令和4年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会(議事要旨)

 

 

1.日時 令和4年11月7日(月) 13:59~15:17
 
2.場所  TKP新橋カンファレンスセンター ホール16E
 
3.出席者
○日本通運株式会社人材戦略部専任部長 池田祐一
○日本商工会議所産業政策第二部部長 大下 英和
 (代理:日本商工会議所産業政策第二部課長 清田 素弘)
○一般社団法人日本経済団体連合会労働法制本部上席主幹 坂下 多身
○全国中小企業団体中央会事務局次長 佐久間 一浩
○東京海上ホールディングス株式会社人事部専門部長 砂原 和仁
○セコム株式会社総務人事本部参与 二宮 美保
○日本製鉄株式会社人事労政部部長 本荘 太郎

4.議題
(1)令和5年度概算要求の概要及び労災保険経済概況等について
(2)社会復帰促進等事業における主な新規・拡充(令和5年度予算要求)について
(3)令和4年度成果目標の検討状況について(報告)
 
5.議事<主な指摘事項と対応>
<総論>
○ 社会復帰促進等事業費の来年度の予算要求額は、未払賃金立替払事業費を除くと、前年比で3%程度の減少となっている。なるべく早く平成25年の水準へ戻してほしいと考えており、事業の不断の見直しをお願いする。
 
○ 未払賃金立替払事業費の減額に伴い社会復帰促進等事業費の支出は削減されているが、未だに労災保険財政の収支はマイナスとなっている。今後、支出超過が拡大しないよう、各事業のPDCAをしっかり回してほしい。
 
○ ウィズコロナとして経済活動が再開される中、社会復帰の関係の予算は必要。特に有事の備えとして未払賃金立替払事業は重要な施策。また、働き方改革の推進など労働関係の助成金は、予算に余裕を持って取り組んでほしい。
 
○ 全体を見ると、めりはりの効いた予算を計画しているのではないかと思う。
 
○ 労災保険は、労働者の災害に対する直接の補償というのが本来の趣旨であり、社会復帰促進等事業については、ある意味、おまけ的な要素であるということを踏まえて、予算については、社会復帰促進等事業の部分は削減し、本当の意味での補償部分を充実させることが大切である。
 
○ 令和5年度のことを考えていく中で、各事業によってコロナの影響というのはいろいろ変わってくるという説明については、理解した。
 
<個別事業について>
○ No.13 労災特別介護施設運営費・設置経費
 将来的には、労災の特別介護施設にではなく、他の医療施設や介護施設等でのケアにお金を出すような形への運営に変更することも検討してほしい。
 
○ No.15 過労死等防止対策推進経費
・ 労働法の専門家等のコメントを収録したDVD製作について、YouTubeなど、臨機応変に動画コンテンツの変更ができるような方向性も1つあるのではないか。
 
○ No.20 職場における化学物質管理促進のための総合対策
・ 来年4月から化学物質の自律的な管理への移行というのが予定されている中で、中小、特に小規模事業所におけるリスクアセスメントの定着や、適切な保護具の着用促進は非常に重要。
 
○ No.23 メンタルヘルス対策等事業
・ 「こころの耳」相談事業について、重要な取組であり、令和5年度より個人事業主も相談対象になるということは非常に良いことだと思う。
 
○ No.30 自動車運転者の労働時間等の改善のための環境整備等
・ 極めて重要な事業であり、予算を有効に活用し、また、国土交通省や経済産業省とも協力しながら十分に取り組んでほしい。
令和6年4月適用の改正後の改善基準告示について、複雑な点があるのでドライバーに十分周知してほしい。
取引上の慣行の見直しについては、問題意識を荷主に共有し、本質的な課題解決に向けて対応してほしい。
 
・ トラックの改善基準告示について、例外も多く内容が非常に分かりにくい。運送業界への労働移動が積極的に進むよう取り組む必要がある。
 
○ No.31 家内労働安全衛生管理費
・ 家内労働者数は減少しているが、巡回訪問が行き渡るようにしてほしい。フリーランスの取引適正化に向けて新法の検討が進んでいるが、労働政策の視点から進むべき方向性を明確にしてほしい。
 
○ No.33 外国人技能実習機構に対する交付金
・ 予算が若干削減されているが、十分に対応できる予算規模か確認してほしい。
 
○ No.35 産業医学振興経費
・ 産業医科大学が重点的な教育支援をしっかりやっていることは承知しているので、引き続き目標達成に向けて頑張ってほしい。
 
・ キャリア形成プログラムへの加入促進等、産業医科大学の卒業生が確実に産業医として従事するための方策に対応していると認識しており、経済界としては産業医をしっかりと輩出していくために、産業医科大学に対する期待が大きい。
 
・ 産業医科大学の教職員の定員について、毎年削減が進んでおり、持続的な大学運営が難しい状況になりつつあると聞いている。国の定員整理合理化と同様の対応が求められているとのことだが、非常に重要な機関であるため、大学運営に支障を来たさないようにしてほしい。
 
○ No.37 過重労働の解消及び仕事と生活の調和の実現に向けた働き方・休み方の見直し
・ 働き方改革推進支援助成金について、自動車運転業務を含む時間外上限規制の対象となる適用猶予業種等の事業者向けに対応するコースは、来年度において非常に重要。
  会計システムの導入等の支援を行う労働時間適正管理推進コースについては、働き方改革において企業のDXが進むよう、積極的に支援してほしい。
 
・ 希望する御夫婦が不妊治療を円滑に受けられる環境整備というのは、少子化対策の強化の観点からは重要。不妊治療と仕事の両立支援について、例えば、職場の方に相談しようと思ってもなかなかしづらい等の非常にセンシティブな問題もあると思われるため、何か総合的なしっかりとした対応が必要なのではないか。

※本議事要旨の公表後、「No.35 産業医学復興経費」とあったものを「No.35 産業医学振興経費」に訂正しております。