令和5年3月10日 第92回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第27回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和5年3月10日(金) 13:00~15:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

3月10日合同部会 議事録

○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第92回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和4年度第27回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただき、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、または、あらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 副反応検討部会の委員について改選がありましたので、御報告いたします。
 当部会については、先日、持ち回りにて一度開催しているところですが、今回、持ち回りでない開催においては初めての御出席となりますので、御紹介させていただきます。
 本年1月をもって任期満了となった倉根委員、濱田委員に代わりまして、委員が2名新たに就任されました。御紹介いたします。
 浜松医科大学医学部医学科小児科学講座教授の宮入烈先生です。
 また、本日は御欠席の御連絡をいただいておりますが、新潟大学大学院医歯学総合研究科国際保健学分野教授の齋藤玲子先生も委員として就任いただきましたので、こちらも御紹介のみさせていただきます。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 現在、副反応検討部会委員9名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員・職員等ではない旨を申告いただいております。
 なお、齋藤委員、長谷川委員より御欠席される旨の御連絡をいただいております。
 また、多屋委員、宮川委員より途中退出される旨の御連絡をいただいております。
 また、本日は、国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の神谷元参考人にお越しいただきます。神谷参考人からは遅れての御出席となる旨の御連絡をいただいております。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。
 開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので御留意願います。
 本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、御報告をお願いします。
○事務局 それでは、事務局から審議参加について御報告いたします。
 本日、御出席された委員の方の、過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において審議される品目は、新型コロナウイルスワクチンであり、その製造販売業者は、ファイザー株式会社、モデルナ・ジャパン株式会社、アストラゼネカ株式会社、武田薬品工業株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受け取り状況から、宮入委員がアストラゼネカ株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、意見を述べることはできますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受け取り状況について、各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 舟越委員は、第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取り、藤井委員、柿崎委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。引き続き、各委員におかれましては講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も御確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○岡座長 それでは、次に、事務局より本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料といたしましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-8、参考資料1から19になります。資料の不備等がございましたら事務局にお申しつけください。
○岡座長 よろしいでしょうか。
 それでは審議を始めたいと思います。
 議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等について」、まずは資料の1-1-1から資料1-5について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 資料1-1-1から1-5を用いまして、今回の集計対象期間において、副反応疑い事例の動向などに変化があった点を中心に御説明いたします。
 今回の集計対象期間は1月22日までとなっております。また、ヌバキソビッドについては、今回の集計対象期間から5回目接種分について集計値を掲載しております。
 まず、資料1-1-1をご覧ください。
 2ページ、副反応疑い事例の報告状況の概要を御説明いたします。
 コミナティについて、BA.1の推定接種回数は807万8638回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0011%で、重篤は0.0004%、死亡の報告は4件で、前回部会以降追加で1例報告されております。
 BA.4-5の推定接種回数は3890万836回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0010%で、重篤は0.0004%、死亡の報告は38件です。
 BA.1、BA.4-5のいずれもコミナティ全体と比較して高くはなっておりません。
 続いて、3ページでございます。
 コミナティ6か月~4歳用は、推定接種回数は23万3472回接種、副反応疑い報告は3件あり、前回部会以降、熱性けいれんの事例について1例報告がございましたが、回復しております。資料1-1-2-2にラインリストを掲載しております。死亡事例はございません。
 コミナティ5~11歳用は、推定接種回数は401万4611回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0035%で、重篤は0.0010%、死亡事例は前回部会以降新たな報告はございません。
 続いて、4ページでございます。
 スパイクバックスについてBA.1の推定接種回数は309万5390回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0016%で、重篤は0.0004%、死亡の報告は2件です。いずれも前回部会でお示しした症例で、新たな報告はございません。BA.4-5の推定接種回数は83万688回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0026%で、重篤は0.0004%、死亡の報告はございません。BA.1、BA.4-5のいずれも、スパイクバックス全体と比較して高い頻度とはなっておりません。
