第7回健康・医療・介護情報利活用検討会医療情報ネットワークの基盤に関するWG議事録

日時

令和5年3月9日(木)16:00~18:00

場所

Web開催
(事務局のみTKP新橋カンファレンスセンターカンファレンスルーム15B)

出席者

構成員(五十音順、敬称略)
伊藤 悦郎
大道 道大
中島 直樹(主査)
長島 公之
古川 裕子
松田 晋哉
松村 泰志 
宮田 裕章
山口 武之 
渡邊 大記 
代理出席(五十音順、敬称略)
岡田 英樹 代理人
川村 弘 代理人
オブザーバー(敬称略)
厚生労働省保険局
デジタル庁
社会保険診療報酬支払基金
国民健康保険中央会

議題

  1. (1)全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための基盤について
  2. (2)その他

議事

議事内容
○髙田専門官 事務局でございます。定刻になりましたので、ただいまより、第7回「健康・医療・介護情報利活用検討会 医療情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループ」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、本ワーキンググループに御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点からオンラインによる開催とし、報道関係者や傍聴希望者に関しては事前に御案内しましたZoomウェビナーから傍聴しております。また、正確な議事録作成や御意見を承ったときの御意見等の整理を事務局等で行うために録画させていただきますことも御承知おきください。
 会議中、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、中島主査の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いいたします。
 次に、本日の構成員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、岡﨑構成員、船橋構成員より御欠席の御連絡をいただいております。
 次に、資料の確認をさせていただきます。
 まず、今回において、事前の資料送付が直前になってしまったことを深くおわびいたします。大変申し訳ございませんでした。
 議事次第、資料1-1から資料1-3及び参考資料1の計5点を事前にメールで送付しておりますので、ウェブ会議の画面上、見えにくいときなどがございましたら、当該資料をお手元で御覧ください。
 事務局からは以上となります。
 それでは、以降の議事進行につきまして、中島主査にお願いいたします。
○中島主査 中島です。皆様、年度末の大変お忙しい中、御参加いただきましてありがとうございます。
 それでは、早速始めさせていただきたいと思います。
 議事(1)「全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための基盤について」として、まずは資料1-1「これまでの議論について医療DXの議論を踏まえた整理」について、事務局から説明をお願いします。
○髙田専門官 よろしくお願いいたします。事務局より「これまでの議論について医療DXの議論を踏まえた整理」と題して御説明させていただきます。
 まず、こちらはデータヘルス改革に関する工程表でございます。こちらの医療機関間における情報共有を可能にするための電子カルテ情報等の標準化の中の2021年度、2022年度に係る「全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための基盤の在り方をデジタル庁とともに調査検討し、結論を得る」という矢羽根に関して、現在、御議論いただいている状況でございます。今回の取りまとめを踏まえまして、2023年度以降のシステムの課題整理・開発につなげていく状況と理解しております。
 次に、今年度に整理する内容でございます。こちらはデータヘルス改革工程表に記載のある今年度中に整理する内容に関して、取りまとめ案にも記載の内容を簡単に説明させていただきます。
 まず、1点目の全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための基盤の在り方に関しましては、下にも記載がございますように、ヒアリングを中心に、案として整理しておりますので、資料1-2において説明させていただけたらと考えております。
 次に、基盤に関しまして、基盤の開発に関しては支払基金様にお願いしているところではございますが、今回、基盤の運用主体・費用に関しましては、この基盤が後ほどご説明させていただきます医療DXにおける全国医療情報プラットフォームにも活用されることなどもございますので、そちらの議論を踏まえて検討させていただきたいと考えております。
 また、オンライン資格確認等システムや法制度の在り方などに関しましては、後ほど御説明させていただけたらと考えております。
 また、閲覧する基盤の運用開始時期に関しましても、とりまとめ(案)の中で御説明させていただけたらと考えております。
 では(次のスライド)、医療DXに関する議論ではございますが、医療DXは昨年の6月に閣議決定されました骨太の方針の中で言及されている内容でございます。第5回基盤ワーキングにおきまして、こちらのスライドのほうで説明させていただきまして、まず、PHRのさらなる推進ということで、誕生から現在までの生涯にわたる保健医療データが自分自身で一元的に把握可能となることにより、個人の健康増進に寄与する。2点目として、オンライン資格確認等システムの拡充により、本人同意の下で全国の医療機関等が必要な診療情報を共有することにより、切れ目なく質の高い医療の受療が可能といったこと。災害や次の感染症危機を含め、全国いつどこの医療機関等にかかっても必要な医療情報が共有されるといった世界を実現するよう検討を重ねている状況でございます。
 こちらのスライドですが、医療DX推進本部の幹事会で提示させていただいている資料でございます。現状と課題を踏まえました上で、今般の医療DXの推進により実現することとして、以下の3点を挙げさせていただいております。
 1点目として、共有できる情報の範囲を広げるため、標準規格を定める情報の範囲を拡大する。
 2点目として、医療機関にて作成される文書のうち行政手続に使用されるものを標準化・デジタル化し、行政手続のワンストップ化の促進を検討する。こういったところにも今回御議論いただいております基盤が活用されていくことを想定しております。
 そして、小規模な医療機関向けに標準規格に準拠したクラウドベースの電子カルテの開発を検討する。こういったことを実現することで、医療DXの三本の柱の一つである全国医療情報プラットフォームの拡大に寄与するとされております。
 こういった点を踏まえた上で、これまでこちらの医療情報ネットワークの基盤に関するワーキングで大きな整理の方向性に関して御議論いただきました。まず、第5回基盤ワーキングにおきまして、健診結果情報はHL7 FHIRの標準化を待たずして自治体間やマイナポータルとの情報連携が開始されているため、まずは他の2文書に関して議論を進めること。傷病名については患者本人への告知を前提として閲覧できることとし、感染症情報については患者本人の同意取得を前提として閲覧できる仕組みを検討する。その他電子カルテ情報については、本人同意の下で全国の医療機関等で閲覧可能とする。
 また、こちらに関わる内容として、この第6回基盤ワーキングでは、国民が自身の意思で閲覧・利用され得る情報管理できることを担保した上で、国民への周知とセットでなるべく現場の負担を軽減する方向で整理を進めること。
 また、電子カルテ情報の提供の仕方に関しましては、診療情報提供書に関しましては、電子カルテ情報交換サービスに蓄積することを検討する。まずはPUSH型で運用し、費用・スケジュールの観点から文書情報への画像等の添付情報をキー画像等に限定する。
 6情報について半年程度の情報は救急やマイナポータルでの活用につなげるためPUSH型とし、セキュリティーや費用対効果等の観点から過去の情報の取得が必要な場合等の将来的に拡張を検討している情報等は該当医療機関からPULL型として直接取得することを検討する。 ただ、いずれにしてもPUSH型/PULL型の対象となる電子カルテ情報、保存期間等に関しては、活用目的や運用方法の議論とセットで行うこと。
 そして、第6回の基盤ワーキングでコードの整理に関する整理の方向性について、電子カルテ情報のコードについては、厚生労働省標準規格として採用されているコードを利用する。
 医療従事者間の情報共有や患者の理解が円滑に進むよう、現場の負担等を踏まえ、まずは救急・生活習慣病に関するコード等に絞った上で進める。将来的に確実に、その他の必要なコード等を含め実装できるよう、今後の維持管理体制についても整理するという方向で整理を進めてまいりました。
 そちらを踏まえまして、以下、重要論点との関連性といったことで、こういった内容に関してヒアリングを基に今回の取りまとめ案のほうを作成いただきましたので、資料1-2のほうで説明させていただこうと考えております。
 資料1-1の説明は以上でございます。
○中島主査 説明ありがとうございました。
 今の点につきまして何か御質問・コメントなどはありませんか。
 横尾構成員、どうぞ。
○横尾構成員 後の資料説明とも関係するかもしれませんので後で言うかもしれませんが、もともと思っていることを述べていただいたので、意見を言わせていただきます。
 マイナンバーカードによる個人の特定と電子カルテ情報やその他、今後は健康医療情報等がリンクされていくと思うのです。そうすると、途中でも説明がありましたように、御本人が御本人の健康情報について過去にさかのぼって見ることができる、確認ができるというのはとても大切なので、そういったことができるようなことを基本に、今後のいろいろな手当てといいますか、対策はぜひ充実をしていただきたいなと思っています。そのことが健康意識の増進、ひいては全世代型社会保障制度で話題になっている医療費の適正化でもいい効果を出してくると思いますので、ぜひよろしくお願いします。
 以上です。
○中島主査 大変重要な点、ありがとうございました。
 ほかに何かコメント・御質問はありませんか。
 これまでデータヘルス改革の中で進めてきた医療機関間における情報共有を可能にするための電子カルテ情報などの標準化、この中でオンライン資格確認のネットワーク基盤を用いた仕組みを考えてきたわけですけれども、さらにそれをこれから医療DX推進本部が行う医療DX、これをさらに同じ基盤上で発展させるために、それを踏まえた議論をするということが、本日、今お話があったところだと理解しています。ですから、これはフェーズが違うのですけれども、同じ基盤上で、今、横尾構成員が言われたような将来を見据えた上での議論をしたいと考えています。
 よろしいですか。それでは、続いて、資料1-2「とりまとめ(案)の概要」に基づいて、事務局から説明をお願いします。
○髙田専門官 資料1-2に関して事務局より御説明いたします。
 こちらは第5回医療情報ネットワークの基盤に関するワーキングでも提示させていただいた内容ではございますけれども、こちらのスライドを骨格として今回取りまとめ案を作成させていただいております。こちらのスライドに関して御説明させていただきます。
 まず、こちらの左側の3文書6情報の内容に関して、左下の医療機関等から電子カルテ情報の登録を真ん中の電子カルテ情報交換サービスに行う。そして、文章情報に関しましては、本人同意の下、こちらは黙示の同意も含めたという形ではございますが、紹介先の医療機関等で確認できる。そして、6情報に関しましては、緑色の②と書いてございます矢印のほう、オンライン資格確認等システムのほうで保存することにより、全国の医療機関等から、もちろん本人同意の下で確認ができる仕組み。また、患者さん本人に関しましては、マイナポータルを通して6情報に関しても確認できる仕組みを検討しているところでございます。
 この仕組みをつくることでどういったメリットがあるのかを整理する必要性なども御指摘をいただいておりましたので、こちらのスライドで整理させていただいております。まず、大きく上の青の枠で囲った部分と下の緑の枠で囲った部分で先ほどの文書情報・6情報を取り扱うことによるメリットを記載させていただいております。
 まず、文書情報に関しまして、患者さんに関しましては、医療現場では医師が紹介状を作って印刷して渡すといった動作を行っておりますが、そういった文書の作成による待ち時間や、事前に紹介受診先医療機関が文書情報を確認することによる待ち時間が短縮できるのではないか。
