令和4年12月16日 第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和4年12月16日(金) 13:00~15:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

12月16日合同部会 議事録

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、出席いただき、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まず名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。
 なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージまたはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。
 現在、副反応検討部会委員9名のうち9名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。なお、全ての委員において関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
 また、本日は、国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の神谷元参考人にお越しいただいております。
 それでは、進めさせていただきます。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。
 開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
 本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金、契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者は、ファイザー株式会社、モデルナ・ジャパン株式会社、アストラゼネカ株式会社、武田薬品工業株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、全ての委員においてファイザー株式会社、モデルナ・ジャパン株式会社、アストラゼネカ株式会社、武田薬品工業株式会社より50万円を超える受取はございませんでした。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金、契約金などの受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。舟越委員は第一三共株式会社から50万を超えて500万円以下の受取、藤井委員、柿崎委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受取がございました。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受取について、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○岡座長 それでは、次に事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-7、参考資料1から15になります。
 資料の不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○岡座長 それでは、審議を始めたいと思います。
 議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に係る調査等について」、まずは資料1-1-1から資料1-4について、事務局から御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
 資料1-1-1から1-4-4を用いまして、今回の集計対象時間において副反応疑い事例の動向などに変化があった点を中心に御説明いたします。
 今回の集計対象時間は、11月13日までとなっております。
 また、10月7日の部会で様式変更について御了承いただきましたが、今回の部会から運用を開始させていただいております。
 また、コミナティBA.4-5、コミナティ6か月~4歳用については、今回の集計対象時間から接種が開始されましたので、今回の資料から集計を開始しております。
 まず、資料1-1-1をご覧ください。
 2ページになります。副反応疑い事例の報告状況の概要を御説明いたします。コミナティについて、今回データロック内ではBA.1の推定接種回数は636万6554回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0008%で、重篤は0.0001%、死亡の報告はございません。
 BA.4-5の推定接種回数は525万106回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0003%で、重篤は0.0001%、データロック内における死亡の報告は2件です。
 BA.1、BA.4-5のいずれもまだ接種数はそれほど多くはございませんが、コミナティ全体と比較して高くはなっておりません。
 3ページに行っていただいて、コミナティ6か月~4歳用は、推定接種回数は5,496回接種、副反応疑い報告はございませんでした。
 コミナティ5~11歳用は、推定接種回数が360万6632回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0037%であり、前回とほぼ変わっておりません。
 続いて4ページ、スパイクバックスについて、BA.1の推定接種回数は142万6673回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0010%で、重篤は0.0001%、データロック内における死亡の報告はございません。
 こちらもまだ接種数は多くはございませんが、全体と比較して高い頻度とはなってございません。
 ヌバキソビッドについては、前回の部会以降、新たな副反応疑い報告はございませんでした。
 続いて50ページ以降が接種回数別の報告件数になりますが、2価ワクチンについては1・2回目接種として起源株ワクチンを接種した方に追加免疫として接種されることから、3回目以降に資料を追加しております。
 今回から57ページに5回目接種の資料を追加しておりますが、4回目接種と比べても報告頻度に大きな変化はございません。
 その他の副反応疑い事例の報告状況については、接種回数別の事例やロット別の報告件数などについて、いずれのワクチンでも顕著な報告状況の変化はございませんでした。
 続いて資料1-2-1について、スパイクバックスに関し文献情報を基に多数の副反応疑い報告がなされた旨、前回の部会で御報告いたしました。前回の部会で多屋委員からも御指摘がございましたが、文献情報に基づくスパイクバックスの約1,000件の副反応疑い報告の取扱いについて、モデルナ社が文献の執筆者に当たりまして、詳細情報の調査を行ったところ、重篤症例を除く約9割が報告対象外として取り下げられるとモデルナ社から報告がございました。今回の部会の集計対象期間内には取り下げられなかったので、本部会の資料には集計に含まれておりますが、次回の部会では反映される見込みですので、御報告いたします。
