第47回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 議事録|厚生労働省

健康局 健康課予防接種室

日時

令和4年1月27日(木) 10:00~12:00

場所

中央合同庁舎5号館専用第21会議室
(東京都千代田区霞ヶ関1-2-2)

議題

(1)HPVワクチンについて
(2)その他

議事

議事内容
○大塚予防接種室長補佐 それでは、定刻になりましたので、第47回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会」を開催いたします。
 本日は御多忙のところ、御出席いただき、誠にありがとうございます。
 本日の議事は公開となります。また、前回と同様、議事の様子はユーチューブで配信いたします。あらかじめ御了承ください。
 なお、事務局で用意しているユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは議事に入るまでさせていただきます。関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
 また、傍聴におかれましては、「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音をすることができませんので、御留意ください。
 次に、本日の出欠状況について御報告いたします。
 磯部委員、中山委員から御欠席の連絡をいただいております。現在、委員12名のうち10名の方に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定により、本日の会議は成立したことを御報告いたします。
 次に、本日の資料について御説明いたします。
 本日の資料は、あらかじめ送付させていただきました電子ファイルを用いて実施いたします。番号01の議事次第及び委員名簿から番号05の利益相反関係書類まで用意しております。
 資料の不足等ありましたら、事務局にお申し出ください。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○大塚予防接種室長補佐 それでは、ここからの進行は脇田部会長にお願いいたします。いよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 皆様おはようございます。
 昨日の分科会に御参加いただいた委員の先生方、連日のところ、お疲れでございますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず、議事に入る前に審議参加に関する遵守事項についての説明を事務局からお願いいたします。
○大塚予防接種室長補佐 審議参加の取扱いについて御報告いたします。本日、御出席いただきました委員から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附等の受け取り状況、薬事承認等の申請書類資料への関与について御報告をいただいております。
 各委員からの申告内容については、番号05の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
 本日は、議事内容に関し、「退室」や「審議又は決議に参加しない」に該当する方はいらっしゃいません。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容の申告をいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、今日の議事に入っていきます。
 今日のメインはヒトパピローマウイルスに係ることですけれども、昨年の分科会でキャッチアップについて議論をいたしました。それで、技術的なところに関してはこちらの基本方針部会で議論をするということで今日の改正になったと理解をしています。
 まず最初に、HPVワクチンに係るこれまでの議論について、事務局から説明をしていただきます。よろしくお願いします。
○吉川参与 事務局でございます。
 本日の資料1、HPVワクチンについて御説明をさせていただきます。
 本日御審議いただきたいものをトップページにお示しをしております。本日御審議いただきたい事項に関しましては、長期にわたり接種を中断している者の取扱いについて、そして交互接種について、その2つとなっております。
 次のページを御覧ください。目次をお示ししております。目次としまして、1.HPVワクチンに係るこれまでの議論について、2.長期にわたりHPVワクチンの接種を中断している者の取扱いについて、3.HPVワクチンの交互接種についてでございます。また右下に数字で1とございますが、今後ページ数に関してはこの右下の数字を参照させていただきます。
 2ページ目、これまでの議論についてです。本日参加いただいている委員の皆様は、ほとんどの先生方がワクチン分科会の委員でいらっしゃることから、これまでの議論については詳細は省かせていただきますが、簡単に振り返らせていただければと思います。
 3ページ目、これまでの経緯でございますが、平成22年から平成25年にかけてHPVワクチンに関しては緊急促進事業として実施されまして、平成25年4月に定期接種化、平成25年6月に積極的勧奨差し控えとなりまして、先ほど脇田課長からお話がございましたとおり、昨年の議論の中で積極的勧奨の再開の方針が打ち出されたという形になっております。
 4ページ目を御覧ください。HPVワクチンの接種状況に関しては、積極的勧奨差し控え以後、接種数が落ちていた状況でございますが、近年増加している傾向にございます。
 5ページ目、接種率に関しましては、平成12年度生まれ以降の方に関しては接種率が非常に落ちている状況となっております。
 6ページ目御覧ください。昨年10月及び11月の審議会におきまして、HPVワクチンの積極的勧奨の取扱いに関しての議論を行っていただきまして、結果としまして、11月26日に、「来年度」とは今年度になりますが、今年の4月からの積極的勧奨の再開に関しての通知を出したところでございます。
 7ページ目、それに合わせまして、接種率が落ちている世代があるということがございますので、キャッチアップ接種というものを御議論をいただきました。こちらは公平な接種機会を確保する観点から、時限的に接種機会を従来の定期接種の対象年齢を超えて接種を行うという考え方になります。
 8ページ目御覧ください。キャッチアップ接種の対象者や期間などについてお示しをしたものでございまして、令和4年度から令和6年度までの3年間、平成9年度生まれから平成17年度生まれ、また、その後、順次平成18年度生まれ、平成19年度生まれの方々を対象にキャッチアップ接種を行っていく方針が打ち出されているところでございます。
 9ページ目、今後のスケジュールでございますが、昨日のワクチン分科会のところで、方向性を議論いただきまして、今後パブリックコメントを実施し、今年の4月から施行を行うことを予定しております。
 10ページ目でございます。12月23日の審議会におきまして、技術的な事項として、既にワクチンを1回または2回接種をしてその後接種を中断した方に関してどういう形で対応するのがよろしいのか、また、ワクチンの交互接種の可否について検討すべきではないかといった御意見をいただきましたところから、本日の基本方針部会にて御審議をいただくことと考えております。
 事務局から、続きまして、2.長期にわたりHPVワクチンの接種を中断している者の取扱いについて、そして3.HPVワクチンの交互接種について、引き続き資料の説明をさせていただければと思います。
 12ページ目でございます。まず、HPVワクチンの接種間隔の現在の取扱いについて確認をさせていただきます。添付文書では、用法・用量のところで、サーバリックスですと、0、1、6か月の3回接種、ガーダシルですと、0、2、6か月の3回接種になっておりまして、また、注意事項としましては、サーバリックスに関しては、3回目の接種というものは1回目の接種から5~12か月の間で調整すること、ガーダシルに関しては1年以内に3回の接種を終了することが望ましいということが示されております。定期接種実施要領におきましては、サーバリックスに関しては標準的な接種のスケジュールに関しては先ほどと同じ0、1、6と0、2、6という形になりますが、これらの当該方法を取ることができなかった場合に関しましては、サーバリックスに関しては、1か月以上の間隔を置いて2回の接種を行った後、1回目の接種から5か月以上かつ2回目の接種から2か月半以上の間隔を置いて3回目の接種を行うこと、ガーダシルに関しては、1か月以上の間隔を置いて2回の接種を行った後、2回目の接種から3か月以上の間隔を置いて1回行うことということになっております。注意すべき点としましては、2回目と3回目の接種の書きぶりに関して、サーバリックスは2か月半以上、ガーダシルに関しては3か月以上と少し違う観点があるというところでございます。こうしたこともございますが、下の四角囲みを御覧ください。キャッチアップ接種の対象者の中には、過去にワクチンを1回または2回接種した後、長期にわたり接種を中断していた方が一部存在すると想定されることから、これらの者が改めて接種を希望した場合の取扱いについて、検討が必要と考えております。
 13ページ目から17ページ目に関しましては、それぞれのエビデンスについてお示しをしたところでございます。13ページ目、ヨーロッパのスタディーでございますが、標準的なスケジュールと代替スケジュール、これは0、1、12か月のスケジュールでございますが、それぞれについて評価を行ったところ、2価ワクチンの3回目接種について、初回接種から6か月、12か月、どちらのタイミングに接種しても、有効性、安全性が同等である可能性が示唆されたと。
 14ページ目を御覧ください。こちらはベトナムの11~13歳の女子を対象としたスタディーでございますが、4つのスケジュール、標準スケジュール、及び、0、3、9/0、6、12/0、12、24か月、それぞれのスケジュールに関して評価を行ったところでございますが、どのスケジュールにおいても、3回目接種から29か月以上の経過後の抗体価について標準スケジュールに対する非劣性が示されたというデータがございます。
