薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和4年度第4回献血推進調査会議事録

日時

令和5年1月16日(月)14:00~16:00

開催形式

Web会議

出席者

出席委員(12名):五十音順、敬称略 ◎座長 ○座長代理

参考人:敬称略

  • 小坂 敦彦(滋賀県健康医療福祉部薬務課 課長補佐)
  • 橋本 富蔵(滋賀県健康医療福祉部薬務課 主査)
  • 森本 満(イオンモール株式会社 戦略部ESG推進グループ マネージャー)

日本赤十字社:敬称略

  • 前野 節夫(日本赤十字社血液事業本部副本部長)
  • 松田 由浩(日本赤十字社血液事業本部経営企画部次長)
  • 鹿野 千治(日本赤十字社血液事業本部経営企画部献血推進課長)

事務局:

  • 渡辺 顕一郎(血液対策課長)
  • 仲島 昌司(血液対策課長補佐)

議題

  1. 1.献血推進計画の在り方について
  2. 2.自治体・企業における取組の紹介
  3. 3.その他

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

議事内容
○仲島血液対策課長補佐 それでは、定刻を若干過ぎてしまいましたが全員揃いましたので、これから「薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和4年度第4回献血推進調査会」のWeb会議を開催いたします。本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては御理解と御協力をお願いします。
本日は、お忙しい中御参集いただきまして誠にありがとうございます。この度、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。
本日のWeb会議における委員の出席についてですが、委員12名全員に出席いただいていることを報告いたします。なお、田中委員におかれましては、校務の都合のため、15時30分頃に御退席との連絡を頂いております。
本日は、日本赤十字社血液事業本部より、前野副本部長、松田経営企画部次長、鹿野経営企画部献血推進課長に御出席いただいております。
議題2に関しては、滋賀県より健康医療福祉部薬務課課長補佐の小坂様、同じく主査の橋本様に、イオンモール株式会社より戦略部ESG推進グループマネージャーの森本様に御参加いただいております。
次に、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。タブレット上に、1.議事次第から13.参考資料までのPDFファイルが表示されていない場合や、不足がある場合には、お近くの職員にお声掛けください。座席表に少々変更がありましたので、調査会後、再掲示させていただきます。
また、本日の調査会に際して、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、説明者においてマスクを着用したまま説明させていただく場合がございますので、御了承いただければと思います。まもなく議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまででお願いします。
それでは、以降の進行を佐々木座長にお願いいたします。
○佐々木座長 それでは、事務局から審議の進行方法の説明をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 事務局です。本日はWebでの審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、改めて審議の進行方法について御説明させていただきます。審議中に御意見、御質問をされたい委員におかれましては、まず、御自身のお名前と発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、座長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際にはマイクがミュートになっていないことを御確認の上、御発言ください。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますよう、よろしくお願いいたします。なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別がしがたいほど混雑した場合には、一度、皆様方の発言を控えていただき、発言したい委員については、チャットにその旨のメッセージを記入していただきますよう、お願いします。また、事務局又は座長からそのようなお願いをさせていただく場合がございます。その場合には、記入されたメッセージに応じて座長より発言者を御指名いただきます。
○佐々木座長 ただいまの説明について御意見、御質問がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは議事に入ります。はじめに議題1「献血推進計画の在り方について」から始めます。事務局から説明をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 すみません、少々聞き取りづらいということですので、少し調整いたします。
(機械の調整)
○佐々木座長 それでは、議題1「献血推進計画の在り方について」の説明をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 事務局です。それでは、議題1「献血推進計画の在り方について」説明させていただきます。本件につきましては、過去3回にわたり、先生方に御議論いただいてきたものであり、今回がまとめとなっております。それでは、資料の説明をさせていただきます。
まず資料1-1がまとめになります。資料1-1の別添については、昨年12月に都道府県に対して行った調査を取りまとめたものです。資料1-2は、その調査の際に発出した調査票です。資料1-3は、策定期間を確保するためのスケジュールになります。後ほど、これを用いて説明させていただきます。
それでは、資料1-1を御覧ください。資料の前段で、血液法の主旨を再度確認するものです。血液法の主旨については、安全な血液製剤を安定的に供給するもので、医療に必要な血液を過不足なく患者の方に届けることです。そのためには、国、地方公共団体、日本赤十字社をはじめとして、血液製剤の製造販売業者、医療機関、ボランティアの方々などの関係者の協力が必要となります。
一方で、令和3年「地方分権改革に関する提案募集」において、都道府県献血推進計画の策定義務付けの廃止が提案されたことから、厚生労働省としては、薬事・食品衛生審議会における今後の血液事業の在り方の検討の中で、いわゆる献血推進調査会においてですが、県計画の在り方についても御議論いただきました。
併せて、関係県からも意見を頂きながら検討を進めてきました。検討に当たって、同調査会で出された御意見を踏まえ、国の責任として安全な血液製剤を安定的に確保して供給するためには、県計画の策定義務は引き続き維持するものの、策定する時期が遅い、策定自体が煩雑である等の御意見もあることから、県計画の策定期間を十分に確保できるようにすること等の措置を講ずる方向とさせていただきました。
