2022年7月12日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会 議事録

日時

令和4年7月12日(火)18:00~

出席者

出席委員(20名)五十音順

(注)◎部会長 ○部会長代理


欠席委員(1名)五十音順

行政機関出席者
  •  八神敦雄(医薬・生活衛生局長)
  •  山本史(大臣官房審議官)
  •  中井清人(医薬安全対策課長)
  •  髙橋暁子(安全使用推進室長)
  •  山本晴子(独立行政法人医薬品医療機器総合機構医務管理監)
  •  池田三恵(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) 他

議事

○医薬安全対策課長 それでは、定刻になりましたので、令和4年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医療機器・再生医療等製品安全対策部会を開催いたします。本日の御出席の先生方におかれましては、お忙しい中御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日の部会の公開については、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、YouTubeによるライブ配信で行うこととしておりますので、御理解、御協力のほどお願いいたします。議事録については、後日、厚生労働省ホームページに掲載いたします。今回もWeb開催としており、対面での進行と一部異なる部分があります。前回同様ではありますが、議事に先立ち、審議の進行方法等について事務局より説明させていただきます。
○安全使用推進室長 事務局です。御説明申し上げます。まず、ハウリング防止のため、御発言時以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。御意見、御質問される際にはミュートを解除し、初めにお名前をお知らせください。御発言のタイミングが重なったりした場合は、部会長から順に発言者を御指名いただきます。発言中、マイクの調子が悪かった場合等は、音声の代わりにメッセージに御記入いただくようお願いする場合があります。システムの動作不良等がありましたら、会議の途中でも結構ですので、事前にお伝えしている事務局の電話番号まで御連絡ください。もし、事務局のサーバーがダウンする等のトラブルが発生した場合は、事務局から一斉にメールで御連絡いたしますので、御確認をお願いいたします。
 今回より、国家公務員共済組合連合会立川病院小児科部長の水上愛弓委員が御退任されます。水上先生にはこの場を借りて、これまでの御議論において貴重な御意見を頂きましたことにつき、御礼申し上げます。また、今回より委員として御参画いただくことになりました先生を2名御紹介いたします。公益社団法人日本医師会常任理事の城守国斗委員の後任として、同会常任理事の細川秀一委員が御着任されております。本日は御欠席と承っております。続いて、国立医薬品食品衛生研究所医療機器部部長でいらした蓜島由二委員の後任として、同部部長の山本栄一委員が御着任されました。一言お願いできますか。
○山本(栄)委員 今、御紹介に預かりました国立衛研医療機器部の山本栄一と申します。まだまだ勉強中の身です。よろしくお願いいたします。
○安全使用推進室長 ありがとうございました。次に、事務局に人事異動がありましたので、御紹介させていただきます。厚生労働省医薬・生活衛生局長八神敦雄です。厚生労働省医薬・生活衛生局医薬安全対策課医療機器情報専門官齋藤正美です。事務局からは以上です。
 それでは、以降の議事進行は、荒井部会長にお願いいたします。
○荒井部会長 それでは、議事に入る前に、委員の出欠状況、審議への参加等について、事務局から説明をお願いいたします。
○安全使用推進室長 最初に、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。細川委員より御欠席との連絡を頂いております。また、山口委員から遅れて御参加との連絡を頂いております。本部会の委員21名中、現時点で19名の委員に御出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により、定足数に達していることを御報告申し上げます。
 続いて、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、御報告させていただきます。薬事分科会規程第11条には、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない。」と規定されております。今回、全ての委員より適合している旨を御申告いただいております。報告は以上です。
○荒井部会長 ここまでの事務局からの説明について、何か御意見、御質問はありますでしょうか。よろしいですか。よろしければ、今度は配付資料について説明をお願いいたします。
○安全使用推進室長 資料はあらかじめメールにてお送りさせていただいておりますが、議題1に関しては資料1-1から資料1-7、議題2に関しては資料2-1から資料2-3-3、議題3に関しては資料3-1-1から資料3-2-2、議題4に関しては資料4-1から資料4-2、また参考資料があります。このほか議事次第・資料一覧、委員名簿をお送りしています。お手元に御用意のない方がいらっしゃいましたら、事務局までお知らせください。なお、本日の議題は全て報告事項となっておりますので、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 よろしいでしょうか。それでは、議題1を始めさせていただきます。議題1「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」です。事務局から説明をお願いいたします。
○安全使用推進室長 事務局です。議題1について御説明いたしますが、その前に、前回の部会で先生方から御質問のあった乳房インプラントの件について、確認結果を御説明いたします。
 前回、3月の部会で乳房インプラントに関する未分化大細胞型リンパ腫に関する通知を紹介させていただきました。当該製品については、2019年7月に回収の対象となっており、その旨についても2019年度の本部会にて御報告し、さらに関連学会からの周知等について、その次の部会で御報告してきたものです。本年3月の部会で頂いた御質問は、大きく2点ございます。まず1点目が、この製品を埋め込まれた患者さんのうち、乳がんの患者さんと美容目的の方の割合。2点目は、周知の状況として、例えば定期健診や、美容目的の方への周知の状況について御質問があり、事務局より関連学会の先生にお伺いしますと申し上げました。その後、関連学会、具体的には日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会にお伺いして、結果を頂きましたので、御報告いたします。
 1点目です。使用数については、この回収対象品ということに限らない使用数ということです。前者が日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会に登録された乳がん関係の症例、後者は一般社団法人日本美容外科学会で調査された数ということです。例えば2020年の症例数は、乳がん関係、前者の方は約3,500件、美容外科学会の調査の方は2,900件と伺っております。
