第2回腎疾患対策及び糖尿病対策の推進に関する検討会 議事録

厚生労働省健康局がん・疾病対策課

日時

令和4年11月18日(金)10:00~12:00

場所

航空会館ビジネスフォーラム(オンライン開催)

議題

  1. 開会
  2. 糖尿病対策に関する第7次医療計画の見直しについて
  3. その他

議事

2022-11-18 第2回腎疾患対策及び糖尿病対策の推進に関する検討会
○原澤課長補佐 定刻となりましたので、ただいまより、第2回「腎疾患対策及び糖尿病対策の推進に関する検討会」を開催いたします。
構成員の皆様方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
事務局を務めさせていただきます、厚生労働省健康局がん・疾病対策課の原澤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
なお、本検討会はYouTubeにて配信しておりますので、その点も御承知おきください。
それではまず、構成員の出席状況の確認からさせていただきます。
本日、南学構成員、中澤構成員より御欠席の御連絡をいただいております。また、武本構成員、村田構成員より、遅れて御参加するという御連絡を頂戴しております。
そのほかの構成員の皆様の御紹介は名簿をもってかえさせていただきますので、御了承ください。
また、参考人といたしまして、本日、東京大学の山内敏正先生、国立国際医療研究センターの杉山雄大先生に御出席をいただいておりますので、御承知おきください。
続きまして、資料の確認に入らせていただきます。資料は、厚生労働省のウェブサイトにも掲載してございます。議事次第、資料1-1から資料2まで及び参考資料1から3までございますので、御確認ください。
続きまして、オンラインを含めた本日の会議の進め方について御説明させていただきます。
御発言の際には、オンラインの構成員におかれましては、Zoomの「手を挙げる」機能を御活用ください。また、カメラは常に映る状態にしていただき、発言をなさらないときはミュートにしていただいて、発言されるときのみミュートを解除するようお願い申し上げます。
本日はチャット機能の使用は予定しておりませんので、その点も併せて御了承ください。
事務局からの御案内は以上となります。
この後の進行につきましては、柏原座長、植木副座長にお願いしたいと思います。
○柏原座長 ありがとうございます。それでは、第2回の「腎疾患対策及び糖尿病対策の推進に関する検討会」を始めたいと思います。
本日は、糖尿病対策に関する議論を行いたいと思います。したがいまして、以降の議事に関しましては植木副座長に御進行をお願いしたいと思います。植木副座長、何とぞよろしくお願いいたします。
○植木副座長 柏原座長、ありがとうございます。御指名ですので、以降の進行を私のほうで進めさせていただければと思います。
まず、それでは、議題(1)「糖尿病対策に関する第7次医療計画の見直し等について」に移りたいと思います。本日の議論におきまして、医療計画等の見直しが必要と考えられる事項を中心に、構成員の皆様方の御意見のとりまとめを行いますので、何とぞよろしくお願いいたします。
それではまず、資料1-1、1-2、1-3の説明を事務局からお願いいたします。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
それでは、資料1-1から順に御説明させていただきます。資料1-1「糖尿病対策に関する主なご意見」という資料を御覧ください。
2ページ目を御覧いただければと思います。前回の本検討会における主な御意見についてお示ししております。
まず、指標案について、御提案いただいた内容についてお示ししています。外来栄養食事指導料の指標についての検討、食事療法の指導は極めて重要であるといった御意見や、糖尿病看護認定看護師等、専門性の高い看護師に関する指標について検討してほしいといったところ。また、循環器に関する指標についての御指摘や、特定健診・特定保健指導受診率はプロセス指標に置くのがよいのではないかといったところ。また、糖尿病を主とした入院については、指標の中身を考えると、プロセス指標とするのがよいのではないか、さらに、教育入院と低血糖等による入院については分けられるとよいのではないか、といった御意見をいただいております。
また、前回御提案の糖尿病の予防、糖尿病の治療・重症化予防、糖尿病合併症の治療・重症化予防という3×3のマトリックスにすることによって、合併症の検査に該当するか判定検査や尿中アルブミン検査等が初期から実施すべき検査であることが伝わりにくくなるような懸念があるのではないか、といった御意見や、高齢者の糖尿病の実態把握なども重要ではないか、といった御指摘も頂戴しております。
また、一番下の指針そのものの見直しという観点で、地域連携の状況として訪問看護ステーションの関わりに関する記載を加えてほしいといった御意見も頂戴しております。
続いて3ページ目を御覧ください。こちらは、第8次医療計画等に関する検討会という医療計画本体の見直しに関する検討会を別途開催してございまして、そちらで事務局から、当該検討会の構成員の皆様に対して、これまでの糖尿病対策の取組状況や、本検討会での検討状況について御説明させていただいた上で、頂戴した主な御意見を御紹介させていただきます。
なお、次の4ページ目のほうには、その際にお示しした検討の方向性案についてお示ししておりますので、こちら、御参考に御覧いただければと思います。
一旦お戻りいただいて3ページ目でございます。まず、連携という観点で、他施設や多職種との連携というものが重要であるといった御意見ですとか、重症化予防という観点では、かかりつけ医と保険者の連携が必要であるといったこと。また、保険者等が行う予防対策とその後の医療の連携、きちんと医療につなぐという観点でそこの連携が重要であるといった御指摘をいただいています。
また、指標については、こちら、検討会でも議論ありましたが、指標としては割合のほうが優れているが、実際には数というものを着目していることが多いということですとか、割合を用いる場合は分母の設定というのは十分に検討する必要があるという技術的な御指摘、また、本検討会でもいただいたように、専門性の高い看護師に関連する指標を加えてほしいといったこと。あとは、治療・重症化予防のプロセス指標として、療養支援などの、本検討会でも御指摘いただいたような指標も見ていくべきではないかということ。また、遠隔診療やオンライン診療といった観点での指標は追加できないのかという御指摘ですとか、予防に関する指標が少ないのではないかというような御指摘を頂戴しております。
最後に、これは総論的にという御指摘でしたが、糖尿病対策の効果検証を進めていくべきではないかといった御意見を頂戴しております。
資料1-1の御説明については以上でございます。
続いて資料1-2を御覧ください。まず、資料1-2と資料1-3において、指標に関する前回の御議論を踏まえた修正案をお示ししたいと思っております。
2ページ目を御覧ください。糖尿病の医療体制構築に係る現状把握のための指標例の案ということで、前回の検討会にお示しした資料を再掲してございます。こちらをもとに、先ほどのような御意見を頂戴いたしました。
そこで、次の3ページ目を御覧ください。「前回の議論を踏まえた指標案の見直しについて」ということで、このような考え方で整理を行いましたというところでございます。順番前後しますが、この考え方にのっとって、4ページ目の修正版の指標をつくっておりますので、こちらを適宜御覧いただきながら説明を聞いていただければと思います。
一度3ページ目にお戻りください。まずは、「専門家数」と「専門医療機関数」、人の数を見るのか医療機関の数を見るのかといった観点では、前回の御議論を踏まえて、「専門医療機関数」を採用しております。
