第143回先進医療技術審査部会 議事録

日時

令和4年12月15日(木)16:00~18:00

場所

日比谷国際ビルコンファレンススクエア「ホール8F」(オンライン)

出席者

北川座長代理、天野構成員、一家構成員、上村(尚)構成員、上村(夕)構成員、 掛江構成員、後藤構成員、坂井構成員、真田構成員、 戸高構成員、飛田構成員、平川構成員、平田構成員、松山構成員、 山本構成員、渡辺構成員

(事務局)
医政局研究開発政策課長
医政局研究開発政策課 治験推進室長
医政局研究開発政策課 課長補佐
保険局医療課 先進・再生医療開発戦略専門官
医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 審査調整官

議題

1.総括報告書の評価について
2.先進医療の継続の可否について
3.試験実施計画の変更について
4.協力医療機関の追加について
5.その他

議事

 

○医政局研究開発政策課長補佐
 本日は竹内座長が御欠席のため、北川座長代理にオンラインにて御進行をお願いしております。現時点での出席者は16名です。それでは、北川座長代理、よろしくお願いいたします。
 
○北川座長代理
 定刻となりましたので、第143回先進医療技術審査部会を開催いたします。御多用の折、皆様にはお集まりいただき、誠にありがとうございます。本日はオンラインでの開催となります。本日の構成員の出欠状況ですが、竹内勤座長、伊藤陽一構成員より御欠席の連絡を頂いております。本日は18名の構成員のうち、16名の構成員にWeb上でお集まりいただいていることから、本会議は成立していることを申し添えます。それでは事務局から、配布資料と本日の審査案件の確認をよろしくお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 よろしくお願いいたします。傍聴者の方の撮影はここまでとさせていただきます。御協力のほどよろしくお願い申し上げます。配付資料の確認をいたします。議事次第、座席表、開催要綱及び運営細則、構成員及び技術専門委員名簿と続きます。続いて、総括報告書の評価について、資料1-1~1-3。先進医療の継続の可否について、資料2。試験実施計画の変更について、資料3~資料4。協力医療機関の追加について、資料5-1及び5-2。令和4年度先進医療技術の実績報告等について、資料6。先進医療B総括報告書及び観察研究報告書提出状況一覧、資料7-1及び7-2。先進医療合同会議の審議結果について、資料8です。会議資料の最終ページは107ページとなります。お手元の資料に乱丁、落丁等ありましたら、事務局までお知らせください。
 続いて、利益相反の確認です。申請医療機関との関係、対象となる企業又は競合企業について、事務局から事前に確認させていただいております。今回、告示番号旧5の技術、千葉大学医学部附属病院からの総括報告に関して、後藤構成員におかれましては、自施設からの申請ということで、審議の際は一時御退席いただければと存じます。事前の届け出以外に、もし何らかの利益相反がありましたら、この場で御報告をお願いいたします。それでは該当なしということで、承知いたしました。
 また、今回は資料を事前にメールでお送りしております。会議資料と区別して、構成員・事務局限りの届出書類等をタブレット資料と御案内します。なお、会議資料とタブレット資料の内容は異なっておりますので、発言者は会議資料の何ページ又はタブレット資料の何ページと、あらかじめ御発言を頂けますと議事の進行上助かります。
 本日はオンラインでの開催となり、構成員の先生方には大変御不便をおかけいたします。御発言いただく際には、はじめにお名前をおっしゃっていただくようにお願いいたします。その他、途中で接続トラブル等ありましたらお知らせいただきますようお願いいたします。また、Web会議ソフトには手挙げ機能が付いておりますので、そちらも適宜御活用いただければと存じます。以上です。
 
