薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会(2023年2月10日)

日時

令和5年2月10日(金)
10時00分~12時00分

場所

オンライン会議

出席者

委員

杉本部会長 大塚委員 桒形委員 多田委員
頭金委員 戸塚委員 原委員 二村委員
松藤委員 三浦委員 渡辺委員  
       

事務局

近藤食品基準審査課長 田中室長  冨士原専門官
竹田専門官 清水主査  

参考人

国立医薬品食品衛生研究所安全性生物試験研究センター毒性部 高橋室長

議題

報告事項
(1)第10版食品添加物公定書について
(2)既存添加物の安全性の確認について
(3)令和3年度マーケットバスケット方式による摂取量調査の結果について
(4)その他

議事

 

○事務局 それでは、定刻となりましたので、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会を開催させていただきます。本日は、御多忙のところ御出席いただきまして誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 初めに、本部会をオンラインで実施するに当たりまして、会議での委員の皆様に御注意いただきたい点について確認させていただきます。御発言以外の際には、基本的にマイクをミュートにしていただくようにお願いいたします。御発言以外でマイクオンになっておりましたら、事務局がミュートとさせていただくことがございます。また、御発言がある場合には、まず挙手の機能やコメント機能を用いまして、意思表示をお願いいたします。意思表示を頂きましたら、部会長又は事務局が御指名いたしますので、その後で御発言をお願いいたします。御発言の際には、最初にお名前をおっしゃっていただくようにお願いいたします。注意事項は以上となります。
 続きまして、1月26日に開催されました薬事・食品衛生審議会の総会におきまして、審議会委員の改選がございましたので御報告いたします。その後に開催されました食品衛生分科会におきまして、委員の互選により、杉本委員に引き続き添加物部会長をお願いすることになりました。杉本部会長におかれましては、引き続き本部会の運営につきましてよろしくお願いいたします。
 今回から新たに部会の委員として就任をされた委員を御紹介いたします。委員名簿にお名前がございますが、大塚健治委員と児玉浩明委員です。あいにく本日は児玉委員が御欠席でございます。大塚委員から一言御挨拶をお願いできますでしょうか。
○大塚委員 大塚健治と申します。どうぞよろしくお願いいたします。東京都健康安全研究センター食品化学部食品添加物研究科の科長を拝命しております。専門は分析化学をやっております。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございました。また、薬事・食品衛生審議会令第7条第5項に、「部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員又は臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する。」とあります。あらかじめ、杉本部会長から、部会長代理として引き続き頭金委員を指名すると承っておりますことを御報告いたします。
 では、本日の委員の皆様の出席状況を御報告いたします。本日は瀧本委員と児玉委員より御欠席との御連絡を頂いております。現時点で、添加物部会委員13名中11名の委員に御出席いただいておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告いたします。
 また、本日の報告事項2つ目の「既存添加物の安全性確認について」に関しまして、参考人として国立医薬品食品衛生研究所の高橋祐次先生にお越しいただいております。よろしくお願いいたします。
 続いて、資料等の確認をいたします。あらかじめお送りをしておりますが、議事次第と委員名簿、資料1-1、資料1-2、参考資料も資料1関係について1と2がございます。あと、資料2-1から資料2-4までのシリーズ及び資料3という形になっております。
 それでは、議事の進行を杉本部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○杉本部会長 おはようございます。本日は、もう既に足元も悪くなっていると思いますが、今日はオンライン会議でよかったなと思っている委員の先生方も多いかと思います。私のほうは、今日厚労省に来るときにバスが遅れまして、ぎりぎりのタイミングで到着という、ちょっと大変な思いをしながら来たところです。
 本日の添加物部会ですが、委員の先生方におかれましては活発な御議論をお願いしたいと思っております。それでは、まず初めに事務局から、本日の部会に関する利益相反の確認結果について報告をお願いいたします。
