第2回柔道整復療養費のオンライン請求導入等に関するワーキング・グループ議事要旨(2023年3月9日)

日時

令和5年3月9日(木)18:00~20:00

会議形式

オンライン開催

議題

  1. 柔道整復療養費のオンライン請求導入等に関する課題整理等について

議事要旨

議事内容

事務局より、柔道整復療養費のオンライン請求導入等に関するワーキング・グループの課題整理等について、説明が行われた後、構成員による意見交換が行われた。主な意見等は以下の通り。

■基本方針について
○健康保険法87条に基づき支給決定権は保険者、請求権者は被保険者とされておりますので、これを大前提とした業務フローとしていただきたい
○医療DXに療養費の情報を取り込むことが国民へのメリットにつながるので、オンライン請求の導入の目的、効果として進めていただきたい
○簡単でシンプルな仕組みと、医療DXに使える拡張性のあるシステムは対立軸にあり、スケジュールに照らし合わせた判断や、最低限やらないといけないところを段階的に構築してから、医療DX等のシステムでどう活用するかというところを考えていければいいのではないか
○オンライン請求の目的を達成するための仕組みをつくっていくわけなので、全員参加でそれを円滑に動かしていく方向で検討を進めていただきたい

■基本的事務フローについて
○保険者の権能や審査支払機関への業務の委託範囲について整理をした上で構築する必要があるのではないか
○審査支払機関の事務効率化事業に支障が生じるような事務フローは構築するべきではない
○審査支払機関である支払基金が審査を行うためには、健保法87条に基づく療養費の支給決定権が保険者にあることとの関係整理が必要ではないか
○審査委員会の支払基金への新設は、現状の支払基金改革の下では極めて困難ではないか
○オンライン請求の導入に向けた検討において、効率化という部分にブロックチェーンという考え方を導入してはどうか
○費用を抑える一つの方法として個人請求団体の活用があるのではないか

■審査のあり方について
○審査委員会の確認結果を保険者等が決定の参考とする仕組みとするべきではないか
○療養の給付においては、コンピューターチェックで済ますレセプト審査に移行していることなどから、審査支払機関による療養費の審査においても同様の取り扱いを行うことを検討してはどうか
○審査委員会でやっていたノウハウをコンピューターチェックにどうやって入れていくのかというのが非常に重要
○47都道府県の各審査支払機関に94の柔整審査会を置く必要について疑義があり、業務効率化のため取扱いを検討することも必要ではないか
○シンプルなデータであればあるほど、その不正を検証するのは難しい気がしており、コンピューターチェックをどこまでやるかというのは目的に照らしてやらなければいけない

■過誤調整の取扱いについて
○過誤調整を行うとするならば、制度の見直しが必要になるのではないか
○過誤調整については、法的な解釈までいくのか、違う考え方が可能なのか、なるべく積極的なアプローチの仕方を考えるべきではないか
○療養費支給申請書の減額査定を行う場合、どのような合意形成があれば過誤調整が可能となるのか、合意方法も含め検討が必要ではないか
○過誤調整ができなかった場合の取扱いについての整理も必要ではないか、過誤調整によらない不支給、一部不支給の取扱いについて、幅広の検討が必要ではないか
○過誤調整を行う場合の不服申立ての在り方について整理が必要ではないか
○受領委任制度における資格過誤については振替分割の導入を検討していただきたい

■署名・代理署名の取扱いについて
○審査支払機関の業務範囲をどこまで設けるかということにより、誰に、どこの段階で何に対する委任を行い、証明を求めるかということを、まずは整理し、その上で、導入費用を踏まえた署名・代理署名に係るシステム構築の検討を行うべき
○マイナンバーカードの認証については、不正防止とか水増し請求等を防止するといったときに、請求者と支払い側のデータを整合するということに関してもやっていけるのではないかと考えており、このシステムの目的達成のために重要ではないか

