第1回電子処方箋推進協議会 議事録

日時

令和5年2月27日(月)16時30分~18時00分

場所

TKP新橋カンファレンスセンター16D
東京都千代田区内幸町1-3-1 幸ビルディング

議事

議事内容

○木村課長補佐 定刻になりましたので、ただいまより、令和4年度第1回「電子処方箋推進協議会」を開催いたします。
 皆様におかれましては、御多用のところ、御出席いただきありがとうございます。
 まず、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第と会議資料本体を事前にメールで送付しております。
 また、ウェブを併用する形での開催に当たり、対面での進行と一部異なる部分がございますので、議論の進行方法について御説明します。
 ウェブで御参加されている構成員におかれましては、議論中に御意見、御質問をされたい場合は、まず、カメラに向かって手を挙げて、事務局より指名されましたら御発言ください。
 発言の際は、マイクがミュートになっていないことを御確認いただき、所属と氏名を告げてから御発言ください。また、発言終了後はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
 最初に、協議会の構成員を紹介いたします。
 構成員名簿に沿って、五十音順に御紹介させていただきます。
 保健医療福祉情報システム工業会戦略企画部事業企画推進室副室長、新垣構成員。
 日本歯科医師会常務理事、宇佐美構成員。
○宇佐美構成員 よろしくお願いします。
○木村課長補佐 日本病院会副会長、大道構成員。
 日本保険薬局協会常務理事、柄澤構成員。
○柄澤構成員 よろしくお願いいたします。
○木村課長補佐 日本チェーンドラッグストア協会理事、関口構成員。
○関口構成員 関口です。よろしくお願いいたします。
○木村課長補佐 日本医師会常任理事、長島構成員。
○長島構成員 よろしくお願いいたします。
○木村課長補佐 全日本病院協会副会長、美原構成員。
○美原構成員 よろしくお願いします。
○木村課長補佐 日本薬剤師会副会長、渡邊構成員。
○渡邊構成員 渡邊です。よろしくお願い申し上げます。
○木村課長補佐 以上となります。
 また、本日は、このほか、参考人として地方独立行政法人山形県酒田市病院機構日本海総合病院、島貫病院長にも御参加いただいております。
 次に、事務局を紹介させていただきます。
 医薬・生活衛生局長の八神でございます。
○八神医薬・生活衛生局長 よろしくお願いいたします。
○木村課長補佐 大臣官房審議官医薬担当の山本です。
○山本審議官 山本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○木村課長補佐 医薬・生活衛生局総務課電子処方箋サービス推進室長の伊藤です。
○伊藤企画官 よろしくお願いいたします。
○木村課長補佐 医政局特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官の田中です。
○田中参事官 よろしくお願いいたします。
○木村課長補佐 社会保険診療報酬支払基金医療情報化推進役の橋本です。
○橋本推進役 よろしくお願いします。
○木村課長補佐 国民健康保険中央会審議役の小出です。
○小出審議役 よろしくお願いします。
○木村課長補佐 なお、本日は加藤厚生労働大臣にオンラインで御参加いただくことになっておりますが、公務により遅れて参りますので、到着後に御挨拶を申し上げます。
 それでは、会議の開催に当たり、事務局を代表して、八神医薬・生活衛生局長より挨拶を申し上げます。
○八神医薬・生活衛生局長 厚生労働省医薬・生活衛生局長の八神でございます。どうぞよろしくお願いいたします。第1回の「電子処方箋推進協議会」の開会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 まず、構成員の皆様方におかれましては、御多用にもかかわらず本協議会に御参加をいただきました。また、本日御出席もいただきましてどうもありがとうございます。
 まず、電子処方箋につきましては、ここにいらっしゃる皆様をはじめとして、関係者の皆様方の多大な御尽力によりまして、本年1月に電子処方箋の運用が開始をされたところでございます。この間の皆様の御理解、御協力に感謝を申し上げます。
 一方、電子処方箋の普及拡大に当たりましては、医療機関・薬局、システムベンダー、それぞれに様々な課題があると伺っております。そうした課題に対しまして、関係者の皆様が協力し合いながら取り組んでいくことが重要だと考えております。
 この協議会におきましては、電子処方箋の導入状況や課題を共有し、さらなる普及拡大のための方策につきまして幅広く御議論をいただきたい。このように考えております。
 この協議会の議論も踏まえまして、電子処方箋の導入や運用に係る様々な課題に対しまして、引き続き、厚生労働省としても関係者の皆様と一体となって取り組んでまいりたい。このように考えております。
 また、本日はモデル事業を実施していただいている山形県酒田地区から日本海総合病院の島貫先生にも御参加をいただいております。この間の御苦労、課題も含めて御紹介をいただく予定となっております。
 この会議、公開でやっております。傍聴もありますが、SNSでも広く視聴することができるということでございます。これからの電子処方箋の普及拡大に当たっては、社会、国民の皆さんの理解が欠かせないと思っております。今日のこうした会議もその理解を深めていただく一助となればと考えております。
 それでは、本日はどうぞよろしくお願いいたします。
○木村課長補佐 これより議事に入りますので、カメラの方は御退席いただきますようお願いいたします。
 まず、議題2の(1)につきまして事務局より説明させていただきます。
○伊藤企画官 それでは、資料1「電子処方箋推進協議会 開催要綱」について御説明致します。
 今回の電子処方箋推進協議会でございますけれども、先月1月より運用開始をいたしました電子処方箋の利用拡大、普及促進について議論する。そのための会議でございます。従いまして、今回御出席いただく構成員の方は、医療機関・薬局、ベンダーの代表として参画頂き普及・導入拡大に向けた議論を行うこととしたいと考えております。
 「2 検討事項」でございます。冒頭、八神からも申し上げましたとおり、今、電子処方箋が利用可能な施設の現状、それから、周知広報の状況を御紹介させていただくとともに、課題の共有も併せて行っていきたいと考えております。それから、本日、島貫先生に御参加いただきましたけれども、昨年10月より開始をしておりますモデル事業の進捗状況についても適宜御報告をさせていただきます。それから、導入促進のためのさらなる方策ということで、忌憚のない御意見を頂戴できればと考えております。
 「3 構成員」につきましては、先ほど御紹介があったとおりですので、割愛します。
 「4 運営」について、原則公開で、本日もYouTubeによる配信も行ってございます。それから、事務局側で、電子処方箋サービス推進室に加えて、医療機関側への普及、電子署名の対応もございますので、医政局、特定医薬品開発支援・医療情報担当参事官室にも事務局に加わっているということでございます。それから、運営主体としての支払基金、国保中央会についても事務局に入っています。
 資料1につきましては以上です。
○木村課長補佐 続いて、議題2の(2)につきまして島貫参考人に御説明いただきます。島貫参考人、お願いいたします。
○島貫参考人 日本海総合病院の島貫と申します。本日はお招きいただきましてどうもありがとうございます。また、この電子処方箋のモデル事業に選定していただきまして、地域を代表しまして感謝申し上げます。
 当地域で行ってまいりました電子処方箋モデル事業の取組について報告させていただきたいと思います。ほとんど現場の話になりますので、しばらくお耳を拝借できればと思っております。
 資料の順に行きたいと思いますが、最初に「電子処方箋導入と期待」ということで、その背景についてお話しさせていただきたいと思います。
 当地域では、2018年11月から北庄内エリアにおける調剤情報共有システムを運用してまいりました。この目的は併用禁忌・重複のチェックと、患者さんの常用薬把握が現場では非常に大変だということで、これを改善したいということで導入しております。ただし、このシステムの問題点は調剤後でないとチェックがかからないということで、なかなか活用は伸びておりませんでした。
 ただ、データの解析を行ってみますと様々な課題が浮かび上がってきました。次の3ページになりますが、データを分析しましたところ、2019年、同意の得られた8,000人、あと、2021年、同意の得られた1万3000人についてデータを解析しましたところ、大体、重複が9~13%発生していること。あと、相互作用の中でも一番問題となる併用禁忌が0.3~0.4%発生しているということです。2021年のデータですと1万3000人で1,200件。これを多いと見るか、少ないと見るかは様々なご意見があるかと思いますが、私たちはこれがかなり重大な課題と理解し、この電子処方箋に対する大きな期待を持っているところであります。
 そのほかにも、ポリファーマシーの問題もあり、電子処方箋を通してこういった課題も解決できたらと思って電子処方箋に取り組んでいるところでございます。
 4ページになりますが、電子処方箋のモデル事業は、4地区で取り組んでおりますけれども、昨年10月31日からSTEP1ということでスタートしております。電子処方箋の利便性、実用性、運用性について検討するということで取り組ませていただいております。STEP2に移った時期は各地域ばらばらになっておりまして、私どものところは少し課題がございまして、12月21日からSTEP2に移っております。
