2023年2月8日 第8回目安制度の在り方に関する全員協議会 議事録

日時

令和5年2月8日(水)  09:30~11:30

場所

厚生労働省労働基準局専用第14会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館12階)

出席者

公益代表委員
 藤村会長、鹿住委員、権丈委員、小西委員、中窪委員、松浦委員
労働者代表委員
 伊藤委員、古賀委員、永井委員、仁平委員、平野委員、水崎委員
使用者代表委員
 池田委員、大下委員、佐久間委員、志賀委員、新田委員、堀内委員
事務局
 鈴木労働基準局長、青山大臣官房審議官、岡賃金課長、友住主任中央賃金指導官、
 古長調査官、長山賃金課長補佐、青野賃金課長補佐

議題

  1. (1)目安制度の在り方について
  2. (2)その他

議事

 
○藤村会長 
 皆さん、おはようございます。定刻となりましたので始めたいと思います。これから、第8回目安制度の在り方に関する全員協議会を開催いたします。本日は、所用により鹿住委員、権丈委員、小西委員、池田委員には、オンラインで御出席いただいております。また、新田委員は途中退席される予定と伺っております。まず初めに、事務局に異動がありましたので御紹介をいたします。
 
○古長調査官 
 高松の後任として賃金課に着任いたしました調査官の古長と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○藤村会長 
 どうもありがとうございます。それでは、本日の議題に移りたいと思います。まずは、議題1「目安制度の在り方について」の資料について、事務局から説明をお願いいたします。
 
