第5回健康・医療・介護情報利活用検討会医療情報ネットワークの基盤に関するWG議事録

日時

令和4年11月28日(月)16:30~18:30

場所

Web開催
(事務局のみTKP新橋カンファレンスセンターカンファレンスルーム15B)

出席者

構成員(五十音順、敬称略)
伊藤 悦郎
大道 道大
木倉 敬之
中島 直樹(主査)
長島 公之
古川 裕子
松田 晋哉 ※途中参加
松村 泰志
宮田 裕章
山口 武之
横尾 俊彦
渡邊 大記
 
代理出席(五十音順、敬称略)
岡田 英樹 代理人
小形 正樹 代理人
川村 弘 代理人
 
オブザーバー(敬称略)
厚生労働省保険局
デジタル庁
社会保険診療報酬支払基金
国民健康保険中央会

議題

  1. (1)全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための基盤について
  2. (2)その他

議事

議事内容
○髙田専門官 事務局でございます。定刻になりましたので、ただいまより、第5回「健康・医療・介護情報利活用検討会 医療情報ネットワークの基盤に関するワーキンググループ」を開催いたします。
 構成員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、本ワーキンググループに御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
 本日は新型コロナウイルス感染症対策の観点から、オンラインによる開催とし、一報道関係者や傍聴希望者に関しては事前に御案内しましたYouTubeから傍聴しております。また、正確な議事録作成や御意見を承ったときの御意見等の整理を事務局等で行うために録画させていただくことも御承知おきください。
 会議中、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、中島主査の指名を受けてから、マイクのミュートを解除し御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いいたします。
 まず初めに、新たな構成員の御紹介をさせていただきます。2022年5月17日に開催されました、本ワーキンググループの親会に当たります「健康・医療・介護情報利活用検討会」におきまして、今後検討に当たって構成員の見直しを行うこととしていましたとおり、本日より新たに8名の構成員に御参画いただくことになりました。
 参考資料1の開催要綱の別紙に沿って御紹介させていただきますので、一言御挨拶をお願いいたします。
 健康保険組合連合会、伊藤悦郎構成員です。
○伊藤構成員 健保連の伊藤でございます。よろしくお願いいたします。
○髙田専門官 日本病院会、大道道大構成員です。
○大道構成員 大道でございます。よろしくお願いします。
○髙田専門官 全国市長会、岡﨑誠也構成員です。
○川村代理人 すみません。市長の出席がかないませんで、私、代理の川村と申します。よろしくお願いいたします。
○髙田専門官 全国健康保険協会、木倉敬之構成員です。
○木倉構成員 協会けんぽの木倉です。よろしくお願いいたします。
○髙田専門官 全国知事会、齋藤元彦構成員です。
○岡田代理人 兵庫県の齋藤知事の代理でございます、保健医療部の岡田といいます。よろしくお願いいたします。
○髙田専門官 全国町村会、船橋茂久構成員です。
○小形代理人 こんばんは。私、船橋町長が公務のため出席できませんので、地元にあります国民健康保険平内中央病院で事務局長をしております小形でございます。よろしくお願いします。
○髙田専門官 認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOML、古川裕子構成員です。
○古川構成員 COMLの古川と申します。よろしくお願いいたします。
○髙田専門官 全国後期高齢者医療広域連合協議会、横尾俊彦構成員です。
○横尾構成員 横尾でございます。お世話になります。よろしくお願いします。
○髙田専門官 次に、本日の構成員の出欠状況について申し上げます。
 本日は、宍戸構成員、高倉構成員より、御欠席の御連絡をいただいております。また、渡邊構成員より、遅れての御参加と御連絡をいただいております。
 次に、資料の確認をさせていただきます。
 議事次第、資料1-1から資料1-4及び参考資料1の計6点を事前にメールで送付しておりますので、ウェブ画面の画面上見えにくいときなどございましたら、当該資料をお手元で御覧ください。
 事務局からは以上となります。
 それでは、以降の議事進行につきまして、中島主査にお願いいたします。
○中島主査 九州大学病院の中島でございます。よろしくお願いいたします。
 今年も残すところ、あと1か月ほどとなりましたけれども、慌ただしい中、御参加いただきましてありがとうございます。それから、今日から様々なステークホルダーの皆様に参加いただきまして大変心強く思っております。
 また、前回が5月だったと思うのですけれども、その後に「骨太の方針2022」でオンライン資格確認ネットワーク基盤、オンライン資格確認システムの原則義務化、あるいは全国医療情報プラットフォームの創設などが明記されまして、また、その後には、10月には医療DX推進本部を政府はつくるというふうに、強力にこの会議体の内容について実現の方向に進めていただいているということで、これもまた心強く思っています。ぜひ今日はよろしくお願いいたします。
 それでは、早速、議事を進めたいと思います。
 議事の「(1)全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための基盤について」として、まずは資料1-1「これまでの経緯と本日の議題について」に基づいて、事務局から御説明をよろしくお願いします。
○髙田専門官 よろしくお願いいたします。では、事務局より御説明いたします。
 まず、資料1-1「これまでの経緯と本日の議題について」を説明させていただきます。
 こちらの基盤ワーキンググループにおきましては、このデータヘルス改革に関する工程表に基づき進めております、医療機関間における情報共有を可能にするための電子カルテ情報等の標準化の内容に関して、この矢羽根の内容に関して進めているところでございます。全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための基盤の在り方をデジタル庁とともに調査検討し、結論を得る。また、主体、費用、オンライン資格確認等システムや政府共通基盤との関係、運用開始時期、医療情報の保護と利活用に関する法制度の在り方などが挙げられています。
 こちらは、基盤ワーキンググループをどのように進めるのかに関しまして、第1回目で出させていただいた資料となっております。こちらは利活用検討会の下に設置されておりまして、下部の赤枠で囲っております「本ワーキンググループでは、データヘルス改革に関する工程表に従って、医療情報ネットワークの基盤のあり方(主体、費用、オンライン資格確認等システムや政府共通基盤との関係、運用開始時期等)及び技術的な要件について、令和4年度までに調査検討し、関係審議会に報告等を行いつつ、結論を得る」と記されております。
 次に、こちらは医療部会でも出させていただいた資料となっております。現在、利活用検討会の下に2つのワーキンググループがございまして、どのように進めていくのかに関してこちらでお示ししております。現状の課題として、FHIR準拠の文書を共有するための情報基盤の整理、共有すべき情報の整理、電子カルテの普及などが挙げられております。これらを検討していくために、健康・医療・介護情報利活用検討会、下記ワーキンググループでの検討を指示・了承を得ております。まず、厚生労働省標準規格の情報拡充の計画策定におきましては医療等情報利活用ワーキンググループで進めさせていただく。一方で、こちらの基盤に関するワーキンググループに関しましては情報基盤の基本的な仕組み、ガバメントクラウドの活用。また、規格化及びコードの維持管理等の体制整備、情報化支援基金の要綱等に関して議論を進めていくとなっております。
 こちらは利活用検討会でお示しさせていただいた資料でございますが、電子レセプト、電子カルテ、電子処方箋などに関しまして、オンライン資格確認等システムネットワークで進める方向で検討している状況でございます。
 こちらを考えられる実装方法としてお示しさせていただいておりますのがこちらの図となっております。まず、左下の医療機関等から電子カルテ情報の登録を行いまして、こちらのオンライン資格確認等システムネットワーク中の電子カルテ情報交換サービス(仮称)に文書発行の都度、登録する形を想定しております。そして、右側の医療機関等で、本人同意の下、こちらは目視の同意なども含めた形で、そちらで閲覧する。そういった形の実装方法を考えているところでございます。
 ここで、前回、5月の基盤ワーキンググループより医療DXのほう、先ほど中島主査からもお示ししていただいたように、データヘルス改革に加えまして「医療DXの取組」と合わせた議論が必要となった状況がございます。
 こちらは令和4年6月7日に閣議決定されました「経済財政運営と改革の基本方針2022」において、全国医療情報プラットフォームの創設、電子カルテ情報の標準化等及び診療報酬改定に関するDXの取組を行政と関係業界が一丸となって進める方向が明記されました。
 そのため、総理を本部長とし「医療DX推進本部」が10月に設置されまして、来春に工程表を策定すること、当該工程表に沿った計画的な取組を推進することが総理から示されたところでございます。
 そこで、厚生労働省内におきましては厚生労働大臣をチーム長としまして「医療DX令和ビジョン2030厚生労働省推進チーム」を設置しまして「電子カルテ・医療情報基盤」タスクフォース等にて整理を行うこととなりました。
 そういった中で、全国医療情報プラットフォームの創設につきましては、既に整備が進んでいるオンライン資格確認等システムの拡充によって実現するとされており、今後、電子カルテ情報の共有の仕組みの検討と連携して進めていく必要があると考えております。
 こちらが第1回医療DX推進本部で示された資料となっております。PHRのさらなる推進、オンライン資格確認等システムの拡充、電子カルテ情報の標準化等に関して明記されております。
 そこで、これらも踏まえた電子カルテ情報を共有できる仕組みの実装方法ということでこちらの資料を提案させていただいております。先ほどの青の矢印に加えまして緑の矢印を追加させていただいております。こちらの意図としましては、オンライン資格確認等システムネットワークの中で電子カルテ情報交換サービス(仮称)とオンライン資格確認等システムの間を連携することで、後に示します6情報に関して、こちらは右側の全国の医療機関等で、本人同意の下で確認できる。また、こちらは右下の部分のマイナポータルを通して患者さんが確認できる。そういったシステムを検討したいというところでございます。
 そこで、先ほどの図の青線を上段に、緑線を下段に、運用全体概要とその利点に関して整理させていただいたスライドとなっております。
 こちらは左上から、情報を出す側として、連携元医療機関等におきましては、今回、このシステムを導入することで、印刷・郵送の手間・コスト削減、文書情報の偽造・再利用防止などに資するものと考えております。
 そういった文書情報・発行形態を電子カルテ情報交換サービス(仮称)に登録することで、こちらは右上に行きまして、連携先医療機関等におきましては、事務作業及び電子カルテ等への記載の省力化、文書情報の紛失・持参忘れ防止、また、重複検査等の防止などにも資するのではないかと考えております。
 さらに下段に移りまして、先ほどの緑のラインでお示しいたしました、全国の医療機関等で、本人同意の下、情報を確認することで、正確な患者情報の把握により、適切な医療サービスを受けることができるのではないか。また、マイナポータルを通して個人に電子カルテ情報を閲覧することが可能になることで、そういった医療情報が身近になるとともに、医療機関での問診における情報確認の手間削減などにもつながっていくのではないかと考えております。
 そういったところに向けて、本日、議題として3点挙げさせていただいております。
 まず1点目が、3文書6情報、文書情報及び電子カルテ情報の閲覧対象について、誰がどこまで確認できる閲覧対象としてよいのかという点に関してがまず1点。