 5ページになりますけれども、今までの電子処方箋導入までの経過について簡単にお示ししたいと思います。昨年8月19日にモデル事業地域に選定していただきまして、その後、様々なシステムの改修とかマスターの整備を行いまして、やっと10月31日にSTEP1での運用を開始しております。その後、電子処方箋管理サービスとの間で動作確認を行いながら、やはりちょっとしたところのトラブルもございまして、そういったところを解決し、問題を解決しながら、12月21日にSTEP2ということで、HPKIカードを用いた電子処方箋を発行する実運用段階に移っております。
 最初は内科と外科での小さなところから始めまして、問題なければ全診療科に運用しようということで、本年1月18日から全診療科での運用を開始しております。この間、やはり医師とか患者さんが、電子処方箋は何なのかという感じで、その辺の説明と周知を繰り返しながら行って進んでおります。
 6ページになります。電子処方箋導入前における準備なのですが、やはり電子カルテのマスター整備に結構、力を注いでおります。従来、薬剤マスター、用法マスター、病院独自のコードといいますか、ハウスコードで運用しておりましたので、それをレセプト電算用コード、YJコードなどの標準コードに置き換える必要があるということで、この紐づけ作業を行っております。
 あと、この医薬品コードと医薬品名称が完全に一致していないと電子処方箋がはじかれるということで、この医薬品名称のチェックが少し手間がかかったところでございます。用法マスターに関しましても、JAMIの標準コードを基にした電子処方箋専用コードで送信する必要があるため、その紐づけを行ったわけですけれども、やはりこれでも不足するところがございまして、それに関しては用法コメントマスターを整備しまして、区分レコードを追加しているところです。結構、この部分に手間取るために、早めの準備が必要だったのかなと考えております。
 次に、7ページになります。電子処方箋の発行する前提条件としまして、やはり被保険証の枝番が必要で、これに関しては当院ではオンライン資格確認の一括照会機能を活用しておりまして、それを活用することによって保険証の枝番の問題はございませんでした。
 ちなみに、右に予約の再診患者のオンライン資格確認の一括照会機能の結果をお示ししますと、98.2%の患者では保険証は問題ないということで、この残りの1.8%の再診患者の保険証を確認するだけで出るということで、病院の受付事務の効率化には非常に貢献しております。
 8ページになりますが、STEP1で、2022年10月31日より電子処方箋管理サービスとの間での動作確認を行っております。
 9ページになりますが、左側が従来の紙の処方箋、右側が電子処方箋対応の紙の処方箋になっております。電子カルテの処方オーダーが電子処方箋管理サービスに全て登録されることになっております。
 この紙の処方箋ですけれども、上のほうに電子処方箋対応引換番号がついておりまして、これで調剤薬局側で電子処方箋管理サービスに登録するということで確認をしております。それで、電子処方箋管理サービスとの間で正確に伝達されているかということで動作確認を繰り返し行ってまいりまして、これが問題ないということで、次のSTEP2に移ろうということで準備しておりました。
 10ページになりますが、11月29日にSTEP2移行のためのテストを実施したところ、やはりシナリオを実施したところ、不具合が発生するということで、STEP2の開始を少し延期しております。これはどういうことかというと、電子処方箋を修正した際とか削除した場合、それがうまく反映されないで、電子処方箋管理サービスに2つの情報が残ってしまうということで、それを改善するために、電子処方箋管理サービスから取得するIDをオーダーに反映させないと修正できないようにするということで改善しております。
 また、カードリーダーの不具合等もありまして、その問題を解決しまして、12月21日からSTEP2に移行しております。
 そういうことで、11ページになりますが、日本海総合病院と2つの薬局で実運用を開始しております。
 12ページになりますが、電子処方箋は皆様、これはよく御存じのことだと思うのですが、患者さんが病院にいらっしゃって診察をする。その後、処方箋を発行するわけですけれども、やはりここで問題になるのが、患者さんが電子処方箋対応薬局に行くのかどうか。この把握が非常に手間取りまして、その確認が必要で、その確認が取れましたら電子処方箋を発行するような格好で対応しております。
 患者さんは、この引換番号を調剤薬局に通知しましてお薬を受け取るようになっております。
 続いて、13ページになります。北庄内における電子処方箋対応可能な施設数と導入時期についてお示しします。2022年12月21日に1病院と2薬局でスタートしまして、その後、今年になりまして、1月26日の段階で1診療所STEP1ということで、その後、2月10日にSTEP2に移行して電子処方箋を発行しております。ここの診療所は電子カルテで運用しているところでございます。もう一つの診療所が、2月10日でSTEP1、2月17日からSTEP2に移っておりますけれども、ここは紙カルテとレセコンの診療所になっております。調剤薬局も最初手挙げしたところ以外にも3か所と増えてきておりまして、現在12か所が稼働しております。
 いずれにしましても、電子処方箋を発行するのに対して患者さんとかドクターがなかなか電子処方箋のことを理解していないことが多いものですから、その説明にかなり時間を要しました。あと、医師が意外と4桁のPINのコードを間違えることがございますので、これに関しても気になっていたのですが、15回以上でロックがかかるということで、少し気楽にやっております。やはり電子処方箋対応薬局が少ないものですから、なかなか重複防止とか併用禁忌といったところのシステムの確認はまだできていないところでございます。
 14ページになります。電子処方箋を発行する際に、やはり電子署名が必要で、カードリーダーにHPKIカードを乗せまして、その後、4桁のPINの入力が必要になります。
 ただし、電子処方箋を発行できないケースがございまして、制度上、オンライン資格確認に対応していない保険、労災、公費単独、生活保護、自衛官診療証等は電子処方箋で対応ができないということです。あと、分割調剤、リフィル処方箋も現段階ではできないで、これからのシステム開発を待っているところでございます。やはりリフィル処方箋を結構使っているドクターも多いので、早めの対応をお願いしたいと言っております。システム仕様上対応できないものとしましては、当院の場合は診療材料を含む処方箋に関しても対応できないところになっております。
 一番下に書いておりますが、やはりかかりつけ調剤薬局の把握が一番大変で、現場では苦労しております。患者さんによっては、電子処方箋対応薬局に行くと言っていながら非対応の薬局に行く方が大体1日に1人から3人ぐらい発生しておりまして、そのたびに紙の処方箋を薬局に届けるような苦労もしております。
 次、15ページになるのでしょうか。電子処方箋対応施設のところですけれども、赤丸でつけたところが既に電子処方箋に対応しているところで、1病院2診療所12調剤薬局になっております。▲のところが現在準備中でおりまして、やはりシステムの開発が少し遅れているとかHPKIカードがまだ来ていないということで、3か所が待機ということになっておりますが、恐らく3月中にはこの3つのところも稼働するのではないかなと思っております。
 次をお願いします。最初、患者さんの希望を聞きながら電子処方箋を発行していたのですが、やはりなかなか増えないということで、院内にこのようなポスターを掲示しまして、当院では電子処方箋を優先して発行しておりますということで患者さんに説明をして理解をしていただいております。
 右は電子処方箋に対する説明と、あと、電子処方箋対応の調剤薬局を記載しまして、これにチェックをしてもらって提出してもらうことになっております。
 17ページになりますが、かかりつけ薬局を把握する方法。調剤薬局全てが電子処方箋に対応になればこういうことも必要ないのでしょうけれども、現段階では電子処方箋対応のかかりつけ薬局に行っているのかどうか、把握しなくてはいけないということで、ここを苦労しながら変遷して対応してきました。
 最初、12月21日から対応したときは、このような紙を渡して、この2つの電子処方箋対応薬局に行く方はこれを提出してください。診療のとき、診察のとき、医師に渡してくださいとお願いしていたのですが、やはり患者さんも電子処方箋とは何というところがございまして、なかなか出してくれない。医師もどうですかとなかなか聞いてくれないものですから、この段階では電子処方箋の発行は少ない状況が続いておりました。
 やはり全診療科で対応するようになってから、これではいけないかなということで、2番目の1月23日からですけれども、ブロックの受付で電子処方箋対応の薬局に行くのかどうかを聞き取りして、事務の方が「電子」か「紙」をファイルに入れて医師に連絡するようにしてから、やっと電子処方箋が少しずつ増えるようになってきました。
 ただ、これも電子処方箋対応薬局がだんだん増えてきますと、聞き取りも大変で、ブロック受付で患者が少し待たされる時間が長くなってきたということで、改善要望が現場から出ました。それではということで、2月22日からですけれども、右のような地図の入った紙を渡しまして、これをチェックしてもらってブロック受付に出してもらうという、その後は2番と同じ運用で現場の受付業務の手間を少し軽減するようにしております。
 18ページになりますが、エントランスで、このピンクの紙はコロナの問診票になるわけですけれども、その脇にこういった電子処方箋対応薬局の問診票を置きまして、これに記載してもらってということで対応しております。
 ただし、これを毎回書いていたら患者さんも大変でしょうから、一回、これを提出していただいた方にはこの調査票をまたお渡しして、次回来たときに出してくださいということで対応しております。
