第3回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会(議事録)

日時

令和4年9月29日(木)16:00~18:00

場所

オンラインによる開催(厚生労働省仮設第3会議室)

議事

○小森地域就労支援室室長補佐 皆様、お待たせいたしました。定刻となりましたので、ただ今から障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会第3回職場適応援助者の育成・確保に関する作業部会を開催いたします。皆様方におかれましては、お忙しいところ御参集いただきまして誠にありがとうございます。
本日の作業部会は、こちらの会場とZoomを使ったオンラインで開催をいたします。開催に当たりまして、簡単ではございますがオンラインについて御説明いたします。作業部会の進行中は皆様のマイクをオフとさせていただきますが、御発言をされる際にはサービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックし、主査の許可があったあとにマイクをオンにして、聴覚・視覚障害者の方々への情報保障という観点からお名前を名乗っていただいてから御発言をお願いいたします。会場の方等におかれましては発言される際に挙手等をお願いいたします。
会議進行中、トラブルがございましたら、事前にお知らせしております電話番号まで御連絡をお願いいたします。通信遮断等が生じた場合は一時休憩とさせていただくこともございますので、御容赦いただきますようお願いいたします。また、本作業部会は御希望の方に傍聴いただいておりますので、予め御承知おきください。
続いて資料の確認です。本日の資料は、議事次第、資料1~5、また参考資料の1~3までを御用意しております。
また、会の開催に当たりまして、参集者に変更がございましたので御紹介をさせていただきます。キッコーマンクリーンサービス株式会社の松尾様におかれましては都合により退任されました。新たに株式会社東海化成常務取締役の景山様に御参集いただくことになりましたのでどうぞよろしくお願いいたします。
また、木村構成員におかれましては所用のため1時間程度遅れる予定、若尾構成員におかれましても少し遅れて参加となっております。
それでは議事に入らせていただきます。以降の進行は小川主査にお願いしたいと思います、よろしくお願いいたします。
○小川主査 小川でございます。それでは、第3回の作業部会を始めたいと思います。
前回は、狭義のJC支援と基礎的研修の内容を踏まえたJC養成研修の在り方について御議論いただきました。その議論の内容を踏まえて、事務局で論点について整理をいたしましたので、まずそれについて御説明をいただいたあと、御議論を頂きたいと思っております。それでは、事務局から議題1について御説明をお願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森でございます。私から資料1、1(1)狭義のJC支援について御説明をさせていただきます。
資料1を御覧ください。狭義のJC支援について、前回、皆様に御議論いただいた内容を事務局の方でまとめさせていただいたものになります。論点についてはJC支援の基本的役割・求められるスキルは何か。また狭義のJC支援の専門性が求められる職域支援対象とは何かという論点です。
まず資料1、2ページを御覧ください。これはJCを巡るこれまでの議論における整理と、本作業部会の第1回、第2回における議論をまとめさせていただいたものになりますので、先にこちらを御案内させていただきます。
上の青い四角です。これは令和3年3月にJC養成研修のカリキュラムを見直した際の整理でございます。1つ目の○ですが、従来の作業支援に関するスキルに加え、精神・発達障害者の支援に伴い、様々なスキルも必要となってきている。
2つ目の○です。JC支援とは、職場の中で様々な具体的な課題を解決していくということになるが、長期支援が必要な場合については職場内で同僚や上司とのナチュラルサポートの構築、また職場外のナカポツセンター、関係機関から支援を受けるためのコーディネートを行うことも求められると整理されておりました。
続いて赤い四角です。こちらは第1回、第2回の作業部会の議論における新たな視点になります。1つ目の○です。まず大前提として、狭義のJC支援とは助成金を活用した特定の企業に対しての支援である。2つ目の○です。下線部ですが、JC支援の臨床数が少ないということを補完する仕組みとして、以前は、JC支援事業推進協議会を通じた障害者職業センターとのコミュニケーションがあった。また、JC支援推進協議会等のケースワーク等については、サポート研修に一部移っているところもあるので、両者の関係等、若しくは今後の経営・在り方について、中身の論議が更に必要になっているという議論をいただきました。
3つ目の○です。臨床数を増やしていくのも一つの方向性ですけれども、既に臨床経験のある、近接領域の臨床心理士等の資格のある専門的知見の高い方を、こちらに取り込んでいくことはできないか。
4つ目の○です。JCの支援というのは非常に高度な仕事になっているので、JCとしての資質を測るといった仕組みを設けることができないか。
5つ目の○です。JCの役割やそのスキルについても、支援対象者が変わってきたことで求められるスキル自体も変わってきている。中小企業も含めて、障害者雇用の経験が少ない企業にJC支援を行う場合については、非常に介入度の高い雇用管理も助言していくような機会が増えているというような観点を頂きました。
続いて下から4つ目の○です。精神・発達障害者と企業との間で、職場での本人の状況の認識に非常に乖離がある。そういった乖離を埋めていくために、訪問型JCは面談という手法を使って、合意形成の場を作るという調整が増えているというお話がありました。
下から3つ目の○です。地域につなげていくという専門的資質の一つだという認識が持てると、その支援の方向性が一つだけではなくて、いろいろな支援の道が開けるというお話がありました。
下から2つ目です。助成金を活用した支援が重要であるが、助成金について研修で十分伝わっていないのではないか。一番下ですが、企業の求める支援やスキルなどの、企業理解につなげる内容も重視すべきではないかといった御議論をいただきました。
そういった議論を踏まえて、1ページに戻っていただきます。箱書きの中で狭義のJC支援ということで、このような形で整理してはどうかと御提案をさせていただいております。1つ目の○です。「狭義のJC支援」とは、職場適応援助者助成金の対象となり(支給の有無を問わない)、対象となっており、それが大前提となっておりまして、課題を抱える特定の障害者・企業に対する職場適応に関する専門的な支援を課す。(支給の有無を問わない)としている意味ですが、助成金の対象とならないまでも、支援計画を立案して、JC助成金に準ずるような支援も視野に入れているということです。
2つ目の○です。「仕事を教える指導員」という役割よりも、障害者雇用に取り組むパートナーとして、多様な支援ニーズ、また個別の課題に柔軟に対応するため面談・協議を通じた企業と障害者の調整による合意形成や、関係機関とのコーディネートを行う「調整役、橋渡し役」という役割が大きくなってきているというような整理をさせていただきました。
この2つの○を図で現わしたのが右下になっております。それぞれ企業と労働者、特定の企業と障害者に対してJCが様々な支援を行う、多様な支援ニーズに対して介入を行うというような形にさせていただいております。
また、そのJCを支える者として右側のJEED、地域障害者職業センター、また障害者職業総合センター、それぞれちょっと役割は異なりますが、JCに対して助成金等を使いながら質の向上を図っていく。また、JCに関しては左の関係機関と連携した支援、コーディネートを行っていくという形を視覚的に表示させていただきました。
このような形で整理をさせていただきましたが、特にこの件について問題ないか、御意見をいただければと思います。私からの説明は以上です。
○小川主査 ありがとうございました。それでは、質疑応答に入りたいと思います。皆さんのほうから御質問や御意見がありましたら、Zoomサービス内の「手を挙げる」ボタンをクリックしていただいて、私が指名をした後に、名前を名乗って御発言いただくようにお願いいたします。皆様、いかがでしょうか。御質問・御意見ございませんか。青野構成員、お願いいたします。
○青野構成員 青野でございます、よろしくお願いいたします。1点だけ確認をさせていただきたいのですが、狭義のJC支援の2個目の○の所なのですが、「仕事を教える指導員」という役割よりも、その次のほうが大きくなってきているという所で、確かに後半の役割は大きくなってきているのだとは思うのですが、仕事を教えていくということは、非常にJCというのは重要な役割だと思うので、「よりも」という言葉が適切なのかということが少し気になりました。