また、改めて県計画の在り方に関する各都道府県の意向を確認するために、全ての都道府県に対して、令和4年12月13日付で別添の調査票、これは先ほどの資料1-2になりますが、発出いたしました。
結果としては、中段下の四角囲みですが、義務付けを廃止すべきという回答が6件、2番の義務付けの廃止はしなくても努力義務又は「できる」規定とすべきという回答が7件、現状維持とすべきという回答が10件、現状維持とした上で計画期間といいますか策定する期間及び内容等を見直すべきとする回答が23件ありました。1番の廃止と2番の努力義務又は「できる」規定の合計が13件、佐賀県から「1若しくは2」という御回答を頂いていますので、合わせて14件になります。その詳細の説明は時間の関係で割愛させていただきますが、14件中10件については、計画自体は必要であると認識しているところです。また、主な意見としましては、自分の自治体のみの計画とするものでした。血液製剤の安定供給の観点からは、平時のみならず災害等の特殊な事態において、特に広域連携も想定しなければなりません。今後も恒久的に血液事業を推進するためには、県計画の策定を義務として存続するべきではないかとする一方で、御意見の大半にありましたように、策定する時期及び内容については見直すこととし、以下のとおりとさせていただきたいと考えております。
まず、当計画の記載事項のうち、「当該年度に献血により確保すべき血液の目標量」については、引き続き毎年度変更することとします。その他の「献血に関する普及啓発その他の血液目標量を確保するために必要な措置に関する事項、その他献血の推進に関する重要事項」については、必ずしも毎年度の変更は必要なく、変更の必要が生じたときのみ変更することで差し支えないということにします。ただ、毎年度ではなく、長いスパンで確認していったほうが、そうした事業についてはよろしいのではないかという趣旨です。
次に、同計画の策定に伴う手続は、各都道府県で協議会等を開催していますが、これについては都道府県の判断に基づいて実施することで差し支えないということを明確化させていただきたいと考えております。
最後に、都道府県における県計画策定の時間的余裕を確保するためについて、資料1-3を御覧ください。まず、左端の7月28日の「献血推進調査会」で前年度の実績報告を行います。ここから始まり、8月から10月には、各地で、数字空欄の計画案作成やヒアリング等が始まってくるということです。一番右端の3月が、従来の策定期間です。今まで、国の献血推進計画の告示後1か月間で、都道府県の方々が各都道府県の献血推進計画を作られていたということです。11月8日というのが資料中央にあるのですが、これは令和4年度実績になっております。この11月8日から、各都道府県別の血液目標量が確定するとされる11月末から3月を県計画の策定に当てることが可能となるようなスケジュールの見直しを行うこととさせていただきたいと思います。
今回、各都道府県から県計画に関して多くの貴重な御意見を頂きました。厚生労働省として、今後も都道府県の実情に応じた取組の円滑化や事務負担の軽減という観点を十分に踏まえて、制度の運用・改善に努めることとし、本日、先生方に御審議いただきまして、先ほどの上記案を御了解いただけましたら、関係各所と調整させていただき進めたいと思います。以上です。
○佐々木座長 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問があればお願いいたします。特によろしいでしょうか。
それでは、事務局から提出された献血推進計画の在り方については、原案に沿って見直しを行うということで手続を進めていただければと思います。
次に、議題2「自治体・企業における取組の紹介」について御説明をお願いいたします。資料2-1、2-2について滋賀県から御説明をお願いしますが、先に事務局より御紹介をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 事務局です。当議題に関しましては、献血推進についての好事例を自治体・企業から当調査会において御紹介いただき、都道府県の血液事業担当課等へ共有するために発表していただいています。滋賀県におかれましては、若年層の献血者の構成比率が全国平均に比べて低いという状況下において、向上させる取組として「若年層献血推進アクションプラン」を策定し、若年層への働きかけを行って参りました。そうした取組について、滋賀県の小坂様、橋本様から御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○滋賀県橋本様 滋賀県の橋本と申します。皆様、音声のほうは届いておりますでしょうか。
○事務局 届いております。
○滋賀県橋本様 ありがとうございます。それでは、資料によりまして、滋賀県における若年層献血推進の取組について、御説明をさせていただきます。改めまして、このような機会を頂戴しましてありがとうございます。本県では、献血推進計画と、併せて「若年層献血推進アクションプラン」を策定しており、これに基づいて取組を進めているところであります。この「若年層献血推進アクションプラン」を策定することとなった経緯ですが、資料1のスライドの2枚目、「はじめに」を御覧いただければと思います。
滋賀県では、平成27年度、本県の献血者数に占める10代から20代の若年層の割合が17.9%ということで、全国の順位で44位でした。その翌年度も同割合が16.7%で全国での順位が45位で、全国でもワーストクラスということで若年層に対する献血推進・普及啓発が喫緊の課題となっていたところです。
このような背景で、アクションプランが策定されることとなりました。資料2-2として、アクションプランをお付けしておりますが、設定している目標としては、滋賀県保健医療計画等と連動しており、平成30年度に、令和5年度までの長期目標として、若年層の割合をその当時の全国平均の21.4%まで引き上げるということを目標に定めていたところです。
次に、本県の状況について簡単に申し上げます。スライド3枚目を御覧ください。滋賀県の状況ですが、本県は県南部に人口が多くて北部は少ない、いわゆる南北格差が見られるものの、現在のところ、その偏在は比較的小さくなっております。また、JRや名神高速道路等で県外へのアクセスが容易であるため、京阪神とか、名古屋などの近隣の大都市に出掛けられる方や、お勤めの方も非常に多く、県内に大きな繁華街というものが存在しない状況になっています。そういう理由で、県内には常設の献血施設が1箇所しかございません。献血者数の確保という点では、献血バスがメインとなり、いかに献血バスまで足を運んでいただくかということが重要になってきます。
続いて4枚目のスライドですが、滋賀県の保健医療圏域ごとの昼間人口をグラフにして可視化したものです。滋賀県の地図で色分けしている色と右の円グラフの色を、ある程度対応させていただいております。大津市は、滋賀県の地図の一番左側の橙色の「く」の字型の細長い所ですが、ここの大津保健医療圏が昼間人口全体の約22%となっております。県南部の草津市、守山市、栗東市、野洲市の4市で構成される湖南保健医療圏域(緑色)の昼間人口比が約26.4%となっております。この大津と湖南の2つの保健医療圏域で、県全体の昼間人口のうちの約半数を占めているという状況です。