続いて2つ目のポツで、割合と実数のどちらを用いるかという観点では、まずは基本的には「人口10万人当たりの比率」という形で採用するとしております。
その上で、3つ目のポツですが、なかなか分母の設定が難しい指標、例えば「1型糖尿病に対する専門的治療を行う医療機関数」などといったものについては、実数を用いることとする、ということを書いております。
4つ目のポツで、HbA1c等の検査の実施などについて、こちらは、糖尿病患者を対象とした検査ということが念頭に置かれているものの場合は、分母として「糖尿病患者数」を用いるという整理にしております。
5つ目のポツでございます。前回の御意見を踏まえて、栄養指導に関する評価の観点で、「外来栄養食事指導の実施割合」というものを加えました。
6つ目のポツ、専門性の高い看護師による指導の評価という観点で、こちらはプロセスに着目するという観点で、「糖尿病透析予防指導の実施割合」というものを追加してございます。
7つ目のポツは、前回いただきましたストラクチャー指標からプロセス指標への移動ということを踏まえて、「特定健診の受診率」及び「特定保健指導実施率」については移しましたという御説明です。
最後のポツですが、「糖尿病治療を主とした入院患者数」については、前回の御議論を踏まえまして、定義を見直した上で、低血糖等の入院に限定するという修正を加えた上で、アウトカム指標に置くという形で、前回御指摘いただいた部分を踏まえて整理させていただいております。
今の形で整理しているのが4ページ目でございまして、移動した項目については緑色の箱で書いております。また、追加した項目については黄色い箱で書いている形になっております。
青い文字で書いてあるものが、前回赤字で記載していたものも含めて今回整理して修正している内容でございますので、御確認ください。
5ページ目以降は参考となる資料ですので、適宜御参照いただければと思います。
資料1-2の御説明は以上でございます。
続いて資料1-3ですが、こちらは資料1-2の参考となる資料なので、こちらについて詳細な御説明は省かせていただきますが、今、研究班のほうで作成していただいているこの指標を実際に集計する場合には、集計定義をこのようにしてはどうかというような現時点での整理状況でございます。
数値も一部お示ししておりますが、こちらは仮の集計値ですので、今後正確に集計し直したときには数値が変更となる可能性がありますので、あくまでも今回の御議論のための御参考の資料と御理解いただければと思います。
事務局から、資料1-1から1-3までの御説明は以上でございます。
○植木副座長 ありがとうございました。構成員の先生方からの御意見をもとにしまして、資料1-2にございます「糖尿病の医療体制構築に係る現状把握のための指標例」というものを改定いたしておりますが、これにつきまして、先生方から改めて御意見等ございますでしょうか。
下浦構成員、お願いいたします。
○下浦構成員 ありがとうございます。日本栄養士会の下浦でございます。
本検討会で、前回削除されました栄養指導の評価指標が、今回、栄養指導に関する評価の観点から、外来栄養食事指導の実施割合が追記されましたことにお礼を申し上げたいと思います。矢部構成員のほうからも、糖尿病治療において栄養食事指導の重要性を御指摘いただきましたことにつきましてもお礼を申し上げたいと思います。
特に外来栄養食事指導につきましては、医師の指示に基づいて実施するものであるということから、引き続き私どもといたしましても、院内等での連携を図りながら、必要な患者様全てに効果的な栄養食事指導を実施するよう、日本栄養士会としても質の確保に努めたいと思っておりますし、また、常勤管理栄養士がいない医療機関であっても、栄養ケアステーションを活用していただき、外来栄養食事指導や、また特定保健指導等が行われることの周知を図って、糖尿病等の疾患の重症化予防を進めていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
以上です。
○植木副座長 ありがとうございました。
それでは、井本構成員、お願いいたします。
○井本構成員 日本看護協会の井本でございます。前回は欠席となりまして申し訳ございませんでした。
私からは、1点意見、1点質問をさせていただきたいと思います。前回に引き続きの意見となりますが、第7次医療計画の指標例として示されておりました糖尿病看護認定看護師数が削除されたことについては、残念ですが、今回検討していただき、専門性の高い看護師による指導の評価として、糖尿病の治療・重症化予防のプロセス指標に糖尿病透析予防指導管理料が示されたことについて感謝申し上げたいと思います。本会としましても、しっかり体制づくりに努めてまいりたいと思っております。
1点質問なのですけれども、この指標例に資する内容について、指針のほうにも何かしらの追記がされると理解してよろしいでしょうか。これについて御回答よろしくお願いいたします。
○植木副座長 ありがとうございます。これにつきましては事務局のほうから回答をお願いできますでしょうか。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
現時点において指標例に追記された項目について、その指標を用いている理由について、できるだけ分かるように、策定指針の記載そのものも整備したいと思いますが、網羅的に実施できるかどうかというところは、現時点でまだ整理がし切れておりません。なので、今回むしろ検討会のほうで、こういったところは記載していただきたいといったようなことは、後ほど資料2に関連する御議論の中で頂戴できれば、より明確に事務局としても把握できますので、その点、御議論、ぜひいただければと思っております。
事務局としては以上でございます。
○植木副座長 それでは、後ほどの指標のところの改定でまた改めて井本構成員から御意見いただければと思います。よろしくお願いいたします。
矢部構成員、お願いいたします。
○矢部構成員 よろしくお願いいたします。
まずは、先ほどもございましたが、食事指導の項目を復活させていただきましたことに御礼申し上げたいと思います。少し見渡しまして、これは医療の範疇にはないわけですけれども、糖尿病の予防のところで、特定健診受診率、特定保健指導実施率をプロセスに移動いただきましたことについても御礼申し上げたいと思います。
一方で、ストラクチャーのところが空欄になっているというところでございますが、これは小さい市町村であれば保健師の数が対象者に対して充足しているのですけれども、一方で、大都市等になりますと、なかなか保健師の数が十分でなく、実際の介入が適切に行いにくいということもありますので、何らかの指標、例えば対人口当たりの保健師の数、これはアウトソーシングなんかも含めてもいいのかもしれませんけれども、こういったものがあると、ストラクチャー、プロセス、アウトカムというところにも明確なつながりが見えるかなとも思った次第であります。
それからもう一点、先ほど認定看護師の件で、透析予防指導の実施割合ということを入れていただいていると。これも大変ありがたいことだと思っております。一方で、昨今、透析予防指導がどちらかというと食事指導と、それから看護師によるフットケア等の管理料ですね。そういったところに分かれて算定されている5施設も多うございますので、ちょっとこの辺り、実際の、今、研究班でお調べいただいている件数等を見た上で、また御議論をいただいてはどうかなと。恐らく、認定看護師の活躍という点では、透析予防指導管理料よりも合併症管理料等々のほうがより適切に抽出ができる可能性もあるかなと思いますので、この辺り、具体的な数値をもとに御検討いただければと思いました。
以上です。
