2022年12月27日第4回「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会」議事録

日時

令和4年12月27日(火)14:00~16:00

場所

オンラインによる開催

出席者

【構成員】

議題

(1)強度行動障害を有する者の在宅での現状について
(2)地域の中での日常的な支援体制としてのグループホームや障害者支援施設、その他サービスの役割、課題と対応
(3)在宅における支援の課題と対応
(4)その他
 

議事

議事内容
2022-12-27 第4回強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会
 
○事務局 それでは、定刻となりましたので、これより第4回「強度行動障害を有する者の地域支援体制に関する検討会」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、大変お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 本会議は、資料、議事ともに原則公開としており、議事録については、後日、厚生労働省のホームページに掲載予定となっております。
 また、本会議は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は御遠慮いただき、代わりに会議の模様をYouTubeによるライブ配信にて公開しておりますので、御承知おきください。
 本日の構成員の出席状況でございますが、本日は、構成員全員に御出席いただいております。
 続きまして、資料の確認をさせていただきます。
 配付資料のとおり、議事次第、開催要綱、資料1、資料2、資料3、参考資料1となっております。不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。よろしいでしょうか。
 それでは、カメラ等の撮影はここまでとさせていただきます。御退室をお願いしてもよろしいでしょうか。
(報道関係者退室)
○事務局 それでは、以降の議事進行につきましては、市川座長にお願いしたいと思います。座長、よろしくお願いいたします。
○市川座長 それでは、皆様、よろしくお願いいたします。
 本日は、地域における支援体制の在り方について検討してまいります。
 また、本日の検討事項の中に、在宅の支援が入っております。議論に先立って、在宅で強度行動障害の方の暮らしぶりについて、聞いたほうがよいと考え、事務局と相談の上、強度行動障害のお子さんと在宅で暮らしておられる家族の方に、その体験談をお話しいただくことといたしました。
 事務局からの資料の説明の後に御報告いただきたいと考えております。
 それでは、事務局から、資料の説明をお願いします。
○事務局 事務局です。資料を御説明いたします。
 資料1の「地域における支援体制の在り方について主な検討事項(案)」につきましては、本日の議論のテーマとなる強度行動障害を有する者の支援体制の在り方に関する検討事項(案)を示しております。論点のところを御説明いたします。
 資料2と資料3につきましては、この後、御報告いただく在宅の現状についての資料となります。
 参考資料ですけれども、参考資料1は、現行制度の概要の抜粋ということで、本日の論点に関わる制度の抜粋でございます。
 事務局からは、以上でございます。
○市川座長 ありがとうございました。
 では、議事に入りたいと思います。
 議事の1「強度行動障害を有する者の在宅での現状について」といたしまして、東京都自閉症協会、田中由佳様より御報告をいただきたいと思います。
 資料は、資料2を御覧いただければと思います。
 それでは、田中様、よろしくお願いします。
○田中先生 では、始めさせていただきます。もし、資料に不具合とか、声に不具合がありましたら、お手数ですが、お知らせください。
 東京都自閉症協会の田中由佳と申します。本日は、このような貴重な機会をいただき、ありがとうございます。早速、始めさせていただきます。
 東京都自閉症協会、通称、私たちはTOJIと呼んでおりますけれども「おもに在宅でお子さんの行動に困っておられる保護者の皆様へ」というタイトルで、メッセージ的な資料をまとめました。
 こちら、共有している画面のQRコードあるいはホームページからアクセスできますので、よろしければ御覧になってください。
 本日は、この資料をベースに、1人の母親としての思いを話させていただきます。
 こちらの資料ですが、紆余曲折あって、何とか休火山に落ち着いた親たちが振り返った、今だから思うというような考えや思いをまとめてあります。噴火中の親御さんたちは、もう毎日無事に過ごすことで精一杯でいらっしゃると思います。この前書きから、私の資料も思春期に噴火した息子みたいな、そういうタイトルをつけさせていただきました。
 それで、資料の中は50項目ぐらいたくさん入っていまして、今日は、その中で主に家庭母子に関する項目、それも3つに絞りました。
 1つ目は、思春期に出やすい。
 2つ目は、母親に出やすい。
 3つ目は、家庭で難しいときには、子供と離れることも有効ということうです。
 私も自分の経験から共感するところです。
 そして、ここから、その上で私自身の話に移らせていただきます。
 息子は、23歳で知的重度、支援区分が6です。ちょっと行動関連ポイントは教えていただけなくて分からないのですけれども、区分は6ということです。
 施設に19歳から入所しました。最年少です。
 幼少期を振り返ると、むちゃくちゃフラグを使いまくっていました。本人もばっちりハイリスク児でしたが、私自身の関わりが、もうこんな感じでした。これは、本当に偏って私自身のことなので、その辺りはよろしくお願いします。
 それで、その当時の私の思い込みは、こんな感じです。これは本当に極端なのですけれども、ここまで極端ではなくても、障害児を育てる親は、何かしらうっすら、何か見えないものに負い目を感じていらっしゃるのではないかなと、私は思っています。
 案の定、思春期に噴火しました。小さい頃から本当にいろいろあったのですけれども、15歳ぐらいから、自傷、他傷、パニックがもう劇的に増えました。噴火と例えましたけれども、文字どおり体の中にマグマがいきり立っているような、渦巻いているような感じで、いつも体に緊張感体、体ががちがちになっているという感じで、目が合っただけでかみついてくる、避けると追いかけてくれる。どこにスイッチがあるのか分からない状況。
 それで、自宅では、いつもトイレに逃げ込むような感じで過ごしまして、実際トイレから今井さんに、横に自閉症協会の前会長の今井がおりますけれども、泣きながら電話したこともあります。それで、寝顔を見ながら虐待にならない拘束方法はないかなと真剣に考えて、何かミリタリー商品の顔面マスクみたいなものを注文して、何か我に返ったような、今考えると、ちょっと病んでいたなというのは、そういう思いがあります。
 この頃つらかったということは、自分にされたことよりも、この3つでした。
 1つ目は、行政に相談しても、親身に聞いてくれたのですけれども、その時点でほしい、必要だ、あったらと思ったような支援は、つながりませんでした。
 2つ目は、他害です。まだ、正直フラットにその頃を振り返られないのですけれども、当時本当いろいろあって、気づいたら葉っぱの色が変わっていたというような、そんな感じのこともありました。
 あと、3つ目は自責ですね。もっと本人を尊重した子育てをしていれば、これは、私自身なのですけれども、そのように思いました。
 ただ、私は本当にラッキーでした。親の会や地域のつながりがありまして、インフォーマルなつながりで事業所が見つかって、少し離れることができました。
 また次に、ウェイティングのつもりで申請した入所施設に、しかも地域のに入れて、まさかまさかだったのですけれども、気持ちは今でも複雑なのですが、結果、関係はそれなりに落ち着いて、今、小火山というか、休火山というか、そんな感じになっています。
 ただ、そうできない方は多いと思います。抱え込んでしまう親御さんがいらっしゃいます。主にこの3つだと思います。
 まず、人に預けられない。預け先がない。これは、書くのを忘れてしまったのですけれども、何かもう当たり前過ぎて書くのを忘れてしまったという感じなのですけれども、預け先がない、少ないというのと、あとは、預けたとしても問題行動が増えてしまう、帰った後のほうが大変で、もう預ける気にならないみたいな、そういうことをおっしゃる親御さんもいらっしゃいました。
 2つ目は、相談できないということです。私自身が先ほど行政に相談したけれども、そのときにほしい支援を得られなかったということを話しましたけれども、すごく親身に聞いてくださって、その点は感謝しているのですね。ただ、だんだん無力感がたまってきて、相談しても仕方がないなみたいな感じになってしまう。親身に聞いてくださらないような場合もあると思うので、いろいろな地域の中には、そういった親御さんは、本当に大変だなと思います。
 そうこうしているうちに、だんだん感覚が麻痺してくるのですね。自分が何に困っているか分からなくなってしまう。私もそんな感覚に陥ったことがありました。
 そして、大変さが日常になってしまって、そして、共依存で、孤立して、多分8050までレールがつながってしまうような事態になってしまうのかなと思います。
 すみません、すごく早口で申しわけないです。
 そして、以上のことから、1人の親として一番望むのは、それぞれ親子が別の時間を持てることです。
 これは、同居している、同居していないには限らないと思っています。
 そのためにはですが、この前の前のスライドの抱え込んでしまう親の裏返しなのですが、1つ目は人に預けられる、在宅なら入ってもらえる環境ですね。話の中で、うちの息子が大変だったときに欲しかったものというのが、在宅のサービスでした。恐らく私の次に小島さんがすごくその辺りを丁寧に説明してくださると思うのですけれども、そういったものを市役所にお願いしにいっても、無理なのですねという感じだったのですね。
 それで、夕方の何時間か入っていただくだけで、ほかの人に関わっていただけるだけで、違ったのではないかなと思います。
 自宅に入られることを嫌がる親御さんもいらっしゃると思うのですけれども、でも、せっぱ詰まったら、そんなことは言っていられないと思いますし、やはり第三者が入ることによって、何かこの事態は異常なのではないかとか、あと、我に返ることもあるのではないかと思います。
 2つ目は、相談できる場です。私は、本当にこの辺りは充実していました。ただ、親御さんもいろいろなので、人間関係に逆に疲れてしまったりすることもあるかもしれないので、緩くつながるような場所というのが複数あればいいのではないかなと思います。
