令和5年1月20日 第90回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第23回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和5年1月20日(金) 13:00~16:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

1月20日合同部会 議事録

○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第90回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和4年度第23回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージまたはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。
 現在、副反応検討部会委員9名のうち9名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
 また、本日は、国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の神谷元参考人にお越しいただいております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(報道関係者退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。
 留意事項に反した場合は、退場していただきます。
 また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意をお願いします。
 本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において、審議される品目は新型コロナウイルス、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、HPV、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、13価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社、アストラゼネカ株式会社、モデルナ・ジャパン株式会社でございまして、事前に各委員に申告をいただいております。
 各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、舟越委員が第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜの各ワクチンについて意見を述べることができますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 藤井委員、柿崎委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがございました。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 次に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-8、資料2-1から2-30、資料3-1から3-2-2、参考資料1から17になります。
 資料の不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
○森尾座長 ありがとうございます。
 それでは、審議を始めさせていただきます。
 議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等について」、まず資料1-1-1から資料1-5について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 資料1-1-1から1-5を用いまして、今回の集計対象期間において副反応疑い事例の動向などに変化があった点を中心に説明いたします。
 今回の集計対象期間は、12月18日までとなっております。
 また、スパイクバックスBA.4-5については、今回の集計対象期間から接種が開始されましたので、今回の資料から集計を開始しております。
 まず、資料1-1-1をご覧ください。
 2ページでございます。副反応疑い事例の報告状況の概要を御説明いたします。
 コミナティについて、BA.1の推定接種回数は781万5086回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0010%で、重篤は0.0003%、死亡の報告は3件で、いずれも前回部会でデータロック外としてお示しした症例で、新たな報告はございません。
 BA.4-5の推定接種回数は2753万1552回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0008%で、重篤は0.0003%、死亡の報告は23件です。
 BA.1、BA.4-5のいずれも、コミナティ全体と比較して高くはなっておりません。
 続いて、3ページに行っていただきまして、コミナティ6か月~4歳用について、推定接種回数は10万7564回接種、副反応疑い報告は2件ございまして、熱性けいれんの事例とアナフィラキシーの事例について重篤事例として報告がございましたが、いずれも軽快しております。資料1-1-2-2にラインリストを掲載しております。死亡事例の報告はございません。
 コミナティ5~11歳用は、推定接種回数が386万9716回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0036%で、重篤は0.0010%、死亡事例は前回部会以降新たな報告はございません。
 続いて4ページ、スパイクバックスにつきまして、BA.1の推定接種回数は289万6003回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0014%で、重篤は0.0002%、死亡の報告は2件です。
 BA.4-5の推定接種回数は37万1017回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0005%で、重篤は0.0003%、死亡の報告はございません。
 BA.1、BA.4-5のいずれもまだ接種数は多くはございませんが、全体と比較して高い頻度とはなってございません。
 ヌバキソビッドについては27万1101回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0125%でありまして、頻度については前回から大きな変動はございません。
 接種回数別の報告状況については56ページ以降、ロット別については64ページ以降にまとめておりますが、報告状況の顕著な変化はございませんでした。
 資料1-2には企業報告についてまとめておりますが、資料1-1の医療機関報告と傾向に大きな違いはございません。
 資料1-1と資料1-2の説明は以上とさせていただきます。
 続いて、死亡事例でございます。資料1-3-1をご覧ください。
 コミナティの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目、「1.報告状況」です。今回の集計対象期間において死亡として報告された事例として、総数としては1,751件、うち4回目以降は66件の報告がございました。
 2価ワクチンについては、BA.1は前回の部会で御報告させていただいた3件、BA.4-5は31件の報告となっております。
 「2.専門家の評価」の項に専門家評価の結果を表としてお示ししております。
 3ページ目、「(参考2)報告頻度」の部分でございます。各接種回数における100万回当たりの報告頻度については、前回から大きな変化はございません。また、2価ワクチンについても、全体と比較して高い頻度とはなっておりません。
 BA.1の死亡事例については277ページをご覧ください。
 いずれも前回部会においては評価中とお示ししておりましたが、専門家による評価の結果、いずれもγと評価されております。
 BA.4-5の死亡事例は278ページ以降をご覧ください。
 前回部会において評価中とお示ししたもののうち、No.2を除いた事例については、専門家による評価の結果、いずれもγと評価されております。
 なお、No.2の症例の詳細については後ほど御説明いたします。
 続きまして、資料1-3-2をご覧ください。
 スパイクバックスの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目、「1.報告状況」です。今回の集計対象期間において死亡として報告された事例として、総数としては211件、うち4回目以降は23件の報告がございました。2価ワクチンについては、BA.1は3件報告されております。また、データロック期間内におけるBA.4-5の報告はございません。
 「2.専門家の評価」の項に専門家評価の結果を表としてまとめております。
 3ページ目、「(参考2)報告頻度」の部分でございます。各接種回数における100万回当たりの報告頻度については、前回から大きな変化はございません。
 BA.1については、3回目接種後に1件の報告がありましたが、こちらは前回部会でお示しした症例となります。
 スパイクバックスBA.1の死亡事例については、44ページをご覧ください。
 No.1について、前回の部会においては評価中とお示ししておりましたが、専門家による評価の結果、γと評価されております。
 スパイクバックスの御説明は以上となります。
 ヌバキソビッドについては新たな報告はございませんので、説明を省略させていただきます。
 また、資料1-3-4のコミナティ5~11歳用について、前回部会で評価中としていた事例については後ほど御説明いたします。
 資料1-3の説明は以上となります。
 続いて、資料1-4-1をご覧ください。
 心筋炎疑いの症例について、コミナティBA.1において3件、コミナティBA.4-5において6件報告されています。
 心膜炎疑いの症例について、コミナティBA.1において2件報告されております。また、コミナティBA.4-5において1件報告されております。
 2価ワクチンの心筋炎の事例は37ページ、心膜炎の事例は42ページにお示ししております。評価についてはいずれもγとなっております。
 続いて、資料1-4-2をご覧ください。
 スパイクバックスBA.1において、心筋炎疑い、心膜炎疑いの症例がそれぞれ1件ずつ報告されています。心筋炎の事例は28ページ。心膜炎の事例は29ページにお示ししておりまして、評価はいずれもγとなっております。
 また、その他のワクチンについても、心筋炎・心膜炎の発生頻度について大きな変化はございません。
 続いて、資料1-5をご覧ください。
 10月21日の部会における審議の結果、乳幼児ワクチン接種開始に伴い、副反応報告基準に熱性けいれんが位置づけられましたが、今回、乳幼児ワクチン接種後に熱性けいれんの報告があったことから、新たに資料を追加し、一覧としてお示ししております。
 報告事例としましては、医療機関、製造販売業者からそれぞれ1件ずつ報告されております。
 「転帰内容」の列の部分でございますが、いずれも軽快と報告されております。
 本事例の専門家評価については、資料1-2-2-2をご覧ください。