 19ページになりますが、電子処方箋の発行件数になります。この最初の問診票の扱いのマル1のところでは症例数が最初は1例、2例と少なかったのですが、年が明けてからは一桁から二桁になってきております。
 全診療科で対応するようになってからは徐々に増えてきまして、一日の発行件数が40~50件、多いときだと77件と次第に増えてきまして、さらに多いときだと100件を超えるようになってきました。
 マル3になって、その当日ですけれども、117件ということで経過しております。残念ながら、24日は59件になっております。合計として1,639件の電子処方箋を発行しております。
 20ページになりますけれども、電子処方箋の発行件数を診療科別に見ますと、少し多いところと少ないところはございますが、全ての診療科の先生が電子処方箋を選んでくれております。
 耳鼻科のところは、0になっておりますが、10月に申請したHPKIカードがまだ未到着で、まだ使っていないということで、HPKIカードが来ればここも電子処方箋へ対応すると考えております。
 続いて、21ページ、電子処方箋の実際の電子カルテ上のオーダー入力について示したいと思います。
 22ページになりますが、電子処方箋のオーダー入力ですが、処方箋の発行形態を医師は電子か紙か選ぶだけで、特に大きな労力の負担もなく、電子処方箋を発行できることになっております。
 右の赤でくくったところの「院外(紙)」がデフォルトになっておりまして、電子に変えるときは「院外(電子)」、これをクリックするだけで電子処方箋を発行することができます。
 これで確定しますと、23ページになりますが、その後、電子署名が行われることになります。HPKIカードをICカードリーダーに乗せまして、その後、4桁のPINを入力することになります。
 最初のころ、医師は医師資格証を忘れて電子処方箋が発行できない、パスワードを忘れたといったトラブルがございましたが、だんだん慣れてきますとこれもスムーズにいくようになってきております。
 24ページになりますが、その後、重複投薬・併用禁忌等のチェックが行われます。これは医療機関をまたいだ投薬チェックになりまして、院内での処方に対してはチェックがかからないと聞いております。
 今後、この重複や併用禁忌を確認する場面が増えてくるのではないかなと期待しております。この画面で薬剤ごとにコメント入力が可能になっております。
 25ページになりますが、そこで電子処方箋を確定しますと、処方オーダー登録後に電子処方箋の「処方内容(控え)」が印刷されます。大体、この電子処方箋管理サービスとやり取りしながらの発行で、この間、6秒から7秒ぐらいかかりますので、この処方控えが出てくるまでに時間がかかっております。
 これを用いまして、患者さんは従来の紙の処方箋と同じ方法を踏襲してもらっております。いろいろな方法を提示しますと患者のほうで混乱するのかなということで、従来の紙の処方箋と同じような方法で薬をもらいに行ってもらうということで、院内からファックスで処方内容の控えを発送し、その後、調剤薬局側で調剤した薬をもらっております。いずれ皆さんが慣れてきましたら、この電子処方箋の送信方法や送信システムについては検討していこうかなと考えております。
 26ページになりますが、これが自院で発行した処方箋に関する調剤結果の照会の画面になります。調剤結果に関しましては、HTMLで参照できるということです。オンライン資格確認でもPDFで参照できることになっております。
 現在、この調剤結果について、電子カルテに取り込めないものですから、参照するだけになっております。いずれ、これを電子カルテに取り込められれば院内での処方に関しても医療安全に関わる貢献ができるのではないかなと考えておりますが、今のところ、まだできておりません。
 27ページ、電子処方箋導入におけるシステムに関する諸課題をまとめてみました。この医薬品コードの統一、医薬品名の統一、用法コードの統一。こういったところが大事かなとは思っております。
 医薬品コードに関しましては、レセ電算コード、YJコードなどの標準コード。こういったものの実装が必要になっておりまして、先ほど説明したように、ハウスコードとは別に標準コードをきちんと使うことが大事かなと思います。
 また、医薬品名に関しましては、これも先ほど述べましたが、医薬品名が完全に一言一句合っていないと電子処方箋が発行できない、はじかれるということで、最初の段階ではきちんと確認する作業が必要だったということです。医薬品名と医薬品コードが両方合っていないと電子処方箋が発行できないということで、医薬品コードだけでは駄目なのかなというのが現場からの意見として上がっておりました。
 用法コードに関しましても、JAMIのコードを参考にした電子処方箋専用のコードが用意されていたのですけれども、やはりこれだけでは足りないので、3分の1ぐらいは用法補足のレコードでの対応が必要であったということになります。
 HPKIの利用ですけれども、8月ぐらいからHPKIの準備をしておりまして、最初の頃はスムーズにいっていたのですが、やはり10月以降に申し込んだものに関しては発行が少し遅れているということで、対応に少し時間がかかっております。今後、HPKIセカンドに対しても対応できるように準備していきたいと思っております。
 重複や併用禁忌などの医療安全に関わるシステム要件に関しましては、私たちはよく分かりません。
 また、電子処方箋引換番号の薬局への伝達方法に関しては、現在はファクスですけれども、電話とかアプリとかPHRとか、今後はそういったものが使えるようになるのではないかなと考えております。
 導入費用と保守費用に関しては大体、国で試算したような額から大きく外れることはなく利用できております。しかし、当院の場合、ローカル署名モジュール、外来の80台のPCにカードリーダーを置いているわけで、ライセンスも取っているわけですけれども、この80台で5年間ライセンスが50万円です。外来以外の病棟の端末ではなかなかこれが使えないところが問題ですが、今後どうしようかなと考えております。
 ベンダーの開発状況ですが、全体に遅延していますが、少しずつ対応が進んできておりますので、いずれ時間が来れば解決するのかなと考えております。
 28ページですけれども、現在のHPKI署名とHPKIセカンドについて比較の表をつくっております。従来のHPKIの署名ですとHPKIカードをリーダーに読み込ませる必要があるわけですが、HPKIセカンドが使えれば、このような格好で認証ができるようになるのではないかなと期待しております。
 しかし、ベンダーへ対応を依頼はしているのですけれども、開発が恐らく来月ぐらいかなということで返事をいただいておりまして、開発が終了しましたらHPKIセカンドも活用していきたいと考えております。
 29ページになりますが、この比較表の通り、HPKIカードの場合は医師が皆さん、HPKIカードを持っていなくてはいけないわけですが、HPKIセカンドですと医師ごとに病院から配付しているスマートフォンがございますので、それを活用してHPKIセカンドを利用していきたいと、考えているところでございます。
 30ページです。これは国のほうから示しているものですけれども、当院の場合は、オンライン資格確認から電子処方箋に移行するのに当たりまして、ネットワークの変更や、システム開発費用がございまして、大体、事業額の、ここで提示されている額プラス数十万円程度ぐらいで済んでおります。
 31ページになります。電子処方箋への移行期、その課題とメリットですけれども、患者さんに関しましては電子処方箋の意義がなかなか理解できないようですので、その価値に関しまして市民によく周知していくことが重要かなと考えております。また、マイナポータルを通して自分の処方や調剤情報をリアルタイムで知ることができるわけですが、さらに自分のリアルタイムな処方・調剤情報を相手の医療機関に提示できることもございますので、そういったこともこれから説明していかなくてはいけないかなと考えております。
 医療機関に関しましては現在、当院の場合は1日60~120件ぐらいにとどまっておりますけれども、対応薬局が増えていけばさらに今後増えていくと考えております。現在、当院の場合、門前にある薬局が大体、院外処方箋の半分ぐらいはそこで薬をもらっているようですが、その中でさらにその半分、全体の4分の1を扱っている調剤薬局がまだ電子処方箋に対応できないということで、そこが対応できるようになれば今後さらに増えていくのかなと思っております。この過渡的な期間をできるだけ短縮するためには、地域全体での討議を推進することが大事かなと考えております。
 また、紙カルテとレセコンの診療所なのですが、ドクターの診察しているところでHPKI認証を行うためにはサーバーの設置が必要で、そうなるとかなり高額の費用がかかるようでした。現在はサーバーを置かないで、レセコンで対応しているということでございました。今後、さらに院内処方や退院時処方への対応についても検討していただければと考えております。しかし、少なからず、マイナンバーカードで同意が得られれば、患者のリアルタイムの情報が見られることは非常に大きなことだと考えております。
 32ページですけれども、これは市民への周知で、県の医師会や薬剤師会に協力いただきまして全面広告記事を載せております。今後はこういったことを地区医師会や薬剤師会と協力しながら周知活動をきちんとやっていきたいと思っております。電子処方箋の現状を把握して、そのメリットと課題について共有し、地域で導入推進を加速していきたいと考えております。
 33ページになりますけれども、これは調剤薬局側のことになりますが、電子処方箋対応薬局は紙処方箋についても調剤結果を管理サービスに登録するわけですので、これはとりもなおさず電子処方箋対応薬局が増えますと、重複防止とか併用禁忌など、医療安全に非常に役に立つのではないかなと考えております。
