第2回 40歳未満の事業主健診情報の活用促進に関する検討会議事録(2022年11月9日)

日時

令和4年11月9日(水)14:30~16:30

場所

オンライン開催

議題

  1. 1.とりまとめ(案)について
  2. 2.その他

議事

議事内容
○ 医療費適正化対策推進室 香西
 それでは、定刻となりましたので、ただいまより「第2回40歳未満の事業主健診情報の活用促進に関する検討会」を開催いたします。構成員の皆様におかれましては、御多忙の折、御参加いただきありがとうございます。本日の出欠状況ですが、森構成員からは欠席の御連絡を頂いております。
本日もオンラインによる開催としておりますので、初めに発言の仕方などを説明させていただきます。会議中、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックし、座長の指名を受けてからマイクのミュートを解除し、御発言をお願いいたします。御発言終了後は、再度マイクをミュートにしてくださいますようお願いいたします。また、議題に対して御賛同いただく際には、カメラに向かって、頷いていただくことで、「異議なし」の旨を確認させていただきます。
次に、資料の確認をお願いいたします。議事次第、資料、参考資料1、参考資料2です。不足等があればマイク若しくはコメントでお申し出ください。それでは、以降の進行を座長にお願いいたします。
○ 山本座長
 本日もお忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。早速、議事に入りますので、事務局より資料について説明をお願いいたします。
○ 横田医療費適正化対策推進室長補佐
 資料、参考資料1、参考資料2と続けて御説明させていただき、その後、皆様方の御意見を伺うという形とさせていただきたいと思っております。
まず、「40歳未満の事業主健診情報の活用を通じた予防・健康づくりの推進(案)」です。前回、座長から文書でまとめるようにとございましたので、今回、前回の資料と御議論を踏まえたものとして、資料を作成させていただきました。
1ページ目、「Ⅰ.はじめに」の1つ目の○ですが、生活習慣病は自覚症状がほとんどないまま進行するため、健診は対象者個人が自らの健康状態を理解して生活習慣を振り返る絶好の機会である。そして健診結果を踏まえ、対象者自身が生活習慣等の問題点を発見し、意識化することで、疾病予防や早期受診に効果的につながるようにしていくことが重要だということを記載いたしました。
その上で2つ目の○ですが、前回の御議論の中で役割分担をという御指摘がありましたので追記したところでございます。まず法律上の建付けですが、事業者は職場における労働者の安全と健康を確保する責務があり、また保険者は被保険者等への健康の保持のために必要な事業を推進するよう努める義務があります。この「そして」というところですが、健診の実施に関する役割分担として、事業者については労働者に対する健診の実施、健診結果に係る医師等からの意見聴取等の措置を講ずること。保険者については、被保険者に対する健診の適切な実施や、健診結果が示唆する健康課題等のフィードバック等を行うこと。健診実施機関においては、検査の標準化や精度管理等、またフィードバックなどが求められているということを記載いたしました。
3つ目の○ですが、生活習慣に関する状況を統計から見てみると、例えば、食習慣の改善について「改善することに関心がない」又は「関心はあるが改善するつもりはない」と回答した者については、20歳代が他の年齢よりも高くなっているということです。また、運動習慣の改善については、「改善することに関心がない」又は「関心はあるが改善するつもりはない」と回答した者については、30歳代が他の年齢よりも高くなっているという状況があります。こうした状況を踏まえれば、若年期から食習慣や運動習慣の改善を図り、適正な体重の維持等に向けた保健指導や啓発等の取組を推進していくことが考えられるということを記載いたしました。
一番下の○です。前回の資料と同じですが、2022年1月、つまり今年の1月から事業者から保険者に対して事業主健診情報(40歳未満)を提供する仕組みが施行され、事業者と保険者とが情報を共有することにより、一人一人の健診結果を経年的に把握し、早期介入によって労働者・被保険者の疾病やその重症化を防ぐ取組などを進めることが可能になったところです。また、来年度中、2023年度中からはマイナポータルにおいて、その情報を確認できるようにすることとされているということを記載しています。
次に、2ページ目の冒頭ですが、これを踏まえ、労働者・被保険者が自身の健診情報を踏まえてセルフケアをしやすくするとともに、事業者と保険者が連携して、年齢を問わず、労働者・被保険者の予防健康づくりを推進することができるように、本検討会においては、事業主健診情報の活用に関する課題や関係者が取り組む事項、システム整備等について検討を行ってまとめさせていただいたということを記載いたしました。
その上で、「Ⅱ.事業主健診情報の活用に関する状況」です。ここも前回の資料を踏まえて記載しているところです。1つ目の○については、労働者・被保険者がマイナポータルにおいて自身の健診情報を確認し、それを踏まえたセルフケアがしやすい環境の整備は、労働者・被保険者の予防・健康づくりの観点から重要であるとしております。
2つ目の○です。こちらは法律上の建付けです。先ほど触れさせていただきましたが、健保法等の改正により、事業主から保険者に対しての情報提供に関する規定が設けられました。そのことを記載しております。その次の○に、この取組を通じて期待されるメリット・効果として、①データヘルスの一層の推進、②コラボヘルスの促進、③労働者・被保険者がマイナポータルでの健診結果の確認が可能になるといったことを記載しているところです。
その次の○で、「また」からはじまる所ですが、前回も資料として出しましたが、事業主健診情報(40歳未満)を取得した健保組合は約7割となっていて、取得した情報については、受診勧奨や保健指導等に活用しているという状況です。次の○ですが、その一方で、まだ3割の健保組合は取得していないということです。事業主健診情報を保険者に集約する法的な仕組みは整えましたが、協会けんぽや総合健保等では事業者から情報を取得しにくい状況にあり、また保険者において事業主健診情報を活用して保健事業を行う方策が確立していないという状況にあるという現状を記載しています。
その上で3ページ、「Ⅲ.事業主健診情報(40歳未満)の活用を通じた予防・健康づくりの推進」です。1つ目の○ですが、このような状況を踏まえれば、事業主健診情報の保険者への集約による効果的な保健事業の実施や、マイナポータルで確認可能とする仕組みの重要性を、まず関係者において共有することが肝要だということが1点目です。2つ目としては、関係者が協力して、事業者・保険者間で事業主健診情報を円滑に共有するということ。3つ目が、その情報を活用した効果的な保健事業を実施できる環境の整備を進めていくということ。4つ目として、マイナポータルでの確認に向けた必要なシステム整備等を進めていくことが重要だということで、この4点について、前回議論させていただきました。「そのため、」ということで、今申し上げました4点について、関係者がそれぞれの役割に応じて労働者・被保険者の予防・健康づくりを進めることが重要だということで、その4つの柱書きの内容を以降に記載させていただいています。