 ヌバキソビッドについては、28万8900回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0132%であり、件数としては4件増加し、頻度としては若干の増加となっております。
 接種回数別の報告状況については62ページ以降、ロット別については71ページ以降にまとめておりますが、報告状況の顕著な変化はございませんでした。
 資料1-2には企業報告についてまとめておりますが、資料1-1の医療機関報告と傾向に大きな違いはございません。
 資料1-1と1-2の説明は以上とさせていただきます。
 続いて、死亡事例でございます。
 資料1-3-1をご覧ください。コミナティの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目「1.報告状況」でございます。
 今回の集計対象期間において、死亡として報告された事例として、総数としては1,782件、うち、4回目以降は計91件の報告がございました。
 2価ワクチンについては、BA.1は4件、BA.4-5は53件の報告となっております。
 「2.専門家の評価」の項に、専門家評価の結果を表としてまとめております。
 3ページ目、「(参考2)報告頻度」の部分でございます。
 各接種回数における100万回当たりの報告頻度については、前回から大きな変化はございません。また、2価ワクチンについても、全体と比較して高い頻度とはなっておりません。
 BA.1の死亡事例については、269ページをご覧ください。専門家による評価の結果、いずれもγと評価されております。
 BA.4-5の死亡事例は271ページ以降をご覧ください。前回部会において評価中とお示ししたもののうち、専門家による評価の結果、No.2の症例についてはα、そのほかの事例についてはいずれもγと評価されております。なお、No.2の症例の詳細については後ほど御説明いたします。
 続きまして、資料1-3-2をご覧ください。
 スパイクバックスの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目「1.報告状況」です。
 今回の集計対象期間において、死亡として報告された事例として、総数としては215件、うち、4回目以降は26件の報告がございました。
 2価ワクチンについては、BA.1は4件報告されております。BA.4-5の報告はございません。
 「2.専門家の評価」の項に専門家評価の結果を表としてまとめております。
 3ページ目、「(参考2)報告頻度」の部分でございます。
 各接種回数における100万回当たりの報告頻度については、前回から大きな変化はございません。5回目接種後の事例は、いずれもBA.1ワクチン接種後でありまして、1件増加に伴い、頻度としては若干の増加となっておりますが、2価ワクチンについて、全体と比較して高い頻度とはなっておりません。
 スパイクバックス、BA.1の死亡事例については、45ページをご覧ください。No.4について、専門家による評価の結果、γと評価されております。
 スパイクバックスの説明は以上となります。
 ヌバキソビッドについては、新たな報告はございませんので、説明は省略させていただきます。
 次に、資料1-3-4のコミナティ5~11歳用についてです。
 4ページをご覧ください。
 前回御報告させていただいた11歳男性の事例になります。
 今回、新たに追加で入手できた情報としましては「レミカットの服用状況に関して、『レミカット(耳鼻科)』はワクチン接種時に報告医師のクリニックの初診問診票において『1ヵ月以内の薬服用』欄に記載された。同伴者の祖父より鼻炎用かもしれないとの回答があったため、報告医師はそれを服用中の薬剤と解釈した。基礎疾患に関して、報告医師のクリニックの初診問診票において、けいれんの既往や薬、食物アレルギー含むその他の既往歴に全て『なし』と記載された。ワクチン予診票内にも特記事項の記載はなかった」「COVIDワクチン接種前の4週間以内に他のいずれのワクチンも接種しなかった」と報告されております。専門家評価については前回から変更ございません。
 資料1-3の説明は以上となります。
 続いて、資料1-4-1をご覧ください。
 心筋炎疑いの症例について、コミナティBA.1において5件、コミナティBA.4-5において8件報告されています。
 心膜炎疑いの症例について、コミナティBA.1において3件報告されております。また、コミナティBA.4-5においても3件報告されております。
 2価ワクチンの心筋炎の事例は36ページ以降、心膜炎の事例は42ページにお示ししております。評価はいずれもγとなっております。
 続いて、資料1-4-2をご覧ください。
 スパイクバックスBA.1において、心筋炎疑い、心膜炎疑いの症例について、新たな報告はございません。
 また、スパイクバックスBA.4-5における報告はございません。
 また、その他のワクチンについても、心筋炎、心膜炎の発生頻度について、大きな変化はございません。
 続いて、資料1-5をご覧ください。
 乳幼児ワクチン接種後の熱性けいれんの報告についてお示ししております。
 報告事例としましては、医療機関、製造販売業者からそれぞれ1件ずつ新たに報告されております。
 転帰内容の列の部分でございますが、いずれも「回復」「回帰」と報告されております。
 全体としての報告は以上となりますが、引き続き、追加で事務局から報告させていただきます。
○事務局 続きまして、コミナティBA.4-5接種後の42歳女性の死亡事例の専門家評価について追加で説明させていただきます。
 資料1-3-1、272ページのNo.2の症例をご覧ください。
 本事例について、11月10日に初回のアナフィラキシーの疑いを含む副反応疑い報告がなされ、翌日の本部会で初めて報告させていただきました。その後、部会委員の先生方やPMDAの専門家の先生の御意見も踏まえまして、追加の情報収集等を行ってまいりました。今般、これまでに得られた情報及びそれらに基づくPMDAの専門家評価の結果について御報告させていただきます。
 まず、本事例の経過等の概要についてですが、284ページ、別添1の資料をご覧ください。
 284ページ、別添1の資料の本事案の時間経過について概要を御説明いたします。
 14時18分にワクチン接種。
 接種7分後の14時25分に、せきが出るため車椅子で救護室へ移送。
 接種11分後の14時29分に医師診察時、呼吸苦等の所見が認められ、SpO260%まで低下。
 その後、泡沫状の大量の血痰を喀出。
 接種16分後、14時34分、意識レベル低下、心停止のため心肺蘇生を開始。
 接種22分後、14時40分、その後、心拍再開するもすぐに心肺停止。その後、救急隊が到着。
 接種から約1時間後、15時15分に高次病院に搬送されたと報告されております。
 なお、皮膚粘膜所見、消化器症状及び聴診上喘鳴なしと報告されております。
 高次病院に係る報告の状況につきましては、272ページのNo.2、報告医2の報告をご覧ください。
 「基礎疾患等」の列、3行目におきまして、高次病院受入れ時、心肺停止状態で、心電図波形は心静止。心肺蘇生を継続し、アドレナリン投与等を行うも反応はなく、同日、15時58分、接種から1時間半後、死亡が確認されたと報告されております。
 死亡時画像診断で、高度な肺うっ血像を認めるも病理解剖は実施されなかったと報告されております。救急隊からは推定体重110キロとの情報がございます。
 既往については、企業報告により、高血圧症については急激な上昇はなく、糖尿病についてはコントロール不良ではあったが改善傾向。睡眠時無呼吸症候群に関しては、コントロール良好。その他、喫煙歴や、スギ、ヒノキ、黄砂アレルギー疑いありと報告されております。
