2023年3月14日第11回「障害児通所支援に関する検討会」議事録

日時

令和5年3月14日(火)14:00~16:00

場所

オンラインによる開催

出席者

構成員

議題

  1. (1)報告書(案)について
  2. (2)その他

議事

議事内容
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 それでは、定刻となりましたので、これより第11回「障害児通所支援に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 本会議は資料・議事ともに原則公開としており、議事録については、後日、厚生労働省のホームページに掲載予定となっております。
 また、本会議は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は御遠慮いただき、代わりに会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。
 構成員の皆様におかれましては、御発言する場合には、Zoomの「手を挙げる」機能を御使用いただきますようお願いいたします。発言者はこちらから指名させていただきますので、指名に基づき、Zoomのミュート機能を外して御発言いただき、御発言が終わりましたら、再度ミュートにしていただきますようお願いいたします。
 本日の構成員の出席状況でございますが、小川構成員が御都合により御欠席、代わりに金丸様に御出席いただいております。また、井上構成員が御都合により御欠席との御連絡を頂いております。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 配付資料のとおり、議事次第、開催要綱のほか、資料1、資料2、資料3となっております。不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。
 それでは、冒頭の撮影はここまでとさせていただきますので、御退席いただきますようお願いいたします。
 それでは、以降の議事進行につきましては、田村座長にお願いしたいと思います。田村座長、よろしくお願いいたします。
○田村座長 いよいよ最終回になりました。議事次第の2.議事の「(1)報告書(案)について」となります。最終回ということで、もう出し切っていただければと思いますし、ここで最終的なまとめをしていきたいと思っています。
 まずは、事務局より、この間、修文もしていただき、最終的な提案の案を説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○鈴木障害児支援専門官 事務局でございます。本日もよろしくお願いいたします。
 では、資料2の「報告書(案)見え消し版」で、主な修正のところを御説明させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず、表紙でございますけれども、副題を入れさせていただきました。案をお送りいただいた先生方、本当にありがとうございます。副題は「すべてのこどもがともに育つ地域づくりに向けて(仮称)」とさせていただいていますので、この部分に関しましても御意見を頂ければと思います。
 では、おめくりいただきまして、1ページ目から御説明させていただきます。
 1ページ目、上から2つ目の「はじめに」の部分ですけれども、環境が都市部を中心に大きく改善したと考えられるということで「都市部を中心に」という言葉を入れております。
 2ページ目の「2.基本的な考え方」の部分ですけれども、ここは大きく変更させていただいております。もう少し詳しく書き込むべきではないかという御意見がありましたので、しっかり書かせていただきました。
 1つ目の○で、全ての関係者は、平成26年と令和3年の検討会を踏まえて、引き続き重視した上で、さらに現在の障害児通所支援を取り巻く課題や関連するほかの施策の動向等を踏まえ、以下の基本的な考え方をもって進めていくとしています。
 「(1)障害のあるこども障害のあるこども本人の最善の利益の保障」ということで、まず1つ目の○で、児童の権利に関する条約で「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」が基本的な柱として規定されていることを書きまして、これまでも委員の先生方から意見が多かった「こどもの意見を表明する機会」を、12条で規定されている「こどもの意見を表明する機会が確保され、周囲の関係者が意見を聴き、適切に考慮・反映される必要がある」ということを特出しで書かせていただいています。
 次の○で「加えて」で、そのほか重視すべき権利としまして、6条2項の子供の最大限の発達保障、23条の障害を有する児童に対する特別な養護及び援助の在り方、31条の子供の個々に適した余暇や遊びなどを保障する権利、また、障害者の権利に関する条約第7条の障害のある児童の福祉に関する基本的視点が提示されているとしています。
 いずれにしましても、ほかの子供との平等を基礎として、障害のある子供を含め、全ての子供の発達、人権及び基本的自由の保障がうたわれていると。「障害児通所支援を進めるにあたっては、まず、これらの視点を最優先すべきである」と書かせていただいております。
 次の○で、こどもの権利条約を受けまして、児童福祉法1条と2条の文章を書かせていただきまして、最後の○で、令和5年4月に施行されるこども基本法について記載させていただいています。
 次の3ページ目をおめくりください。
 (2)は「こどもと家族のウェルビーイングの向上」とさせていただいています。
 1つ目の○で、真ん中の文章で「大切にされ」を「尊重され」に修正しています。続いて「こどもの意見表明と自己決定を年齢や発達段階に応じて尊重し自己実現が保障され」として、また「自分らしさが発揮されるようサポートしていくことが重要である」と記載させていただいています。
 次の○で、家族支援の文脈についてですけれども、前回の在り方の検討会の記載を少しリバイスさせていただきました。
 次の○で「こども自身や保護者自身が内在的に持つ力を発揮できるよう、エンパワメントの視点を持ち支援をすることが重要であり」とさせていただいています。
 次の○の記載はそれぞれに埋め込んでおりますので、ここは削除させていただいております。
 (3)は「地域社会への参加・包容(インクルージョン)の推進」ということにしています。
 1つ目の○で「年少期より」は削除させていただいております。
 4ページ目の1つ目の○の「このため」で、インクルージョンの推進について、基本的な考え方の箇所がありましたので、そちらをこちらに入れさせていただいています。「このため、障害児通所支援に携わる全ての事業所には、障害児支援だけでなく、こども施策全体の中での連続性を意識し、こどもの育ちと個別のニーズを共に保障した上で、インクルージョン推進の観点を常に念頭におきながら、こどもや家族の支援にあたっていくことが求められる」とさせていただいています。
 ちょっと戻りまして、3ページの注釈ですが、ウェルビーイングの記載でございますけれども、前回、習慣的なウェルビーイングが大事ではないかという御意見がございましたので、委員よりそういう御意見があったということで、注釈のほうに追記させていただいておりますので、よろしくお願いします。
 「3.児童発達支援センターを中心とした地域の障害児通所支援の体制整備について」になりますけれども、1つ目の○で「日本の」は削除させていただいております。
 一番下の○ですけれども、センターが全てのこどもたちを受け入れて担うのかという御意見に対しまして修文させていただきまして「様々なこどもや家族を支えていくためには、児童発達支援センターで全てを対応する のではなく」、それぞれの関係機関や、あとは特定の分野に強みを持つ事業所ということで、例えば、難聴の支援に特化して割と強みを持っている事業所等もありますので、そのことを踏まえて記載させていただいております。
 おめくりください。5ページ目でございます。
 5ページ目の一番上の○で、家族支援の文脈ですけれども、アセスメントの中に「家族関係や 家庭と地域のコミュニティや社会資源とのつながりを含めた」という言葉を添えております。また、心理面への支援の前として、具体的に「心理カウンセリングやペアレントトレーニングなど」を追記させていただいております。
 丸2の2つ目の○の巡回支援専門員整備事業のところに注釈をつけさせていただいております。注釈ですけれども、令和5年度予算案で、これまで児童発達支援センターの機能強化事業というものと、あとは、こちらの巡回支援専門員整備事業を統合しまして、地域障害児支援体制強化事業として予算案として上げておりますので、地域において児童発達支援センターの機能の強化と巡回支援等を行う事業ということで注釈をつけさせていただいております。
 6ページ目ですけれども、削除されている部分は体制整備のところに移動させていただいております。
 7ページ目ですけれども、2つ目の○で、やはりインクルージョンは概念だけではなくて、具体的に進めていくべきではないか。もうそういう時期に来ているのではないかということで追記させていただいております。「さらに、今後インクルージョンをより一層推進していく上では、保育所等の一般施策側の支援力の向上を図っていく必要があるが、そのためには、児童発達支援センターによる一般施策や地域の様々な活動への後方支援の取組を強化する等、児童発達支援センターをインクルージョン推進の観点から高機能化し、地域のインクルージョン推進の拠点となるよう進めていくことが重要である」と追記させていただいております。
 「丸4地域の発達支援に関する入口としての相談機能」の2つ目の○で、ペアレントメンターだけではなくて「ピアサポーター」を追記しています。
 下へ下がって、次の次の○で「親子教室」の場所を母子保健施策と子育て支援施策の間に入れさせていただいております。
 そのままずっと下に下がりまして「サポートプランと障害児支援利用計画との連携のあり方等」と言葉を修文しております。
 8ページ目でございます。「(3)児童発達支援センターを中核とした地域の体制整備について」のところですけれども、上から2つ目の○で「看護師等の看護職員」という言葉と、配置の仕方に専従と兼務という形で比較するように追記しております。
 2つ下がりまして、自立支援協議会の構成員の中に社会的養護のことも含めるということで「社会的養護」を追記しております。
 9ページ目をおめくりください。
 一番上の○ですけれども、こちらは社会的養護の関係機関ということで「児童家庭支援センター」を追記しています。
 その下で、妊娠期からの支援が重要だということで「その際には、母子保健における妊娠期へのサポート体制に、児童発達支援センターが参画していくことも重要である」とさせていただいております。
 そのまま下がっていただいて、2つ下がって、ここに追記させていただいているのが、前のページから移動させていただきました「地域の障害児支援の中核的役割を担う機関として、児童発達支援センター自身が、積極的に専門機関や専門家等からの助言等を受けることや、職員を外部研修等に参加させることで専門性の向上を図ること、積極的に外部からの評価を受けて質の向上を図っていくことも重要である」ということで、センター自身が積極的に研さんしていくということをここに入れさせていただいております。
 センターはここでおしまいで、10ページ目です。「4.児童発達支援・放課後等デイサービスについて」の「(1)児童発達支援について」です。
 上から3つ目で、ここに「見守り」の言葉を追記させていただいております。見守りは後ろのほうに書いていたのですけれども、委員の先生方から、発達支援を提供していく上で土台となるべきだということで「見守りという行為は、児童の安心・安全を保障するという観点から、質の高い支援を提供する土台ともなるものである」とさせていただいております。
 次の○で、多職種でチームアプローチをする際ですけれども「互いに助言し合いながら」ということで、一方通行ではないように追記させていただいております。
 次のページをおめくりください。11ページ目の一番上の○ですが、行動障害のお子さんに関する文脈でございますけれども、ここは委員の先生方からたくさん御意見を頂きましたので、それをまとめさせていただきました。将来の社会参加を促進する観点から、行動上の課題やその行動の意味などにも着目してアセスメントを行って、こどもが安心して過ごせるための環境調整と、自発的なコミュニケーションスキルや遊びのスキルなどを身につけるための支援も重要という文脈にさせていただいております。
 下へ下がっていただいて「困り感」は「ニーズ」に変更させていただいています。
 次の【見守り、ピアノや絵画のみの指導】のところは「見守り」を移動させましたので【ピアノや絵画のみの指導】という形の題目にさせていただいております。
 一番最後の文章ですけれども、インクルージョンの推進のところで、やはりもっと具体的にということで「障害児支援による後方支援を進め」という言葉をつけさせていただいております。
 12ページ目ですけれども、保護者の就労への対応については、いろいろ御意見がございましたので、1つ目出しをさせていただいて【保護者の就労への対応】ということでここでまとめさせていただいております。