○青野賃金課長補佐 
 事務局でございます。それでは、資料に沿って御説明いたします。説明の間に、団体から最低賃金に関する御要望、御意見が届いておりますので、そちらを回覧いたします。
 まず、資料No.1は、議論すべきものとして御意見を頂いた事項(再整理)で、第5回、第6回、第7回の全員協議会でお出ししたものです。本日は、このうちの(2)地方最低賃金審議会における審議に関する事項であるランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む)及び(3)中央最低賃金審議会における目安審議に用いる参考資料を中心に御議論いただきたいと思います。
 資料No.2は、前回までの全員協議会で頂いた御意見ですので、適宜御参照ください。
 資料No.3はランク制度の在り方に関する資料です。12月16日に開催された全員協議会において、ランクごとに異なる目安額を示してきたことの影響を分析すべく、地域間の最賃額の差が拡大してきた要因が目安額の差であるのか、それとも生活保護との乖離の解消によるものであるのか、また、地方独自の上積みが目安額の差をどの程度打ち消してきたのか分かるような資料を御要望いただいたことを踏まえて、資料を御用意しております。
 時間額表示が始まった平成14年、生活保護との乖離が解消された平成26年、直近の令和4年の3時点で、最高額としての東京の最賃額と最低額としての沖縄県の最賃額の差を要因分解したものを1ページ以降に御用意しております。まず、引き上げ額の要因分解においては、2ページ目にあるとおり、生保との乖離解消後の平成26年以降、左側の棒グラフですが、目安額の累計は最高額と最低額の格差拡大に18円分寄与しているものの、10円分は地方独自の目安額以上の上積みより相殺されています。参考として示した2つの棒グラフのうち、左側の棒グラフを御覧いただくと、平成26年以前は生保との乖離解消のための引き上げの寄与が77円分であり、目安額による差の42.5円分を大きく上回る形で、最高額と最低額の差の拡大に対して、より影響を与えていました。
 また、地域間格差は最賃額の差のみならず、地域別最賃の最高額に対する最低額の比率という形で見ることもあります。最高額としての東京の最賃額に対する最低額としての沖縄県の最賃額の比率の要因分析を6ページ目に示しております。この図では、マイナスの方向に棒が伸びると格差拡大に寄与するというものです。生保との乖離解消後である平成26年以降の左の棒グラフを御覧いただくと、目安額は2.4%分の比率の改善に寄与しており、地方独自の上積みは0.9%となっております。参考として示した2つの棒グラフのうち、左側の棒グラフを御覧いただくと、平成26年以前は生保との乖離解消のための引き上げ分が▲7.4%であり、目安額による▲3.2%を大きく上回る形で最高額に対する最低額の比率の低下、すなわち格差拡大に影響を与えていたことが分かります。
 続いて、10ページ目を御覧ください。こちらはランクごとの目安額の推移です。全体として、Aランクを最高額とする目安額が示されてきましたが、毎年4ランクごとに異なる額が示されているわけではなく、何度か複数のランクで同じ額が示されてきています。具体的には、平成26年度以降、目安が示されなかった令和2年度を除き、ランクごとに別々に4つの目安額を示した年度が4回、複数のランクで同じ目安額となったことにより3つ以下の目安額となった年度が4回、そのうち目安額が3つであった年度は平成27年度と令和元年の2回、目安額が2つの年度は令和4年の1回、目安額が1つであった年度は令和3年度の1回でした。また、資料には目安額ごとの差額を記載しておりますが、最大となる差額を見ると、4つの目安額となっている年度では+4円~+6円ですが、3つ以下の目安額の年度では0円~+3円と小さくなっております。
 11ページ目は、各都道府県に適用される目安のランクの推移です。こちらは第5回の全員協議会でもお示ししております。
 続いて、前回御議論いただいたランク区分の数、あるいは各都道府県の各ランクへの振り分けの考え方を踏まえて、具体的な各都道府県の各ランクへの振り分け方について案を作成しています。前回は、ランク数に関しては、4ランクを維持することと、ランク数を減少させることについての御意見があり、今回は4ランクと、1つランク数を減らした3ランクの場合の振り分け案を御用意しております。
 振り分け方について、平成29年全員協議会においてはAランクとBランクの間及びCランクとDランクの間は総合指数の差が比較的大きいところで区分し、BランクとCランクの間はB、Cともに分散度合いが低くなるように区分しております。このように、総合指数の差と、ランクをまとまりのある固まりとして認識し、分散を考慮することが平成7年全員協議会報告以降採用されてきております。ただし、前回の全員協議会の資料No.4-2でお示ししたように、この考え方以外に、例えばランク間で地域別最賃額の逆転現象ができるだけ生じないよう配慮することや、各ランクの適用労働者数の比率を一定程度勘案することも考えられるため、それぞれの考え方を組み合わせて、複数パターンの振り分け案を用意しております。12、13ページ目に4ランクの場合の振り分け案の考え方、14ページ目に4ランクの場合の具体の振り分け案、15ページ目に3ランクの場合の振り分け案の考え方、16ページ目に3ランクの場合の具体の振り分け案をお示しております。案について、それぞれ簡単に御説明いたします。
 12ページ目に案1-1でお示しし、14ページ目でも具体の振り分け案をお示ししている案1-1については、平成29年全員協議会報告と同様の考え方に基づき振り分けを行うもので、総合指数の差が比較的大きい愛知と千葉間でAとBを、和歌山と愛媛の間でCとDを分け、B・C間は分散度合いができる限り小さくなるよう設定する観点から、三重と石川の間で振り分けております。
 案1-2は、A・BとC・Dの振り分けは案1-1と同様に行うとともに、B・Cの間も総合指数の差が大きいところで振り分けています。
 案2-1は、平成29年全員協議会報告と同様の考えに基づきつつ、特にAランクの振り分けの際に、直近の地域別最賃額も考慮し、ランク間の逆転現象が生じることのないように、つまりAランクで一番低い最賃額がBランク以下で一番高い最賃額を下回らないように配慮するものです。このランク間で地域別最賃額の逆転現象が生じないように配慮するという考え方は、前回、資料No.4-2でお示しさせていただいております。本案では、具体的には、愛知より最賃額が高い埼玉までをAに入れるとすると、埼玉の直前の兵庫より京都の最賃額が高いので、結果として京都までをAランクとするというものです。
 案2-2は、A・Bランク間のみならず、C・Dランク間でも、ランク間の逆転現象が生じないよう配慮するもので、結果として、Dランクは秋田、鹿児島、宮崎、青森、沖縄の5県のみとなる案です。
 案2-3は、Aランクの振り分けの際にランク間の逆転現象が生じることのないよう配慮し、また、B~Dランクの振り分けに当たっては分散に着目するものです。
 案3は、適用労働者数の比率を一定程度勘案するものです。前回の全員協議会では、資料No.4-2でお示ししたとともに、適用労働者数の比率も一定程度勘案すべきといった趣旨の御発言があったと承知しております。本案では、A~Dランクそれぞれの適用労働者数がおおむね同じ(約25%ずつ)になるように振り分けるもので、Aランクは東京、神奈川のみ、Bランクは大阪、愛知、千葉、兵庫、埼玉の5府県、C・Dランクは福井、奈良の間で振り分けられるという案になっております。
 案4は、指数の差が比較的大きいところに着目しつつ、適用労働者数をA:B:C:D=3:3:2:2に近い割合にするほか、特にAランクの振り分けの際に直近の地域別最賃額も考慮し、ランク間の逆転現象が生じることのないよう配慮するものです。
 案5-1は、指数の差が比較的大きいところに着目しつつ、適用労働者数をA:B:C:D=4:2:2:2に近い割合になるように振り分けるものです。Aランクの適用労働者数を4割としたのは、現在Aランクの適用労働者数が約45%であることを踏まえ、現在より少なくする一方、大きく変動させないための配慮という考え方です。
 案5-2は、適用労働者数を4:2:2:2に近い割合とするものです。なお、案5-1と案5-2ではランク間の地域別最賃額の逆転現象への配慮との両立はできないこととなっております。
 続いて、3ランクの場合の振り分け案です。15、16ページにお示ししている案6につきましては、指数の差が比較的大きいところに着目するもので、愛知・千葉の間と徳島・福島の間で振り分けております。
 案7は、指数の差が比較的大きいところに着目しつつ、A・Bランク間でランク間の地域別最低賃金額の逆転減少が生じることのないように振り分けるもので、京都・茨城間、徳島・福島間で振り分けられております。
 案8は、A~Cランクそれぞれの適用労働者数がおおむね同じ(約33%ずつ)になるように振り分けるもので、大阪・愛知間、三重・石川県で振り分けております。
 案9は、指数の差が比較的大きいところに着目しつつ、適用労働者数を3:3.5:3.5に近い割合になるように振り分け、案10は、指数の差が比較的大きいところに着目しつつ、適用労働者数が4:3:3に近い割合になるように振り分けているものです。
 17ページは、今申し上げた案1~10のそれぞれの各ランクの都道府県数や適用労働者数比率、総合指数の状況等、令和4年度最賃額の状況などを一覧にしたものです。本日は、ランク区分の数及び振り分け方について引き続き御議論いただきたいと思います。ランクの区分の数とランクの振り分け方は不可分の面もあると思いますので、一体的に御議論いただきたいと思います。
 最後に18ページです。こちらは、令和4年の最賃額が高い順に都道府県を並べた資料です。総合指数順に都道府県を並べた上で、ランクの振り分けを御議論いただく際に、この資料も適宜御参照ください。以上が資料3についてです。
 続いて、資料4についてです。(3)中央最低賃金審議会における目安審議に用いる参考資料の関係での現在の主要統計の過不足や、データ取得時点の確認、新規のデータ取得が不可となった参考資料の見直しについての関連資料です。
 まず最初に、1ページ目にお示ししている平成29年全員協議会報告におきまして、経済社会状況の変化等も踏まえ、各種統計資料の取捨選択を行うとともに、最賃引上げの影響に係る充実など、引き続き見直しについて検討することが必要であるとされております。
 参考資料に関しては、第3回の全員協議会において、令和4年の目安に関する小委員会での主要統計資料に関する合意が得られております。お手元の資料には記載しておりませんが、これまで労使の皆様からの御意見をお聞きした上で追加資料として提出してきた「決定初任給(高校卒)の推移」、「パートタイム労働者の1求人票あたりの募集賃金平均額」、「パートタイム労働者の1求人票あたりの募集賃金下限額」、「地域別最低賃金額の最高額と最低額及びその格差の推移」の各資料、「春季賃上げ妥結状況」の資料の更新版を、令和4年度の目安に関する小委員会以降は、主要統計資料に含めることとしております。
 これらに加えて、例えば新規のデータ取得が不可となった参考資料、具体的には年齢別の常用求人倍率ですが、これについて代替データが必要か、必要である場合にはどのデータを用いるか、ほかに参考資料として追加すべきものがないかなどについて、今回御議論いただきたいと考えております。
 2ページ以降が、令和4年度第1回目安に関する小委員会資料で提出した主要統計資料の目次です。まず、「Ⅰ全国統計資料編」では、GDPなどの主要経済指標、有効求人倍率などの労働市場の状況を示す指標、賃金・労働時間の推移、春季賃上げ妥結状況、物価の動向として消費者物価指数の推移、企業の業況判断などの資料を幅広く提示しております。また、最低賃金との関係では、4ページにある項目7の未満率や影響率の推移、一般労働者の賃金水準との関係を示す資料についても提示しております。
 「Ⅱ都道府県統計資料編」では、都道府県別に1人当たり県民所得、標準生計費、高卒初任給、有効求人倍率の推移、賃金・労働時間関係の資料、消費者物価指数の推移などの基礎資料も提示しています。
 「Ⅲ業務統計資料編」では、地域別最低賃金の改定状況についての資料、最低賃金の履行確保を主目的とする監督指導結果などの資料も提示しております。
 6~8ページが、事務局として考えられる見直し案をまとめたものです。まず、1が参考資料の過不足についてです。目安に関する小委員会に例年提出している統計データを便宜的に3要素に照らして分類すると、本資料の9、10ページにお示しする別紙1のようになり、「賃金」の項目と比較すると、特に「労働者の生計費」や「通常の事業の賃金支払い能力」に関する資料が少なく、関連資料を追加することが考えられます。このため、6ページにお示ししているとおり、例えば「労働者の生計費に関する資料」としては総務省の「家計調査」による消費支出額を、11ページの別紙2-1「1月あたりの消費支出額の推移(全国計)」や12、13ページの別紙2-2「1月あたりの消費支出額の推移(都道府県別)」のような形で追加することとしてはどうかと提案させていただいております。また、「通常の事業の賃金支払い能力に関する資料」としては、日本生産性本部による就業1時間当たり名目労働生産性より、16ページに掲載しております別紙3「就業1時間当たり名目労働生産性の推移(産業別)」のような形で追加してはどうかと提案させていただいております。
 次に、16ページの2にありますとおり、新規のデータ取得が不可となった参考資料の見直しについてです。新規のデータ取得が不可となった「年齢別常用求人倍率の推移」に代えて、「年齢別完全失業率の推移」を参考資料に加えてはどうかと考えております。17ページの別紙4に具体案を示しております。なお、年齢別常用求人倍率の推移とは異なり、男女別データや足下の月次の季節調整値のデータが取得できるため、これらを加える代わりに、年齢階級の幅が5歳から10歳刻みへと大きくなります。
 次に、6ページの3、賃金改定状況調査に関するものです。賃金改定状況調査そのものについては資料5で改めて御説明しますが、令和4年の目安小委員会において、委員長の御指示により、第3回の目安小委員会で提出した「第4表③ 一般労働者及びパートタイム労働者の賃金上昇率(令和3年6月と令和4年6月の両方に在籍していた労働者のみを対象とした集計)」を新たに提出いたしました。今後は、御指示がなくても毎年この資料を提出することとしてはどうかと考えております。
 続いて、6ページの4、そのほか、技術的に修正することが考えられる見直し事項です。まず、(1)ランク別・都道府県別有効求人倍率についてです。ランク別有効求人倍率及び都道府県有効求人倍率について、現行では受理地別の数値を掲載しておりますが、より一般的に使用されるようになった就業地別の数値を掲載することとしてはどうかと考えております。また、ランク別有効求人倍率の算出に当たっては、現行は各都道府県の有効求人倍率の単純平均としているところ、有効求職者による加重平均としてはどうかと考えています。18ページ以降の別紙5に、現行と見直し案、見直しによる変動幅を掲載しております。
 7ページの(2)消費者物価地域差指数についてです。消費者物価地域差指数は、現行では各都道府県の都道府県庁所在都市の数値を掲載しておりますが、ランク分けの指標にも用いられている都道府県下全域を対象とした数値も追加で掲載することとしてはどうかと考えています。24ページ以降の別紙6に、現行と追加資料案、比較グラフを掲載しています。
 (3)法人企業統計による企業収益についてです。法人企業統計による企業利益は、「規模計」の欄に年度データと四半期データを並べて掲載していますが、年度データは資本金規模1,000万円未満の企業を含むのに対し、四半期データはこれらの企業を含まないことから、誤解を招かないよう、四半期データの「規模計」については、「資本金規模1,000万円以上」として掲載し、年度データについてもこれに対応する数値を追加してはどうかと考えています。併せて、年度データについては、資本金規模1,000万円未満の企業の数値も掲載してはどうかと考えています。また、年度データと四半期データは別ページとして、趨勢的な動向を観察できるよう、それぞれ掲載する期間を拡大してはどうかと考えています。27ページ以降の別紙7に、現行と見直し案を記載しております。
 (4)毎月勤労統計調査を用いたデータについてです。毎月勤労統計調査のデータを用いている幾つかの資料について、事業所規模30人以上の数値を用いておりますが、より一般的に利用されている事業所規模5人以上の数値を用いることとしてはどうかと考えています。別紙8に、現行と見直し案、見直しによる変動率・幅を掲載しております。
 (5)主要指標の推移についてです。主要指標の推移は、季節調整値と原数値が混在して分かりにくいことから、季節調整値及び季節調整値の前期比(差)については、斜字で記載してはどうかと考えています。42ページ以降の別紙9に見直し案を掲載しております。これらの見直しに限らず、参考資料について見直すべき事項を御議論いただきたいと考えております。
 最後に、資料5、賃金改定状況調査についてです。1ページ目は、「令和4年賃金改定状況調査結果」です。これは、目安を審議するための基礎資料として、厚生労働省が賃金の改定状況について調査を行い、目安に関する小委員会に結果を提出しております。調査の概要、第1~4表、参考1~2表、付表で構成されております。第1~4表は3~8ページですが、賃金改定実施状況別の事業所の割合、事業所の平均賃金改定率、事業所の賃金引上げ率の分布の特性値、一般労働者とパートタイム労働者の賃金上昇率を示しています。
 9、10ページの参考1、2表は、賃金引上げの実施時期別事業所数割と事由別賃金改定未実施事業所割合をランク別で示しています。
 11ページの付表は、基礎データとして令和3年及び4年におけるパートタイム労働者の比率、男女別労働者数の比率、令和2年度及び3年度における年間所定労働日数を示しています。
 12ページは、賃金改定状況調査の概要です。調査対象の地域は全国とし、調査産業は(2)に記載のとおりです。令和4年調査の調査対象の事業所は4,738事業所で、調査対象労働者数は30,533人です。調査項目は、当該年の6月の主要な生産品の名称又は事業の内容、労働者数などに加えて、当該年の6月の労働者の月間所定労働日数、1日の所定労働時間数、当該年の1~6月の賃金改定、前年6月・当該年6月の労働者の基本給額及び諸手当などを調査しております。この調査の基本的な性格としては、賃金額の実態把握ではなく、賃金改定率など賃金の改定状況を把握することを目的としています。また、各年6月分の賃金の実態調査を行い、その調査結果を7月に目安審議の資料として提出することから、極めて短時間に調査票を回収し集計する必要があるなど、迅速性が求められています。参考までに、14ページに賃金改定状況調査の調査票を添付しています。
 次に、賃金改定状況調査のこれまでの検討状況について、15~19ページにまとめています。直近の平成29年3月の中央最低賃金審議会では、短期間に調査結果の集計が求められるという賃金改定状況調査の性格も考慮すると、調査対象事業所の選定について、当面は現行の方法を維持することが適当とされております。
 最後に20、21ページに、平成12年全員協議会中間とりまとめの抜粋と平成27年全員協議会の中間整理の抜粋も付けておりますので、適宜御参照ください。以上で資料の説明を終わります。
 