では、アクションプランによる取組事項について、本日は3点、御紹介させていただきます。スライド順に説明させていただきます。1点目は、「学生献血推進イベント等の実施」です。滋賀県では、夏季、秋季、冬季の節目にイベントを開催し、会場での呼びかけや、周知のためのパンフレットの配付を行っています。滋賀県学生献血推進協議会が中心となり、これらの事業を行っていただくために、県は学生献血推進協議会と契約を結んでおり、年間で現在80万円の支出をしております。大学キャンパス内の活動など同世代からのアプローチというのは、やはり若年層への取組において高い効果を見込めると考えております。また、スライドには記載しておりませんが、滋賀県献血協会による若年層向けの啓発と合わせて、1年を通じて何らかの若年層向けのイベントが途切れることなく開催されるように工夫をしているところです。
続いて、2点目の「献血推進ポスターコンクール」です。こちらは県内在住・通学の中高生を対象にしてポスターを募集しております。募集に当たりましては、県のホームページで周知するとともに、教育委員会事務局と連名で、各学校宛ての通知文を発出しております。また、県内の中学3年生及び高校1年生に対しては、生徒全員に行き渡るようにチラシを配付しています。応募作品については、選考を経て8作品の入賞が決定され、入賞者には、賞状及び副賞を贈呈しております。また入賞作品は、県内の商業施設等で展示をさせていただくとともに、入賞作品を印刷したクリアファイルを作成して、入賞の御本人及び、翌年度の高校1年生全員に、このクリアファイルを配布しております。中学生の年齢は、まだ献血のできない年齢ですが、こういったポスター募集を通じて、献血への理解と協力を呼びかけることで、献血可能年齢となった際には少しでも身近なものと感じていただいて、協力を得やすいように取り組んでいるところです。
最後に、「高校生向け献血学習の実施」です。県内の各高校宛てに、献血学習及び高校献血の実施について、県教育委員会事務局と連名で依頼文を発出しております。また、滋賀県の血液センターが実施している献血セミナーについても、学校現場で活用いただけるように案内しております。年度の最後には、各高校宛てにアンケートを取って、献血学習の実施状況の確認を行うとともに、その情報についても血液センターと共有しているところです。高校献血においては、平成28年度に、県内7校での実施であったところ、令和3年度は14校となっており、コロナ禍においても、一定の成果は出ているものと考えているところです。
以上のような取組での成果として、9枚目のスライドにグラフを作成しております。冒頭に説明いたしましたとおり、平成27年度の若年層の割合については全国44位、平成28年度は45位という状況であったところ、令和2年度には28位、令和3年度には27位と、少しずつではありますが順位を伸ばしているところです。
最後のスライドの「おわりに」で記載しておりますが、状況を細かく見ていきますと、比率、人数ともに若年層の数字が特段上がってきているというわけではなくて、ほぼ横這いという状況が続いているところです。現在のコロナ等の新型感染症蔓延という状況の中で、献血バスの受入れを断られる事例とか、学校現場においては、授業時間の確保が精一杯で、なかなか献血学習の時間まで手が回らないといったアンケート結果も実際に頂いているところです。この滋賀県の順位の上昇を一過性のものとしないためにも、引き続き努力が必要であると感じております。滋賀県が特別に独自の取組というものをしているわけではないと思いますけれども、若年層の中でも特に学生さんは、入学や卒業に伴って対象者が毎年入れ替わりますので、こうした啓発については、継続が重要だと感じております。ほかの自治体でも同様だと思いますが、当県においても財政的に厳しい状況から、歳出や策定については財政当局から細かく言われているところですが、何とか工夫を続けて、この啓発を続けていけるように、今後も進めていきたいと考えております。簡単ではございますけれども、当県からの事例発表は以上です。ありがとうございました。
○佐々木座長 ありがとうございました。この後、もう一方の方から御説明を頂きまして、その後、委員からの質問にお答えいただくかもしれませんので、また後ほど、よろしくお願いいたします。
○滋賀県橋本様 承知いたしました。
○佐々木座長 続いて、資料2-3について、イオンモール株式会社様から御説明をお願いいたします。それに先立ち、事務局から御紹介をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 今般、イオンモール株式会社様のほうから、同社の献血推進の取組について御説明いただきます。イオンモール株式会社様の純粋持株会社であるイオン株式会社様におかれましては、過去約半世期にわたり献血に御協力を頂いております。また、過去には日本赤十字社金色有功章を受章されており、平成25年には、厚生労働大臣表彰状を受賞され、今年度においては、第58回献血運動推進全国大会で昭和天皇記念献血推進賞を受賞されるなど、献血推進に大変御貢献されております。
今後の血液事業の在り方を議論するに当たり、これまで企業において、どのように献血に取り組んでいるのかを御紹介いただきたく、日本赤十字社へ照会しましたところ、イオン株式会社様を御紹介いただきました。調査会での発表をお願いしましたところ、有り難くも御快諾いただき、本調査会でその取組について御紹介いただくことになりました。今回、戦略部ESG推進グループマネージャーの森本様から、イオンモール株式会社の取組を御紹介いただきます。それでは、イオンモール株式会社の森本様、御説明をお願いいたします。
○森本参考人 改めまして、私はイオンモール株式会社のESG推進グループの森本と申します。本日は我々の献血活動の取組について説明をさせていただく場を設けていただきましてありがとうございます。簡単ではありますが、資料に沿って説明させていただきます。
3ページは、会社の概要です。4ページをお願いします。私どもはイオングループの中核企業として、ディベロッパー事業を担うショッピングモールの開発・運営に携わっている会社です。昨年12月15日現在で、運営しているモールが199となっております。今年も3月には、2つのモールが開業する形になっております。
5ページは、当社の経営理念をまとめたものです。イオンの基本理念は「お客さま第一」です。経営理念は、「イオンモールは、地域とともに「暮らしの未来」をつくるLife Design Developer」としております。この理念には、当社が目指すべき姿として、商業施設という枠組みにとらわれることなく、地域・社会の抱える課題にソリューションを提供することを事業として、イオンモールが地域コミュニティの中核施設・社会的インフラの地位を確立するといった思いが込められております。
続いてイオンモールの社会貢献活動について、簡単に述べさせていただきます。7ページをお願いします。社会貢献活動については、イオンの基本理念で示しております。イオンの基本理念である「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」ために、イオンピープルが経営活動で得た様々な資源を生かし、地域の社会課題の解決に向けた行動を実践しています。イオンの基本理念が、我々イオンピープルの行動の原点であり、指針となっております。こういった考えの下、我々も献血活動を推進しております。
8ページをお願いします。私たちは、これまでも時代に先駆けて社会貢献活動、また環境への取組も行って参りました。社会貢献活動においては、献血活動や募金活動、そしてイエローレシートというような寄付の活動も行っております。こちらの表には、実は社会貢献活動は載っていないのですが、過去からそういった取組を行って参りました。