 2ページのNo.25927の事例として記載しております。こちらですが、一番右側にあるとおり、ワクチン接種約3時間後に複雑型の熱性けいれんの重積状態を起こし、その4日後にウイルス性肺炎と診断されている。よって、熱性けいれんを起こした発熱の原因として、ワクチンは接種後3時間以内で短時間しか経過していないこと、後でウイルス性肺炎と診断されていることから、ワクチン以外でのウイルス性感染症の発症の可能性が高いと考えられる、として、γと評価されております。
 全体としての報告は以上となりますが、引き続き追加で事務局から報告させていただきます。
○事務局 それでは、続いてコミナティBA.4-5接種後の42歳女性の死亡事例の専門家評価について追加で説明させていただきます。
 資料1-3-1、279ページ、No.2の症例をご覧ください。
 前回までの報告としまして、医療機関からワクチン接種時の経過、搬送後の経過について御報告させていただき、前回の部会の直前でバイタル等、追加の情報が得られたことと、製造販売業者からもアナフィラキシーやそれに付随する症状の取り下げ、または追加で検討が必要な情報が報告されたことから、前回部会では評価中とさせていただいておりました。
 今回、前回の部会以降追加で得られた情報と専門家評価に関して御説明させていただきます。
 まず、これまで報告させていただいた本事例の概要について簡単に説明させていただきます
 284ページの別添1の資料をご覧ください。
 本事例の経過について、ワクチン接種から数分後に咳が出て座り込んでしまい、救護室に移送され、その際に患者が接種前から体調が悪かったと訴えたと報告されています。接種から11分後、医師診察時、呼吸苦等の所見が認められ、救急搬送されております。その後、泡沫状の血痰を大量に吐き、接種16分後に心停止のため心肺蘇生が開始され、その後心拍再開し、その際の血圧と脈拍について報告されております。心拍再開するも、すぐに心肺停止となり、救急隊が到着し、接種から約1時間後に高次病院に搬送されております。搬送先でアドレナリン投与等を行うも、接種から1時間40分後に死亡確認となってございます。
 その下、審議結果の箇所をご覧ください。死亡診断書では急性左心不全、致死的不整脈とされており、死亡時画像診断からは高度な肺うっ血の所見が認められたと報告されております。初診時に皮膚症状、消化器症状なく、一般的なアナフィラキシーで認められる所見がなかったこと、及び泡沫状の血痰を大量に排出したことなど、急性肺水腫を想定する症状であり、観察室に移動するときに接種前から実は具合が悪かったということを訴えられており、ACSやARDSをきたしうる病態も鑑別として考えられ、ワクチン接種後であったことからアナフィラキシーの存在は強く疑われた。
 また、アナフィラキシーショックであった場合には、最重症型であったと考えられる。病理解剖がされていないこともあり、最終的な病態の解明には至らなかったと報告されたと前回の部会で御報告させていただきました。
 続きまして、前回の部会以降新たに得られた情報について御紹介させていただきます。
 別添2の286ページをご覧ください。
 企業からの報告で、合併症の経過などの情報が追加になっております。中段に記載してございますが、2型糖尿については、コントロール不良ではあったが改善傾向、合併症はなし、高血圧に関しても急激な上昇はなく、睡眠時無呼吸症候群に関してはコントロール良好、その他、喫煙歴やスギ、ヒノキ等のアレルギー歴など基礎疾患に関わる情報についても報告されています。
 以上が本事例で入手できた主な情報でございます。
 続きまして、専門家評価について御説明させていただきます。
 279ページをご覧ください。
 PMDAの専門家に評価依頼をしたところ、専門家からコメントをいただきまして、専門家からは、ワクチン接種直後から患者は経皮酸素モニターの低下や血痰を呈し、死亡に至ったことから、何らかの心肺の障害が生じていた可能性が推定される。死亡後にCT検査が実施されており、その評価として肺水腫の存在が指摘されている。患者は高度肥満であり、肺血炎症のリスクを有している。また、アナフィラキシーの疑いに関する報告もなされているが、少なくとも肺血栓症の有無について専門家による綿密な画像評価が必要と意見がございまして、医療機関に再度情報をいただくようお願いし、事前に先生方にも御相談させていただきましたとおり、その情報を含めてPMDAの専門家評価結果を次回の部会で御提示させていただき、今回1月の部会では評価中とさせていただいております。
 続きまして、資料1-3-4をご覧ください。
 3ページになります。前回部会直前に報告があった小児の死亡事例について、追加で解剖医からの報告がございましたので、御報告いたします。
 まず、前回報告させていただいいただいた内容についてですが、11歳男性、コミナティ5~11歳用対応の3回目接種を行った事例になります。予診票上の留意点としてアレルギー性鼻炎が報告され、レミカットを内服しておりました。小児用コミナティの3回目接種を行い、接種から3時間後、浴槽に顔がつかっている状態でいるのを家人が発見し、救急要請し、心肺蘇生しながら搬送されましたが、接種から約5時間半後に死亡確認となってございます。
 今回新たに追加で入手できた情報としましては、死亡時間画像診断に関する所見ですが、肺水腫の可能性はあるが、血液就下との区別が困難、そのほかに死因となる病態は指摘できないと報告されております。
 また、追加で解剖医から入手できた情報としまして、接種2日後に法医解剖が実施されておりまして、解剖に係る所見が報告されております。
 解剖医からのコメントとしましては、現時点では、解剖で肉眼的に急死の所見を認め、溺水として矛盾はしないが、その他の原因による急死の可能性は否定できない。今後、血液検査や病理組織学的検索を追加し、アナフィラキシーや内因性疾患等による急死の可能性を識別する必要があると考えていると報告がございました。
 専門家評価についてですが、突然死の家族歴、心血管リスク因子、神経疾患の既往等のない症例で急性感染症を示唆する明らかな臨床症状も呈しておらず、現時点では血液検査所見や病理組織所見が報告されておらず、溺死に至るまでの経過が不明であることから、特定の死因は推定できないとして、γと評価されてございます。
 以上、事務局からの報告になります。
○森尾座長 ありがとうございました。
 それでは、資料1-6について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。よろしくお願いいたします。
 今回も先生方の御議論に御活用いただけますよう、資料1-6を用意してございます。
 資料1-6をご覧ください。
 まず2ページ目でございますけれども、今回の審議会の資料構成といたしましては、1項におきまして副反応疑い報告全体の概要について、2項において当該審議会における論点について記載しており、効率的に御議論いただけるような資料構成としております
 4ページ目から6ページ目が副反応疑いの報告の概要でございます。12月18日のデータロックまでの報告状況等について、先ほど説明を致しました資料1-1-1及び資料1-2-1をまとめております。
 4ページ目におきましては、前回同様、オミクロン株対応ワクチンを含め、ファイザー社ワクチン接種に係る推定接種回数、報告数、報告頻度についてお示ししております。
 5ページ目におきましては、上段に従来株ワクチン及びオミクロン株対応ワクチンを含むモデルナ社ワクチン総数の表を、中段にBA.1対応ワクチンをお示ししているとともに、
今回から下段にオミクロン株BA.4-5対応ワクチンの報告状況についてもお示ししております。
 6ページ目におきましては、上段の5~11歳の小児用ワクチン及び下段のノババックスワクチンに係る報告状況に加え、6か月~4歳用の乳幼児ワクチンについては中段に記載しており、前回までの1回目接種後の報告状況等に加え、今回より2回目接種後のデータについても記載しておりますが、今回のデータロック範囲内においては副反応疑い報告はございませんでした。
 8ページ目から15ページ目がまとめのスライドとなります。構成といたしましては前回と同様でございますが、8ページ目に死亡事例、9ページ目に心筋炎・心膜炎、10ページ目に5~11歳の小児用ワクチン、11ページ目に6か月~4歳用の乳幼児ワクチン、12ページ目に4及び5回目接種後の報告状況について、13及び14ページ目にオミクロン株対応ワクチン接種後について、それぞれの副反応に係る報告状況をまとめてご覧いただけるよう準備させていただいております。
 その上で、今回も全体のまとめと致しましては、15ページ目のまとめのところでございますけれども、現時点においてはワクチンの接種によるベネフィットがリスクを上回ると考えられ、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、引き続き国内外の情報を収集しつつ、新型コロナワクチンの接種を継続していくこととしてよいか、としてお諮りしております。
 なお、最後に参考資料16でございます。
 こちらはいつも御紹介させていただいておりますけれども、前回同様、これまでの新型コロナワクチン接種後におけるアナフィラキシー、心筋炎及び心膜炎と評価された報告の状況について、性・年齢別の報告状況をまとめておりますので、御議論の際に適宜御活用いただけますと幸いでございます。
 資料1-6に関連した事務局からの資料の説明は以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
 それでは、資料1-8について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 続きまして、資料1-8、新型コロナワクチン接種後の健康状況調査、いわゆるオンライン調査の中間報告につきまして、前回までの内容を踏まえまして、簡潔に御紹介申し上げます。
 今回の集計対象期間は12月25日までとなっており、主に4回目接種後及び5回目接種後の報告を中心にデータが集積しており、今回から新たに5回目接種後の回答をまとめた結果とモデルナ社オミクロン株BA.4-5対応2価ワクチン接種後の回答をまとめた結果を御報告します。
 90ページをご覧ください。
 90ページのスライドの下のほう、4回目接種当日中にエントリーし、回答いただいた方は845名、そのうち有効回答者数は698名となっております。有効回答者数は、前回と比較して50名増加しております。
 また、92ページでは、上側のグラフで4回目接種後の有効回答者のワクチンの種類ごとの人数をお示ししており、その中でモデルナ社のBA.4-5対応ワクチンを接種した方は15名となっております。
 続きまして、123ページをご覧ください。
 123ページのスライドの下のほう、5回目接種当日中にエントリーし、回答いただいた方は108名、そのうち有効回答者数は92名となっております。
 先ほど申し上げましたとおり、今回より5回目接種後の回答内容について集計、記載しております。
 また、125ページでは、上側のグラフで5回目接種後の有効回答者のワクチンの種類ごとの人数をお示ししております。その中で、例えばファイザーのBA.4-5対応ワクチンを接種した方は60名、モデルナ社のBA.4-5対応ワクチンを接種した方は12名となっております。
 続きまして、149ページから症状の分析結果を掲載しておりまして、さらに飛びまして、188ページからワクチンのメーカーごとの症状の発現率をお示ししております。
