技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議(第66回)議事要旨

人材開発統括官海外人材育成担当参事官室




日時:令和5年1月24日(火) 10:00~12:00
場所:Web会議
出席者:市田委員、大迫委員、後藤委員、菅村委員、當間委員、花山委員、村田委員
厚生労働省人材開発統括官海外人材育成担当参事官室、出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課、外務省領事局外国人課、外国人技能実習機構
(牛豚食肉処理加工業職種関係)全国食肉学校、農林水産省畜産局食肉鶏卵課、農林水産省大臣官房新事業・食品産業部食品流通課
(たて編ニット生地製造職種関係)日本経編協会、経済産業省製造産業局生活製品課
(コンクリート製品製造職種)全国コンクリ-ト製品協会、経済産業省製造産業局素材産業課

議題
(1)牛豚食肉処理加工業職種(牛豚精肉商品製造作業)の職種追加について(職種の概要等の確認)
(2)たて編ニット生地製造職種(たて編ニット生地製造作業)の試験の実施・運営状況の報告について
(3)コンクリート製品製造職種(コンクリート製品製造作業)の試験の実施・運営状況の報告について

【概要】
(1)牛豚食肉処理加工業職種(牛豚精肉商品製造作業)の職種追加について(職種の概要等の確認)
○ 牛豚食肉処理加工業職種(牛豚精肉商品製造作業)を移行対象職種として技能実習評価試験及び審査基準を整備することに関して、全国食肉学校から職種の概要等について説明が行われ、主として以下のような質疑が行われた。
・「技能実習の目標・実習内容に関する資料の中に、『HACCPの考え方を取り入れた』という表現が見られる。HACCPは食の安全・安心や生産性の向上だけでなく、エネルギーマネジメントや周辺環境への配慮をも含むものであるため、この表現だと、実習内容としてそれら一連の流れに関与する業務が含まれているように見られる可能性がある。しかし、資料中ではその中でも食の安全・安心に限り対象としているように見えるので、『HACCP』ではなく『食の安全・安心』等の表現の方がいいのではないか。」という意見があった。これに対し、「食品衛生法において、食の安全・安心としての衛生管理に限ったものとして、HACCPの考え方を取り入れた『衛生管理』が義務付けられていることを踏まえてこのような表現を使用したものである。」との回答があった。
・「牛や豚について、個体差があるため部位を切り分けるのは経験が必要ということだが、評価試験の内容にこのような技能の評価も含まれることになるのか。」との質問があった。これに対し、「含まれる。」との回答があった。
・「個体差のある材料を使う試験の場合は、試験監督者によらず同じ評価をすることが難しいと考えられるところ、客観的に評価できるようにするためのマニュアル等を用意する、試験監督者を対象とした講習会を行う等、何か取組を考えているか。」という質問があった。これに対し、「既存の牛豚部分肉製造作業の試験と同様に、評価基準に関する写真を使用した資料を作成する、年に1回は全試験監督者が集まり評価基準をすり合わせる等の取組を行っていく予定である。」との回答があった。
・「牛や豚の個体差があっても判断基準を示すことは可能ということでよいか。」との質問があった。これに対し、「可能である。」との回答があった。
○ 検討の結果、牛豚食肉処理加工業職種(牛豚精肉商品製造作業)の追加については、厚生労働省、出入国在留管理庁において、省令の改正案に係るパブリックコメントを実施し、その結果を踏まえ、審査基準案や技能実習評価試験案等について引き続き議論が行われることとなった。

(2)たて編ニット生地製造職種(たて編ニット生地製造作業)の試験の実施・運営状況の報告について
○ たて編ニット生地製造職種の試験の実施・運営状況について、日本経編協会から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・「実習内容には機械を使用した作業も含まれているところ、試験問題において安全対策を問う設問が少ないように見受けられる。」という指摘があった。これに対し、「各作業の試験において、安全な作業について十分に配慮した採点基準としているが、安全に特化した問題は作成していないため、KYT活動のような問題を盛り込む等、試験問題の内容を検討する。」との回答があった。
・「実際に実技試験の中で、安全面で失格になった等の事例があるか。」という質問があった。これに対し、「今のところない。」という回答があった。
○ 報告の結果、たて編ニット生地製造職種の技能実習評価試験について、試験実施機関は会議で受けた指摘に対応し、より一層適切な実施に努めることとされた。

(3)コンクリート製品製造職種(コンクリート製品製造作業)の試験の実施・運営状況の報告について
○ コンクリート製品製造職種の試験の実施・運営状況について、全国コンクリ-ト製品協会から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・「今後実際の試験の中で、試験監督者間で評価がばらつく事例が発生した際には、事例を蓄積して試験監督者向けの採点マニュアルに相当する資料に活用していくという理解でよいか。」という質問があった。これに対し、「ばらつく事例があれば活用してこの資料に反映する予定である。」という回答があった。
・「試験監督者向けの採点マニュアルに相当する資料は、初級から上級まで全ての級に対応しているのか。」という質問があった。これに対し、「現在は初級と専門級の受検者しかいないため、初級と専門級それぞれで当該資料を作成しているが、約2年後からは上級の試験を実施する必要があるので、今後上級に対応した当該資料を作成する予定。」との回答があった。
○ 報告の結果、コンクリート製品製造職種の技能実習評価試験について、試験実施機関は会議で受けた指摘に対応し、より一層適切な実施に努めることとされた。

(以上)