○小川主査 ありがとうございます。「仕事を教える指導員という役割よりも」となっていますが、ここの表現、「に加えて」とか、あるいはもう少し強めに言うと「という役割を中心に」とか、様々な表現があると思います。どちらの方がウエイトが大きいというような表現が、余りそのニュアンスが含まれない方がいいのかもしれません。これはワードはどういたしましょうか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、小野寺でございます。御指摘、ありがとうございました。おっしゃる意味は十分理解するところですが、あえてこのような書き方をしたのは、この間のジョブコーチの支援内容について概観した時に、もともと仕事を教えるということに重点を置いていた知的障害に対する支援から、徐々に精神とか発達障害が増えてきたという背景も意識をいたしまして、こういった書き方をさせていただきましたが、何か異なった印象として受け取れられるということであれば、表記について工夫はしたいと思います。事務局として今のような表現にした背景は、今御説明申し上げたようなことでございますので、そこについては御理解をいただきたいと思います。
○青野構成員 青野です。背景を含め意図は理解できました。ありがとうございます。
○小川主査 そうすると「よりも」でもいいかもしれないし、また文章としては「から」というような表現でもいいかもしれない。ちょっと、その辺、具体的な表現についてはまた整理をしていただくということでよろしいですか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局、小野寺でございます。資料1については、これを以って何かを確定していくというよりは、この作業部会において次の議論に移っていく、つまりはJC養成研修のカリキュラムを御検討いただく際に、まず共通認識として、我々擦り合わせをさせていただくというつもりで作成いたしておりますので、「文言をどうするか」というよりは今のような背景の中で、そして青野構成員がおっしゃっていただいたような形で、必ずしも仕事をしているという役割について、決して軽視しているわけではないということを、皆様方で御理解として共有させていただければ、それで足りるかなと思っているところであります。
○小川主査 分かりました。そのほか、皆様、いかがでしょうか。よろしいですか。
それでは、私から発言してよろしいですか。ここで狭義のJCの役割について整理をして、今後、カリキュラムを考えていく上の土台にするということですので、「アセスメント」という言葉はあるのですが、よく私たちの養成研修ではアセスメントを基にして「ジョブマッチング」という言葉を使います。これはいわゆる「職業紹介」という意味でのマッチングだけではなくて、実際の職場配置をどうするのか、あるいはその職場の中で業務の分担をどうするのか、あるいは仕事の切出しをどうするのか、そういったことについても、JCの重要な役割と考えて養成研修を行っています。そういった、私たちの用語で言う「ジョブマッチング」というような役割が狭義のJC支援の内容に含まれるかどうか、ちょっと意見交換をしてみたいと思いますがいかがでしょうか。
國﨑構成員、いかがですか。実際に訪問型のお仕事をされていると思いますので、ただ今のような内容というのは狭義のJCの守備範囲なのか、あるいはある意味守備範囲を超えることなのか、その辺はいかがでしょうか。
○國﨑構成員 一般社団法人Bridgeの國﨑と申します。実際、私どもの職場適応の延長というところでマッチング、要は採用のところに関わることはないのですが、実際の就業上でのいろいろなお仕事がある中で得意を活かす、特に発達の方の支援においては得意を活かすというところで、その会社の中にあるお仕事の中で当初予定されていた仕事ではなくて、少しその中でのマッチングというか、本人の得意を活かすということでの職場のアセスメントの上で、実際稼働されている状況を見ての助言ということは、確かにやっているかなと思っていますが、採用の手前のジョブマッチングというところには基本的には関わるところではないというような印象、もちろん企業の採用に向けてのプロセスの中で特性等に応じた業務に相談対応というのはありだと思うのですが、実際採用決定して、特定の求職、障害者の方の支援を行うというところでは、実際に想定された業務の中でやれるかどうか、その上で適切な業務のマッチングというところに関しての助言は、していくかと思っております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。職業センターのほうで、訪問型に対して関わられる中で、今のジョブマッチングのところ、何か御意見はございますか。
○石井構成員 高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)の石井でございます。この狭義のJC支援が個別の、特定のということでございましたら、主査がおっしゃる通り、アセスメントの結果を踏まえて配置の検討であったりとか、その方の状況に応じた職務の切出し等も含まれるかと思います。機構の養成研修においても、ジョブマッチングについても行っていただけるような内容で研修を行っております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。今のは、御意見としてこのような御意見があったということで、これからの養成研修のプログラムの議論に活かしていきたいと思います。そのほかいかがでしょうか、よろしいですか。
それでは次に進んで、ちょっと遅れて来られる構成員などで御発言がありましたら、その時にいただくということにさせていただいてよろしいですか。それではとりあえず先に進ませていただきます。続いて議題2について事務局から御説明をお願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 続いて議題2について、障害者法対策課の小森から資料2、資料3の説明をさせていただきます。資料2を御覧ください。こちらの基礎的研修を踏まえたJC養成研修の在り方について、第2回の議論を踏まえまして、今後どのような方向性にしていくのかというところについて、整理をさせていただきました。1ページのほうが、第2回、本作業部会における基礎的研修との関係に係る意見です。
1つ目の○ですが、精神・発達障害者と企業との間で、御本人の状況の認識に乖離があるということで、訪問型JCは面談という手法を使って、合意形成の場を作るという調整が増えている。そのため、養成研修に問題解決技法が入っていないので、技術研修として入れてはどうかという御意見を頂きました。
2つ目の○です。基礎的研修に移行した科目若しくは同じような科目をやることについて、養成研修で取り扱わなくていいのかは議論が必要である。たとえ質的に同じ領域であったとしても、もう少し深めておくことが必要なのではないかという視点も持つ必要があるという御意見を頂きました。
3つ目の○です。基礎的研修は、かなり限られた時間で構成されているので、基礎的研修で本当にゼロステップの方に何を訴えて、さらに養成研修で、何を伝えていかなければならないかを考えたいという御意見を頂きました。
4つ目の○です。基礎的研修のシラバス案をベースに養成研修の在り方を検討する際、上級研修であったりサポート研修など、JC養成研修の全体の研修の構造を階層化したイメージを持った方がよいという御意見を頂きました。この御意見を踏まえて、後ほど説明する資料3で研修体系の(案)として整理をさせていただいております。
5つ目の○です。基礎的研修の科目に短縮版が移るとしても、養成研修の中でも何らかの補足や補完が必要ではないか。地域につなげていくこともJCの専門的資質の一つだという認識が持てると、方向性が一つだけではなくて、多様な支援の道が開けるという御意見を頂きました。
最後、6つ目の○です。カリキュラムを考える上で、関係機関等とのコーディネートや連絡調整について、職場内という範囲と地域という範囲の両方の意味で使われておりますが、これを具体的・現場的に科目の中に落し込んでいくためには、どのように設定すればいいかという御意見を頂きました。
このような御意見を踏まえて、次のページでは、事務局で養成研修の位置づけやカリキュラムについて次のように整理してはどうかということで、提案をさせていただいております。
まずJC養成研修の見直しの方向性の検討です。1つ目は、基礎的研修と重複する科目・内容について、削除すべきものはあるか。また、残すべき科目について、基礎的研修の内容を踏まえ、現在の水準からどのように調整するかという点について、御議論をお願いしたいと思います。また、2つ目は、総研修時間について、現行の42時間以上(モデルカリキュラムから38時間以上)を行っていただくことになっていますが、これからの42時間以上という内容から変更する必要はあるか。3つ目は、本作業部会における狭義のJC支援に係る議論を踏まえ、次の点について追加・変更の検討をお願いしてはどうかと考えています。
追加・変更点ですが、まず1つ目、まるさん職場適応援助者役割(講義)の中に、助成金の概要、申請手続を追加してはどうか。まるさんとはしてありますが、ほかにも、カリキュラムの中には助成金について触れるところがありますので、必ずしもまるさんの役割の講義の中でなくても、それ以外であってもよいかと考えております。2つ目は、まるろく職場における雇用管理(講義)の中に、「障害者雇用の経験が少ない企業」、中小企業等若しくは初めて雇用する支企業に対する支援に関する留意点を追加してはどうか。3つ目に、企業文化の理解について追加すべき内容はあるか。4つ目で、地域における関係機関の役割とネットワークの活用(講義)の中に、関係機関とのコーディネートに関する内容や地域につなげるための支援を追加する場合、どのような内容を追加すべきか。一番下の新設科目(講義・演習)として、「面談による問題解決技法」を追加する場合、どのような内容にするかという点について、御議論をお願いできればと思います。もし追加する場合についても、その具体的な内容についても御示唆いただけると幸甚です。
