第9回小児がん拠点病院の指定に関する検討会(議事録)

健康局がん・疾病対策課

日時

令和4年12月22日(木) 13:00~16:00

場所

オンライン開催

議題

  1. (1)座長の選任について(公開)
  2. (2)病院からのヒアリング(非公開)
  3. (3)小児がん拠点病院の選定について(公開)
  4. (4)その他(公開)

議事

議事内容
○原澤がん対策推進官 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「小児がん拠点病院の指定に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。事務局を務めさせていただきます健康局がん・疾病対策課がん対策推進官の原澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。座長が選任されるまでの間、進行を務めさせていただきます。
 それでは、まず初めに、構成員の御紹介をさせていただきます。五十音順で御紹介させていただきます。
 石原淳構成員。
 浦尻みゆき構成員。
 小川千登世構成員。
 小野滋構成員。
 小俣智子構成員。
 河野英明構成員。
 西川亮構成員。
 舛本大輔構成員。
 松本公一構成員。
 渡辺弘司構成員。
 以上の構成員の皆様となってございます。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。公開資料といたしまして、
 資料1「小児がん拠点病院の指定に関する検討会開催要綱」
 資料2「小児がん拠点病院の選定の方針について」
 参考資料1「小児がん拠点病院等の整備について」がございますので、御確認ください。
 資料の不足等ございましたら、事務局までお申し出ください。
 ここまでで画面の撮影等は終了とさせていただきますので、これ以降の映像等の御使用については、お控えいただくように御協力をお願い申し上げます。
 それでは、続きまして、座長の選任に移りたいと思います。資料1の開催要綱にございますとおり、本検討会につきましては、構成員の皆様の互選により座長を置くこととされてございますので、座長の御推薦がございましたらお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 お手が挙がっておりますので、小俣構成員、よろしくお願い申し上げます。
○小俣構成員 武蔵野大学の小俣でございます。
 今回の座長に関しまして、小児がん拠点病院の指定要件に大変詳しい松本公一先生に座長をお願いしたく思います。
○原澤がん対策推進官 小俣構成員、ありがとうございます。
 そのほか、特段ございませんでしょうか。
 それでは、御提案の内容を踏まえまして、松本構成員に座長をお願いするということでよろしいでしょうか。皆様、いかがでございましょう。
(構成員首肯)
○原澤がん対策推進官 それでは、松本構成員におかれましては、座長席に御移動の上、一言御挨拶をお願い申し上げます。松本構成員、よろしくお願いいたします。
○松本座長 本日は、皆様、年末のお忙しい時間にお集まりいただきまして、ありがとうございます。そしてまた、採点におかれましては、皆様、本当に多大なる御尽力をいただきまして、ありがとうございます。
 本日で来年度以降の小児がん拠点病院が決まることになります。全国の小児がんの患者さんたちのために、これからの拠点病院を決めていただけましたらと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○原澤がん対策推進官 松本座長、ありがとうございました。
 それでは、この後の議事の進行につきましては、松本座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○松本座長 それでは、引き続き議事を進めさせていただきたいと思います。
 まず、事務局より、資料の説明をお願いいたします。
○原澤がん対策推進官 事務局でございます。
 資料2「小児がん拠点病院の選定の方針について」を御覧いただければと思います。
 1枚お進みいただいて、2ページ目を御覧ください。小児がん対策のこれまでの経緯という資料でございますが、直近の赤字になっているところを御覧いただければと思います。現在、小児がん拠点病院については15施設が選定されているという状況でございます。そして、令和4年8月に小児がん拠点病院等の整備に関する指針を改定いたしましたので、改定した指針に基づき、改めて小児がん拠点病院の選定をしたいというのが今般の検討会の目的でございます。
 1枚お進みいただいて、3ページ目でございます。現在の指定されている拠点病院の一覧を日本地図に示したものがこちらでございますので、御確認ください。