 15ページ目、カナダのスタディーでございます。こちらに関しては4価のHPVワクチン2回接種を行った後、3年経過した後に2価または4価のワクチンを追加接種した場合の免疫原性と安全性の評価を行ったものでございます。これによりますと、4価ワクチンの2回接種の3年後に3回目の接種を行う場合、2価、4価ともに同等の免疫原性・安全性を有している可能性が示されたというデータでございます。こちらに関しては、後ほど交互接種のところのエビデンスでも重複してお示ししております。
 16ページ目でございます。アメリカの4価HPVワクチンの様々な接種スケジュールによる抗体反応の差異に関する研究ということで、2回目接種が遅れた場合、3回目接種が遅れた場合、2回目と3回目ともに遅れた場合、それぞれグループを設定して評価を行っております。2回目、3回目接種が遅れた場合であっても、スケジュールどおりの接種と比較して劣らない抗体価が得られた結果が示されているところでございます。
 17ページ目、メキシコのスタディーでございます。代替スケジュールとして、0、6、50か月のスケジュールが研究として用いられておりますが、その場合であっても通常スケジュールに比べて非劣性が示唆されたという結果でございます。
 18ページ目、まとめております。こうした結果を踏まえまして、一番下の太字で書いているところでございますが、HPVワクチンの接種スケジュールについては、8年以上の接種間隔が空いたという場合のエビデンスは国内外で認められていないところでございますが、現在入手可能なエビデンスによりますと、1~5年の接種間隔が空いた場合の海外の研究においては、通常の接種スケジュールと比較して、一定程度の免疫原性と安全性が示されているとまとめております。ただ、この点に関しまして、諸外国のデータであって日本でのデータが存在しないこと、またキャッチアップ接種の対象年齢より若年者が含まれていること、研究が小規模であることなどに注意して評価をいただく必要があると考えております。
 19ページ目、諸外国でどういう取扱いをしているかということをお示ししたところでございます。国によって少しずつ表現ぶりは異なりますが、おおよそまとめますと上の四角囲みでございますが、諸外国においては、接種間隔が長期にわたる場合について、接種間隔に上限を設けず、また、接種を初回からやり直すことなく残りの回数の接種を行うこととしているということになります。つまり過去に1回接種をした方が間隔を置いて接種を再開する場合に関しては、1回目から改めて再開するのではなくて、残りの2回目、3回目など、もともと予定されていた残りの回数を接種すればいいという取扱いをしている形になります。また、下の注のところでございますが、いずれの国においても、過去に1回のワクチンを接種して、その後、長期の間隔を置いて2回目と3回の接種をする場合において、その2回目と3回の接種をどれくらい間隔を置けばいいのかに関しては、特出しで考え方を示しているところではございません。ただ、これらの国に関しては、通常の取扱いとして、2回目と3回の接種間隔については最低3か月の間隔を置くこととしているということになります。
 以上を踏まえまして、20ページ目、論点をお示ししております。上の四角囲みに関しましては今まで御説明したところでございますが、論点としまして、定期接種実施要領で示された標準的な接種スケジュールで接種を行うことが原則である旨を示しつつ、長期にわたり接種を中断していた方に関しても、接種間隔に上限を設けず、また、接種を初回からやり直すことなく、残りの回数の接種、これは、2・3回目または3回目ということになろうかと思いますが、行えることとしてはどうか。また、この場合、過去にワクチンを1回接種していた方について、2回目、3回目の接種間隔についてはどのように考えるか。そうしたことを論点としてお示ししております。
 脇田会長、こちらで一旦御説明をお止めしたほうがよろしいでしょうか。
○脇田部会長 分かりました。ありがとうございます。
 それでは、ただいまの御説明に対して御質問と、それから今の論点、途中で、3回の接種が特に1回だけ接種された方のキャッチアップをする場合に、2回目と3回目の接種の間隔をどうするかと。もちろんスケジュールで、1回目が済んでいる人がまた1回目から始めるのではなくて、2回目、3回目を行えばよいという点と、あと2回目・3回目の接種間隔について、当然2回やっている方は3回目だけでよいのか、そういったことだと思いますが、御意見いただければと思います。
 それでは、伊藤先生、坂元先生、多屋先生の順番でお願いします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 基本的に今回の話というのは、キャッチアップ接種において、過去にどんなワクチンを接種したのか、もしくは、その接種回数にかかわらず、3回接種するということを可能にする救済措置の一環として議論をしているということで理解していますが、確認ですけれども、今後、この交互接種の枠組みが、その先の例えば9価のワクチンとかについても広がるものではないという限定つきのものであるということを確認させていただいたほうがいいのかなと思ったので、確認させてください。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 先に御意見を伺います。
 坂元先生、お願いします。
○坂元委員 原則的にこのような考え方でいいと思うのですが、実際、政省令で文書に起こした場合、いわゆる、1回やった人はもう2回目、1回からできないという、できない規定になるのか、原則論として書かれるのかというその1点の確認だと思います。
 1つの理由としては、非常に数は少ないのですが、現在、多くの自治体で、例えば骨髄移植とか、そういう処置によって、いわゆる免疫を喪失した方には、再度予防接種を行っている自治体が結構あるということです。たしか川崎でも、ある程度、申込みがあるとは聞いているのですが、そういう方のような場合、非常に例外的なのですが、それはもう別途自治体の裁量でやるのか、例えば、そういう例外事項を設けるのかとか、そこら辺のことについて御意見をいただければと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 多屋先生、お願いします。
○多屋委員 ありがとうございます。
 不規則接種については、もともとエビデンスがないところ、たくさんの海外の論文等を調べていただきまして、ありがとうございました。
 ここに挙げられていますように、1回も接種していない人は通常の接種スケジュールですけれども、1回だけ接種した方の2回目・3回目をどうするか、間隔をどうするかということが、一番問題なのかなと思いました。海外では、2回接種で進めているところは、6か月の間隔で2回接種をするという方法を取っているところが多いので、その方法で接種するという考え方が1つあるかと思います。
 一方で、もう年齢が8年たって20代になってきていますので、HPVワクチンの予防が、基本的には感染予防で、性的接触で感染することから、感染前にワクチンをすることが重要であるという観点から、なるべく早くに接種を終えることが大事ということであれば、3か月以上の間隔で2回接種するという考え方もあろうかと思います。2回接種が終わった方については、今、事務局からお示しいただきましたように、どの種類のワクチンでも差がないということですので、気づいたところで早めにどちらかを1回接種するという方法がよいのではないかと思いました。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 宮入先生、お願いいたします。
○宮入委員 ありがとうございます。
 実は今、多屋先生がおっしゃったことと全く同じ話になります。
 提示いただいたデータは1・2回目の接種を終えて3回目はどれだけの間隔を空けてもよいかというデータが中心でして、1回目をやった後に長期間空いた後の2回目・3回目ということについてはエビデンスがほとんどありません。一方で6か月間隔を前提とした2回接種法が広く行われていて、それでしっかり有効性を担保してあげるのが一つの考え方かと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 そのほかはございますか。
 取りあえずここまでで、今、伊藤先生からは、この追加の救済措置という考え方でよいのか、そして交互接種が今後広がっていくことを認めているものではないということであるのかというところですね。
 それから、坂元先生から免疫が低下している方についての取扱いを例外的にどのように考えるのかというところがありました。
 それから、多屋先生、宮入先生からは、エビデンスがないところで2回目・3回目の間隔については、免疫原性ということを考えれば6か月の間隔が望ましいけれども、年齢が高い方をキャッチアップしていくわけですから、それを考えると早めの接種ということでは3か月以上という考え方もあるのではないかという御意見でした。
 事務局から何かコメントはございますか。
○吉川参与 事務局でございます。
 まず、伊藤委員から御質問があった件でございますが、今回のキャッチアップ接種の考え方に関しては、これまで3回目まで接種を完了していなかった方に対して、公平な接種機会を確保するという観点で設けるものでございます。それを救済という表現でするのであれば、先生のおっしゃるように救済という形で、今回の審議の結果次第でございますが、3回目を接種する機会を提供することが、今回のキャッチアップ接種の趣旨と考えております。
 また、9価のワクチンなど交互接種の話について言及をいただきまして、これについては、次の3ポツでの審議をいただくものかと考えておりますが、こちらに関しましては、安全性などの観点から先生方の御審議をいただいて、決してこれをどんどん拡大していく方向では、事務局としては現在のところ考えておりません。
 また、坂元委員から御意見をいただいたところでございますが、こちらの政省令に関しては、どういう書きぶりになるかということに関しては、今回の結論によって書き方が変わってくるところもあるかと思いますが、もし合計で3回の接種を行うということになりましたら、現在の取扱いそのものになりますので、その場合は、この接種の回数に関して、特段変更が生じるものではないと考えております。
 また、市町村に応じて、骨髄移植の患者さんであるとか、様々な対応を行っているということは承知しておりますが、今回は全体の一般的な話として何回求めるかということに関して御審議をいただいていると考えております。