続いて資料3ですが、資料2で、ある構成員のほうから全体の研修体系を、そういった階層化したイメージを持って議論したほうがいいという御意見を頂きましたので、事務局のほうで資料3、今後のJC研修体系について(案)ということで御案内をさせていただきます。
まずこちらですが、左の青い部分と右の赤い部分に分けさせていただいて、左はJCの専門性を高めるための垂直的な人材育成ということで、JEEDであったり、民間機関による研修ということで、例えば、この垂直的な人材育成について整理をしています。まず一番左の一番下の所で基礎研修とあります。ゼロステップとして必要な雇用と福祉の分野横断的な基礎的知識・スキルを付与するための研修を、まず一番下にそろえて、さらにこれを受けていただく方について、JCの支援を希望する方、JCとしての活動を希望する方についてJC養成研修ということで、具体的な課題を抱える特定の障害者・企業、既にマッチングされている障害者雇用に対して、職場適応を容易にするための専門的な支援に関する知識・スキルを付与する。また、このJC養成研修を終えた方が実際にJCとして活動されて、一定の実践経験を積まれた後、JC上級研修という形で実践経験を踏まえた障害者雇用に向けた一般的な事業主支援、まだマッチングされていない企業や、障害者に対する一般的な支援、また、JC支援全体のマネジメントや助言や指導ができる、そういった他のJCに対して指導・助言できるような指導者レベルのJCとしての活動に必要な知識やスキルを付与して、上級JCとして育成していくという流れを考えております。
さらに右のほうで、JCの専門性、これは専門性や実践力といったものを研修を終えた方、それぞれの段階に応じて維持・更新していく研修メニューとしております。一番下の基礎研修であればフォローアップ研修、又はJC養成研修や、上級研修を終えた方に関して、それぞれサポート研修を御用意できるかと考えております。また、更にこのサポート研修やフォローアップ研修はいわゆるレディーメイド、既に用意されたメニューとなりますが、それぞれの受講者等が、それぞれの要望に応じた形で個別・具体的な助言・援助ができるような、そういったオーダーメイドの訓練等もできればと考えております。このような形の全体の体系で、今後JCの研修体系について構築できればと考えております。
このように、資料2、資料3という形で基礎的研修との関係について整理をさせていただき、これを踏まえて、今後の見直しの方向性や、追加・変更すべき内要等について御意見等いただければと思います。私からの説明は以上です。
○小川主査 これに続いて、JEEDのほうから御説明を頂く流れでよろしいですか。JEEDの石井構成員から基礎的研修とJC養成研修のカリキュラムの比較について、御説明をお願いします。なお、JC養成研修のカリキュラムは、モデルカリキュラムを基に各研修機関が設定しておりますので、一定の裁量の余地があります。機関ごとに異なる部分があることがまず前提になります。JEEDから御説明いただく内容は、あくまでJEEDのカリキュラム、シラバス案、及び見直し方針で、これを参考として基礎的研修と重複するJC養成研修のモデルカリキュラムの内容から、まず基本として削除するものや、水準を調整するものについて御議論いただきたいと考えます。それでは、石井構成員、お願いします。
○石井構成員 JEEDの石井です。よろしくお願いします。基礎的研修のシラバスについては、当機構が設置した作業部会におきまして、外部の構成員の方からの意見も踏まえ、ほぼ確定したところです。そのシラバス作成におきまして、構成員の方からいただいた御意見、その御意見に対する対応方針については、参考資料3に一覧としてお示しをしておりますので、別途、御参照いただければと存じます。
今回、基礎的研修のシラバスの内容を踏まえて、基礎的研修の各科目と、養成研修の各科目の関係について整理しましたので説明させていただきます。
資料4-1を御覧ください。左側が養成研修のカリキュラム、右側が基礎的研修のカリキュラムです。右側の基礎的研修のカリキュラムは、厚労省の作業部会で示されたカリキュラムイメージを用いております。左側の養成研修については、厚生労働省大臣が定める職場適応援助者養成研修実施要領において示されているモデルカリキュラムを用いております。先ほど主査からも御説明がありましたように、養成研修はモデルカリキュラムを基に、各実施機関がカリキュラムを設定しております。そのため、これから御説明する資料については、当機構が実施している研修の内容を、このモデルカリキュラムに当てはめて作成していることを御了承いただければと思います。
御覧のように、資料4-1では、養成研修と基礎的研修の科目レベルでの相関があるものについて線でつないでおります。養成研修の1つの科目が基礎的研修の複数の科目に跨がっているものもありまして、少々入り組んでおりますので、次の資料を使って、各科目ごとに具体的な相関の内容を御説明したいと思います。
資料4-2を御覧ください。表紙に凡例が書いてありますが、ここからは相関している科目ごとにその相関の内容を説明していきます。内容の相関については、基礎的研修と養成研修で、扱う内容やレベルが同程度であるものと、内容の広さとか深さ、レベルが異なるものの2パターンがあるかと思います。前者、同程度であるものを実線で、後者、レベルの異なるものを下線でつないでおります。
次ページ、養成研修科目1は、職業リハビリテーションの基本理念と就労支援のプロセスです。左側が、養成研修の科目の内容を示しております。右側が、相関している基礎的研修の科目を示しております。養成研修の科目1は、基礎的研修の3つの科目に跨がって相関している内容があります。このように、基礎的研修の複数の科目に跨がっている場合は、それぞれの科目ごとにその相関を示しております。この科目については、3つの科目に跨がっておりますので、3ページにわたって御説明しております。
相関している箇所については、比較しやすいように具体的な研修内容も示しております。資料の見方について御理解、大丈夫ですか。
○小川主査 大丈夫です。
○石井構成員 これから相関している箇所について、それぞれの内容やレベルをJEEDにおいての状況を説明いたしますので、重複しているから、養成研修から削除すべきであるか、又は改めて養成研修においても取り扱うべきかを検討する上での御参考としていただければと思います。
各科目1について、相関している科目の1つ目が、基礎的研修の就労支援の理念・目的、障害者雇用の現状と障害者雇用施策・福祉施策の科目になります。職業リハビリテーションの理念については、基礎的研修でも、就労支援の理念と目的ということでの解説を行っております。今、想定される時間は10分程度になります。
一方、今、JEEDにおきましては、養成研修で60分程度かけて、職リハの理念の変遷であったりとか、共生社会といった、最近の動向、障害や疾病について個人と環境との相互作用であることの解説などを行っております。これらの内容は、JCが支援を行う上での基本的な姿勢や心構えを涵養する上で、とても重要な内容であり、十分な理解を得る必要があることから、これは削除をせずに、養成研修においても追加の解説を行ったほうがよいと考えられます。
続きまして、相関している科目の2つ目、3つ目が、就労支援のプロセスⅠと就労支援のプロセスⅡです。次のページにわたってお示しをしております。
就労支援のプロセスについては、基礎的研修において、この2科目に跨がって、養成研修の取り扱う内容とほぼ同じです。同程度の解説が行われておりますので、この内容については、削除の対象になるのではないかと考えられます。もし削除になった場合には、JEEDにおいては、60分ぐらい時間が減少できるのではないかと思われます。
続きまして、科目2は、職場適応援助者の役割です。この科目も、基礎的研修の3科目に跨がって相関している内容があります。まず、相関している科目の1つ目が、就労支援の理念・目的、障害者雇用の現状と障害者雇用施策・福祉施策になります。
1つの科目の中に、複数の相関している箇所がある場合は色分けをしております。まず、青色の養成研修における障害者の権利に関する条約、障害者差別禁止、合理的配慮が重複しております。ただ、この内容については、とても重要な内容であって、取扱う範囲も広いので、削除せず、養成研修において追加の解説をしたほうが良いと考えております。
次に養成研修赤色の支援者の視点やアプローチの手法、支援のプロセスが基礎的研修の就労支援の基本的な考え方と内容的に重複します。基礎的研修におきましては、ここでは支援者一般に関する内容を説明することとしております。
一方、JCには特有の視点やプロセスがありますので、ここは削除せず、養成研修においてはJCに即して追加の解説をしたほうがよいと考えております。相関している科目の2つ目が、次のページの就労支援のプロセスⅠです。