 続いて、4ページ目を御覧いただければと思います。小児がん拠点病院等の全体像ということで、先生方、既に詳しく御承知いただいていると思いますが、日本における小児がん医療をけん引する施設として小児がん中央機関というものを選定するということ。また、小児がん拠点病院についても、各地域ブロックのところに拠点病院を設定し、そこと連携する病院を小児がん連携病院という形で地域ブロック協議会において指定するという形になります。
 続いて、5ページ目でございます。今回の指定要件の見直しのポイントについて、簡単に御紹介させていただきます。
 一番上から、拠点病院・中央機関の役割の明確化ということで、拠点病院は、引き続き地域ブロック内の小児がん診療体制の整備を牽引していただくということと、小児がん中央機関については、人材育成や研究開発、中央病理診断などについても、国内全体の体制整備を行うということで整理しています。
 続いて、適切な集約化に向けた連携病院の類型の見直しということも実施しておりますので、御参照いただければと思います。
 続いて、長期フォローアップや相談支援についてということで、そういった長期フォローアップに関連する適切な連携体制の整備や検討。また、がん・生殖医療を含む小児・AYA世代の相談支援の強化といったことも、機能の中に位置づけているところでございます。
 また、一番下の指定のあり方についてということで、こちらは、引き続き拠点病院については、コンペティションで優れた病院を指定するといった形で方針を定めていただいているところでございます。
 続いて、6ページ目でございます。小児がん拠点病院の要件の概要でございますが、先生方、お目通しいただいているかと思いますので、詳細については割愛させていただこうと思います。
 拠点病院の役割は、御覧いただいているところで、要件についてはマル1からマル11まで項目を設けてございますので、今回の指定に関する検討会の議論や評価に当たっても、こちらを参照していただいていると理解してございます。
 続いて、7ページ目でございます。小児がん拠点病院の指定の検討についてということで、今回の検討の方針についてお示ししているものでございます。
 まず、一番上のポツから、全国で指定する拠点病院の数については、これまでの指定状況も踏まえまして、原則として15施設という前提で御議論いただければと考えてございます。
 2つ目のポツで、評価に当たっては、これまでの指定の検討と同様に、最新の現況報告書の内容から、人員配置・診療実績等の情報を抽出して、全施設に対して書面評価、構成員の皆様による採点を行っていただいたところでございます。
 続いて、地域ブロック内からの指定申請が1医療機関のみであったブロックがある場合には、評価の結果が著しく悪い場合等を除き、申請のあった医療機関を指定するという形にしたいと考えております。
 最後のポツですが、書面評価の結果で施設を順位づけし、地域ブロックの偏りが大きい場合等には、当落線上の数施設に対してヒアリングを実施し、地域バランスも考慮した上で総合的な判断を行うということとしたいと考えております。
 続いて、8ページ目を御覧ください。書面評価については、具体的にどのようにしたかというところでございます。
 1つ目のポツ、現況報告書より採点項目を抜粋し、170点満点で設定しております。
 採点項目の概要については、以下にお示しのとおりです。
 採点に当たりましては、施設名及び地域ブロック名については、匿名化した状態で構成員の皆様に採点していただいております。
 構成員の皆様の採点の平均点を基に、書面評価の順位づけを行っております。
 続きまして、9ページ目を御覧ください。今回のヒアリングの対象になっている医療機関が数施設ございますので、そちらについての御紹介でございます。
 指定したひな形に沿って各施設が作成した資料を、パワーポイントで合計11枚という形で作成していただいております。
 現況報告書の内容をまとめ、採点表に示した数値で計れない部分を文字や図表で補った内容という形で構成してございます。
 ヒアリングは、本日、非公開の部分として開催させていただきますので、御承知おきください。
 1施設当たりの発表時間については、5分間の発表と4分間の質疑応答という形で進めさせていただきたいと思います。
 ヒアリングの項目については、以下にお示ししております11の項目となっております。
 続いて、10ページ目を御覧ください。書面評価の結果を踏まえた指定の方針ということで、今、口頭で御説明してきた内容の確認でございます。実際に採点した結果についても、このような形になっておりまして、書面評価で11位までの施設は、ヒアリングを実施せずに指定するという形で考えてございます。
 15施設を前提として考えてございますので、その前後である8施設につきましては、本日、ヒアリングを実施させていただいて、書面評価の結果にヒアリングの内容及び地域バランスを考慮した調整を加えた上で、指定する医療機関を検討していただくことを考えてございますので、御承知おき願います。