○北川座長代理
 それでは議事に入ります。「総括報告書の評価結果」について、事務局から御説明をよろしくお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 資料1-1の13ページを御覧ください。先進医療Bの総括報告書に関する評価を頂くのは、告示番号旧5、「NKT細胞を用いた免疫療法」です。申請医療機関は、千葉大学医学部附属病院です。審査担当構成員は、主担当が松山構成員、副担当が平川構成員となっております。なお、冒頭に申し上げたとおりですが、後藤構成員におかれましては御所属の医療機関との関係で、本議題の審議に際し御退席いただきたく存じます。御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 
(後藤構成員 退席)
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 それでは資料に沿って説明いたします。末梢血単核球由来の培養樹状細胞にNKT細胞特異的リガンドを提示させて鼻粘膜に投与することで、Ⅳ期頭頸部扁平上皮癌初回治療後完全奏効例の微小転移巣において内在性NKT細胞を活性化させ、抗腫瘍効果を得ることを狙った新規の免疫細胞治療は、低侵襲で免疫全体を賦活化し、再発を抑制し生存期間を延長できる画期的な治療と考えられる。本研究はⅣ期頭頸部扁平上皮癌初回治療後CR例に対して、α-ガラクトシルセラミド(αGal-Cer) パルス樹状細胞のアジュバント療法としての有効性を、非処理樹状細胞投与を対照とした二重盲検比較試験から明らかにすることが目的である。主要評価項目は無再発生存期間、副次評価項目は、安全性評価基準として、有害事象頻度と重篤度、有効性評価基準として、2年無再発生存率、2年全生存率、末梢血NKT細胞特異的免疫反応の評価。目標症例数は66例で、登録症例数は23例でした。以上です。
 
○北川座長代理
 それでは本技術の評価について、主担当の松山構成員より御説明をお願いいたします。
 
○松山構成員
 先進医療名が、NKT細胞を用いた免疫療法とされていますが、NKT細胞を投与しているわけではなく、生体内のNKT細胞を活性化するためにα-ガラクトシルセラミドをローディング、負荷した樹状細胞を体内に投与しているということで、そこをまず御理解した上でお話をお聞きいただければと思います。
 まず、有効性の評価結果ですが、統計学的考察により予定した組入数66例に対して23例の段階で止まっており、実は統計的に有意差は出ておりません。安全性の評価に関してはGrade1か2がほとんどで、1例のみGrade5の間質性肺炎が認められました。総括報告書を見させていただきましたが、これは無関係ではないかと想定されます。千葉大学ではこの観点を由々しき事態と受け止め、新しいエンロールを休止されて23例となったというところです。
 有効性の部分からですが、今回は目標症例数に達することができてなく、当該技術に関して、その有効性を評価することは困難であったという形で結論といたしました。一方、安全性に関しては、先ほどもありましたように、有害事象の多くはGrade1かGrade2で、1例のみ発症した間質性肺炎も、どうしても頭頸部癌に関しては誤嚥性肺炎によるARDSであったり、あるいは間質性肺炎はよくあることですので、本研究に起因する可能性はかなり低いということで、余り問題ないという形で評価しております。
 一方で、技術的成熟度に関しては、Bの「当該分野を専門とし、数多くの経験を積んだ医師又は医師の指導の下であれば実施できる」といたしました。この理由に関しては、細胞治療に関しては未だ発展途上にある医療技術であって、投与後に患者さんの有害事象のシグナルが、やはり専門の医師でなければなかなか見いだせないのではないかということで、Bといたしました。
 総合的なコメントですが、αGal-Cer刺激樹状(DC)細胞は、NKT細胞を活性化することで抗がん作用を発揮すると期待されています。血中NKT細胞数(濃度)と本医療技術の相関性の検討、例えば、もともと血中のNKTが高い人では比較的有効性が見えるのではないか。あるいは血中NKTが低い場合は本治療法でもエフェクトはないだろうと。もし相関性が検討できているのであれば、今後NKT細胞数が低い患者にαGal-Cer刺激DC細胞とNKT細胞の併用療法を行うという説明も非常に合理的だと思っています。総括報告書では、今後はこの方向ではないかと記載されております。
 今後併用療法を立案する場合、一体どんなタイミングでDC細胞とNKT細胞をコンビネーションで投与していくのか、細胞数はどうなのか、どのタイミングで投与するのか、どちらが先に投与するのか等、まだまだ分からないところがありますので、堅固なrationaleを基盤として、被験者の選定等を進めていただきたいと考えました。
 薬事承認に伴う助言です。本先進医療の資料をもって薬事承認につながることはありません。しかしながら、NKT細胞との併用療法の開発において、安全性の観点からαGal-Cer刺激自己樹状細胞の臨床データは非常に貴重であり、参考資料としての活用も考慮していただきたいと思います。以上です。ありがとうございます。
 