○事務局 本日の部会においては審議品目がありませんので、利益相反の確認対象はございません。以上です。
○杉本部会長 では、報告事項1つ目の「第10版食品添加物公定書について」に関して、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。それでは、第10版食品添加物公定書作成についての概要を報告いたします。本報告におきましては、資料1-1及び資料1-2、参考資料1及び参考資料2の4つで構成しております。資料1-1は「第10版食品添加物公定書案作成について」、資料1-2は「第10版食品添加物公定書案」、参考資料1は、平成30年10月24日薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会の資料3-1「第10版食品添加物公定書作成の方針について」、参考資料2は、令和4年8月16日薬生食基発0816第1号「第10版食品添加物公定書の作成のための「食品、添加物等の規格基準」の改正に係る意見募集について(周知依頼)」です。
 それでは、本日は資料1-1に沿いまして報告をいたします。資料1-1「第10版食品添加物公定書作成について」を御覧ください。まず、1番目の点として、食品添加物公定書改正の背景についてです。食品添加物公定書は、食品衛生法第21条の規定に基づき、食品添加物の成分規格、使用基準等を収載することとされております。昭和35年に第1版が作成されて以来、令和4年7月の第9版追補2の作成まで、逐次改正が行われてきております。今回の改正におきましては、第9版追補2以降の規格基準の設定、改正等の収載でございます。
 続きまして、2番目、第10版食品添加物公定書に係る検討経緯です。先ほど御紹介いたしました参考資料1にもございますけれども、食品添加物公定書は従来、5年ごとを目途に、実際は4~8年ごとに改正作業が行われてきておりましたが、第9版公定書の作成には11年を要しております。このことから、今回の改正につきましては、第9版より短い期間で作成し、時宜を得た実用的な公定書としての整備を目指すことを方針としております。この方針に基づきまして、平成30年6月に第1回第10版食品添加物公定書作成検討会が開催され、令和4年2月21日までに合計12回の審議を行っております。この審議結果をもとに、先ほど御紹介した参考資料2にもございますように、令和4年8月16日から同9月14日にかけて意見募集を行いまして、上記審議結果に係る意見に関して寄せられた意見について検討した上で、資料1-2である第10版食品添加物公定書案を作成しております。なお、第1回から第6回までの第10版食品添加物公定書作成検討会の検討結果は、既に第9版追補1及び2として公表しております。
 続きまして、改正内容の中身について御報告をいたします。3番目の点としまして、第10版食品添加物公定書案の主な改正内容は、下記にあります(1)~(9)でございますが、今回は改正の中心となります「D 成分規格・保存規格各条」に係る部分(1)~(3)につきまして報告いたします。詳細はお手元の資料1-2を御確認ください。
 (1)ですが、成分規格を新たに設定いたしました既存添加物45品目についての記載でございます。その品目は以下の記載のとおりとなっております。
 (2)ですけれども、今回の改正におきましては、従来1つの品目当たり複数の子規格が設定されていた品目につきまして、それぞれ個別規格として独立した規定といたしました。その対象となりました指定添加物2品目、既存添加物5品目及び添加物製剤2品目につきましては、個別規格名を含め、下記のように記載をしております。
 (3)についてですが、試験の操作性の改善及び精度の向上、IUPAC命名法に基づく名称及び構造式、用語・用例・計算式等の記載の統一、使用試薬の変更等を行ったことに関する記載となっています。その対象となりました指定添加物106品目に係る成分規格(129項目)、既存添加物58品目に係る成分規格(85項目)及び添加物製剤2品目(3項目)は下記に記載しているとおりです。なお、(4)~(9)に関する御報告は割愛いたします。
 最後、今後の予定です。本日御報告いたしました第10版食品添加物公定書案に基づきまして、食品安全委員会に対して、食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号)の改正に係る食品健康影響評価を依頼します。食品安全委員会の食品健康影響評価結果の通知を受けた後、評価結果を踏まえ公定書作成に伴う規格基準の改正案について、添加物部会にて審議を行っていただく予定です。
 その後、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会等での審議を経て、パブリックコメント及びWTO通報等、必要な手続を実施の上、食品、添加物等の規格基準の改正を行い、第10版食品添加物公定書を作成いたします。第10版食品添加物公定書作成に係る御報告は以上となります。
