地方課

都道府県労働局における法令遵守の徹底に係る取組みの実施状況等の評価について(令和3年度)

 厚生労働省大臣官房地方課地方支分部局法令遵守室は、令和3年度の都道府県労働局における法令遵守の徹底に係る取組の実施状況等について、次のとおり評価を行いましたので、公表します。
 なお、当該評価結果については、令和4年12月に、外部有識者を委員とする地方支分部局法令遵守委員会の各委員に報告し、その際の意見とともに、令和4年12月21日付けで都道府県労働局長宛て通知しました。
 
 令和3年度に各労働局において実施した内部点検等の結果に基づき、各労働局における法令遵守の徹底に係る取組みの実施状況等について、以下のとおり総括的に評価する。

1 定期的な内部点検結果について

 「法令遵守チェックリスト」を用いて、各都道府県労働局長が自ら点検と検証を実施し、当課に報告してきたところである。
 その報告をみると、都道府県労働局法令遵守要綱(平成23年5月31日改定)及び厚生労働省法令遵守マニュアル(令和2年11月26日改正)に基づき、各労働局における実情に合わせ概ね適正に取り組んでいるが、依然として、是正措置等を講じた事例がみられる。
 
【是正措置等を講じた事例】
● 職員の緊急連絡先を把握していない部署があった。
● 出勤時に押印がなされていない等、出勤簿の取扱いに不備があった。
● 兼業の申請漏れがあった。
● 公務出張時において、復命が速やかに行われておらず、幹部が会議決定事項を認識していなかった事案があった。
● 保有個人情報漏えいがあった。
● 勤務時間中のソーシャルメディアの私的利用があった。
● 緊急事態宣言中に懇親会を行った部署があった。
● 政府調達に係る落札者について、決定後、72日以内に官報公示していなかった。
● 各種計算証明書を証明期間経過後30日以内に会計検査院へ提出がなされていなかった。

2 会計事務監査指導結果について

 大臣官房会計課監査指導室における一般監査指導は、新型コロナウイルス感染症の感染状況等を踏まえ、令和2年度に続き、書面監査にて6労働局に対して実施されたところ、是正等を要するものとして指摘された件数は6局で15件(令和2年度は5労働局、10件)であり、1労働局当たりの件数は微増している。
 
【指摘事項】 
● 施設整備工事の契約(再度入札公告)において、支出負担行為計画示達額を超えた契約の締結及び契約金額と異なる支出負担行為決議を行っていた案件があった。
● 赴任旅費の支出において、過大に支給している案件や添付書類に不備があった。
● 自局の入力誤りによる振込不能件数が、複数回発生していた。
● 入札公告に係る手続きの不備(公告期間が開庁日で10日間を満たしていない案件等)があった。
● 契約金額が150万円を超えているにもかかわらず、物品購入の契約書において、契約書が作成されていない案件があった。

3 管理事務及び企画調整事務に係る中央監察結果について

 労働局の管理事務及び企画調整事務に係る中央監察は、新型コロナウイルス感染症の感染状況等を踏まえ、令和2年度に続き、資料提出にて、管理事務については24労働局に対して実施された。交通事故防止、内部監査の実施等の項目で好事例を収集する一方、是正等を求める指摘事項はなかった。

4 総括的な評価等について

 上記1から3を踏まえ、当課においては、各労働局における法令遵守の徹底に係る取組について、次のように総括的に評価等を行うこととする。
 
(1)総括的な評価について
 各労働局における法令遵守の徹底に係る取組は、新型コロナウイルス感染拡大防止に留意しつつ、新たな取組を行う局も見受けられ、おおむね適正に実施されているものと総括的に評価できる。しかしながら、各労働局単位でみると、依然として、担当者の認識誤りや決裁時の確認漏れ、法令等に定められた手続漏れ等の取扱いの誤りが認められたところであり、法令・通達に基づく取扱いの徹底、会計法令に関する知識習得と引継ぎ、勤務時間管理の適正化、保有個人情報の適正な管理など、引き続き取り組むべき課題がみられた。
 
(2)具体的な取組指示について
 ア 職員に対して、服務規律等の遵守に係る意識の向上及び法令・通達に基づく必要な手続きの実施に係る必要な措置を講ずること。【公務員倫理の徹底と綱紀保持】
 イ 会計法令等に関する知識の習得や浸透のために必要な措置を講ずること。【適正な会計経理事務等の徹底】
 ウ 職員や相談員等の勤務時間管理にあたり、規則等に基づく管理と適正な手続き及び長時間勤務の縮減等を徹底すること。【勤務時間管理の適正化】
 エ 保有個人情報の取扱いに係る、意識の向上に必要な措置を講じるとともに、漏えい防止対策の確実な履行を徹底すること。【保有個人情報の適正な管理】
 オ 会計事務監査指導において、是正等を要するものとして指摘された事項は、その後の監査指導等で同様の指摘を受けることのないよう、また、局の内部監査においても、是正等を要するものとして指摘した事項が、その後の内部監査で同一部署がくり返し指摘されることが生じないよう指導を徹底すること。

地方支分部局法令遵守委員会委員の主な意見(令和3年度)

○ 法令遵守の徹底に当たっては、自主点検だけでなく、実地での監察、監査等は非常に意味があるので、新型コロナウイルスの感染状況も考慮する必要があるが、今後とも取り組んでいただきたい。
 
○ 情報セキュリティ等について周知する必要がある。
 
○ 職員間の情報共有について、コロナ下におけるメール等、会議形式で行われていない事例もあるが、できれば、顔を合わせる場を作って、その組織における問題点等を把握した方がよい。
 
○ 内部通報制度について、内部通報の件数が増えているということ自体は、制度が機能しているためと考えられるので、良いことだと思う。通報があった場合は、通報に対応していることがわかる形で対応することが重要である。
 
○ 内部通報制度について、職員が、通報しても改善の見込みがないとか、通報したことにより不利益を受けるのではないかといった不安をもっている可能性がある。そういった不安を解消等するため利用する側が正確に制度を理解できるよう、制度の周知に取り組んで欲しい。

厚生労働本省の地方支分部局の職員等からの法令違反行為に関する通報受付件数等の運用状況(令和3年度)

 厚生労働本省の地方支分部局(都道府県労働局(労働基準監督署・公共職業安定所を含む。)及び地方厚生(支)局)の職員等からの法令違反行為に関する通報受付件数等の運用状況について、令和3年度は以下のとおりでした。
   通報又は入手した情報  
調査(事実確認)に着手したもの  
事実関係が確認され、是正等措置を講じたもの
 件数
74
64
11
   
内部窓口 
71
61
外部窓口 
※ 通報又は入手した情報について、法令違反行為に関する内容であって、具体的なものについては、全件、調査(事実確認)を行っています。

(厚生労働省大臣官房地方課 03-5253-1111(内線7273))