 多屋先生、宮入先生から接種間隔について御意見をいただいたことに関しましては、これからの方針について参考にさせていだきたいと思います。
 ありがとうございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 伊藤先生、多屋先生からお話がありました交互接種については多分次のセクションのところでまた議論ということですね。ここのところでは、2回目・3回目の追加接種といいますか、間隔を置いて2回目・3回目をやる場合の間隔について、多屋先生、宮入先生から御意見がありましたけれども、ほかの委員の先生方はいかがでしょうか。そこに関して御意見があればお伺いしたいと。
 中野先生、お願いいたします。
○中野部会長代理 中野でございます。
 1回だけ打った方の2回目と3回目の考え方は、多屋委員、宮入委員の意見と、私も医学的には全く同じ考えでございます。基本方針部会ですから、その意見がもちろん最も尊重されるものでいいのではないかと私も思っています。エビデンスが少ない中で、この6か月という一つの示すところはいいと思います。
 ただ、臨床の接種の現場に携わっている者としては、現行の定期接種のスケジュールが、2価のワクチンは2回目と3回目が2.5か月、4価のワクチンは3か月で接種ができるという状況にございます。積極的勧奨の差し控えがあった過去のワクチンとして日本脳炎が同様のワクチンで、特例対象が認められています。現場で接種しておりますと、自分が接種するときももちろんですが、他の先生方から、この子が打てる間に何とか打てる回数を打ってあげたいのだけれども、最短でどれぐらいの期間だったら打ってあげることができるのかなという御質問はかなりの数で頂戴いたします。今回も3年間措置をしていただけるということで、本来は最初からしっかり接種していない方に取り組んでいけばできるはずなのですが、なかなか人の心と毎日の行動は、お忙しい、いろいろなこともあるので、言葉は悪いですが、駆け込み、もう最後のぎりぎりで、どうしても打ちたいという方も見えますので、そういった場合に、6か月より短い間隔で打った場合、これは間違いなのか、よくないのかという議論になるよりは、現行で認められている2.5か月と3か月という間隔は、何らかの形でそれも生かせるように制度を整えていただければうれしいなと考えております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そういった中野先生の御意見はかなり現実的な対応かなと、私も感じました。
 釜萢先生、お願いいたします。
○釜萢委員 私も、今の中野先生の御意見が非常に妥当だと思いますので、その方向で進めていただきたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 大体今の先生方の御意見を伺っていますと、この接種間隔については、6か月の間隔ということを取るということもありますけれども、サーバリックスは2か月半、ガーダシルは3か月という接種間隔、2回目・3回目ではそれがありますので、その間隔で接種をしても差し支えないというところを担保するというところが妥当というところですかね。
 いかがでしょうか。そのほかに御意見はございますか。
 どうぞ。
○白井委員 どうもありがとうございます。
 接種間隔とは違うかもしれないのですけれども、接種間隔と関係もあるかなと思いながら発言したいなと思ったのですけれども、このキャッチアップの年齢の方々が、20代の方が多いと思いますし、性交経験年齢の方ですので、未経験の人はそのままでいいのですけれども、その間に性交経験があったり、場合によっては妊娠をするというチャンスもあると思うのですね。そういったときには、対象から外れると思うのですが、もともとのキャッチアップの場合について、それでも害はないだろうというような意見もしましたが、必要がない場合には対象から外れるかどうか、最初から妊娠歴があるとか、なかなか個人的なところで、自己申告になると思いますが、性交経験があるかとは聞きにくいと思うのですけれども、そういう方についてキャッチアップ接種は不要という考え方でいいのかなと思いました。キャッチアップについて自治体でどのような案内をするかということを考えておりまして、27歳までということになると、お子さんがいらっしゃる方も何人もいらっしゃると思いますので、そういった対象者の選定をきちんとお示しするのも必要かなと思いました。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 事務局、手が挙がっていますね。どうぞ。
○吉川参与 事務局でございます。
 先ほど脇田部会長にまとめていただいた接種間隔について、非常にクリアで事務局としても大変参考になるかと思っておりますが、1点だけ、念のため確認させてください。
 多屋委員から御意見をいただきました2回目と3回目の接種、6か月の間隔が望ましいというところに関しまして、現在ですと3か月以上あるいは2か月半以上ということをお示ししている一方で、キャッチアップ接種の対象者に関しては6か月が望ましいというレコメンデーションになるかと思いますが、これは具体的には1回目と2回目の間がどれくらい空いた場合を想定しているものと考えればよろしいでしょうか。これは積極的勧奨がおよそ8年止まっていたこともありますから、8年程度以上1回目と2回目が空いた場合に関してを想定しているということで理解してよろしいでしょうか。御示唆をいただければと思います。
○脇田部会長 ありがとうございました。
 それでは、その点も含めて御意見を少し伺いたいと思いますが、坂元委員と川俣委員から手が挙がっていますので、まず、お願いいたします。
○坂元委員 1点確認なのですが、1回目の接種から非常に間隔が空いている場合、その場合、例えばその政省令の中に具体的にそのデータがないとか、どういう書きぶりをされるのかということを伺いたいのです。実際に始めるとかなり問合せが来て、私は4年間空いているのですけれども大丈夫ですかとか、そういう個々の質問が来るので、実際、1回目から2回目の間隔について、具体で何か政省令の中に、例えばデータがないとか、書くのか、それとも、一切その辺は触れずに、1回やった人は2回目からですよということを書くのかですね。
 もう一点、1回目を覚えていないと言われた方も、よく分からないという方も来た場合、どのように取り扱っていいのか。そういういろいろなパターンがありますので、もしその辺でお考えがあればお教えいただきたいと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 川俣委員お願いします。
○川俣委員 市町村としましては、ある程度の期間を決めていただければ、すごく対応が楽かなと思っています。先ほど坂元先生とか皆さんからもいただいているように、Q&Aのような形で、きちんと分かりやすく、何かリーフレットとかに入れていただけると、分かりやすいし、言葉としても回答もしやすい。1回目をしていないというのは、確かに、今回のワクチン接種の中で出てきたのは、お母様がとてもワクチンを嫌いだというお母さん、ちょっと長くなるのですが、お父さんはそっちをさせたい。お母さんに内緒でこのワクチンを受けたというのを記録の中にたまたま見つけましたというのが出てきて、今回のインフルエンザのワクチンも、それで自分の意思で受けることに決めましたというコメントがあるのですよ。そういうのもあるので、もしかすると受けた経緯が分からない方も確かに坂元先生がおっしゃるようにあると思うので、その辺が1回目なのか2回目なのか分からない方もいらっしゃるので、そういったこともQ&Aみたいな形に入れていただけると、理解がしやすいし、対応しやすいのかと思いますので、そういうものも織り込んでいただけるとありがたいなと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 それでは、先ほどの1回目の接種から何年ぐらいたっていた場合にというところの御意見があればと思いますけれども、多屋委員、どうでしょうか。そこの御意見はございますか。
○多屋委員 ありがとうございます。
 もう8年たっていますので、記録がない場合は、覚えていないという方のほうが普通だと思います。なので、間隔を考えなくてもいいように、2回を完了させるという観点から、基本的には、海外が行っている6か月の間隔で初めから2回で始めるということで、6か月の間隔で2回を接種する。性的接触で感染するという経路を考えて、早く接種をしたいという御希望には、3か月以上の間隔を空けて接種することができるという方法を残していただければいいのかなと思いました。確かに事務局がおっしゃるように、もしかしたら1回目はかなり最近に受けた方というのも年齢によっては出てくると思うのですが、それをお一人お一人確認するのは非常に大変だと思いますので、そのような観点から、6か月を標準として、3か月以上の間隔が空いていれば可能という表現はいかがでしょうか。
 もし御本人が、自分が接種を受けたときに住所があった自治体に問い合わせて接種歴を確認することができるような仕組みがあるのであれば、記録を確認しておいていただくというのも1つの方法かと思いました。自治体に大きな負担がかかるので申し上げにくいですけれども、1回目の接種が分からないということでも大丈夫なようにしていただけるとありがたいなと思いました。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。そうすると、あまり1回目・2回目の間隔が何年以上空いているということは前提にせずにという御意見ですかね。あと、2回目・3回目については6か月の間隔を置くことを標準的とするという御意見でよかったですか。だけれども、2か月半あるいは3か月から接種は可能とするというような形ですかね。そういった御意見なのですけれども、そのことで賛成あるいは反対の御意見があればと思いますが、いかがですか。
 釜萢先生、どうぞ。
○釜萢委員 一度も接種を受けていないという方については、その場合には、2回までの接種をキャッチアップとして認めるということですか。
○脇田部会長 一度も受けていないと。一度も受けていない方に関しては、標準的というか。
○釜萢委員 初めてやる場合のスケジュールに従うのですよね。
○脇田部会長 それはそうだと。
○釜萢委員 そうすると、1回受けたという方については、6か月の間隔を置いて、2回接種を標準とすると。ただ、その1回目の接種が分からなかったという、受けたか受けないか定かでないという場合には、2回接種にするのですか。それとも最初からやり直すようにするのでしょうか。