9ページから、献血推進活動について簡単に説明いたします。イオンモールの社会貢献活動の中でも大型商業施設の影響力をもって行う象徴的なものが、この献血活動だと思っております。全国のモールで、献血サポーターとして献血会場を提供させていただき、日本赤十字社の活動を継続的に支援しております。
10ページから、取組について説明いたします。「コロナ禍での献血活動」についてです。コロナ禍では外出自粛などの影響によって、企業や学校で献血の機会が減少し、血液の不足が大変深刻な問題となったと聞いております。当社は、この血液を必要とする多くの方々のために、2020年4月の緊急事態宣言による臨時休業以降、営業を再開したモールから献血活動の受け入れを強化して参りました。同年5~6月にかけては、121のモールで約4万5,000名の方に御協力を頂いております。
11ページは、献血者の推移です。2021年は新型コロナウイルスの感染拡大に配慮しつつ、日本赤十字社の要請に応えて受入体制を強化したことで、実施人数は前年比の97%、感染が流行する前の2019年と比較しても約125%に増え、コロナ禍でありながら、これまで以上に多くのお客様に御協力を頂きました。日本赤十字社が全国で実施した献血協力者のうちイオンモールの会場で献血活動に協力いただいたお客さまは、全国の約4.3%と聞いております。2016年が約3%と聞いておりますので、大きく上昇している形になりました。
12ページは、全社での取組についてです。全国の計31箇所のイオンモールで、「全国学生クリスマス献血キャンペーン」を開催しました。近年、少子高齢化の影響などにより、若年層の献血者が減少傾向にあり、この10年間で10代から30代の献血者数が約30%減少しています。本企画は、日本赤十字社の学生献血推進ボランティアが主体となり、イオンモールにお越しいただいたお客さまに献血の呼びかけを行うことで、若年層を中心とした各年代層への献血の理解と協力を促しております。2017年度より実施しており、今回は6回目の開催となりました。昨年12月のキャンペーン開催時は、約2,060名の方に献血活動に御協力いただきました。
13ページからは、モール独自で取り組まれている内容を説明いたします。全国統一で開催する取組以外にも、イオンモール独自、各モール独自で献血に関する取組を積極的に実施しております。山形県に所在する「イオンモール三川」では、年に1度「はたらくクルマ展」というものを開催しております。こちらは地域の課題である少子高齢化に対して、地域の子供たちに、地域で活躍する働く車の体験、そして車とともに働く方との交流を通じて庄内地方で働く夢を抱いていただき、地域の人口流出に歯止めをかけることによって、地域の発展を目指すことを目的として開催しているものです。日本赤十字社の血液運搬車や献血バスを展示しており、体験や説明を通じて献血の重要性を子供たちに理解していただくものとなっております。ほかにも、災害時の緊急対応や日常での救急対応などのブースも設けて、積極的にお子様たちに対して啓蒙活動をしております。
14ページ、最後の取組になります。こちらは岡山県の「イオンモール倉敷」の取組です。こちらでは、2011年に移動採血車用の常設の専用駐車場を2区画設けて、いつでも移動採血車を配置することが可能な形にしております。これによって、献血の受け入れが可能となる献血ステーションを設置できました。献血ステーションは、専用の常駐駐車場に「献血ステーション」という表示もしており、専用の電源、専用の排気システムなども整備して協力させていただいております。取組の説明は以上です。
最後になりますが、我々は、全国にありますイオンモールの規模、そして献血車などが受け入れられる広い駐車場、そして館内では、先ほどのクリスマスキャンペーンの献血活動のようなイベントスペースといったものがあります。こういった資産をフルに活用させていただき、今後も多くの方に献血活動の協力をしてもらえるように活動を行って参りたいと思います。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。以上、簡単ではありますが、イオンモールの献血活動の取組となります。御清聴ありがとうございました。
○佐々木座長 ありがとうございました。ただいま滋賀県の橋本様、イオンモールの森本様より御説明いただきました。御質問があればお願いいたします。田中委員、お願いいたします。
○田中委員 田中です。御説明をありがとうございました。イオンモールさんに質問をさせていただきます。まずは、お客さまに親しまれる場を生かした献血推進活動をESG推進グループで担い、経営において重視されていることに敬意を表したいと思います。また、「働く車」の切り口は新たな接点を広げてくれる素晴らしいアイディアだと思います。ESG、SDGsの活動は、市場や地域社会においてだけではなくて、投資家の方から企業経営として高い評価を得ていること、またこのような活動の実践が企業の更なる価値を底上げしている実感やエビデンスのようなものがあれば伺いたいと思いました。そういうことが公表されると、イオンモールさんに追随してくれるような企業が増えるのではないかと想像しての質問です。よろしくお願いいたします。
○森本参考人 ありがとうございます。今、投資家の方との様々なIR活動を行っている中では、なかなかESGの取組の中で、こういった社会貢献活動が特に取り上げられることはないのですが、我々の総合報告書や、イオン株式会社でのサステナビリティーレポートの中で、そういう取組の開示をしております。そういったところで、恐らく株主様、そして投資家の方に評価いただいているのではないかと感じております。
○田中委員 ありがとうございます。企業の特色を活かした社会貢献活動は、やはり市民の方、顧客の方からも指示されるところが大きいかと確信でき、今日は大変参考になりました。
○森本参考人 ありがとうございます。
○佐々木座長 続いて石田委員、お願いいたします。
○石田委員 石田です。滋賀県の方とイオンモールの方には素晴らしい活動について聞かせていただきありがとうございました。滋賀県での取組について、1点だけお伺いいたします。10代の方の献血者数がかなり増えているという活動効果がよく分かりました。一部の区域で増えているのか、あるいは全体的に増えているのか、どういう区域、あるいはどういう地域で効果的なのか、詳細が分かれば教えていただけますか。
○滋賀県橋本様 滋賀県です。ただいまお尋ねいただいた10代、20代の方の地域ごとの献血者数で、もう少し細かい情報が分かればということですが、現在、手持ちの資料では、地域ごとの各年齢の情報は持ち合わせていないのですが、個人的に、これまでの推移を見ていますと、地域間で特段の有意な差はないのではと考えております。先ほども申しましたように、滋賀県は人口が南部と西部に偏っていることもあり、大きな大学のキャンパスなどは東北部に比べると南部と西部に多いというような地域の事情があります。キャンペーンを打って実際に来てもらってということになると、やはり比重としては南部と西部のほうが多いと。ただ、こちらは人口の差によるものではとも思っておりますので、全体的には満遍なくご協力いただいていると認識しております。以上です。
○石田委員 南部と西部の地域を中心に活動を進めておられるのか、あるいはそれ以外の地域にも同様に力を入れておられるのか、その辺りがよく分かりました。ありがとうございました。
