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- 第162回社会保障審議会医療保険部会 議事録
第162回社会保障審議会医療保険部会 議事録
日時
令和5年1月16日(月)14:00~15:36
場所
全国都市会館 大ホール会場
議題
オンライン資格確認等システムについて
- 報告事項
- 1.電子処方箋について
- 2.令和5年度予算案(保険局関係)の主な事項について
- 3.新経済・財政再生計画 改革工程表2022について
- 4.全世代型社会保障構築会議の報告書について
議事
- 議事内容
- ○森課長 定刻になりましたので、ただいまより第162回「医療保険部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。
本日は、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催としております。オンライン開催に当たっての留意事項を別途御案内しておりますので、御確認いただけたらと思います。
次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
本日は、内堀委員、羽田委員、村上委員より御欠席の御連絡をいただいております。
また、菊池部会長代理より途中出席、前葉委員より途中退席されるとの連絡をいただいております。
本日、記者の方には、別室にて会議の模様を傍聴いただいております。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(冒頭カメラ撮り終了)
○森課長 それでは、以降の議事運営は、田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず初めに、欠席される委員の代わりに出席される方、前葉委員が退席された後、代わりに出席される方についてお諮りいたします。
内堀委員の代理として熊耳参考人、村上委員の代理として佐保参考人、前葉委員の代理として鎌田参考人、以上の3名の出席につき、御承認いただければと思いますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございますか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。
それでは、早速でございますけれども、議事のほうに入ってまいりたいと思います。
本日は「オンライン資格確認等システムについて」を議題といたします。
それでは、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。よろしくお願いいたします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
資料1「オンライン資格確認等システムについて」に沿って御説明申し上げます。
1ページから「オンライン資格確認の導入の原則義務付けに係る経過措置及び加算の特例措置について」でございます。
2ページを御覧いただきますと、8月10日の中医協において答申・公表した内容をまとめてございます。1つ目が保険医療機関・薬局に令和5年4月からオンライン資格確認の導入を原則義務化するということ。この際、例外とするのは、現在紙レセプトでの請求が認められている医療機関・薬局とすることをお決めいただき、療養担当規則等を改正いたしました。
2つ目が医療情報化支援基金による医療機関・薬局向け補助の拡充、そして3つ目が、診療報酬上の加算の取扱いの見直しということで、昨年10月から施行されていたところでございます。
3ページにお進みいただきまして、8月10日の中医協の答申書の附帯意見におきまして、1番のところでございますが、関係者それぞれが取組を加速させること、その上で令和4年末頃の導入の状況について点検を行い、地域医療に支障を生じる等、やむを得ない場合の必要な対応について、その期限も含め、検討を行うこととされていたところでございます。
4ページでございますが、12月23日の中医協におきまして、こうした附帯意見に沿った形で御議論をいただきました。8月に中医協で答申・公表がされて以降の取組をまとめたのが4ページでございますが、医療関係団体により設置されたオンライン資格確認推進協議会と厚生労働省が連携をいたしましてオンラインで説明会を開催したほか、医療関係団体にも御協力をいただきまして、地域ごとに説明会を開催、私どもにお声がけをいただいて直接御説明をさせていただいたものが8月以降、計42回ございました。それ以外にも都道府県単位だけでなく、郡市単位での申込み状況を公表するなど取組を後押しし、また、システム事業者に対しましても、デジタル庁・経産省と連携をいたしまして、導入促進協議会を集中的に開催して、改修完了に向けた導入計画の策定など、働きかけを強化してまいりました。
8月以降の動きをまとめたのがその下のグラフでございますが、青の顔認証付きカードリーダーの申込みは8月以降大きく伸びているということ。そして、緑の運用開始施設数も着実に伸びている、そうした状況が見てとれるかと存じます。
5ページにお進みいただきまして、オンライン資格確認、直近の1月8日時点の状況でございます。顔認証付きカードリーダーの申込み、義務化対象施設に対する割合で97.7%、運用開始施設数も同じ割合で43.7%、そうした状況になってございます。
6ページからでございますが、年末の中医協でお決めいただきました原則義務化の経過措置についてでございます。令和4年度末時点でやむを得ない事情がある保険医療機関・薬局について、期限付きの経過措置を設けるということで、ここに書いてございます(1)から(6)の類型について経過措置を設けることとされました。この類型につきましては、オンライン請求を義務化したときの経過措置を参考にしながら、オンライン資格確認特有の事情も踏まえて設定をしたものでございます。
7ページにお進みいただけますでしょうか。左の棒グラフは現行の直近の導入ペースを勘案した場合、今年の3月末時点の導入見込み率がどうなるかという資料でございます。直近の導入ペースで58%、そしてシステム事業者のほうに導入完了に向けた計画を出していただいておりますが、それで最大限見積もって機械的に算出した場合でも74%ということでございまして、まずは本年3月までのさらなる導入加速化が必要ということでございます。
昨年のうちにシステム事業者ごとに名称と年度末の導入見込み率を公表させていただきました。また、今回、経過措置の対象となる医療機関等には、今年の3月末までにお届けいただきますが、その際には改修完了予定月を含めてお届けいただくこととしてございます。さらに、それ以降のさらなる導入加速化ということでございますが、昨年、システム事業者にお集まりいただきまして、そこで改めて取組の強化を要請するとともに、今年の6月末までの導入見込み率の提出を要請してございます。6月末までに達成できない事業者につきましては、導入支援事業者、具体的にはNTT東西等でございますが、そうした事業者との連携を協力に促して、9月末までの導入完了を目指す。
こうしたことと併せまして、下の※に書いてございます、診療報酬上の加算の特例も実施することで、9月末までの導入完了に取り組んでまいりたいと考えてございます。
8ページでございますが、オンライン資格確認の仕組みについて整理をした表でございます。一番上、保険医療機関・薬局に今年4月から原則義務化としているのは、資格確認や健康・医療情報の取得・活用ができる仕組みということでございます。
一番下を御覧いただきますと、訪問診療、訪問看護、オンライン診療等の場面では、医療機関ではなく居宅で同意を取得することが必要になりますので、居宅同意取得型というモバイル端末等を活用した新たな仕組みを今開発中でございまして、令和6年4月めどで運用を開始することとしてございます。
また、その一つ上、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師の施術所、そして、紙レセプトで請求いただいている医療機関・薬局もこれに該当することになりますが、こうしたところでは資格確認のみを行う簡素な仕組み、これもモバイル端末等を活用することになりますが、こうした資格確認限定型の仕組みも現在開発をしておりまして、令和6年4月めどで運用を開始することとしてございます。
9ページ以降でございますが、経過措置6類型について考え方をまとめたものでございます。(1)は今年2月末までにベンダーと契約を締結したが、導入に必要なシステム整備が未完了の保険医療機関・薬局でございます。
2つ目のポツに書いてございますが、先ほども御説明申し上げたとおり、システム整備が完了するまででありますが、遅くとも令和5年9月末までの経過措置としてございます。
10ページにお進みいただきまして、2つ目、オンライン資格確認に接続可能な光回線のネットワーク環境が整備されていない保険医療機関・薬局でございます。1つ目のポツでございますが、IP-VPN接続方式の光回線のネットワーク環境が必要になりますが、離島・山間地域、あるいは施設がある建物によっては、こうしたネットワーク環境が敷設されていない施設がございます。
2つ目のポツでございますが、こうした光回線が整備されてから6か月後までの経過措置を設けることとしております。ただし、この光回線のネットワーク環境がなくても、インターネット回線を用いるIP-SEC+IKE方式も可能でございますので、これらの方式による導入が望ましいということ、これは引き続き働きかけをしてまいります。
11ページにお進みいただきまして、訪問診療のみを提供する保険医療機関でございます。先ほども申し上げました2つ目のポツにある居宅同意取得型、これは令和6年4月運用開始に向けて今開発を進めておりますので、訪問診療のみを提供する保険医療機関では、現時点では利用可能なオンライン資格確認の仕組みがないということになります。したがって、居宅同意取得型の運用開始、令和6年4月までの経過措置を設けることとしてございます。
(4)の類型は改築工事中、臨時施設の保険医療機関・薬局、2つ目のポツにございますとおり、改築工事が完了するまで、臨時施設が終了するまでの経過措置としてございます。