 また、心疾患等に係る情報として、過去に呼吸困難や胸痛の訴えはなく、2018年5月に冠動脈CT及び心エコーを施行されるも、異常は認められなかったと報告されております。
 症例経過の概要については以上であり、さらなる詳細な情報については、適宜、別添1、別添2の記載も御参照ください。
 次に、前回の部会からの主な追加情報と、その情報に基づく専門家評価について御説明いたします。
 まず、前回部会で、PMDAの専門家コメントについて御報告させていただきました。いただいたコメントは、ワクチン接種直後から、患者は経皮酸素モニターの低下や血痰を呈し死亡に至ったことから、何らかの心肺の障害が生じていた可能性が推定される。死亡後にCT検査が実施されており、その評価として肺水腫の存在が指摘されている。
 患者は高度肥満であり、肺血栓症のリスクを有している。また、アナフィラキシーの疑いに関する報告もなされているが、少なくとも肺血栓症の有無について、専門家による綿密な画像評価が必要と意見があったことを受けまして、搬送先の医療機関に死亡時の画像診断に係る情報提供を依頼しました。
 今般、医療機関から副反応疑い報告にて情報提供をいただきまして、これまでのいただいた情報も含めたPMDAの専門家の評価の結果、ワクチン接種と死亡との因果関係は否定できない、αと評価されました。
 続きまして、専門家のコメントについて紹介させていただきます。
 ワクチン接種直後から、本事例は顔面蒼白と呼吸苦を訴え、血痰を呈し、心肺停止となり、蘇生措置を行ったにもかかわらず死亡に至ったことから、何らかの心肺の障害が生じた可能性が推定された。死亡後にCT検査が実施され、高度肺うっ血、急性肺水腫の存在が指摘されていた。また、本事例は、スギ、ヒノキ、黄砂などに対するアレルギー体質を有しており、ワクチン接種によるアナフィラキシーの疑い(確認できた所見は呼吸困難のみ)についても報告されていたが、ブライトン分類に照らして基準に合致するのは呼吸器症状しか認められないことから、アナフィラキシーであったと言えず、ワクチンとアナフィラキシーとの因果関係評価については評価できない。
 一方、患者は、高度肥満、睡眠時無呼吸症候群(夜間に持続的気道陽圧療法を実施)、高血圧、2型糖尿病を有していた。これらのことから、ワクチン接種以外の死亡につながり得る除外すべき急性疾患として、肺血栓塞栓症の有無について綿密な画像評価が必要と考えられた。その評価結果は以下のとおりであった。
 本事例について行われた死後画像検査は非造影であり、血栓症等の評価に限界はあるものの、胸部の大血管内の血栓や肺梗塞を示唆する所見がない等、典型的な肺血栓塞栓症を示唆する所見は得られておらず、その他の疾患も含め、死因となり得る具体的な異常所見は同定されなかった。
 死亡に至る原因疾患の特定のために、剖検所見が得られることが望ましいが実施されていなかった。本事例から得られた画像所見等の情報の範囲内においては、ワクチン以外の原因として死因となる具体的な異常所見は同定されなかった。
 以上、総合的に判断すると、ワクチン接種と死亡との直接的因果関係は否定できないものと考えるとのコメントをいただいております。
 次に、資料1-2-2-1の38ページをご覧ください。
 表中、右から4列目及び3列目におきまして、各症状名に係る専門家の評価PTと対応する因果関係評価をご覧いただけます。
 専門家の評価PTのリスト自体は前回と変化なくご覧いただいていたものとなりますが、対応する因果関係評価については今回初めてお示しするものであり、個別の評価PTに対する因果関係についてはご覧のとおりでございます。
 ワクチンと死亡との因果関係評価のコメントに記載がありましたとおり、ワクチンとアナフィラキシーの因果関係評価については、ブライトン分類に照らし、アナフィラキシーとは評価できない、γであるものの、各種の情報を総合的に判断し、ワクチンと死亡との因果関係は否定できない、αとされました。
 コミナティBA.4-5接種後の42歳女性の死亡事例の経過及び専門家評価に関する事務局からの説明は以上になります。
○岡座長 それでは、引き続き、資料1-6について、事務局より御説明をお願いします。
○事務局 よろしくお願いいたします。
 今回も、先生方の御議論に御活用いただけますよう、資料1-6を用意してございます。
 資料1-6の2ページ目をご覧ください。
 今回の審議会の資料構成につきましては前回と同様であり、第1項におきまして副反応疑い報告の全体の概要について、2項において当該審議会における論点について効率的に御議論いただける資料構成としております。
 おめくりいただきまして、4ページ目から6ページ目が副反応疑い報告の概要でございます。
 1月25日のデータロックまでの報告状況等について、資料1-1-1及び資料1-2-1をまとめております。
 報告状況の数値につきましては、先ほど御説明いただきましたので割愛させていただきますが、4ページ目におきましては、前回同様、オミクロン株対応ワクチンを含め、ファイザー社ワクチン接種に係る推定接種回数、報告数、報告頻度についてお示ししております。
 5ページ目におきましては、同様にモデルナ社ワクチンに係る報告状況についてお示ししております。
 6ページ目におきましては、5~11歳の小児用のワクチン、6か月~4歳用の乳幼児ワクチン及びノババックスワクチンに係る報告状況についてお示ししております。
 8ページ目から15ページ目がまとめのスライドとなります。
 構成といたしましては、前回同様8ページ目に死亡事例、9ページ目に心筋炎、心膜炎、10ページ目に5~11歳用の小児用ワクチン、11ページ目に6か月~4歳用の乳幼児ワクチン、12ページ目に4及び5回目接種に係るまとめのスライド、13から14ページ目としましてオミクロン株対応ワクチンについて、それぞれの報告状況をまとめてご覧いただけるよう準備させていただいております。
 その上で、今回の全体のまとめといたしまして、15ページ目のまとめの文言を設けております。
 次に、8ページ目の12歳以上の死亡事例に係るまとめスライドをご覧ください。
 今回、死亡事例について、新型コロナワクチンとの因果関係が否定できないと評価された事例が1件ありましたことを踏まえ、青囲み、最新の死亡例の報告状況等の整理におきまして、これまで同様1から3マル目といたしまして、報告件数及び報告頻度、症状の例示、専門家による因果関係評価の全体の件数に加え、4マル目といたしまして、当該事例に係るファクトをご覧のように記載させていただきました。ワクチンとの因果関係が否定できないと評価された1件の事例については、詳細な経過は資料1-3-1に記載のとおりであるが、ワクチン接種直後に症状が発現し、急激な病状の進行が認められ、ショック、死亡に至った事例であった。なお、本事例の専門家によるアナフィラキシーの因果関係評価については、ブライトン分類に照らし評価できないとされたが、報告医よりアナフィラキシー疑いとして報告された事例であった。
 また、5マル目といたしまして、資料20ページ目に示しております、2022年12月16日の審議会におきまして御議論いただきました、COVID-19 mRNAワクチン接触のリスクの分析についての内容につきまして、以下のようにまとめさせていただいております。
 COVID-19 mRNAワクチン接種後のリスクの分析については、AMED研究班による報告及び米国の観察研究のいずれにおいても、COVID-19 mRNAワクチン接種後の死亡のリスクについて有意な上昇は認められなかったとされている、と記載させていただいております。
 これらの報告状況等を踏まえ、先生方には赤囲みのとおり、死亡例に関する論点のまとめといたしましてお諮りさせていただいております。
