第161回社会保障審議会医療保険部会 議事録

日時

令和4年12月15日(木)10:00~11:10

場所

日比谷国際ビル コンファレンススクエア 8F会場

議題

医療保険制度改革について
(報告事項)
「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等の一部を改正する法律」の成立について

議事

議事内容
○森課長 定刻になりましたので、ただいまより第161回「医療保険部会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきましてありがとうございます。
本日は、新型コロナ感染症対策の観点から、オンラインによる開催といたしております。オンライン開催に当たっての留意事項を別途御案内しておりますので、御確認いただけたらと存じます。
次に、本日の委員の出欠状況について申し上げます。
本日は、羽田委員、横尾委員より御欠席の御連絡をいただいております。
また、菊池部会長代理より途中出席、内堀委員より途中退席されるとの連絡をいただいております。
本日、記者の方には、会場の模様を傍聴いただいております。
なお、会議冒頭のカメラの頭撮りはここまでとさせていただきます。
(冒頭カメラ撮り終了)
○森課長 それでは、以降の議事運営は、田辺部会長にお願いいたします。
○田辺部会長 まず初めに、欠席される委員の代わりに出席される方につきましてお諮り申し上げます。
横尾委員の代理といたしまして元松参考人の出席につき、御承認賜ればと思いますけれども、いかがでございましょう。よろしゅうございますか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございます。
それでは、早速でございますけれども、議事のほうに入ってまいります。
本日は「医療保険制度改革について」を議題といたします。
それでは、事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。
なお、本日、当部会としての取りまとめを行いたいと考えておりますので、皆様方、よろしくお願い申し上げます。
なお、議論の時間をしっかりと確保するため、事務局はポイントに絞って簡潔に御説明のほうをお願い申し上げます。
それでは、よろしくお願いします。
○森課長 総務課長でございます。
まず、資料1を御覧ください。「医療保険制度改革について」という資料でございます。
前回、こちらのほうの資料の大枠については、御説明したところでございます。経過措置等、一部資料を付け加えたものがございますので、その点に合わせて御説明をさせていただきたいと思っております。
まず、資料の3ページを御覧ください。
出産育児一時金でございます。先週の土曜日に総理が会見いたしまして、出産育児一時金については、50万円とするということを表明したところでございます。
その50万円の考え方でございますけれども、下のグラフを御覧ください。赤いラインが公的病院の平均価格でございまして、これまでは、公的病院の平均価格、一番左の40.6万円に1.2万円を足した額で42万円という形で、産科補償制度の保険料の1.2万円を足した42万円で設定させていただいておりましたが、今回は、このブルーのライン、全施設の出産費用の平均を取りまして、一番右側の47.3万円の数字、実は、こちらの数字は、下を見ていただくとお分かりになりますように、令和3年度の数字でございますので、それまでの伸びを勘案して、令和4年で計算しますと、約48万円になります。それに、産科補償制度の1.2万円を追加して、額を切り上げた上で50万円と設定させていただいたところでございます。
続いて、5ページを御覧ください。
前回、保険料の基本的な設定の考え方については、御説明したところでございますけれども、これについて、いきなりこうした保険料設定に変わると、なかなか厳しい所得層の方々がおられるのではないかといった課題がございまして、それについて、激変緩和の措置を設けさせていただきたいと考えております。
まず、左上の赤いところ、①出産育児一時金でございますけれども、これは、出産育児一時金の総額の7%を後期高齢者に負担していただきたいと考えておりますが、いきなり全額について負担していただくと、なかなか厳しいものがあります。ですので、令和6年度、7年度については出産費用の総額の2分の1の7%分を負担していただき、8年度から、その全額を負担していただくという経過的な措置を設けさせていただきたいと考えております。
それから②賦課限度額については、現在、66万円の賦課限度額を80万円に引き上げる予定になっております。これもいきなり次の年に14万円引き上げるというのは、なかなか厳しいものがあるところから、令和6年度については73万円、8年度については80万円とさせていただきたいと考えております。
それから、③所得割が始まる所得階層のところでございます。年収153万円の方々、それから、211万円までの間の方々については、所得割が、毎年、後期高齢者の保険料は2年に一度変わっていますけれども、その自然増分に合わせて制度改正分がいきなり乗ってくると、なかなか厳しいであろうということでございますので、211万以下の所得階層の方々については、令和6年度は、制度改正の影響というのを乗せないようにしてやっていきたいと。それで、令和7年度について330円の保険料を乗せていただきたいと考えております。
こうした見直しを行いますことにより、7ページを御覧ください。具体的な保険料の額というのを一人当たり年収別に見させていただきたいと思いますけれども、もともと後期高齢者一人当たりの平均8万2,000円が、何ら経過措置を行わない場合には、プラス5,400円程度になる予定でございましたけれども、今回の措置を講ずることによって、令和6年度については、プラス4,100円、角括弧の月額単位で見ていただければと思いますけれども、月額に直すと340円、さらに、令和7年度については、月額で90円のプラスになるということでございます。
それで、赤枠の四角で書いてあります、年収200万円の方々についてでございますけれども、200万円の方々については、先ほどの経過措置を設けることによりまして、令和6年度はプラス0円。それから、制度改正による影響は、令和7年度にプラス330円乗っかってくるという形になります。
それで、一番右側の赤枠のところでございますけれども、年収1,100万円の方々については、6年度にプラス5,000円、それから、7年度に約5,800円乗っかってくるというような形になっております。
続いて、参考資料のほうに行きまして、10ページ、出産育児一時金の財政影響をお示ししておりましたが、50万円に設定されたこと、それから、後期高齢者の支援対象額は、最初令和6年度、7年度は2分の1とさせていただくということになりましたので、その財政影響の修正を加えさせていただいた上で、お示ししております。
それから、12ページに参りまして、前期の財政調整の考え方ですけれども、これまで、財政調整の範囲を4分の1、3分の1、2分の1にした場合というのをそれぞれ出しておりましたが、関係当局と調整の上、3分の1の財政調整とさせていただきたいということにしておりまして、3分の1の影響額だけをお示ししているところでございます。