 2点目です。定期健診や美容目的の方々への周知の取組については、BIA-ALCLガイドラインを、各学会のホームページで一般公開されています。また、美容外科手術後のBIA-ALCLや定期健診の啓発の必要性について、美容外科学会等で講演をしていただいています。ただ、美容目的の方というのは、一般的には、症状などがないと御自身が手術された医療機関を受診していないことが推察されるとのことでした。一方、定期健診については、学会の先生方から頂いた状況としては、日本では、インプラントの患者さんは、検診マンモグラフィの受診が撮影、読影等の問題で拒否される場合が多いということですが、海外ではインプラントの患者さんはマンモグラフィも行われている模様だということですので、学会の先生方から画像診断関連の学会にも働きかけて、まず検診の提供側である医療従事者に対する認知、教育の普及活動を行っていきたいということでした。
 以上、御報告です。
○荒井部会長 ここで一回区切りましょうか。
○安全使用推進室長 分かりました。
○荒井部会長 前回の議論に出たところの質問事項のことについて、今、説明を頂きました。これについて何か御意見、御質問等はありますか。いかがですか。よろしいですか。特に美容、コスメティックに使用した方に関しての完全なフォローアップというのは、実際問題なかなか難しいところがありますが、これに対しては学会をはじめとして、いわゆる啓発活動は継続して行われているという内容であったかと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、続けてください。お願いいたします。
○事務局 それでは、議題1「医療機器・再生医療等製品の市販後安全対策について」、資料1-1から1-7について、御説明いたします。
 資料1-1を御覧ください。今回は本年度の初回の部会となりますので、昨年度、令和3年度の安全対策について(概要)を御説明させていただきます。1ページ目の「1.過去5年間の不具合等の報告数の推移」では、(1)にて医療機器についてお示ししております。一番左の列、製造販売業者からの不具合報告の件数は、年々増加しており、令和3年度は外国症例も含めて、全部で14万4,492件でした。前年度と比べて不具合報告件数が増加した理由は、フィリップス社による人工呼吸器製品の回収が大きいと考えております。製品群全体について、不具合報告数は約1万件増加しており、前年度増加分の多くがこれに該当すると考えております。本製品は、防音用の素材が劣化して細かな粒子になって呼吸経路に侵入したり、その素材が特定の化学物質を排出するおそれがあったことから、クラスII回収を行っておりますが、回収に伴う情報提供や、製品の交換が進んだことで、苦情が増加傾向にありました。現在の回収完了率は60%程度で、2022年末に回収は終了する予定のため、この傾向はしばらく続くと考えております。
 研究報告については3,883件で、前年度よりも報告数が増加していました。新製品の報告件数が毎回増加する一方、旧世代品や販売終了品についても対照群として使用されることから、不具合報告と比較し、報告数の経時的な減少は緩やかであることが主な原因と想定されます。
 外国措置報告の件数は、令和元年度以降減少していましたが、令和3年度は1,184件と前年度よりも増加していました。しかしながら、半期ごとの報告数に増減している傾向は認められておりません。
 続いて(2)は、コンビネーション医薬品の機器部分における不具合報告の件数の推移についてお示ししております。資料には、国内及び外国に分けて報告数を示しておりますが、外国の報告とあるのは、国内で承認されたコンビネーション医薬品と同一のものが外国で使用され、不具合等が発生したことを国内の製造販売業者が知ったときに報告するものであり、その件数を示しております。令和3年度の報告件数は、国内症例が1,480件、外国症例は2,929件でした。コンビネーション医薬品については、平成28年11月から報告が義務化されており、義務化された後の平成29年度以降は、国内症例では年間1,500件程度、外国症例は2,500から3,000件程度の水準を維持しております。今後、大きな増減が生じた場合には、その原因について適宜調査する予定です。令和3年度は外国症例が増加しておりますが、半期ごとの報告数は2,000件前後で、顕著な増減は認められておりません。今回の部会での報告対象である、令和3年10月1日から令和4年3月31日までの6か月間の不具合報告については、議題2で御説明させていただきます。
 (3)再生医療等製品については、令和3年度の不具合報告の件数が国内・外国合わせて2,390件でした。半期ごとの不具合報告の詳細は、資料2-1の最終ページに記載しておりますので、資料2-1の説明の際に御確認いただければ幸いです。不具合報告が増加傾向にある要因は、承認品目の増加と考えております。令和3年度には5品目承認されているところです。
 3ページ目の「2.令和3年度の安全対策について」を御覧ください。(1)は、令和3年度に発出した医療機器関連の安全対策通知を示しています。今回こちらにお示ししている通知については、令和4年3月末までに発出したものですが、令和4年3月16日までに発出した通知及び事務連絡については、前回の部会において内容を御紹介しておりますので、今回は割愛させていただきます。
 資料1-1の説明は以上です。前回の部会以降に発出した通知を、資料1-2から1-7として添付しております。
○安全使用推進室長 続いて、通知を資料1-2から資料1-7まで添付しておりますが、そのうち主なものを幾つか御紹介させていただきたいと思います。
 まず、資料1-3です。経腸栄養分野の小口径コネクタ製品の切替えに係る方針の一部見直しについての通知です。こちらを簡単に御説明いたします。
 1ページ目の最初の段落、幾つかのコネクタが使われているのですけれども、相互接続防止との目的で国際規格を導入するとの方針を平成29年に通知しております。
 次に、「また」以降で2段落目、特に、そのうち経腸栄養分野の小口径コネクタの製品について国際規格への導入を進めてきました。2ページ目の1行目、経腸栄養分野のコネクタの切替えということで、旧規格製品の出荷期間を2021年11月末までとすることを平成30年に通知しております。
 2段落目「しかし」以降で、日本重症心身障害学会等より重症心身障害児・者の医療的ケアにおいて、新規格製品を使用した際に発生する課題が示され、4行目、令和3年2月の通知により、その段落の一番下10行ぐらい飛んでいただいて、対応策の検討等を行うため、出荷期間を更に1年延長して2022年11月末までといたしました。
 その次の「今般」の段落から書いておりますが、名古屋大学の長尾先生の研究班において、コネクタ製品の切替えに係る課題や対応策を御検討いただきました。今後の方針に関する提言が取りまとめられて、この段落の真ん中辺りに書いてありますが、本年5月の令和4年度の医療機器・再生医療等製品安全対策部会安全対策調査会で議論いただき、新規格製品への切替えを促進することが基本であるものの、新規格製品の使用が困難なケースも認められることを踏まえ、当該ケースにおいては、当面の間、一定の条件を担保した上で、旧規格製品の使用を可能とするという検討結果を頂きました。
 これを踏まえてこの通知を発出いたしました。内容を御説明いたします。3ページです。1.の下から5行目ですが、旧規格製品の使用によるリスク等を含めたインフォームド・コンセントが行われて、その記録等を作成する旨をお示ししております。2.下から3行目ですが、これらの点を添付文書にどのように明示するか等を、別途通知で定めるとしております。その他は手続等です。