 今回、死亡事例について新型コロナワクチンとの因果関係が否定できない事例を1例認めた。新型コロナワクチン接種後には、ショック、アナフィラキシーが現れることがあるため、接種前に問診を十分に行うとともに、接種後一定時間、被接種者の状態を観察するよう引き続き注意喚起をしていく。今回の新型コロナワクチンとの因果関係が否定できないとされた1例を含めた、これまでの死亡に係る副反応疑い報告の状況及び国内外のCOVID-19 mRNAワクチン接種後のリスクの分析のエビデンスも踏まえると、現時点においては、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいか。
 以上、今回の論点の一つとしておまとめしております、12歳以上死亡例に関する考え方のスライドに係る説明となります。
 なお、最後に、参考資料17におきまして、これまでと同様、新型コロナワクチン接種後におけるアナフィラキシー、心筋炎及び心膜炎と評価された報告の状況について、性年齢別の報告状況をまとめておりますので、御議論の際に適宜御活用いただけますと幸いでございます。
 資料1-6に関連した資料の事務局からの説明は以上でございます。
○岡座長 続いて、資料1-8について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 続きまして、資料の1-8、新型コロナワクチン接種後の健康状況調査、いわゆるオンライン調査の中間報告につきまして、アップデートを中心に御紹介を申し上げます。
 表紙をご覧いただきまして、今回の集計対象範囲ですけれども、2月10日までとなっておりまして、主に4回目接種及び5回目接種後の報告を中心にデータが集まってございます。また、今回から新たに、例数は少ないのですけれども、6か月~4歳、乳幼児の接種後の回答、こちらもございましたので御報告させていただきます。
 まず、10ページ目をご覧いただけますでしょうか。
 グラフの左側、乳幼児の方が1名出ておりまして、こちらは当日にエントリーがあったという状況でございます。後ほど御説明させていただきます。
 続きまして、90ページ目でございます。
 スライドの下のほうに記載がございますが、4回目接種後当日中にエントリーをいただいて、回答いただいた方というのは872名おられまして、そのうち有効回答者数は719名ということでございます。前回と比べまして21名増加しているという状況でございます。
 続きまして、123ページ目でございます。
 こちらは、5回目接種後の状況でございますけれども、下方に記載してございますとおり、回答いただいた方は125名ございまして、有効回答者数は104名ということで、前回から12名ほど増加をいただいてございます。
 さらに、続きまして、149ページ目まで行っていただけますでしょうか。症状の分析結果を順次掲載してございまして、154ページ目までお進みいただきますと、冒頭御説明した乳幼児の接種後の症状をお示ししております。
 今回、ご覧いただけるように1例の回答でございますので、御参考までにというところでございますが、接種1回目の8日後から14日目までの期間に、リンパ節の腫れというところがあったということで御報告を頂戴しております。
 また、155ページ目、乳幼児の3回目接種がございますけれども、まだこちらについては御報告がないといった状況でございます。
 続きまして、190ページ目以降にワクチンメーカーごとの症状がございまして、194、195ページ目の辺りに4回目接種後の症状の発現率をお示ししております。
 また、196ページ目以降に5回目接種後の症状をお示ししておりますので、御参照いただければと思います。
 全体的な傾向としては前回までと比較して大きく変化はないという認識しております。
 続きまして、338ページ目以降を御説明いたします。
 接種後に医療機関を受診した方の割合の記載がございまして、少し飛んでいただいて342ページ目以降は診断の結果、その後、入院の状況等々の記載がございます。こちらも結果を御参照いただければと思いますが、前回から大きな変化はないと認識してございます。
 最後に、361ページ目、同時接種の情報を記載してございます。
 4回目接種の当日、または、その後アンケートを取りましたものでして、前日までに打った人というのがご覧いただけるように多くて、同時接種をなさった方というのは今回の調査ではゼロだったという結果でございました。
 以上、資料1-8でございました。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 続いて、資料1-7について、伊藤澄信委員から御説明をお願いいたします。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。
 本日は、オミクロン対応2価ワクチンの報告が主なのですが、3、4回目、追加接種の中和抗体価も大分そろってまいりましたので、4回目接種について、6か月後までのデータをリバイズして中和抗体の結果を入れております。あわせて、3回目接種後のBA.5の測定結果を一部最後につけています。また、少数例ですが、乳幼児の安全性情報の報告もさせていただいております。
 オミクロン株対応の2価ワクチンの調査は、昨年10月にBA.1対応の2価ワクチンで開始しています。ファイザー社が242人で、モデルナ社が45人です。11月からはBA.4-5対応の2価ワクチン接種が始まっておりますが、ファイザー社が1,428人で、モデルナ社が440人です。
 9ページ、3か月後までの血液検査の結果が得られました。77人の抗スパイクたんぱく質抗体の結果を示しておりますが、令和4年秋開始接種は医療従事者で、5回目接種の人が多くて、4回目からの接種間隔が、採血者全体の平均で164日と短いこともあって、接種前の抗体価が比較的高くて、接種後も3万7000近くになっています。3か月後は2万4000前後で、1か月後の66%ですから、抗体価の減衰については従来のものと変わりがないという状況だろうと思います。
 10ページは、モデルナ社のBA.1を接種した38人と、それから、ファイザー社のBA.4-5を接種した53人の、接種前、それから、接種後1か月後の血液を、それぞれ起源株、BA.1株、BA.5株の野生型ウイルスに対する中和抗体を比較したものです。
 上のグラフの左がモデルナ社のBA.1で、右がファイザー社のBA.4-5です。今、手元に来ているデータがこのような組合せになっておりますので、製造ワクチン会社別と、それから、BA.1とかBA.4-5別の4群比較になっていないことについては、御留意いただければと思いますが、4群比較データがそろいましたら、また別途提示させていただきます。
 左から、接種前の起源株、BA.1株、BA.5株になっています。次が、1か月後で同じ順番です。
 母平均のエラーバーをご覧になると分かりますが、BA.1株対応2価ワクチンを接種しても、BA.4-5対応の2価ワクチンを接種しても、BA.5株に対する抗体価は変わりませんでした。ですので、昨年10月にBA.1を接種された方も、BA.5株に対する抗体価は、BA.4-5株対応の2価ワクチンを接種された方と同様でしたので、期待される効果も同じなのだろうと思っています。
 昨年、早めにBA.1株の対応の2価ワクチンを接種していただけた方に対して、結果の報告ができて安心しておりますし、それから、BA.1株対応のワクチンがまだ保管されている自治体もあろうかと思いますが、そういう方にも、今後の使用のことについてお考えいただけるのではないかなと思っているところです。
 11ページ以降は、安全性情報のリバイズですので、説明は省略させていただきます。PMDAへの報告案件はございません。