以上が資料1でございます。
続いて、資料2に参りまして、議論の整理のほうでございます。
こちらのほうについては、一昨日から非常に短い期間で、昨日まで皆様方にお目通しをいただいて御意見をいただいたのも踏まえて、修正を加えたものでございます。
基本的に、いただいた御意見は、できる限り反映するようにしておりますので、御確認いただければと思っております。
私からの説明は、以上でございます。
○田辺部会長 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
まずは、内堀委員が早めに退席するということでございますので、内堀委員、よろしくお願いいたします。
○内堀委員 田辺部会長、ありがとうございます。
初めに、今回まとめられた議論の整理(案)における今後の方向性については、子育て世帯への支援強化のための出産育児一時金の増額など、おおむねこれまでの全国知事会の要望を踏まえたものとなっています。ありがとうございます。
その上で、今回の医療保険制度改革について、大きく2点意見を申し上げます。
1点目は、高齢者医療制度の見直しについてであります。
今回の見直しでは、現役世代の負担軽減を図るため、後期高齢者の方々に対し、保険料負担の見直しなど、負担能力に応じて様々な御負担をお願いすることとなります。
このため、対象となる皆さんの御理解が得られるよう、国において丁寧な説明と十分な周知をお願いします。
また、後期高齢者の負担の見直しについては、今年10月から一定以上の所得のある方の窓口負担が2割となったところです。引き続き、医療保険制度における給付と負担の見直しを検討する場合には、制度設計者である国の責任において、必要な医療への受診抑制につながることがないよう、特に低所得者に配慮した制度の在り方について検討をお願いします。
2つ目は、国民健康保険制度改革の推進についてです。
平成30年度の国保制度改革以降、財政運営の責任主体として、都道府県に求められる役割、そして業務は年々増加しています。
このため、制度改革に伴い、都道府県に新たな負担を求める場合には、あらかじめ都道府県と丁寧かつ十分な協議を行うようお願いします。
また、制度改革に伴い生じる費用については、国の責任において予算措置を確実に講じるよう、あわせてお願いします。
さらに、これまで全国知事会で要望してきたとおり、普通調整交付金の配分方法の見直しについては、普通調整交付金が担う自治体間の所得調整機能を今後も引き続き維持するとともに、生活保護受給者の国保等への加入、後期高齢者医療制度の都道府県への移管については、拙速な見直しを行うことなく、地方と十分、丁寧な協議を行うよう改めて求めます。
私からは、以上です。よろしくお願いします。
○田辺部会長 内堀委員、ありがとうございました。
それでは、次に、藤井委員、よろしくお願いいたします。
○藤井委員 ありがとうございます。
資料2の議論の整理(案)について、2点コメントをさせていただきます。
1点目でございますが、資料2の23ページに、医薬品全般の安定供給確保の視点を追記していただき、ありがとうございます。
かねてより申し上げておりますとおり、医薬品の生産、供給に関する現状は、極めて厳しいことは、ほかの委員の方々も言及されているとおりでございます。
そのような状況にあっても、重い疾病を抱えている患者さんに対しては、迅速、適切に薬を提供する必要があるなど、安定供給への目配りが不可欠だと考えます。
後発品の使用促進に向けて、新たな数値目標を設定するとのことでございますが、医薬品全般に係る生産、供給サイドの状況をしっかりと把握し、安定供給に支障が生じることが想定される場合には、何らかの基準でメーカーに生産能力の重点化を依頼するなど、柔軟に対応していくことが必要になるのではないかと考えております。
続きまして、2点目でありますが、ぜひ、追記をお願いしたい点がございまして、医療保険制度の持続可能性を高めるためには、セルフメディケーション、自助の実践の必要性を国民全体により普及、拡大することが不可欠であると考えます。
残念ながら、この点について、原案では、21ページの個人自ら健康づくりに取り組むことの重要性、あるいはセルフケアの推進として簡単に触れられているのみでございます。政府の基本的認識として「はじめに」の部分、冒頭の部分にしっかりと明記する必要があるのではないかと考えます。この点について、ぜひ、厚生労働省の回答を頂戴できればと思います。お願いいたします。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、引き続き、佐野委員、よろしくお願いいたします。
○佐野委員 ありがとうございます。
この議論の整理(案)については、これまで申し上げてきた事項も盛り込んでいただいておりまして、修正、追加をお願いすることはございませんけれども、今回、新たに提案されている項目を含めて、何点か意見を申し上げたいと思います。
まず、出産育児一時金については、今回「50万円」という額が提示されました。「全施設」の平均出産費用、近年の伸びを勘案してということでございますけれども、やはり引上げ時の考え方やルールを明確化して、合理性のある引上げ幅となるように検討していくことが大変重要だと思っております。
議論の整理(案)にもございますけれども、「引上げ後3年をめどに出産育児一時金の在り方について検討する」ことについては、しっかりと実施をいただきたいと思います。
また、出産費用の見える化については、前回、日本産婦人科医会のヒアリングを通じても、やはり必要性を強く感じたところでございます。見える化は、本来、引上げと同時期に行うべきものと考えておりますので、この公表項目等の詳細を検討して、「令和6年4月をめどに実施すべき」となっておりますけれども、可能な限り早期の実施を検討いただきたいと思います。
また、出産育児一時金に対する後期高齢者の方からの支援の導入については、経過措置として令和6年度、7年度は、支援対象額の2分の1となっておりますけれども、経過措置の部分は、現役世代の負担が減らないということになります。出産育児一時金の引上げと、その支え合いとしての後期高齢者が負担する仕組みの導入に1年間のタイムラグ・ずれが生じるということも併せまして、この間の現役世代の負担軽減、財政支援を必ずお願いしたいと思います。
次に、高齢者負担率、後期高齢者の保険料負担の在り方の見直しにつきましては、能力に応じた負担を強化するという観点から、賦課限度額や所得割率の見直しを行うものと考えております。
そうした中で、今回、激変緩和措置が示されておりますが、現役世代の負担軽減に資する高齢者負担率の見直しに影響がないように、しっかりと実施をお願いしたいと思います。
また、被用者保険者間の格差是正については、これまでも何度か申し上げてまいりましたとおり、単に格差だけに着目するのではなく、保険者機能など、健保組合が果たしてきた役割、これも加味して考えるべきであると思っております。
したがって、報酬調整導入を「1/3に止めるべきである」という医療保険部会の議論のとりまとめを尊重して、あくまでも部分的な導入にとどめ、今後、調整割合をさらに引き上げるということはあってはならないと考えております。