 3つ目、これは、気持ちを分けられることです。『私たちはふつうに老いることができない』という本がありますけれども、やはりうちの子たちみたいに、私はまだ、本人のお尻がちょっと匂うと、平気でズボンの中を見るような、そんな自分の体の一部みたいな、そういう関わりをしている親というのは、常に気を張って生きているようなところがあります。
 そういったことから、これが最後になるのですけれども、お伝えしたいことです。
 在宅、グループホーム、施設、自立生活、どんな形でも、本人が選べて、失敗も含めて体験できて、それをよしとしてくれるような社会になることを望みます。
 というような、以上になります。拙い話で、すごく早口でまくしたてるような内容だったのですけれども、聞いてくださってありがとうございました。
 以上です。
○市川座長 田中様、ありがとうございました。
 続きまして、全国手をつなぐ育成会連合会の小島幸子様より、御報告をいただきたいと思います。資料は、資料3を御覧ください。
 小島様、よろしくお願いします。
○小島先生 全国手をつなぐ育成会連合会の副会長をしております、小島と申します。本日は、貴重な機会をいただきまして大変ありがとうございます。
 また、構成員の皆様におかれましては、いつも大変お世話になっております。よろしくお願いいたします。
 スライドの操作は、厚労省側の方にお願いいたします。
 まず、タイトルなのですけれども「『強度行動障害』と呼ばれてしまう人たちの在宅での暮らし」、ここに私の強い思いが入っております。強度行動障害と、本人だったり、その家族だったりは、決して呼ばれてうれしい名前ではないのですね。本当にそういうふうに言われるたびに悲しい思いをしてしまうところです。
 次をお願いいたします。
 今日お話しすることです。まず、令和3年度の障害者総合福祉推進事業・強度行動障害者の実態把握等に関する調査の家族ヒアリングで、特に印象的だったことをお話しいたします。
 次に、強度行動障害と呼ばれてしまう息子の現在・過去・未来とお話しいたします。
 続きまして、最近受けた相談についてと、最後に、全国の先進的な取組について御紹介をいたします。
 を次お願いいたします。
 育成会会員で家族ヒアリングを受けたわけなのですが、ここで印象的だったことを御紹介いたします。
 両親と3人暮らしで在宅の方なのですが、それだと不安定になるために、障害福祉サービスではない、NPO法人のシェアハウスを週に4日から5日利用している方がいます。夜間は重度訪問介護を利用しているそうです。
 次に、本人の不安定さもあるのですけれども、本人以外の、ほかの家族にも事情があるケースが特に厳しいと報告がありました。それはシングルの家庭や、病気の家族のお世話が大変だったりすると、さらに困難になります。
 ヒアリングのときに、現在いる生活介護の事業所から、やんわりと利用を断られた人は、練習を少しずつ重ねまして、ちょっと遠いのですが、そこの生活介護の事業所を利用して、今は短期入所も定期的に行われていて安定しているという報告を受けました。こちらは、県内でも老舗の社会福祉法人による事業です。
 続きまして、移動支援についてなのですが、行動障害にうまく対応してくれるヘルパーさんがいなくて、なかなか利用していないという声もありました。
 次をお願いします。
 次に、強度行動障害と呼ばれてしまう息子の現在・過去・未来です。私の息子は32歳、自閉スペクトラム症で、知的障害があり、支援区分は6、行動関連項目は22点です。
 次をお願いします。
 息子の現在なのですが、生活介護の事業所に週5日通っています。朝の日中一時も週5日行っています。朝の日中一時ですが、息子が朝、行き渋るようになりまして、それの解決策として、朝の日中一時が始まりました。
 2つ目は、訪問看護と訪問診療を月に1回ずつ受けています。これは、息子が病気のときでも病院に行くことを拒否するので始めました。
 拒否するというと、病院が嫌ではなくて、病院に行くために車に乗り込むことも嫌だし、病院に着いて病院の中に入れないということでした。
 この①と②ともに、担当の相談支援専門員さんが頑張ってくれました。
 次をお願いします。
 現在の2番目です。20年ぶりぐらいに、てんかんが起こるようになりまして、これが、とてもコントロールが難しいのですね。血液検査や脳波測定ができないこともあるのですけれども、薬を増やしますと起こりやすくなったり、また、強い眠気が出て足元がふらついたりの副作用が出まして、なかなかコントロールが難しいです。また、発作が一旦起きると、胃腸症状が出まして、精神的にも不安定になるので、長い期間、施設を休むことになってしまい、両親のどちらかが見守りをしなければなりません。
 次に、田中さんも先ほどお話されていましたが、母親が不穏のスイッチを押すことが分かって、朝は、私は姿を消して、主人が支度をしてくれています。
 次をお願いします。
 息子の過去です。未熟児で生まれたので、発育がそれで遅れているのかなと思ったのですが、3歳のときに知的障害と自閉スペクトラム症と分かりました。
 母子通園ホーム、今の児童発達だと思うのですけれども、母子通園ホームや、保育園時代には、あまり強い主張がなくて、1人で遊んでいるような子でした。
 就学前の担当医から、お母さん、今に力では抑え切れなくなるときが来るよと言われました。この見立てのことは、皆様の会議の議事録でも拝見いたしましたが、やはり本当に小さい頃からの取組が必要なのだと私も思っているところです。
 特別支援学校に入学した後は、自我が目覚めたようで、パニックを起こすことが多くありました。小学部の高学年辺りから、今の放デイが始まったのですけれども、本人が連れていっても施設に行ったら降りないというのがありまして、利用しませんでした。
 中学部の頃から行動障害が現れてしまって、安定剤などを服用したのですが、私が出張などでいないときには、行動援護を利用して対応いたしました。ヘルパーにも大分慣れたのですけれども、やはりそのときの機嫌が悪いと、うちからヘルパーを追い出してしまったりというのもありまして、高等部卒業後から現在の事業所へ通っております。
 次をお願いいたします。
 次は、息子の未来についてです。やはり緊急時が心配ではありますが、私は栃木市の地域生活支援拠点、別名栃木市くらしだいじネットというのですが、そこへ登録しております。
 これは、緊急時に備えて平時の、普通のときの支援も充実させるということを目的にしています。年1回サービスの更新時に、緊急時を見据えた会議を開催いたします。これには相談支援専門員、生活介護や短期入所のサビ管などがチームになっております。ここには市直営の基幹相談支援センターがバックアップを行っております。
 息子は、新しい人や新しい場所がとにかく苦手ですので、本人が信頼している家族以外の施設の職員と一緒に経験を増やして、うち以外でも安心して息子が過ごせるところを、今後は見つけていきたいと思っているところです。
 それから、相談支援専門員とのモニタリングのときに、よく家族の思いや本人の様子など話し合いをしていくことが、これからの未来、必要だなと考えております。
 次をお願いします。
 最近受けたケースです。特別支援学校の高等部に進学しなかった人がいたのですけれども、中学部卒業後に生活介護に通っていたのですが、夏頃に、とても不安定さが強くなりまして、県内には病院が見つかりませんで、県外の精神科病院の保護室に3か月ほど入院して退院しました。
 日中サービス支援型のグループホームに、今、入っております。他害や破壊行動はあるのですが、何とか継続利用しています。グループホーム側からは、高度障害が激しくなったらば、精神科病院の入院をお願いしますと言われているそうです。
 特に母親に対しての暴力が多くて、家族との対面での面会は、コロナ禍もありまして、実現していません。
 次をお願いいたします。
 2つ目です。特別支援学校小学部4年生の男の子のケースです。行動障害が激しくて、学校でも、放課後デイでも、職員2人体制で、その方に対応しているそうです。病院に通って服薬もしております。相談支援専門員も放課後デイの職員もとても熱心にサポートしております。
 家庭でも大変で、両親は本当に疲弊しているようです。児童精神科への入院は難しいだろうか、これから先どうやって本人とこの家族を支えていくのだろうか、私の悩んでいるところです。
 次をお願いいたします。
 これで最後のスライドになります。最後に、全国の先進的な取組について、皆さんに御紹介いたします。
 福岡市の財部さんという方です。この方の息子さんは、中学部3年生の頃から行動障害が激しくなったそうです。
 病院の保護室に3か月入院して退院しましたけれども、その後の在宅生活がうまくいかずに、グループホームなど、入所施設など、20か所から断られてしまったそうです。
 お母さんはやむなくヘルパー利用でのマンション一人暮らしという方法を選びました。
 財部さん自身もヘルパー事業所を立ち上げて、この息子さんのことではなくて、地域の強度行動障害の人たちのために頑張っています。
 私のほうからの報告は、以上です。御清聴ありがとうございました。
○市川座長 小島様、ありがとうございました。
 この際、委員の皆様方から、特に補填したいところなどがございましたら、挙手をお願いしたいのですけれども、いかがでしょうか。もう少し詳しく聞きたいとか、あるいは、こういうのがどうだったかというのがあればと思いますけれども、いかがでしょうか。
 井上委員、お願いします。
○井上構成員 貴重なお話をありがとうございました。鳥取大学の井上です。
 私も鳥取で、在宅で強度行動障害があるお子さんを育てている親御さんと接することがあるのですが、ライフステージごとに見た場合、特に思春期のちょっと手前、特別支援学校の小学部とかその辺りから、やはりショートステイを時々入れていきたいと。高度障害が激しくなった時期も、そうでない時期もあると思うのですが、以前調査をした結果、少しずつ思春期から成人に至るまでに、ショートステイを利用したいという希望がかなり多くなってくるように思います。
 あと、特別支援学校等、あと、放課後デイサービス等の期待というのも幾つかあると思うのですけれども、特に在宅で学齢期から成人になるまでの、ちょっとニーズの変化というか、特に学齢期はこんなことが必要で、特別支援学校が終わってしまうと、やはり行く場所みたいなところがなくなってしまって、在宅でいろいろな支援から断られて、ずっと在宅でしばらくいる期間が生じるという親御さんもいるのですね。その辺について、学齢期とその後の20代の前半ぐらいで、どういうふうにニーズがあるのかというのを、ちょっとお話しいただけるとありがたいかなと思いました。
○市川座長 井上構成員のお話は、質問になっているのですか、今の話は、そういうことで、あるいは、田中さんとか小島さんに。
○井上構成員 そうですね、もし、親の立場で、学齢期のニーズと、それから、学齢期を終わった後のニーズで、どういうものが、違いが出てくるとか、こういったニーズが非常に強いとかありましたら、お願いします。
○市川座長 それでは、田中さん、何か御意見とか、お答えはありますか。