○植木副座長 ありがとうございます。今の2点、矢部構成員から、保健師の数が算定できるかどうかということと、それから、合併症管理料につきまして計算ができるのかという点ですけれども、これは事務局のほうから何かデータ等が算定可能かどうか分かりますでしょうか。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
2点頂戴いたしました。まず、保健師の数について、こちらはどちらかというと自治体のほうでもある程度把握されている項目かと思います。他方で、国から一旦まとめてデータを提供しているというような形での提供ができるかどうかについては、技術的な確認が必要ですので、項目に加えることそのものと、あとはどのようにデータを整理してお届けするかということ、両方の点について、事務局のほうで今の御意見を踏まえて整理してまいりたいと思います。
2点目につきましては、一旦、集計の可否ですとか、何か技術的なコメントがまず研究班の先生方からもしあればいただきたいと思いますが、参考人としてお越しいただいている山内先生、杉山先生から何か御発言あればお願いしたく存じます。
○杉山参考人 技術的なことなので、私からのほうがよろしいでしょうかね。
○植木副座長 それでは、杉山参考人、お願いいたします。
○杉山参考人 すみません。よろしくお願いいたします。杉山です。
御議論いただきましてありがとうございます。透析予防管理料と合併症管理料、両方とも算定いたしました。まだダブルチェックが済んでいないということで、今回の資料のほうには含めなかったのですけれども、1年間のうちに糖尿病患者の中でこれらのものが算定された数というものを算定しまして、合併症管理料が大体6万3000人ぐらいですね。透析予防のほうが、1回でもという形です。これは回数の問題でなくて、1回でもあったIDの数ということですけれども、透析予防のほうが3万7000人ぐらいという数字で計算はさせていただいております。
概念としてなのですけれども、矢部構成員がおっしゃいましたように、合併症管理料のほうは看護師が主にやる形になっておりまして、透析予防のほうに関しましては管理栄養士と看護師と医師というチームを構成しているということが入っておりますので、その辺りも含めて御議論いただければと思います。
私のほうからは以上です。
○植木副座長 ありがとうございます。2番目の点につきましては、もし指標に取り込む場合に、現在、改定案で入れられております透析予防指導の実施割合、アンドにするのかオアにするのか、別項目にするのかというような御議論があろうかと思いますけれども、この点につきましては、矢部構成員、何か御意見ございますか。
○矢部構成員 ありがとうございます。もともとの経緯が専門性の高い看護師ということであれば、フットケアを中心に、重症糖尿病合併症管理料ということでいいのかなとも数的には思いましたが、一方で、先ほど杉山参考人からもございましたように、チーム医療として実施している管理料という観点では、透析予防指導管理料というのが好ましいと思いますので、これは他の構成員の先生方からも御意見伺えればと思いますが、ただいま植木副座長からもありましたように、アンドみたいな形で入れていただいても、糖尿病診療の質を見るという観点ではいいのかなと個人的には思った次第であります。
○植木副座長 ありがとうございます。ほかの構成員からは、この点につきまして何か御意見ございますでしょうか。
井本構成員、いかがでしょうか。
○井本構成員 ありがとうございます。
矢部構成員、ありがとうございます。本会としましても、先ほどから挙がっております糖尿病合併症管理料も、アンドにしていただけますと、前回本会が申し上げました発言の意図と合致していますので、御検討いただければと思います。
○植木副座長 今、御意見いただきましたけれども、そういたしますと、糖尿病透析予防指導及び合併症管理料というような形でよろしいでしょうか。
杉山参考人、何か御意見ございますか。
○杉山参考人 一言だけ。今、アンドという話でいただいておりましたけれども、これはどちらか片方という意味で取っていいのでしょうか。その場合はオアで、両方とも取っている人しかカウントしないと。
○植木副座長 オアというふうに。
○井本構成員 オアでした。すみませんでした。
○矢部構成員 申し訳ありません。オアでいいと思います。
○植木副座長 そのような御意見が出ましたけれども、この点は、そのように進めさせていただいてよろしいでしょうか。
それでは、お認めいただいたものとして進めさせていただきます。1点目の保健師の数につきましては、なかなか国のほうで把握できていることは必ずしもないということでしたけれども、この点についてはまた指針のところでももう一度考えていければと思いますが、それでは、津下構成員、何か御意見ございましたら。
○津下構成員 ありがとうございます。
マトリックスの糖尿病の予防について、第8次医療計画の検討会の御意見にもありましたように、保険者と医療機関の連携、かかりつけ医と専門医療機関の連携が非常に重要だと考えます。そうしますと、例えばストラクチャーに糖尿病対策推進会議がきちんと運営されているというようなこととか、それから重症化予防プログラムについて、都道府県、または二次医療圏とか市町村単位で実施されているというようなことを入れる、保険者と医療機関が連携した取組をする、そういう体制があるというのはストラクチャーに入るのではないかと考えます。
アウトカムとして、特定健診での受診勧奨により実際に医療機関へ受診した糖尿病未治療者患者の割合が挙げられていますが、これはまさに重症化予防の事業のアウトカムであると思います。特定健診で把握された該当者を確実に医療機関につなげるためのストラクチャーとしては重症化予防プログラムが非常に重要だと思いますので、この空欄のストラクチャーに、保険者と医療機関の連携した取組について加えていただいたらどうかと思いました。
2点目ですけれども、栄養食事指導はこのように数がカウントできるのですけれども、糖尿病の中で運動療法は、非常に重要と言われながらもなかなか指標化できていない分野ではないかと思います。運動のエビデンスも非常に多い中で、例えば健康スポーツ医とか健康運動指導士、それから運動療法に取り組む医療機関などの数がストラクチャー候補になろうかと思います。現時点で次期の指標に入れるには情報が不足しているかもしれませんけれども、運動療法の地域ネットワークを進めようという動きもありますので、今後の検討課題としていただきたいと思います。今回は難しいとは思いますけれども、糖尿病の適正な管理に必要な、栄養と運動と薬物治療、これが全てうまくバランスとれて動いていくというようなことを示すことができたらいいのかなと考えました。運動療法がどうしても落ちがちになっているところが気になっています。この視点が落ちないように、指針の中にでも反映していただいたらいいのではないかとも考えております。
以上2点です。
○植木副座長 ありがとうございます。最初のほうの糖尿病予防のストラクチャー指標に関しまして2点御提案いただきまして、糖尿病対策推進会議、これを、各都道府県に現在あるわけですのでどのように書き込むかということになるのかなと思います。糖尿病性腎症重症化予防プログラムの、これは実施率みたいな。
○津下構成員 そうですね。それを、プログラムを実施している自治体数とか、かなりカバーはされているのですけれども、ここにストラクチャーとして位置づけられることでプロセス、アウトカムにつながっていくとも考えますので、保険者と医療機関の連携にちょうどいい指標が立てばいいのかなと考えています。
○植木副座長 津下構成員から御意見いただきましたが、いかがでしょうか。
恐らく、糖尿病対策推進会議は都道府県レベルで全てあることになっているので、なかなかストラクチャー指標になりにくいかもしれませんので、書き込むとすると重症化予防プログラムの実施率というようなことになるのかなと思いますが、何か御意見ございますでしょうか。
