第163回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和5年2月24日(金)16:00~17:36

場所

全国都市会館 大ホール会場

議題

1.「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討」中間とりまとめについて
2.マイナンバー法等の一部改正法案の概要について
報告事項
1. 全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について
2. 第8次医療計画等に関する検討会について
 

議事

議事内容
○田中課長 定刻になりましたので、ただいまより第163回「医療保険部会」を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。オンライン開催に当たっての留意事項を別途御案内しておりますので、御確認いただけたらと存じます。
 次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、内堀委員、羽田委員、原委員、本多委員、前葉委員、村上委員より御欠席の御連絡をいただいております。
 また、菊池部会長代理より途中出席されるとの連絡をいただいております。
 本日、記者の方には、別室にて会議の模様を傍聴いただいております。
 なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(冒頭カメラ撮り終了)
○田中課長 それでは、以降の議事運営は、田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず初めに、欠席される委員の代わりに出席される方についてお諮り申し上げます。
 内堀委員の代理といたしまして熊耳参考人、原委員の代理として井上参考人、本多委員の代理として酒向参考人、前葉委員の代理として鎌田参考人、村上委員の代理として小林参考人、以上の者の出席につき御承諾賜ればと存じますが、いかがでございましょう。
 よろしゅうございますか。ありがとうございました。
 それでは、早速でございますけれども、議事のほうに入ってまいります。
 本日は「『マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会』中間取りまとめ」について、それから、「マイナンバーカードと保険証の一体化について」を議題といたします。
 それでは「『マイナンバーカードと保健証の一体化に関する検討会』中間取りまとめについて」及び「マイナンバーカードと健康保険証の一体化について」を事務局のほうから説明をお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。資料1「『マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会』中間取りまとめについて」について御説明申し上げます。
 1ページでございますが、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を加速いたしまして、令和6年秋に保険証の廃止を目指すということでございまして、この検討会におきまして課題の整理、必要な対応について検討してございます。
 この検討会はデジタル庁に設置をした検討会でございまして、総務省、厚生労働省がこれに協力する形を取ってございます。
 第1回の検討会を12月6日に開催をいたしまして、その後、専門家のワーキンググループを12月中に3回開催いたしまして、論点の整理、それから、団体からのヒアリング等を行ってまいりました。こうしたところまで、前回1月16日の医療保険部会で御報告をさせていただいてございました。その後、2月に専門家のワーキンググループを2回開催いたしまして、去る2月17日、この第2回の検討会におきまして中間取りまとめをまとめた次第でございます。
 2ページは検討会、それから専門家ワーキンググループのメンバー表でございます。検討会は三大臣による検討会、専門家ワーキンググループは、その三省庁の局長級、それから、三師会、それから、保険者の代表の方にワーキンググループのメンバーとなっていただいて、ここに掲載されているような団体の方にオブザーバーとして御参画をいただいているものでございます。
 3ページでございますが、ヒアリングを行った対象団体を一覧にしてございます。マイナンバーカードの取得、あるいは保険証として御利用いただくに当たって課題がある方、例えば認知症の方を含む高齢者、あるいは障害者、ひきこもりの方、そうした方々の当事者、あるいは支援者、そうした団体を中心にヒアリングをさせていただいたところでございます。
 そうした結果も踏まえまして、4ページ以降、中間取りまとめということでまとめたものの主な事項を掲載してございます。参考資料の1に全文が掲載してございます。全文では冒頭に一体化の意義につきまして、国民、それから、医療機関・薬局、それから、保険者、それぞれの視点からのメリットを整理するとともに、これを丁寧に国民、医療関係者へ伝えていくことの重要性、こうしたことに言及した上で取組をまとめているわけでございます。ここでは、この取組の主な事項について御説明を申し上げます。
 (1)マイナンバーカードの特急発行・交付の仕組みの創設でございます。マイナンバーカードにつきまして、特急発行・交付の仕組みといたしまして、申請から1週間以内、最短5日で交付できる新たな仕組みを創設するということでございます。これは新生児ですとか、紛失等による再交付、海外からの転入者、大体年間で約150万枚相当になりますが、これを含め合計年間で約360万枚、1日当たりで1万枚程度、こうしたものに対応できる体制を2024年秋までに構築するということでございます。
 (2)マイナンバーカードの代理交付・申請補助等についてでございます。マイナンバーカードの交付に当たっては役所に出向いていただくことが必要になりますが、そうしたことが困難であるとして、代理交付の活用ができるケースというのが、これまでも総務省のほうから示されてございますが、こうしたことにつきまして従来より幅広く拡充、明確化するということでございます。その際、役所に出向くことが困難であることを示す疎明資料と呼ばれているものでございますが、入手が容易、費用がかからないもので対応できるように緩和をするとともに、例えばここに書いてございます成年被後見人、中学生以下の方、75歳以上の御高齢の方、そうした方につきましては実質不要とすることによりまして、より柔軟に代理交付の仕組みを活用することができるよう、本年度中を目途に、自治体向けの事務処理要領を改定することとしてございます。
 また、来年度、こうした高齢者ですとか障害者ですとか、そうした方々が入所されているような施設の職員、あるいは支援団体等に申請・代理交付等の支援の協力を要請するとしてございます。その際、もちろん本来業務がございますので、そうしたものに配慮したマニュアルを作成、普及するとともに、申請の取りまとめ、あるいは代理での受け取り、こうしたことを行っていただいた場合の助成も行うこととしてございます。
 一方、暗証番号の取扱いでございます。知的障害者など、暗証番号の設定に困難を抱える申請者の方がいらっしゃいます。そうした方々の暗証番号の取扱いにつきまして、引き続き検討することとしてございます。医療現場のことを考えますれば、現在、オンライン資格確認の導入のため、顔認証付きカードリーダーを医療機関・薬局に置いていただいてございます。そうした場合であれば、顔認証による使用が可能である。そうしたことも前提としつつ、また、暗証番号は、どうしても代理人の方にその管理という意味で負荷がかかってしまうということもございます。そうした観点も踏まえながら、引き続き検討することとしてございます。
 また、マイナンバーカードに掲載する写真でございますが、その撮影ルールにつきまして、正面を向いて帽子をかぶらない等々、一定のルールがございますが、これは障害等の事情に応じまして柔軟に対応することが今でも可能になってございます。ただ、そうしたことがきちんと徹底されていないのではないか、そうしたお声もありましたので、こうしたことを本年度中に改めて周知することとしてございます。
 5ページでございます。(3)市町村によるマイナンバーカードの申請受付・交付体制強化の対応ということでございます。現在、市町村におきまして、こうした形でマイナンバーカードを出張申請受付する取組を行っていただいてございます。介護福祉施設等の高齢者が利用しやすい場所、それから、保険証を活用する現場である医療機関等、こうした場への出張申請は本年度から、推進をしてまいります。また、来年度におきましては、施設等にこの出張申請受入の協力を要請いたしまして、総務省において希望する施設等の情報を取りまとめて市町村に提供することによって、こうした取組を推進してまいりたいということでございます。
 そのほか、市町村が指定した郵便局におきまして、市町村と郵便局とをオンラインでつなぐことによりまして、マイナンバーカードの交付申請、それから、市町村による本人確認、こうしたことが郵便局で一体的に行うことができるようにし、発行されたカードを郵送で住民に届けられる。こうした仕組みについても法改正等の必要な手続を経た上で進めてまいりたいと考えてございます。
 6ページにお進みいただきまして(4)でございます。医療機関の受診に当たっては、今後はマイナンバーカードによるオンライン資格確認を基本とすることとしてございますが、そうしたオンライン資格確認を受けることができない場合の取扱いでございます。ここに具体例と書いてございますが、マイナンバーカードを紛失した、更新中である、あるいは介護が必要な高齢者、こどもなどマイナンバーカードを取得しておられない方、ベビーシッターなどの第三者が本人に同行して本人の資格確認を補助する必要がある場合、こうした形でマイナンバーカードによるオンライン資格確認を受けることができない状況にある方につきましては、氏名、生年月日、被保険者等記号・番号、保険者情報等が記載された資格確認書を提供するとしてございます。
 3つ目のポツでございますが、この資格確認書は本人の申請に基づき書面または電磁的方法により保険者から提供するとしてございます。