 次に、放課後等デイサービスのページに移ります。13ページ目を御覧ください。
 見守りの部分は、児発と同じところに入れさせていただいております。
 下へ下がって、行動障害の文脈のところでございますが、やはり学童期・思春期はより顕在化しやすいのではないかということで「学童期・思春期になると行動上の課題がより顕在化しやすくなるため」、続けて下から2行目の文章ですけれども、やはりより重要ではないかということで「より重要であり」とつけさせていただいております。
 14ページ目ですけれども、思春期の「メンタル面の課題」を「メンタルヘルスの課題」に修正しています。
 その下は「困り感」を「ニーズ」にさせていただいています。
 あとは、児発と同じような構成に変更させていただいております。
 16ページ目ですけれども、学校へ進学できず、日中の通いの場がなくなっている発達支援を必要とする障害児について「日中の活動の場として」という言葉を加えさせていただいております。
 続きまして「5.インクルージョンの推進について」に入っていきます。
 17ページ目の上から5つ目ですけれども、放課後等デイサービスと放課後児童クラブの交流を通してユニバーサルな環境づくりを促進していくということで、言葉を添えさせていただいています。
 18ページ目は、前のほうにありましたインクルージョンをより推進するという再掲で入れさせていただいております。
 19ページ目を御覧ください。一番上の保育所等訪問支援事業のところですけれども、「その際には、保育所等の相手先の事情により、支援内容が左右されることにも留意し」という言葉を追記させていただいております。
 それでは「6.障害児通所支援の給付決定等について」の文章ですけれども、21ページ目を御覧ください。
 一番上の○は、全体の調整の中でこの文章を削除させていただいております。
 一番下の(4)で、支援全体のコーディネートと障害児相談支援が非常に重要ではないかという御意見が多かったので、目出しさせていただきまして「障害児相談支援の推進」という言葉をタイトルに入れさせていただきました。
 そのまま下がっていただいて、特にコーディネートが必要な場合は、一月当たりの利用必要日数が多い場合だけではないのではないかということで、医療的ケア児など、ケアニーズが高くて多機関連携で支援に当たる必要がある場合は、必要ではないかということで、この文章を追記させていただいています。
 そのまま22ページ目へ行きます。
 障害児相談については「気付きの段階からこどもや家族に対する相談支援を行うとともに、支援を行うにあたって関係機関をつなぐ中心となる重要な役割を担っており」ということで、障害児相談支援の重要性を追記させていただいて、実際に「障害児福祉計画で道筋を定めながら、計画的な整備と人材育成を進めていくことが必要である」としています。
 その下で、さらに、障害児相談支援の資源が十分ではない状況ではありますけれども、障害児相談支援の推進と併せて、障害児相談支援の整備が途上にある地域においては、やはり適切にコーディネートがされるべきではないかという文章にさせていただいています。
 「7.障害児通所支援の質の向上について」に移りたいと思います。
 一番下でございますけれども、ここは再掲の部分で、センターがもっと研さんするべきではないかということで再掲させていただいています。
 23ページ目の自己評価・保護者評価のところでございますけれども、それを活用しながら「より良い支援に向けた事業所の気付きや事業所間の切磋琢磨につながるような」ということを記載させていただいております。
 一番下の○ですけれども、研修の内容で「虐待予防」を入れさせていただいています。
 24ページ目ですけれども、上から2つ目に「難聴児等」という言葉をつけ加えさせていただいています。
 次の○で、スーパーバイズ・コンサルテーションの研修もやはり重要ではないかということで「さらに、地域の障害児通所支援の質の確保・向上や、障害児支援から一般施策への後方支援の強化によるインクルージョンの推進の観点から、スーパーバイズ・コンサルテーションを行う人材育成のための研修の実施を進めていくことも重要である」とさせていただいています。
 次の○で、アセスメントや個別支援計画のフォーマット化につきましては「現場で使用しやすいという観点も踏まえながら」とつけ加えさせていただいています。
 最後の「8.おわりに」ですけれども、25ページの下から2つ目の○で「児から者になる際に」ではなくて「ライフステージで」という言葉に修正させていただいております。
 修文に関しましては以上になりますので、御議論いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○田村座長 ありがとうございました。
 それでは、ここからは、構成員の皆様より今頂いた報告書(案)に対する御意見を伺っていきたいと思います。
 これまで2回にわたり皆様より大変多くの御意見を頂いてきましたので、そろそろ報告書を着地させていきたい、確定させていきたいと思っております。
 本日は資料3の「報告書(案)概要版」を含めて、あるいはサブテーマのところも含めて、全体を通して御意見を頂きたいと思っております。最終回となりますので、修文の御意見がある場合には、具体的な修文の案を頂ければと思っております。御発言いただく際には、お一人2分程度でまとめていただければと思います。
 それでは、御意見がございましたら御発言をお願いいたします。よろしくお願いします。
 加藤構成員、どうぞ。
○加藤構成員 一般社団法人全国児童発達支援協議会の加藤です。
 第11回の検討会でこうした形で我々の今までの議論を本当に簡潔に、根本的にまとめていただいて本当によかったと思いますし、また、何よりも、こうしたこどもを対象にした検討会というのはそんなに歴史があるわけではありません。比較的最近の話なのですが、このところ、ショートタームに重ねてこられた議論が本当に建設的に積み上がって、こうした形にまとめられたことに対しては、関係者としてとてもうれしく、また、この検討会に対する評価をしっかりしていきたいと思うところです。
 全体的な見解についてはまた後でということで、取りあえず細かいところの確認といいますか、レトリック的なところなのですが、私は溶け込みで校正してしまったので、すみませんが、溶け込みでページを申し上げますので、よろしくお願いします。
 3ページの(3)で「地域社会への参加・包容(インクルージョン)の推進」と表記されています。これは今回のこの報告書の中もそうですし、今までの資料の中でもそうだったと思うのですが、インクルージョンは「参加・包容」という表現をしたことはなかったと思うのですが、これが「包摂」ではなくて「包容」となったのは意識的なことなのかというのを確認させていただきたいと思います。
 それから、次が溶け込みの資料の7ページの「(3)児童発達支援センターを中核とした地域の体制整備について」の最初の○の2行目のところです。「4つの中核機能全てを」ということで、これは我々関係者としてはよく熟知するところなのですけれども、4つの中核機能というのはセンターにとって非常に大きな、基本的な機能ですので、やはりここは「4つの」という表現だけではなくて、括弧でこの4つをちゃんと列記していただきたいと思います。
 それから、8ページの最初の○の上から2行目から3行目にかけての表現ですけれども、「専門職の役割が重要であり、保育士、児童指導員のほかに」という表現は、彼らを最初に持ってきたところはとてもいいと思います。
 その後の文章の「作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、公認心理師等、社会福祉士等のソーシャルワーカー」、ここが分かりにくいのですが「公認心理師等、社会福祉士等のソーシャルワーカー」というのですけれども、言おうとすることは何となく分かりますが、これも表現が少し冗長というか、分かりにくい気がします。ここもレトリックス上の問題かもしれませんが、修正が必要かなと思いました。
 それから、11ページの【ピアノや絵画のみの指導】の○の2つ目ですが、これも2行目です。「ピアノや絵画等」とここだけに「等」がつくのですけれども、これも何か特別な意味があるのかどうか。それまではずっと「ピアノや絵画の」ということで「等」なんてついていないのですが、ここだけ「等」が突然に入ってくるのですけれども、これは何か意味があるのかということです。
 それから、14ページですが、これも文脈の中で入っているのかもしれないのですけれども、見出しの【学習支援、ピアノや絵画のみの指導】というところ、ここに突然に「学習支援」という言葉が出てくるのですが、これも何か意味があるのかどうか。すみません。まとめ上の表現の問題で、少し気になったところを確認させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○田村座長 ありがとうございます。
 お願いします。
○鈴木障害児支援専門官 事務局でございます。確認の点をお答えさせていただきます。
 「包容」のところですけれども、失礼しました。こちらは「包摂」に修正させていただきたいと思います。
 あと「等」の部分も、こちらの「等」はこちらの記載ミスですので「等」の部分は削除をさせていただきたいと思います。
 学習支援の文脈ですが、ここは学童期になりますので、乳幼児期に関しては「学習支援」という言葉はあまりなじまないかなと思いますけれども、学童期になると、やはり具体的に学習支援をやられている利用者さんも多いということで「学習支援」という言葉をあえてつけさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。
○加藤構成員 ありがとうございました。了解しました。
○田村座長 では、次に、中川構成員、お願いします。
○中川構成員 全国介護事業者連盟の中川です。よろしくお願いいたします。
 今回も非常に膨大な量の加筆・修正をいただきまして、ありがとうございます。
 私のほうからは、これまで発言させていただいた部分と重複する部分もありますが、4点発言させていただきます。
 まず1つ目は、資料1の溶け込み版のほうですが、11ページの一番下の○の3行目の「支援時間に差異があることから、支援に対する人員の配置の状況や支援の内容等にも留意しつつ」というところになりますが、「支援に対する人員の配置」という文言の前に、この部分の趣旨を明確化するため「個別支援など」という文言を追加いただけたらなと思っております。
 報告書では具体的な記載は避ける方向と理解はしていますが、他の部分でも例示という形の記載はありますし、また、個別支援については、これまで他の構成員の方からもその重要性が指摘されていたことから「個別支援」の文言を追加することに特段の問題はないように思うものですから、追記いただけたらと思います。
 資料1の14ページ、資料2の14ページの放デイに関しても、支援時間の長短の部分についても、同様の追加をお願いできればと思います。
 続きまして、18ページの上から2つ目の○の3行目の「障害児支援の経験年数を訪問支援員の専門性を評価する目安とすることも含めて」というところになりますが、ここに関しまして、訪問支援員の専門性に関して「障害児支援の経験年数」という文言の後ろに「専門的資格など」という文言を追加していただけたらと思っております。その追加が難しい場合は、経験年数という1つの条件に限定されないという趣旨を明らかにするため、次の行の「専門性を評価する目安」という文言を「専門性を評価する目安の一つ」に修正して文言を追加いただけたらなと思っております。
 続いて、3つ目です。18ページ、下から3つ目の○の3行目の「時間の長短も含め、支援内容を踏まえた評価を行うことを検討する必要がある。その際には、保育所等の相手先の事情により、支援内容が左右されることにも留意し」というところになりますが、ここの部分に関して「時間の長短を含め」というところですが、前回の会議でほかの構成員の方から時間の下限を設定するという御意見があったかと思います。
 時間について、次の行に記載していただいたように、相手方の事情に留意するのであれば、結論は時間の長短ではなく下限の設定とすべきではないかと考えますので「時間の長短を含め」という部分を「時間の下限の設定を含め」という文言に修正いただけたらと思っております。
 もしその修正が難しいということであれば、下限の設定という意見があったのは事実なので、両論併記をしていただきたいと思っております。具体的には「時間の長短を含め」のすぐ後に、括弧書きで「(時間の長短でなく、下限の設定とすべきとの意見もあった)」というようなものを追記いただけたらと思います。
 最後に、こちらも同じく18ページになります。上から2つ目、3つ目、4つ目に「保育所や放課後児童クラブ」とありますが、ここに関して「保育所」の前に「学校」というところも追記いただけたらと思います。現状、小学校や中学校を訪問している事業所も多くありますし、そういったことを意識した記載も必要ではないかと考えます。
 以上になります。よろしくお願いいたします。
○田村座長 ありがとうございます。
 「専門的資格など」という表現だったり、「下限の設定」という形に変えたほうがいいのではないかという御意見だったかと思います。あとは特にそのまま御意見として伺っておけばいいですかね。
 では、続いて、又村構成員、お願いします。