 34ページになります。HPKIカードの当院での取得状況についてお示ししたものでございます。当院では医師数151名中、取得済みが120名で、既に申請しておりますけれども、まだ未到着が26枚ございまして、これがもうすぐ来るのではないかなと思っております。未申請が5名となっておりますが、このくらいは割と少ないほうかなと思っております。
 また、大体4月や10月に医師の異動がございますので、異動の通知が来ましたら当院に異動する医師の先生には「医師資格証発行申請書」を送付して、当院に異動する前にHPKIを入手できるように対応しているところでございます。
 35ページで、オンライン資格確認について、これは電子処方箋の基盤でもありますので、当院の状況について簡単に報告したいと思います。当院では2021年2月からプレ運用を開始しております。
 36ページになりますが、2021年2月からプレ運用を開始しました。
 37ページになりますが、これが現状でございます。新患における単件照会が大体、月平均3,400件です。また、再診における情報は、先ほどお示ししたように、朝5時に自動一括照会を行っておりまして、98.2%の患者さんで保険証は問題ないことを得られております。
 38ページになりますが、新患患者におけるマイナンバーカードの利用者数を示しております。なかなか増えなかったのですけれども、昨年10月のシステム基盤整備体制充実加算の新設によって、マイナンバーカードを利用する人が増えておりまして、現在、一日に約20人の方が使っております。今後、4月からの特例措置で再診患者がどの程度増えるか、注意深く見守っていきたいと思っております。
 39ページ、オンライン資格確認の効果で、今後、電子処方箋の結果も反映されるということで、薬剤情報の参照に関しましても期待したいと考えております。
 40ページになりますが、電子処方箋への私たちの期待ということで、少し簡単に述べさせていただきたいと思います。
 41ページですが、当地区で4年間運用しております調剤情報共有システムから抗インフルエンザ薬の調剤行数からインフルエンザの患者数を推測したものですけれども、2018年度に関しましては5,299人、2019年度が3,186人のインフルエンザ患者が発生していることがこれで分かります。
 地域人口が大体14万人で、調剤情報共有システムの導入率や院内処方率から考えると恐らく、この2倍ぐらいの患者さんが発生しているのではないかなと思っております。今後、電子処方箋が広く普及すればインフルエンザの患者推計が地域ごとにリアルタイムに可能になるのではないかなと考えております。
 42ページですけれども、当機構では2つの病院と6つの診療所を運営しておりますが、これが離島とか中山間地域にございまして、今後は電子処方箋とオンライン診療は親和性が高いと考えまして、調剤薬局の対応が進めばオンライン診療と電子処方箋の実装を進めていきたいと考えております。
 43ページが当地区における医療情報プラットフォームの全体像を示したところなのですが、オンライン資格確認と電子処方箋が始まり、マイナポータル等を活用し、今後、PHRを構築することで、健康意識の向上や、患者さんが医療に参画してくれるような格好をつくっていきたいと思っております。
 44ページになりますが、これがこの1~2月で酒田地区医師会のアンケート調査を行った結果について説明したいと思います。
 回答率が66.7%です。オンライン資格確認に関しては現在、48.4%が導入済みで、この3月末までには導入予定が33.9%ありまして、合わせますと82.3%で普及してきております。
 電子処方箋に関しましては、まだ導入済みが2か所になりますけれども、導入したいと申し出ているところが8か所ございますので、この16.1%で活用していきたいと思っております。ただし、48.4%、30か所が今後検討したいということを述べておりますので、こういったところに電子処方箋についての効果、様々な周知を行いまして、導入に向けて進めていきたいと考えております。
 45ページ、最後になりますが、まとめになります。電子処方箋の意義は、医療安全と常用薬の把握がスピーディーにできることや、災害時に威力を発揮できることかなと考えております。次に、常用薬の把握なのですけれども、これは医療だけではなくて、介護の現場でも困っているところがございまして、そういったところで使えるようになればいいのかなと思っております。
 また、マイナンバーカードが診察券の機能を持つと、こういった運用もさらに円滑になるのではないかなと期待しております。
 さらに、電子処方箋は物理的には全国一円のサービスだと思いますが、論理的に地域で分けた運用が可能になれば様々な取組ができるのではないかなと期待しておりまして、やはり電子処方箋から始まる医療DXで、北庄内、我々の地域では非常に期待して皆、取り組んでおりますので、今後とも御指導につきましてよろしくお願いいたします。
 私の報告は以上になります。御清聴ありがとうございました。
○木村課長補佐 島貫参考人、御説明いただき誠にありがとうございました。
 なお、質問などにつきましては、この後の事務局からの説明の後、まとめてお伺いさせていただければと思っております。
 続きまして、議題2の(3)につきまして事務局より御説明させていただきます。
○伊藤企画官 それでは、続きまして、資料3「電子処方箋の導入状況等について」の資料に沿って御説明をいたします。
 1枚目、導入状況についてで、2月19日時点で、全国684施設で電子処方箋に対応しているということになってございます。これまで昨年10月からモデル事業を開始しておりまして、1月26日から全国の運用になってございますけれども、システム・運用面でこれまで大きなトラブルは出ていないということでございます。
 それから、システム改修の事前申請。これは利用申請施設数と呼んでおりますけれども、これが同じく2月19日時点で4万412施設あるということでございます。こちらにつきましては、準備の手引を公表しておりまして、システム改修の前段階、HPKIカードの申請、それから、システムベンダーへの相談を開始していただいた後にこの事前申請をお願いしておるところで、その施設数がこれだけあるということでございます。
 それから、HPKIカード。これは電子署名に必要なもので、1月末時点で発行枚数が約4.4万枚で、こちらにつきましては現在、認証局が3つございますけれども、この認証局で合わせた数でございます。後ほど出てまいりますが、経済対策、第二次補正におきましてHPKIカードの補助で22億円確保しておりますけれども、昨年10月から1月までの発行枚数については約4.4万枚のうち1.8万枚で、発行枚数が足元では伸びてきている状況でございます。
 一方で、オンライン資格確認の導入で、これが来年度から原則義務化になっておりますが、一方で経過措置が取られているということで、このような状況下におきまして、システムベンダー各社ではリソースの逼迫というお話もございまして、十分な改修が進んでいないというお声もいただいているということでございます。加えまして、電子署名に必要なカードが届いていないといったお声ですとか、それから、地域によっては、これは面的に広がりを持っていくと電子処方箋はまさに機能をフルに活用していただけるということで、どちらかしか運用開始していない地域も多いので、まだ十分な利用に結びついていないといったお声も頂戴しているところでございます。
 スライドの2枚目で、この684施設を地図でプロットすると、このような形になるということでございます。
 黄色く塗ってございますのが、これは同一市区町村内に少なくとも1か所以上、医療機関・薬局、どちらも立地しているような都道府県がこの黄色であるということ。それから、この青色は医療機関・薬局、いずれかの施設が立地している都道府県でございます。グレーについてはどちらもまだ立地していないということで、これをしっかりと導入を進めていく。青いところも黄色く塗っていくということで進めていきたいと考えているわけでございます。
 スライドの3枚目で、システムベンダーの事業者の方にはオンライン資格確認の対応等で非常に今、御負担をお願いしているところでございます。そのような中で先般、ベンダーの各社の事業者の方に対して、電子処方箋の導入計画につきまして策定をお願いさせていただいたところで、その結果はホームページでも公表させていただいているということでございます。
 その一部を御紹介させていただきますと、現時点でシステム導入に対応可能なベンダーで、これは回答があった事業者は40社ほどございますけれども、そのうち21社が現状、対応可能であるという回答をいただいているということでございます。対応可能ということでございますが、これは見積りがまず取れること。それに加えて実際、回収にも対応ができるという回答をいただいたのが21社あるということでございます。
 それから、個別のヒアリングにおきましては、特に大手のベンダーの方は、やはり一部の事業者によっては導入するまでの余力がまだ十分ないとといったお声がございました。それから、特に中小のベンダーでまだプログラムの開発が完了していないといったお声も出ているということでございます。
 こういったベンダー各社の対応状況につきましては今後、まだ回答をいただけていない事業者もございますので、定期的に公表をしてまいりたいと考えておりまして、これを踏まえて、特に導入意欲の高い医療機関・薬局の皆様に早期運用開始を働きかけしていきたいと考えております。
 スライドの4枚目につきましてはその続きで、今後対応可能なベンダーでございます。回答いただいた対応予定時期で3月以降ということで回答をいただいた事業者が並んでいるということでございます。
 詳細につきましては厚生労働省のホームページを御覧いただければと思っておりますけれども、見積りであれば対応可能という回答をいただいたような事業者もございますので、詳細につきましては、お使いのベンダーがどういう状況かは御覧いただければと考えております。
 スライドの5枚目でございます。システムの改修に当たりまして、負担軽減策ということでリモート改修を推奨させていただいております。