3ページの中程、「1.関係者における認識の共有」です。事業主健診情報の活用を通じて労働者・被保険者の予防・健康づくりを進める重要性について、関係者において更にその認識の共有を図ることが重要であることから、以下の取組を進めていくということで、①②③と記載しております。「①制度の周知等」は、法律が施行されたものの、なかなか取組が進みにくいことの1つとして、その周知がまだ十分ではないのではないかという御指摘もありましたので、そこについては、きめ細かく周知していくということをしっかりとやっていきたいと思っております。「②THP指針の改正」ですが、前回もお出ししましたように、事業場における労働者の健康保持増進のため、「事業場における労働者の健康の保持増進のための指針」を改正し、健康保持増進対策の考え方に以下の内容を明確化するということで、3点あげています。「③データヘルス計画での明示」というところで、保険者のほうで作る計画ですが、被保険者の理解を促すとともに効果的な取組を実施する観点から、事業主健診情報を活用する保険者におきましては、データヘルス計画に明示していく。そういったことを記載しているところです。
4ページ、2つ目の柱です。「2.事業者・保険者間での円滑な情報共有」の「(1)事業主健診結果の電子化に向けた取組の促進」です。①から③まで項目を付けています。「①事業主健診情報の電子化の周知」です。1点目の○については、事業者に対し、企業が保存する事業主健診情報の電子化を促進しているために、XML形式に対応することが望ましいという旨を周知していくということです。2つ目の○は、事業主から保険者への提供については40歳以上の事業主健診情報の場合と同様に、XML形式による方式などについて周知していくということです。ここに「注」として、厚労省HPにおいて、XMLスキーマファイル等を掲載していることを付けております。
次の3つ目の○は、前回の御議論を踏まえて追記したところです。「40歳以上の事業主健診情報の提供の場合と同様に」という文言から始まりますが、前回議論の場において、健診実施機関における電子化の対応が重要だという御指摘がありました。したがいまして、40歳以上の場合と同様に、保険者への定期健康診断等の結果の情報提供を適切に実施するためには、電子的な標準様式に対応している健診実施機関に委託することが望ましいことを周知する。また電子的な標準様式による結果の提出が可能な健診機関を周知していくという旨を記載しました。
その上で、前回の議論の場において健診団体等が事業主健診データを、保険者に漏れなく提供することは可能となるような仕組みがあるという御紹介がありました。そのことについて追記しているところです。健診実施機関内での健診結果データの標準化に伴い、事業者等が異なる健診実施機関の結果を同一フォーマットで把握することができる取組事例、そういった取組を周知していくことを記載しました。
「②THP指針の改正」については先ほど述べたところと同じです。「③コラボヘルス推進等の支援」ですが、1つ目の○は、前回も御説明しましたが、事業主健診情報を活用した労働者の健康保持増進の取組が進んでいない事業場における取組を推進するため、事業主健診情報の電磁的な方法による保存・管理やデータ提供を含めて、コラボヘルスの推進のための支援を検討しています。その上で前回議論がありまして、健診実施機関に対する支援の話がありました。そのことがありましたので、2つ目の○として追記しています。商工会、事業協同組合などの団体が、小規模事業場に対して産業保健サービスを提供するための活動に対する支援を検討していくということを記載しております。
5ページ、「(2)事業主健診情報の保険者への円滑な情報提供」です。4つ記載していますが、「①事業者と健診実施機関との契約書ひな型の活用推進等」です。今、事業者から保険者への事業主健診情報の提供に際しては、40歳以上と同様に、迅速かつ確実に情報提供し、その事務負担を軽減するために、ひな型を作っていますので、それを40歳未満についても同じように活用できるように周知を行っていくこと。2つ目の○ですが、被保険者等記号・番号等を保有する事業者が、事業主健診の実施を委託した健診実施機関に対して、個人情報保護法に則った上で、受診者の被保険者記号・番号等を事前に提供することが重要であるとともに、ひな型にも明記して取組の促進を図っていくということを記載しているところです。
「②情報提供を促す書類ひな型の作成・普及」です。協会けんぽにおいて様々な取組をしている中で、このひな型の活用ということで様々な努力をされていると承知しているところです。この使っている同意書のようなものについては、国において横展開を図っている観点から、そのひな型を作成して周知を図っていきたいと思っています。
「③個人情報保護法上の取り扱いの周知」です。健診情報等も含めて個人情報保護法に則って対応していくということを記載しています。
「④事業主健診情報の提供の促進」ですが、経産省において「健康経営」という取組をやっており、今年度初めて調査を行っているという状況です。その結果を踏まえつつ、健康経営に資する取組として、この40歳未満の事業主健診情報の提供などを認知していくという取組の周知を図っていきたいということを記載しています。
次に、「(3)事業主健診情報の提供・取得に係る費用」です。これも前回お出しして議論があったところですが、1つ目の○です。事業者においては、労働安全衛生法で定められた健診結果の記録・保存等を行うとともに、一定の場合には、措置を講じるという義務がありますし、保険者においては、そのデータを活用して被保険者の健康の保持増進のために必要な事業を行う努力義務があります。その上で、今現在においては、事業者と保険者とが共同で取組を行っていくためにコラボヘルスという形で取組を進めているところがあるという状況があります。
その上で、2つ目の○です。事業者から保険者に安衛法に基づく定期健康診断等の結果を提供することは、データヘルスやコラボヘルス等の推進により、労働者・被保険者の健康保持増進につながり、また労働者・被保険者が健康になることによって企業の生産性の向上、経営の改善、また経済成長につながるため、事業者及び保険者の双方にとってメリットがあります。その上で、事業者及び保険者が、労働者・被保険者の健康状態を適切に把握し、取組を効果的・効率的に進めるためには、電子化に向けた取組が重要だということを記載しています。
6ページの○ですが、現状を見てみると、健保組合においては、費用負担の方法などにおいて様々であるということを記載しています。その下の○に、健康診断の提供に係る費用については、実態が異なっていることがありますので、一律に定めることが難しいため、定期健康診断等の結果の提供に関する必要な取決め等は、事業者、保険者及び健診実施機関等の間で納得できる方法、形態等を決めていただきたいということを記載しています。