 今申し上げた、添付文書等の明示に関して別途通知で定めるとしたのが、本日の資料1-7です。添付文書への具体的な記載等を定めたものです。内容を簡単に御説明しますと、2ページの1.の「本品は」以降の下線の部分です。ここにお示しした(1)から(4)の内容を、添付文書に記載するとしております。そのほか幾つか細かい注意事項をお示ししております。
 資料1-3と資料1-7については以上です。もう一つ通知を御紹介いたします。
○事務局 もう一つ、資料1-4「自動体外式除細動器及び体表用除細動電極の適正使用に関する情報提供等の実施について」という通知を御紹介させていただきます。従来AEDには、「小児」及び「成人」という呼称が用いられていましたが、より分かりやすい記載とするべく、「未就学児」及び「小学生~大人」という記載へ、ガイドラインが改正されました。これに伴って、既に設置されているAEDへの対応として、情報提供やラベルを提供するということを、製造販売業者へ依頼した内容となっております。以上です。
○荒井部会長 ここまでに説明いただきました医療機器・再生医療等製品の市販後の安全対策ということについて、御質問等はいかがでしょうか。特によろしいですか。先ほどちょっと御指摘いただきましたが、こういう形で開催しておりますので、音声の不具合、聞き取りにくいとかそういうことは、本当に遠慮なく御指摘ください。特に問題ないでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、一応これで議題1の報告を終わらせていただいて、議題2に入りたいと思います。議題2「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について」です。ではお願いいたします。
○事務局 それでは議題2の「医療機器・再生医療等製品の不具合等報告について」、資料2-1から資料2-3-3に沿って御説明いたします。
 資料2-1の1ページ目を御覧ください。令和3年度の下半期である、令和3年10月1日から令和4年3月31日までの6か月間の報告状況について、御報告いたします。
 2ページ目を御覧ください。不具合等報告の全体の概要となります。医療機器及び再生医療等製品の不具合報告制度は、製造販売業者等からの報告である企業報告制度と、医療機関等の医薬関係者からの報告制度の二つから成り立ち、1.は、医薬品医療機器等法第68条の10第1項に基づく、製造販売業者等からの不具合報告、3ページ目の2.は、医薬品医療機器等法第68条の10第2項に基づく、医薬関係者からの不具合等報告になります。それぞれについて御報告いたします。
 まず、2ページ目の「1.製造販売業者等からの不具合等報告」ですが、医薬品医療機器等法第68条の2の6第1項において、医療機器及び再生医療等製品の製造販売業者又は外国製造医療機器特例承認取得者等は、医療機器及び再生医療等製品の有効性及び安全性に係る事項、その他製品の適正な使用のために必要な情報について、能動的に収集するように規定されております。
 国内にて、医療機器又は再生医療等製品の不具合が原因又はその不具合が原因と疑われる死亡や重篤な健康被害が発生した場合、又は不具合によりそれらが発生するおそれのある症例が発生した場合、製造販売業者等がそのことを知ったときには、医薬品医療機器等法第68条の10第1項に基づき、厚生労働大臣に報告する義務がございます。報告の対象や情報を入手してから報告するまでの期間については、医薬品医療機器等法施行規則第228条の20により定められております。
 また、海外で使用される医療機器又は再生医療等製品にて、死亡又は重篤な健康被害が発生した症例、又はそれらのおそれがあると判断された症例に関する不具合に関する情報については、医療機器等が使用されている国の規制に従って、各国の規制当局に報告されることになっておりますが、日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法等の同一性を有すると認められる医療機器については、それらの海外における医療機器の不具合等に関する情報を日本の製造販売業者が入手したときには、日本においても、外国症例の不具合報告として不具合報告の対象となります。この場合の報告者は、日本の製造販売業者となります。
 今回の資料では、令和3年度の後期である令和3年10月1日から令和4年3月31日までの医療機器の不具合等報告について、各項目の報告件数を示しております。
 1(1)1)の不具合報告の件数については、国内と外国の合計が7万7,914件でして、前回の令和4年3月の部会で報告しました件数6万6,633件と比較して、約1万1,000件の増加となっております。今回の7万7,914件の内訳ですが、九つの製品の分類で言いますと、多いものは分類(3)「処置用・施設用機器等」の1万9,018件と、分類(4)「生体機能補助・代行機器」の5万3,075件で、この二つで全体の約93%を占めております。国内報告と外国報告の件数ですが、国内報告が1万4,054件、外国報告が6万3,860件となっております。
 また、コンビネーション医薬品の医療機器部分における不具合報告は、国内報告は780件、外国報告が1,313件の、計2,093件ありました。
また、再生医療等製品の不具合報告は、国内報告は212件、外国報告が1,004件の、計1,216件の報告がありました。
 続いて、2)感染症報告は、医療機器、コンビネーション医薬品、再生医療等製品で、0件でした。
 3ページ目です。(2)海外の規制当局や外国製造元などが行った措置を報告する外国措置報告については、医療機器が520件、再生医療等製品は3件でした。(3)研究報告は、医療機器について2,011件、再生医療等製品は2件、(4)感染症定期報告は、医療機器について39件、再生医療等製品は53件でした。感染症定期報告の詳細については、次の議題で御説明させていただきます。
 また、「2.医薬関係者からの不具合等報告」は、医療機器では164件、コンビネーション医薬品では6件、再生医療等製品では3件です。
 「3.副作用救済給付又は感染救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告」は、医療機器、再生医療等製品ともに0件でした。
 次に、全体の報告件数の推移等について御説明させていただきます。4ページ目を御覧ください。4、5ページ目には、過去3年分の不具合報告件数の推移をグラフ及び表で示しております。こちらは国内、外国を合わせた報告件数となります。医療機器不具合報告の全体の報告件数の傾向としては、令和3年度前期の6万6,633件から、今回の報告まで1万1,281件増加の7万7,914件となっており、報告数全体としては増加しております。この理由は、資料1-1でも御説明させていただきましたとおり、フィリップス社の人工呼吸器の回収が大きいと考えております。製品群は分類(4)、上から2本目の青色の線になりますが、こちらに含まれておりまして、令和3年度後期にかけて増加しております。分類(3)、上から3本目の黄色の線は、メドトロニック社のポータブルインスリンポンプに係る回収があったため、令和2年度後期に増加しておりましたが、製品の交換も進み、報告も減少しているところです。
 5ページ目のコンビネーション医薬品については、令和元年度前期から2,000件前後の水準となっており、報告件数に大きな増減傾向は認められません。