 4つ目のポツでございますが、この資格確認書の有効期間は1年を限度として各保険者が設定する。また、様式は国が定めることとしてございます。
 ※のところでございますが、この資格確認書の発行は、現行の保険証と同様無償ということでございます。また、資格確認書とマイナンバーカードによるオンライン資格確認の違いということでございますが、オンライン資格確認の場合には、これまでの診療記録など、データに基づくよりよい医療を受けることが可能になる、また、診療報酬による患者負担にも差があるということでございまして、私どもとして、このマイナンバーカードを保険証として利用することの意義・メリットを引き続き分かりやすく伝えてまいりたいと考えてございます。
 2つ目のポツで、発行済みの保険証の取扱いでございますが、これにつきましては1年間有効とみなす経過措置を設けることとしてございます。
 それから(5)でございます。保険者の資格情報入力のタイムラグ等への対応でございます。オンライン資格確認等システムにおきましては、何よりもこの保険者の迅速かつ正確なデータ登録の確保が重要であると考えてございます。この関係で参考資料2を御覧いただきたいと存じます。参考資料2は、2月17日にこの検討会において中間取りまとめを公表させていただいた際に参考資料として既に公表してある資料、それについて一部、最新の数値に時点更新する等の取扱いをしたものでございます。
 参考資料の2の16ページでございます。右側に対応と書いてございますが(1)の1つ目のポツでございます。現在の資格取得の届出の様式には個人番号の記載欄がございますが、個人番号の記載がない届出がなされた場合、保険者がJ-LIS照会、住民基本台帳情報照会を行っていただいた上で、被保険者の資格データを登録していただいてございます。その際、特定できない場合ですとか、誤りが生じる場合があることから、中間取りまとめにおいては、資格取得の届出における被保険者の個人番号等の記載義務を法令上、明確化することとしております。これについては省令改正を行って対応してまいります。
 それから、対応の(1)の2つ目のポツであります。現行では保険者にあるデータ登録の期間の定めはございませんが、データ登録のタイムラグ等の問題に対応するため、中間取りまとめにおいては、保険者は事業主による届出から5日以内にデータ登録を行うこととしております。既に事業主から保険証への届出は5日以内とされてございますので、合計10日以内にデータの登録がなされるということになります。これについても省令改正を行って対応してまいります。その際、事業主が加入前から被保険者に係る情報を収集するよう促すなどして、届出が5日以内に徹底されるよう、保険者や事業主の皆様と実務上の課題について丁寧に整理をしていく必要がありますので、そうした整理を行って対応してまいりたいと考えてございます。
 対応の(2)に移る前に、17ページを御覧いただきたいと思います。令和3年12月23日の医療保険部会において、保険者から異なる個人番号が登録された事例のうち、薬剤情報等が閲覧されたものについて、オンライン資格確認の本格運用が開始された令和3年10月から11月末までの状況を報告させていただきました。その際、この医療保険部会におきまして、今後こうした事案については、保険者から様式に沿って報告をしていただき、厚生労働省においてこれを取りまとめ、定期的に事案の件数を公表していくようにしていたわけでございます。ここに令和3年12月から令和4年11月末までの件数を掲載してございますが、令和6年秋の保険証廃止に向けて、こうした誤登録を防止できるよう、チェックをさらに強化していくことが重要と考えてございます。
 16ページにお戻りをいただきまして対応の(2)でございます。現在、保険者が変わるなどしてデータを新規登録する際には、全件既存の資格情報等に突合して、生年月日、またはカナ氏名のいずれかの不一致を検知した場合に、保険者に通知をして確認する仕組みを実施しております。先ほども申し上げたとおり、今後は資格取得の届出において、被保険者の個人番号等の記載義務を法令上明確化することとしております。これを踏まえ、中間取りまとめにおいては、新規登録時にJ-LIS照会を全件実施することとし、カナ氏名、生年月日、性別の突合を行うこととしてございます。
 なお17ページの一番下の(3)のところでございます。登録データの補正等を要する事例の把握に向けて、今後、保険者から被保険者等にマイナンバーカードと保険証の一体化の御案内をしていただく際に、確認が必要な方に、既にオンライン資格確認等システムに登録されているデータを送付し、御本人に御確認いただくような取組についても検討していきたいと考えてございます。
 今申し上げたことについて具体的な枠組み、あるいはその実施時期については、これは保険者、事業主の皆様、それから、オンライン資格確認の実施機関である支払基金等と実務上の課題について丁寧に整理をしながら対応していきたいと考えてございます。
 資料1にお戻りをいただきまして、最後の7ページです。(6)第三者によるマイナンバーカードの取扱いでございます。医療機関等の受診時にマイナンバーカードを第三者に預ける、あるいは施設入所者のマイナンバーカードを管理する、そうしたことにつきましては、取扱いの留意点等を整理した上で周知し、安心して管理することができる環境づくりを推進することとしてございます。
 それから(7)乳幼児のマイナンバーカードについてでございます。出生後、速やかにカードを交付することができるよう、出生届の提出に併せて申請を行うことができるようにし、特急発行の対象とすることとしております。また、1歳未満でカードを申請する場合については、顔写真がないカードを交付することとしておりまして、実際、ここで交付されたカードの有効期間は5年間ということになりますので、有効期間は5歳の誕生日までということになります。そうした後に顔写真入りのカードを実際にお持ちいただくことになるわけでございます。
 以上が中間取りまとめの主な事項でございまして、中間取りまとめで具体化に至らなかった事項、これにつきましては最終取りまとめに反映できるよう、引き続きこの検討会において検討を進めてまいります。
 私からの説明以上でございます。
○高木課長 国保課長です。続きまして資料2について御説明します。
 今、御説明しました中間まとめを踏まえまして、法改正が必要となるものについて御説明させていただくものでございます。ですので、調整中としていますけれども、今後必要となるものについて御説明させていただくものでございます。
 1つ目は資格確認書の仕組みの整備でございます。医療保険各法としております。中身については先ほどの中間まとめの説明と重なる部分については省略させていただきますが、健康保険証の廃止に伴い、マイナンバーカードによりオンライン資格確認を受けることができない状況にある方に対して、必要な保険診療が受けられるよう、その方からの求めに応じて保険者が医療機関等を受診するための資格確認書を書面、または電磁的方法により提供するというものでございます。
 ※3のところは、申請により提供するものでございますけれども、申請が難しい方など、保険者が必要と認めるときには、本人からの申請によらずに資格確認書を交付することもできることとするとしています。ここの部分は中間まとめに加えた部分でございます。発行済みの健康保険証は健康保険証廃止後1年間、先に有効期間が到来する場合は有効期間まで有効とみなす経過措置を設けます。
 2点目、特別療養費の支給の通知の仕組みの整備ということで、これは国民健康保険法等と、等としているのは高齢者医療確保法がございます。健康保険証の廃止に伴い、短期被保険者証の仕組みを廃止するということでございます。もう一つ、長期にわたる保険料滞納者に対する保険料納付の取組として、被保険者資格証明書で交付を今やっておりますけれども、この交付に代えまして、特別療養費の支給に変更する旨の事前通知を行うこととします。
 ※4がございますけれども、現在のオンライン資格確認の仕組みでも医療機関・薬局では特別療養費の対象かどうかを確認できる仕組みになっております。保険証の廃止後は、その対象者の方に通知をするとともに、マイナンバーカード、または資格確認書で受けていただく場合には特別療養費の対象である旨をそのように記載して、提示して受診をいただくというものでございます。見直し時期につきましては、令和6年秋を予定しております。
 2枚目の発行済みの健康保険証の取扱い、これは廃止後1年間は有効とみなすという経過措置を設けることになっていますけれども、そこを見やすくしたものでございます。廃止日は令和6年秋として、そこから1年目の前日までは有効であるということでございます。国保、後期高齢者は、1年ないし2年、国保は2年の有効期間、後期も2年の有効期間がございますが、多くは1年でございます。令和6年8月発行の場合は、1年の場合は令和7年7月末ですけれども、それを延長しまして令和7年秋までとする場合もございます。また、令和6年6月発行の例としていますけれども、例えば有効期間が2年の場合は令和7年秋までは有効。被用者保険の場合は現在有効期間の設定がございませんので、令和7年秋までは有効というものでございます。短期被保険者証と被保険者資格証明書についても同様の取扱いといたします。
 3枚目と4枚目につきましては現行の仕組みでございますので省略させていただきます。4ページ目は、オンライン資格確認でも現在、短期被保険者証、資格証明書については保険者から登録をしますので、医療機関・薬局でもその方については資格確認の際に、それが分かるような仕組みになっているというものでございます。
 資料2につきましては以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。
 藤井委員、よろしくお願いいたします。
○藤井委員 言うまでもなく、医療保険制度は、国民生活になくてはならない社会インフラでありまして、その持続性を確保するためには医療DXを推進し、質と効率性の両方の向上を図る必要がございます。その意味から、マイナンバーカードの健康保険証利用は、医療DXの実効性を上げる情報共有、また、活用基盤として不可欠でございます。
 ポイント付与の施策もあって、マイナンバーカードの申請数がかなり増えてきたということは喜ばしいことでございますが、それでもなお進まない残り3割の取込みこれは官民を挙げて取り組まなければならないという意を強くしたところでございます。