○原澤課長補佐 副座長、事務局からよろしいでしょうか。
○植木副座長 どうぞ。
○原澤課長補佐 津下構成員からの御質問というか御提案について少し補足をさせていただきます。今、植木副座長からもありましたとおり、対策推進会議そのものを設置しているは恐らく必須なので、もし見るとすれば開催回数ではないか。津下構成員からもそのような御発言があったかもしれませんが、これが1点と、後段のプログラム実施自治体数というのは、市町村数というイメージでよろしければそういう形になろうかと思いますが、相当程度高い数が想定されるので、それの確認のための指標という意味に近いかもしれませんが、定義づけだけきちんとできれば、各都道府県ではむしろ把握しやすい指標なのではないかと思います。
先ほど、保健師につきましても、国で一度吸い上げてから再度データブックみたいな形で提供するというスキームをつくるとむしろ複雑になるので、提供の仕方に工夫が必要だと申し上げたつもりでした。なので、それを指標例として加えることそのものは、この場で御意見として一致すれば、そのような意見として医療計画のほうの検討の場に御提案するという形でよろしいのではないかと思いました。
事務局からの補足事項、以上でございます。
○植木副座長 ありがとうございます。
津下構成員、どうぞ。
○津下構成員 ありがとうございます。都道府県単位ではその連携の会議が持たれているとは思うのですけれども、糖尿病の地域ネットワークというと、医療圏単位とか、基礎自治体の単位ではないかと思いますので、都道府県の単位だけではなく、例えば二次医療圏単位とか市区町村単位でそのような会議が持たれていることというのを指標化できる可能性があるのではないかと思いましたけれども。
○植木副座長 黒瀨構成員、お願いいたします。
○黒瀨構成員 ありがとうございます。
まず1点、先ほどの糖尿病の予防のストラクチャーの部分で、津下構成員が提案された件に関しては賛成です。ただ、これだとどうしても自治体中心になってしまいまして、例えば職域に関することがどうしても抜けてしまうと思うのですけれども、職域における啓発プログラムですとか、あるいは産業医を通した職場の方々に対する糖尿病予防の重要性についての活動が何か行われているかどうか、そういったところもちょっと視点の中に入れていただいたほうが、いわゆる自治体だけではなく、その職域も含めた総合的な対策をしているのだというところを強調できて、メッセージとして伝えられるのではないかなと感じました。
あと、1点ちょっと教えてほしいのですけれども、すみません、全く素人的な質問なのですけれども、重症化予防プログラムはこの糖尿病の予防のストラクチャーの中に入るのですかね。
○植木副座長 名前がということ。
○黒瀨構成員 そうですね。名前から言うと、イメージとしてはどっちかというと真ん中に入ってしまうのかなあとちょっと感じてしまったので、そこは単純に、伝わるメッセージとしてのイメージの問題ですけれども、すみません、単純な質問です。
○植木副座長 津下構成員、どうぞ。
○津下構成員 今、黒瀨構成員がおっしゃられた職域単位で言うと、両立支援ですね。糖尿病の治療と仕事と治療の両立支援に取り組む事業所数とかそういうものがカウントできれば、これは厚生労働省が推進している話でもありますので、それをきちんと把握しているかどうかというのは1つ候補になるのかなと思いました。
それから、重症化予防については、腎症第3期とか限定しているわけではなくて、第2期とかより早期から対象とするという考え方もあります。糖尿病対策推進会議は予防から重症化まで全て包括して議論されている中身と思いますので、イメージとしては対策推進会議のほうが近い、より包括的で、そういう地域の連携体制がとれているかどうかというものの指標をストラクチャー化したらいいのではないかなと感じております。
以上です。
○黒瀨構成員 ありがとうございます。よく分かりました。
○植木副座長 ありがとうございます。糖尿病性腎症重症化予防は、津下構成員からもございましたように、未受診者を拾い上げるということなので、予防というのとは少しずれるかもしれませんので、もしここに入れるとすると、対策推進会議で種々の医療圏で開催が行われているかどうか。ここの割合をどう考えるのかとかいうことが少し問題になるかなと思いますけれども、その両立支援の実施等については、これは数としては把握できるのでしょうか。事務局のほうはいかがでしょうか。
○原澤課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。
今、御指摘いただきました両立支援の数について、即座に今この時点でお答えができないので、担当部局とも確認をしたいと思います。それでもしキャッチアップが可能であるということであれば、技術的に御提供することも可能ではないかと思いますが、その点は、技術的に可能であれば加える、そうでなければ、その技術的な可能に今後どうするかということを含めて次期以降に向けてしっかり検討するといったような受け止め方でよろしければ、そのようにさせていただきたいと思っております。
○植木副座長 今の事務局からの説明でよろしいでしょうか。
○黒瀨構成員 ありがとうございます。
○植木副座長 それでは、そのように進めさせていただきます。対策推進会議についてはいかがいたしましょうか。
○原澤課長補佐 こちらも事務局からよろしいでしょうか。
○植木副座長 よろしくお願いします。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。定義自体がある程度明確になれば指標に置くことは可能なのですが、若干、どのような会議を二次医療圏における対策会議とされるものにするのか、という定義が明確にできるかかどうか、現時点で判断できないので、この点について、もし先生方、特に津下構成員、御存じのことがあれば教えていただきたい、というのが1点です。そこが明確にできて、かつ、その割合というよりはむしろ実施回数みたいな形で取るということであれば、キャッチアップできる可能性が出てくるのではないかと思いましたが、どちらかというと、開催の形態自体が自治体ごとに、市町村のレベルまでおりると様々であったり、参加されるメンバーが様々であったりすると思うので、どれを回数としてカウントすればよいのでしょうかという技術的な疑義が出てきて、それにお答えできないとすると指標としての比較可能性といった観点でブレが出てしまうので、そこは技術的に更に詰めてから今後検討という形のほうがいいかもしれません。今申し上げたように、その定義が整理できそうかどうかというところで、少し御知見をいただければと思っております。
一旦事務局から以上です。
○植木副座長 ありがとうございます。津下構成員、いかがでしょうか。
○津下構成員 ありがとうございます。
今おっしゃるように、会議体の名称は自治体それぞれで、生活習慣病対策会議の中で糖尿病について取り上げているという位置づけのものもあれば、糖尿病または重症化予防中心にというところもあり、自治体によってちょっと温度差があるのと、それを二次医療圏単位での計画も立てていると思います。医療計画なので、市町村単位までいくのはちょっと難しいとは考えているのですけれども、こういう予防の取組を二次医療圏単位で協議する場というのも用意されている。地域・職域連携推進協議会の活用などもありますので、そういう生活習慣病関係の会議体で、糖尿病を扱った会議の数などを都道府県は把握していると思います。そういう定義を立てて情報を収集するという、これから前向きにそういう数字を収集するという形になるかと思います。都道府県としては二次医療圏単位でどんな会議がなされて何が議題になっているかということは把握可能なので、指標化できればまた把握が可能になるのではないかなあと思います。糖尿病対策推進会議についても名称は地域ごとで読み替えて定義しているということもあります。今後については、糖尿病に対して地域の関係者が協議する会議が定期的に実施されている、その回数とか二次医療圏単位で実施できているかという指標を、この計画の中で取っていくことになるのかなと思います。不可能な指標ではないとは感じております。