 ここまでが本日の検討に関連するところでございます。
 続いて、11ページ目でございます。こちらは、指定の検討に関して、今回整理していく中で、今後への課題としていただいた御意見等について紹介させていただきたいと思います。
 1つ目は、コンペティションで優れた医療機関を選定するという方針を踏まえて、より多くの医療機関に申請してもらうような仕組みの在り方についても検討するべきではないかという御意見や、施設の評価項目及び評価の指標についても、引き続き、よりよいものをという意味で検討するべきではないかという御意見を頂戴しております。
 また、小児病院と総合病院の機能の違いをどのように評価するかといったことも、2つの目のポツと関連して御意見を頂戴してございます。
 加えまして、4つ目のポツで、患者の数や受療動向などを踏まえて、地域ブロックの設定や拠点病院の数の設定についてどう考えるかといったことも、今後の課題と認識してございます。
 最後に、地域の実情を踏まえ、ブロック内でのコンペティションのような形も検討してはどうかということもございます。こちらは、今回の指定の検討会にすぐに反映できる形にはなりませんでしたが、今後、よりよい形の指定の検討ができるように、事務局として整理していきたいと考えてございます。
 最後に、小児がん拠点病院の指定スケジュールについてでございます。12ページ目を御覧ください。
 令和4年12月22日、本日でございますが、小児がん拠点病院の指定に関する検討会を開催し、小児がん拠点病院を選定する。
 この後、検討会の結果を基に拠点病院を決定し、令和5年4月1日から小児がん拠点病院を新たな体制としてスタートさせるという形で考えてございます。
 その後に、令和5年9月頃までを目途に、新たな拠点病院による地域ブロック協議会を開催していただき、小児がん連携病院についても改めて指定していただくということを考えておりますので、御参考としていただければと思います。
 事務局から、資料2の御説明は以上でございます。
○松本座長 ありがとうございました。
 原澤推進官のほうから御説明いただきましたが、何か委員の先生の中で御質問等ございますでしょうか。
 西川構成員。
○西川構成員 西川でございますが、今回、初めて伺ったわけではないはずですので、記憶にないので、確認という意味で聞かせていただきますが、国立がん研究センターの位置づけについてでございます。国立がん研究センターも成育も同じ中央機関となっているようですが、成育のほうは公募に応じて症例数等々をオープンにして、審査のまな板に乗っていますが、国がんはそういう審査のまな板に乗っていません。
 ということは、先ほどの役割の箇条書きの中にも、国がんは患者を診るという文言はなかったように思うのです。そうしますと、この枠組みの中で、この質問は後で選ぶときに私の中では非常に重要な質問なのですが、国がんは小児がん、あるいはそのフォローアップでもいいのですけれども、患者さんを診ることは期待されていない、想定されていないという理解でよろしいでしょうか。
○松本座長 それでは、事務局から御回答いただけますでしょうか。
○原澤がん対策推進官 御質問いただき、ありがとうございます。事務局から回答させていただきます。
 今、御指摘いただいた小児がん中央機関と小児がん拠点病院の違いということですが、先生御指摘のとおり、小児がん中央機関としての機能と小児がん拠点病院としての機能が異なっているというものでございます。先生おっしゃっていただいたとおり、成育医療研究センターにつきましては、両方の機能を備えたものとして、これまで運用していただいているものでございまして、それによって小児がん拠点病院に対する手挙げとして、今回、申請の議論の中にあるというところでございます。
 他方で、国立がん研究センターにつきましては、先生のおっしゃっていただいたように、小児がん拠点病院としての機能を現に実施しているわけではなく、小児がん中央機関としての機能のみを担っていただいているという整理でございます。
 なので、その2つの施設については、施設としての違いがあるということでございます。先生のおっしゃっていただいているとおり、診療の実際のところを担っていただき、地域ブロックを牽引していただくという機能については、小児がん拠点病院が担っていただいているという認識でお間違えございません。
 事務局からは以上でございます。
○西川構成員 ありがとうございました。
○松本座長 ありがとうございました。
 それ以外に何か御質問等ございますでしょうか。
 石原先生、どうぞよろしくお願いいたします。
