薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和4年度第3回献血推進調査会議事録

日時

令和4年10月24日(月)14:00~16:00

開催形式

Web会議

出席者

出席委員(11名):五十音順、敬称略 ◎座長 ○座長代理


欠席委員(1名):敬称略

日本赤十字社:敬称略

  • 松田 由浩(日本赤十字社血液事業本部経営企画部次長)
  • 鹿野 千治(日本赤十字社血液事業本部経営企画部献血推進課長)

事務局:

  • 仲島 昌司(血液対策課長補佐)

議題

  1. 1.令和5年度献血推進に関する計画(案)について
  2. 2.献血推進計画の在り方について(案)
  3. 3.血液需給将来予測推計について
  4. 4.輸出に際しての献血の同意説明書(案)について
  5. 5.その他

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

議事内容

○仲島血液対策課長補佐 定刻となりましたので、ただ今より「薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和4年度第3回献血推進調査会」のWeb会議を開催いたします。本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いします。
本日は、お忙しい中御参集いただきまして誠にありがとうございます。この度、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。本日のWeb会議における委員の出席につきましては、根岸委員から御欠席との御連絡を頂いております。現時点で、献血推進調査会委員12名中11名の出席を頂いていることを報告します。また、土田委員におかれましては、大学の都合のため15時10分頃御退席との御連絡を頂いております。また、本日は、日本赤十字社血液事業本部より松田経営企画部次長と、鹿野経営企画部献血推進課長に御出席いただいております。また、事務局の血液対策課長の渡辺ですが、他の用務のため不在となります。申し訳ございません。
続きまして、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様には会議の開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。タブレット上に1.議事次第から12.資料5までのPDFファイルが表示されているかを御確認をお願いします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には、近くの職員にお声掛けをお願いします。また、本日の調査会に際し、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、説明者においてはマスクを着用したまま説明させていただく場合がございますので、御了承いただければと思います。間もなく議事に入りますので、カメラの頭撮りはここまででお願いします。
それでは、以降の進行を、佐々木座長にお願いいたします。
○佐々木座長 それでは、事務局から審議の進行方法の説明をお願いします。
○仲島血液対策課長補佐 事務局です。本日はWebでの審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、改めて審議の進行方法について御説明いたします。
審議中に御意見、御質問されたい委員におかれましては、まず、御自身のお名前と発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、座長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを御確認の上御発言ください。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願いします。
なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した際は、一度皆様の発言を控えていただき、発言したい委員については、チャットにその旨のメッセージを記入していただくよう、事務局又は座長からお願いする場合がございます。その場合には記入されたメッセージに応じて、座長から発言者を御指名いたします。
○佐々木座長 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問があればお願いいたします。では、議事に入りたいと思います。はじめに、議題1「令和5年度献血推進に関する計画(案)について」から始めたいと思います。資料1につきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 事務局でございます。それでは、議題1「令和5年度献血推進に関する計画(案)について」、資料1-1から1-3を用いて御説明させていただきます。資料1-1は、令和5年度の献血の推進に関する計画 (案)についての概要でございます。1.は趣旨になります。安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律、血液法第10条第1項の規定に基づきまして、厚生労働大臣は、毎年度、翌年度の献血の推進に関する計画を定めることとされておりまして、今回、令和5年度の献血の推進に関する計画を定めるものでございます。
2.が内容になります。血液法第10条第2項で記載する項目は定められております。まず、第1としまして、当該年度、今回は令和5年度になりますが、献血により確保すべき血液の目標量。第2が、その目標量を確保するために必要な措置に関する事項。第3が、その他献血の推進に関する重要事項になります。
第1回調査会での御議論を踏まえまして、令和5年度の献血推進の計画を定めるに当たり、今回、大きな変更点としましては、第2の事項、その目標量を確保するために必要な措置に関する事項になります。「献血セミナー」等をきっかけとして献血に関心を持った献血未経験者の方へ、採血事業者が提供する献血Web会員サービス「ラブラッド」への登録を働き掛けることについて追記いたしました。今まで、たくさんの啓発事業を実施してきました。第1回調査会で「行動変容」についてお話させていただきましたが、ふとしたきっかけから興味を持つことが大切で、献血Web会員サービス「ラブラッド」はその興味に対して、簡単に接することができる点がよいのではないかと考えております。
この「ラブラッド」につきましては、スマートフォンのアプリケーションになります。啓発を進めたい若年層の方々は皆さんスマートフォンを使われていると思いますので、今までの啓発活動等を通しまして、興味を持たれた献血未経験の方がその取組を加速させるのに役立つのではないかと思うところでございます。
調査会後の手続になりますが、献血推進計画は血液事業部会で審議、薬事分科会に報告することになっております。スケジュール的には、来年2月下旬に告示し、4月からの適用というスケジュールです。
次に、1-2を御覧ください。こちらは、献血推進に関する計画(案)になります。献血推進調査会で御審議いただき、血液事業部会へ諮問、答申につながる計画(案)になります。こちらの資料ですと、分かりづらいので1-3を御覧ください。
1-3として、新旧対照表を示させていただいております。こちらで御説明いたします。まず、右の欄が、現行の令和4年度の献血の推進に関する計画、左の欄が令和5年度の献血の推進に関する計画(案)になります。下線部は改正の箇所になります。主な点を申し上げます。
まず、1ページ目です。第1の令和5年度の献血により確保すべき血液の目標量になります。献血により確保すべき血液の目標量を算定するためには輸血用血液製剤がどれくらい必要で、実際に使われるのか。また、血漿分画製剤の原料となる血漿がどれくらい必要になるかを見込んだ上で、献血血液がどれだけ必要になるかを算定していかなければならないというところです。前段に輸血用血液製剤の必要量を示しております。また、原料血漿の必要量ですが、現在、こちらについては精査中でして、本日は御提示できません。献血血液の確保量も●でお示ししております。例年ではありますが、12月の血液事業部会の際には、ここに必要数量をお示しすることになりますので、1ページは以上になります。
次に、3ページ目を御覧ください。2の献血推進のための施策の(1)普及啓発活動の実施、(ア)は全国的なキャンペーン等の実施になります。「愛の血液助け合い運動」の主たる行事として、来年度、千葉県において献血運動推進全国大会を開催することを明示しております。
続いて、6ページです。(ウ)献血セミナー等の実施についてです。下線部が先ほど説明しました「ラブラッド」への働き掛けについて記載しています。第3、その他献血の推進に関する重要事項ですが、引き続き同様の取組をさせていただきたいというのが8ページです。
4の献血推進施策の進捗状況等に関する確認と評価についてです。献血推進につきましては、国や採血事業者だけではなく、地方公共団体や御協力いただいているボランティア団体等の皆様の御協力なくしてできないものと認識しております。そのためには、献血推進の主体である行政や採血事業者が、引き続きしっかりとした施策を策定した上で、その施策についても見直しを行うなどの取組を継続的に行っていくことが必要と考え、引き続き記載させていただいております。この令和5年度の献血の推進に関する計画(案)について御議論いただきまして、御了解いただけるようでありましたら、今後パブリックコメントを実施した上で、血液事業部会に上げていくという流れで手続を進めさせていただきたいと考えております。説明は以上でございます。
○佐々木座長 ただいまの説明につきまして、御意見、御質問があればお願いいたします。