 24ページからが、昨年6月から接種を開始しました起源株1価の4回目接種の結果をまとめておりますが、43ページ目までは安全性情報のリバイズですので、説明は省略させていただきます。
 44ページをご覧いただきたいのですが、6か月後までの血液検査がある250人の抗スパイクたんぱく質抗体価の年齢別の推移を左側に、右側には、接種前と1か月後の166人の中和抗体の結果が得られたBA.5の中和抗体の結果を示しております。
 64ページに飛んでみていただけると、そこに参考資料として、3回目接種のBA.5に対する中和抗体価を示しています。
 3回目接種でもBA.5に対する交差免疫は出現していて、1か月後にはファイザー社のもので30倍、モデルナ社のものが50倍程度のBA.5に対する中和抗体価があるのですが、3か月、6か月と低下して、6か月後には10倍程度になっています。
 また、44ページに戻っていただいて、4回目接種前は10倍程度でしたけれども、1か月後は40倍で、3か月後には24倍に低下してくるのが分かります。
 45ページは、昨年12月16日に提示した抗ヌクレオカプシドたんぱく質抗体で判定した、COVID-19の感染割合の推移を、4回目接種の6か月後まで延長しています。流行時期に応じて変動しておりますが、昨年7月から9月までの3回目接種と4回目接種のグラフをスーパーインポーズしておりますが、比べてみますと、4か月接種の方は、3回目接種だけの人に比べて感染した割合が半分程度になっておりますので、4回目接種が50%程度有効だったということが分かるかと思います。
 47ページからが、今回初めて提示をさせていただきますが、6か月~4歳の乳幼児接種の結果です。
 東京都医師会の川上先生と、国立病院機構長崎医療センター、順天堂大学2施設の4施設で実施しておりますが、協力していただけた方が17人と大変少ないのですが、今回2回目接種までの安全性の情報を提示しております。大人の調査項目、倦怠感、頭痛、鼻水を乳幼児ですので、食欲減退と傾眠状態、易刺激性という調査項目に変えております。
 年齢分布などは52ページ、53ページに示しています。
 55ページをご覧いただきますと、1回目と2回目の発熱の推移です。
 本調査の基準は成人と一緒ですので、37.5度以上を発熱として、38度以上も区別できるように表記しておりますが、乳幼児の基礎対応はやはり成人に比べ高くて、乳幼児の発熱は38度以上にすることが多いと小児科の先生方から伺っているのですけれども、37度5分以上として集計しますと、ご覧いただくように、ばらばらと発熱シグナルが検出されております。例数が少なくて、せきなどを伴った感冒や、実は手足口病の合併症例が入ってきているので、特に接種直後ではない接種から日にちがたって発熱が出ているのはそういう方なのですが、頻度が高くなっていますが、発熱を38度以上とすれば、ほぼ海外試験と同程度という状況になっていると思います。
 食欲減退、傾眠傾向や易刺激性などは、57ページに示しましたが、特徴的な推移はありませんでした。重篤な副反応は見られておりませんが、今後、例数を増やして検討していきたいと思っております。
 62ページは、中和抗体の解説を再掲していて、63ページに、起源株の中和抗体と抗スパイクたんぱく質抗体について例数を増やした結果を示しておりますが、ほぼ0.9と高い相関、それは当然と言えば当然なのですが、そういう状況になっています。
 3回目、4回目接種後のオミクロンBA.5株の中和抗体を測定して、交差免疫については、4回目のほうが、3回目と同じか、やや高い中和抗体価が得られてきていて、免疫の熟成が進んでいるように見られることと、それから、BA.1株の対応ワクチンを接種してもBA.4-5株の接種をしても、ほぼ同じ程度のBA.5に対する中和抗体が惹起されていて、起源株を接種した3回目とか4回目に比べると、BA.5株に対しては2倍程度の中和抗体価の上昇が見られているということが確認されました。
 4回目接種後の観察期間を6か月までに延長して見ておりますが、3回目接種に比べて4回目接種は抗N抗体で見た感染率が半分程度だったということの再確認ができています。
 乳幼児については、ベースの体温が高いので分かりにくいのですが、乳幼児で発熱とされる38度を超える発熱や、ほかの副反応については、引き続き情報収集していきたいと思っております。
 報告は以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 それでは、事務局から御報告ありました、これまでの副反応疑い事例、部会資料の構成、健康状況に関する調査について、効率的な議論を進めるために論点に沿って議論を進めさせていただきたいと思います。
まず、副反応疑い事例に関して、新型コロナの安全性評価については、1.死亡事例について、2.小児、乳幼児接種について、3.その他の論点についての順で御議論をお願いできればと思います。
 まず、死亡事例についてでございますけれども、議論を行いたいと思います。
 コミナティBA.4-5については、先ほど御報告がありましたように、1件が専門家評価によってαと評価されているということも踏まえまして、そのほかの事例にも含めて、ワクチン接種と副反応疑い報告の観点で、接種継続の可否等についてどう考えるかということで御議論いただければと思います。
 その論点につきましては、資料1-6の8ページに事務局から挙げていただいております。これについてどのように考えるかということで、御意見、御質問等をいただければと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。資料1-6の8ページになります。
 先ほど御報告がございましたように、PMDAの専門委員の評価では、アナフィラキシーに関してはγということで評価不能となっておりますけれども、総合的な判断というコメントがついていたかと思いますが、総合的に判断して、因果関係が否定できないαという御判断だと思いますけれども、いかがでしょうか。
 佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 ありがとうございました。非常に膨大なデータをまとめていただいて、理解が進みました。
 非常に重要な点を御説明いただいたので、念のために確認させてください。
 1-6の資料の8ページ目ですけれども、ワクチンの接種体制というか、接種を続けたほうがいいという点に関して異論はないのですけれども、この一定時間被接種者の状態を観察するように注意喚起というところです。この観察者というところを、どういった方に観察していただくかという点について、具体例は周知されているのですか。どのぐらいのところまでというところをお伺いしたかったのです。
○岡座長 ありがとうございます。
 この記載の具体的なことについてということです。事務局のほうはいかがでしょうか。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 
 事務局の考え方でございますけれども、まず、ワクチンを接種した方については、皆様、15分程度は、こうした症状が現れることがあるから、接種の会場で様子を見いただくとしていると考えています。また、アレルギーの既往等のある方については、30分しっかり見ていただくということも、これも従前から予防接種の実施要領等でお示ししているところと考えております。
 以上でございます。
○岡座長 どうぞ。
○佐藤委員 お伺いしたかったのは、今回、急変というか非常に急速な変化というところで、アナフィラキシーという判断が難しいぐらいのタイムラインでいろいろ事が運んでしまったという状況だったと思いまして、そのあたりを見て判断できるような、医療関係の方が観察しておられるというような状況のほうが望ましいのではないかなというのを思ったという次第なのです。