12ページにお進みいただきまして、(5)廃止・休止に関する計画を定めている保険医療機関・薬局。これにつきましては、1つ目のポツにございますとおり、私どもは令和6年秋の保険証廃止を目指すこととしている中、3つ目のポツでございますが、令和6年秋までの廃止・休止を決めている施設については、廃止・休止の間までの経過措置を設けることとしてございます。
そして、(6)その他特に困難な事情がある保険医療機関・薬局。例外措置、または今まで申し上げてきました(1)から(5)の類型と同視できるか、こうしたことを個別に判断するバスケットクローズの経過措置ということになります。
具体的にどういうものが当てはまるのかということにつきまして、2つ目のポツのところに、段落ちして3つポツを並べてございます。自然災害等により継続的に導入が困難となる場合、高齢の医師等でレセプト取扱い件数が少ない場合、その他例外措置または(1)から(5)の類型と同視できる特に困難な事情がある場合でございます。
13ページにお進みいただきまして、高齢の医師等でレセプト取扱い件数が少ない場合につきましては、常勤の医師等が高齢であって、月平均レセプト件数が50件以下である場合、こうしたことを特に困難な事情の目安とすることとしてございます。
高齢ということでございますが、70歳以上であれば私どもとして高齢と考えておりまして、65から69歳であれば、当該医療機関等の状況等を踏まえて個別に御判断させていただくことになろうかと存じます。
14ページにお進みいただきまして、年末の中医協におきまして、こうした経過措置と併せて御議論いただいたのが、医療情報・システム基盤整備体制充実加算でございます。真ん中辺りに赤の背景に黒で書いていますが、加算の名称に誤植がございますので、ホームページ上の資料等は修正をさせていただきますが、全部で3つの特例を設けてございます。1つ目が初診時・調剤時の加算の特例でございまして、医科・歯科の初診料、マイナンバーカードの利用がない場合、現行では4点の加算のところを6点にする。調剤管理料におきまして、同じく6月に1回3点のところを4点にする見直し。
そして、(2)再診時の加算の特例ということで、再診料につきましても、マイナンバーカードの利用なしの場合、1月に1回2点の加算を設けるということ。
そして、(3)オンライン請求要件の緩和ということでございまして、オンライン請求を令和5年12月31日までに開始する旨の届出を行っている保険医療機関・保険薬局は、同日までの間に限り、この要件を満たすものとみなす。こうした加算を設けることとしたわけでございます。
15ページはこうした加算の特例措置を算定するに当たって、医療機関・薬局に求められることを整理した資料でございます。
16ページでございますが、こうしたことについて中医協で答申をいただくに当たって附帯意見をいただいてございます。その関係で全部で4つの附帯意見をいただいてございます。1つ目でございます。さらなる導入の加速化を図ること、その上で、本経過措置は真にやむを得ない事情に限定して対象を明確化し、最小限に留めるものである。そうした前提の下、延長は行わないこと。契約を締結したがシステム整備未完了の場合の経過措置につきましては、期限を区切ってさらに導入を加速化することを目指したものであるという趣旨の周知徹底、そして、令和5年9月末までにシステム整備を完了させること。また、その他特に困難な事情がある場合につきましては、具体例を明確化し、特に限定的に扱うこと。
2つ目でございますが、医療情報・システム基盤整備体制充実加算に係る初診時・調剤時の追加的な加算、再診時の加算につきましては、3行目辺りでございますが、マイナンバーカードを用いない場合の診療情報取得に係る医療機関等の負荷・手間を考慮して、システムの導入・普及を徹底していく観点等から特例的に措置されたものである。そうしたことを踏まえて、令和5年12月末までの措置とし、延長は行わないこと。また、オンライン請求の導入、その体制整備も併せて強力に促進すること。
3つ目でございますが、加算に係る評価の特例につきましては、8月10日の附帯意見に照らして、患者・国民の声の聴取、医療の質の向上の状況に係る調査・検証、こうしたものがまだ行われていないという指摘がございました。早急に患者・国民の声を丁寧かつ幅広く聴き、取得した医療情報の活用による医療の質の向上の状況等について十分に調査・検証を行うとともに、課題が把握された場合は速やかに中医協へ報告の上、対応を検討すること。
そして4つ目でございます。医療DXの基盤となるオンライン資格確認、様々なメリットがあるということについて広く患者・国民が理解し、そして実感できるよう、関係者が連携して周知等に取り組んでいくこと。こうした附帯意見をいただいてございます。私どもとして、これに沿って引き続き適切に取り組んでまいります。
17ページでございますが、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する状況でございます。
18ページを御覧いただきまして、2つ目のポツのところ、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を進めるため、令和6年秋に保険証の廃止を目指すとして、3つ目のポツでございますが、細部にわたりきめ細かく環境を整備する。また、関係者の御理解が得られるよう、丁寧に取り組んでいくこととしてございます。
具体的な取組としてその下に1、2と書いてございますが、1つが訪問診療・柔整あはき等にオンライン資格確認を導入ということで、先ほど類型のところで御説明申し上げました居宅同意取得型、それから資格確認限定型、そうした新たな仕組みを構築するということで取組を進めてございます。必要な経費については今年度の二次補正予算において計上したところでございます。
2つ目はマイナンバーカードの取得の徹底でございます。そうしたことに当たりましては、カードの手続・様式の見直しも含めて検討が必要ということで、何らかの事情により手元にマイナンバーカードがない方が必要な保険診療等を受ける際の事務手続などについて、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会において検討を進めてございます。
19ページでございますが、この検討会、デジタル庁の下に設置をしておりまして、総務省、厚労省が協力する形を取ってございます。12月6日に第1回の検討会を開催し、その後、12月中に3回、専門家ワーキンググループを開催して、論点の提示・整理、そして団体からのヒアリングを行ってございます。
20ページでございますが、検討会はデジタル大臣、総務大臣、厚生労働大臣の3大臣による検討会、専門家ワーキンググループは今の3省庁の局長級、そして医療提供側、それから保険者側、それぞれからこうしたメンバーの方にお集まりいただきまして、専門家のワーキンググループを開催してございます。
21ページ、22ページは検討会における検討事項として公表しているものでございます。1つ目がマイナンバーカードの特急発行・交付の仕組みの創設等ということで、新生児、紛失の場面、海外からの入国の場面、そうしたものを念頭に置きながら、こうした仕組みの創設、あるいは発行・交付に要する期間のさらなる改善について検討しております。
2つ目は代理交付・申請補助等、こうしたことについて幅広く検討することによって、よりカードを取得しやすくすることを考えてございます。
(3)は交付をする市町村の側におきまして、申請受付・交付体制強化の対応ということで、出張申請受付等の拡大など効率的な実施方法等について検討してございます。
22ページにお進みいただきまして、紛失など例外的な事情によりマイナンバーカードを所持しておられない場合の取扱いということで、そうした場合にどうやって資格確認をするか。例えば子どもの場合、要介護者等の場合にどうするのか。そうしたことの検討をしてございます。
また、(5)保険者の資格情報入力のタイムラグ等への対応も必要になってまいります。
その他、実務上の課題といたしまして、発行済みの保険証の取扱い、災害時、システム障害時の対応、こうしたことについても議論してございます。
23ページは法律改正が想定される事項として検討会にお示ししたものでございます。番号法の中では、乳幼児の写真の取扱い。国民健康保険法等の中では、保険証の廃止に伴いまして、資格の取得等に係る1から3に書いてあるような関係の規定の整備、こうしたものが法律改正として想定されるものになってございます。
24ページは第2回と第3回の専門家ワーキンググループにおきましてヒアリングをさせていただいた団体の一覧でございます。高齢者、障害者などマイナンバーカードの取得、あるいは医療機関等での利用に当たり事情を考慮する必要があると考えられる方々の団体、あるいはその支援者の団体等から意見を聴取しているという状況でございます。
駆け足でございますが、オンライン資格確認等システムについての説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。私のほうからマイナンバーカードと健康保険証の一体化について発言をさせていただきます。
被保険者証の廃止ということになるわけでございますが、全国市長会で既に昨年11月、提言を出しておりまして、3点触れております。1つは、保険者である市町村は実務的に様々な課題があるので、保険者と十分協議してその意見を反映していただきたい。2つ目は、国民への十分な周知徹底を図っていただくとともに、医療関係者等の理解と協力が得られるよう必要な支援を行っていただきたいこと。それから3番目に、市町村の現場に混乱を招かないように十分な準備移行期間を設定の上、速やかな情報提供を行っていただきたい。この3点を提言として出させていただきました。
今御説明を頂戴したように、国において、19ページで既に検討会が設置されて、そして20ページにございますように、私どもの国保関係団体の代表として岡崎高知市長が専門家ワーキングに参画をしており、具体的な検討も開始をされておるということでございます。