○北川座長代理
 松山構成員、ありがとうございました。続いて、副担当の平川構成員より、評価をお願いいたします。
 
○平川構成員
 東京医科歯科大学の平川です。よろしくお願いいたします。私からの評価を報告いたします。こちらに記載されているとおり、本試験の主目的は無再発生存期間を主要評価項目として、試験治療の対照治療に対する優越性を検証することでした。それについて、目標症例数の設定根拠ですが、2年無再発生存率の期待値と閾値をそれぞれ65%、35%と仮定し、検出力80%、有意水準両側5%で、登録期間5年、追跡期間2年で、1群当たり33例必要と算出され、試験が開始されております。しかしながら、先ほど松山先生からも御指摘がありましたとおり、この試験は途中で中止しているということになります。
 総括報告書には、Grade5の有害事象を発現したことが契機となって、コロナ禍もあっていろいろディスカッションが続き、結果として、そのまま試験が中止されたということになります。したがって、目標症例数に未達の試験ですので、統計解析自体は一通りのことがされておりますが、そこから得られるP値や各統計量に関しては、適切な解釈が与えられない。特に目標症例数未達になりますので、必要な検出力が確保されていないということですので、これらの結果から適切な解釈を与えることは困難ということで、E.その他という判断をさせていただきました。
 続いて、安全性です。こちらに関しても、試験治療群の投与例数は、統計解析上は13例となり、有害事象の発現は13分の4例で30.8%になります。対照群のほうは9分の5例で55.6%となっております。いずれにしても目標症例数に未達の状態で、なかなかこれらのimmatureなデータから安全性に関する十分な考察を与えることは難しいと判断し、安全性に関しても、その他のDと判定させていただきました。
 最後に技術的成熟度ですが、こちらは私の専門外ということもありますので、主担当の松山先生に判断を委ねさせていただきたいと思います。以上です。
○北川座長代理 平川構成員、ありがとうございました。それでは平川構成員のコメントを踏まえて、松山構成員から何か追加はありますか。
 
○松山構成員
 しっかり見ていただいてありがとうございます。しっかりと検討されてリスクが高いと判断された千葉大学病院の判断は、正にリスペクトしております。結果的に症例数が集まらなかったということですが、やはり再生医療等の臨床研究は非常に貴重なデータですので、しっかりとレビューしていただいて次の治験、あるいは臨床研究にいかしていただければと思います。ありがとうございました。
 
○北川座長代理
 ありがとうございます。ただいまの松山構成員、平川構成員の御説明について、何か構成員の皆様から御質問、コメント等はありますか。天野構成員、どうぞ。
 
○天野構成員
 御説明ありがとうございました。2点質問があります。1点目は既に御説明いただいていますが、改めて念のため確認です。安全性の部分についてタブレット資料には、残念ながら肺炎で亡くなられてしまった患者さんの詳細な病歴の記載、症例の経過及び転帰についての記載があります。これを踏まえて、本件先進医療との因果関係は恐らくないであろうと判断されている理由について、改めて教えていただきたいのが1点です。
 2点目は、本件先進医療は残念ながら途中で中止になってしまっているわけで、有効性、安全性の評価は不十分なままになっているかと思うのです。ほかに先進医療、若しくは臨床試験等で、本件技術について試験が走っているのかについて、もし分かれば教えていただきたい、この2点です。以上です。
 