6ページ中程、3つ目の柱です。「3.事業主健診情報(40歳未満)を活用した効果的な保健事業の推進」です。「①好事例の横展開」は、前回の議論の場で好事例の横展開を図っていくこととか、大企業の取組だけではなくて中小等に、きめ細かな事例周知が必要だという御指摘を頂きました。そのことを踏まえて、保険者において取得した事業主健診情報を有効活用でき、また、保険者が取り組みやすくなるよう、様々な規模の保険者が事業主健診情報を活用して取り組む事例について周知を行い、他の保険者への横展開を図るということを明記しています。
その中身については、前回、事例集をお出ししましたが、今回も参考資料2として事例を出しているところです。後で、簡単に触れさせていただきますが、他の保険者についても様々な取組をされていますから、今回それを周知していきたいということで事例を作成しているところです。
「②モデル事業の実施・横展開」ということで、加入する多くの事業者との調整が必要な保険者における取組を進めるために、事業主健診情報を取得して保健事業への活用を支援するモデル事業を行い、その成果について横展開を図っていくことを検討しています。
4つ目の柱です。「4.マイナポータルにおいて確認できるシステムの整備等」ということで、「①事業主健診情報(40歳未満)の活用に向けたシステムの改修等」です。1つ目の○に、国において引き続き、必要なシステム改修を着実に進め、2023年度中から労働者・被保険者がマイナポータルを通じて健診情報を確認できるようにしていく。その際、既存の特定健診等データと併せて一体としてシステム運用管理や保守等を行うことを通じて、効率的な業務運営やコストの適正化につながるようにするということを記載しています。
7ページ、2つ目の○として、前回の議論を踏まえて記載しました。前回の議論の場において、提出するデータのフォーマットなどについての御意見がありましたので、そのことを踏まえて追記したところになります。現在、第4期特定健診・特定保健指導の実施に向けて、健診項目等の見直しが検討されており、それに伴う電子的な標準様式、前回の議論ではフォーマットという言葉がありましたが、そのフォーマットについても検討が進められているところです。これを踏まえ、事業主健診情報(40歳未満)の提供に関しては第4期特定健診と同じフォーマットを活用すること、また、第4期特定健診開始前に作成したデータについては第3期のフォーマットでも登録できるようにすること等を含めて検討を進めて健診実施機関や保険者等の負担軽減を図るとともに、現場で混乱が生じないようにしていくことを明記いたしました。
「②オンライン資格確認等システムの運営」ということでは、システム改修につきましては、先ほど述べさせていただきましたが、その運営において既存の特定健診等データに関しては保険者の負担によりシステムが運営されていることや、事業主健診情報(40歳未満)は既存の特定健診等データと併せて一体としてシステム運用管理や保守等を行っていくことを踏まえつつ、運営費(ランニングコスト)の負担を検討していくことを記載しています。
7ページ目中ほど、「Ⅳ.終わりに」です。1つ目の○ですが、今後、少子高齢化が進展し、生産年齢人口の減少が見込まれる中で、労働力不足への懸念が指摘されている一方で、健康寿命が延伸していくことによって、これまで経験したことのない長い人生を生きる時代がやってきます。その上で2つ目の○ですが、人生100年時代を迎える中、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響もあって、日々の健康管理の重要性が一層深く認識されているという状況です。その中において、生涯を通じて健康で生きがいを持って働き続ける社会づくりや、社会環境が大きく変化し、デジタルの活用ということが言われていますので、そういったことに対応していくことが必要となっています。
3つ目の○ですが、予防・健康づくりの取組は、個人の生活習慣の改善やQOLの向上、早期介入による疾病や重症化の防止、それを通じた医療需要等の適正化、健康を理由にした早期退職や欠勤、生産性低下の防止などに資するものであるということを記載しています。また、4つ目の○には、今回の法的仕組みを通じて、予防・健康づくりの取組を行うことが可能だということを記載しております。
8ページの○です。これは前回、産業保健の検討会について御発言があり、それを踏まえて記載しております。保険者とともに健康経営に取り組む企業は、目標を上回る約13万法人となっていて、労働者・被保険者への予防・健康づくりの取組が着実に進みつつあります。また、現在の職場における労働者の健康保持増進に関する課題は、メンタルヘルスや働き方改革への対応など多様化していて、現場のニーズの変化に対応した産業保健体制や活動の見直し等が求められているところです。その産業現場のニーズを踏まえつつ、より効果的に産業保健活動を推進する観点からも、今回の40歳未満の事業主健診情報の活用を促進し、事業者、保険者、健診実施機関等が連携して、効率的かつ効果的な取組を行うことが必要です。
最後の○ですが、本検討会において取りまとめた事項を踏まえ、引き続き、国において、好事例の収集や横展開に取り組むとともに、関係者が連携して、労働者・被保険者の予防・健康づくりの取組を進めていくことが重要であることを記載しています。
続きまして、参考資料1です。こちらは今御説明しました資料を横置きの形で整理したものです。1ページは、今回の検討会の趣旨等を記載しており、今申し上げた4本柱について図示したものです。2ページは、今の4本柱について具体的にどういうことをやっていくのかということを記載しています。
3ページは、前回お出しした参考資料2から、健保組合の取組について、こういった形で活用しているという事例を2つほど紹介しています。4ページは、昨年成立して今年の1月から施行されている法律の概要です。
参考資料2は、先ほど簡単に触れましたが、前回お出しした健保組合の事例だけではなく、様々な規模のという御指摘がありましたので、市町村国保、国民健康保険組合、共済組合のほうに御協力いただきまして、それぞれにおいて40歳未満の事業主健診情報を活用しながら、どういう取組をしているのかということをまとめたものになっています。
例えば、1ページ目に、市町村国保の例として、北海道上川町の取組事例があります。上のほうに書いてありますが、経年データに基づいて、保健師、管理栄養士による個別の保健指導等に活用していたり、また、事業主には、頂いたデータを含めて重症度や重症化リスクの保有状況が分かるように色分けしたデータの一覧を提供し、事業所内における健康づくりに活用していたり、また健診結果によっては事業者に受診勧奨などをお願いしたり、そういった取組をしているということです。
2ページは、取組の結果等です。1つ目のポツですが、保健指導対象者(40歳未満)の健診結果の状況を見てみますと、改善した者が悪化した者を例年上回っているという状況です。ただ一方で、悪化した者も一定数いますので、継続的なフォローアップをしていくことが必要となっております。2つめのポツですが、保健師・管理栄養士による取組を通じて事業主や個人の意識が変わってきたということを実感しているということなどを記載しています。
3ページは、例えばどういうふうに活用しているのかということが分かるように、提供いただきました資料を付けております。取組の背景の理解促進や町における取組の活用促進という観点から、様々なリーフレットなどを使って、事業主に対してアプローチをして、取組をしているとのことです。