 一方で、申請に対する交付の遅れを課題と考えます。カードの取得を促進していただいた一方で、申請してもなかなか交付されないということもございますので、これは厚労省に申し上げることではないと思いますが、こういうことが、ひいては政府のDXは大丈夫かという印象につながってしまうということをよく聞くものですから、ぜひ御考慮いただければと思います。
 また、参考資料2の8ページに記載のある、医療機関等によるオンライン資格確認の導入状況につきましても、申し込みと運用開始の間の乖離が依然として大きいことが大変気になります。マイナンバーカードの取得と健康保険証との一体化、そして、オンライン資格確認システムの現場実装、これらが両輪で加速するよう、取組の強化をお願いしたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、林委員、お願いいたします。
○林委員 日本歯科医師会の林でございます。マイナンバーカードと保険証の一体化に関する検討会の中間取りまとめの報告をありがとうございます。
 資料1の4ページから記載のように、マイナンバーカードの特急発行・交付、そして、代理交付・申請補助などをはじめ、乳幼児のマイナンバーカードに関する項目まで問題点を整理していただき、全ての国民を対象にマイナンバーカードの普及に尽力していただいているものと理解いたしました。
 歯科医療機関におきましても、様々な障害をお持ちの患者さんが来られ、医療情報の取扱いは今まで以上に慎重な対応が求められていると感じております。今後の運用面におきまして、暗証番号の設定などに困難を抱える患者さんに対する暗証番号の取扱いや医療現場での医療情報等の同意の取り方など、課題が多いことも浮き彫りになってきております。それを検討していくとのことではございますが、不安要素が多く、前広に速やかに情報共有をよろしくお願いしたく思っております。
 続きまして、資料2の1ページですが、健康保険証の廃止に伴い、マイナンバーカードによりオンライン資格確認を受けることができない状況にある者が必要な保険診療等を受けられるよう、当該者からの求めに応じ、保険者等は資格確認書を提供するということになっており、※1で示されたケースと理解はしておりますが、マイナンバーカードを取得していても保険証として利用したくない方々への対応を含めて、今後どのようにお考えなのか教えていただきたく思っております。
 要望と質問でございます。以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 1点、御質問がございましたので、回答のほうをお願いいたします。
○高木課長 資料2の※1のところ、マイナンバーカードによりオンライン資格確認を受けることができない状況にある方について、マイナンバーカードを持っていながら保険証として使いたくない、利用登録をしていない方についても、資格確認書の発行、これを受けられない方の求めに応じて提供するというものでございますので、そうした方もこの資格確認書の対象になると想定しております。
○田辺部会長 林委員、よろしゅうございますか。
○林委員 分かりました。
○田辺部会長 それでは、秋山委員、よろしくお願いいたします。
○秋山委員 日本看護協会の秋山でございます。マイナンバーカードと健康保険証の一体化について3点意見と、それから、1点質問を述べさせていただきます。
 まず、意見の1点目ですが、資料2の2ページ、健康保険証廃止に関するスケジュールについてです。「調整中」と記載されていますが、このスケジュールどおりですと、令和6年の秋に健康保険証が廃止され、その1年後には多くの保険証の有効期限が一斉に切れることになります。マイナンバーカードを持っていない方や、持っていてもまだ健康保険証としての利用申し込みが済んでいない方が多いと、医療機関等の窓口での混乱が起きる懸念があります。マイナンバーカードの普及状況や医療機関等の対応状況を引き続き注視しつつ、現場に混乱のないよう、慎重に進めていただきたいと思います。
 特に訪問看護ステーションでは、令和6年5月からオンライン請求がようやくスタートする中で、令和6年の秋に保険証が廃止されるとなると、それまでに全てのステーションでオンラインの資格確認ができるようになっていなければならないという、その点で非常に準備期間が短くなっています。訪問看護ステーションへの周知と体制整備について、ぜひ一層の支援をお願いしたいと思います。
 続いて、意見の2つ目は、資料1の4ページの(2)マイナンバーカードの代理交付・申請補助等についてです。2つ目のポツに、「来年度、施設職員や支援団体等に申請・代理交付等の支援の協力を要請する」とありますが、昨年12月22日開催の第2回マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会 専門家ワーキンググループにおけるヒアリング結果を見ますと、施設の方々は異口同音に申請補助や代理交付、あるいは暗証番号を含めたマイナンバーカードの管理が困難だとおっしゃっており、また、申請の意思の確認が困難な場合があると指摘されています。
 確かに暗証番号を第三者である施設長に知られるというのは通常の感覚では不安な行為ですし、マイナンバーカードと暗証番号によって自身のマイナポータルにアクセスされるのではないか等の不安から、本人や家族の同意が得られない場合も当然あると思われます。本人や家族の意思確認に困難が伴う場合や同意が得られない場合は、資格確認書を用いる方法もあることをお伝えするなど、現場に混乱のないよう、配慮して進めていただきたいと思います。
 意見の3つ目ですが、同じく資料1の4ページの(1)マイナンバーカードの特許発行・交付の仕組みの創設等についてです。マイナンバーカードを紛失した方の中には悪用等への懸念から、マイナンバー自体を変えたいという方も一定割合生じると思われますので、マイナンバーを変更する場合にも、ある程度迅速な再発行ができるように検討いただきたいと思います。
 最後に、マイナンバーカードの代理交付に関連して1点質問です。マイナンバーカードの健康保険証利用への支援としては、マイナンバーカードの申請や代理交付を支援するだけでなく、交付されたマイナンバーカードを健康保険証として利用するための申し込みに対しても支援が必要と思われますが、それを誰がどのように支援するのかということについては記述が見当たらないように思われます。その点について、今後どのように検討を進められるのか教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 それでは、御質問のほうをよろしくお願いします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。マイナンバーカードを健康保険証として利用できるよう登録していただくことにつきましては、マイナポイント第2弾を昨年6月30日に本格開始いたしまして、以降、約5倍に増加をしております。参考資料にもおつけしておりますが、直近の2月19日現在で約4900万件の御登録をいただいておりまして、マイナンバーカード交付枚数に対する割合としては62%の方に御登録をいただいている状況でございます。
 利用登録の方法でございますが、医療機関・薬局の窓口の顔認証付きカードリーダーを使って初回登録を申し込んでいただくこともできるようになってございまして、マイナンバーカードで初めて医療機関等を受診される方でも簡単に手続をしていただくことが可能になっているということでございます。
 そのほか、事前にマイナポータルアプリを用いて御自身のスマートフォン等を使って申し込んでいただく、あるいは各市町村に設置している住民向けの端末等からお申し込みいただく、あるいはセブン銀行のATMからお申し込みいただく、様々な方法で対応してございます。今、御指摘をいただいたとおり、マイナンバーカードの取得、あるいは保険証として利活用する、そうしたことについて課題がある方々が保険証の利用登録という場面でもどういった支援が可能であるか、こうしたことについては、最終取りまとめに向けて引き続き検討してまいりたいと考えてございます。
○田辺部会長 秋山委員、よろしゅうございますか。
○秋山委員 分かりました。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 それでは、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 まず、今般の中間取りまとめに当たって、専門家ワーキングの検討において、私どもの意見も相当部分取り入れていただいたと考えております。ただ、来年秋の保険証廃止に向けては、実務上の課題を含めて検討すべき事項は、まだまだ多いと考えております。マイナンバーカードの保険証を利用することによって、国民、患者が医療の質の向上効果を感じる等のメリットを享受できるように、課題及びスケジュールを整理して計画的に進めることが必要であると思っております。
 それでは、何点かコメントをしたいと思います。
 まず、全体的な話ですけれども、保険証一体化の取組を円滑に進めるためには、次の3つの流れ、具体的に言いますと、1つ目は国民がマイナンバーカードを取得すること。2つ目として事業主が加入者のマイナンバーを迅速かつ正確に届け出をすること。3つ目として保険者が迅速かつ正確に資格登録を行うこと。この3つの流れをきちんと組み立てることがポイントであると思います。
 また、現在政府が進めているオンライン資格確認等システムは、今回の資料でも導入状況が掲載されておりますけれども、医療機関・薬局がしっかりと導入を進める。ことはインフラ基盤として重要であって、そういう意味で、健保組合の取組だけでなく、加入者及び事業主に対して、あらゆるルートを通じて周知・広報をしっかり行うとともに、関係当事者が連携しながら周到な準備を行うことが重要であると考えております。
 我々健保組合としても、この中間取りまとめにある保険者によるデータ登録を5日以内とすることについて、当然対応していく必要があると考えておりますけれども、事業主においても5日以内に届け出るように対応していくことが必要であると思っております。その際、我々の聞いている情報においても、個人情報保護法における取組を踏まえて外部委託を行っている事業主も相当数あると聞いておりますので、そうした状況にも配慮した形での対応を検討いただきたいと思っております。