○又村構成員 全国手をつなぐ育成会連合会の又村でございます。
 報告書のおまとめ、本当にありがとうございます。内容として非常に取りまとまったものになったと感じております。ありがとうございました。
 私のほうからは、修正の御提案が1点、それから、いわゆる座長一任ということなのですが、こういうことが気になりましたということが1点、それから、本来は前回確認すべきだったのですが、今回の修正部分ではないので大変申し訳ないのですが、どうしても1点確認しておきたいことがあるので、確認が1点、計3点でございます。
 私は見え消し版のほうで拝見していたので、見え消し版のページで恐縮です。
 11ページになります。一番下の追記いただいた部分で、私が御意見を申し上げたところも含めての修正と思います。本当にありがとうございます。
 表記として「障害児支援による後方支援」と書いてあるのですが、障害児支援というのは一般名詞でございますから、どこがということになった場合には、障害児支援事業所といったような具体的な表記が必要です。今回に関しては「障害児通所支援に関する検討会」ですので、そこにフォーカスするのであれば「障害児通所支援事業所等による後方支援」といった表記ですね。表記の仕方はお任せしますが「障害児支援による後方支援」というのは何が主体なのかが見えにくいので、そこはぜひ修文をお願いいたします。これが1点でございます。
 それから、これは最後に田村座長様と事務局の方とのお話し合いで決めていただければと思うのですが、改めて見返してみると、主語が明確に書いてある文章と、主語が見てとりにくい文章が混在していました。中には、表現を見れば、これは国がやるのだなとか、市町村がやるのだなというのが読み取れる部分もあるのですが、そこが少し整理できればなと。
 これはあくまで一例なのですが、見え消し版の12ページの(2)の放デイのすぐ上でインクルージョンの推進ということが書いてあるのですが、これはもう読み上げませんけれども、最後に「インクルージョン推進の取組をより一層推進する必要がある」とは書いてあるのですが、誰がというのが見えないのです。誰がというのはみんななのですよという意味なのかもしれません。ということであれば、もしかすると、全体の注釈の中に、特に主語がないものは関係者が全て取り組むべきものなのだとか、あるいは出てくるワードで明確にどこが主体だと分かるものについては、特に主語は入れていないとかいうのを入れておいたほうが、誰がというところが見えにくくなってしまうのを避けられるかなと思いました。これが2点目です。これは最後に事務局と座長様との御相談でと思いました。
 すみません。3点目は前回確認すべきだった部分なのですが、いわゆる総合支援型と特プロ型の話なのです。10ページの児発の部分では「特定の領域に対する重点的な支援については」という表記になっているのです。それ以外の言葉は特に載っていないのです。
 一方、13ページの放デイのほうでは「総合的な支援の提供を行いつつ、その上でこどもの状態に合わせた特定の領域に対する専門的な支援を重点的に行う場合については」という表記になっているのです。実はここは児発と放デイで表記が変わっているのです。
 ということでいうと、素直に読めば、児発は特プロ的な考え方があるけれども、放デイは特プロ的なものがないのかなとも読めてしまって、細かいところはこの先の報酬検討の中で議論されるのは承知していますので、ここの部分の書き分けが、方向感を出すために少し整理をして書いていただいたのかというところの確認が取れればと思います。
 以上でございます。
○田村座長 ありがとうございました。
 特に最後のところは、同じように書いてあるが、書いてある内容が同じなのか、何か意図があって違うのかというところだと思うのですが。
 お願いします。
○鈴木障害児支援専門官 事務局でございます。御質問ありがとうございます。
 児発のほうですけれども、10ページの下から2つ目の○の文章の中で、こちらにも「総合的な支援の提供を行いつつ、その上でこどもの状態に合わせた特定の領域に対する専門的な支援を重点的に行うという支援の在り方が考えられる」と記載しておりますので、基本的には考え方は同じかなと私どもは考えております。
○又村構成員 ありがとうございました。そこの確認でしたので、今の御説明で十分でございます。ありがとうございました。
○田村座長 ありがとうございます。
 主語の件については、また相談をしてきちんとしたいと思います。
 では、続いて、金丸構成員、お願いします。
○金丸代理(小川構成員) 日本相談支援専門員協会の金丸と申します。今日は小川構成員の代理で参加させていただきます。小川構成員と話し合った上での意見になります。
 私といたしましては、相談支援専門員協会ですから、主に「3.児童発達支援センターを中心とした地域の障害児通所支援の体制整備について」のところで、確認を中心に4点発言いたします。
 まず「3.児童発達支援センターを中心とした地域の障害児通所支援の体制整備について」の(2)の丸2と丸3に、丸2のほうは2番目の○で「各市町村においては、巡回支援専門員整備事業」云々という文章と、あと、丸3の3つ目の○に「各市町村においては、巡回支援専門員整備事業」云々という同じ文章が入っているのですが、意図されたものだとは思うのですが、文章の内容を見ますと、丸2に書いてあるだけで意図は十分伝わるのではないかなと思いました。両方に再掲という形で入れているところを1点確認したいです。
 2番目は「丸4地域の発達支援に関する入口としての相談機能」のところなのですが、2つ目の○で「家族支援の観点から、ピアサポーターやペアレントメンター等も活用しながら」とあるのですけれども、実際の現場の中では、親の会等と連携し、ピアサポーターやペアレントメンター等も活用しながらということで「親の会等と連携し」というのを入れたほうが、実際には親の会さんと多く連携しながら活用しておりますので、ほんのちょっとした言葉なのですが、入れてはどうかと思いました。
 同じく丸4の最後の○のところなのですけれども、ここはやはり相談支援専門員協会としてどうしても引っかかるところでして、基幹相談支援センター自体の役割は、やはり児童期の相談支援体制も地域においてしっかりと頑張っていただくというのが制度上目指していく方向になっていきますので「各市町村は、児童発達支援センターの相談支援について、基幹相談支援センターとの連携を重視し」、以下「地域における、基幹相談支援センター、委託相談支援事業、障害児相談支援事業」と続けてはどうかなと思っているところです。委託相談支援とか、障害児相談支援と基幹相談支援センターが並んでいるところにちょっと引っかかってしまったものですから、そこを確認したいなと思います。
 4点目、最後です。「(3)児童発達支援センターを中核とした地域の体制整備について」のところなのですが、細かいのですけれども、3番目の○の「改正児童福祉法が施行される」云々という文章は、結局、児童発達支援センターが未整備の場合とか、中核拠点型でない場合、体制整備をすることが必要であるということを書いてあるのですが、次の○のところに、その体制整備についてうまく書かれてあるのです。ですから、3番目と4番目は逆でいいのではないか。順番を逆にしたほうが、読んでいっても、体制整備について説明した上で、未整備の場合は云々という3番目が来たほうがいいのではないかなと感じたところです。
 以上です。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、次は有村構成員、お願いします。
○有村座長代理 これからも議論が続くと思いますので、私は1点だけお話ししたいと思います。
 いろいろ整理していただいて本当にありがたいなと思って拝見しておりました2ページの「2.基本的な考え方」の「(1)障害のあるこども本人の最善の利益の保障」と書いてあるところの○の2つ目です。ここは肝心かなと思ったので、発言させていただきます。児童の権利に関する条約の第2条を入れていただきたいと思います。以降の記載は第2条が書き込まれて機能するところもあるかなと思うので、細かいところなのですが、2条を入れていただきたいという点です。
 以上です。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、続いて、北川構成員、お願いします。
○北川構成員 ありがとうございます。
 これだけの資料の取りまとめは、事務局、また、たくさんの委員の方々の思いが本当に反映されて、すばらしい報告書になりつつあるなと思います。
 私も前回発言すべきでした。気がつかなくてすみません。
 見え消し版の9ページの一番上の辺りですが、障害児通所支援に関する検討会なので、どうしても障害児通所支援になりがちなのですけれども、田村先生、すみません。文章は思い浮かばないのですが、こども一般施策との連続線上にある支援だということがどこかで必要なのかなというのと、もう一つは、通所だけにすごく特化しているのですけれども、実は社会的養護が必要になった場合に、障害児入所とか、今は家庭養護に国は力を入れているので、里親さんとかファミリーホームとか、そういう社会的養護が必要になったときも、そういう場所で育てることができる。そして、連携が必要だというところを9ページの上に入れていただいたら、通所が力強くなっているので、障害児入所も私たちの仲間として入れていただいたらいいと思いました。
 あと、見え消し版の11ページの一番上の○で、何回も皆さんと話し合ってきたアセスメントとか発達支援のことが書かれています。ここの中では、4回目の検討会で、少しここを膨らませてもいいのではと思いました。
 というのは、発達支援というのは、そのこどもと家族に豊かな生活をもたらすようにということだと思うので、もう少し膨らませて、1つの支援だけではなくて、発達支援というのは、認知も言語も情動も運動も連動した中で発達が成り立っていくので、トータルな医学的なとか心理的なとか、人的環境とか物的環境とか、そういう包括的なアセスメント、トータルのアセスメントが必要だということです。
 あと、これは書かなくてもいいのですけれども、単にそこの部分だけの能力を伸ばすための支援ではなくて、包括的な支援の結果、こどもが今も楽しいし、将来も豊かになれるという、その辺をもう少し書き記してもいいのではと思います。文章ではなくてすみません。
 先ほど中川委員が言った個別ということは非常に大事だと思います。基本、私たちの発達支援というのはスペシャルニーズなので、オーダーメードだと思うのです。だから、個別支援が当然なので、集団の中で個別のアセスメントをして、一人一人に関わって、かつ、その子が集団の中でも楽しいと思えるようにという支援です。もう一つは、その子自身を支援することとともに、例えば、保育園なら保育園、児童発達なら児童発達のこども集団のほうも支えていく中で、やっとその子が集団の中で楽しいなと思えるというところがあるので、個別か集団かというよりは、本当にトータルなアセスメントと、その子に合った支援をどうしていくかというトータルな発達支援という在り方が必要なのではないかなというところです。
 ここまで言ってすみませんが、文章は事務局の方、よろしくお願いします。
○田村座長 ありがとうございました。
 続きまして、米山構成員、お願いします。
○米山構成員 米山です。出席が遅れまして申し訳ございませんでした。
 いろいろ前回よりまた詳しく内容の濃いものになって、今後、まとめが完成できることを祈っております。
 私からは3点ございます。
 1点は、もしかしたら、前回指摘したかもしれませんが、見え消しのほうの10ページと12ページに、見守りの定義という形が書いてあるのですけれども、もう少し何かいい言葉がないかなと。
 私もちょっと文章にならないのですが、1つは「発達支援を提供していく上で、見守りという行為は」とありますが、見守りという行為ということではなくて、例えば「見守り等は児童の安心・安全を保障し」、その次に「居場所を提供し」と。
 こども家庭庁のほかの学童保育とかのところで、今回、居場所支援というのが強調されていますので、当然、放デイも含めて居場所であるので「児童の安心・安全を保障するという観点から居場所を提供し、質の高い発達支援を提供する土台となる」と。見守りとはそれが土台になるという文章で、要は「居場所」という言葉を入れていただくほうが、今後、こども家庭庁に向けて、インクルージョンということでは「居場所」という言葉をここに入れたらどうかなという点が1つ。
 それから、これは難しいところなのですけれども、11ページと14ページにある支援時間の長短の考慮というのは本当に難しい部分だなと思います。私も医療でリハビリテーションのほうを、障害児リハビリとか、そういったところでは、放課後等デイサービス、あるいは児童発達支援を利用される方々が、医療としてのリハビリテーションで障害児リハという形で入っているのですが、ちょっと前にもお話ししたかもしれませんが、1単位20分という形でやはり時間で区切ってやっています。長短というところでは、質ということももちろんあるのですけれども、時間というのも考慮しないといけないという意味だと思いますので、ここは時間の短いもの、長いもの、何かしらその辺の目安という基準が必要ではないかなと思いました。