 資料1-1と1-2の説明は以上とさせていただきます。
 続いて死亡事例でございます。10月7日の部会で御了承いただきましたとおり、今回から死亡症例についてはデータロック期間内の情報のみお出しし、これまでと同様、追加で情報提供すべきものについては臨機応変に御報告させていただくこととしておりますが、2価ワクチンについては接種後に死亡した事例として症例が複数報告されましたので、今回はデータロック期間外の症例についてもお示ししております。
 資料1-3-1をご覧ください。コミナティの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目、「1.報告状況」です。これまで報告件数等を文章で記載しておりましたが、2価ワクチンの追加を踏まえまして、より分かりやすいよう、今回から表形式とさせていただいております。ほかのワクチンや、この後御説明する心筋炎等の資料も同様です。前回及び今回の集計対象期間における報告件数を表としてまとめております。
 今回の集計対象期間において死亡として報告された事例として、総数としては1,707件、うち4回目以降は35件の報告がございました。
 データロック期間内での2価ワクチンの報告は、BA.1は0件、BA.4-5は2件の報告となっており、BA.4-5の2件はいずれも11月11日の部会にてお示しした症例となります。
 「2.専門家の評価」の項に、専門家評価の結果を表としてまとめております。
 3ページ目、「(参考2)報告頻度」の部分でございます。各接種回数における100万回当たりの報告頻度については、前回から大きな変化はございません。4回目接種については前回同様、1~3回目より低い頻度となってございます。
 また、今回、データロック内のコミナティBA.4-5の死亡事例2件に加えまして、データロック期間外においてコミナティBA.1の死亡事例が3件、コミナティBA.4-5の死亡事例が13件ございましたので、御報告いたします。BA.1の死亡事例は283ページ、BA.4-5の死亡事例は284ページ以降をご覧ください。
 BA.4-5の死亡事例のうち、No.2の症例の詳細に関しては後ほど御説明いたします。
 以上がコミナティの死亡事例の報告になります。
 続きまして、資料1-3-2をご覧ください。スパイクバックスの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目、「1.報告状況」です。今回の集計対象期間において死亡として報告された事例として、総数としては209件、うち4回目以降は21件の報告がございました。また、データロック期間内におけるBA.1の報告はございません。
 「2.専門家の評価」の項に、専門家評価の結果を表としてまとめております。
 3ページ目、「(参考2)報告頻度」の部分でございます。各接種回数における100万回当たりの報告頻度については、前回から大きな変化はございません。
 また、4回目接種については、前回同様、1~3回目より低い頻度となってございます。
 また、今回、データロック期間外にスパイクバックスBA.1の死亡事例が1件ございました。46ページにお示ししておりまして、3回目接種としてスパイクバックスBA.1を接種した事例となります。
 スパイクバックスの説明は以上となります。
 ヌバキソビッドについては、新たな御報告はございませんので、説明は省略させていただきます。
 続いて、5~11歳用のコミナティについて、資料1-3-4になります。
 データロック期間内で新たな事例の報告はございませんが、4ページのNo.2の11歳男児の事例につきまして追加の報告があり、下線部となりますが、剖検が行われ、「正式な結果は未作成だが、肝腎のショックの所見で、脳幹まで及ぶ高度な脳浮腫を認めた。現在、剖検の検体を使い病原体検査、遺伝子検査、代謝系の検査を広く行っている。結果がいつ出るかは、この時点では不明である」との情報が追加されております。
 評価については、前回の部会から変わりはございません。
 資料1-3の説明は以上となります。
 10月7日の部会におきまして、今後、特に注目すべき事項として心筋炎、心膜炎に注視して御検討いただく方針について御了承いただいたことを踏まえまして、今回から資料1-4では心筋炎、心膜炎に関する資料についてまとめてございます。
 資料1-4-1をご覧ください。
 コミナティBA.1において、心筋炎、心膜炎疑いの症例がそれぞれ1件ずつ報告されております。心筋炎の事例は37ページ、心膜炎の事例は42ページにお示ししております。転帰については、心筋炎の事例は軽快、心膜炎の事例は不明として報告されており、評価はいずれもγとなっております。
 また、その他のワクチンについても、心筋炎、心膜炎の発生頻度について大きな変化はございません。
 全体としての報告は以上になりますが、引き続き、追加で事務局から報告させていただきます。
○事務局 ただいま事務局から死亡事例の概要について説明させていただきましたが、コミナティRTU筋注BA.4-5の死亡事例について、追加で御説明させていただきます。
 資料1-3-1の285ページをご覧ください。前回の部会で医療機関報告として1人の報告医からアナフィラキシーの疑いとして報告され、その後、第2報として、アナフィラキシーとしての報告は取り下げられ、別の医師からは急性心不全として報告された副反応疑い報告について御報告させていただきました。前回の部会以降、医療機関報告及び企業報告が追加でございましたので、御報告いたします。
 まず、医療機関報告について御説明いたします。資料上、No.2、報告医3からの報告としておりますが、報告者の所属機関が設置した医療安全目的の委員会において審議された結果について、副反応疑い報告として医療機関報告があったものですが、予診票上の留意点として、糖尿病、ワクチン接種前の体温は35.8度、家族歴は不明であり、報告基準にない症状として、呼吸困難、酸素飽和度低下、血痰が報告されております。
 詳細については、288ページの資料1-3-1【別添1】をご覧ください。前回の部会でバイタルサイン等の情報について収集するよう御指示いただいておりましたが、今回、追加で血圧の情報と脈拍の情報が得られました。ワクチン接種から約20分後の血圧として、収縮期血圧が73、拡張期血圧が57、脈拍は90と報告されております。
 続きまして、本事案の時間経過の下のポツになりますが、死亡診断書の病名として、急性左心不全、致死的不整脈とされており、死亡後の画像診断から高度な肺うっ血の所見が認められた。初診時に皮膚症状、消化器症状なく一般的なアナフィラキシーで認められる所見がなかったこと、及び泡沫状の血痰を多量に排出したことなど急性肺水腫を想定する症状であった。観察室に移動するときに、接種前から実は具合が悪かったということを訴えられており、ACS(急性冠症候群)やARDS(急性呼吸促迫症候群)を来し得る病態も鑑別として考えられる。ワクチン接種後であったことからアナフィラキシーの存在は強く疑われたとされております。
 続きまして、290ページからが製造販売業者からの報告ですが、新たな情報等に絞って説明させていただきます。
