厚生科学審議会 疾病対策部会 指定難病検討委員会(第49回) 議事録

日時

令和4年5月16日(月)17:00~19:00

場所

TKP新橋カンファレンスセンター ホール14D

議事

議事内容
○江崎補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第49回「厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会」を開会いたします。
委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、報道関係者及び一般の方の傍聴は行わず、代わりに会議の模様をユーチューブによるライブ配信にて公開しておりますので御了承ください。
また、本日、多くの委員の方にはオンラインにて御参加いただいておりますが、オンラインでの参加の方に向け、何点かお願いがございます。
会議参加に当たり、ビデオカメラはオンにしていただき、マイクはミュートにしてください。発言時はマイクをオンにしていただき、お名前をおっしゃった上で御発言をお願いいたします。発言が終わりましたら、マイクをミュートにお戻しください。
御不明な点がございましたら、事前にお伝えしている電話番号におかけいただければ御案内いたしますので、いつでもお問い合わせください。
委員会の開催に際し、難病対策課長の簑原より御挨拶申し上げます。
○簑原課長 皆様こんにちは、難病対策課長の簑原でございます。いつも難病対策の推進に御協力をいただきまして、誠にありがとうございます。
本アップデートに係る議論に関しましては、昨年の11月から検討を開始いただきました189の疾病につきまして非常に多岐にわたる御議論をいただいております。この内容につきましては、非常にタイトかつ膨大な検討につきまして事務局のほうから依頼をさせていただきましたけれども、委員の皆様方におかれましてお忙しいところではございますが、御協力いただきまして、改めてお礼を申し上げます。
本アップデートの内容につきましては、患者会の方々も非常に期待を寄せているところというふうに承知をしているところでございます。
本日は取りまとめに向けた御議論をお願いしているところでございますので、本日も何とぞよろしくお願いを申し上げます。
以上でございます。
○江崎補佐 では、本日の出席状況について報告いたします。
和田委員より御欠席の連絡、山下委員より遅れての参加の連絡をいただいております。
ここからは、水澤委員長に議事をお願いいたします。
○水澤委員長 それでは、本日もよろしくお願い申し上げます。
まず、資料の御確認をお願いいたします。
○江崎補佐 では、資料でございますが、資料1-1が本委員会として指定難病の診断基準等のアップデート案が妥当とされた疾病ということで一覧表がございます。
それから資料1-2でございますが、本委員会として指定難病の診断基準等のアップデート案が妥当とされた疾病ということで、それぞれの疾患別個票がございます。
資料1-3が、告示病名の変更について。
資料の1-4が、今後のスケジュールについてでございます。
資料の欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。
なお、本日の会議では、前回の委員会までの議論を踏まえ、本委員会として指定難病の診断基準のアップデート案が妥当とされた189の疾病の個別の検討結果の確認を行っていただきたいと思っております。
○水澤委員長 ありがとうございました。
資料のほうはよろしいでしょうか。
まず初めに、昨年の11月から議論してまいりました指定難病の診断基準等のアップデート案、189疾病につきまして個別の検討結果を確認したいと思います。
事務局から御説明のほうをよろしくお願いいたします。
○髙橋補佐 では、第41回、42回の委員会開催から前回の第48回まで、189疾病全ての御議論をいただきました。
189疾病全てを再度確認することについてはお時間の都合もございますので、ここでは189疾病のうち診断基準等のアップデート案について、3疾病を例として御紹介いたします。
資料1-2-3を御覧ください。
1ページの告示番号30の「遠位型ミオパチー」です。
3ページを御覧ください。
主な審議内容として、研究進捗に伴う診断基準のアップデート内容について議論されました。
潜性遺伝(劣性遺伝)の記載など、記載整備を含め、医学的な新たな知見のアップデートとしてお認めいただきました。
続きまして、資料1-2-6を御覧ください。
1ページの告示番号84の「サルコイドーシス」です。
5、6ページを御覧ください。