○宮川委員 日本医師会の宮川です。お尋ねしたいことがあるのですが、この計画というのは、この前からの議論でありましたけれども、都道府県が困窮するような状態があるということで、これを1か月でも2か月でも前倒しにしていくというような計画というのはできるのでしょうか。実際にどのような形でこういうような計画(案)の時期がこのような時期になるのか、それについてお教えいただければと思います。
○仲島血液対策課長補佐 事務局でございます。まず、11月15日までに翌年度の献血により確保すべき目標量というものが、採血事業者のほうから提出されることになっております。その数字をもちまして、今回の審議を踏まえたものを使い、12月に血液事業部会を開催しまして、そこで諮問、答申、この告示に関する(案)が定まることになります。その後、実際に告示を行うための作業等を行いまして、一昨年までは3月末に告示を行っていたものを、昨年は2月末に告示を行いました。基本的には、部会等は12月に行うことになっているのですが、それに対するパブコメであったり、その他の手続で2、3か月掛かって、2月に行っております。各都道府県においては、その2月の告示をもちまして、その告示で示された数量から各都道府県の確保量を定めていくということで、各都道府県でその後の事務作業が始まるという流れになっております。以上でございます。
○宮川委員 ありがとうございます。ですから、それが少しでも早くなるということは、何か問題があるのでしょうか。もう少し、1か月でも2か月でも早くなることをすれば、各都道府県が非常に困窮する状態が避けられるのかなということなので、何がそれの障害になっているのかということで、その時期的なことは私たち、皆さん知っているでしょうけれども、何がネックになっているのかをお教えいただければと思います。
○仲島血液対策課長補佐 事務局でございます。今、宮川委員から御質問のあった、この策定する上でのネックになっているところについて、当方でこうであろうと考えているところは、まず、各自治体等においてどのようにその数量をつくっていかなければならないのか。そこのところがまずネックと言いますか、各自治体の懸念の事項になっているところだと思います。あとは、第2、第3の取組事項については、各都道府県の取組等を示させていただいております。
○宮川委員 それを聞いているのではないのです。各都道府県は皆さん一生懸命やっていると、この前に出ていたではないですか。だから献血により確保すべき血液量の目標量というのは、何でこの時期に出てくるのかというところなのです。それをもう少し前倒しすることはできないのかという話です。もともとの最初の目標量の設定の提示する時期が、なぜこの時期になるのかということです。それは日本赤十字社のほうも含めてですけれども、お答えいただければと思います。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 日本赤十字社経営企画の松田でございます。日赤では、次期の計画を8月頃から作成させていただいております。まずは供給部門から医療機関の使用動向として、直近の4月から7月までの実績と昨年度実績、それと3年平均の実績傾向など、実際の使用動向を加味して供給数や量の試算を行い日赤内で承認された後、献血計画の策定の流れとなり、採血計画については、おおよそ10月ぐらいを目途に策定して国への報告になるのですが、現状は原料血漿の確定時期が若干遅いということはあると思いますけれど、そこの部分については国との協議になると思います。以上です。
○宮川委員 それが硬直化しているのではないですかということが疑問なのです。それがもう少しでも早くなるということになれば、ずっと議論してきた各都道府県が非常に困窮する状況が避けられるのではないかということで、それがなぜそのような時期になっているのかということで、もう少しそれが早くできないのかと思います。それは少し努力するという、そういうことはできないのでしょうか。毎年やっているわけですから、幾ら原料血漿の話とかそういうのがあっても、毎年のように出てくる話なので、それがその時期にしか出ないということは理由にはならないのではないかと思うので、日本赤十字社のほうも含めて御努力いただいて、各都道府県の困窮する状況、速やかな計画ができるように地に足がついたような形になるような、そういう状況を是非御努力していただければと思いますが、いかがでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 やはり国からの指示で、こちらのほうも策定をしているところでございますので、今後、国のほうが主体となって対応していただき、日赤についても付随して進めていきたいと考えるところでございます。
○宮川委員 ありがとうございます。国というようにお話になりますけれども、それは国のどこでしょう。
○仲島血液対策課長補佐 私どもの血液対策課になります。
○宮川委員 では、そのところをしっかり検討していただいて、速やかな改善というか、そういうのを図れるようにしていただければと思います。ありがとうございます。
○佐々木座長 いかがですか。ほかの委員からはいかがでしょうか。
○田中委員 オンラインから失礼します。御説明をありがとうございました。こちらの推進計画に書くか書かないかに限らずなのですけれども、2の献血推進のための施策において、普及啓発活動の実施についてコメントをさせていただきます。これまで通り全国的なキャンペーンの実施、若年層対策等、きめ細かい計画をこれまでの議論を踏まえて書いていただいて、適切であり、しっかり推進していきたいと思うところです。同時に、コロナ禍で、皆さんの健康状態は、常に万全というわけではなく、献血についても、若干二の足を踏んでしまうとか、献血ルームへの足が遠のくとかがあるかもしれないので、それらを鑑みながら、全般の危機感、献血ルームに来ることで、今の健康状態が分かり安心感が出るといったプラスの面もあるということも確実にお伝えすることで理解も深まるかと思います。これは広報の段階で考えることかもしれないのですが、意識をしながら進めていただければと思います。
また今回は、セミナーから「ラブラッド」の登録への流れというのをつくっていくという、これが若年層とのつながりもつくるということですので、ここは是非強調して、今後ヒアリング等声を取りながら決めていく中、アプリ適用のときには適切な、そこを強調したプレスリリースや、記者発表ができるとよいと思っています。少し議題を先行きすぎた意見かもしれませんが、よろしくお願いいたします。
○佐々木座長 どなたかにお答えいただきますか。
○田中委員 後で全体をまとめてでも結構です。お願いします。
○佐々木座長 ほかはいかがですか。それでは私から松田さんにお尋ねですけれども、日本赤十字社のほうで多分計画を立てるときに、前年度の使用実績を御覧になっているのだと思いますけれども、それが分かるのが3月末ということになるのですか、そこは何かネックになるのですか。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 ネックというよりも、直近の状況と前年度の状況、それと3年平均の状況を踏まえて、供給の状況にどのような変化があるのかを捉えた予測を立てております。しかし、4月から7月までの前半の4か月で、精度の高い次年度の計画作成となるとなかなか難しい部分があると思います。そのような理由から、前年度からの供給推移が1つのキーとなって、現在どのような医療機関の使用傾向であるのかなどを参考に算出しております。先ほどからお話にあるように、できるだけ早めにという意味で、今8月ぐらいを1つの目途として供給計画を提出しその後、10月ごろに献血計画の立案をする形になっております。
○佐々木座長 実際には8月よりも早めることは作業的に難しいという、そういうことになりますか。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 作業的には難しくはないです。
○佐々木座長 そうなのですか。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 ただ、データ的には例えば新年度に入り、コロナ拡大の影響で昨年度とはまた違う状況になってくる場合、あるいは手術などで輸血の使用が変わっていく傾向があるといった場合、北から南までの医療機関の血液の使用動向も違いますので、そのような使用実態などを精査しつつ、各血液センターごとの事情を踏まえて、最終的な目標の立案になると思います。
○佐々木座長 そうすると、そのやり方によっては、少し早めることが可能だということもあるという理解でよろしいのですか。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 早めるのであれば、逆に精度の高い供給予測の確率が少し薄くなる可能性があるのではないかと思います。
○佐々木座長 なるほど。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 以前はもっと遅かったのです。
○佐々木座長 そうですか。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 それを早めるようにというような議論が以前からあったのか分かりませんけれども、今の段階では8月時点で来年度計画の作成となりますが、我々としたら直近の実績4か月での算出が精度の高い計画になるのかは少し疑問はあります。
○佐々木座長 要するに、早めることはできるけれども、早めれば早めるほど当たる確率が落ちるということですか。
○仲島血液対策課長補佐 事務局ですけれども、日本赤十字社のほうは供給する量ということも出てくるのですが、原料血漿メーカーのほうでどのぐらいの量が必要になるかというところで、そちらのほうの報告期日も決まっておりまして、要は双方の数字が用いられて計画というものができておりますので、日本赤十字社の片方だけではなく、原料血漿メーカーのほうの数字のほうもやらなくてはいけないというところで、厚生労働省として、今、9月から各メーカーとヒアリングを重ねて、その必要量を聞いております。それと、最終的に日本赤十字社の供給できる状況と重ねていると。