○田中先生 ありがとうございます。
 児童デイは、少なくとも私の周りではすごく増えていて、それで学齢期に預けられるところは、選ばなければ、すごくたくさんあるのですけれども、高卒と同時になくなってしまうではないですか、それで、御本人の預け先が減ってしまったり、あと、生活介護だと、帰る時間が早くなってしまったりで、親御さんが、どうしようというような感じになると思います。
 あとは、やはり学齢期のうちから預け慣れておくということが非常に必要だと思います。
 それで、ごめんなさい、質問と関係ないのですけれども、私自身が、子供が大変だったときに、井上先生が、育成会と一緒にまとめられた資料がありますね。あれを読ませていただいて、うんうんと思ってすごく納得した覚えがあるのですけれども、小さいことからのハイリスク児だとか、あとは思春期に重篤化するとか、あとは、そういったところに支援を入れておくことと、早いうちからの支援、乳幼児期からの、そういったものというのが非常に必要だと思います。
 ちょっと答えになっていないのですけれども、以上になります。
○市川座長 ありがとうございました。
 では、小島さん、もしよろしかったら、どうぞ。
○小島先生 井上先生、いつもお世話になっております。
 井上先生とは、強度行動障害支援者養成研修が始まる頃から、いろいろな勉強会とかでお話をさせていただいております。
 私が一番強く思いますのは、やはりライフステージごとに相談支援専門員にがっちりついてもらって相談していくことが、一番肝ではないかと思っております。
 そして学齢期のことですけれども、私どもの育成会の田中専務も発言しておりますが、やはり文科省とのトライアングルプロジェクトが非常に重要な役割ではあると思います。家庭と学校教育と放課後デイ、この3者が連携し合って、その人にとって一番いい方法で安定する方法を模索しながらやっていくということが、一番重要なことではないかと思っております。
 やはり学校を卒業した成人期もそうですが、やはり相談支援専門員がずっと親御さんと本人に寄り添って、調整していくことが一番重要ではないかと思っているところです。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 ほかに構成員の方から、何か御意見、御質問等ございますか。
 では、會田構成員、お願いします。
○會田構成員 田中さん、小島さん、貴重なお話、ありがとうございました。肥前精神医療センターの會田と申します。
 今のお話の中で、医療ニーズについて、例えば緊急避難的な入院が必要とか、あと受診できなかったら訪問診療というお話が出てきたのですけれども、ほかにいろいろな外来治療とか、身体的な治療も含めて、どのような医療のニーズがもっとあればいいかとお感じかどうかを、お二人にお伺いしたいのですが、いかがでしょうか。
○市川座長 それでは、田中さん、お願いします。
○田中先生 小島さんのように、いろいろなケースを知っているわけではなくて、本当に私個人の経験になってしまうのですけれども、やはりうちが大変だったときに、入院をさせるか、分かれて住むかというときに、思い詰めたときに、入院先がなかったのですね。
 それで、それまで通っていたところは、何となく、もうそろそろねみたいな感じのニュアンスで、児童のところだったのですけれども、それで、やはり18歳から20歳までの医療の狭間というのは、身をもって感じました。その辺りを連続して、賢いお母さんは、もうかなりそこら辺を見越して、主治医を選んでいらっしゃったりするのですけれども、そこら辺が困らないようにしていただけるとありがたいなと思います。
 以上になります。
○市川座長 ありがとうございました。
 それでは、小島さん、お願いします。
○小島先生 會田先生、いつもお世話になっております。
 私が大切だと思いますのは、やはり小さいうちからずっと病院にかかるということだと思います。なかなか児童精神科が少ないのが課題ではあるのですけれども、本当に薬を服用しなくても、定期的に主治医のところに通っていくということでカルテに記載がされますので、何か、いざ困ったときに医師のほうも判断しやすい、その傾向を見ると判断しやすいのではないかなと思っています。
 あとは、なかなか児童から成人の医療に移る際に、私の息子とかもまだそうなのですが、小児科のてんかん専門医にはかかっているのですが、成人のてんかん専門医にかかるに当たって、なかなかいいところに、今の主治医が納得するところに紹介できていないということがありまして、見つかっていないというのが悩みではあります。
 今のところ、私の息子は、内科や、ちょっとした皮膚の疾患などは、訪問診療の医師が診て、処方していただいております。
 それで、やはり一番の問題点は、自閉スペクトラム症で行動障害のある人が、いざ内科的に、外科的な入院が必要だといった場合に、それで診てくれるところを探すのも大変であるし、いざ入院したときに、家族がずっと個室で見なければならないということが、一番大変ではないかなと思っているところです。
 重度訪問介護の入院時の付き添いなどが、もっともっと一般的になれば救われる本人も、家族も多いのではないかなと思っているところです。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
○會田構成員 ありがとうございました。
○市川座長 ほかに、構成員で御意見のある方はいらっしゃいますか。
 では、松上構成員、お願いします。
○松上構成員 井上先生と研究した中で、田中さんが言っていた研究かな、要は行動障害がいつ誘発したかという調査をしました。その調査の結果、小学校に入学してから学年が進むにつれて行動障害を誘発する頻度が増えていき、高校を卒業すると減少するとの結果になりました。それを井上先生と見ていて、やはりそうかみたいな感想を持ったことがあります。小島さん、田中さん、学校教育に望むものは何かということと、それから学校の教育が終わって、成人のサービスを使うときの移行の支援というのはものすごく大事だと思うのですけれども、移行するときの支援で、こういうことがあればいいなという2点について、お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。
○市川座長 それでは、田中さん、お願いします。
○田中先生 ありがとうございます。
 ちょっとお答えになるか分からないのですけれども、うちは中学まで私立の学校、高等部から特別支援学校に変わりました。
 それで、特別支援学校に入ってから、結構行動障害が、わっとなってしまったのですね。ただ、それは、私、学校のせいだけではなくて、私の働きかけだとか、単なる環境の変化、あと本人の成長というか変化も、いろいろ複雑なところがあると思うので、一概には言えないのですが、学校で、うんと思ってしまったのは、やはり自閉症に特化したような支援の工夫というのは、やはりちょっと足りなかったのではないかなと、ただ、それは自閉症ではない障害の方もたくさんいらっしゃるので、強くは言えなかったのですけれども、それはとても感じました。
 こうしてくだされば、本人は多少落ち着くと思うのだけれどもみたいのは、お伝えしたりはしたのですけれども、あとは、卒業してからの移行ですね。うちの子は、不思議なことに、生活介護に移ったときに、そんなにまた悪化はしなかったのですよ、ちょうどその頃、さっきのお医者さんの話になるのですけれども、探しに探して、成人の入院設備のある病院を教えてもらって、そこにつながって、結構一気に薬の量を増やしてしまったのですね、ちょっと本人には申し訳ないのですけれども、それで、結構昼間に寝るようになってしまって、ですので、うちはちょっとその副作用で落ち着いたと言ったら、本人がかわいそうなのですけれども、そんな感じでした。ですので、個人的にはその辺りのことをちょっとお話しできないのですけれども、今井さんはありますか。
○今井先生 急に振られて、横にいてすみません。
○市川座長 では、小島さん、お願いします。
○小島構成員 松上さん、いつもお世話になっております。御質問ありがとうございます。
 学校教育に望むことですが、やはり徹底した環境整備が必要ではないかと思っているところです。
 やはりにぎやかな環境であるとか、体育館であるとか、とても次の場面に変わるときに私の息子も弱くて、混乱したことが多いですので、本当に今の福祉の現場でやられているような自閉症に適した支援を、もうちょっと学校側でも学んでいただければいいかなと思っているところです。
 それと、学校から、その次の職場だったり、施設だったりの移行支援のことなのですが、やはりこれは学校時代の実習がとても大事ではないかなと思っております。実習のときの徹底したアセスメントが重要ではないかと思っております。本人にとって、どこが一番適切か、いろいろなところを経験してもらって、次の移り先を決めていったほうがいいのではないかなと思っているところです。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 樋口構成員、お願いします。
○樋口構成員 田中さん、小島さん、ありがとうございました。日本知的障害者福祉協会の樋口です。
全国実態調査の中で、子供時代の療育環境はどうだったかという問いをさせてもらっています。児童発達支援センターを利用していたかという設問に対して、非常に低い、約2割の人が利用していたというような結果でした。
検討委員会(日知協)でも児童期の適切な関わりが、将来の強度行動障害の予防につながるという、最終的にはやはりそこに行き着くだろうと思います。
 京都式の強度行動障害モデル事業では、多くのケースが事業所からの要請、要望でした。進路で、生活介護や、就労系の事業所に決まったのだけれども、実際にそこに通えていない、通ってもほとんど何の支援も受けられていないというような実態が、見えてきたのですけれども、今のお話にあった移行支援の重要性に、私も同感しています。
 特に、中高生の時期に、非常に激しい状態になられる人が多い。そういう中で、集団の体験というか、特に暮らしの体験、短期入所、体験利用ができるグループホーム、その辺りのことをどのように考えていらっしゃいますか。実態といいますかね。
○市川座長 これも、お二方に伺うということでよろしいですか。
 それでは、田中さん、お答えがあれば、お願いします。
○今井先生 その件、今井からでいいですか。
○市川座長 どうぞ。
○今井先生 そういうことは一概に言えないというのが、僕は、いろいろな人の意見を聞いても、そうです。学校が被害体験になっているケースもあるし、そうではなく集団が嫌という人、そうではないという人もいるので、何かそうやって行動障害は、これで治るという、セオリー化することのほうが、むしろ危険だというのが私の意見です。
 以上です。
○市川座長 小島さん、どうでしょうか。
○小島先生 樋口さん、御質問ありがとうございます。