 再生医療等製品については、前回の報告期間から大きな増減傾向は認められません。市販後において、新たに確認された不具合については、添付文書改訂指示を行うなど、引き続き対応してまいります。具体的な再生医療等製品の品目別不具合報告件数の推移につきましては、最終ページに記載しておりますとおり、令和3年度前期と比較して、国内報告は39件増加、外国報告は51件減少しております。
○医薬品医療機器総合機構 続きまして、6ページ目以降の製品の分類ごとの不具合について、機構から説明させていただきます。6~9ページ目の国内報告の内容についての御説明ですけれども、6ページ目以降においては、後の資料2-2-1から資料2-2-2の膨大なラインリストより、主要なものをピックアップして御説明いたします。
 まずは6ページ目を御覧ください。「2.令和3年度後期の不具合報告の概況」の「2-1各分類における国内不具合報告」には、各分類における国内の不具合報告件数と、その中でも特に報告件数の多かった品目の一般的名称、その主な不具合又は健康被害状況を、ピックアップして記載しております。表の「一般的名称等」の列には、一般的名称ごとの不具合等報告の件数について、多いものから順に第1位から第3位までの一般的名称を掲載しております。また、「主な不具合又は健康被害状況」の列には、それぞれの一般的名称の製品群で報告された不具合又は健康被害の件数について、それぞれ多いものから順に第1位から第3位までの事象を記載しております。なお、同数で同順位となる一般的名称や事象名につきましても、全て掲載しています。
 分類(1)の「画像診断用機器」として、放射線薬剤投与装置、据置型デジタル式循環器用X線透視診断装置等の、合計30件が報告されております。
 分類(2)の「生体監視・臨床検査機器等」としては、再使用可能な高周波処置用内視鏡能動器具、再使用可能な内視鏡用能動処置具、内視鏡固定具等、合計628件が報告されております。
 分類(3)の「処置用・施設用機器等」としては、ポータブルインスリン用輸液ポンプ、中心循環系血管内塞栓促進用補綴材、透析用留置針等、合計5,952件が報告されております。
 7ページ目です。分類(4)の「生体機能補助・代行機器」として、大動脈用ステントグラフト、経カテーテルブタ心のう膜弁、経カテーテルウシ心のう膜弁等、合計6,154件が報告されています。
 分類(3)と(4)については、リスクの高い医療機器が多く分類されているということもあり、報告件数が多くなっております。
 分類(5)の「治療・鋼製機器等」としては、骨手術用器械、治療用電気手術器、脊椎手術用器械等、合計1,009件が報告されています。
 分類(6)の「歯科用機器・材料」として、電動式歯科用ファイル、粘着型義歯床安定用糊材等、合計16件が報告されております。
 分類(7)の「眼科用機器」として、挿入器付後房レンズ、多焦点後房レンズ、後房レンズ等、合計228件が報告されております。
 8ページ目です。分類(8)の「衛生材料・避妊用具・家庭用機器等」として、骨固定型補聴器、家庭用電気マッサージ器、救急絆創膏、生理用タンポンの、合計で7件となっています。
 分類(9)の「プログラム医療機器」は、ホウ素中性子捕捉療法用治療計画プログラム、及び遺伝子変異解析プログラム(がんゲノムプロファイリング検査用)の、合計30件となっています。
 なお、これらの国内での不具合の報告及び外国での不具合の報告について、資料2-2-1にてまとめておりますので、後ほど御説明いたします。
 続きまして、9ページ目では、平成31年4月1日から令和4年3月31日までに新医療機器として承認された品目の、国内での主な不具合報告の状況について説明いたします。各承認年度において、不具合等報告の件数のうち多いものから順に第1位から第3位までの品目を掲載しており、令和元年度から令和3年度までの分類として、分類(3)、(4)、(5)、(9)になっております。多くが添付文書に記載されている既知の事象となっております。また、未知の事象については、今後も注視し、必要に応じて添付文書を改訂するとともに、医療現場への情報提供を行ってまいります。引き続き、不具合・健康被害の情報を注意深く収集しております。
 9ページ目を御覧ください。次に、コンビネーション医薬品の医療機器部分の不具合報告として、国内報告は780件となっております。これらの不具合報告の詳細については、資料2-2-2「コンビネーション医薬品不具合報告」に別途まとめております。医療機器に関する資料2-1の説明は、以上でございます。
 続きまして、資料2-2-1~資料2-2-2ですが、先に御説明させていただきましたとおり、資料2-1の中で主要な不具合について御説明いたしましたので、内容の御説明については、先の御説明をもって資料2-2-1から資料2-2-3の説明に代えさせていただき、ここではラインリストの見方についてのみ御紹介させていただきます。
 まず資料2-2-1の1ページ目に、注意事項として、この不具合報告リストの見方を記載しております。このリストについては、医療機器との因果関係が不明なものも含め、製造販売業者等から報告された内容を基に記載しております。また、報告に関する分類は(1)~(9)まで9分類に分類されていて、次に「目次」が記載されており、その次から表の下にページ番号を記して一覧を記載しております。一覧の掲載順については、医療機器の一般的名称、販売名、企業名の順に五十音順で掲載しております。それぞれの件数については、提出された報告書の件数を示したものでありまして、同一の症例で複数の医療機器が関与している場合には、複数の企業からそれぞれ報告されることがあることから、このような場合には同一の症例を重複してカウントしております。したがって、報告件数がそのまま症例数にはならない場合がありますことに御留意いただければと思います。
 また、報告症例の中には、不具合状況がなし又は不明であり、かつ健康被害状況が不明のケースがあります。これは、健康被害状況が不明で、現品調査を実施できない、得られた使用状況の情報が限られているなどの理由から、機器との因果関係を否定できないと判断するだけの情報が得られなかったために、不具合報告されたものです。
 表の右端の「対応状況」欄には、報告症例に対する対応措置の項目として、原則として報告期間対象期間の末日である令和4年3月31日時点での措置の内容を簡潔に記載しております。「回収(改修)」と記載しておりますのは、製品を医療現場等から引き上げる「回収」をした場合、又は修理や検査の実施等を行った「改修」の措置を採ったことを示しております。「情報提供」と記載したものは、添付文書の改訂、あるいは書面による注意喚起文書を医療機関等に配布したなどの措置を採ったものです。この中には、既に添付文書等で関連する注意喚起の記述がなされているものも含んでおります。
 資料2-2-1の医療機器の不具合報告のまとめと同様に、資料2-2-2ではコンビネーション医薬品の医療機器部分に関する不具合、資料2-3-1では再生医療等製品に関する報告を、それぞれ一覧表でまとめております。
 続きまして、資料2-2-3について御説明いたします。医療機器に関する外国措置報告については、企業が、外国でも同一性を有する製品、つまり、日本で承認を受けた医療機器と形状、構造、原材料、使用方法、効能・効果と性能等が同一性を有すると認められる、外国で使用されている医療機器を製造販売している場合に、外国の規制当局などで採られた措置について、日本の行政当局に報告するというものです。令和3年度後期では520件の報告がなされています。資料の一番右の2列には、国内外での対応状況について記載しております。外国で措置を行った結果について、日本の対象製品がない場合を除き、おおむね日本においても同様の対応を取っているという状況です。