 また、少し飛びまして、194ページと195ページに接種5回目の後の症状の発現率をお示ししております。症状の発現率などの傾向につきまして、これまでと比較して特筆すべき変化はございません。
 続きまして、332ページからは接種後に医療機関を受診した方の割合、336ページからは医療機関での診断結果、342ページからは入院状況、346ページからは3回目、4回目または5回目の接種を受けられた方に対して、前回の接種と比較して体調がどうであったかを質問した結果をお示ししております。こちらも前回から特筆すべき変化はございません。
 最後に、資料355ページからは、新型コロナワクチンの4回目または5回目の接種の前後13日以内にインフルエンザワクチンを接種した方の人数をお示ししております。
 資料末尾の356ページでは、新型コロナワクチン接種5回目当日アンケートの回答者92名のうち、26名の方が13日前から前日までにインフルエンザワクチンを接種したと回答されました。また、新型コロナワクチン接種5回目1週間後アンケートの回答者46名のうち、1名の方が接種翌日から6日後までにインフルエンザワクチンを接種したと回答されました。新型コロナワクチンと同じ日に接種したと回答された方はいませんでした。
 また、新型コロナワクチン接種5回目2週間後アンケートの回答者38名のうち、2名の方が接種7日後から13日後までにインフルエンザワクチンを接種したと回答されました。
 資料1-8につきましては、御説明は以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
 それでは、資料1-7につきまして、2価ワクチン接種後の健康状況調査中間報告でございますが、伊藤澄信委員から御説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 本日は、オミクロン株対応2価ワクチン、武田社の遺伝子組換えタンパクワクチンの初回シリーズと3回目接種後それぞれ3か月後までのデータと、5~11歳の小児の3回目追加接種1か月後までのデータに加えて、中和抗体の測定を開始いたしましたので、中和抗体と抗スパイクタンパク質抗体の相関と追加接種3回目、4回目の方のオミクロン株BA.5の中和抗体が上昇したことの結果を提示させていただきます。
 2ページ目からがオミクロン株対応2価ワクチンです。昨年9月から、NHOの11病院とJCHOの2病院、順天堂大学4病院の医療従事者を対象にしてBA.1、11月からはBA.4-5の接種を開始しており、ファイザー社が1,478人、モデルナ社が293人接種しています。
 接種1か月後の結果で得られている抗スパイクタンパク質抗体、以下抗S抗体と申しますが、178人。安全性情報については、日誌1のデータの回収ができた707人のデータをまとめています。
 8ページの左側に接種ワクチン別の接種前と1か月後の抗スパイクタンパク質抗体価を示しております。令和4年秋開始接種はモデルナ社とファイザー社の最終接種から3か月後、武田社ワクチンの場合は6か月後に接種する3回目、4回目、5回目の方が対象になっていますが、mRNAワクチンを個別に分けるとBA.1、BA.4-5を含めて12通りになって各グループの症例数が少ないので、集計結果をまとめて表記していることは御了解いただければと思います。
 8ページの左側、モデルナ社のBA.1とファイザー社のBA.1及びBA.4-5の接種前と接種1か月後の幾何平均抗体価を示しております。
 モデルナ社のBA.4-5についてはデータがないので、提示しておりません。
 ご覧いただくと分かりますが、症例数が少ないこともあって、接種後の抗体価の信頼区間は重複しています。
 右側は3つのワクチンをまとめてですが、年齢階層別の分布を示しております。nの数が十分ではないのですが、線形回帰をいたしますと、接種前の抗体価が線形回帰の一番大きな要素になっています。年齢、性別、BA.1かBA.4-5か、ファイザーかモデルナのワクチンか、前回との接種間隔も含めてですが、有意な因子ではありませんでした。抗N抗体の有無と5回目接種かどうかという項目で、大体接種1か月後の抗体価の6割が予測可能という結果になっております。nの数が増えると結果は変わるかもしれませんが、現在の状況はこんな形です。
 抗N抗体が陽性の方、期間前の既往の感染がある方は接種前の抗体価が高くなっていて、5回目接種の人は接種間隔が短いので、接種前の抗体価が高いので、接種前との比率が小さくなっているということが分かっています。
 接種後の抗体価の絶対値は3回目接種や4回目接種とほぼ同様で、頭打ち状態になっています。
 1か月後の抗体価を測定された方176人は、接種された時期が10月、11月の頃なのですが、抗N抗体陽性、既往の感染があった人が56人でしたので、31.5%が陽性でした。
 なお、接種前の抗体価測定をしている人全体では363人で、抗N抗体が陽性の人は111人でしたけれども、そのうち感染を自覚されていたことが分かっている人が45人で、40.5%でした。
 これは、11月と12月に3回目接種6か月後の結果の39.7%とか、4回目接種3か月の43.3%という数字を報告させていただいておりますが、今回のデータセットでも同様の結果でしたから、ワクチンを3回以上接種していれば、感染をしても4割の人が自覚症状がない、はっきりしないということが明らかになったのだろうと思います。逆の言い方をしますと、感染者の4割の方はウイルスを周りに散布している可能性があるということかなということなので、個人的にはマスクは感染を防止するという意味で有効ではないかと思いました。
 10ページ以降は従来と同じ特定有害事象のグラフです。
 16ページのSAEは偶発的な事象で、20ページに3回目、4回目の特定有害事象と比較できる表にしました。局所の痛みなど大きな違いはありませんが、3回目に比べて4回目、さらに、今回のオミクロン株対応2価ワクチンの発熱や倦怠感の頻度は低くなっています。年齢分布が違っていたので、3回目と4回目の比較はしておりませんでしたが、今回の707人は同一と考えられる集団ですので、ロジスティック回帰分析してみました。共変量として年齢、性別、BA.1かBA.4-5か、直前回との接種間隔などに加えて、3回目の人が少ないので、3回目と4回目の合計と5回目の人とで解析してみました。
 発熱については、年齢が高いほうとファイザー社が頻度が低いというのは以前から報告させていただいておりますが、3回目、4回目に比べてオミクロン株対応2価ワクチンのほうが有意に頻度が低いという結果が出ています。倦怠感についても同様でした。
 前回まではオミクロン対応の2価ワクチンと起源株は同じではないかと申し上げておりましたが、今回の結果からは、ワクチンの違いよりも接種回数が増えるほうと発熱頻度が下がってくることが分かってきています。
 22ページからは武田社の組換えタンパクワクチンです。こちらは昨年の6月からの初回シリーズと、アストラゼネカ社のmRNAワクチン接種された後に3回目接種として接種された方のデータです。
 NHO、JCHO、順天堂大学で、主に厚労省のホームページやインターネットで非接種者の募集をして実施しておりますが、初回シリーズは77人、3回目は349人と非接種者の募集では大変苦戦いたしております。
 30ページは、初回接種1か月後、3か月後の両方採血をされた36人のデータですが、1か月後の抗体価は971と低かったのですが、3か月後も656と7割弱の低下にとどまっていて、31ページは3回目接種3か月後までのデータですが、元の抗体価が高いと幾何平均抗体価倍率が小さくなるのですが、接種後1か月では8,429と増加しておりまして、全体としての幾何平均抗体価倍率は13.4倍でした。
 安全性については以前に報告しておりますが、3回目接種後の発熱は10.6%と低いのが、このワクチンの3回目接種についての特徴的な話と思っています。
 46ページからは、5~11歳の3回目接種の結果です。東京都医師会とNHO、JCHOのそれぞれ2病院、順天堂大学4病院で2回目接種から5か月後以降に接種した小児の3回目接種の結果です。
 52ページに抗体価を示しておりますが、左側は年齢、性別の分布ですが、違いはありません。それから、接種前の抗N抗体は、10~12月のデータになりますけれども、30人中16人ということで、53%が陽性でした。
 右側は1か月後の抗体価の結果のある19人のデータですが、抗N抗体陽性の子供は接種前の抗体価が高いのですが、接種後は接種前の抗体価にかかわらず、成人と同じぐらい、2万程度までの抗体価になっています。やはり3回目接種が大変重要であるということが分かろうかと思います。
 特定有害事象の頻度は比較表を57ページにつけておりますが、3回目も2回目とほぼ同じ程度でした。
 61ページから中和抗体の測定を開始したことのお知らせとその結果の一部です。中和抗体の説明は一回させていただこうと思って、資料を64ページに作りました。
 ご覧いただければと思いますが、今回の中和抗体はアフリカミドリ猿の培養細胞をコロナウイルスから守る血清濃度で見ています。細胞を守る抗体を持たない血清は、下のカラムの右端のNC、ネガティブコントロールと書いてある列をご覧いただいて分かるとおり、細胞が死んでいます。細胞が生きていれば青く染まるのです。死んでいると染まりません。下から倍々希釈していって、どのぐらい薄い血清でも細胞を守れるかという希釈倍率で抗体価を測定するのが中和抗体なのですが、混ぜるウイルスはヒトに対して感染性のあるウイルスですから、バイオセーフティレベル3のBMLの検査室で測定しています。
 BSL3検査室は、分担研究者の感染研の鈴木先生が設置のアドバイスをしていて、中和抗体の測定法に関しては感染研で開発された方法で測定しています。
 62ページにロシュ社の抗S抗体と起源株の相関関係を見ています。同じ起源株ですから強い相関があるのは当たり前なのですが、相関係数で0.801でした。
 63ページは、追加接種3回目と追加接種1か月後、さらにそれから半年後の4回目接種前のオミクロンのBA.5抗体価を逆累積度数分布で示しています。この逆累積度数分布はワクチンの開発で通常使っている表記なのですが、今回は同じ被接種者のものではありませんので、その点について御留意いただく必要がありますが、こういった形でワクチン中和抗体の抗体価が分かる形になります。
 起源株の3回目接種前は、ほとんどBA.5に対する抗体はないということが分かりますが、1か月後には幾何平均抗体価で40倍になっています。この40倍というのはどの程度の感染防止力があるのか、これから検討してみますが、鳥インフルエンザワクチンの有効性の判断基準は中和抗体40倍以上が7割というのが一つの基準でしたから、3回目接種後は感染防止効果があったのではないかと思います。ただ、半年すると1割程度まで落ちるというのが分かります。傾きが少し変わっているのは、もしかすると新型コロナウイルスへのばく露が関係しているかもしれませんが、今後検討してみようと思います。
 右側には、中和抗体を測った同じ検体の抗S抗体の逆累積度数分布を参考までに作ってみました。3回目接種前と3回目接種後に段差がついていますが、これはロシュ社の抗S抗体の検量線の直線性が測定値の上のほうと下のほうで保たれていないので、希釈倍率によってこのようなステップが生じているということで御理解いただければと思うのですが、4回目希釈の検体からは希釈倍率を変えていますので、目立たなくなっています。
 本日朝、BML社から3回目と4回目接種のコホート調査に参加していただいた方、これは両方参加していただいた方それぞれ50人のデータが送られてきましたので、速報させていただきたいと思います。