 まず、初めに樋口さんが言われた、放課後デイとの関係なのですけれども、やはり、私個人的な考えは、放課後デイに預けっ放しでは、親はいけないのではないかなと思っているところです。どういう方針でやっているのかということを、きちんと親と面面接して、方針を取り決めてやっていくことが必要ではないかと思っているのですね。
 やはり本当に小さいうちから行動障害にならないような支援というのが、とても重要ではないかなと思っているところです。
 次に、住まいの場の体験のことですね、短期入所の件なのですが、本当に私も、残念ながら私の息子は、短期入所の経験がなくて、これから、例えば、夕食まで、その短期入所事業所で過ごすとか、生活介護で慣れている職員にずっと付き添ってもらって、夕食まで過ごすとか、ちょっとずつちょっとずつスモールステップでやっていけて、息子がうち以外でも安心して、寝る場所、寝られるというか、そういうところが見つかればいいかなと思っているところです。
 以上です。
○市川座長 井上構成員、手を挙げていますか。違いますか。
 それでは、副座長の日詰さん。
○日詰座長代理 国立のぞみの園の日詰です。田中さん、小島さん、ありがとうございます。
 2人の話を伺っていて、親の仲間の存在は、とても大きいなということを、今日、とても感じさせていただきました。今、各地でこういう親のつながりがつくれないで、孤立している親御さんがたくさんいらっしゃるだろうと思いますので、2人ともいろいろな話の中で、田中さんのほうで、噴火が休火山になったとか、小島さんもいろいろな波があって、それで落ち着いてという話は、多分、そういう方にとって物すごく希望な話だと思うのです。「いつかは、そうなるかもしれない。」と。そういう希望の話をして下さる親御さんたちに会えない地域の親御さんたちとかがたくさんいるということの心配も、お二人は少し話されたと思うのですけれども、そういう孤立している親御さんたちに、どういうふうに、親同士だけではなくて、さっきの相談とか、教育とか、いろいろなチャンネルで仲間に出会う機会というのが作れると思うのですけれども、その辺のことについて、何かお考えというか、アイデアというか、御心配されていることとか、少しお話をいただければと思います。よろしくお願いします。
○市川座長 それでは、田中さん、どうですか。
○田中先生 御質問ありがとうございます。
 今井とも話すのですけれども、今、つながりやすいけれども、それでもつながらなかったり、だから余計つながりにくいとか、そういう方も少なからず、いらっしゃると思います。
 また、そういった方は、こちらのほうが無理やり、こちらを向かせるというのも、また、難しかったり、それは違う話で、なのでスライドの中に入れたのですけれども、やはり何かその人が、はっと気づいたら、いつもそこで何かやっているなとか、定期的にこういう場があるとか、その中にふらっと寄れるような場所というのが、幾つもあるといいなと思います。
 今、SNSとかでも、そういうグループで、少なくとも自分が関わらなくても、こういう人たちがいるのだという感じで、自分と似た境遇の人たちで勇気づけられたり、自分だけではないと思える場所もあるので、そういったところに少なくともつながれることがいいのではないかなと思います。ありがとうございます。
○市川座長 小島さん、いかがでしょうか。
○小島先生 日詰さん、いつもお世話になっております。御質問ありがとうございます。
 私もそういう方は、とても心配しているところです。私が最後のほうに出しました特別支援学校小学部の方の相談なのですが、これは、とあるところの放課後デイと、そして相談支援専門員から相談を受けたことです。
 親同士だけではなくて、本当に地域で困っている人は、そこの役所の人であるとか、施設であるとか、相談支援専門員の人も本当に悩んでいることだと思うので、そこからの発信も重要ではないかなと思っているところです。
 今後とも、本当に小さな声に耳を傾けて、ちょっとでも前に進めるように行動していきたいと思っております。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 それでは、渡邊構成員、どうぞ。
○渡邊構成員 札幌市障害福祉課の渡邊と申します。いつもお世話になっております。
 今日は、お二方から在宅での現状について、聞くことができてありがたく思っております。
 先ほど、田中さんからの話の中で、行政は、話を聞いてくれるけれども、なかなかそのほしい支援につながらないというようなお話をいただきまして、なかなか一人一人の方に合った適切なつなぎ先を行政が持っていないのかなという話と想像しながら聞いてはいたのですけれども、実際のところ、行政はどの部分が足りなかったのか、どんなことを行政ができたらよかったのかというところを、もう少し具体的にお伺いできればと思っております。
 関連して、小島さんのほうからも何かその辺りがあれば、お伺いできればと思っております。お願いいたします。
○市川座長 それでは、田中さん、お願いします。
○田中先生 ありがとうございます。
 うちが大変だったとき、そのときは、入所とかは全く考えていなくて、ショートステイとか、何とかかんとか、つなげていたのかな、それも難しかったという感じなのですけれども、行政で難しかったというのは、やはり在宅の夕方の数時間、うちは何やかんや大変って言っても、学校には行ってくれていたり、くれなかったり、とりあえず、日中はいないこともあったので、私だけの時間というのもないわけではなかったのですけれども、息子が確実にいる夕方の数時間というのが、むちゃくちゃ怖くて、その数時間のためだけに、そのほかの時間を使ってどう過ごそうかというのを頭の中でシミュレーションしているというような毎日だったのですね。
 ですので、そこに行動援護で入っていただきたかったのです。だけれども、そのときに、ほかの自治体では、行動援護をそういうふうに使っていらっしゃる方もいらっしゃるという話は耳にしていたのですけれども、行動援護は基本的にうちの中は駄目ですよという話で、あと行動援護を出すと、そうしたら移動支援は使えませんよとか、あとは重度訪問介護の話もしたのですけれども、そうすると余計またほかのものが使えませんよという話とか、あとは、事業者はいませんよとか、そういった話を、断定的ではないのですけれども、やんわりおっしゃるのですね。
 それは本当なのだろうなと思っているのですけれども、そこでだんだんくじけてくるというような感じが具体的なところでした。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 それでは、ちょっと時間が詰まってきちゃっておりますので、今、挙手されている橋詰構成員、ここまでにしたいと思いますので、質問をお願いします。
○橋詰構成員 田中さん、小島さん、御説明ありがとうございました。
 僕自身も相談支援として20年近く、多分、お子さんの年代の少し前の方ぐらいからずっと、実は保育園とか、入園するぐらいから18年とか、ずっと相談が続いて、それで大人のステージに、どう調整を入れていくかというところで、お母さんたちと一緒に、やはり資源を作るとか、通所の部分を、学校の進路の先生も探してはいただけると思うのですけれども、結局は、その辺も一緒に共同しながら、本人にとってとか、御家族にとってどうなのかというところから、資源を作ってきた者として、今、少し御質問したかったのは、放課後デイサービスで、かなりサービス基盤は整ってきているという状況はあるかもしれないのですけれども、実際に相談支援にすごく期待していただいて、僕もこの協会にいるので、今後どうしていこうかなということを考えながら聞いていたのですけれども、いわゆる放課後デイサービスが始まり、計画相談という形で相談支援が始まったのは、平成24年なのですね。そうすると、まだ10年ちょっとなのです。そうすると、今もうまさに、高等部とか思春期に入られて、かなり行動が厳しくなってきているという方たちというのは、そういった計画相談の方たちとは出会えないで、大変な時期になってから出会うという状況があって、今日御発言いただいた内容というのは、これからの相談支援の在り方についていただいた部分ではないかなと思うのですけれども、現状、相談支援は、実は、児童福祉法と障害者総合支援法の大人と子供のサービスで法律が分かれているものですから、とかく、全国的にそうではないとは思うのですけれども、障害児の相談をやって、18歳で実は大人の相談にバトンタッチしていくような、手放していくという状況の中で、行動障害、今回のテーマなのですけれども、一番すごく丁寧に大人のところにつないでいく時点で、これまで付き合ってきた親御さんとの関係とか、その辺が、障害児の相談から大人の相談になるので、私たちの事業所から大人の相談へみたいなところで、現状の子供の相談と大人の相談が、要は事業視点の中で分かれている状況の中で、皆さん、例えば関わっている親御さんとか、それから御相談に乗られているケースの中に、そこら辺の障害児の相談と大人の相談の状況の中で、何かお困りになっているとか、少し伴走型な、大人のときに途切れてしまうみたいなことを懸念されているようなお話というのが、もしあれば教えていただければなと思います。
○市川座長 では、お二方、今の橋詰構成員の御質問に、何かお答えがあれば、お願いします。
 田中さん、いかがでしょうか。
○田中先生 ありがとうございます。
 うちは、児童は年齢的にかすっているという感じで、使ったのか、使っていないのか分からないような感じで、でも使ってもらったはずです。
 それで大人になって、うちは、本当にその時期、すごく大変だったので、何か同じ法人の中で、本当はいいのか、何か知らないうちに、でも何やかんや手続をしていたと思うのですけれども、成人のほうの計画相談、あと入所して、実はここからしっかりやり始めたというような感じで、ただ、私の地域は、サービスがそれなりに恵まれていると言ってはあれなのですけれども、みんなお母さんが、相談支援専門員というのは、いろいろ相談に乗ってくれる立場というよりは、自分の子供のサービスをどこを使いたいから、そのときに必要な人というぐらいの、申し訳ないのですけれども、認識しか持っていなかったりしているのですね。
 私自身は、いろいろな人の話を聞いて、いやいやと、もっと相談できる人だし、サービスだけではなくて、インフォーマルな生活全体、そういうのも相談できる人なのだよというのがだんだん分かってきて、施設に入ってからは、そういったことも相談しているのですけれども、そういうふうになっていないなというのは、答えになっていますかね、すみません、そんな感じで思っています。
○市川座長 ありがとうございます。
 小島さん、お願いします。
○小島先生 橋詰さん、御質問ありがとうございます。
 私の息子は32歳で、中学部の時から計画相談が始まって、それ以来ずっと相談支援専門員についていただいております。