 続きまして、資料2-2-4について御説明いたします。医療機器研究報告は、不具合の発生頻度、発生条件などの疫学調査や集計及び分析等に関する内容の文献報告等があった場合に報告されるものでありまして、今回は文献数にして2,011報がありました。なお、今回報告により、安全対策上の特段の措置が必要になったものはありません。
○医薬品医療機器総合機構 続きまして、再生医療等製品について御説明いたします。
 資料2-1の11ページ目、2-3-1を御覧ください。2-3-1では、再生医療等製品の主な国内不具合報告をお示ししております。再生医療等製品は、国内報告全体で212件が報告されております。表には期間中の不具合報告件数が多い3品目を記載しております。また「主な不具合又は健康被害状況」については、報告件数上位3位の事象を記載しております。これらの報告は、資料2-3-1「再生医療等製品不具合報告」にまとめております。
 続きまして、資料2-1、2-3-2を御覧ください。平成31年4月1日から令和4年3月31日までに新再生医療等製品として承認された品目の、国内不具合報告について説明いたします。表には期間中に国内不具合報告があった品目をお示ししており、「主な不具合又は健康被害状況」については、各々の品目における報告件数の上位3位までの事象を記載しております。なお、オナセムノゲン アベパルボベク(販売名ゾルゲンスマ点滴静注)、リソカブタゲン マラルユーセル(販売名ブレヤンジ静注)以外に承認された品目は7品目ありますが、これらの品目については、期間中に不具合報告はありませんでした。
 続きまして、資料2-3-2について御説明いたします。再生医療等製品に関する外国措置報告は期間中に3件ありまして、ゾルゲンスマに関する報告が1件、イエスカルタに関する報告がそれぞれ2件となっております。ゾルゲンスマ及びイエスカルタの1件の報告につきましては、本邦の添付文書に既に記載されており、一定の注意喚起済みです。イエスカルタのもう1件は、米国の添付文書において臨床試験結果を基にステロイドの使用方法に関する内容を修正するものであり、本邦での対応を検討中です。
 続きまして、資料2-3-3について御説明いたします。再生医療等製品に関する研究報告は2件ありましたが、今回の報告により、安全対策上の特段の措置が必要となったものはありません。説明は以上となります。
○荒井部会長 ありがとうございます。いつものことですが、大変膨大なデータで、細かい数字も書いてありますが、その中からかいつまんで、それぞれの領域における上位三つに絞って説明していただきましたが、今のところについて、何か御質問、御意見等はいかがでしょうか。
○中川委員 よろしいでしょうか。
○荒井部会長 どうぞ。
○中川委員 横浜栄共済病院の中川でございます。資料2-2-1の不具合報告で、分類(1)から分類(9)までありますが、生体機能の代行措置とかの数が多いのは今までどおりかと思います。前回の会議のときのお話をさせていただきますと、プログラム医療機器についての報告が30数件という形で御説明がありました。内容についても、かなり疫学的な検査や血液検査をするものなどのプログラムの異常ということでありますが、例えば放射線の画像処理のプログラム、循環器系の心電図や血圧とかを自動測定する装置、それから三つ目として遠隔医療で使われる遠隔で診断をする装置等の不具合について、報告があるのかどうか。我々はこれらの機械で実際にFOIを経験したことがあるのですが、機構や厚生労働省の方ではどのような認識でいるのかをお伺いします。よろしくお願いします。
○荒井部会長 ありがとうございます。少しお待ちください。
○医薬品医療機器総合機構 よろしいでしょうか。
○荒井部会長 どうぞ。
○医薬品医療機器総合機構 機構の方からお答えさせていただきます。まず、御質問の前段の方ですが、画像診断系のプログラムに関しての御質問があったかと思います。こちらに関しては、プログラム単体で承認された場合には、分類(9)のプログラム医療機器に分類されて不具合報告がなされていますが、多くの場合装置に組み込まれているものが多いので、その場合には、例えば画像診断用機器という(1)番の分類ですが、プログラム込みの不具合報告がこの中に含まれていると、御理解いただければと思います。報告があるかないかですと、単体ではなく画像診断装置の中での報告としての報告が(1)番の分類の中にございます、というお答えになります。
 また遠隔に関して、遠隔のプログラムというと例えばペースメーカーの遠隔モニタリングとかも含まれてくるかと思いますが、こういったものも装置と一緒に承認されているものが多くありますので、そういったものは、こちらの分類の中でも例えば(4)番の「生体機能補助・代行機器」に分類されて、報告が挙がったりしています。
 いずれにしても、こちらの報告に関しては重篤なものに関して報告がされており、この資料2-2-1でお示ししている内容の中には重篤な症例が報告されています。そこまで重篤でないものに関しては、この中には含まれておりません。お答えになっておりますでしょうか。
○荒井部会長 中川委員、よろしいでしょうか。
○中川委員 はい、理解いたしました。遠隔モニタリングについては、機器の個体で紐付いているという理解をしたのですが、なかなかその辺のプログラムの理解は難しいと思うので、その辺のことを将来的には明確にしていただきたいと希望します。よろしくお願いいたします。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。現時点では、少なくとも分類に関しては、基本的に承認時の分類にのっとって、対応していただいているという理解でいいかと思います。そのほか、この議題2について御質問等はいかがでしょうか。
○齋藤委員 よろしいでしょうか。
○荒井部会長 齋藤委員、どうぞ。
○齋藤委員 東邦大学医療センター佐倉病院の心臓血管外科の齋藤と申します。詳細な御報告、ありがとうございます。資料2-2-1をざっと拝見いたしまして、やはり自身が心臓血管外科の領域なもので、まとめの2-1で御報告いただいたように、分類(4)の所が気になりました。件数がかなり前回の報告に比べると増えていて、その不具合の内容で、このまとめの表を拝見しても、ステントグラフトに関係するもの、もしくは経カテーテル的大動脈弁留置術に関係するものが、やはりすごく増えているような印象があります。実際手術件数が増えているのも、現場の人間としてよく分かっているのですが、実際行われている手術件数に対する比率として、平行して増えているのか、もしくは行われている件数よりも早いスピードで不具合報告が起きているのかということが気になりました。