 次に、電子カルテ情報の提供の仕方に関わる議論として、このサービスの位置づけというところで、その内容に対して、どこに情報を蓄積していくべきかという点。
 また、冒頭にお示しいたしました内容を整理するために、今後の進め方をどのようにするのかという点に関して本日の議題とさせていただきたく存じます。
 以上で資料1-1の説明を終わりとさせていただきます。
○中島主査 ありがとうございました。
 それでは、今日は今の振り返りと、そして、新しい提案が少し入っておりました。9ページの緑色のバーで「②」と書いていますが、そのあたりは新しいところですけれども、今のお話に関しまして、何か御質問、コメントなどがございましたらぜひよろしくお願いします。
 松村先生、どうぞ。
○松村構成員 よろしくお願いいたします。では、失礼いたします。
 まず、この我々が検討すべき医療情報ネットワークの基盤。これの目的について再確認したいのですけれども、今日、振り返りをちょうど出していただきましたので、その中で拾い集めると、まずは3ページ目の3つ目の「患者紹介や逆紹介時、専門医への照会時などでの医療情報の電子的なやりとりの他、各領域における患者レジストリの構築など、一次利用、二次利用で様々なニーズがある」。これに応えるための基盤をつくるのが一つですね。
 それから、8ページ目の図の上のカラムにも目的に値することが書いてあるのですが「誕生から現在までの生涯にわたる保健医療データが自分自身で一元的に把握可能となることにより、個人の健康増進に寄与」。こういうことを実現するための基盤をつくろうということでよろしいのですね。
 それで、そうだと理解してなのですが、そうすると3文書6情報という内容が出てきますけれども、一つが、患者レジストリに供するものをつくるというものが含まれていますが、そうだとするとこれだけでは足らなくて、症例報告書の情報が必要になると思うのです。電子症例報告書でいいと思うのですが、こういったものが必要になるということが一つ申し上げたいこと。
 それから、生涯にわたる記録を管理することが必要であれば当然、PHRのプラットフォームが必要になって、今日御提示された絵の中に交換サービスはあるのですけれども、いわゆる個人の記録をためるPHRプラットフォームの絵がないので、そこがなぜないのか。むしろ、そこをこの絵に書き加えて、その上でこの交換サービスがどう位置づけられるかという議論であれば比較的理解しやすいと思うのです。
 例えば小児の患者さんで先天性心疾患を患われて手術したケースがあったとすると、その小児のときの術式等の情報が非常に重要になってきて、それがその方が大人になって心不全になられたときに、小児のときにどういう先天性心疾患があって、どういう手術をしたかという記録が必要になります。
 こういったことに対応できるようにというふうに私はイメージしていたのですが、当然、そのためには生涯分の記録。これは内容的には退院時サマリーでいいと思うのですけれども、その退院時サマリーをきちんと管理するようなプラットフォームが必要だという理解になるのですが、かつその情報を参照するのはそういう情報を医療機関、例えば大人になって心不全で来られた患者さんを診る医療機関はその情報を参照したいわけで、そうすると交換サービスでなくて、そのプラットフォームから直接、そのデータを取得する流れになるはずであって、これはプラットフォームの絵がないものだから、この交換サービスから直接、絵が伸びていますけれども、これはこれでおかしいのではないかと思います。これがまず第1点。
 それから、ネットワークのことなのですけれども、これは最初にデジタルガバメント実行計画があって、それに沿ってやりますというお話があって、しかし、いわゆるオンライン資格確認のネットワークを使いますという話があるのですよ。そのオンライン資格確認のネットワークはどういうものを指しているのかがもう少し明確にならないと、いいのか悪いのかという判断ができない。
 現状では、いわゆる支払基金が持っているデータを参照するモデルですから、もともとあるデータをセキュアにデータ参照するものですね。これにオンライン資格確認システムを使われる。これはいいのですが、今回やろうとしているのは各医療機関が持っている情報をそちらの交換サービスに上げるというアップロードのネットワークをつくろうとしているわけですね。だから、全然違う要件が必要だということで、当然、これだけたくさんの医療機関があって、その中でハッキングされている病院もあることを前提にこの基盤を守らないといけないのだけれども、そのためにどういう仕掛けで守るのだという議論が全くないのです。だから、やはりここは本当に大事な情報を預ける仕掛けなので、きっちりと専門家を交えて、どういう仕掛けが必要だということを議論しないといけないと思います。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 事務局から、まずは目的に合っているかどうか。レジストリなどの要件が入っているので、それから、もう一つは、この電子カルテ情報交換サービス(仮称)は書いているけれども、そういう基盤がない。生涯、データをためるような基盤がないこと。
 さらには、2つ目は、このネットワーク基盤、この要件についてという質問だったと思います。
 いかがでしょうか。事務局からお答えいただけますか。
○田中参事官 御意見ありがとうございました。事務局でございます。
 1点目、目的につきましては先生御指摘のとおりと考えております。
 まず、3ページの3つ目のポツについてとPHRの基盤でございますが、まさにこのワーキンググループ立ち上げのときは、電子カルテ情報を医療機関間でどのようにやり取りするか、その基盤をどのようにつくるかというデータヘルス改革工程表にのっとった流れの中でワーキンググループが開催されたところでございます。
 一方で、この6月の新しく全国医療情報プラットフォームの創設等の医療DXの推進が明示的に政府から示されたところでございまして、まさにPHRとの連携みたいな話はこの6月に明示的に出てきたと我々の中では認識しています。ただ、それを踏まえて、今回、PHRとの連携を実際にこのネットワークでどのように実現していくかが課題になっているということで、今までの議論よりもさらに一歩、対象としてPHRも含めた基盤として議論していく必要をお示ししたところで、目的等については先生の御認識で齟齬はございません。
 また、一次利用、二次利用で様々なニーズがあることは理解しています。一方で、二次利用をどこまでこの基盤ワーキンググループの中で詳細を設計して議論するかはまだ明確になっていないところがございます。まずは一次利用で、医療機関間でやり取りする、有効な情報をやり取りしましょうという話やPHRの基盤で、さらに二次利用をするためにはどのような、今、先生からおっしゃったのは、さらに情報が必要で、電子的な症例報告の書式なども必要になるということでございましたので、その認識はあります。
 一方で、それを、具体をここで議論するかと言われると、そこまでのスコープでは今回の今年度にまとめる中には二次利用の具体的なところまではスコープに入っていないということを御説明させていただきたいと思います。
 それから、プラットフォームがどういうものなのかが2つ目かなと思っているのですが、まさに生まれてから亡くなるまでの間の情報を、国民全員の情報を1か所にまとめるのが本当にプラットフォームとしてコストも含めてリーズナブルなのかがまさに議論だと思っています。御指摘のあったオンライン資格確認は支払基金、国保中央会が持っているデータを参照するというもので、今、オンライン資格確認のシステムが動き出す。そして、来年1月には、電子処方箋の運用を開始し、3年間のデータを閲覧できるような仕組みとします。
 電子処方箋は支払基金、国保中央会にデータを集めて確認・閲覧できるようにしていく話ですが、電子カルテの情報は、それを全てやることは費用を含めて現実的かというところをまさに御議論いただきたい点と考えています。各医療機関が持っている情報をアップロードして見るところでも全く違う条件ですので、その点につきましてはこの後の議事でも取扱いをさせていただき御説明させていただきたいと思います。
 ハッキングされている可能性がある医療機関の情報をどのようにセキュアにということは、この医療DXを進めるに当たって同じように両輪で議論しないといけないということでございますので、まさにこのワーキンググループの中にはそういったセキュリティの専門家の先生方もいらっしゃると認識していますので、どのような観点でセキュリティを担保するために仕組みを考えていかなければならないかはぜひ今後御議論いただきたい内容と考えています。
 御指摘の点について、3点いただきましたが、回答になっているでしょうか。追加で何かございましたら御意見をいただければと思います。
○松村構成員 ありがとうございます。
 私が申し上げたかったのは、全てを国がやることに限定するわけではなくて、民間も含めて日本としてどういう仕組みをつくるべきかを今、議論しているのかと認識しておりますので、費用の面でどうだということは次のステップにして、まず日本としてどういう大きなアウトライン、プラットフォームをつくるのか。これは自民党も何かプラットフォームをつくるということを言っていますので、その中でこの絵の中にないのもいかがなのかと思うので、国民全体としてこういうものをつくるということまでをしっかり書くべきではないかというのが私の意見です。
○中島主査 どうもありがとうございます。
 ちょっと参加者も多いし、時間も限られていますので、少し短めによろしくお願いいたします。
 では、医師会の長島先生、よろしくお願いします。
○長島構成員 長島です。
 今も御指摘がありましたけれども、このワーキンググループ及び本日の議題の射程範囲をもう少し明確にしていただかないと恐らく収拾がつかなくなってしまうと思うので、根本的なところまでやったら最初から議論がやり直しになってしまうので、そこのところを事務局は明確にしていただきたいと思います。
 その上で言うと、例えば拡張性とか将来性は当然確保すべきで、拡張性・将来性は例えば二次利用であったり3文書6情報を超える、例えばもっと広範囲の電子カルテの情報であったりPHRだったりするけれども、それを今日議論するのか。そうではなくて、基本的な考え方としてそのような拡張性とか将来性も担保しておくべきだということでいいのか。
 それから、この状態で資料1-3にあるようなかなり具体的なシステムの話をしてもあまり意味がないと思いますので、ここのところはやはりそれに対する基本的な考え方を議論すべきではないか。
 その際、重要なのが、後で御説明のときにお願いしたいのですが、PUSH型とかPULL型という言葉が使ってありますが、これが情報提供側の医療機関。それから、間にある交換サービス。そして、情報閲覧側の医療機関。それぞれの立場にとって何がPUSHでPULLかが分かりにくいので、説明されるときにはここのところをできるだけ分かりやすい言葉で定義し直して御説明いただければと思います。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。拡張性のところまで話すかどうかです。
○田中参事官 ありがとうございます。
 まさに、すみません。事務局でも本日の議題をお示しさせていただいていますが、まずはこの3文書6情報を基盤に、電子カルテの情報をどのように共有するかにフォーカスを当てる。それで、まさに拡張性・将来性については二次利用も含めてどのように担保していくかを議論する場とお考えいただければと思います。
 また、基本的な考え方を示すべきということなのですが、なかなか基本的な考え方だけ議論するのが難しくて、今回、あくまでどのような形で提供するパターンがあるかみたいなものをより具体的にお示ししておりまして、ここですごく詳細なシステム設計について合意を取るものではございませんで、あくまで本日はこういう考え方もありますということをお示しして、セキュリティも含めて、専門家の先生方からそれぞれの御意見を、私どもでまずメリット・デメリットをまとめていますが、それに加えて、専門家の先生方のお立場でそれぞれに御意見をいただき、一番いい形、それから、リーズナブルなものは何なのか。それを踏まえて基本的な考え方みたいなことをお示しできればと考えております。
○中島主査 ありがとうございます。後での説明のときにPULL型、PUSH型も含めて、今日はまたさらにいろいろな背景の方が参加しておりますので、分かりやすい説明をぜひよろしくお願いします。