■紙請求等の取扱いについて
○柔道整復療養費について審査支払機関へ電子媒体請求する選択というのはあり得ない
○経過措置を設ける場合には一定以上の請求数が確保されるまでは、国保連で受付、請求、支払い等の事務を集約化すること、経過期間中の紙請求等の取扱いについては、保険者が紙処理とオンライン処理を対応することが困難なため、紙請求等のデータ化や形式審査、支払いについても国保連で行うことについて検討いただきたい
○受領委任払いでの紙媒体での請求は認めないこととし、紙媒体で請求を行う施術所は償還払いで対応することについて検討いただきたい
○経過期間があったとしても、最終的には早期に一元化する方向性を示したほうがいい

■オンライン請求システムの構築について
○システムそのもののつくり方に非常に複雑なものをつくるべきではないのではないか、新たに必要な部分だけを整理すると、もっと簡単な仕組みがつくれるのではないか
○療養費は医科に比べてシンプルな内容なので、システムとしてもなるべくシンプルなものの方が業務負担や運営コストの負担も少なくて済む。現場に大きな混乱が起こらない範囲でそれに対応する現実のシステムはなるべくシンプルな方がよいのではないか
○システム構築について、設計当初よりオンライン資格確認システム、振替分割、NDB登録、マイナポータル連携などを見越してシステム開発をしていただくようにお願いしたい
○今後、審査支払機関システムと統合していくことが考えられるのであれば、審査支払機関システムのコードと重複しないようにするか、移行しやすいコード体系を作る必要があり、このシステムだけのコードの標準化では済まないのではないか

■電子請求様式等について
○医療DXにおいてビッグデータの活用が不可欠であることから、NDBに活用できるようなコード体系を検討していただきたい

■施術所管理について
○施術管理者番号による管理の課題点を整理し、施術管理者番号、施術所単位、それぞれの管理を基本とした場合、可能となる業務等について精査していただきたい
○施術所管理登録番号と併せて療養費の振込口座を登録することの検討も必要ではないか
○療養費の振込口座は国のマイナンバーカードやマイナポータルへの推進の観点から、公金口座とすることについても検討していただきたい
○復委任の在り方についても当該施術所管理と併せて検討していただきたい
○施術所番号だけであれば施術管理者の変更状況等について管理できないことも考えられるので、施術所番号と施術管理者番号の両方で管理していくことが望ましい

■電子申請書(請求書)管理について
○国保連のレセプト原本一元管理において添付依頼や返戻が速やかに行えることを踏まえ、被用者保険においても同様の整備について検討していただきたい
○原本一元管理を整備する場合は、開発費用や初期ランニング費用について、国の負担による構築を検討していただきたい

■予算及び維持経費等の見込みについて
○施術所及び保険者等実態調査については、患者照会に係る経費、紙申請をデータ化する事務経費、紙申請の破棄経費、廃棄経費なども調査項目としていただきたい
○審査費用やそれに係る事務経費を請求する側が負担するのは不可解であり、審査費用について請求側が負担するのはちょっと違うのではないか
○ランニングコストの費用負担について、審査・支払いの受益者は保険者及び国と考えており、療養費の申請に係る費用は医科の取扱いと同様に施術者の負担は考えられず、施術者負担に対しては反対である
○保険者側が必ずしも全てを負担しなければならないという考えは特に療養費に対して持っておらず、施術者側の協力体制というのが大変重要になってくると考えている

■オンライン請求システム開発スケジュール等について
○12項目の検討課題の項目例について、これをどの順番で、どのようなタイミングで、どこまでのスケジュールを組んで検討していくのか。

■今後の進め方
○細かい部分が話し合えないまま、十分に練られない状況のまま親委員会(専門委員会)に上げるべきではなく、少し丁寧にいろいろな検討を進めるべきではないか
○関係者ヒアリングについては、事務局を中心として丁寧に実施していただきたい