また、被用者保険者への支援については、健保組合の安定運営につながるよう、円滑化等補助金の拡充ですとか、財政支援の制度化をすることが示されたことは評価したいと思います。
ただし、やはり今回の改革により減少した公費財源については、必ず全額を現役世代の負担軽減に充てていただきたいと思います。
その上で、今回資料1の12ページ、最終ページの表の下の注書き※1の「健保組合に対し、企業の賃上げ努力を促進する形で、既存の支援を見直すとともに、高齢者負担率の見直し(▲290億円)とあわせて負担減となるように、国費による更なる支援を行う。」ことは、健保組合が、全体として負担軽減になるように、ぜひとも確実に実施をお願いしたいと思います。
最後に、今回の改革、議論の整理(案)について、全体を通した感想と意見を申し上げたいと思います。
今回の議論の整理では、全世代型の社会保障の構築に向け、「現役世代の負担軽減」、「世代間・世代内の負担バランスの見直し」、「負担能力に応じた見直し」を行う中で、高齢者負担率の見直しや、支え合いとして、後期高齢者が負担する仕組みを導入するなど、高齢者の方々にも一定のご負担をいただく内容となったことは、一定評価できると考えております。
ただ、現役世代、特に健保組合を取り巻く環境は、極めて厳しい状況にあり、負担は限界にあるということを、ぜひともご理解をいただきたいと思います。
また、当面の間は、「高齢者が増加し、一方で現役世代が減少する」状況が続くことを考えますと、現役世代の負担軽減につながる改革を、引き続き行うことは不可避であり、ぜひともさらなる改革をお願いしたいと思います。
また、先般12月1日に提出をいたしました、「医療保険制度改革に向けた被用者保険関係5団体の意見書」でも申し上げましたけれども、被用者保険の格差是正については、企業・労働組合とともに懸命に取り組んできた健保組合の保険者機能の発揮を阻害することないよう、重ねてお願いを申し上げたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。
まず、医療保険制度改革について、意見を述べさせていただきます。
出産育児一時金につきまして、協会としましては、これまでの累次の引上げに際しまして、その根拠となるデータを提示し、明確なルールに基づいて一時金の額を決定するよう、重ねて求めてきたところでございます。
今般、令和4年度の全施設の出産費用の平均額の推計等を勘案し、50万円という引上げ額が示されたことにつきましては、一定の合理性はあると考えますが、十分ではないと思っております。出産費用の見える化によって、妊産婦がサービスに応じて適切な費用の医療機関を選択できるようになれば、出産費用の適正化も進み、今後の一時金の額に関する検討について、より明確なルールのもとで行うことが可能になると考えております。
資料2の4ページにもありますが、出産費用の見える化の効果等を踏まえ、引上げ後3年をめどに、出産育児一時金の在り方について検討するべきであるとございます。
次回の一時金に関する検討において、丁寧な議論を積み重ねることが可能となるよう、出産費用の見える化について、前倒しも含め、可能な限り早期の実施に向けて迅速に議論を進めていただきたいと考えております。
続きまして、議論の整理(案)について、意見を述べさせていただきます。
21ページから24ページにかけて、医療費適正化対策の実効性の確保について記載されております。
前回の医療保険部会でも述べましたとおり、本資料に掲げられた措置につきましては、国の第四期、医療機器、医療費適正化計画に盛り込まれ、これを踏まえて、令和5年度、各都道府県において、都道府県医療費適正化計画が策定されると理解しております。
今回の資料にも、新たな目標として、医療・介護の効果的・効率的な提供の重要性を踏まえた取組の推進が掲げられておりますが、今回のコロナ対応で、医療と介護の連携の重要性が、より一層クローズアップされたと考えております。
地域完結型医療を目指し、地域包括ケアシステムと一体となった形で医療費適正化の取組を進めていけるよう、国として都道府県への指導、助言に努めていただきたいと考えております。
また、医療費適正化計画につきましては、6年間の中期計画となりますが、協会けんぽにおきましては、毎年度、PDCAサイクルを回しながら保険料率の設定を行っているところでございます。こうした努力について、我々としても、保険者協議会等の場を通じ、国民健康保険等と共有して幾つもりでございますが、国におきましても、都道府県が毎年、医療費適正化計画についてPDCAサイクルを回し、施策を検証することが可能となるよう、都道府県に対する積極的な指導をよろしくお願いしたいと思います。
協会けんぽといたしましても、国民がより健康的な生活を送り、医療費の適正化を図ることが可能となるよう、都道府県と連携して後発医薬品の使用促進や、医療サービスの提供状況の適正化はもとより、加入者の健康づくり、重症化予防などの保健事業にさらに積極的に取り組んでいきたいと考えております。
国におかれましては、都道府県が産業保険や被用者保険等、幅広い主体と連携しつつ、大局的な視点に立って計画を立案することが可能となるよう、今後、医療費適正化基本方針等の策定等に進めていただきたいと考えております。
最後になりますが、高齢者医療費への拠出金が今後も大きく増加する見込みであるなど、現役世代の保険料負担は限界に達しております。現役世代が納得して、これからも医療保険制度を支えていくためには、世代間の給付と負担の在り方を公平に見直すことをはじめ、制度の見直しに向けた検討を進めていくことが急務であると考えております。
また、協会けんぽの加入事業所の約8割は、従業員が9人以下であり、そのほとんどが中小、小規模企業であるため、財政基盤が脆弱であります。健康保険組合につきましても、資料1の2ページの右下に掲げていただいたとおり、協会けんぽの保険料率を超える組合が増加している状況でございます。
したがって、こうした財政的に脆弱な健康保険組合に対する支援も含め、世代内における公平性の確保についても、あわせて検討を続けていく必要があると思っております。
その意味で、今回の整理は、医療保険制度の持続可能性を高めるために必要な見直しの、あくまでも第一歩であると考えており、資料2の28ページにありますとおり、全ての世代の方々の安心を広く支え合い、次の世代に引き継いでいくために不可欠な改革を確実に行っていけるよう、今後も本部会で不断の議論を続けていただきたいと思っております。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、引き続き、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。全国市長会の前葉でございます。
私からは、まず、後期高齢者医療制度の今回の見直しについて、何人かの市長から、この急激な負担増を懸念しているという意見を、前回の案に対してはいただいておりました。能力に応じた負担を強化していくという方向性は理解できるものの、今回のように、段階的な引上げとする激変緩和措置を講じるべきではないかという御意見でございましたので、今日お示ししていただいた案でもって、急激な負担をある程度は抑えることができるのではないかと思っております。