○佐々木座長 原料メーカーとのやり取りというのは、少し早めることも可能かもしれないということですか。これが一番最後になっていますね。
○仲島血液対策課長補佐 原料血漿メーカーのほうを早めるということもできなくはないと思います。それで今回検討する中で、宮川委員から御提案がありました日にちを早めることについて検討をさせてもらっていた経緯はあるのですが、そこのところで早めることまで現状、確認までできなかったということがございますので、引き続き検討していって、進めてみたいとは考えているところです。
○宮川委員 宮川です。ありがとうございます。現状分析というのは、みんな年度ということを言うのですけれども、コロナだって年度で始まったわけではありません。どのような感染症だろうが、年度で始まっているわけではありません。ですから、そうやって年度でどうのこうのということが、実際に私たちの首を逆に絞めてしまっているというか、逆に困窮する状況をつくっているのではないでしょうか。もう少しフレキシブルに考えていくということが必要なのです。計画というのは、その時の状況で途中で幾らでも少しずつ変更してしまうということはよくあります。それに縛られるという、考え方をしていると、血液を頂いて、それを有効に活用するという形にならないので、柔軟な考え方を持っていかないと、私は国民に対して、かえって失礼なことになるのではないかと思うので意見させていただきました。
○佐々木座長 ありがとうございます。ほかの委員からはよろしいですか。では、「令和5年度の献血の推進に関する計画(案)」については、これでよろしいでしょうか。
それでは、事務局から提出された「令和5年度の献血の推進に関する計画(案)」につきまして、原案で手続を進めていきたいと思います。事務局のほう、よろしくお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 ありがとうございます。
○佐々木座長 次に議題2「献血推進計画の在り方について(案)」です。資料2について、事務局から説明をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 事務局です。それでは議題2「献血推進計画の在り方について(案)」として、資料のほうの説明をさせていただきます。資料2-1を御覧ください。前回の調査会で関係者の皆様方から貴重な御意見を頂きました。それらを踏まえまして、今後の方向性を示させていただければと思います。まず血液法の目的は血液製剤の安全性の向上、安定供給の確保、適正な使用の推進、献血者の保護、国民の保健衛生の向上になります。それらを実現するために基本理念であったり、それぞれの責務があると考えているところです。また、血液法の基本理念において、血液法に基づく施策の策定及び実施に当たっては公正の確保及び透明性の向上が図られるよう努めなければならないとされているところです。
今後も献血により賄われた血液を原料とする血液製剤を安定的に供給するためには、都道府県献血推進計画の策定については必要があると考えております。これは都道府県献血推進計画の位置付けになるかと思います。
また無償の献血により賄われ需給均衡が命題であることを踏まえますと、平時など特別な事情がない限りは需要は自然とその目標量が決まってくるのではないかと思います。先日頂いた御意見の中でも、サミットが予定されていることから例年とは違い、確保量について採血事業者と協議したいというような御意見もあったと思います。やはりどのくらいの量が必要になるかということは、通常の計画がなければ分からないことと思いますし、関係者間で共通の認識を持つことが難しいのではないかと考えるところです。
一方、関係者の皆様方からの御意見には、目標値の形骸化、あとは推進協議会等の年度末の開催などの事務負担など、取組次第では解消するものであったということが聞かれました。これらを踏まえますと、厚生労働省としては引き続き都道府県献血推進計画の策定はしなければならないものというふうに考えております。一方、事務に係る負担の軽減としまして、毎年11月15日までに、翌年度の献血により受け入れることが可能である血液の量を採血事業者が届け出ることを血液法の中で決めておりますが、そのとき各自治体と血液センターが協議をして、その量を決めていると聞いています。
それらを取りまとめたものが国に報告され、審議会を経て年度末の告示につながるのですが、今後は年度末の告示を待たずして11月15日までに提出されるときの数字、この策定時の数量をもって都道府県の目標値とすることを可能とするようにできないかということを考えております。今後都道府県のほうに御意見を聞かせていただいて、対応性の可否について確認していきたいと考えています。それによりまして地域の実情を踏まえた献血の普及啓発など、そちらのほうに時間を取れるのではないかと考えています。
また国としましても、告示までの期間を早められるように努力するということを考えていることと、先ほど宮川先生のほうから御指摘があったところ、そちらも踏まえて考えていきたいと思います。今後の方向性となりますので、今回のこの私どもから案として出させていただいたものを、この方向性でよいということで御了解いただけるようでしたら、日本赤十字社あとは都道府県と確認させていただいて、先に進め、事務通知の案等を作成していきたいと考えています。説明は以上です。
○佐々木座長 資料2-2のほうもお願いします。
○仲島血液対策課長補佐 失礼しました、資料2-2を御覧ください。資料2-2、これが第2回献血推進調査会関係者インタビューの概要になります。それぞれ各県から5分程度御説明を頂きまして、その後調査会の委員との質疑応答の時間に充てられたというところで、概要をまとめさせていただきました。
まず1枚目のほうですが、これは各県の取組について説明いただいたというところで、栃木県であれば献血のオリジナルカードを配布して高校卒業後も見据えた献血推進の取組を行っているとか、あとは滋賀県であれば県献血推進協議会の委員から出た意見を、計画案に反映できる場所が限られているという御意見もありました。あと兵庫県としては、献血により確保すべき血液量が県血液センターから県庁に示されるのが年明け1月中旬となっており、県献血推進協議会がそれ以降の開催ということで年度末の事務負担になっている。あと広島県はサミットの首脳会談が予定されているということで、事前の準備により、推進計画の策定や献血推進の取組に影響はないということなのですが、そこの部分については採血事業者と協議していきたいということが書かれています。
1枚おめくりいただきますと2ページ目、ここからは意見や質問です。この中で中段の所に武田委員からということで、今後も血液を安定供給していくためにどのようなことが必要なのか、そちらを議論してもらいたいと。その上で国は都道府県の献血推進計画をどのように位置付けるかというような御意見があったというところです。
もう1枚めくっていただきますと、最後のページにはなってしまうのですが、一番下の喜多村先生からも、目標値がなければ事業として行えないのではないかという御意見もあったというところで、この資料を提供させていただいています。
後ほど議事録は、厚生労働省ホームページ上に公表されることになるのですが、それまでに関係者インタビューの概要として今回まとめさせていただきました。説明は以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。ただいまの説明につきまして、御意見、御質問があればお願いいたします。
○喜多村委員 喜多村です。ありがとうございます。先ほどのシミュレーションのことで、日本赤十字社の方にお伺いしたいことがあります。11月15日までに確定した場合の、今後のこういうことも可能ということで御提案いただいているのですが、そうした場合の最終確定値の振れ幅とかそういうものはシミュレーションで出すことはできると思います。それで早めて、要するに少ないデータ量で予測した場合の振れ幅はどのぐらいなのか、安全域を見積もるという意味でも、一度そういう試算をしていただくということを、過去3年から5年間振り返って、レトロで計算していただくということは可能でしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 日本赤十字社の松田でございます。御質問ありがとうございます。先ほどお話させていただきましたけれども、基本的には実績を基にわれわれのほうで早めた中で算出というのは可能ですが、問題はやはり原料血漿の確保目標時期のタイミングがどのようになるのかと思っています。当然それが早まれば、我々としてもそれに合わせたある程度確立した計画を作成しつつ、早めることはできるのではないかと思うのです。現状は民間メーカー3社からの数字がどういうタイミングになるのかということだと思います。
○喜多村委員 ありがとうございます、すみません、喜多村が発言させていただきます。原料血漿の提供データというのは年1回ですか。それとも各月とかで入ってくるのであれば、その提供が早まったことにして試算を行うという意味ですか。それは可能ではないのですか。
○仲島血液対策課長補佐 事務局からお答えさせていただきます。すみません、明確にお答えできないのですが、間違えていたら後ほど皆様に訂正として新たにお答えさせていただきます。年1回というかその期間ですね、8月以降に各原料血漿メーカーと厚生労働省のヒアリングを始めて、例年10月中旬に行う2回目のヒアリングに日本赤十字社も同席し、翌年度の原料血漿量の数字を決めていくという認識です。