 また、紙の文書の持参忘れを防止でき、紛失により自身の情報が漏えいするリスクを防止できるのではないか。
 そして、文書の受け取りのための来院等に関して不要になるのではないかと考えているところでございます。
 次に、紹介元医療機関等に関して、紹介先医療機関等以外への誤ファクスの防止、こちらは昨年12月22日の「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チームにおきましても、個人情報紛失の多くがファクスを含めた物理媒体の取扱いミスなどであるといったことも御指摘をいただいておりますので、そういったところにも資するといった意味で記載のほうをさせていただいております。紙の文書の印刷、郵送の手間及びコストの削減などが可能となる。
 また、6情報を参考に診療情報提供書を作成し、紹介先医療機関等に提供することが可能となるといった点を挙げさせていただいております。
 紹介先の医療機関等に関しましては事前提供の仕組みなども考えておりますので、患者の来院前に紹介先医療機関等が文書情報を確認することが可能となる。
 また、紹介元医療機関等をシステム上で特定できることで、提供者が不明確な状態での文書の受け取りを防止できるなどを挙げさせていただいております。
 次に、6情報に関して、患者本人及び全国の医療機関等に電子化した電子カルテ情報共有することによるメリットです。
 患者様に関しましては、患者自らが6情報を確認することができ、自身の健康管理に役立てることができる。
 また、受診の際にマイナポータル等で6情報を閲覧しながら問診に答えるなどすることで、正確な情報の記載・回答が可能となるとともに、その場で思い出す手間が削減できるといった点を挙げさせていただいております。
 次に、全国の医療機関等でございます。救急・災害時を含めて患者の6情報に関して患者の主観が入らない形で把握できる。
 地域を超えた専門性の高い医療機関との連携にもつながり、より質の高い医療の提供に資することができる。
 患者がマイナポータル等で電子カルテ情報を閲覧しながら、問診票等を記録できることなどにより、患者から情報を聞き取る手間の削減及び電子カルテ等への転記作業の省力化が可能となるといったことに結びつくと考えております。
 保険者に関しましては、全国の医療機関等間で情報共有されることにより、一部の重複検査の防止等につながる。
 また、救急等で正確な6情報を把握することで、医療費の削減につながる可能性があることなども挙げさせていただいております。
 そして、医療DXの議論なども踏まえまして、こちらは※のほうでも今後全国医療情報プラットフォームの構築により、取り扱う情報及び当該情報を共有する機関、こちらは自治体や介護事業者なども想定しておりますが、そういったところが拡大する予定であり、より多くの関係者がメリットを享受できる見込みとさせていただいております。
 そういったメリットを享受するため、今回取りまとめ案のほうを整理させていただいております。こちらは今回の基盤ワーキングの取りまとめ案における情報の発生・登録・保存・閲覧の整理範囲といったことで御提示させていただいている資料でございます。
 今回、情報の発生や登録、また、閲覧に関しましては電子カルテの設定などにも影響すると理解しておりますので、今回、基盤ワーキングの方で整理させていただく内容としまして、まず取り扱う情報、コードの整理、また、そういった情報を管理する仕組み、そして、情報に関して登録に関する同意について、また、情報の保存に関して、保存期間についてなどに関して、今回、この基盤ワーキングのほうで整理し、取りまとめをさせていただけたらと考えております。
 こちらは第5回基盤ワーキングで整理させていただきましたように、セキュリティーや費用対効果等の観点から、この文書情報・6情報を管理する仕組みに関して検討を進めてまいりました。上段がPULL型に関して、下段がPUSH型に関して、セキュリティーのほうを整理させていただきました。
 PULL型のほうでは被参照医療機関におきましてサーバーを置き、IPSやIDSなどの仕組みのほうもセキュリティーとしてPUSH型に比べて必要ということが解かってまいりまして、そういったところの負担がセキュリティー上かかるという点。また、左下の図となっております運用作業について、アプリケーションを一つ導入するだけではなく、アプリケーションを導入した後に他のプログラムとの連携なども加味して運用作業を続けなくてはいけない点など、そういった多くの管理が必要なことがわかってまいりました。
 そういったところから費用対効果なども考慮し、まずはPUSH型で文書情報・6情報を管理する仕組みに着実に取り組ませていただきたいと考えているところでございます。
 こちらはPUSH型を前提としまして、文書情報・6情報の発生・登録・保存・閲覧の全体像をお示させていただいているスライドとなっております。
 まず、左から紹介元医療機関と通常の医療機関等で文書情報の登録を行う。また、6情報の登録を行い、文書情報に関しましては紹介先医療機関等で受領を行い閲覧する。
 一方、6情報に関しましては、下のほうに行きまして、オンライン資格確認等システムのほうに保存し、全国の医療機関等でそういった6情報の閲覧を行う。
 また、患者さんに関しましては、マイナポータルを介し6情報の閲覧を行うといったところを全体像として考えております。
 赤枠の部分を今回の基盤ワーキングで整理させていただけたらと思っております。
 このスライドで2点ほど重要論点と書かせていただいていた点に関して、説明をさせていただきたいと思います。
 まず、左下の部分、文書情報の発行形態に関してですが、こちらは本サービスを導入する医療機関同士の電子的なやり取りを想定しております。一方で、マイナンバーカードを保有していない患者や情報登録に関する同意を拒否された患者さんの場合、また、宛先を指定しない診療情報提供書を作成したい場合、また、紹介先医療機関等が電子カルテ情報交換サービスに参加していない場合に限り、紙の文書で発行するといった運用が残るといったことをお示しさせていただいております。
 次に、右側でございますが、患者への文書情報の有無等の伝達方法に関しましては、先ほどの利点と裏表の関係かと考えておりますが、診療情報提供書が後日発行されるケースなども考慮し、マイナポータルを用いて患者への伝達を可能とするよう、検討を進めていけたらと考えております。
 次に、基盤を構築する上での情報の発生タイミング・登録の仕組みに関する想定でございます。こちらは電子カルテの設定などにもよるかと理解しておりますが、文書情報の発行のタイミングや6情報の発生するタイミングに関しての観点から整理させていただいている図となっております。
 まず、文書情報の発行に関しまして、大きく2つあると考えております。
 一つは、外来診療で診療情報提供書を発行した場合、こちらは医療者のほうが診療情報提供書を電子カルテ情報交換サービスにアップロード、登録のほうを行い、紹介先の医療機関等から、そちらのほうを確認する仕組みと考えております。
 一方で、外科の先生などは手術が終わった後に、しばらく自らの外来で創部の確認などをした後に紹介状を書かれるケースなどもあると理解しておりますので、過去の退院時サマリーの添付なども可能とするよう、整理させていただけたらと考えております。
 もう一つが、入院患者さんが退院する場合に診療情報提供書をつけて他院に紹介される場合があると理解しております。こちらに関しまして、診療情報提供書と退院時サマリーのほうを電子カルテ情報交換サービスのほうに登録し、そちらのほうを医療者が確認する仕組みが必要であると整理させていただいております。ただ、退院時サマリーの添付は必須とはしないという想定で現在考えております。
 一方、地連ネットワークのヒアリングなどでも退院時サマリーの有用性などはお伺いしておりますので、今回、退院時サマリー単独の取扱いに関しては引き続き検討と記載させていただいておりますが、こちらはシステムとしては単独で扱えるように開発を行いながら、運用面に関しては今後も整理していきたいと考えております。
 下のほうにまいりまして、6情報の閲覧でございます。こちらは全国の医療機関等において、通常診療時や救急・災害時に活用すること、また、患者本人がマイナポータル等を通じて自身の健康管理に活用するといった目的がございますので、入院・外来全ての患者の6情報を都度登録するといった形で情報が発生すると想定させていただいております。こちらの情報は医療者のほうから電子カルテを通しまして、電子カルテ情報交換サービスに6情報をアップロードする。そういった情報がオンライン資格確認等システムに連携をし、全国の医療機関等で本人同意の下で確認することができる。そして、マイナポータルを通して患者本人に関しても6情報が確認できるといった仕組みで想定しているところでございます。
 次に、情報の発生から登録に関してのお話をさせていただきます。こちらは前回アップロードという表現などを用いて海外の例なども示させていただいた内容でございます。こちらの方向性に関しましては、現場の負担軽減及び救急・災害時を含め、効果的・効率的な医療サービスを提供する観点等から法改正なども含めて、(閲覧の際に同意をとる前提で)まずは患者本人の同意なしで電子カルテ情報交換サービスのほうへ登録する仕組みを検討させていただけたらと考えております。
 次に、保存期間についてでございます。文書情報・6情報の保存期間について、まず、文書情報に関しましては、原則受け取った後に消去するといった運用を考えているところでございます。一方、システムエラー等を考慮しまして、1週間程度保存することなどは想定させていただけたらと思っております。
 6情報に関しましては、オンライン資格確認システムに情報移行して活用すると考えておりますので、そういった時点で消去するといった運用を考えております。
 オンライン資格確認等システムで保存する6情報に関してですけれども、情報の性質により利用用途が異なることを踏まえるべきとの御意見もいただいておりますので、次のページで御説明させていただけたらと思っております。
 こちらがオンライン資格確認等システムにおける6情報の保存期間に関して整理させていただいている内容でございます。大きく上の4情報と下の2情報に分けて説明させていただけたらと考えております。各情報の特性を踏まえまして、傷病名、アレルギー情報、感染症情報、薬剤禁忌情報に関しましては、保存期間は5年間程度を基本としまして、保存期間が経過した場合であっても継続的に保存が必要と医師が判断した情報に関しましては、長期間保存が可能となるようフラグをつけるなど、そういった観点で整理させていただけたらと思っております。
 傷病名の中には例えば小児期の疾患とか、そういったところに関しまして、医師が長期間保存が必要と判断した場合に長期間保存が可能とする、そういった運用を考えているところでございます。
 次に、検査情報や処方情報に関しましては、時間の経過とともに変動するものであることを踏まえまして、検査情報に関しては保存期間をまずは1年間、処方情報に関しましては電子処方箋の処方、調剤情報の保存期間と合わせて100日間を基本としまして、救急等で使われるといったことも加味しまして、保存期間が経過した場合であっても、各項目の直近3回程度の情報は保存が可能となるように整理させていただき、そういった利活用にも資するシステム開発のほうにつなげさせていただけたらと考えております。
 情報の発生・登録・保存の次に、閲覧に関して御説明させていただけたらと考えております。まず、文書情報に関してです。こちらは当日提出する場合と事前送付を行う場合、そういった(事前送付の)ニーズが多くあると承知しておりますので、大きくその2つに分けて御説明させていただければと思います。
 当日提出の場合は、顔認証付きカードリーダーで提出するといった運用を考えさせていただいております。右のほうに画面のイメージを添付させていただいております。
 事前送付に関してですけれども、マイナポータルで活用することも視野に入れ、検討のほうを進めさせていただけたらと思っております。一方で、地連ネットワークだとか、民間の診療予約サービスなどを活用されているような例も既にあると理解しておりますので、そういったところと連携をしましてアクセスコードを送付する等により事前送付につなげるといった運用も考えているところでございます。
 次に、6情報の閲覧に関する同意です。こちらは来院時に同意を取ることで、その病院(全国の医療機関等)で6情報を確認できる仕組みとさせていただいております。
 カードリーダーは、今年の5月より上段のような画面が用意されていると認識しております。まず、顔認証を行った後に、手術情報の閲覧に関しての同意を取り、診療薬剤情報の閲覧、そして、特定健診情報の閲覧などの同意を取っていく仕組みと理解しております。