○杉本部会長 ただいまの御説明について、委員の先生方から御質問等ございますか。頭金委員、お願いいたします。
○頭金委員 名古屋市立大学の頭金です。食品安全委員会に健康影響評価を依頼するということですが、期間はどれぐらいを想定されているのでしょうか。
○杉本部会長 ありがとうございます。事務局、いかがですか。
○事務局 御説明させていただきます。現在、食品安全委員会に諮問に向けての御相談も並行してさせていただいております。審議に関しては、委員会の御判断となってまいりますので、こちらで確定的に申し上げることができないのですけれども、今回こちらは第10版になっていまして、それ以前に9版の審議も食品安全委員会で当時していただいていたのですが、その際には親委員会で御審議いただいて、その後速やかに評価結果を頂けたということでした。以上です。
○頭金委員 分かりました。ありがとうございました。
○杉本部会長 ほかにございますか。よろしいですね。
 それでは、報告事項の2つ目に移りたいと思います。2つ目ですが、「既存添加物の安全性確認について」に関して、まず事務局より御説明をお願いいたします。
○事務局 よろしくお願いいたします。既存添加物の安全性の確認について、国立医薬品食品衛生研究所内に設置されております食品添加物安全性評価検討会から報告を頂きましたので、その報告書の部会における報告となっております。資料2-1から資料2-4に従って説明いたします。
 資料2-1を御覧ください。背景の説明からですが、平成7年以前に関しては、天然の添加物については指定を受けなくても使用できるようになっていたところ、平成7年の食品衛生法改正により、化学的合成品と同様に、天然添加物に関しても使用する場合には指定を要するとされました。ただ、その時点で使用されていた天然添加物を使用不可とするのでは、食品製造における支障が大きいということで、その時点で使用されていた天然添加物については、既存添加物名簿に収載し、引き続き使用できることとされております。この際に、既存添加物については、安全性の確認を行うこととされておりましたので、順次、安全性の確認を行っているというものです。
 平成8年度に厚生科学研究報告書が作成されており、その中で、その時点の全ての既存添加物について4つに分類しており、1つ目として「今後、新たな毒性試験の実施も含め、安全性について検討することが必要であるもの」、2つ目として「基原、製法、本質からみて、現段階において安全性の検討を早急に行う必要はないもの」、3つ目として「入手した試験成績の評価により、安全性の検討を早急に行う必要がないもの」、4つ目として「既に国際的な評価がなされており、基本的な安全性は確認されているもの」と、この4つに分類されておりました。
 今回、<1>の「今後、新たな毒性試験の実施も含め、安全性について検討することが必要であるもの」に分類されておりました残りの60品目のうち、調査研究によって情報が得られた1品目(ミルラ)、2番目の分類にありました107品目のうち、調査研究によって情報が得られた3品目(L-ヒドロキシプロリン、粉末モミガラ、ヘム鉄)について、食品添加物安全性評価検討会において検討された結果が報告されましたので、この場で報告しております。2ポツ目に評価結果の概要を記載しており、結果としましては、いずれの既存添加物においても、食品添加物としての使用に関しては安全性に懸念がないとされております。次の検討品目一覧に、参考情報として、令和3年度の食品添加物の安全性確保に資する研究、厚労科研の研究ですが、製造量に関する調査の結果を載せております。今後の取扱いとしましては、今回報告された4品目については、引き続き規格設定等を通じて安全性の確保に努めていくとしております。
 資料2-2と資料2-3が検討会から頂いた報告でして、これが報告の本体になっております。今回、令和2年度分の報告はまだできておりませんでしたので、2年度分の報告となっております。
 大筋の説明としては以上なのですが、既存添加物の安全性確認の現在の状況を資料2-4にまとめております。一番下のくくりは、真っ先に進めてきておりました「安全性の確認の迅速かつ効率的に行うことが求められるもの」でして、この中の現在残っている60品目のうちの未実施のものが3品目あり、そのうちの1品目、ミルラの報告を今回いたしました。
 2つ目のくくりの「基原、製法、本質からみて、現段階において安全性の検討を早急に行う必要はないもの」に分類されているものの107品目のうち未実施が61品目ありまして、そのうちの3品目について今回報告がありました。このような状況です。事務局からの説明は以上です。
○杉本部会長 ありがとうございます。本事項について、参考人として高橋先生に来ていただいていますが、参考人の高橋先生、何か補足説明はおありでしょうか。