 相談支援専門員は、何人も変わりましたけれども、ずっと一貫して引き継ぎがうまくされていますので、私としては、そんなに困り感はなく、ずっとつながっていられるかなと思っているところです。今日は、すごく相談支援専門員の話ばっかりしましたが、本当に期待していますし、これからもいろいろなことを一緒にやっていけたらと思っております。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 それでは、田中様、小島様、2人の発表者の方、お忙しいところ御対応いただきまして、誠にありがとうございました。退室しても結構です。
 それでは、続きまして、議事の2つ目です。
 地域の中での日常的な支援体制としてのグループホームや障害者支援施設、その他サービスの役割、課題と対応について検討していきたいと思います。
 まず、事務局からの資料説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 では、資料1を使いまして、本日の議事、論点の御説明をしてまいります。
 資料を1枚めくっていただきまして「主な検討事項(案)」というところでございますが、本日は(1)と(2)の下線の部分について御議論をいただく予定としておりまして、(3)と(4)については、次回に御検討をいただく予定としております。
 もう一枚めくっていただきまして、2ページ目が、今日の(1)の議事の2になります「地域の中での日常的な支援体制としてのグループホームや障害者支援施設、その他サービスの役割、課題と対応」というところでございます。
 検討の視点の例といたしましては、地域における居住支援体制として、障害者支援施設やグループホーム、居宅サービスを活用した単身生活など、様々な実態があるが、強度行動障害を有する者を支援する上でのそれぞれの現状や課題、求められる役割や果たすべき機能、必要な体制等について、どのように考えるか。
 地域の中での支援体制構築のため、障害福祉と医療機関、教育機関等の連携の在り方や必要な体制等についてどのように考えるかを設定させていただいております。
 続きまして、ページをめくっていただきまして、議事の3のことでございます。
 (2)は「在宅における支援の課題と対応」としております。
 検討の視点の例といたしましては、在宅で親や家族等と暮らす強度行動障害を有する者の地域生活を支えるサービスについては、通所系サービスや訪問系サービス、短期入所などの利用が考えられるが、それぞれの現状や課題、求められる役割や果たすべき機能、必要な体制等について、どう考えるか。
 障害者が安心して地域生活を送れるよう、緊急時の対応や施設等からの地域移行の推進を担う地域生活支援拠点等について、強度行動障害を有する者の地域支援体制における機能や役割、必要な体制等について、どのように考えるか。
 強度行動障害を有することによってサービスの利用が困難になり、サービスにつながっていない、または必要な支援ニーズを満たすことができていない者の自治体での把握方法や支援方法、体制づくり等について、どのように考えるかとしております。
 事務局からは、以上です。
○市川座長 ありがとうございます。
 それでは「(1)地域の中での日常的な支援体制としてのグループホームや障害者支援施設、その他サービスの役割、課題と対応」について、この点について構成員の皆様から御意見を伺いたいと思います。御意見のある方は、挙手をお願いします。
 では、福島構成員、お願いします。
○福島構成員 ありがとうございます。
 私のほうからは、グループホームについて意見を述べさせていただきたいと思います。
 私どもの法人もグループホームを運営しておりまして、その経験も含めてという形になります。
 グループホームは、少人数の生活ですので、生活環境や支援内容を個別化しやすく、一人一人の特性に合わせやすいという利点はあります。
 また、グループホームに入居されている方は、多くの方たちがグループホームと離れた生活介護に通所されていますし、例えば、他法人の生活介護に通所するというケースもあります。
 また、行動援護を利用して、個別の外出ができるなど、一人一人に合った生活ができやすいということもグループホームの利点ではないかと思っています。
 ただ一方で、グループホームは少ないスタッフで支援するために、例えば、入所者の方のパニックなどのときに、応援体制が取りにくいということ、そのことによるスタッフの心理的な負担が大きくなるという課題もあるのではないかと思っています。
 また、運営面でも、強度行動障害のグループホームは、少ない入所者に対して手厚めのスタッフを配置することが多いのではないかと思いますので、収支面では、非常に厳しいところが多いのではないかと思います。
 これから、強度行動障害のある方を受け入れるグループホームは増えていってほしいと思いますけれども、強度行動障害において、難しい方たちばかりに入っていただいて支援をしていくと、支援現場が非常に厳しくなるというケースもあるのではないかと思います。
 そう考えると、グループホームで強度行動障害のある方たちを受け入れていくためには、支援度が本当に高い方たちと、支援度が、非常に高くない方たち、そういうバランスも、継続的にグループホームを運営する上では大切だと思います。
 そのようないろいろな支援度の入居者の方たちでいらっしゃると、そういう体制でも、しっかり安定的に、強度行動障害の方たちと支えていけるような事業環境、そういうものが、やはり必要ではないかと思っております。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、松上構成員、お願いします。
○松上構成員 私からは、障害者支援施設での受止め、受入れなのですけれども、私ども全社協では、特別処遇事業を受けて実施した法人が多いのですけれども、結局、特別処遇事業は、一定期間、有目的、有期限で強度行動障害のある人を受け入れて、地域移行させていくということなのですけれども、結局は地域で受け止めていく、移行先の確保が難しかったという現状がありました。
 ですから、障害者支援施設で受け止めていく場合に、移行支援、移行先の確保というのが非常に重要なポイントになると思います。
 もう一つは、やはり環境面で、行動障害の人たちというのは、環境調整が非常に重要です。それぞれの障害特性に見合った環境を提供するということを前提にしますと、障害者支援施設の場合は、今ある構造を変えていくということが難しいです。そうすると、新たな環境を整備するというような状況になってくるというように思います。
 それと、やはり入所から地域移行へという流れの中で、新たに定員をプラスして強度行動障害のある人たちを受け入れるということが、なかなか難しいです。現状で地域移行が進んでいない中で、新たに行動障害の人を受け入れるというのは、かなり難しい状況があるというように思いますので、その辺の課題をどう解決していくかということがないと、なかなか障害者支援施設での受入れということの促進に進まないのではないかなと思っています。
 グループホームについては、私ども、行動障害の人たちを受け入れたグループホームを2か所、大体40人ぐらいでの受止めをしていますけれども、グループホームの場合は、一人一人の行動特性、アセスメントに踏まえた環境の作り方というのができますし、小さな単位で個別的な支援が可能で、むしろグループホームという環境のほうが、強度行動障害のある人たちには適しているなと思います。
 だけれども、そこでの専門性の確保をどうするかという課題があります。グループホームの場合、日常支援の多くは世話人さんという非常勤の職員が日常の支援を担うというような状況がありますので、そういうような職員の体制をどうするかという課題があります。やはり、最近私どもの社会福祉法人北摂杉の子会の例ですけれども、グループホームで行動障害の人を支援している職員たちは、実践を通して、やはり一人暮らしが適しているねと、そういうような実践を通しての感想というか、そういうのが寄せられています。一人暮らしということも非常に大事な支援だと思います。そのための体制づくりをどうするかというのを、今後検討する必要があるかなと思っています。
 私からは、以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 では、続きまして、樋口構成員、お願いします。
○樋口構成員 樋口です。
 グループホーム、障害者支援施設の総合的な底上げ、質の向上に向けた施策が、必要です。入所施設においては、生活単位が10名以下というのは、1割に満たない、また、日中活動後の就寝時までの職員体制が、8.2対1という現状です。
 繰り返しになりますが、行動障害生活支援センターということを、1つのイメージとして、検討会として提出さしてもらいました。これは、要するに1人の利用者の方に2人の正規の職員が配置されるという、個人単位を基本とする提案です。
今ある施設環境なり、グループホームの環境を、そういう体制に構造、建物の改修も含めて、何とか早急に改善できる経過的な措置を講じていただきたいと思います。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 続きまして、田中構成員、お願いします。
○田中構成員 全国手をつなぐ育成会連合会の田中です。
 今日は、お二人に、自閉症協会の田中さんと、当会の小島さんに、いろいろ教えていただいたことも含めて、この設問に対して意見を述べたいと思います。
 1つには、(1)として、住まいの提供の場所としてのグループホーム、支援施設、一人暮らしと挙げていただいたのですけれども、段取りとして考えると、(2)の在宅支援のほうから整理して、どのようにそこにたどり着いたのかというような流れで考えていったほうが分かりやすいのではないかと思います。この直後にやるので、強くはこだわりませんけれども、実際、家族同居の困難さ、今日お二人にお話しいただいたような状況で、何とかたどり着けた自閉症協会の田中さんのお子さんの入所施設、これが、入所施設だからたどり着けたのかというと、たまたま環境があったからというふうに理解するのが、多くの事例を考えると、特に小島さんから報告いただいた、福岡市の財部さんのケースは、どこにもたどり着けなくて、結局、親御さんが自分でヘルパーを用意して環境調整をしているということになりますので、その人に合った環境をどう見いだせるか、もっと言うと、その人をどのように捉えられるか、皆さんのお話ではアセスメントということになると思うのですけれども、障害特性の理解に基づいての環境調整ということになれば、入所の在り方、グループホームの在り方の議論からよりは、本人をどう捉えて、そこにどのようにお導きするかということになるのだと思います。