 これまでオンラインでの説明会などを通しまして、実際に改修をするときには対面での改修ではなくて、遠隔で改修もできるということで御紹介をさせていただいております。これによってベンダー側のリソース、それから、コスト面での低減につながる可能性もございますので、検討をしていただければということでございます。
 オンライン資格確認の導入がまだ未完了である施設については、オンライン資格確認と合わせるような形で電子処方箋のシステム改修も検討していただきたいというお願いをさせていただいているということでございます。
 続きまして、スライドの6枚目、電子署名に必要なHPKIカードの発行状況で、冒頭申し上げましたとおり、昨年の秋から申請数はかなりの伸びを見ているということでございます。下に発行枚数、それから、申請件数ということで数字を書かせていただいておりますが、累積で発行枚数は約4.4万枚で、そのうち、昨年10月から1月末では認証局ごとにこれ程の発行枚数に取り組んでいただいているということでございます。
 下に参考で申請受付件数をお示ししております。これが昨年10月から1月末までで、こちらが約6.1万件、今、申請が上がってきているということになってございまして、一部の事業者の方から、運用を開始したいのだけれども、まだカードが手元に届いていないといった声も頂戴しているということでございます。先ほど島貫参考人からも一部の診療科ではというお話もあったかと思っております。
 認証局の皆様には大変な御負担をお願いさせていただいている状況ではございますが、さらなる発行体制の強化でお願いをさせていただいているということで、併せまして、早期発行の仕組みを新たに導入したいということでございます。これは後ほど御紹介をさせていただきます。3点目としては、カードレス署名の導入の促進ということで進めてまいりたいと考えております。
 スライドの7枚目でございますが、これが早期発行の仕組みで、HPKIのファストトラック窓口の設置ということで、本年3月、来月から申請の受付を開始していきたいと考えております。
 こちらについては、支払基金におきまして申請サイトを新たに設けまして、一定の条件下で運用開始したいのだけれども、まだカードが届いていないために運用開始ができないといった事業者の方に限定をさせていただいた形で、必要最低限の枚数を早期に発行するといった仕組みになってございます。
 具体的な流れで、申請から1か月以上たっているという方に限定したような形で、そういった方については各認証局と支払基金の間で調整をさせていただいて、普及拡大の阻害要因にならないようにしていきたいということでございます。
 スライドの8枚目がカードレス署名で、HPKIカードは現在、物理的にカードリーダーを用いて電子署名を行う仕組みでございますけれども、併せて物理的なカードを用いないカードレス署名方式でお使いいただけるような説明をしてまいりました。
 この下のところで申し上げますと、マル2番がカードレス署名の仕組みになってございまして、これは特にたくさんの医師がいらっしゃるような大規模な病院。こういったところにはカードリーダーの購入負担の軽減という観点からもメリットがあろうかと考えているということでございます。
 加えまして、これはカードをかざす必要がないこと。それから、毎朝PIN入力をすれば、その日は一日中使えるといった運用上のメリットもあるということで、これをベンダー各社に対しては早期の開発をお願いさせていただいているということでございます。
 スライドの9枚目が実際に対応できる事業者で、こちらも同様に回答をいただいた事業者を掲載させていただいております。3月までに対応ができるといったところが現在3社あるということで、4月以降からも順次対応できる事業者が増えていく。そういった状況にあるということでございます。
 スライドの10枚目で、当面の普及拡大に向けた対応で、先ほど申し上げましたとおり、ベンダーの課題につきましては、ベンダー名の公表ですとかリモート改修といったものを活用していくということ。それから、電子署名に必要なHPKIカードについては、発行体制の強化、早期発行のファストトラックの仕組みを創設、カードレス署名の推進ということでしっかりと取組を進めてまいります。
 その際でございますけれども、全国の国民の皆様に電子処方箋の効果を体験、実感していただくことが重要かと思っておりますので、導入意欲の高い医療機関・薬局が一定数存在する地域の洗い出しを行った上で優先的な早期導入を働きかけていくような取組をしていきたいと考えているところで、これによりまして面的に両方が立地をしている利用可能な地域数を増やしていくことにしたいと考えているわけでございます。本日御参加いただいております関係団体の御協力もいただきまして、こういった取組を、情報の共有、それから、早期導入の働きかけを進めていきたいと考えているわけでございます。
 最後で、スライドの11枚目、具体的な進め方で、昨年夏におきまして、2025年3月末の段階でオンライン資格確認導入施設のうち、おおむね全ての医療機関・薬局への電子処方箋導入を目指すということで閣議決定をされているわけでございます。
 ここでは3段階のフェーズに区切って取組を進めていきたいということで、まず第1段階としては、先ほど申し上げたような導入意欲の高い医療機関・薬局に早期導入を働きかけていくこと。並行して、公的病院での早期導入も要請してまいりたいと考えているわけでございます。
 第2フェーズといたしましては、オンライン資格確認の経過措置終了後、余力が出てくるタイミングで普及拡大を加速化していく。その際には、さらなる機能拡充、リフィルですとか、そういった機能拡充も図りながらやっていきたいということでございます。
 また、本協議会での御意見を構成員の皆様からいただきながら、普及拡大加速化のためのさらなる方策も検討していきたいと考えているわけでございます。
 参考資料については割愛をさせていただきます。
 以上です。
○木村課長補佐 議事の途中ではございますけれども、間もなく大臣が参加されますので、一旦、準備のため、議事を止めさせていただければと思います。
 
(厚生労働大臣入室)
○木村課長補佐 大変お待たせしました。それでは、加藤厚生労働大臣から御挨拶をお願いしたいと思います。加藤大臣、お願いいたします。
○厚生労働大臣 厚生労働大臣の加藤でございます。途中参加となりまして申し訳ございません。
 電子処方箋推進協議会の開催に当たり、まずは構成員の皆さん方、大変御多用の中、お集まりいただきまして本当にありがとうございます。
 本日は、電子処方箋のシステムや運用面の最終検証や課題整理のためのモデル事業に取り組んでいただいている日本海総合病院の島貫病院長にも御出席をいただきました。いち早く電子処方箋に取り組んでこられたその御経験や今後のさらなる活用策についていろいろと御提言をいただけたものと思います。
 電子処方箋は、申し上げるまでもなく、単に紙の処方箋を電子化するものではなくて、薬剤情報のリアルタイムでの共有、また、患者さんがお薬手帳を持参していないような場合でも、注意すべき飲み合わせや重複投薬についての自動チェックが可能になるなど、医療DXを推進するための柱であります。医療の在り方自体を抜本的に改革する取組とも言えます。
 先月末から電子処方箋の運用が始まり、現在、全国で684の医療機関や薬局で電子処方箋が利用可能となっております。システム運用面ではおおむね問題なく稼働しているものと承知をしております。また、機械的に算出した数字ではありますが、全国でこれまで飲み合わせや重複投薬のチェックが約44万件実施をされ、このうち約4.5%が重複投薬などとして検知をされていると聞いております。このほか、現場の医師の皆さん方からは日頃の入力作業が迅速したといった御意見も頂戴をしています。全国各地で電子処方箋のメリットを実感できるよう、厚労省としても全力でその推進に取り組んでまいりたいと考えております。
 全国での普及拡大を図るに当たっては課題もあります。オンライン資格確認等システム導入の対応が優先され、システムベンダーの業務が逼迫し、電子処方箋のシステム改修に対応するための余力が乏しい。また、電子署名に必要なHPKIカードへのニーズが急増し、医師や薬剤師の方々の手元に届くのが遅れていること。さらに、医療機関と薬局、どちらかしか運用を開始していない地域もあり、そのような場合には実際の運用に結びついていない。こういった課題が出てきております。今般、本協議会を立ち上げ、対応策の具体化や導入状況のフォローアップを進めていきたいと考えております。
 本日は第1回の協議会になりますが、この協議会を通じて、2025年3月末までのおおむね全ての医療機関・薬局への電子処方箋システムの導入に向け、関係者の皆さんが一体となって様々な課題の解消に向け取り組んでいただくことを大いに期待をし、私の挨拶とさせていただきたいと思います。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。
○木村課長補佐 加藤大臣、ありがとうございました。
 大臣は、公務のため、ここで御退席されます。
(厚生労働大臣退室)
○木村課長補佐 
 議事に戻ります。
 ここまでの事務局及び島貫参考人からの説明につきまして、各構成員から御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。
 長島構成員、お願いします。
○長島構成員 日本医師会常任理事の長島でございます。
 日本医師会としましては、医療DXの最大の目的は国民・患者の皆様に安心・安全でより質の高い医療を提供することと思っております。それで、この電子処方箋の持つメリット、すなわち、リアルタイムの薬剤情報の共有と重複投薬や併用禁忌のチェックができるのはまさにこの医療の提供に直結するものと思います。さらに、これがより機能を発揮するためにはできるだけ多くの医療機関や薬局に導入していただくことが重要ですので、日本医師会としましてはこの電子処方箋導入の普及拡大に関しまして全力で協力させていただきます。