まず、青色の養成研修の職場適応援助者による支援の流れ、支援の内容が、基礎的研修における各プロセスにおける実施内容とインテーク、アセスメント、プランニング、アセスメントから一般就労への移行の過程の内容と重複する所があります。しかしながら、これも先ほどと同様に、JC支援には特有の支援プロセスがありますので、これも削除せずにJC支援に即して養成研修において追加の解説をしたほうがよいと考えます。
次に赤色の養成研修における守秘義務と情報の共有化が、基礎的研修の支援に当たっての基本的姿勢と重複しております。守秘義務や情報の共有化といった支援者の基本的対応に関する内容は共通であることから削除の対象にしてもいいかなと考えております。この場合、5分ぐらいの時間の減少になります。
相関している科目の3つ目が、次のページの就労支援のプロセスⅡです。基礎的研修における就労支援のプロセスⅡの科目は、職場定着の支援プロセスを扱う内容で、その中に職場適応と職場定着という項目を設けております。その中で、JC支援の内容について解説することとしております。先ほどと同じく、養成研修の職場適応援助者による支援の流れ、支援の内容が重複することになりますが、養成研修におきましては、より具体的にJC支援の流れや内容について理解を形成する必要があると思われますので、ここも削除せずに養成研修において追加の解説をしたほうがよいと考えております。
続いて、科目3、障害特性と職業的課題です。これは各障害を扱っておりまして、当機構の現行の養成研修では3つの科目に分けております。1つの科目で取り扱う障害種別は、まず知的障害、発達障害の組合せ、精神障害のみ、身体障害、高次脳機能障害、難病の組合せとしております。今回の資料もその分け方で示しております。
基礎的研修におきましても、各障害の特性と、職業的課題の科目がありまして、基礎的研修においては、障害種別の組合せを3つの科目に分けております。1つが知的障害と発達障害の組合せ、もう1つが、精神障害と高次脳機能障害の組合せ、もう1つが、身体障害と難病の組合せとしております。当機構の養成研修についても、基礎的研修を開始したタイミングにおいて、この組合せに変更したいと考えております。内容は、当然、それぞれ重複しております。ただ、障害や職業的課題については、取り扱う範囲は広くて、専門性を深める余地は非常に大きいかと思います。なので、この科目も削除せずに、養成研修の受講者層に合わせた内容や専門性を設定して、養成研修において解説をしたほうがよいと考えております。
なお、基礎的研修シラバスの作成において、当機構が行っている作業部会では、そのすみ分けについての御意見として、まず基礎的研修においては、何よりも障害の態様や症状について、しっかりとした理解、イメージを持ってもらうことが大切なので、実際の就労場面で生じやすいエピソードを用いるなどによって、その理解とイメージを形成できるようにする。その上で、養成研修等の上位研修で、例えば、受障原因、先天性なのか、中途障害なのか、現時点での御本人の雇用のステージが、これから就職する方なのか、復職される方なのか、雇用の段階に応じて、例えば障害受容の問題とか、キャリア再構築といった職業的課題について解説することが望ましいという御意見がありましたので御紹介させていただきます。
続きまして、科目4は就労支援に関する制度です。この科目も、基礎的研修の3科目に跨がって相関している内容があります。まず、相関している科目の1つ目が、就労支援の理念・目的、障害者雇用の現状と障害者雇用施策・福祉施策になります。養成研修における青色の障害者雇用の現状とか、赤色の障害者雇用施策の概要などが重複しております。これらの内容は共通しておりますので、削除の対象にしてもよいと考えます。相関している科目の2つ目が、次のページ、労働関係法規の基礎知識です。
基礎的研修においてのこの科目の考え方ですが、障害年金などについての解説は行うものの、必ずしも障害のある方の就労に寄せた内容にするのではなくて、全ての労働者に共通する一般的、かつ基本的な内容とすることとしております。養成研修においては、青色の労働契約上の注意点や、赤色の加入が義務付けられている社会保険、これらが重複するものの削除しないで、例えば、在宅就労とか短時間雇用といった障害のある方の雇用の実態を踏まえて、労働関係法規や社会保険について、養成研修において追加の解説をしたほうがよいと考えております。
相関している科目の3つ目が、次のページ、企業に対する支援の基礎です。青色は、養成研修の活用できる助成金制度の概要について、基礎的研修では、企業支援の1つの方法として、企業が活用できる助成制度全般についての紹介を行うこととしております。ただ、基礎的研修では本当に時間が限られておりますので、養成研修において、この項目を削除せずに、職場適応援助者の助成金をはじめとした助成金制度について、申請方法を含む具体的な内容について、追加の解説をしたほうがよいかと考えております。
続いて、科目5は、職場における雇用管理です。相関する基礎的研修の科目は、企業における障害者雇用の実際です。企業における障害者雇用について、青色の障害者雇用の考え方とか、雇用管理の実際、赤色の企業が求める人材、緑の支援者に求めることなどが重複しております。基礎的研修のこの科目におきましては、広く一般的な障害者雇用についての理解とイメージの形成を図ることとしております。一方、養成研修におきましては、企業在籍型や訪問型のJCの支援を活用しながら、雇用管理や支援を行っている企業の実際について、理解とイメージを形成する必要があると考えますので、この内容についても削除しないで、養成研修においてはJC支援に即して追加の解説をしたほうがよいと考えております。
続きまして、科目6は、企業文化の理解です。これは訪問型の専用科目になります。この科目は、基礎的研修の2科目に跨がって相関している内容があります。まず、相関する科目の1つ目が、企業における障害者雇用の実際で、先ほどと同じです。青色の養成研修の企業の視点や、企業文化の理解については、先ほど説明したとおり、基礎的研修において、企業における障害者雇用の実際の科目におきまして、障害者雇用の考え方とか、雇用管理の実際などについて、一般的な内容について解説をすることとしておりますので、ここは養成研修のほうから削除をしてもいいのではないかと考えております。削除した場合には、30分程度の時間の減少になります。
相関する科目の2つ目が、次のページ、企業に対する支援の基礎です。青色の養成研修の企業経営の基礎について、基礎的研修におきましても、企業の行動原理とか障害者雇用施策の動向に応じた対応について解説をすることとしておりますので、ここも削除の対象になるのではないかと考えております。この場合は、30分程度の時間の減少になります。
続きまして、科目6は、社会福祉の現状です。こちらは、企業在籍型専用の科目になります。この科目も、基礎的研修の2科目に跨がって相関している内容があります。まず、相関している科目の1つ目は、就労支援の理念と目的と障害者雇用の現状と施策・福祉施策になります。養成研修における青色の障害者総合支援法における就労の位置付けとか、赤色の「障害」の概念、緑の福祉的就労と一般就労については、基礎的研修において、障害者福祉施策の体系や概要、雇用施策と福祉施策との連携、障害の捉え方、福祉的就労と一般就労の解説をしており重複しております。これらの内容については、基礎的研修と同じ内容のものを扱うことになるかと思いますので、養成研修においては削除の対象にしてもいいのではないかと考えております。
相関する科目の2つ目が、次のページの就労支援機関の役割と連携です。この科目におきましても、就労系障害福祉サービスにつきまして、その役割や連携について解説をしております。こちらも内容が重複していることから、削除の対象と考えられます。先ほどの説明と合わせて、この削除の部分は、削除した場合には30分程度の時間の減少となります。
なお、養成研修におきましては、就労系福祉サービス事業所への支援の実際という内容があります。これはJEEDにおいては、就労移行支援事業所の支援員の方に、実際の具体的な取組等について解説をしていただいております。企業在籍型のJCの方が、実際の支援におきまして、就労移行支援事業所等の福祉的な就労サービスと連携をすることはこれから多く生じるかと思いますので、その円滑な連携を図る上で必要であることから、この内容については削除せずに残したほうがいいのではないかと考えております。
続きまして、科目7は、アセスメントの視点と支援計画に関する理解です。相関する基礎的研修の科目は、アセスメントの基礎です。基礎的研修におきましては、青色のアセスメントの目的と心構え、アセスメントの結果の分析ポイントと活用の仕方、赤色のアセスメントの方法について基礎的研修で解説をすることとしております。これは新設の科目になるのですが、基礎的研修ではアセスメントにおいて、「個人」と「環境」の二つの視点、重要性については、もちろん解説はしますが、内容は障害のある方に対するアセスメントを主に扱うこととしております。あと基礎的研修におきましては、アセスメントをした結果の活用までとしておりまして、個々の支援計画の策定までは取り扱わないこととしています。