そこで、21ページ以降の検討会における検討事項を見ますと、これは市町村の窓口での対応が非常に多い。しかも、イレギュラーなケースというか、簡単でないケースが非常に多いということでございます。これはなかなか解決策をきっちり決めておくのは容易なことではないと思いますが、既にこの最後のページ、24ページで御説明を頂戴したように、千葉市、都城市からもヒアリングをされておりますが、ワーキングということだけではなくて、いろいろな機会に市町村の声に耳を傾けていただければと思います。
私ども全国市長会といたしましても、この専門家ワーキングのオブザーバーに名を連ねさせていただいておりますので、適宜、私ども市町村の実務的な関心事項、あるいは場合によっては懸念というものをお伝えしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、藤井委員、よろしくお願いいたします。
○藤井委員 ありがとうございます。適切かつ効率的な医療提供、保険財政の負担軽減などを可能とする医療DXの整備は喫緊の課題であります。その基盤として、マイナンバーカードの普及やオンライン資格確認システムの導入ができるだけ早期に目標達成されるよう、引き続き、政府や関係者が一体となって、強力に取り組んでいただくようお願いいたします。
なお、これに関しまして、マイナンバーカードと健康保険証の一体化について意見を述べさせていただきたいと思います。資料1の5ページに記載されているとおり、カードの交付率が57.7%、交付枚数に対する健康保険証の利用登録率が56.1%でしょうか。そうしますと、令和6年秋の保険証廃止までに100%に近づけるには、これまでの普及促進策に加えまして、別の工夫が必要になるのではないかと考えます。
最近、ITリテラシーがそう低くないと思われる商工会議所の会員の皆さんから、次のような話をお聞きしまして、健康保険証と一体化されたマイナンバーを初めて医療機関へ提示したとき、医療機関から、情報提供に同意されますかと聞かれまして、怖くなって断ったということでございました。個人情報を扱うわけですから、本人同意が必要という大原則は守らなければなりませんが、唐突に同意するかとだけ尋ねられますと、多くの方が直感的に怖いという防衛本能が働いてしまうのではないかと考えます。保険証へのひもづけにより、個人情報の提供がなされること、そして、それはとても重要で必要であること、すなわち国民の皆さんへの適切な医療提供を実現するために必須な事項であるということ、そういったことをひもづけの承認のボタンを押してもらう前に、丁寧に重要事項として特記説明し、納得してもらうことが必要ではないかと考えます。
なお、その際に重要なことは、情報提供、情報活用されると、どのようなメリットがあるかを分かりやすく明示することでございまして、その提示の在り方も大いに工夫していただければと思います。
このように、利用者サイドの意見をきちんと吸い上げ、国民の目線で仕組みをよりよいものにすること、また、手続や説明内容にボトルネックがある場合はすぐに改善していただく、そのような方向性でさらなる御尽力をお願いできればと思います。
以上であります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、佐野委員、よろしくお願いいたします。
○佐野委員 ありがとうございます。まず、オンライン資格確認等システム導入の原則義務化に係る経過措置及び診療報酬の時限的・特例的措置についてコメントいたします。この措置については、先般の中医協の場でも健保連としての意見を述べておりますけれども、我々としてオンライン資格確認等システムを含めた医療DXの推進はもちろん賛成でございます。その前提で、中医協における支払い側の意見も踏まえつつ、本日の資料に沿って何点かコメントを申し上げたいと思います。
まず、経過措置については、大前提としてオンライン資格確認等システムを全国の医療機関・薬局が導入することを想定して、このベースとなるシステムのランニングコストを保険者、すなわち全国民が負担しているということをしっかり認識いただきたいと思います。今のままの状況でいきますと、3月までに義務化にふさわしいレベルまで導入が進むとは到底考えられず、期限を区切って導入を加速するためにも、経過措置は最小限にとどめて、延長はあり得ないということを改めて強く指摘させていただきたいと思います。
また、資料の6ページにあります包括条項については、対象の具体例を明確化して適用範囲を限定していただきたいと思います。
次に、診療報酬の時限的・特例的措置については、前回、8月の見直し時に中医協で合意されました、「患者・国民の声をよく聴き、取得した医療情報の活用による医療の質の向上について調査・検証を行う」との対応が行われていない中で国民の理解は得られないということを、声を大にして申し上げてまいりました。その上での今回の措置でございますので、これはあくまでもオンライン資格確認等システムの導入・普及を徹底していくための特例であって、延長はあり得ないということを改めて強く指摘させていただきたいと思います。
このような健保連・支払い側の主張につきましては、12月23日の中医協において、今回の資料の16ページに記載の答申書の附帯意見に盛り込んでいただいておりますけれども、我々としては今回の附帯意見は答申書と同様の重みがあると受け止めております。
また、最も重要なことは、附帯意見の4番に記載されていますとおり、患者がマイナンバーカードを用いて医療機関等を受診することで健康・医療情報に関する多くのデータに基づいた安心・安全でより良い医療を受けることが可能になるなど、様々なメリットがあるということについて、広く患者・国民が理解して実感をすることだと考えております。
こうしたことを実現するためにも、厚生労働省におかれましては、今回の附帯意見を確実に履行していただくように強くお願いをしたいと思います。
それから、2点目のマイナンバーカードと健康保険証の一体化についてでございます。これも我々は、医療DXの推進にはもちろん賛成でございます。健康・医療に関する多くのデータに基づいたより良い医療を国民・患者が受けるということを可能にする観点から、一体化の取組を推進することについても賛成でございます。その前提で3点ほど意見を申し上げたいと思います。
まず1点目は、本件について、実務上の課題が山積みであると認識しております。まずは現時点における全体の課題について網羅的に整理をして、その検討のスケジュール、工程感を示していただいた上で、関係者間で工程管理をしながらしっかりと協議をしていただきたいと思います。特に、資料の18ページに2つの課題が示されておりますけれども、2年後の実施を目指して限られた時間の中で一体化の取組を進めるということについては、先ほどほかの委員の方もおっしゃっていましたが、やはり国民・患者に対して医療の質が向上して、今よりも良くなるのだということのメリットの説明、これに伴う広報・周知は最も重要であると考えております。この広報・周知についても課題としてきっちりと取り上げていただいて、国民への丁寧な説明を実施していただきたいと思います。
2点目でございます。本件については、健保組合の関心も大変大きく、検討会における先ほど示されました検討事項のどの項目を見ても、実務上の大きな課題が並んでいると思っております。ついてはこの専門家ワーキンググループの検討についても、検討のスケジュールをしっかりと組んで対応を進めていただきたいと思います。
3点目でございます。この専門家ワーキンググループにおいては、もちろん健保連としても被用者保険、現役世代の立場からこの検討事項に示された課題について、例えばスマホアプリですとかJ-LISの活用といったデジタル活用による対応も提案をしております。医療DXの一環である一体化の取組においては、可能な限りデジタル技術を活用することによって、国民・患者が適正かつ円滑に保険診療等を受けることができるような検討をお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、猪口委員、よろしくお願いいたします。
○猪口委員 よろしくお願いします。私のほうからはマイナンバーカードと健康保険証の一体化に対しての意見をさせていただきます。
保険診療は国民の命と健康を守る大基盤なわけでありまして、誰一人取り残さないというのが基本姿勢であり、また、国民とか医療現場に多大な負担をかけないということも大きな原則だというふうにしていただきたいと思います。
そして、保険診療を受けられない方とか受けられない機会が生じないということが極めて重要で、ここにも出てまいりましたが、特に新生児、高齢者、認知症の方への対応をきちんとやらないと、誰一人取り残さないということができないと思います。
そして、マイナ保険証を使った医療提供体制が国民の健康にいかに役に立つのかということを国として国民にしっかりと説明していただいて、理解を深めてもらうことが必要だと感じております。
最後に、これらを進める上でのサイバーセキュリティーに関してですけれども、もう少し国としてもしっかり体制を整えていただきたいと思います。特にそれぞれの医療機関等がセキュリティー対策を行うためにIP-VPNなどを整備するのは費用的にもかなりかかります。ここに対しても十分な補助金の体制等を取っていただきたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、渡邊委員、よろしくお願いいたします。
○渡邊委員 ありがとうございます。渡邊です。
私からはオンライン資格確認について御意見を申し上げたいと思います。オンライン資格確認のシステムですけれども、薬局においては義務化対象施設の97.5%がカードリーダーの申込みをしており、そのうち68.7%が運用を開始しているという状況で、確実に環境整備を進めている状態にあります。ただし、ベンダーの対応が間に合っていない部分や、光回線が開通していない等々で、昨年末中医協で協議されたような経過措置の部分に関しては一定事情を抱える施設には配慮が必要だと思いますけれども、順次対応がなされていくものと考えております。
その上で、マイナンバーカードを健康保険証と一体化させることについてですけれども、3省庁合同の検討会で挙げられているような心身の状態であったり、環境であったりに配慮した、誰も取り残さないような発行体制というものを構築して、現場での運用に関しては、薬局特有の事情というのもありますけれども、そのような点に関しても丁寧な議論をして対応を打ち出していくことが必要だと考えております。