主な審議内容として、診断のカテゴリーに新たな類型として心臓限局性サルコイドーシスが追加されたことなどについて議論されました。また、Definite及びProbableの適用方法などについて明確な記載として整理され、医学的に新たな知見のアップデートとしてお認めいただきました。
続きまして、資料1-2-12を御覧ください。
1ページの告示番号208の「修正大血管転位症」です。
6ページを御覧ください。
主な審議内容として、診断基準の画像所見を含めた診断などについて議論されました。概要を含め、医学的に新たな知見のアップデートとして記載整備がなされました。
また、診断基準の対象を明確にするため、Definiteを記載し、併せて診断のカテゴリーを整理し、お認めいただいております。
○江崎補佐 少し私から補足いたしますと、指定難病の診断基準は大きく概要、要件の判定に必要な事項、それから情報提供元ということで研究班の情報であるとか、あとは診断基準、重症度分類がございます。
それで、特に概要の部分は症状とか治療法、諸外国でもかなり新しい論文が出たりしていますので、そういうところをフォローして、臨床現場の先生や患者様がそれを御覧になって、自分の疾病がこういうふうに研究が進捗しているんだなということが分かるということがございます。
それから、要件の判定に必要な事項としては、患者数というところも各研究班からの新しい情報を基にアップデートをいたしましたし、治療法もこの数年の間に新しいものが出たりしていますので、それを最新のものに改めてございます。
それから、研究班もかつての研究班の名前が書いてあったりした部分もありますので、そこもしっかりとアップデートをし、どういうところに問い合わせたらよいかということも分かるようにいたしました。
また、さらに議論の中で非常に重要だと思いましたのが、分かりづらかった表現であるとか記載というのもこれを機に分かりよくしたということであるとか、今まで1つの病気だと思われていたものについてさらに細分化して明確化したというものも多々ございました。
かなり患者会の皆様にも、または現場の先生方にも新しい知見をこの診断基準を通じて周知できるということで、大変意義深いものであると思っております。
私からの補足は以上になります。
○水澤委員長 ありがとうございました。
いかがでしょうか。事務局より、前回まで御議論をいただきました189疾病のうち、代表といたしまして3疾病につきまして御説明いただきました。それから、その補足としてどのような内容の修正、あるいはその更新があったかということを、より具体的にまとめて御説明いただきましたけれども、いかがでしょうか。何か御意見とか、ございますでしょうか。
平山先生、どうぞ。
○平山委員 平山ですけれども、循環器の人間としては「サルコイドーシス」というので、孤立性ということで、心臓の「サルコイドーシス」というのが現存しているということが診断基準によって明らかになったということと、そしてそれの診断基準としてのいわゆるガイドラインも出ていますので、これは非常によかったかなと思っております。
それから「修正大血管転位症」でありますけれども、こういう先天性心疾患の患者さんは、いろいろな治療が発達してきて早期に外科的な介入が行われるようになって、予後はよくはなったのですが、その後、やはり成人性の先天性心疾患という形で、小児期から今度は成人としてのいわゆる心不全を起こしてきたり、いろいろ難病になってくるような長期療養をする方がだんだん増えてきているという点を考慮しましてもこういう修正が妥当であるということと、それから画像診断においてMRIというのが非常に多用されるようになって、エコーだけでは分からなかった病気もはっきり分かるようになったということで、それも加えていただいたのはよかったかなというふうに思います。
どうもありがとうございます。
○水澤委員長 ありがとうございました。
最初の例で挙げられた「遠位型ミオパチー」につきましても、これは3つの疾患が含まれるのですけれども、そのうちの1つの「眼咽頭遠位型ミオパチー」につきまして、日本で原因遺伝子が、この病気の記載も日本でなされましたけれども、これまでの間に新しく3つ見つかりました。その機序としても非常に新しいものであるということで、そういった最新の知見が組み込まれたといったこともありました。それも御報告しておきたいと思います。
この3疾患も含めて、お認めいただけますでしょうか。よろしいでしょうか。
(肯定する委員あり)
○水澤委員長 ありがとうございます。それでは、お認めいただいたということで理解したいと思います。
続きまして、告示病名の変更があった4疾病につきまして、事務局からの御説明をお願いいたします。
○髙橋補佐 告示病名の変更があった4疾病について、変更案と変更理由について御説明いたします。
資料1-3を御覧ください。
まず、告示番号54番、成人スチル病。
変更案、成人発症スチル病。