4ページは、個人向け経年表を作成し、30歳代の段階からどのように健診結果が変化してきているのかということがわかるようにした例、また、保健指導教材を活用して、項目と数字だけではなく、その意味を理解していくということについて本人に自覚を促していく、行動変容につなげていくという取組をされているということを紹介しています。
様々な取組事例がありますが、様々な規模の保険者で多様な取組をしており、そういったことの分かる事例集をお出しいたしました。説明は以上です。よろしくお願いいたします。
○ 山本座長
 ありがとうございました。ただいま事務局から説明がありましたことに関しまして御質問、御意見等がございましたら、よろしくお願いいたします。私のほうから順次、指名をいたしますので、「手を挙げる」ボタンを押していただければと思います。いかがでしょうか。伊藤構成員、お願いします。
○ 伊藤構成員
 前回の議論を踏まえて、短い間にでとりまとめていただいたことに感謝申し上げます。
今後この検討会で取りまとめた内容を、事業主が40歳未満の健診情報を利活用したり、あるいは事業者と保険者、その関係者が、それぞれの立場で効率的・効果的な予防・健康づくりを行っていくことが大事になります。
そのうえで私からは、お願いを3つほど申し上げます。1つは、産業保健の在り方の検討会において、労働安全衛生方の改正も視野に含めた検討が進んでいると認識しています。本検討会での取りまとめの内容を踏まえて、実効性が上がるように、産業保健での議論を進めていただき、必要な法改正などを行っていただきたいと思います。
2つ目は、健診情報を活用していくためには、統一されたフォーマットで、電子データにて管理が基本になります。前回も申し上げましたが、既に電子データで管理することについては、厚労省から指導文書が出ていますが、徹底されていない状況を踏まえると、電子データ管理の実効性をいかに確実なものにしていくかが重要です。今回の報告書で、THP指針の改定を盛り込んでいただいていますが、電子データ管理の実施状況をしっかりトレースして、何か阻害するような課題があれば、適切に対処し確実に行われるようにフォローをお願いします。
そして最後に、健保組合全体の財政状況は非常に厳しく、今後も赤字が拡大していく状況です。各健保組合の業務実態を踏まえながら、40歳以上の健診情報と一体的に取り扱う効率的な仕組みを構築し、定着化させていく必要があります。そのためには試行運用期間を十分に取っていただくとともに、実態を踏まえた運用コストの軽減等の取組についても、本格稼働後も、厚労省によるバックアップをお願いします。私からは以上です。
○ 山本座長
 ありがとうございました。大変ごもっともな御意見ですけれども、事務局から何かございますか。
○ 横田医療費適正化対策推進室長補佐
 最後の部分のシステム改修につきましては前回も御意見を頂きまして、今回も頂きましたが、プレ運用期間であるとか、コストの軽減を図っていくということは、今回の報告書(案)にも記載させていただきましたが、努力していきますので、今後とも引き続きよろしくお願いしたいと思っております。残りは、労働基準局のほうからお願いします。
○ 中村産業保健支援室長
 ありがとうございます。産業保健支援室長の中村です。1点目でお話いただきました産業保健の在り方の検討会は10月から始めておりますけれども、正に、その中でも保険者、それから健診機関と連携して、どのように効果的に産業保健活動を実施していけるかということの議論をしていきたいというように思っておりますので、この検討会でまとめていただきました方向性も踏まえて、しっかりこれから議論をしていきたいというように思っております。
○ 山本座長
 それでは、引き続いて安田構成員から御意見をお願いいたします。
○ 安田構成員
 協会けんぽの安田でございます。今回の取りまとめの中に、協会けんぽからお話させていただいた事項を取り入れていただきまして、ありがとうございます。その中で、少し申し上げたいことがございます。健康診断と健康診査の実施に関する役割については、産業保健に携わる者と医療保険者のそれぞれの役割を記載していただいております。具体的に言いますと、例えば保健指導のように、それぞれが果たす役割に応じた取組があると考えております。一部は重複した部分もありますが、ここの部分については、産業保健や保険者の役割を整理していただき明確にした上で連携が図られるように産業保健の在り方に関する検討会等での議論を踏まえて、関係者における認識の共有化を進めていくことが重要であると思います。
次に、事業主健診情報の保険者への情報提供については、40歳以上と同様に、事業主と健診機関の契約書ひな型の活用について周知を図るとなっております。この契約書のひな型による事業主健診情報の取得は、前回もお話しましたが、期待したとおりには進んでいない状況です。まずは、事業主健診データの保険者への円滑な情報提供が必要であり、更なる取組である情報提供を促す書類ひな型の普及や個人情報保護法上の取扱い周知等を進め、その状況について適宜、開発や分析をしていただいた上で、必要に応じて取組の強化を行うなどお願いさせていただきたいと思います。
また、今回も書いていただきましたが、小規模事業主等に対する産業保健サービスを提供するための活動に対する支援を検討するとなっています。正に、協会けんぽは中小企業が加入する団体ですが、中小企業の事業主に健診結果の保険者に対する提供の認識が進んでいないという現状があり、中小企業や被保険者に集中的に周知広報を、という御発言がありました。協会けんぽにおいても、実は小規模事業主ほど健診受診率が低いという実態がございます。中小企業における事業主健診の受診が進んでいないということではないと思いますが、中小企業における実態の把握と、それに基づいた周知広報についての検討をお願いしたいと考えております。
次に、事業主健診情報を活用した保健事業の推進に向けた好事例の展開については、我々、保険者としては、非常に期待しているところですので、できるだけ早く詳細に情報提供していただきたいと考えております。特に、中小企業を中心とした取組に係る好事例の展開をよろしくお願いしたいと思います。
もう1点、資料のことですが、オンライン資格確認等のシステムの運営については、その負担について検討するとなっておりますが、どのような場で検討されるかをお聞かせいただきたいと思います。また、40歳未満の事業主健診データの取得について先ほどもお話があったと思いますが、オンライン資格確認等に登録するためのシステム改修費用について必要な改修が出来るよう十分な補助が可能かどうかを確認させていただきたいと思います。
○ 山本座長
 ありがとうございました。事務局からコメントはございますか。
○ 横田医療費適正化対策推進室長補佐
 ありがとうございます。好事例の横展開のところにつきましては、今回、事例をお出し、取りまとめ(案)のほうの最後にもございますが、引き続き事例収集などをして、各保険者が取り組みやすいような環境を作っていくということを、国としてやっていきたいと思っているところです。