 そして、下段が今回、一括同意を使って現場の負担などを減らす仕組みとして提案させていただいている状況でございます。ヒアリングなどでも多くの患者様が診療に使うのであれば全ての情報を提供していいと考えている意見が多いとお伺いしておりますので、まず初めに、一括で閲覧同意を取得するような画面を用意しまして、個別に同意することを選ばれた場合には、個々の内容に関して同意を取得するといった形で考えているところでございます。
 次に、全国の医療機関等における6情報の閲覧方法です。こちらに関しましても電子カルテの仕様の設定に大きく依存する内容とは想定しておりますが、現在ある資格確認端末を利用して、まずは特定健診情報や薬剤情報等の閲覧と同様に、XMLやPDFのファイル形式で医療機関等へ提供する。そして、そういった内容を印刷して確認することができる仕組みを考えているところでございます。
 次に、患者がマイナポータルで6情報を閲覧可能とする仕組みに関してです。こちらに関しましても4情報と2情報に分けて整理をしているところでございます。4情報に関しましては保存期間中の情報全てを提供する。一方で、検査情報や処方情報に関しましては多くの情報もございますので、現在ある仕組みとして上段の「薬剤情報」を選択するような仕組み、この表示対象日といったところを指定することができますので、こういった画面と同様に患者が期間指定を行い、提供するといった仕組みを考えているところでございます。
 次に、電子カルテ情報交換サービスで取り扱うコードについて説明させていただきます。電子カルテ情報のデータコードにつきましては、現場の負担軽減のためにもコードの普及状況を鑑みながら、原則、厚生労働省標準規格として採用されているコードを使用することとし、以下の方向性で整備を進めていくこととさせていただきたいと考えております。
 まず、傷病名に関しましては、標準規格であるICD10対応標準病名マスター等で活用されている、現場でもよく使用されていると伺っておりますレセプト電算コードを用いて共有可能とする。ただし、医療現場での情報活用の有用性を考慮しまして、ICD10コードへ変換して共有することも可能とするといった方向で考えております。
 次に、アレルギー情報でございます。こちらに関しましては、現時点で厚生労働省標準規格で採用されているコードがないことから、まずはテキストデータで共有可能とする。そして、厚生労働科学研究においてコードの検討が進められている点なども考慮しまして、将来的にはコードによる共有を視野に入れて、システム上で扱えるよう整備するとさせていただいております。
 感染症情報に関しましては、臨床検査マスター等で活用されているJLACコードを用いて共有可能とする。
 薬剤禁忌情報に関しましては、医療用医薬品に関しましては電子処方箋管理サービスで利用する医薬品コードを用いて共有可能とする。一方で、付加的に詳細な記載が必要なケースなども想定されることから、テキストデータによる共有も可能とする。
 検査情報に関しまして、こちらも臨床検査マスター等で活用されているJLACコードを用いて共有可能とする。そして、救急生活習慣病に関するコードに絞って共用可能とするとさせていただいております。
 処方情報に関しまして、HOTコードマスターを活用することも想定しておりますが、医療機関等の負担を踏まえまして、まずは電子処方箋管理サービスと足並みをそろえるといった意味で医薬品コードを用いて共有可能とする。ただし、今後処方情報の使用目的を整理しまして、HOTコードマスターの活用も検討するとさせていただいているところでございます。
 その他の挙げさせていただきました論点に関してです。
 まず、電子カルテがない病院などで、電子カルテ以外の部門システムによる文書情報の発行についてといった点に関しまして、2文書に関してはHL7 FHIRの規格に準拠することを前提とし、文書情報を作成するシステムについては制限しないこととする。
 文書情報の電子カルテ情報交換サービスへの登録時の形式チェックに関しましては、医療機関側システムベンダーにより検証を実施することが前提ではございますが、運用開始後においても登録時に形式チェックを行う仕組みを整備するといったことを挙げさせていただいております。
 最後に、3文書6情報に関して、引き続き検討を要する主な課題として整理をさせていただいております。
 まず、先ほどから御説明させていただいております電子カルテ情報交換サービスの普及に向けた取組として、丁寧な周知広報検討する。国民、全国の医療機関等に広く利用してもらうために、この電子カルテ情報交換サービスを利用することによるメリットなどの丁寧な周知広報を検討するといった点を挙げさせていただいております。
 次に、退院時サマリーの取扱いとして、現段階では退院時サマリーは、まずは診療情報提供書の添付情報として登録する運用を想定しておりますが、その有用性なども考慮しまして、将来的には退院時サマリーの共有に関わるニーズを踏まえ、単独で登録・共有することを念頭に置き、システム開発に着手させていただけたらと考えております。
 健診結果報告書の取扱いに関しましては、健診機関にオンライン資格確認等システムが導入されていない一方で、既に特定健診等に関しましてはマイナポータルとの情報連携が進んでおりますので、その運用を優先させていただけたらと考えております。
 次に、入力負荷に関して、医療機関における6情報登録時の作業負担を軽減する仕組みについてですけれども、こちらに関しましては今後、標準型電子カルテの議論などと一体的に検討させていただけたらと考えております。
 次に、PULL型の仕組みの整備については、今回、まずはPUSH型で整理させていただけたらと考えておりますが、将来的にはPULL型の整備に関して、電子カルテ情報交換サービスで取り扱う情報の拡大だとか、PULL型をする対象医療機関の明確化、また、セキュリティー等基盤側、または医療機関側の作業負担を軽減できる仕組みの整備、こちらはクラウド化など、時代の流れで変わることもあると理解しておりますので、そういったことの対応状況を鑑みて、引き続き検討させていただけたらと考えております。
 最後に、文書情報の真正性の確保に関わる対応方法に関しましては、電子処方箋などとも歩調を合わせて検討を進めてまいりたいと考えております。
 以上、資料1-2の説明とさせていただきます。
○中島主査 御説明ありがとうございました。
 いろいろな論点ありましたので、ぜひ活発な御議論をよろしくお願いします。
 長島構成員、よろしくお願いします。
○長島構成員 まず、細かいところで3ページの下から2つ目、全国の医療機関の救急・災害時を含めて、6情報に関しては患者の主観が入らない形でというのは意味が分かりにくいので、6情報に関しては正確・迅速に把握できるというような表現のほうが分かりやすいのではないかなと思いました。
 それから、10ページ目のデータ保管期間のところで、検査情報が1年間となっていますが、理想的には長ければ長いほどいいのですが、ここを1年としたのは、変動するということもあるけれども、データ量も非常に大きくなるので、つまりシステムとかデータ量の負担が大きいから、これを1年に制限しているのか。つまり、そういった問題が解決できれば、もっと長くできるのではないかと思うのです。ただ、1年以上として、つまりシステムの開発とか、そういうことをやって1年以上を保管しても問題がないようだったら、できるだけ長く延ばすというような考えが必要ではないかなと思います。
 もう一つが、レセプト由来でも閲覧可能な情報として、薬剤情報、それから、今後告知を条件として病名があります。これらが重なっているので、レセプト由来の情報と電子カルテの交換による情報は何が違うのか、どのようなメリットとか目的が違うのか。同じであれば、ある意味で必要ない。レセプト由来であれば、ほぼ全ての医療機関で、ほぼ全ての患者さんの情報が閲覧できて、網羅性では圧倒的に優れているわけですので、そこの違い、メリットをあえてこちらでも重複してもやるということの説明が必要ではないかなと思います。
 それから、全体として導入するときの医療機関側の負担を十分考慮して進めていただくことが重要で、負担が大きいと、みんなとても導入しないということなので、その辺はぜひ御考慮いただければと思います。
 私からは以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 質問がたくさんになると思いますので、事務局からの回答は数人御意見をいただいた後でお願いしたいと思っております。
 続いて、横尾構成員、よろしくお願いします。
○横尾構成員 幾つか申し上げます。
 まず、10ページでございますが、データ保管期間のことです。保管することについては今のデータ量の許容量などの問題とかもあると思うのですけれども、最低限病名等については、かなり長く保管していただく必要があると思っています。といいますのは、例えば病院に行ったときの個人の場合の問診を受けたり、あるいはドックでいろいろな過去のことを確認されたりなど、いろいろシチュエーションがあるのですが、そのたびに正確性があるこういったデータベースにアクセスして確認できるというのはとても重要なことなので、ぜひお願いしたいなと思います。
 その際に、医師の判断でそれはできるということだったのですけれども、今申し上げたようなことはきっと個人の方々もそれぞれに希望される場合も多々あるのではないかなと思われますので、そういったことができるようにしていただきたいと思います。
 このことは、ひいては先ほど少し触れたのですが、自分自身の健康についてウォッチしていく、関心をもつ上で、自分自身は過去にどんな病をしたのか、どのような体調だったのかを把握するのはとても重要なのでぜひお願いしたいと思います。
 2つ目は、一括同意のことが12ページに書いてございました。私も基本的には多くの方々の反応を見ていけば一括同意でもいいのではないかという論調だったと思うのですけれども、それでいいかなと思いますし、そのほうが効果的だろうと思います。どうしても自分は嫌なのだという方は個別の対応でいいと思うのです。そういう形にして、より多くの方々のケアをしていく必要があると思います。ここであまり自由さを認めてしまうと、例えば政府の大きな使命は国民の生命と財産を守るという大きな課題がありまして、特に生命を守ることや健康を守ることについてはこういった健康医療情報を確認できることは欠かせません。そういった意味でも、一括同意をベースに今後いろいろな工夫されることが大事だと思いまして、これをフレームとして進めていただくといいのではないかなと改めて思いました。
 3点目は、先々に関係することです。こうやってデータベースになるものができていきますと、国民の健康や医療に関する客観的なデータを把握できるようになると思います。そうすると将来的に期待されるのは、10万とか100万単位のデータベースの中で、こういった体調、あるいは人間ドックでの血液検査などの数値をいただいた場合に、「あなたは5年後、10年後にはこういった疾病になる可能性があります」というリスク管理みたいなものも可能になると思うのです。
 実際に、例えば韓国やほかの国では、それをデータベースとして医療サービスの中に入れていらっしゃるようです。健康医療サービスといったらいいかもしれません。その際に、何も個人を特定する必要ありませんので、こういった数値、こういった兆候の方、こういった症状の方々がいて、その後何年したらこうなるというのがデータ上分かってきますので、そこにAIをかませて分析して整理して、個人を特定せずに、こういった傾向があるということで注意喚起の警告も出すことができるし、健康の啓発にもなると思うのです。
 このことに関連してもう一つ思っているのが、がん登録などにもうまくつなげていけたらいいのではないかなと思います。国立がんセンターでもお話を聞いたり、資料を見たり、ほかでも聞いたのですが、がん登録を進めていらっしゃるそうなのですけれども、患者の方のうち完全に全部が全部オーケーというわけがないようなこともあるとも一部聞きました。しかし、データベースがないと、客観的な医学的・科学的根拠になりません。そういった意味でも、スムーズにつなぐことができればいいと思います。そのときに、個人個人のデータではありますけれども、こういった集計をして統計、ビッグデータとして扱う場合には、個人特定をせず、きちんとその目的に適うことができますということを理解していただくシステムをつくり、また、そのような対応をし、そして、御理解をいただく。もちろんこれには個人同意が当然必要ですけれども、そういったことが円滑にできればいいなと思っています。