○藤村会長 
 どうもありがとうございました。事務局におかれましては、非常に膨大な計算、あるいは資料を整理していただきまして、本当にありがとうございました。今日は、このランク制度をどういうふうにするかということと、今御説明があった資料のどれを今後も使い続けるのか、あるいは新たに付け加えるのかという、この2つの点が中心になります。主にランクをどうするかということです。
 改めて、こうやって資料を拝見すると、生活保護との乖離を解消するというのが、非常に大きな影響を持っていたことが分かります。このランク制ですが、4ランクでずっと行ってまいりました。この4ランクを維持するとした場合の考え方と、特に地域間の格差解消に向けて3ランクにしていくという考え方の二つがあり得ると思います。
 ランク数について、4ランクを維持するという場合、1つは昭和53年度以降に実施されて定着している面もあるという現行のランクとの継続性、あるいは目安が法的労働条件としての最低賃金額に関わるものであることに鑑みれば、考慮すべき法的な安定性が確保できることを考慮するという必要があるかと思います。それからもう1つ、先ほど御説明いただきました地域別の最低賃金の最高額と最低額の差、平成14年から令和4年で115円ですが、これの77円分は生活保護との乖離解消というのが原因で生じて、特に乖離が解消された後の平成26年以降、目安額によって差が開いたというのは18円であり、4ランクであることで、毎年、3円以上差がついているというわけではないという、そういった事実を確認できるかと思います。今、申し上げた2点から、4ランク制を維持するということも考えられます。
 一方、3ランクとする場合、47都道府県の総合指数の差と分布状況を見ますと、格差が縮小傾向であることから、ランク区分の数を減少させることに相当な理由があると考えることができます。あるいは、平成26年度以降、4ランクとしつつも、目安額を3つ以下とした年度が半数にのぼっているということ、それからこれまで4つの目安額となっている年度に比べ、3つ以下の年度ではランクごとの目安額の差が小さく、ランク区分の数が多ければ、その分ランクごとに目安額の差が生じ、最低賃金額の差が開く可能性があるという、そこを踏まえると、地域間格差を少しでも縮めることへの対応として、ランク区分の数を減らすことが有効だと考えられます。ただ、劇的な変化は避ける必要がありますので、まずは3ランクとするという、こういった考えもあるかと思います。
 3ランクにするか、4ランクにするかということと、どういうふうにランクごとの振り分けを考えるかというのは一体不可分のものですので、これからの議論において、両方を含んだ形での御意見を頂ければと思っております。新田さんが早めに退出されるということなので、新田さんからよろしいですか。
 
○新田委員 
 ありがとうございます。私からまずランクについてお話をしたいと思います。
 今しがた藤村会長からお話があったとおり、まず議論としては、4ランク、3ランクを共に見据えながら議論していっていいのではと思っております。加えて、ランクの数をどうするのかということと併せて、以前から申し上げているとおり、ランクごとの適用労働者数に余りにも乖離があることに非常に問題を感じております。ですので、ひとまずどういう形でランクの間の線を引くのか、それによって、4なのか3なのかというのもある程度見えてきます。正に、先ほど藤村会長がおっしゃったように、両方を一体的にして議論を進めていただければと思います。
 そうした中、私の一番の問題意識は、今お伝えしたとおり、適用労働者数についてですが、これをきれいに3分の1にするというのは、事務局から御提示いただいた資料を見る限りかなり難しいと思っています。そういった中で、ここに示されている案も踏まえながら、更に議論を深めていって検討した結果、ランク数と振り分け方を皆さんで是非合意形成できればと思います。簡単ですが、まずは以上です。
 