○喜多村委員 ありがとうございます。そうしたら早めることは可能ですとおっしゃったけれども、現実問題少し難しさもあるということで、かなり不確定な要素も入ってくるという意味ですね。それでしたら多少シミュレーションしても意味ないかもしれませんけれども、そういう努力も可能なところで、過去のデータも使いながらどれぐらいまで時期を早めても安定供給ができるのかということは、一度考えていただきたいと思います。ありがとうございます。
○佐々木座長 よろしいですか。ありがとうございます。献血推進計画の在り方の議論について、ほかの委員の方からはよろしいでしょうか。
○武田委員 武田ですがよろしいでしょうか。
○佐々木座長 どうぞ、お願いします。
○武田委員 御説明いただいてありがとうございます。まず事務局にお伺いしたいのですが、献血推進計画の在り方について資料2-1のようにまとめていただいたのですが、今回この事務負担が大きいと言われていた都道府県等に、このような形で事務負担の軽減ができるのかということは率直に聞かれていますでしょうか。
○仲島血液対策課長補佐 事務局からお答えします。前回御意見を頂いた兵庫県にはお話をさせていただいて、1か月そういう形で早めていただけることであれば有り難いというようなお話も頂いています。あとこの中でいきますと、人見先生、北海道の担当の方も、早めるということであれば、そこは有り難いというお話も頂いているというところですので、今後各都道府県には個別に当たっていって、聞かせてもらえればと考えているところです。
○武田委員 ありがとうございます。是非、今言っていただいたように個別に当たっていただいて、この方針で大丈夫かどうかというところを、国のほうでも掴んでいただきたいと思います。
また、先ほど宮川委員のほうから大変重要な御指摘を頂いたと思っています。この提案よりまだ早めることができるのではないか、どうしたらできるのだろうかというところは、是非率直に国と日本赤十字社とお話していただいて、あと血漿分画メーカーのほうも調整を頂いて、今後の安定供給のために都道府県にしっかり計画を立てていただくということ、大切なことになりますので、それをしていくために、また、安定供給を続けていくためにどのような形を取っていくのが一番いいのかということを、是非議論をしていただければと思います。私からは以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。ほかの先生からはいかがですか。よろしいですか。
○人見委員 北海道の人見でございます。よろしいでしょうか。
○佐々木座長 お願いします。
○人見委員 都道府県の立場から申しますと、1か月早めていただけるだけでも事務の余裕が全然違います。それから各ブロック内での調整可能な軽微な変更の報告の必要はないものとしていただけるようであれば、かなり調整が楽になりますので、そういった意味では負担軽減にかなりつながると思います。
もうかなり成熟した制度だと思います、献血事業。これまた不測のことがあればまた別でしょうけれども、こういった形で事務負担を軽減していただけるのは、非常に都道府県としてはありがたいと思っています。今後ともよろしくお願いいたします。
○佐々木座長 ありがとうございます。ほかの先生からはよろしいですか。
○宮川委員 武田先生や北海道の人見先生からいろいろお話がありました。やはりこれは審議の内容とか目標値、さらに、実質の現場での話合いを形骸化させないためにも、皆さんが努力されているので非常に大事な事業だと私も考えています。
今、お話があったように成熟してきた、それは成熟してきたというのは皆さんの現場の努力だろうと思います。その努力が実るように、更に実るようにしていかなければいけないので、そういう審議の内容や目標値がただ形骸化していくということの中で、阻害されてはいけないのだということが、両委員からのお話であったろうと思います。是非とも関係の厚生労働省それから日本赤十字社におかれましては、大変申し訳ないのですが、さまざまな形で御努力していただき、そして原料血漿メーカー含めて、ヒアリングをして形作るのは、きつい話ではないような気がします。是非ともそこのところも形骸化しないような、ただ例年やっているからこうなんだというだけではなくて、どこに改善点があるのかということを真摯にお話しいただきながら、それを進めていくということが非常に必要なことと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○佐々木座長 宮川委員ありがとうございました。よろしいですか。どうもありがとうございました。献血推進計画の在り方の議論の方向性を示す上で、大変よい御議論を頂けたと思います。事務局におきましては、今回の議論を踏まえまして次回の献血推進調査会で、都道府県献血推進計画の策定義務の当調査会としての結論、こちらも示せるよう御検討お願いしたいと思います。
○仲島血液対策課長補佐 分かりました。
○佐々木座長 次に議題3「血液需給将来予測推計について」です。資料3について、日本赤十字社から御説明をお願いいたします。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野と申します。よろしくお願いします。
それでは資料3を御用意いただきたいと思います。新たな献血者のシミュレーションについて、2035年度を見据え、日本赤十字社で検証を進めております。
2ページ目を御覧ください。背景ですが、昨年度、第2回の血液事業部会献血推進調査会におきまして、新型コロナウイルス感染症に伴う輸血用血液製剤の需要は、影響なく推移していることを検証結果で報告させていただいているところです。
また一方では、献血血液の確保については、大きな影響を受けており、企業・学域等、テレワークやオンライン授業の推奨により、移動採血車による献血中止が相次ぎ、計画どおりの配車が困難な状況であります。
また、中でも学域献血の中止により、10代・20代の献血協力者は大きく減少することとなっています。特に首都圏においては、大きな影響を受け、安定的な献血血液の確保が厳しい状況があります。
以上の背景を踏まえまして、献血者の動向を分析し、2035年度を見据えた献血者のシミュレーションの検証を行うこととしました。
3ページ目を御覧ください。背景ですが、まず1つ目としては、近年の献血血液の確保については、献血Web会員サービス「ラブラッド」を活用し、登録者への献血依頼により、事前予約及び複数回献血に協力を頂くことで、需要に応じた献血血液の確保が図られてきました。
また、2つ目としては、一方で実献血者数は新型コロナウイルス感染症の影響を受ける以前から、年々減少傾向にありまして、献血可能人口に占める割合は約3%程度にとどまっています。このような状況では将来の献血血液確保に大きな影響を受け、需要に応じた必要量の確保が困難と推測されています。
また、3つ目としては、今回の需要推計に伴う献血者シミュレーションは、課題を明確にしまして、その課題解決に向けて取り組む指標としたいと考えています。
次の4ページ目を御覧ください。これまでの需要推計と献血者のシミュレーションを実施してきた経緯です。2016年度から、2013年度のDPCデータ、2014年度の患者調査データ等を用いまして、様々な検証を行い、下段に記載のとおり2020年度には献血推進2025の目標設定を国から依頼があり検証、又は調査会へ報告をさせていただいたという経緯です。
次の5ページ目を御覧ください。これまでの血液事業ですが、下段の棒グラフについては献血者数、また中段には事業の展開、様々な状況を記載させていただいています。右側下段の2021年度ですが、約505万人の献血協力を頂いている状況となっております。更には2020年度から、新型コロナウイルスの感染症といった状況の事業の大きな変革があったという状況です。
次に6ページ目ですが、今年度の状況も踏まえまして現状の分析をさせていただいていますので、これを簡単に御説明させていただきたいと思います。2017年度から2021年度の状況になります。
次に7ページ目を御覧ください。実献血者数のラブラッド会員割合の状況になります。左側の円グラフですが、2019年度の状況です。中央にありますとおり、実献血者数は約267万8,000人の状況で、ラブラッドの会員については約40.5%の割合でした。次の右側の2020年度については、実献血者数は約253万人。ラブラッドの会員については、50.3%。また2021年度の右側ですが、実献血者数は約252万人に対して、ラブラッド会員は59.8%と、50%を大きく上回るような状況で推移をしている状況があります。
また中段に記載のとおり、一番右側ですが、ラブラッド会員の献血者、一人当たりの回数については2.45回という状況で、未会員に比べるとかなり多い協力を頂いているという状況になります。
次に8ページ目を御覧ください。こちらは2017年度から2021年度までの、年代別の献血可能人口、実献血者数、延べ献血者数、また一人当たりの献血数、献血率をお示ししたものとなっています。下段の合計数ですが、献血率については右側の2021年度、全体の人口に対して、6.1%の協力を頂いている状況となっております。また上段の10代を御覧いただきたいと思いますが、2020年度、2021年度については、献血可能人口に対して延べ献血者数4.2%、4.5%といった状況で、コロナ前の2019年度、5.5%から比較すると大きく減少してしまっているといった状況が見受けられるかと思います。
次に9ページ目を御覧ください。こちらの折れ線グラフについては、各歳ごとの実献血者数、延べ献血者数をお示ししたものとなります。下段が実献血者数の折れ線グラフ、2017年度から2021年度を示していますが、濃くなっていくにつれて、年度が新しくなってくるという状況です。上段のブルーの延べ献血者数の折れ線グラフも同様の状況です。