 mRNAワクチンを接種されている方の結果ですが、ファイザー社とモデルナ社が混在しております。オミクロン株のBA.5に対する中和抗体価ですが、3回目接種前は2.5倍です。2.5倍というのは基本的に中和抗体はほとんどないということなのですが、1か月後が30.7倍、3か月後が16倍、6か月後が10.3倍でした。4回目接種前が10倍、1か月後が44.7倍、3か月後が19.1倍という状況でした。
 起源株は、同じ人の一部少数の人を測っているのですけれども、起源株の中和抗体の4分の1、だから、起源株の中和抗体のほうが4倍あった。BA.5は4分の1しかなかったということです。
 それから、先ほどのノババックスは5人しかないのですけれども、3回目接種1か月後で30倍ということで、こちらも追加接種で免疫原性があるというか、オミクロンに対しての有効性が出ていました。
 中和抗体の説明をしましたが、中和抗体は手間と経費がかかるので、過去の検体全てを測定できるわけではないので、今、速報値を出しましたけれども、幾つかのポイントで抽出した保存検体と、2価ワクチンについての結果が多分次回御報告できると思います。
 長くなりましたが、報告は以上です。
○森尾座長 伊藤澄信先生、私が御紹介した以外の様々な調査の中間報告、いつも御報告ありがとうございます。
 それでは、事務局から報告がありましたこれまでの副反応疑い事例、部会の様々な資料、健康状況に関する調査などにつきまして、効率的に議論を進めるために、論点に沿って議論を進めていきたいと思います。
 まず、副反応疑い事例に関して、新型コロナワクチンの安全性評価については、1.死亡事例について、2.小児、乳幼児接種について、3.そのほかの論点についての順で議論をお願いしたいと思います。
 それではまず、死亡事例について議論を行います。コミナティBA.4-5について、1件が専門家の意見を踏まえて評価中となっておりますが、そのほかの事例も含めまして、ワクチン接種と副反応疑い報告との観点で、接種継続の可否等についてどう考えるかということでございます。
 死亡事例の論点について、資料1-6の8ページに事務局から挙げられておりますが、御意見、御質問などがありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
 全体的な傾向ということに加えまして、今回も42歳の接種会場での死亡例の追加情報、そして、11歳の男児の浴室での死亡ということでの追加情報がございました。これを含めまして、何か御意見やコメント等ありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 国際医療福祉大学の藤井でございます。
 貴重な報告をありがとうございました。
 11歳の男児の死亡例について、少しコメントさせていただきます。
 司法解剖が2日後に行われて、溺水の所見があった。急死の所見であって、それを起こした二次的な要素は今のところ明らかなものではないという結果だったと思います。
 この事象が起きる前に食欲が少し減っていた等の事案がありましたけれども、これからもう少し起きる事象の前の出来事についての調査をぜひお願いしたいということと、今回の司法解剖はマクロの結果だと思うので、ぜひミクロの結果、例えば心筋ですとか脳の神経細胞とか、そうしたものの異常があったかどうかということの原因検索をぜひ進めていただきたいと考えました。
 以上、コメントです。
○森尾座長 藤井委員、ありがとうございました。前の状況をよく知りたいということで、これから血液、そして、組織病理所見が出てくるので、それを見ていくことが必要であるということでございました。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 ありがとうございます。
 私も藤井委員と同じ意見でありまして、頻度としては大変少ないものではあるのですが、やはりこの1例については本当に可能な限りしっかりと情報を集めて、要因分析というのをぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。しっかり情報を集めて解析を行うべきということの御示唆いただきまして、ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 42歳の方につきまして何かコメントがある委員はいらっしゃいませんでしょうか。こちらも引き続き、これから画像について詳しく検討され、次回御報告いただけるということになってございます。
 そのほかについてはよろしいですか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、次に小児と乳幼児接種についての議論を行わせていただきたいと思います。資料1-6の10ページにおいて事務局から論点が挙げられている状況でございます。これを含めまして、御意見、御質問がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
 よろしいですか。大きな変化はないと承りました。
 乳幼児接種の論点につきまして、資料1-6の11ページにおいて事務局から挙げられている状況でございます。
 また、熱性けいれんの事例が医療機関、製造販売業者から1件ずつ報告されておりまして、こちらにつきましても事務局から専門家評価について説明がございましたけれども、こちらにつきましても何か御質問、御意見がありましたら承りたいと思いますが、今回、熱性けいれんは実際にはその後ウイルス性肺炎であることが明らかになったという記載がございました。
 岡委員、お願いいたします。
○岡委員 6か月~4歳のワクチンの副反応については、熱性けいれんについても調査いただくということでお願いしたわけですけれども、それはやはり安全性という観点で見ていただくのが重要かなと思っておりました。
 今回、件数として御報告いただきましたけれども、接種者の数から比較しますと十分低い数であるということは確認できているという意味では、安心な材料かなと思っています。
 それで、今回はワクチン自体というよりはウイルス性の肺炎によるものだろうというような、発熱の原因自体も違った可能性があるわけですけれども、そのことを踏まえても現時点では十分安全と考えられるのかなと思いました。
 以上です。
○森尾座長 岡委員、コメントありがとうございました。
 ほかに乳幼児のワクチン接種につきましてコメント、御質問等はありませんでしょうか。よろしいですか。
 まだ10万回接種ですので、またこれから症例が増えて検討できればと思っております。ありがとうございます。
 それでは、その他の論点についてということでございます。資料1-6の論点スライドで示されました4回目以降の接種後、2価ワクチン、心筋炎の副反応を含めまして、新型コロナワクチンの安全性に関連して、これまでの論点以外の観点から御質問、御意見がありましたら承りたいと思います。ここで伊藤澄信委員の御提示に対する御質問も承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。濱田でございます。
 事務局にお伺いしたいのですけれども、つい最近、アメリカのVSDの副反応を監視しているシステムの中で、ファイザー製のオミクロン対応ワクチンで高齢者の方の脳血管障害が多いのではないかという警告が出されたと伺っております。それについて御存じの範囲でお答えいただきたいのと、日本国内ではそういったシグナルが出ているのかどうか、その点についてお答えいただければと思います。よろしくお願いします。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 濱田先生、ありがとうございます。
 先生の御質問の点につきましては、1月13日にCDC及びFDAのウェブサイトにおきまして、CDC及びFDAが米国ワクチン安全性データベース、いわゆるVSDによりまして、ファイザー社製2価ワクチン、こちらはオミクロン株BA.4-5対応ワクチンでございますけれども、接種した65歳以上において、接種後21日以内を接種後22~42日と比較すると、虚血性脳卒中を発症しやすいとして、虚血性脳卒中のシグナルが検出されたと公表したということを承知しております。
 一方、CDC及びFDAは、米国の退役軍人に係るデータベース等、他の安全性分析システムにおいては、虚血性脳卒中のシグナルは検出されていないとしており、引き続き当該ワクチンも含めたワクチン接種の推奨に変わりはないとされております。
 米国におきましては、今後、これらのデータや追加解析の結果について1月26日のFDAのVRBPACで議論されるものと承知しております。
 一方で、国内の副反応疑い報告の状況でございますけれども、製造販売業者報告におきまして、虚血性脳卒中のうち、例えば最も症状名として多く報告されております脳梗塞について事務局のほうで手元で解析しておりますけれども、12歳以上用のファイザー社ワクチンのうち、総数として647件、うちBA.1対応ワクチンとして2件、BA.4-5対応ワクチンとして7件、モデルナ社ワクチンについては、総数として46件、うちBA.1及びBA.4-5対応ワクチンの報告は0件となっておりまして、推定接種回数を踏まえましても、オミクロン株対応ワクチンにおいて脳梗塞の報告数が多い状況ではないと承知しております。
 これらの最新の国内の副反応報告状況を踏まえますと、本邦においては、現時点ではオミクロン株対応ワクチンに係る虚血性脳卒中について特段のシグナルは検出されていないものと承知しておりますけれども、引き続き当該疾患を含め、副反応の報告状況について注視し、先生方に御報告してまいりたいと考えております。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
○森尾座長 濱田委員、御指摘ありがとうございました。
 この点につきまして、委員の皆様から何か御質問やコメントはございますでしょうか。
 国外においては、VSD以外の解析におきましては今のところは差異がないということでございまして、これから1月26日にVSDの結果を踏まえてまた審議があるということでありますけれども、推奨は変わりないということと、国内におきましては、今、事務局から御指摘いただきましたように、特に今シグナルは立っていないようだということでございますけれども、いかがでしょうか。
 こちらは注意してこれからも解析をしていきますけれども、現時点におきましては特段の懸念はないという解釈でよろしいでしょうか。
 ありがとうございました。濱田委員も重要な御指摘をありがとうございました。改めてお礼を申し上げます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 伊藤澄信先生に伺いたいのですが、先生、先ほどデータがかなりありましたので、聞き違えたかもしれませんけれども、ワクチンの接種回数が増えていくと発熱が減ってくるというようなデータ解釈だということをおっしゃったように思いますが、これはどういうメカニズムだと先生はお考えでしょうか。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 メカニズムは全く分かりません。S抗体の抗体価も高くなっているわけではないので、どういう解釈をすればいいのかは正直よく分かりません。ただ、現象論として3回目、4回目をぶつけて比較すると、4回目のほうが少し低かったのですけれども、それにも増して5回目のほうが低く出ているので、トレンドとしてはそうなのかなということで報告させていただきました。
 まだ数が集まっている最中ですので、正確な話に関しては、もう少し数が集まった段階で再度報告をさせていただきます。