それから、イオンモールの方の御発表は大変素晴らしいと思って感動して聞いておりました。巨大な商業施設が献血に関わることによって、献血への影響力はかなり大きいのではと思いました。質問なのですが、学校や駅前で献血を行っているのと同様に、このような商業施設で献血を受ける方の特徴、例えばラブラッド会員や予約の方が多いのか、あるいは家族連れが多いとか、友達同士が多いのかなど、商業施設で献血をされる方の特徴が、もし分かれば教えていただけますか。
○森本参考人 ありがとうございます。詳細なものではないのですが、弊社、イオンモールの客層というと、どうしてもファミリー層が非常に多いです。そういった意味から、現場にいるときの肌感覚にはなりますが、やはり御家族連れでの御利用が非常に多いと感じております。
○石田委員 ありがとうございました。
○佐々木座長 土田委員、お願いいたします。
○土田委員 土田です。滋賀県の方とイオンの方、御説明をありがとうございました。石田先生から、イオンの客層についての御質問があったので、一応クリスマス献血キャンペーンを開催している学生の立場から少しお話させていただきます。今回もクリスマス献血キャンペーンは、イオンさんや様々な商業施設に御協力いただきました。やはりイオンさんは御家族でいらっしゃる方が多くて、その関係で、どうしても子供がいるから今は献血できないというお客さんも中には結構多くいました。ですので、親御さんが献血をしている際、子供を預けておけるようなキッズスペースの設置をしている施設も少しずつ増えていて、そういうものが更に拡大し、より多くの方に献血していただけるような環境づくりに取り組んでいる状況ということを伝えさせていただきます。以上です。
○佐々木座長 石田委員、どうぞ。
○石田委員 土田委員、どうもありがとうございました。商業施設としてできる活動があるのではないかと気になっていたので、幅広い年齢層で献血を目指す試みは非常に素晴らしいと思いました。ありがとうございました。
○佐々木座長 その他、よろしいでしょうか。宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 滋賀県のお話、それからイオンのお話、とても素晴らしいお話を聞かせていただきました。イオンの方にお伺いしたいのですが、やはり献血となると、ある程度の時間的な配慮をしていかないといけないということで、今のお話のような齟齬が出てくる可能性があると思います。そのときに、お話にあった託児施設、また、駐車料金に関しては、ある程度勘案していくことはできているのかどうか。献血に御協力いただける方に対するインセンティブがありましたら教えていただけますでしょうか。
○森本参考人 各施設によって、お待ちいただけるような場所を設置している所がありますが、我々のほうでは把握できていないところです。駐車料金についても、献血されることを考慮しての料金設定やサービスも、我々のほうでは把握できていないところです。インセンティブについては、一部モールに伺ったところでは、献血を受けていただいた方に、クーポンではないのですが買い物に使っていただけるような買い物券のようなものを配付しているモールもありますので、そういったところから献血に参加しようという動機になっている方もおられるのではと思っています。こういった形が、余り度が過ぎてはいけないとは思うのですが、適正な形でそういったインセンティブは今後も提供させていただければと思っています。先ほどの待ち合いの場所は、今日初めてそういったことを知りましたので、是非、こういうクリスマスキャンペーンを行う際にはそのような場所の確保ができるような形での実施を、各モールにお伝えしたいと思いました。ありがとうございます。
○宮川委員 それから、私は日本医師会として本会議の委員に入っておりますが、もともと高血圧学会でずっと仕事をしていました。そのとき、2017年、2018年ぐらいの高血圧学会で、イオンモールのことを全天候型運動場と紹介したことがあります。高血圧の方には減塩と運動が重要であるところ、実際にはなかなか取り組むことができません。減塩については、減塩と言われるとみんな嫌がってしまうので、適塩、すなわち適切な塩分の取り方をみんなで考えようということをずっと行っています。
運動については、非常に重要だということでも、特に高齢者の方はなかなか歩かれる所が危なかったりするわけです。そうすると、イオンモールは大体1階~3階で、1つのフロアは直線で200m~250mです。1階のフロアを回ってくると大体450m~500mで、3フロアを歩くと1.5km歩けます。歩数としては1歩が大体70cm、高齢者だと65cmぐらいになるわけで、1周回ってくると大体2,000歩を歩けるということです。生活習慣の中で運動はなかなかできないのですが、そういうものをうまく利用してやっていただくといいと考えています。店内のスタッフの方も、救命救急措置の初期の勉強をしていただいたりすると、社会貢献という形で非常にいいのではと思います。
そうすると、全天候型の運動場に、プラス献血の施設が来るということで、イオンモールは概念と言ったら申し訳ないのですが、「ひとも、まちも、きらきら。」となるのです。本当の意味で人を守るというか、地域を守る基地がイオンモールにあるのだという展開もできるのではないかと思うので、是非、献血だけではなく、献血を中心にしながら人の命や健康を守るという考え方で取り組まれると、ディベロッパー事業部として非常に有益になるのではないかと思って提案させていただきました。以上です。
○森本参考人 ありがとうございます。今、弊社ではイオンモールウォーキングということで、各モールに拠点を設けて、ウォーキングできる距離が分かるような形の取組をしています。それから、今はイオンモールアプリがあり、その中にウォーキングのアプリがあります。8,000歩を歩くと、チケットをお渡しして、それを引くとWAONポイントが当たるといった取組もしております。そういった取組と併せて実施ができればと思っています。
○佐々木座長 私も大学の授業で、ショッピングモールが一番高齢者にとってもベストな運動場所だと教えておりますので、是非よろしくお願いいたします。
ほかの委員から、よろしいでしょうか。ありがとうございました。滋賀県様、イオンモール様、誠にありがとうございました。引き続き、献血推進に御尽力いただければ有り難く存じます。
それでは、議題3の「その他」です。「輸出に際しての献血者への説明について」の説明を、日本赤十字社よりお願いいたします。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。資料説明の前に、事前に委員の方々にお送りさせていただきました資料内容及び説明に際しまして、誤解を招くような発言等がございましたことをお詫び申し上げます。今回は資料を修正させていただいておりますので、修正箇所も含めて御説明させていただきたいと思います。よろしくお願いします。それでは、資料3を御覧ください。「輸出に際しての献血の同意説明書の変更(案)について」になります。