一方、JC支援では、事業所のアセスメントも大変重要であること、JCにはJC支援計画の策定も求められることから、削除しないで、養成研修において、JC支援に即したアセスメントやプランニングについて具体的に解説したほうがよいと考えております。緑色の養成研修の面談・面接のポイントが、基礎的研修の相談を行う上での技法と重複します。基礎的研修では、相談を行う上での基本的な態度とか、傾聴、受容等の相談技法について解説をするのですが、ここは時間の関係もあって、知識付与にとどまることになります。養成研修においては、面談・面接のポイントは残して、実際の演習を行う等によって、相談の技法、技術の習得を図れるようにしたほうがよいのではないかと考えております。
続きまして、科目8は、企業へのアプローチと事業所における調整方法です。これは訪問型専用の科目になります。相関する基礎的研修の科目は、企業に対する支援の基礎です。青色の養成研修の企業へのアプローチ方法については、基礎的研修における企業支援の一般的な考え方や方法の内容と重複する所があります。しかしながら、養成研修のこの科目は、訪問型JCの方が、企業に対して実際に具体的なアプローチをして、調整するための実践的な内容を扱うものですので、ここは削除しないで、養成研修において訪問型のJC支援に即して、具体的に解説したほうがいいのではないかと考えております。
続きまして、科目9は、事業所での支援方法の基礎理解です。この科目は、基礎的研修の2科目に跨がって相関している内容があります。まず、相関する科目の1つ目は、先ほどと同じく、企業に対する支援の基礎です。青色の養成研修の具体的な支援の流れと方法については、基礎的研修の企業支援のプロセス及び支援方法と重複化しております。しかしながら、この科目におきましても、訪問型JCと在籍型JCの方が、事業所での実際の支援を効果的に進めるために必要な実践的な内容であることから削除しないで、養成研修においてもJC支援に即して、具体的な解説をしたほうがいいと考えております。赤色の養成研修のナチュラルサポート、事業主の主体的な取組については、基礎的研修の企業の主体的取組の促進に重複する所はあります。しかしながら、ナチュラルサポートや事業所の主体的な取組は、JC支援の重要な理念の1つでもありますので、これも削除はしないで、養成研修において具体的な方法等について解説したほうがよいのではないかと考えております。
相関する科目の2つ目は、次のページ、企業における障害者雇用の実際です。青色の養成研修の職務選定の考え方、職務創出について、基礎的研修では、相関しているところとしましては、障害のある従業員の担当業務という項目におきまして、障害のある方が従事している一般的な職務内容とか、職務選定、職務創出の基本的な考え方を解説することとしております。
一方、養成研修については、障害者御本人や職場環境のアセスメントの結果等を踏まえた、先ほど小川主査からも御指摘がありましたが、ジョブマッチング、職域開発、職務再構成等についても、しっかりとした理解を形成していく必要がありますので、削除をしないで養成研修において、具体的な方法等について解説したほうがよいのではないかと考えております。
続きまして、科目12は、地域における関係機関の役割とネットワークの活用です。相関する基礎的研修の科目は、就労支援機関の役割と業務内容です。青色の養成研修の関係機関の役割については、基礎的研修の就労支援の機関の役割と業務内容と重複しておりまして、これは内容も同様のものを扱うことになるかと思われますので削除の対象になるかと考えられます。その場合、30分ぐらいの時間の減少になります。
赤色の養成研修の関係機関の役割分担と連携の在り方や関係機関の情報提供の仕方については、基礎的研修の就労支援ネットワークと重複する所もあります。しかしながら、JC支援特有のネットワークの構築も必要ですので、ここも削除はしないで、養成研修においてJC支援に即して解説したほうがよいと考えております。
最後に、科目13は、ケアマネジメントと職場定着のための生活支援・家族支援です。相関する基礎的研修の科目は、ケースマネジメントと職場定着のための生活支援・家族支援です。青色の養成研修のケアマネジメントの理念については、基礎的研修の就労支援のケースマネジメントと重複しておりまして、これも内容は同様のものになるかと思われますので、削除の対象になるのではないかと考えております。この場合、削除したら15分程度の時間の減少になります。
赤色の養成研修における職業生活における支援の考え方と方法や、家族への支援の考え方と方法については、基礎的研修の生活支援・家族支援の進め方、その役割分担と連携と重複する所もあります。こちらもこの科目は、JCが主体となってケースマネジメントをすることも視野に入れた実践的な内容を取り扱う科目となりますので、これも削除をしないで、養成研修においてJC支援に即して生活支援・家族支援について解説をしたほうがいいのではないかと考えております。長くなって恐縮ですが、私からの説明は以上となります。ありがとうございます。
○小川主査 ありがとうございました。御丁寧に説明していただきました。全体の様子は頭に入ったのですが、これからこれを確定してというか、皆さんの御意見を頂いていく上で、最初から科目ごとに確認をしていく手続にしたいと思いますが、よろしいでしょうか。石井構成員から、これについては削除してもいいのではないかというコメントを数箇所でいただいていますので、その辺については、より明確に皆さんの御意見を頂いていきたいと思います。それでは、科目1、職業リハビリテーションの理念と就労支援のプロセスについて、いかがでしょうか。御意見を頂きたいと思います。石井構成員、それぞれの科目で削除の必要がある部分がありますから、もう1回確認のコメントをお願いできますか。
○石井構成員 分かりました。科目1については、基本的に私は実線のところを削除してもいいのではないかと考えております。なので、この科目については、2、3ページとプロセスの部分になります。
○小川主査 就労支援のプロセスのところですね。
○石井構成員 そうです。
○小川主査 これについて、皆さん、御意見はいかがですか。よろしいですか。もし御意見がなかったら、就労支援のプロセスについては、削除の方向性で考えたいと思うのですが。養成研修を実施している若尾構成員、いかがでしょうか。
○若尾構成員 就労支援のプロセスというのは、JC支援のプロセスということではなく、一般的な就労支援のプロセスということでよろしかったですか。
○石井構成員 JEEDにおいては、この科目は、一般的なプロセスを説明しております。そういった意味で、基礎的研修の一般的なプロセスの重複を削除してよいと考えております。
○小川主査 よろしいですか。ほかに御意見はありませんか。では、私は座長ですがいいですか。私は就労支援のプロセスは、職場適応援助者養成研修の最初のところで押さえた上で、職場適応援助者のプロセスがどこに当たるのか、そこを確認するのは重要だと思っています。その時間配分の調整などは必要かと思うのですが、まず、就労支援の全体プロセスがあって、現状では就労移行支援事業所等がアセスメントを行って、その情報等を訪問型JC、あるいは企業在籍型JCがうまく共有をして、職場適応援助に持っていく。職場適応援助の後、いわゆる定着性の段階に入っていく。そういった全体のプロセスについて、時間的にいいかと思うのですが、押さえることは必要かと考えています。石井構成員が削除してもいいのではないかとおっしゃっているニュアンスと違うところがあったら、御指摘いただければと思うのですが、いかがでしょうか。
○石井構成員 ありがとうございます。私も同感で、基礎的研修で扱ってはいますが、養成研修の受講に当たって、全体をもう一度概観する必要があるかと思います。ただ、現行ぐらいの時間を取る必要はなくて、基礎的研修のリマインドくらいの位置づけにしてもいいのではないかと考えています。
○小川主査 よく分かりました。私も同じ意見です。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局です。皆様に、今、石井構成員が御説明しているのは資料4-2ですが、資料4-1を御覧いただいて、相関図を見ると、現行の左側、養成研修のモデルカリキュラムに、時間というところがあるかと思います。これを見ますと、今の支援のプロセスを含む講義のところ、60~120分と、かなり幅が取ってありますので、石井構成員がおっしゃっていること、小川主査がおっしゃっていることは、ここの幅の中で飲み込める範囲かと思いますので、両者は釣り合っているかとは思っているところです。
○小川主査 あと1点、これはなかなか難しい話題ですが、リハビリテーションという言葉と就労支援という言葉、養成研修のほうと基礎的研修のほうで異なっています。基本的にはこれは同義と捉えて考えていくということでよろしいでしょうか。それについては、石井構成員に伺ってよろしいですか。
○石井構成員 私も同義と考えています。今、示されているモデルカリキュラムとカリキュラムイメージが、違う言葉になっていますので、気持ちの悪さを感じるところです。