 そういったことで、この医療情報・電子カルテ情報等はいろいろな意味で社会にプラスの効果を生み出していく基本になるのではないかなと思っておりますので、よろしく御検討や御推進をお願いしたいと思います。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 それでは、もう一方御意見をいただいてから回答をいただきたいと思います。
 松村構成員、お願いします。
○松村構成員 まず、11ページですけれども、当然この紹介状、診療情報提供書に関しては、受診前に受け取ったほうがいいということと、それから、紹介するわけですから、患者さんも紹介先の医療機関に初めて実施するケースも当然あるわけです。そういった場合が想定されるのですけれども、どうやって安全に診療情報提供書を提供先側が事前に見ることができるのか、できるようにするのか、そこの仕組みを説明いただきたいなと思います。ここの説明が先ほど端折られたのではないかなと思ったので、それが一つです。
 それから、12ページのいわゆる6情報の取得です。医療機関側の取得のときに同意を取りますという話なのだけれども、ある医療機関においては、この手続を1回やれば、その後ずっと取得できるようにしてほしいなと思うのです。これを毎回やらないといけないのではないかという懸念があって、そうなると、なかなか面倒でやってくれないのではないかということも含めて、そこの点について御回答をお願いします。
 それから、13ページでファイル形式をあえてXML/PDFと書いてあるのだけれども、もともとFHIRでやるということが前半には書いてあって、FHIRは多くの場合はJSON、XMLでももちろんいいのですけれども、JSONが通常の形かなと思うのですが、あえてこれをXMLと書かれているのはどういう意図があるのかということです。要するに病院情報システム側ですけれども、こういうデータを出すためには、現状のシステムに大分手を入れて改造しないといけないということを避けられないと思うのです。そのときに、どうせなら最終形がどうだということをちゃんと提示されて、それに向けて改造されたほうが、段階的にというと非常に大変なことになると思うのです。ですので、この説明がもう一つ理解ができなかったので、その観点でお答えいただきたいです。
 あと、この前から懸念で言っているのですけれども、今回は別の観点で、情報は処方箋であるとか検体検査結果というのは億単位がいっぱい発生するので、その単位ごとに送ります。ここは明確なのですけれども、それ以外の情報、傷病名であるとか、アレルギーであるとか、感染であるとか、それから、薬剤禁忌に関しては、基本的に毎回毎回発生するというよりは、例えば病院情報システムには蓄積されていて、それから取り出して送信する形になりますよね。そうすると、送信するのは患者さんが受診されたときのタイミングで送るのか。そうすると、繰り返し受診されるので、毎回毎回送ることになるのですけれども、それでいいのかということ。それから、当然データが時々更新されるのですよね。そこは特に特定せずに全部送るのか。それから、処方に関しては特に診療科ごとに違いますので、別の診療科だったらその都度送るということになると思うのですよ。
 それと、懸念するのは見る側でして、仮に各医療機関においては最新情報だけが最終的には残りますということにされるのでリーズナブルかなとは思うのです。普通に医療機関を受診したら、例えばアレルギー情報などは大体どこでも同じような情報をキャッチしているわけで、そうすると、見る側は医療機関ごとに同じ情報を何回も見ないといけないということにしかならないですよね。その辺は確かに技術的に最初はそれでしようがないかもしれないのだけれども、なるべく早くちゃんとした形でデータをアップデートして、要するにこの患者さんのアレルギー情報はどうだということを1回のリファレンスで取得できるようにするというのをぜひ目指してほしいなと思っています。
 これが前から言っているアレルギー情報、薬剤禁忌情報こそ高度化というのを早く進めて、どちらにしてもシステム的にはやり直さないといけない部分は多々あると思って、あるべき姿に早く導いてほしいなと思います。
 それから、ついでの話で、これも前から言っているのですけれども、アレルギー情報、薬剤禁忌情報という表現がちょっと曖昧に私は感じるので定義を明確にしてほしい。一番分からないのが薬剤のアレルギーがどちらに入るのかということで、恐らく薬剤禁忌のほうに薬剤のアレルギーが入るのだろうと何となく推測はしているのですけれども、そこはちゃんと明確にした上で説明いただくべきではないかなと思います。特に薬剤のアレルギーに関して、ここに薬品コードをつけると書いてあって、これは一つ明るい兆しで、同じ薬品に対するアレルギー情報が複数の病院から出たときには、それは束ねて出すことができるわけです。そういうことをしっかり考えて、閲覧する側の利便性を含めて設計していただきたいなと思います。
 処方情報のコードは、薬剤コードはいいのですけれども、用法コードをどうされるのかということも、ぜひ示していただければと思います。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 それでは、3人の構成員の先生方の質問・コメントに対する回答を事務局からよろしくお願いします。
○髙田専門官 ありがとうございます。事務局でございます。
 まず、長島先生のほうから大きく4点の御指摘をいただいたと思っております。
 まず1点目、表現に関しまして、正確・迅速にというところ、貴重な御意見いただいたと思っております。こちらもまた検討させていただいたらと思います。
 次に、検査情報に関しましてですけれども、今回1年間というところ、まずはこちらのほうで提案させていただいているところでございます。様々な意見がこちらに関してあると理解しておりますので、ぜひともそういったところを御議論させていただけたらと思っております。今回も1年以上として問題なければという話を先ほどもいただいていたかと思いますけれども、そういったところに関しましても柔軟に考えることができたらと思っているところでございます。
 次に、レセプト由来との違いといったところで薬剤情報や病名情報、こちらに関して何が違うのかといった点を御指摘いただいたと思っております。病名に関しましては、例えば今回の告知情報、未告知など、そういったところもしっかりと管理できる仕組みとか、また、医師が本当に登録をするというところに関しましても、こちらのスライドでもお示しさせていただいていますが、登録タイミングに関しては医師、または医療機関に委ねることとするといった前提もございますので、レセプトなど、そういったところとは違う運用の中で登録されているといったところで、少し性質が異なってくるところもあるのかなと考えております。
 薬剤情報に関しましては、電子処方箋サービスなど、今後どのように運用されていくのかというところの議論も踏まえて、すみ分けも含めて今後も整理を引き続きしていきたいと考えております。
 また、導入する医療機関の負担も考えていくべきといった御指摘は、まさにそのとおりかと思っておりますので、そちらのほうも引き続き検討させていただきたいと思います。
 次に、横尾様のほうから大きく3点の御指摘をいただいたかと思っております。
 まず、保管に関して、病名を長くしてはどうかというところをお伺いしたと思っております。現時点では個人が希望することもあるといった点、まさにそのとおりだと理解しておりまして、今後も使っていく上で正確な情報が欲しいといった形、本当にそのように思っております。現時点ではどうしても運用上、まず、医師が判断して登録するところもあるかと考えておりますので、まずは医師を通してそういった個人の希望なども伺う運用となるのかなと思っております。
 次に、一括同意のほうが効果的といった点を御指摘いただいたと思っております。こちらはそういった形で今回は想定して整理させていただいているところでございます。
 最後に、データベースによる客観的なデータ、今後、匿名加工の点なども含めて分析できるにしてはどうかというところに関しても、引き続き医療DXの議論なども踏まえまして検討のほうを進めてさせていただけたらなと思っております。
 次に、松村構成員から多く御指摘いただいたかと思っております。
 受診前に受け取る仕組みに関しましては、詳細は取りまとめ案の参考資料のほうにも記載させていただいておりますので、そういったところで、まずはと思っているところではございますが、原則、このアクセスコードを用いた管理を今回は提案させていただいておりまして、安全に関して様々な仕組み、オンライン資格確認等システムを使う上での仕組みなどもございますので、まずそういったところで運用させていただけたらと思っております。
 次に、XML/PDFの運用に関して、FHIRとの違いというところ、現状に手を入れざるを得ないといったところもあるのではないかというところで御理解いただきながらも、今後の方向性も含めてという御意見をいただいたかと思っております。まさに現状ではこのXML/PDFのほうで運用している仕組みなどもございますので、まず、オンライン資格確認等システムのほうを拡充して進めていく上では、現段階では今回のような形で整理させていただけたらと考えているところではございます。
 次に、傷病名などの4情報に関しまして、蓄積されて取り出すのではないかというところで、送信に関しては医師がタイミング含めて登録の判断をして登録すると考えておりますので、そういった単位での登録と考えております。
○松村構成員 毎回毎回12ページの手続をしないとデータが見られないのかという、そうでないとありがたいという話です。
○髙田専門官 大変失礼しました。同意に関して、恐らく個別に同意するといったところで、一度自分がした設定を保存するような仕組みの御提案なのかなと考えているところではございますけれども、こういった情報をまだ現時点で管理する仕組みなど、現状、顔認証付きカードリーダーなどでもそういった情報を管理する仕組みのほうは備わっていないと理解しておりますので、御意見も伺いながら、今後も検討のほうは進めさせていただけたらと思っております。
 アレルギー情報と薬剤禁忌情報との違いといった点に関しても御指摘をいただいたかと思っております。アレルギー情報は現在、厚労科研において検討が進められているほうにも、実は薬剤に関しても含まれているという状況ではございます。一方で、薬剤禁忌情報に関しましては、活用の用途といったところがございますので、現在、電子処方箋と足並みをそろえてコードに関しても整理させていただいているところでございますけれども、用途が異なってくるのかなとも考えておりますので、現時点では分けて管理のほうを提案させていただいているという状況でございます。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 長島構成員から手が挙がっていますけれども、今の回答に関してでしょうか。
○長島構成員 病名の件ですけれども、レセプト由来のものと6情報で病名の見え方が違ってくると、何で違うのだということで、むしろ混乱を招く。であれば、むしろ一本化して、例えば6情報のほうがより丁寧な情報提供が可能ならば、こちらのほうで病名は提供するのだという形で、違うものが見えてしまうと、これはむしろ大混乱するので、そこのところをきちんと御検討をお願いします。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 事務局、いかがですか。
○髙田専門官 御指摘のほうありがとうございます。そういった点に関しましても、今後閲覧の仕方を含めて検討させていただけたらと思います。
○中島主査 松村構成員、今の回答に関してですか。お願いします。
○松村構成員 ほとんど回答いただけなかったという感覚です。
 まず、11ページに関して、恐らくまだ練れていないのだと思うのですけれども、ここはセキュリティー上、非常に重要なところで、アクセスコードを受け渡しすると簡単におっしゃいましたけれども、それをどう安全に受け渡しするのかとか。その辺をしっかり詰めて、もう一度説明をいただきたいなと思います。
 ここがしっかりできるのであれば、先ほどの、ある患者さんが1回自分の情報を医療機関に閲覧させるという同意をしたときに、その後、同じ手続をしなくても、その後のデータを閲覧できるようにするということも実現可能ではないかなと思います。ただ、私が理解するには、医療機関側の認証であるとか、そういったところをしっかり構築しないと、ここは安全に運用できないと思いますので、そこも踏まえて、ぜひしっかり検討いただきたいなと思います。