○藤村会長 
 いきなり振ってしまいまして失礼いたしました。労側の御意見を伺いましょうか。伊藤さん、どうぞ。
 
○伊藤委員 
 ありがとうございます。まずは、前回の第7回会合での労側からの御提案にお応えいただき、今回、資料No.3の2ページ目以降で、額差拡大の要因分解をお示しいただきましたことについて、事務局に御礼申し上げたいと思います。大変な作業をありがとうございました。
 その上で、この資料No.3の2ページを見ますと、先ほども御説明がありましたが、額差の拡大の要因としまして、一番大きいのは生活保護との乖離解消のための上乗せ引上げ分なのですが、それを除いたとしても、このブルーで示す目安での金額差をグリーンで示す地方での上積み分によってカバーするには至っておらず、結果として、額差が拡大してきたことは明らかではないかと考えております。
 もちろん、額差が拡大してきた要因は、加重平均の目標水準を踏まえて、Aランクにより大きな数字を付けてきたという目安の出し方、これによる部分もあります。しかし、やはりランクを4つに分けて、原則的にはAランクが最も高く、B、C、Dランクの順に低くなる、こうした目安を出すという構造自体が、額差を拡大させてきた一因であるといえるのではないかと考えております。
 したがいまして、額差是正の第一歩として、まず4ランクを3ランクに減らすべきではないかと、労側としては考えております。以上です。
 
○藤村会長 
 ありがとうございます。どうぞ、永井委員。
 
○永井委員 
 ありがとうございます。伊藤委員に続きまして、私も3ランクに減らすべきという立場で発言させていただきます。今の伊藤委員のランク数を減らすべきという意見の中で、目安の出し方にもよるという発言がありましたが、この目安の出し方という意味では、先ほど会長からも御説明がありましたように、中賃としても、何とか地域間の額差が拡大しないような目安を出すことに努力してきたのではないかなと考えています。
 具体的には、資料No.3の10ページにあります公益委員見解の目安額の推移を見ると、生活保護と乖離解消を果たした平成26年度以降の9年間、先ほど説明がありましたとおり、4ランク全てで金額差を設けたのは平成26年度と28~30年度の4年だけであります。裏を返せば、「目安示さず」の令和2年度も含めるとになりますが、残り5年間はいずれかのランクで同額の目安を示してきましたということですし、特にここ最近はその状況が顕著であるということです。
 これらは、中賃としても額差が拡大しないように目配りをしてきたからこその結果であり、この実態からも、3ランクにすることが整合的ではないのかと考えております。以上です。
 
○藤村会長 
 ありがとうございます。使用者側からはどうでしょう。佐久間さん、どうぞ。
 
○佐久間委員 
 ありがとうございます。皆さん方の御意見と、今まで数回にわたる協議をしてきて、事務局からこれだけ詳細なデータが提示され、4ランクにしても3ランクについても、案の数が結構あって、非常に選択しにくいなというところが逆にあるところです。ただ、私たちの諸先輩方からずっとこの4ランクを維持してきた背景を見ますと、やはり全国統一とか、各県ごとに分けると47ランク、これは前回に申し上げたのですが、そういう構造があって、そしてこの4ランクになってきており、各種の指標から勘案して線引きを行ってきたという、今までの歴史もあります。
 労働者数、各地の19の指標を並べて、そしてランク付けを1つ1つの指標で並べてきたということや、過去の最賃額、そういう定量的な数値やデータともに、また、定性的としては、上位ランクに移ってしまう各県の抵抗感があったり、下位ランクは下位ランクで、内心では1つランクが落ちたなとか、そういうことも実際にはあるのではないかと思われます。
 このような経緯があり、今年、私たちが委員として参画をしていて、何か変えていかなければいけないなという必要性も感じるところなのですが、今までの、前回からずっときているこのランク制を変更しなければ、それは各地も余り抵抗感はないのだろうと思いますが、この指標を並べたときに、4ランクであれば、例えば案2では埼玉とか京都が入ってくるということもあります。やはりAランクに上げることによって、先ほどの繰り返しになりますが、各県の抵抗感もあるでしょうが、やはり実態としてこういう数字が出てきたのだろうなということになります。
 あと、B、C、Dの間の区切りの考え方というのはまだこれから議論していかなくてはならないのですが、Aランクに上げていくという考え方と、それから従前に戻ってしまうのですが、これだけ格差があり、額差もある。東京、大阪、神奈川というのは本当に大経済都市となりますから、それらが属するAランクに徐々に追加されて埼玉や千葉が加わってきたのですが、それにさらに県を加える考え方、また、大都市だけにするなど、前に戻す考え方となると、案2、案5-2のほうがいきてくるのかなと思います。
 ただ、私としても何かを変えていくことは必要であると考えております。私も5年前から最低賃金の委員を担当させていただいて、目安額としてCをDランクと同様にした今年度と昨年。一昨々年は、額を示さず、AランクからDランクまでずっと同じ金額をしてしまった令和3年度とか、それによってCランクというのが、同じ金額をC、Dとしてきたということになると、また今、ここの見直しの時期で、3ランクということも考えられるのかなと思います。
 そうすると、3ランクであった場合、すでにAランクには埼玉と千葉が入っていることから、兵庫と京都を上げていく形でやっていくのか、それとも本当にスーパー大経済都市というか、東京、神奈川、大阪、愛知を含めながら、それからBランクには比重を置き、それなりに大きい都市、Cランクは標準的な都市ということで分けるやり方、もちろんそこには労働者数などを勘案しなければいけないのですが、こういう考え方があるのかなと思います。
 今日は皆様方の御意見をお伺いしながら、この辺の線引きということもありますが、まず3ランク、4ランクの考え方について、もう一度皆さんで同意を図っていきたいと考えています。以上です。
 
○藤村会長 
 どうもありがとうございます。新田さんから、分けるときに、それぞれのランクの労働者数をある程度勘案すべきではないかと。それによって、4ランクにしても3ランクにしても、どこで線を引くかが変わってくると思いますが、労側は労働者のランクごとの比率については、どのようにお考えでしょうか。
 
○仁平委員 
 では、私のほうからよろしいでしょうか。ランクごとの振り分け方にもよるという気はしておりますが、そもそもなぜ人口比が問題になるのかということを、少し問題意識としてすり合わせておきたいと思っております。
 それは、こういう決め方がいいのかどうかということがありますが、一定の加重平均の目標に対して、その目標に到達するために目安額をどうするかといった考え方をすると、Aランクの人口比が多くなってくればくるほど、Aランクをたくさん上げていくといった要因になってきたのだろうと思っています。本当にそれがいいのかというと、先ほど来、労側の思いとしては、地方からの意見としても近県あるいは東京との額差が開くことで、やはり労働力の流出が、地方において人手不足も含めて非常に問題を生じているのだろうという声が大きいものですから、そういう加重平均の目標を意識したAランク偏重の決め方ではない、正に底上げに資するような決め方をしていくべきであると思います。そうだとすれば、ランクの切り方としても、人口比で、どんどんAランクを増やしていくことは、むしろ逆のような気もいたします。
 そういう意味では、3ランクで、なおかつ人口なども加味しながら改めてランクの在り方を考えていくことが、今の局面は非常に大事なのではないかと思っております。
 