○小川主査 分かりました。科目1について、そのほか御意見はありませんか。それでは、便宜上先に進んで、もし何かお気付きの点がありましたら、戻りたいと思います。科目2、職場適応援助者の役割について、議論を進めたいと思います。いかがでしょうか。まず、石井構成員、ここについてのポイントがありましたら、もう一度お願いします。
○石井構成員 削除をしてもいいと思われる所は、2ページの養成研修では、守秘義務と情報の共有化、いわゆる支援者の基本的な態度。こちらは基礎的研修においても、当然しっかりと説明をすることとしていますので、支援者一般とJCで求められるものは共通するかと思われましたので、そこは削除してもいいかなと考えたところです。以上です。
○小川主査 皆さん、御意見はいかがでしょうか。よろしいですか。御意見がなかったら、科目2については、一定の議論をしたということにさせていただきます。次が科目3です。障害特性です。障害特性はいかがでしょうか。まず、石井構成員、何かありますか。
○石井構成員 ここについては、基本的には全般に重複しているのですが、本当に扱う広さ、あと深さも、専門性の高さも、かなり幅がありますので、養成研修において、養成研修の受講者層に合わせた内容で行うもので、ここは削除しないほうがいいと考えています。
○小川主査 はい。ここまでのレベル感の設定について、なかなか容易ではないと思いますが、実際に講師をされていたり、あるいは養成研修の運営をされているお立場から、何かありますか。
○若尾構成員 1点、確認ですが、よろしいでしょうか。
○石井構成員 若尾構成員、お願いします。
○若尾構成員 ここの範囲は、いつも私どもの養成研修で指導するときにかなり苦慮しているのが、例えば雇用促進法上の精神障害、精神障害者の手帳を持っている方たちを前提にしていったときに、高次脳機能障害の方もいらっしゃれば、てんかんを持っている方もいらっしゃったり、かなり幅が広く捉えているところもあるかと思うのです。全ての方たちの障害を、これは振り分けを講師の方たちにお願いするときに、やっぱりどこからどこまでをどう整理したらいいかの御質問を受けることが多いのですが、このシラバスでいくと、患者で、例えば精神障害は精神障害、いわゆる統合失調症も含めた方たちだけが、精神障害という捉え方で整理されるような感じなのですか。手帳上のということではなく、その辺だけ、毎回講師の方たちにお願いするのに苦慮するところもあるので、詳細を教えていただければと思うのですが。
○小川主査 これについて、石井構成員、よろしいでしょうか。
○石井構成員 これもJEEDにおいてはですが、障害者手帳という切り口だけではなくて、疾患も含め、障対法上の対象になる者について、障害者手帳に捉われず精神障害について理解してもらう内容としています。
○小川主査 ありがとうございます。若尾構成員、よろしいですか。
○若尾構成員 運用のところで、例えば、今、さわりで出していただいているシラバスの中の範囲を、例えばある程度押さえているのであれば、例えば時間として、180~300分というのは知っているのですが、その中で捉えていくのであれば構わないという感じにはやできますかね。
○小野寺障害者雇用対策課長 若尾構成員、御質問の主旨をもう一度お願いできますか。
○若尾構成員 障害の枠組みを含めて、カリキュラム、シラバスでは作られているのですが、例えばこれを前提にして進めていくときに、先ほどもお伝えしたように、精神障害となったときに、雇用促進法上は、精神障害者への手帳は大体一般的だと思うのですが、精神障害者という形にしたときには、精神障害のお話をしていただく中に、例えば高次脳の方が含まれていたりとか、そうではない、疾病ではないような障害、難病の方も含まれている場合もあったりすると思うのです。
講師をやられる方たちによっては、その枠をかなり心配されて、どこからどこまでの範囲でのお話をしたらいいのだろうか、と御質問を受けることが多いので。これは、例えば180~300分としてやって、あと、振ってある、少しシラバスの中で、そこは触れてほしいという障害を本当に出ているかと思うのですが、それが含まれるようであれば、運用上それとはOKにしていただけるような流れは、あるのかないのかと、質問をさせてもらいました。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局小野寺です。整理をすると、このモデルカリキュラムはあくまでもモデルカリキュラムとして、この作業部会でのとりまとめを経てお示ししますが、最終的には、おっしゃっていただいたように、各実施機関が一定の裁量を持っている。その前提に立って、政策的にはJC養成研修自体は必ずしも雇用率の対象障害者に限定する必要は決してないと思っており、障害者雇用促進法においても障害者は極めて広い範囲で捉えておりますので、雇用率を達成することだけではないという前提に立っていただいた上で、支援対象としてのボリューム感やメインになる障害種別から、余りにもかけ離れているような状態を扱うのもどうかと思います。そこはあくまでも実施機関の中の裁量に委ねていいのかなと思っております。
○小川主査 ありがとうございます。あとは、基礎的研修と養成研修で考えているレベル感ですが、今の若尾構成員の御発言とも重複する部分はあるかもしれませんが、その講義で一体どこを対象にするのかを明確にすることは重要だと思っていて、私は基礎的研修のほうでは、法律上の定義、医学上の定義、そして、この研修ではどこをターゲットにするのかということの概念整理、それから障害の原因と基本的な症状をお伝えして、ほぼ時間が一杯になるのが、これまでの自分の講師の経験です。
養成研修になりますと、そういったことを踏まえて、職業的な課題が具体的にどう生じるのか。そこら辺をどう対応したらいいのかという内容が、更に厚みを増してくるのではないかと思いますので、なかなか今申し上げたことを言語化して下位項目のシラバスを作るのが可能かどうかは分かりませんが、基礎的研修で押さえるべきことと、養成研修で押さえるべきこと、そうやって棲み分けが必要なぐらい基本的なことと、職業的な課題のボリュームが大きい内容だと思っています。
ほか、障害特性の部分はいかがでしょうか、皆様。よろしいでしょうか。それでは次に進めさせていただきます。科目3がこれで全部終わりますので、科目4、就労支援に関する制度ですが、石井構成員、もう一度、ポイントだけお願いします。
○石井構成員 科目4については、1ページの養成研修において障害者雇用の現状や促進法概要、3本柱等を説明し、基礎的研修においても、その施策や促進法等について説明いたします。実際、重複感があるという御指摘もいただいているところですので、ここは削除してもいいのではないかと考えております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。皆様はいかがでしょうか。特に御意見はありますでしょうか。「障害者雇用の現状」という言葉をどのように捉えて、どのような内容にしていくのかという辺りは各機関で違ってくるのかなと思います。JEEDさんは、障害者雇用の現状は、雇用状況調査のデータ等を用いながら現状について概括的に説明するというような状況でしょうか。
○石井構成員 そうですね。現行において、限られている時間になりますので、そういった直近の雇用率や雇用者数の推移等を御説明している形になります。
○小川主査 分かりました。若尾構成員のほうでも養成研修の伝えたい内容は同様でしょうか。
○若尾構成員 はい、同様です。
○小川主査 でしたら、その辺はかなり重複する部分があると思います。よろしいでしょうか。それでは、科目5、職場における雇用管理に進みたいと思います。ここについては余りないようですね。石井構成員よろしいですか。
○石井構成員 JEEDでは、科目5の職場における雇用管理と企業文化の理解を合体した形で構成しており、一般的な障害のある方の雇用状況、どういったお仕事に就いていらっしゃるのか、どのような雇用管理があるのか、といったことを扱っております。
基礎的研修においても、企業における障害者雇用の実態とほぼ同じ名前の科目があり、一般的なものを扱うのであれば、養成研修では削除して良いのではないかと考えております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。この辺は実施機関あるいは企業の皆様の御意見も伺いたいポイントですので、青野構成員、よろしくお願いいたします。
○青野構成員 青野です。よろしくお願いいたします。石井構成員の御説明で、幾つか訪問型の職場適応援助者の養成研修で受講しているものを、基礎的研修に入れられるというお話をされており、非常に有り難いと思いました。科目6から離れた質問になるといけませんが、ほかに訪問型の職場適応援助者だけが受講して、企業在籍型の職場適応援助者が受講していないものの中で、この基礎的研修に盛り込んだほうがいいことは検討されているのか少し気になりました。
○小川主査 企業在籍型は受講していない。訪問型のみの養成研修の科目である。
○青野構成員 はい。
○小川主査 特に、基礎的研修に盛り込んだほうがいいと。
○青野構成員 そうです。科目6の中でそれを盛り込んでいただいたものがあったのではないかと、お話を聞いて思ったのですが、いかがでしょうか。
○小川主査 石井構成員、よろしいですか。