理由、国際的にはAdult-onset Still’s diseaseが使用されており、我が国でも一般的に成人発症スチル病が使用されているためでございます。
続きまして、告示番号123番、禿頭と変形性脊椎症を伴う常染色体劣性白質脳症。
変更案、HTRA1関連脳小血管病。
理由、本疾患については近年の研究により、常染色体顕性遺伝の症例も一定数存在することや、全ての症例においてHTRA1遺伝子異常が存在し、本疾患の原因となっていることが明らかとなりました。国際的にもHTRA1関連脳小血管病という名称が用いられることが通常であるため、でございます。
続きまして、告示番号126番、ペリー症候群。
変更案、ペリー病。
理由、本疾患につきましては、近年の研究によりTDP-43蛋白質の誤局在化及び凝集化が本疾患の病態であることが解明されました。病態が解明されたことに伴い、国際的に「ペリー病」の名称が用いられることが通常となったため、でございます。
続きまして、告示番号167番、マルファン症候群。
変更案、マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群。
理由、ロイス・ディーツ症候群は歴史的にマルファン症候群の一部として扱われてきましたが、近年の研究により、原因遺伝子や臨床経過の点において特徴的であることが判明し、併記することが一般的であるため、でございます。
以上となります。水澤委員長、よろしくお願いいたします。
○水澤委員長 ありがとうございました。
ただいま、事務局より告示病名の変更があった4疾患について御説明いただきました。
いかがでしょうか。これをお認めいただけるということで、よろしいでしょうか。
(肯定する委員あり)
○水澤委員長 ありがとうございました。
それではまとめになりますけれども、昨年の11月24日開催の第41回、42回の指定難病検討委員会から前回の第48回まで、研究班から提案がありました189疾病の疾患別個票(通知)のアップデート案につきまして御議論いただきました。
これまでの御議論を踏まえまして、本アップデート案につきましては、本委員会として大きな方向性として御了承いただけるということでよろしいでしょうか。
(肯定する委員あり)
○水澤委員長 ありがとうございます。
それでは、詳細につきましては事務局とも確認の上、作業を進めてまいりますので、私のほうに御一任いただくということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○水澤委員長 ありがとうございます。
全体を通じまして、何かありますでしょうか。よろしいでしょうか。
どうぞ。
○直江委員 直江ですけれども、小さな点で言うのもちょっとあれなのですが、資料1-1ですね。今回の一覧表のところを眺めてみますと、告示番号が75番の「Cushing病」なんですけれども、これだけ横文字表記になっているのですが、これは片仮名にしなくていいですか。
○水澤委員長 事務局、どうでしょうか。これは途中でも議論がありましたね。片仮名表記、原文表記というものにつきましては。
○江崎補佐 ちょっと研究班とも相談をして、そこは体裁面のところは混乱を招かないように合わせておきたいと思います。
○水澤委員長 直江委員、よろしいでしょうか。
○直江委員 はい。お願いします。
○水澤委員長 御指摘ありがとうございました。そういう点もございますので、一任していただいて、詳細につきまして事務局と詰めていきたいと思います。
ほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、今後の予定につきまして事務局のほうから説明をお願いいたしたいと思います。
○江崎補佐 委員の皆様方、ありがとうございました。
先ほど委員長からお話のありましたとおり、必要な記載事項の整備等を行った上で、準備ができ次第、パブリックコメントを実施させていただき、そして、その後、本委員会のパブリックコメント結果の報告、疾病対策部会の審議等を経て、告示改正等との必要な作業を進めてまいりたいと考えております。
次回の指定難病検討委員会の日程は決定し次第、御案内を申し上げたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○水澤委員長 ありがとうございました。
以上で終了でございますけれども、冒頭に簑原課長のほうからも御挨拶がありましたけれども、非常に長い間、この189というたくさんの疾患について詳細に御検討いただきまして、委員長として私のほうからも一言、御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。引き続きよろしくお願い申し上げます。
以上で会議は終了です。ありがとうございました。