受診や調剤においてマイナンバーカードを持参していただくということが大前提になってきますので、そのカードにより患者の同意をすることができて、かつ医療機関・薬局において保健医療情報を共有することができ、それにより質の高い医療の提供が実現できるものですので、国民・患者の皆様には、ぜひその辺りの周知・広報をしていただいて、丁寧な対応をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
私のほうからは以上になります。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の林でございます。同じくオンライン資格確認について意見を述べさせていただきます。
日本歯科医師会といたしましても、医療DXの基盤を構築し、推進していくために必要な協力をしていくことはこれまで何度か発言してまいりました。その基盤となるオンライン資格確認に関しましては、資料5ページにありますように、歯科診療所も申込数は義務化対象施設に対しまして98.6%となっております。一方で、国民のマイナンバーカード申請数は増えてきているとは認識しておりますが、健康保険証利用の登録割合は交付枚数の56.1%とまだ低い状況であり、実際に歯科診療所にマイナンバーカード持参で受診される患者さんもまだまだ少ない状況でございます。
医療機関は既に義務化されておりますので、それに向かい準備しているところで、運用におきましても、セキュリティーや個人情報の取扱いに今まで以上の責務を認識し、前向きに取り組んでいるところですが、地域や個別状況等に応じまして、まだまだ様々な障害もあるのが現状でございます。
年末の中医協で経過措置も配慮していただいておりますが、どうしても対応できない医療機関が疲弊しないように引き続き細やかな配慮をお願いするとともに、国民への周知、並びにマイナンバーカードと保険証の一体化に関する検討会におけるヒアリング等で様々な個別事情が浮かび上がってきておりますので、それに対しまして丁寧な対応をしっかりとお願いしたく思っております。よろしくお願いいたします。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、本多委員、よろしくお願いいたします。
○本多委員 資料の御説明をありがとうございます。私のほうからは、昨年末の中医協での決定事項とマイナンバーカードと健康保険証の一体化について、それぞれ意見を申し上げたいと思います。
既に皆様から意見が出されておりますけれども、まず医療DXを推進していくためには、そのインフラとなります、オンライン資格確認の対象施設全てでの速やかな導入が必要不可欠となってきます。これは本来であれば本年4月から導入義務化であったということになっております。一方で、5ページのとおり、オンライン資格確認の義務化対象施設での申込みについては95%を超えているものの、医療機関等での運用開始がまだ半分に満たない状況となっております。対応が遅れている医療機関に対しましては、16ページにある、昨年12月23日の中医協の答申書の附帯意見にもあるとおりなのですけれども、今回の経過措置の延長は行わないということを認識いただきまして、国民・患者が医療DXのメリットを早期に感じられるように導入促進を強力に促していただきたいと思います。
それともう一点、マイナンバーカードと健康保険証の一体化についての取組でございます。オンライン資格確認と同様に、マイナンバーカードの取得ですとか、健康保険証の一体化も医療DXの重要なインフラでございます。他方で、このマイナンバーカードの交付は、今ほども御意見が出されておりますけれども、人口比で6割程度、そのうち健康保険証の利用登録も半数程度にとどまっているような状況でございます。
これらのさらなる普及促進に向けまして、昨年12月に設置された検討会の場においては、取得手続の簡素化ですとか実務上の課題への対応に加えて、マイナ保険証の利用促進が進んでいないボトルネックをきちんと把握して、来年秋の保険証の廃止に向けて、より効果的な取組についてもぜひとも御検討をいただきたいと思います。
私のほうからは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 私のほうからは、利用者の立場から幾つかお聞きしたいことがございます。1点は資料1に患者・国民の声をよく聴くというふうに書いてありますが、具体的にいつ頃どんな形で聴くのか。これはぜひやっていただきたいと思います。
2番目に、保険証とマイナンバーカードの一体化ですけれども、これについて一般にまだよく知られていない、分かっていないことがたくさんあります。非常に面倒くさい手続をしなければならないとか、そういうふうに思っている人が非常に多いし、私もそう思っておりました。ところが、厚労省の方に聞いたら、カードリーダーにかざせばいいんだと言われまして、そういうことはどこにも書いていないし、聞いたこともないのです。皆さん物すごくそういうことを面倒くさがったり億劫がっているので、その辺のところもちゃんと伝えてほしい。
それから、往診しているような医師の場合にモバイルを使うということですが、モバイルでもカードリーダーと同じように読み取れるのかどうかということを知りたいと思います。
3番目に、紙のレセプトを出しているようなところは例外的な措置をするということでしたけれども、それをいつまで認めるのかということ。紙の媒体を使っているところは必ずしも高齢の医師とは限らないのです。私のかかりつけの歯科医師などは、多分50代だと思うのですけれども、レセプトも処方箋も全部紙です。だから、そういう例外的な存在をどこまで、いつまで認めるのかということを知りたいと思います。
4番目にはセキュリティーの問題で、これはほかの委員からもありましたけれども、幾つかの医療機関でハッキングに遭っていますね。そして、かなり長い間、医療サービスに支障を来してしまったというケースもございますし、これからもハッキングというのはあり得ると思いますので、その辺のところに対する対応策をどういうふうに考えていらっしゃるのか。絶対にそういうことのないようにしていただきたいと、これはお願いでございます。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
何点か御質問がございましたので、回答のほうをよろしくお願いいたします。
○眞鍋課長 事務局、医療課長でございます。
1つ目の御質問、国民の意見を聴く、お声を聴くということについての具体的進め方に関するお尋ねでございました。こちらはそもそも私ども中医協のほうで来年度の検証調査の中で行うことを想定していたところでございます。具体的な調査票の設計ですとか、その内容をどこまでお聞きするかということに関しましては、これから具体的に検討ということでございますが、この附帯意見にもございますように、早くというふうな要請もございますので、そういったことを受け止めまして、具体的にスケジュールを引いて早めに進めさせていただきたいと思ってございます。
まずは以上でございます。その余は連携課長よりお願いいたします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
袖井委員から幾つか御指摘を頂戴いたしました。まず、保険証の利用登録に当たりまして、実際に今、医療機関・薬局に設置していただいてございます顔認証付きカードリーダー、こうしたものにマイナンバーカードをかざしていただくことで利用登録ができるということ、私どもとしてもそうした周知がまだまだ足りない部分があろうかと存じますので、引き続き進めてまいります。
それから、2点目に御質問いただきました、居宅等における資格確認の居宅同意取得型でございます。医療機関・薬局の窓口では顔認証機能がついたカードリーダーにマイナンバーカードを置いていただいて、そのマイナンバーカードのチップに内蔵されている顔写真情報と、その場で一時的に御撮影いただく本人の顔写真情報を照合することによって、暗証番号等を入力しなくても御本人であることが確認できる、そうした仕組みでございます。
一方、モバイル端末で患者の居宅等でやっていただく場合には、そうした顔認証機能付きのカードリーダーではございませんので、マイナンバーカードを読み込んでいただいて、それにつきまして暗証番号等で御本人を確認していただく作業が必要になります。ですが、一方で、訪問診療等の場合には、医療を提供する医療側と患者側とで一定の継続的な関係がございます。毎回そうした暗証番号を入力するのではなくて、ある程度最初に御同意をいただいた後、包括的にやる、そうしたような形も含めまして検討しておりますので、いずれにせよ、医療現場で支障がないようにしてまいりたいと考えてございます。
それから、3つ目、紙レセプトでございます。今、令和5年4月からオンライン資格確認の導入について原則義務化をする、その際、紙レセプトの医療機関というものを例外とさせていただいてございます。ここの例外について特に終期を設けているという状況ではございませんが、一方で先ほど御説明の中で申し上げました簡素な資格確認の仕組み、具体的には資格情報のみを確認できる仕組み、こうしたものはインターネットの環境があれば利用可能な仕組みを令和6年4月めどで導入するべく、今、システムの整備を進めておりますので、そうした選択肢ができますれば、紙レセプトの医療機関にはそうしたものを導入いただいて、資格確認をしていただくことが考えられると思ってございます。
それから、紙レセプトによる請求そのものをどうするのかということでございます。袖井委員御指摘のとおり、紙レセプトによる請求が請求省令上認められておりますのは、オンライン請求が認められた時点で高齢であった医師等以外に、レセプトコンピューターを導入していない等の事情で紙レセプト請求を行っているところもございます。そうしたことにつきましては、昨年6月7日に閣議決定された規制改革実施計画の中におきまして、紙レセプトはもとより、電子媒体による請求が行われている場合も含め、オンライン請求への移行を進める必要があることから、オンライン請求を行っていない医療機関等の実態調査を行うことともに、その結果も踏まえ、将来的にオンライン請求の割合を100%に近づけていくための具体的なロードマップを作成することとされてございます。