○岡座長 ありがとうございます。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 先生、ありがとうございます。
 一部繰り返しになってしまう部分もあるかと思いますけれども、先生の御懸念といたしましては、どういった方をより注意したらいいのかというところでの御懸念かと承りましたが、そういう点で関しますと、広くワクチンを接種した方は、皆様一定程度の確率で、いわゆるこういった症状、ショックやアナフィラキシーが起こることはあり得るということで、皆さんに気をつけていただくという形で、先生方には経過観察をいただいているものと承知しております。
 そういう意味で言いますと、過去にアレルギーの既往のあった方については、少し入念にといいますか、30分見ていただくと従前からお願いしているものを、引き続き我々としてはお願いしてまいりたいと、そのように考えております。
 以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 私のほうから補足しますと、私は、以前、集団接種会場の調整をしたことがありまして、そのときに厚労省の指針みたいなものの中で、接種する医師、スタッフとはまた別に、経過観察していて対応するスタッフを確保するようにということになっていましたので、集団接種会場などでもそういったような体制になっています。ですので、どなたかが具合が悪くなったとき、看護師さんもいらっしゃると思いますけれども、それで看護師さんから呼ばれて医師が対応できるように、厚労省の指針でもなっていたかなと思います。参考までに。大事な御指摘だと思います。ありがとうございます。
○佐藤委員 ありがとうございました。
○岡座長 そのほか、委員の先生、いかがでしょうか。
 伊藤委員、お願いいたします。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。
 皆さんが発言をしないので発言させていただければと思いますが、今回、初めてαという形で、今回のケースが認定をされたということに関しては異論がありません。逆に言うと、今まで、ワクチンとの直接の因果関係があるものだけを、強く疑われるものとして評価をするという、副反応検討部会というか専門家の人たちの御意見だったので、こんな形になっているのだと思っておりますが、アナフィラキシーに関しては、ブライトン分類という基準をもって、それで判断をするということだと思いますが、ただ、それに必ずしも縛られず、やはり直接因果関係があるものと評価されたということは、多くの人たちが納得する評価だったと思います。
 特に、委員の柿崎先生に教えていただきましたが、コーニス症候群という急速に心不全を来たす人というのは、病態としてもあるということですし、そういう病態に、この方がなられていたということだと思いますので、適切に評価された結果がαになっていると思って見ております。
 今後も同じような形で評価されるものと思いますし、それから、過去のものに関しても振り返った上で、接種直後10分、15分ぐらいのうちに急変された方に関しては再度の検討しながら、もう一回評価というのは、後ろ向きでも少し考えていかなくてはいけない部分もあるのかなと思いますが、それも含めて、この副反応検討部会の立ち位置を堅牢なものにしていくという必要があるのだろうと思っております。これは意見です。
 以上です。
○岡座長 貴重な御意見だと思います。これは伺っておくということでよろしいですか。ありがとうございます。
 そのほか、委員の先生方、いかがでしょうか。
 宮入委員、お願いいたします。
○宮入委員 ありがとうございます。
 今の伊藤先生の御意見に賛同いたします。私、今回から初めて参加させていただきますが、α、γといった判定基準に関して、文字面からは、一般的に必ずしも分かりやすい基準ではないと思っておりまして、比較的広く、可能性があるものについては拾っていきながら検証するというような伊藤先生の御意見に賛同いたします。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 よろしいでしょうか。その他、いかがでしょうか。
 森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 ありがとうございます。
 私も伊藤委員の意見に賛同でございます。今回、αとつけていただいた状況でありますけれども、PMDAのコメントを拝見いたしますと、最初の報告医はアナフィラキシーではないかと報告をされたのですが、やはり、ブライトン分類という基準に照らして判断すると、呼吸器症状しかないということで、これは当てはまらないということで、これは妥当な御意見かと思います。
 先ほど、佐藤委員からも御指摘がありましたけれども、現場では非常に医療的には大変な状況で、いろいろな情報も集めていくのが大変な状況でありましたけれども、いろいろな症状とかタイミングを見ますと、「少しアナフィラキシーを水平展開したような感じ」との印象を持たれているという、判断に御苦労されたところがあるのではないかと勝手に推測をする状況でもございます。なので、今回に関しましては、最終的にいろいろと情報を集められ、そして、資料を集められている中での御判断ということで、αという判断になったことに関して、今回の結果を、この副反応検討部会としてもしっかり受け止めていくことが必要かなと感じております。
 以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほかによろしいですか。いかがでしょうか。
 本当に大事なケースかと思います。PMDAの方も非常に丁寧に見ていただいて、肺塞栓も必ずしも蓋然性が高くなさそうだということを含めて御判断いただいたと思いますけれども、よろしいでしょうか。
 そうしましたら、続いて、小児、乳幼児接種についてのほうに進めていきたいと思います。
 小児、乳幼児接種につきましては、資料1-6の10ページにおいて、事務局から挙げていただいておりますけれども、御意見あるいは御質問等はございますでしょうか。
 藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 国際医療福祉大学の藤井でございます。
 大変詳細な資料をありがとうございました。
 伊藤委員がお話しされたことをここでお聞きしても大丈夫でしょうか。
○岡座長 はい。結構です。
○藤井委員 資料1-7の、乳幼児のコミナティ、6か月~4歳用を接種した後の全身反応で資料1-7の57ページになります。打った後の全身反応で食欲減退と傾眠状態という方が1名おられたのですかね。最初の1週間で少し症状があって、2回目からさらに傾眠状態が5日間続いたという方がおられて、ちょっと気になったのですけれども、これについて、詳細は多分難しいのかもしれませんが、予防接種を打った後、傾眠状態が5日間続くというのは少し気になったので、情報は特にないかと思いますが、もし、その後のこととかを先生が御存じでしたら教えていただきたいと考えました。
 以上です。
○岡座長 伊藤委員、いかがでしょうか。
○伊藤澄信委員 ありがとうございます。
 先ほどお話をしましたけれども、これはお一人の方ではございません。1回目の接種のDay8、9、10は、感冒様症状で具合が悪くなられた方で、2回目接種の方は手足口病です。ですので、そのお二人の方の結果がこのように出ています。1回目接種の当日の食欲減退は、あってもしかるべきかなという方のようです。
 以上でございます。
○藤井委員 傾眠状態という表現がありましたので、ちょっと気になりました。ありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。