ここで3つのポイントを掲げさせていただいています。まず1つ目のポイントですが、10ページ目を御覧ください。16歳から21歳までの状況ですが、先ほど折れ線グラフでお示ししたとおり、実献血者数及び延べ献血者数は2020年度、2021年度は大きく減少しているといった状況があります。また新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、学校等への移動採血車の配車が困難になった状況で、更にはオンライン授業等の推奨により、協力者が減少したという状況です。やはり10代から20代の前半については、集団献血が大きな協力の要因であることから、個々人の協力は少ないといった状況があります。
次にポイントの2つ目ですが、11ページを御覧ください。26歳から36歳までの状況になります。全体の年代でも最も低い協力状況で、この傾向は以前から変わらないという状況があります。また新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、2020年度、2021年度は若干減少していますが、全体的な影響はほぼ少ないという状況となっています。
次の12ページ目を御覧ください。ポイントの3つ目です。49歳から61歳までの状況ですが、全体の年代でも最も多い協力状況で、この群については20代~30代の過去の時代から協力実績が高い傾向にあり、献血協力への意識が高い状況です。特に延べ献血者数が増加傾向にありまして、2019年度以降は一人当たりの献血回数が2回以上ということで、他の年代と比較しても多いような状況が見受けられます。
次の13ページ目を御覧ください。先ほどポイントでお示しした右側の2021年度の50代の赤枠で囲っている部分を御覧ください。延べ献血者数に対して、献血可能人口に伴う50代の献血率は8.6%という状況があります。左側の1991年度については、その群が20代の状況ですので献血率については14.7%と、かなり高いような協力である状況が見受けられます。このような状況も含めまして、先ほど御説明したとおり、やはり20代、30代で過去の協力が、現在の50代に影響があるというような結果となっているという状況です。
次の14ページ目を御覧ください。先ほど首都圏では大きな影響を受けるといった状況を御説明させていただきましたが、こちらは参考で東京都の移動採血車の職域区分別の協力者状況です。左側が2019年の1月から12月をお示しした状況です。円グラフの中央にありますとおり、献血者数は16万人といった状況があります。その中で職域の献血協力者については56%、左側にある学域については11.7%といった状況でした。中央の2020年については、献血者数12万7,000人に対して、職域献血が44.7%とかなり減少している。学域についても1.3%という協力状況だったという状況です。
また右側の2021年度についても、中央にありますとおり献血者数13万3,000人に対して、職域献血が35.7%、学域が4.6%といった状況で、コロナがある程度落ち着いても、職域、学域については回復が見られていないという結果となっています。
次に15ページ目を御覧ください。こちらは移動採血車の、居住地別の学域献血の協力状況になります。東京都の参考ですが、円グラフでお示している左から2019年の1月から12月、中央が2020年、右側が2021年といった状況ですが、下段の表を御覧ください。東京都の居住地で、東京都内で献血をしていただいている方が、太字でお示しをしている状況です。2019年度の1月から12月まで、学域である10代の献血者も含めまして、1万837人、全体の57.9%を占めていましたが、2020年度、コロナが蔓延している状況ですが、1,037人という状況です。さらに下段の合計欄についても、1万8,732人から1,626人とかなり少ない状況となっています。2021年度、昨年ですが、上段の東京都内の方が3,643人。合計欄についても、6,123人ということで、学域献血がある程度回復はしてきていますが、数字を見る限りでは昨年度まではまだまだコロナ前と比較すると、回復はできていないといった状況となっています。
次の16ページ目を御覧ください。ここからシミュレーションの説明に入っていきたいと思います。献血可能人口の推移になります。
次に17ページ目を御覧ください。下段のグラフですが、棒グラフが全体の人数、折れ線グラフが各年代別の献血可能人口数といった状況になります。献血可能人口については、2020年度、約8,357万人に対して、15年後の2035年度については約7,198万人。約1,159万人が減少する状況となっています。
次に18ページ目を御覧ください。輸血用血液製剤の需要推計です。
次に19ページ目を御覧ください。需要推計については、まず算出方法ですが、2017年度に算出しました需要推計をもとに2035年度までの需要予測をさせていただいている状況です。中段の算出方法については、2027年度の需要推計において年代別の人口、更には年代別の輸血状況を踏まえています。人口については、国立社会保障・人口問題研究所から提出されているもの、年代別輸血状況については、東京都福祉保健局から出ている調査結果をもとに算出をさせていただいています。
それをもとに算出したのが以下の結果となっていますが、各製剤別の状況は次の20ページ目を御覧ください。赤血球製剤については、2035年度で約628万単位が必要になるという状況となります。この折れ線グラフについては、青の折れ線グラフは現状の供給実績です。また赤の折れ線グラフが、需要予測ということで、2027年度まではこれまでお示ししている需要予測、それ以降は新たに作成させていただいた需要予測ということになります。
次に21ページ目を御覧ください。こちらは血漿製剤の需要予測になります。2035年度には、約202万単位が必要になるという予測です。先ほども御説明しました折れ線グラフですが、青の折れ線グラフは実績、黄色の折れ線グラフですが、当初2027年度まで予測した数値となります。やはりここで2021年度、昨年度ですが実績と予測値で乖離が出ているということで、下方修正を約5%させていただきまして、2035年度までは作成させていただきました。この要因としては、下段にも記載のとおり、適正使用の進展や血漿交換の減少により、緩やかに減少していくというような状況で、約5%の乖離が出ていたという状況になります。
次に22ページ目を御覧ください。こちらは血小板の状況です。2035年度には、約842万単位が必要になるという予測を立てさせていただいています。こちらは先ほどの血漿と同様に、2027年度までの実績と比較しますと、適正使用の進展により、約5%の乖離が出ているという状況も踏まえまして、下方修正をさせていただいた予測となっています。
次に23ページ目を御覧ください。ここからが献血者のシミュレーションをさせていただいている状況です。
次に24ページ目を御覧ください。先ほど算出しました2035年度までの輸血用血液製剤の需要推計及び原料血漿の必要量、これは国から示されている2027年度までのポジティブ予測、124万Lをもとにそのまま2035年度まで推移するであろうという予測を立てて、2022年度の事業計画をベースに算出をさせていただいた必要人数となります。この国が示した原料血漿のポジティブ予測については、平成30年度の第4回運営委員会でお示ししている資料となります。
次の中段に記載のとおり、献血者のシミュレーションの算出については、2021年度の実献血者数の採血種別や男女別の実績、更には献血可能人口も含めまして、実献血者数、延べ献血者数を算出させていただいて、2021年度の現状でいくと、どのような献血者のシミュレーションになるのかというところも算出させていただいています。輸血用血液製剤と原料血漿の需要予測と、それに伴う必要献血者数、更には2021年度の現状を踏まえた献血者のシミュレーション、この3つを検証させていただいているという状況になります。
2つ目の献血者のシミュレーション、2021年度を踏まえた状況が今後どうなっていくのかについては25ページからになります。左側が献血可能人口になります。右側が献血者数のシミュレーションになります。2020年の献血可能人口は先ほどお話しましたが、約8,357万人、献血者については約504万人、献血率が6.0%という状況でしたが、2035年度の献血可能人口は約7,198万人に対して、献血者については2021年度の状況を踏まえると約445万人、献血率6.2%というシミュレーションをさせていただいています。
次に26ページ目を御覧ください。こちらが実献血者数です。2020年度から2035年度まで、約12.4%減少するシミュレーションになります。
さらに27ページの延べ献血者数については、11.7%減少するというようなシミュレーションになります。
次の28ページ目以降は、献血種別ごとのシミュレーションになります。こちらが200mL献血のシミュレーションになります。2017年度、20年度、25年度、30年度、35年度をお示しした男女別の状況になります。左側が折れ線グラフで各歳ごとにお示ししているもの、右側については上段が男性、女性、男女の合計といった状況になります。薄い棒グラフについては、これまでの実績を示したものという状況になります。
次の29ページ目が400mL献血。次の30ページ目が血漿成分献血。31ページ目が血小板成分献血。32ページ目が全献血者数のシミュレーションといった状況になります。
次に33ページ目を御覧ください。先ほどお話したとおり、輸血用血液製剤の需要予測については必要量を算出させていただきまして、それをもとに上段の(1)ですが、必要献血者数を算出しました。合計欄ですが、491万5,151人が必要になるというシミュレーションです。中段の献血者のシミュレーション(2)は、2021年度の現状を踏まえると2035年度、一番右側の合計ですが、445万875人に献血の協力を頂くというようなシミュレーションになります。この差が下段に記載のとおり、合計欄ですが、約46万人ほど不足するというシミュレーションを出させていただいています。
次の34ページ目は、それを表に表したものとなります。将来の輸血用血液製剤の需要推計と、国が示した必要原料血漿量をもとに、必要な献血者延べ献血者延べ人数を算出しています。2035年には、約492万人が必要になるというシミュレーションで、下段に記載のとおり、約46万人の延べ献血者数が不足するというようなシミュレーションを出させていただいています。