 また、この保険証一体化の取組については、事業主及び保険者の実務運用に与える影響は大変大きいと思っております。今後、実施することになる新規登録時のJ-LIS照会の全件実施であるとか、既登録データの本人確認につきましては、もちろんその必要性は理解しますし、資格確認書の交付についても円滑に実施をしていく必要があると考えております。けれども、一方で、事務負担や費用負担が大きい点についても御配慮いただきたいと思います。
 繰り返しになりますが、先ほど来、多くの委員の方がおっしゃっておりますけれども、この保険証一体化の取組は、いかに実務を回すかということが極めて重要であって、実務がしっかりと回るように、今後の検討に当たっては定期的に保険者と検討する場を設けていただいて、実務上の課題をきちんと把握した上で、来年の秋に向けて計画的に進めていただきたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、小林参考人、お願いいたします。
○小林参考人 マイナンバーカードと健康保険証の一体化に当たりましては、利用情報や健診情報に基づく診断や治療が安心・安全で質の高い医療につながっていくと資料にも書かれてありますし、それらを含めたマイナンバー保険証の利用によるメリットを今一度、国民、患者に丁寧に周知することが引き続き必要と思いますので、いまだに根強く残るマイナンバーカード自体の不安や誤解を払拭して、安全性の周知と個人情報の管理体制の強化をお願いしたいと思います。
 また、今回の中間取りまとめの内容は、専門家のワーキングやヒアリング内容を踏まえたものということで、マイナンバーカードを取得していない人が医療を受ける際の対応として規定を整備するということは必要なことと考えます。同時に、個人情報保護の観点をルーズにしてはなりませんので、従来の保険証の廃止により患者や国民、医療機関等が不便や過度の負担を感じることのないようにすること、また、厳格に運用すべきところは厳格にして国民の不安感を払拭していくこと、その両方を両立した対応となるよう、来年秋までのスケジュール感を示しながら、関係者と御連携の上、丁寧に進めていただくよう要望いたします。
 また、検討会では登録データの補正等の状況が資料として紹介されています。こうしたことについては、再発防止に向けた取組を、ぜひ今後も徹底いただくようお願いいたします。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 2024年秋のマイナンバーカードと健康保険証の一体化に当たりましては、保険料を納めていただいている加入者の方々の手元にマイナンバーカード、または資格確認書が迅速に届き、支障なく医療機関等の受診を行える仕組みの構築が重要であると考えております。こうした体制整備を遺漏なく行っていただくことで、マイナンバー制度に対する国民の忌避感や抵抗感も低減し、2024年秋に円滑に制度を導入することが可能になると考えております。今後、6月に予定されている取りまとめに向けて、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会及びその下に設置された専門家ワーキンググループにおいて、具体的な実務上の課題の検討が進められていくと認識しております。引き続き現場の意見にしっかりと耳を傾けていただき、制度の詳細の検討を進めていただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 私はかなり初歩的な質問をさせていただきます。
 一つは、被保険者番号というのは継続して使われるわけですか。マイナンバーで全部コントロールするのではないのかということです。
 もう一つは、いろいろなところでマイナンバーカードの健康保険証への切り換えができるということですが、なぜセブン銀行だけなのかということはとても疑問なのです。セブンイレブンがない地域もかなりあるわけで、だったら、もっといろいろな民間機関でも取れる、例えばコンビニとかいろいろな金融機関でも取れるようにできないのかなということを考えております。
 3番目は意見です。私はセキュリティーの問題を前から何度も言っているのですが、いまいちそこら辺のところに不安感があるのです。私の知り合いなどもマイナンバーカードを持ち歩くのは危ないと言っています。大丈夫だとおっしゃるのですけれども、暗証番号がなければ使えないと言われますけれども、カードには住所と生年月日が書いてあるのです。もし、落としたりなくしたり取られたりした場合に、多くの人は自分の住所か生年月日で暗証番号をつくっているのです。悪い人がそれを見て、今、頭のいい人がたくさんいますから、そうすると、住所とか生年月日から暗証番号を類推することはできるわけです。だから、そういう恐れが十分にあるということです。
 もう一つは、マイナンバーカードは期限つきですよね。これは一定期間をすぎると更新しなければならないのですが、その辺りのことをどう考えていらっしゃるのか。期限が来た際の更新で、また大混乱が起こるのではないかと危惧しております。厚労省として、更新の際の問題とかをどう考えていらっしゃるのか、その辺りをお聞きしたいと思います。
○田辺部会長 何点か御質問がございました。回答をよろしくお願いいたします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。御質問どうもありがとうございます。
 まず1点目、被保険者番号でございますが、今回のオンライン資格確認の仕組みは、マイナンバーそのものを活用している仕組みではございません。被保険者番号等で個人単位で管理されている資格情報、あるいはそれに紐付けられている過去の診療、お薬の情報、こうしたものをマイナンバーカードを利用した本人資格確認の中で紐付けて使うということでございますので、引き続き被保険者番号、そうしたものは必要になってくるということでございます。
 2点目、なぜセブン銀行だけなのかということでございます。これはマイナンバーカードと連携できるような形で機器を対応していただいたところで、こうした保険証の利用登録を行っていただけるということで、そうした対応をしていただけたところがセブン銀行のATMであったということでございます。私どもとして、もちろんそうしたものが増えていくということは望ましいことでございますので引き続き働きかけをしてまいりますが、現時点において保険証利用登録ができるようにATMの仕様をそれに対応できる形にしていただけているところは、セブン銀行ということであります。
 一方で、もちろん前もって保険証利用登録をしていただくのが大変望ましいわけでございますが、こうした初回登録をしていない形で、マイナンバーカードを医療機関・薬局にお持ちいただいた場合であっても、顔認証付きカードリーダーを使って簡単に手続をしていくことも可能になってございますので、そうしたことも含めて引き続き周知をしてまいりたいと考えてございます。
 最後に御質問いただきました更新についてでございます。現在、マイナンバーカードの発行・更新等の手続について1~2か月かかるというようなことも聞いてございます。今回、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会のまとめの中では、特急発行・交付の仕組みとして申請から1週間以内、最短5日で交付できる仕組みを創設すると承知をしてございます。これに対応できるキャパシティーも年間360万枚、そうした体制を目指して構築するということでございます。
 更新の場合には、あらかじめ時期が想定できるものでございますので、これは総務省を中心といたしまして、更新について前もって対応できるような体制を整えつつ、一方で、ここにございます新生児、紛失による再交付、あるいは海外からの転入の場合、いわば前もって準備ができずに急いで交付をしなければならない場合、そうしたものについて特急発行・交付の仕組みを創設し、こうしたものの組み合わせをしながら、マイナンバーカードについて混乱が生じないように対応してまいりたいと考えてございます。
○田辺部会長 袖井委員、よろしゅうございますか。
○袖井委員 ありがとうございます。
○田辺部会長 では、渡邊委員、よろしくお願いいたします。
○渡邊委員 薬剤師会の渡邊です。マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会においては、中間取りまとめをありがとうございます。特に異論はございません。ただ、細かな内容については今後の継続検討になるかと思いますけれども、中間取りまとめに記載されているような心身の状態であったり、環境に配慮して全国民に行き渡るような発行体制の丁寧な構築をお願いしたいと思います。
 実際の現場での運用に際しては、薬局特有の事情という部分もありますので、そのような点への対応もお願いしておきたいと思います。
 また、マイナンバーカードを持参いただくことで情報が共有でき、それにより質の高い医療の提供が実現できるものでございますので、診療や調剤を受ける際にはマイナンバーカードを持参するという体制についての国民、患者への周知も丁寧に対応をお願いしておきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、井深委員、よろしくお願いいたします。
○井深委員 検討会の中間取りまとめの御報告をありがとうございました。私からは2点コメントさせていただきたいと思います。
 1点目ですが、資料1の4ページ目にも出てきますけれども、より一般的に医療機関におけるマイナンバーカードの利用に関して、暗証番号の取扱いが非常に重要であると思います。マイナンバーカードの暗証番号はカードの様々な機能にひもづいていて、機微な情報であると理解しています。したがって、暗証番号が使用されるべき局面というのは一定程度制限されてしかるべきではないかと考えます。安全性の高い運用という観点から、医療機関では暗証番号を必要としない形でマイナンバーカードを利用できる方向となるように具体化を検討していただくことも考えられるのではないかと思います。
 2点目は資料1の6ページ目の資格確認書に関してです。このような対策の必要性や重要性はもちろん十分に理解しています。その上で、今後は基本マイナンバーカードで進めていくわけですので、資格確認書の発行や運用に関しては事務負担やコストをなるべく軽減できるような体制をつくって進められていくことを望みます。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 幾つか御意見を申し上げたいと思います。