○高橋参考人 国立医薬品食品衛生研究所毒性部の高橋です。概要については今の御説明のとおりでして、私から補足させていただきますと、安全性評価の資料の中のことになるのですが、L-ヒドロキシプロリン、粉末モミガラ、ヘム鉄、まずこちらから補足いたしますと、L-ヒドロキシプロリンについては、安全性試験、ラットの90日試験について、毒性の所に書いておりますが、腎臓への影響が出ております。ただ、これは毒性試験ですので、毒性が出ないと毒性試験として成り立たないので、こういう高い所まで投与しまして、その結果、ヒドロキシプロリンはシュウ酸に代謝されますので、それで腎臓への影響が出ているということでして、食品添加物として使用される分には十分なマージンはあります。
 あと、ヘム鉄についても、いろいろ毒性所見が見られておりますが、基本的にこれはヘム鉄だからということではなくて、鉄は体の中に吸収されるトランスポーターがありますが、排泄するものがないので、過剰に摂取した場合には体に蓄積していくということでありまして、その影響が出ているということで、食品添加物としての摂取量であれば問題はないということです。私からは以上です。
○杉本部会長 ありがとうございます。事務局と高橋先生の説明を踏まえて、委員の先生方から御質問などはおありでしょうか。よろしいですか。
 では、次ですが、報告事項3つ目です。「令和3年度マーケットバスケット方式による酸化防止剤、防かび剤等の摂取量調査の結果について」に関して、事務局より説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。資料3を御準備ください。令和3年度マーケットバスケット方式による酸化防止剤、防かび剤等の摂取量調査の結果について御説明をいたします。本マーケットバスケット調査は、毎年調査対象となる添加物を変えて実施しているものです。
 まず、調査の目的から御説明させていただきます。これまで、マーケットバスケット方式により、添加物の一日摂取量調査を実施し、指定添加物を中心に、我が国における食品添加物の摂取実態を明らかにする取組を行ってきております。令和3年度は表1にお示ししておりますような酸化防止剤、発色剤、防かび剤、製造用剤及び結着剤につきまして、20歳以上の喫食量に基づいて、一日摂取量調査を実施しました。
 具体的な方法について御説明いたします。まず、調査に参加した国立医薬品食品衛生研究所及び地方衛生研究所5機関において、加工食品を購入いたしまして、購入した加工食品を1~7群の食品群に分け、それぞれの群ごとに混合した試料を調製します。その6機関に東京、広島を加えた計8機関において、表1の調査対象物質について分析を行い、各混合群試料における含有量を測定し、これに各加工食品群の20歳以上の人の喫食量を乗じることで、各添加物の混合群推定一日摂取量を算出しました。
 こちらの調査とは別に、購入した食品のうち、調査対象添加物の表示がある食品については、食品ごとに試料を調製して分析を行い、個々の食品の喫食量を乗じて、加工食品群ごとに集計し、得られた結果に基づき、表示群推定一日摂取量を算出しております。これらを比較することによって、混合群推定一日摂取量と表示群推定一日摂取量との比較を行い、検証を行っています。
 続きまして、3ページ目以降の表を御確認ください。表2と表3について、見方の御説明からさせていただきます。まず、表2についてですが、一番左の列が調査対象の添加物となっており、左から1群の調味嗜好飲料から7群の果実類、野菜類、海草類までの群の名前が並んでおります。そして、一番右に総摂取量の値が示されています。また、各項目においては、 (混合群推定一日摂取量)/(表示群推定一日摂取量)というようにお示ししておりまして、例えばα-トコフェロールで言いますと、「0」という値が混合群の値で、「0.05」というのが表示群の値となっております。また、「-」については該当する食品がなかったことを示しており、「0」については定量限界未満だったことを示しています。
 表3についても見方から御説明させていただきますと、表2で算出した推定一日摂取量とJECFAや食品安全委員会のほうでそれぞれ設定しているADIあるいはMTDIと、その右にADIから算出した一人当たりの一日摂取許容量、一番右に推定一日摂取量と一人当たりの一日摂取許容量から算出した対ADI比をお示ししております。表の見方は以上になります。
 次に、結果について御説明させていただきます。まず、表2から混合群推定一日摂取量の値につきましては、酸化防止剤ではγ-トコフェロールが最も多く、7.4 mg/人/日で、最も高くなりました。次いで、α-トコフェロールが2.4 mg/人/日、トコフェロール以外については、ジブチルヒドロキシトルエンが0.007 mg/人/日でした。
