第127回労働政策審議会障害者雇用分科会(議事録)

日時

令和5年3月13日(月)13:00~15:00

場所

オンラインによる開催(厚生労働省職業安定局第1会議室)

議事

○山川分科会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第127回労働政策審議会障害者雇用分科会」を開催いたします。委員の皆様方、お忙しいところを御参集いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、中川委員、小西委員が御欠席です。それから、清田委員におかれましては、途中から御参加の予定とお伺いしております。また、小西委員の代理として、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会常務理事兼事務局長の菊地通雄様にお越しいただいております。よろしくお願いいたします。
○菊地代理 よろしくお願いいたします。
○山川分科会長 本日の分科会は、Zoomによるオンライン開催となります。開催に当たりまして、事務局から説明がございます。
○冨安障害者雇用対策課課長補佐 障害者雇用対策課の冨安でございます。本日もZoomを使ったオンライン会議となっております。開催に当たりまして、簡単ではございますが操作方法のポイントを御説明いたします。
本日、分科会の進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言される際には、サービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックし、分科会長の許可があった後に、マイクをオンにして、お名前を名乗っていただき、御発言いただきますようお願いいたします。会議進行中、トラブルがございましたら、事前にメールでお送りしております電話番号まで御連絡を頂きますようお願いいたします。なお、通信遮断等が生じた場合には、一時休憩とさせていただくこともございますので、御容赦くださいますようお願いいたします。オンライン会議に係る説明は以上です。
○山川分科会長 それでは議事に入ります。カメラの頭撮りはここまでとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
本日の議題は、(1)障害者雇用対策基本方針の改正について(諮問)、(2)障害者活躍推進計画作成指針の改正について(諮問)、(3)障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)、(4)その他となっております。
それでは、議題(1)(2)について一括して取り上げたいと思いますので、事務局から説明をお願いします。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、障害者雇用対策課長の小野寺でございます。
まず議題(1)でございますが、資料1-1と資料1-2をお示ししております。資料1-1は諮問文、その後に、別紙といたしまして障害者雇用対策基本方針(案)をお付けしておりますが、私からの御説明としては資料1-2に基づきまして申し上げたいと思います。
資料1-2でございます。現行の障害者雇用対策基本方針からの修正部分につきましては、赤字下線でお示しております。それ以外に、本件につきましては、議題(2)の障害者活躍推進計画作成指針と同様に、第123回、第124回、計2回を通しまして御意見等を頂いております。それらを踏まえまして、最後に第124回でお示ししたものからの修正点につきまして、グレーの網掛けで表記してございます。ここを中心に御説明を申し上げたいと思います。
まず、資料1-2の1ページの下のほうでございます。この部分につきましては、障害者に対する差別の禁止に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針、それから雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会若しくは待遇の確保又は障害者である労働者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するために事業主が講ずべき措置に関する指針につきまして、指針の名称を正式に記載したというものでございます。
2ページ目の上のほう、精神障害者に関します短時間特例措置の記載部分につきまして、前提となります精神障害者の雇用の義務化などについての記載がございましたが、より正確に、分かりやすくということで、短時間労働者の取扱いについても追記をいたしました。
6ページ下のほうの網掛けでございますが、ここの部分については、その他の障害者につきましての有効求職者の増加について記載をしております。ハローワークにおける職業紹介状況でございますので、その他の障害者は、手帳を所持していない方ということになるため、正確性を期すために、手帳を所持していないという方を追記いたしております。
11ページ、第3の事業主が行うべき雇用管理に関して指針となるべき事項の1の(1)の一番下でございます。「手話通訳者等の派遣」というように原案はなっておりましたけれども、企業自らが行うことでありますので、「確保」というように修正しております。