○北川座長代理
 それでは、松山構成員からお答えいただけますか。
 
○松山構成員
 安全性に関してはタブレット資料にも格納されておりますが、しっかりと剖検までされておられました。もともと頭頸部癌に関しては、かなり誤嚥性の肺炎が多く、このような間質性肺炎というものがベースで発生しうるものだという前提があります。加えて、DC細胞自身は投与されたとしても、免疫を抑えるとか、誤嚥をより多くさせてしまうというような有害事象はPubMed上を検索しましたが認められませんでしたし、彼らが言っているように、直接的には関係はないであろうという判断です。
 同じような研究に関してですが、αGal-CerのDCに関しては、同じく千葉大学で肺癌に対しての研究が本橋先生を中心に行われていて、それについても残念ながら微妙に有効性は出なかったのだけれども、その傾向はあったということ。加えて、そちらではNKT細胞の血中濃度が高い患者さんの場合には非常によかったというようなデータがあります。それで、今回この試験でもそのデータを取っていればよかったのにというところで、残念だったというところがあります。
 そのほか、NKT細胞そのものを投与するという治験が、現在iPS由来のNKTを使って、千葉大と理研の古関先生のチームで走っています。今後NKTだけではなくて、αGal-Cerとコンビネーションで、要は抗がん免疫を活性化するシステムの導入という形での臨床研究をお考えになっているという状況です。
 
○天野構成員
 よく分かりました。ありがとうございました。
 
○北川座長代理
 明確な御説明をありがとうございました。ほかに御意見、御質問はありますか。
 
○渡辺構成員
 医師会の渡辺です。松山先生にお聞きしたいのですが、先ほど総合的なコメントの所で、今後計画する併用療法に関して投与の手順や細胞数などいろいろな組み合わせを考えられるが、被験者の選定を進めていただきたいと助言されたかと思います。今回のプロトコールで対象者が23例と集まらなかったことに対して、先生が被験者の選定を進めていただきたいとおっしゃった意味というのは、具体的にどういう方を対象として進めることを想定されてアドバイスをされたかをお教えいただければと思います。
 
○松山構成員
 少し説明が丁寧でなくて申し訳ありません。次にαGal-CerのDC細胞とNKTの併用をする場合には、このような形でしっかりとした理論的な根拠をもって被験者の選定を進めていただきたいということです。一般的に、がん免疫療法に関しては有効性が全く認められていないにもかかわらず、広く再生医療等安全性確保法の下で、第三種再生医療等提供計画として行われているということが、医療として正しいのかどうかという議論があるという問題意識は、私自身、まずもっております。
 やはり、患者さんはターミナルフェーズになればなるほど何かにすがりたくなって、有効性が科学的合理的に証明されていないものでもしがみついてしまうと。これは、医師として正しい行為ではないと私は信じているのです。そういう基盤の中で、堅固なrationaleというのは、組み合わせれば必ず効くのではないかという推測ではなくて、どのようなタイミングで、どのぐらいの細胞を投与することによって、どう反応していくのか。もうちょっとしっかりと動物実験やin vitro、試験管の中のデータというものを見た上で、被験者が例えばNKT細胞が少ない患者さんに関してはαGal-CerのDC細胞を多くするとか。あるいはNKT細胞がもともと多い人であればiPSによるNKT細胞を投与するのは余り合理的でないわけですし。そういうことをしっかりとお考えいただきたいという形で、応援も含めましたし、もう少ししっかり深掘りをしてほしいというメッセージでお伝えしたところです。渡辺先生、どうもありがとうございます。
 
○渡辺構成員
 よく分かりました。ありがとうございました。
 
○北川座長代理
 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは告示番号旧5については、ただいま御審議いただいた結果を取りまとめて、先進医療会議に報告いたします。後藤構成員には、会議にお戻りいただくことにいたします。
 
(後藤構成員 入室)
 