○植木副座長 ありがとうございます。予防に限った話に多分ここはなってくるので、それを分けるのは結構難しいのかもしれないなと。
○津下構成員 そうですね。予防だけでなくて、むしろそれは医療機関との連携で、治療、重症化予防、受診勧奨とか、地域ネットワークという話になるので、予防に軸足は置きつつも、先までちょっとカバーしているような状況にはなるかとは思うのですけれども。
○植木副座長 そうすると、糖尿病の啓発活動に関する会議が何回行われたかというような定義になるかと思いますけれども、もしそのようなものが把握できるとしたら、ここに入れることをまたお諮りするというようなことで考えさせていただいてよろしいでしょうか。
事務局のほうはそれでよろしいでしょうか。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。今の御指摘も含めて整理を進めたいと思いますが、現時点の事務局での感触としては、まず、自治体の代表として御参加いただいている中澤構成員が本日御不在なので、ちょっと中澤構成員の御意見も確認しながら進めたいと思っているのですが、先ほど申し上げたように、各自治体で取組や、構成されているメンバー、または会議の趣旨等が様々な可能性があって、実態がつかみ切れていない部分があるので、今、津下構成員からおっしゃっていただいたように、指標のどの場所に置くのかですとか、どの数を取るのがリーズナブルなのかですとか、そういったところを精査しないと難しい印象があるので、引き続き検討させていただいて、今後指標として採用するのに向けてきちんと検討させていただくということで引き取らせていただくような案件かもしれないなと思っております。現時点でどのようなことが可能かということと併せて少し整理させていただければと思っておりますが、皆様、御意見いただければと思います。
○植木副座長 いかがでしょうか。
事務局側でどのような調査が可能かということを調べさせていただいた上で、なかなか指標として難しいということであれば、今後それを聴取できるようなシステムづくりに向けて次期に取り組んでいくと、今回の構成員の皆様方からの御意見を踏まえた上で次期に生かすということも可能性として考えるということでよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○植木副座長 ありがとうございます。ほかに指標の追加・削除等につきましての御意見ございますでしょうか。
もしないようでしたらば、次に進めさせていただければと思います。
それでは、引き続きまして資料2の説明を事務局のほうからお願いいたします。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
それでは、資料2を御覧ください。縦置きのワードの二枚紙、「糖尿病対策に係る中間とりまとめ(案)」という資料でございます。
本検討会において御議論いただいた内容を踏まえまして、本年度内に決定する予定の第8次医療計画の「疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制構築に係る指針」等の見直しが必要と考えられる事項を中心にとりまとめを行わせていただきたいと思っております。
今申し上げた指針というのがいわゆる5疾病5事業、ここに感染症が加わって6事業となるわけですが、と在宅医療に関する医療体制の具体的な整理のための都道府県に計画を策定していただくための指針でございます。そこについて、これまで御議論いただいた3つの観点に沿って整理をさせていただいておりますので御説明申し上げます。
まず、1ページ目の上のほうから、1.の「糖尿病対策に係る他計画との連携等を含めた診療提供体制について」というところで、「見直しの方向性」といたしましては、御議論の論点のほうでもお示ししたとおりですが、国民健康づくり運動プラン(健康日本21)や医療費適正化計画の見直し、ここは特に特定健診・特定予防指導に関する事項ということでございますが、それに係る検討状況、重症化予防や治療と仕事の両立支援に係る取組状況等を踏まえ見直しを行う。
その他、診療提供体制に係る記載について、厚生労働科学研究の内容等を踏まえ、必要な見直しを行うという方向性をお示しして、具体的にはどう変えるイメージかということを次のマル2で記載しております。
今の方針を踏まえて、具体的には、○の1つ目から、健診後の受診勧奨や、健診後の医療機関受診状況等に係るフォローアップに係る取組を引き続き推進する。
○の2つ目で、治療等に係る記載について、更新された糖尿病に係るガイドラインにおける記載内容や調査・研究の結果等を踏まえ、内容を更新する。特に、高齢者糖尿病に関するコントロール目標等が設定されたことにも留意する。
○の3つ目で、研究班や関係学会で整理された、かかりつけ医から糖尿病専門医への紹介基準、その他関係する専門領域への紹介基準等も踏まえ、合併症の重症化予防に係る医療機関間連携を含む取組を引き続き推進する。
○の4つ目、厚生労働省で作成したガイドラインの内容も踏まえ、治療と仕事の両立支援に係る取組を引き続き推進する。
次の○が、患者及びその家族等に対する教育や、国民に対する正しい知識の普及啓発等に係る取組を引き続き推進する。
最後の○で、糖尿病の動向や治療の実態を把握するための取組を引き続き推進する、としています。
続いて2.でございます。「新型コロナウイルス感染症拡大時の経験を踏まえた今後の糖尿病医療体制について」ということで、「見直しの方向性」は、こちらも、これまでお示ししていた論点ですが、今回の新型コロナウイルス感染症拡大時の経験も踏まえ、地域の実情に応じて、多施設・多職種による重症化予防を含む予防的介入や、治療中断対策等を含む、より継続的な疾病管理に向けた診療提供体制の整備等を進める観点から必要な見直しを行う。
次のページを御覧いただいて、今の方針として、「具体的な内容」としては、感染症流行下でも、糖尿病患者が適切な医療を受けられるような体制整備を進めるということと、2つ目で、ICTの活用や在宅医療との連携を含めた継続的・効果的な疾病管理に係る検討を進めるとともに、遠隔診療による対応が可能な糖尿病患者の病態像の整理を進めるということでお示ししております。
続いて3つ目でございます。指標の見直しについてでございます。先ほど御議論いただいた内容で基本的には網羅されていると思いますので、こちらの詳細は割愛させていただきます。
「具体的な内容」としては、別添の指標例ということで、資料1-2の4ページ目にお示ししているものと本日の御議論を踏まえたものを添えるというイメージでございます。
最後に、「今後検討が必要な事項について」ということで、本日まで御議論いただいた中で、現時点での方向性がなかなか明確にお示しできないものや、指標として今後こういったものを加えるべきではないかといった御議論の内容をここに書き加えるイメージでございますが、例えば前回御議論いただいた中でいただいている、高齢者の糖尿病の実態把握等について引き続き検討するといった記載をしてはどうかということで御提案しております。
資料の内容について御説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○植木副座長 ただいま事務局から説明ございました指針の見直しの方針につきまして、何か構成員の先生方から御意見ございましたらお願いいたします。