ですから、住まいの場を先に考え、そこに用意された提供される場(環境)に合わせて暮らさざるを得ないような仕組みですと、なかなか思ったような対応とはいきません。本人の実情に合わせた環境をどのように段取れるのかというのが、特に家族同居から始まって、どこかに住まいを確保していくということになりますと家族同居のうちに、その段取りが必要となります。家庭から離れて自立に向かう際に受け入れる先の受け皿が、どんな施設であっても万人に合うように用意はできないだろうというのが、基本の考え方とすべきです。それをベースに暮らしの場の提供方法を考えると、入所が合う人もいれば、グループホームが合う人もいれば、一人暮らしが合う人もいればと、支援方法においては個別差が非常に際立ってくると思います。用意された設問の日常的なグループホームや障害者支援施設その他の役割、課題と対応ということで言うと、個別性、合う合わないにおいては、全てが駄目な人もいるということになると思います。是非そういった視点で議論し整理をしていただく必要があるかなと思います。
とりあえず、私からは、以上です。
○市川座長 ありがとうございます。
 それでは、井上構成員、どうぞ。
○井上構成員 まず、田中構成員も言われたように、課題1に合わせて、正確なアセスメントというのが必要だと思います。
 強度行動障害は一時的なものではなくて、やはり幼児期から高齢に至るまで、かなり継続的に、ライフステージに応じて、どこの機関がつながっていくかということを整理する必要があるかなと思います。
 特に2のほうに関連するのですけれども、正確なアセスメントは、御本人だけではなくて、家庭環境に非常に強いニーズがある方、特に親御さんが非常に病弱であったり、経済的に困難を抱えていらっしゃったり、お一人で子育てをされている方というのは、非常に困り感が強いかなと思っています。
 児童の間は、私の住んでいる鳥取県でも、要対協のような形で、行政を含めて地域体制の連携が組まれていくのですけれども、学齢期以後、やはりその情報が途切れてしまって、親御さんが、例えば重病になられて、がんのような病気になられているけれども、在宅で見ているので入院ができないとか、御本人があるいは病気になられて、また入院ができないとかということもあったりします。あるいは御両親が離婚されたり、死別されたりというケースもあったりします。
 成人期以降は、在宅支援は特にですけれども、要対協のような地域の行政を中核にした見守りのシステムが、家族の変化に対して必要ではないかなと思いますし、それが実現すると、医療機関も含めた連携体制を取れるので、2次元的なとか3次元的なところだけではなくて、時間軸に沿った見守り体制を地域の中に作っていくことが必要だと思います。
 やはり、かなりライフステージによって、家族の状態によって支援ニーズも、本人の状態像も変化するということを踏まえて、対応できるシステムが重要かなと思っています。
 逆になりましたけれども、1に関しましては、會田先生と一緒に見ていたケースで、病院から出て入所施設に入ろうとしたのですけれども、結局、いろいろな施設内のくるくる回るファンとか電灯とか、いろいろな重機に反応してしまって、うまくいかないというケースがありました。
 やはり通所の場合も大声を上げるとか、あるいは余暇の時間が非常に特殊な過ごし方、大声を上げて過ごしたいとか、細かいものを並べるのが好きな人もおられれば、細かいも能が周囲にあると食べてしまったり、耳の穴に入れてしまったりする方もいるので、やはり通所も、それから入所も、スペースをもうちょっと個別化できる、小分けにできるような、大きなフロアでなくて小分けにできるような改装が必要だったりする場合もあります。
 そういった部屋自体、環境自体を改装していかないと、やはり人材の不足というのも、そこに発生してくると思うので、そういった施設全体とまでは言わないですけれども、施設の内部の改装について、支援があるということが重要になってくるのではないかなと思いました。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 では、會田構成員、どうぞ。
○會田構成員 ありがとうございます。
 田中さんや小島さんのお話にあったような医療ニーズ、例えば、児から者へのスムーズな医療サービスの移行であるとか、あるいは緊急避難的な短期入院、それから身体的な治療も含めた医療サービスをきちんと受けられるようにというのを地域で考えたときに、恐らく専門的な一部の医療機関だけでは、やはり対応が難しいと思うのですね。強度行動障害は中核群だけでも2万人、福祉サービス利用者だと延べ6万8000人ですので、そうなると、専門的な強度行動障害の治療をしている医療機関、それから、一般の精神科の病院、それから、かかりつけ医レベルと、それぞれに共通する知識を、やはり医療的な研修で共有していくというのが1つ必要かなと思います。
 もう1つは、一般的な病院であっても、やはりある程度の手厚い医療体制がないと、強度行動障害を伴う方の治療が安全にできなかったりしますので、そういう意味でも、今、診療報酬が一部の専門病院にしか加算できない現状があるので、そこら辺の見直しもしていただく必要があるのかなと思います。
 もう1つは、現状についてのアセスメントのお話が井上先生から出ましたけれども、強度高度障害を伴う患者さんの入院長期化のことも、現状調査するともっと多くの数が出てくるかなと思います。
 長期入院になってしまわないようにするためには、相談支援員さん、それから基幹相談支援センター、それから発達障害者支援センターなども含めた、地域の専門的な協議会などをきちんと設立していただいて、そこと医療機関が連携して地域で支えていくという体制がないと難しいかなと医療の側からは思っています。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 それでは、ちょっと時間の都合もありますので、あと橋詰構成員、その後、在宅のほうに入っていきたいと思います。
 橋詰構成員、お願いします。
○橋詰構成員 お時間ない中ですみません。
 ほぼ皆さんと似ている意見ですが、1つは相談支援の立場でいうと、特別支援学校の中学部、それから高等部と約6年間で、卒業を見越していくと多分、高等部に入学されて3年間の後に、社会に出てくというステージの中で、今日もお話ありましたように、放課後デイサービスの利用をしたりということで、実際には相談がもうそこで始まっているという状況の中で、3年後にここを卒業していったときに、実際に受け皿がなくて家族支援に頼らざるを得ないという状況になることが一番悲劇だなと思っています。
 逆に言うと、今はサービス基盤が整ってきているので、その間に、どういう支援が行われていると御本人が落ち着けているのかとか、実際にどういう体制があったら、家族がお休みを取っていただく中で、例えばショートステイであるとか、いろいろなサービスを使って、家族だけで支援ではないということを整えていけるのかなと、そんな時間が実際にはあると思うのですけれども、実際には出口のところで、既存のサービスのどこに当てはめたらいいのかなというところが、やはりマッチングしないのが、それぞれ個別の特性をお持ちになっていたりとか、苦手さを持っていって、そこには当てはめたとしても、とりあえず枠の中には入ったとしても、いい支援につながらないというところが、今日皆さんがおっしゃっていただいている、やはり人的な配置の問題とか、今日は集中支援の話はないですけれども、御本人が落ち着いて安心して活動や生活ができるための支援は、どのぐらいこの方が必要なのかなといったところは、かなり蓄積をして、卒業までに準備をしていくことができると思うのです。
 ただ、そこに、卒業時に、入所系のサービスだと日中系のサービスと、それから、ナイトケア、それと週末のサービスを組み合わせるだけとか、グループホームは少し使いやすいのは、居宅のサービスなども組み合わせていくという状況の中で、ただ、どちらですかって言うと、地域の社会資源の状況なども勘案すると、御本人にとってどういうハード面の整備が必要で、どういった人的配置の支援があったら、卒業後安心して暮らしていけるのかというところにたどり着いたときに、既存の、先ほどの経過措置みたいな話もありましたけれども、既存の中で、この人には、この在宅支援なのか施設支援なのかということではなくて、既存のサービスの中でどのようにそこを組み替えていくことによって、生活が見えてくるのかというような体制を取っていただくということを、ぜひ議論していただきたいなと思います。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 それでは、残りの時間で、(2)の在宅における支援の課題と対応について、構成員の皆様から御意見を伺いたいと思います。
 これにつきまして、御意見のある方は、挙手をお願いします。
 それでは、福島構成員、お願いします。
○福島構成員 ありがとうございます。
 まず、在宅の方たちへの支援の課題と対応ということですけれども、まず、御家庭に暮らしていらっしゃる強度行動障害のある方で、まず、必要なのは安定した通所先があるということではないかと思います。
 通所先としては、成人の場合は、生活介護を想定しておりますけれども、生活介護の中でも、幅広い支援の方たちが利用されていますので、特に難しい強度行動障害のある方の受入れが、地域の生活介護で進むということのためにも、そのための事業環境みたいなものの整備が必要ではないかと思います。
 また、先ほど田中さんや小島さんの話をお聞きして、やはり親子それぞれが自分の時間を持つことができることが必要だということを改めて感じました。
 そのためには、やはりショートステイや行動援護というサービスが地域でしっかり提供されるということが重要ではないかと、改めて思いました。
 ただ、ショートステイについては、強度行動障害のある方を受けられるショートステイは少なく、利用したくても利用できない地域も多いと思われますので、ショートステイでの受入れをどのように進めるかも大きな課題だと思います。
 あと、行動援護については、先ほど田中さんから夕方の何時間か、ここで行動援護をというお話、非常に必要だと感じました。
 御家庭にいらっしゃる方たちにとっても、また、グループホームにいらっしゃる方にとっても行動援護は欠かせないサービスです。行動援護は、本人の特性を理解して、適切な関わりをしながら、本人の楽しみとなる外出を支援できる特徴がありますけれども、強度行動障害のある方にとっては、生活の中の大きな楽しみになるということが大きいと思います。
 また、グループホームにおいては、本人の支援の組み立てにおいてもとても重要な役割を果たしていることもあります。
 しかし、行動援護はヘルパー不足が非常に深刻です。限られた事業所の限られたヘルパーによるサービス提供となっている地域や、行動援護を提供する事業所が減っている地域も多いのではないかと思います。
 その背景には、サービスの提供時間が重なるなど、行動援護の事業だけで事業運営をすることの難しさ等々もあるのではないかと思います。