 それから、最後になるのですが、24ページの「難聴児等」というところで、これは視覚障害の方も入るという意味で「等」とつけているようでしたら、手帳も視覚、聴覚という形であるので、一元化とは言いますけれども「難聴児等」と入れるようでしたら、ここはやはり視覚障害、聴覚障害という形で視覚も入れていただくほうがよろしいかと思いました。
 ちょっと長くなりましたが、以上となります。
○田村座長 ありがとうございました。
 それでは、加藤構成員、お願いします。
○加藤構成員 ありがとうございます。
 私もこういう話はいろいろなところでぱらぱらと申し上げているので、何ページのどこをということではないのですけれども、これからこの検討会の報告書が次のステップにという形で引き継がれていくということを想定しまして、あえて発言として残しておきたいなと思うところで発言をさせていただきます。
 ただ、今、北川構成員から触れられてしまった部分もあるので、どうしようかなという部分もあるのですけれども、そうではないところを少し強調して申し上げておきたいなということです。よろしくお願い申し上げます。
 つい最近ですが、私、インターネットを見ていまして、児童発達支援センターがもうかるぞというようなコマーシャルが出てきてびっくりしたのですけれども、もうそこまで行っているのかという感じで驚いて、考えたのですが、これはまたこの先、児童発達支援センターにいろいろな思惑で、様々な玉石混交のサービスが殺到するみたいな状況があってはいけないと、何とかここを回避したいという思いでぜひ申し上げておきたい。
 つまり、例えば、放デイについても、玉石混交で今になって混乱状態、ダッチロール状態ということがあるわけで、この先また児童発達支援センターにこのようなこと、あるいは放デイも引き続きということでもあるかもしれませんけれども、またそうした状況が起きて混乱があって、こどもとその家族に大変な迷惑や混乱が生じるということを何とか回避するという意味で、今回の検討会の一つの大きな意義があったと思うのです。そこをどうしたらいいか。その辺のモラルハザードを防ぐための手立てを今回のこの報告書の中にどう組み入れるかということが、一つの大きな視点だったと、意味だったと思うのです。
 そういう意味でいきますと、我々はこれまでずっといろいろな形でいろいろな場で議論する中で、ぜひ皆さんとも確認しておきたいのは、当たり前のことで、釈迦に説法で申し訳ないのですけれども、こどもを地域の中で保護者とともに育てるという決意を我々サービス関係者にも、あるいは周囲の大人たちとも共有したい。
 昨日も岸田総理が参議院の本会議で答弁されているようですけれども、いずれにしろ、地域の中でインクルーシブな社会の構築をということは我々の共通の課題であり、テーマであったはずだと思うのです。ですから、そのことを改めて次に申し送っておきたいという思いです。
 さらには、一人一人のこどもたち、様々な育ち上の困難さを抱える、育て上の困難さを抱えるこどもと保護者それぞれの人権をしっかり擁護するのだと。我々が盾になるのだという責任感といいますか、決意、自負といいますか、そういうこともこの検討会で議論されたのだ、話題になったのだということをぜひ申し送りとして残しておきたい。
 それから、もう一つは、地域のこどもと家族の暮らし、生活、育ち、学びというのは、一職種、一個人、一機関では完結しないという、この辺のところをしっかり共有しておきたいと思います。
 つまりは、どんなに我田引水的に自分たちがいいことをやっているといっても、地域の中でサービス主体が孤立しているなんていうことは許されてはいけない。そこをしっかりとチェックする機能、機関、プロセスというものを、しっかりシステムの中に取り込むべきということがとても大事なことだろうと思います。
 いずれにしろ、こどもたちをそういう断片、切片で切り刻んで、勝手勝手に地域の中でこどもの育ちを自負して、支援しているという状態が独り歩きしないように、何とかそこを、先ほど北川構成員がおっしゃったように、トータル・包括的なアセスメントのプロセスですね。こどもは断片で生きているわけではありません。いろいろな能力を持っていますけれども、当然、それらは相互に関係しているわけですので、それらを一つ一つピックアップして、それだけを取り上げて、勝手勝手な大人たちが、勝手勝手な思いの中で、勝手勝手に支援しているなんていうことは、どう考えてもこどもと家族にとってウェルビーイングではない。そんなことはあり得ない。
 だから、そういう意味でも、ぜひそうしたことについても、しっかりとこの場で話題になったのだということを記録にとどめていただいて、次のさらなる検討会につながっていけばいいなということです。
 ありがとうございました。失礼しました。
○田村座長 ありがとうございました。
 それでは、続いて、内山構成員、お願いします。
○内山構成員 ありがとうございます。JDDnetの内山です。
 おまとめ、ありがとうございました。とても充実した報告書になっていると思います。
 私からは2点です。
 先ほどから話題になっている見守りという行為、見え消し版の10ページの下から3つ目の○です。米山先生もおっしゃった居場所という概念はとても大事だと思います。
 もう一点、時間ということを考えると、やはり有意義な時間ですね。ですから、児童の安心・安全の保障と、有意義な時間を過ごせる居場所を提供する。それを見守りという定義にしていただけると、ただ放っておくということはなくなるのではないかと思うので、「居場所」と「有意義な時間」というのを入れてもらえるといいのかなと私は思いました。
 そのすぐ下の「乳幼児期においては網羅的にこどもの発達をみていく観点」ですが、網羅というと、何か全てを網羅しなければいけない感じがします。言葉としては「包括的」のほうがいいのかなと。全体の中で重要なところに焦点を当てるという形で「網羅的」を「包括的」に変えていただけると、ぴったりくるような気が私はしました。
 もう一点、先ほどから話題になっている次のページの【ピアノや絵画のみの指導】です。これは最初の加藤先生の御質問と関係するかもしれませんけれども、ピアノと絵画はあくまで例示だと私は思います。今いろいろ見ていますと、例えば、ダンスをする児発とか、英語をする児発とか、あと、ヨガというものもありますよね。非常に特定の領域のことだけを中心に、しかも、ダンスだったらダンスの専門家の先生が、多分、発達障害とかをあまり知らずにやっているところがあると思うのです。
 ですから、あくまで手段としてはダンスやピアノや絵画であっても、児童の発達全体を包括的に支援する一部としてやっているということなので、ピアノと絵画だけをピックアップするのではなくて、やはり「等」を入れていただいて「ピアノや絵画等の指導」と書いていただき、例示として、状況によってはダンスとか、英語とか、ヨガとか、そういうものもあり得るといったことを追記していただけると誤解がないのかなと思いました。
 あと、北川構成員がおっしゃった包括的という概念です。現在のこどもの状態と将来の状態の両方に焦点を当ててウェルビーイングを見ていく。これがとても大事だと思うので、現在のこどものウェルビーイングというと、やはりこどもが現在楽しくあること。それは小学生であっても児発であっても同じだと思うので、これをどこかに入れ込んで、どこと言われるとちょっと困ってしまうのですけれども、できれば、それを前のほうの文章に入れていただけると助かるなと思いました。
 ありがとうございます。以上です。
○田村座長 ありがとうございます。
 続きまして、小野構成員、お願いします。
○小野構成員 よろしくお願いします。私のほうからは、言葉の問題だけ幾つか提案したいと思います。
 全部「遊び」という表現のところにつながってくるのですが、1点目は、9ページの「(4)福祉型、医療型の一元化後の方向性について」の最初の○の「更に遊びを通した様々な領域の発達支援を」というところなのですけれども、遊びというのは非常に重要な要素になってくるのですが、遊びだけではないだろうと思いますので、「等」を入れていただければいいのかなと思いました。
 同じく「遊び」という表現が出てくるところですが、11ページの一番最初のずっと議論されている「児童発達支援においては、将来の社会参加を促進する」というところですけれども、今回、ここでも「自発的なコミュニケーションスキルや遊びのスキル等」というのを追記していただいているのですが、コミュニケーションスキルというのは非常に重要なことだと思いますけれども、これに対比する表現として「遊びのスキル」というのは何かちょっと違和感があって、コミュニケーションと何が対比するかというと、行動なのかなと。これをどうするかはいろいろとまた御検討いただければと思うのですが、少なくとも「遊びのスキル」というのは何かそぐわない感じがします。
 13ページの学童期・思春期の中でも同じ文言として入れられているのですけれども、放デイの場合ですと発達の幅、年齢の幅が広がってくるので、ここで遊びだけに特化したスキルということになると、少し語弊が出てくるだろうと思います。児童発達支援の部分だと、まだ「遊び」という表記が成立する可能性もあるかもしれないのですけれども、特に児童・思春期のところになると、よりそぐわなさみたいなものが出てくるかと思います。「行動スキル等」なのか難しいところです。結局、ソーシャルアクティビティーのことなのだと思うのですけれども、それをどういう表現にするか。「コミュニケーションスキル」というのは残しておいたほうがいいと思うので、そこを整合性があるような形にしていただけたらなと思いました。
 以上でございます。
○田村座長 ありがとうございました。
 一応、手が挙がっている構成員さんから御意見を伺うところについては、一定お伺いしたのですが、ほかにまだ御意見のある方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。
 小野構成員、お願いします。
○小野構成員 すみません。ついでに言っておくべきことだったかと思うのですが、同じ11ページの1つ目の○の「児童発達支援においては、将来の社会参加」のところなのですけれども、先ほどの北川構成員がもっと包括的なアセスメントでというお話をされたのですが、ここのビジョンはずっと結構しつこくやってきた項目なのですけれども、もともとできるだけ早い時期から後々の強度行動障害を予防するような支援をしていこうというところなので、あまりトータルなものにここを広げ過ぎてしまうと、当初の意図が消えてしまうかと思うので、北川構成員がおっしゃったような意味合いはほかの場所に入れていただいたほうがいいのかなと。だから、ここに関しては、一応、この形のほうがいいのではないかと私は思いました。
 以上でございます。
○田村座長 あとはありませんか。よろしいでしょうか。
 今、宿題も含めてたくさん頂いたわけですけれども、例えば、個別支援の下限の設定だったり、米山構成員からは、医療のところで単位の提示があったりということもありましたし、あるいは中川構成員からは、全体的に主語の取扱いをきちんとしてほしいということもありましたし、金丸構成員からは、基幹相談支援センターとのすみ分けなのか、連携なのか、その辺のところをもう少し書いてもいいのではないかという話だったかと思います。
 北川構成員のところは、今、ほかの構成員からも御意見が随分ありましたし、もう少し包括的なアセスメントないしは丸ごとの連携支援というか、そのようなことが重要だということで、どこに書くのかというところは少し検討が要りますけれども、入所も含めて、そういうことの支援、あるいは方向性みたいなところはちゃんと書くべきではないかということだったかと思います。
 あと、出ていたのは、米山構成員も含めて見守りの考え方ですね。内山構成員から、居場所と有意義な時間ということを含めて、少し整理をして修文してはどうかということもあったかと思いますので、少し検討したいと思います。
 あと、遊びのことだったり、あるいはスキルの対比のところで、もう一つのスキルはもう少しいいように変えてほしいということもありましたし、その辺は少し検討させていただいて、もう少し書き加えたいと思っています。
 そういうことも含めて、今出していただいた内容を大きく変えないといけないということよりかは、それを生かして内容のまとめをするということになろうかと思いますが、最終回ということも含めて、今出た意見を大きく否定する意見もあまりなかったので、基本的なその意見を反映させるような形でまとめをしていきたいと思います。
 それを座長と事務局に一任していただいてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○田村座長 ありがとうございます。
 それでは、事務局と相談の上で、今、出していただいた御意見を踏まえて、取りまとめを行っていきたいと思います。
 なお、取りまとめの後の報告書の確定版につきましては、事務局より構成員の皆様に送らせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 報告書の案については、一応、これで終了となります。ありがとうございました。
 本当は私が冒頭に言わないといけなかったのですが、昨年8月から開催してきた本検討会はこれで終わりということで、後半のほうで各構成員の皆様から1人3分程度で御発言いただいて閉めていきたいと思っていて、それを本当は冒頭に皆さん考えておいてくださいねと言うべきだったのですが、申し訳ないです。いきなり3分でしゃべってねというひどい振りですけれども、8月からの検討会の中で感じたことや、先ほどの加藤構成員のように言い残しておきたいことでも構いませんので、1人一言、3分程度でまとめて、よろしくお願いしたいと思います。