○石原構成員 前に事務局からの説明のときにもちょっと意見を申し述べたのですけれども、小児がん連携病院についてです。最初のスライドでは、地域ブロック協議会の意見を踏まえて、小児がん拠点病院が連携病院を指定すると書かれていますけれども、今日の説明でも、後半のほうは、地域ブロック協議会で決定するという説明があったかと思います。そこのところが多少ずれているので、地域ブロック協議会で決めるという形のほうがいいのではないかと個人的には思っているのですけれども、そこのところはいかがでしょうか。
○松本座長 ありがとうございます。
 では、事務局のほうからご回答お願いいたします。
○原澤がん対策推進官 ありがとうございます。
 資料、12ページ目のところでの私の説明が分かりづらかったのだと思いますが、先生の御認識のとおり、正しくは、整備指針上は、小児がん拠点病院として指定された医療機関が小児がん連携病院を指定するという形になっており、指定する際に地域ブロック協議会の意見を聞くという整理になっております。そちらの冒頭おっしゃっていただいた御認識が正しいものになっています。
 他方で、小児がん拠点病院が指定するのではなく、地域ブロック協議会において総意をもって指定するのがよりよいのではないかという先生の御意見なのかと思いました。それは、そういった御意見として事務局として承りました。
 事務局からの回答は以上でございます。
○松本座長 ありがとうございました。
 石原構成員、よろしいでしょうか。
○石原構成員 ある病院が単独でこれを決めるという形は、なかなか難しくていかがなものかなと思いましたので、私の意見です。
○松本座長 ありがとうございました。
 確かに地域ブロックの協議会の下で決めるということなのですが、指定そのものは拠点病院が行うのですけれども、地域ブロックでの議論を踏まえてということがあると思います。ですから、拠点病院が単独で指定するわけではない、つまり、例えば大学の関連病院だけを指定するとか、そういうことではないということを御理解いただければと思います。ありがとうございます。
 ほかに何か御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ただいまからヒアリングに移りたいと思います。ヒアリングの部分は、先ほど事務局のほうから説明がありましたように、非公開とさせていただきたいと思います。ヒアリング対象は8施設ございます。ヒアリングの後に、再度、公開の場で議論を行いたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それでは、非公開になりましたでしょうか。
○原澤がん対策推進官 事務局でございます。確認いたしますので、少々お待ちください。
 (非公開部分)
 ○原澤がん対策推進官 それでは、改めまして「小児がん拠点病院の指定に関する検討会」の公開の箇所につきまして始めさせていただきたいと思います。
 議題2の病院からのヒアリングに関しましては、非公開で終了いたしておりますので、その点、御報告させていただきます。
 それでは、引き続きまして、議題3、小児がん拠点病院の選定について、始めさせていただきたいと思います。進行を一度、松本座長のほうにお願いいたします。
○松本座長 ありがとうございます。
 かなり議論をさせていただきました。その中で、評価と地域バランス等を総合的に踏まえまして、15医療機関を小児がん拠点病院として指定すべき医療機関としたいと考えております。後ほど、また議論させていただきますが、まず、15拠点の発表を事務局のほうからお願いしたいと思います。では、よろしくお願いいたします。
○原澤がん対策推進官 それでは、事務局でございます。今、選定された医療機関の公表の準備をいたしますので、少々お待ちください。それでは、画面共有の準備はできているでしょうか。ありがとうございます。
 こちら、小児がん拠点病院の指定に関する検討会の議論の中で、指定すべきとされた医療機関について、以下のとおりでございます。北から順に御紹介させていただきます。
 北海道大学病院、東北大学病院、埼玉県立小児医療センター、国立成育医療研究センター、東京都立小児総合医療センター、神奈川県立こども医療センター、静岡県立こども病院、名古屋大学医学部附属病院、三重大学医学部附属病院、京都大学医学部附属病院、京都府立医科大学附属病院、大阪市立総合医療センター、兵庫県立こども病院、広島大学病院、九州大学病院。以上の15施設でございます。
○松本座長 ありがとうございました。
 それでは、公表いただきました15医療機関を、検討会は小児がん拠点病院として指定すべき医療機関とすることにさせていただきます。以上につきまして、本当にいろいろな御議論があると思います。何か御意見のある委員の先生、ぜひお話いただければと思いますが、いかがでしょうか。
 渡辺構成員、お願いいたします。
○渡辺構成員 日本医師会の渡辺でございます。