 それから、薬剤情報、これは投げるほうが、要するに6つに分けるという話でしょう。だから活用する話ではないので、しっかり定義して、どういう情報をどちらの部分として投げるのかということを説明いただかないと、先ほどの説明では全く回答にはなっていないというか、逆にかえって矛盾した話をされたような気がしますので、そこはもう一度検討いただきたいなと思います。
 用法コードのことをおっしゃらなかったですよね。
○中島主査 今の追加の御質問に対して用法コードのことも含めて御回答をお願いします。
○髙田専門官 まず、安全性といったところで、現在は被保番とアクセスコードをセットで扱うといった点で。
○松村構成員 そうすると、アクセスコードが何かということの説明もいただかないと、私はこの文書を読んで事前に予習してきて分からないから質問をしているので、文書に書いてあるとおっしゃっても困ります。
○髙田専門官 大変失礼いたしました。アクセスコードに関しましては、事前送付する文書をアクセスするためのコードといったところで、紹介先の医療機関等でそちらのほうのコードを取得して、さらにその方の被保番が分かっている場合に、そういった情報が取得できるといった仕組みで。
○松村構成員 そのアクセスコードをどうやって取得するのですかという質問です。アクセスコードは、要は紹介状に対するユニーク番号ということですよね。
○髙田専門官 そのような形でございます。そういった情報を伝えるために、例えば地連ネットワークのほうを活用させていただくだとか、他の民間の診療予約サービスなどを活用していただくといった方法があるという理解でございます。
○松村構成員 かなり危ない話だと思うのだけれどもね。下の患者さんがマイナポータルを介してというほうに絵があるのだけれども、それはどうやって渡しているのですか。
○髙田専門官 こちらのほうに関しましては、現在、そういった仕組みを検討中という状況でございます。
○松村構成員 多分、十分な説明になっていないので、ぜひ検討を引き続きお願いしたいなと思います。
○中島主査 事務局からの回答は以上でよろしいですか。
○松村構成員 それ以外に全く答えていない。
○髙田専門官 あと2点いただいておりますのが、アレルギー情報と薬剤禁忌情報の使い分けといったところで、アレルギー情報に関して、現在、電子処方箋などが扱っているのとまた違ったコード体系で今後運用されるのかなと考えているところもございまして、例えば電子処方箋の仕組みと合わせて、この方に関しては、こういった薬剤は例えば薬剤禁忌情報として登録されていますという情報などに関しましては、電子処方箋のコードと合わせておくことでより有効な活用につながるのではないかというところで、現時点では整理させていると考えております。
○松村構成員 つまり薬剤に関するアレルギーはこちらだというわけですね。
○髙田専門官 電子カルテでの使い方といったところに関係するのかなと思っております。
○松村構成員 普通、薬剤禁忌と言えば、薬剤に対するアレルギーが出たということなので、そういうことでいいですよね。
○髙田専門官 そのような認識でございます。こういった処方をして、その薬剤に対して何らかの症状が出たので薬剤禁忌の登録をされているという認識でございます。
○松村構成員 もちろんアレルギーだけとは限らないのだけれどもね。
 あと、用法コードは。
○髙田専門官 そちらのほうは引き続き整理を続けさせていただいたらと思っております。
○中島主査 よろしいですか。 古川構成員、お願いします。
○古川構成員 COMLの古川と申します。御説明ありがとうございました。私からは大きく2点、御質問と意見がございます。
 まず1点目、17ページの引き続き検討を要する主な課題というところで、電子カルテ情報交換サービスの普及に向けた取組についてというところで、国民に対してのメリットの丁寧な周知広報を検討するとあるのです。国民としてはメリットも必要と思うのですけれども、先ほどから議論になっているとおり安全性という面はメリットよりもすごく気になるところだと思います。要はIT的な基盤のセキュリティーの担保であるとか、先ほど松村構成員からあったような運用上の安全性がきちんと担保されているのか、私の情報が変に利用されたりとか見られたりしないのかというところが、まず気になるところかなと思ったので、そちらに対する丁寧な説明も必要かなと考えております。
 メリットに関しましては先ほどもありましたけれども、長い期間、自分の意思も入れたような形で情報が保存できることに患者はメリットを感じるのではないかと思いますので、そこもぜひ検討いただければと考えます。
 丁寧な周知広報に関しましては今後の検討だと思うのですけれども、御質問として、まず、どういった周知広報を検討されているのか、計画をされているのかというところと、もし、これからだということであれば、どういうような会議体でこれからこの周知の方法を検討されるのかというところが1点目です。
 2点目が、同意なしで情報が保存されるということなのですけれども、一方で、同意の拒否という表現が幾つかあったので、同意は必要ないのだけれども、同意の拒否というものが、どのように運用され、どのように考えればいいのか、そこをお答えいただければと思います。よろしくお願いします。
○中島主査 ありがとうございます。
 続いて、伊藤構成員、よろしくお願いします。
○伊藤構成員 医療DXというのは非常に重要なものでありますので、こういった基盤をしっかり整備していくことも大事だと思いますし、併せてこの情報をどのように活用していくかということも極めて大事なのだろうと思ってございます。
 そういった中で、資料で申し上げますと5ページ目のところです。今回、PULL型でということで御提示をいただいております。以前のこの会でも御質問を申し上げましたけれども、どちらの形がいいのかを判断する上では、コストであったり、あるいはどのくらい使われるのかとか、効果、こういったものを示していただいてというお願いをしたところ、3月には御回答をいただけるということだったのですけれども、資料の1-1を見ても、今回のこの資料を見ても、そういった部分の資料提示がございませんでしたので、ぜひともその辺の資料については御開示をいただいて、各構成員が納得した形の中で、この方向を選んでいくということをぜひともお願いしたいと思います。
 併せて、この基盤につきましては、国の重要な施策であるとともに、国の大事な財産でもあると思ってございます。こういったものを新たに開発したり、あるいは管理をしていく、維持していくという部分については、ぜひとも国の責任で進めていただければと考えてございます。
 引き続き7ページでございますけれども、今回、下のほうに6情報の部分につきましては全ての医療機関でとなってございますので、ぜひともこの方向でしっかり進めていただくようにお願いしたいと思います。
 それから、8ページ目以降の同意の部分でございます。今し方、古川構成員からもお話がございましたけれども、同意の取得について、ある意味で毎回個別の本人の同意を不要としていくということについては、特に反対するものではございませんけれども、患者の立場から見たときに、その都度同意なく情報が登録されることによって、他の医師、あるいは医療機関が閲覧に使われるのだということを、しっかり国民・患者のほうに周知をしておくことが、今後の安心した医療情報の活用には不可欠なのだろうと思ってございますし、こういった情報を登録してほしくない、活用してほしくないという方もおられると思いますので、そういった方に対する対応の仕方につきましても、ぜひとも法制上の解釈も含めてしっかりと定義をお願いしたいとも思ってございます。
 その関係で12ページです。リード文のところに各情報の閲覧に一括で同意する仕組みなどを考慮しつつ、患者の利便性を確保できる仕組みについても引き続き検討を進めるという表現になっているのです。この表現を読んでおりますと、下に出ている一括同意のフローがございますけれども、これ以外の仕組みを今後考えていくというようにも読めてしまいますので、基本的にこの一括同意の方法で進めるのであれば、もうちょっと表現のほうを工夫して、最終的には一括同意の仕組みをさらに検討を深めていくようなニュアンスに変えられたほうが、誤解がないのではないかと感じたところでございます。
 それから、前回も申し上げたのですけれども、14ページにマイナポータルでの閲覧の図が出ております。これはあくまで今回の情報に関する閲覧が出ておりますけれども、今回の本人同意の問題がございますので、本人の同意状況についてマイナポータルでどのように確認ができるのかということも、ぜひとも御検討いただけたらと思います。
 私からは以上であります。
○中島主査 ありがとうございます。
 今回はPULL型ではなくて、PUSH型で進めたいというお話だと思いますので、また後で御説明を。
○伊藤構成員 申し訳ありません。そのとおりでございます。
○中島主査 渡邊構成員、よろしくお願いします。
○渡邊構成員 3点ほど教えていただきたいと思います。
 1点目、11ページに同意の取り方が書かれていますけれども、退院後、在宅療養等になられる患者さんに対して文書交付をした場合、どのようなルートを通って同意を得ようと考えられているのかという部分と、それが資格確認のモバイルシステムの提供等々との兼ね合いも考えられるのであれば、その辺の部分も含めた運用開始時期をすり合わせて考えられているのかという部分をお教えいただければと思います。
 それから、先ほど長島先生もおっしゃられたのですけれども、レセプトの薬剤情報や電子処方箋の処方情報とのすみ分けです。14ページのところにもマイナポータルの絵が出ています。6情報における処方情報があるのですけれども、マイナポータルでされている部分に関しては、この検索をするのであれば、間違いなくレセプトからの薬剤情報にたどり着くと思うのです。ここは例示されているのですか、それともすみ分けられて別のポータルからの見え方を考えられているのでしょうか。その辺をすみ分けてお教えいただけたらと思います。よろしくお願いします。
○中島主査 ありがとうございます。
 それでは、事務局から回答をよろしくお願いします。
○髙田専門官 まず、古川構成員のほうから2点ほど御指摘をいただいたと認識しております。
 まず、普及に向けた取組に関して、メリットとともに安全性をといったところに関してだと理解しております。こちらはもちろんどのように使われるのかという観点も含めて、今後、医療DXも含めて大きな話の中でも整理していくことかと考えております。どのように使われるのか、今回、一次利用として閲覧のことを踏まえて皆様方にメリットなどを感じていただけるところで、気になるところをしっかりと周知するときにも、そういった安全性に関しましても、周知できるような仕組みを考えていく必要があるのではないかと考えております。
 同意の拒否に関しては、恐らく法整備の話との兼ね合いというお話かと思うのですけれども、こちらに関しましては、法改正となったときには、国民の総意と申しますか、しっかりと国会でも議論されたところで整理されていくというところで理解しておりますけれども、もちろんそういった中で、同意の拒否という形で今回表現させていただいておりますのは、オプトアウトの仕組みなどを今後検討していく必要がある場合には、そういった同意の拒否などのケースも考えられるといった意味で、今回記載させていただいている状況でございます。
 次に、健保連の伊藤構成員からも何点か指摘をいただいていると思っております。
 どのくらいの効果があるのかという観点で、こちらのほうでも様々な検討はしておりますけれども、前提によってデータの出し方なども変わってきておりますので、そういったところを踏まえて検討させていただいているという状況もございます。今回であれば、PULL型はPUSH型と比べて病院・医療機関に関しましては、費用のほうが3~4倍程度かかるだとか、そういったところは踏まえた上で今回整理をさせている状況でございます。
 こちらのほうを全ての医療機関でしっかりと進めてという形でのコメントをいただいたと思っております。
 12ページに関しましては、引き続き検討を進めるという表現に関して御指摘いただいたかと思っております。こちらに関して、もちろん表現のほうは検討させていただけたらと思うのですけれども、こちらのほうで意図していた内容としましては、一括で同意する仕組みはもちろん考えて、個別に同意する場合、こちらのほうは様々な意見などもいただいた上で検討する内容かなとも思っておりますので、今回のような表現となっている状況でございます。
 14ページのマイナポータルの閲覧といったところで、こちらに関しましては本人の同意情報の確認とさせていただいております。こちらは渡邊構成員からも御指摘をいただいたかと思うのですけれども、今回、あくまで参考として薬剤情報を選択するといった画面を提示させていただいておりますので、こういった形と同様に、電子カルテ情報交換サービスを通した情報に関しましても、機関指定を行って提供できるといった形の仕組みを考えているところでございます。