 先ほどの発熱については、私も小児科医としておっしゃるとおりで、37度5分というなかなか厳しい基準かと思っていますので、38度で数字で見ていただければと思いました。
 そのほかはいかがでしょうか。
 大丈夫でしょうか。
 そうしましたら、そのほかの論点ということで御議論いただければと思います。
 資料1-6の論点スライドで、4回目以降の接種後、それから、2価ワクチン、心筋炎等の副反応を含め、新型コロナワクチンの安全性に関連して、これまでの論点以外の観点から御意見、御質問をいただければと思いますけれども、いかがでしょうか。
 全体のところで結構ですけれども、特に、今回、αというのが初めて出ましたので、その辺りの基準等についてもお考えを。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
 先ほどのα、β、γの話ではないのですが、ほかの議論、コメントです。
 副反応検討で、このα、β、γの評価と、健康救済制度の救済件数に差があると報道等で流れていますが、我々委員は、当然、その違い、まず視点が違うので、その認識はしていますし、厚労省のホームページでも、そういったものについての解説は掲載されていると思います。ただ、一方で、同一と誤解もあるようですので、今回、いいタイミングですので、一度、事務局のほうでその考え方、御意向を説明いただけるとありがたいのですがいかがでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
 確かにおっしゃるとおり、そのことは大事なことかなと思います。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 舟越先生、貴重な御意見をありがとうございます。
 御指摘のとおりでございまして、厚生労働省のほうにも因果関係の考え方についてのお尋ねは多く寄せられてございまして、実際に、接種後に起きた症状とワクチンとの因果関係の考え方について、副反応疑い報告制度と健康被害救済制度とはどのようになっていますかというQを立てさせていただきまして、Q&Aとして公表しているところでございます。
 具体の内容についても、少し抜粋して御説明差し上げたいと思いますけれども、まず、副反応検討部会、先生方に御議論いただいている審議会におきましては、原疾患との関係、薬理学的な観点や時間的な経過などの要素を勘案し、医学薬学的観点から総合的に判断し、3つの評価記号を用いて、ワクチン接種と副反応疑い事象の因果関係の評価を行っています、と御説明させていただいております。
 一方で、予防接種法に基づく健康被害救済制度は、接種に係る過失の有無にかかわらず、厚生労働省の審査会において、予防接種と健康被害の因果関係を認定された方を迅速に救済するものです。その認定に当たっては、請求された疾病等と予防接種との因果関係について、厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない人をする場合も対象とするかとの考え方に基づいて審査が行われています。個々の事例における因果関係の判断に当たって、副反応疑い報告制度における評価は勘案していないため、仮に副反応疑い報告制度において因果関係が評価できないとされている事例であっても、健康被害救済の認定の対象となることがあります、ということで御説明させていただき、こちらを周知していると考えております。いかがでございますでしょうか。
○岡座長 お願いします。
○事務局 事務局でございます。
 少しだけ補足をさせていただきたいと思います。
 先ほど御説明がありましたように、救済制度というのは、個々の症例に対して救済をするかどうかということでありまして、厳密な因果関係までは求めないということになります。
 一方で、この安全対策、特にワクチンに関して言いますと、歴史的に、ワクチンは、御案内のとおりですけれども、生物学的製剤ですので、ロットごとにいろいろ有効性、安全性が変わり得る可能性を秘めているということでありまして、今回のmRNAが生物学的製剤かどうかは別として、初めての新しいモダリティーのワクチンであります。安全対策をするに当たって、副反応を挙げてあげてもらっていって、何かおかしなことがあるならすぐに止めるとか、そういう判断をするために、通常は全体で件数とかをいろいろ見ながらそういう評価をするのですが、そこに併せて因果関係評価をやることによって、それをもう少し精度を上げていくということを目的としているということもございます。ある意味、その目的が異なるということが大きな論点かと考えております。
 説明は以上です。
○岡座長 舟越委員、いかがでしょうか。
○舟越委員 私、そこを十分分かっていまして、今回、ユーチューブライブで国民の方々も少し見られていると思いますので、そういったことを認識しながら、この検討もされているところについては、適切な報道が流れるといいなと思ってこのような発言をさせていただきました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。再確認をしていただいたということで、感謝申し上げます。
 そのほかによろしいでしょうか。
 柿崎委員、よろしくお願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。
 今回、初めてαの症例が認定されたということで、今回の症例はかなり詳細なデータが収集されて報告されたことによってαと認定されたのだと思います。今までも同様な症例で、情報不足によってγに分類された症例があるかと思うのですが、やはり時間経過を含めた詳細な副反応報告をしていただくということが重要と感じました。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。おっしゃるとおりだと思います。
 お願いします。
○事務局 先生、貴重な御意見をありがとうございます。
 先生御指摘のとおり、引き続き副反応疑い報告の情報収集に努めてまいりたいと考えております。ありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございます。
 本当にその点については私も同感でございます。
 そのほかはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 そうしましたら、これまでいただいた御議論をまとめていきたいと思います。御一緒にまとめをさせていただければと思います。
 まず、マル1として、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告についてはということで、副反応疑い事例全体の報告状況や、年齢・性別の報告状況、ロット別の報告状況、4回目以降も含めた接種回数別の報告状況、心筋炎、心膜炎について報告状況や専門家評価の結果につきましては動向の大きな変化はないとまとめさせていただきました。
 そして、死亡事例についてでございますけれども、マル1として、死亡事例の報告状況を整理すると、コミナティについては、前回の集計対象期間から、今回の集計対象期間までに新たに31件の死亡事例の報告があり、うち25件は4回目以降の接種後の死亡事例であった。
 専門家による評価では、接種開始以降報告された1,782例については、1件がα、10件がβ、そのほかの事例はγと評価されたとまとめさせていただいております。
 今回御議論いただきました、因果関係が否定できないとされた1例についてでございますけれども、症例の経過としては、ワクチン接種直後に症状が発現し、急激な病状の進行が認められ、ショック、死亡に至った事例でございます。