 発言の順番ですが、開催要綱の構成員名簿があるかと思いますけれども、構成員名簿はあいうえお順になっているかと思いますが、その順番でお願いしたいと思います。有村構成員と田村については、一番最後につけていただいたらよくて、稲田構成員から始まって、稲田構成員、井上構成員、内山構成員の順番で進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。金丸構成員については、内山構成員の次の小川構成員のところでお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 では、大丈夫でしょうか。稲田構成員のほうからよろしくお願いします。
○稲田構成員 帝京大学の稲田でございます。
 まず、事務局の皆様、この短期間にこれまでの文章を充実した内容におまとめいただきまして、ありがとうございました。また、8月からこのような委員会に初めて参加させていただきまして、私自身、すごく勉強させていただいた部分があるなと思います。
 また、この検討会で、今後の障害児支援の在り方ということで、こども主体ということ、こどもと家族のウェルビーイングの向上、インクルージョンの推進という3つの柱が明確に打ち出されて、これがこどもたちの将来の豊かな生活につながっていくといいなと思っております。
 私は心理士ですので、心理士も児童福祉、障害児支援の現場でもう少ししっかり活躍できるようにとも思っていますし、心理士が活躍できる点としては、包括的なアセスメントのところで心理検査を担っていったりとか、検査だけではなくて、親御さんの面接とか観察といった点が専門性の一つになってきますので、今後、またその辺りもより細やかにお子様と家族のアセスメントができるようにということで私自身も精進しつつ、後進の育成にも努めていきたいと思っております。
 以上です。ありがとうございました。
○田村座長 続きまして、井上構成員、お願いします。欠席なので、事務局から代読をお願いします。
○大塚障害福祉専門官 事務局でございます。
 井上構成員より事前にコメントをお預かりしておりますので、代読させていただきます。
 多様な障害やニーズ、そして、ライフステージの中で、通所支援は本人や御家族の大きな力になっており、今回の検討会は、その共通部分と特定の障害や時期に特化したニーズが確認されたのではないかと思います。
 全体として課題と感じました点について、まとめさせていただきます。
 1つ目、支援の拡大の中においては、支援の根拠となる、より精緻なアセスメントとニーズに基づく支援計画が重要であり、信頼性と妥当性のあるアセスメントの確立と、結果にひもづくエビデンスのある標準的な支援を示していくべきです。
 2つ目、発達障害領域については、早期支援としての児童発達支援と、就学し合理的配慮を含めた特別支援教育の下での放課後デイのニーズと、目的はかなり異なります。通所制度が成熟する中、前者では、就学を控えた段階でのより専門的な療育支援的要素や家族支援的要素が高くなり、後者は、安心して過ごせる場としての要素や親の就労促進という要素と、学校教育の中でカバーできない地域生活スキルや行動上の問題、メンタルの問題などを抱え、学校での不適応や不登校のある児童・生徒に関する治療的要素があると考えます。
 こうした点を整理した上で、支援時間や内容、支援者などの条件をそれぞれの機関で議論していく必要があると考えます。また、このような議論に関しては、障害種別やライフステージの時期ごとのニーズの違いから、一律ではなく、まず個々に十分に議論していくべきではないかと考えます。
 3つ目に、インクルージョンの視点については重要ですが、通所機関の努力だけでは難しいと考えます。今回の議論を踏まえ、幼稚園や保育所、学校、放課後児童クラブなど、多様性を受け入れられる体制づくりを強化するよう働きかけていくことが必要だと思います。
 4つ目に、人材養成の観点からは、単なる研修の推奨だけでなく、有効な研修についてのエビデンスの蓄積や研究を立ち上げていくことが必要だと思います。
 5つ目に、制度の成熟の中で、保育所等訪問などの対象拡充と内容の多様化についても、その目的に関する調査・研究やニーズ調査などを推進し、それらを基に訪問の目的や内容別に必要な専門性や時間、労力などを加味した細やかな加算制度が必要だと思います。
 6つ目に、支援機関の増加や人材確保の困難性などから、支援機関の淘汰も始まっている地域もあれば、ニーズに合った支援機関がない地域もある。多様な支援の選択肢を確保する意味でも、インターネットなどを組み合わせた支援の在り方、通所事業所のアセスメントや支援計画などのICT化などについても検討していくことが今後必要であると感じました。
 最後に、このような会議と発言の機会を与えていただき、事務局、委員の皆様、関係者の皆様に深く感謝いたします。
 以上となります。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、続きまして、内山構成員、お願いします。
○内山構成員 ありがとうございます。日本発達障害ネットワークの内山です。
 まず最初に、事務局の方、田村座長、副座長の先生、本当にありがとうございました。大変多くの意見がある中、非常にきちんとまとめていただいて感謝をしております。
 この会議に出席させていただいて、私自身、本当に勉強になりました。特に児発と放デイを中心としたシステムというのは、多分、日本独自のもので、少なくともアメリカやイギリスにはないと思います。
 その中で、福祉システムの中に相談支援が入って、児童発達支援を進めるとか、放課後デイを進めるといった制度の立てつけは非常によくできていると思います。あとは、これをどう生かしていくかということが大事になってくるかなと思いました。
 私自身は児童精神科医ですが、同時に社会福祉学科や臨床心理学科、教育学部とかで教えていたりして、よく言えば、いろいろな領域に絡んでいますし、悪く言えば、どっちつかずのコウモリみたいな存在なのですが、そういう中で見ていくと、今回、議論に参加させていただいて、福祉の方や関係機関の方が非常にいろいろな努力をされているということが分かってとてもよかったと思います。
 そういうシステム自体はすごくよくできていると思うのですが、若干弱いところがあるとすると、特に発達障害に関して言うと、障害特性のアセスメントと、例えば、私どもの領域だと発達障害の学習スタイルと呼んでいますが、特有の学習スタイルに合わせたサポート・支援が若干弱いのかなと私自身は思いました。
 あと、もう一点は保護者支援です。特に私の立場からは、発達障害とか知的障害、あるいは精神障害のあるお母さん、お父さんと出会うことが非常に多いので、そういった支援ニーズの高い親御さんに対してどうサポートしていくか。そこがもう少し強化できるといいなと思いました。
 もう一点は、先ほど加藤先生からモラルハザードの問題が指摘されましたが、このシステム自体は、非常にたくさんの方が参加されていいと思うのですが、支援・サービス内容の評価に基づく改善のシステムが少し弱いかなと思います。だから、外部評価の視点もぜひ入れ込んでいきたいなと思いました。
 以上です。ありがとうございました。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、続いて、金丸構成員、お願いします。
○金丸代理(小川構成員) 日本相談支援専門員協会の金丸と申します。今日はありがとうございました。
 報告書につきましては、私自身、個人的には40年間児童の分野に携わっておりますので、内容的にもいろいろな示唆が入ってきていますので、感慨深いです。今回も今後のことも課題をたくさん書いていただいているので、その辺り、何を検討していけばいいかというところも、本当に希望に満ちた報告書になっているのではないかなと思っております。
 特に1つは、児童発達支援センターに関しては、子育て支援施策等に、適時、効果的に支援できるように人員配置について検討すべきであると明示されていることとか、児童発達支援センター向けのスタートアップマニュアルを策定していきましょうというのは、うれしくなります。これは本当に期待したいなと思います。
 あとは、個別支援計画です。個別支援計画というのは現場の人は見たいのですよね。見たいのですけれども、文献があまりにもない。国が示す資料とかも、児童は特になのですけれども、具体的な個別支援計画というのは少ししか出てこないのです。一応は書籍も出されてはいますけれども、数少ない。
 支援計画というものをどのようにつくっていけばいいのかというのが見られるように工夫していきたいなと思いますので、その辺りも検討が必要であると書いてあるので、今後、たくさん支援計画を見せていくということを考えていければいいなと思っております。個人的にもお手伝いできれば、幾らでも個別支援計画とかを書いていきたいなと思います。
 あと、インクルージョンについてなのですが、国連の権利条約でもいろいろとやり取りがありましたけれども、基本的に人は人の中で育つというのは多くの学識者も声に出すようになってきていますし、人は地域の中で育つという視点は分けて考えていければいいかなと思いますし、こどもはこどもの中で育つという視点を持って、実際に私自身、相談支援専門員をやっていて、特別支援学級とか放デイを利用している子に関して、医療と福祉を卒業していただいて、10年、20年、30年と応援してきた方がいますが、後方支援を伴走型でやってきて、数多くの方が立派に社会人になっていらっしゃるのです。
 ある程度のタイミングでインフォーマルな社会資源に目を向けながら支援を継続していくと、本当に見違えるほど変わっていくこどもたちと多く接してきましたので、今回、インフォーマルな地域資源に目を向けたことに関しては、触れられていなかったかとは思いますけれども、相談支援専門員協会としてもこどもはこどもの中で育つということを視点に活動しておりますので、今後、何かしら寄与できることがありましたらいいなと思っているところです。ありがとうございました。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、続きまして、小野構成員、お願いします。
○小野構成員 ありがとうございました。
 私は児童精神科医としてこの検討会に参加させていただいたわけですけれども、それぞれの現場の本当に熱い思いとか、様々な取組について知る機会にもなり、非常に勉強になる検討会でした。
 私たち精神科医というのは、診断というところでの役割が大きいわけですけれども、ただ、発達障害の問題に関して言うと、本来の発達の問題だけに限らず、それに伴う様々な問題のほうが実際は支援のニーズとして高いところもあって、発達ということだけにフォーカスしてしまうと、少し支援が偏ってしまったりとか、方向性がおかしくなってしまうようなところがある。
 それから、発達障害の概念が普及してくる中で、発達障害がすごく広がってきている。ですので、同じ発達障害といっても、本当に多様なものになってきているので、これまでの標準的な支援だけではカバーできないような事例が増えてきている。
 小児科医の先生たちは比較的幼児期に診断して治療されているわけですが、我々は少し年代が上のほう、精神科ベースでやっていると、学童期以降が中心になってきて、行動の問題とか適応の問題というところが中心になってくるのですけれども、従来の典型的な発達支援の中では、その辺りがまだ十分カバーできていないところがあった。でも、そういうことも今回の検討会の中で随分議論していただけて、これからの発達支援の方向性を少し示すことができたのかなとは思います。
 私自身は今、思春期をベースにやっていて、でも、それに関しても、やはり従来の18歳とか、20歳というところまででは決して終わらないもので、もっと長い視点で見ていかなければいけないところもあるので、発達支援というのも、どの辺りの年齢を一つの到達点、目標地点とするのかという辺りは、今後、また少し動いてくるのではないかなと思います。
 そういう意味で、時代の状況によっても随分変化していく性質のものなので、がちがちの制度の中だけでやっていけば、すぐに合わないところが出てきてしまう形になると思いますので、こういう検討を継続していっていただいて、実情に合った、こどもたちや家族のニーズに合った支援は、常にアップデートしていきながらやっていかなければいけないものだろうなと思います。また、そういうことについても、いろいろと提言できるように日々精進していけたらなと思います。
 本当にどうもありがとうございました。
○田村座長 ありがとうございました。
 それでは、続いて、加藤構成員、お願いします。
○加藤構成員 先ほど申し上げたところなのであれですけれども、1点だけ追加させていただきたいと思います。
 要するに、我が国も、こどもに関しては、制度的にもかなり充実の一途をたどっていると思います。現在も確実に前進していると思います。しかし、これはまだ途上であることは間違いのないことです。そういう意味では引き続きということですけれども、こうした世の中の大きな変化、少子化だとか、高齢化だとか、過疎化だとかという中で、大事なことは1か所が百貨店のようになることではないのです。