○倉根委員 現状は分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
 そのほか、いかがでしょうか。
 山縣先生、よろしくお願いいたします。
○山縣委員 1点目は倉根先生の質問と同じだったのですが、ありがとうございます。また分かればいいと思います。
 もう一点は、伊藤澄信先生の御指摘で、3回接種しているとどうも不顕性感染、症状が出ないで感染している人が4割ぐらいいるというお話で、これはある意味ワクチンの御本人に対する効果だと思うのですが、一方では、澄信先生もおっしゃっていましたが、公衆衛生的な予防的にはどういうふうにこういうものを考えたらいいのかということについて、先生はマスクをやはりしておいたほうがいいと言われたような気がしたのですが、その辺りのところ、先生、いかがでしょうか。
○伊藤(澄)委員 先生がお感じになられるとおりで、これは前にも報告させていただいていたのですが、別々のデータセットで40%というデータが出てくると、これは事実なのだろうと思います。これは後ろ向きではなくて、前向きに接種後1か月、3か月の時点で、その間感染しましたかと聞いていますので、かなり確度の高いデータで言える。でも、発症予防という意味ではいいのですけれども、ただ、皆さん気がつかないうちにあちらこちらにウイルスをばらまいていると言ったら怒られてしまいますけれども、そういうことが明らかになってしまっているので、マスクが御自身の感染予防なのか、それともほかの人にうつさないためなのかと、解釈は難しいと思いますが、マスクでばらまかないようにすることに有効なのではないか思うので、そういう基本的なコンセプトで今後の対応したほうがいいのではないかと思います。
○山縣委員 先生、本当にありがとうございます。同じ結果がやはり出てくる、かなりロバストな強固な結果だと私も思いましたので、少し確認させていただきました。どうもありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 ありがとうございます。
 伊藤澄信先生、ありがとうございました。
 先ほどN抗体の有無を調べられていて、N抗体の有無で発熱の違いというのは差があったのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 今度調べてみます。
 N抗体は、一回陽性になると、カットオフの近くの例えば1.1とかそれぐらいの人はマイナスになることがあるのですけれども、一回陽性になっている人は1年後ぐらいまで陽性のままなのです。どのタイミングで陽性にだったかということで今見ていますので、直近の2か月、3か月で陽性になった人は発熱の頻度は変わるけれども、そうではない人は変わらないとか、nの数も少なくなってしまうので解析が難しくて、そこまでドリルダウンしていません。直近にN抗体陽性になった人の抗体価の上がりがどんな感じになるのかというのも興味があるのですけれども、数が少なくて何を見ているか分からなくなるなというのが正直ベースの現状ですが、皆さんの御疑問に応えられるように工夫してみます。ありがとうございます。
○長谷川委員 というのは、感染でのプライミングがあった場合とない場合でどうなのかと思ったのが、プレパンデミックワクチンのときに、小児が90%以上発熱して、大人は発熱がなかったという現象とこれがつながるのかどうかというところが。
○伊藤(澄)委員 あのときの事象はいまだに分からないままなのです。鶏卵培養の全粒子ワクチンで、何であんなに子供で発熱が出てくるのか。別の不活化+アジュバントのものはあそこまでひどくないし、なぜなのかいまだに分からないままです。分かれば誰か教えていただきたいと思っているところです。
 発熱は、最初の頃にお話をさせていただいたと思いますけれども、初回のプライマリシリーズの1回目のときは、既往に感染がある人は1回目の接種のときにも2回目と同じように熱が出ました。ですから、この抗体価の上がりとか最高値が変わらないところから見ると、ワクチン接種と感染というのはほぼ同じぐらいの免疫原性を持ち上げる力を持ってそうだという気がしています。ただ、それはあくまで3回目接種以降の人たちの話ですので、1回目、2回目の人たちがどんな形になるのか。だから、小児を見る限り、既往に感染をしている人たちは1回ワクチンを打っただけでぼんと抗体価が上がりました。先生もよく御存じのとおりで、このワクチンはもともと回復期血清の抗体価になるようにワクチンの投与量が決められたと理解していますので、そういう意味では、感染1回とワクチン1回接種がほぼ一緒ぐらいの免疫原性というか抗体価を上げる力を持つというのは言ってもいいかなと考えています。
 以上です。
○長谷川委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 そのほか、コメント、御意見等はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、これまで議論された内容をまとめさせていただきたいと思います。
 これまで確認できた内容といたしましては、まず、集計期間における副反応疑い報告の傾向でございますけれども、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告については、副反応疑い事例全体の報告状況や年齢、性別の報告状況、ロット別の報告状況、4回目以降も含めた接種回数別の報告状況、心筋炎・心膜炎についての報告状況や専門家評価の結果に動向の大きな変化はないとさせていただきました。
 死亡事例でございますが、その報告状況を整理いたしますと、まず、コミナティについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに44件の死亡事例の報告がございました。うち、31件が4回目以降の接種後の死亡事例でありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,751件については、1件は引き続き評価中、10件がβ、その他の事例はγと評価されました。
 スパイクバックスにつきましては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに2件の死亡事例の報告があり、うち2件が4回目以降接種後の死亡事例でありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された211件については、1件がβ、そのほかの事例はγとされました。
 ヌバキソビッドについては、新規の死亡事例の報告はございませんでした。
 死亡例の報告に関しましては、現時点においては、4回目以降の接種後の事例も含め、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
 これは次の5~11歳のところで述べるべきかもしれませんけれども、11歳の死亡事例の症例につきましては、さらに詳細なデータを集めながら、また引き続き検討を続けさせていただくということでございました。
 小児接種でございます。コミナティ筋注5~11歳用については、3例が死亡事例として報告されており、いずれもγと評価されました。
 また、心筋炎・心膜炎について、報告状況や専門家評価の結果に動向の大きな変化はありませんでした。
 また、コミナティ筋注5~11歳用の接種後の報告状況については、現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
 乳幼児接種でございます。コミナティ筋注6か月~4歳用については、心筋炎・心膜炎死亡事例の報告はありませんでした。
 熱性けいれんについては、12月18日までに医療機関から1件、製造販売業者から1件の副反応事例の報告がありました。
 コミナティ6か月~4歳用の推奨の報告状況について、現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えるとさせていただきましたが、このようなことでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 それでは、以上、今回の報告のあった具体的な事例などを踏まえまして、新型コロナワクチンについて現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、もし御意見がありましたら承りたいと思いますが、よろしいですか。
 それでは、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。議題2「新型コロナワクチン以外の各ワクチンの安全性について」でございます。
 まず、事務局から資料2-1から資料2-30、参考資料17の説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。
 今回は、新型コロナワクチン以外の審議対象の全てのワクチンについて、2022年9月末までにおける副反応が疑われる症例の報告の状況等について御説明いたします。
 資料は2-1から2-30、及び参考資料17になります。
 まずは資料2-1、MRワクチンについて御説明いたします。
 1ページの中段の表をご覧ください。
 MRワクチンの期間内の接種可能延べ人数は約49万人、製造販売業者から報告は2件、医療機関からの報告は6件、うち重篤なものが3件ありました。製造販売業者からの報告頻度は0.0004%、医療機関からの報告頻度は0.0012%となっております。
 8ページをご覧ください。
 今回の集計対象期間内で2件のアナフィラキシー疑いの症例が報告されています。なお、詳細につきましては資料2-28のNo.5、No.6にお示ししておりますが、どちらも専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係評価はγとなっております。
 資料2-1は以上です。
 資料2-2は麻しんワクチンです。接種可能延べ人数は約1万4000人、製造販売業者からの報告は1件、報告頻度は0.0074%となっております。
 今回、医療機関からの報告はありませんでした。
 資料2-2は以上です。
 資料2-3、風しんワクチンについては、対象期間内に製造販売業者及び医療機関のいずれからも報告はございませんでしたので、説明は省略いたします。
 資料2-4はおたふくかぜワクチンです。接種可能延べ人数は約35万人、製造販売業者からの報告は7件、医療機関からの報告は10件、うち重篤なものが8件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0020%、医療機関からの報告頻度は0.0028%となっております。
 また、今回の集計対象期間内でアナフィラキシー疑いの症例が2件、GBS疑いの症例が1件報告されています。
 アナフィラキシーについては、先ほどのMRワクチンと同じ症例になります。
 GBSにつきましては、資料2-27のNo.1に詳細をお示ししておりますが、専門家の評価により、ブライトン分類2、因果関係評価はγとなっております。
 資料2-4は以上です。
 資料2-5は水痘ワクチンです。接種可能延べ人数は約45万人、製造販売業者からの報告は2件、医療機関からの報告は3件、うち重篤なものが1件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0004%、医療機関からの報告頻度は0.0007%となっております。
 資料2-5は以上です。