 もう1点は、不具合の内容なのですが、中には心肺停止という事象が書いてあるのですが、その不具合状況が不明と記載されているものが結構ありました。この部会活動が行われている目的を考えますと、正しい医療機器の扱い方を、この部会で共有される情報を基に臨床の現場に還元していくことだと思いますし、ガイドラインを改訂していく上で非常に貴重な情報になっていくと思われますので、ここで得られている報告の状況に関しては、どのようにフィードバックされているかを、分かる範囲で教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○荒井部会長 齋藤委員、ありがとうございます。特に1点目は大変重要な点で、かつ、実はこの部会の一番の弱点でもあるのですが、全体の、臨床的に使われている中での頻度ですね。いつも申し上げているように、ここに挙がってくるのは、あくまでも報告されたものの集計であって、バックグラウンドがどういう状況にあるかということとの関係は不明なわけで、そこについての御質問だと思います。いかがでしょうか。お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 機構からお答えさせていただきます。今、荒井部会長からも御説明いただきましたが、母数で申し上げますと、どのぐらいの例数が施行されたかの症例数について、こちらで把握することができません。ですので、施行されている例に比して不具合が増えているか減っているかは、なかなか考察はしづらい部分はあります。一方で、今御指摘を頂いている分類(4)の中でも、経カテーテルのTAVI弁などに関しては、背景として、適応拡大を近年していることもありますので、一般的に考えれば、使用数が増加していることは想定できると思っています。
○荒井部会長 齋藤委員、いかがですか。
○齋藤委員 使用数に関しては、確認する方法は幾つかあると思うのです。例えばTAVI弁に関して言えば、日本循環器学会主導で行われているJROADで数を把握することは可能だと思いますし、もしくはTAVR協議会でレジストリにもあったと思いますので、そこへの問合せしていただくなどで、全体の施行症例数の把握は可能だと思います。その中での不具合、レジストリの症例登録率がどのぐらいかというのはデータベースごとの完成度によって様々かもしれませんが、JROADはかなり完成度が高いと思います。データベースを選べば全体数の把握は可能だと思うのですが、そのような観点で考察されたことがもしありましたら、若しくは今後そういうことも探っていかれるようであれば、教えていただきたいと思います。
○荒井部会長 これは大変重要な御指摘だと私も思います。確かにそういうレジストリを使った場合に、必ずしも内容的に1対1の対応ではないかもしれませんし、時間的なラグも生じるかもしれませんが、全体の傾向として、齋藤委員の御指摘がありましたように、全体が3倍に増えていて、その中で実際の報告数が1.5倍とか2倍になっている、この場合は余り問題ないかもしれませんが、全体は緩徐に1.5倍増えているが、報告数は3倍になっているというと、これは状況としては問題視しなくてはいけないと思います。先ほど申し上げたように、必ずしも1対1の対応は難しいかもしれませんが、全体のバックグラウンドの動きをある程度把握した上で見ていく姿勢は、私も重要かと思います。今後その方向で検討していただければと思いますが、どうですか。
○医薬品医療機器総合機構 機構の方から補足させていただきます。御指摘いただきましたTAVR協議会に関しましても、行政としても協力体制を敷いているところですので、今後も協力関係を築いていき、こういった、こちらの不具合の状況、協議会で集めている症例について共有いただくなど、協力関係を継続していきたいと思っております。
○齋藤委員 ありがとうございます。
○荒井部会長 ありがとうございます。是非お願いします。齋藤委員の二つ目の御質問の重篤なものについてですが、これは私の理解ですと、いわゆる死亡例についての検討はまた別途行われているかと思います。これについてどなたか行政側から答えていただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 大変失礼いたしました。次の質問で頂きました、心肺停止などの健康被害状況不明に関しては、こちらは、医療現場の方から製造販売業者に情報を頂いている内容を、製造販売業者から報告を頂いている報告内容になります。ですので、医療現場の方から上げていただいた内容の状況が記載されていますので、その時点で不明だったところに関しては、不明と書かざるを得ない状況です。心肺停止に関しても、多くの場合状況が不明な場合が多いということで、このような記載が多くなっています。
○荒井部会長 不具合検討会が実際に行われていることに関して触れておいたほうがいいのでは。
○医薬品医療機器総合機構 死亡症例に関しましては、不具合について専門の先生方にも不具合検討会という形で確認をしていただいております。
○荒井部会長 今の不具合検討会の説明は聞こえていましたでしょうか。聞こえてないですね。もう1回お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 ではもう1度。失礼いたしました。死亡しました症例に関しましては、機構の方で専門の先生方から御意見を頂きながら協議をいたしまして、医療機器との因果関係について評価をしております。
○荒井部会長 よろしいでしょうか。齋藤委員、今の御説明でよろしいですか。
○齋藤委員 はい、ありがとうございます。やはりいろいろ見ていますと、デバイスオリエントで治療方法が選択される傾向が、今も昔も同じだとは思いますが、そこにやはり心肺停止なり死亡に関わる事象が、それなりに無視できない頻度で起きているということであれば、正確に御報告を待ちたいと思いますし、最終的にはガイドラインに反映されてしまうと、基本的に臨床の現場の者としては、それを遵守しながらそれに従って治療方針を決めることになりますので、是非情報提供をよろしくお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 先生、ありがとうございます。最後に1点だけ補足をさせていただきます。最後に、フィードバックについて何かありましたらという御意見を頂いていたかと思いますので、そちらに関して、1点だけ補足をさせていただきます。先ほど申し上げました、専門家の先生方から御意見を頂きながら、死亡症例に関して医療機器との因果関係を評価する会がありまして、その中で検討された結果、こういった症例には適正に使用したほうがいいという適正使用に関しては、症例の適切性や選択に関する内容に関して、「医療機器に関する適正使用のお願い」というものを機構から発出しております。これまでにもTAVI弁や大動脈ステントグラフトなどに関しては、死亡症例が多く報告されておりますので、そういった形で「お願い」を発出することで、現場へのフィードバックを行っております。
○荒井部会長 これは私も少し絡んでいるのですが、実際にそういった循環器系でなくても、例えば大腿骨頭置換のセメントとかに関しても、重篤な死亡例の報告がかなり上がってきたことから、学会との相談とかのアクションは機構の方からしていただいております。齋藤委員の後者の御質問に関しては、100%という答えはないでしょうが、ある程度きちんとした詳細なデータを可能な限り集めての対応が現在なされていると私は理解しております。ありがとうございます。そのほか、この議題2について、御意見、御質問はよろしいでしょうか。途中で少し聞こえにくいなどの御指摘がありましたが。
○正宗委員 質問があります。
○荒井部会長 正宗委員、どうぞ。
○正宗委員 いつも膨大なデータをおまとめいただき、本当に感謝いたします。質問というか確認です。これも何回も参加していながら分かっていなかったかもしれないのですが、「総件数」という表の見方を教えていただきたいのですが。総件数が、これは1報告書で出てきた総件数だということだと思うのですが、出てきたイベントごとにその都度出しているものか、その企業がまとめて出しているものなのかというところが気になり、その確認をしたいのですが、お願いします。