とは申しましても、高齢者の方の負担が増える方向性は変わりませんので、国におかれましては、ぜひとも今回、御提示いただきました高齢者の方の御負担、どのようになるのかということについてです。いつものことながら、高齢者の皆さんにも分かりやすい資料をお示しいただいた上で、丁寧に御説明いただきますよう、お願いをいたします。
私ども都道府県で、広域連合で、後期高齢者制度を預かる市長たちとしても、しっかりとその辺は、また取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
次に、出産育児一時金でありますが、これについては、今日示された案で、令和5年度からの円滑な実施が図られますよう、特段の措置を講じていただきますよう、お願いを申し上げたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、本多委員、よろしくお願いいたします。
○本多委員 本多でございます。
資料の取りまとめと御説明、どうもありがとうございました。
私のほうからも、この医療保険制度改革の取りまとめに向けて、3点、意見を申し上げたいと思います。
再三申し上げておることでございますけれども、まず、今回の制度改革をトータルで見た結果、現役世代の負担軽減を実現できる内容なのかどうなのか、これが最も重要であると考えております。
繰り返しになりますけれども、この方針を貫徹いただくとともに、現役世代の負担上昇の抑制に資する今般の後期高齢者医療に係る制度改革を確実に実施いただくよう、再度強くお願いする次第でございます。
次に、資料8ページの出産育児一時金を全世代で支え合う仕組みの導入についてでございます。
8ページの1つ目の○に記載されておるとおりなのですけれども、後期高齢者医療制度の負担割合の対象額は、激変緩和措置が終了する令和8年度以降、本則であります、出産育児一時金の全体に必ず戻すべきと考えます。
最後でございますけれども、18ページから20ページの被用者保険者間の格差の是正による現役世代の負担上昇の抑制、賃上げ促進のための健保組合等への支援についてでございます。
高齢者負担率の見直しと併せて、前期財政調整によって削減される公費分を、健保組合の負担軽減に充てるべきだと考えております。
保険者の財政運営の予見性を高める上でも、確実に財政支援を実施、継続することが要諦であります。
厚生労働省におかれましては、被用者保険者への国からの支援を制度化する等、継続的な公費投入を担保いただきたいと思います。
私からは、以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、袖井委員、よろしくお願いいたします。
○袖井委員 私は、出産育児一時金について、申し上げたいと思うのですが、まず第1点、これは、今さらという感じなのですが、出産育児一時金は、それほど緊急を要する課題ではないような気がしてきました。というのは、これまで本部会に何度も出てきたデータを見ると、医療機関を選んだ理由として費用を挙げる人は非常に少ない。それから、アンケートの答えが、費用ではなくて費用に関する説明とあったのですね。だから、費用そのものがどれだけ、医療機関選択に関わっているのか、よく分からないですね。だから、何だかその根拠が崩れてしまったような気がいたします。
2番目には、50万円という額、これは、岸田総理がおっしゃったから、何かつじつま合わせみたいな感じなのですが、この部会でずっと議論してきたのは、47万だったと思うのですが、いきなり50万になって、その説明が公的医療機関だけではなくて、私的医療機関も入れた平均値、それからプラス1コンマ何パーセントだか毎年上がってくからという説明だったのですが、では、毎年1コンマ何パーセントずつ上がっていったら、これをどんどん無限に上げていくのかという問題がありますので、本当にこれでいいのかという気がいたします。
3番目に、50万円とかなり大きな額に上がってしまったことによるモラル・ハザードが起きるのではないか、これは、これまでにも出てきた問題ですけれども、例えば医療費をかさ上げするという医療機関が出てくるのではないかとか、12週以後の中絶を勧めるところが出てくるのではないかという問題がありますので、この50万円に上げることによるモラル・ハザードについて、厚労省は、ぜひちゃんと注視していただきたいと思います。
それから、全世代型社会保障ということなのですが、これは大変に美しい言葉で、なかなか反対できないので、私も、高齢者も負担すべきと、そうかなということで賛成してきたのですけれども、いろいろ伺っていると、何か今のこのやり方、政府の方針といいますか、それは、弱者が弱者をお互いに助け合うという構造になってきている。共助を強調するのはいいことかもしれないのですが、では、公助が撤退していいのか。今のような状況で高齢者も苦しい、現役世代も苦しい中で、乏しいものを分かち合って、何か足の引っ張り合いをしているような構図で、日本社会は、これからやっていかれるのかということです。
日本は、国民皆年金、皆保険というすばらしい制度を持っていますので、これを安定的に維持するためには、やはり公助をきちんとやっていただきたいと。これまでも、国費を入れるべきだとか、公費を入れるべきだという意見がかなり出ていましたが、やはりこのままで本当に弱い者同士が、何か足の引っ張り合いをしているような、こういう構図は、ぜひとも解消していただきたいし、こういう点についても、論点整理のところに、ぜひ入れておいていただきたいなと考えます。
私の意見は、以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、村上委員、よろしくお願いいたします。
○村上委員 ありがとうございます。
何点か申し上げたいと思います。まずは、議論のプロセスにつきまして、先ほど、袖井委員からもございましたけれども、議論が進む中で、出産育児一時金の額などについては、先行して報じられてきたところです。
医療保険制度に関わる課題でございまして、被保険者、保険者が参画する会議体がございますので、そういった会議体での議論が、先に行われるべきだったのではないかと考えております。
その上で、資料2の議論の整理(案)について意見を申し上げます。まず、出産育児一時金の引上げについてでございます。
4ページに「引上げ後3年を目途に、出産育児一時金の在り方について、検討するべき」とございますが、この間、保険適用に関して委員からも複数意見があったということで、様々な意見を記載いただいたところでございます。
この出産育児一時金の在り方について、「今回の議論の整理も踏まえて、検討するべき」という点につきましては、ぜひ、保険適用に向けて議論するという方向感で、今後、議論をいただきたいと考えております。
また、その上のところで、出産費用について詳細な費用の分析を行うと記載されておりますので、ぜひ全施設平均ということだけではなく、様々な詳細な分析を、その先の議論を見据えて行っていただきたいということをお願いしたいと思います。