○北川座長代理
 続いて、「先進医療Bの継続の可否に関わる審議結果の報告」について、事務局から御説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 それでは御説明いたします。資料2の25ページを御覧ください。東京都立小児総合医療センターからの申請で、告示番号50、腫瘍治療電場療法です。本技術は、本申請医療機関が臨床実績の効率化要件に該当するため、使用実績のない状態で申請され、承認・告示されたものです。
 適応症は、膠芽腫(当該疾病が発症した時点における年齢が18歳未満の患者に係るものであって、テント上に位置するものに限る。)です。
 研究の概要として、NovoTTF-100Aシステムは、非侵襲的なInsulated electrode(INE)トランスデューサーアレイを用いて、脳内で腫瘍治療電場(Tumor Treating Fields、TTフィールド)と呼ばれる交流電場を形成することを目的とした医療機器である。腫瘍治療電場療法では、電荷を帯びた腫瘍成分に物理的影響を及ぼす低強度の交流電場を脳内で発生させ、腫瘍細胞にみられる急速な細胞分裂を阻害して細胞死を誘導することで、腫瘍細胞の成長を抑制する。
 本試験では、成人膠芽腫に対して適応を有するNovoTTF-100Aについて、小児患者における安全性及び有効性を評価し、同機器の適応年齢の拡大に資することを目的とする。治療としては、臨床上必要な外科手術・放射線治療の完了後にNovoTTF-100A治療を開始し、定められた中止基準に抵触しない限り、最大2年間治療を継続する、とあります。
 26ページに移り、これらの試験ですが、2021年4月に試験が開始されており、令和4年11月時点で3例の症例が登録されております。継続の可否の評価に必要な評価項目については、実施医療機関で、本試験は同治療の経験がなくても先進医療を行い得る「保険外併用療療に関する特例」医療機関である東京都立小児総合医療センター単施設で開始する。最初の3症例の第1コースの安全性データが集積された時点で新規症例登録を一旦中止し、安全性と実行可能性に関する中間解析を実施する。3例において重篤な副作用(因果関係のある重篤な有害事象または重篤な結果をもたらした不具合)の発生が認められなかった場合に早期安全性が確認されたと考え、3例すべてにおいて1日平均18時間以上の治療実施が可能だった際に実行可能性が確保されたと考える。これらの結果について、効果・安全性評価委員会の評価を経て、先進医療技術審査部会へ報告するとともに、多施設共同臨床試験としての継続を併せて申請し、承認が得られた後に症例登録を再開することとされている、とあります。
 継続の可否に係る独立した委員会の審議結果として、研究代表医師によると、重篤な副作用(因果関係のある重篤な有害事象または重篤な結果をもたらした不具合)の発生は認められず、早期安全性が確認され、実施可能性については、1例第1コースのみ、使用時間率が53%と、1日平均18時間(75%)の基準には未達であったが、アレイ配置の修正により第2コースは基準を達成し、その他2症例は基準を達成したため、実行可能性は確保されている、との報告を受けて、効果安全性評価委員会が開催された。当該研究の中間段階(最初の3例)での安全性の評価の審議の結果、研究の継続が勧告された。
その結果を受けて、申請時の主担当である山口先生が御退任済みのため、主担当として坂井構成員、申請時の生物統計家として飛田構成員によってメール稟議により御審議いただいた結果、先進医療継続可との評価を得たため、新規症例登録が再開された。以上、御報告です。
 
○北川座長代理
 ありがとうございました。今の御報告について、よろしいでしょうか。それでは、告示番号50については、ただいま御報告いただきましたとおり試験を継続いただきたいと思います。
 続いて、試験実施計画の変更について、事務局から御説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。今回、試験計画等の変更申請が2件提出されております。資料3、29ページを御覧ください。国立がん研究センター中央病院からの申請で、告示番号58、ラメルテオン経口投与療法です。適応症は、悪性腫瘍(65歳以上の患者に係るものに限る。)です。
 御審議いただく主な変更内容について、30ページを御覧ください。主な変更内容として、1.除外基準(新薬を用いた治験や臨床試験に参加した患者)について、プロトコール治療中の患者は除外し、観察期間にある患者を登録可能であることを明記した。2.セカンダリーエンドポイントの「術後5日間の転倒転落・点滴および気管挿管の自己抜去・身体拘束の発生割合」について、ドレーンや経鼻胃管などすべてのtube類を対象とすることを明示した。3.併用禁止薬の禁止期間を明示した。4.NuDESCの評価対象と対象期間を明示した。5.手術延期例・手術中止例を有効性の解析に含めないことを明示した。6.消化管手術の有無、鏡視下手術の有無別の解析を行うことを追記した。
 変更申請する理由として、1から5については2022年4月1日より患者登録を開始し、研究を行っていく中で、明確に定義されていなかった項目について追記を行った。6については、先進医療合同会議で御指摘いただいた点について追記を行った。以上です。
 