最後の費用負担のところについては、オンライン資格についての検討の場とのことですが、今回の検討会においても、一部の保険者の方に参加していただいておりますが、今後、医療保険部会において検討会の報告書がまとまりましたら、その報告をして、医療保険部会等々で議論されるというように認識しているところです。
システムの改修の費用のところについては、先日、閣議決定させていただきましたが、補正予算案でシステム改修をしていく予算を盛り込んでおります。現在は、令和3年度の補正予算により、支払基金等々におけるシステムを改修しているところです。閣議決定した補正予算案の中には、保険者のほうのシステムを改修していくというものも入っておりますので、今後、予算案が成立すれば、その予算の執行の中で保険者のほうと協力しながらシステムを構築していきたいと思っているところです。残りは、労働基準局からお願いします。
○ 中村産業保健支援室長
 1点目の健診を行った後の保健指導についての保険者と産業保険の役割について、現場からも少し混乱しているという声もいろいろ頂いております。今回の産業保険の検討会でも、どうすれば効果的、効率的に両者を連携させて良い進め方ができるのかということを、議論して整理していきたいと思っております。
また、もう1点は中小企業への支援ということですが、昨日、閣議決定いたしましたが、新しく団体経由で中小企業における産業保健活動を支援する助成金の仕組みを作ろうと考えております。引き続き、中小に対して、どういう支援をしていけば効果的に健診を含めた健康管理の活動が実施されるのかということは、よく関係者の声を聞きながら、どういう対策をとっていくか考えて行きたいと思っております。
○ 山本座長
 ありがとうございました。それでは、続いて土井構成員、お願いします。
○ 土井構成員
 ありがとうございます。全国商工会連合会の土井でございます。前回欠席させていただきましたので、若干、少し流れと違うことを申し上げるかもしれませんが御容赦いただければと思います。
まず、取りまとめの内容につきましては、非常に総花的というか理念的なことを書かれているものですので、これに関してどうこうして欲しいといったことはありません。これをいかにして実効性のあるものにしていくのかといった観点で、少し感想めいたことになってしまいますが、何点か申し上げたいと思っております。
まず、この事業主健診の情報の保険者の提出の状況を見ていますと、例えば中小企業が多く加入されている協会けんぽさんの今年度目標のデータの取得率は9.1%以上にするということですので、非常に遠い道のりなわけです。資料にもありますが、「健康経営」を宣言している企業が約13万社といったところですが、中小企業まで入れますと日本の企業数は320万社ぐらいありますので、そこに普及していくためには、やはり、ある程度ターゲットを決めて活動していかなければいけないのかなと思っております。もちろん、企業にとって従業員の健康というのは非常に重要な要素ではあります。ただ、それを全てメリットと捉えるのかどうかといったところは、企業にとって判断が分かれるかなと思っておりますし、当然、電子化に係るコストをどうするのかという問題は非常に大きいと思っております。そういった点では、こういった電子化に、ある程度メリットを感じるような企業というのはどういう所なのかなと考えてみると、例えば、転勤などが非常に多い企業であると、転勤のたびに受診機関が変わるわけですので、その間の従業員の健診データというのは引き継がれないので、継続的な管理ができないとかいうことが考えられます。あるいは、離職や再就職が多く、入れ替わりの激しい企業等にとっても同じようなことなのかなと思いますので、そういった企業であれば、こういった仕組みが活用するということは、ある程度メリットに感じる部分もあるのかなと思います。また、どのように広報するのかについても、やはり企業はメリットがないものには基本的には取り組みませんので、そういったところで、どのようにメリットが生まれるかという説明も進めていく必要があるのかなと思っております。特に、私ども商工会の会員の中で、従業員が100名以上の会員80万者のうち、1%弱です。例えば、産業医を義務付けられている50人というところまでいったとしても2%ぐらいというところです。そういった規模の企業であれば、ある程度の従業員数もいるということで健康管理をやっていくという必要もあるかと思いますが、特に従業員20人以下の小規模企業にとっては、わざわざ電子化なりのコストを払ってやるといったところのメリットというのはなかなか出しにくいのかなと思っております。その「健康経営」が大事という理念だけで押していっても、なかなか難しいかなと思いますので、例えば実務的な面では、今、経済産業省のほうで、いろいろな管理をするソフトなどを入れるための補助金があります。例えば健康管理ということであれば、健康管理だけのソフトを使ってやるというのは、よほど意識の高い企業さんですが、ただ、今は多くの中小企業は働き方改革で、勤怠管理という点については、かなりニーズが高くなってきているかなと思っております。勤怠管理のソフトと健康管理のソフトは連携がとられていますので、そういったところも含めて、健康管理だけをやりましょうということだけではなくて働き方改革に対応するために、いろいろな仕組みを整えましょうとか、その中で健康管理も考えるとか、そういったところが必要なのかなと思います。また、支援策というお話がありましたが、そういう支援策を継続的に出していただくということも必要なのかなと思っております。
ただ一方で、それを普及していく中で、当然我々、中小企業団体などが、ある程度役割を担ってほしいという要素も期待されているかとは思うのですが、実は我々、特に商工会であれば、従業員さんがどうなっているかという情報は、労働保険をかなりやらせていただいておりますので、あの企業に従業員さんが何人いるとかという情報はそれなりに、把握しております。ただ、その事業所が、どこの保険者に加入しているのかとか、そういった社会保険の情報というのは一切持っていないといったところですので、普及していくに当たっては、我々のような団体と、そういった保険者との連携も、更に必要になってくるのかなと思っております。
最後ですが、企業にとって「健康経営」は非常に大事なのですが、1つの企業が頑張ったところで、企業にとってのメリットが出せるのかといった点は非常に難しいと思っております。やはり企業としては、コストを下げたいというところがありますので、そうなってくると、健康保険の保険料が安くなってくれるのが一番いいわけですが、非常に長い目で見れば、「健康経営」を進めていくことで、保険料にも返ってくるのかなと思う部分もあるのですが、ご存知の通り、今は残念なことに、現役世代がいくら頑張ったところでどうにもならなくて、後期高齢者、特に支援金のほうで3割ぐらいが保険料の中の赤字になっているということですので、そういった社会保険の仕組み全体を見直していただいて、企業にとって、その「健康経営」を更に進めていくことがインセンティブにつながるように御検討いただければと思っております。雑駁な内容になってしまいましたが、私からは以上です。
○ 山本座長
 ありがとうございました。事務局からコメントはございますか。
○ 横田医療費適正化対策推進室長補佐