それから次の12ページの(3)、これも「処遇」というように記載しておりましたが、法令等におきまして「待遇」という言葉で統一しておりますので、こちらに修正しております。
13ページの(7)の記載部分です。こちらにつきましては、パブリックコメントで御指摘を頂いた意見を反映したものでありますが、差別禁止及び合理的配慮の提供につきましては、もともとの案については、「紛争解決援助や調停を活用する」ということで記載しておりましたが、その前提として企業内での相談体制を整備すること、あるいは企業内での建設的な議論が行われることが重要でありますので、そこを追記いたしました。
それから、そのすぐ下の2、「障害の種別」となっております。原案は「種類」となっておりましたが、「種別」が適当ということで修正をしてございます。
おおむね、以上のような形で、日本語の分かりやすさ、表現の適正化、法令上の審査の過程においての適正化を図っておりまして、内容に変更はない形式修正でございます。このような形で、資料1-1に添付しております別紙の基本方針(案)においてお諮りをしたいというように思っております。
続きまして議題2です。資料2-1は、諮問文及び案としてお付けしております障害者活躍推進計画作成指針でございます。こちらも同様に、資料2-2につきまして、現行の指針からの変更点が赤字下線部分、それから前回御議論いただきましたときに最終的にお示ししておりますものからの変更がグレーの網掛けということでありまして、こちらは2点のみ修正となっております。1ページの「公務部門も含めた事業主の責務」という記載につきまして、「全ての」を追記しておりますのと、5ページの(3)働き方の記載の所につきまして、句読点等の変更等を行っております。以上のような変更も踏まえまして、障害者活躍推進計画作成指針の案につきましてお諮りをしたいというように思います。
以上2点でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○山川分科会長 ありがとうございました。
本件につきましては、本日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会宛てに「障害者雇用対策基本方針(案)」及び「障害者活躍推進計画作成指針(案)」の諮問がそれぞれなされたところでございます。当分科会として、これまで検討を行ってきていただいておりますけれども、本件につきまして、検討の結果を労働政策審議会に報告させていただきたいと思います。
では、資料の御説明を頂きましたので、質疑応答に入りたいと思います。御質問、御意見等がありましたら、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただきまして、こちらで指名させていただいた後に、視覚・聴覚障害者の方々への情報保障の観点から、お名前をおっしゃっていただいて御発言をお願いいたします。それでは、御質問、御意見等はございますでしょうか。冨高委員、お願いいたします。
○冨高委員 労働側委員の冨高でございます。御説明いただきました2つの諮問内容につきまして、これまでの労働側の意見も含めて、議論がおおむね反映されたものと認識しております。今後、障害者雇用に関する取組が着実に進展するように、今回新たに法改正で記載された能力開発やキャリア形成への支援、週20時間未満の労働者への対応などを踏まえつつ、障害者雇用対策基本方針や障害者活躍推進計画作成指針の趣旨をしっかりと事業主や自治体に理解していただくことが重要だと思います。そのため、その周知とともに取組が進むように、事業主等の取組の支援を強力に推進いただきたいと思います。以上でございます。
○山川分科会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。よろしゅうございますか。下屋敷委員、お願いします。
○下屋敷委員 下屋敷です。非常に私も勉強させていただきまして、いろいろまとめていただいて、本当に感謝しております。
1点だけなのですが、今回の障害者雇用分科会に参加させていただいて、労働政策というのはいろいろやっているのだなというようにつくづく感じました。自治体などですと、例えば「こういうことをやっている」ということをなかなか分かっていないというか、例えばもにす認定制度、キャラクター・マークなど、初めてで私は勉強になりまして、もう少しメディアとかにそういう方向でやっていただきたい。自治体では、例えば共生社会づくりに向けてのいろいろな審議会が都道府県レベルであるわけです、「人にやさしいまちづくり」とか。そこら辺の中の多分1つのテーマにもなってくるのではないのかなと思いますので、是非、啓発と言いますか、一般市民に知らせるようなキャラクター・マークとか、そういうものをもっと宣伝していただきたいというのが私の気持ちでございます。以上でございます。ありがとうございました。
○山川分科会長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等はございますでしょうか。よろしいでしょうか。先ほどの冨高委員の御発言、それから今の下屋敷委員の御発言とも、この障害者雇用対策基本方針あるいは障害者活躍推進計画作成指針等を前提にした着実な実施、支援、それから周知等に関するコメントというように理解しております。