 資料2-6は帯状疱疹ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約10万人、製造販売業者からの報告は12件、医療機関からの報告は1件、うち重篤なものが1件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.012%、医療機関からの報告頻度は0.001%となっております。
 今回の推計対象期間内で接種後の死亡報告が2件、転帰の高齢者の報告が1件ございます。
 死亡報告については、資料2-29のNo.1、No.2を御確認ください。
 No.1について、詳細な症例経過は4ページからお示ししておりますが、専門家より、情報不足のため、ワクチン接種との因果関係は評価できないとされています。
 No.2に関しては、現在調査中のステータスとなっております。
 また、今回の集計対象期間前に報告された症例になりますが、1件GBSの再評価事例があり、資料2-27のNo.4にお示ししております。こちらも専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係γとされています。
 資料2-6は以上です。
 資料2-7は23価肺炎球菌ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約24万人、製造販売業者からの報告は3件、医療機関からの報告は1件、うち重篤なものが1件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0012%、医療機関からの報告頻度は0.0004%となっております。
 今回、2件GBS症例の再評価事例があり、資料2-27のNo.2、No.4にお示ししております。No.4の資料につきましてはブライトン分類と評価されておりますが、いずれも因果関係評価はγとなっております。
 また、1件ADEM症例の再評価事例があり、資料2-26のNo.4及び別紙1にお示ししておりますが、ブライトン分類1、因果関係評価はαとされています。
 資料2-7は以上です。
 資料2-8から2-10はHPVワクチンについてです。
 こちらは7月、8月分につきましては既に報告済みですので、9月分の件数を報告いたします。
 また、今回より症例の名寄せ作業を再開しておりますが、これまでの本部会でも御了承いただいたとおり、昨年4月以前と同じ方法で処理しております。
 なお、名寄せについて改めて御説明させていただきますが、製造販売業者と医療機関の両方から同じ症例について報告があった場合は、部会資料上、重複してカウントすることが極力ないように、医療機関の報告に症例を集約する作業を行っており、これが名寄せの作業になります。その際の累計の欄における重篤度の内訳については、HPVワクチンとHPVワクチン以外のそのほかのワクチンで名寄せの処理が異なっております。そのほかのワクチンにおいては、医療機関が非重篤、つまり重篤でないと評価して報告された症例であっても、製造販売業者が重篤と判断して報告された場合は、資料上の整理としては、一律医療機関の報告の欄の、うち重篤の欄に件数を計上しております。
 HPVワクチンにおいては、製造販売業者ではなく、医療機関の評価を基に重篤度を振り分けておりますので、製造販売業者が重篤と判断した場合であっても、医療機関が重篤でないと評価した症例については重篤ではないものとして計上しております。 なお、この際の医療機関の重篤度は、製造販売業者からの追加調査により得た最新の時点における医療機関の評価に基づいたものとしております。
 今回、参考として具体的な件数の内訳を参考資料17にお示ししております。
 1ページ目のサーバリックスの3ポツ目で御説明させていただきますが、医療機関からの報告で非重篤の1,052件のうち、製造販売業者からも重複して報告されたものが424件となっております。つまり、これらの424件の症例については、製造販売業者と医療機関の両方から報告を受けたが、医療機関からは非重篤と評価されたものということになります。
 このように、HPVワクチンにおいては、名寄せ処理をする際には、製造販売業者からの追加調査により得た最新の時点における医療機関の評価を基に重篤度を振り分けております。製造販売業者からの報告については、特定の副反応の症状がその重篤度にかかわらず一律に報告されること等があり、過去の本部会での審議を踏まえ、精緻に解析してきたことで、従前からの傾向を追っているところになります。
 それでは、資料2-8に戻ります。
 資料2-8はサーバリックスについてです。サーバリックスの接種可能延べ人数は約3,850人、製造販売業者からの報告が1件あり、報告頻度は0.0260%となっております。
 今回、医療機関からの報告はありませんでした。
 資料2-8は以上です。
 資料2-9はガーダシルについてです。接種可能延べ人数は約15万人、製造販売業者からの報告が16件、医療機関からの報告は11件、うち重篤なものが3件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0108%、医療機関からの報告頻度は0.0074%となっております。
 また、アナフィラキシー症例の再評価事例が1件あり、資料2-28のNo.9にお示ししております。専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係はγとされています。
 資料2-9は以上です。
 資料2-10はシルガードについてです。
 まず、資料2-10-1をご覧ください。
 接種可能延べ人数は7,751人、製造販売業者からの報告が10件、報告頻度は0.1290%でした。
 医療機関からの報告はありませんでした。
 資料2-10-1は以上です。
 次に、資料2-10-2をご覧ください。
 シルガード9は承認条件である医薬品リスク管理計画書にて規定された全例登録による強化安全監視活動を行っており、今回、製造販売元であるMSD社よりその中間報告書が提出されましたので、参考にお示ししております。
 委員の先生方には事前に共有しておりますので、詳細な説明は省略させていただきますが、25ページ目からの企業見解書には報告書の概要がまとめられております。MSD社からは、新たな安全性の懸念は認められなかったとの見解が示されており、事務局としましても同様の見解と認識しております。
 資料2-10-2は以上です。
 資料2-11はDPTワクチンについてです。接種可能延べ人数は約1万5000人、製造販売業者からの報告は1件あり、報告頻度は0.0067%となっております。
 今回、医療機関からの報告はありませんでした。
 資料2-11は以上です。
 資料2-12はDTワクチンについてです。接種可能延べ人数は約22万人、製造販売業者からの報告は1件、医療機関からの報告は3件、うち重篤なものが1件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0005%、医療機関からの報告頻度は0.0014%となっております。
 資料2-12は以上です。
 資料2-13はジフテリアトキソイドについてです。対象期間内に報告はございませんでしたので、説明は省略いたします。
 資料2-13は以上です。
 資料2-14は破傷風トキソイドについてです。接種可能延べ人数は約20万人、製造販売業者からの報告は1件、医療機関からの報告は1件、うち重篤なものが1件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0005%、医療機関からの報告頻度は0.0005%となっております。
 資料2-14は以上です。
 資料2-15は不活化ポリオワクチンについてです。今回、対象期間内に報告はありませんでしたので、説明は省略いたします。
 資料2-15は以上です。
 資料2-16は4種混合ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約71万人、製造販売業者からの報告は7件、医療機関からの報告は11件、うち重篤なものが5件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0010%、医療機関からの報告頻度は0.0015%となっております。
 今回、2件のアナフィラキシー疑い報告があり、詳細は資料2-28、No.4、No.5にお示ししておりますが、いずれも専門家の評価によりブライトン分類4、因果関係評価はγとされています。
 また、1件ADEM疑いの症例が報告されており、詳細は2-26のNo.1になります。こちらも専門家により、ブライトン分類4、因果関係評価はγとされています。
 資料2-16は以上です。
 資料2-17は13価肺炎球菌ワクチンについてです。接種延べ人数は約75万人、製造販売業者からの報告は18件、医療機関からの報告は17件、うち重篤なものは12件でした。
 また、6か月間の死亡症例の報告はありませんでした。
 報告対象期間前の症例も含め、アナフィラキシー疑いの報告は5件、ADEM症例が1件、GBS症例が1件報告されています。
 アナフィラキシーは資料2-28、No.1、2、3、4、7を御確認ください。いずれも専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係評価はγとなっています。
 GBS症例は資料2-27、No.2を御確認ください。こちらは専門家によりブライトン分類1、因果関係評価はγとされております。
 ADEM症例については、先ほど御説明した資料2-26、No.1と同一の症例になります。
 資料2-17は以上です。
 資料2-18はHibワクチンについてです。接種可能延べ人数は約73万人、製造販売業者からの報告は13件、医療機関からの報告は15件、うち重篤なものが11件でした。
 製造販売業者からの報告頻度は0.0018%、医療機関からの報告頻度は0.0020%となっております。
 また、6か月間の死亡症例の報告はありませんでした。
 報告対象期間前の症例も含め、アナフィラキシー症例が6件、ADEM症例が1件報告されております。
 アナフィラキシー症例につきましては資料2-28のNo.1、2、3、4、7、8を、ADEM症例については資料2-26のNo.1を御確認ください。いずれも因果関係評価はγとされております。
 資料2-18は以上です。
 資料2-19はBCGワクチンについてです。接種可能延べ人数は約16万人、製造販売業者からの報告は14件、医療機関からの報告は10件、うち重篤なものは2件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0085%、医療機関からの報告頻度は0.0061%となっております。
 資料2-19は以上です。
 資料2-20は日本脳炎ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約100万人、製造販売業者からの報告は3件、医療機関からの報告頻度は15件、うち重篤なものが7件でした。製造販売業者からの頻度は0.0003%、医療機関からの報告頻度は0.0015%となっております。
 今回、報告対象期間内にADEM疑いの症例が2件報告されており、詳細は資料2-26、No.2、No.3にお示ししておりますが、専門家の評価により、ブライトン分類4、因果関係評価はγとなっております。
 資料2-20は以上です。