 発色剤については、硝酸塩が19 mg/人/日、亜硝酸塩が0.19 mg/人/日でした。また、防かび剤については、ピリメタニルが最も高く、0.002 mg/人/日でして、次いでアゾキシストロビン及びチアベンダゾールが0.00002 mg/人/日でした。製造用剤のプロピレングリコールについては9.2 mg/人/日でした。結着剤のリン酸塩類は、オルトリン酸が226 mg/人/日、縮合リン酸が22 mg/人/日という結果でした。
 また、これらの結果から、表示群推定一日摂取量と混合群推定一日摂取量の比較を行った結果、α-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール及びオルトリン酸は、混合群のほうが値が高かったのですが、これらについては原材料由来を含むためであると考えられました。硝酸塩については、表示群の対象食品はなかったのですが、混合群のほうで検出がされておりまして、こちらも同じように原材料由来であろうと考えております。
 次に、ジブチルヒドロキシトルエンとプロピレングリコール、縮合リン酸については、混合群の値のほうが高かったのですが、これらは天然には存在しないものですので、キャリーオーバー等が原因であろうと考えております。
 そして、アゾキシストロビンとイマザリル、ジフェノコナゾール、チアベンダゾール、ピリメタニルは、表示群の対象食品はなかったのですが、混合群の1群、6群、7群から僅かに検出されております。これらについては、農薬としても残留基準値が定められているものですので、食品の原材料に由来する食品添加物のキャリーオーバー、若しくは農薬の残留が原因であると考えております。
 続きまして、表3の結果ですが、対ADI比につきましては、酸化防止剤ではα-トコフェロールが最も高く2.0%であり、次いでジブチルヒドロキシトルエンが0.04%でした。発色剤では、硝酸塩が8.7%で、亜硝酸塩が4.6%でした。防かび剤ではジフェノコナゾールとピリメタニルが高く、0.002%で、イマザリルが0.0006%でした。製造用剤のプロピレングリコールは0.62%でした。結着剤の総リン酸塩類の対MTDI比は6.0%となっています。これらの結果から、今回の調査対象物質については、推定一日摂種量がいずれもADIを大きく下回っていることが分かりました。
 続いて、資料の添加物含有量に年齢層別喫食量を乗じて算出した年齢層別の推定一日摂種量を表4にお示ししています。表4で算出した推定一日摂取量から、更に値を出した年齢別の対ADI比を表5にお示ししています。表4と表5の結果は、あくまで二十歳以上の人の喫食量を基に調製したサンプリングの結果から算出しておりますので、参考データにはないのですが、どの年齢層においてもADIを大きく下回っていることが分かりました。以上の結果から、これらの添加物については、安全上特段の問題はないものと考えております。資料3については以上です。
○杉本部会長 ありがとうございます。ただいまの説明について、委員の先生方から御質問等ありましたらお願いいたします。
○二村委員 二村です。すみません。質問させていただいてよろしいですか。
○杉本部会長 はい、お願いします。
○二村委員 ちょっと回線が弱いみたいなので音声だけで失礼いたします。そもそも、この調査の設計についての質問なのですが、御説明の初めに、毎年対象を変えて調査をするというお話がありました。私も毎年する必要はないとは思っているのですが、何年置きぐらいに調査できるようにしているとか、何かそういう長期的な調査の設計があるのか。何年ごとに酸化防止剤は調査をするとか、発色剤の調査をするとか、そういった設計があるのでしょうかという質問です。よろしくお願いします。
○事務局 御質問ありがとうございます。お答えとしては、4年おきにできるように設計をしています。今回は酸化防止剤等でしたが、例えば保存料の年であるとか、そういったカテゴリーごとでの組み合わせを決めていて、それを小児の年も含めて4年おきにできるようにしています。
○二村委員 どうもありがとうございます。定期的にこのように監視していただくことは非常に重要だと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○杉本部会長 ありがとうございます。多田委員、何か補足することはございますか。
○多田委員 特にございません。
○杉本部会長 では、事務局の説明どおりということで、ほかに御質問等ありますでしょうか。なさそうですね。ありがとうございます。
 本日、報告は以上ですが、部会委員の皆様から、今日の内容以外に御発言などおありでしょうか。ないようですので、次回の予定について、事務局より御説明をお願いします。
○事務局 次回の添加物部会につきましては、3月15日(水)の14時から開催の予定です。場所、議題につきましては、改めて御案内させていただきます。
○杉本部会長 今日はこれで終了ということでよろしいですね。これから大雪になるそうなので、皆さんも早めにお帰りになってくださいね。本日はどうもありがとうございます。また、次回もよろしくお願いいたします。