すなわちオンライン請求そのものの中でなるべく紙レセプトあるいは電子媒体による請求をなくしてオンライン請求にしていくという方策。そして、実際に紙レセプトで請求されている医療機関・薬局におきましては、簡素な資格確認の仕組みの導入を検討していただく。そうしたことを通じまして、今の大きな医療DXの流れの中で、医療機関の実情に応じた形で適切にこうしたものの導入を進めていただけばと考えてございます。
以上でございます。
○田辺部会長 袖井委員、よろしゅうございますでしょうか。
○袖井委員 例えば医療機関が紙レセプトを出している場合でも、患者の側としてはやはり高い初診料とか再診料を取られることになるのですか。向こうの都合で紙レセプトになっていて、オンライン化していないにもかかわらず、取られるということなのでしょうか。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
オンライン資格確認に関する加算の仕組みでございますが、これはオンライン資格確認等により加算をするものではなくて、実際にそこの情報を収集して活用していただく、そうしたことを評価しているものでございます。紙レセプトの医療機関ではオンライン資格確認の仕組みをそもそも導入していらっしゃらないということになります。また、あるいは私が先ほど申し上げました簡素な資格確認の仕組みを仮に導入したとしても、その仕組みの場合では、健康・医療情報を活用するという仕組みは機能としてついてございませんので、したがって、この加算の対象となるような、そうした意味での情報収集の体制を取られていないということになろうかと存じますので、この加算の対象とはならないということでございます。
○袖井委員 ありがとうございます。結構です。
○田辺部会長 それでは、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。私からも何点か意見を述べさせていただきます。
昨年12月の中医協でも協会としての意見を申し上げましたが、9ページから12ページにかけて記載されている経過措置に関する考え方につきましては、対象範囲や期限の設定についておおむね妥当であると考えております。その上で、オンライン資格確認等システムは日本の医療DXの基盤となる仕組みであり、なるべく多くの医療機関が本経過措置を必要とせず迅速な導入を行うことが可能となるよう、また、本経過措置の期限延長が繰り返されることのないように、オンライン資格確認の簡素な仕組みの導入に際して補助を講じるなど、引き続き導入促進に向けた積極的な支援をよろしくお願いしたいと思います。
また、14ページ、15ページで説明いただいている診療報酬上の評価につきましては、オンライン資格確認システムを活用した診療を受けた患者が対価を支払うにふさわしいメリットを感じることが大前提であると考えております。特定健診結果を診療上の判断に生かすことができる等の利点について、協会としても積極的に加入者に周知してきたところでございますが、国としても、改めて患者・国民への周知・啓発に本腰を入れて取り組んでいただきたいと思います。
続きまして、17ページから23ページのマイナンバーカードと保険証の一体化については、令和6年秋の導入に向けて、資料にあるとおり細部にわたりきめ細かく制度設計を行っていく必要があります。協会も専門家ワーキンググループのオブザーバーとして参加しておりますが、マイナンバーを活用しての業務フローに関する詳細の検討であるとか必要なシステム改修を行いつつ、混乱が起きないように最大限協力させていただきますが、検討事項の案にありますマイナンバーカード不所持の場合の資格確認の方法であるとか、発行済みの保険証の取扱いなどの詳細について、我々現場の意見を踏まえながら丁寧な議論を積み重ねていただくよう、よろしくお願いいたします。
あともう一点、先ほど16ページの附帯意見の3に関して、いつ頃調査をやるのかという御質問が袖井委員から出ました。それに関して、中医協のほうで今後議論をするというふうになっておりますが、できるだけ来年度の診療報酬改定の議論に間に合うようなスケジュールで、できるだけ早めに実施をしていただけるようによろしくお願いしたいなというふうにここで御意見申し上げておきます。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、佐保参考人、よろしくお願いいたします。
○佐保参考人 ありがとうございます。まず1点目のオンライン資格確認について、オンライン資格確認等システムは医療DXの推進基盤となるもので、確実に導入を進めることが必要です。2023年4月からの導入原則義務化を決定した以上、16ページの中医協の答申書の附帯意見にもあるとおり、経過措置は真にやむを得ない事情に限定するとともに、その期限を再度延長することのないようにすべきと考えます。
また、経過措置の(6)でバスケットクローズの経過措置が設けられています。特に困難な事情として12ページに具体例が記載されていますが、こうした具体例を医療機関等に明示し、可能な限り限定的に解釈すべきと考えます。
また、加算の特例措置に関しては、患者の負担増につながる点で懸念が残ります。医療機関においては新たに設けられる施設基準等を遵守していただくようお願いいたします。
2点目、マイナンバーカードと健康保険証の一体化について、2024年秋に保険証の廃止を目指すとされていますが、保険証廃止後も何らかの事情でマイナ保険証を持つことができない人も必要な保険診療を受けられることが大前提です。検討会や専門家ワーキンググループでの検討やヒアリングが進められているということですが、保険証廃止により患者や国民、医療機関等が不便や過度の負担を感じることのないようにすることが重要です。
検討事項案に記載された項目のほかにも、例えばDV等被害者への対応はどうなるのかといった点について、既に検討されていると思いますが、さらにレアケースなど様々な想定の下での検討が必要ではないかと考えます。患者や国民の声、医療現場への影響を踏まえながら丁寧な検討と対応をお願いしたいと考えます。
また、マイナンバーカード自体の普及促進を図るため、いまだ根強く残るマイナンバーカードへの不安や誤解を払拭し、安全性の周知と個人情報管理体制の強化を行うべきと考えます。
私からは以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、池端委員、よろしくお願いいたします。
○池端委員 ありがとうございます。慢性期医療協会の池端です。
私も皆さんがおっしゃったようにオンライン資格確認についてはいろいろな対策を取っていただいたことで、病院団体としても積極的にさらに推進に進んでいこうと思っております。その中で1点気になった点を御質問させていただきたいと思います。
私はあまり経験がないのですけれども、先ほど藤井委員がおっしゃった、(マイナンバーカードを)持ってこられたときに健康情報とか薬剤情報に関しての同意に対して、個人情報の不安から拒否される患者さんがいらっしゃったということですが、もしその流れがどんどん進んでいきますと、これを病院あるいは診療所や薬局の窓口で毎回毎回説明しなければいけなくなると、これは窓口の混乱にもつながると思いますので、ぜひオンライン資格確認あるいはマイナンバーカードに保険証を入れるという広報活動の中で併せて、それをなぜやるかということは、薬剤情報とか健康情報をそこで医療機関と共有することによって患者さんにもメリットがあるのだということもしっかりお知らせいただいて、一体的に広報していただきたいなと思っています。一人一人が窓口で(この点で)もめてくると非常に難しくなるのではないかという気がしています。
その意味で、先ほどの資料の中で24ページに検討会のヒアリング団体があります。このヒアリングの中でそういう懸念が大きく出てきたことがあるのかどうか、ちょっとお伺いしたいのと、もしあれば、このヒアリング団体を通してでも、基本的には個人情報等の扱いは非常にしっかりしているので、ぜひ同意の方向で持っていっていただきたいということをしっかり広報していただきたいと思っていますが、その辺について、もし情報があれば教えていただきたいと思います。
例えば介護保険でかかりつけ医から来る医師の主治医意見に関しても同意を求めるということがありますが、(恐らく)99.9%利用者は同意していただいておりますので、そういう流れをつくっておかないと、これはせっかく同意してもその情報が使えないことになってしまうといけないので、ぜひその辺も併せて広報していただきたいと思っています。この点についても、何か現状でお分かりいただいていることがあれば教えていただければと思います。
以上です。
○田辺部会長 1点御質問がございました。回答のほうをお願いいたします。
○水谷課長 医療介護連携政策課長でございます。
今、御指摘いただいた同意ですけれども、まず、実際に顔認証付きカードリーダーで御同意をいただくための画面の中では、過去の健診情報を当機関に提供することに同意しますか。その後に、この情報はあなたの診療や健康管理のために使用しますといった形で、目的も含めて御説明して、御同意いただくような画面、お薬情報についても同じような趣旨でやっているところでございます。
一方で、もともとこうした同意画面に至る前にオンライン資格確認という仕組み、これは資格確認を効率化するということ、それも当然ございますが、やはり過去のお薬、あるいは診療の情報を活用してよりよい医療を受けていただくための仕組みであるということ。こうしたことにつきましては、引き続き、私どもとしてもしっかり周知を図ってまいりたいと考えてございます。