 ありがとうございます。周知であるとか、漫然とやるのではなく効果的にやっていくという観点を御示唆いただきました。しっかり周知していくには、支援策という言葉もございまして、今回の案の中には、コラボヘルス推進の費用であるとか、そういうものを今回入れさせていただきました。こういったことに総合的に取り組みながら、企業のほうにもメリットを感じる、また保険者のほうにも取り組んで効果のあるというような環境をつくるように頑張っていきたいと思っています。引き続きよろしくお願いします。
○ 山本座長
 それでは、引き続いて鈴鹿構成員、お願いします。
○ 鈴鹿構成員
 ありがとうございます。連合の鈴鹿です。前回の意見も踏まえながら、報告書を取りまとめていただき、ありがとうございます。個人情報保護の観点などについても発言した内容を盛り込んでいただいておりますので、取りまとめについて異論はございません。
その上で、2点の意見でございます。1点目は、事業主健診情報の活用に関して、前回、好事例等の横展開が重要である旨を発言いたしました。今回、参考資料2では、更に様々な活用事例の紹介がされております。効果的な保健事業の実施に向け、取り組まれるきっかけとなるよう、事務局におかれましては、そうした情報も丁寧に広く周知していただければと思います。
もう1点は「終わりに」の箇所で、8ページの1つ目の○にもありますように、職場における労働者の健康保持増進に関する課題は、メンタルヘルスや働き方改革への対応など多様化しております。先ほども御発言がありましたが、労働基準局において、産業保健のあり方に関する検討会がスタートしたと聞いております。様々な会議体での検討が効果的に連動していくよう、連合内においても情報を共有していきたいと考えております。私からは以上です。
○ 山本座長
 ありがとうございました。事務局から何かコメントはございますか。
○ 横田医療費適正化対策推進室長補佐
 1点目の好事例の横展開のところにつきまして、今回様々な保険者にも御協力いただきまして事例を作成しましたが、引き続き取組が進むようにしっかりとやっていきたいと思います。以上です。
○ 山本座長
 ありがとうございます。引き続いて坂下構成員、お願いいたします。
○ 坂下構成員
 経団連の坂下でございます。取りまとめをいただき、ありがとうございます。お示しいただいた案文ですが、内容の記載に特段異論等はございません。前回の検討会で、私から何点か発言をいたしました。例えば、関係主体の役割を明確にしながら推進していくべきといったことを基本的な考え方として申し上げました。この辺りも、「はじめに」にしっかりと明記いただいております。また、6ページの健康診断の結果の提供に係る費用の部分ですが、事業者や保険者の状況は実態が異なっていて一律に定めるのは困難ということで、健診等の結果の提供に関する必要な取決め等は、事業者、保険者及び健診実施機関等の間で、納得できる方法、形態等を十分に協議して対応するということを明記していただいており、感謝しているところです。
改めて申し上げるまでもありませんが、この議論で最も重要なことは、データの提供ということではなく、事業者と保険者と健診実施機関、この三者がしっかり連携をして、労働者、被保険者の予防・健康づくりを推進していくということです。報告書の案文の中には、まだまだ十分に取り組まれていないようなことも書かれています。好事例の横展開といったものをしっかりやりながら、実効性のあるものにしていただければと思います。経団連としましても、できる限り周知等に協力していきたいと思っております。私からは以上です。
○ 山本座長
 ありがとうございました。事務局から何かコメントはございますか。よろしいですか。
○ 横田医療費適正化対策推進室長補佐
 ありがとうございます。こちらとしても、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
○ 山本座長
 それでは、続いて木村構成員、お願いいたします。
○ 木村構成員
 全国中央会の木村でございます。私も、前回に申し上げた意見の重ねてのお願いになりますが、2点、申し上げたいと思います。まず、取りまとめの4ページの中で、中小企業事業者向けの支援の仕組みを検討していただいているということで、コラボヘルス等の支援の取組に関しては、本当に産業保険に取り組む意志のある積極的な企業にとっては有難いことだと思いますので、少しまだ具体的なところが固まった段階ではないかもしれませんが、こちらに関しては、中小の、特に小規模の事業者が使いやすいものになるように、または団体を通じてということでありますので、団体が申請しやすい、使いやすい制度となるように期待して見ていきたいと思っております。その点の御説明は、確定をしたところで頂けるのかと思っておりますので、私どもも周知については御協力をさせていただこうと思いますので、よろしくお願いいたします。
2点目ですが、やはり、この40歳未満の健診情報の提供と電子化のシステムにかかる費用の面の意見です。こちらに関しては、情報提供を紙からXMLデータに移行していくところに係る費用については、それぞれの関係者がそれぞれの場面で協議をしながら決めていくということで、追々そういった場面が出てくるのかなと思っているのですが、それに関して、必要な協議をする場をしっかり設けて、関係者が納得のいく結論を出せるようにする場ができればいいなと思っております。
それから、電子化に係るオンライン資格確認等システムにデータを蓄積して運用していくためのランニングコストに関してですが、既にほかの構成員の皆様もおっしゃっていましたが、こちらに関しては、既存のシステムをなるべく一体的に使える部分は利用していただいて、本当に作業や費用のコストを極力抑える形にしてシステムを回していただきたいということがお願いでございます。例えば、費用の負担が、仮に保険者の負担という形になった場合も、保険者の皆様がこれまでいろいろ取り組んでこられた本来の保健指導の充実というところの制約につながるようなことがあってはならないと思いますし、また、この費用の増大によって、結局、事業主や被保険者の従業員の皆さんの保険料の負担といった形ではね返ってくることがないように、そこだけは懸念をしている部分ですので、よろしくお願いしたいと思います。少しまとまりのない意見になってしまいましたが、2点、よろしくお願いいたします。以上です。
○ 山本座長
 ありがとうございました。では、事務局からお答えをお願いします。
○ 横田医療費適正化対策推進室長補佐
 ありがとうございます。電子化に係る費用のところについては、今回の報告書(案)にも記載させていただいていますが、現場において、様々な対応、実態が異なっておりますので、関係者が納得できる形で議論を進めていけるようにしていただきたいと思っております。
2点目のランニングコストの費用については、言及いただきましたが、費用の低減を図るために、特定健診情報等データと併せて一体的にシステム運用を行っていくなど記載させていただいておりますが、費用がかかる中において、どのように効率的、効果的に業務運用を行っていくのかといった観点から、システム改修などを進めていきたいと思っております。ランニングコストについても、7ページに記載させていただきましたが、特定健診情報等データと併せて一体としてシステム運用管理等を行っていき、費用の低減に向けた取組を行っていくという観点から、費用負担を検討していくこととしております。御指摘を踏まえまして取り組んでいきたいと思っております。残りは、労働基準局のほうからお願いします。