 資料2-21はB型肝炎ワクチンについてです。接種可能延べ人数は約96万人、製造販売業者からの報告は12件、医療機関からの報告は11件、うち重篤なものが9件あります。製造販売業者からの報告頻度は0.0013%、医療機関からの報告頻度は0.0011%となっております。
 今回、報告対象期間前も含めて、アナフィラキシー疑いとして5件、GBS症例として1件、ADEM症例として1件報告ありますが、これまでお示しした症例と同じものになりますので、説明は省略させていただきます。
 資料2-21は以上です。
 資料2-22は1価のロタウイルスワクチンについてです。接種可能延べ人数は約24万人、製造販売業者からの報告は6件、医療機関からの報告は6件、うち重篤なものが6件でした。製造販売業者からの報告頻度は約0.003%、医療機関からの報告頻度は0.003%となっております。
 今回、報告対象期間も含めて、アナフィラキシー疑いとして2件、ADEM症例として1件報告がありますが、こちらもこれまでお示しした症例と同じものになりますので、説明は省略させていただきます。
 資料2-23は5価のロタウイルスワクチンについてです。接種可能延べ人数は約17万人、製造販売業者からの報告は5件、医療機関からの報告は6件、うち重篤なものが5件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0029%、医療機関からの報告頻度は0.0035%となっております。
 アナフィラキシー疑いとして1件報告されておりますが、こちらも説明済みの症例と同一のものですので、省略させていただきます。
 資料2-23は以上です。
 資料2-24はロタウイルスワクチンによる腸重積の発現状況についてです。これまでの会議と同様に、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン社、MSD社より資料の提供を受けております。
 まず、資料の2ページ目から6ページ目までは、グラクソ・スミスクライン社のロタリックスについてワクチン接種時の週齢でまとめたグラフとなっております。
 7ページ目以降は、MSD社のロタテックについてロタリックスと同様にまとめた資料となっております。
 2020年10月に定期接種化されておりますが、報告頻度が特段高くなっているということはなく、また、VAERSに基づく海外との比較においても外科手術や死亡に至った事例は低いことが示されております。
 資料2-24は以上です。
 資料2-25は後遺症疑いとして報告された症例をお示ししております。今回はいずれも報告対象期間前における症例になりますが、いずれも専門家により因果関係評価はγとされています。
 資料2-26から資料2-28につきましては各ワクチンの資料について説明しておりますので、省略させていただきます。
 資料2-29は死亡事例の一覧になります。No.1とNo.2につきましては帯状疱疹ワクチンの資料にて説明しておりますので、説明は省略させていただきます。
 No.3、No.4は今回の報告対象期間以降に報告された症例になります。こちらは現在調査中となっております。
 資料2-29は以上です。
 最後、資料2-30になりますが、こちらは1価のロタウイルスワクチンであるロタリックスに関して、1月17日付で添付文書の重大な副反応の項にアナフィラキシーが追記となる旨の添付文書改訂が行われましたので報告します。
 なお、本剤のアナフィラキシーにつきましては、2020年10月のロタウイルスワクチン定期接種化の際に、既に副反応を疑う基準に設定されているところになります。
 資料2-30は以上です。
 新型コロナワクチン以外のワクチンに関する資料2は以上になります。
○森尾座長 ありがとうございました。
 事務局からの説明に対しまして、何か御質問、御意見等はいかがでしょうか。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 ありがとうございました。多屋です。
 HPVワクチンについて一点、他に、細かいところで2点あります。
 まず、HPVワクチンについてですが、積極的勧奨が再開されて半年間はリアルタイムに見たほうがいいということで、1か月ごとに名寄せなく報告されていましたが、半年間で特に大きく懸念される状況にはないということで3か月に1回、ほかのワクチンと同じ頻度での検討になりました。HPVワクチンについては医療機関報告が企業さんに提供されて、企業さんは調査をされていると思うのですけれども、そこでかなり丁寧に調査がされて、医療機関が非重篤と判断した場合は非重篤に寄せられているということが分かりました。これからは3か月に1回フォローされていくと思うのですけれども、積極的勧奨の差し控えになる前と比べてその頻度に変わりがないかどうか、同じやり方ということですので、きちんとフォローしていける体制になったのかなと思いました。大変な調査をしていただいていて、ありがとうございます。
 あと2点はとても細かいところなのですけれども、23価の肺炎球菌ワクチンの製造販売業者さんからの報告の中で、9ページですが、3人目、製造販売業者さんからの報告のNo.3ですけれども、ニューモバックスの接種年齢が2か月となっていますので、こちらは13価の肺炎球菌の間違いではないかなと思ったので、もし確認ができたら確認していただければと思いました。
 あともう一つなのですけれども、水痘ワクチンなのですが、こちらも製造販売業者さんからの報告なのですが、No.1の8歳の男子ですけれども、皮膚播種性帯状疱疹という診断名になっていまして、帯状疱疹が発症したときは、野生株なのか、ワクチン株なのかを見るということはとても大事な検討で、ここでしっかり野生株か、ワクチン株かが判定されていました。ありがとうございます。結果として野外株と記載されているので、これは副反応ではないので、今後はここからは削除されていくと考えているのですけれども、それでよろしかったでしょうか。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございました。
 事務局、お願いします。
○事務局 多屋先生、ありがとうございます。事務局でございます。
 後半の2点に関してなのですけれども、御説明させていただきますと、まず、2か月の方の肺炎球菌ワクチンの接種に関してなのですが、こちらは接種した肺炎球菌ワクチンが23価なのか13価なのか不明というところがございまして、規定に基づいて自社品の扱いとして報告いただいているというところになっております。
 もう一点の水痘ワクチンのところに関してなのですけれども、確かにこの報告時点ではPCRの結果というのが分からなくて報告いただいていたのですが、資料に追記させていただいたとおり、野外株ということが追加調査のほうで分かっておりまして、データロック外になるのですけれども、現在は取り下げとなっていると承知しております。よろしくお願いいたします。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。
 今、多屋委員からも御指摘いただきましたけれども、今回からHPVワクチンの名寄せ処理が再開となっておりまして、こちらは事務局からも説明いただきました。これまでの本部会でも御了承いただいているところでございますけれども、こちらについてもし追加で御意見がありましたら承りたいと思います。多屋委員からは積極的勧奨前後でぜひ比較をというコメントがございました。
 よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、これまで議論された内容をまとめさせていただきます。
 これまで確認された内容といたしましては、まず1、副反応疑いの報告頻度はこれまで検討したワクチンに比べて特段高いことはない。
 2、後遺症の報告は対象期間前の症例で3例報告されたが、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。
 3、ADEMの可能性がある症例は対象期間内で3例報告され、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないとされた。対象期間前の再評価事例では23価肺炎球菌ワクチンの症例があったが、専門家の評価によりブライトン分類1、ワクチンと症状名との因果関係が否定できないものとされた。
 4、GBSの可能性のある症例は対象期間内で1例、対象期間前で3例評価されたが、いずれも専門家の評価では情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係は評価できないものとされた。
 5、アナフィラキシーの可能性がある症例は対象期間内に5例報告され、対象期間前の再評価事例で4例報告されたが、いずれも専門家の評価によりブライトン分類4、ワクチンと症状名との因果関係は評価できないものとされた。
 6、死亡症例は、対象期間内に報告された帯状疱疹ワクチンの単独接種で1例評価されましたが、専門家評価により、情報不足等のため、ワクチン接種との因果関係を評価できないとされた。また、対象期間内の1例及び対象期間後に報告された2例については現在調査中であることから、次回以降で検討を行う。
 7、13価肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンも急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っていた。
 このようなことでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○森尾座長 ありがとうございます。
 この内容を踏まえまして、新型コロナワクチン以外の各ワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見がありましたら承りたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございます。
 それでは、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告等によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○森尾座長 ありがとうございます。皆様首肯していただいたと認識いたしました。
 また、名寄せにつきましては、今回、HPVワクチン資料の名寄せ作業について、詳細な内訳も参考にしながら、これは参考資料17でございますが、改めて御確認いただいたところでございます。こちらについては、昨年4月以前の本部会と同様の方針で継続いただくということでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 それでは、次の議題に進めさせていただきます。議題3「HPVワクチンについて」でございます。
 こちらは事務局から資料3-1から3-2-2について説明ということでよろしいですか。よろしくお願いします。
○事務局 よろしくお願いいたします。
 本日は、HPVワクチンの実施状況と来年度4月からの9価HPVワクチンの定期接種化に伴う国民への情報提供について報告をいたします。
 まず、資料3-1をご覧ください。
 HPVワクチンの実施状況につきまして御説明いたします。
 令和4年4月から9月までの期間について、各都道府県を通じて全市町村に調査を行っており、従来の定期接種の実施率は、初回接種が30.1%、2回目接種が18.8%、3回目接種が7.5%であり、昨年10月にお示ししました4月から7月までの10政令市のサンプリング調査における初回接種16.6%から増えてきております。