○北川座長代理
 ただいまの試験実施計画の変更について、何か御意見はありますか。よろしいでしょうか。それでは、告示番号58の変更についてお認めすることとします。
 続いて、次の「試験実施計画変更」について、事務局から御説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。資料4、31ページを御覧ください。順天堂大学医学部附属順天堂医院からの申請で、告示番号67、自家濃縮骨髄液局所注入療法です。適応症は、特発性大腿骨頭壊死症(非圧潰病期に限る。)です。
 御審議いただく主な変更内容について、33ページを御覧ください。主な変更内容としまして、先進医療実施届出書 様式第9号について以下の3点を変更する。1.実施責任医師の要件のうち、「当該技術の経験症例数」に関して、ここでの「当該技術」には、ガイドラインに掲載され、本先進医療と同様に骨髄細胞を用いて大腿骨頭に細胞移植を行う類似技術を含むものとする。2.実施責任医師の要件のうち、「当該技術の経験症例数」に関して、「実施者[術者]の経験は不要で、助手として2例以上の経験を要する」としているが、この「助手」には実施者[術者]としての経験を含むものとする。3.医療機関の要件のうち、「当直体制」に関して、「整形外科当直を必要とする」としているが、「整形外科当直、もしくは集中治療室対応が可能な当直体制の上で、整形外科医のオンコール体制」とする。
 以下の変更、提出を行う。4.人事に伴う変更、監査を行うことに確定したための記載整備、その他金額など誤記修正、承認された先進医療実施届出書に合わせるための記載整備。標準手順書(効果安全性委員会)の提出。
 変更申請する理由としまして、本先進医療技術の安全性を確保しつつ、普及性を確保する観点から、以下の3つの理由を元に先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件の再検討を行った。1.ガイドラインに掲載されている類似技術は、本先進医療技術とは呼称が若干異なるものの、骨髄液を大腿骨頭に移植するといった実質的には同じ手技を行う医療技術であり、そのような類似技術を経験していれば、実施責任医師の要件を十分に満たすと考えたため。2.実施者[術者]としての経験を有すれば助手以上の経験を持つこととなり、実施責任医師の要件を十分に満たすと考えたため。3.集中治療室対応が可能な当直体制の上で、整形外科医のオンコール体制が確立していれば、夜間の緊急的な対応が可能と考えたため。
 その他以下のとおり。4.軽微変更を反映した。標準手順書(効果安全性委員会)を提出した。以上です。
 
○北川座長代理
 ありがとうございます。この変更内容について、何か御意見、御質問はありますか。比較的理解しやすい変更であったかと思います。それでは、告示番号67の変更については、お認めすることとします。
 続いて、「先進医療Bの協力医療機関の追加」について、事務局から御説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 事務局でございます。資料5-1、35ページを御覧ください。告示番号56について1件、告示番号60について4件、告示番号67について1件の協力医療機関の追加申請がありました。
 資料5-2、37ページ以降を御覧ください。事務局において先進医療を実施可能とする保険医療機関の要件、様式第9号を満たしていることを確認いたしました。協力医療機関の追加として御了承いただきたく存じます。
 
○北川座長代理
 これは事務局のほうで要件をしっかり確認してくださったということでございますけれども、よろしゅうございますでしょうか。それでは事務局のほうで手続を進めていただきたいと思います。
 続きまして、「令和4年度先進医療技術の実績報告等」について、事務局から御説明をお願いいたします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。資料6、43ページを御覧ください。令和4年12月8日開催の第117回先進医療会議におきまして、令和4年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告がなされましたので、部会でも報告させていただきます。
 まず、資料6,43ページの資料にあるとおり、先進医療Bについて、技術数は57種類、実施医療機関が179施設、費用については保険外併用療養費が約7.3億円、先進医療費用の総額が約5.7億円となっております。44ページ(資料6)を御覧ください。過去1年間の先進医療A及び先進医療Bの技術数の増減を示した表となっております。先進医療Bについて新規の承認技術数は10種類となっております。また、45ページ(資料6)は過去5年間の実施医療機関数や金額等の実績を示した表となっております。
 46ページ(資料6)からは各先進医療Bの技術の費用等をお示ししておりまして、49ページ(資料6)からは各先進医療Bの登録症例数及び年間実施件数等をお示ししております。また、52ページ(資料6)からは1年間の実施件数が0件であった先進医療技術のリストと0件の理由及び今後の対応方針を申請医療機関に報告していただいた結果をまとめた資料となっております。事務局からは以上でございます。
 