 まず、普及のことです。マイナンバーカードの普及はほかの委員もおっしゃいましたけども、残り30%をいかに達成するかが重要だと思っています。カード交付申請について、現在、自治体の窓口でどんなことが起こっているかといいますと、ポイントの獲得については、まず、カードの申請が必要で、その申請期限今月末までということになってきたことと、今、毎日のように申請のために朝から並んでおられまして、多分、ほとんどの自治体がそんな状況ではないかと思います。それによる効果でまた普及促進のアクセルを踏まれて伸びていくと思います。できるだけ100%に近づけるという政府目標もありますけれども、もともと番号制度、マイナンバーによる行政のトランスフォーメーションを考えていくのは必要なことですので、関係機関で努力をお互いにしていきたいと思っているところですので、政府からの呼びかけをお願いしたいと思います。
 2点目は、ほかの委員もおっしゃったのですけれども、資料の最初のまとめの中の案の1項目で出ているように、ひと月に1万枚、年間360万枚の発行の体制を取るということなのですが、そこを起点に考えてみると、これから4年後か5年後に集中的に更新発行の数が増えてくるときが発生してきますので、そのときにトラブルにならないように、前もってこの辺の準備をしていくことも必要です。発行枚数の増ができればありがたいですけれども、世帯的なカードの発行可能数にはある程度の限界があるとも一部聞いていますので、4~5年後のことを射程に入れながら、今後どうするかということは、ぜひ準備をお願いしたいなと思っています。
 あと、健康保険証に関することですけれども、一体的に活用するのはすばらしいことだと思っていますし、かねて申し上げていますように、マイナンバー制度が入って日本の行政が大きく変わっていく、進化していく、発展していくために必要なことなのですけれども、やはりほかのサービスも必要性が出てくると思います。そうでないと、ポイントがもらえるからつくるのだではなくて、よりよい行政サービスをプッシュ型で受けることができるようになるためにこれが必要なのだと、そういった認識をするためにも、今すぐどうこうではありませんけれども、デジタル庁が要となるとか、厚生労働省や総務省とかともタッグを組んでしていただくのか、いろいろな方法あると思いますが、ぜひよりよいサービスを多角的にできるように、政府としての取組を期待したいと改めて思っているところです。
 その上で課題なのは、災害時、例えば電力がダウンしたとき、こういったチェックは電気が来ないとできなくなる瞬間が出てくると思うのです。例えば過去の災害の後の停電の時間帯を見ていると、結構長い時間止まったりしています。こういったところをどうするか、今回は中間まとめなので、最終まとめに入れるかどうかは、そちらで検討いただいていいのですけれども、そういったことも危機管理上、把握しておく必要があるなと思いました。
 最後に1点、これは提案ですけれども、デンマークの取組を若宮さん、80代でプログラミングで活躍されている女性の方が発信をされたのを拝見しました。それによりますと、デンマークは大変この分野でも先進的に取り組んでいる国です。トップランナーと言えます。その国ではどんなことをされているかというと、実は情報リテラシー、デジタルリテラシーの向上がとても重要なのです。これは単純に健康保険証の確認どうこうだけではなくて、こういった情報インフラを使ってよりよい暮らし、ウェルビーイング、そして、政府のガバナンスを高めていく意味で、情報リテラシーを国民が高めていくのは絶対必要だと思うのです。
 デンマークはどうされているかというのを拝見しましたら、いわゆる高齢者の団体、日本でいいますと、老人クラブとかいろいろなものがありますけれども、主要団体が2つか3つあるようです。その主な活動の中に情報リテラシーを高める研修とか、学びとか、啓発するとか、そういったことをされているようです。ぜひ日本もそういった民間の取組とも連携をしながら、自治体や政府とコラボして情報リテラシーを高めていくことを推進していかなくてはいけないと思います。
 一つは利便性を正確に伝授できるということ、もう一つは啓発・教育の中で、情報セキュリティーについても学びますので、いろいろなトラブルに巻き込まれない予防もできると思うのです。そういったことをぜひ厚生労働省において、所管する部局は違いますけれども、高齢者団体に関わるところから、そういったことを提案されたり、一緒にやろうかとか、あるいはベンダーさんやいろいろな専門家がおられる団体やグループがありますけれども、そういったところリンクをしながら国民のリテラシーを高めていくことを、4~5年ぐらいのスパンを目標にやっていかないと、本当のデジタルガバナンスが有効に発揮できないと思っています。そういったことも、ぜひ今回のスタートを機会に厚生労働省は、特に高齢者団体に関してのアクセスが一番多い官庁でいらっしゃいますので、そういったこともぜひ考えていただく必要があると思っています。
 学校のほうはGIGAスクールを発端としてリテラシー力は一気に高まっている途中だと思います。大学生や短大生も大いにパソコンやデバイスを使っているわけです。そうすると、今後重要なのは生涯学習の中でもそういったことを意識した取組をしていくことが、とても必要になると思います。こういったことは将来必要なこと、近々に必要なこととして御認識をいただいて、ぜひ取り組んでいただくと、本当にマイナンバーカード、そして、デジタルガバナンスを高めていくことによって、一人一人のウェルビーイングを高めながら、利便性も高くてプッシュ型のサービスを積極的に享受できる、そんな社会を目指していただきたいので、ぜひそういったことも検討いただきたいと思います。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、鎌田参考人、よろしくお願いいたします。
○鎌田参考人 全国市長会の前葉に代わりまして出席させていただいております。よろしくお願いいたします。マイナンバーカードによりオンライン資格確認を受けることができない場合の取扱いについて、意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会、こちらの中間取りまとめでは、特に健康保険証の廃止後の資格確認の取扱いといたしまして、マイナンバーカードによりオンライン資格確認を受けることができない状況にある方については、資格確認書により被保険者資格を確認するといたしまして、資格確認書の発行についても現行の保険証と同様に無償とするとしていただいております。
 資格確認書の発行は有償とすべきではないかということでありましたが、そもそも被保険者が自身の資格を証明、あるいは確認をすることに費用を負担いたしまして書類の発行申請を行う、そういったこと自体について筋論といたしまして合点がいかないということで、前葉のほうからも意見を申し上げており、また、窓口を預かる現場におきましても混乱を招く恐れがあることから、強い反対意見がございました。
 併せまして、国民等からもマイナンバーカードを取得しないことに対するペナルティーと受け取られかねないということを大変危惧をいたしていたところでございます。
 このような状況の中で無償となったことにつきましては、国民健康保険の運用に関わる保険者といたしまして、現場窓口の円滑な事務対応に向けて整理をしていただいたと受け止めさせていただいているところでございます。しかしながら、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に当たりましては、このほかにも実務的に様々な課題がございます。引き続き市町村から意見を聞いていただきまして、その意見を反映していただきますよう、よろしくお願いをしたいと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、菅原委員、よろしくお願いいたします。
○菅原委員 私からは1点です。資料1ですけれども、特にスライドの3枚目、様々な団体から今回ヒアリングを行っているのですが、例えば日本国内に住民票がある方は基本的に外国籍、外国人の方であってもマイナンバー申請は可能であると認識をしております。今回のヒアリングの中には、特に国内在留外国人の方々を支援しているような団体というのは明示的には入っていないように思います。
 資料1のスライドの4枚目、海外からの転入者の辺りは代理交付、あるいは特急の申請が可能だとか、様々な政策があるようですけれども、国内にいらっしゃって、こういった行政手続に困難を来している在留外国人の方、これからまた、コロナが終わって増えてくるようにも思いますけれども、代理交付だとか申請補助については、こういった方々に対する支援も必要だと思われるわけです。もし、何かこの辺の議論がされているのであれば、その状況について御説明をいただければと思います。よろしくお願いします。
○田辺部会長 1点、御質問がございましたので、よろしくお願いいたします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。今、菅原委員から御指摘をいただきました海外からのいわゆる在留外国人の方等々、これは一般の行政手続におきましても様々な困難を抱えておられるかもしれません。今回のマイナンバーカードの取得、あるいは保険証としての利用に当たっても同じような問題が考えられると思います。現時点、ヒアリングをさせていただいた団体の中には、そうしたところはございませんが、引き続き最終取りまとめに向けて必要な検討を行ってまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○田辺部会長 ほかはいかがでございましょうか。
 では、池端委員、よろしくお願いいたします。
○池端委員 今日は会場で参加させていただきます。まず、中間取りまとめに関しては、全体としては特に異論ありません。ありがとうございました。
 その中で1点、各論になりますけれども、御質問をさせていただきたいと思います。