今御質問いただきましたマイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会、この専門家ワーキングでヒアリングをさせていただいたときに、こうした御意見が出たかということ。今それが網羅的に手元にあるわけではございませんで、私のほうでそこの事実関係を正確に申し上げることができませんので、お答えは差し控えさせていただきますが、いずれにせよ、この検討会におきましては、先ほど申し上げました高齢者、障害者などマイナンバーカードそのものを取得する、あるいは実際にそれを医療現場で活用していただくときに様々な支援が必要だと考えられる方々から、まさに直接のお声をお伺いしております。そうしたところで出てくる様々な課題に一つ一つ丁寧に対応できるように、引き続き検討を進めてまいりたいと考えてございます。
以上です。
○田辺部会長 池端委員、よろしゅうございますか。
○池端委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○田辺部会長 それでは、横尾委員、よろしくお願いいたします。
○横尾委員 ありがとうございます。御意見を申し上げたいと思います。
貴重なオンライン資格確認等システムのスタートだと思っています。といいますのは、毎回申し上げていますけれども、デジタルガバナンス、デジタル行政を進めていく上でマイナンバー制度、マイナンバーに関する情報の収集とその利活用は基本のキですので、ぜひこのことがより分かりやすく多くの皆様に正確に伝わるように、厚生労働省並びにデジタル庁、そして総務省を中核として、でき得るならば政府としてもっと分かりやすくしていく必要があるなと改めて感じました。特に先ほど藤井委員からも、確認の問合せがあったら急にやめちゃったという話がありましたけれども、まさにそういった反応というのはありがちだと思うのですね。ですから、そうならないためにも、やはり基本のキとして、実はこういう仕組みで、全体としてもこういうメリットがあって、そして個人の情報をひもづけることの重要性ということも広く分かっていただくことが最も重要だと思います。このことが遡及しないと、ほかの行政サービスをやっていこうとしてもできなくなってしまいますので、ぜひお願いしたいと思います。
そういった意味では、2点目に申し上げたいのは、厚生労働省ということではなくて、厚生労働大臣からでも結構なのですけれども、政府全体としてのマイナンバー制度、マイナンバーカード、そしてオンライン資格確認から始まる、そういったデジタル行政のトータルなビジョンというのも折に触れて発信をしていただくことがとても大切ではないかなと改めて感じているところです。
私としては、この方向性は大変重要だとかねて思っておりますし、特に高齢者の皆様にも分かりやすい配慮が当然必要です。また、我々も努力しなければいけないのは、以前も申し上げましたが、デンマークではいろいろな団体が情報リテラシーを上げる努力をしている。そのことが相乗効果として、よりよい行政サービス、すなわち正確で公平、迅速な情報やサービスの提供、特に公からプライベートな活動への、行政から民間の活動を支える基本になっているということですので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
関係の皆さんにおかれては、セキュリティーを高めながら、利活用を高めるというのはなかなか難しい局面もあると思いますけれども、ぜひ緻密な作業をいただいている皆様にはより多くの、そしてなお一層の御尽力をお願いし、意見に代えさせていただきます。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、本議題につきましてはこれまでとさせていただきます。
最後に、事務局のほうから別途報告事項があるということでございますので、説明のほうをお願いいたします。では、よろしくお願いいたします。
○伊藤企画官(医薬・生活衛生局) 電子処方箋サービス推進室長でございます。
資料2に沿って御報告をさせていただきます。「電子処方箋について」ということでございまして、こちらはまさに先ほど御説明したとおり、オンライン資格確認のネットワークを介して処方箋のデータをやり取りする仕組みでございますけれども、昨年8月に本部会に御報告をいたしましたとおり、スライドの2枚目でございますが、モデル事業を10月31日から4地域で開始しております。こちらは1年間ということでございまして、今現在も継続して行っているということでございますが、各地域で施設数については順次増えているというような状況でございます。
それから、全国での電子処方箋の運用開始につきましては、今月26日からスタートするということで既に対外的には発表をさせていただいているということでございます。
スライド3枚目にモデル事業の実施状況でございますけれども、この4地域で現在38施設、医療機関が7、薬局が31施設まで増えてきているということでございます。こちらはそれぞれステップ1、ステップ2と左側に書いてございますけれども、これは何かと申しますと、ステップ1というのが、まずは紙の処方箋のみを発行いたしまして、一方で処方箋のデータがきちんと正確に登録されているか、それが薬局に正しく飛んでいるかを確認しているということでございます。こちらである程度検証ができて問題ないという医療機関・薬局についてはステップ2ということで、これは全く本番と同じように電子処方箋も選べるような仕組みで、既に運用を開始しているということでございます。
昨年末、12月31日の段階でございますが、処方箋のデータ登録件数は約9万件となってございます。医療機関・薬局で若干の数字が異なってございますが、これは限られた地域、限られた施設でやっているため、若干の差が生じているということでございます。
それから、右下に重複投薬のチェックの実施件数が約15万件ということで記載がございます。こちらは今回の電子処方箋の特徴の一つでございまして、処方箋の登録段階、それから薬局の調剤段階、それぞれにおいて重複投薬、併用禁忌の自動チェックがかかる仕組みでございます。こちらにつきましても、引き続きよく精査、分析をしていきたいと考えてございます。
スライドの4枚目がモデル事業における対応事例ということで書かせていただきました。全体といたしましては、システム面、それから運用面で大きな問題がなく、これまで運用できているということで予定どおり26日から全国での運用開始をスタートしていきたいということでございます。
ただ、一方で、様々な論点、細かい論点は日々生じているということでございまして、その一例を下に御紹介しておりますが、例えば診察室、調剤室で電子処方箋サービス等を接続する端末がない場合、どういった運用にすればよいか、このような声がモデル事業の現場からは上がってきているということでございます。我々はこういったものについては一つ一つ、例えばQ&Aを追加していくことで対処しているところでございまして、引き続きこういったものについてはよく見ていきたいということでございます。
スライドの5枚目が周知広報関係ということでございまして、これまで医療機関・薬局向けには3回の説明会ということで行ってまいりました。加えて、国民向けということでございますが、この10月のモデル事業の開始に当たりましては、住民説明会も開催をさせていただいたということでございます。
それから、どういった医療機関・薬局が26日、全国での運用開始に当たって電子処方箋利用可能な施設はどこにあるのかといったものについては、近日中に厚生労働省のホームページで公表をしてまいりたいと思っております。
加えまして、右下のようなポスターやリーフレットも各医療機関・薬局に置いていただいて、周知広報をしていただくということで、引き続き取り組んでまいります。
6枚目以降が予算関係ということでございまして、先般国会で成立をいたしました令和4年度第二次補正予算におきまして34億円確保いたしております。これは具体的には中央の支払基金の電子処方箋の機能強化ということでございまして、リフィル機能、それから処方箋のデータを預かるサービス、こういったものの開発費用ということで34億円となってございます。
スライドの7枚目がHPKIカード、これは電子署名に必要なものということでございますが、こちらに対する補助ということで、22億円も積んでいるということでございます。
最後にスライド8枚目が令和5年度の予算でございまして、医療情報化支援基金で約130億円を積んでいるということでございます。こちらについては令和5年度の改修分についてということでございまして、こちらは令和4年度と同じ補助率にまで先般引上げを行ったということでございまして、国会の審議を経て成立したら、このような補助率にしていきたいと考えているところでございます。
説明は以上になります。
○森課長 総務課長でございます。
続いて、資料3を御覧ください。令和5年度予算案については、昨年12月23日に政府として閣議決定をいたしました。来週23日から始まる通常国会に政府の予算案を提出する予定となっております。その関係の保険局分について簡単に御説明いたします。
まず1ページ目ですけれども、医療保険制度に対する医療費国庫負担、10兆648億円を確保しております。
真ん中の四角のところですけれども、今年は通常の報酬改定の間年に当たる薬価改定を行っております。薬価改定への対応として、12月21日に行われた厚労大臣と財務大臣の2大臣合意について記載しておりますけれども、薬価調査に基づき、国民負担軽減の観点から、平均乖離率7%の0.625倍を超える品目を対象に薬価改定を行う際、不採算品再算定について臨時・特例的に全品を対象に適用するとともに、新薬創出等加算の加算額を臨時・特例的に増額することとされております。
併せて、3つ目の一番下の箱のところですけれども、診療報酬上の対応も行われておりまして、先ほど説明のありましたオンライン資格確認関係の報酬の見直しを行うとともに、一番下から2行目のところですけれども、医薬品の供給が不安定な中、患者への適切な薬剤処方の実施や薬局における地域における協力促進などの観点から、一般名処方等における加算の上乗せ措置を講じているところでございます。
続いて、2ページに参りまして、医療保険制度改革関係というところがございます。出産育児一時金の増額に伴う支援措置ということで、後期高齢者に出産育児一時金を負担していただくのは令和6年度からとなりますので、令和5年度分について若年世代の負担を軽減するために支援措置というのを76億円講じております。それから、国民健康保険の産前産後の保険料の免除ということで1.9億円用意しております。