○石井構成員 基礎的研修については、企業の方も対象ではありますが、やはり受講必須の方がナカポツであったり、就労移行支援の支援をされているということで、訪問型の受講者層に重なりますので、そういった意味においては、訪問型の方は重複することが多いのではないかと考えているところです。
○小野寺障害者雇用対策課長 青野構成員、お尋ねのお答えになっていましたでしょうか。
○青野構成員 青野です。私がお聞きしたかったのは、もう少し広くて、この科目の中でそういった検討をしていただいたものがあったのではないかと思ったのですが、ほかの科目でも訪問型職場適応援助者だけが受講しているものを、基礎的研修に盛り込んだほうがいいという視点もあるのではないかと思ったところです。もう一点よろしいですか。
○小川主査 はい、どうぞ。
○青野構成員 重複の科目について、先生方の整理で時間の配分や削除することに異論はありませんが、繰り返し学習の効果というのは非常に高いと思いますので、削除された結果、忘れてしまうことがないようになると良いなと感じております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。繰り返し学習の効果は重要な御意見だと思います。
○青野構成員 ありがとうございます。
○小川主査 本日は削除という言葉で取り扱っておりますが、ものによって時間の配分を縮小するなど、まるっきり削除するかどうかは最終的な詰めをしていけばよろしいでしょうか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局小野寺です。先ほどの青野構成員からの御質問で、石井構成員が可能であれば、訪問型JCの方だけが受けていらっしゃる講義の中で、今回、基礎的研修に戻したものがほかにあれば、もし今、整理がついていれば教えていただいてもよろしいですか。
○石井構成員 科目8を御覧ください。科目8も訪問型の専用科目になっております。科目8については、基礎的研修では、一般的な障害のある方の雇用に関する支援内容や方法をお伝えしています。養成研修においては、一般的ではなく、訪問型のJC支援を活用した雇用管理や支援など、訪問型のJC支援に即した形で養成研修に残したほうが良いのではないかと考えたところです。
○小川主査 ありがとうございます。よろしいでしょうか。それでは、科目6、社会福祉の現状です。これについてはいかがでしょうか。
○石井構成員 基礎的研修のコンセプトは福祉分野のことをしっかりとお伝えしていくことです。社会福祉の現状については、おおむね養成研修で扱うものを、基礎的研修でも解説はできるのではないかと考えております。これは削除の対象にしても良いのではないかと考えております。
○小川主査 ありがとうございます。この件についていかがでしょうか。地域の関係機関についての理解のところで、社会福祉の現状というとかなり大きな話ですが、地域の障害福祉サービス等について具体的に説明して、ケアマネジメントと関連させて、こういった課題が起きたときには、こういった所につなぐのが良いのではないかという流れが、ほかの所できちんと組み立てられていれば、おっしゃるように基本的な社会福祉の現状についての重複感は削除というか、ウエイトを減らしても良いのではないかと思います。
○石井構成員 JEEDの石井です。おっしゃるとおり、科目12、科目13ですが、科目12においてはネットワークを扱いますが、基礎的研修でもネットワークは扱っております。一方、JC支援に即した特有のネットワーク、連携の在り方があると思われますので、そこは残したほうが良いと思います。
科目13は、先ほどお話のありましたケースマネジメントに関しても、JC支援において特有の生活支援、家族支援の在り方、マネジメントがあるかと思いますので、そこは残したほうが良いと考えております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。科目6はよろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、科目7、アセスメントの視点と支援計画に関する理解については、余り削除の御提案はなかったように思います。
○石井構成員 そうです。基礎的研修においては、これは本当に大切な内容ではあるのですが、時間的なことを考えますと、障害のある方のアセスメントをメインにしています。計画策定等もその時間内では難しいと思われますので、「こういったアセスメントの結果があります。では、その結果を踏まえ、この方の支援をどのように考えていきますか」というぐらいの扱いになるかと思います。養成研修は、事業所のアセスメントであったり、支援計画を作るといったことが求められてまいりますので、ほぼ残すような形が良いと考えております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。アセスメントについては皆様の御意見はいかがでしょうか。木村構成員は、ナカポツや障害者就業・生活支援センターやあるいはJCの御経験の中で、いろいろなタイミングでアセスメントについて、実務として携わっていらっしゃると思いますが、基礎的研修でいうアセスメント、それから養成研修で取り扱っているアセスメント、このような役割分担でよろしいでしょうか。何か御意見はありますか。
○木村構成員 木村です。実際の場面と形状の違いは正直あるのかなという印象ではありますが、中身については問題ないと思います。
○小川主査 ありがとうございます。本当にアセスメントはどのように捉えて、具体的にどのような方法、活用の仕方を講義の中で組み立てていくか、演習で作っていくか、その辺がポイントになると思いますので、大枠の整理としては、皆様の合意をいただいたとさせていただきます。
科目8、訪問型の企業へのアプローチと事業所における調整方法です。これは時間の都合もありますので、科目9も併せてお願いできますでしょうか。
○石井構成員 まず、科目8については、先ほど青野構成員の御質問に対してお答えしたところになりますが、基礎的研修は一般的な内容での企業に対する支援方法で、一方、養成研修は、JC支援に即した内容にする必要があると考えておりますので、これは養成研修においても追加の解説が必要であると考えております。
科目9も同じく、基礎的研修の一般的な内容に、更に、基本を踏まえて科目9においてはJC支援に即した支援方法について解説をする必要があると考えております。あと、ナチュラルサポート、企業における主体的な取組の促進のところも重複はしているのですが、JC支援においてはとても大切な理念になりますので、ここもしっかりと養成研修で解説をしたほうが良いと考えております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。この辺は企業のお立場から関連科目でもありますので、何かありましたらお願いいたします。
○景山構成員 特に、この企業の主体的な取組の促進が目指すところだと思うのですが、そこは深く学んでいくような形をしていただきたいと思っております。それと、私どもも幾つかの地域のナカポツさんとお付き合いさせていただいておりますが、本当に皆さん一生懸命頑張ってはいらっしゃいますが、やはりギリギリの中でやっている。時間もない。そういった中で経験も様々、担当者のスキルもバラバラ、そういった支援機関と企業がどうやって連携をしていくのかという、そこも1つ大きなテーマと言いましょうか。そこも我々企業側としては、心得を持っておいたほうが良いのではないかと感じるところです。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。今、おっしゃられたことは、とても重要だと感じますが、具体的な役割範囲ということも、景山構成員がおっしゃられたことに含まれるでしょうか。
○景山構成員 役割範囲。
○小川主査 企業が行うべきこと、支援機関が行うべきことです。
○景山構成員 私どもの企業は本当に50人に満たないような企業で、そこに7名の障害者がいて、JCがそれぞれの工場に3名ずつ配置されていますが、そのJC自身も実際にオペレーターとして日々の業務に携わっております。そうなりますと人的な余裕もない中でやっていくのですが、やはり働くというところでは、JCがそれこそ現場を巻き込んで責任を持って進めていきます。働くために日々の暮らしと言いましょうか、生活の土台のところ、その方が毎日会社に来てきちんと社員としての役割を果たす、そのための土台の過程である、そういったところを支援機関の方にきちんとサポートしていただき、会社で起こった問題もお互いに共有しながら手を取り合ってサポートしていけたら良いなと、そこは強く思うところです。
○小川主査 ありがとうございました。項目としてうまくどこに落とし込むかということについては、もう一度整理が必要かもしれませんが、企業在籍型JC、それからいわゆる就労支援機関、それからより真ん中に入る役割としての訪問型JC、その辺の役割の整理をこの基礎的研修のところで少し扱えると良いかなと感じたところです。ほかに御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、科目8と科目9については終了いたします。次は科目12、地域における関係機関の役割とネットワークについていかがでしょうか。
○石井構成員 これについては科目13と併せてでよろしいですか。