 資料1の4ページの(2)マイナンバーカードの代理交付・申請補助等について、役所に出向くことが困難であるとして代理交付の活用ができるケースということで、特にその中で困難であることが推定される一定の場合ということで、成年被後見人の後、中学生以下の者となっています。これは義務教育以下ということかと思いますけれども、実際に我が国では高校進学率は97%を超していると思いますし、高校生が取得する場合、もし、役所に出向いて交付を受けると考えるとウィークデイになる。となると、ウィークデイに出向くことが非常に困難なケースということで、同じようなことになるのではないかと思いますが、ここを中学生以下にしたという理由がもしあれば、そして、もし可能であれば、高校生に対してもこのケースに追加してもよいのでないかという私の個人的な思いがありますので、それについて何か御意見があれば、お聞かせいただければと思います。
 以上です。
○田辺部会長 よろしくお願いいたします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。中間取りまとめの参考資料2の21ページを御覧いただければと存じます。これは総務省を中心にまとめている代理交付の要件、それから、疎明資料の見直しの案ということで、また、詳細については今後、最終取りまとめに向けて整理をしてまいりますが、ここでいわゆる役所に出向くことが困難なケースとして考えられるものを一番左に列挙してございます。今まで現行と書いてあるところで、例えば長期入院の方、あるいは障害者の方、そうしたことについて疎明資料を規定していたわけですが、今回、見直し案という一番右の欄のところで、もう少しこうしたものについて明確化をする、あるいは広げる、こうしたことを考えているわけでございます。
 今、御質問いただきました高校生につきましては、下から2段目のところで、学生証、あるいは在学証明書によって、こうしたやむを得ない事由に該当するとしてございます。一方で、中学生未満につきましては、上から3つ目のところでございますが、実質不要とする。すなわち本人確認書類さえあれば確認可能とすることにしておりまして、実質不要とするということと、高校生は学生証や在学証明書のコピーがあればということと、どの程度違いがあるかということでございますが、いずれにいたしましても、中学生であろうと高校生であろうと柔軟に代理交付が活用できるように、引き続き取り組んでまいりたいと考えてございます。
○池端委員 よく理解しました。ありがとうございました。
○田辺部会長 ほかはいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、本議題につきましては、これまでとさせていただきたいと存じます。
 最後に、事務局のほうから別途報告事項があるということですので、説明のほうをお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○森課長 総務課長でございます。資料3を御覧ください。「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案について」でございます。この法案につきましては、先般2月10日に閣議決定がされまして、衆議院に提出されたところでございます。
 1ページを御覧ください。基本的には、この改正の概要のところにある内容につきましては、1、2、3の3つについては、この医療保険部会において昨年皆様に御議論いただいた内容となっております。
 1のこども・子育て支援の拡充のところで、出産育児一時金の関係、それから、産前産後の国民健康保険料免除、それから、2のところで高齢者と現役世代の老若バランスの見直し、それから、2番目が前期高齢者の財政調整の関係、3つ目が医療費適正化計画や国民健康保険の運営方針の運営機関の法定化、それから、③のところが退職者医療制度の廃止等について記載されております。
 今回、この法案については、医療保険部会で御議論いただいた内容以外に、4ポツのところにあるように、医療・介護の基盤強化の関係の内容が盛り込まれております。1つ目はかかりつけ医の関係でございますが、地域の診療所等が有するかかりつけ医機能について都道府県に報告していただいて、都道府県が住民に情報提供し、併せて都道府県でその地域に足りない機能等を医療計画や介護保険事業計画に位置づけて、充実と強化を図っていく。
 それから、②のところで、医療介護DXの関係で、介護についてもオンライン資格確認を進めていく中で、被保険者について、医療の情報と介護の情報が将来的に両方とも見られるような設定をしていくための規定の整備をしていく。
 3番目が医療法人、それから、介護サービス事業所の経営情報について、都道府県に報告する義務を設けましてデータベース化していく。
 4番目が地域医療連携推進法人について、個人立の病院・診療所等が参加できる仕組みを新たに設ける。
 5番目が出資持分のある医療法人の証券に関する税制上の特例について延長していくといった内容を盛り込ませていただいております。
 3ページにまいりまして、初めて御覧になられる図があるかと思いますが、これは医療保険各法の見直しと医療法、それから、介護保険法の見直しがどういう関係にあるのかというのを説明するためにつくらせていただいた図でございます。
 一つは、左下にあります赤いところに書いてありますけれども、かかりつけ医の関係を今回医療法に規定を設けさせていただいております。このかかりつけ医の機能というのが左側にある急性期の医療機関と右側にある地域包括ケアの中で必要な機能を果たしていくということを規定するとともに、併せて、下の真ん中のところの医療計画や介護保険事業計画にあるように、それぞれの計画の中で必要な位置づけを図っていきたい。
 それから、一番右下のところにあるように、先ほども少し申し上げましたが、医療・介護の情報基盤を医療保険者と介護保険者が連携して行うことによって、当該被保険者の情報について一体的に取り扱うことが可能になるというような規定の整備をさせていただいたということを説明するための絵として用意させていただいたものでございます。
 私からの説明は以上でございます。
○古川企画官 続きまして、医政局の医療政策企画官でございます。資料4に沿いまして御説明させていただきたいと思います。
 1ページ目、昨年の12月9日に公布されましたが、改正感染症法ということで、内容はここに記載されてあるとおりでございます。現在、関係審議会等々において議論を進めているところでございまして、本日はその検討の進捗について御説明させていただければと思います。
 2ページ目、まず、想定する新興感染症とその対応の方向性でございますが、今回の改正感染症法の基本哲学ではございますけれども、まさに今回の新型コロナウイルス感染症の対応について、現在得られた経験・知見といったものを将来に残していこうというのが一つの改正の目的でございまして、対応する新興感染症につきましては、まずは現に対応している、これまでの対応の教訓を生かすことができる新型コロナへの対応を念頭に置いて取り組むというのが前提でございます。
 当然、次の感染症はどんなものが来るか分からない、誰も予想することはできないわけでございますので、2つ目のマルでございますけれども、事前の想定とは大きく異なるような事態となった場合には、協定の内容を柔軟に見直す、機動的に対応するといったことが必要だということでございます。事前の想定とは大きく異なる事態が生じたかどうかの判断につきましては、当然でございますけれども、これまでの新型コロナの対応なども参考にしながら国内外の最新の知見ですとか、現場の状況をつぶさに把握することによって適切に判断・周知ということで考えているということでございます。
 2つ目の四角のところでございますが、いわゆる流行初期医療確保措置ということでございますけれども、流行初期の対応といたしましては、各都道府県知事が判断いただくというところを皮切りにいたしまして、特別な協定を締結した医療機関、つまりは流行初期医療がついた協定を締結した医療機関を中心に対応いただくことになりますが、一定期間が経過した後は、全ての協定医療機関が対応するといった流れを想定しているところでございます。
 ちなみに、注書きに書かせていただいておりますが、流行初期の最初の段階では、流行初期医療確保措置の対応という協定を結んだ医療機関の前に、当然でございますけれども、現行の感染症指定医療機関が、まずは対応するのが前提になるということでございます。
 3ページ目、病床の関係の協定ということでございますが、対象基準・数値目標につきましては、現在、新型コロナ対応ということで、重点医療機関ということで専用のコロナ病棟等を持っていますみたいな施設要件があるのですけれども、そういったものを参考にしながら、現在確保している病床で酸素投与ですとか、呼吸モニタリングなどが可能であるといったことに加えまして、都道府県からの要請があってから1~2週間ぐらいといったところをめどにしまして、即応病床化できるということを要件にすることを考えているところでございます。
 2つ目のマルでございますが、当然平時からの準備が重要になりますので、協定を結んだ医療機関は自院の医療従事者に対する訓練・研修といったことを行いながら、対応力を高めていくということでございます。
 3つ目のマルでございますが、数値目標は現在の新型コロナ対応の実績を参考にしながら、その数値を上回ることを目指していくということでございます。
 4ページ目、病床の協定の中の流行初期医療確保措置の対象となる協定ということでございます。1つ目のマルでございますが、全国で一昨年の11月時点で重点医療機関というところが1,500ございましたが、1,500のうちの大きなところ、例えば許可病床数が400床以上のところが大体500ぐらいあるといったことを一つの目安にいたしまして、全国で流行初期医療確保つきの協定締結医療機関については500程度というのを目指していくということを一つの目安と考えてございます。
 基準につきましては2つ目のマルでございます。病床を一定数以上、例えば30床ということで仮置きさせていただいておりますが、一定数以上確保し、全てを流行初期から継続して対応することができるといったことに加えまして、先ほど協定締結医療機関は1~2週間ぐらいで知事からの要請から即応病床化できるみたいな話を申し上げましたが、初期対応のところにつきましては、要請後、原則1週間以内に即応化するといったことに加えまして、そこに入院していらっしゃる患者さんが当然いるわけでございますので、後方支援機関ともしっかりと連携するといったことを要件にするということでございます。