次の35ページ目ですが、今後の対策と取組になります。
次に36ページ目を御覧ください。こちらは最後になりますが、過不足ない事業展開に向けて左上段の先ほど輸血用血液製剤の需要推計のお話をさせていただきましたが、しっかり検証していきながら、右側にある現状と献血者のシミュレーションを踏まえまして、左下段に記載のとおり、国民運動としての献血基盤の構築、行政と連携し各年代に即した献血教育の啓発をしていきたい。1つ目としては、学校教育としての働き掛けをしっかり、厚生労働省又は文部科学省と協議をさせていただきながら、進めていきたいと考えています。また右側の血液事業としての事業戦略としては、企業・学域等の献血の現状を把握して、新たな施策の取組、更には企業、団体への新たな献血推進の体制の構築を図っていきながら、先ほども御説明をさせていただいているかと思いますが、ラブラッド機能を活用して、しっかり取り組んでいきたい。こういった状況を踏まえまして、過不足ない事業を展開していきたいと考えています。シミュレーションの説明は以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。将来や過去を含めて長期的な需要・供給の実績、あるいは、予測データを詳細に示していただいたと思います。若年者の献血の減少というところも示していただいたと思います。
私から最初に御質問するのは本来の形ではないのですけれども、理解のためにお願いしたいのですが、献血可能年齢の人口は減っていくということとともに、必要とする人口も減っていくと思うのですが、それにもかかわらず、かなり不足するというのは、これは高齢化のためと考えてよろしいのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 今回、シミュレーションさせていただいたのが輸血用血液製剤の必要量については、東京都保健福祉局の各歳ごとの輸血用の使用量を参考にさせていただいてございますので、将来人口ということになると、やはり高齢者が増加していくというような傾向がございます。需要はそれでも医療技術の進歩等によりまして、年々減っていくとは思うのですけれども、それなりの使用量があるということで、この数字を出させていただいているという状況になります。
○佐々木座長 ありがとうございます。では、委員の先生方から御意見や御質問がありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。石田先生が最初に手を挙げてくださいましたので、お願いします。
○石田委員 石田でございます。詳しく御説明ありがとうございました。最初の質問は21ページと22ページの血漿製剤と血小板製剤の供給実績が、実際のシミュレーションと比べて5%低いという結果について御説明いただきましたが、この理由について、適正使用の推進によってという御説明がありましたが、5%というのは、かなり無視できない大きい数字なので適正使用の進展で説明できるのかどうか、その辺りについて御検討なさっておられたら、教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。御質問ありがとうございます。21ページ目の血漿製剤については、適正使用の進展はそうなのですけれども、ここ近年は血漿交換の使用量が減少しているという状況がございまして、医療機関を調査した中では、血漿交換というのは様々な状況があるかと思うのですけれども、これだけの乖離が出ているという状況は、やはりその部分ではないかというようなお話を頂いているのが1点です。
血小板製剤については、やはり適正使用の進展ということが大きな影響を受けて、これだけの乖離が出ているという状況があるかと思います。ただ、実際の供給実績の折れ線グラフを見ていただいても、2019年には少し跳ねあがるような状況がありますので、使用量についてはなかなか何とも言えない部分はあるのですけれども、やはり適正使用が進んでいるというようなお話は、各都道府県から入手しているような状況がございます。以上になります。
○石田委員 ありがとうございます。血漿製剤については血漿交換というのは納得できますが、血小板は使用する診療科が、かなり限られる製剤なので、どの診療科で診療方針が大きく変わって使用量に変化が生じたなどとか、具体的な理由があるのではないかと思いました。理由によっては、今後更にまた5%減ってくるのか、あるいはこのまま横ばいで推移していくのか注視する必要があるのではないかと感じました。
もう一点は、2035年に46万の延べ献血者の不足が見込まれるというような深刻なお話があり、それに対して「ラブラッド」の会員を増やすとか、若年層の献血を増やすという改善策を考えていく必要があるというお話だったかと思います。実際に「ラブラッド」会員も年々増えているので、この辺りを積極的に進めていくということが重要だと思います。若年層に関しては、学校の献血が先ほどからバスの献血が、今、かなり変動しているというお話がありまして、なかなか読めない面もあると思うのですけれども、その辺りも注視が必要かなと思いました。
もう一つ、少し話が変わりますが、成人の献血が年に400ccの赤血球だと3か月は空けて年に2回しかできないというような厳しい基準であったかと思います。もう少し基準をゆるくして献血の回数を増やすことは、実際に可能ではないかと考えますが、その辺りについて検討する動きはあるのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。ありがとうございます。やはり年間の総量は決まっておりますので、全血献血については男性は3回1,200mL、女性は2回の800mLといった状況になっておりますので、その複数回、献血をお願いしても総量が決まっているという状況で、献血基準を変えるという考え方はなくはないと思うのですけれども、なかなかここは難しいハードルがあるのかなと考えております。
また、そのためにも先ほどお話したとおり、やはり国民運動としての献血基盤というものをもう少し構築していかないと、実献血者数が献血可能人口に占める割合が約3%ですので、ここはやはり多くしながら年間の回数も含めた献血基準の見直しも含めて、検討する必要があるのかなと考えております。以上です。
○石田委員 ありがとうございます。よく分かります。実際に献血の総量の基準を見直すという考え方もあるのではと思ったのですが、ここで議論する問題ではないのかもしれませんが、そういう案もあるということを意見として申し上げたいと思います。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。喜多村委員から、先ほど手が挙がっておりましたので、喜多村委員、お願いします。
○喜多村委員 喜多村です。ありがとうございます。私からは、まず、24ページの献血者シミュレーション算出で、(1)の献血率の算出方法なのですが、私、もしかしたら勘違いしていたらすみません。これは合っているのでしょうか。と言いますのは、少し戻っていただいて、私が見つけたのは8ページ、2017年から2021年度の実献血者数、延べ献血者数、献血率が最下段にありますが、これでいくと献血率の算出方法は、延べ人数÷献血可能人口になっています。このように算出されている献血率と、24ページでシミュレーションに使われた献血率というのは定義が異なるのか、それが1つの質問。
これに基づいて最終的には延べ献血者数を算出されております。それでもって2035年の延べ献血者数を出しておられるのですけれども、何かその辺りの数字の出し方を、もう一度御確認いただきたいなと思います。最終ページの献血者推移シミュレーションを見ますと、全て延べ献血率で算出されていますので、延べで一貫してシミュレーションを行っていただく分には、私は問題ないのかなと推察しておりますが、途中で実献血者数とかの人数を入れてくる、その意図とかメリットとは何なのでしょうか。その2点をお尋ねしたいと思います。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。ありがとうございます。ここは2021年度の実献血者数を必要としているというのが、各種別ごと、男女別の実献血者数に対する献血可能人口の割合を、まず献血率を示して、それに対して延べ献血者数は、その各歳ごとの一人当たりの回数を掛け、延べ献血者数を算出しないと、延べ献血者数だけで算出することがなかなか難しいのと、各種別ごとのシミュレーションが必要になるというところも踏まえて、算出をさせていただいているという状況です。
要は実献血者数に対して、人口に対する献血率をお示しして、各歳ごとに算出した数値をもとに、一人当たりの回数を掛けて延べ献血者数を算出しないと、2021年度の現状にあてはまらなくなってしまうので、そのような形で実献血者数を算出したという状況になります。
○喜多村委員 その一人当たりの献血回数は平均値を使うわけですね。そこのところの数値の信頼区間とかはどれぐらいなのかということが疑問になってきますので、今、おっしゃったようにどうしても、この人数がシミュレーション上必要だというのは分かりました。
 けれどもせめて、この献血率という言葉は、同じ今回の資料の中で何度も出てきますけれども、ページによって定義が違うし混乱を招くので、ただし書を一つ一つ入れていくか、あるいは多少違った文言にしていただいたほうが、読み手にとっては分かりやすいので、できればそのように配慮を頂きたいなと思います。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。はい、分かりました。ありがとうございます。
○佐々木座長 ほか、いかがでしょうか。村井委員が先に手を挙げてくださいましたので、村井委員、お願いします。