 では、この議題はもうお一人だけ、宮田先生、どうぞ。
○宮田構成員 宮田です。どうも、丁寧な説明ありがとうございました。
 このデータヘルスの前身でも提示されたPeOPLeという考え方、個人を軸にしながら分散型のシステムの中で情報を統合していくという、この流れの中にある構想でもあると考えていますし、その中で今回新たに加わった支払基金の中で、例えばそのデータを使ってつないでいくところも非常に前進があったと思います。
 一方で、そういうことを可能にしたのは、この支払基金が前回の調達の中でWeb APIを既に組み込んで、これが運用できるような下地をつくっていたのですよ。今回、特にこれから課題になってくるのは電子カルテそのものが、セキュリティもあるのですけれども、Web APIをたたけるような仕組みにまだなかなかなっていない。この調達も含めて、どういうスピード感で実現していくのか。
 例えば英国や米国、それぞれやり方は異なるのですけれども、結構短いスパンの中でこれを実現しつつある、あるいはある程度しているような状況にあると思うのですが、これはこの後の説明の中に出てくるのか、あるいは来週ということをさっきおっしゃられていたと思うのですけれども、特にこの電子カルテの構想だけではなくて、具体的にどういう期限の中で実現していくのかについて少し伺いたいのですが、いかがでしょうか。
○中島主査 事務局、期限などについて、この後の話に出てきますでしょうか。あるいはもし出てこないのだったら、今、お答えいただければと思います。
○田中参事官 御質問ありがとうございます。
 まさに先ほど少し御紹介させていただきました医療DXの、政府を本部にする医療DX推進本部の中で来春に工程表をお示しするとなっています。ここで工程表をお示しする内容は、電子カルテ情報の標準化等が一つの柱になっておりまして、まさに電子カルテの普及や標準的な電子カルテをどのように広げていくかということも含まれております。まさに先生から御指摘いただきましたWeb APIをどのように運用する下地をつくっていくかが非常に大きなところだと思っています。
 現在、それに対応できているのは一部の事例などを活用したところだと認識しておりますが、そういったものをどのように広げていくか、より具体的なスケジュールにつきましては来春を目途にお示しする。
○宮田構成員 来週ではなくて来春ですね。
○田中参事官 はい。来春です。来週ではありません。
○宮田構成員 もうちょっと長いですね。分かりました。
○田中参事官 すみません。来年の春頃になります。
 それまでにまさに必要な議論を、こういった検討会であるとか政府の会議などで課題を洗い出して、実際にどれぐらいのスピード感で進めることができるのかなど、ヒアリング等も含めて実施してまいりたいと考えております。
○宮田構成員 了解です。
 カルテの調達に一定の期間があるので、新規調達の案件に絡めた、いわゆる発注のところでうまく政府がレギュレーションをかけるというのか、コントロール、いわゆる発注側の臨床機関とともにそのあたりを調節することができれば十分な下地はつくれると思うので、そのあたり、ぜひスピード感の中で実現できるようなものになるといいなと思っています。
 以上です。
○田中参事官 ありがとうございます。
○中島主査 大変、活発・貴重な意見、ありがとうございました。
 では、時間もありますので、次に行きたいと思います。
 次に、資料1-2「文書情報(3文書)及び電子カルテ情報(6情報)の取扱について」に基づいて、事務局から御説明をよろしくお願いします。
○髙田専門官 では、続きまして、資料1-2の説明に移らせていただきます。「文書情報(3文書)及び電子カルテ情報(6情報)の取扱について」でございます。
 こちらに利活用検討会でお示しさせていただきました、電子カルテ情報及び交換方式の標準化に関するスライドを掲示させていただいております。
 まず「1.電子カルテ情報及び交換方式等の標準化の進め方」で現段階のステージのようなものをお示しさせていただいているところでございます。今までデータ交換を行うための規格を定めまして、交換する標準的なデータの項目、具体的な電子的仕様を定め、標準規格として採用可能かどうか審議の上、標準規格化を行ってまいりました。こちら、3文書に関しましては厚生労働省標準規格として令和4年3月に採択された状況でございます。現在、状況として、この④の標準化されたカルテ情報及び交換方式を備えた製品の開発をベンダーにおいて行うための決め事などを議論させていただいているという認識でございます。
 こちら、内容におきましては、2.にお示ししていますように、データ交換は、アプリケーション連携が非常に容易なHL7 FHIRの規格を用いてAPIで接続する仕組みをあらかじめ実装・稼働できることを検討する。また、具体的な内容としましては、以下の電子カルテ情報から標準化を進め、段階的に拡張するということで、電子カルテの医療情報として、傷病名、アレルギー情報、感染症情報、薬剤禁忌情報、検査情報、処方情報がまず3文書6情報の6情報と表現させていただいているところでございます。こちら、上記を踏まえました文書情報としまして、診療情報提供書、退院時サマリー、健康診断結果報告書の3文書に関してが現在、規格や項目となっております。
 健診結果報告書に関する取扱いに関してなのですが、こちらは別の審議会等で現時点で運用などが定められているところもございますので、健診結果情報に関しましては、情報発信源等の議論もございまして、HL7 FHIRの標準化を待たずして自治体間やマイナポータルとの情報連携が開始されているため、まずは他の2文書に関して議論を進めたいと考えております。
 そこで、その2文書と6情報に関して、現在の患者への交付・提供状況や医療機関等への提供状況に関してまとめさせていただいたのがこちらのスライドとなります。
 まず、診療情報提供書に関しましては、診療情報提供書を作成した医療機関等において、患者さんへ封をした状態で交付を行う。そして、その交付された文書を紹介先の医療機関等で患者さんが提供するという運用と理解しております。一方で、この退院時サマリーにつきましては、一部の医療機関ではそういった紹介先の医療機関へ診療情報提供書と併せて提供されている状況とは理解しておりますが、こちらに関しましても患者さんが閲覧することは想定されていない状況と理解しております。そこで、こういった各医療機関の判断に応じて、文書情報として紹介先医療機関等へ提供できるよう検討することが必要と考えております。
 一方、6情報に関しましては、今まで特段、それらを引き抜いてこういった患者さんや医療機関等へ提供しているという観点におきましては未提供な状況と理解しておりますので、患者及び全国の医療機関等において6情報を閲覧可能とできるよう検討することが必要と考えております。
 そちらを踏まえまして、今回、3文書6情報の閲覧範囲とのことで、6情報及び退院時サマリーの閲覧範囲に関して案として整理させていただいたのがこちらのスライドとなっております。
 今までの議論を踏まえまして、右側の対応の方向性に関して案としてお示しさせていただいております。こちらは左側から1番から6番に関しまして6情報の内容、また、その下に退院時サマリーの情報を付記して提示させていただいております。
 まず、傷病名に関してですけれども、今までの議論などを踏まえまして、患者への告知を前提として、閲覧できる仕組みを検討していく。ただ一方で、災害や救急時等に関しましては閲覧可能としたほうがいいのではないかとのことで、このような形で提案させていただいている状況でございます。
 2番から6番の情報に関しましては、感染症情報に関しましてやや機微な情報も含まれておりますので、情報の登録・閲覧時における患者本人の同意取得を前提として閲覧できる仕組みを検討してはどうかと整理させていただいております。
 最後に、退院時サマリーに関しまして、こちらは先ほどの整理にもございましたように、一部の医療機関で提供されていた状況で、閲覧可能な情報等を検討してはどうか。また、患者さん本人に関しましては、現時点では文書としての閲覧を想定していないところで、そういった整理としてこの表を作成させていただきました。
 こういった整理の方向性を含めて、様々な御意見などをいただけたらと考えております。
 こちらで資料1-2の説明を終わりとさせていただきます。
○中島主査 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関して、御質問などがございましたらお願いいたします。事務局からの回答については、ある程度まとめて回答をお願いしたいと思います。
○中島主査 それでは、日本医師会の長島先生、よろしくお願いします。
○長島構成員 情報に関して、閲覧範囲と患者さんの同意の関係ですけれども、現在、既に全国で活動している「ICTを利用した全国地域医療情報連携ネットワーク」ではどうかというものを毎年、日本医師会の日医総研で調査しています。それの最新版、2019・2020年度版から結果を御紹介しますが、患者さんの参加・同意方法。これは全部で262の地域から回答があって、一番多いのが、患者さんが受診する施設ごとに一つ一つ同意を得るもの。これが46%。2番目に多いのが、患者さんの同意があればそこに参加している施設全てで連携するもの。これが31%。3つ目が、参加施設リスト等を示して、その中で患者さんが連携先を複数、幾つでも指定できるもの。これが30%。4番目が、患者さんが受診する医師ごと。医療機関ではなくて、医師ごとに同意を得る。これが20%です。
 ただし、これは毎回、受診のために同意を取っているわけではなくて、大体1回取ると、その後、同意撤回の申出がない限り、それが継続するもの。また、この連携の範囲も、その地域で連携しているところなら既に大体、信頼関係ができているような医療機関の間で閲覧あるいは提供がされているところで、こういう状況があって、これは非常に参考になると思いますので、やはり既に活動している全国の地域医療連携ネットワークの状況のヒアリング、典型的なところとかうまくいっているところのヒアリングをぜひしていただければありがたいと思います。
 もう一つ、6情報のところで質が2つに分けられます。つまり、1から4までは比較的固定的な情報で、そう頻繁には変わらないものです。傷病名、アレルギー、感染症、薬剤禁忌で、一方、5番の検査情報と6番の処方情報は受診のたびに発生し得る、かなり頻繁に変わるものです。全く性質が違う。特に検査と処方は、その情報の収集は極めて恐らく困難になるだろうと想定されます。
 一方、1から4は、例えば診療情報提供書あるいは退院時サマリーをきちんと、それがどこにあるのか。1から6がどこに、どんなふうに記載されているのかと構造化していただいて、そこにしっかりと定型的に記載することでそこから収集も十分可能であるということなので、それぞれの情報の性質から考えるべきだろうと思います。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 それでは、まとめて御回答いただきたいと思います。
 続いて、松村先生、お願いします。
○松村構成員 大阪医療センターの松村です。ありがとうございます。
 まず1つ目ですが、診療情報提供書です。これは説明があったとおり、A医療機関からB医療機関のある診療科の先生に対して診療情報提供書を送ることを想定しているという理解でいいのですね。それがまず1点。つまり、誰が見るか分からないのだけれども、将来的に見る医師に対して送るのではなくて、特定の医師に送ることが前提であるということなのかを確認したかった。
 退院時サマリーなのですけれども、先ほど私が申し上げたとおり、PHRの一つの要素という位置づけも考えられるし、診療情報提供書の添付文書として退院時サマリーもあるという位置づけなのか。これで大分、話が変わってくると思うので、どちらなのか、分かるのであればはっきりさせたいと思います。
 もう一点、6情報なのですけれども、私はアレルギーと薬剤禁忌情報は非常に重要だと思っているのです。というのは、現状では患者さんを介してこういう情報を得るのですが、ある病院で薬をやって、その副作用、特にアレルギー反応があった場合に、それは非常に大事な情報なのですが、それを別の病院に行って、どの薬でどういう形で起こったかを正確に伝えられるかといって、なかなかそうはいかないのですけれども、それを知らずに同じ薬をまたやってしまうと非常に危険なことになるということで、やはりこの連携システムにおいてこの情報をしっかり伝えることは極めて意味があると思っております。