 地域が点ではなくて面として機能していく。線でもない。点でもない。面として支援力、福祉力、子育て力を向上させるという意識、そういう営みがこれからどんどん必要になってくると思います。支援者も足りません。だから、そういう意味では、それは火を見るよりも明らかといいますか、そういう時代が確実に目の前に来ているわけです。
 そういう中で、先ほど申し上げたように、1人が、一機関が、一職種が頑張る時代はもうおしまいだと思います。とにかく持てるものは、この指止まれで、みんなで地域の中で数少ない次の世代のこどもたちを育んでいくという意識ですね。そこは金もうけでも何でもありません。まさに献身的に、私が言うところのパッション、ミッションのパッションなのです。
 ミッションはあれですが、パッションというのは情熱ではないのです。献身です。それが今、我々一人一人に問われていると思うのです。だから、そういう意味では、みんなで前進するという体制をいかに取り組むか、早く構築するかということがまさに喫緊の課題だと思います。
 ありがとうございました。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、続いて、北川構成員、お願いします。
○北川構成員 事務局の皆さん、委員の皆さん、ありがとうございました。私も大変勉強になりました。
 平成20年のときに、15年前だったので、ちょっと若かったのですけれども、傍聴させてもらって、家族支援という言葉が初めて出て非常にうれしかったのを覚えています。それから、その次、平成27年の時は、そのときは地域支援体制づくりというのがメインだったので、それはそれで非常に、みんな地域でネットワークを組もう、福祉は競争ではないというような精神があってよかったなと思いました。札幌市でもそういう取組をしてまいりました。
 それから、だんだん事業所が増えてきたことは悪いことではなくて、非常によかったことと思っています。実際、先ほど金丸さんもおっしゃっていましたけれども、なかなか学校に適応できない子たちが放デイでほっとして、仲間と一緒に語り合って、つらいなとか言いながら、次の日、また学校に行ったり、休んだりしながら、でも、自己肯定感をおかげさまで保って、そして、今、本当に社会人になって活躍している卒園児を見ていると、やはり放デイの役割はすごく大きく、今、彼らは本当に一般就職している実態により、役割は大きかったと思います。
 それだけではなくて、障害が重たい子たちにとっても、やはり放課後の居場所という意味では非常に大事だったのではないかなと思います。
 今回は、もう少しでこども家庭庁に入るということが大きく影響する検討会だったなと思います。その中で私も皆さんとアセスメントの在り方とかを勉強させてもらったし、何よりも、これからこども家庭庁支援局で社会的養護と一緒になったりしていきますので、インクルージョンというところをちゃんと持っていかなくてはいけない。
 でも、インクルージョンというのはそんなに難しいことではなくて、実は障害児支援が閉じるのではなくて、困っているところに出向いていくという。それは幼稚園、保育園だけではなくて、こども食堂だったり、広場だったり、そういうことも含めて出向いて行って、役に立っていく。そして、そこの仕組みはしっかり整えてもらいたいと思います。
 あと、質ですが、ここまでは体制とか、在り方だったのですけれども、これからはやはりたくさん増えてきたということもあって、今日の午前中に社会保障審議会の児童部会に出ていたのですが、保育所も増えたから、これから保育士の質と言っていましたけれども、私たちも質が問われるのではないかなと思います。
 いろいろなこども施策と一緒になる中で、障害児支援というのはどんなことができるのというところ、社会から何を期待されているのかなというのは、今回、本当に私も勉強になりましたし、何よりもプログラムとか方法論だけではなくて、アセスメントしながらこどもたちのニーズ、家族のニーズをキャッチして、そこに寄り添っていくということ。
 もう一つは、イギリスのソーシャルワーカーがよく言っているのは、批判的に自分たちを見ていくという力、自分たちの実践を批判的に見ていくという力が、どうしてもこの実践の結果、こうなったみたいなことが多いので、批判的に見ながら、自分たちもエンパワーメントして前進していくことが必要なのではないかと思います。
 私は、発達ではない臨床心理の立場だったので、家族支援がすごく大事だなと思ってきたのですけれども、今回、発達支援のことをたくさんの先生に学ばせてもらいました。こどもたちが本当にこれから権利の主体として、こどもの声を聴いて、なかなか意見を言えないこどもも含めて、こどもの声に耳を傾けて、こどもたちが自分らしく、自分たちに希望を持って育っていくような日本になっていくように、ここの皆さんと御縁があって一緒に検討委員になったので、これからも仲よく手をつないで一緒にやっていけたらと思います。
 本当にありがとうございました。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、続いて、木村構成員、お願いします。
○木村構成員 どうもお世話になりました。ありがとうございました。
 これまで2か年にわたって障害児通所に関して議論が行われてきましたが、その結果、多くの児童発達支援センターが目指すべき姿なり、取り組んでいく課題が明確になったのではないかと思いますし、そういった意味において、今後、各地域における障害児支援の充実に多いに期待できる状況になったのではないかなと思っておりますが、その一方で、検討会における議題や論点等々について、決して重症児と無関係とは申しませんが、少なくとも喫緊の課題とは言えない。将来的にそういった課題の取組をやってほしいけれども、今はその前にクリアしなければならない問題が多過ぎるというのが現状だと私は思っています。
 例えば、本人の発達支援や親の就労、さらにはインクルージョンに関連して、併行通園なり、一般施策への移行という問題は、残念ながら、今の重症児の場合は取り組むことが極めて困難な現状があると思います。
 それよりも、身近な場所に通所できる事業所がない地域がまだ多いですし、私どもの協議会の会員は、重症児支援に取り組んで20年、30年という事業所が多数を占めていますけれども、ほとんどの場合、定員の2倍から3倍の登録者がいて、利用者は平均して週2回程度しか通えていない現実があります。
 ですから、重症児・者を対象とする事業所も、その受入れ定員数も、まずは現状よりも2倍、3倍と増やしていかなければならない段階にありますし、その上で一般施策、例えば、保育園にて重症児の受入れが、たとえ一部でもいいので、実現するような時代が来た場合には、この検討会であった様々な議題なり、テーマについて、もっと主体的に参画できるのではないかなと思っています。
 また、現実問題として、重症児の受入れ事業所数も定員数も不足している中で、主に重症児を受け入れている児童発達支援センターが、仮に定員に空きができたからといって、重症児以外の障害児を受け入れるということは、我々の感覚からするとあり得ないというのが常識になっています。全ての児童発達支援センターは全ての障害児を受けることが前提だということは、言葉としてとても分かりやすいメッセージであると思いますけれども、それは大変少数派の重症児の現実や実態には即していないのではないか。
 それを貫くのであれば、重症児に対してはさらなる犠牲を強いられる場合がある。この現実については、最後に一言申し上げておきたいと思いますが、しかしながら、大多数を占める障害児にとって非常に分かりやすい、あるいは大多数を占める児童発達支援センターにとって分かりやすいメッセージであるために、この方向性なり、報告書のまとめについて、あえて反対意見は申し上げなかったということです。
 また、大多数のセンターの部分については、北川先生が以前に知的障害福祉協会のアンケート調査結果などを報告していただきましたので、我々も同様の調査をいたしましたけれども、私どもの主に重症児を受け入れているセンターの多くは条件が合えば他の障害児を含めて受入れに取り組みたいとか、理想的だと言う人もいました。その条件が合うことが本当にあるのかどうかというのは置いておいたとしても、中には「行政と協議して、むしろ行政から依頼を受けて、圧倒的に数が不足している重症児のためのセンターを開設した。にもかかわらず、重症児以外の障害児を受けろというのであれば、センターを返上してでも、まだまだ不足している重症児支援に今後とも取り組んでいきたい」という意見もたくさんあるのです。
 しかしながら、もしそういうことをしたら、今、ただでさえ赤字運営であるにもかかわらず、今の人員、報酬体系からすれば、センターの基準を満たしているにもかかわらず、センターを返上すればかなり厳しい運営状況になるということだと思います。
 そのほかの重症児関係者からも、検討会のテーマや議論が重症児の様々な問題とあまりにもかけ離れているのではないか。特に我々が大事にしている児者一貫の問題をもっと取り上げてもらう必要があるのではないかなどの意見を頂いておりますが、重症児の業界では児者一貫というのを非常に大切にしてきましたけれども、大多数の中では決してそうではないですし、重症児に対する児者一貫についても、賛否両論があるのは存じ上げております。
 しかしながら、現実問題として、入所施設を児と者で分けるなんていうことは、医療従事者の確保を含めて極めて不可能に近い状況でありますが、この通所部門においても、必ずしも黒字運営が可能ではない中で、児と者の事業所を潤沢に利用者が選べるような状況になるのはまだまだ見通せていない非常に厳しい現実がある。
 そういう中で、重症児を受け入れ始めた事業所において1人、2人と18歳に到達する利用者がでてきており、やはり通所部門においても、児・者の問題というのは大きな問題になりつつあります。
 こういったことを含めて、来年4月ということですが、多くのセンターや障害児とその家族にとって分かりやすいメッセージ、大切なメッセージを発信するすばらしい報告書ができたとは思いますけれども、しかしながら、少数派のグループがこの報告書のとおりにやることによって大きな不利益を被ることがないように、今後、幾つかのポイントについてきめ細かい移行に向けての通知なり、対策・対応をぜひともお願いしたいなと思っておりますので、最後に一言申し上げたいと思います。ありがとうございました。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、続いて、小船構成員、お願いします。
○小船構成員 埼玉県白岡市の小船です。
 事務局の皆様、報告書をおまとめいただいて、どうもありがとうございました。そして、構成員の皆様には、毎回、活発で有意義な議論ができましたことに深く感謝申し上げます。
 市町村の立場で参加させていただいたわけですけれども、私どものような小さな自治体の意見にも丁寧に耳を傾けてくださいまして、本当にありがとうございました。
 私は自治体に身を置きますソーシャルワーカーとして、市町村の現状を伝えたいという純粋な思いと、身近な市民の方たちや、ともに協働している通所支援事業所の職員の方、相談支援専門員の方、私が所管する保育士や学童保育所の支援員たち、こういった身近で働いて一緒に支援をしているみんなの声を届けるということに注力していましたので、時には出過ぎた発言ですとか、市町村の都合を前面に一方的に話すこともあったかと思いますが、どうぞ御容赦いただけたらと思っております。
 今後は障害児の通所支援のみならず、こどもに関する施策全般について、市町村が中心にやっていかなければならないということになりますので、自分自身も身を引き締めてしっかり携わっていきたいと思っております。どうもありがとうございました。
 以上です。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、続いて、中川構成員、お願いします。
○中川構成員 全国介護事業者連盟の中川です。
 コメントは全く考えていなかったのですが、厚労省の皆様、また、田村座長をはじめ構成員の皆様、本当にありがとうございました。
 我々は設立をしてからまだ歴史の浅い団体でございます。介護からスタートして、今、介護、障害を合わせて1万9000事業所と非常に大きくはなってきていますが、障害福祉事業部としてはまだ始まって1年そこそこの団体です。その中でこういった発言の機会を与えていただいたことに対して、まず、本当に感謝申し上げたいなというところがあります。
 我々は介護、障害、法人種別、サービス種別を問わず集まった横断的な団体ということで、社会福祉法人、医療法人、NPO法人、株式・合同会社など、様々な事業者が加盟しておりますが、8割、9割方は株式であったり、合同会社の営利の法人が占める団体でございます。
 近年、事業所の数が増えてきている中で、どちらかというと、金もうけ主義な悪質な事業所が点在しているというのも我々は認識しております。その中で、我々は悪質な事業者は淘汰されるべきであり、しっかり思いを持った事業所が持続していけるような、事業所の立場としてしっかりと今検討会では発言をさせていただいた次第です。
 ですので、構成員の有識者の皆様とはちょっと違う制度的な発言が非常に多かったと思いますが、まだまだ事業所が足りない中で、規制強化をすることによって事業が存続できない。頼れる場所がなくなるということだけは避けたいという想いのなかで、そのことを意識しサービス・支援の質の向上というところをしっかり担保しながら、事業を存続していくというところを重点に発言させていただいたつもりです。