○脇田部会長 論点が先ほどのいろいろな場合にどういった対応するのかということに関してのお話かと思いますので、そこもまた確認したいと思いますので、そこはお待ちいただくということでお願いします。
 まずは、1回目が済んでいて、その追加接種のキャッチアップをやる、2回目からキャッチアップをやる場合の接種間隔についての御意見を取りあえずここでまとめておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 今多屋先生の御意見のあったとおりという形で、そこは我々基本方針部会のまとめという形にしたいと思います。
 それで、さらにそれに加えて、今、白井先生から、年齢は20歳以上の方が多くなる、性交経験がある、妊娠歴があるということになりますが、その取扱いをどうしますかということ。ただ、これは若い人でも性交歴はどうするのかという話は出てくるかもしれない。
 坂元先生からは、政省令の書きぶりをどうするのか、1回目の接種が分からない場合、これは釜萢先生からもお尋ねがありました。
 事務局、その辺りのところをお願いできますか。
○吉川参与 事務局でございます。
 まず、坂元委員から、あるいは川俣委員から御指摘のありました、1回目接種した方に対して2回目・3回目接種をどうするのか、あるいは1回目・2回目からどうするのかに関しましては、現場で接種をしていただく先生、医療機関の方々あるいは市町村の方々に、より分かりやすい形でお示しをできるように、Q&Aで示すこと、あるいはリーフレットの作成をして、接種対象者に関しても分かりやすく説明できるような形で対応させていただきたいと考えております。
 また、過去の接種歴が分からない場合に関しましては、先生方から御指摘がありましたように、例えば、母子手帳などの過去の記録が見つからない場合も、8年という期間がありますので、一定程度想定はされるものかと思います。そういったものに関しましては、過去に接種を行った医療機関あるいは自治体に問合せを行っていただいて、接種の記録を確認していただく形がまずはよろしいのではないかと考えております。今回の準備を行うに当たりまして、幾つかの自治体にも確認を行いましたが、自治体によっては、平成25年当時、あるいはそれ以前のところから接種記録を残している自治体もあるやに伺っておりますので、そうした確認を行っていただくことによってどのワクチンを何回打っているのかあるいは打っていなかったのかに関しても、一定程度確認していただけるのではないかと思っております。その上で接種した上ワクチンの種類が分からない場合に関しましては、続いての論点で御審議いただければと思っております。
 最後でございますが、多屋委員から御指摘がございました、1回既に接種している方に関しまして、2回目接種、3回目接種の間隔に関しては、1回目と2回目の間隔によらず、6か月という御意見をいただきましたが、これは現在の定期接種の対象者に関しては、2か月半と3か月となっているところがございますので、どの方に関して6か月と進めるのかに関しては、ある程度明確化はこの審議会の中で出していただく必要があるかと考えております。その理由としては、1回目と2回目の接種間隔が何年以上であったとか、あるいは年齢が何歳以上の方に打つ場合に関しては6か月がまずは推奨される、そういった形の明確な区分けがなければ、恐らく現場で接種をしていただく場合に、何らかの混乱が生じてしまうのではないかという懸念を持っておりますので、その点については明らかにしていただければと思います。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 今、事務局からお答えがありましたけれども、多分一番大きいポイントは、1回目だけが済んでいて、2回目・3回目を今回のキャッチアップで行う場合の対象者ですね。今、2回目・3回目の間隔は6か月を推奨するといった場合に、その6か月にする対象者をどう限定するかということをある程度明確化してほしいという事務局からの御意見でしたが、釜萢先生、お願いします。
○釜萢委員 多屋先生に教えていただきたいのですが、諸外国で6か月という話が出ましたけれども、サーバリックスで2か月半、ガーダシルで3か月というのを6か月までに延ばした方がよいという点がどれほどその強いことなのか、これまでと同様の整理で済めば、6か月ということを今回打ち出さなければ、あまり場合を分けて面倒くさくならなくて済むなという気もするので、その辺りのところの重みづけを教えていただきたいと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 それでは、多屋先生、その点、解説をお願いできますか。
○多屋委員 釜萢先生、ありがとうございます。
 今回、6か月というスケジュールがいいのではないかと考えた根拠は、ほとんど、低年齢での接種であるという条件はありますが、海外が、6か月の間隔で2回接種という方針を取っているからというのが1つ目の理由です。1回目がいつ接種されたかという記録がもう分からない人が8年もたつと出てきているだろうということから、1回目をいつ受けたかがわからなかったとしても、接種できるように、6か月で2回接種して完了している国が多いことから、標準的には6か月というのはどうだろうかと思った次第です。これであれば、海外にたくさんのエビデンスがあるのではないかと思った次第です。
 ただ、先生がおっしゃいますように、もともと不規則接種でもとの接種がいつか分からないという方が多い中、中野先生がおっしゃいましたように、3か月以上の間隔が空いていれば接種は可能という方法は残していただく方法も、反対ではありません。6か月と言った根拠は、今申し上げたとおりで、海外での2回接種のスケジュールの場合、6か月であれば多くのエビデンスがあるのではないか、そういう理由からでした。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 宮入先生、中野先生の順番にお願いします。
○宮入委員 2回接種法を行っている米国などでは、最低5か月空けてください、それより早かったら3回打ちましょうといった推奨になっていたかと思います。それの根拠になるようなデータ自体を私は今は持ち合わせていません。
 予防接種室側からの質問である、何年以上空いたらというようなことについては、先ほど提示していただいたデータの中で、ベトナムのデータは、0、12か月、24か月というスケジュールで3回打った場合に、非劣性であったというデータがあります。それ以上のデータがあるかどうか私は分からないのですが、それに基づいて1年以上というのは1つの区切りかなと思いました。
 1つの意見として参考にしていただければと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 中野委員、お願いします。
○中野部会長代理 ありがとうございます。
 ヒトパピローマウイルスワクチンは、確かに2回接種は6か月の間隔でという医学的なところは確かにそうなのですが、私が知る限りは、それを6か月と3か月で比べたとか、6か月と2か月で比べたって、あまりないような気がするのです。ほかのワクチンの例でも、海外は、例えばHibとか肺炎球菌も8週間空けますし、インフルエンザも結構間隔は長いですよね。ほかのワクチンで調べたときも、短いのと長いのとでしっかり調べた実データはないような気がしているのです。例えば、またほかのワクチンという話題でいうと、帯状疱疹ワクチンは同じような系統のアジュバントが入った組換えたんぱくワクチンですが、2回目まで3か月ですよね。恐らく2回接種を行うときって、ある程度間隔が空いたほうがブースターはしっかりかかるので、割と強いアジュバントが入った1回の接種で強い免疫を誘導するワクチンというのは、そこが何か月が最適かというのは、あまりまだ分かっていないのではないかという気がするのですね。そう考えますと、この定期接種のキャッチアップというのは混乱があってはいけないので、もし6か月という長い間隔を出すことによってかえって混乱が生じるようであれば、決して6か月を前面に出さなくてという方法も私はあるかなと思っていますし、現実、日本脳炎の特例対象はそのように運営しているような気がしています。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 委員の先生方の御意見は、例えば、現状の定期接種の間隔、2回目・3回目というのが2か月半あるいは3か月以上という形になっているので、それをそのまま踏襲したほうが混乱は少ないのではないか、6か月を導入するということまでのエビデンスという意味ではそれほど強くないのではないかという御意見だったかと思います。
 宮入先生の御意見は、ベトナム等の例を見れば、1年以上の間隔をもってということもあり得るのではないかという御意見でしたが、少し意見が拡散してきましたので、もう少し御意見をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 宮入先生、お願いします。
○宮入委員 あくまでもデータに基づいてベストな選択は何かというところで6か月という話を出したものであって、全体として接種をいかに混乱なく進めるかということが優先されるのであれば、従来の接種間隔でやることについては異論はありません。もし推奨の中で書き込む余地があるのであれば、6か月というところが推奨されるというようなことは残してもいいかなと思っています。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 多屋委員、お願いします。
○多屋委員 私も今宮入先生がおっしゃったのと同じです。混乱を招くというのは、こういう定期接種の場合、非常によくないことだと思いますので、3か月以上の間隔が空いていればいつでも接種できるというのを前面に出すということについて、反対ということでは決してありません。いかによい方向を取っていただけるかというのを優先していただければと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 伊藤委員、お願いします。
○伊藤委員 接種間隔の話がありましたが、2013年にH5N1ワクチンを厚労科研で接種間隔を3週間、3か月、6か月と期間を変えてやったことがあるのですけれども、そのときに間隔が長いほうが抗体価は上昇して、しかも別の株に対する交差免疫も高く出ていましたので、2回の接種間隔が長いほうが多分免疫的にはいいのだろうなと思います。