 ただし、時期というものもございます。そもそも、この電子処方箋の基盤となるのがオンライン資格確認等システムです。まず、これを導入しないことには電子処方箋も進まないですし、このオンライン資格確認は期限もあるということで、まずはこちらに全力を注がせていただいて、また、そのオンライン資格確認の導入が済んで、ある程度、体制が整ったところにはぜひ、この電子処方箋を導入していただきたいと考えているところで、やはりこれは時期があるだろうとは思っております。
 また、これを行う上では国民の皆様と医療現場の皆様にこの電子処方箋の意義・メリットを御理解いただく必要がありますが、これは電子処方箋単独で行うのではなくて、今まさにマイナンバーカードと保険証の一体化、保険証の廃止ということで、これを普及させるためにはまさに医療DXのメリットを御理解いただく必要があります。その中の一環として、この電子処方箋の意義というものを一緒にお知らせするのが有効ではないか。電子処方箋、オンライン資格確認、あるいは健診というものをばらばらに意義を説明するのではなく、まさに一体的に御説明いただくことが重要ではないかと思っております。
 また、これを地域で普及していく場合に、電子処方箋だけに話を絞りますと、点になってしまいます。そうではなくて、面として進める必要があります。ここでは地域における医薬連携、その意義や必要性、メリットをしっかり御理解いただいて、地域における医薬連携を進める中で、この電子処方箋の普及を位置づけるのが有用ではないかと思います。点や線ではなくて面として進める視点。これでぜひお願いできればと思っております。
 また、実際に普及拡大するためには費用負担が大きな課題になるかと思います。オンライン資格確認の経験からしますと、補助金が大幅に拡充されたときに急速に普及が進んでいる実感を持っております。その観点から、日本医師会及び7つの医療関係団体の連名で2月16日に加藤厚労大臣に対し、電子処方箋の補助金の拡充の要望書を、日本医師会の松本会長と私も同行して手交させていただきました。
 その内容としましては、3つの問題点がある。補助率が低い。上限額が実態にそぐわないのではないか。また、申請の期間も短いのではないかということで、この3点の拡充をお願いしました。本来は全額、10分の10を国がしっかりと持っていただくことでこの普及が急速に進むと思いますので、この辺りをぜひ御検討いただければと思います。
 最後に、HPKIの発行に関してです。日本医師会としましてもHPKIカードである医師資格証の発行を担当させていただいておりますが、昨年8月にこの電子処方箋においてHPKIカードの必要性を広報されて以来、急速に、急激に申込みが増えまして、申し訳ないことに、十分に対応ができていないところがございましたので、発行体制をしっかりと整えて、発行できるように努めてまいります。
 また、特に病院からのニーズが大変多いと思いますので、病院で一括申請、一括交付ができる仕組みを進めております。また、ここの資料の中でもカードレスで利用できるセカンド電子証明書のメリットも多く示されておりますので、こちらもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
 以上が日本医師会からの意見でございますけれども、島貫先生には、一昨日も日本医師会の医療情報システム協議会で厚生労働省の方と共にこの電子処方箋についての講演をいただきました。そこの中で、島貫先生の資料の27ページに「電子処方箋導入におけるシステムに関する諸課題」というものがございました。ここで、先ほど厚生労働省からこのような対応をしますというお話もあって、そこで対応できるところもあるとは思います。
 一方、マル1、マル2、マル3の様々なコード等の統一は、医療機関がばらばらにやるのは極めて負担が大きいので、ここは国なりベンダー業界などがぜひ一括してやっていただくのが負担が少なくていいかなとは思うのですが、その辺り、どうお考えでしょうか。島貫先生から御意見をいただければと思います。
○木村課長補佐 それでは、島貫先生、お願いします。
○島貫参考人 質問ありがとうございます。
 長島先生がおっしゃるように、確かにここのところの統一を初めからやっていればいいのですけれども、既にハウスコードで運用しているところですとなかなか、それを削除するわけにもいかないので、同時並行してやらなくてはいけないのですが、このマスターを今回提示していただいたので、それをうまく紐づけてやっている状況でして、この対応もこれから重要になってくるのかなと思っております。マスターの標準化が非常に大事だと認識しておりますので、厚労省にもよろしくお願いしたいと思っております。
 また、用法コードに関しましても足りないところがございますので、早急な対応をしていただければと思っておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
○長島構成員 ありがとうございました。
○木村課長補佐 長島構成員、島貫参考人、ありがとうございました。
 美原構成員、お願いします。
○美原構成員 全日本病院協会の美原です。今、日本海総合病院の島貫先生のお話をお聞きしまして、今後の先行きが見えてまいりました。確かにこの電子処方箋はしっかり進めていくことが求められると思いますし、それに向かってハードやシステムが着実に進んでいることも理解されました。
 そのような中で、2つお聞きしたいことがあります。一つは、この過渡期において日本海総合病院では今、業務が効率化されているメリットを感じているかどうかです。というのは、処方箋の発行形態が2つあるわけです。紙処方箋の人と、それから、電子処方箋の人で、このようなことがあると非常に戸惑うと思いますし、実際、これによって業務がむしろ煩雑になっている可能性はないか。そんなことを思うわけです。
 もう一つは、この電子処方箋が本当の意味でDXかどうかです。単に紙の処方箋がデジタル化されたようなものであってはならないと思います。ちょうどレコードがCDになったとき、これはデジタル化というと、フローは全然変わっていないわけです。しかしながら、例えばスマートフォンから音楽が直接ダウンロードされるというと、音楽が人々に届くフローが変わるわけです。それが本来の意味のDXであろうと認識しているのですが、この業務が効率化されることに対してフローは何か変わっているのだろうかということです。
 つまり、まず第1の質問は、この過渡期において効率化は進められているのだろうかということが一つです。
 2つ目は、メリットの問題です。これも長島先生が先ほどおっしゃいましたけれども、全ての医療機関がこれに参加する状況が整えられるためにはそれなりの資金が必要である。おおむね全ての医療機関がこれに対応できるようになっていないとなかなか、この本来のメリットは達成されないのではないかと思っています。
 というのは、例えば今、ポリファーマシー、ポリドクター対策がありますが、ある患者さんに関わる全ての病院、全てのクリニックの情報が全部1つになっていなければポリファーマシー対策もいかないわけですね。そういうことを考えると、やはりその患者さんに関わる全ての医療機関が関わっていないとなかなか問題になるのではないかなと思います。
 もう一つは、これは病診連携、病薬連携のことになると思うのですが、例えばこのようなことを行いますと、敷地内薬局のような形で、ある薬局にある病院の患者さんは必然的に誘導されてしまうようなことはないだろうかということも危惧しているのですが、その辺りはどういうふうになっているのかなと思います。
 このメリットの中で、もう一つは、例えばお薬手帳だとか、そういう話がありました。今、調剤薬局から病院に対する情報提供ということでトレーシングレポートが一生懸命使われるようになってきているものと認識しています。現時点においては、電子処方箋が全部できればそういうふうになる、これらは要らなくなるのかもしれないですが、現時点においてできることという、調剤薬局から病院への連絡の方法、情報提供の在り方もまだ十分にできていない。そういうことも併せて、環境が整うまではそのようなこともしっかりと進めながら、この話を進めていけたらいいなと思いました。
 以上です。
○木村課長補佐 美原構成員、ありがとうございました。
 島貫参考人、今の点に関して、答えられる範囲であればお答えいただけますでしょうか。
○島貫参考人 島貫です。どうも、質問ありがとうございます。
 まず、最初は業務負担に関してですけれども、やはり医師に対しては業務負担をかけては医師の協力が得られませんので、当院としては極力、医師には負担がかからないように、受付で電子処方箋なのか紙なのか。かかりつけ調剤薬局の把握に関しましては受付で苦労してもらっておりまして、ただ、そこの業務が多いので今後、患者さん、ドクターのほうは慣れてきますと恐らくそこも改善していくものではないかと思って、一時的なものかと思って現在運用しております。
 また、メリットに関しましては、やはり医療安全に関するところですが、重複や併用禁忌に関してはまだ医療機関が少ないものですから、まだそこのチェックがかからない状況になりまして、医療機関が増えていきますと、もうすぐもう一つの病院が稼働すると思いますので、そういったところで医師が実感してくれれば恐らく電子処方箋のメリットも感じてくれるのではないかなと思っております。
 さらに、長島先生がおっしゃったように、電子処方箋だけではなくて、オンライン資格確認と併せて、これはメリットを享受できるのではないかなと思っておりますので、医療・介護面で常用薬の把握が非常にスピーディーに、しかもリアルタイムでできるようになりますので、そういったところも今後評価されていくのではないかなと思っております。
 また、調剤薬局に関しましても、患者さんはフリーアクセスですので、そこを阻害するわけにはいきませんので、患者さんの意見を尊重しながら対応しているような状況になっております。