○北川座長代理
 ありがとうございました。この御報告について御意見、御質問等ございますか。よろしいでしょうか。1年間のまとめということで御覧いただければと思います。
 それでは、次に「先進医療B総括報告書提出状況一覧」及び「先進医療B観察研究報告書提出状況一覧」について、事務局から御説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。資料7-1、57ページを御覧ください。こちらの表は平成24年度以降に告示されており、第142回の先進医療技術審査部会までに取下げが審議された先進医療B技術について、令和4年12月1日現在の総括報告書の提出状況を示した一覧表です。
表の一番左側の数字が平成24年の告示番号です。こちらが42番よりも下の技術については総括報告書の提出が義務付けられた試験となっております。総括報告書の提出状況については表の右から2番目に項目がありまして、既に提出済みのものについては「済」と記載しておりますので御参照ください。既に多くの試験において告示削除後に総括報告書を御提出いただいていることを確認しております。また、未提出の試験については、事務局より提出に関して適宜リマインドを行っているところです。
 資料7-2、63ページを御覧ください。こちらは告示削除に当たって副次評価項目などの長期観察が必要な事項について、観察研究を実施してその結果を部会に御報告いただくこと、となっている試験のリストをお示ししております。今回お示しした報告書等について、今後も毎年更新して御報告させていただきたく存じます。以上でございます。
 
○北川座長代理
 ありがとうございます。本件について御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。天野構成員、どうぞ。
 
○天野構成員
 すみません、改めて念のための確認ですが、42番より番号が若いものについては、例えば提出がないものについては、今後出てくる可能性はないという理解でよろしいのでしょうか。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 事務局でございます。実は、義務がなくても提出されているということはございまして、ただ、出てこなくても、事務局としては義務ではないというような整理をしているという御理解でよいかと存じます。
 
○天野構成員
 例えば、表の右から2つ目の金沢大の経皮的骨形成術とか、もう告示削除されてから10年以上たっていて提出がないということは、出てくる可能性はほぼないという理解で整理しているということでしょうか。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 事務局でございます。御指摘、ありがとうございます。こちらにつきましても、提出の義務はないというような御理解でよいかと存じます。
 
○天野構成員
 特にリマインドとかもしていないような感じですかね、これは。義務はないということなので。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 ご指摘ありがとうございます。事務局からは提出義務のないものに関しては、リマインド等はいたしておりません。その御理解でよいかと存じます。
 
○天野構成員
 では、していないということですね。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 その御理解でよいかと存じます。
 
○天野構成員
 分かりました。義務はないというのは承知しましたが、やはり参加された患者さんがいらっしゃるものもあるかと思うので、できれば出していただきたいと個人的には思う次第です。以上です。
 
○北川座長代理
 松山構成員、いかがでしょうか。
 
○松山構成員
 ありがとうございます。見ていると臨床中核病院でも出していない所があるのです。これが臨床中核病院として適切であるかという議論があって、研究としては義務化されていなかったかどうかというのがあるのですが、例えば、先進医療等の評価に対して何パーセント以上の総括報告数の提出率というものを臨床中核病院には求めるというようなことがあり得るのだろうと。この部分はなぜそう言っているかと言うと、効果が出ていなかったから実は出てこないという可能性もあるわけで、もしそれであれば、効果があるかどうか再度確かめるために無駄な臨床研究が行われる可能性がある。加えて、御参加いただいた患者さんの御厚意というものを無駄にしているということになるので、その分は御配慮されたほうがいいのではないかと考えた次第です。以上です。
 