次に、出産費用の見える化についてです。見える化に関しましては、この議論の整理(案)におきまして、「令和6年4月を目途に実施すべき」とございます。有識者による公表の具体化に必要な検討を行われるということですが、その際は、医療機関の関係者だけではなく、実際に情報を利用する立場の方々なども参画いただきながら、分かりやすい公表情報の構築を進めていただきたいと思います。
また、見える化の実施時期について、先ほど来、御議論がありますとおり、本来は、一時金の引上げとセットで、同時に行われるべきと考えております。
見える化のできる限り早期の実施をお願いしたいと思いますし、また、「令和6年4月を目途」にとありますが、これが万が一にも遅れないようにしっかり取り組んでいただきたく、何かどこかでピン止めしていただきたいということをお願いしたいと思います。
また、次に、前期高齢者の医療給付費負担における被用者保険者間の格差の是正についてでございまして、今回、報酬水準に応じた調整を導入する考えにつきましては、この間、極めて慎重に検討すべきということを申し上げてまいりました。そういった意見も掲載いただいておりますが、給付と負担の関係を一層ゆがめることになるのではないかと考えております。そういった考え方を持っているということを述べておきたいと思います。
最後に、今回、医療費適正化計画の実効性を高めるということも書かれておりまして、記載いただいた取組内容は、着実に実施をいただきたいと思っております。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、井深委員、よろしくお願いいたします。
○井深委員 ありがとうございます。
資料2の議論の整理(案)につきまして、出産育児一時金関連で1点確認の質問と、1点意見を申し上げます。
まず、確認の質問なのですけれども、6ページの出産育児一時金の見える化に関する取りまとめの箇所ですが、分娩数が少ない医療機関等については、公表を任意とするという記載があるのですけれども、これは、実際にどのくらいの分娩数の医療機関等が対象となるというような具体的な数を明示する御予定であるという理解でよろしいのでしょうか。また、その場合は、その目安となる数字というのは、今後の有識者の検討を経て決定されるというようなプロセスなのでしょうか。それが1点目の確認の質問です。
2点目は、ほかの委員の先生方とかぶる部分もあるのですが、4ページの出産育児一時金の引上げについての取りまとめ部分の後半です。状況を踏まえたより詳細な出産費用の分析を行うとともに、出産費用の見える化、効果等を踏まえて、引上げ後3年をめどに出産育児一時金の在り方について、今回の議論の整理を踏まえて検討すべきであるという文言です。この点、大変重要であり、また、具体的な検討時期に関する記載についても、誠にありがとうございます。
この出産育児一時金の在り方に関する検討自体は、3年後ということが書かれているのですけれども、費用の分析、また、一時金等の影響の検証自体は継続的に毎年行われるべきであると考えます。
具体的な検証の項目というのは、一時金の大幅な増額及び費用の見える化を踏まえて、出産費用の増加のトレンドがどのように変化するのか、また、地域差や医療機関間の費用の差がサービス単価の違いによるものなのか、サービス提供内容の違いにあるのか、また、費用の違いが医療機関等の機能と関連しているのか、こういった点が重要な分析、検証項目になるのではないかと考えます。
検証体制を確立した上で、本部会においても継続的に検証結果を報告していただけますようお願い申し上げます。
以上です。
○田辺部会長 1点、御質問がございました。回答のほうをよろしくお願いいたします。
○原田課長 保険課長でございます。
ただいま、議論の整理の6ページのところ、分娩数が少ない医療機関等については公表を任意とするということにつきまして、その分娩数は一体どのくらいなのかということを御指摘いただいたかと思います。
この点につきましては、今、お話にもありましたけれども、こうした①から④の公表項目等の詳細については、有識者により令和5年夏までに検討という話を書かせていただいておりますけれども、こうした中で整理させていただきたいと考えてございます。
以上でございます。
○田辺部会長 井深委員、よろしゅうございますか。
○井深委員 ありがとうございます。
○田辺部会長 では、引き続き、秋山委員、よろしくお願いいたします。
○秋山委員 ありがとうございます。日本看護協会の秋山でございます。
資料2の議論の整理(案)につきましては、前回要望させていただいた内容を反映いただき、ありがとうございます。
あと1点、5ページの出産費用の見える化についての意見の、下から5つ目のポツのところで、追記の要望でごすが、妊産婦の安心な出産のためには、院内助産と併せて、助産師外来も大変重要ですので、「院内助産が可能かどうか」という部分を、「院内助産や助産師外来が利用できるかどうか」と加筆修正いただければと思います。
以上、1点でございます。よろしくお願いします。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、元松参考人、よろしくお願いいたします。
○元松参考人 ありがとうございます。私、全国後期高齢者医療広域連合協議会事務局の元松と申します。
本日は、横尾会長が議会の関係で出席が難しいとのことで、私が代理で出席させていただいております。どうかよろしくお願いいたします。
横尾会長からは、本日の論点整理(案)に対する意見を預かっておりますので、私のほうから読み上げさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
意見、本日は、この医療保険部会の重要な会議ではありますが、市議会一般質問に対応しなければならず、出席がかないませんので、代理として全国後期高齢者医療広域連合協議会の元松事務局長を参加させていただきます。
そして、私の意見もお伝えさせていただきますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
まずは、多岐にわたる意見を酌み取り、そしゃく、整理され、このたびの論点整理(案)としてまとめてくださった事務局の皆様に感謝を申し上げます。
それでは、意見を申し上げます。2点ございます。
1点目は、出産育児一時金について、後期高齢者医療からの支援の対象などについての部分でございます。記載は7ページになります。
前回の会議でも申し上げたことですが、8行目から後期高齢者の保険料負担について、「現行の現役世代、後期高齢者の保険料負担の実績を踏まえ、出産育児一時金の対象額の7%とし」とあります。ここにある「7%」については、この「論点整理(案)」を初めて目にする方には、なぜ7%なのかが分かりにくいままです。このことは前回も申し上げました。これは、全保険料負担に占める後期高齢者の負担比率がベースになっていると認識しますが、あるいは他の根拠があるのであれば、それならそれで、きちんと記述あるいは説明を加えていただくべきですし、そうしていただきたいと思います。