 ただ、今回は、冒頭に申し上げましたけれども、例外処理ですので、接種をしていただく機会を提供するという意味で、過去のものと不整合やメッセージの出し方が違わないほうがいいのではないかと思います。ある程度、医療現場に任せることを前提にしての書き方がいいのではないかなとは思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 接種の現場においても、積極的勧奨が再開されますから、1回目・2回目・3回目の間隔と、1回目が終わっていて2回目・3回目をされるキャッチアップにおける、1回目だけ終わっている人の2回目・3回目の間隔だけが6か月という推奨をするということに関して、現場での混乱というのは多少懸念されますでしょうか。
 そこは、川俣市長、いかがですか。
○川俣委員 ある程度期間を決めていただければ、現場での混乱は少ないのかなと思います。逆に3か月か6か月というと、その間ということになれば、それはそれで対応ができると思うので、現場は先生方個人になるので、その辺は説明を私どもや医師会でしていただければ、十分にできるのではないかと思います。また、受けるほうも、そういう期間だと分かれば、それは対応していただけるのではないかと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 皆さんも御意見が動くところもありますけれども、いかがでしょうか。
 坂元委員、どうぞ。
○坂元委員 いろいろ意見が出ているのですが、例えばこのキャッチアップだけが間隔が6か月で、通常どおりのあれが2か月とか3か月だと、確かに混乱が起きると思いますが、例えば、書きぶりで、もし海外で2回接種は6か月以上を標準でやっているならば、この場合は6か月以上が推奨みたいな、そういう書き方であれば、基本は2~3か月以上ですが、そのキャッチアップの場合の2回は6か月以上が推奨という書き方であれば、つまりその程度の書き方であれば、そんなに混乱はないと思います。これは完全にキャッチアップが6か月以上で通常やっているものが2か3か月以上と書いてしまうと、現場でやっている先生方は同じなので、混乱が起きてしまうと思います。だから、書きぶりかなという感じはします。
○脇田部会長 分かりました。ありがとうございます。
 その点は、標準的な接種期間を、まずは、ここについては、2.5か月、3か月というところはここも適用させると。ただし、その1回目が済んでいて、かなりそこの期間もまたいろいろありましたけれども、1回目が済んでいて2回目・3回目を今回キャッチアップで行う場合には6か月ということもあり得るというか、推奨されるというか、そこら辺の書きぶりを考えるということですね。
 白井委員、お願いします。
○白井委員 すみません。先ほどの私の質問が論点とずれていたかもしれないのですけれども、その対象年齢の方々というのは、子供さんと違うので、接種される医療機関についても、小児科もあるかもしれませんけれども、内科や産婦人科でということになると、今までのというよりも、この年齢の人たちだから3か月とか6か月という間隔について、ふだんとは違うという理解はできるのではないかと思いました。先ほどの妊娠のことについても、対象者については別の議論としてやってほしいなと思います。
 以上です。
○脇田部会長 分かりました。
 皆さんの意見をまとめると、現場でなるべく混乱が生じないように、その標準的な接種期間というのは、ほかのキャッチアップであったり、それから、定期接種と同様に、2回目・3回目の間隔は設定するけれども、長期間1回目からの間隔が空いている場合には、6か月の間隔というものを免疫反応の誘導ということを考えると、諸外国の2回接種ですかね、その辺を考えると、6か月という接種間隔を置くということも考えられるというところで、書きぶりに関しては検討するという形で、取りあえずそこはいかがでしょうか。
 そこはそのような形にさせていただいて、そうした場合に、6か月を推奨する、できますよという人が、1回目から何年以上だったらいいのですかというところ、ここは事務局からある程度期限がないと困りますねというお話がありました。
 それで宮入先生から1年以上という形ではあったのですけれども、ここをどう考えるか。8年程度というのが事務局から先ほどあったと思いますが、その点をどうお考えになりますか。多屋先生は期限を区切らずということでしたね。そうすると、通常の接種をどう区別するかということかなと思いましたが。
 分かりました。そうしましたら事務局に伺いますけれども、この期限を、8年という例示はありましたけれども、そのほかにもう少しこれを短縮するという考え方もあり得るということでよろしいですか。
○吉川参与 はい。確たるエビデンスのデータがないところでございますので、先生方の御意見に応じて、短縮するという考え方はあるかと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そうすると、先ほどのお話でいけばベトナムの例を挙げて、1年以上たっていればというようなこともありましたが、宮入先生、お願いします。
○宮入委員 あくまでも、先ほどぱっと見てそのデータがあったのでお話ししたレベルであって、標準的には、今までどおりの接種間隔で、長期間空いた人に関しては、2回目と3回目の接種間隔を6か月以上空けるべきというような推奨であったら、あえて何年空いたらということを書く必要がないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○脇田部会長 そうしましたら、事務局、いかがですか。つまり標準的に6か月ではなくて、標準的には2.5あるいは3か月、そして6か月も推奨されるというような書きぶりの場合、そこは限定する必要はないのではないかという御意見です。
○吉川参与 ありがとうございます。
 Q&Aなどでお示しをするときには、ある程度目安があったほうが、長期間という考え方、捉え方に関しても、現場の先生方によってあるいは接種を受ける方によって少しずつ変わってくるところがありますので、おおむねこれくらいみたいなものでもあったほうが分かりやすいのではないかと考えているのですが、いかがでしょうか。
○脇田部会長 釜萢先生、お願いします。
○釜萢委員 現場の接種を担当する立場からすると、あまり細かく変わらないほうがありがたいなと思います。ですから、添付文書は今回のことで変更が必要なのかどうか分かりませんけれども、従来の添付文書の基本的なやり方が変わらないで接種が受けられるほうがいいなというのが、1つあります。
 それからもう一つは、海外のエビデンスとしては、その2回の接種が基本であって、その場合の間隔は6か月空けるんだということは、情報として特に医療機関には出しておいていただきたいと思いますけれども、今回はキャッチアップ接種という大変特殊なものであって、そして3年間の中になるべく円滑に接種が進捗することが求められますので、なるべく医療現場が今までのやり方を変えなくて済むほうが、私はありがたいなと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そのほかはいかがでしょうか。大丈夫ですか。
 川俣市長、お願いします。
○川俣委員 すみません。詳しいことは分からないのですけれども、単純に3か月から6か月という書き方ではまずいのでしょうか。3か月と2か月半とか、6か月という言葉ではなくてその範囲を持つというのではまずいのでしょうか。いかがでしょうか。
○脇田部会長 そこは多分2か月半から3か月以上の間隔をもってということになっていますので、そこから6か月までという意味で多分多屋先生は言われているのではなくて、2回接種の場合には6か月の間隔を置いて接種したほうが免疫原性がよいのではないかということですので、その間の間隔というとまたさらに様々なところが出てくるということだろうと思いますので、1回目が済んだ人だけそういった間隔を設定するというのもまたさらに難しいかなと思いますので、それを標準とするというのはなかなか難しいかなと私個人としては思います。ありがとうございます。
 今、様々な御意見をいただきましたけれども、つまり標準的な接種期間をなるべく踏襲するということが現場の混乱を考えてもいいだろうということが皆さんの御意見だったと思います。
 一方で、2回接種の場合においては、その6か月の間隔を置いているところがあるというところで、免疫原性を考えると1回目からかなり間隔があるので、そういったことも考慮して、2回目・3回目の接種で1回目からかなり間隔が空いている場合は接種を考慮してはどうかという宮入先生と多屋先生の御意見であります。ですから情報としてそれは提供するということで、特に強い推奨であるとかそれを標準とするということではなくて、あくまでほかの定期接種と同じ接種間隔で標準的にはやってください、ただしこういうやり方もありますので参考にしてくださいという形にしていただいて、あくまで参考ということですので、何年たったらこうやってくださいということを、あえてそこは書かなくてもよいのではないかと、皆さんの意見を聞いて、私としては大体そういうところでまとめてはどうかなと思いましたが、いかがですか。
 よろしいですかね。どうもありがとうございます。
 この論点についてはこのまとめにさせていただいて、白井先生からも先ほど少しあった論点は交互接種のところでまとめてやろうと思いますので、事務局、そういう形でお願いいたします。
○吉川参与 ありがとうございます。
 交互接種についての資料、続きを進めさせていただきます。
 22ページ目を御覧ください。現行のHPVワクチンの交互接種についての現在の取扱いでございます。添付文書ですと、互換性に関する安全性、免疫性、有効性のデータはないという書きぶりになっておりまして、定期接種実施要領に関しては、同一のものには同一のワクチンを使用することという取扱いを示されているところでございます。ただ、先ほどの議論と同様に、過去にワクチンを既に接種した方が、そのワクチンの種類が不明で、医療機関や自治体等から、原則は聞いていただく形で、判明する場合もあるかと思いますが、問い合わせた場合で情報が得られない場合に関しては、もしその方が中断していた接種を再開した場合、結果として以前と異なる接種の種類のワクチンが接種される、いわゆる交互接種の可能性があることから、こうした場合の取扱いについて検討が必要なのではないかと考えております。