 今回の議論に参加させていただきまして、選定するのがいかに難しいかがよく分かりました。全ての病院が大変すばらしい業績もあり、そういう設備も備え、選ぶということが非常に難しゅうございました。今回の15がよいというよりも、これが妥当と私は考えたわけですけれども、今回の選定で思いましたのは、患者さんの視点がどうも抜けていると思う。つまり、どういうエリアに病院を置こうというのがどうも先にあるようで、住んでおられる病気を持たれた患者さんの御家族がどうかという視点が、今回の議論に少なかったような印象がございました。
 例えば、自分の子供さんが病気になられて、知っている先生の知っている病院に紹介して診ていただきたいというのも普通でしょうし、家族を見ながら子供を見てやりたいという保護者というのは、普通の考え方じゃないかと思います。だから、ぜひ次回の検討をされるときは、行政的な感じ、もしくは医学的な見地も大事だと思うのですけれども、患者さんの視点を踏まえた形で選択していただくように、ぜひ御配慮いただければと感じた次第です。
 以上でございます。
○松本座長 ありがとうございました。
 それでは、小俣構成員、どうぞお願いいたします。
○小俣構成員 ありがとうございます。
 今の渡辺構成員の患者視点というご意見、感謝いたします。ありがとうございます。ぜひ患者その視点を入れていただきたいということで、ブロック毎の配置になっていますけれども、患者家族の利便性ということを考えたときに、どこに拠点病院があったほうがいいのかという地域性というのは、ぜひ検討の中に入れていただきたいと考えております。
 あと、もう一点ですが、まずは今回、指定にならなかった病院さんに関しても、小児がんの医療・支援について、かなり力を入れてくださっていて、そもそも応募したことを心から感謝したいと思います。すでに指定された医療機関でも、患者会や患者活動、サロンとかの支援をすることについては、整備指針に書いてあるので行っていると思うのですが、そもそも患者会自体が少ないということがあります。患者さんや御家族の支援のツールとして、患者会をしっかり拠点病院に位置づけていただきたいので、今後の検討かと思いますけれども、また整備指針の中でも入れていただきたいと考えております。
○松本座長 ありがとうございました。
 ほかに委員の先生、御意見等ございますでしょうか。
 小川構成員、どうぞ。
○小川構成員 今回、検討させていただく中で、改めてたくさんの課題が浮き彫りになってきたということがよく分かりました。小児がんの患者さんが治ることができるようになって、長期フォローアップの重要性はずっと叫ばれていましたけれども、長期フォローアップのみならず、その後の成人になって、AYAの世代からも抜けていく、さらに移行期の医療に関しての在り方もかなり検討されました。それらに関して、次回以降の検討課題の中に挙げていただき、今回の小児がん拠点病院に指定された病院も、またその取組を強めている病院、たくさんありましたので、その点に関しまして、今後の課題として、さらに対策を強化していただければと思いました。
 また、患者さんの居住地によって、患者さんの利便性と、それから現在ある病院の場所と、その間に若干ギャップがあるようなところもありましたので、その点に関しても次回以降の検討課題としていただければと思いました。
 以上です。
○松本座長 ありがとうございます。
 浦尻構成員、お願いいたします。
○浦尻構成員 お願いいたします。
 私も今回初めて参加させていただいて、例えばヒアリングについてですけれども、申請の数字では見えない部分がありました。それで、申請してくださった施設に対して、広く実態をお聞きできるヒアリングを実施していただきたいと思いました。
 それと、評価という部分がないと評価をするのはなかなか難しいと思いまして、小児がん拠点病院の取組ができてからの、例えば5年生存率等の実績の推移とか、評価が必要ではないかと思いました。それによって、集約化とか均てん化の強化になりますでしょうし、拠点病院の数というところも、10なのか、15なのかというのを耳にしたことがあるのですけれども、何をもって少ない、多いという判断をするのかなと思います。
 また、緩和ケアの部分に関することになると思うのですけれども、昨今、小児がんでも、自宅でのみとりを考えたいという御家族が増えています。しかし、実際、在宅医療の地域格差でつらい思いをされたという方のお話も耳にします。終末期に対するケアや地域をまたいだ連携病院のサポートなど、在宅医療機関との連携というところを、どこで医療を受けても平等に安心して支援を受けられる体制というのも整備指針に入れていただく検討をしていただきたいです。
 緩和ケアは、診断時から必要であり、またお子さんを亡くされた後にも必要な支援です。ですから、グリーフケア、遺族ケアまで考えた支援の取組を重視していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○松本座長 浦尻構成員、どうもありがとうございました。