 そこで質問なのですけれども、これはアレルギー情報と薬剤禁忌情報が分かれているのですが、薬のアレルギーがある場合はどちらに入るのかがよく分からないということです。私だったら、これはアレルギー情報と薬剤禁忌情報を一緒にしてしまって整理するほうがいいのではないかと思います。
 それから、薬に関してですが、いわゆるある薬でアナフィラキシーを起こしてショックになりましたというケースもあれば、何か分からないのだけれども、発疹が出て、そのときに飲んでいた薬が幾つかあって、だけれども、薬疹かどうかも分からないし、仮に薬疹だとしても、どのお薬が原因だったかも分からないといったかなり曖昧なケースでの副作用もあるわけです。これが同じレベルで伝わってしまうと非常に医療的には混乱してしまうので、どれぐらいの確度のある、どれぐらいの症状が起こったのかも一つ、ある仕組みが欲しいと考えます。
 そういうことで、これは非常に重要な情報だし、これをやることは非常に今後の医療安全のためにも影響すると思いますので、しっかり研究班を立ち上げて、こういったことを議論すべきではないかと思います。ここの中ではテキストデータでやり取りしますと書いてあるのだけれども、それでは寂しいですし、もちろん、それを実現するのに時間がかかることになるので、当面はテキストデータでいいだろう。それも一つの結論なのですが、でも、目指すべき方向性としてはしっかり議論して医療安全に寄与するものになってほしいと思います。
 同じように、処方情報も実は最近、週1回とか月1回の休薬の薬があったりして、これが転院先にうまく伝わらずに毎日服用してえらいことになることがよく起こっているので、この処方情報も、特に用法に関する情報を正確に伝えることは極めて医療安全上重要なのですけれども、残念ながら用法の標準化。これは仕様は定まっているのですが、各医療機関で標準構造に変換することが行われていない実態がございますので、そこもどう広めていくかも含めて、何か研究班とかでしっかり議論していただけたらいいなと思っております。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 それでは、もうお一方御質問いただいてからお答えいただきたいと思います。
 古川様、よろしくお願いいたします。
○古川構成員 御説明ありがとうございます。大きく2つ御質問というか、御意見がございます。
 まず1つ目、患者の同意のパターンなのですけれども、最初に長島構成員からもお話がありましたとおり、やはり複数のパターンがあるのではないかと考えています。一括同意で、1つの同意で6情報を全ての医療機関に開示してしまうようなやり方よりも、やはり患者によっては部分的に、例えば傷病名であっても精神的な疾患とか開示したくない情報もあると思いますし、あとは開示する施設の範囲も利用する施設だけとかといったところもあるので、ある程度のパターンとかの部分同意のところも考慮したほうがいいのではないかといったところが1つ目です。
 あと、2つ目で考慮したほうがいいのかなと思うところが、閲覧者が医療者と患者本人で、やはりリテラシーの差があるので、開示の方法というか、開示の情報の差は設けるべきではないと思うのですけれども、開示方法とか、ある程度説明を設けるとかといったところでここは一つ工夫が必要ではないかと考えております。ここは何か方針とかがあったらお聞かせいただきたいところになります。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 ここまでで事務局から御回答をお願いします。
○田中参事官 ありがとうございました。
 まず、長島構成員からの御指摘、地連のヒアリングの御要望で、今後検討させていただきたいと思っております。
 それから、情報の性質をしっかりと分けるようにという御意見だったと思っておりますので、そちらも踏まえた上で今後の情報の閲覧の範囲等については議論させていただきたいと思います。
 また、松村構成員からは提供先、A病院からB病院、ある程度、医療機関を指定して送ることを前提としているのかという御意見だったかと思うのですが、今の実際の運用では担当者、先生みたいな宛先で、具体的な医師を指定しない、もしくは医療機関を指定しない形で診療情報提供書は扱われていると考えておりまして、実際の運用とのギャップみたいなところをどのように埋めていくのかは一つ、議論の要素としてあるのではないかと思っています。
 あと、退院時サマリーについては、PHRの要素としてというお話がございましたが、たしか、中島先生の研究班の中では、この退院時サマリーもPHRの要素として提供されていく方向で今、研究班のモデル的な取組が進んでいると承知しております。そういったところの実際の運用のお話なども含めてお伺いした上で、どのような要素を含めて、この退院時サマリーを扱っていくかは一つ、今後の議論の方向性としてあるだろうと思います。
 現状ではまさに医療機関間でやり取りする文書として退院時サマリーを位置づけていましたので、我々の資料のフォーカスとしては医療機関間を主体に議論させていただくような形に今のところはなっていますが、そういった取組の重要性とか必要性について、御意見があれば検討する余地はあると思っています。
 それから、6情報のうちのアレルギー、禁忌の情報について、これはアレルギー情報と薬剤禁忌情報をどうして分けているのかというところは、すみません。今、過去の経緯を含めて詳細が明確にお答えできませんので、これらの6情報を共有する議論は大分前から医療等情報利活用ワーキンググループという別のワーキンググループで議論されて、このような形になっていると承知しておりまして、そのような中でこれを分けた経緯については私どもで確認させていただきたいと思っております。すぐにお答えできずに大変申し訳ございません。
 また、古川構成員から御指摘のあった2つについては、同意のパターンにつきましては、まさに我々もどういう形で同意を取るかは情報によってやはり分けていかなくてはならないものがあるだろうと認識しております。
 ただ、実際に現場で物すごい数の同意を現場で取ることはやはり運用を含めてあまり現実的ではないだろうと思っていますので、現場の運用も含めて、同意の在り方についてはしっかりとした議論が必要ではないかと思っています。
 また、閲覧者の開示の方法や患者様への説明については、もちろん、丁寧に進めていくということで、引き続き方針を明確にしたいと考えております。
 いただいた質問については以上でございます。
○中島主査 ありがとうございます。
 それでは、この話題については、あとお二方、手が挙がっていますので、そのお二方について少し短めにお願いします。
 まずは、全国後期高齢者医療広域連合協議会の横尾構成員、よろしくお願いします。
○横尾構成員 全国後期高齢者医療広域連合協議会の会長をしています多久市長の横尾と申します。よろしくお願いいたします。
 全体にも関わることなのですけれども、今回のこの取組は今後のデジタル社会、デジタルガバナンスに非常に重要なことだと思っています。一人一人の国民にとって欠かすことのできない医療・健康情報に関する非常に集約されたカルテと、また、それに基づく様々な対応ということで注目しているところです。大いに前進してほしいと願っています。
 そういった意味では、今、厚生労働省を中心にこうやって当たっていただいているのですが、必要であるならば、日本はどっちかというと、この分野はまだ遅れて、後発組でスタートしたグループに入っていると思います。そういった意味では、先に進んでいる国々がどんなふうにやっているかを調べるのも一考があると思うのです。例えば明治維新のときに『米欧回覧実記』にまとめられた、米欧を訪問して国家マネジメントを学んできているわけですけれども、そういったことも片方でやらないともったいないというのが一点あります。
 また、データの活用はデジタル社会で非常に重要になりますけれども、データの活用等についてはいわゆるOSのベンダー、マイクロソフト、Google、アップルが主なところでありますが、こういったところは当然、こういうソリューションを持っていらっしゃるわけですよ。あるいは海外でのマネジメント、メディカルマネジメントも含めて対応されている経験があるわけですので、そういったところに率直にお聞きになるとか教示を仰ぐとか、そういったこともしながらやっていかないと、世界のトレンドとのギャップがならないようにしてほしいのが一つございます。
 2点目は具体的な話でありますが、この6情報については非常に私も注目していますし、特に薬剤禁忌については重要だと思っています。
 これは実際にあった例を紹介します。たまたま私どもの知っている方が健康管理のために漢方薬を処方されて飲んでおられました。ところがあるとき、体調が不調になっていたので、事務局で一緒に仕事をしていたのですが、そして、結果的に分かったことは、その漢方薬がいたずらをして、肺を石灰化してしまうことが起こってしまったのです。これはひょっとしたら高齢者の方は同じように漢方薬は体にいいかなと思って処方されて飲まれている方におそれがあると思いました。詳しい調査は調査権もないのでしていませんけれども、いわゆる表に出ている情報だけでの薬剤禁忌のみならず、そのような間接的、非直接的な禁忌になるような症状が起こることがあることを知ってしまいました。ぜひこういったより包含的な情報を集めていただいて、それは控えたほうがいい、そうしないと体に大変障るということも出していかないと大変なことになると思っています。
 その人の例で言いますと、実は体調を壊されて、急遽検査に行かれて、緊急入院になって、私どもに入った情報は、ひょっとしたら数か月かもしれませんという情報が入りました。たまたま年齢的にまだ60歳前でしたから回復して、今、事なきを得ていますけれども、そういった非常に難しいのだなということを思ったので、ぜひそういったことをお願いしたいと思っています。
 また、この3文書6情報については大変重要なことで、共有できるようにということなので、実際にお使いになる医師の先生方あるいは医療機関が非常に使いやすくて的確な医療ができるようにしてほしいと思います。そういった意味では、今後の議論を待たなければなりませんけれども、自分の体の検査をしていただいて、的確な医療を施していただいて、健康を回復する、あるいは手術とか何かに向かうときについてはやはり例外なく承諾してもらうようなことを前提に、書類の作成なのか、個人情報をオーケーとするのか、何かそういう工夫をしていかないと、一つ一つやるのは大変複雑で大変だなと、ほかの方からも出ていますが、その辺の工夫が一工夫必要なように感じています。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 海外の先進事例に関して、全くそのとおりでございます。去年の11月の第1回の会議のときに松田構成員からも海外事例の重要さは提起されておりました。
 もうお一方、宮田先生、よろしくお願いします。
○宮田構成員 よろしくお願いします。
 先ほどの構成員の方々からも同意についていろいろ御指摘がありましたが、全くそのとおりだと思います。
 もう一つは、やはりユーザーに対して、患者さんあるいは市民に対してデータが適切に使われていることを示していくことも非常に重要な方向なので、同意だけではなくて、このデータがどう活用されているのかだったり、あるいは透明性ですよ。誰がどのように活用したか。このプロセスを、全て透明化する必要はもちろんないのですけれども、開示できるようにする、あるいは透明性を担保する。こういったことが信頼をつくっていくことになるので、この同意の取り方とも併せて、このデータの活用方法、用途に関してもぜひ検討を進めていっていただければと思います。
 以上です。
○中島主査 事務局からお答えいただけますか。
○田中参事官 御指摘ありがとうございました。
 海外の取組につきましては、御指摘がございましたように、松田先生から第1回のときにも御指摘がありましたので、次回になるか、皆様に私どもで入手している情報等について、まとめたものになりますが、お示しをさせていただきたいと思います。各専門の先生方のほうがより詳しい内容を御存じのケースもあると思いますので、そういったものをたたきにして、いろいろと最新の海外の状況などについて皆様からも御意見をいただければと考えております。