 294ページの、2022年12月5日現在の箇所をご覧ください。第1報で製造販売業者はアナフィラキシーとして報告しておりましたが、こちらに記載しているとおり、報告医からアナフィラキシーのブライトン分類に必要な身体所見は呼吸困難のみ、皮膚、粘膜所見なし、消化器症状なし、確認できる循環器症状なしであり、ブライトン分類はグレード4と報告医からの情報があったことを受けて、企業報告の4報目でアナフィラキシーの報告が取り下げられましたが、昨晩、第5報として、先ほど【別添1】で御説明した医療機関報告の情報を基に再度アナフィラキシーとして報告されてきております。内容は【別添1】の情報と同じものになります。
 また、そのすぐ下、検査値等について調査の箇所をご覧ください。具体的な数値は報告されてございませんが、搬送先の病院でBNP高値、トロポニン陰性であると聞いたと報告されております。
 また、その下に嘔気に関する情報が記載されております。前回の部会でも報告させていただいておりましたが、当初、医療機関報告にて嘔気が報告されておりましたが、報告書に記載されているとおり、看護記録に嘔気とあり、報告者もそのとおり記載したが、振り返って考えると明らかな血痰であり、気管から出ていた可能性が高い。患者も嘔気を訴えていなかったと、嘔気について取り下げられております。
 また、皮膚症状の所見が認められていない旨の報告があり、呼吸器症状(喘鳴、上気道の腫脹)を確認できず、14時28分の呼吸促迫が認められた際にチアノーゼや陥没呼吸を確認することができなかった。挿管をトライした際にも、喉頭浮腫は認めなかったと報告しております。
 以上が主な追加情報になります。
 285ページに戻っていただきまして、専門家評価についてですが、事前に先生方にも御相談させていただきましたとおり、今回、部会の直前で医療機関報告にてバイタル情報等、追加の情報が得られたことに加え、製造販売業者からもアナフィラキシーやそれに付随する症状の取下げ等の報告、また、昨晩、追加でアナフィラキシーについても報告されていることから、短期間で拙速に評価を行うのではなく、改めて情報を整理した上で専門家評価を行うこととして、今回、評価中としております。
 以上がコミナティBA.4-5のNo.2の症例に関する報告になります。
 続きまして、集計対象期間内の2価ワクチンの死亡事例の報告に関して事務局から報告させていただきましたが、集計対象期間外の報告について補足させていただきます。
 コミナティBA.1については、12月2日までに3件報告されておりまして、100万回接種当たりの報告頻度は0.4となります。
 コミナティBA.4-5については、12月2日までに15件報告されておりまして、100万接種当たりの報告頻度は0.9となります。
 スパイクバックスBA.1については、12月2日までに1件報告されており、100万回接種当たりの報告頻度は0.4となります。
 スパイクバックスBA.4-5については、死亡事例の報告はございません。
 いずれの2価ワクチンにおいても、起源株ワクチンと比較して高い頻度にはなってございません。
 最後になりますが、小児用コミナティにおいて3例目の死亡事例が先日報告されましたので、御報告いたします。
 資料1-3-4の4ページになります。11歳男性、コミナティ5~11歳用の3回目の接種を行った事例になります。予診票上の留意点として、アレルギー性鼻炎が報告され、レミカットを内服。
 12月13日15時40分、5~11歳用コミナティ3回目の接種。接種前の体温は37.1度と報告されております。
 18時40分頃に入浴していたが、入浴後の情報はない。入浴前に食欲がなかったとの情報があり、19時15分、浴槽に顔がつかっている状態でいるのを家人が発見し、救急要請。
 19時30分、救急隊が現着しCPA(初期波形Asystole)。救急隊により静脈路確保しアドレナリンを3~4分おきに投与し、CPRを施行しながら搬送。
 19時57分、病院到着。一度PEAになるもすぐにAsystoleとなり、それを繰り返してROSCせず。
 21時7分、死亡確認と報告されており、本事例については専門家評価に向けて追加の情報収集を行っています。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 引き続きまして、資料1-5について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 ありがとうございます。
 それでは、資料1-5及び関連する参考資料について御説明申し上げます。
 資料1-5の2ページ目をご覧ください。今回の審議会の資料構成につきましては、1項におきまして副反応疑い報告全体の概要について、2項において概要以外のその他の資料についてご覧いただいた上で、3項において当該審議会における論点について、効率的に御議論いただける資料構成といたしております。
 おめくりいただきまして、4ページ目~6ページ目が副反応疑い報告の概要でございます。11月13日のデータロックまでの報告状況等について、資料1-1-1及び資料1-2-1をまとめております。
 4ページ目におきましては、今回の審議会より、最下段にファイザー社ワクチンのうちオミクロン株BA.4-5対応ワクチンの推定接種回数、報告数、報告頻度についてお示ししております。
 5ページ目におきましては、前回同様、上段に従来株ワクチン及びオミクロン株対応ワクチンを含むモデルナ社ワクチン総数の表を、下段に、うちオミクロン株BA.1対応ワクチンの報告状況をお示ししております。
 6ページ目におきましては、5歳~11歳の小児用ワクチン及びノババックスワクチンに係る報告状況に加え、今回より6か月~4歳用の乳幼児ワクチンの報告状況についてお示ししておりますが、乳幼児ワクチンについては今回のデータロック期間内においては副反応疑い報告はございませんでした。
 続きまして、8ページ目~10ページ目におきましては、COVID-19 mRNAワクチン接種後のリスクの分析について、国内外の情報をお示ししております。
 10ページ目に参考資料としてお示ししておりますとおり、今般、AMED研究班より、国内におけるCOVID-19 mRNAワクチン接種後一定期間とそれ以外の期間のリスクの比較解析により、mRNAワクチン接種後21日以内における急性心筋梗塞等のアウトカムのリスクについて評価した結果、COVID-19 mRNAワクチンは一般的に安全である旨の報告がされました。
 この御報告を踏まえ、8ページにおきまして、同研究班による国内の1都市におけるCOVID-19 mRNAワクチン接種後の一定期間とそれ以外の期間の死亡のリスクの比較解析及び海外の死亡のリスクに係る観察研究の結果をお示ししております。
 青囲みの中、上段、1)にAMED研究班の国内のデータを、下段、2)に米国のデータをお示ししております。
 AMED研究班のデータにおきましては、18万4491人について解析した結果、発生率比IRRについて、コホート研究においては、1回目接種後の点推定値0.27、2回目接種後の点推定値0.26、自己対照ケースシリーズ分析においては、1回目接種後の推定値0.38、2回目接種後の点推定値0.43等と報告されており、コホート研究及び修正自己対照ケースシリーズ分析のいずれにおいても1・2回目接種後の死亡のリスクの上昇は認められなかったと報告されています。