○藤村会長 
 ありがとうございます。大下さん、どうぞ。
 
○大下委員 
 悩ましい点ではございますが、私も新田委員からお話があったとおり、また今の御議論のとおり、適用労働者数という考え方をランク分けの中に織り込んでいくべきだとは思っています。これまでのように、比較的差が開いている所というような、やや説明がつきづらい分け方よりは、適用労働者の比率で一定の目安を設けてランクを分けるというほうが、少なくとも説明がつくと思っております。
 その上で、冒頭、藤村会長からも話がありましたが、頂いている資料を見ても、若干ではありますが、東京と沖縄の総合指数の差も縮まってきています。過去9年間を見ても、半分ぐらいは、結局3つか2つしか目安額を分けて出していないという実態もありますので、それを考えれば、4ランクではなくて3ランクでもいいのかなという考え方もあります。仮に3ランクとした場合に、これも本当に考え方として正しいのかどうか分かりませんが、均等に3つに分けるというよりは、どこかのランクが半分ぐらいを占めてしまうという考え方もあるのではないかなと思っています。
 例えばAで50%として、B、Cを30%、20%という形にして、Aが大半を占めるわけなので、Aを中心に考えて、BとCをどう加減するかという考え方もあります。あるいは、真ん中のBを50%ぐらいにして、そこをボリュームゾーンと考えて、その上でAとCをどう加減するのかという考え方もあります。
 4ランクから3ランクにすることによって、1つの新しい考え方として、今申し上げたような各ランクの目安額の調整の仕方というのもできるのかなと思っています。その際に、半分の労働者数が含まれているということが、BからAとCを考え、AからBとCを考えるにしても、一番のボリュームゾーンとなるランクを先に考えてというロジックにつながるのかなという思いもしています。それが本当にいいかどうかというのは何とも申し上げられないところですが、仮に3ランクにしたときの目安額の調整の考え方として、そういう考え方で整理をするということもあるのかなと思っています。
 
○藤村会長 
 では、水崎委員、どうぞ。
 
○水崎委員 
 ありがとうございます。藤村会長のご発言にもありましたし、大下委員の発言にもあったとおり、資料No.3の14ページ以降にある各都道府県の総合指数を見ると、やはり全体的に沖縄と東京の差が縮まってきているというのが実態だと思います。
 要はこの5年で、総合指数が5ポイント、格差が縮まったということは、総合力の差が縮まったというふうにも数字として見えますので、ランク数も今までの4から3つにして、少し大くくりにすることも1つの考え方ではないかと思っています。
 また、ランクの切り分けに関して、適用労働者数を一定程度勘案するというのは、ランクを今回変えるときの1つの考え方、ロジックとして、外部に設明しやすい点もありますので、そちらに関しても、私としては妥当ではないかと考えています。以上です。
 
○藤村会長 
 ありがとうございます。古賀委員、どうぞ。
 
○古賀委員 
 ありがとうございます。地域間額差とランク数の問題は、目安の出し方、そしてその前提として目標をどう置くのかにも関わりますし、ランクごとの切り方にも関わるのですが、基本的にはランク数を3つにした上で、ではどう切るのかということを考えていったほうがいいのではないかと思っています。
 というのも、水崎委員から先ほど総合指数について直近で格差が縮まっているというお話がありました。この総合指数をもう少し長いスパンで見てみると、最低賃金が時間額表記に統一された平成14年(2002年)の前の、平成12年の全協での総合指数は、東京が100で、最も低い沖縄が62.8でした。翻って今を見ると東京が100で沖縄が68.5です。当然指数の中身は異なるので単純比較はできないわけなのですが、総合指数の差を長期で見ても、少なくとも平成12年よりは現在の方が差が縮小している、若しくは変わってないということなのだろうと思っています。
 一方、額差を見ると、平成14年時点では、東京が708円で沖縄が604円ということで、104円の額差だったのですが、それが219円まで拡大してきています。要は総合指数の差は長期で見ても縮小しているのに、逆に額差は拡大してきてしまったという、いびつな状況が生じているのではないかなと思っています。
 繰り返しになるのですが、目標の置き方や目安の出し方による部分も当然あるのですが、このいびつな状況を解消するために、やはりランクについては、今回3つにするということで、まずは構造的に変えていくということが必要なのではないかと考えております。以上です。
 
○藤村会長 
 ありがとうございます。平野さん、どうぞ。
 
○平野委員 
 では、私のほうからも、額差是正のためにランク数の減少が必要であるという観点で発言ささせていただきたいと思います。
 少し概括的な話になりますが、ここ数年間の政府の方針の中でも、地域間格差の是正が求められています。また、地方からも地域間格差の是正を求める意見もあります。加えて、審議会の枠を越えて、世間からも地域間の額差の是正を求める声が強くなっています。これらのことを踏まえると、額差の是正は社会的な要請があるのではないかと考えております。この声に応えることができないと、中賃としても存在意義を問われることになるかもしれないと思うところです。ですから、このことに対して、何か確実なアクションをしなければ駄目だなと考えています。
 目安制度発足以来40年にわたって続けてきた4ランク制を見直すことは簡単なことではないのかもしれませんが、今回しっかりと前に進めるようにして、中賃としての存在意義をしっかり出していく必要があるのかと考えております。以上です。
 
○藤村会長 
 では、新田さん、どうぞ。
 
○新田委員 
 皆さんの意見を拝聴して、冒頭の私の発言に補足をさせていただければと思います。まず、労側の方の意見を総じて申し上げると、ランクを3つにした上で、線の引き方を検討すべきと理解しました。そういう考え方もあるとは思うのですが、私が先ほど冒頭で申し上げたとおり、線の引き方も含めて、ランクの数をどうするのかを考えていったほうがいいのではないかと思っております。
 先ほど御紹介のあった資料No.3の10ページで、ランクごとの目安額の推移ということで、生活保護との乖離解消が終わった平成27年以降でいうと、約半分の所でC、Dが同じ額で出されているではないかという話がありました。見方を変えれば、C、Dを同じ額にすることによって、現行の4ランクでもこういう対応は十分取れるという見方もできるかという気もいたします。一方で、必ずしも今の4ランクに固執しているわけではなくて、もう少し幅広に様々な観点から議論した上で、最終的にはランクの数も含めて皆さんで合意形成できればと思っています。
 その1つの取っ掛かりとして、適用労働者数を申し上げました。改めて考えると、当初はAランクの過度に適用労働者が偏っているところを、何かしら見直しができないかという趣旨で申し上げたのですが、一方で、先ほどの大下委員の意見を聞いて、それにこだわらずに、適用労働者に着目した上で、全体的にバランスを取るというよりは、1つにある程度固めていくという考え方も確かにあると思いましたので、そういった部分も含めて、幅広に議論をさせていただければと思います。
 各地方の経営者協会に聞く限り、現行の4ランクの維持がある程度適当ではないかという意見が多い一方で、ランク数の見直しも含めた形で議論をすることについて、おおむね御理解もいただいている状況です。そういった状況も踏まえながら、皆さんと幅広な議論をして、繰り返しですが、ランク数あるいはその線の引き方、特に以前から申し上げているとおり、単に指標の間が空いているという理由に加えて、適用労働者数やランク間の逆転が生じないことなど、様々な要素を考慮した結果、合意形成できればと思います。明確にきちんと説明できない部分はあるとは思うのですが、それでも構わないと思っています。ただ少なくとも、今までのような曖昧すぎる説明にならないように、ランクの数も含めて、是非議論を深めていければと思います。以上です。
 