これは、この「論点整理(案)」を、この時間も目を通されている報道関係の皆様のみならず、一般の国民の皆さん、後期高齢者の皆さんが、この内容を御覧になったときに、「なぜ7%なのか、どのような根拠による7%なのか」が分かるようにすべきと思います。
関係者は分かっているからでは通用し難い、情報公開、情報共有の時代でありますし、それを礎に、国民の理解、負担する当事者の理解は成り立ちます。それなくしてことを決めるようでは、肝腎要の全世代型社会保障制度の本来の理念にそぐいませんし、理解と共感を得るためにも欠かせないと思いますので、重ねてお願いいたします。
2点目は、医療費適正化のことです。記載は21ページになります。
ここには、発言を踏まえて、「医療保険制度の持続可能性を高める観点から、セルフメディケーションや、個人が自らの健康づくりに取り組むことが重要であり、さらなる普及啓発に取り組むべきではないか」と記述していただいています。
しかし、私の発言の趣旨を酌んでいただけるのであれば、国民一人一人が本気で自分の健康は自分で守ると意識して行動を変えなければ、実効性のある成果には至らないと申し上げたことをより強く反映いただきたいと希望します。
現状の記述は、いわば一般論を書いたのみのトーンであり、読む人から見ても何ともインパクトのない意見を見るだけになります。それでは困るし、何の改善にもつながらないのです。
例えば、「あなたの健康のためには、もっと健康を意識して行動してください」と、一般的に言われても、恐らく誰もが聞き流して、特に反応しないのではないでしょうか。実際の自治体現場で、保健師が健康指導を行うケースでも、「血液検査によれば、あなたの症状はかくかくしかじかで、このまま放置すれば、今後さらに悪化して、1年後には○○の症状になり、さらに数年後にはこうなりますよ」と伝えて、初めて当該の人は、「そうなのですか」と、本気になるものです。
健診データという客観的な事実が何よりの説得力を持つのです。そして、そのような説明と健康改善を促して、実際に健康改善ができた事例を踏まえて、先の意見を申し上げたのです。
ですから、一般論ではなく、この論点整理(案)の読者にも、なるほどそうかと伝わる記述への改善を、ぜひお願いします。ぜひ、「『自らの健康は自ら守る』という意識と行動が重要である」と加えていただきたいと思います。
このように申し上げるのは、幾重にも意見を述べましたように、国民の皆さん、お一人お一人が真に「自らの健康は自ら守る」と、本気になって初めて、御本人が健康改善に努め、その結果として医療費適正化にもつながると考えます。
制度設計や推進奨励の交付金なども方策としてはありましょうが、何より重要なのは、本気になっていただくことです。そして、行動変容により健康増進がかなうわけであり、その結果、医療費適正化の改善になると思います。
ちなみに、特定健診、特定保健指導の実施率で、いずれも全国2位となった多久市の経験から申し上げれば、そのような健康指導を進めると、健康不調が早く分かり、一時的に医療機関に行く人が増えます。けれども、それは必要な検査を前倒して行うからであり、早期発見、早期治療につながります。そして、結果的には、医療費適正化につながるのです。ぜひ、以上の趣旨をお酌み取りいただきたいと希望いたします。
全国後期高齢者医療広域連合協議会会長、横尾俊彦。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、池端委員、よろしくお願いいたします。
○池端委員 ありがとうございます。
私も、まず、医療保険制度について、それから議論の整理についてコメントをさせていただきます。
まず、医療保険制度改革、何人もの委員の先生方もおっしゃったように、出産育児一時金の高齢者負担割合あるいは賦課限度額の増額に関して、一定程度の激変緩和措置が取られたことについては評価したいと思います。
その上で、ここは医療保険部会ですので医療保険制度について議論をするわけですけれども、高齢者の負担は、それだけではなくて、介護保険の負担、さらには、生活費の負担等も、今後、上昇する可能性が高いということで、高齢者の負担全体でどれくらい増えていくのかという、そういう全体の負担増ということも、しっかり今後検証しながら検討すべき事項ではないかと思いますので、その取組もぜひお願いしたいと思います。
2番目に、議論の整理についても、大変な作業でおまとめいただきましてありがとうございました。また、私どもの意見も幾つか反映していただいたことを感謝申し上げたいと思います。
その中で特に、まず、22ページ、24ページ等にありますように、在宅医療を含めた高齢者医療に、非常に必要なデータとなるKDBの有効活用ということを入れていただいたこと、非常に私もいいことだと思います。匿名性が難しいところは、理解はしているつもりですけれども、ぜひKDBデータもどんどん使用できるように、今後も御検討いただければと思います。
それから、さらに高齢者の医薬品適正使用の指針ということを、はっきりうたっていただいて、それを使って適正使用を進めていくということも、具体的なガイドライン等の名前も入れていただいたことに対しては、これも感謝を申し上げたいと思います。
その中で、せっかく入れていただいたので、当時もお話ししましたように、局を超えてぜひ連携を図っていただいて、これが本当に具体的に動くように進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後に23ページにありますように、医薬品の安定供給に留意ということも挙げていただいたこと、非常に感謝申し上げたいと思います。
もちろん、適正化使用というのは重要ですけれども、一方で、国民の負担の軽減も大事ですけれども、その前に、本当に必要なお薬が国民に届くということが、もっと大事な点ではないかと思いますので、そこを鑑みながら、適正化使用あるいは負担の軽減ということを考えなければいけないと思いますので、そこ(安定供給の確保)を枕詞として入れていただいたことについても、感謝申し上げたいと思いますし、それをしっかり踏まえた上で、今後も進めていただければと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、猪口委員、よろしくお願いいたします。
○猪口委員 よろしくお願いいたします。
まず、出産育児一時金の後期高齢者の負担についてですけれども、これを段階的にしていただけたというのは、お願いもいたしましたので、ありがたく思います。
それにしましても、一部の所得の後期高齢者の負担というのは、かなり厳しくなるなということを実感しております。
それから、議論の整理も、よくおまとめいただいてありがたく思います。
ただ、1点だけ、今、池端委員が言ったところなのですが、23ページの後発医薬品の使用促進に向けてのところであります。
そこに、今後、医薬品の安定的な供給に留意しつつ、新たな数値目標を設定するとあります。ここは留意しつつではなくて、現在、後発医薬品が日々、供給がストップしたり、薬を変えなくてはいけない、患者さんに説明しなくてはいけないということが、日々行わなくてはならなくなっております。このように供給が悪いので、ここは、今後の医薬品の安定的な供給が、まず第1の基本であるということをしっかりと書いていただきたいと思います。やはり、これがないと、日々の診療、それから患者さんへの医療の提供が滞るということがございますので、ぜひそこをよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、林委員、よろしくお願いいたします。