 また、米国VSDを利用したCDCからの報告といたしましては、およそ1100万人のVSD参加者を対象とし、2020年12月14日~2021年7月31日までを対象の観察期間とし、接種期間をワクチン接種後の全期間、非接種期間を非接種者及び接種者の接種前の期間を合算した場合、その発生率比IRRがファイザー社ワクチンBNT162b2において、1回目接種後の点推定値0.41、2回目接種後の点推定値0.34、モデルナ社ワクチンmRNA-1273において、1回目接種後の点推定値0.34、2回目接種後の点推定値0.31等とされており、接種後期間について、非接種期間と比較して、年齢や性別調整後の全死亡のリスクの上昇は認められなかったと報告されており、AMED研究班による報告及び米国の観察研究のいずれにおいても、COVID-19 mRNAワクチン接種後の死亡のリスクについて、有意な上昇は認められなかったと報告されています。
 次に、9ページ目におきましては、AMED研究班による追加の層別解析として、表中の解析方法のうちマル2自己対照ケースシリーズにおきまして、表中の対象者の項のマル2のうち女性の欄をご覧いただきますと、肺塞栓症を発症した39人のうち、初回接種の観察期間21日以内において発症したとされる事例が5人いたとされ、これを解析した結果、右側の結果の項をご覧いただきますと、発生率比としてマル2の1st doseの女性におきまして、点推定値3.97、信頼区間としては1.18~13.32であったと報告されています。
 一方で、海外の観察研究については、例えば同一の解析方法である自己対照ケースシリーズを用いたフランスの研究におきましては、7,296人のうち1st dose後の3,993人について、接種後1~14日の解析をした結果、1st dose後の男女において発生率比は点推定値として0.85、信頼区間0.75~0.96等の結果が示されており、米国、イスラエルにおけるコホート研究も含めた3報の観察研究においては、いずれもCOVID-19 mRNAワクチン接種後の肺塞栓症について有意なリスクの上昇は認められなかったとされております。
 これらのCOVID-19 mRNAワクチン接種後のリスクの分析状況も御活用いただきつつ、先生方におかれましては、新型コロナワクチン接種後の副反応の報告状況について御議論いただければと考えてございます。
 続きまして、12ページ目~19ページ目がまとめスライドとなります。構成といたしましては、前回までの死亡事例、心筋炎、心膜炎、小児ワクチン、4回目接種後に係るまとめのスライドに加えまして、今回より15ページ目に乳幼児ワクチン、16ページ目に4回目接種に加え5回目接種後の報告状況、18ページ目にオミクロン株BA.4-5対応ワクチンのまとめスライドも準備させていただきました。
 また、14ページ目におきましては、資料1-3にて御説明させていただきました小児ワクチン接種後の死亡事例について記載させていただいております。青囲みの4マル目でございますが、2022年11月14日~12月15日までの期間において、12月13日に3回目接種を行った事例として、接種後同日に死亡したとして報告された1事例があり、当該の事例については、事務局といたしましても現在、情報収集を行っているところであり、今後、専門家の評価も踏まえ、事例の検討を行っていただきたいと考えているところでございます。
 その上で、19ページ目の赤囲み2マル目でございますけれども、全体のまとめとして、上記の各項目に係る検討も含め、現時点においては、ワクチン接種によるベネフィットがリスクを上回ると考えられ、ワクチン接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、引き続き国内外の情報収集しつつ、新型コロナワクチンの接種を継続していくこととしてよいか、としております。
 なお、最後に参考資料15をご覧ください。こちらはこれまで新型コロナワクチン接種後における心筋炎または心膜炎と評価された報告の状況について、性・年齢別の情報をお示ししてきた資料でございます。オミクロン株対応ワクチン接種後の事例においても、引き続きアナフィラキシーを疑うとして報告される事例があることも踏まえ、今回より参考資料として、アナフィラキシーとして評価された報告の状況についてもまとめるとともに、表中、一番右側の列におきまして総計の欄を設け、全体の報告状況を一望できるよう記載しております。御議論の際に御活用いただけますと幸いでございます。
 事務局からの資料1-5及び関連した参考資料の説明は以上でございます。
○岡座長 続きまして、資料1-7について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 続きまして、資料1-7、新型コロナワクチン接種後の健康状況調査、いわゆるオンライン調査の中間報告について、前回までの内容を踏まえまして御紹介申し上げます。
 今回の集計対象期間は11月20日までとなっており、主に4回目接種後の報告を中心にデータが集積しております。また、今回から新たに小児用ファイザー社ワクチン3回目接種に関する情報、オミクロン対応2価ワクチンの3回目接種及び4回目接種に関する情報、武田・ノババックス社ワクチンの4回目接種に関する情報、インフルエンザワクチンとの同時期の接種に関する情報を報告いたします。
 また、前回までお示ししていた中間報告の集計において、プログラムの誤りにより、最大14人分、データを重複して計算しておりました。大変申し訳ありませんでした。今回の集計からは重複を排除して計算しておりますので、御報告いたします。
 57ページとスライドの下のほう、3回目接種当日中にエントリーし回答いただいた方は2,385名、そのうち有効回答者数は2,008名となっています。有効回答者数が、見かけ上、前回と比較して7名減少しておりますが、前回の重複回答14名を削除しておりますので、実際は7名増加しております。
 58ページの上側のグラフの左端ですが、3回目接種当日の有効回答者として、小児の方1名の登録がありました。なお、今回のデータロック期間では、接種後の症状の回答はありませんでした。
 続きまして、90ページのスライドの下のほう、4回目接種当日中にエントリーし回答いただいた方は775名、そのうち有効回答者数は648名となっております。有効回答者数は、見かけ上、前回と比較して120名増加しておりますが、前回の重複回答2例を削除しておりますので、実際は122名増加しております。
 続きまして、122ページから症状の分析結果を掲載しておりまして、152ページからワクチンのメーカーごとの症状の発現率をお示ししております。
 1枚跳びまして、154ページと155ページに接種3回目の後の症状の発現率をお示ししており、今回よりオミクロン株対応2価ワクチンのデータも記載しております。なお、モデルナ社のBA.4-5対応ワクチンは今回のデータロック日より後に接種が開始されておりますため、今回は症状の発現率のデータは入っておりません。
 また、156ページと157ページに接種4回目の後の症状の発現率をお示ししており、今回よりオミクロン株対応2価ワクチンと武田・ノババックス社ワクチンのデータも記載しております。症状の発現率などの傾向につきまして、前回と比較して大きな変化はございません。