 すみません。先ほど松村先生からあった点について回答できていなかったのが、研究班を立ち上げて、まさにどういった情報を今後、標準化、特に重要な情報と考えている薬剤禁忌の情報やアレルギーの情報をどのようにデータを標準化していくかという御意見があったかと思いますが、既に厚労科研の中で一部はそういった取組を進めているところでございますので、そういった厚労科研の現状の取組についても併せてお示しさせていただき、今後、必要なことについて、また改めて御意見をいただく場を設けたいと思います。
 それから、宮田先生から御指摘のありました点はまさに先ほどの古川様からの御意見と同じと思っておりまして、患者様が自分のデータを誰が見たか分からないとか、そういうことではなくて、まさにきちんとそういったことを確認できる仕組みをどのように担保するかは非常にデータ利活用を進める上で重要なものと承知しております。そういった仕組みをどこで担保していくか。例えばマイナポータルで確認できるようにするのかとか、そういったことを、具体的なことは今後検討しますが、そういった姿を目指していくのは我々としても同じ考えで、実装をどうしていくかは今後引き続きの検討になりますが、目指すべきところとしてはそういった仕組みが必要だという認識ではございます。
 海外でもそういった仕組みを入れることで、例えば患者さんの同意プロセスを少なくしていくとか、そういった取組が行われているものと承知していますので、そういったものも参考にしながら、ぜひ我が国ではどういうふうにやっていくのかも併せて御意見をいただきたいと考えています。
 事務局からは以上でございます。
○中島主査 大変貴重な御意見、それから、御回答ありがとうございました。
 スケジュールが押していますので、次に進めたいと思います。
 次に、資料1-3「電子カルテ情報の提供の仕方について(案)」に基づいて、事務局から御説明をよろしくお願いします。
○髙田専門官 では、引き続き、資料1-3に関しまして御説明させていただきます。「電子カルテ情報の提供の仕方について(案)」で、まず、どこにデータを蓄積するのか。そういった考えの大枠に関して議論させていただきたいと考えております。
 まず、その大枠を考えていくに当たりまして、利活用の観点からそういった電子カルテ情報に係る議論を進めていきたいところで、一例として救急・災害時等の電子カルテ情報の利活用に関して御説明させていただきます。
 こちらは救急・災害時等の電子カルテ情報の利活用に関してで、まず、上段になります。現状に関してですけれども、救急・災害時等におかれましては、診察時に患者さんのこれまでの電子カルテ情報も閲覧できない状況であったところと理解しております。ただ、今回、こちらのシステムを導入することで、そういった救急・災害時等に関しまして、こちらは下段の右側にございます電子カルテ情報交換サービス(仮称)から例えば電子カルテ情報などを取得することで、患者さんのこれまでの病歴等々に関しまして、患者さんのこれまでの電子カルテ情報を確認しながら診察ができるところが実現できるのではないかと考えております。
 一方でこういった、例えば救急・災害時等の利活用を考慮した場合には、電子カルテ情報交換サービス(仮称)には、レスポンス等の観点もございますが、一定期間の電子カルテ情報の蓄積が必要ではないかと考えられます。
 こういったことを念頭に、電子カルテ情報の提供の仕方に係る議論として、今回、案をまとめさせていただいております。
 まず、先ほど長島先生から御指摘もございましたPUSH/PULLに関する御説明をさせていただこうと思います。
 こちら、上段には「PUSH型」と表現させていただいておりまして、下段に関しては「PULL型」と表現しているものを図示させていただいている状況でございます。
 まず、左側に関しまして、こちらが医療情報を提供する側、真ん中に関しましては電子カルテ情報交換サービス(仮称)に関しまして、右側に関しましては閲覧医療機関や国民など情報を確認する。そういったところで図をつくらせていただいております。先ほど御指摘もありましたPUSH/PULLの表現なのですけれども、閲覧する側に関しましては、そういった視点ではどちらに関しましてもPULL型という表現になるのかもしれないのですが、現状、このように整理させていただいている状況でございます。
 まず、上段の説明をさせていただきます。こちらは左側から提供医療機関が例えば診察時など、そういったタイミングで定期的に電子カルテ情報を真ん中の電子カルテ情報交換サービス(仮称)に提供する。そこで電子カルテ情報交換サービス(仮称)でのデータ蓄積を行いまして、右側の閲覧医療機関や国民に関しましてはそちらの情報を確認しにいくといった形で考えております。
 下段の「PULL型」と表現させていただいているものに関しましては、真ん中の電子カルテ情報交換サービス(仮称)に関しましては提供医療機関を特定する機能を持つといったところで、右側の閲覧医療機関やマイナポータルからの依頼が情報取得のトリガーとなりまして、こちらは提供医療機関を特定し、提供医療機関からデータを取得しまして、医療機関やマイナポータルを通してそちらの情報を確認する仕組みを考えてございます。
 ここでどういった情報に関しまして上記のPUSH/PULL形式で扱うのかの方向性に関して御意見を伺いまして、基盤の運用主体や費用等の詳細に関する議論を進めたいと考えております。
 時間もございますので、簡潔にこれからの4枚のスライドに関しては説明させていただけたらと思っております。
 まず、こちらは文書情報のPUSH型と呼んでいるものに関しまして、現在、我々が想定している運用を記載させていただいた図となっております。
 青のほうから、紹介元医療機関に関しましては、文書情報に関してFHIR化を行った後、真ん中の電子カルテ情報交換サービス(仮称)のデータベースに蓄積する。患者さんに関しましては、引換番号等を取得しまして、右側の紹介先医療機関等で提示。そして、紹介先の医療機関等では患者さんの被保番や引換番号等のキー情報を確認しまして、電子カルテ情報交換サービス(仮称)から、緑の③になります文書情報を取得し、緑の⑤になります電子カルテへ取り込んで確認する。こういった運用を考えているところでございます。
 次に、PULL型に関してですけれども、こちらのほう、まず、青のラインから、電子カルテ等で文書情報を出力しまして、FHIR化された情報を紹介元の医療機関内で蓄積する。患者さんにおかれましては、引換番号等を取得しまして、右側の紹介先医療機関等で提示を行いまして、被保番や引換番号等の患者キー情報と取得先の確認をする。そして、真ん中になります電子カルテ情報交換サービス(仮称)では文書情報取得先のIPアドレスを確認しまして、そちらの紹介元の医療機関に文書情報をリポジトリから取得を行い、右側、紹介先医療機関等で電子カルテへその情報を取り込む。そういった運用を想定しております。
 続きまして、6情報に関しまして、こちらは必ずしも患者さんの受診がトリガーにならないところで、今までとは絵を分けて考えております。それ以外に関しましては同様でして、被参照医療機関におきましては、FHIR化した6情報を真ん中の電子カルテ情報交換サービス(仮称)のデータベースに蓄積する。参照医療機関に関しましては、被保番をキー情報としまして、電子カルテ情報交換サービス(仮称)から6情報を取得し、電子カルテへ取り込む運用を考えております。
 最後に、6情報のPULL型に関しまして、こちらは青の矢印、被参照医療機関におかれましては、事前に6情報を出力し、FHIR化をしておきまして、右側の参照医療機関が患者さんの被保番をキー情報としまして、IPアドレスを確認した後、そこにある情報を電子カルテへ取り込みまたは閲覧する図となっております。
 こちらを整理する方向性についてまとめさせていただきまして、御提案させていただいているのがこちらのスライドとなっております。PUSH型/PULL型に関しまして、費用の観点とか同意取得の観点、レスポンスやセキュリティなどの観点などがございますが、現時点で下の青枠に示しております運用を提案させていただけたらと思っております。
 まず、診療情報提供書に関しましては電子カルテ情報交換サービス(仮称)に蓄積し、連携先閲覧医療機関に関しましては、そちらから文書情報を取得してはどうか。つまり、まずは先ほどの図でお示ししたPUSH型で運用してはどうかと考えております。
 次に、2つ目、6情報についてですけれども、例えば救急やマイナポータルでの活用につなげるために、半年程度の情報に関しましてはPUSH型として運用してみてはどうか。ただ、セキュリティや費用対効果などの観点も加味しまして、半年以上前の情報とか特定の専門性の高いような医療機関の情報を含めた、今後も将来的に拡張を検討している情報等に関しましてはPULL型に関して検討していってはどうかというところを記載させていただいております。
 いずれにしましても、最後ですけれども、PUSH型/PULL型の対象となる電子カルテ情報、保存期間等に関しましては、活用目的や運用方法の議論とセットで行う必要があると考えておりますので、引き続き議論することとしてはどうかというところを提案させていただいております。
 こちらで資料1-3の説明とさせていただきます。
○中島主査 ありがとうございます。
 PUSH型/PULL型の話でございましたけれども、PUSH型は電子カルテ情報交換サービス(仮称)にデータがたまるということです。PULL型は、そこにはデータはなくて、どこの病院にデータがあるという登録情報だけがあって、必要なときに患者さんあるいは医療機関が必要なときにそこに取りに行くということで、このスライドでの御提案はそれのミックスしたような形で、一定期間はPUSH型、つまり、最近の情報は、例えば6か月の情報はPUSH型で、そして、それよりも古いものはPULL型にするということでございました。この件につきまして議論したいと思います。
 長島構成員からよろしくお願いします。
○長島構成員 まず、3ページですが、既に地域連携ネットワークでは救急・災害にデータを活用して、その経験からすると、やはり電子カルテの情報が閲覧できる期間は長ければ長いほどいいです。これは間違いなく長ければ長いほどいい。それは別にサービスのところへ蓄積でもいいし、医療機関の中のところで見られる。どちらでもいいけれども、長ければ長いほどいいということです。
 次に、5ページ目、要するにPUSH型は依頼がなくても医療機関が定期的に情報提供・取得、そして、サービスのところへ蓄積していくということで、PULL型は依頼があったらばそれに対して情報提供するのだけれども、これは恐らく自動的にされているので、人が関わらないから、ある意味、どっちでも医療機関にとっての、人にとっては同じようなものかもしれません。ただ、当然、システムの負担が全然変わってくるかと思います。
 その観点からすると、さっき言った日本医師会で調査している地連の調査では、共有する情報は病院のシステムでどこから取得しているかという調査で、一番多いのが病院の画像システム。これは画像のニーズが非常に多いのです。これが67.6%。次が、病院の電子カルテシステム。これが66%。3番目が、検査センターの検査システム。これが20%。要するに検査結果で、これは検査センターから取っているということです。
 それで、先ほど申しました5番目と6番目、検査と薬剤情報は全く別のレベルで、非常に大変負担がかかるということで言うと、特に小規模の医療機関・診療所はほとんど検査を外注している。検査センターとか民間の検査会社に外注していることを考えれば、医療機関ではなくて、そこからデータを出していただく。それが一番現実的ではないか。大規模の医療機関では当然、自分のところで検査しているので、そこから出していただく。
 もう一つ、薬剤情報に関しては、せっかく電子処方箋でリアルタイムの情報が蓄積されることになれば、これを使えばいいのではないか。そうすると、さっき一番負担が大きいと言った検査結果と薬剤情報が、負担がかなり減る。ここは可能ではないかと考えます。
 それから、最後のページの論点ですけれども、診療情報提供書に関して、これは考え方としては電子処方箋と同じ考え方でいいのではないか。あるいは例えば電子処方箋のシステムを応用するということでも、要するに医療機関から送っておいて、それを相手側が見るので、全く同じ考え方なので、そういうことも可能ではないかと考えます。
 それで、これのシステムに関してはやはり全国の地連で長年の実績があるので、それぞれのメリットとかデメリットに関しては、例えばシステム提供事業者あるいは運営者にぜひヒアリングしてください。そこが一番、それぞれのメリットとか負担がよく実感として現実的に把握しています。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございました。