 社会保障制度の中で、人口分布を考えると、社会保障費もこれから減少傾向になる中で、報酬を上げてくれというだけではなかなか続かない時代に入ってきているかと思います。その中で、やはりこういった福祉の業界でも、生産性の向上、サービスの質を落とさずやっていくというところをしっかり考えていく中で、今ある資源をしっかり標準化をはかりベースアップしていく。その中で、アセスメントであったり、個別支援計画であったり、また、研修制度に関しても、まだまだ全体的な標準化など不十分かと思います。
 ここの改善をしっかりと図って、サービスの質を上げつつ、また、人員の部分もしっかり確保ができる。事業所にとっては、どちらかというと、売上を上げるというよりも、しっかりとした利益があれば事業所を存続していけるという状況にあるかと思いますので、産業化、DX、ICTの推進などを含めて、我々としてはしっかりその辺りも発言させていただいたつもりであります。
 また、もう一つ、我々は介護から始まっている団体でございます。介護保険制度が2000年から始まって、障害福祉は約6年遅れぐらいでスタートして、いろいろな介護との照らし合わせを含めて見ていますと、若輩者が申し上げるのは申し訳ないのですが、障害福祉に関しては、様々な対策がちょっと遅れているかなというところはありますので、障害福祉には、介護で起こり得た問題点とか改善点を含めて、それを反映し情報共有し業界の発展にしっかりつなげていくことが大事ではないかなと思っております。
 本当にざっくばらんに申し上げますと、一番最初の検討会のスタートから、恐らく、皆さんはどこの団体が来たのだと思われた状況にあるかと思う中で、私は民間の事業者のいろいろな思いを背負って参加させていただきました。最初は本当にこういうことを発言していいのかなと思いながら発言させていただきましたが、最後はしっかり私がお話をさせていただく中で、皆さんの同意をいただいた部分もありますし、先生方から本当にいろいろなことを学ばせていただけたかなと思っております。
 残念だったのは、コロナ禍なので、オンライン越しでしか皆様と交流できなかったということで、人となり等がなかなか分からなかった部分があるのですが、先ほど構成員の方々がおっしゃられたように、これを御縁に、またいろいろこの業界の発展のために情報交換をさせていただきながら、前に進めさせていただければと思います。
 非常に貴重な機会を頂きまして、本当にありがとうございました。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、続いて、福原構成員、お願いします。
○福原構成員 大阪市の福原です。
 報告書の取りまとめ、事務局の皆様、本当にありがとうございました。あと、構成員の皆様、本当に貴重な御意見を頂きましてありがとうございます。
 私自身、これまでの検討会では地方行政の立場ということで参画させていただいていたところ、各構成員の皆さんからの専門的な視点であったりとか、支援現場の実態であるとか、実経験からの様々な御意見をただただ拝聴させていただく形での参加となってしまいまして、本当に申し訳なく思っています。
 大変貴重な御意見ばかりで、検討会の都度、では、本市ではどういう状況なのかというのを改めて確認してみたりとか、行政としてどのように受け止めて、可能な限り生かしていかなければならないと、毎回、庁内担当者とともに議論してきたところでございます。
 いろいろ思いというか、お願いというか、述べさせていただきますと、本案の論点の中で様々挙げられています母子保健施策とか、子育て支援施策との連携・協働の点につきましては、本当に大事なことであると認識しています。
 地域の発達支援に関する入り口としての相談機能のところでは、1歳半検診時、3歳児検診時とか、親子教室などでの気づきの段階におけるアセスメントであったり、支援等に関する相互の情報連携、支援等の連携を進める仕組みの構築でありますとか、こども家庭センターで策定されますサポートプランと障害児支援の利用計画との連携、また、給付決定のプロセスのところでもありました、発達支援につながる入り口である気づきの段階からのサポートといった点など、様々な場面での情報連携等が進むように、本市の中でもこれまでから発達障害者支援センターを中心に、母子保健、子ども・子育て施策の担当部局とも連携しながらいろいろ取り組んでまいったところではあるのですけれども、さらなる支援の連携の仕組みを構築していくことが必要なのだなと改めて認識したところでございます。
 また、家庭と教育と福祉、さらには医療との連携というところ、とりわけ教育と福祉の連携のところにつきましては、学童期・思春期のこどもへの支援に当たりまして、両分野の連携というのは重要で、しっかりと前に進めていく必要があるとも考えております。
 その点につきましては、平成30年3月に「トライアングル」プロジェクトの報告でありますとか、それに合わせた通知とかも発出していただいていて、その中で様々な連携の仕掛けとか、例えば、関係構築の場の設置とか、様々示していただいているところでございます。
 当然、私たち地方の自治体も頑張っていかなければならないところも大きいところではあるのですが、いま一度、厚生労働省さん、4月からはこども家庭庁さんになってまいりますけれども、文部科学省さんにおいても、各自治体の中で、自治体の内部事情等で大変恐縮なところではあるのですが、お互いの連携が双方から主導して推進していけるような具体的な支援というか、例えば、メッセージの発信など、さらに進めていただければ心強いなと考えているところでございます。
 私からは以上でございます。本当にありがとうございました。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、続きまして、又村構成員、お願いします。
○又村構成員 全国手をつなぐ育成会連合会の又村でございます。
 私は育成会の事務局の立場で参加させていただきましたが、ついこの間までは市町村の職員もしておりましたし、その意味で、会議の取りまとめがいかに大変かということもよく分かっております。また、支給決定、あるいは体制整備等で、今、市町村にいろいろな場面で必要とされる取組が降ってきているということで、市町村も業務遂行上は非常に厳しい状況にあるということも分かりながら、しかし、今回でいえば、知的障害のあるこどもたちのために、できるだけいい仕組みにできればということで参加をさせていただきました。
 実は今日の午前中、これはいい話なので実名を出しますけれども、神奈川県の県立伊勢原高校というところに行ってきたのです。これはいわゆる地域の普通高校です。
 しかし、御存じの方も多いと思いますが、神奈川県は今、「インクルーシブ教育実践推進校」の取組みを進めていまして、軽度の知的障害のお子さんが各クラスに2人ずつぐらい在籍するという取組をしています。これ自体、もちろんいろいろな意見はあるのですけれども、私は障害理解ということでお話をさせていただいたのです。
 そうしましたら、全学年の生徒さん、何名ぐらいいたのですかね、200名以上いましたかね。誰一人として寝てしまったりとか、中にはちょっと寝てしまっているかなという子も何人かいましたが、大半が非常に興味を持って、障害とは何か、社会モデルのお話などをさせていただいたのですが、食らいつくようにお話を聞いてくださったのです。
 私は49歳ですけれども、自分の高校時代のことを考えて、まずこういうことはなかったなと思いながら、非常に感銘を受けて帰ってきました。つまり、やはり若い世代には期待できるなということをすごく感じたのです。
 インクルーシブであることの難しさもありますが、校長先生いわく、始めて3年目らしいのですけれども、年を経るごとに、自分たちと一緒に学んでいる知的障害のある生徒、仲間にどういうサポートをすればいいのかということを、若い世代なので、まずは体感的に動くと。それに対して、私は「なぜそれが必要なのか」というお話をしたわけですけれども、高校生ですから、なぜ必要かということと理論でもつながることで、彼らはきっとどの道に進んだとしても、なぜ障害というものは社会モデルで考えるべきで、なぜサポートできることは配慮すべきなのかということを頭と体で両方分かって、社会に出ていくのではないかとおっしゃっていて、非常に共感したのです。今回の報告書が、そういう社会の在り方ということを少しでも進めていける原動力になればなと思いました。
 それを踏まえて、ぜひお願いしたいことということで3点申し上げます。
 まず1点目なのですが、再々お話が出ているこども家庭庁のことです。基本的には大賛成です。こどものことはこどもの施策でと思っているのですが、他方で、厚労省からも御説明いただいていますけれども、障害のあるこどもの場合には、どうしても制度をまたぐ部分が出てきます。例えば、この報告書の中にも出ている保護者の就労支援を考えたときに、日中一時支援とか、行動援護とか、移動支援を使おうと思うと、これは総合支援法の世界になるわけです。
 これがこども家庭庁に移ったので、市町村の中で子育て支援の部署で支給決定も含めてやろうとなったときに、片や子育て支援の担当部署、片や障害福祉の担当部署で手続をしなければならないといったようなことは当然起こり得るわけで、手続上の若干のお手間はさておき、この2つが全く知らぬ存ぜぬで、障害福祉課に行けば放デイを使えと言われ、子育て支援の担当課に行ったら日中一時支援を使えと言われるのでは、これはやはり親御さんは立つ瀬がないだろうということで、これは国、都道府県、市町村のいずれも、両者の分断がないような取組をぜひお願いしたいなと思います。もちろん成人期へのトランジションの部分もあるのですけれども、まずはそれが1点です。
 あと、もう一つは、今回の案では、残念ながら、固有名詞としては消えてしまったのですが、こども家庭センターにおけるサポートプランです。これは北川さんも再々お話しされていますけれども、障害のあるこどもは含まれるということを改めてしっかりと市町村の各ところに届くようにお伝えいただきたいなというのが2つ目です。
 3つ目、実はこれが最も重要で、かつ最もハードルが高く、かつ話が半分決着してしまっているので、今から巻き返すのは物すごく難しいのですけれども、児発と放デイなど障害児通所支援の報酬財源のことなのです。
 理論的にはこども家庭庁に移るので、これは子育て支援になるわけですから、いわゆる子育て財源で対応すべきことだと私は思います。ただ、私の記憶では、消費増税による引上げ分の話の中に障害児は入っていないはずなのです。
 これが入っているのだとすれば、非常に期待しているのですけれども、報酬改定そのものは報酬改定検討チームで議論するわけですから、つまり、総合支援法の枠組みの中で議論されていくという中にあって、報酬の在り方を、子育て支援の財源を前提にした位置づけ、別に報酬をべらぼうに上げろとか、そういうことを言っているのではないのですが、必要な経費がきちんと手配できるような財源上の工夫については、ぜひ国のほうで働きかけをしていただきたいなと思いますので、この点を最後にお願いして、私の発言は終了といたします。
 本当に長い間、皆様には様々な学びを頂きました。ありがとうございました。
 以上です。
○田村座長 ありがとうございました。
 続いて、松井構成員、お願いします。
○松井構成員 香川大学の松井です。
 まず、事務局の皆様、取りまとめをありがとうございました。また、委員の皆様、毎回学ばせていただきました。ありがとうございました。
 私はふだんは保育のほうで仕事をしているので、基本的な考え方の部分ですとか、そういったところでのちょっとした違いというか、そういったところも感じながらお話を聞かせていただきました。
 例えば、見守りということにおいては、保育のほうでも見守りというのはあったりしますし、あと、ウェルビーイングについても、近年だと教育のほうで2030年に向けた羅針盤とかでもウェルビーイングというのが出されていたり、あとは、インクルージョンということが再三出てきましたが、インクルージョンの次の施行のフレームワークとして「トランスクルージョン」とかいう言葉が出てきたり、概念が出てきたりということもあって、本当にずっと障害児教育・保育の領域と、あと、いわゆる幼児教育・保育の中で、そこをどう融合していったらいいのかなというのはずっと個人的な課題でもあったのですが、違いを違いとして大事なものとして受け入れながら、次に進んでいくということを考えさせられましたし、最終的にはやはりこどもに戻るのだなということを確認できたかなと思っています。
 今後も何かしら私も関われることがありましたら、注力したいなと思っております。今回、こういった会議に参加させていただきまして、本当にありがとうございました。
 以上になります。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、続いて、米山構成員、お願いします。
○米山構成員 米山です。
 この通所支援に関する検討会に参加させていただいて、ありがとうございます。本当に勉強になりました。
 障害児のほうに私も関わるようになってといいますか、ちょうど国際障害者年に私は医者になったので、そこから医者になって初めて、小林ノボル先生という教授から、こどもを診るときというのは、こどもの目線と同じ高さで診療するのだよというのを教えられて、今回もこども家庭庁になって、こどもを真ん中といいますか、こども目線でというところは大事だなと。それがこの障害児支援でも随分言われるようになったなと思っています。