○ 中村産業保健支援室長
 中小企業に対する支援については、正に、これから詳細な制度設計をしていく段階になっております。特に、団体経由の支援については、中央会さんを含めて、関係団体とよく御相談をしながら進めたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。
○ 木村構成員
 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
○ 山本座長
 それでは、続いて藤口構成員、お願いいたします。
○ 藤口構成員
 ありがとうございます。全衛連の藤口です。健診実施機関の立場として様々な要望を出させていただきましたが、ほぼ取り入れていただきまして本当にありがとうございました。ただ一点、お願いというところで、一つ申し上げさせていただきます。参考資料1の1ページを御覧ください。②事業者・保険者間での円滑な情報共有の所です。事業主と保険者の図の間に、私どもの健診実施機関を入れていただきましてありがとうございました。このデータの中で、よほど大きい事業主以外は、ほとんど私ども健診実施機関を通して保険者のほうにデータが行くという形になります。中小企業においては、ほぼ100%がそういう形を取られると思います。そうしますと、私ども健診実施機関としては、事業主の方、従業員の方々、そして保険者と、それぞれにデータをお渡しするという形を取らなければなりません。それと、私どもから保険者さんにデータをお渡しする中で、前の会議でお話させていただきましたが、協会けんぽさんと生活習慣病予防健診で20年以上お付き合いをさせていただいておりますが、それでも0.5%のアンマッチの件数が出てまいります。0.5が大きいか小さいかということになるかと思うのですが、それでも、その0.5%に対しては、事業主のほうに問い合わせたり、非常に手間のかかることが発生しております。20年以上やっても0.5%という形ですので、これが40歳未満の情報提供となると、その数倍のアンマッチの件数が出てきてしまうという形の中で、私どもが一番危惧しますのは、やはり実施機関として必要な経費が必ず発生しますので、その辺の御理解を賜りたいと、ここでお願い申し上げます。私からは以上です。
○ 山本座長
 ありがとうございました。事務局からコメントはありますか。
○ 横田医療費適正化対策推進室長補佐
 御意見を頂きましてありがとうございます。前回も御指摘いただきまして、費用に係る内容については、5から6ページにかけて記載させていただいております。「提供に係る費用については」と6ページにありますが、「健診実施機関」という言葉も入っておりますので、議論して納得できるような方法で対応していくということを周知していきたいと思っております。以上です。
○ 藤口構成員
 ありがとうございます。よろしくお願いします。
○ 山本座長
 それでは、続いて石坂構成員、お願いいたします。
○ 石坂構成員
 人間ドック学会の石坂です。よろしくお願いします。この推進(案)に、健診医療機関の役割については何箇所かに記載していただき、本当にありがとうございます。この推進(案)について異論はないのですが、3点ほど意見があります。事業主健診に限らず成人を対象とした健診は重症化予防と早期発見・早期治療による個々の受診者のQOLの維持が重要であって、その結果として、労働力損失の低減や医療費の低減が実現できることを目標にしていると理解しています。
その目的を達成するために、事業主の方や健保組合の方が中心になって活動されていると考えているのですが、健診医療機関においても、その目標を理解した上で、日々活動をしているという状況です。健診によっては、健診実施日に、医師や保健看護職による説明資料、受診勧奨、特定保健指導などが可能になっています。また、健診結果をXMLで事業者へ提出することも可能です。4ページの2番の(1)の辺りでしょうか、可能な健診施設をリストアップするということがあったかと思うのですが、学会としても、所属している2,000施設ぐらいの中から電子的な標準様式に対応できる施設を取りまとめていくことが可能だと考えています。人間ドック学会としては、事業主や健保組合の活動に対し、健診医療機関として全面的に協力を惜しまない姿勢でおりますし、健診の本来の目的達成のためには、健診に関わる全てのものを効率よく使うべきだと考えています。
次に、5から6ページにかけての(3)事業主健診情報提供・取得に係る費用についてです。最後の○の所に、三者間で協議して対応という記載がありますが、これは令和2年12月23日に労働者基準局長と保健局長の名前で出ている「定期健康診断等及び特定健康診査等の実施に関する協力依頼」の文書と同様と考えています。この協力依頼の文書では、更に、「データ作成、送付に係る費用は保険者に請求して差し支えないこと」という記載があります。今回、40歳以上の格納データにつながるように40歳未満のデータ格納を実施するということだと思いますので、当然、請求先は変わってくる可能性はあると思うのですが、今回の推進(案)にも同様の文章を入れてはどうかと考えました。
あと、推進(案)とは少し離れますが、最後に、PHRに関して申し上げたいことがあります。PHRの中で、健診医療機関は資格確認システムとデータ閲覧利用の仕組みの中に基本的に入っていない状態です。過去の健診結果や治療歴、処方歴が分かってこそ、意味のある健診の実施と判断ができると考えています。もし、PHRの情報がうまく活用できることが実際にできるのであれば、健診自体の業務が簡素化でき、説明や保健指導などのほうに、より重点的に力を入れてくことができますので、確認システム・データ閲覧に関して今後の検討では健診医療機関も保健医療機関と同様な扱いにしていただきたいなと考えています。以上です。
○ 山本座長
 ありがとうございました。事務局からコメントはありますか。
○ 横田医療費適正化対策推進室長補佐
 ありがとうございます。費用負担の所については、御指摘いただいた令和2年の通知においての文言と同じものを記載しております。ただ、40歳以上のデータについては特定健康診査と扱えるという法律の規定があり、その関係で法令上にも費用請求のことが記載されております。そうではない40歳未満については今年の1月から施行されたものですが、40歳以上とは少し取扱いが異なっておりますので、今回、検討会において、この費用負担についてどうするか、そこを論点として出させていただき、議論させていただいたところです。ですので、40歳以上のところとは法令上の建付けが異なっていますので、同じように書くのは難しいと思っておりますが、今回とりまとめいただきます文章を、協力依頼通知を改定する形で記載していきたいと思っているところです。