 この件も何人かの構成員の御意見を聞いた後にお答えいただきます。
 松村構成員、どうぞ。
○松村構成員 松村です。よろしくお願いします。
 今回の説明で一番最初に災害医療のことを例示されたのですけれども、ということは送る側はどこかの医療機関を想定しているというよりは、そういうこともあるかもしれないということで、前もって情報をアップしておく、準備しておくことを想定されていると思うので、その情報が必要になるのはいつになるかは分からない。例えば虚血性心疾患の患者さんで心臓カテーテル検査をした結果などは、もし心筋梗塞等のアタックがあったときに非常に重要なのですが、そのアタックが起こることがいつかは予見できないので、半年だけ持っておいたらいいでしょうということにはならない。あとは、先ほど私が申し上げたPHR的な考え方でストアしておくほうがむしろ、こういう運用をするのであれば合っているかなと思います。それが一点。
 それから、PULL型かPUSH型かという話なのですが、PULL型でやろうと思うと各病院でリポジトリをしっかり持たないといけないのです。これは、実は現在やられている地域連携システムがこのPULL型でして、ID-LinkであるとかHumanBridgeとかがありますけれども、いずれにしても、比較的規模の大きな病院の電子カルテにそういうリポジトリを置いて、これは1000万円以上するのです。それがあるからそこからPULLができる仕掛けで、確かにセンター側が比較的軽微で済む意味ではメリットがあるものの、日本全体で見たときにはむしろお金がかかってしまうモデルなので、今回はやはりPUSH型をベースに考えるべきではないかと思います。
 それで、先ほど長島先生がおっしゃったように、画像とかは確かに全画像をPUSH型でどこかに預けるとなると大変なことになりますから、何か別の考え方をしないといけないだろうとは思いますが、取りあえず臨床情報を書き込んだ退院時サマリーであるとか、対象者を特定しない診療情報提供書。そういった情報に関しては比較的軽いですからPUSH型で置いて、それをできるだけ長く保持しておく考え方がフィットするように思います。
 もう一つ、気になるのですけれども、このPULL型のモデルは現在やられているモデルとほぼ同じなのです。そういうことで、これから国がやろうとしているこの事業と現在稼働している地域連携システム。これの関係性をやはり整理しておくべきではないかと思うのです。既にそうやって、長島先生も御紹介されているように、しっかり動いているものを国がまたさらに置き換えるのかという話はややこしい話になるような気がするので、やはりそこではやられていないことをやる。PHRに関してはやられていないですから、そちらを軸に考えるべきではないかというのが私の意見です。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 私も、例えば災害時に全てPULL型でつくっていた場合に、本当にそういう大規模災害のときに機能するのかということも含めて、少なくとも短期間はPUSH型のほうがいいと思っております。また後で御回答いただきたいと思います。
 横尾構成員、よろしくお願いします。
○横尾構成員 ありがとうございます。
 今も話題になっていますように、PUSH型については、最後のページの6情報、PUSH型に書いてあるように、災害とか緊急事態のときに容易に入手し閲覧できることはとても重要なことだと思っています。
 具体的な例を言いますと、3.11東日本大震災の際に大きな津波が襲った南相馬市はほぼ全滅になりまして、医療的なバックアップができなくなりました。そのときに相馬市の救急車が南相馬市に入っていって、救急隊として救命に当たられたのです。患者を乗せて搬送した救急車が相馬市の中の病院に着きます。患者を下ろします。最初にやはり医療センターの皆さんが聞かれるのは、その担ぎ込まれた人のバイタルデータなのです。ところが、全くデータがない。どこの誰かも分からない。どんな症状、既往症も、薬は何をやっているかも分からないということですので、そういったことがぱっと分かれば救命にもつながるし、本人の負担をできるだけ少なくして早く治療ができるということがあります。こういったことは本当に最低限必要なことなので、ぜひこういったことを実現してほしいと改めて思います。
 ただ、もう一点、ユーザーサイドの目線からいきますと気になるのは、このPULL型のところで下のほうに書いてあるのですが「患者本人が自身の情報を閲覧できる仕組みの整備が困難」と書かれています。ここは何とかならないかと思います。もちろん、いろいろなフェーズというか、段階ごとによるのですけれども、人間ドックとか、私も人間ドックへ行っていますが、自分のデータはそのドックを受けている医療機関で蓄積いただいて、それを定期的に見ます。多分、そういった志向の方が今後増えると思うのです。自分の健康データを確認したい、あるいはどういう経緯でこうなったかも知りたい。そうなると、この困難であるで終わってしまうと非常にもったいないというか、ニーズに応えないことになりますので、何とかこういったことが改善できないかと強く思うところです。
 さらに、そのことを前へ進んで未来を考えますと、では、その閲覧できる状態になったデータ、多分、データのストレージの関係で、ある期間でシャットダウンとか、ある期間でセーブされると思うのですが、そうならないためには個人が自分のデータをダウンロードして自分のパソコンなり自分のデータ、ハードディスクか何かに残したい人が必ず出てくると思うのです。そのときにどう対応するかです。画像データまでやると大変大きなメモリーになってしまうので大変だとしても、せめて診療の結果とか診察の結果とか検査の結果の記録を残したい人が多分出てくると思うのです。そういったことにも対応できるようなPULLとPUSHをうまく組み合わせていかないといけないのではないか。そういったことをユーザーサイドから見ると非常に感じているところです。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。まさにそのとおりだと思いますけれども、一番下の「患者本人が自身の情報を閲覧できる仕組みの整備が困難」というものは、やり方によってはそうでもないとも思いましたので、その辺も事務局側で検討いただきますようにお願いします。
 それから、健保連の伊藤様、よろしくお願いします。
○伊藤構成員 健保連の伊藤でございます。今回、素人にも分かるようにいろいろな絵を入れていただいたりして、非常に理解するのに助かりました。ありがとうございました。
 多分、この中からどういうやり方を使っていこうかをこれから選んでいくような形になろうかと思いますし、お話を伺っていると、取りあえず、当面、どの形でいきますかといった形での視点での議論になっていると理解しておりますけれども、そういうことを考えたときに、取りあえず、当面、それぞれの方式でどのくらいの方々が実際にこのやり方で使われる見込みなのか。それをやっていったときに、どのくらいの効果があるのか。ある意味、定性的な医療の質みたいなものもあるかもしれないですし、もしかすると文書情報のようなものは事務作業の軽減みたいな部分もあろうかと思いますので、やはりそういった把握できるような効果についてはこういった比較をする際に入れていただけるとありがたい。
 併せて、既に幾つか御意見が出ていましたけれども、やはり実現するためのコスト、あるいは難易度かもしれないのですが、そういったものもまず当面の施策として動かすことを考えれば必要なのではないかと考えています。実際のシステムを開発する費用であったり、運用していくコスト、あるいは医療機関さんにも負担がかかる場合があろうという御意見もありましたので、そういったものをトータルとしてどのくらいの規模になるのかみたいなものもぜひとも、この最後のページにある表の中に入れていただけると、今後のどういった方式を使っていくのがいいかという部分では非常に役に立つのではないかと思ってございます。
 それから、2点目ですけれども、こういったやり方でしていったときに、やはり一般国民の方々がこういった仕組みが非常に役に立つことが実感できることが大事だろうと思っておりますので、ある意味、リリースした後になろうかと思いますが、実際、どの程度、こういったことが使われているのか。国民の人が紹介しているのか、あるいはいろいろな医療機関の方々がどのくらい使われているのかといったものが把握できるような仕組みを組み込んでおいていただければ、こういったものが非常に有効だったのだということを伝えることもできるのではないかと思っておりますので、お願いしたいと思います。
 最後に、3つ目ですけれども、こういった形、取りあえずという形でシステムを構築されることになりますが、やはり今後の拡張性みたいな部分について、どういったことを今後検討していく俎上にあるのかみたいなものは、最終場面になるかもしれないですけれども、どういったことを今後の検討課題にして、今後、深度化していくのだといったこと、あるいはそのためのスケジュールみたいなものを最後の場面では入れていただけると、国民の方々も非常に分かりやすい形になっていくのではないかと思いますので、よろしくお願いします。
 私からは以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 まだたくさん手が挙がっていますので、事務局から回答をいただこうと思ったのですが、今日はできるだけ意見を聞きたいと思いますので、続いて、松田先生、お願いします。
○松田構成員 松田でございます。手短にいきたいと思います。
 PUSH型のところで災害時の情報が入っているのですけれども、私は、これはPUSH型でやるとするとまずいのではないかと思っています。基本的に全ての医療機関がこれでデータを出していないとできないのですよ。実際に僕らは水害のときとか少し支援しましたが、そのときに実は一番重要な情報は患者さんがどういう病気でどういう薬を飲んでいるか。それから、どういうインターベンションを受けているかとか、そういうことなのですけれども、実はそれは全てレセプトで把握できています。
 それから、先ほど長島構成員がおっしゃられたように、電子処方箋が入ってくればそれで見られるわけです。そうすると、いわゆるそこのところを、今回つくる情報基盤のところを経由して、マイナポータルを使うことになると思うのですけれども、いわゆる保険者のデータベースに入って、そこでレセプト情報が見られるようにすればほとんど解決します。そういうことで、やはりここもPULL型でつくっていったほうがいいのではないかと思います。そうしないと多分、PUSH型でやってしまうと物すごく不完全なデータベースになるし、それから、ストレージのためのお金がすごくかかってしまうだろうと思います。
 あと、6情報云々かんぬんで「患者本人が自身の情報を閲覧できる仕組みの整備が困難」とありますが、ここは実は僕は違った印象を持っていて、例えば日本ではID-Linkとか、それから、フランスのDMPもそうですけれども、IDと記録、情報がどこに記録されているかというアドレスを管理することでデータをのぞきに行って、自分のところのフォーマットをそろえるという仕組みができています。それで結局、PHRで自分の情報が見られるようになっていますので、そういう事例がありますので、それを基にして、もう一回、ここは検討していただいたほうがいいのではないかと思います。
 先ほどどなたかがおっしゃられましたけれども、既に函館のMedIkaですとか長崎のあじさいネットとか実際に動いている仕組みがあって、そことやはり整合性を図りながらやっていくことが必要だと思いますので、情報をぜひ集めていただけたらと思います。
 すみません。以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 続いて、長島先生、お願いします。
○長島構成員 5ページの図で、本人同意の問題です。下側のPULL型の場合は、患者さん御本人がまず情報取得に同意した上で提供医療機関から情報をもらってくる。なおかつ、このサービスのところはスルーするということで、同意で全く問題ないと思いますが、上側のPUSH型の場合は、患者さんは同意していないのに、定期的に医療機関が提供してしまう。さらに、それを情報交換サービスのところに蓄積していく。このことに関しては同意していないはずなので、ここのところで例えば個人情報保護法あるいは様々な法律上の整理が必要ではないかと思いますので、そこのところをよろしくお願いします。