○北川座長代理
 この「無」の部分、これに関して今、天野構成員や松山構成員からそういった御指摘がありましたけれども、事務局、これはいかがでしょうか。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 御指摘ありがとうございます。検討させていただきます。
 
○北川座長代理
 参加された患者さんにとっても、それから、こうした類似の研究をやるに当たっても、こうした報告書がないと、今までのデータとしていかされないという問題点の御指摘、ありがとうございました。後藤構成員、いかがでしょうか。
 
○後藤構成員
 今のと同じようなことなのですが、厚生労働省に提出がなくても、患者さんにはきちんと、こういうことで取り下げたとか、何らかの報告がされているかどうか、厚生労働省のほうで確認は。提出がないと確認はできないのかと思うのですけれども、そういう何か行うということというのは、今まではないし、これからもないという理解でよろしいのでしょうか。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 事務局でございます。御指摘ありがとうございます。そういった観点から、法令上、左端にある42回以降に関しては、義務というような形になっておりますので、現時点では42回以降に関してはそのような取り扱いをさせていただいている状況でございます。以上でございます。
 
○北川座長代理
 分かりました。42回以前は法令上縛りがないというところで、ただし、構成員の皆様からは、「極力そういったものは情報開示してほしい」という御意見でございました。ほかによろしいですか。重要な御指摘だと思いますが。事務局のほうで、少しこの御指摘を踏まえて検討していただければと思います。よろしいでしょうか。貴重な御意見をありがとうございます。
 それでは、続きまして「先進医療合同会議の審議結果」について、事務局から御説明をお願いいたします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 御説明いたします。資料8、65ページを御覧ください。令和4年12月8日に行われた先進医療合同会議におきまして、1件の先進医療B技術について審議が行われ、「適」の御評価を頂いております。技術名は抗菌薬併用腸内細菌叢移植療法(A-FMT療法)、申請医療機関は順天堂大学医学部附属順天堂医院です。審査の主担当として上村尚人構成員、副担当として一家構成員、上村夕香理構成員に御担当いただきました。
 事前評価結果では、先進医療技術審査部会が「適」、先進医療会議が「条件付き適」の評価でした。審議の結果、いずれも「適」との評価となりました。今回御評価いただき、また、先進医療合同会議に出席いただいた先生方におかれましては、御協力いただき、大変ありがとうございました。御報告は以上でございます。
 
○北川座長代理
 はい、ありがとうございました。本件についてコメント、御質問等ございますか。一家構成員、上村両構成員、御尽力いただきました審議結果でございます。よろしいでしょうか。
 それでは、次に「その他」ということで、事務局からお願いいたします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 それでは御説明いたします。資料7-2、63ページ、先進医療B観察研究報告書提出状況一覧にも記載いたしましたが、このたび、告示番号旧3、「経胎盤的抗不整脈薬投与療法」について、申請医療機関である、国立循環器病研究センターから観察研究報告書が提出されましたので御報告申し上げます。
 こちらにつきましてはタブレット資料、「その他」、668ページ以降に、非公開資料としてお示ししておりますので御確認ください。以上でございます。
 
○北川座長代理
 ありがとうございました。本件につきまして御意見、御質問等ございますか。よろしゅうございますか。
 それでは、本日用意した議題は以上ですね、事務局の方。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 はい。
 
○北川座長代理
 構成員の皆様から、全体を通して何か御意見、御質問等はございますでしょうか。よろしゅうございますか。先ほどの総括報告につきましては、貴重な御意見を賜りましたので検討したいというように思っております。
 ないようでしたら、次回の日程等を、事務局から御説明をお願いします。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 次回は、令和5年1月12日(木)の開催とさせていただきます。時間は16時から18時までの予定で、詳細につきましては別途御連絡申し上げます。
 また、本日の議事録については、作成次第、構成員の皆様に御確認をお願いし、その後、公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 
○北川座長代理
 それでは、本日はお忙しい中、御参画いただきましてありがとうございました。第143回先進医療技術審査部会をこれで終了させていただきます。
 
○医政局研究開発政策課長補佐
 ありがとうございました。