技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議(第65回)議事要旨

人材開発統括官海外人材育成担当参事官室



 


日時:令和4年12月12日(月) 10:00~12:00
場所:Web会議
出席者:大迫委員、後藤委員、小宮委員、菅村委員、當間委員、花山委員、村田委員
厚生労働省人材開発統括官海外人材育成担当参事官室、出入国在留管理庁在留管理支援部在留管理課、外務省領事局外国人課、外国人技能実習機構
(アルミニウム圧延・押出製品製造職種関係)日本アルミニウム協会、経済産業省製造産業局金属課
(木材加工職種関係)全国木材組合連合会、林野庁林政部木材産業課
(食鳥処理加工業職種)日本食鳥協会、農林水産省畜産局食肉鶏卵課

議題
(1)アルミニウム圧延・押出製品製造職種(引抜加工作業、仕上げ作業)の職種追加について(試行試験の結果確認)
(2)木材加工職種(機械製材作業)の職種追加について(試行試験の結果確認)
(3)食鳥処理加工業職種(食鳥処理加工作業)の試験の実施・運営状況の報告について

【概要】
(1)アルミニウム圧延・押出製品製造職種(引抜加工作業、仕上げ作業)の職種追加について(試行試験の結果確認)
○アルミニウム圧延・押出製品製造職種(引抜加工作業、仕上げ作業)の試行試験結果について、日本アルミニウム協会から説明が行われ、主として以下のような質疑が行われた。
・試験監督者の評価のばらつき防止のために、試験監督者を対象とした講習会や見学会を実施するとのことであれば、試験監督者に対し、当該講習会や見学会への参加を義務付けるべきで、試験監督者の選任要件として技能実習評価試験実施要領に明記すべきとの意見があった。これに対し、意見を踏まえて実施要領に記載するとの回答があった。
・実技試験の試験問題が変わると、その都度、評価のばらつきが生じることが考えられるため、評価のばらつきの記録を蓄積し、評価のばらつきがでないように、継続的に試験監督者のマニュアルを見直していくべきとの意見があった。これに対し、継続的に取り組むとの回答があった。
・学科試験問題は過去問を公表することとなっているところ、試験問題は過去問と同じ問題を出題することがあるのかとの質問があった。これに対し、できるだけ過去の問題と同じにならないようにしたいとの回答があった。
○検討の結果、アルミニウム圧延・押出製品製造職種(引抜加工作業、仕上げ作業)を移行対象職種・作業に追加することについて了承された。

(2)木材加工職種(機械製材作業)の職種追加について(試行試験の結果確認)
○木材加工職種(機械製材作業)の試行試験結果について、全国木材組合連合会から説明が行われ、主として以下のような質疑が行われた。
・試行試験において、採点のチェックポイントを見落とした試験監督者がいたことから、採点のチェックポイントを見落とした試験監督者については試験監督者から外すなど、試験監督者の質を担保するための仕組みを検討する必要があるのではないかとの意見があった。これに対し、今回、チェックポイントの見落としが発生した原因の一つは、採点表が不十分であったためであるため、採点表にチェックポイントを明記するとともに、試験監督者のマニュアルに記載し、周知徹底するとの回答があった。
・事務局から、審査基準案に記載されている「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範」に係るチェックシートの取り扱いについては、行政手続きに関する事項であるため、別途、調整させていただくとの発言があった。
・実技試験の試験問題に作業手順が示されているが、試験として適切なのかとの質問があった。これに対し、作業手順を見ながら作業をすることが通常であるとの回答があった。これに対し、事務局から、事実確認のため、日本人作業者が実際に使用している作業手順書を提出するよう発言がなされた。
・採点表にチェックポイントが記載されていないため、適切な採点ができないのではないかとの意見があった。これに対し、採点表を修正するとの回答があった。
○検討の結果、木材加工職種(機械製材作業)を移行対象職種・作業に追加することについて、今回の会議での指摘事項に対応することを条件として了承された。


(3)食鳥処理加工業職種の試験の実施・運営状況の報告について
○食鳥処理加工業職種の試験の実施・運営状況について、日本食鳥協会から報告があり、主として以下のような質疑が行われた。
・実技試験中の通訳の同席状況について質問がなされた。基本的には通訳を同席させないこととしているが、初級試験については、日本語がまだ未熟なため、実習実施者、監理団体に通訳を同席させるように指導しているとの回答があった。技能実習生が少ない国の言語の通訳が確保できるのかとの質問があった。これに対し、通訳は基本的に付けていないとの回答があった。通訳の取扱の基準について、「基本的に」では、明確でないため、試験の公平性の観点から、通訳の取扱について明確にすべきとの意見がなされた。これに対して、試験中の通訳の取扱について整理する旨の回答があった。
・実技試験中の実習実施者等の同席状況について質問があった。これに対し、実技試験は実習場所の工場で実施されるため、特に、試験監督者が初めて行く場合などには、試験の実施に支障が出ることを避けるため、やむを得ず、実習場所の工場内の危険箇所等を把握している実習実施者等に案内してもらう必要があるとの回答があった。これに対し、試験実施前に試験監督者が試験会場となる実習場所の工場内を確認して試験を実施すべきであり、試験中に実習実施者等が同席すると、それらの者が受検者に話しかけたりする可能性もあるため、試験の公平性の観点から、実習実施者等の同席はさせるべきではないとの意見がなされた。これに対し、試験中の実習実施者等の取り扱いを整理する旨の回答があった。
・試験補佐員を実習実施者から選任することについての提案がなされた。これに対し、事務局から、実習実施者から試験補佐員を選任することについては、試験の公平性の観点から適切かどうか検討するとの発言がなされた。
・狭い場所で複数の受検者に対し口頭試問を実施すると、受検者同士の距離が近いため、受検者が答えるのが周りの人に聞こえてしまい、公平な試験に懸念があるため、公平な試験となるよう口頭試問の方法を検討すべきとの意見があった。これに対し、実技試験は実際の作業の出来映えのみで判断しており、口頭試験により評価しているという事実はないとの回答があった。これに対し、試験運用マニュアルには、受検者に個々に設問するような記載が見受けられるので、口頭試問を行わないのであればマニュアルから記載を削除すべきであり、実際に口頭試問を行うのであれば具体的にどのような内容で行うのか明確にするなどにより、実技試験問題及びその実施方法を明確にすべきとの意見があった。これに対し、実技試験問題及びその実施方法を明確にする旨の回答があった。

○報告の結果、食鳥処理加工業職種の試験の実施・運用について、今回の会議での指摘事項を踏まえ、試験マニュアル等を見直し、採点基準、採点表、試験問題などの関係資料の修正ができ次第、速やかに会議へ報告することとなった。


(以上)