 私自身、今もここにいるような、心身障害児総合療育医療センターの整肢療護園という日本で一番古い肢体不自由のところで、高木憲次先生が言われる「療育」という言葉を使って始まったところで勉強し始めて、そこでほとんど初めて重症心身障害児・者に人工呼吸器をつけることを知り、「医療的ケア」という言葉は、私どものほうの北住先生、児玉和夫先生、関西のスギモト先生らが1995年に言い始めたところからいろいろ発しているのです。
 本当にここで、こどものリハビリということで、ある意味、医療的モデル、医学的モデルというICIDHというところから、2000年にICFの社会生活モデルへと変わってきたという中で、福祉というのがどんどん変わってきたなと感じています。
 さらに、いろいろな関係で、今、一番はこどもの御飯とか、非行系の全国のこどもたち、つわものが集まってくる国立武蔵野学院のお手伝いをさせていただいているのですが、いろいろなこどもたちを見る機会があって、その中でケアニーズの高いところは、やはり障害ですし、今は「病弱」という言葉は聞かなくなりましたけれども、そういう病気のこどもたちだったり、社会的養育の必要なこどもだったりしています。そういったところを本当に網羅するように、私たち、各地域で連携して支援できたらいいなと思っています。
 先ほど何人かの先生方がおっしゃったように、やはり教育と福祉、あと保健、医療ももちろんですが、連携がないとやっていけないなと思っていて、よく言う地域で顔が見えるところで連携できて支えられたらいいなと思いますし、こどもたちの教育のためには、やはりインクルージョンがどんどん進んで、障害のあるこどもたちを知るということも本当に大きな教育でもあるので、ぜひそこも進めていただきたいなと思います。
 最後になるのですけれども、昨日、おとといかな、里親推進の会で大分県の市長さんがおっしゃっていましたが、私の生まれ故郷も人口が少ないのです。そうすると、もう高齢者の中に障害者も入っていますし、こどもたちも一緒、みんな一緒なのです。今後、少子高齢化の中で、日本はそういう地域包括ということが進んでいきますし、もちろん外国籍の方も入っての多様性を認めていくということになっていますし、本当に私の田舎のところもみんな一緒でないとやっていかないという感じであります。今後の障害児福祉の在り方もそういった中で動いていくのかなと思っております。
 いずれにしても、今回、私もいろいろ勉強させていただいて、本当に一生勉強だなと思いますし、いろいろ足りないところはお互いに助け合うという地域といいますか、社会づくりを、日がな年をとっていくわけですけれども、もう少し皆さんと一緒に協力してやっていきたいなと思います。
 今回、この検討会に参加させていただいて、本当にありがとうございました。
○田村座長 ありがとうございました。
 では、続いて、有村構成員、お願いします。
○有村座長代理 皆さん、本当にありがとうございました。厚生労働省の皆さん、座長の田村先生におかれましても、構成員の皆さん、本当にありがとうございました。
 私自身、この分野ではまだまだ駆け出しかなと思っておりまして、この席に座らせていただいておりますけれども、毎回、勉強させていただいております。
 時間もないので、あまり長く話す気はないのですが、今回、これから先、こども家庭庁に向かっていく中での障害児通所支援の柱、根本となるものができたということは大変大きなところですし、ここをよりどころにしながら、もちろん、行間の中に潜り込んで言語化されていない部分もあるかとは思うのですけれども、さらに進んでいけばいいなと思いました。
 1点だけ述べるとすると、これは初回の冒頭にもお話を振られて、表現をどうしようかと迷いながら、うまく表現できなかったのですが、お子さんとか親御さんが、自分自身が自分の受けるサービスを決めるということに参画していく。自分たちで決めているとか、自分の手に自分の生活があるような感覚を持っていただくためには、何が必要なのかというのは常々考えるところです。そういった意味では、今回、児童の権利に関する条約とか、一般的意見も含めて、読み直したり、自分で訳し直すことも含めてやってみたのですけれども、やはりまだまだ考えていかないといけないところであったりとか、日本がどういう道筋の途中にあるのかということも含めて考えながら参加させていただいたところであります。
 今回は特に「エンパワメント」という言葉も入りましたけれども、やはり支えられながらパワーを発揮する。支えながら自分のパワーが自分の手元で感じられるというところがとても大事なのかなと思っておりますので、追い詰められて判断するというよりは、自分自身が豊かなこども感を持った人々に囲まれ、受け止められながら力を発揮するということであってほしいなと思います。
 結局、長く話してしまったかもしれませんけれども、本当にありがとうございました。重ねてお礼を申し上げます。
○田村座長 最後に、田村のほうから一言だけお話をしたいと思います。
 構成員の皆さん、事務局の皆様、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
 きちんと議論を深めることができたかどうかというところでは、とても怪しいところはあるわけですが、皆さん方の意見を全てとは言いませんが、言いたいことはほぼ言っていただいたのではないかと思います。それを何とか事務局のほうできちんと精査していただいて、皆さんの声を形にできたのではないかと思っています。
 障害児支援の在り方みたいなところからいくと、結局、議論していただいたように、就学前のところは割と体制的にはできているところもあったり、あるいは就学した後、卒業後の大人の世界の中でも、そういう相談支援を中心とした仕組みが一定できていたりするわけですが、やはり就学をしている間、学齢期の教育との関係、先ほど教育と福祉と医療と生活とという話もありましたけれども、今、そこが一番揺れているのではないか。それは障害のあるこどもさんだけに限らないとは思いますけれども、今の教育が求めているこどもたちの姿に対して、こどもたちが、そのことと自分の要求とのずれみたいなことを、どうしていいか分からないみたいなところもやはりあるのかなと思います。
 私は幾つかの学童保育に少し関わっているわけですけれども、学習障害とか、発達障害とか、自閉の方たちはやはりすごく荒れて帰ってきます。学校で一生懸命いい子を演じて、演じて、演じて、それで、もう我慢できなくなって学校から学童保育にやってくる。そこで大暴れする。だけれども、そこで指導員は、だから駄目だとか、これをしては駄目ということはなかなか言えないのだということをよく言っていて、徹底的に寄り添うのだと数が少ない中でもやっているうちに、おまえ、なかなか俺のことを聞いてくれるやんかみたいな形で少しずつ気持ちを寄せてくる中で、気持ちのやり取りができるというようなことが実践報告などでも上げられている。
 だけれども、そのようなことはなかなかできるわけではなくて、今の現実のところでは、放課後の生活というところは大きな暗礁に乗り上げている部分だと思っています。そこから家庭に帰って、先ほど家庭の家族支援の話もありましたけれども、家に帰ってまた宿題を求められたり、家に帰ってこれをしなさいと言われる家庭もあれば、何も言わなくて放ったらかしにされる場合もあったり、本人自身が1日の生活の中でどう生きていくのかみたいなことを、誰を手がかりに、誰を少し支えにしながら1人の人間として成長していくのかみたいなことがまだはっきりできていないのかなと思っています。
 そういう意味では、特に学齢期の発達支援、あるいは家族支援、あるいは本人の大人になりゆく力を育てていく支援という議論をもっと深めていく必要があるのかなと思いますし、それは教育の中でも、先ほど又村さんのお話もありましたように、高校生のような形で障害のある御本人を受け止めていただけるようなこどもたちがもっと増えると、インクルージョンというのはすごく進むのだろうなと思いますけれども、まだまだそういう現実ではない中で、社会から求められる価値観や、こどもたちから求められる価値観や、その中で自分がしたい価値観との間ですごく混乱して、叱られることが多い毎日の中で生きているこどもたちをしっかり支えていくような体制の議論がもっと要るのかなと思います。
 近年、保育園の人員配置基準の話もあるように、そういう配置基準みたいなことを現実的に見直してみるということも、本当は課題として上がってきてもいいのだろうと思いましたが、今回は大きなライフステージをまたがっての話でしたので、そこまで議論は深められませんでしたけれども、個別的な事業ごとのガイドラインをつくっていくときに、またそういう議論もしていただくことができるといいかなと思ったりしていました。
 いずれにしても、たくさんの構成員の方から本当に幾つものすごい示唆を受けた時間でしたし、私自身もいろいろなことを学ばせていただいた検討会になりました。本当にありがとうございました。
 また今後とも、同じような課題とはいきませんけれども、さらに深めた課題で議論ができるような機会があれば、さらにもっと議論をしていきたいなと思った次第です。
 皆さん、本当にありがとうございました。
 司会に戻りまして、それでは、議題の「(2)その他」について、何かございますでしょうか。
 ちょっと時間は押していますが、事務局より、今後について御説明をお願いします。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 事務局でございます。
 報告書の取りまとめにつきましては、先ほど座長一任で御了承いただきましたので、この後は、座長と御相談の上、報告書の取りまとめをさせていただきます。
 報告書の確定版につきましては、事務局よりメールにて構成員の皆様にお送りさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、最後に、障害保健福祉部長の辺見より、御礼の御挨拶をさせていただきます。
○辺見社会・援護局障害保健福祉部長 障害保健福祉部長の辺見でございます。本報告書の取りまとめに当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 委員の皆様方には、御多忙の中、昨年8月の立ち上げ以来、限られた期間で11回にわたりまして大変精力的に御議論いただきましたことを厚く御礼申し上げます。
 昨年6月に成立いたしました児童福祉法等の一部改正法の施行ですとか、障害児通所支援のさらなる検討に向けまして、今般、現場に精通した委員の皆様の真摯な御議論によって、児童発達支援センターを中心とした地域の支援体制の整備や、児童発達支援、放課後等デイサービスの在り方、インクルージョンの推進、給付決定や支援の質の向上などについて、多くの具体的な方向性をお示しいただきましたことを感謝申し上げます。
 また、本日、結局、御意見のないままですので、そのまま決まったのではないかと思いますが、報告書のサブタイトルとして「すべてのこどもがともに育つ地域づくりに向けて」という明確なメッセージを掲げていただきました。
 今後、令和6年度報酬改定に向けて、私ども、検討を進めていくこととなりますけれども、課題の一つであります質の確保を図るためにも、全ての事業所において「すべてのこどもがともに育つ地域づくりに向けて」というこのサブタイトルを目標として共有して、地域の関係機関が連携して計画的に支援に取り組んでいくことが求められていくのではないかと考えております。
 そうしたことを含めまして、今回の報告書に記載された幅広い事項を今後の具体的な検討の基盤としていきたいと考えているところでございます。
 話題にも出ているとおり、令和5年度より、障害保健福祉部が所掌しておりました事務のうち、障害児支援の分野はこども家庭庁に移ります。これによって、子育て支援施策と障害児支援施策が、こどもを支援する施策として一体のものとして取り組まれることとなります。
 今回の報告書を踏まえた施策が実現されるよう、こども家庭庁にしっかり引き継ぐとともに、地域におけるインクルージョンが一層進むよう、また、障害児の施策に取り組むに際して、障害の区分の線引きなく、また、年齢による線引きなく、視点を持って取り組んでいくことの大切さ、必要性については、私ども厚生労働省は平成8年に障害保健福祉部を設置いたしましたが、それ以来、感じてきたところでもございますので、今後、厚生労働省といたしましても、こども家庭庁と緊密に連携を取りながら、障害のある方々に対する切れ目のない支援が提供できるよう取り組んでいきたいと考えております。
 この検討会は報告書の取りまとめをもって閉会することとなりますが、さらに御多忙中のところを申し訳ございませんが、今後も皆様に御意見を賜ることがあろうかと思います。引き続き障害のある方々に対する施策の一層の推進に向けまして、御支援、御指導のほどをよろしくお願い申し上げます。
 今日はどうもありがとうございました。
○稲田障害児・発達障害者支援室長補佐 それでは、構成員の皆様におかれましては、御多忙の中、長期間にわたりまして誠にありがとうございました。
 これにて障害児通所支援に関する検討会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。