 23ページ目でございます。参考として、B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチンの交互接種についての考え方を示しているものを出しております。いずれのワクチンに関しましても、有効性、安全性のエビデンスに基づいて、一定の要件の下で、ワクチンの交互接種が認められているという状況でございます。
 24ページ目、25ページ目に関して、エビデンスをお示ししているところでございまして、24ページ目は先ほどお示ししたものと全く同様でございまして、4価ワクチン2回接種3年後の3回目接種に関して、2価、4価に関して同等の免疫原性、安全性を有する可能性が示された。
 25ページ目でございます。フィジーの研究でございますが、15歳から19歳に関しましてスタディーを行ったものでございまして、4価ワクチンの最後の接種か6年後に2価ワクチンの追加接種を行った場合に関して、スタディーが行われております。4価ワクチン接種の6年後に2価ワクチンの接種を行う場合の免疫原性と安全性が示されているというデータでございます。
 26ページ目、これらのエビデンスをまとめまして、HPVワクチンの交互接種については、現在入手可能なエビデンスによれば、2価ワクチンと4価ワクチンの交互接種について、同一のワクチンを使用した場合と比較して、一定程度の免疫原性、安全性が示されたエビデンスが存在する。これらの研究に関しては、キャッチアップ接種の対象年齢よりも若年者が含まれていることや研究が小規模であることについても御留意いただく必要があると考えております。
 27ページ目、諸外国の取扱いについてでございますが、諸外国においては、以前に接種した種類のHPVワクチンが入手できない場合は不明な場合などについて、ほかの種類のHPVワクチンで接種の完了は可能としている。もちろん取扱いについて国によって少しずつ違いはありますが、大きくまとめるとこうした取扱いをしている形かとお示ししております。
 28ページ目、最後の論点でございます。サーバリックスまたはガーダシルのいずれか同一の製剤で接種を完了することが原則であることを示しつつ、過去に設置したワクチンの種類が不明で、医療機関や自治体等からどちらのワクチンを接種したかの情報を得られない場合については、中断していた接種の再開に当たって、医師と被接種当事者等がよく相談を行った上で、どちらのワクチンを接種しても、選択しても差し支えないこととしてはどうか。非常に限定的な場合に関して、交互接種のおそれがある可能性がある場合について、こうした考え方、取扱いがいいのではないかということを論点として示しております。ただし、既に1回のワクチンを接種している方が、上記の理由によってワクチンを2回目分として選択する場合に関しては、2回目と3回目の接種については同一のワクチンを用いることとしてはどうかということも併せて示しております。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 次に交互接種の論点であります。これも1回目・2回目でワクチンを打っていて、間隔が空いている場合に、同一の製剤でもちろん接種を完了させるということが原則だけれども、かつて接種したワクチンがどれだったか分からないという場合には、よく相談した上で、どちらのワクチンを選択してもよいと。ただし、1回目だけ終わっていて、2回目・3回目については同じワクチンを使っていただくということという論点ですが、こちらも委員の皆様から御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。
 多屋委員、お願いします。
○多屋委員 今、事務局から御紹介いただきましたように、1回も接種していない方の3回接種は同じ種類を用いる。1回だけ接種してあと残り2回の方は、同じ種類で2回を接種する。2回接種して、あと1回だけ残っている場合は、分からない場合は、どちらのワクチンでもよしとする。それが現場の運用としては良いのではないかと思いました。また、こういうことが起こると、毎回起こる問題なのですけれども、ぜひ自分の接種歴がいつでも分かるような仕組みをなるべく早く国としてつくっていただきたいなと思いました。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 接種歴がもちろん記録としてすぐに振り返られるということが非常にこういった場合にも重要だという御指摘です。
 そのほかはいかがですか。例えばこの交互接種が行われる場合に、安全性がそれほど懸念されるかというとそこはよく分からない面もありますので、何かしらフォローアップをちゃんとしたほうがいいのではないかというような御意見ももしあればと思いますが。
 白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。
 現実的に、原則として、同じワクチンということなのですけれども、今日はキャッチアップの話ですけれども、キャッチアップの場合に、2価がないのではないかという話もあると思うのですね。供給がどのように確保されるかによって、原則とは言いながら現実はそうではないのではないかという話になると、現場としてはもちろん医療機関の先生方としてもお困りになると思いますし、その辺の書きぶりというのもありますし、見通しがどうなるのかということを考えていただきたいなと思います。
 それと、予防接種について、自治体で、ワクチン接種歴とか、割と進んだところでは、台帳をIT化して、ワクチンの過去の接種状況が分かるようにしているところもありますが、そういうような仕組みがなかなかできていないというところもありますので、多屋先生がおっしゃったように、この機会ですから、これもどんどん進めていただきたい。国からも、ちゃんとシステムを入れていただくような話もしていただきたいなと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そもそも、2価も4価もきちんと供給がされるのかというところがある。それから、ワクチン接種歴の仕組みについては、多屋先生からもあったように、この基本方針部会としてもそういった仕組みを導入してほしいというのは多分皆さん同じ意見だと思いますので、それは要望しようということですね。
 坂元委員、お願いします。
○坂元委員 私もその接種歴というのを長期に何らかの形で保管し記録するというのは非常に重要なことだと思います。ただ、現実論として、今回のキャッチアップのときに、記録がないと言って、分からないという方と、もう1つ、打ったのは覚えているけれども、何だか分からない、つまり、しっかりしたその記録とか証明は持参できないという方がいた場合、これを自己申告で扱っていいのかという1つの問題があるかと思います。
 例えば、コロナワクチンの接種は、1回・2回の接種証明を持ってこなければ3回目はやらないという、かなり限定的な指示を出していますが、今回に限っては自己申告というものを受け付けるのか、そこの取扱いです。結構現場の先生方は口頭で言われてしまって困る場合もあると思いますので、そこら辺の取扱いはちゃんと決めておいたほうがいいだろうと思います。
 以上です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そのほかはよろしいですか。
 ありがとうございました。
 そうしましたら、今、白井委員からありました、原則としてと書き込むのであれば、きちんとそのワクチンの供給の見込みがあるのか、これは各自治体でちゃんと供給がされるのかということだと思いますが、それから、坂元委員からの論点としては自己申告をどう取り扱うかということがありますので、事務局、今のお考えを教えていただけますか。
○吉川参与 ありがとうございます。
 まず、供給の見通しについての御意見をいただきましたが、現在、サーバリックスに関しましては、供給制限を行っている関係上、サーバリックスとガーダシルを比較しますと、サーバリックスの供給本数あるいは接種本数が少なくなっている状態でございます。ただ、今回のキャッチアップ接種の開始に向けた議論のタイミングで、メーカーとも、必要な協議、情報連携などを行っておりまして、この供給の制限に関しまして、比較的早いタイミングで解除される方向であって、例えば、そのキャッチアップ接種の方がサーバリックスを打つ必要がある場合に関して、しっかり供給できるような体制を準備していただいていると伺っておりますので、その点について事務局として大きな懸念は持っていないところでございます。
 また、接種歴に関してしっかり分かるような仕組みを今後つくっていくということに関しましては、事務局としてもしっかり受け止めまして、今後の政策に生かすような形で議論を深めていきたいと思っております。
 ありがとうございます。
○脇田部会長 それから坂元委員からの自己申告をどう取り扱うかというところについて、現在、どういうお考えかを教えていただけますか。
○吉川参与 ありがとうございます。
 接種歴が不明な場合に関しましては、現在のところ予防接種室で、例えば、何回目から打ってくださいみたいなことを具体的な取扱いとして示しているところはございません。具体的にはその現場で、接種を行っていただく医療機関と、あるいは接種を受ける方との間で話し合っていただいて、最終的にどういうふうにするのがいいのか、御判断をいただいているところという認識をしております。
○脇田部会長 白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。
 2価と4価について、また供給していただくということだと思うのですけれども、キャッチアップの方は、もし4価ができるのだったら、カバーするウイルスが広いほうがいいと思う方もいらっしゃると思うのですね。それも産婦人科の先生方の中でも、今でも、9価があれば、そういうカバーするものが広いほうがいいと思われたときに、同じワクチンが原則ですといったときに、どちらを希望するかといったところの希望に添えるのか、それとも安全性がまだ分からないし、研究途上のところもありますので、そういう方については、フォローをしながら安全性も確保するとか、そういう研究や調査にも参加することで、交互接種の希望を認めるとか、そういう方法もあるのではと思います。2価を希望することが「原則」と書かれたら仕方がないなと思うかもしれませんけれども、本当は4価のほうがいいと思うような、医療機関もそうですけれども、そういうような印象を持ちますので、どうなのでしょうかということをお伝えしようと思いました。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そのほかはございますか。