 それでは、舛本構成員、お願いいたします。
○舛本構成員 ありがとうございます。舛本です。
 先ほど渡辺構成員、小俣構成員のほうからも御紹介いただきました小児がん経験者の会、多くのサバイバーの会が、国内、数は確かに少ないかもしれないのですけれども、いろいろと積極的に取り組んでいる中で、今回、選定された15施設だけではなくて、申請された病院の多くがサポートを行っていたということで、非常にすばらしく、私自身もうれしくなりました。
 当事者の会の活動を頑張っている小児がん経験者の多くの方、ほかの小児がん経験者の仲間たちの役に立ちたいと願う方が多いですし、その一方で、近隣の病院とどうやったら連携ができるのかと悩む声もたくさん聞きますので、彼らが今後の活動を継続する上でも、病院からの支援というのはとても心強いですし、病院にとっても、私たちのこういった活動を1つの社会的なリソースとして活用いただけると、とても有用なものであると思いますので、今回、選定された15病院のほうも含めて、今後も継続してこういったサポートのほうを行っていただければと思いますし、次回以降の選定基準のほうでも定めていただきたいなと感じました。
 もう一つ、移行期医療・移行期支援についても少しありまして、私、小児がん経験者としての活動や私自身の経験からも、移行期医療・移行期支援の中で、自分の病気を正しく理解するということは非常に重要であると実感しています。診断時から長期フォローアップに至るまでの病気説明を含めた患者教育に関しては、既に多くの病院で取り組まれている課題の一つであるかとは思いますが、長期フォローアップ手帳やサマリーなどを活用いただきながら、移行期医療・移行期支援を見据えた患者教育、健康管理教育の体制も、今後も継続して充実していただきたいと思います。
 あと、様々な理由で長期フォローアップを中断してしまった方がたくさんおられるかと思うのですけれども、こういった方の晩期合併症等、小児がんに関連した健康課題に直面した際に再開できるように、彼らへのお知らせや広報を含めた長期フォローアップ外来、相談支援センターの受入体制というのを整えていただきたいというところも、各病院に期待しております。また、次回の選定基準のほうでも、そういったところを評価いただければと思います。ありがとうございます。
○松本座長 ありがとうございました。
 ほかの構成員の先生、ぜひ一言ずつでもお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。
 石原構成員、お願いいたします。
○石原構成員 今回、参加させていただいて、委員の皆さん、おっしゃっていたように、選考は非常に難しいものだということを実感いたしました。それで、患者さんということを考えますと、地域性というのは避けられない問題だろうと思います。その上で、地域というのはどういう定義づけにするのかということが、まず議論が先行されるべきだろうと思いますので、次回のときは地域をどういった形で決めていくのか、その辺をもうちょっと詳細な検討をして、まず、そこを設定していただくということが大事なのではないかと思います。
 今回、地域に必要だということで選ばれたところもあるのではないかと思いますけれども、これを指定されることによって、その病院のレベルアップが図られるということも恐らく事実だろうと思いますので、なったり、ならなかったりという形の診療報酬の枠組みの中の議論のようなものではなくて、全体数から言うと、あと1、2、3ぐらいは増えてもいいのではないかという印象をちょっと持っております。
 以上でございます。
○松本座長 ありがとうございました。
 西川構成員、お願いいたします。
○西川構成員 ありがとうございます。ごく短く。
 どの施設もみんな頑張っているという感がありありと分かるプレゼンでございまして、大変感動的ですらあったと思います。ただ、例えば3回目があるか、ちょっと分かりませんが、回を重ねるごとに皆さん、ポイントをつかんできまして、例えば移行期医療をちょっと整備しようとか、教育・研修活動を整備しようとか、どういうところを頑張ればいいかというのを皆さんに広く知っていただくというのは、上から目線とよく怒られますけれども、教育的な意味がこの審査会というのでしょうか、拠点病院を決める会にはあると思いますので、ぜひこれを皆様にフィードバックしていただいて、全体としてよりよい方向に導くようにしていただければと思いました。
 以上です。
○松本座長 ありがとうございます。
 それでは、河野構成員、いかがでしょうか。