○林委員 ありがとうございます。日本歯科医師会の林でございます。
資料2の議論の整理(案)についてコメントをいたします。
10ページの高齢者医療制度の見直しについてでございますが、以前にも申しましたが、後期高齢者の保険料負担の見直しは、賦課限度額の引上げとともに、所得割率の引上げの方向性が示されておりまして、後期高齢者の幅広い割合に何らかの負担があると思われます。
応能負担や全世代で支えるという観点から、後期高齢者にある程度の負担を求めることにつきましては理解をいたしますが、負担ばかりが強調されておりまして、財政論からの給付と負担の見直しではないかと国民にとらわれれば、現役世代、特に若い世代にとって、将来への負担感が募り、国民の安心と納得が得られないのではないかと懸念しております。
医療保険制度の見直しにおきましては、現役世代、特に若い世代に不安を与えないよう、いずれ自分たちが経験する後期高齢者の具体的な負担も含めて、その全体像をできるだけ早めに提示するとともに、今後の負担の見直しなどを含めた将来像をしっかりと見える化して、国民の安心と納得が得られるよう、丁寧に周知していただくべきと考えております。
また、高齢者の過度の負担増によって、医療への受診抑制が生じないように、丁寧な検討を行うことも重要と思っておりますので、議論の整理(案)に反映していただいたことに感謝しております。
私からは、以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、兼子委員、よろしくお願いいたします。
○兼子委員 ありがとうございます。
私のほうからは、少し全体的なところで触れておきたいと思うのですが、まず1つは、全世代型社会保障構築会議の提言ですか、これが高齢者の給付と現役世代の負担という、残念ながら、その対立したような構造を作り上げていると思われざるを得ないという感じをしております。
私としては、前々から意見を申し上げてきましたけれども、やはり、社会保障としての医療保険の在り方としては、能力に応じた負担で財政を支える。やはり、この視点を常に明確にして、医療保険の在り方等について議論を行うべきだと思っております。
大枠の負担の在り方として、素人の考えですけれども、公費、事業主負担、保険料、それぞれが3分の1ぐらいを、まず負担するというところが、議論の入り口として進められていけばと、私はそういう期待を持っております。
それから、今、申し上げた能力に応じた負担で財政を支えるという議論の在り方として、1つは、制度が多様化する中で、能力に応じた負担の問題が、医療保険者間の負担という形で、複雑化して見えなくなっていると思っております。この辺についても、議論をきちんと進める必要があるのではないか。
それから、必要な最低生活費にまで食い込む負担は望ましくないということが、議論の基本であるべきだと思います。
さらに、最低生活費に満たない所得の人々について、免除措置というものを、一応、形としてはあるわけですけれども、これを具体的にはっきりさせるべきではないかと思います。
それから、資格証明書の問題ですけれども、所得の低い人たちへのペナルティーは、やはりあるべきではないと思います。いろいろモラル・ハザードの関係で、資格証明書の必要性ということがあるのかもしれませんけれども、どうしても、この高齢者の、特に所得の低い人々のペナルティーについては、具体的にどうやっているのかということをはっきりさせていただいて、先ほど申し上げた、最低生活費以下の人たちについては、それは、やめるべきではないかと、このように思っております。
非常に大枠の意見ですけれども、以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、渡邊委員、よろしくお願いいたします。
○渡邊委員 ありがとうございます。
論点整理におきましては、多くの部分で意見を取り入れていただきましたことに、感謝を申し上げたいと思います。
その中でなのですが、藤井委員をはじめ、池端委員、猪口委員のほうからもございましたように、後発医薬品に関する現在の状況というのは、医療従事者に負担がかかっているだけではなくて、患者に大きな不安を与えています。講じるべき措置の23ページのところでは、それに配慮し安定的な供給に留意しつつ」と書いていただいているものと思いますけれども、ここは、猪口先生からもございましたように、安定的な供給を確保した上で、と記載の上で数値目標を設定することとしていただきたいと思いますので、発言させていただきました。ありがとうございました。
私からは、以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょう。
では、藤井委員、よろしくお願いいたします。
○藤井委員 ありがとうございます。
すみません。しつこくて申し訳ないのですが、先ほど、私のコメントの中で、2点目について、セルフメディケーション、あるいは自助について、できれば「はじめに」のほうに書いていただきたいとお願いをしたわけですが、もし駄目であれば、どうして駄目なのかということについて、厚生労働省さんのお考えをお聞かせいただければと思うのですが、いかがでございましょうか。
○田辺部会長 では、この点、よろしくお願いいたします。
○森課長 総務課長でございます。
藤井委員から御質問いただきました議論の整理の関係ですけれども、最初の冒頭の「はじめに」のところを御覧いただいてお分かりになるように、ここの部分はコンパクトにイントロダクションという形で入れている部分でございます。大枠の方向性と、大枠の課題のみを記載させていただいている部分でございます。一つ一つの政策、とても重要な課題だと認識しておりますけれども、それを、もし1つ並べると、ほかも全部並べなければならない、重要な課題というのが幾つもございますので、どうしても分量の関係上、最初の「はじめに」の部分については、この形とさせていただきたいと考えております。よろしくお願いします。
○田辺部会長 藤井委員、いかがでございましょう。
○藤井委員 承知しました。仕方ないですね、そういうことであれば。ぜひ、今後、引き続き御検討いただきたいと思います。
それから、もう一点ですが、先ほども皆さん方、医薬品の安定供給について、いろいろコメントがございましたので、続けて申し上げたいのですが、なかなか数値目標とおっしゃられても、生産能力、キャパシティに限界があるものですから、結局、入れ替えないと、もう作れないという現状も分かっておりますので、それであれば、もう優先順位をつけて、もう医療用でなければどうしてもできないというものを先に作って、あとは仕方なく、後回しにするとか、そこら辺の具体的な、ちょっと多少荒っぽいかもしれませんけれども、そのぐらいの優先順位をつけないと、もう生産ラインは、限りがあるわけですから、ぜひそこら辺の方針を立てていただければと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょう。