 そういった希望、供給の問題というのではなくて、本人の希望で、2価を1回目で打ったのだけれども、2回目・3回目に関しては4価を打ちたいという希望があった場合にどうするかという取扱いも、何か今事務局のお考えはございますか。
○吉川参与 事務局です。
 今白井委員から御意見をいただいた接種を受ける方が希望した場合に交互接種を認めるかという話でございますが、先ほど脇田部会長から安全性という話もございましたけれども、今回お示ししたデータが2価と4価の交互接種のエビデンスでございますが、過去に示してきたHPVワクチンの多くのエビデンスと比べて、比較的エビデンスの対象となっている数、対象者の数、研究に参加している参加者の数あるいは日本国内のデータがないといったこともあって、ある程度限定的なデータではないかと考えております。そういったことも踏まえまして、今回に関して、交互接種を認める、あるいは交互接種の可能性を認めるものに関しては、非常に限定的なものとして事務局案としてお示しをしているところでございます。こうした限定的なデータを踏まえた上でどうするかに関しては、皆様に御審議いただきたいところでございますが、事務局案としましては、過去の接種の記録が分からない場合に限って、ひょっとしたら、交互接種になる可能性もあるけれども、ほかに代替手段がないためにこういった取扱いをしてはどうかという、非常に限られた部分に関して認めることとしてはどうかという御提案をさせていただいているところでございます。
○脇田部会長 そういう限定的な考え方で、交互接種のデータが少ないところで、ただ、初回に使ったものが分からないというような場合には選択することもあり得るということだろうということですね。ですから、希望によって、1回目は2価を使ったということが明らかであるのに4価を選べますよという形ではないと。今の考え方ではということですね。
 白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。
 その意味で、多分この接種をされる方々の年齢、キャッチアップの方々は、産婦人科だったり、内科だったりというような大人を対象とするような方々だと思いますし、産婦人科の先生方の中にも詳しい研究者もいらっしゃると思いますので、そういう方々の意見をまた助言としていただいて考えるということはいかがでしょうか。もちろんそれが調査や研究ベースになるかもしれませんけれども、御検討いただければと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 その点は、御意見として、事務局で検討していただくという形ですよね。そこは事務局にお願いをしたいと思います。
 それでは、今大体御意見いただいたのですけれども、交互接種に関しては、原則というか、事務局の御提案があったようなまとめ方で、さらに御意見はありますか。
 釜萢委員、お願いします。
○釜萢委員 交互接種については、今、おまとめいただいたので、賛成でございます。
 先ほどの白井委員から御指摘があった、年齢が上がった人もあるので、その間の感染をしている可能性がある方々は無意味ではないかという御指摘なのですけれども、現場ではそこまで接種の前に踏み込んでいろいろ対応するのは無理だと思いますね。お子さんを連れてきたりする場合にある程度お話ができるかもしれないけれども、セクシュアルデビューをなさいましたかとかいうのはとても聞ける話ではないので、仮に感染をしておる方にワクチンを打って非常に悪かったというエビデンスは今のところないわけですから、そういう意味では、無意味かもしれないけれども、希望する方には、今回の趣旨は、本来受けられる時期に受けられなかったということに対する救済という面でありますので、その辺りは不問にして扱わないのが私はよいと思いますが、いかがでしょうか。
○脇田部会長 白井委員、お願いします。
○白井委員 ありがとうございます。
 そういう意味で、なかなか問診ではセンシティブな問題で取りにくいと思いますので、自治体が勧奨するときにどのような表現で接種券を送るかとか、そういう案内をするかということを工夫したいなと思っています。もちろんその辺の配慮をしながら、関係性のあるような先生方のところで適切に接種していただくのは構わないと思いますけれども、また添付文書を見てみたら、授乳中の人に、妊娠中は避けるけれども、その後は接種してもいいみたいなことも書いてあるので、どういう意味で書いてあるのかなというのは、安全性だけを考えているのかもしれませんけれども、今回についてのエビデンスではないと思うのですが、サーバリックスとか、今、そういう使い方はもちろんしていないと思うのですけれども、添付文書にも、妊娠とか出産とかのことをあえて書いていない、対象者として除かないというところも、そういう現場のところでなかなか把握しにくいなということは分かりました。ただ、原則というか、意味をお伝えするということは、自治体の定期接種ですので、ある程度役目かなと思いましたので、そういうところは、事務局で、ある程度御指導いただければと思いました。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 それでは、今の白井委員からの御指摘のポイントですね。性交経験のある方、妊娠されている方、妊娠歴がある方も含めて、除外ということを打ち出すべきかという点に関しては、そういった情報提供をしっかりしていくべきではないかということは、各委員の皆様、同意していただけるとは思うのですけれども、現場でそういったことを除外してしまうというのはかなり難しいという釜萢委員からの御意見もありましたというところで、そこはキャッチアップの対象から除くということではなくて、情報をしっかり提供していただくということでよろしいのではないかということだと思います。
 先ほど平井委員から御提案があった、希望される方に対しての交互接種については、何らかの研究等を考えていただけないかというような御提案もありましたので、それは意見として事務局に考えていただくという形にしたいと思います。
 その上で、交互接種に関しては、この事務局の案で我々は了承するという形でよろしいですか。
 大きな反対はないと思いますので、それでは、こういった形でまとめますが、事務局、手が挙がっていますので、どうぞ。
○吉川参与 おまとめいただきましてどうもありがとうございます。
 念のため白井委員と釜萢委員から言及がございました性交渉歴あるいは妊娠歴・出産歴がある方に対しての接種に関してですが、11月15日の予防接種・ワクチン分科会のエビデンスでございますが、その中で、性交渉歴が既にあった群であっても、HPVワクチンの有効性は、もちろんない場合よりは劣る形でありますが、一定程度有効性があったということをエビデンスとして示しております。これはHPVワクチンの、例えば、4価のワクチンですと、6、11、16、18型のHPVウイルスに対しての予防効果がありますので、仮に性交を行っておりまして、その後、HPVの何かに感染が起きた場合であっても、そのワクチンがカバーするほかのタイプのウイルスに関しては予防効果がまだあろうかと思いますので、決してその妊娠・出産あるいは性交渉があった方に関してワクチンの有効性がゼロになるわけではないということは御確認をいただければと思います。その上で、先生方から御意見をいただきましたように、適切な情報提供ができるように我々としても準備を進めていきたいと思います。
○脇田部会長 池田委員、お願いします。
○池田委員 池田でございます。
 今の事務局の説明のとおりかと思いますが、諸外国のいろいろな研究などを見ても、費用対効果という観点からは、性交渉の経験がある方については劣るというのは事実かと思います。ただ、今回は非常に例外的な措置なので、今議論があったとおりのことで結構だと思います。しっかり情報提供をしていただくということで結構だと思います。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 それでは、このHPVワクチンの件は以上になりますが、よろしいですか。
 ありがとうございました。
 事務局では、この結論を踏まえまして、対応をしっかりとお願いいたします。
 それでは、次の議題に移ります。
 続きまして、ワクチンの開発状況についての御報告です。事務局から資料について説明をお願いいたします。
○阪口参与 それでは、事務局から資料2について御説明をさせていただきます。
 資料2の1ページ目を御覧ください。平成26年の厚生労働省の告示で、予防接種に関する基本的な計画というのを定めておりまして、その中で、開発優先度の高いワクチンというのを指定しております。本日、この開発優先度の高いワクチンの開発状況でアップデートのありましたものについて御報告をさせていただきます。開発優先の高いワクチンは、この表にあります5種類のワクチンと、下に書いてある帯状疱疹ワクチンの6種類になるのですけれども、本日はその中でMRワクチンを含む混合ワクチンとDPT-IPVワクチンを含む混合ワクチンの2種類について、御報告をさせていただきます。
 資料の2ページ目をお願いいたします。まず、MRワクチンなのですけれども、阪大微研のMRワクチンの培養細胞の変更がございます。これまではウズラの卵で培養していたものをヒト培養細胞に変えるという変更が今後予定をされております。これにつきましては、培養細胞が変更されても、製造されるMRワクチンの品質は基本的に同等という想定でございますので、このような変更があった後も引き続き定期接種の対象としてそのまま扱うという方向で、今、関係各局と調整をしております。次に、DPT-IPVを含む混合ワクチンなのですけれども、DPT-IPVにHibワクチンを足した5混ワクチンの開発が大分進んできております。KMバイオロジクスと阪大微研の2社から、今年の上半期に承認申請を行う可能性があるというところを、今、聞き取っております。これについて、5混ワクチンがそろそろ出てくるというところで、先生方に検討していただかないといけないという状況でございます。