 それから、様々な効果については既に地域連携ネットワークで様々な検証がされていて、こういう効果がある、こういうものはあまり効果がない、あるいは電子カルテのどの項目に一番アクセス数が多いかということのログも可能です。それから、最後、比較表のところに拡張性・将来性のメリットなり制限なり、これもぜひ加えてください。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 続いて、古川構成員、お願いします。
○古川構成員 御説明ありがとうございます。
 患者の立場としてなのですけれども、やはりPUSH型とPULL型で使い分けというものは方針としては賛成できるのですが、PULL型にした場合、医療機関によって仕組みの差であるとかで差が出てきてしまって、例えば情報のリードタイムがかかってしまうとか、そういったところで差が出ないような仕組みが必要かなと考えました。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 続いて、薬剤師会の渡邊構成員、お願いします。
○渡邊構成員 ありがとうございます。薬剤師会の渡邊です。
 スライドの6ページに文書に関するPUSH型の部分があるかと思うのですけれども、例えば薬局でしたら在宅等のときに診療情報提供書をいただくような部分の中側が入ってくるかと思うのですが、この場合でしたら、左側が紹介先、右側が薬局としたら、文書としては最初に紹介先の医療機関・薬局等がこのサービスに参加しているかを確認してデータをもらう形になっているかと思うのですけれども、5ページに関しては文書情報等をエントリーするときに、先ほども長島先生が言われたように、定期的に電子カルテに提供するというふうになっているのですが、このあたりの情報を請求するときとか、情報を上げるときとか、情報を作成するときとかの情報の出来上がる過程と出来上がる流れを少し整理いただきたいと思っています。
 あと、先ほども少しありましたように、6情報に関しましては、同じようにオンライン資格確認のネットワークに乗っている電子処方箋の管理サービスの処方情報と調剤情報等々との連結に関してはどのような状況になるのかをまたお教えいただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 また、今後、ほかの文書情報等を作成して、例えば居宅療養等の指導報告書を出すとか、そういう部分でのほかの文書の連携に関しては、このシステムがどういうふうに生きていくのかということも併せて考えていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 続いて、日本歯科医師会の山口構成員、お願いします。
○山口構成員 山口です。よろしくお願いします。
 まず一つは、この電子カルテから出る情報が物によっては非常に希薄であったりとか、物によっては少し濃いものが出るかもしれないのですけれども、いわゆる既存の、先ほどの松田先生の御意見と重複するのですが、レセプトデータから出る情報と、それから、電子処方箋管理サービスから出る情報。こういったものをどういうふうにすみ分けさせるのか。それから、それぞれのデータをどういうふうに保管していくのかの議論をきちんとしておかないと駄目だと。それから、閲覧方法についても、あちこち見るわけにもいかないので、そういった閲覧方法についても議論が必要だと考えています。
 それから、時間がありませんので、PUSH/PULLの話なのですけれども、基本的には方向性としてはPUSH型でいいと思います。PULL型になりますと医療機関の負担が非常に高くなります。システムを24時間稼働させておくのかとか、それから、サーバーを設置しなければいけないかとか、システム管理がどうなるかが非常に問題になると考えています。ですから、基本的には私はPUSH型でいけばいいと考えています。
 あと、これから小規模な医療機関向けの標準型の電子カルテが検討していくということなので、そういったところにもこういった仕組みがうまく調和して乗せられるようなことを検討していただきたいと思っています。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 続いて、平内中央病院様、お願いします。
○小形代理人 船橋町長からは国保の保険者の立場で全体を通じて御意見を述べさせていただきたいと思います。
 この電子カルテ情報交換サービス(仮称)を導入することで医療機関等のとても多くの利点があることは分かりました。一方で患者、つまり、医療保険の加入者がメリットを実感することができる仕組みづくりが今後の課題だと感じております。本日の資料にも、質の高い医療や診療であるとか適切な医療サービスという言葉が出てきますが、一人一人の医療保険加入者が自分に当てはめたときに、どのように質の高い診療ですとか医療が受けられることがイメージしやすいような丁寧な説明が必要だと考えております。
 併せて、導入の効果をより大きなものとするためには多くの医療機関の参加、また、患者・利用者の同意が必要になると思いますので、これらを加入促進に向けて財政的な支援もぜひお願いしたいと考えております。
 以上です。
○中島主査 ありがとうございました。
 ただいま、たくさんの意見をいただきましたので、全て今回お答えいただくのはなかなか難しそうですけれども、まず、事務局から今日お答えできることに対してお答えいただいて、例えば費用面や運用面などを踏まえた検討を次回、報告事項としていただきたいと思っています。
 それでは、事務局から、できる範囲内での回答をお願いします。
○田中参事官 多くの御意見ありがとうございました。
 まず、幾つか御意見のございました10ページの文書情報・6情報を管理する仕組みを整理する方向性のPULL型で「患者本人が自身の情報を閲覧できる仕組みの整備が困難」と書いてある文面につきましては、今、我々、マイナポータルを通じた、まさに患者さんへの情報提供にフォーカスを当てて記載しておりまして、現状、マイナポータルで情報を閲覧するためには自治体中間サーバーもしくは支払基金や国保中央会の中間サーバーにデータがないと実際にはマイナポータルを通じて患者さんが情報を閲覧することができないのが現状でございますので、その仕組みを使うこと自体が困難との意味でございます。スペースがなかったので、そのあたりのこと、詳細が書けていないのですが、まさに我々が今、PHRと言っているのはマイナポータルを通じた取組で、先生方から御指摘のありました様々な民間のサービスにつきましては既に実装が進んでいることは承知しておりますので、その点については資料の補足をさせていただきたいと思います。
 それから、大変多くの御意見をいただきましたので、全てについてお答えするのが難しいところはあるのですけれども、一部について回答させていただきます。
 まず、地連とのすみ分けや整理が必要であるという御意見を幾つかいただいたと思います。また、長島先生からは地連のヒアリングも含めてということでございましたので、次回、地連については整理を少し進めたいと思いますので、ヒアリングを含めて長島構成員に御相談しながら検討させていただきたいと思います。
 それから、松田先生からございました、既に今、共有されているレセプトの情報で相当程度、十分なのだという御意見があったと思います。個人的には私もそう思っていますが、一方でやはりレセプトでの限界も指摘がございまして、診療の結果が入っていないとか、情報提供が少し遅れるみたいなところは御指摘いただいている点でございますので、そのあたりが本当にどれぐらい有用なのでしょうかみたいなことも含めて情報提供の整理を進めていくことは皆様の御理解をいただくためには非常に重要だと思っています。なので、そのあたりの視点も含めて情報提供、この情報の共有についてのメリットみたいなことはお示しできればと思います。
 メリットにつきましては、まさに国民がこれを使うことですごくよくなったと実感していただくことは非常に重要だと思っていまして、今までも厚労省はずっと電子カルテ情報の標準化は脈々とやってきたのです。これがなかなか進んでこなかったのは、まさに国民から求めがあまりなかった。それから、医療機関からもそれをやるメリットをあまり感じてこなかった。ベンダーも、それを取り組むだけのメリットを医療機関から言われていないみたいな、そういう世界観の中でずっと進んできたところが大きな課題だと思っています。関係者みんながこれをやったらメリットがあるという環境をつくっていくことは非常に重要だと思っていまして、まさに国民がこれがあってよかったと実感していただけるような仕組みの一つはPHRだろうと思っていますし、それ以外にも何か、診療を受ける中で情報が非常にスムーズに共有できるようになった。受診するときに都度、温度板みたいなものに書いていたらいろいろな問診が楽になったとか、そういうことなのか、より具体的に患者様に寄り添ったサービスみたいなものに直結できるような仕組みにする必要があると考えています。非常に重要な視点だと思っていますので、そこも含めて仕組みの在り方を考えてまいりたいと思っています。
 財政支援は御意見をいただいていますが、新しい仕組みを進めるためには財政支援も含めた検討は将来的に必要だと思っていますし、それは今までのオンライン資格確認の仕組みや電子処方箋の仕組みの中でも必要な支援については国として検討してきているところでございます。この電子カルテの情報の共有につきましてもそういった観点での検討が必要という認識でございます。
 あとは、ほかの文書情報の共有が今回のこの電子カルテ情報の共有をすることでどういうふうに生きていくのかは医療DXでもまさに言われておりまして、医療機関で発生する様々な文書については自治体と情報を共有する、1回入力したものは入力しない。そういったことで、事務負担の軽減であるとかワンストップの行政サービスにつなぐこと。こういったこともスコープに入れて医療DXを進めるべきというお話が既にあるところでございますので、その一番最初と言うとあれなのですけれども、まさに電子処方箋の次につながるレセプト情報、電子処方箋の情報、そして、次は電子カルテ。そういう流れの中で今後、この仕組みがほかの医療機関で生じる文書にどのように活用できるかは全国医療情報プラットフォームの創設の中でも並行して議論されていくものと考えておりますので、そのあたりの議論の方向性につきましても必要に応じてこのワーキンググループでも共有させていただきたいと思います。
 すみません。私のほうで現状お答えできるのがそのあたりかなと思っておりますが、いかがでしょうか。追加で御指摘いただいた点につきましてはまた改めてこちらから回答できるようにしてまいりたいと思います。
 以上でございます。
○中島主査 ぜひ、次回にまたまとめて報告していただければと思います。
○田中参事官 あと、すみません。コストについては、次回までにまとめるのは少し難しいと思っておりまして、年度末というか、来春の工程表作成のときまでには、このコスト面も含めて、あり得るべき姿みたいなものをまとめないといけませんので、少しお時間を必要とするという点だけ御承知おきいただければと思います。
○中島主査 よろしいでしょうか。
 また、ぜひ報告事項として意見をまとめたものを次回に見せていただければと思います。コストは来春ということで、それから、私、今のは資料1-3についてでしたけれども、資料1-1、資料1-2について忘れていたことがあります。すみません。
 いろいろな御意見をいただきましたけれども、もちろん、その中で課題として残ったものに関しては同じようにまた報告していただきます。資料1-3と同じように報告していただきますが、この中で修正あるいは資料の変更など、それでお答えになるもの、御質問や御意見にお答えができるものに関しては事務局において検討していただいて、修正案については主査である私に一任いただくということでよろしいでしょうか。
 特に御異論ないようですので、そうさせていただきます。ありがとうございます。
 それでは、次に、資料1-4「今後の進め方について」に基づき、事務局から説明をお願いします。
○髙田専門官 では、次に、資料1-4に関して説明させていただきます。「今後の進め方について」と題して説明させていただきます。