○医薬品医療機器総合機構 機構よりお答えいたします。先生、確認いたしますが、資料2-2-1の表の右から2番目にある「総件数」の欄についての御質問ということでよろしいでしょうか。
○正宗委員 はい、そうです。
○医薬品医療機器総合機構 こちらの総件数に関しては、この総件数と書いてある所よりも左側の欄に記載してある内容の報告に関して、全く同じ報告が報告されている場合には、ここの総件数の欄が例えば2という形でまとめられているというような形です。ですので、報告数が2、1というような形で総件数の所に反映されているというような形です。
○正宗委員 そうしたら、例えば分類(3)の414番なのですが、これはPDFですと43ページ目ですが、こちらの総件数が極端に大きくて、これはどういうことかなと思って確認した次第です。結構全体の数の半分ぐらいを占めていると思いますので、どのような状況で、施設や業者により集め方が違うのか、ということで伺った次第です。
○医薬品医療機器総合機構 先生、御質問ありがとうございます。御質問の件は、ポータブルインスリン用輸液ポンプの件でよろしいでしょうか。
○正宗委員 はい、そこの部分です。
○医薬品医療機器総合機構 恐らく御質問いただいているのは、392件という数字の所に関しての御質問かと思慮いたしますが、よろしいでしょうか。
○正宗委員 はい、そこが突出して多いということがあって、まとめられているタイミングや時期が違うか、集め方が違うのか、というところでの質問です。
○医薬品医療機器総合機構 こちらですが、一番右の所の「対応状況」の所に「回収」と記載しているように、こちらは回収に伴うもので、報告件数が極端に多くなっているということです。まとめられている件数は、回収に伴って、上下にも似たような「破損のおそれ」や「破損」と書いてある所もあるのですが、まとめられる件数としては、この行としては392件ということでまとめております。背景としては回収に伴うものであったというところです。
○正宗委員 なるほど。では、その施設ではすごく多くの個数が納入されていて、それを回収したという理解でよろしいですね。ありがとうございます。そういう見方で見るということで承知いたしました。ありがとうございます。
○荒井部会長 その他の委員の方々、御質問はよろしいでしょうか。そうしましたら、これで一応議題2の報告は終了いたします。
 実は最初の乳房インプラントの所で、西澤委員から御質問を頂いておりますので、ここはそういう御質問があれば、戻ったりすることは基本的にありと考えております。西澤委員、どうぞ御質問ください。
○西澤委員 荒井先生、ありがとうございます。リテラジャパン西澤です。インプラントの件は前回私が少し説明させていただいた事項でしたので、冒頭ちょっと聞きづらかったので、もう一度私が気になった所を事務局にお答えいただきながら理解したいと考えております。
 まず1点目なのですが、豊胸手術のインプラントと術後のインプラントの数の所が同等のような数に私には聞こえたのですが、それで理解は正しいのでしょうか。
 もう一つ、その中で海外ではマンモグラフィはインプラントの方でも受けているけれども、日本は豊胸手術の術後のインプラントでも、マンモグラフィを断る病院が多いようなことをちょっと聞いて、それについてもう少し御説明いただけないかなと思っています。
 というのは、後者については今調べていたのですが、2017年にバズフィードで宇多田ヒカルさんのコメントで非常に大きく話題になって、豊胸手術をするとマンモグラフィができなくなるというようなツイートで大きな話題になったのです。つまり今回のお話は、インプラントのものを持った方が、その後に乳がんの検査ができるかどうかというところにも少し関係しているので、事実関係を把握したいと思って質問申し上げました。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。では、お願いします。
○安全使用推進室長 最初の説明が聞こえづらく、大変御迷惑をおかけいたしました。
 1点目の使用数ですが、今回の回収の対象品に限らず、乳房インプラントの使用した症例数ということで、学会の先生から伺った結果を紹介いたします。前半が、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会で、乳がん等で切除された方の症例数は2020年ですと3,500件で、後半は一般社団法人日本美容外科学会での調査結果、美容目的と思いますが、こちらが2,900件と、2020年の調査として伺っております。
 二つ目が、先生から御質問いただきました定期健診のマンモグラフィの件です。こちらも学会の先生からの情報によりますと、日本ではまだインプラントの患者さんに対してマンモグラフィ受診が拒否される場合もあるが、海外では区別なく行われているのではないかということですので、学会としても検診の提供側の医療従事者への普及活動を行っていきたいと伺っております。
○西澤委員 ありがとうございます。理解いたしました。後者で説明のあった2点目は大変大切なことだと思いますので、厚生労働省も是非そういう活動を推進するようなサポートをされたらどうかなと思いました。以上です。
○安全使用推進室長 先生から今頂いた意見を、また学会にもお伝えしたいと思います。ありがとうございます。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、先に進ませていただきます。もしよろしければ、議題3に進みます。先ほど西澤委員からもありましたが、何か戻って質問したいということがありましたら、遠慮なく言っていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。議題3「医療機器・再生医療等製品の感染症定期報告について」、説明をお願いします。
○事務局 報告3「感染症定期報告について」です。資料は、ファイル名では16~19の資料3のシリーズになります。
 まず感染症定期報告について、制度の概要を説明いたします。ヒトや動物等に由来し、保健衛生上特別な注意を要するものとして、厚生労働大臣が指定する生物由来製品については、その原材料が細胞組織等であることから、未知の感染因子を含有している可能性が否定できません。また感染症については、一般的な医薬品・医療機器の副作用、不具合等と比べ、製品との因果関係が明確になる以前から潜在的に感染が進行するおそれがあり、さらに、感染した後は時間の経過に伴い軽減することなく、一定期間経過後に顕在化するおそれもあります。このような背景を踏まえ、生物由来製品については医薬品医療機器等法において、製造販売業者等に対し、製品への直接的な影響がいまだ不明の原料動物等の感染症に関する最新の知見を常に把握し、それを集積した上での感染症のリスクを多角的に評価・検討し、その結果を報告するよう義務づけております。これが感染症定期報告です。感染症定期報告で寄せられた情報については、本部会も含めた薬事・食品衛生審議会に報告し、措置が必要ないか御検討いただいております。以上が感染症定期報告の概要になります。
 資料について説明いたします。ファイルは、ファイルNo.16、17の資料3-1と、No.18、19の資料3-2に分かれております。資料3-2は、重複を含む期間中の全ての報告です。そのうち重複や過去に報告されたものを整理し、今回の期間に新規に報告されたものをまとめたものが、ファイルNo.16、17の資料3-1になります。また資料番号末尾が1のファイル、No.16の資料3-1-1及びファイルNo.18の資料3-2-1が医療機器、末尾が2のファイル、No.17資料3-1-2及びファイルNo.19の資料3-2-2が再生医療等製品の報告をまとめたものとなっております。