 6ページ目、発熱外来でございますが、発熱外来の協定の対象基準・数値目標についてということでございます。現在行っております診療検査医療機関のところの施設要件などを参考にしながら、発熱患者専用の診療室を設置した上で対応時間帯を住民に対して正確に周知した上で、地域の医療機関と情報共有しながら、関係学会の最新知見などもしっかりとガイドラインを参考にしながら院内感染対策を行って、発熱外来を行っていくということでございます。数値目標については、先ほどの入院と同様に新型コロナの対応実績を参考にしながら、その数値を上回ることを目指していくということでございます。
 7ページ目で、特に発熱外来の関係で流行初期の医療確保の対象となるような協定の考え方でございます。先ほどの入院と同様でございますが、コロナが流行した年の冬頃、2020年の11~12月ぐらいといった辺りに構築した医療提供体制をなるべくこの3か月間でつくっていくというようなことを目標にしながら、協定を結ぶ医療機関の目標値を設定していきたいと考えているということでございます。
 駆け足ではございますが、私のほうからの御説明は以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、報告事項ではございますけれども、御意見等がございましたらよろしくお願いいたします。
 佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 資料3の健康保険法を一部改正する法案について、若干コメントをさせいただきます。
 当然、改正法案については今後国会で審議されることになると思いますけれども、これまでも部会で繰り返し申し上げてまいりましたが、全世代型社会保障の構築に向けた第一歩でございますので、現役世代の負担軽減に向けて確実な実施をお願いしたいと思います。
 それから、かかりつけ医機能について若干コメントをしたいと思います。かかりつけ医機能が発揮される制度整備については、今回の制度整備がゴールではなくて第一歩だと考えております。我々としては、まずは今般の法律案による制度整備を通じて、高齢者に限らず、できるだけ多くの国民、患者がそれぞれの希望やニーズに応じてかかりつけ医機能を有する医療機関を選択して利用できる環境が整うことを期待しております。
 また、都道府県にあっては、医療機関が報告するかかりつけ医機能の確認をしっかりと行っていただいて、国民、患者からの信頼が得られる仕組みとなるようにしていただきたいと思います。
 健保連としては、認定・登録の具体的な設計、また、合理的な診療報酬や負担の在り方といった課題がまだまだ残されていると考えております。医療の最適化・効率化や国民の健康増進、疾病予防に役立つ制度の実現に向けて、さらなる検討、取組を早期に進めていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、小林参考人、よろしくお願いいたします。
○小林参考人 まず、法案に関して、前期高齢者の財政調整の報酬調整については、これまでの部会でもその問題点を指摘してまいりましたが、その根本は高齢者医療制度の在り方にあると思いますので、今後、制度の抜本改革に関する議論の必要性についても御認識いただきたく思っております。
 もう一つ、流行初期医療確保措置についてですが、国会審議では、費用の一部に保険料が充当される例外的かつ限定的な措置であること、また、3か月を基本として必要最低限の期間とすることという附帯決議が採択されていますので、これらを踏まえた対応が必要になります。また、新型コロナウイルスに対する医療や、その費用の分析がもっと深まればよいとも思っておりますので、いずれにしましても患者のためにも必要な対応が図られるよう、詳細の周知を含めてしっかりと御対応いただくよう要望いたします。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 まず、全世代型社会保障法案について意見を述べさせていただきます。高齢者医療費への拠出金が今後も大きく増加する見込みであるなど、現役世代の保険料負担は限界に達しております。現役世代が納得して、これからも医療保険制度を支えていくためには、世代間・世代内の給付と負担の在り方を公平に見直すことをはじめ、制度の見直しに向けた検討を継続して進めていくことが急務であると考えております。その意味で、今回の法案は医療保険制度の持続可能性を高めるために必要な見直しのあくまで第一歩であると考えており、全ての世代の方々の安心を広く支え合い、次の世代に引き継いでいくために不可欠な改革を確実に行っていけるよう、今後も本部会で不断の議論を続けていただきたいと思っております。
 また、今回、協会から資料として提出させていただきましたが、協会けんぽの傷病手当金に占める精神及び行動の障害を原因とした申請の支給金額及び構成割合は、資料を見ていただくとお分かりのように、年々増加の一途をたどっております。特に令和3年度10月の実績では全体の件数の33%、約5万1000件、そして、金額としては一月に100億円を超える額を支払っております。
 このような現状に対して、協会けんぽとしましても厚生労働省労働安全衛生部の御協力の下、事業所においてメンタルヘルス予防対策に関する産業保健総合支援センターの事業を活用していただくためのリーフレットを作成し、山形、茨城、神奈川、沖縄といったモデル支部において、加入事業所に配付を行うとともに、当該事業所におけるメンタルヘルス対策の取組状況であるとか、産業保健総合支援センター等の活用状況についてアンケート調査を実施いたしました。調査結果につきましては現在分析中でございますが、産業保健総合支援センター等の存在があまり知られていない等の課題が浮かび上がってきているところでございます。
 日本の国民皆保険制度の持続可能性を高めるためには、制度を支える人に元気でウェルビーイングな状態で働いていただくことが必要でございます。特にメンタルヘルスが原因で会社を休んだり服薬しなければならなくなる前に、社会全体でそうならないようにするための対策を取る必要があると感じております。こうしたメンタルヘルスのような各年代に幅広くまたがる課題については、母子保健、学校保健、産業保健、被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療保険といった主体がどのように対応し、連携するのか、それぞれの役割分担を整理し、トータルビジョンを描き、具体的な対処方法を実装することが必要不可欠であると考えております。厚生労働省におかれましては、そういった大局図を描いた上で、今後の政策の検討を進めていただきたいと強く要望いたします。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 全世代型社会保障ということで、医療・介護の連携ということが入ったのは大変喜ばしいことだと思います。介護保険ができたときに、これで医療費が幾らか減るのではないかという予測もされたのですが、実はそうはならなくて、医療費もどんどん増えてきて、介護費もどんどん増えてくるという状況になってきております。ですから、医療と介護が連携することによって、いろいろな無駄を省くということと、もう一つは健康寿命の延伸という、なるべく医療・介護にかからないようにするためにも、予防という面でも連携が望ましいと思います。
 ただ、私が気になるのは、介護というのは事業者が物すごく小規模なところが多いのです。医療に比べて非常に小規模である。それから、デジタル化が物すごく遅れております。ですから、介護情報をデジタル化する、あるいはそういう情報ネットワークに乗せるというのは非常に難しいと思っております。これは本部会の課題ではありませんけれども、ぜひ介護のほうに例えばサービスの標準化とか、デジタル化とか、そういうのを進めていただくように、ぜひ御提言していただきたい。これはお願いでございます。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、井上参考人、よろしくお願いいたします。
○井上参考人 私のほうからは資料3の全世代対応型社会保障法案の関連で、事務局から今日御説明いただいた内容とはちょっと離れますが、何点かコメントしたいと思います。
 この法案では子供を生み育てる世帯への支援措置も盛り込まれておりまして、こうした施策を充実させていくことによって、子育てを社会全体で支援して、次世代の社会経済の担い手を増やすということにつながれば、国民皆保険体制を堅持する上でも極めて重要なことだと考えておりまして、そういった意味で、この法案の早期成立を期待しているところでございます。
 この法案の関連で、出産育児一時金の引き上げの関係で2点ほどコメントを申し上げます。
 出産育児一時金の大幅な引き上げを行うことになったわけですけれども、いわゆる便乗値上げの懸念の声が引き続き聞かれるところでございまして、今回の出産育児一時金の増額が出産費用の見える化の適切な運用等を通じまして、子供を生み育てる世帯への実質的な支援の拡充につながるように、ぜひお願いしたいと思います。
 2点目は、今回、出産育児一時金の引き上げに当たっては、全世代で支えるということで、後期高齢者も負担をするということになったわけでございますけれども、新たに負担を求められるということで、いろいろな混乱が起きることのないように、当該制度改正の趣旨・内容について、国の責任において丁寧な説明を行って、関係者の理解が得られるようにしていただきたい。混乱が生じないように進めていただきたいと考えているところでございます。
 それから、この法案に盛り込まれた出産時における保険料負担の軽減、国保の被保険者について、産前産後期間相当分の保険料を免除する措置が創設されまして、その費用については、国・都道府県・市町村が公費で負担することになっております。この都道府県・市町村負担分についてですが、当然この部分は地方財政措置が講じられるものと考えておりますが、資料3の18ページのところの説明では、特にそれについて触れられておりませんので、念のため、地方財政措置が講じられるということについて確認させていただければと思います。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 本来なら総務省かもしれませんけれども、よろしくお願いします。