 資料の3ページをお願いいたします。平成25年11月の研究開発及び生産・流通部会におきまして、この5混ワクチンを開発するに当たって、現状の4混ワクチンとHibワクチンで接種時期が違うけれどもどうするのかみたいな議論がございました。具体的には、4混ワクチンは生後3か月から接種開始、一方で、Hibワクチンは生後2か月から接種開始ということになっております。これについては、Hibワクチンに合わせて生後2か月から接種開始という方向で検討がなされているところでございます。
 これを受けまして、資料の4ページ目ですが、KMバイオロジクス、阪大微研ともに、生後2か月から接種を開始するというプロトコルで臨床試験をしておりまして、両者そういう開発で5混ワクチンを開発しております。
 資料の5ページ目をお願いいたします。今後、その5混ワクチンについて課題となりますのが、まず、これまで御説明しました、いつから接種を開始するかという話でございます。これは実は4混ワクチンにつきましても、例えば百日ぜきなどの対応をするために接種開始を早めたらいいのではないかという議論もこれまでされておりまして、それを含めて今回生後2か月への前倒しを行うかというところがまず論点になると思います。それから、下の段に参考というところで書かせていただいていますけれども、4混ワクチンとHibワクチンで、いろいろ接種の年齢だとか期間だとかという違いがございます。その辺りを、今度、5混ワクチンでどうするのかみたいなところが論点としてございます。4混ワクチンとHibワクチンの今の時代から5混ワクチンへ切り替えるに当たって、当然4混ワクチンで1回目の接種をされた方というのは基本的にはずっと4混ワクチンで、5混ワクチンに切り替えるときは1回目から切り替えるということなのだとは思うのですけれども、そうすると、それぞれの供給量とか、それから供給スケジュールとか、いろいろ調整がございますので、その辺りの調整をしていかないといけないということもございます。当然その5混ワクチンの定期接種化の可否、この辺りをこれから議論いただくことになると思っております。
 次に、資料の6ページをお願いいたします。今年の上半期に承認申請される可能性があるというところで、まだ時間としては大分ある状況ではあるのですけれども、先ほど御説明しました4混の接種開始時期ですね。生後2か月からの開始に前倒しするのかにつきまして、まずワクチン評価小委員会において先行して前倒しの可否を検討したいと考えております。これは5混ワクチンの臨床試験のところで4混ワクチンの生後2か月から開始したデータなども取得されていますので、その辺りのデータも踏まえて、ワクチン評価小委員会で議論をしていただこうと考えております。また、5混ワクチンが薬事承認された後、速やかにファクトシートを作成して定期接種化の可否を検討する必要がございますので、それは恐らく2023年に入ってからという形になると思うのですけれども、その辺りもワクチン評価小委員会で議論いただこうと考えております。
 説明は以上になります。
○脇田部会長 どうもありがとうございました。
 ただいま説明していただきましたけれども、何か御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。
 伊藤委員、多屋委員の順番でお願いいたします。
○伊藤委員 ありがとうございます。
 今までになく迅速に情報提供いただいて、生産・流通部会を担当いたしている者としては大変ありがたいと思っております。新たにワクチンができたものについて早く評価をしていただくことは、医療現場に対してはとても大切なことだと思います。できるだけ、発売されるタイミングで、マーケットで使えるように、迅速に対応していただいていることに感謝するとともに、今後も新型コロナのワクチンと同じようなぐらいのスピード感を持っていただければ大変ありがたいと思います。
 以上が意見です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 多屋委員、お願いします。
○多屋委員 2点あります。
 1つ目は、MRを含んだ混合ワクチンで、培養細胞がウズラからヒト細胞に変わるという話がありました。変わるヒト細胞というのは、これまでに国内で多くの使用実績がある細胞なのかどうか、もし分かりましたら教えてください。
 2点目ですけれども、ファクトシートについてです。これまで薬事承認されてから半年間という期間でファクトシートを求められてきました。ファクトシートをつくるには数百件の論文をレビューしまして、半年というかなり厳しいスケジュールで、感染研の各部のメンバーはつくっております。今回のように百日ぜき予防の観点を考えて早くの導入を求められているワクチンであるにもかかわらず、薬事承認から半年間の期間を待っていただけるものなのかどうか。6か月は遅いと考えるのであれば、薬事承認から6か月という考え方を前倒しするのであれば早めに決めていただいて、感染研でもファクトシートをつくる準備を始めなければいけないと思いますので、そこはいま一度確認をさせていただきたいと思いました。
 以上、2点です。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 中野委員、お願いいたします。
○中野部会長代理 ありがとうございます。
 さっき多屋委員がおっしゃったファクトシートは、本当に感染研の先生方をはじめとして、多大なご苦労があると思うのですが、今回お示しいただいた案というか、将来の方向性は非常にいい方向性で、1つは、生後2か月から百日ぜきのワクチンが打てるというのは、それで救われる子供たちが非常に増えます。それと、多価混合ワクチンが導入されるということは、子供たちの痛み負担、受診の回数が軽減されるとともに、接種の現場で医療安全の観点からも間違いが起こりにくくなると思います。もちろん、2か月からの百日ぜき、多価混合ワクチンの双方とも、有効性と安全性という大切なハードルをしっかり乗り越えてだと思いますけれども、私としては、この2つが早く導入されることを、極めて強く要望したいと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 そのほかはよろしいですか。
 宮入委員、お願いします。
○宮入委員 少し論点がずれているかもしれませんが、MRワクチンに関して、生産方法が変わった理由ということと、もう1つは、この5混ワクチンの評価項目、何をもって有効とするかということについて教えていただければと思います。
○脇田部会長 それでは、ここで事務局にお伺いしたいと思いますので、伊藤委員、中野委員からは御意見でした。多屋委員からは、MRワクチンのヒト細胞へ変更するのはどんな細胞か、宮入委員からは、生産方法、細胞の変更だと思いますけれども、これの理由を教えてほしいというところ、多屋委員からは、さらにファクトシートは薬事承認から半年でも大変なのですけれども、これを本当に半年間で待てますかと。さらに前倒しして準備を早める必要があるのではないですかというお話ですね。宮入委員から、5混ワクチンの評価項目というか、基準というか、その点で教えていただければと思います。事務局、お願いいたします。
○阪口参与 いろいろと御質問をありがとうございます。
 まず、伊藤先生からいただきました御意見なのですけれども、定期接種化のスケジュールとか、見通しがなかなか不透明で分からないという御意見が非常に業界からも寄せられている状況でございまして、今回モデルケースになるかなとは思ってはいるのですけれども、このように申請前の早い段階でございますけれども、先生方に情報を提供していき、いろいろなことを透明化していくということの一環でございますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 多屋先生からいただいたMRワクチンのヒト細胞なのですけれども、メーカーさんの機密情報でございまして、あまり細かいことは言えないのですけれども、一応事務局で過去のワクチンの製造に使われている細胞であることを確認しております。
 ファクトシートの期間についての御意見、ありがとうございます。恐らくこれについてのスケジュール感については、これから、ワクチン評価小委員会とか、いろいろな場で先生方と議論させていただきたいと思っておりますし、また実務上どのようにできるのかもあると思いますので、これから多屋先生に御相談させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 中野先生からいただいた5混ワクチンの早期の導入ということでございますけれども、それは結局これからのスケジュール感によると思いますので、そういう先生方の御意見も踏まえまして、スケジュールについてはこれから検討させていただきたいと思います。
 宮入先生からいただきました、まず、ウズラの卵からなぜ変わったのかというところでございますけれども、これは季節性インフルエンザでも同じ話なのですけれども、鳥の卵を集めるというのは相当に大変な手間がかかっている状況でございまして、その手間を少なくするというところから培養細胞に変更したというようなところを聞いてございます。
 5混ワクチンの評価項目なのですけれども、これは申請前ですので、なかなかこれもお答えが難しいところなのですけれども、例えば、4混ワクチンにつきましては、抗体価でそれぞれ3混+単味のポリオを同時接種したものと比べているというようなことをしてございますので5混ワクチンも同じような考え方でこれから評価されることになると考えております。
 以上でございます。
○脇田部会長 どうもありがとうございます。
 そのほかはよろしいですか。
 それでは、今日御提示いただきましたワクチンの今後の進め方については、まずは小委員会でも議論をしていただくということだと思いますので、またよろしくお願いいたします。この4混ワクチンの接種の開始時期の変更、5混ワクチンの定期化の可否というのも、まずは小委員会での対応をお願いします。
 それでは、これで以上になりますけれども、委員の皆様から何かございますか。
 それでは、事務局からはいかがでしょうか。何かそのほかにありますか。
○大塚予防接種室長補佐 本日は活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
 次回の開催につきましては、追って御連絡をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
○脇田部会長 ありがとうございます。
 それでは、本日の会議はこれで終了したいと思います。
 今日も活発な御意見をいただきまして、ありがとうございました。