室原構成員、お願いいたします。
○室原構成員 ありがとうございます。循環器の立場から申し上げたいと思います。
日本を含めました6か国の共同研究において、まだ腎症や循環器疾患が発症していない糖尿病患者さん、いわゆる一次予防の糖尿病の患者さんが最初に発症する病気が、二大疾患が慢性腎臓病、CKDと心不全なのですね。ですので、今後検討が必要な事項というところで、もし可能でしたら、糖尿病患者さんの心不全の発症状況等の把握等について検討するというような項目を入れていただけると、循環器の立場からはいいのではないかと思います。
以上です。
○植木副座長 ありがとうございます。これは4.のところに高齢者に加えてということでしょうか。
○室原構成員 そうですね。
○植木副座長 いかがでしょうか。
津下構成員からお願いいたします。
○津下構成員 ありがとうございます。
今回、新型コロナウイルス感染拡大時の経験ということがあるのですけれども、コロナとは違うのですけれども、災害時などにも糖尿病の患者さん、治療に非常に難儀されているというようなこともあります。例えばPHRの普及などにより、治療している状況が把握できて、災害時にも切れ目なく医療が継続できるような体制をつくるというのは非常に重要ですし、このICTの活用というのが生きる場面ではないかなと思います。どこかに記述しておいたほうがいいのではないかと思いましたけれども、いかがでしょうか。
○植木副座長 いかがでしょうか。これは恐らく新型コロナウイルス感染時の経験を踏まえてということなので、津下構成員からの御発言もあったように、新たな進行感染症や災害時も含めてという意味は含まれているのだと思いますけれども、それが少し明らかになるような書き方をするというようなことでよろしいでしょうか。
事務局、そのような形でよろしいですか。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。事務局としては、御意見として承りたいと思います。
1点だけ、補足としては、感染症と同じように、災害対策のセクションも存在するので、どちらに書くのが適切かというところの技術的整理は事務局のほうで考えさせていただきたいと思います。
○植木副座長 ありがとうございます。
黒瀨構成員、お願いいたします。
○黒瀨構成員 先ほど津下構成員がおっしゃられたところと同じところなのですけれども、ICTの活用に関しても、あるいは在宅医療の連携についても、非常に重要だと思いますし、ぜひ推進していただきたいと思いますけれども、その2行目に「遠隔診療による対応が可能な」という表現があるのですが、現在、コロナの特例下、特例的な措置ということで、電話等による遠隔診療まで含めて幅広く遠隔診療という言葉が使われてしまっていまして、現場は、遠隔診療というだけだとすごく混乱してしまうのですね。
先生御存じのように、例えばオンライン診療にしても、D to P with Dですとか、あるいはD to Nですとか、特に在宅医療の場合にはwith Nのほうの要素が非常に大きくなってくると思うのですけれども、そういったところで、遠隔診療という言葉で表現するにしても、何かそこに補足的な丁寧な説明を加えることによって、現場が、何でもやっていいのだとかいうことではなく、あくまでもこういうときにはこういう使い方をするのだということを、遠隔診療の中にいろんなタイプのものがあって、糖尿病の安定している場合にはこういうときにこのように使えばいいのだということがしっかりと分かるような、あるいはそれを示していくような何か書きぶりにしていただくとか、あるいはただし書きを入れていただくとかいうことをお願いしたいなと思います。
文章そのものは余り長くなっても仕方ないので、冗長にならないように、何か別添の資料で御説明いただくとかいうふうに、遠隔診療って今本当に大切な、医療機関でも、いわゆる診療所では18%しか使われていないのですね。それも、1か月に5件以内、下手すると1件とか2件というところがまだ圧倒的に多くて、これから丁寧に育てていかなければいけない診療分野だと思いますので、ぜひそこの部分の書きぶりを明確にしていただきたいなと思います。どうぞよろしくお願いします。
○植木副座長 御意見ありがとうございます。今、種々の疾患で、オンライン診療が可能な病態についての聴取が各学会から行われていて、糖尿病学会も意見を出したところで、まさしく黒瀨構成員がおっしゃいますように、病状が安定しているとか、一定の条件を御意見としては出したところですので、そのようなことが明確化するような書きぶりにしていただくということで、それは、事務局、そのような理解、もともとそういう理解でよろしいでしょうか。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。事務局でございます。
黒瀨構成員から頂戴した御意見の病態像の整理については、今、植木副座長からおっしゃっていただいたような対応が可能な病態像の整理という文脈で、方向性としては記載していたつもりでございました。他方で、もう少しこういった要素を加えるべきといったところであれば、可能であれば、少し具体的に、こういう項目なりこういう事項が加えられるとよいのではないかということについてお話をしていただいて、構成員の皆様の中で認識のそごがないかどうかの御確認はできればいただけると助かりますというところでございます。
○黒瀨構成員 まず、基本的には、遠隔診療でも、単に患者さんと医師だけの1対1対応の場合もあれば、在宅医療の場合のように、御本人がなかなかオンライン診療に適応できないような方のためのD to P with Nですとか、そういった診療形態もあると思いますし、やはり遠隔診療というだけで言ってしまうと、では電話でもいいのかという変な受け止められ方もしないように、そこは、こういったオンライン診療でこういう状況のということをもうちょっと具体的に、ここに入れるというよりは、例えば糖尿病学会の提言等を別添で示していただくとか、そういうことでよろしいのかなとは思いますけれども。
○原澤課長補佐 副座長、事務局からよろしいでしょうか。
○植木副座長 どうぞ。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。黒瀨構成員からの御指摘について、そのような形で少し整理を進めて、副座長とも御相談させていただきたいと思います。
○植木副座長 ありがとうございます。先ほどの室原構成員からの御発言とも多少関連いたしますけれども、私のほうから1点だけ。
他の医療計画とも関連いたしますが、取り組むべきことの一つといたしまして、例えばがんですとか、あるいは感染症、心疾患も入るかもしれませんけれども、他の疾患で治療中の糖尿病患者さんの血糖管理を行える体制を整備するということが、他疾患の予後の改善にも非常に貢献することであろうかと思いますので、このマル2に入るのかもしれませんけれども、そのような形で入れていただけますといいのかなと思いますけれども、ほかの構成員の御意見ございましたらお願いできればと思います。
矢部構成員、いかがでしょうか。
○矢部構成員 今の植木副座長の御意見に私も大いに賛同します。というのは、周術期の血糖管理等、これがしっかりできると、やはり在院日数の短縮、患者さんのQOL向上というところにも結びつきますが、必ずしも全ての急性期病院でこういった体制が整っていない現状を踏まえますと、やはりこういったことも今回のこの対策に関わる中間とりまとめの中に組み込んでいただくというのは極めて大切なのではないかと思いました。ありがとうございます。
○植木副座長 ありがとうございます。それでは、今の矢部構成員の御意見もございますけれども、組み込むような形で考えさせていただいてよろしいでしょうか。
井本構成員、お願いいたします。