○村井委員 36ページの献血血液の確保というところで学校教育への働き掛け、学校等の献血状況把握と新たな施策への取組ということが書かれてありましたので、学校現場の立場から意見を述べさせていただきます。まず、学校教育へ働き掛けるということなのですが、以前よりずっとお話をさせていただいております「HOP STEP JUMP」も、保健の授業でも活用してくださいというような話をもとに、各学校が希望を取って配布をする、データでアップされているということですが、具体的に、「では活用してください」というところは限界がありますので、この授業でこの資料を使った、こんな授業の指導案ができますよ、道徳であったり保健であったり理科の授業で、こんな資料を使って授業が組み立てられるというようなことを例として示せば、各学校が「あっ、この資料を活用して、こんな授業ができるんだ」ということで、学校教育の中での展開がしやすくなるのではないかと。だから、どうしていくというところが難しいかと思いますが、そんな案を提示していただければいいのではないかなと思いました。
それから、学校の献血の定着ということなのですが、実は本校、今年度、献血の継続40年の感謝状を頂きました。ずっと継続して実施していて、コロナ禍であっても実施することも可能だったのですが、それはもう学校行事として組み入れられているからなのです。ですので、毎年教育活動計画に基づいて献血の実施が可能となっております。まずは、学校献血は大切なのだというところから入っていくような推進になっていくかと思いますが、一度実施できれば、毎年継続しやすいというような現状もありますので、とにかく学校献血を組み入れられるような、そこがもう問題なのだと思いますが、そういうところの働き掛けを考えていければと思います。
そして、毎年毎年やることによって、やはり生徒は継続して献血をするようになります。個人的にやっている生徒も、学校が11月だから、個人ではやらないで11月にやるというような生徒もおります。それから教員ももちろん献血するのですが、20代であっても30代であっても40代であっても50代であっても、やはり献血をやったことのない教員は、なかなかやってくれないですね。やはり継続してやっている教員が、毎年のようにやってくれているという状況もあります。継続献血のきっかけとしては、高校献血が大変有効だと思いますので、是非高校の献血を増やしていくようなことを考えていければいいなと思います。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。「HOP STEP JUMP」を配るだけではなくて、具体的な何か教えるツールがあったほうがいいという、そういう御意見だったと思うのですけれども。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。ありがとうございます。「HOP STEP JUMP」は国が作成しているので、教材に使っていただきたいということで進めておりますけれども、今回、日本赤十字社として、新たな教材として使用していただけるようなパンフレットなど作成を進めていきたいと考えております。
また、小学生の例えば1学年に100万部を配布することも考えており、中学・高校については、先ほど話題になっております「ラブラッド」を使って献血セミナーを強化していきながら、プレ会員という献血できる年齢以前の方々にも、アプリを登録していただきながら、献血に誘導していくという施策も、今後は進めていきたいと考えておりますので、また何かよい御意見があれば、御指導いただければと思いますので、よろしくお願いします。以上です。
○佐々木座長 私、健康教育を専門にしているものですから、少し私の経験から言わせていただけると、多分5分程度でもストーリー性のあるアニメみたいなのを作っていただくと、ものすごく効果はあると思います。そういうのは学校で使いやすいと思いますので、御検討いただくと、きっといいのではないかなと思います。すみません、自分の意見を言ってしまいました。
ほかの御意見、いかがでしょうか。ほかの委員からいかがですか。よろしいですか。これも私からの質問で申し訳ないのですが、13ページの赤い囲みにしていただいたこの世代ですが、91年が20代で2001年が30代、ここの世代だけ飛び抜けて高いというのは、何か理由があるのでしょうか。もし、これが分かれば働き掛けるヒントがあるのだと思いますが。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。御質問ありがとうございます。恐らく1991年の20代、10代というのは、かなり高い協力層であるという状況があるかと思います。これは5ページ目に過去の状況を記載させていただいているのですけれども、棒グラフの左から3番目、1991年は800万人強の協力者はかなり高いです。これをいろいろ検証していく中で、200mL献血から400mL献血に、1986年に移行していって、急激に200mL献血が減少しているというのは、これは需要に応じた献血血液の確保というところがあるのですけれども、やはりこの時代というのは、学域献血も含めて、かなり強化を図ってきたというところがあったかと見受けられるような検証はさせていただいているという状況でございます。
○佐々木座長 それをまた、生かしていけるといいと思います。すみません、ほかの委員の先生からはいかがですか。
○宮川委員 今、お話があったように、5ページの全献血者の推移と、一番最後の34ページでしたか、それの非常に不足していくというようなトレンドですよね。それが本当にそのようになっていくのだろうかと多少疑問を感じます。これはミスリードになってしまってはいけないので、危機感を持つことは大事なのですが、そこに出していく数字というものは、どのようにあるべきなのかということは、非常に重要なことであるというように危惧します。34ページのその図と、それから今お話になった、このトレンドとして大きな年数の中の流れを含めてですけれども、それがどのように合致していくのか。それとも合致していかないのか。そういうところは5ページと含めてですけれども、その赤線の所で、そういう献血量というのは皆さんの御努力によって少しながら持ち直していたりすると考えます。それから血漿の献血量というものも、今の世の中の流れとしては合致するような形で動いているというところがあるので、その辺の整合性というのはしっかりと見ていかなければなりません。繰り返しますけれども、危機感だけというような形で後になって検証したときに、なぜこの図が出てきたのですかということになりかねないので、是非それに関しては、また詳しく教えていただければと思います。以上です。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。ありがとうございます。しっかりここの部分は独り歩きしないように検証していきながら、進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○佐々木座長 重要なことだと思いますので、よろしくお願いいたします。ほかの委員からよろしいでしょうか。よろしければ次に、議題4の「輸出に際しての献血の同意説明書(案)について」をお願いしたいと思います。日本赤十字社から御説明をお願いいたします。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 日本赤十字社経営企画の松田でございます。こちらの献血同意説明書ということで、これは前回の調査会で、日赤のほうに宿題ということだったのですが、こちらの同意書の5番目に改めて血漿分画製剤の海外輸出について追加項目としまして、内容については前回の先生方からの御意見も含めまして、こちらの文章案とさせていただき提出させていただいたところでございます。以上です。
○佐々木座長 文言のほうは、この5番の赤い所ですね。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 左様でございます。
○佐々木座長 これにつきまして、委員の先生方から御意見や御質問等ございましたら、よろしくお願いします。柑本先生、お願いします。
○柑本委員 ありがとうございます。前回の御説明ですと、同意説明書の対応案としましては、「4.血液製剤の有効活用について」の最下段に設けるというようなお話だったような気がするのですけれども、これをあえて5番として出したというのは、何か理由というものがあるのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 日本赤十字社経営企画松田でございます。先生の言うとおりでございまして、最初に概要だけ御説明させていただきましたが、血液製剤の有効利用については、研究用などの血液として使用の可否について求めています。
 この項目については、ただ同意を求めるだけではなく、4.の項目の問診については、いわば「血液製剤の有効利用について」同意いただけますか?というような質問をしています。「はい」ということであれば、当然、有効利用の目的で使えるのですが、「いいえ」という方については、その血液製剤を省かなければならないこととなります。しかし、海外への輸出となると、血液製剤のみの同意の可否となることから、新たに5項目目に海外への輸出ということで同意していただくことが、望ましいのではないかという案でございます。以上です。
○柑本委員 ありがとうございます。よく分かりました。そもそもこの同意説明書というものは、献血にいらした方に最初の段階で渡しているものだと思うのですけれど、これは採血事業者の方達が、口頭で説明するとか、そういった種類のものではないのですよね。渡して読んでくださいみたいな感じのものという理解でよろしいのでしょうか。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 はい。そのような形で、事前に献血する方々にお願いのパンフレット等を事前にまずは読んでいただき、そして御納得いただいて問診に入っていただくという形になります。