 その他、渡邊構成員のほうから在宅に関してとか、資格のモバイル確認など、そういった点に関しても御指摘をいただいたかと思っております。そちらのほうの仕組みは、今後の保険局の議論なども含めて検討させていただけたらなと考えております。
 以上でございます。
○中島主査 ありがとうございます。
 古川構成員から、多分、今の御回答に対するコメントだと思うのですけれども、よろしくお願いします。
○古川構成員 御質問の一つに、今、決まっているような周知広報活動はあるのですかという質問をさせていただいたのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○田中参事官 令和5年度から、今、私どもの参事官室のほうでは、救急でレセプトの情報を患者さんの意識がない場合には、医師が4情報などをもとに閲覧できる仕組みなどの開発を進めるということになっておりまして、そういった新しい仕組みの周知広報を行う事業というのを立ち上げています。御指摘のあったこれからまさにどのように周知をしていくかというのは、この事業の中で検討を進めていくということでございますが、その際、どういった委員会などで検討するのかということでしたが、電子処方箋などにつきましては、医療部会や医療保険部会などでその仕組みをお示ししつつ、例えば医療機関にはこういう形で周知をしていきますということもお示ししてきたと承知をしておりまして、まずは内容をしっかりと、オンライン資格確認の仕組みや電子処方箋の仕組みを参考に検討をさせていただき、適切な審議会等で御報告をさせていただくことを考えております。
○中島主査 よろしいですか。
○古川構成員 分かりました。ありがとうございます。
○中島主査 伊藤構成員から手が挙がっていますけれども、今のコメントに対してだと思います。よろしくお願いします。
○伊藤構成員 費用対効果のところで、4倍でという口頭での御説明があったのですけれども、資料に載せないまでも、別途で結構ですので、どういう状況になったかというのをぜひとも教えていただけるようにお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○田中参事官 費用につきましては、私どももお示しをするとお話をしたのですけれども、現状、全ての仕様が固まらない中で、一定程度推測のような値が出てきております。そのような中で、明確に何億円かかりますみたいな話を、かなり推測が入る中でお示しをすることが適切かどうかというところを私どもの事務局の中で議論をした結果、明確な金額についてお示しするのは、その制度を勘案して適切ではないと判断をしております。
 一方で、今回のワーキングの中で皆様から御議論をいただいた際には、まず、PULLはセキュリティーを含めて今は対応するのが難しいのではないかという御指摘が多かったと承知をしております。その上で、今、口頭で申し上げたどれぐらいの程度の予算なのかということを少し記載することはさせていただくことは検討しますが、具体的な金額等については御容赦をいただきたいと思っています。
 この仕組みにつきましては、医療DX自体が、まさにクラウドを使った最適な基盤で、よりセキュアな形で情報を共有していくことを目指すというのを明示的に医療DXの定義の中でも位置づけておりますが、そういったことが、どの程度実現できるのかというところに費用の話であるとかセキュリティーの話は帰着していくのかなと思っています。現状の医療機関のシステムを勘案した中では、クラウド型の電子カルテは小規模な医療機関などで導入が進んでいると承知をしておりますが、大きい医療機関では部門システムを含めてクラウド化がまだなかなかうまくできていないという認識で、そのような中で、セキュアにPULL型を実現するのはなかなか大変というのが、この議論だったのかなと思っていますので、御指摘の点に関しましては、誤解を生じない範囲で先生とも参考資料等に入れるかどうか御相談をさせていただきたいと思います。
○伊藤構成員 別に意地悪というわけではなくて、同じ意識の中で、この大事な施策を進めたいというような思いで申し上げているところですので、ぜひともそういった観点で、またよろしくお願いいたします。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 渡邊構成員、どうぞ。
○渡邊構成員 モバイルの端末に関しては他局とのすり合わせの中でタイミングを考えられてというのは了解なのですけれども、11ページの絵の中においては退院後、在宅療養になられる方に対する同意という部分に関しては想定されていないという意味合いでいいのですか。
○中島主査 事務局、いかがでしょうか。
○田中参事官 在宅療養になる方については、例えば在宅の訪問診療医との情報連携という、そういう認識でしょうか。
○渡邊構成員 それも生じてくるかと思うのです。その場合、真ん中の地医連等が存在していないところであると、患者さんからマイナポータルからアクセスコードを聞いて取る等のルートになってきてしまうのですが、その辺は想定されているのかなと思ったのです。
○田中参事官 紹介先医療機関等の中で読んでいると考えていただければと思うのですが、ただ、実際に在宅の診療所というか、在宅で見ている医療機関については、モバイルオン資を検討中と承知をしておりますので、そのような中で、どのようなサービスが提供できるかというのは、先ほど申し上げたように他部局との連携かなと思っています。
 アクセスコードのお話は、正直に申し上げて、まだ明確に詰められていないところはございます。電子処方箋でも事前に処方箋を送付するといった際には、たしか電子お薬手帳みたいなものを活用したりとか、いろいろなアプリを活用して、そういった送付が可能になるような仕組みを構築していると聞いておりまして、そういった取組も参考に、よりリーズナブルな形でできることを検討してまいりたい。
 ただ、現状の私どもが持っている手だてというと言葉があれですけれども、お薬手帳みたいなものが実際にはないような中で、マイナポータルの活用ということを軸に検討をしてまいりたいという意図での資料となっているところでございます。
○中島主査 ありがとうございます。
 ちょっと時間が押してきましたので、続いて大道構成員から少し端的な御意見をよろしくお願いします。
○大道構成員 たくさん聞きたいところがあるのですけれども、今日は3ページだけにします。細かいことです。3ページに大きな枠が2つあるのですけれども、上のところで、患者のところの■の1つ目、文書の作成による待ち時間となっていますけれども、これはいかにも何かありそうな待ち時間のようなイメージが出るのですけれども、実際にはそんなことなくて、文書を発行するときに、今はほとんどの医療機関が患者さんにお見せして、こういう文書を出しますと、場合によれば患者さんの前で僕らは作成をしますから、それと、作成をし終わらないと会計ができないシステムになっています。だから、これが別にこのような状況になろうが、以前からであろうが、そう変わることはないと思いますので、これがメリットだって書かれると、ちょっとどうかなという気がします。
 それと、紹介先の医療機関等という3つ目の小さな枠のところですけれども、1つ目の■のところで、患者の来院前に紹介先医療機関等が文書情報を確認することができると、これはなかなか難しいと思うのです。初診の場合、その病院のIDなしで、どうしてその方の情報が来たというのを当該主治医にお知らせするのだろうというのは、ウルトラCみたいなシステムを一つ追加しないと難しいかなと思っています。
 2つ目の■のところで、後半の部分ですけれども、提供者が不明確な状態での文書の受け取りを防止できるとなっていますけれども、元来、提供者が不明確な状態での文書の受け取りというのはどういうことを意味するのかよく分かりません。私はあまり受け取ったことはないので、これは誰からの紹介状という、紹介先が書いていない紹介状を私は受け取ったことがないので、これは何を言いたいのかよく分かりません。
 今までは細かいものです。
 最後に一つだけ、メリットに関してお話をされています。恐らく後で、取りまとめのこうしたものが出てくると思うのですけれども、取りまとめにしてもメリットと出ています。
 我々医業者は患者さんにお出しをするとき、治療選択をするときに、例えば抗がん剤の治療、あるいは外科治療、そのときに、いい面ばかり言って終わりにしません。当たり前の話です。その場合に、どういう後遺症が出るか、あるいはどういう副作用が出るか、それも最悪のことも想定してお話をします。ですから、メリットを言うのだったらデメリットも言わなくてはいけない。例えば病院のシステム障害が起こったら、このシステムは使えません。当たり前の話です。あるいは広域災害のときは全く駄目です。これは当たり前の話です。それと、マイナカードをたくさんの人が持ち歩く世界にならないと、皆さんはいまいちメリットを享受しにくいです。これも当たり前の話です。こういうこともちゃんと周知することが大局となってバランスが取れるのではないかなと思います。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 続きまして、高倉構成員、お願いします。
○高倉構成員 私のほうからは2点です。
 まず、13ページ、今の御発言に関連しますけれども、ここの委員会でも言った覚えがあるのですが、救急のときにこれは本当に回るのですかというのが一番気になっています。多分、救急のときにマイナンバーカードを持ってこないでしょうねとか、あと、顔認証リーダーをストレッチャーの上に乗っている患者さんにかぶせるのですかとか、あり得ない想定がなされているので、救急のときにどうするのかを考えてくださいとお願いしたつもりなのですが、それが今回抜けている。多分、救急の場合、全部バイパスの手だてが必要になるだろうなというのが1点です。
 そのときに、14ページなのですけれども、自分の情報が救急時に閲覧されたかどうかというのをマイナポータルで確認できる。もっと言うと、救急ではない場合も含めて、自分の6情報をしっかりと閲覧してもらえたのかということと、意図しない閲覧があったのかが分かることで、先ほどセキュリティーの問題がありましたけれども、意図しない閲覧がなかったことを担保する仕組みが、多分ここには必要になってくるだろうなというのが気になります。
 それから、13ページに戻るのですけれども、PDF/XML、もちろんFHIR、JSONでも構わないのですが、これは恐らく電子カルテ情報交換サービスで1回フォーマット変換をして出し直すという形を想定されているのだと思います。もし、将来的に全てがFHIRになったとしても、ゴミ情報という言い方はあれですけれども、悪意のあるコードが紛れ込むことを防ぐという観点からすると、正直意味がない変換となるわけなのですが、FHIRからFHIRへ変換する仕組みを入れておいて、セキュリティーを担保していただきたいなと思います。
 この2点です。以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 続いて、山口構成員、お願いします。
○山口構成員 歯科医師会の山口です。よろしくお願いします。私からはディテールに入らず、全体を俯瞰した感想的な意見を申し上げたいと思います。
 同意の在り方であるとか、PUSH、PULLの話、それから、マイナポータルにどんな情報を出すかということについて、細部については、まだまだ多くの検討すべき課題があると認識していますので、今後も引き続き丁寧な議論をお願いしたいと思います。
 本日、提示いただいた取りまとめ案については、おおむねこれまでの議論を踏襲したものと認識しておりますので、内容的には結構だと思うのです。ほかの委員から書きぶり等の修正意見がありましたので、そこら辺の修正をした上でやっていただきたいと思います。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 それでは、事務局から御回答をよろしくお願いします。
○髙田専門官 まず、大道構成員から3点ほどコメントをいただいたと思っております。
 1点目、文書の作成による待ち時間に関して、ヒアリングでは作成による待ち時間、現場のほうではゆっくり作りたいけれども、どうしてもすぐに書かざるを得ないだとか、そういったケースがあると理解しておりましたので、じっくりと書くようになったときには待ち時間も発生してしまう。そういったところの時間が確保できるというようなニュアンスも含めて、このような書き方とさせていただいている状況でございます。