2ページの経緯です。今年度の「第2回献血推進調査会」において、厚生労働省から血漿分画製剤における輸出についての追記(案)が示されました。それを参考に「第3回献血推進調査会」において「献血の同意説明書」に追記することを提案させていただきました。今般、血漿分画製剤の輸出については、献血者に丁寧な説明を行う必要があることから、献血血液が原料として使用される輸血用血液製剤及び血漿分画製剤に関する説明にしっかり加えた形で、文字数のスペースが取れる「お願い!」パンフレット内に記載し、詳しく説明をすることで献血者の同意を得ることに変更したいと考えております。参考資料として、第3回献血推進調査会にて提案した「献血の同意説明書(案)」を添付しておりますので、後ほど御覧いただければと思います。
次に、3ページです。「献血の同意説明における流れ」について、御説明させていただきます。こちらが献血の同意説明書ですが、献血現場で配布させていただき、上段に記載しております、右側に大きく打ち出しているものですが、「献血にご協力いただき、ありがとうございます。献血いただいた血液は、輸血用血液製剤及び血漿分画製剤の原料に使用されます。「お願い!」パンフレットと併せて以下の1~4の事項をご確認いただき、献血受付へお進みください。」という記載のパンフレットを配布させていただいて、事前に御確認いただくことになっております。
次に、4ページです。今、御説明しましたのと同時に、献血の「お願い!」パンフレットも配布させていただいております。次の5ページを御覧ください。資料の左側に掲載の「献血前にお読みください」というタイトルで、大きく5つの枠に括って説明をさせていただいております。下から2番目の「献血していただいた血液は」という欄に、今回、輸出に関する記載をさせていただき、しっかりと御説明させていただくことを提案させていただきたいと思います。
6ページを御覧ください。資料の右側に掲載している「献血していただいた血液は」の1つ目の■に、「検査を実施し血液製剤の基準に適した場合、輸血用血液製剤及び血漿分画製剤の原料に使用されます。」ということを記載して、1つ目の※に「輸血用血液製剤とは」として、輸血用血液製剤には「赤血球製剤」、「血漿製剤」、「血小板製剤」、「全血製剤」があるということを、ここでしっかりと謳っていきたいと考えております。また、2つ目の※に「血漿分画製剤とは」として、「血漿中に含まれる血液凝固因子、免疫グロブリン、アルブミンなどのたんぱく質を抽出・精製したものです。献血血液の成分である血漿を原料として、国内製薬企業において製造されています。」ということを記載して、血漿分画製剤とは、どういうものが作られて、どこで製造されているのかということをしっかりと献血者に説明させていただきたいと考えております。
それで2つ目の■ですが、「血漿分画製剤については、国内の患者さんに使用される他、国内自給と安定供給の確保に支障が生じない範囲で、国が定める方針や計画等に基づき海外の患者さんのために輸出される場合があります。」ということを記載し、ここでしっかりと輸出に関する説明をさせていただきたいと考えております。事前にお送りいたしました資料の中の2行目に、「国内自給と安定供給の確保」の記載内容が逆になっておりましたが誤りです。献血に御協力いただいた血液を適正に使用することには変わりなく、血液製剤の安全性を踏まえて、国内での使用量をしっかり確保した上で、海外の患者さんにも供給することが大切であるということで、血液法の基本理念である内容を踏まえて修正させていただき、先に、「国内自給」のほうを記載させていただいたということです。
最後に、7ページに参考資料としてお示しさせていただいておりますが、左側の「献血の同意説明書」、中央の「お願い!」パンフレットを現場でしっかり御確認いただいた上で、「献血の同意」に進んでいただくことになりますので、今回記載させていただくスペースが多い「お願い!」パンフレットに、「輸血用血液製剤とは」、「血漿分画製剤とは」ということをしっかりと謳った上で、献血にご協力をいただける方々に、御理解を頂きながら進めていきたいと考えております。また、献血血液がどのように使用されるのかについてや海外で使用されることについて御理解いただけないままで、献血に御協力いただける方々が、献血から離れてしまわないように進めていきたいと考えております。説明は以上になります。
○佐々木座長 では、ただいまの説明につきまして御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。
○武田委員 はばたき福祉事業団の武田です。御説明いただいてありがとうございます。今回スライドで、2ページの所に経緯をお示しいただいたところですが、最後にあるように、パンフレット内に記載して、きちんと同意を得ることに変更したいということですので、パンフレットと同意書の両方に書いていただくということがよいのではないかと思いました。最後の同意も、それできちんとできるということになりますので。
これは議論の最初のところから、日本の献血と海外の有償採血との違いといったことを私も発言させてもらいましたが、この献血というのは、やはり自分の血液で他の人を助けていきたいということで、善意で行われているものですので、その血液がどのように使われていくかということは、きちんと献血者の方に御理解いただいて献血をしていただくということが非常に大事だと思います。そうした意味でも、きちんと同意を取って進めていただくほうがよいのではないかと感じました。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。ありがとうございます。頂いた御意見を踏まえまして検討を進めていきたいと思います。また、「お願い!」パンフレットと同意説明書を現場で両方をお渡しして、しっかりとその内容を理解いただくという形になっております。「お願い!」パンフレットで、今回丁寧な説明をさせていただくように修正させていただいた状況です。同意説明書ですと、前回もお話させていただいたとおり、2行での説明になってしまうというような状況がございますので「お願い!」パンフレットで対応できればと考えております。
○武田委員 ですので、両方に記載いただければいいのではないかという提案なのですが。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 今後、検討させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○日本赤十字社血液事業本部前野副本部長 日本赤十字社の前野でございます。よろしいでしょうか。すみません、私のほうから少し補足をさせていただきます。今、武田委員から御指摘のありました献血の「お願い!」パンフレットに書くことについて、御理解を頂いた上で同意説明書にも記載すべきではないかという御意見でございますが、私どものほうとしましては、今後こちらについても、関係の皆様の御意見を聞き、あるいは国の御指導も頂きながら、どういった方向がよいのかということは改めて検討させていただきたいと思います。
○佐々木座長 よろしいでしょうか。ほかには。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 武田委員の御質問に関連することですけれども、前回まで献血の同意説明書に記載すると説明されていて、そこの文言を、訂正したり加筆したりすることで、ある程度の了承を得たところ、今回は同意説明書に記載しないで、パンフレットに記載することとなった意味合いについて、少し説明が欠けている感じがします。なぜかというと、パンフレットで、「献血の前にお読みください」ということと、献血の同意説明書に書いてあることは重複していますよね。重複していて、その中で、いわゆる軽重というものがあって然るべきであるのではと思います。