○井本構成員 今の議論とは別の意見でございますので、後ほどで。
○植木副座長 事務局のほう、今の点、よろしいでしょうか。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
記載する場所のイメージの確認でございますが、1.のマル2の「具体的な内容」のところに入院中の他疾患を主たる病態としてというか、主たる疾病として入院している患者さんに対する管理ができる体制というようなイメージで書き込むという理解でよろしいでしょうか。
○植木副座長 はい。
○原澤課長補佐 承知いたしました。その御意見を踏まえて記載整理させていただきたいと思います。
○植木副座長 よろしくお願いいたします。
それでは、井本構成員、お願いいたします。
○井本構成員 ありがとうございます。別の観点での意見となります。2点意見を申し上げます。
中間とりまとめの中には、新たに高齢者の糖尿病について記載がされたと認識しております。前回も意見書で意見させていただいたのですが、重症化予防において、地域の連携体制の構築が重要であるところ、在宅療養者の高齢化が高まっている中で、訪問看護師が現在かかりつけ医と情報共有しながら対応に当たっているところでございますが、1.のマル2の3つ目の○のところには、「医療機関間連携」という記載にとどまっているところでございます。ぜひここは、できましたら「医療機関及び関係機関間の連携」としていただけないかと思っています。先ほど来御意見にあったような保険者、自治体等の連携も必要になっているところでございますので、御検討をお願いしたいと思います。
また、2点目ですけれども、前回の指針にもありますが、重症化予防に当たっては、先ほど来の指標の中でも議論になっておりました未受診者及び治療中断者を減らすための外来での療養指導が大変重要だと認識しております。その点においても、糖尿病の治療重症化予防のプロセス指標として、先ほどの糖尿病透析予防指導管理料等の議論があったと認識しているところでございます。
ですので、1.のマル2の「具体的な内容」を示されているところの中に、ぜひとも療養支援の重要性に鑑みてもというような文脈を加筆いただければと思っております。
以上でございます。
○植木副座長 ありがとうございます。1点目、医療機関だけではなくて、関連というような文言を入れるということですけれども、これにつきましてはいかがでしょうか。大変大事な点ではないかと思いますけれども。事務局のほう、それはそういう形で大丈夫。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
今の御提案のイメージが、1.のマル2の○の3つ目の「合併症の重症化予防に係る医療機関間連携」のところに「関係機関間」という追記をするという認識で、井本構成員、お間違いないでしょうか。
○井本構成員 はい。今のところ、「医療機関間」だけにとどまっているところについて、修正をいただきたいということになります。
○原澤課長補佐 はい、その点、理解いたしました。
あと2点目は、具体的にこういうところに入れたらどうかというイメージが、もしくは新規で項立てするようなイメージをお持ちかというところはちょっと補足いただけると助かります。
○井本構成員 こちらも、○の3つ目のところにもなると思いますが、「合併症の重症化予防に係る」というところに関連することかと思います。引き続き推進するというところにとどまっておりますので、この前に、療養支援の継続や、もしくは強化のような、少しここを強調するような文脈はいかがかと考えておりました。
○原澤課長補佐 分かりました。いずれにしろ、この○の3つ目のところの記載ぶりを少し整えるということで認識いたしました。ありがとうございます。副座長、その方向性でよろしければ。
○植木副座長 指導の重要性を加味していただくということでお願いいたします。
津下構成員、お願いいたします。
○津下構成員 ありがとうございます。
今の箇所ですけれども、「合併症の重症化予防に係る医療機関間連携」ですが、高齢者の場合、合併症の予防というよりも、低血糖予防とか、それから、フレイルが進行しているとか、なかなか食事も十分取れないなどの問題があり、介護との連携が非常に重要だと認識しています。そういう点で、これは高齢者の糖尿病、4のところに、これからの課題となっているのですけれども、指標化はこれからの課題としても、認識としては、介護、地域包括ケアで、低血糖防止や、糖尿病がある高齢者では急速にフレイルが進行したりしやすいということで、介護との連携が非常に重要ではないかなと感じておりますが、ここで「合併症の重症化予防に係る」となってしまうと、ちょっとそれが外れてしまうのではないかと思います。○を増やしていただくか、合併症の重症化予防だけではない、関係者間連携とするのか、ちょっとその辺りが含まれるような表現がいいのかなと感じた次第でございます。
○植木副座長 先ほどの井本構成員の御発言も、津下構成員と同じような御趣旨だったかと思いますので、確かに合併症の重症化予防だけではないので、及び予後改善とか、そういう文言を入れればよろしいのかなと思いましたけれども、事務局、よろしいでしょうか。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。今の御趣旨で申し上げると、そこのリード文が、研究班や関係学会で整理された基準等も踏まえ、という文脈になっているので、むしろ別の項立てにして、今の御指摘を受け止められるような記載をそこの前後に追記するというほうがもしかしたらよろしいのではないかと思いましたが、そのような形で、井本構成員、津下構成員はじめほかの先生方が問題なければ、少し記載ぶりについて整理させていただきたいと思っています。
○植木副座長 それでよろしいでしょうか。
○を1つ加えさせていただくということで整理させていただければと思います。
杉山参考人、お願いします。
○杉山参考人 すみません。参考人の立場から大変恐縮なのですけれども、1つ御発言させていただきます。
私、山内班の研究協力者として、同じ研究協力者の今井とともに、こちらの指標をいろいろとつくらせていただいておりました。NDBでも解析を進めておりますが、一方で、ちょっとまだNDBでも例えば出せない指標があることですとか、あとは、入院に関しては、アウトカムらしい入院を出すということも努力してやったりとかしたわけですけれども、まだまだ指標として、セカンダリーに見えるものだけを見るということをすると、どうしても限界ある部分がございます。
第8次に関しましては、第7次から先生方に御議論いただきまして指標もある程度アップデートしてよくするということで、今出せるベストのものをしていただいたと感謝しておりますけれども、今後、第9次などに向けて、必要な概念を表す指標をとる努力をしてほしいとか、そのようなことを書いておいていただけると、それに向けて、研究班など、私たちも含めて今後努力していきたいと思いますので、その辺りのことについて御議論いただけると大変ありがたいと思います。
○植木副座長 杉山参考人からの御意見でございました。これは具体的に指針に書き込むような感じになるのでしょうか。
事務局、お願いいたします。
○原澤課長補佐 ありがとうございます。今の御提案は、どちらかというと、今後も引き続き指標についての検討を進めていく中で盛り込んでいくべき視点というような要素のような気がしたので、そういう意味では、4.のところに付記するような形なのではないかと思いましたが、その上で、記載するというか、こういう観点での指標が今後さらにブラッシュアップしていく必要があるということであれば、今、杉山参考人から頂戴したのは、特にアウトカムに関連するような指標の部分がなかなか整理が難しい部分があったという、そういう認識でお間違いなかったでしょうか。