もう一点、PHRの件がありましたが、今回は、まずは私どもとしては、マイナポータルで本人を確認できる、また本人がマイナポータルをスマホ等でその情報を見ることができるようにしたいと思っております。その情報を健診実施機関において、どのように活用するのかは、多分、前回の議論の中においても、健診実施機関において対応できるサービスなどについても様々だという意見を伺っております。その中において、まずは、このマイナポータルで確認をすることができるようにする。そして、例えば、健診実施機関等において何らかが必要であるのであれば、そのスマホ等を見ながらできるようにしていく、まずはその仕組みを構築したいと考えているところです。引き続き、よろしくお願いしたいと思っております。以上です。
○ 石坂構成員
 ありがとうございます。
○ 山本座長
 では、続いて三好構成員、お願いいたします。
○ 三好構成員
 国保中央会の三好でございます。今回、短期間でこのような報告書を取りまとめていただき、また皆さんの御意見を反映してバランスよく取りまとめていただいてありがとうございます。多分、参考資料等も同時に公表していただき、取組事例なども多数紹介され、取組のイメージをもつことができるようになると思っております。その上で、少し細かな点を確認させていただきたいので、何点か発言させていただきます。
まず、これは確認になるのですが、資料の2ページです。下から2つ目の○の「また」からですが、「事業主単位のスコアリングレポート作成」というのが、文言として違和感があり、事業主単位とか、事業者単位ですかね。事業主健診というのは、名称が「事業主健診」ということで分かるのですけれど、この「主」という字が、単位としてまとめるものかどうかなと思われ、こういう文言があるのであれば差し支えないのですが、御検討いただければと思いました。
それと同じようなことで恐縮ですが、4ページや5ページの辺りで、「定期健康診断」という言葉が使われていますが、これは事業主健診とは、違って書かれていらっしゃるのか。そのようなところが他にも、事業場と事業所になっていたりするので、明確に制度的に変えているのであれば差し支えないのですが、ちょっと勉強不足で、読んでいくと整理がつかないところがありましたので、現場で混乱しないように確認していただければいいと思いました。
あと、報告書の体裁のようなところですが、全般に読ませていただいていて、主語が分かりにくいところがありました。例えば3ページですが、「関係者における認識の共有」なので、関係者間のどの立場においても、それぞれで周知や啓発をしていく必要性があると思っていたのですが、「制度の周知等」の辺りは、「国民や保険者等へ向けて」という「向けて」が、これは国の立場で書かれているのかなとか。それから次の○ですが、事業主に対する強化月間を、事業主に対して、引続き普及啓発を図るという辺りも、これは国の立場になるのですかね。②のTHPの改正は、これは国がされることだと思いますし、もう1つのデータヘルス計画での明示は、保険者がデータヘルス計画に書くようにということを、今同時に走っているデータヘルス計画策定の手引きの検討にも、入れていただくことも必要になるかと思います。ここに書かれている内容自体には賛成なのですけれど、立場によって誰がどういう役割なので、こうするという辺りが明確になると、この取組の実効性を高めることにつながるのではないかと思いました。その辺りは、この報告書の全体を通じて感じたことですので、お伝えしておきたいと思います。
あと、事例も御紹介いただき分かりやすかったのですが、北海道の上川町の取組事例について、これは小規模の市町村ということで、特に若い世代の国保被保険者を対象にかなり限られた人数の中でやっていると思います。市町村国保というのは、保険者でもあるのですが、行政として住民に対する健康づくりを実施している側面があり、40歳未満の場合というのは、正に、他の保険者も対象とした実施なども考えられます。保険局の国民健康保険課のほうで、国保のデータヘルス計画に関する全国実態調査をされた結果として、40歳未満を対象とした取組がありましたので御紹介しておきたいと思います。被保険者の指導が多くなるほど実施する市町村の事例が少なくなる傾向がある。それは必然的に対象数が多くなるので、その財源の確保が課題になっているということがまとめられておりました。そういうこともあり、コロナ禍の状況で、市町村においても、限られた人員での作業の中で、こういう取組を実効性を高めて効果的に進めていく上では、いろいろな知恵を出さなければならないと思いますので、そういう点にも御配慮いただければよいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○ 山本座長
 ありがとうございました。それでは、事務局からコメントございますか。
○ 横田医療費適正化対策推進室長補佐
 ありがとうございます。4点いただきました。1点目のスコアリングレポート作成の部分の文言につきましては、これは令和2年に実施した調査票において、このような記載になっていましたので、そのまま持ってきたということです。「事業主」というふうに質問票では聞いているものですから、そこを引用する形で「事業主」と、そこは正確にということで、そのまま持ってきているところです。
また、2点目と3点目の文言の統一とか、主語が分かりにくいという御指摘でした。今後そこは、取りまとめていく中において変えていく必要があると思っているところです。
最後の事例のところですが、国民健康保険課のほうで実施されているものを御紹介いただきました。御指摘のことが御紹介いただきました報告書にも書かれていると承知しております。一方で、また報告書の同じところには、40歳未満を対象とした健診を実施している場合に、実施していない場合と比べて特定健診と特定保健指導の実施は高いとか、40歳未満を対象とした健診を実施することが、40歳以降の特定健診実施の意識を高めることにつながっているというような御指摘もあわせて書かれておりました。年齢に関係なくということを今回記載させていただいておりますが、国民健康保険課とも連携しながら、しっかり取組を後押ししていけるようにしていきたいと思っているところです。以上です。
○ 山本座長
 ありがとうございました。
○ 三好構成員
 ありがとうございました。
○ 山本座長
 ほかに御意見はございますか。よろしいでしょうか。どうも本当に活発な御議論をありがとうございました。本日も有意義な御意見を幾つか頂きましたので、座長の私と事務局で整理をさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、その上で最終の報告書という形にさせていただきたいと思います。それでは、本日の議論、議事については以上をもちまして終了とさせていただきたいと思います。今回、この検討会の場において、様々な立場から代表者に集まって御議論いただき、取組の方向性を共有することができて本当に有意義だったと思っております。
検討会で取りまとめられた事項を踏まえて、関係者が一丸となって、40歳未満、若い世代からの予防・健康づくりの取組を進めていくこと、そのデータの共有が目的ですので、実際に進めていくことが大変重要だと思っております。皆様におかれましても、様々なお立場から本取組に推進できるように、引続き御協力をよろしくお願いいたします。最後になりましたが、本検討会においては、皆様から様々な御意見をいただき、また活発な御議論ができて、座長として本当に感謝申し上げます。これで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。
〔了〕