同意書というのは、「何々について確認します」、「OKです」と、本当に簡単な形で書くのですけれども、その前に説明書に非常に細かく書いてあるということはよくあることです。同意書というのは非常に簡略化されるわけで、説明が同意書の前に読むパンフレット等に詳細に書いてあることは、それはそれでいいのですが、この同意説明書の項目というものがなくなってしまったということに関して、武田委員は今おっしゃったのだろうと思います。
第3回献血推進調査会で提案された同意説明書(案)の「5.血漿分画製剤の海外輸出について」の部分、5番が欠落するということに対しての御説明というのがなかったと思いますが、いかがなのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部前野副本部長 日本赤十字社の前野でございます。御意見ありがとうございます。今、宮川委員の御指摘も踏まえまして、7ページを御覧いただきたいと思います。この7ページの一番右にございます、これはタブレットで最終的に献血者の皆様に選択していただくわけですけれども、最後に、血液の有効利用についてということで、個別に、この項目について同意を頂いている状況です。
今回、輸出に際しまして、もちろん献血者の同意、御理解を頂かなければならないことではございますが、献血者の御意思といたしましては、輸血を必要としている患者さんに自分の血液を使っていただきたいという思いですので、これが、国内の患者さん、あるいは現在は医療環境が十分に整っていない国外へ、状況が整った上で輸出するということです。自分の血液を医療に使っていただきたいという思いが少し違うのではということです。
また、それに際し、血漿分画製剤という文言は多少聞き慣れない言葉ですので、そういったことも踏まえて「お願い!」という所に、丁寧に書かせていただいたということです。先ほど御回答申し上げましたとおり、今後、皆様の御意見を聞きながら、どういった形が献血者の皆様に一番御理解を頂けるのかということを検討させていただきたいと考えております。
○宮川委員 ありがとうございます。そういう意味では、法的な縛りの有無ということ以外に、武田委員がおっしゃったように、献血という、海外と違って有償ではなく無償で、善意で血液を御提供いただいている方には、丁寧に御説明して、その用途についてもしっかり分かるようにする必要があります。もし、そういうことを献血される方にお話することで、ご協力いただける方が減るということが危惧されるのであれば、より丁寧に、後で齟齬がないようにしなければいけないということです。
このような形で進められて、後になってから、同意の中で項目を「5.血漿分画製剤の海外輸出について」という形で、なぜ付けなかったのかということを、日本赤十字社の方が言われたときに、しっかりとした説明を国民の方に広くできるようにしていかないといけません。今の段階で進めていくということは、却って禍根を残すことになるかもしれないので、そのことをよく理解していただきたい。献血という善意の方に対して同意を求めてやっていくということは重いことです。
ただ、私も医療者ですから、血液は様々なことへ使用するため無くなると困ることは分かるのですけれども、だからこそ、より多くの方々にしっかりとした説明で分かっていただくということが非常に重要だと思いますし、そちらの方が私たちにとっては重要ということをよく理解していただきたいです。私たちも皆さんと一緒に手を携えて、この適正な説明をしっかりと、これからも構築していくように、是非御努力していただきたいと思っています。以上です。
○武田委員 今、宮川委員のほうからも御説明いただきましたが、先ほど前野さんのほうから御説明いただいたところで、医療に使われること、命を救うということで使われるというところで、この献血のほかの同意のところと少し違うのではないかといったこともおっしゃられたのですが、私はやはり、そこは献血をする方が選ぶことではないかと思います。こちらが何か忖度をして、もうこれだから大丈夫だろうということではなくて、本当に献血をされる方がそう思うのかどうかということをきちんと確認していく、きちんとした説明をして確認をしていくということが、善意で頂いていることへの、こちらの誠意ではないかと思いますので、きちんと検討いただければと思います。
○日本赤十字社血液事業本部前野副本部長 御意見ありがとうございます。私の説明が少し足りなかったことお詫び申し上げます。先ほど申しましたのは、研究ですと、直接治療に使われない場合があるということですので、もともと献血者の方は大きな思いとして、輸血を必要としている患者さんにそのまま使っていただきたいというのが大きいのではないかということで、少しそこは分けさせていただいたということです。
○佐々木座長 柑本委員から手が挙がっていますので、柑本委員、お願いします。
○柑本委員 柑本です。日本赤十字社の方にお尋ねしたいのですけれども、私がもし聞き逃していたら大変申し訳ないのですが、この献血の同意説明書の有効利用の部分、ここから輸出についての記載を取り除き、タブレットの同意のクリックするところがありますけれども、ここからも、その内容を除くという理解でよろしいのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。今御意見を頂いたとおりです。
○柑本委員 ありがとうございます。そうしますと、先ほどから、御本人がどういうふうに自分の血液が使われていくのかということについての選択をといったお話が武田委員からも出ていたと思うのですけれども、では、この輸出については、どこで同意するとか同意しないとかという意思表示をすることになるのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。御意見ありがとうございます。「お願い!」パンフレットで、現場で御説明をさせていただいた際に、お断りされる方はここで献血を拒否されるという状況になります。また昨年9月から進めておりますアプリ化によって、事前に問診していただくような状況でおります。その中で、「お願い!」パンフレットについてもしっかり御確認いただきましたとチェックをしていただく運用になっていますので、そこで同意を頂くという状況です。
○柑本委員 分かりました、ありがとうございます。今のお話を総合しますと、いずれにしても輸出するかどうかということについては、御本人に何らかの形で同意を取りたいという意識はあるわけですね。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。はい、そのとおりでございます。「お願い!」パンフレットにしても、献血の同意説明書にしても、同意を頂くという考え方は変わらないという状況です。
○柑本委員 分かりました、そうしますと、やはり武田委員も宮川委員もおっしゃっていましたけれども、同意説明書というように、あえて同意に関する説明書と銘打って書類を作っているにも関わらず、そこからこの部分が削除されるということには、私はかなりの違和感があります。それから、「お願い!」のパンフレットの中に記載されていることを現場で説明させていただきますということなのですけれども、その説明される方というのも、その現場ごとでいろいろ異なると思いますし、やはり同意を取るかどうかということについては、この説明書の中に明確に書いてあることについての同意を取るというスタンスで進めるべきではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。先ほど、前野もお話したとおり、しっかり精査させていただきながら、御意見を踏まえて検討させていただきたいと考えております。