○河野構成員 初めて参加させていただきまして、本当に勉強になりました。私、四国で日頃から医師確保が最大の課題になっておりまして、専門家の先生方のお話で、専門病院が関東等にあるのが非常にうらやましいなと思いながら聞いていたのですけれども、先ほどから議論になっています地域をどう考えるかということと、田舎の非常に小さい県の患者さんたちが、集約化された地域のそれぞれのブロックの拠点病院にどうアクセスしていくのかといったことも含めて、今後の課題かと思っております。ありがとうございました。
○松本座長 ありがとうございました。
 ほかに御意見ございますでしょうか。
 私のほうから、今回、ヒアリングを受けていただいたのだけれども、残念ながら拠点病院になれなかった施設も幾つかございます。本当に皆さん、よくやっていただいて、小児がん医療の全体のレベルが上がっているなというのを強く感じました。どこの病院も本当に僅差であったということを感じます。
 問題点もいろいろ挙がりました。1つは、皆さんおっしゃったように、地域性の問題です。地域性、自治体の行政区というのが問題になっておりまして、その行政区を変えることがなかなかできない、地域割を考えることができないということがございます。なかなか難しいところはございますが、皆さん、患者さんが全て地域で安心して治療を受けて過ごすことができるということを中心にして、拠点病院事業というものを考えていただきたいと思います。これは委員の皆さんに共通した御意見でした。
 そして、もう一つの問題点といたしましては、小児病院の問題がございます。小児病院での長期フォローアップ、移行期医療をどのように考えていくのかということも非常に大きな問題であるということが今回、あぶり出されました。
 さらに、今回の評価方法に関しまして、どうしても客観的な数字でなされる以上、小児病院と大学病院での評価というのは非常に難しいものがあったと思います。
 今回、拠点病院になった施設におかれましては、これからも小児がんの患者さんのために、ぜひすばらしい医療、そして地域、ブロック全体のことを考えて、いろいろな支援をお願いしたいと思います。そして、今回拠点病院に選定されなかった施設に関しましては、次回、4年後にぜひもう少しいろいろなことを進めていただいて、全部の施設が拠点病院となるように、体制整備を進めていただければと思っております。皆さんの努力が小児がん医療の全体のレベルを本当に上げることになると思いますので、これからもお願いしたいと思います。
 石原構成員、どうぞお願いいたします。
○石原構成員 先ほどお話ししましたので、特にございません。
○松本座長 ありがとうございました。
 私のほうからは以上ですが、ほかに何か御意見ございます委員はいらっしゃいますでしょうか。
 浦尻構成員、どうぞお願いいたします。
○浦尻構成員 今、松本座長からも客観的な数字という話が出ましたけれども、院内がん登録がされていない病院もあるとのことなので、小児がん拠点病院と連携病院の院内がん登録も要件に入れていただくなどの検討もしていただければと思いました。
 以上です。
○松本座長 ありがとうございます。院内がん登録の必須化も今、考えて動いているところではございます。ありがとうございました。
 ほかに何か御意見ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、事務局より連絡事項等につきまして、よろしくお願いいたします。
○原澤がん対策推進官 事務局でございます。本日は、長時間にわたり御議論いただき、本当にありがとうございました。
 まずは、本日の結果を踏まえまして厚生労働大臣による指定を行った後に、小児がん拠点病院の選定結果につきまして各医療機関等に発出いたしたいと思います。冒頭の資料2での御説明のとおり、指定につきましては、令和5年4月1日から有効となるということでございますので、御承知おき願います。
 事務局からの連絡事項としては以上となります。松本座長、構成員の先生方、お忙しい中、本当にありがとうございました。全体を通して、何か追加の御発言等、ないようでしたら、ここで終わりたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 では、小俣構成員、お願いいたします。
○小俣構成員 先ほどの座長の問いかけで手を挙げ忘れてしまいました。
 1点だけ、今後の検討事項ということで、連携病院の質の担保というのを、最初に石原構成員でしょうか、御質問してくださいましたけれども、紹介された患者・家族が安心できるように、今後は連携病院の質・役割の強化も検討いただきたいと思います。
○原澤がん対策推進官 事務局でございます。御意見として承りました。ありがとうございます。
 ほか、大丈夫そうでしょうか。
 それでは、時間になっておりますので、特にございませんようでしたら、これをもちまして本日の検討会を終了したいと思います。先生方、御協力いただきまして、誠にありがとうございました。

照会先

健康局がん・疾病対策課

代表03-5253-1111(内線4608)