 キャッチアップ接種は割合でのお示しが難しいため、接種者数でのお示しですが、徐々に増加しております。
 引き続き、接種の実施状況について把握してまいります。
○事務局 続きまして、資料3-2-1と3-2-2の説明をさせていただきます。
 11月の副反応検討部会にて、9価HPVワクチンにつきましては来年度4月1日から定期接種が開始されることと、接種方法、標準的な接種期間については4価HPVワクチンと同様の取扱いをすることなどを御報告させていただき、御審議いただきましたが、その際に、委員の先生方からも、リーフレットなどを用いて国民への丁寧な情報提供をするよう御議論いただきました。
 その後、作成いたしましたリーフレットの事務局案につきまして、事前に委員の皆様には御意見をいただき、整えましたものを本日資料としております。
 簡単に内容について説明させていただきます。
 3-2-1ですが、定期接種の方を対象に作成しており、表面では9価ワクチンについてより分かりやすく伝わるよう、QA形式でワクチンの有効性、安全性について示しております。
 また、既存のリーフレットと同様に、子宮頚がんワクチンの説明と告知の必要性のメッセージも改めて下部に記載しております。
 裏面にはワクチンの接種スケジュール、交互接種に関すること、相談機関の一覧を記載しております。
 資料3-2-2につきましては、キャッチアップ世代の方を対象に作成しており、基本的には内容は定期接種向けのリーフレットと同様の記載内容となっております。
 これらリーフレットを自治体の皆様に御活用いただきますよう、お知らせしたり、厚生労働省のホームページに掲載したり、SNSなども活用し、より分かりやすい情報を国民の皆様に提供をしていく予定でおります。
 資料3につきましては以上となります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 HPVワクチンのリーフレットについては、あらかじめ委員の皆様から御意見を伺った上で、本日、事務局から報告させていただいたところでございますけれども、ご覧いただきまして、追加の意見、あるいは御指摘いただいたところが反映されていないような点等ございましたら、こちらで御指摘いただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
 大丈夫そうですか。
 私から1点、これは濱田委員も挙げられていたのですけれども、リーフレット2枚目で、これまでに2価または4価のHPVワクチンを1回または2回接種した方での中の、次の説明の下の※の小さいところでございますけれども、最後に「2価または4回のHPVワクチンを接種した後に9価ワクチンを接種することに対する効果やリスクについての科学的知見は限定されています」と、「科学的知見は限定」というのは一般の方に分かりにくいのではないかということで、濱田先生がどういうふうにここを訂正していただいたのか私は記憶が曖昧ですけれども、いかがでしたか。
○濱田委員 「科学的知見は限定」というのは我々が医学的に話す言葉で、一般の方には確かに難しすぎるように私は思って、「リスクについての情報は限られています」とか、もうちょっと平易な書き方のほうがよろしいのではないかなと思いました。
○森尾座長 こちら、事務局、いかがですか。今までこういう書き方をしてきたんだよ、みたいなところは。
○事務局 ありがとうございます。
 御意見を頂戴いたしまして、「情報」や「知見」、「リスク」という言葉の定義を踏まえた上で、「エビデンス」の言い換えとして適切かどうか、「エビデンス」という言葉をそのまま使用する方がよいかどうかというところも検討いたしましたが、「現状ある情報」を「科学的知見」と言い換えて「それが限定している」と記載させていただくのが表現としてよいのではないかというところで、このままとさせていただいております。
 また、HPVワクチンではないのですが、コロナワクチンのリーフレットにも使用されている用語でしたので、今回はこちらで記載しているところです。
○森尾座長 ありがとうございます。
 こちらは恐らくユーザー目線というのですかね。そこら辺も何となく御意見いただけるといいのかなという気がしたりいたしました。
 今回に関しては、濱田先生、よろしいですか。
○濱田委員 はい。
○森尾座長 ありがとうございます。正確な言葉ではあるとは思いますが。
 ほかに何かお気づきの点等がございましたら。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 平成9年度生まれから18年度までの女性というほうの裏面なのですけれども、一番上に一般的なスケジュールというのが書いてあって、1度だけ接種してから4~5年たっているという方にこれを見てもらったときに、一般的な接種スケジュールというのは初回から2か月あって4か月だと。その方は1回目は4~5年前に打っているのだけれども、どうすればいいのでしょうかという疑問をこれを見て感じたということなのです。これは一般的な3回打つスケジュールになっていましたので、ここにどう入れてほしいということではないのだけれども、これはこれとして、こういう1度目から既にかなり時間がたっている人がさらに2回打ったとして、どれだけ効果があるのかということに対して非常に不安感を持っておられたので、少しそのような懸念を払拭するような情報をどこかに入れていただけるといいのかなと思います。探したら出てくるのかもしれませんけれども、必ずしも全ての人が必死に探すわけでもありませんので、そこはお願いしたいと思います。
○森尾座長 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 御意見ありがとうございます。
 先生にもおっしゃっていただいているとおり、一律にこちらに示すというのはなかなか難しい例も様々あるかと思いますので、リーフレットの裏面の右下のところに、よくある御質問ということでQAをこれから更新する予定でおります。そういった際にも、どういった例が多く考えられるのかということを再度検討いたしまして、そういった御質問にも対応できるような例示をこちらの中に入れ込めたらなと考えております。
 以上になります。
○倉根委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 私、もう一つ気になったのですけれども、1枚目の小学校6年から高校1年相当の題名が「女の子と保護者の方」なのです。女の子というのは国語辞典とかを見ると女児になっています。もちろん若い女の人も含めるでしょうけれども、第一義的には女児です。児というのは児童ですね。この年齢が果たして国語的に該当するかどうか。私は女子でもいいのではないのかなと思ったのですけれども、そちらの定義でよろしければ私は構わないのですが、御検討いただければと思いました。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。
 御意見をいただきまして、国語的な女児と女の子というところの定義も議論させていただいたのですが、今までのHPVに関するリーフレットでも「女の子」としてきたところと、表現としてやわらかい印象を与えるのではないかというところで、「女の子」をこのリーフレットでは採用させていただきました。御意見ありがとうございます。
○森尾座長 御指摘ありがとうございます。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、事務局におかれましては、4月からの9価ワクチンの定期接種化に向けまして適切な情報提供がなされるように、リーフレットの公表を進めていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
 本日の議題は以上となりますが、そのほか、全体を通じて御質問、御意見はございませんでしょうか。よろしいですか。
 ありがとうございます。
 実は、副反応検討部会の委員を長くお務めいただきました倉根委員と濱田委員が御退任ということでございます。長い間本当に御貢献いただきまして、本会からもお礼を申し上げます。
 一言ずつ言葉を頂戴できればと思いますけれども、まず倉根委員からお願いできますでしょうか。
○倉根委員 承知いたしました。
 副反応検討部会の委員の退任に当たりまして、御挨拶申し上げます。
 正確な年月は覚えておりませんけれども、期間としては10年弱委員として活動したのではないかと思います。非常に判断の難しい事案が多く、悩むことが多い委員会の中での議論でありましたけれども、何とか務めることができました。
 この副反応検討部会の委員の方々、また、安全対策調査会の委員の方々に御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 また、毎回たくさんの資料を準備していただきました事務局の皆様にも本当に御礼を申し上げます。ありがとうございます。
 本合同部会は、日本のワクチン施策において本当に重要な役割を持つ委員会だと認識しております。今後のこの部会、そして、委員の皆様、事務局の皆様のますますの御活躍と発展をお祈りいたします。
 長い間、本当にありがとうございました。
○森尾座長 倉根委員、どうもありがとうございました。
 それでは、濱田委員、よろしくお願いいたします。
○濱田委員 濱田でございます。
 私は倉根先生ほど長くはなかったのですけれども、2期務めさせていただきました。その間、新型コロナワクチンの導入であるとか、あるいはHPVワクチンの再開といった非常に重要な審議事項もございまして、緊張感を持ってやってきたつもりでございます。
 できるだけ国民の方に安全なワクチンを受けていただくというような視点からこの審議に参加させていただいたわけなのですけれども、これからはこの委員を外れますが、外部からいろいろこういった副反応関係、ワクチンの関係について協力をさせていただければと思っております。
 そして、この委員の皆様方、それから、厚労省、事務局の方々にいろいろ御意見いただくなりして、私としても非常に勉強になる4年以上の歳月でございました。心より感謝しておるとともに、皆様のさらなる御発展をお祈り申し上げております。どうもありがとうございました。
○森尾座長 濱田委員、どうもありがとうございました。
 濱田委員、倉根委員、お言葉をどうもありがとうございました。
 それでは、本日の議事は以上で終了となります。
 どうぞ、お願いいたします。
○事務局 最後に大変御無礼いたします。
 副反応検討部会の事務局として申し上げます。長年にわたり、倉根先生、濱田先生におかれましては、ご貢献を頂きまして誠にありがとうございます。
 引き続き、安全なワクチンの実施に向けて我々も尽力してまいりたいと思います。
 また大所高所から御指導いただければと思っております。どうもありがとうございました。
 簡潔でございますが、御礼と代えさせていただきます。以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 それでは、本日の議事は以上で終了とさせていただきますが、そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は長時間にわたり、活発に御議論いただきましてありがとうございました。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○森尾座長 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。
 活発な御議論をどうもありがとうございました。