それを踏まえていただいた上でということですけれども、こちらの障害者雇用対策基本方針、障害者活躍推進計画作成指針(案)につきましては、当分科会としては厚生労働省案を「妥当」と認めて、その旨を分科会長名で労働政策審議会会長宛てに御報告を申し上げたいと考えております。このような方向で御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。もし、御意見がありましたら、「手を挙げる」ボタンをクリック等した上で御発言をお願いしたいと思います。特にございませんでしたら、2件ございますので、まず「障害者雇用対策基本方針(案)」に係る報告文案の表示をお願いします。こちら、「妥当」と認めるということになっております。
(報告文案を表示)
○山川分科会長 次に「障害者活躍推進計画作成指針(案)」に関する報告文案の表示をお願いいたします。
(報告文案を表示)
○山川分科会長 いかがでしょうか。御確認いただけましたでしょうか。こちらの報告文案について御異議がありましたら、同様の方法で御発言をお願いできればと思います。御異議はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なし)
○山川分科会長 それでは、この報告文案に従いまして、それぞれ報告をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。今後、労働政策審議会会長宛てに報告した後で、労働政策審議会会長から厚生労働大臣に答申するという運びになります。
続きまして、議題(3)について事務局から説明をお願いいたします。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、障害者雇用対策課長の小野寺でございます。議題の(3)につきましては、資料3-1と資料3-2を御用意申し上げておりますが、まず資料3-1のほうは諮問文、それに続きまして、省令案要綱をお付けしております。こちらを御説明する前に今回の省令等の見直しにつきましては3つの項目が含まれておりますので、資料3-2に基づきまして、それぞれを簡単に御説明申し上げたいと思います。
まず1点目です。特定有限責任事業組合の算定特例に関する省令・告示改正につきまして、今般、障害者の雇用の促進等に関する法律において事業協同組合等算定特例の対象に特定有限責任事業組合を追加しておりますので、省令につきましても規定をさせていただくものであります。あわせまして、現行の厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則で定められております要件と同様に、障害者雇用促進法の省令のほうに規定をさせていただくというもの、また、上記に伴いまして、国家戦略特別区域法施行規則の関係規定の削除等、必要な改正を行わせていただくものであります。
2点目です。在宅就業団体の登録要件の緩和に関する省令・告示改正につきまして、登録申請に必要な提出書類を一部削除し、添付不要ということで簡素化させていただくというものであります。また、法律上の登録要件の緩和といたしまして、管理者の専任要件の削除を行っておりますので、施行規則におきましても同様に、「専任の」を削らせていただく等を含めまして、必要な様式の改正を行っていただくというものでございます。
次のページに移りまして、精神障害者の算定特例の延長についてでございます。こちらにつきましては、令和5年4月1日から、雇入れ等からの期間にかかわらず、当分の間、短時間労働者等について、1人をもって1人とカウントするということの見直しでございました。あわせまして、当分の間の取扱いにつきましては、今後、令和6年度末までに調査研究の結果が取りまとまりますので、この結果等も参考にいたしまして、精神障害者の「重度」という取扱いについての一定の整理を行い、これに併せて、この算定特例の取扱いについても検討するということでございます。
このような形で、これまで御議論いただき、取りまとめていただきました中身につきまして、省令案要綱等について御説明を申し上げます。
資料3-1、2ページ目からでございます。まず、第一の一でございます。障害者雇用率の算定特例の対象となる事業協同組合等の追加ということです。1でございますが、事業協同組合等算定特例の対象として、特定有限責任事業組合を追加するというもの。それから、2につきましては、特定有限責任事業組合が満たすべき要件としての規定でございます。(一)といたしまして、中小企業者又は小規模の事業者のみがその組合員となっていること。(二)につきましては、組合員たる事業主として参画できる規模としては、雇用義務が課されている従業員数以上であるということ。それから、(三)~(五)が、組合契約書に記載又は記録されていることとさせていただく規定、(六)につきましては、欠格事由等について定めさせていただきます。それから、3でございますが、特定有限責任事業組合につきまして、解散の事由が生じた場合に実施計画に記載するものといたしまして、2つの規定をおいております。組合が自ら雇用する障害者である労働者について、LLPの組合員たる事業主が雇用すること。また、(二)といたしましては、特定事業主以外の事業主に対しての雇用の機会の提供について求めていくというようなことでございます。