 続きまして、266ページからは接種後に医療機関を受診した方の割合、269ページからは医療機関での診断結果、274ページからは入院状況、277ページからは3回目接種後または4回目接種を受けられた方に対して、前回の接種と比較して体調がどうであったかを質問した結果をお示ししております。ワクチンの種類が増えましたので、組合せは増えておりますが、前回から特筆すべき変化はございません。
 最後に、資料末尾の285ページですが、新型コロナワクチンの4回目接種の前後13日以内にインフルエンザワクチンを接種した方の人数をお示ししております。新型コロナワクチン接種4回目当日アンケートの回答者648名のうち9名の方が、13日前から前日までにインフルエンザワクチンを接種したと回答されました。
 また、新型コロナワクチン接種4回目1週間後アンケートの回答者255名のうち2名の方が、接種の翌日から6日後までにインフルエンザワクチンを接種したと回答されました。
 新型コロナワクチンの接種と同じ日に接種したと回答された方はいませんでした。
 また、新型コロナワクチン接種4回目2週間後アンケートの回答者258名のうち5名の方が、接種7日後から13日後までにインフルエンザワクチンを接種したと回答されました。
 資料1-7につきましての御説明は以上でございます。
○岡座長 続きまして、資料1-6につきまして、伊藤澄信委員から御説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。資料1-6です。
 本日のWhat’s Newですけれども、4回目接種のうちコミナティ筋注4回目接種3か月後の抗体価の推移、それからBA.1のデータですけれども、オミクロン株対応の2価ワクチン接種後の9日後までの特定有害事象の推移、それに加えて5~11歳の小児の6か月後までの抗体価の推移です。
 4回目接種は、6月17日から当初は60歳以上の方と18~60歳の基礎疾患を有した方を対象として始まりましたが、7月22日から医療従事者などにも対象が広がりましたので、6ページのファイザー社コミナティ筋注をご覧いただいたら分かりますけれども、60歳代が3割程度ありますが、現在は被接種者の年代はばらけて2,258人、スパイクバックス筋注は60歳代が12.4%ですが、1,183人のデータです。
 7ページに3か月後までの抗S抗体価の推移を、左側に年代別の推移、右側に3回目接種別の推移を示しました。抗体価測定は安全性の調査に御協力いただいている方のうちの500人ですが、調査開始当初に御参加いただいている方が抗体価測定にも御参加いただいているので、60歳以上の割合が高いことについて御留意いただければと思います。6か月後の抗体価の推移が入っておりますが、これは令和4年秋開始接種を接種される前に採血した、原則として5か月以上たった方で99人のデータを表の下に記載しています。抗体価測定3か月後までの結果が得られている4回目にコミナティ筋注をされた465人のデータですが、接種前から3か月後までの値に関して年齢ごとの差はなく、接種前4,543U/mLから1か月後は2万358と、4.5倍になっておりますが、その抗体価が3か月後には1万2553と、2.8倍になっていますから、接種3か月後には、1か月後の62%程度になっています。これは3回目接種の後の抗体価の減衰とほぼ変わりがないと思います。安全性情報についてはリバイスですので説明を省略させていただきます。
 15ページはスパイクバックス筋注が少し遅れて始まっていますので、3か月後までの集積が少し遅いのですが、475人のデータを示しております。接種前5,049が接種後2万703と、4.1倍になっていて、3か月後は1万3346と、2.6倍という状況になっています。
 コミナティ筋注と同様に、年齢階級別の違いはありません。安全性情報は省略させていただきますが、21ページに初回シリーズ、3回目接種後、4回目接種後の発熱、接種部位反応、倦怠感などの比較表を作っています。3回目接種と4回目接種を比較しますと、年齢・性別ワクチン種別で調整しても、発熱と倦怠感は、4回目のほうが少ないことが分かっています。局所疼痛には差がありませんでしたので、3回目と4回目全ての項目で4回目のほうが副反応が少ないわけではないことが分かっています。
 スパイクバックス筋注については、1・2回目は100マイクログラムで、3、4回目は半分の50マイクログラムですので、1・2回目と3、4回目の比較をするときに御留意いただければと思います。
 22ページです。前回、11月11日のこの会議のときに、流行時期によって感染者数が変動する感染症の特性を踏まえて、3回接種後の感染時期に応じた感染者割合を提示させていただきました。前回の3回目接種後の感染者割合に今回の4回目接種後の感染者割合をスーパーインポーズしています。計算方法については前回お示ししたスライドを64ページに再掲しておりますのでご覧いただければと思います。前回は対象症例数と感染者割合のグラフを重ねておりましたが、分かりにくいので、今回は対象症例者数を反映した母比率の95%信頼区間で表現しております。エラーバーが大きいところは症例数が少ないということだと御理解いただければと思います。
 4回目接種は6月17日から始まっていて、3回目接種の最後の人の6か月後の調査は9月で終わっていますので、そのため、グラフはそこで終わっています。
 3回目接種後の人が4回目接種後に移行していることには注意が必要なのですが、6月末の時点では、感染症割合は当然のこととして違いがないのですが、それが3回目接種後は月ごとでいうと6.1%ぐらいに増加しておりましたけれども、毎月の増加率が4回目接種後では3%に抑えられていて、ご覧いただいて分かるとおり信頼区間はかぶっておりませんので、明らかにブレークスルー感染を抑えていることが分かります。
 前回説明させていただいておりますけれども、これは抗N抗体に基づく感染率です。症状の有無も調査をしていて、抗N抗体が陽性でも40%の人は無症状だというのは先月をお示ししたとおりですので、このデータについては発症予防ではなくて感染予防効果を見ていると御理解いただければと思います。3回目、4回目は両方とも起源株由来ワクチンですが、7月~9月にかけてBA.5の流行時期での比較ですから、このグラフで流行株の影響は除かれていると思います。3回目と4回目の接種2~3か月の直線の傾きの違いは、オミクロン株間の感染性の違いを表しているのではないかと思いますが、同じ時期、7月~9月の3回目、4回目の傾きの違いから、残念ですけれども接種から4~5か月程度するとブレークスルー感染の可能性が高くなると思う一方で、逆に4回目接種が有効であったということを示していることの証左だろうと思います。
 25ページからは、オミクロン株対応2価ワクチン接種のデータです。コミナティRTUはBA.1の158人とスパイクバックスは45人の接種1週間後のデータなのですが、数字的には3回目接種と4回目接種ぐらいと同様に見えますけれども、年齢・性別で調整しておりませんので、確定的な話はしにくいと思っております。
 昨日現在でBA.4-5を含めてコミナティRTUが1,133人でスパイクバックスが158人の方に御参加いただいておりますので、次にお示しするときはもう少し確度の高い情報が提供できると思いますが、37ページに2価ワクチンと3、4回目追加接種の比較表をつけております。2価ワクチンは3回目、4回目接種に比べて副反応が強いということはなさそうだと、この表から理解ができるかと思います。