○杉山参考人 今まで議論してきたことの中で言うと、アウトカムが確かに取りにくいというのが一番多かったかと思います。あとは、この検討会の中で幾つか議論のあった、例えば入院患者の血糖管理をやっているかどうかとかいうことをもし指標として取りにいくことであるとすれば、そういうことも今後やらないといけないでしょうし、例えば概念として出てきたスティグマとかそういうことについて、今後何かしらの手当てをということであれば、そういうこともはかれるようにしなきゃいけないしということで、ちょっと多岐にわたるもので、それをどこまで書き込むものかというのは、正直、私の中ではちょっと具体的なイメージがないところで申し訳ないのですけれども、その辺りも含めて御検討いただけるとありがたいです。
○原澤課長補佐 事務局からよろしいでしょうか。
○植木副座長 事務局、どうぞ。
○原澤課長補佐 杉山参考人、ありがとうございます。イメージが分かりました。先ほど、私、4.と申し上げたのですが、もしかしたら、1.のマル2の「具体的な内容」の最後に記載している「糖尿病の動向や治療の実態を把握するための取組は引き続き推進する」の文脈のところに、「その取組を評価するための適切な指標の検討を含め」といった文脈を組み込むことで広く受け止められるのではないかと思いましたが、そういう方向性でもし、杉山参考人のイメージが間違っていなければ、その観点で構成員の皆様に御議論いただきたいと思います。
○植木副座長 いかがでしょうか。恐らく杉山参考人のおっしゃったのは、今、事務局から説明があったような点かと思いますが、よろしいでしょうか。
津下構成員、どうぞ。
○津下構成員 今の話は、そのように、今後もより客観的な数値がきちんと出るような研究を進めていただく、そういうことが必要ですので、ぜひ御記載いただきたいと思います。
「第8次医療計画指標案」というエクセルの表にございますように、今回、情報源の公表者については、国のレベルまたは一部学会からの報告ということで出ております。これについては、学会のほうでこれから引き続きずっとこの指標を取り続けていただかなければいけないと思いますので、この公表のソースになったのだけど、そのときにやっていなかったということのないように、各学会への協力要請というのも非常に重要になるかなと思いました。
また、もう一点ですけれども、先ほどの糖尿病対策推進会議の二次医療圏での実施状況とか、これはNDBとか国のデータで把握しようがないものになるかなと思います。この医療計画において国のレベルの医療計画、都道府県で作成するときには、こういう項目を把握したほうが望ましい項目とか、都道府県や二次医療圏単位でこの医療計画を推進するのにふさわしい、どちらかというとストラクチャー、プロセス指標などの例などについて、都道府県間でばらばらにならず、ある程度方向性そろってくるといいのかなと思います。がんじがらめで決めるのではなくて、こういうものをカウントしたらどうでしょうみたいな、都道府県の医療計画に向けた都道府県独自が把握できる指標も例示として示していってもいいのかなと。全てデータをもらうものだけではなくて、都道府県で調べて計画に掲載するというのもポジティブな計画づくりにつながるのではないかなと感じまして御提案させていただきました。
以上です。
○植木副座長 ありがとうございます。一種のひな形みたいなものを提示するのはどうかということかと思いますが、いかがでしょうか。御意見ございませんか。
事務局、いかがでしょう。まずそういうことも考慮するということでよろしいでしょうか。
○原澤課長補佐 事務局でございます。ありがとうございます。
先ほどまさに御議論いただいた、特に保健師の数とかそういったものが、津下構成員おっしゃっていただいたような指標例のイメージに近いのではないかと思いました。そういったものの指標例としての提示を当然妨げているわけではなく、これまでも、それこそ第6次までの医療計画はほとんどそういったものになっておりました。他方で、実際に使える数字がなく、都道府県のほうで何を見ていいか分からず困っているという実態があったので、第7次医療計画から、こういった国のほうからより技術的なバックアップをするという取組を進めていった経緯で、このような御提案になっています。
他方で、今おっしゃっていただいたような指標を排除しているわけでは当然ございませんし、この指標はそもそも都道府県で活用していただくための指標例でございまして、今、御指摘いただいたもので定義が、先ほど来申し上げているとおり、きちんと決められるものについては採用していくということはあると思っていますので、その観点で、資料1シリーズのほうで御議論いただいた内容も踏まえて整理して御提示できるようにしたいと思います。
○植木副座長 ありがとうございます。
最初の室原構成員の御提案にちょっと戻らせていただきまして、4.のところで、必ずしも高齢者だけではないかもしれませんけれども、高齢者糖尿病にしばしば見られる併存症の一つとしての心不全というのも非常に重要かと思いますので、この中で心不全についても実態の把握をさせていただくというようなまとめ方ではいかがでしょうか。室原構成員、いかがでしょうか。
○室原構成員 先生、ありがとうございます。先生おっしゃいますように、高齢者の方ほど、また腎機能が低下してくるほど心不全の合併が多くなりますので、そういった内容でよろしいかと思います。ありがとうございます。
○植木副座長 ありがとうございます。では、そのような書きぶりにさせていただくということで、御了承いただいたものとして進めさせていただきます。
ほかはいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
指標及び指針の改定につきまして御議論いただきまして、事務局のほうで調べさせていただかないといけないことも数点ございましたけれども、おおむね構成員の先生方の御了承をいただけたものと思いますので、今後、最終的な取りまとめにつきましては、柏原座長と私のほうで預からせていただいて、事務局と協議の上、中間とりまとめの案に適宜反映させていただければと思いますが、御了承いただいたものとして進めさせていただいてよろしいでしょうか。
(首肯する構成員あり)
○植木副座長 ありがとうございます。
それでは、何か事務局のほうから連絡事項ございますでしょうか。
○原澤課長補佐 事務局でございます。
先生方、御議論いただきましてありがとうございました。糖尿病対策につきましては、今回の御議論で、こちらで確認する事項等ございますが、一定の方向性について御了承いただいたと、中間とりまとめ案とその指標案の方向性について御了承いただいたと理解しております。
年内は一旦ここで御議論は終了とさせていただきたいと思っております。今後の議論の御予定等につきまして、詳細はまた改めて事務局よりお知らせさせていただきますので、引き続きの御協力のほどよろしくお願いいたします。
本日の中間とりまとめ内容に基づきまして、第8次医療計画に向けた整理を引き続き進めさせていただきます。その上で、糖尿病対策に関する各種の体制整備等につきましても、関係者の皆様の御協力をいただいて、必要な取組を事務局としても都道府県の取組を支援することも含めてきちんと進めてまいりたいと思いますので、引き続きの御助力のほどよろしくお願い申し上げます。
また、いつになるかというところも含めて御連絡させていただきますが、次回以降の検討会におきましては、腎疾患対策の中間評価に関する議論も行っていく予定でございますので、こちらにつきましても、日時・場所等、改めて御相談させていただきますので、よろしくお願いいたします。
事務局からの御連絡は以上でございます。
○植木副座長 ありがとうございました。
以上で、本日の検討会議事は全て終了いたしました。構成員の先生方、長時間にわたりまして御議論ありがとうございました。