 私ども法人がある佐賀市の隣の久留米市で、このような現状に危機感を持った御家族や支援者が、3月に、行動援護の大切さを訴えるフォーラムを開催されますけれども、強度行動障害のある方たちの生活にとって行動援護はとても重要なサービスだという認識がもっと広がって、必要な人が行動援護を利用できるための事業環境であったり、社会的な理解が進むということが大事ではないかなと思います。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 続いて、田中構成員、お願いします。
○田中構成員 育成会の田中です。
 在宅支援の対応としては、やはりサービスを提供の入り口となるところで、きちんと支給決定がされるということが一番大きな課題だろうと思っています。
先ほどの自閉症協会の田中さんの意見からも感じられたのですが、行動援護を使うと、他のサービスが使えないとか、重度訪問介護を使うと、他のサービスが使えないとか、支給決定の裁量が自治体にあるとしてもどのような根拠と判断で利用者の実態に合わない支給決定になるのでしょうか?行動援護は重度訪問介護になったときに、居宅での対応も可能になりました。移動だけで無く居宅対応も含めて長時間の関わりということになりました。このことがどこまで支給決定される自治体に理解されているのか?組み合わせて活かされるサービスであるにもかかわらず、行動援護を使うと、他のサービスが使えないといった判断が生まれる状況があるとすると、自立支援法の支給決定の裁量権が地方自治体にあったとしても、支援現場はかなりゆがんだ構造になります。自治体の判断によって、結果として必要なサービスにつながらない実態があるとすれば、もう少し支給決定の際の判断が適正に整うように行動障害者への支給決定ガイドラインを作っていくような方向で何か策を練っていただく必要があるかなと思います。
 その上で、特にサービス提供においては通所施設が生活基盤となって家族同居を支えていくということはあるのですが、その通所にすらも通えない状況になったときには、通ってもらう代わりに、家庭内に入っていく必要がありますので、家庭に入っていく際のサービスの在り方として、今、お伝えしたような行動援護が有効であるということはもっと普及すべきですし、長時間の関わりになれば重度訪問介護、そして、それらをトータルで見ていく先には重度包括支援を検討することになるかと思います。
 ある事業所では、グループホームで重度包括支援を活用していました。昼夜逆転の状況があって睡眠障害もある方だったようですが、夜寝られない状況に対してヘルパーが必要だということに加えて、夜寝られないので昼間うとうとしてしまうので、これでは通所先にも通えないということで昼間もヘルパーが必要でした。結果としては、グループホームで重度訪問介護の方が日中の対応をするというようなことになるわけですけれども、通える日もあるので、日中サービスである生活介護を利用する対応も必要に応じて生まれてきます。そういったことに柔軟に対応するのが重度包括だと理解しているのですが、残念なことに、全国的にまだ30人しか利用していない実態があるということです。このサービスについて、もうちょっと工夫をして活用出来るようにする必要があると思います。例えば、「こんにちは」から始まって慣れた家庭環境で出会ってから支援が始められる仕組みとして、特に、どこにもサービスにつながらない人たちへの対応として重度包括支援には工夫のしどころがあるのではないかなと、強く思っています。
 その上で、重度包括支援サービスの利用をベースに計画相談が必要な状況をアセスメントしてサービス等利用計画において具体化していくという行程においては、計画相談が、今後はさらに重要になってくると思います。
 特に最後の設問にあります、サービスにつながっていない、または必要なニーズを満たせていない自治体での把握方法に関しては、計画相談を徹底してやっていくということで、全ての方に計画相談を作るということが前提の仕組みですので、-サービスにつながっていないと計画相談が立てられないという矛盾がありますが、-計画相談を立てることを大前提にすれば全ての方の状況把握を計画相談が行えますので埋もれていたニーズが顕在化する事につながると思います。そこには、各自治体が基幹相談をきちんと位置づけて、行政が直接行う基幹相談とは違う視点で、基幹相談が計画相談を立てる人たちとのバックアップをしながら、処遇困難になった対応については、例えばこの場合には重度包括でしばらくやってみて、落ち着いたら通所施設、行動援護、重度訪問介護に切り分けていくというような流れを作っていける体制を構築できると地域での支援体制が充実する見通しが持てるのではないかと期待しているところです。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 続いて、松上構成員、お願いします。
○松上構成員 田中さんもおっしゃっているように、サービスに結びつかない人たちの支援をどうするか、大きな課題だと思っています。
 私どもの法人で発達障害のある人に特化した訪問看護ステーションを運営しています。やはり在宅で行動障害があって困っておられる家庭への支援であるとか、ひきこもりの事例とか、それから、子供さんも親御さんも発達障害であり支援が必要なケースなどがあります。そういうような人たちに対する支援について、訪問看護ステーションというのは、やはりやってみて、結構有効なサービスであると思っています。ニーズも結構あるということが分かってきましたので、活用についての検討の価値があるなと思っています。
 短期入所の日中一時支援事業ですけれども、私どもの法人の場合、やはり放課後デイで行動障害の人たちが断られて、私どものところに来るというような実態があります。報酬単価的にも非常に日中一時支援事業は低いのです。やはり放課後デイサービス事業の専門性を上げるということが重要です。特に、児童発達支援センターの機能強化、特に「高度な専門性を有する」というのは、放課後デイとか、療育を担う機関に対する、機関コンサルができる専門性を有すること、そういう機能をちゃんと持って強化していくということも重要な役割としてあるかなと思っています。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 では、続いて、井上構成員、お願いします。
○井上構成員 松上構成員がおっしゃったように、児童発達支援センターというところも選択肢の1つだと思うのですけれども、結構、児童発達支援センターの場合、地域差がありまして、強度行動障害とか学齢期以降に支援が弱い地域も多くあるかなと思っています。
 例えば、前々回に申し上げたように、在宅強度行動障害の支援事業として、鳥取県の場合は、スーパーバイザー養成という事業を一方では、全国の幾つかでやられていると思うのですけれども、スーパーバイザークラスの人が家庭と事業所と、あるいは医療機関を利用されていれば、医療機関を訪問して調整を行うとか、あるいはその方が複数の事業者の定期的な連携会議に参加して、うまく情報共有をしてもらうとか、それから学校から福祉に移行するときに、やはり隙間のないような形でつないでいくというのが必要な気がします。
 先ほどから1点懸念するところは、サービスから漏れている人をどうやって把握するかという場合に、県で、鳥取県の場合もいろいろ思案したのですけれども、自閉症協会の方から上げてもらうというルートが1つあったのですけれども、一番いいのは、特別支援学校からずっとその情報を、やはり行動障害ある方についてはつないでいかないと難しいのではないかなと思います。
 例えば、漏れた人たちは、どんな人たちだったかというと、特別支援学校のときから不登校であった方ですね。ひきこもり状態にあって家で暴れていたと、それが結局どこにもつながらなかったという事例がありました。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 それでは、手を挙げた順番に、今、お願いしておりますので、會田構成員、お願いします。
○會田構成員 ありがとうございます。
 先ほど私のほうで発言した医療サービスについては、特に在宅ということに特化して考えますと、例えば、在宅から短期入院して、また、在宅へ帰るなどの方がいらっしゃるのですが、そういうときに、入院中でも利用できる行動援護サービスなどを導入したり、あるいはもともと使っていたものを使わせていただいたりというのが、非常にスムーズな医療から福祉、在宅への移行として重要だと思います。
 ただし、その入院中に利用できる行動援護サービスというのが、いろいろな調査をしてもごく少数しか上がってこないというところがあるので、もう少しそこを推進できると、医療と福祉が断絶せず、在宅の方を支援できるかなと思います。
 あと、もう一つですけれども、先ほど松上さんもおっしゃったように、訪問看護というのが非常に有効だと日頃から感じていて、当院でも強度行動障害の方の訪問看護に、いろいろな訪問看護事業者さんに入っていただいています。幸い当院はうまく連携できている事例が多いのですが、ただ、成人以降の発達障害の方に対する看護師さんの教育とか研修というのも、やはり遅れているなと感じます。看護師さん方御自身が、なかなか習う機会がなくて知識がないとおっしゃいます。先ほど申しましたように、医療の中での研修、強度行動障害のチームとしての研修の中に、看護師さんもしっかり入っていただくというのがすごく重要ではないかなと思っています。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 続きまして、樋口構成員、お願いします。
○樋口構成員 繰り返しになるのですけれども、やはり目指すべき方向は、各市町村を窓口として、行政、福祉、医療、教育のネットワークづくり、今ある資源の活用ということで、児童発達支援事業とか、放課後等デイサービスのさらなる支援の質の向上に向けた、施策が一層必要ではないかと、実態としてはそう思います。
 児童期から成人期にかけてですけれども、やはり地域生活支援拠点の機能を高めると、特に緊急時の受入れ等を行う。暮らしの場の機能を高めていただくような施策が現実的には最も有効ではないかと思っていますし、短期入所がやはり都市部で非常に不足しています。計画的な緊急時の受入れはもとよりですけれども、計画的な、体験的な利用ということについても、やはり児童期から成人期に関わらず、必要な機能だと思いますので、ぜひ、そのことについて見直しをしていただきたいということ。
 それと、やはり強度行動障害に限らないわけですね、そうした、なかなかいろんな課題を持っている人の居住サービスが決定的に不足しているということは、申し添えておきたいと思います。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 続いて、福島構成員、お願いします。
○福島構成員 ありがとうございます。
 私から、今の在宅における支援の課題と対応というところでありますけれども、在宅の方も含めた地域支援体制の機能と役割、必要な体制ということで、少し意見を述べさせていただきたいと思います。