○藤村会長 
 どうもありがとうございます。私は2007年度から最低賃金審議会に関わっておりまして、途中で2年間空いたのですが、私の記憶の中にあるのは、要は加重平均を上げるというのが1つの目標になっていたように思います。Aランクにたくさん積めば加重平均は上がるよねということで、AとDの差が付くことは知りつつ、相当Aに積んできたという経緯があります。しかし、その結果、特に東京や神奈川から、これ以上はやめてくれというような声が出てきているのも承知をしております。とてもいい機会なので、ランク制自体を見直すという議論をして、ランクごとの労働者区分というもの、労働者の比率をある程度考慮した上で決めていくということが、今この時点では必要なのかなというのがあります。
 事務局から御提示いただいた資料を見ると、4ランクよりも3ランクにしたほうが、ランクごとの労働者の構成比の分布は、割と同じにしやすいのかなと思います。もちろん今日は、これで決めますという場ではなくて、労使双方からのいろいろな意見や考え方を御提示いただいた上で、丁寧かつ慎重に議論をした上で決めていくということにしたいとは思っているのですが、やはりある種の方向性みたいなものは必要でしょうから、例えば会長としては、やはりランクごとの労働者数というのを割と重視しつつ、もちろん各都道府県の経済情勢もありますから、そこを勘案した上で、今のところ、3ランクにする方向で考えるというのがいいのかなと思っています。それについてはいかがでしょうか。新田委員、どうぞ。
 
○新田委員 
 度々で恐縮ですが、発言させていただきたいと思います。3ランクにするということを、ある程度念頭に置きながら議論を進めていきたいという藤村会長の御意向については重く受け止めさせていただいて、その方向で御検討いただければと思います。ただ、先ほど申したとおり、やはり丁寧に議論をしていきたいと思っておりますので、現時点で3ランクありきではなくて、現行の4ランクという可能性も残しつつ、3ランクにするに当たってどういう考え方があるのか、特に線の引き方についてはどういう考え方があるのかということを優先付けして、議論を進めていく中で、やはり3ランクが適切だということになれば、その方向で皆さんで着地できればと思います。そのような進め方でお願いできればと思います。
 
○藤村会長 
 分かりました。労側の仁平委員、どうぞ。
 
○仁平委員 
 やはり、せっかくこの間も議論を積み上げてきましたので、丁寧に議論することは私も大事だと思っております。会長の御提案を踏まえつつ、引き続き合意形成を図るということでよろしいと思っています。
 1点、その関係で申し上げると、やはり今回、皆さん言っているとおりですが、ある程度ロジックがしっかり組めるということは大事であると思っています。加えて、労側の要望からすると、ランクごとの切り方案の中では、幾つかの選択肢の中では3ランクの中でもCランクが非常に多い選択肢もあるのですが、世の中からの見方として下位ランク県を増やすことはどうかと思っていることは申し上げておきたいと思っております。
 
○藤村会長 
 中窪委員、どうぞ。
 
○中窪委員 
 話がまとまってきているところで恐縮ですが、私も感想みたいなものを含めて一言申し上げさせていただきたいと思います。今回、事務局から用意いただいた資料3の10ページ、生活保護との乖離解消が終わった後の数字を見ていると、いろいろと苦労したことなどを思い出しながら、やはり考えるところがあります。どうしてもAのほうが、第4表でもプラスが多かったりしたものですから、結果的に高い数字になってきたというのは当然あったと思うのですが、そのままではランク間で差が開いていきすぎる、問題であるというのは、途中からそういう御意見をたくさん頂くようになりました。私たちとしてもそこを意識しながらやってきて、最近は統計のほうでもちょっと変化が出たりして、こういう形になっておりますが、少しでも格差解消のほうにという動きは確かにあるのだと思います。
 そういう中で今回、ランクを3つにすることによって、それがやりやすくなるというか、全体をより整合的に見ることが可能になるのであれば、私もそういうふうに進む良い機会ではないかなと思います。
 最初に、藤村会長から、3つにするのか、4つにするのかということと、どこで切るのかというのは一体不可分だというお話がありましたが、それをやっているといつまでたっても話がまとまらないので、3つにするのならするという方向をまず決めて、ではどこで切りますかというように話を持っていったほうが生産的かもしれません。もし、そういう方向について合意できれば、そちらのほうで詰めていくほうが望ましいのではないかと思っております。
 それから、今まで4ランクでずっと長年やってきたというのは、確かにそうではありますが、他方で、最低賃金法が2007年の改正で大きく変わって、この地域別最賃というのが一番基本に据えられたという事実もあり、その際に、生活保護との関連も考慮されるようになったわけです。ある意味、そこがスタートになって、生活保護との関係が解消された後、こういう状況があるわけです。ですから、あの改正から15年ぐらいの経験に基づいて、では今どうするかというときに、こういう新しい3ランクという方向に進んでいくというのはおかしくないし、非常に意義のあることではないかと思いましたので、そこも発言しておきたいと思います。
 
○藤村会長 
 今、中窪委員からもありましたように、3ランクと4ランク両方見ながらというよりも、3ランクを前提にしながら議論をしたらどうだろうかという御提案でした。恐らく使用者側の委員の皆さんも、決して3ランクを否定しているわけではないので、そういう議論の進め方については合意していただけるのではないかなと思いますが、よろしいですか。
 
○大下委員 
 基本的には、中窪先生がおっしゃるとおりで、一旦考え方を整理する上では、どちらかに振らないと多分話は進まないと思います。ただ、各地のこと、あるいは一定の影響ということも考えた際に、3ランクではどうもうまくいかないというときには、また4ランクも案として考えるということを頭に置きながら議論を進めるということであれば、3ランク前提で、どのようなやりようがあるのかという形で検討を進めていくというのは結構ではないかと思っております。
 
○藤村会長 
 では、公側もよろしいですか。分かりました。では、どの案にするかというのは、ここでやるのはちょっと急ぎすぎですかね。いかがですか。3ランクにした場合に、どの案でいくのが、説明の合理性も付けやすいし、ある種の納得は得やすいという、そこまでは聞いておきましょうか。では、3ランクでいきたいという労側としては、今回、事務局に作っていただいた案を前提に、どの辺がいいかなと思っていらっしゃるでしょうか。
 
○仁平委員 
 ここも、私は今後の議論を大事にしたいなと思っているので、決め打ちでこれがいいという話ではないという前提で、最初の印象的な話をさせていただくと、先ほどもちょっと申し上げましたが、第9案のように、かなりの数の都道府県が一番下位ランクにあるというのは、額差是正が課題となる中で、社会へのメッセージとして、見え方としてどうかという気はいたします。
 その上で、上からいくと、Aランクをどういう整理の仕方をするのかというのは1つポイントかと思っております。第7案を除けば、愛知を入れるか入れないかということの違いなのだと思います。この辺、人員のウエイトなども考えれば、大阪までで適用労働者数でいうと30%、愛知を入れると37%ということですので、いずれにしても3分の1に近いのだろうと思っておりますが、この辺がどうかというのが1つのポイントです。残りはBランクとCランクの切り方の問題だと思っているので、それこそある程度、ここについては適用労働者数のみならず、県の数も含めて、余り極端にならないような切り方ということかなと思っております。
 あと、公益の先生方のお知恵も借りながら、どういう理屈がつけられるのかということも含めて整理していくということだと思います。
 