 報告より、アナフィラキシー疑いとして報告事例であったことも踏まえ、委員の先生からもアナフィラキシーの可能性についての御議論をいただきました。既知の副反応、ショック、アナフィラキシーとして当初より添付文書で注意喚起をしているとおり、接種前に問診を十分に行うとともに、接種後一定時間、被接種者の状態を観察することについて、医療関係者の方々等に注意喚起を行っていくということが重要だと考えられます。
 今回の事例につきましては、医療機関から多くの情報を得ることができたことが因果関係評価につながったと考えられます。今後も、事務局において、引き続き情報収集をしっかりしていただくこと、そして、広く検証していただくことが重要だとまとめさせていただきました。
 スパイクバックスにつきましてですが、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに4件の死亡事例の報告があり、うち3件が4回目以降接種後の死亡事例であった。専門家による評価では、接種開始以降報告された215件については、1件がβ、そのほかの事例はγとされた。
 ヌバキソビッドについては、新規の死亡事例の報告はなかった。
 今回、新型コロナワクチンとの因果関係が否定できないとされた1例も含め、これまでの死亡に係る副反応疑いの報告の状況及び国内外のCOVID-19 mRNAワクチン接種後のリスクの分析のエビデンスも踏まえますと、現時点においては、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
 よろしいでしょうか。
 そして、小児接種についてでございますが、マル1として、コミナティ筋注5~11歳用については、3例が死亡事例として報告されており、いずれもγと評価された。
 マル2として、また、心筋炎、心膜炎については、報告状況や専門家評価の結果に動向の大きな変化はない。
 マル3として、コミナティ筋注5~11歳用の接種後の報告状況については、現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただいております。
 よろしいでしょうか。
 乳幼児接種につきましてですが、マル1として、コミナティ筋注6か月~4歳用については、心筋炎、心膜炎、死亡事例の報告はなかった。
 マル2、熱性けいれんについては、1月22日までに医療機関から2件、製造販売業者から1件の副反応疑い事例の報告があった。
 マル3として、コミナティ6か月~4歳用接種後の報告状況について、現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
 特に、今回、αと判定した例が1例ございますけれども、このまとめとしては、現時点において引き続きワクチンの接種対象に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとしたところが重要なことかと思いますけれども、そうしたことでよろしいかどうかということで、皆様の御意見をいただければと思いますが、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。
 皆さん、首肯していただいていることが確認できましたので、以上、今回報告のあった具体的な事例なども踏まえまして、新型コロナワクチンについてでございますが、御審議いただいたワクチンにつきましては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念を認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。
 それでは、そのように進めさせていただきます。
 続いて、議題2「その他」となります。HPVワクチンについて報告事項がございますので、事務局よりお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 参考資料18をご覧ください。
 こちらは9価ワクチンの定期接種化、2回接種についてのスライドを御準備しております。
 2月27日の薬事・食品衛生審議会において2回接種が了承されたことを受けまして、3月7日に予防接種・ワクチン分科会が開催され、9価HPVワクチンについて議論されたため、こちらの内容を御報告いたします。
 了承された内容につきましては、標準的な接種スケジュールを、初回接種の6か月後の2回接種とする。
 初回からの接種間隔は最低5か月以上とし、5か月未満で2回目を接種した場合には、合計3回で接種を完了することとする。
 2価及び4価HPVワクチンとの交互接種となる場合は、3回接種とする。
 2回接種の対象年齢について、小学校6年生の学年から15歳の誕生日の前日までとする。
 15歳になるまでの間に1回目の接種を行えば、2回での接種完了を可能とする。
 2回接種の定期接種の開始時期について、9価ワクチン(3回接種)の定期化に合わせて、令和5年4月からの導入が可能となるよう準備を進めること。
 以上のことについて了承が得られました。4月からの2回接種導入に向けて、迅速に手続を進めてまいります。
 続きまして、参考資料19をご覧ください。
 9価ワクチンの情報提供につきまして、リーフレット改訂案について、当審議会並びに予防接種基本方針部会の委員の皆様に事前に御意見を伺わせていただきまして、それらを反映する形で、9価ワクチン定期接種化についての改訂作業をいたしました。それを基本方針部会のほうで審議いただいた後、ワクチン分科会にて御了承をいただいておりますので、当審議会においても御報告をさせていただきます。
 こちらの参考資料のほうでリーフレット一式をお示ししております。本人、保護者向け概要版、ピンク色のもの。そして、本人・保護者向けの詳細版、水色のものにつきましては、9価HPVワクチンの効果やリスク、一般的な接種スケジュールの追記、見やすさの観点からレイアウト変更をして、その他、データの時点更新、表現の一部修正等を行っております。
 キャッチアップ版につきましても、キャッチアップ対象者向けの9価ワクチン接種のスケジュールなどを追記しております。
 医療従事者版についても同様ですが、特に2価・4価と9価の交互接種につきまして、現場の医師の方などが接種対象者に丁寧に情報提供ができるよう、今回の改訂で記載が追加されております。
 スペースの関係で記載できなかった内容につきましては、厚生労働省のホームページやQ&Aを通じて丁寧に情報提供を行ってまいります。
 委員の皆様におかれましては、年度末のお忙しいところを御確認いただきましたこと、改めて御礼を申し上げます。
 既に御了承いただいております9価ワクチン定期接種化のお知らせのリーフレットと併せまして、当該改訂リーフレット一式につきましても、4月からスムーズに接種開始ができるよう、自治体にて活用いただけるように周知をしてまいります。
 以上、御報告です。
○岡座長 ありがとうございます。
 このリーフレット作成につきましては、委員の先生方にもいろいろ御協力いただいたかと思います。ありがとうございます。
 御報告いただいた内容について、何か御意見、御質問等はございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、本日の議題としては以上となります。
 そのほか、全体を通じて何か御質問、御意見等はございませんでしょうか。
 よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。それでは、本日の議事は以上となります。
 そのほか、事務局からございますでしょうか。
○事務局 本日は、活発に御議論いただきましてありがとうございました。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡差し上げます。
○岡座長 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。活発な御議論をありがとうございました。