それから、二でございます。在宅就業支援団体の登録等に関する事項の見直しといたしまして、登録の申請時点において提出しなければならない書類につきまして不要とするということであります。役員の略歴、物品製造等業務の種類、在宅就業を行う場所及び在宅就業障害者に係る業務以外の業務を行っているときには、その業務の種類及び概要ということで、4点求めていた書類につきまして不要ということで削除いたします。2といたしまして、管理者の専任要件が法律上削除されておりますので、省令につきましても同様に削除ということ等を行わせていただくものであります。
それから、三でございます。精神障害者の短時間労働者の算定特例につきまして、雇入れ日等からの期間にかかわらず、当分の間、1人をもって1人とみなすということ。四は、その他所要の改正ということでございます。
それから、第二といたしましては、第一の見直しに合わせまして、厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則について関係規定を削除するということ。第三につきましては、施行期日でございます。令和5年4月1日から施行とすることを規定させていただきます。
省令案要綱につきましては以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○山川分科会長 ありがとうございました。本件についても、本日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会宛てに、「障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則及び厚生労働省関係国家戦略特別区域法施行規則の一部を改正する省令案要綱」の諮問がなされております。当分科会としては、本件についての議論の検討結果を労働政策審議会に報告させていただきたいと思います。
では、御説明いただきました資料もありますので、質疑応答に入りたいと思います。御質問、御意見等がありましたら、同様の方法で御発言をお願いいたします。御質問、御意見等はありますか。門﨑委員、どうぞ。
○門﨑委員 労働側の門﨑です。私からは、精神障害者の算定特例の延長について、意見を述べさせていただきます。
本特例措置の延長については、特段の異論はございません。その上で、これまでも議論があったように、週30時間以上働きたいにもかかわらず、事業主が本人の意思に反して短時間労働にとどめ置くことや、あるいは、カウントを目的に、これまで週30時間以上働いていた障害者を短時間労働に無理に誘導することがないように、適切に対応いただきたいということを、重ねて申し上げておきたいと思います。併せて、障害者本人の希望を踏まえ、週30時間以上に移行するための支援の充実もお願いいたします。
また、本特例措置の延長は、令和6年度末までの調査研究を踏まえ、重度の取扱いが一定整理されるまでの当分の間ということですが、結論が出ないことを理由に特例措置が先延ばしとなることのないよう、可能な限り早期に検討して結論を得る必要があると考えております。よろしくお願いいたします。以上です。
○山川分科会長 ありがとうございます。ほかには御質問、御意見等はありますか。よろしいでしょうか。ただいま御意見いただいたことについては、意見書等においても、それを踏まえて、内容的に盛り込まれておりますし、また調査研究結果等については連絡等を適宜取っていただければと思います。
ほかに御意見はありますか。御意見がないようなら、当分科会は厚生労働省案を「妥当」と認めるということで、分科会長名で労働政策審議会会長に御報告をしたいと思います。そういう方向で御意見はありますか。よろしいでしょうか。もしありましたら、同様の方法で御発言をお願いいたします。それでは特段ないようなので、報告文案の表示をお願いします。
(報告文案を表示)
○山川分科会長 御確認いただけましたでしょうか。報告文案のとおり「妥当」と認め、労働政策審議会会長宛てに報告するということになっておりますが、こちらの内容で御異議はありませんか。よろしいでしょうか。
(異議なし)
○山川分科会長 それでは、この文案のとおり報告をさせていただきます。ありがとうございます。今後、労働政策審議会会長宛てに報告をいたしまして、労働政策審議会会長から厚生労働大臣に答申をすることになります。
それでは最後に、議題(4)について事務局から何かありますか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、障害者雇用対策課長の小野寺です。今回、その他といたしましては特にありません。
○山川分科会長 こちらで用意した議題は以上ですが、委員の皆様方から何か特段ありますか。なければ、本日の議論はこれで終了となりますので、障害者雇用分科会は終了とさせていただきたいと思います。
では、事務局から連絡事項がありましたらお願いいたします。
○冨安障害者雇用対策課課長補佐 障害者雇用対策課の冨安です。次回の日程については、分科会長と御相談の上、皆様に御連絡させていただきたいと思います。以上です。
○山川分科会長 それでは、これで終了いたします。お忙しい中、皆様ありがとうございました。