○美原構成員 ありがとうございました。
○木村課長補佐 島貫参考人、ありがとうございました。
 渡邊構成員、お願いいたします。
○渡邊構成員 島貫先生、ありがとうございました。薬剤師会の渡邊でございます。
 薬剤師会としても、この電子処方箋に関しましては、オンライン資格確認と併せて、情報共有・情報提供という部分の中でさらに質の高いものにしていく最大のツールだと考えております。
 その中で今回、資料で出されているようなファストトラックの部分であったり、面での取組という部分もしっかりと取り組んでいければと思います。特に長島先生が言われた「面での取組」の部分に関しましては、特に分業の初期の頃と同じように、地域の三師会等が一緒になって、このようなDXに関してもしっかりと取り組んでいく必要があるのではないかなと思っております。
 そのファストトラックに関してなのですけれども、少しだけ現在の状況だけを報告したいと思っているのですが、薬剤師会に関するHPKIの発行に関しましては、そもそも管理薬剤師優先の業務のスキームがつくられています。そのような中での推移ですけれども、現在、資料3のスライド6に書かれた1万3348枚の部分に関しましては、2万1723枚となっております。その状況下で現在、登録されている薬局が632薬局です。管理薬剤師に関しては今、書類が届いたら次の日には処理に入っている状況で、プールが全くない状態なのですが、このファストトラックの中で何らかのミスマッチのような部分、管理薬剤師として申請がされていないとかに関して、厚生労働省さん等々と連携して、ミスマッチがあるなら解消できればなとも思います。
 また、全体としても、補助金に関しては2月16日に、長島先生からもありましたように、薬剤師会としてもここにおられる二団体と一緒に要望を提出しております。補助金に関する率の部分に関してはオンライン資格確認の後、各薬局に対する負担も、ランニングコストもかかっている等々も含めて、どうしても負担が大きくなっており、そこにプラスアルファ、電子処方箋を今、乗せなければならない状況にありますので、そこに関する補助金に関しては同じように全額補助をしていただくことで迅速な対応、電子処方箋の補助体制が構築できるのではないかなと思っております。
 また、ぜひ現場の中で1件教えていただければと思うのですけれども、現在、薬局が電子処方箋に対応した時点で、日本海総合病院様以外の病院等から受けている紙の処方箋等々の調剤情報に関してもアップデートできるようになっていると思います。ということは、ドクターが次の処方等を出されるときのチェックで突合するデータのボリュームがどんどん増えていっていると思うのですが、その辺に関しては処方の時点で日本海総合病院さん以外の診療所・クリニック、電子処方箋に対応していないクリニック等々から受け付けた調剤のデータもアップされていますので、その辺が有効に活用されている実例があればぜひお教えいただければなと思います。
○木村課長補佐 渡邊参考人、ありがとうございました。
 島貫先生、今の点、よろしくお願いします。
○島貫参考人 御質問、どうもありがとうございます。
 残念ながら、今のところ、またそこまでかかっていない。恐らくこれからだと思いますので、それを期待しているところです。一番、そこがこの電子処方箋の大きなメリットにつながるところですので、これを注意深く見守っていきたいと思っております。恐らくこれからだと思います。
○渡邊構成員 ありがとうございました。
○木村課長補佐 ありがとうございました。
 そのほか、ございますでしょうか。
 柄澤構成員、お願いいたします。
○柄澤構成員 日本保険薬局協会の柄澤です。よろしくお願いいたします。
 協会では、電子処方箋の期待する医療安全性と有効性を十分に理解し、協会会員会社の導入促進に注力しているところでございます。
 質問というよりは現在の情報をお伝えいたしますと、現在、HPKIカード、またはレセコン改修の準備を整えている中で、しかしながら、その準備に時間を要しているところ。もう一つは、導入費用のことがネックになって、様子見をしているという意見も聞いております。近く、協会の中でもアンケートを取って、どういったところが今、導入課題になっているかというところと、運用しているところの課題もこれから収集していくところではございます。やはり薬局側からも費用負担補助金の拡充はぜひ再考いただきたいと考えております。
 先ほど渡邊先生からもお話があった、管理薬剤師にまずHPKIカードを登録させて、その後もそこの職員に、薬剤師に登録をこれから増やしていくにはまだ少し時間がかかるのではないかと思います。異動や産休など、いろいろなことを考えていきますと、そういったところもかなり早く進めていかないと電子処方箋の薬局の定着に時間がかかってしまうのはもったいないなと考えております。
 以上です。
○木村課長補佐 ありがとうございました。
 続きまして、宇佐美構成員、お願いいたします。
○宇佐美構成員 歯科医師会の宇佐美でございます。島貫先生、大変詳しい御報告、誠にありがとうございます。昨年、モデル事業のスタートのフォーラムのときもお世話になりましてありがとうございます。
 先生の御紹介されたデータから2~3点、興味深いところもございましたので、御質問させていただきます。
 23ページでございますが、電子署名ということでHPKIカードが出ていますが、この病院の中でドクター、先生方がまず電子カルテに触れていらっしゃるのですね。その辺の電子カルテの入力場面と、この電子処方箋の入力場面の全体の形はどんなものか、教えていただければと思います。
○島貫参考人 すみません。そこは調剤情報を電子カルテに取り込めないというところで、できれば調剤結果をまた院内の電子カルテの医療安全につなげたらいいかなということを述べさせてもらったところでございます。
○宇佐美構成員 ありがとうございます。
 私ども歯科医師会も、先ほど長島構成員からもございましたように、全面的に電子処方箋の推進に協力してまいるつもりでございます。
 ただ、いろいろな問題を抱えておりまして、従前から申し上げているように、まず、歯科のほうで実情を申し上げますと、歯科の院外処方箋が約24%の発行であること。実際、具体的にこのHPKIカードが必要で、電子処方箋のシステムを導入してというときに、24%の先生方がすぐ必要だということを回答するのが実に難しい状況である。
 今後、私ども歯科医師会で一番危惧いたしておりますのは今回、オンライン資格確認は実は原則義務化で今、歯科医師会の申込率は99%まできっちり協力させていただいております。その99%の先生方が今、経過措置ということで、9月まで工事が延びたということで、導入に向けて協力しているわけですが、その導入に協力する現時点でまた補助金の追加というベンダー請求が、問題が起こっているのもぜひ御理解いただきたい。
 今、幾らだという注文が、昨年から申し込んで工事の日程を決めるわけですけれども、9月に延期になったのでということで、物価が高騰しています。そういうことが現場で次々に導入のネックになるようなことが起こっていることをぜひ御理解いただいて、それと同じようなことがこの電子処方箋の導入にも起こっていくのではないかと常に危惧いたしておるところでございます。
 本日は、実は田中参事官もいらっしゃっているので、ぜひ御期待申し上げて、どうしてもこの電子処方箋が医薬・生活衛生局さんでやっていらっしゃるということで、オンライン資格確認の水谷課長と話して、連携が見えているのかどうか、大変不安なときがございます。今日は田中さんがいらっしゃっているので逆に安心したのですが、その辺は全体を見ながら導入の方法を進めていただければ実にありがたい。
 伊藤企画官にも常に問題提起ばかりをして申し訳ないのですが、導入の現場も大変混乱している状況である。マイナンバーカードの保険証も今、進んでおりますので、日々、会議のたびに問題解決が進んでおります。それを踏まえながら、御協力いただきながら進んでいただければという要望を差し上げています。
 そして、伊藤企画官からの御説明の資料にも数字が出てきておりまして、1ページ目に684施設の導入が動いていますという表現で、大変結構なのでございますが、この辺も今後、毎月、毎週、数字が変わっていかれるのだと思いますが、それも精査した中身をぜひ公表していただいて、我々、歯科医師会で会員の先生方の電子処方箋に対する考え方のデータは持っているのですが、その辺を聞いていますと、なかなか処方箋に踏み込める状況ではないのが残念ながら現状でございます。
 併せまして、今度、電子カルテも来年動き出しますので、本年から動くのです。その辺との兼ね合いも、全体が見えてこないとなかなかベンダーの開発もままならないことが歯科では起こっているということです。御理解いただければと思います。
 それで、協力するということで申し上げていますが、HPKIカードに関しましては、実は歯科医師会といたしまして、需要検証事業ということで、HPKIカードの申込みを検証しようということで、12月から事業を立ち上げてございます。現段階で会員の方、また、非会員の方も含めてですが、百数十名の方の申込みがある。
 併せまして、先ほどの御報告にありましたように、MEDISさんで歯科医師会を通さないで直接申し込んでいる先生もいらっしゃる。合わせて約300枚弱ぐらいの申込者がいることを把握しておりますので、その辺も、HPKIカード発行手数料の補助金も頂きまして、これまでの5万円ぐらいかかるものを1万5000円で会員の方は発行できるようなことをやっておりますので、御理解いただければと思います。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
○木村課長補佐 宇佐美構成員、ありがとうございました。
 関口構成員、お願いいたします。