○柑本委員 分かりました、是非どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○佐々木座長 ほかの委員、先生からはいかがですか。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 宮川です。柑本委員は専門の方ですので、説明と同意というところに対しては非常にこだわりがおありになるのだろうと思います。ですから、その答えに対して「検討しています」というのは、どうやって検討して、いつまでに検討して、どのような結論を出すのかということを言う必要があります。結論として、どういう形になるのかという帰着点、それから時期的な問題、その点をしっかりとお示ししないと、柑本委員の御質問に答えたことにならないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部前野副本部長 日本赤十字社の前野です。柑本委員も含めて今の宮川委員から御意見を頂きました内容につきましては、大変申し訳ございませんが、今ここで、いつまでにというところなど、時期を明確にすることは少し難しいのですが、間違いなく、これは検討させていただきたいと思います。持ち帰らせていただいて検討させていただきたいと思います。
○宮川委員 分かりました。そうすると、輸出は今の状況ではされないということですか、するのですか。輸出してしまってから、その後こういう書類ができましたということは順序がおかしい話になってしまうので、それまでは輸出は止めておくという形でよろしいのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部前野副本部長 この時期につきましても、国のほうとも相談していきながら御指摘の内容は十分検討しまして、社内で詰めさせていただきたいと思います。
○佐々木座長 喜多村委員、お願いします。
○喜多村委員 私は質問ですけれども、いいですか。
○佐々木座長 結構です。どうぞ。
○喜多村委員 武田委員がおっしゃったように、私は、両方に書いたらどうかという御意見に賛成です。同意説明書の4番で終わっていて、5番を削除することになったのは、有効利用とそれから血漿分画製剤に限っての海外輸出については、別物と考えているからだという説明を、事前説明のときに受けたのですが、やはり同意説明書というのは、全ての血液製剤の使い道とか使われ方について全て説明した上で同意を頂くということが必要になりますので、やはりパンフレットだけではなくて同意説明書のほうにも同じように書いておくべきだという意見に賛成です。書きぶりとしては、やはり一般の方ですと、輸出というよりも有効利用に入ると思います。
ですので、4番に○が1、2とありますけれども、3つ目に加えるなどご検討いただければと思いますが、それは難しいでしょうか。遡って同意取得が難しいというようなお話をされていたかとは思いますが、今後の方針として、輸出に関してもきちんと説明をし、同意を取っていくという意見に賛成したいと思います。以上です。
○佐々木座長 日本赤十字社のほうから、いかがですか。
○日本赤十字社血液事業本部前野副本部長 再々の同じような答弁で申し訳ございません。今頂いた御意見も含めて検討をさせていただきたいと思います。
○佐々木座長 ほかに、いかがですか。人見委員、お願いします。
○人見委員 献血を有効利用していただいて、そして海外へもというお話なのですけれども、やはり私は献血する立場から言えば、その献血したものが、他人の役に立っていくというのが一番ではと思います。そのときに、私自身が余りあちらこちら読んでいないという事実もあるのですけれども、しっかり有効利用していただくことをメインにしていただくなら、例えば有効利用というところの中に一つ入れていただくといった、先ほどもお話がありましたけれども、そういったことでもいいのではと思います。
一般の方に向けては、善意で頂くものですので、それを有効に利用させてもらうというのが一番の報いる道かと思いますので、そのように思って聞いておりました。感想じみていて申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
○佐々木座長 ありがとうございます。喜多村委員が先ほどから、また手を挙げておられますけれども、喜多村委員、何か。
○喜多村委員 すみません、間違えました。
○佐々木座長 ほかの委員からはいかがですか。よろしいでしょうか。そうしますと、「お願い!」パンフレットの文書は、ともかくとして、献血の同意説明書の4番のところに項目を加える、あるいは5番にするのか、その辺はテクニカルなことだと思うのですが、その辺について、やはり少し御検討していただくという必要があるというのが、委員の大半の方の御意見だと思いますので、是非その辺をお願いしたいと思います。
それでは、日本赤十字社に持ち帰っていただきまして、改めて御検討いただき、事務局、関係者等と協議の上で、その結果を踏まえて、輸出に際しての献血者の説明についてのお知らせ方法を、次回の調査会で御報告いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
ほかの委員の先生方はよろしいですか。では、事務局から、そのほかに何かございますか。
○仲島血液対策課長補佐 事務局の仲島です。次回の調査会につきましては、令和5年度の開催となります。例年ですと、当調査会は年2回、7月と11月に開催しております。緊急に御議論いただく案件が生じましたら、別途開催をお願いすることといたします。詳細な日程は委員の御予定を確認後、決まり次第、御案内させていただくというところです。
あと本日の調査会をもちまして、全国学生献血推進実行委員会全国委員長の土田委員が退任されます。土田委員から一言、御挨拶いただければと思います。
○佐々木座長 土田委員、御挨拶をお願いできればと思います。よろしくお願いします。
○土田委員 ただいま御紹介にあずかりました、本年度全国学生献血推進実行委員会全国委員長を務めております土田登也です。よろしくお願いします。まず初めに、本会議で資料等を説明してくださった皆さん、ありがとうございました。今年度、全国委員長として、計4回の献血推進調査会に出席できたことは、ボランティアの一員として、そして一学生として、とても貴重で、ためになる経験でした。本当にありがとうございました。
次年度からは、まだ決まってはいないのですけれども、私の後任がこの会に参加することになりますので、是非よろしくお願いします。次年度は、私もまた献血推進ボランティアの一員として、若年層献血の推進に携わっていこうと思っています。1年という短い期間でしたが、ありがとうございました。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。土田委員、1年間どうもありがとうございました。献血推進活動に取り組んでいらっしゃる学生側からの貴重な御意見を頂きまして、当調査会としても大変議論に寄与していただいたと思います。そのほかに委員の皆様から何か御発言はございますか。よろしいでしょうか。
どうもありがとうございます。では、本日の議論はこれで終了にしたいと思います。また次回もよろしくお願いいたします。