○高木課長 今回、産前産後の保険料については免除の措置を講じております。法律もそこの手当てをしておりますけれども、保険財政に影響が生じないよう、都道府県・市町村分のところにつきましても地方交付税措置、地方財政措置が講じられるものでございます。
○田辺部会長 よろしゅうございますか。
○井上参考人 ありがとうございました。
○田辺部会長 それでは、酒向参考人、よろしくお願いいたします。
○酒向参考人 資料4につきまして、1点述べさせていただきます。
 8ページ目に流行初期医療確保措置について書かれていると思います。この措置に関わる費用負担の在り方につきましては保険者から懸念の声があったところでございますが、保険料からも充当されるという形になったところでございます。次なる新興感染症が発生した折に、本措置を講じる場合につきましては、措置によって支援を受けるに値する医療機関であるかどうか、しっかりと見える化されていることが大前提であると考えておりまして、こうしたレビュー機能の必要性は、これまでも求めてきたところでございます。ぜひ都道府県に履行状況をしっかり把握、公表していただき、情報共有していただきたいと思いますし、適宜当部会にも御報告いただきたいと思っております。
 以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 安藤委員、2回目だと思いますけれども、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 新興感染症対応に係る医療計画の対応の方向性について、1点意見を述べ忘れていましたので、述べさせていただきます。
 2月2日に行われました第8次医療計画検討会でも協会のほうからは申し上げましたが、今回の新興感染症対応に係る医療計画の策定に当たりましては、協定締結医療機関が担う高齢者施設等に対する医療支援体制についても高齢者施設等との連携を含めて確認し、協定を締結することとなっております。その際のポイントとしましては、入所施設を利用されている高齢者、障害者や職員の方の間で感染が広がらないようにすること。そして、感染者が出た場合に、迅速に医療にアクセスできるようにすることであると認識しており、今回の医療計画に連動する形で介護計画、障害福祉計画でも事前の備えや初期対応等について記載を盛り込み、自治体の関係部局を通じて各施設に取組を促すべきだと考えております。この点、事務局におかれましては、福祉部局と適切に連携していただくよう、よろしくお願いいたします。
 以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 3点ほど御意見を申し上げたいと思います。
 まず一つは感染症です。感染症についていろいろ次に来る新興感染症のことを考えていただいて、病院の体制などいろいろ配慮、想定しながら、とるべき対策やあるべき体制を構築いただいていることを大変ありがたく思います。今回のコロナ禍、3年ほど経過していますけれども、かつてのSARSのときに、日本はほかの国に比べて困りごとがさほど大きくなかったという評価も聞いたところでございます。そのために比較的に、ほかの国々と比べると、初動の対応において慣れがなく、ややドタバタ感といいますか、戸惑いといいますか、結構そんな状況が出てきたのだなということも当時分析されていたような意見を聞いたことがあります。
 そういったことがございますので、今回の新型コロナ感染症に伴う対策、感染の拡大、そして、困ったところは何があったのかなど、ぜひこの3年間プラスこれからしばらく続く面もありますけれども、まずは2類、5類の位置づけの変化がありますので、この3年間辺りを政府のどこかの機関でよくよく検証していただいて、次の感染症発生の対策に生かせるようにぜひしてほしいと思っています。危機管理では、よくシミュレーションを行ったり、図上訓練を行いますが、そのような図上訓練とは言いませんけれども、今回の新型コロナウイルス感染症の件はいろいろな意味で教訓を与えてくれるものと思います。ぜひ政府のどこかの機関で分析、評価、そして、未来への展望をお願いしたいと感じました。
 2つ目は出産育児一時金のことでございます。給付する金額が増加することは大変ありがたいと思う方が多いと思うのですけれども、以前のこの部会の議論でも出ていたように、それだけで出産しようと、子供さんをもう一人持ってみようと、必ずしも十分に促せるものではないという課題提起も挙がりました。そういった面があると思います。今後は、より広い見地でこういった対策を考えていかないと、根本的な少子化対策にならないという危機感を持っています。
 例えば女性の皆さんが働かれる場合の社会的な認識、あるいは社会的理解も高めていかなくてはいけないと思います。細やかなサポートとか、どういったことが可能かということが必要ですし、非金銭的な支援、例えば出産後、ある程度たったら会社に戻って自己実現もしながら社会貢献して、そこでお給料をいただいて、家族と一緒に子育てもできてという、いわゆる社会の受容力みたいなものを高めていくようなこともしていかないと、新たな時代の子育てを充実させていくことにはならないのではないか、そして、結果として少子化の克服になりにくいと思いますので、ぜひそういった観点からも御検討をしていただくとありがたいと思います。
 最後の3点目ですけれども、全国後期高齢者医療広域連合協議会の立場でこの会議に来ていますからというわけではないのですけれども、いろいろな機会に政策を打たれることを垣間見せていただきました。特に今回は以前も申し上げましたが、やや短期間のうちに高齢者の皆さんの負担が増になる印象が強い動きもございました。
 その際にも申し上げましたけれども、より分かりやすい説明と広く理解をいただくことがとても大切だと思うのです。このことは政治の安定にもつながりますし、「信なくば立たず」の言葉に代表されるように、いろいろあるけれども、未来のために政策当局、主務官庁、そして、国会、地方自治体などなど、協力しながら未来のためにやっているのだなと、それを理解して我々も応分の負担をして支えようというお気持ちになっていただくのはとても大切です。その取組がみんなのため、そして、次世代のため、そして、日本の今後の社会の維持とか発展のために資するのだということをきちんと伝えていく機会を定期的に持ちながらやっていくことがとても大切だと改めて感じているところです。
 今後、様々な制度の変容とかがあるときに、丁寧な説明や情報提供をこれからもしてくださると聞いておりますけれども、さらにいろいろな工夫を加えていただきながら、よりよくしていただければ、多くの国民の皆さんが安心していけるのではないかと思います。そして、ともに社会をつくっていくという気持ちを共有し、それぞれに応分の負担をしながらスクラムを組んでいけると感じますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上3点です。ありがとうございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 それでは、鎌田参考人、よろしくお願いいたします。
○鎌田参考人 議題に関する意見なのですが、お許しをいただきますでしょうか。
○田辺部会長 どうぞ。
○鎌田参考人 恐れ入ります。ありがとうございます。
 マイナンバーカードによりますオンライン資格確認が受けることができない状況にある方に交付をいたします資格確認書についてでございます。こちらについては当該者からの求め、いわゆる本人からの御申請とした場合、どうしても申請の有無によりましては、保険給付に差が生じるといったことが懸念されます。
 資料におきましては、その経過措置といたしまして、保険者が必要と認めるときは、本人からの申請によらず、資格確認書を交付できることとしていただいております。様々なケースが想定される市町村の窓口での混乱を避けるためにも、今後の具体的な交付手続につきましては、さらに議論を深めていく必要があると考えておりますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
○田辺部会長 ありがとうございました。
 では、池端委員、よろしくお願いいたします。
○池端委員 日本慢性期医療協会の池端です。資料4の新興感染症法の医療計画等の方向性について、1点だけ御質問をさせていただきたいと思います。
 4~6ページにありますように、特別な協定を結ぶときに、重点医療機関とか、発熱外来というような言葉が出てきております。これはあくまでも次の新興感染症ということを想定して、必ずしも現在の新型コロナ感染症と直接リンクするものではないという理解をしています。これはあえて医療保険部会なのでお聞きするのですが、現状、この重点医療機関とか発熱外来等をやっているところと、今、感染向上対策加算の1、2、3とか、外来の感染対策向上加算というのは、これとリンクをしている状況であります。今後、認めていく重点医療機関というのが、医療保険の診療報酬上の加算とリンクすることがあるのかないのか、現時点で、これはあくまでも新型コロナウイルス感染症に対しての要件として入っただけで、次の新興感染症に対しては、原則、リンクすることを想定していないと理解しているのですけれども、同じように踏襲することがあり得るのか、医療保険部会として現時点でお考えがあればお聞かせいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
○田辺部会長 では、よろしくお願いいたします。
○古川企画官 あくまで現在検討しているのは、次の感染症の流行があった場合に、どのように現時点で備えていくのかということを、医療計画上、どう位置づけていくのかという議論でございますので、診療報酬の在り方は、また別の議論だと理解してございます。
○池端委員 よく理解しました。ありがとうございます。
○田辺部会長 ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますか。
 それでは、ほかに御意見等がなければ、本日はこれまでとさせていただきます。
 次回の開催日につきましては、追って事務局のほうより御連絡を申し上げます。
 本日は御多忙の折、御参加いただきありがとうございました。これで閉会いたします。