 それでは、ファイルNo.16の資料3-1-1、医療機器の報告を御覧ください。今回は2021年10月1日~2022年3月31日までに報告されたものをまとめております。こちらについては、今回新たに報告された文献は48件ありました。詳細な説明は省略いたします。
 次にファイルNo.17資料3-1-2、再生医療等製品の報告を御覧ください。こちらについては、今回新たに報告された文献は6件ありました。
 これらの報告について、国立感染症研究所の脇田委員、宮﨑委員、国立医薬品食品衛生研究所の澤田委員に御確認いただいております。この場で御紹介すべき御意見は、特段頂いておりません。報告3の感染症定期報告に関する説明は以上です。
○荒井部会長 ありがとうございました。それでは、この感染症定期報告について、御意見、御質問等いかがでしょうか。よろしいですか。
 今、途中でどなたか、画面共有をしてほしいと。宮地先生、申し訳ありません、荒井ですが、現場にいるものですから、皆さんにどういう画面の共有がなされているか、なされていないか、実は今日ずっと不安に思って、皆さんの画面のお顔を拝見しておりました。余り御自分のパソコンを覗き込んでいらっしゃるとか、プリントアウトした資料を見ていらっしゃるような風がなかったので、ひょっとして画面の共有がないのかなと思って大変不安に思っていたのですが、どうも画面共有がなかったようです。これだけの膨大な資料ですからテクニカルな問題もあるかもしれませんが、是非その辺りは今日の声が聞き取りにくいということも含めて、コロナのためにこうやって離れてやらざるを得ない状況ですから、できる限り工夫していきたいと思います。これは部会長として、その辺りの対応を相談するようにいたしますので、申し訳ございません。そのようなことで御理解いただければと思います。御指摘ありがとうございます。
 それでは、感染症の定期報告について、何か御質問等はいかがでしょうか。この領域はどうしても大変専門的な領域ですので、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは議題3については以上です。
 議題4に進みます。議題4「医療機器・再生医療等製品の回収について」の報告です。事務局から説明をお願いします。
○事務局 医療機器等の回収報告の状況について、資料4-1及び4-2に基づいて説明いたします。ファイル名の前の番号で言うと、No.20及びNo.21です。
 医薬品医療機器等法第68条の11に基づき、医薬品・医療機器等の製造販売業者等は、その製造販売をし、製造をし、又は承認を受けた医薬品・医療機器等を回収する際には、回収に着手した旨及びその回収の状況を厚生労働大臣に報告しなければならないとされています。また、製造販売業者等から回収の着手の報告がなされた場合には、全ての事例をインターネット上で公表しています。本件は、医薬品医療機器等法第68条の12の規定に基づき、薬事・食品衛生審議会に報告を行うものです。
 資料4-1の1ページに、回収件数の年次推移を示しています。令和3年度に関しては、医療機器が351件、再生医療等製品は0件となっています。また2ページに、令和3年度の回収件数及びクラス分類を示しています。医療機器についてはクラスIが1件、クラスIIが307件、クラスIIIが43件の、計351件でした。過去の件数と比較して、自主回収報告数に大きな変動はないと考えられます。
 資料4-2には、令和3年度に行われた自主回収について、それぞれの製品名及び回収理由を記載しています。報告は以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、この議題4について、何か御質問、御意見等はありますか。いかがでしょうか。外園委員、お願いします。
○外園委員 眼科の外園です。医薬品の回収が大きな変動がないこともないように見えるというか、令和元年やその前ぐらいまで100台が、令和3年度は496件というのはかなり増えているように見えるのですが、ちょっとそこがなぜかなと。何かコロナが関係しているのか、何だろうと思って見ておりました。ざっくり2年の間に2倍以上になっているようにも見えるのですが、令和2年、3年と右肩上がりの回収になっているように見えますが、ここは何か理由があるのでしょうか。
○荒井部会長 ありがとうございます。
○事務局 こちらは医療機器・再生医療等製品の部会でしたので、自主回収報告数に大きな変動がないと申し上げたのは、医療機器及び再生医療等製品について申し上げました。
○外園委員 はい、分かりました。
○事務局 参考までにですが、医薬品の回収数は、令和元年度160件、令和2年度341件、令和3年度496件というように、委員御指摘のように確かに増加しております。こちらに関しては、令和2年度に小林化工の後発品メーカーの不祥事があり、関連する自主回収が発生しております。それ以降、後発品メーカーを中心に不祥事が続いたことと、各社で自主点検を行った結果、発生した自主回収が続いたために、増加していると考えられます。また昨年度に関しては、新型コロナウイルス感染症の流行により、血液製剤の回収が増加したことも影響すると考えられます。
○外園委員 ありがとうございます。よく分かりました。
○荒井部会長 御指摘ありがとうございます。確かに領域としては、この部会の範疇の外なのですが、縦割りのことを言っていてもしょうがありません。他の所で増えたのはどうしてなのかということについては、今の説明でかなり明確に理解できたと思います。そういったことも含めて、遠慮なく御質問いただいて結構です。ありがとうございました。その他の委員、この報告について、回収についていかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。
 それでは改めて、この議題4に限らず、遡って今日の議題1から議題4までの項目全てにおいての何か追加の御発言、御質問などはよろしいですか。ありがとうございます。
 今日予定しておりました議題は以上です。事務局から何かありますか。
○安全使用推進室長 本日は、音声が聞こえにくい、ページが分かりづらいなど不手際があり、大変御迷惑をおかけいたしました。次回以降、改善できるところはしてまいりたいと思います。
 次回の部会の日程については、令和5年3月頃を予定しておりますが、別途何か部会での審議等が必要な議題が生じた場合には、開催予定が早まることがありますので、御承知おき願います。なお日程調整等については、事務局より改めて先生方の御都合を伺って決めさせていただきたいと思います。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。今日は、審議の内容そのもの以外に、こういった形での開催がいつまで続くのか、続いてほしくないのですが、そのやり方についてもいろいろな御指摘を頂きました。できる限り改善して、仮にこういう形であっても、より円滑に内容の齟齬が生じないような形で議論が進められるようにしていきたいと思います。
 それでは、これをもちまして、令和4年度第1回医療機器・再生医療等製品安全対策部会を閉会いたします。どうもありがとうございました。
( 了 )
備考
本部会は、公開で開催された。

照会先

医薬・生活衛生局

医薬安全対策課 安全使用推進室 医療機器情報専門官 齋藤(内線2751)