 冒頭にお話しさせていただきましたように、今年度に整理する内容として、以下のように多岐にわたるところもございまして、下段赤枠にございますように、全国的に電子カルテ情報を閲覧可能とするための基盤の在り方の技術的な要件の詳細などに関しましては、ヒアリングを中心に案をまとめ、次回以降の基盤ワーキンググループで議論させていただきたいと考えております。
 その際、現時点でこの運用全体像を踏まえた各重要論点との関連性で論点をまとめさせていただいている状況でございます。
 まず、左上の部分、文書の発行する側、連携元の医療機関等におかれましては、先ほどから御議論いただいておりますように、同意の仕組みについてとか、画像等の添付情報交換に関して、電子的な文書情報発行時の患者への伝達方法について、さらには、電子カルテ以外の部門システムによる文書情報の発行に関して、また、FHIR形式など、文書情報を電子カルテ情報交換サービス(仮称)へ登録するときの形式チェックについてなどが論点になるかと考えております。
 次に、右側になります。情報を受け取る側に関しましては、論点として、医療機関等における文書情報の受領について、また、そういった文書情報を院内システムに登録する仕組みについてなどが論点になるかと考えているところでございます。
 下に行きまして、仕組みに関わる論点で、論点としては、この文書情報のデータ保存期間について、医療機関への診療予約や電子カルテ情報の事前提供の仕組みなどができるのかどうかという観点に関して、また、本サービスにおいて文書情報を管理する仕組みについてなどが論点になると考えております。
 下段に移りまして、全国医療機関等で電子カルテ情報を閲覧することに関しましては、こちら、そういった全国の医療機関等における電子カルテ情報の閲覧についてといった点。また、個人に関しましては、電子カルテ情報等を患者自らが確認するための仕組みについてが論点として現在挙げさせていただいているところでございます。
 先ほどの図を一覧にしたのがこちらのスライドとなっております。
 こちらが最後のスライドとなっております。今後のワーキンググループ等の進め方で案をお出しさせていただいております。
 本日、第5回基盤ワーキンググループを進めさせていただきまして、次回、1月頃にこういった内容で第6回ワーキンググループへ進めさせていただけたらと思っております。そして、2月~3月頃に第7回ワーキンググループにおきまして、これまでの議論の結果を踏まえた閲覧可能とするための基盤の在り方に関して、また、以下のような点に関して整理させていただき、利活用検討会や関係部会等で報告させていただければと考えております。
 以上で資料1-4の説明とさせていただきます。
○中島主査 ありがとうございます。
 ただいまの御説明について、御質問などはございませんか。
 よろしいですか。
 健保連の伊藤構成員、よろしくお願いします。
○伊藤構成員 すみません。今後の進め方についてはおおむね理解いたしました。
 本日いろいろな意見が出て、多分、事務局の方々は次回まとめるのが大変かとは思うのですけれども、私どもは加入者を抱えておりますので、こういった動きをしたときにやはり非常にメリットがあるのだということを伝えたいと思っていますので、ぜひともそういう部分で次回、できるだけ具体的にそういった効果であるとか、そういったものをお示しいただけるとありがたいと思いますし、コスト面は春まで難しいのではないかというお話でしたが、超概算でも構いませんので、ある程度、システムの規模の分かる、これは4つの中を選んだことになろうかと思いますので、そういうときの参考になるような超概算のものでもいいので、お示しいただけるとありがたいというお願いになります。
 私からは以上です。
○中島主査 ありがとうございます。
 事務局からお答えいただけますか。
○田中参事官 ありがとうございます。
 努力いたしますが、次回というお約束を今の時点ではできないのですが、できるだけ早く、概算でもということでございましたので、どのような形で御提供できるかを事務局で検討させていただき、事前にどのような形で御提供できるか、別途御相談させていただきたいと思います。
○中島主査 古川構成員から手が挙がっていますが、どうぞ。
○古川構成員 ありがとうございます。
 1点御質問なのですけれども、今、患者のメリットのお話があって、今後の情報の管理の在り方などで、例えば診療報酬で患者も何か負担することがあるのかとか、そういった方向性がありましたら教えていただければと思います。
○中島主査 ありがとうございます。
 事務局、いかがでしょうか。
○田中参事官 診療報酬につきましては、まさにこのワーキンググループで議論するものではなく、中医協という別の場で議論されるものと承知しておりまして、現状、私どもで今回のこの仕組みに関して何か診療報酬上の手当てをというところにまで全く議論はされていないと認識しております。
 また、診療報酬自体はやはり患者様にどういうメリットがあるかということですし、医療の質の向上にどういうふうに寄与できるかというのはエビデンスが必要な話と認識しておりますので、喫緊で何かそういったことを検討している事実はございません。
○古川構成員 分かりました。ありがとうございます。
 今後、例えば同意を取るときとか、先ほど患者のメリットという話がとてもありますけれども、例えば何か、では、お金がこちらで何か負担しなければいけないといったところで同意がなくなるとか、そういったところがないようにメリットを出しつつ、どの程度、患者が負担する必要があるのであれば、それに見合うようなメリットを出して訴えていく必要があるかなと思いましたので御質問させていただきました。ありがとうございます。
○田中参事官 ありがとうございます。
 報酬と同意の在り方は全く別物と認識しておりますので、そこが一体的に何か議論されることは現時点では想定はしておりません。
○古川構成員 すみません。ただ、患者への説明として両方必要かなと思ったのでコメントさせていただきました。
 ありがとうございます。
○中島主査 それでは、私から1つだけ、3ページです。医療機関のメリット、それから、患者さんのメリット。これを十分見せていくことは大事なのですけれども、意外と見落としがちなのが、例えば誤ファクスが今でもずっと起こっています。ファクス運用は恐らく、これが基盤がない限りは永遠に続けなければいけなかったわけで、このような基盤をつくることによって情報漏えいが抑えられるのは患者さんにとっても大きなメリットだし、医療機関にとっても大きなメリットなのです。そのあたりもしっかりと説明していただければと思いました。いかがでしょうか。
○田中参事官 ありがとうございます。まさに今回の様々な電子的に情報をやり取りすることによるメリットは非常に多くあると思っていますし、御指摘の点も含めてしっかりとお示しできるようにしたいと思います。
○中島主査 よろしくお願いします。
 ほかには。
 大道構成員、よろしくお願いします。
○大道構成員 資料1-4に限らないのですけれども、画像に関しては大変重要な項目だと思っております。当院を退院される患者さんで継続な治療が必要である、あるいは近い将来そうなるだろうと思われる方には院内で行った全ての画像をCD-Rに焼いてお渡ししています。できれば今後、そういうものを全てPUSH型でどこかに格納できればと思っていますが、将来、マイナポータルを強化する。このような御予定はございませんか。
○中島主査 事務局からいかがでしょうか。
○田中参事官 すみません。私どもの部署でマイナポータルの今後について議論しているわけではないのですが、様々なところで、マイナポータルでもう少し、例えば患者さんが見る画面について、もっと患者フレンドリーにしてほしいとか、何度もマイナンバーカードにかざさなければいけないみたいな仕組みを改めてほしいとか、いろいろな御意見がデジタル庁に寄せられていると承知しております。
 そういった中で、今、御指摘のあった点についても、検討できるかどうかは私どもともいろいろ御相談させていただいてということになりますが、やはり1か所に画像を集めることによるコストは非常に大きなものになると思いますので、どういう形で患者様が適切に画像を含めたデータを持って共有できるのかみたいなことは考えていく必要があるかなと思います。ただ一方で、みんながみんな、画像を持って歩く必要があるかも少し議論はあるかなと個人的には思います。
○大道構成員 今、言われたとおり、確かに今のマイナポータルは本当に使い勝手が悪いので、これに関しては今後もっとよくなるだろうという期待はもちろん持っていますけれども、これを医療の現場で使い込もうと思うとかなり手直しが必要だなという個人的な感覚がございますので、また前向きに検討をお願いします。
○田中参事官 ありがとうございます。まさに民間のPHR業者の活用みたいなこともデジタル庁及び経産省において取組を進めていると承知しておりますので、そういったもの等も、ある程度、そういうものも活用しながら、よりよいサービスの提供をどのようにできるかはしっかりと議論するべきという認識です。
○中島主査 この件につきましても、構成員の方々からいただいた御意見を踏まえて事務局において検討していただいて、修正が必要なものに関しては、修正案については主査である私に一任いただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○中島主査 ありがとうございます。
 それから、この件について、事前に、今日欠席の宍戸構成員、高倉構成員よりコメントが提出されておりますので、事務局から代読していただきます。よろしくお願いします。
○髙田専門官 事務局でございます。宍戸構成員、高倉構成員からのコメントを代読させていただきます。
 まず、宍戸構成員に関しまして代読させていただきます。
 今後、運用主体に関しても基盤ワーキンググループで結論を得るべく議論を進めていくと承知しているが、主体の問題と費用負担の問題とは区別して議論する必要があると考える。
 オンライン資格確認等システムと電子カルテ情報交換サービス(仮称)の運用主体が異なると、情報漏えい等のリスク管理や環境変化に対応したデータガバナンスの在り方が複雑なものとなるおそれがあるため、運用主体に関しては一元化されることが望ましいと考える。その場合でも、電子カルテ情報交換サービス(仮称)のガバナンスについては、費用を負担する主体を含めて、運営主体以外の関係者の参画を得ることも検討に値する。といったコメントをいただいております。
 また、次に、高倉構成員からのコメントに関しても代読させていただきます。
 画像等のバイナリーデータを使用することは、テキストデータに比べ、意図しないバグやマルウェア混入による情報セキュリティインシデントを起こす可能性が高まるため、無害化などの対策を検討する必要がある。とのコメントをいただいております。
 以上でございます。
○中島主査 ありがとうございました。
 ここまで追加の御意見はありませんでしょうか。
 全体を通して、何か御発言、御意見はありませんでしょうか。
 ありがとうございます。以上で本日の議題は終了となります。
 ほかに御意見がないということですので、本日の議論についてはこれまでとさせていただきます。
 それでは、事務局からそのほかに何かありますでしょうか。
○田中参事官 本日も活発な御議論をいただきましてありがとうございます。
 事務局で全てにお答えできていないところについてはおわびを申し上げたいと思います。いただいた御意見につきましては、次回のワーキンググループでいただいた御意見をまとめさせていただき、本日回答できなかった部分等につきましてはそこで少しお話しできればと考えております。
 今後、議事録につきまして可能な限り速やかに公表できるよう、事務局として校正作業を進めてまいります。構成員の皆様におかれましては、御多忙中とは存じますが、御協力をいただけますようお願いを申し上げます。
 次回のワーキンググループの日程につきましては、こちらの進め方に準じて、改めて日程を調整して、改めて御連絡させていただきたいと思います。
 非常に有意義な会だったと考えております。新しく構成員になっていただきました構成員の皆様にもぜひ今後、活発な御議論に御参画いただき、よりよい形でみんながメリットを感じられるような仕組みを構築できるよう、引き続き御議論いただければと思います。
 本日は大変お忙しい中、御参画いただきましてありがとうございました。
○中島主査 長時間、活発な御議論ありがとうございました。
 それでは、これで閉会といたします。ありがとうございました。