続いて、3ページに参りまして、医療分野におけるDXの推進ということで、オンライン資格確認関係、それから電子処方箋導入に向けた支援ということで289億円。
そこから、予防・重症化予防・健康づくりというのが3ページ、4ページ、5ページに続いておりますので、適宜御参照いただければと思います。
続いて、資料4でございます。改革工程表2022というのが12月22日に決定されております。
1枚おめくりいただいて2ページ目ですけれども、全体総括の一番最初のところ、改革工程表というのは骨太の方針を踏まえて新たな施策の盛り込みや全体構成について見直しを行って、工程表を取りまとめて具体的な施策を推進していくというものでございます。
3ページに参りまして、社会保障分野の関係では、下の赤いところの丸で見えるように、1つは医療・介護分野におけるDXの推進ということ。それから2つ目、医療費・介護費の適正化や国保財政の健全化。3つ目、かかりつけ医機能が発揮される制度整備。4つ目、地域医療構想の実現。それから、介護分野における負担の見直しというのが具体的に記載されているところでございます。
続いて、資料5に参りまして、昨年12月16日に全世代型社会保障構築会議における報告書が取りまとめられておりますので、その概要について御報告いたします。
1枚おめくりいただいて、まず全体の基本的考え方のところで目指すべき社会の将来方向で、1番、「少子化・人口減少」の流れを変える。2番、これからも続く「超高齢社会」に備える。3番、「地域の支え合い」を強めるということを念頭に、制度ごとに見直しの方向を定めております。
3ページに参りまして、子ども・子育て支援の充実のところですけれども、左下の四角のところ、(2)取り組むべき課題の(1)の3つ目の黒ポツのところ、出産育児一時金の引上げと出産費用の見える化というのを入れております。
続いて、4ページに参りまして、働き方に中立的な社会保障制度等の構築で同じ(2)の取り組むべき課題の(1)、上から3つ目、いわゆる社会保険の適用対象の拡大という論点、それから4つ目の黒ポツのところで、フリーランス・ギグワーカーについて、被用者性の捉え方などについて検討を進めていくということが記載されております。
続いて、5ページが医療・介護制度の改革関係でございます。(2)の(1)、医療保険制度のところでございますけれども、まさにこれは医療保険部会で御議論いただいたことをそのまま盛り込んでいるような形になっております。後期高齢者の保険料負担の在り方の見直し、それから2つ目、被用者保険者間の格差是正、あわせて、引き続き給付の在り方、それから給付と負担のバランスを含めた不断の見直し、また都道府県の役割について検討を深めていくことが必要とされています。また、(4)のところで医療・介護分野等におけるDXを推進していくということが盛り込まれているところでございます。
それから、参考資料のほうでございますけれども、参考資料3、議論の整理につきましては、12月15日に本医療保険部会で御議論いただいて、部会長に修正等、御一任いただいた上で、翌日に公表させていただいております。それがこちらの参考資料3になっておりまして、あわせて参考資料4のほうですけれども、当該議論の整理に基づいた医療保険制度の改革の内容について、国民を含めて関係者に分かりやすい形で説明できるようにということで、医療保険部会等で用いた資料を併せて、説明資料のようなものを作成いたしましたので、こちらに添付させていただいております。
私からの説明は以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、報告事項ではございますけれども、御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。
では、藤井委員、よろしくお願いします。
○藤井委員 ありがとうございます。資料3の1ページ、各医療保険制度に関する医療費国庫負担のところに関しまして、一言、申し上げたいと思います。かねてより薬剤費削減が医薬品の安定生産・供給を難しくしている面があるということを申し上げてまいりましたが、来年度予算におきまして、医薬品全体の安定供給に対応する措置が盛り込まれているということに関しまして、これはぜひ実が上がるようにお願いしたいと思います。限られた医療資源の有効活用という観点からも、必要な人に必要な薬が届くよう、繰り返しになりますが、薬の安定供給に対して製造現場の実情にも目配りをしつつ、適正な取組を進めていただくようお願いしたいと思います。
残念ながら薬局の店頭から海外に薬が吸い上げられているというような実情もございますので、これについても、この医療保険部会で論ずることはないと思いますけれども、日本の医療制度が海外からあまり影響を受けないような形というのも望ましいのではないかなと思っています。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、佐野委員、よろしくお願いいたします。
○佐野委員 ありがとうございます。まず、電子処方箋についてでございますけれども、電子処方箋はまさに医療DXの成果として、導入開始後、早期に国民・患者が電子処方箋のメリットを実感できるための仕掛け、仕組みづくりが極めて重要であると考えております。また、医療の質向上や医療費適正化につながる有用なツールとして、広く利活用が進むということを健保組合としても大変大きく期待をしており、目標として掲げられていますところのオンライン資格確認導入施設のおおむね全ての医療機関・薬局の導入に向けて、普及促進に取り組んでいただきたいと思います。そういった中で3点コメントをしたいと思います。
まず1点目は、今月末の本格運用開始でございますので、これについて健保組合を含めた国民・患者向けの広報ツールの作成・提供に関する支援をぜひともお願いしたいと思います。
2点目は、先ほども電子処方箋対応施設については厚労省ホームページで公開予定とありましたけれども、やはりこうしたツールは本格運用開始以降、速やかに国民が分かりやすく利用できるような形での準備をお願いしたいと思います。
3点目は、本格運用開始後は重複投薬であったり併用禁忌の防止等の導入効果を示すための情報開示、また、これらの効果等の課題についてもPDCAを回していただいて、より効果を発揮できるような形でもって継続的な改善をお願いしたいと思います。
それから、資料3に記載の来年度予算関連でございますけれども、大臣折衝等も経て、これまで以上に健保組合に対する支援をいただいたことには感謝を申し上げたいと思います。その上で、本日示されました令和5年度予算案について、出産育児一時金の補助金については令和5年度限りとされておりますけれども、後期高齢者医療制度からの支援については、激変緩和措置として対象額は令和6・7年度は出産育児一時金全体の半分となりますので、現役世代の負担軽減という今回の改革の趣旨に鑑み、最低限、令和6・7年度の財政支援もお願いをしたいと思います。
また、全世代型社会保障構築会議において、「引き続き給付の在り方、給付と負担のバランスを含めた不断の見直しを図るべきである」と記載されていることも踏まえ、今回の改革で終わりではなくて、後期高齢者の窓口負担の原則2割や現役並み所得者の給付費に対する公費投入等、引き続き現役世代の負担軽減に資する見直しをお願いしたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。私からは電子処方箋について意見を述べさせていただきます。
電子処方箋は1月26日からいよいよ運用が開始されます。複数の医療機関・薬局間での情報の共有が進むことで、重複投薬の防止であるとか適切な薬学的管理等、患者の健康増進に大きな効果が期待される制度である一方で、導入に向けた環境の整備がいまだ進んでいないという状況でございます。一刻も早く全面的な導入が可能となるよう、国として財政的支援も含め、導入促進に向けた支援策の一層の強化をぜひよろしくお願いしたいと考えております。
協会としましても、保険者として令和5年度から電子処方箋に関わる運用経費を負担することとなっております。加入者を含む国民が電子処方箋のメリットを実感できるよう、積極的に周知・啓発を行っていきたいと考えております。
厚生労働省といたしましても、医薬・生活衛生局と保険局をはじめ関係部局の連携を深めながら、患者・国民に向けて省を挙げて積極的な広報に努めていただくよう、よろしくお願いいたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、猪口委員、よろしくお願いいたします。
○猪口委員 ありがとうございます。私のほうから電子処方箋について意見をさせていただきます。
1月26日から運用開始とされているのですが、本当に現状の電子カルテ上に電子処方箋を組み込むということをベンダーがどこまで開発できているのか、そこの現状の情報を調べた上で、ぜひ開示していただきたいと思います。現状ではとても運用をどんどん広めていくというところまではいっていないのではないかと感じられるからです。
それからまた、そのコストについても一定の補助というような形になっておりますが、実際にかなり手を加えないと運用ができないので、そのために必要なコストがどれぐらいかかるのか、これもぜひベンダーのほうからヒアリングをしていただきたいと思います。開始開始といっても実際の運用というと、まだまだ現実のものになっていないと感じておりますので、ぜひそこら辺の情報収集をお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、渡邊委員、よろしくお願いいたします。
○渡邊委員 ありがとうございます。私からも電子処方箋について現状を鑑みて3点ほどお願いをしておきたいと思います。
1点目に関しては、基盤となるオンライン資格確認等のシステムを整備している薬局においては、電子処方箋に対応するシステムを追加するという段階にあるのですけれども、現状、薬局に対してほとんどのベンダーから、今、猪口委員からもありましたように、電子処方箋のシステム導入に係る説明や案内というものが全然周知されておらず、もちろん受付に至っていないという状態になっています。ベンダーが受付をできないと手続も進まないので、導入金額も分からないということになりますけれども、薬局としてはなかなか契約したくても進めないという状態になってしまいます。