 41ページからは、11歳の小児のデータです。50ページが抗体価の推移です。左側は3か月後までの抗体価の測定をした83人、右側は6か月後までの結果が出てきております39人のデータを示しております。抗N抗体陰性か陽性かで違いがあるので、区別して表記をしております。
 大人と違って接種1か月後の抗体価が2,565と低いのですけれども、3か月後、6か月後に抗体価が減衰していないというのは、前回から説明させていただいているとおりでございます。
 3回目接種後は、11月に19人のデータを報告したのですけれども、今回は46人のデータとして増えていても、傾向としては変わりがないということだと思います。
 安全性の情報のまとめは、59ページに1回目、2回目、3回目接種の比較表として作っております。数が少ないので何とも言いようがないのですが、発熱の頻度などでは大きな違いがないと思います。
 3回目接種1か月後、8人ぐらい抗体価がわかっておりますが、発表すると個人が特定できてしまいますので、今回は提示させていただいておりませんが、3回目接種後はびっくりすることに1万を超えるような状況になっておりますので、子供においても3回目接種の効果は期待できるのではないかと思っています。
 報告は以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 それでは、事務局から御報告がありましたこれまでの副反応疑い事例、部会資料の構成、健康状況に関する調査について、効率的に議論を進めるために、論点に沿って議論を進めたいと思います。
 まずは、副反応疑い事例に関して、新型コロナワクチンの安全性評価については、1番として死亡事例について、2番として小児、乳幼児接種について、3番としてその他の論点ということで進めたいと思っております。
 まず、死亡事例についてでございますけれども、コミナティBA.4-5については、前回の部会で報告された事例が、今回の部会直前の追加報告を踏まえて、情報を整理した上で評価を行うこととなっております。また、データロック期間外の事例も幾つか報告されましたが、ワクチン接種と副反応疑い報告との観点で接種継続の可否等についてどう考えるかということを御議論いただきたいと思います。
 死亡事例の論点につきましては、資料1-5の12ページにおいて事務局から挙げられておりますので、その点についても御質問、御意見等をいただければと思います。
 それでは、死亡事例についての御議論をお願いできますでしょうか。
 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 どうもありがとうございます。
 前回の42歳の女性の方の事例について詳しい情報を追加いただきました資料1-3-1のNo.2でございます。最後のほうが分かりにくかったのですが、最終的に昨日、アナフィラキシーという申告がまたあったということなのですけれども、すごく混乱してしまいますので、その経緯をもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
○岡座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 濱田先生、御質問ありがとうございます。
 昨晩、製造販売業者から報告されたのですが、その報告内容は、報告医3として報告されている事例と全く同じ内容について企業が報告してきておりまして、その情報を基にアナフィラキシーとして報告をしてきているといった状況になっております。【別添1】の情報と全く同じ内容が報告されております。
○濱田委員 そういたしますと、この事例についてはアナフィラキシーということで申告されたということで、この部会ないしはPMDAのほうでもう一回ブライトン分類をしてみるということになるのでしょうか。
○事務局 先生御指摘のとおり、現時点の情報ではアナフィラキシーの疑いとして報告されているので、その内容も踏まえて専門家評価を行っていく予定としております。
○濱田委員 分かりました。どうもありがとうございます。また分かりましたらお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 続きまして、小児、乳幼児の接種についてということで、小児と乳幼児接種について議論を行いたいと思います。
 小児接種の論点につきましては、資料1-5の14ページにおいて事務局から挙げられておりますけれども、先ほど御説明がございましたように、追加で1例の死亡事例が報告されており、現在、情報収集中と報告をされております。その点も含めてどう考えるか、御意見、御質問等はございますでしょうか。
 藤井委員、お願いします。
○藤井委員 12月13日で起きた事例についてでもよろしいですか。
○岡座長 結構です。
○藤井委員 大変痛ましい事故だと思うのです。亡くなられた方には御冥福をお祈りいたします。
 この症例は、解剖はこれからですか。先ほど解剖とお話しされたのはこの症例になりますか。
○岡座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 先生、御質問ありがとうございます。
 本事例については、解剖を実施したかどうかについても現在のところ情報を得られておりませんので、情報収集中になります。
○藤井委員 接種が15時40分で、その後、事案があったのは19時15分ということで、割と短時間で起きた痛ましい事案だったと思います。
 接種会場から帰られているので、接種会場では何もなかったのかもしれませんが、そうしたことの事実の確認、それから19時15分にそういうことに至ったところまでの経緯、さらに予防接種、このワクチンとの関係についての推測が今後なされるかとは思います。
 小児の突然死というのは幾つも報告がございますけれども、臨床的な立場から申し上げますと、1つは心疾患の有無、特に不整脈系、例えばQT延長症候群なども考えられますし、もう一つは脳疾患ということで、てんかんをはじめとした中枢神経疾患の既往の有無などの確認が必要かと思います。また、それ以外にも法医学的側面、それから先天代謝異常などの急速な進行、または脳外科の疾患など、数多くの事案が予測されますので、今後、情報を収集していただいて御判断いただくのがよろしいかと思います。
 以上、コメントです。
○岡座長 事務局のほう、何かございますでしょうか。
○事務局 先生、御指摘ありがとうございます。
 頂戴いたしました御意見を踏まえまして、現在いただいております報告に加えまして、例えば接種会場から御自宅まで帰られるときの情報であるとか、あるいは小児の突然死としての原因を挙げていただきましたので、そのような既往がなかったかどうかということも含めまして、情報収集に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○藤井委員 よろしくお願いします。
○岡座長 そのほか、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 この件につきましては13日の事例ということで、至急、この会議で第1報ということで情報を上げていただきましたけれども、事務局のほうでともかく情報収集をしっかりしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そのほか、何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 続きまして、その他の論点ということで、資料1-5の論点スライドに示されました4回目以降の接種後及び2価ワクチンの副反応を含めまして、新型コロナワクチンの安全性に関連して、これまでの論点以外の観点から、何か御質問、御意見等はございますでしょうか。