 現状においては、強度行動障害のある方たちを在宅であったり、グループホーム、施設入所支援、入院等、いろいろな場所で支えられているわけなのですけれども、それぞれの場所がどこも、今、欠かせない場所ではないかと思います。
 その中で、それぞれの場所や機関が独立して支えるのではなくて、もっと重なり合って支える仕組みが必要ではないかと思っております。
 先ほど、御家庭にいらっしゃる方がショートステイや行動援護を利用できることが大切だとお伝えしましたけれども、例えば、グループホームにお住まいの方も御本人の、例えば、リセットであったり、トリートメントであったり、またはグループホームでの支援の立て直しなどのためにショートステイを利用できる、こういうこともグループホームで支え続けるためには必要なことではないかと思います。
 また、先ほど會田先生からも御紹介がありましたけれども、入院中の方が行動援護を利用されている実例などもありますけれども、例えば、入院している方がそれまで使っていた生活介護を利用できたり、入所している方もそれまで使っていた生活介護や行動援護を利用できなど、様々なサービスや事業所が関わって本人の生活を支えていくという仕組みが、今後必要ではないかと思っています。
 そのことが限られた事業所や機関で、強度行動障害のある方たちを抱え込むのではなく、地域で強度行動障害の方たちを支えていくということにつながっていくのではないかと思います。
 強度行動障害は、状態像であり、その状態は厳しくなったり、穏やかになったりするものだと思いますので、その状態によって暮らしの場や生活の仕方も移行しやすくなる仕組み、そういうことも必要ではないかと思います。
 先ほどの在宅やグループホームにいる方がショートステイや入院を利用しやすい仕組み等々も、もちろん大切ですけれども、入所や入院をしている方たちが地域のグループホームや生活介護を体験できたり、しばらく併用して利用できる等々、どの事業所や機関でも移行しやすくなる仕組みがもっと充実すれば、御本人の状態に合わせた生活ができやすく、地域として支えていくという仕組みができやすくなってくるのではないかと思います。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 続きまして、井上構成員、お願いします。
○井上構成員 すみません、さっきの付け加えなのですけれども、既存のシステムで言うと、ショートステイに関しては、医療型ショートステイ事業というのがあると思うのですけれども、結構、會田先生の科研の中で活用されていた病院があったと思うのですね。院内にそういう医療型ショートステイを作っておられて、訪問看護等と連携するというのは、比較的しやすいのではないかなと考えていて、そういった強度行動障害に関するショートステイの受入れ先の選択肢として、医療型ショートステイというのは考えられないかなと考えています。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございます。
 続きまして、橋詰構成員、お願いします。
○橋詰構成員 お時間ない中、ありがとうございます。
 私は、地域生活支援拠点の2つ目の項目のところで、少し現状を、それぞれの地域で、この拠点整備を進めていく中で、先ほども話でありましたけれども、緊急ショートステイの登録をしていただいて、どう受け皿になるかというところで、数的には進んでいるとは思っていますが、実際にはここではじかれているのが、医療的ケアがある方と行動障害の方たちなのではないか。登録はしていますけれども、実際に緊急時にアクセスしたら、御本人を知らない中で、ちょっと支援は難しいですということで、物理的に登録というか、資源はあっても使えていないという現状を、もう少し一歩踏み入れて、その方が使える地域のショートステイをどうするかという議論を、ぜひ進めていただかないと、いつもいつも、やはり重度障害者が、最後にいろいろな社会資源が開発されても取り残されてしまうという状況があるのではないかなと思っています。
 一方では、卒業時のサービスのところでもお話がありましたけれども、例えば生活介護の事業所だけで家庭の介護でという方たちも非常に多いかなと思っていますが、そういったときに生活介護の事業所は日中系のサービスなのでということで、緊急時にショートとなったときに、うちの法人はあまり関係ないですとか、うちの法人はサービスないですということで止まってしまっていると、やはり圏域全体とか地域全体で、この拠点をどんなふうに進めていくかとか、地域生活を進めていくかというときに、やはり昼間の応援をしていただいているところだからこそ、御本人との関わりのある環境が整えられていて、実際に、そこで支援がなされているとなると、慣れた支援者がいると。
 このマッチングを緊急時にどう受け皿となるかというところを、親身に考えていただくような体制を取っていただかないと、既存の施設だとか、宿泊系の事業所を持っているところが体験的にとか、緊急時にショートステイをするのだというような議論であると、多分これは、検討だけで、また先送りの議論に僕はなっていってしまうのではないかなと思うと、全ての障害福祉サービスに関わって、重度障害者の支援をしていただいている人たちは、まさに、自分たちの地域の利用者さんをどんなふうにそういったときに応援するかという議論を、やはり地域の中で進めていくということを、拠点整備の推進の中では、少し強めにそこは進めていかないと、これで3期の福祉計画に入るわけですので、ぜひそんなことをお願いしたいなと思います。
 以上です。
○市川座長 では、続いて田中構成員、お願いします。
○田中構成員 2回目で失礼します。育成会の田中です。
 先ほど伝え切れなかった地域生活支援拠点について、少し述べさせていただければと思います。
地域生活支援拠点、始まりの当初は、拠点型か面的整備かということで択一でしたが、いまや基本においては面的整備がベースになるべきと考えています。個人的には拠点が窓口となる施設を分かりやすく提示することで24時間明かりの灯る安心感を入所施設に互して位置づくと考えていましたが、受け入れに関して、そこに対応する段取りが十分に整っていないと、今、橋詰さんが言われたように、頼ってきたのに断らざるを得ないということになると思います。今日、お二人のお母さん方にお話しいただいた最も重要な課題である「サービスにつながらない方が存在していること」が、早急に解決すべき課題です。どこも対応しない事が家族の絶望につながってしまうことになりますので、そういったことにならないような仕組みとして、地域生活支援拠点が、先ほどもお伝えしましたが、計画相談をきちんと立てて、そこへ行政の支給決定が適切に対応する事が重要です。さらには支給決定が恣意的な情報に基づいていないかをチェックする仕組みも必要です、基幹相談の役割り、としては立てられた計画相談が有効なものになっているかどうかのチェックをするといった機能につなげて欲しいと思います。最近、育成会のフォーラムで、北陸のほうの某市と、北関東の某市の方に来ていただいて、その両市とも100%に近い計画相談を、御本人の立てるセルフプランはありますけれども、御家族が立てるセルフプランはなしにするということを目指して対応していると言った話題提供を頂きました。
 計画相談を、親が立てるセルフプランを必要としないように成熟させることで、そこがベースになって、何かあったときに知らない人による対応ではなくて、見知った人による計画相談に基づいたサービス提供が行われる事によって、行動に著しい障害のある状態でもサービス提供につなげられるようになると思います。
現在、何故サービス提供につながらないのかは、計画相談を整えた上で展開されることはほとんど無く、なぜ難しいのかということすら確認されていません。計画相談の中で支援が必要な特性やそれに見合う支援者の確保を見越して段取る対応が無い限りは、取り残された方々の今後の展望は開けません。
計画相談によって困難さが判明していく事になれば、それに見合う体制づくりが求められます。先ほどお伝えしたような重度包括が活用できていない状況があれば、シームレスなサービスを提供できる視点で、重度訪問が提供される必要がありますが、そのような柔軟さは自治体の支給決定の判断には残念ながら僅かにしかありません。昼間通えないということに対して個別支援(行動援護、重度訪問介護、訪問介護等)対応でもきちんと補うような視点があれば、さらに柔軟に展開していけるのではないかと思います。
 特に強度行動障害とされる支援度の高い方たちは、既存のサービスでは対応が間に合わない状況に置かれていることを考えると、地域生活支援拠点が拠点支援なり面的支援なりを駆使して、形だけではないネットワークをきちんと張り巡らして受け止められる仕組みを構築していかないと、面的整備と名乗っていても、実際には有機的なつながりのないエリアはたくさんあります。先ずは支援が必要な人を認識してその人に会った支援体制を本気で整えていく。そういった内容でブラッシュアップしていく必要があるのではないかと思います。ぜひこの検討会の議論をきっかけにして、誰も取り残さない視点を強める方向に、どの自治体も向かっていただければと思っております。
以上です。
○市川座長 続きまして、松上構成員、お願いします。
○松上構成員 先ほど會田先生がおっしゃったように、訪問看護ステーションで、看護師さんが主に中心的になって、私ども作業療法士も配置しているのですけれども、やはり看護師さんに対する教育訓練というのは、非常に重要だなと思っています。それと公認心理士ですね、心理職がその中に入れば、強度行動障害の人たちに対する支援というのがもっと進んでいくではないかなと思います。
 もう一つ、皆さんの御意見をお聞きして、やはり統一した支援というのがすごく重要で、機関を超えて連携するときの支援の軸になるのは、やはりアセスメントだと思うのですね。きっちりしたアセスメントをできる、それに基づいて支援計画を立てられて、関係機関が連携して、生涯にわたる切れ目ない支援の提供ができると思います。このアセスメントの機能をどこが果たすのかというのが大きな課題としてあるのではないかなと、検討課題だなと思っています。
 以上です。
○市川座長 ありがとうございました。
 大体一通り皆さんから御意見を伺ったように思いますので、どうも皆さん方、活発な御意見をありがとうございました。
 この後、事務局のほうでお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 これにて本日の議事は、全て終了となります。
 次回の検討会につきましては、1月30日、月曜日の10時から12時、引き続き、論点1の強度行動障害を有する者の地域における支援体制の在り方について議論をする予定となっております。よろしくお願いいたします。
 本日は、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。