○関口構成員 日本チェーンドラッグストア協会の関口と申します。島貫先生、御講演ありがとうございました。多くの薬局が参画する必要があるということで、薬局側は電子処方箋となることで得られる情報は非常に多いわけですから、当協会としましても引き続き普及拡大に努めさせていただきたいと考えております。
 そういった中で、日本チェーンドラッグストア協会として電子処方箋の受付状況のアンケートを開始いたしまして、集計が出ましたので、今、ここで御報告させていただきます。
 加盟社は91社ございまして、それを対象とした調査ですが、41社の回答でございました。回答率は45.1%でありますが、薬局数としましては8,254薬局に対して、回答が6,917局でございますので、カバー率は82.6%で、かなり高いものとなっております。
 内容ですけれども、1月26日の時点で電子処方箋の受付を開始できた薬局は5社6薬局です。開始できなかった理由として一番多かったのが、システム開発が間に合っていないこと。2つ目として、HPKIカードが間に合っていないこと。そして、3つ目として、やっていない理由として、近隣の医療機関がやっていないからという回答が非常に多かったです。
 しかし、1年以内に56%の会社が導入を完了するということで、見通しが立っております。しかし、導入未定という会社さんが実は33%ございますので、我々としてはここがどれだけ少なくなるかということ。そういったことで注力させていただいて、普及活動をしっかりとやらせていただきたいと思います。
 以上です。
○木村課長補佐 ありがとうございました。
新垣構成員、お願いいたします。
○新垣構成員 JAHISの新垣です。ありがとうございます。
 まず、資料3の11ページになりますが「普及拡大に向けた具体的な進め方(案)」で、フェーズ1にはぜひ先行して動かしているモデル事業4地域の課題への対策をまず優先的に対応ほしい。
 島貫先生、モデル事業の貴重な事例の共有、ありがとうございました。
 この資料2には、これまで島貫先生が課題に向き合われて大変苦労され解決されてきたことが発表されていると思います。(これから電子処方箋を始める医療機関・薬局は、)これらの課題に対して対処していかなければいけないのですけれども。島貫先生が、現在このモデル事業で、地域の中で、抱えている課題もぜひ取り組んでいってほしいなと思っております。電子処方箋対応の医療機関を増やしていくこと、地域の薬局で電子処方箋対応薬局を広めていくことに対して課題を抱えていると思いますので、そこで直面している課題をぜひ吸い上げて対応していただきたい。
 今日の発表資料中にも、直面している課題が数字に現れているのではないかと思われる箇所が2点ございましたのでピックアップします。
 1点目は資料2の36ページになります。予約患者一括照会で、1,300名分の一括照会でしている数字が載っております。この数字は1,300名の予約患者がいると、そういう捉え方ができると思います。
 その次に、資料2の19ページを見ますと、まだ電子処方箋の発行枚数が117枚とあり、1,300名の予約患者数と比べても、まだまだ電子処方箋の発行割合が低くなっているようです。そこに課題があるのではないかとみることができます。この数字に対して、どういう課題感を持っていらっしゃるのか、何か改善しなければいけないとお考えがあるのかお聞かせいただけないでしょうか。島貫先生がお考えになるところは、かなり貴重な経験談になりますので、ぜひ厚労省で吸い上げてほしいなと思っております。
 2点目は、資料2の38ページの新患患者におけるマイナンバーカードの利用数が示されています。多いときで一日20名程度となっています。この数字も大変貴重な情報ではないでしょうか。マイナンバーカードを利用する患者数を増やさなければいけないのではないでしょうか。ぜひ課題として捉えて対策を取っていってほしいです。
 以上になります。
○木村課長補佐 ありがとうございました。
 新垣構成員からの御質問に対して、島貫先生、何かございますでしょうか。
○島貫参考人 御質問、どうもありがとうございました。
 先生がおっしゃるように、まだ電子処方箋の発行件数は全然伸びていないところがありまして、これでも大分少ないなと思っております。恐らく調剤薬局が増えないとなかなか難しいところがございまして、恐らくそこが増えればこの数倍ぐらいは増えるとは思うのですが、患者さんが理解していないところもありますし、医師がHPKIカードを持っていても電子処方箋をよく理解してくれていない医師もおりますので、そこら辺を丁寧にやっていくしかないのかなと思っております。
 全て電子処方箋に変えるというわけでなくて、医師の判断、医師と患者さんの同意の下でやっておりますので、なかなか伸びないところでございますので、そこを注意してやっていきたいと思います。
 マイナンバーカードの利用に関しましては、この4月からの特例措置がありますので、恐らくそれでまた増える可能性はあるかなと思いますので、追ってまた報告させていただければと思っております。よろしくお願いします。
○木村課長補佐 島貫参考人、ありがとうございました。
 最後に、大道構成員、いかがでしょうか。
○大道構成員 ありがとうございます。
 2点ございまして、島貫先生にお伺いしたいのですけれども、せっかく電子処方箋を出しても電子処方箋対応外の調剤薬局に行かれてしまう。そのときは、電子処方箋は使えないわけですね。このときは、もう一回、病院に帰っていただいて新たな処方箋を発行するということをされているのでしょうか。これは御質問です。
○島貫参考人 よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 患者さんは意外とかかりつけ薬局の名前を知らない人がいるのですよ。そうすると、電子処方箋対応薬局のところにチェックするのですけれども、実際はそうでないところに行くということで、それが一日に2~3件起こるということで、そのとき、患者さんにまた戻ってもらうと患者さんに迷惑をかけますので、当院の職員から紙の処方箋をその薬局にお届けしております。ですから、患者さんには負担はかけないように、少し時間がかかりますが、そのような格好で対応しております。
 最初はそのようにしていたのですが、現在はさらにファクスですぐ送って、患者さんに迷惑をかけないようにしながら、一日まとめて、処方箋をお届けするような格好で対応しております。
 以上になります。
○大道構成員 ありがとうございます。
 それと、資料3の、先ほどお話のあった11ページで「普及拡大に向けた具体的な進め方(案)」ですけれども、ここは本当に大事で、どうやって国民に周知するのか。この一点に尽きると思うのです。みんなが持ちたがるような、あるいはみんなが使いたがるような電子処方箋にしていきたいなと思うので、ここはぜひ電子お薬手帳とセットで考えて、これは便利だなという、スマートフォンに入っているような、実は民間でもスマートフォンに入れるものはあるのですが、利便性を高くしていただければ我々も患者さんにどんどん勧めやすくなるし、メリットとして目に見えるメリットになるのではないかなと思っております。
 また、そういう方向で病院の団体が何か協力してほしいという話があれば我々もぜひ一緒になって進めようと思っておりますので、またよろしくお願いいたします。
○木村課長補佐 大道構成員、ありがとうございました。
 最後に、ここまでの構成員からの御意見を踏まえて、事務局から一言あればお願いいたします。
 では、田中参事官、お願いいたします。
○田中参事官 医政局参事官の田中でございます。宇佐美構成員をはじめ、複数の構成員から医療DXと電子処方箋の動きをしっかりと連携をさせていくべきであるという御意見をいただいたと承知をしております。
 皆様御存じのとおり、今年の春で医療DXの工程表を現在作成しているところでございまして、この電子処方箋の様々な動きも含めて、医療DXということでしっかりと厚生労働省として取組を進めてまいりたいと考えております。
 電子カルテも含めて課題は多い。コードやいろいろ御指摘もございましたが、これは電子カルテでも同じです。そういったところを一つ一つクリアにしていって、最後は国民が、よかったねと言っていただく仕組みになれるようにしっかりと連携をしてまいりたいと思います。
 ぜひ御協力をいただければ幸いでございます。
○木村課長補佐 では、最後に、伊藤企画官からお願いいたします。
○伊藤企画官 ありがとうございます。
 構成員の皆様から沢山の御意見を頂戴いたしました。一番最後の具体的な進め方につきましては、モデル事業の課題についても第1フェーズでしっかりと盛り込むこと。それから、周知方法についてしっかりと取り組むべきだという御指摘もいただきました。
 まさに、医療DX全体の中での電子処方箋をどういうふうにメリットとして国民に訴えていくかについては引き続き、構成員の皆様からのお知恵もいただきながら、しっかりと取り組んでいきたいと考えているところでございます。
 ありがとうございます。
○木村課長補佐 ほかは何かございますでしょうか。
 柄澤構成員、お願いします。
○柄澤構成員 すみません。島貫先生にお伝えしたいことがございます。
 日本海総合病院の処方箋を私どもの薬局も受けさせていただいて、先生のところでこんなに電子処方箋のことをお伝えしていただいてしっかり準備いただいているおかげで薬局側はそれほど負担なく受けることができております。そのことを最後にお伝えしたいと存じます。
 以上です。
○島貫参考人 コメントありがとうございます。
○木村課長補佐 ありがとうございました。
 そうしましたら、本日の議論はここまでとさせていただきます。
 本日皆様からいただいた御意見を踏まえ、さらに検討を進め、次回以降の協議会において報告させていただきたいと思います。
 次回の開催予定の詳細につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
 それでは、令和4年度第1回「電子処方箋推進協議会」を終了いたします。本日はどうもありがとうございました。
 (了)