○柑本委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○佐々木座長 喜多村委員、お願いいたします。
○喜多村委員 今の御質問とすごく似ていますが、私も同意説明書とあるので、同意書というのを改めて献血の前に取られるという理解で大丈夫ですかね。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 はい、そうですね。1番2番3番については、やはり、表示されているようなリスクがありますというようなところで、4番については一部輸血用として使用するというようなことで、新たな項目案の5番目も同じような解釈になるのではないかと思います。
○喜多村委員 それで、私が疑問に思うのは、同意というのは包括して取るのか、それとも項目別に同意を取るのかというところです。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 ありがとうございます。先ほど私がお話した中で、献血される場合につきましては、問診に答える前に献血の同意説明書の内容について御理解いただき、「献血、同意いたしますか」という問いがあります。1番から3番については同意の可否のみで、4番目の「血液製剤の有効利用について」は輸血用血液以外での使用について同意するか否かとなっております。また、新たな案の5番目についても、海外輸出ということになれば、新たに項目を追加しなければならないのであろうということでございます。
○喜多村委員 ということは、1、2、3には同意するが、4には同意しないとか、5には同意しないといったケースが発生するのかどうかということを聞いているのですが。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 こちらについては、やはり選択ということでございますので、輸血用の血液ということであれば同意いたしますというような形になるのではないかと思います。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 すみません、日本赤十字社の鹿野です。この1番から3番までは、拒否される方については献血をお断りしなければいけないのです、最初から。4番目については、同意するかしないかによって献血はできるというところなので、研究用としては使用しないとか、判断ができる。ここは問診のタブレットの中に入っていて、同意しますか、しませんかということが対応できると。そうなると同意書の5番目についても、分画製剤の海外輸出ですので、同意書の4番の研究用としては、また別の考え方を持っているので、ここについても判断するということになります。
ですので1から5までは、全て確認して同意を得るということにはなると思います。
○喜多村委員 ありがとうございます。ということは、輸血はするけれども研究には協力しないという方の、個別の血液を除外するという仕組みが可能なのですね。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。同意書の4番は、この研究用としては使用しないという人は、そこで排除するような形は取っているという状況です。輸血用としては使用しますので、そこは問題ないかと思います。
○喜多村委員 研究には使わないということが、現実問題発生しているのですね。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 はい、発生しております。
○喜多村委員 目的は違いますから分けていただいていいと思います。ありがとうございました。
○佐々木座長 すみません、追加で確認なのですけれども、5番についても同意を取って、そうするとこれは血漿分画製剤、海外輸出用は嫌だという人は、そこから除くということになるのですか。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 日本赤十字社の鹿野です。ここで同意を得られないということであれば、輸血用としては使用できるという状況がございますので、そこは使用していきたいと。ただ、海外輸出はお断りするというところは対応しなくてはいけないと考えております。
○佐々木座長 現場の作業的に、これは可能だということですか。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 同意書の4番の研究用としての状況と同じですので、今後そういう仕組みを作っていかなくてはいけない状況はありますけれども、対応は可能になります。
○佐々木座長 ありがとうございます。すみません、ほかの先生方からいかがですか。文言につきましては、これでよろしいですか。どうもありがとうございます。そうしましたら、この献血の同意説明書のほう、これでお願いできればと思います。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 すみません、日本赤十字社の鹿野です。今後、こういった状況を進める上で、厚生労働省と協議しながら、どういう形で進めていくべきなのかというのをしっかり協議しなくてはいけないので、簡単に「はい、すぐです」というわけにはいかないので、すみません、よろしくお願いします。
○佐々木座長 今回の議論を反映させていただければという意味でお願いできればと思います。
○日本赤十字社血液事業本部鹿野献血推進課長 すみません、よろしくお願いします。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 それとあと、追加なのですけれども、今もお話の一部にもあったように、システムのほうも構築するというようなことになるものですから、そういったところも含めまして、国のほうと協議させていただければと思います。
○佐々木座長 先ほどの御回答の件も国と協議してということですね。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 左様でございます。
○佐々木座長 はい、分かりました。それでは、議題5「その他」ですけれども、令和4年度上半期モニタリング結果について、これは事務局から御説明をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 議題5その他として、令和4年度上半期モニタリング結果についての説明をさせていただきます。資料5を御覧ください。まず1番として、原料血漿の確保状況及び採血状況となっておりまして、それが4月から9月、上半期分をここでお示しているという資料になります。献血種別にすると200mL採血、400mL採血、血小板と血漿製剤採血、血漿採血という形の流れになっております。めくっていただいて2番の供給状況の上半期の数字ということで、これも同様に4月から9月。縦には赤血球製剤、血漿製剤、血小板製剤のそれぞれの状況をここでお示ししているということになります。
3ページ目ですが、3番の令和4年度上半期実献血者におけるラブラッド会員の割合となっております。先ほど説明もありましたが、増えているというところで、その都度非会員は減っていっているということになります。資料の説明については以上になります。
○佐々木座長 ただいまの説明について御意見、御質問があればお願いいたします。よろしいでしょうか。ありがとうございました。引き続き、報告のあったモニタリング項目については献血推進の観点から調査会に御報告いただければと思います。それでは、そのほか事務局から何かありますでしょうか。
○仲島血液対策課長補佐 事務局です。次の調査会については来年1月16日の月曜日を予定しております。
○佐々木座長 委員の皆様から何か御発言は、いかがでしょうか。
○人見委員 北海道の人見です。この献血の推進に関する計画を拝見していると、献血推進のための施策というところに、これまで有効であったであろう内容が書かれておりまして、これが年々厚くなっていくわけです。それで現在、余り行われていないものも恐らく残っていたりすると思うので、自治体側で見ると、どこに焦点を当てていくと今の時代有効なのかが、実は見えなくなってきているのです。ですので、その辺は少し整理をしていただいて実際、今、有効であるものをお示しいただけると有り難い思っております。御検討をいただきたいという希望ですので、見直しなど考えていただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。
○佐々木座長 具体的に資料としては。
○人見委員 資料の1-2です。
○佐々木座長 資料1-2ですか。
○人見委員 献血の推進に関する計画として、2ページ目から献血推進のための施策として、今までに有効であったものが恐らくさらに溜まっていっております。今、新しいメディアで「ラブラッド」が取り上げられるとか、より有効なものを分かりやすくしていただけたらいいと思っております。
○佐々木座長 たくさんあるけれども、ということですね。
○人見委員 そうです。そのような御配慮を頂けると有り難いです。よろしくお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 事務局です。人見先生ありがとうございます。先生が御指摘いただいたように積み重ねていってしまっているというところで、ここの所は中身について一旦検討する必要がある。献血推進計画についても最後評価をしなくてはいけないということですので、どのように分析するかというのは、意外と難しい問題だと思っております。その辺を先生方からのお力を頂戴して、やってみたいと考えているところです。ありがとうございます。
○人見委員 どうもありがとうございました。
○佐々木座長 ありがとうございます。ほかに御意見、コメントなどはありますでしょうか。特にないようでしたら、本日の議題は以上とさせていただきます。どうも御協力ありがとうございました。