 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 9ページの肺塞栓症の件ですけれども、実地臨床の観点からお尋ねしたいと思います。様々な解析があると思うのですが、特にAMED研究班についてのことを尋ねしたいと思います。
 様々な解析方法から示唆される事例について、できれば御専門の山縣先生から伺いたいということが第1点と、また、伊藤澄信先生には実地医療の観点から、本研究内容をどのように考えて、どのように生かしていけばよいのかということについて御示唆いただければと思います。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 かなり統計的な解析の論文ですので、もしよろしければ山縣委員あるいは伊藤委員からコメントいただけますと幸いでございますが、いかがでしょうか。
○山縣委員 御指名ですので、山縣です。
 今、御指摘いただいた点は非常に重要で、今回は幾つかの検定の中の1つで有意差が出たという側面が確かにあると思います。つまり、男女別で分けて、幾つかのアウトカムに関して検定を行う。こういうものを多重比較検定と言うのですが、そのときの問題としては、例えば有意水準を0.05に置くと、20回に1回はそういったことが紛れ込んでしまって、偶然有意差が出てしまうという問題がありますので、例えば臨床研究の場合、必ずメインのアウトカムを設定した上で、それが検定してどうだったかということも見ていくことをしなければならないのですが、今回の場合にはそういう点が1つ課題だと思います。
 一方で、これは私の私見ではありますが、もしも、肺塞栓をメインアウトカムとしても同じ結果が出てしまうわけで、AMEDの研究として成果が出されたので、これはこれとして、今後も引き続き注視しておく必要があると思います。
 ただ、これをそのまま、だから肺塞栓に関して何か大きな問題があるという警告を出すにはまだ十分なエビデンスはないと思いますし、フランスの論文も差がないというのが出ております。
 性差も本当に偶然の可能性のほうが高いのですが、それについても注視していく必要があるかなというのが、この論文の私の解釈です。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
 もしよろしければ、伊藤澄信委員からも御意見を頂戴できますでしょうか。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 今、山縣先生がおっしゃったとおりだと思うのですけれども、メインのアウトカムから言えば本来は全死亡だと思うのですけれども、全死亡で差がなくて、その後にいろいろな10項目で検定をしている、しかもその中で女性と男性を分けている。極端なことを言うと20項目の中の1つに有意差が出たということですが、普通から言うとバイチャンス、要するに偶然の話なのだろうと思います。
 多重性を調整してP値を20分の1にすると有意差が出てこないと思います。ただ、そうは言ってもこのように探索的に出てきたものについては、別のデータセットで検討していく必要もあるということは山縣先生がおっしゃるとおりですので、注意深く見ていけばいいと思っております。
 見た感じとしては以上でございます。肺塞栓は、日本人は海外の方々に比べても頻度的には低いので、今の段階で大きなリスクがあると認識する必要はないのではないか。研究者レベルで共通認識を持って、今後、データセットをつくっていくときに、十分注意して肺塞栓も含めて見ていかなければいけないということだと認識します。
 以上でございます。
○宮川委員 宮川です。ありがとうございました。
 そういう意味では、山縣先生、伊藤澄信先生からいろいろ教わりましたけれども、すぐさま反応するということではなく、その中で注視しながら実施臨床の中で接種を進めていきたいと考えております。ありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございました。
 御質問と、お答えいただいた両委員に感謝申し上げます。
 そのほか、何かございますでしょうか。
 ただいまの論文のメインの論点はモータリティーレート、死亡率が予防接種群では低かったという結論が出ているというのも非常に大事な点かと思いました。
 どなたか、その他の論点で御発言はございますか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、これまで議論された内容をまとめたいと思います。
 まず、集計期間における副反応疑い報告の傾向といたしましては、マル1として対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告については、副反応疑い事例全体の報告状況や年齢、性別の報告状況、ロット別の報告状況、4回目以降も含めた接種回数別の報告状況、心筋炎、心膜炎について報告状況や専門家評価の結果に動向の大きな変化はないとまとめさせていただきました。
 続いて、死亡事例についてでございますけれども、マル1として死亡事例の報告状況を整理すると、コミナティについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに24例の死亡事例の報告があり、うち6例が4回目以降の接種後の死亡事例であった。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,707例については、1件は引き続き評価中、10件がβ、そのほかの事例はγと評価されております。
 スパイクバックスにつきましては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに7件の死亡事例の報告があり、うち5件が4回目以降の接種後の死亡事例でありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された209件については、1件がβ、そのほかの事例はγとされております。
 ヌバキソビッドについては、新規の死亡事例の報告はございませんでした。
 死亡例の報告に関しては、現時点においては4回目以降の接種後の事例も含め、引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられるとさせていただきました。
 引き続き、小児、乳幼児の接種についてです。
 マル1としてコミナティ筋注5~11歳用については、11月13日までに、医療機関から132件、製造販売業者から155件の副反応疑い事例の報告がありました。
 死亡事例については、報告対象期間外に1件の報告があり、この件については先ほど御説明があり、今後、情報収集に努めていただくということになりました。
 また、心筋炎、心膜炎について、報告状況や専門家評価の結果に、動向の大きな変化はない。