お手は挙がっていないと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。
では、ほかに御意見等がなければ、本議題については、これまでとさせていただきます。
本日いただきました意見につきましては、事務局と相談の上、かつ、全体のバランスに考慮しつつ、必要な修正を行っていきたいと思っておりますが、最終的な議論の整理の文案につきましては、私のほうに御一任いただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、本議会につきましては、これまでとさせていただきます。
最後に、事務局から別途報告事項があるということでございますので、説明のほうをお願いいたします。
では、お願いいたします。
○原田課長 保険課長でございます。
資料3を御覧いただければと思います。感染症法の改正の関係でございます。
先々月の部会のほうで、感染症法の改正の閣議決定に関しまして御報告させていただいておりましたけれども、先の臨時国会におきまして、今月の2日に成立いたしまして、9日に公布されておりますので御報告させていただければと思います。
1枚目のスライドが、改正の概要でございます。また、当部会におきましても御議論いただきました流行初期医療確保措置につきましては、3枚目のスライドに添付しておりますけれども、国会の議論について、ちょっと御紹介をさせていただきますと、2ページ目のスライドでございますが、衆議院、参議院それぞれの厚生労働部会におきまして附帯決議が附されているというところでございます。
衆議院のほうでは、流行初期医療確保措置が実施される期間について、保険者等の負担に鑑み、速やかな補助金、診療報酬の上乗せにより、数か月程度の必要最小限の期間とすることということ。
また、参議院におきましては、流行初期医療確保措置は、その費用の一部に保険料が充当される例外的かつ限定的な措置であり、実施される期間について保険者等の負担に鑑み、速やかな補助金、診療報酬の上乗せにより、3か月を基本として必要最小限の期間とすることといった形で、附帯決議となってございます。
こうした附帯決議の内容や、部会での御議論もいただいた内容も踏まえまして、施行に向けて、私どもも取り組んでまいりたいと考えてございます。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、報告事項ではございますけれども、御意見等ございましたら、よろしくお願いいたします。
では、佐野委員、よろしくお願いします。
○佐野委員 ありがとうございます。
ただいま説明ございましたけれども、この資料3の2ページにお示しいただいたとおり、参議院厚生労働委員会の附帯決議において、「流行初期医療確保措置は、その費用の一部に保険料が充当される例外的かつ限定的な措置であり、実施される期間について、保険者等の負担に鑑み、速やかな補助金、診療報酬を上乗せにより、三箇月を基本として必要最小限の期間とすること。」とされております。
この措置を実施する際は、本附帯決議を着実に履行していただきますよう、重ねてお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、前葉委員、よろしくお願いいたします。
○前葉委員 ありがとうございます。
これは、私どもも、そもそも例外的かつ限定的な措置だと、やむを得ないものだと、ずっと申し述べてまいりました。今回、両院の附帯決議で、具体的に速やかな補助金、診療報酬の上乗せというのを書いていただきましたので、保険者の負担にならないように、ぜひよろしくお願いしたい。
その際に、期間ですが、これも極めて限定的に対するべきということは、従来申し上げてきましたが、数か月程度という必要最小限の期間、あるいは、参議院は具体的に3か月を基本としてと書いていただきました。ぜひ、保険者への十分な配慮がなされるよう、期間の設定について必要最小限ということを、重ねて運用の際、お願いをしたいと思います。 同様に運用について、今後、実施要領等に反映していただくことになろうかと思いますが、関係者等の意見も十分にお聞きいただいた上で、実施要領等を作成していただくよう、よろしくお願いを申し上げます。
以上でございます。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、村上委員、よろしくお願いいたします。
○村上委員 ありがとうございます。
今、お二方からあった件と全く同じ意見でございますけれども、衆参の附帯決議の内容をしっかり実行していただきたいということをお願いしたいと思います。新しい感染症は、次にいつ起こるのか、生じるかということは、まだ分からないわけですけれども、かなり先になった場合にも、こうした附帯決議があったということを棚上げすることのないよう、ぜひお願いしたいと思います。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
それでは、安藤委員、よろしくお願いいたします。
○安藤委員 ありがとうございます。
私の前のお三方と同じ意見でございますが、それ以外に、今回の感染症法改正に基づく種々の施策を実施する前提としまして、今般の新型コロナウイルス感染症において、平時、流行初期、それ以降の医療機関の経営状況がどのようなものであったのか、具体的な検証データを今後御提示いただくことが必要であると考えており、厚生労働省におかれましては、その点に御留意の上、施行に向けた準備を進めていただきたいと思っております。
以上です。
○田辺部会長 ありがとうございました。
ほかは、いかがでございましょう。
よろしゅうございますでしょうか、恐らく国会の附帯決議ですから、重いものとして受け止めるというのは、当然のスタンスだろうと思っております。
ほかは、よろしゅうございますでしょうか。
それでは、ほかに御意見等なければ、本日は、これまでとさせていただきます。
最後に、日原審議官より一言御挨拶があるということでございますので、よろしくお願い申し上げます。
○日原審議官 本日、部会としての議論の取りまとめをいただきまして、大変ありがとうございました。
委員の皆様方におかれましては、今年の9月からこれまで、多岐にわたる論点に関しまして、大変熱心な御審議をいただきまして、心より御礼を申し上げます。
取りまとめていただきました内容のうち、法改正の必要な事項につきましては、法案の提出に向けて準備を進めてまいりたいと考えておりますほか、それ以外の予算や運用で対応する部分も含めまして、総合的なパッケージとして取りまとめいただいた医療保険制度改革に、いただいた御意見を踏まえてしっかりと取り組んでまいりたいと思いますので、引き続き、御指導のほどよろしくお願い申し上げます。
これまで御審議いただきまして、本当にどうもありがとうございました。
○田辺部会長 どうもありがとうございました。
次回の開催日につきましては、追って事務局より御連絡いたします。
本日は御多忙の折、御参加いただきありがとうございました。また、円滑な審議に御協力いただいたことを、私のほうからも御礼申し上げます。
それでは、散会いたします。