○藤村会長 
 使用者側はどうですか。大下さん、どうぞ。
 
○大下委員 
 今日、出ている案の中で、今の時点で申し上げるのはなかなか難しいと思います。もう少し議論をしたいということと、先ほど申し上げましたが、割合として均等にするというよりは、どこかにボリュームを置くという考え方も一案と思っていまして、これもまだこれから議論するという前提で申し上げますと、なるべく格差をつけないようにと考えるのであれば、真ん中をかなりボリュームの占める形、Bをかなりの労働者数が占める形に置いて、AとCは特別に状況が良い所、若干配慮をしてあげなければならない所というような形で区分をするというのも1つかなと思っております。
 そういう意味でいうと、例えばですが、案8、9にあるように、Aは東京、神奈川、大阪で3割で、これが愛知まで入れて4割近くになってしまうと、やはりAを中心に引上げようかという考え方にもなりかねないと思っておりまして、あくまで、そこで切ってしまって、そこからBをどこまで引っ張るかというところかなと思っています。例えば、長野ぐらいまで引っ張って8割まで持っていくと、Bが50%、更に島根まで持っていって、90%の所までいくと、Bが6割、残りCは1割という、こうすると、全国加重平均を考えたときに、もうBである程度、額を考えるという考え方につながってくるというのもあるのではないかなと思っています。
 したがいまして、今申し上げたような案8、9、10等の切り方だけではなくて、A、B、Cの割合というのをどう考えるのかというところは、もう少しいろいろな考え方を入れながら議論をしていく必要があると思います。
 
○藤村会長 
 ありがとうございます。佐久間さん、どうぞ。
 
○佐久間委員 
 私も大下委員と同一意見なのですが、まず、Aランクの位置付けというのを少し考えた場合、4ランクであった場合でも、例えばこれを広げようとしたときに、兵庫、京都までを入れて労働者数として50%を超える、その考え方も1つあるのかなと。また、Bのランクというのもちょっと幅広く捉えていかないと、Cランクが大きすぎてしまうと、加重平均で算出するときの関係もあるというので、少しBの比重を大きくしたほうがいいのではないかと思います。
 まずはAランクなのですが、私の印象からすると、愛知県というのは名古屋を抱えていてすごく大きな都市なのですが、やはり人口を見れば、例えば愛知と千葉を加えるとAの適用労働者数の割合がやや不均衡というか、Aランクの比率から理由がつきにくい。東京、神奈川、大阪というのは、本当に確実にすごい大きい都市ですので、ここは確実で、そこの下の愛知をいれると37%弱となり、千葉を含めると40%を裕に超え、どうするかというのを勘案したほうがいいのかなと思います。
 それから、私もBランクの層を厚くしてというように思っております。あと、CとDに位置した地域、今回、3ランク制を考慮すると、下位と言っては失礼なのですが、人口比や産業の数字がちょっと低めの地域を3ランク目としてCランクに持っていくという考え方が適切なのかなというように思っておりす。特に長野は従前から見ていくと、Bランクから少しずつ指標の数値が低下し、ランクとしても落ちてきているので、長野の位置付けも重要で、どこまで区切っていくのかというのもあると思っているところです。以上です。
 
○藤村会長 
 ありがとうございます。オンライン参加の池田委員が手を挙げていらっしゃいます。どうぞ、池田さん。
 
○池田委員 
 御指名ありがとうございます。本日の議論ですが、外形的に4区分から3区分どちらかというお話から始まってはいますが、藤村先生のお話にあったとおり、これまで加重平均を上げるために4区分で進めてきたものを、そろそろ平準化というか、差の解消に向けていくということで、それには3区分がベターなのではないかという御示唆の下で進んでいると理解しております。
 その意味でいうと、使側の皆さんがおっしゃっているとおり、Bに属する都道府県を多くしていく選択肢もあるのかなと思うのですが、一方、データ上想像すると、例えば4表に落とし込んだときに、Aに属する都道府県を非常に少なくしていくと、AとB、AとCの差というのがよりビビッドに出てしまう恐れがあり得るのではないかと想像します。そうなった場合、今後、実際に目安額を決めていく議論のときに、AとBとC間の差を縮めた形で目安額を出していった結果として実際の差が縮まるということだとすると、4表におけるデータの数字に大きな差があると目安で出そうとする金額の差とずれる恐れがあり得ると考えます。いろいろなAとBとCに属する都道府県の案がありますが、それぞれに沿った仮想の4表、場合によると過去のデータを当てはめてみた仮想の4表が、どれぐらいになるのかというのも見ながら実施していったほうがいいのかなと感じましたので、発言させていただきます。私からは以上です。
 
○藤村会長 
 ありがとうございます。今の池田委員の御発言については、事務局はどのようにお考えですか。
 
○長山賃金課長補佐 
 4表の過去のデータで、新しい幾つかの区分案でどのようになるかというのは、技術的にできるかどうかとか、あと手間の問題もありますので、可能かどうかは検討させていただければと思います。
 
○藤村会長 
 確かに、4表の結果がどのように出るかというのは、ここでの議論を左右する部分ですので、そこも考慮に入れながら考えていく必要がありますね。労側はいかがですか。今、使用者側から、この辺で切るとどうなるかとかいう幾つかの案というか、出てきましたが。仁平さん、どうぞ。
 
○仁平委員 
 繰り返しになるかもしれないですが、今回、適用労働者のウエイトも考慮要素の1つとして考えるということについてはイエスです。そのうえで、本当に適用労働者数によって均等に割り付けるのがいいのかどうかというのは、それだけで決めるということを言っているわけではないので、総合的に考える必要があると思います。
 あとは、これは使側も同じなのですが、仮にどこかのランクのウエイトを高めるのであればBランクのウエイトでしょうということを問われるののであれば、そういう方向性もいいのではないかと思います。
 
○藤村会長 
 どうぞ、水崎さん。
 
○水崎委員 
 私も、繰り返しになるかもしれないですが、案10と案9のような、適用労働者数を一定程度勘案しつつ、総合指数の格差も一定程度考慮して、3割とか4割とか半分とか、余りそこにこだわらずに、総合指数を勘案しながら線を引くのが、対外的にも説明もしやすいと思います。あとは、こちらの意図として、Bランクを少し厚めにするというのも、個人的にも賛成です。ランクの切り分けを考えるうえでは、総合指数の差を考慮に入れたらどうかというのは私の意見です。
 
○藤村会長 
 今日はそのようなところですかね。再三、丁寧にかつ慎重に議論を進めたいと申し上げておりますので、拙速に案はこれでいきましょうと、このようにはならないですよね。今、この議論の中で様々な考え方が出てきましたので、事務局には、もう一度それを整理していただいた上で、ではどうするかという、更に案11、12、13、14と出てくるかもしれませんし、あるいは余り議論になっていないような案は抜いた上で、更に新しいA案、B案、C案、D案とかというのもあり得ると思いますが、その辺は整理いただきたいと思います。
 今日は、もう1つ議論の題材がありまして、資料4についてです。具体的にいうと資料4の6ページです。事務局から、既に取れないデータがあるから、その代わりにこういうのを入れてはどうかとか、あるいはこういう考え方で、30人以上ではなくて5人以上にしてはどうかという、6、7、8ページについて御提案が出ております。この辺りについて、労使双方の御意見を伺っておきたいと思いますが、いかがですか。では、今度は労側からいきましょうか。どうぞ。
 
○仁平委員 
 御準備いただいてありがとうございます。非常にテクニカルな部分も多いのかなという気がしておりまして、労側としては、事務局案どおりで進めていただいて特に大きな問題はないと思っております。
 
○藤村会長 
 使用者側はいかがですか。佐久間さん、どうぞ。
 
○佐久間委員 
 私も、今までの中賃、また、今回御提示していただいた資料の御説明等で、特に今、仁平さんも言われるように、資料については何か変更、追加をしたいというのは今のところありません。
 
○藤村会長 
 分かりました。では、事務局の提案どおりでということでよろしいでしょうか。それから、もう1つ、資料5というのがありまして、賃金改定状況調査をこれまで毎年、非常に時間のない中でやっていただいているわけですが、仮に4ランクを3ランクにするとした場合、事務局の負担というか、あるいは調査の設計自体、大分影響を受けるように思うのですが、そこはいかがでしょうか。
 