 また、来院前に文書情報を確認することが可能なシステムといったところに関しまして、こちらは先ほどの議論にもございましたけれども、アクセスコードと被保番と合わせた状態で電子カルテ情報交換サービスのほうに情報を取りにいくことで、文書を確認すること自体は可能なのかなと考えているところでございます。
 また、提供者が不明瞭な状態での受け取り防止、こちらは確かに書き方に不十分なところがあるのかなというところもございますけれども、現在、紹介元の記載方法などに関しては統一されたものがないというところも理解しておりましたので、そういったところはシステム上で取り扱うところがあるのかなと考えていたところでございます。記載などに関しては、また検討させていただければと思います。
 また、メリットという表現が気になるという御指摘をいただいていたかと思いますけれども、今回、このスライドを作った方向としましては、まず、どういったところがいい意味で変わるのかというところをしっかりと整理すべきということを多く御指摘いただきましたので、今回、メリットといった形でスライド1枚でお示しさせていただいている状況と御理解いただけたらと考えております。
 次に、高倉構成員から2~3点御指摘をいただいたかと思っております。
 まず、救急のときの運用でございますけれども、参考資料のほうに救急時における6情報の閲覧方法といったところでスライドを入れさせていただいているところでございます。こちらは第13回健康医療介護情報利活用検討会の資料でも、救急医療時におけるアクション1についてというところの仕組みなども含めて現在想定しておりますので、そういったところの議論を踏まえた上で進めさせていただければと考えているところがございます。
 次に、閲覧されたか確認できるかどうかといった観点ですけれども、実はやり取り機能(※)といったところで、現在の時点でもマイナポータルのほうでもレセプト等の情報に関しまして、誰に見られたのかを確認するような機能などもございますので、そういったところに関しまして、今回こちらのほうでも、しっかりと運用していきたいなと考えているところでございます。
 また、悪意のあるコードに関しては、FHIRからFHIRの仕組みなど、そういったところに関して、また、御指摘いただいた点を今後、そういったデータ形式も変化する場合にはしっかり御検討させていただきたいと思っております。
 山口構成員のほうからコメントをいただきました。ありがとうございました。
 特に細部と言っていただいている点、今回、まずシステム開発につなげる点でといったところで、かなり取りまとめ案として意識してつくらせていただいているところがございます。もちろん運用に関してといったところ、実際に使うときに関しましては、運用とシステムは両輪の関係かなと私は思っておりますので、そういった運用に関しては、まだまだ今後も考えていかないといけない点はあるのかなと思っておりますので、最後のスライドの内容も含めて、今後も引き続き考えるべきことは検討していきたいと考えております。
 以上でございます。
○田中参事官 少し補足をさせていただきます。
 今、大道先生からも御指摘いただいたのは、この後に御議論いただくワードの文章の中にも入っていますので、デメリットの書き方は御相談をさせていただければと思います。デメリットと書くよりは、こういうメリットがあるけれども、セキュリティーとか、そういったことは注意が必要で、先生がおっしゃったようにシステム障害であるとか、マイナンバーカードの普及の状況とか、少し丁寧な記載をしつつ、情報が正しく伝わるような記載に修正をさせていただきたいと思っています。
 また、救急の件につきましては、先ほど誰が見たかということを閲覧できると髙田のほうから話がありましたが、今は確認できるのは医療機関になります。このオン資の仕組みについては、災害のときにマイナンバーカードがなくてもレセプトをもとにした医療情報が確認できるような仕組みになっておりまして、その際、どういった医療機関で確認されたのかということは、既に御本人が確認できる仕組みが入っていますので、それを災害だけではなくて、まさに三次救急など、御本人の意識がないときに展開をしていく。今ある既存のシステムを生かしながら、よりユースケースを増やしていくという流れの中で検討させていただいております。参考資料のほうで、医療等情報利活用ワーキンググループの資料をお出ししていますが、そちらのほうを高倉先生にも改めて御送付させていただきたいと思っています。
 一部内容がまだ詰まっていないところがございますが、ほかのシステムの様子とか、先ほど申し上げたように、そういうものを見ながらよりよい形で進めていけるように、私どもも工夫をさせていただきたいと思っていますので、その点、御理解をいただければ幸いでございます。
 事務局からの補足は以上でございます。
○中島主査 ありがとうございます。
 続いて、支払基金の橋本様、よろしくお願いします。
○社会保険診療報酬支払基金 橋本氏 オブザーバーとして参加させていただいています支払基金の橋本です。御発言の機会をいただき、ありがとうございます。
 システム開発につきましては、支払基金で令和5年度に進める予定にしております。その立場から2点だけ申し上げたいと思います。
 今回のシステム開発に当たりまして、要件定義の段階で必要な整理を行っていただくことはもとよりでございます。ですけれども、開発後のシステム運用を見据えまして、運用経費をどのように負担するか、この議論は大変重要だと考えてございます。冒頭、事務局から医療DXを踏まえて議論していくという御説明がありましたけれども、費用負担については可及的速やかに引き続き議論と整理をしていただきたいと思います。併せまして、要件定義の内容、それから、このワーキングで決まらない事項につきまして、引き続き議論と整理を速やかにやっていただきたいと思います。
 2点目は、要件定義の段階でできる限り開発規模や、その後の運用経費を抑えることにつなげていくことも大事だと思っております。例えば議論にも出ておりましたけれども、処方情報については、電子処方箋の仕組みで調剤情報も含めて確認が可能でありまして、電子カルテ情報交換サービスの仕組みで重複した情報を蓄積しますと、余計な費用負担につながるという可能性がありますし、また、顔認証付きカードリーダーの同意画面につきましても、既に画面数が多くなっているところ、画面の追加は患者さんにとっても非常に負担になりますので、画面をまとめるなど、患者さんの立場に立った議論も必要ではないかと思います。こういった点につきましても今後速やかに議論と整理をお願いできればと思っております。
 以上でございます。
○中島主査 ありがとうございます。
 事務局から回答をよろしくお願いします。
○田中参事官 御指摘ありがとうございます。
 まず、費用面については冒頭、データヘルス改革工程表の中で一定の整理をするとお示ししている中で、昨年のこの時期にはまだ医療DXが存在もしていなかったと、これが骨太の方針の中に書かれて、全国医療情報プラットフォームの創設が政府の方針として示されたのが昨年の6月になります。そういった中で、電子カルテ情報を共有することだけのメリットをもって、その運用の在り方であるとか、費用負担の在り方を考えるのではなく、全国医療情報プラットフォームを含めた医療DXの中で、どのようなメリットをどういう人たちが感じていくのか。それは運用を開始してみないと分からない部分があるというのが正直なところではございます。そういった面も含めて、全体的な中で御指摘の運用の在り方や費用負担ということは、引き続き議論をさせていただきたいと思っています。
 また、これからの効率的なシステムの運用に向けて様々な要件の考え方であるとか、これは我々も予算を取るのが非常に難しい中で、効率的につくっていくことは必要だと思っていますし、まさに厚労省のみならず、デジタル庁や関係省庁と連携しつつ、今、政府の中にも検討のチームが立ち上がって検討しているところでございますので、そういった御意見を踏まえて、より効率的なシステムの構築、それから、患者様の負担にならないような、それでいて強制的な要素がないような、皆様に納得していただけるような仕組みを目指していくということで進めさせていただければと思っています。
 医療DXについては皆様御承知おきのとおり、この春には工程表をお示しするという方向性で現在議論が進んでいるところでございますので、それを踏まえて、より効率的なシステム開発に向けて政府を挙げて取り組んでまいりたいと考えています。
○中島主査 大変活発な御議論をありがとうございました。
 それでは、今の議論を踏まえて、資料1-3の取りまとめ案について、事務局から説明をお願いします。
○髙田専門官 それでは、今の説明を踏まえ、資料1-3の取りまとめ案について、事務局から説明させていただきます。時間も押しておりますので、資料1-2で説明させていただいた内容に関しては割愛させていただけたらと思っております。
 まず、はじめにといったところで、こちらは少子高齢化に伴う医療・介護サービスの担い手の減少が進む中で、健康・医療・介護分野のデータやICTを積極的に活用することにより、国民一人一人の健康寿命の延伸や国民の利便性向上を図るとともに、医療や介護現場においてサービスの質を維持向上しつつ、その効率化や生産性の向上を図っていくことが重要である。このため、保健医療情報を全国の医療機関等で確認できる仕組みは、本人が電子的に把握する仕組みの在り方に関する事項等について、厚生労働省ではこれまで医療等分野情報連携基盤検討会や健康・医療・介護情報利活用検討会等を設置し、検討を進めてまいりました。
 このうち、全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための医療情報ネットワークの基盤に関する議論を行うため、令和3年11月に本ワーキンググループが設置されまして、これまで計6回にわたって議論を重ねてまいりました。基盤構築に向けた検討については、第9回の健康・医療・介護情報利活用検討会において、医療等情報利活用ワーキンググループで、厚生労働省標準規格の情報拡充の計画策定に係る検討を行い、本ワーキンググループで情報基盤の具体的な仕組み、規格化及びコードの維持管理等の体制整備、電子カルテの普及を目的とした医療情報化支援基金の要項に関わる検討を進めていくこととされたところでございます。
 また、経済財政運営と改革の基本方針2022におきまして、全国医療情報プラットフォームの創設、電子カルテ情報の標準化等及び診療報酬改定DXの取組を行政と関係業界が一丸となって進める方針が示されました。このうち全国医療情報プラットフォームの創設につきましては、既に整備が進んでいるオンライン資格確認等システムの拡充によって実現されることとされておりまして、災害や次の感染症危機を含め、全国いつどこの医療機関にかかっても必要な医療情報が共有される社会を実現するために、本ワーキンググループにおいて、これまで進めてきた医療機関等間における電子カルテ情報の共有の仕組みの検討と連携して進めていく必要があると考えられました。
 以上を踏まえまして、全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための医療情報ネットワークの基盤の在り方及び技術的要件について、本ワーキングでの議論を取りまとめさせていただきます。なお、詳細については別添の参考資料も併せて参照いただきたいと考えております。
 全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とする目的に関しましては、全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とすることで、医療機関等同士などで入退院時や専門医・かかりつけ医等の情報共有・連携がより効率的・効果的に行われることにより、より質の高い切れ目のない診療やケア、災害等の緊急時における利用等を可能とする。また、国民・患者の医療情報について、本人自身による活用を可能とすることは、個人の健康維持等につなげるとさせていただいております。
 次に、基本的な考え方に関しましては、参考資料等も含めまして先ほど御説明させていただきましたので、割愛させていただけたらと思います。
 (3)に関しまして、本仕組みの運用主体や運用開始時期、利用対象期間に関してです。本仕組みについてはオンライン資格確認等システムを運用している社会保険診療報酬支払基金にて開発を行うこととし、運用体制については全国医療情報プラットフォームの運用等の議論を踏まえて検討していく。
 電子カルテ情報公開サービスについてはシステムの開発後、当該システムに電子カルテ情報を登録することが可能な医療機関から順次運用を開始していく。