1月26日の運用開始ということなのですけれども、厚生労働省からもベンダーに対して働きかけ、フォローをいただかないと、なかなかベンダーが動けていない。オンライン資格確認の義務化の中で煩雑な動きをされている中でもあるのですけれども、電子処方箋のほうの運用開始になかなか間に合わないということになります。
ここは応需体制が整備できないので、ぜひ担当部局からもベンダーへの働きかけをお願いしたいと思っております。
2点目ですけれども、さきにも申し上げた保険証のこととも絡むのですが、国民、医療の現場が混乱しないように、それぞれに向けた運用の取扱いについて分かりやすく丁寧な電子処方箋に関する部分での周知というものも必要かと思っております。
電子処方箋が運用開始になるよという情報だけが発信されても、マイナンバーカードとの関係は、どのようにするのか分からないという状態になります。現場での運用に当たっては、特有の事情というのもありますけれども、ぜひ国民向けメッセージをどう発信するのかという部分については、現状での何らか想定があるのであれば、26日も迫っておりますので、可能な範囲で結構ですので、この場で担当部局のほうからその辺りの御回答をいただければと思います。
3点目ですけれども、モデル事業が続けられる中、運用を開始されていくという状況になるのですけれども、電子処方箋の普及・定着を図るためには、関係者間での運用上の課題を共有して、解決していくという必要が生じます。ぜひそのために情報の共有と問題解決、課題解決のためのスキームが必要かと思いますので、例えばオンライン資格確認のときの推進協議会のような場を設けていただく必要もあるのかなと思っております。もし現時点でこのようなもののお考えがありましたら、これもお教えいただきたいと思います。
以上、よろしくお願いを申し上げます。
○田辺部会長 ありがとうございました。何点か御質問がございましたので、回答のほうをお願いいたします。
○伊藤企画官(医薬・生活衛生局) ありがとうございます。何人かの委員の方から、まず周知広報について御意見をいただいたところであります。しっかり国民向けの周知広報といたしまして、先ほど資料ではポスターやリーフレットということも申し上げましたが、今回、モデル事業でもデジタルサイネージなどを各受付で出しておりまして、そういったところで実際にオンライン資格確認システムの使い方を動画で流すとか、どうやったら電子処方箋を使えるのかといったような説明をその場で流している、こういった事例もございますので、引き続きしっかり取り組んでいきたいと思っているということでございます。
それから、ベンダーとの関係について、これは何人かの委員の方からも御指摘がありましたとおり、今、非常にリソースとしても大変な時期だと承知しているわけでございます。できるところから順次電子処方箋が利用できるように改修を進めてほしいということで、我々も説明をしているところでございますが、引き続きよくベンダーとはコミュニケーションを図っていきたいと考えております。どういった仕組みで進めていくのがいいのかというのは、少し検討をさせていただきたいと思っているところでございます。
○田辺部会長 よろしゅうございますでしょうか。
○渡邊委員 渡邊です。よろしいでしょうか。運用を開始して進めていくに当たっての協議をする場のようなものの設け方に関しては、何かお考えがあったら教えてほしいのですけれども。
○伊藤企画官(医薬・生活衛生局) 運用開始に当たっての協議会ですね。どういったものがいいのかというのは、今、現状ではオンライン資格確認の協議会がございまして、その中で電子処方箋も議論をさせていただくような形になっておりますが、どういう形がいいかというのはよく検討したいと思っております。
○田辺部会長 よろしゅうございますでしょうか。
○渡邊委員 ありがとうございます。現場がなかなかついてこれていない状況にあるかと思いますので、ぜひぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございます。
○田辺部会長 では、池端委員、よろしくお願いいたします。
○池端委員 ありがとうございます。私も電子処方箋について病院団体の立場から少しお話をさせていただきたいと思います。今も佐野委員、安藤委員等から、この電子処方箋に対する期待感が非常に大きいというお話もありましたけれども、もちろん病院団体としても推進することに対してやぶさかではありません。ただ、一方で、先ほど猪口委員もおっしゃったように、費用の問題、それから導入の作業の問題等、まだまだかなり不安材料が山積みされているような印象を持っています。特に大規模病院などで電カルを導入している病院では、電子カルテシステムのログインとは別に院外処方のときだけHPKI等の個人カードで認証する作業が追加されることになります。そこで、個人のカードが院外処方に出たときに、疑義照会があったときに何度も何度も個人が認証しながらやり取りしなければいけなくなると、あまり現実的ではないということを病院団体の先生方も非常に不安視されています。
それから、もう一つ、このメリットの一つであると言われている重複投与とか併用禁忌等の確認には、今回対象になっていないと思われますけれども、院内処方のデータも必要になってきます。ただし、院内処方で薬剤師の個人認証をその都度行うというのは現実的ではありませんし、院内処方と院外処方の突合ということが現実的には多分、今のシステムでは難しいのではないかと思いますけれども、その辺は今後どういう見込みなのか、もし方向性があれば教えていただきたいと思います。
それから、もう一つは、先ほどちょっと触れましたように、電子処方箋の電子署名というのは個人でやっていく場合、例えば大学病院のように非常に医師の数も多く異動が多い、それから非常勤の医師も多い中で、一回一回の処方で1人1人がそれを認証するというのは現実的ではない気がしていますので、できれば組織、つまり医療機関による認証ということができると非常に運用がやりやすくなるのではないかと思います。なかなか組織での電子認証は難しいということをお聞きしていますけれども、そういうことが今後可能になっていくかどうかということと、そうでなければ、今、モデル事業で7医療機関があるということですけれども、あまりここには大きな大規模病院が入っていないようですが、そういう医師がたくさんいるところで電子署名の問題について何か問題点が上がってきていないのかどうか、その辺についてももし分かっていることがあれば教えていただきたいと思います。病院団体は非常に不安視している方が多いので、この場でお聞きできればと思って御質問させていただきます。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
2点ほど御質問がございましたので、回答をお願いいたします。
○伊藤企画官(医薬・生活衛生局) お答えをさせていただきます。まず1点目の院内処方への対応ということでございますが、今回の電子処方箋につきましては、院外処方を対象とさせていただいているということでございますので、院内の分についてはデータが入ってこない仕組みになってございます。したがいまして、こういった場合にはお薬手帳などを引き続き活用していただいて、情報を補完していただく。こういった現場での運用が重要になってくるのではないかと考えているということでございます。院内処方への拡充については、現場からもそういったお声をいただいておりますので、よく検討していきたいと考えております。
それから、電子署名についての御質問でございますが、組織認証とかそういったものは今のガイドライン上はなかなか難しくて、これは医師個人にひもづいた形での電子署名を行うことになっているということでございます。現状、モデル事業の実施施設において電子署名についての意見はまだ上がってきていないということではございますが、我々は一方でカードレス署名なんかの仕組みも御用意をさせていただいておりまして、多くの医師を抱える大きな病院には、そういったカードレス署名なんかも使っていただきながら、スムーズに電子署名ができるような工夫はやっておりますので、引き続きよくフォローをしていきたいと考えております。
○田辺部会長 池端委員、どうぞ。
○池端委員 ありがとうございました。病院団体としてもこの電子処方箋を進めることに対して反対しているわけではありませんが、非常に不安材料、課題も多いように認識しておりますので、ぜひまたしかるべき場所で意見交換、あるいはヒアリング等もしていただけるとありがたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
以上です。
○田辺部会長 では、次に鎌田参考人、よろしくお願いいたします。
○鎌田参考人 ありがとうございます。私のほうから報告事項3の改革工程表につきまして、資料4でございますけれども、31ページにございます広域連合における事務処理が行われる後期高齢者医療制度の在り方につきまして、従来から申し上げておりますとおり、広域連合と市町村が相互に協力・連携しながら、効率的・効果的に事務処理を円滑に行っておりますことから、引き続き広域連合の仕組みの中でしっかりと運営を行っていくべきであると考えております。
また、38ページでございますが、国保の普通調整交付金についての見直し、それからまた、53ページの生活保護受給者の国保等への加入につきましても、従来から全国市長会をはじめ、地方団体が要望しておりますとおり、見直しを行わないようにお願いをいたします。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかはいかがでございましょう。
特に手が挙がっていないようでございますので、本日はこれまでとさせていただきたいと存じます。
次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡申し上げます。
本日は御多忙の折、御参加いただきましてありがとうございました。
それでは、閉会いたします。