○長山賃金課長補佐 
 4ランクを3ランクにした場合なのですが、今、4ランクにしたときの標本数の決定の仕方なのですけれども、各ランクごとの賃金の誤差が一定程度になるようにというところで決めておりますので、4ランクを3ランクにした場合は、もし同じ考え方でやりますと、ランクの数が減ると当然、標本数が減ることになります。全体として標本数が減りますと、全体としての全国計の誤差のほうが大きくなりますので、そこはなるべく落とさないような考え方で、標本数はある程度現状を維持したまま、新たにランク別にどの程度の誤差で設計するかというのを考えなければいけないというところで、その方向で考えたいと思っております。
 
○藤村会長 
 ということは、今年度のこの目安全協で3ランクにするとした場合、今年の7月に主に議論をしていくわけですが、そこの議論には間に合いそうだということですか。
 
○長山賃金課長補佐 
 そこは、なるべく間に合わせるように、標本の考え方を3ランクに合わせた形に変えさせていただいて、なるべく全体の調査数は現行を維持したような形で調査させていただければと考えております。
 
○藤村会長 
 分かりました。そのような状況ですので、労使双方よろしいですか。はい。
 今日は主にランク区分をどうするかということで御議論を頂いてまいりました。各都道府県をどう振り分けるのがいいかということ、それをちゃんと説明ができるような方法というのでしょうか、それについて事務局でも資料をお作りいただきたいと思います。ランク制度に関しては、まだ議論の途中ではあるのですが、年度末も近付いておりますので、事務局においては、これまで議論してきた内容を基に、報告案というのを準備いただいて、次回はその報告案についても議論をしたいと考えております。
 現時点において、報告案作成に向けて、今まで御議論いただいたことを踏まえまして、更に付け加えるべき点、あるいは報告、作成に向けて議論しておくべき点があれば、この際お出しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。仁平委員、どうぞ。
 
○仁平委員 
 せっかくの機会なので、そういう意味では、ランクの構造や仕組みの話ではなく、目安の示し方に関する点を報告書の中で盛り込んでいただきたいということで、1テーマご提案しておきたいと思います。
 去年の目安審議で出された第4表などを見ても、AランクよりDランクのほうが賃金改定の結果がよかったといった調査結果などもあると思うのです。ただ、目安は、第4表をもって示してきたわけでもなく、公労使で総合的に議論をして示してきたのですが、結果としては、下のランクが上のランクを上回る目安額を示してきたことは過去にはありません。この際、ランクがある意味、違う額を示すという意味では、仮に下位ランクのデータが上位ランクより良い結果の場合は、理論的には下位ランクが上位ランクを上回る目安額を示すこともあり得るのだろうと思っているのです。これを今すぐやるとかどうとかという話ではないのですが、理論的にはあり得るのだという話も議論をして、報告書に盛り込めるのであれば盛り込んでおくことも、メッセージとして大事なのではないかと思っています。
 というのは、最賃をめぐって、いろいろな局面が今後予想されるような気がしていますので、そういう意味では、経済状況や社会状況を踏まえてどうなのかという判断ができるような目安の在り方といった話を、運用の中ですが、何か1つ検討して確認しておくこともいいのではないかというのを御提案しておきたいと思います。
 
○藤村会長 
 今回、使用者側からは、地賃に対して公益委員が示す目安というのは、あくまでも目安であって、それを出発点として幾ら積みますかという話ではないのですよというのを盛んに言ってこられました。ただ、実態としては、各地賃は目安の金額にプラス1円、2円、3円ということで、これまで決着をしてきております。今回、ランクが仮に4から3になった場合、目安の金額自体を、場合によっては、AよりもB、Cのほうが高くなるとか、そういうことも理論的にはあり得るよねという、こういう話ですよね。それを報告書の中に盛り込んでおくこともいいのではないかという、あくまでも労側のお考えとしてそういうことがあるというふうに承っておきます。使用者側はどうですか。報告書に盛り込む事項については。
 
○佐久間委員 
 ランク制については、4から3になる可能性が出てきているわけですが、その場合の経緯と、それからこういう要因でランクの変動があるという理由、要因は詳細に書いていただきたいというところだと思います。あとは今、藤村先生がおっしゃられたのですが、これは目安小委員会報告に入れるので、こちらの全員協議会の報告には当たらないと思って、発言を控えていたのですが、やはり今、言われた地賃において、「中賃で決めた目安額というのは、あくまで拘束するものではない」、そこまで言い切るとちょっと労側は難しいかもしれませんが、ここで目安額はあくまで参考として、地賃のほうで協議をしていただくのだということは、何か入れられるのであればよいのではないかと思っています。
 あと、先ほど追加資料等々の課題というか、協議事項がありましたが、中賃や目安小委員会で使用された資料は各地の地賃でも使われることが非常に多いのです。しかし、中賃で出された資料というのが、都道府県別で明確に数値が出ている資料だけかというと、都道府県別には作成ができない資料があるとか、自分の県では労働局が算出できない資料があるとか、別には出ていないとか、そういった声が聞こえることがあるものですから、その辺の資料の都道府県別の提示の仕方とか、各県別で示せるものをなるべく多くしていただくという、これは報告書には当たらないものですが、その辺も勘案いただければと思っております。以上です。
 
○藤村会長 
 ありがとうございます。大下委員、どうぞ。
 
○大下委員 
 先ほど仁平委員がおっしゃったこと、やはり法に定める3要素に基づいて決めるのだということと、先ほどおっしゃったこととの整合性をどう整理をして報告書に落とし込むのかということと思います。最低賃金は法に定める3要素で決めますということと、目安額を4なり3のランクごとに決めるときの決め方とは若干違う部分があるというか、仁平委員がおっしゃるとおりで、単純にデータを基に、わざわざ3ランクを用意しているという意味をどう考えるかということですが、3ランクの数字を示すときに、B、Cが高い数字を出したら、それは3要素から見るとおかしいではないかとなるのだろうと思うのです。それは、つまり最低賃金額というのは3要素で決められるのだということと、ランクごとの目安の決め方は必ずしもそうではないということを、どう整理をして報告をするのかという点と思います。でないと多分、単純にいろいろな要素を勘案して決めるということを報告書に載せてしまうと、変な話ですが、去年、一昨年、こちらからかなり強く申し上げた、いわゆるデータに基づく議論をきっちりやり、それで決める、というところが、「あれ、そうではないのか」という印象を持たれかねないと思います。
 おっしゃるとおりの部分はあるのだと思います。これまでは上が高くして、下が低いというのは、それはデータに基づいてやっていればそうなので、なおかつ、先ほど来の話ですが、なるべく加重平均額を引き上げるには適用労働者数を踏まえるとAを引上げることが有効ですが、今後のランク区分を考えれば、Bのほう、Cのほうを高くすることに意識が働くこともあり得るのだと思うのですけれども、そのときにどう説明をするのかということと、そういうことがあり得るというのをもし報告書に書くのであれば、それは3要素で決めるのだということと、どう整合しているのかということは、きちんと整理をして書いておく必要があるかなと思っています。
 
○藤村会長 
 分かりました。仁平さんがおっしゃったことを私なりに理解したのは、例えば、4表を見たときに、C、Dが例えば対前年で3%上がっていて、Aは2%だと、ということは、データに基づいてという議論になれば、C、Dのほうがたくさん上がってもいいよねと、こういう話ですよね。
 
○仁平委員 
 はい。
 
○大下委員 
 なるほど、そういうことなのですね。
 
○藤村会長 
 分かりました。これからも、こういう点を盛り込むべきだというお話、御意見、御提案があるかと思います。更にこういうことを意見として付け加えておく必要があるのではないかということがありましたら、本日以降、いつでも結構ですので、事務局又は私にお知らせいただければ、何らかの形で、報告案に反映されるように努力をしてまいりたいと思います。その点、よろしくお願いします。次回の開催日程につきましては、事務局で別途調整をお願いしたいと思います。
 では、これをもちまして、本日の全員協議会は終わりたいと思います。どうもありがとうございました。