 電子カルテ情報交換サービスへの2文書6情報の登録主体はHL7 FHIR規格に対応した医療機関とする。
 電子カルテ情報交換サービスを経由した2文書の閲覧主体はHL7 FHIR規格に対応した医療機関・薬局とする。
 また、オンライン資格確認等システムを経由した6情報の閲覧対象は全国の医療機関・薬局及び患者本人とするとさせていただいております。
 メリットに関しましても、先ほど資料1-2で説明させていただきましたので割愛させていただきます。
 電子カルテ情報交換サービスの開発の方向性といったところに関しまして、文書情報・6情報の取扱い、こちらの発生登録のタイミングについて、また、保存期間についてに関しても説明させていただいておりますので割愛させていただきます。
 次に(2)同意取得の仕組みについてです。こちらは電子カルテ情報の登録に関する同意とか電子カルテ情報の閲覧に関する同意、また、コードに関する整理に関しても説明させていただきましたので割愛させていただきます。
 その他の論点に関しましても、先ほど別スライドではございますけれども説明させていただいておりますので割愛させていただきます。
 最後に、おわりにといったところで、以上の内容を踏まえつつ、厚生労働省においては全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための医療情報ネットワークの基盤となるシステムの開発に取り組んでいただきたい。
 また、文書情報・6情報の詳細な運用面の検討を要する、あるいは医療DX等の他の取組との整合性の観点から考慮が必要となる以下の論点等に関しては、今後の継続課題とするとさせていただいております。
 電子カルテ情報交換サービスに対する国民の理解と普及に向けた取組。
 退院時サマリーの取扱い。
 医療機関における6情報登録時の作業負担を軽減する仕組み。
 PULL型の仕組みの整備。
 文書上の真正性の確保に係る対応方法。
 処方情報の取扱いに関してとさせていただいております。
 以上、資料1-3の説明とさせていただきます。
○中島主査 ありがとうございます。
 今の御説明に対して御意見いただきたいと思います。
 まず、横尾構成員、お願いします。
○横尾構成員 4ページにメリットが書いてございますが、ぜひここに追加していただけないかなと思っていることがあります。今、患者と医療機関と保険者まで書いてあるのですけれども、この際は、国としてのメリットを明記したほうがいいと思います。それはどういうことかといいますと、例えば国としても国民の健康・医療情報をビッグデータとして、国民の健康維持や疾病状況を正確に把握でき、迅速かつ的確な政策の推進、中長期的かつ戦略的健康医療政策の充実を図ることができるということを広く分かるように書いたほうがいいと思います。もちろん患者や医療機関や保険者も重要なのですけれども、これだけ大きなシステムをつくり、予算も投下し、そして、全国的にやっていくわけですので、ぜひお願いしたいと思います。
 これまでも厚生労働省のいろいろな統計とかを聞いたのですけれども、日本はデータとしての蓄積が網羅的でなく悉皆性がないような状況でこれまでやって来たような経緯があるとも聞きましたので、今回はそういった活用をして、よりよい健康医療に関する取り組みを充実させて、国民の皆さんを守るのだというメッセージも出したほうがいいと思います。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 私も同じ視点を持っていまして。今回、このシステム自体は一次利用目的ということを最初から言われていますけれども、第1回目の会議のときから二次利用を目指したといいますか、それを前提としたシステムということも、そのときから出ていましたので、メインというわけではないのですが、どこかにそういう国の利用、あるいは研究利用とか、そういうことも含めた二次利用についても記載していただきたいと思います。
 後でまた回答をいただきたいと思います。
 それでは、渡邊構成員、お願いします。
○渡邊構成員 1点質問と1点意見です。3ページの(3)のところに本仕組みの運用主体や運用開始時期があるのですけれども、運用開始時期ついて全然触れられていないかと思うのです。これはどうされるのかというのを聞きたいと思います。
 それと、おわりにの部分なのですけれども、確かに今回に関して、文書情報、3文書6情報等の前提でというのは分かるのですけれども、大きなスコープの中では、ぜひそれ以外の文書、多く存在する情報提供文書に関しても、ぜひこの基盤上でやり取りしていけるようなスコープを持っておいたほうがいいのではないかなと思います。
 冒頭の説明の中でも、自治体、介護施設等への広がりの部分も言われたかと思います。また、薬局からドクターのほうに返さなければならない書類もたくさんありますので、その辺の部分もこのような基盤の上に、今回に関しては情報の登録主体は医療機関のみになっていたかと思いますけれども、この部分に関しての情報のやり取り、文書のやり取りに関しては、ぜひスコープとして広げて持っておいていただきたいと思いますので、もし、可能であれば、その部分も踏まえた追記をお願いしたいと思います。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 それでは、伊藤構成員から御発言をいただいてから回答いただきたいと思います。
○伊藤構成員 今回、取りまとめの中で、前段のところで基本的な考え方でありますとか、背景といった内容を記載していただいたのは非常にいいかなと思ってございます。前回の部分で言えばよかったかもしれないのですけれども、一部意見ということで申し上げさせていただきます。
 4ページ目のメリットのところ、皆様からいろいろな御意見が出ておりますけれども、保険者のところの1つ目に重複検査の防止ということが書いてございます。私どもとしてもこういったシステムが出来上がれば、不要な重複検査が無くなることを期待しております。情報が共有されますので、必要な検査しかされないという前提に立てば、あえてここで一部のというのを強調する意味はないのではないかなと思ってございます。必要ないのであれば削除をお願いしたいと思いますし、ある意味、検査をするということは、患者にとって非常に負担が大きいと思ってございますので、この項目については患者のところにセットで記載いただいてもいいのではないかなと思ったところが1点目でございます。
 それから、後段の7ページ目、おわりにというところで、今後の課題について触れていただいております。まだまだこれから詰めていかなければいけない部分が多いと考えておりますけれども、そのうちの1つ目のところで、電子カルテの情報交換サービスに対する国民の理解と普及に向けた取組とございます。
 ある意味、この部分は2つのフェーズに分かれるのではないかと考えております。一つは導入に至るまでの準備の部分、もう一つは導入した後の部分が、この中に包含されているような気がいたしております。前段のほうで申し上げますと、同意のところも含めた国民の理解をしっかり求めていく必要、あるいはメリットも理解していただく必要があると思いますし、普及の部分で申し上げますと、ある意味、この基盤だけができても、全ての医療機関でしっかりと情報の提供の仕組みが組み込まれないと効果が出てこないと思ってございます。
 この普及の部分をもう少し何か具体的に、医療機関への導入に向けた取組みたいな分かりやすい表現にされたほうがいいのではないかなと思った部分と、後段のこういったものがスタートした後の取組として、この仕組みはいろいろな形でメリットが非常に大きいと考えてございますので、逆にそのメリットをしっかり国民に伝えていく。いい意味でPDCAサイクルを回していくという部分のことも、今後の検討の課題になるのではないかなと思ってございます。
 我々としても重複検査であったり、あるいは高額医療といったような課題も抱えてございますので、こういった部分で、これだけ効果があるから、さらに発展させていくのだというような形で、その後の部分についても今後の課題として記載をしていただけたらと思ったところでございます。
 私からは以上になります。
○中島主査 時間が来ていますけれども、高倉構成員から手が挙がっていますので、短くお願いします。
○高倉構成員 では、短めにいきます。
 その他の論点のところのどこかに書いておいていただきたいのですが、セキュリティーを担保して患者さんが安心して使える、もちろん医療機関も安心して使えるという1行、セキュリティーもちゃんと考えていますと、PULL型、PUSH型でというのはどこかに書いてあったのですけれども、そうではなくて、このシステム全体のセキュリティーを考えてやっていますというのをどこかに1行入れていただければと思います。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 それでは、回答をよろしくお願いします。
○田中参事官 御意見ありがとうございました。
 基本的に、御指摘いただいた点については文案をこちらのほうで作成し、先生方に御確認をいただくということで進めさせていただきたいと思っています。先ほどの一部のというところの一部、例えば4ページのところではございますが、重複検査の定義が少し曖昧な中で、重なったら全部やらないというわけではなくて、当然医師の裁量であるとか、そういったところは担保される中でという認識で書いていますが、皆様が問題なければ削除する形のものをお示しさせていただいて、皆様から改めて御意見をいただくような形で進めさせていただきたいと思っています。
 最後のおわりにのところの理解と普及に向けた取組につきましても、御指摘を踏まえてもう少し丁寧に記載をさせていただくということ。
 それから、セキュリティーについては必要な論点と認識をしておりますので、そちらの文章も追加をさせていただきたいと思っています。
 一次利用と二次利用、まずは一次利用からということを重ねて私どもはワーキングの中でもお話をさせていただいていますが、その中にはコードの付与も含めて二次利用を見据えたものであるということは、全構成員の御認識として一致しているものと考えておりますので、どこに入れるかは事務局のほうで検討させていただき、何らかの形で記載をさせていただきます。
 3ページの運用開始時期についての記載がないということでしたが、運用開始時期につきましては、今春の医療DXの工程表の中には一定程度記載されるのではないかと考えておりますので、この取りまとめ案が出る少し後にはなると思いますが、そういったものを含めてお示しできるのではないかと思っていますので、その旨の記載をさせていただきたいと思います。
 以上、個別ではなくてざっと回答させていただきましたが、いただいた案につきましては、そのような形で反映をさせていただきます。
 また、今回、ちょっと時間が押している中で、やはりこれだけはという御意見がございましたら事務局のほうにお寄せをいただきまして、私どものほうでその御意見を確認させていただき、必要に応じて反映をさせていただきたいと思っております。
 事務局からは以上でございます。
○中島主査 ありがとうございます。
 ただいま大変活発な御意見、それから、御回答をいただきました。事務局において必要な修正をお願いします。最終的な取りまとめ案については、主査である私に一任いただきたいと思いますがよろしいでしょうか。それでは、そのようにさせていただきます。引き続きこれは議論が必要なことでありますので、またどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、全体を通じて何か御意見があれば、今という方はおられますか。よろしいですか。もし何かあれば、先ほど事務局が言われたように、事務局に御連絡をお願いいたします。
 それでは、今日の議題は終了となります。本日はこれまでとさせていただきたいと思います。
 事務局から何か連絡ありますでしょうか。
○髙田専門官 本日も活発な御議論をいただきましてありがとうございました。議事録や取りまとめ内容につきましては、可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいります。委員の皆様におかれましても御多忙中とは存じますが、御協力いただきますようお願い申し上げます。
 事務局からは以上です。
○田中参事官 最後に一言、7回にわたって活発に御議論をいただきましてありがとうございました。いろいろと状況が変わる中で、先生方に御指導をいただきながら、一定の取りまとめを行うことができたということで感謝を申し上げます。引き続きよろしくお願いいたします。
○中島主査 それでは、今日はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。