記載する等、記載整備をしております。
事務局からは以上になります。
○水澤委員長 御説明ありがとうございました。
いかがでしょうか。遺伝性ジストニアと脳内鉄沈着神経変性症につきまして、幾つかの修正点、それから前回御議論がございました点につきまして、もし御意見等がありましたら、お願いできればと思います。大体よろしいでしょうか。
前回少し御質問があった点を御回答いただいたということになろうかと思いますが、現状がこういうところであるということでございます。よろしいでしょうか。
バーセルインデックスのお話もございましたけれども、80点未満が大半であるといった御報告がございます。人数のほうもよろしいでしょうか。現在分かっているところがここに記載の御報告のとおりだと思います。よろしいでしょうか。
あとは文言の修正という形でございますので、大きな問題はないかなと思います。よろしいでしょうか。
それでは、今、MECP2重複症候群、線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群を含む)、TRPV4異常症、遺伝性ジストニア、脳内鉄沈着神経変性症の5疾病の診断基準及び重症度の分類等につきまして、本日の議論を踏まえて、本委員会として了承することとしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○水澤委員長 ありがとうございます。
もしさらに軽微な記載内容の変更や形式的な記載整備が必要な場合は、私のほうで事務局と相談しつつ進めてまいりますが、それもよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○水澤委員長 御承認ありがとうございます。
それでは、新規疾病追加に関する個別検討並びに既存の指定難病のうち疾病名及び疾病の対象範囲の変更の検討は、今回をもって議論が一通り尽くされたと思います。事務局のほうでは必要な手続を進めていただくようお願い申し上げます。
御議論ありがとうございました。全体を通じて何かございますでしょうか。特にありませんでしょうか。
それでは、今後の予定につきましては、事務局から御説明をお願いいたします。
○原補佐 委員の皆様方、ありがとうございました。
新規指定難病の追加等の件につきましては、先ほど委員長からお話のありましたとおり、今回出た御指摘を踏まえ、必要な整備等を行った上で、準備ができ次第、パブリックコメントを実施させていただきたいと思います。
その後、本委員会へのパブリックコメント結果の御報告、疾病対策部会における審議等を経て告示改正等の必要な作業を進めてまいりたいと考えております。
以上です。
○水澤委員長 ありがとうございました。
それでは、以上で第51回「指定難病検討委員会」を終了としたいと思います。皆さん、どうもありがとうございました。