 そして、マル4としてコミナティ筋注5~11歳用接種後の報告状況について、現時点においては、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
 また、マル5コミナティ6か月~4歳用については、現時点では副反応疑いの報告はなく、ワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられるとまとめさせていただきました。
 この形のおまとめでよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 皆さんうなずいておられることが確認できましたので、こういう形でまとめさせていただきます。
 以上、今回報告のありました具体的な事例なども踏まえ、新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見はございますでしょうか。
 特にないようですと、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○岡座長 ありがとうございます。皆さんうなずいていただきましたので、以上のような結論とさせていただきます。
 本日の議題は以上となりますけれども、そのほか全体を通じて御質問、御意見はございますか。
○事務局 事務局でございます。
 今回の審議事項にはございませんが、HPVワクチンの副反応疑い報告状況に関する資料について、次回の審議会の方針について御説明いたします。
 本年1月21日の審議会におけるHPVワクチンの安全性評価スケジュールに関する決定事項を踏まえ、本年6月~10月までの頻回審議においては、迅速な審議のため症例の名寄せ作業をせずに資料をお示しし、通常、3か月に1回の評価スケジュールに戻る次回より名寄せ作業を再開する予定としております。その際の名寄せ作業につきましては、本年8月5日の本部会での審議を踏まえまして、本年4月以前と同様の方針で継続させていただく予定としております。
 改めて名寄せ作業について御説明させていただきますが、製造販売業者と医療機関の両方から同じ症例について副反応疑い報告があった場合は、部会資料上、重複してカウントすることが極力ないように、片方の報告に症例を集約する作業を行っており、これが名寄せの作業になります。
 実際の処理としましては、件数は医療機関のほうに計上しておりますが、累計の欄における重篤度の内訳については、HPVワクチンとHPVワクチン以外のそのほかのワクチンで異なっております。
 そのほかのワクチンにおいては、医療機関が非重篤と評価して報告された症例であっても、製造販売業者が重篤と判断して報告された場合は、資料上の整理としては、一律、医療機関の報告のうち重篤に件数を計上しております。
 HPVワクチンにおいては、医療機関の評価を基に重篤度を振り分けており、その際の重篤度も、製造販売業者からの追加調査により得た最新の時点における医療機関の評価に基づいたものとしております。
 なお、今後は参考数値として、さらに詳細な内訳についても算出することを検討しております。
 次回以降の審議におきましては、4月以前と同様に、これまでどおり評価できるよう、HPVワクチンにおける名寄せの作業を行ってまいりますので、引き続き御審議のほどよろしくお願いいたします。
 以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
 次回からのHPVワクチンの名寄せ作業に関しまして、1月及び8月の本部会でも方針を御了承いただいたところではございますけれども、ただいま御説明いただいたとおりです。
 倉根委員、何か御発言はございますでしょうか。
○倉根委員 伊藤先生に御質問でもよろしいでしょうか。
○岡座長 結構です。
○倉根委員 先生にお示しいただいた中で、22ページに3回目と4回目のワクチン接種後の感染者のカーブがあるのですが、例えば2021年12月~2022年2月、3月あたりは非常にフラットであまり増えていないというのは、世の中のウイルスの活動性といいますか、感染する人が全体として少ないからフラットに見えていて、徐々にウイルスに感染する人が全体として増えてきたから増えてきたという解釈でよろしいのでしょうか。
 つまり、全体的な世の中のウイルスのアクティビティーをある程度反映しているというような解釈は、このカーブはしてもよろしいものなのでしょうか。あるいは、先生がおっしゃったように、例えば3回目のワクチンを打った方ですけれども、免疫が徐々に落ちてきたからだというような解釈になりますでしょうか。いかがでしょうか。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 前回は第6波とか第7波とかの時期を、図の下に入れたのですけれども、ちょうど2月から3月、4月ぐらいは第6波で、第7波が7月~9月ぐらいに出てきておりまして、解釈としては、12月~1月の頃はまだ流行が出てきていない時期、それからワクチンの効果の両方だと思います。
 第6波の時期はBA.1だったと思うのですけれども、第7波がBA.5ですので、論点としては、基本的には感染率の傾きを見ていただくと分かるのですけれども、傾きがある程度落ち着いている時期はワクチンの効果、オミクロン株に対する効果がある時期だと理解をしておりまして、第6波の青いほうの傾きと茶色のほうの傾きを比べていただきますと、第6波、BA.1の頃の傾きに比べると、BA.5の傾きはちょっときついのです。これはウイルスの性格の違いを見ているものではないかと思っています。
 7月~9月は、3回目接種の後半の5か月、6か月ぐらいの人と、接種してから1か月、2か月の人を直接比べている状況になると思いますので、3回目、4回目ということによっての違いがどの程度あるかは別にして、少なくとも接種から短期間のうちで有効性が出ていると理解できるのではないかと解釈しております。
 もう一点は、前回からずっと説明させていただいておりますけれども、抗体価そのものは頭打ちになっておりますので、S抗体価で見る限りにおいては、3回目接種後と4回目接種後の抗体価のピークは変わらないです。3回目接種後と4回目接種後で中和抗体価の上がりが違っているとまた別の説明になろうかと思いますが、一般的には3回目接種である程度交差免疫が出てきたら、4回目接種でそれほど交差免疫が横に広がるということもなさそうかなと思っていますので、接種からの時期の違いが大きいのではないか考えて先ほどの説明をさせていただきました。
 以上です。
○倉根委員 分かりました。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございました。
 先ほど御説明いただいたHPVワクチンの資料の名寄せ作業についての議題に戻りたいと思いますけれども、何か御意見、御質問等はございますか。よろしいでしょうか。
 そうしましたら、先ほど事務局から御説明がありましたとおり、HPVワクチン資料の今後の名寄せ作業につきましては、これまでと同様の方針で次回より再開いただければと思います。
 本日の議題は以上ですけれども、そのほか事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡差し上げます。
○岡座長 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。活発な御議論をありがとうございました。