○小川主査 併せてお願いします。
○石井構成員 景山構成員からお話をいただいたところになるかと思います。企業における役割、生活の土台等を支える支援者の役割等、役割分担と連携の在り方、その後の情報提供について、JC支援に即して解説をする必要があるかと思われます。
最後の科目13について、支援者は生活支援、家族支援が求められており、企業様において関わっていただけるところもありますので、その役割分担などの考え方をしっかりと伝えるためにも養成研修できちんと解説をしたほうが良いと考えております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。では、科目12、科目13について御意見をいただきたいと思いますがいかがでしょうか。木村構成員お願いします。
○木村構成員 すみません。科目とはちょっとお話がずれてしまうかもしれません。訪問型と企業型を中心にお話しているのですが、配置型のJCの養成研修は、どうなっているのかというところが疑問でした。論点とずれているかもしれないのですが、よろしくお願いします。
○小川主査 配置型の養成研修のカリキュラム、プログラム、実施状況について、石井構成員から御説明を頂いてよろしいでしょうか。
○石井構成員 現行においては、地域センターの求められている役割とか、配置型JCに求められている役割というのがあります。セーフティーネットであったり、ノウハウの提供といったところが、配置型JCに求められますから、そういったことについては別途、職場適応援助者の役割のところで配置型を個別にやっております。そのほかについては共通する内容になります。以上です。
○小川主査 木村構成員、よろしいですか。
○木村構成員 お願いがあります。やはりJEEDの組織の部分もあるかと思うのですが、カウンセラーが代わると方針が変わるという状況もあって、現場が混乱してしまう場面が多々あります。ですので、配置型の状況なども開示しながら、同じ方向性を向いたカリキュラムを作成していただいて、役割分担も含めて明確にしていただけるといいなと思ったのです。こちらの科目と違う論点になってしまったかもしれないのですけれども、お話させていただきました。すみませんでした。ありがとうございます。
○小川主査 全体の中で参考にさせていただきたいと思います。ほかはいかがでしょうか。
○若尾構成員 若尾です。今の12と13で今後のことも含めてですが、上級JCという視点で考えたときに、関係機関とのネットワークの活用や生活・家族支援の所に、「スーパービジョン」という言葉を載せていただく可能性があるのかどうかをお伺いしたかったのです。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局の小野寺です。今の御質問ですが、先ほど体系図をお示したかと思います。資料3でお示ししているように、上級JCのほうでは明らかにスーパーバイズ的な役割、指導者としての役割を求めた形での人材育成となっております。ですから基本的には今後このカリキュラムが固まった上で、上級JCを見通して、更なる階層研修の構築をしていく中において大きな要素になってくるかと思います。そういう意味で言うと、現状はここで固めていきたい。まずは、いわゆるJC養成研修については、今のところそこまでの概念は想定していないということです。もちろん先ほどの、ある程度は実施機関の裁量の中で導入するということについては、決して否定するものではないということで御理解をいただければと思います。
○若尾構成員 ありがとうございます。
○小川主査 それでは科目12、13はよろしいでしょうか。ここはとても重要な科目です。よく企業在籍型の方が「ナカポツって何ですか」とか、まず基本的な地域の関係機関の名称と役割から押さえて、社会福祉協議会がこういったことでサポートできるのかという議論になったり、かなり重要な内容を毎回繰り返しているような気がします。ですからISなども含めながら、重視していければと思います。では、科目12、13は終了しましたので、全体について皆様の御意見を頂いたことにしたいと思います。全体を通してここは忘れたとか、何か御意見はありますか。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局から1点あります。事務局の小野寺です。戻って恐縮ですが、資料2の裏面に、論点としてお諮りしたい内容を幾つか盛り込んでおりましたので、今の最終的な総括の場面において御確認いただけたらと思っています。
石井構成員にかなり労力を掛けて整理していただいた膨大な資料の下、一つ一つ御確認をさせていただきつつ、その中において今回は「削除」という言葉で取り扱いましたが、言ってみれば今の時間設定の幅の中に、ウエイトを基礎的研修のほうに下ろしていきつつ、多少時間の配分の中で養成研修も重ねてやっていくという話もあったところです。その辺の時間配分も含めて、大きく総研修時間を延ばしていくという想定は、事務局としては余り持ち得ないと思っています。もし、この辺りの御意見があればというのが1つです。
併せて「追加・変更点(案)」としております。これまでの議論の中で追加してはどうかという御意見を頂いた部分、特に新設科目としての面談による問題解決技法といったことも、御意見としていただいておりましたので、この辺りの確認をさせていただきたいと思います。その辺をお諮りいただきたいと思います。
○小川主査 分かりました。まず研修時間のことについて皆さん、御意見はいかがでしょうか。実際に研修を実施している機関で、若尾さんの所など、御意見はありますか。
○若尾構成員 うちのほうでも今、42時間という設定でプログラムを組んでいるのですけれども、基礎的研修で盛り込まれたもので、例えば削除されていく部分については減数していくような方向になるのか、それとも減ってしまったところに新たなものを何分から何分という枠組みが含まれているので、そこに少し容量を取っていく方向でいいのか、それによって多分変わってくるのかと思いました。特にシラバスのこのままの形で進めていくと、削除されていく項目の部分については減数していって、養成研修そのものの時間数は減っていくような感じになるのですかね。
○小川主査 今日は減少させた部分についての取扱いで、ここを増やしたほうがいいという副案も含めての御提案ではなかったですよね。取りあえずここについては重複しているので、削除の可能性があるというディスカッションをこれまでしてきたと思います。
○若尾構成員 時間数としては減らすのではなく、現行のような時間数を維持していくことが大事ではないかと思っていますので、そこを基本にして意見を言わせていただきました。
○小川主査 分かりました。
○小野寺障害者雇用対策課長 事務局の小野寺です。今、最終的に総括的に御意見をいただきたいと申し上げた意味は、割とそこに近い話です。事務局の案として、今までの議論の中で新しく要素として加えてはどうかという御提案を併せてしておりますので、できる限り削るということではなく、時間幅の中で現在やっていただいておりますから、新しく加える要素も含めて現状維持というのが、事務局としての提案内容になってくるかと。
○小川主査 まずは基本42時間をベースにして、今後の内容について調整をしていくという方針でよろしいでしょうか。基本的な時間について、変更の御意見があれば承っておきますが、よろしいですか。それでは、時間枠については42時間という現行を基本にして考えていくことにさせていただきます。それから追加・変更点ですが、資料にある5つのマルについて、何か具体的な御意見はありますか。先ほど面談による問題解決技法ということが、具体的に小野寺課長のほうから御質問としてありましたが、御意見をよろしくお願いいたします。井口さん、お願いします。
○井口構成員 JEED障害者職業総合センターの井口です。新設科目として資料2に上がっている面談による問題解決技法についてですが、定期面談による相談支援というケースが非常に増えていると聞いておりますので、こういうことが大枠として必要なのかなと思います。ただ、一方でJC支援というのは個別面談、1対1の中の問題解決となりますので、やはり相談技法、カウンセリング技法についても併せて学ぶ必要があるのではないかと思うのです。既存の相談技法の部分を、問題解決技法に組み合わせて考える必要があるのではないかと思います。以上です。
○小川主査 今の御意見に関連して、私も発言いたします。いわゆるカウンセリングの技法、心理職の相談の技法、あるいは社会福祉、精神保健福祉の相談の技法で、まずは基本的な心構えと傾聴、リフレイン、間を取る、様々なポイントがあると思うのです。しかし、それだけを相談の技法、面接の技法として押さえると、いわゆる受容、傾聴型の相談になってしまって、実際に職場で要求される相談、御本人の言い分や御本人の困り感をちゃんと聞いて、職場側の見立てや要求をちゃんと伝えて、その間でどうあるべきかということを調整していくのが、実際にJCに求められる面接相談の技法ではないかと思うのです。ですからカウンセリングは非常に重要でありつつ、それと職場で要求される面接相談の技法の違いというのも、より明確にしてお伝えすることが重要ではないかと考えております。
その中で特にフィードバック、御本人の行動修正を求められる部分について、どのように御本人に理解してもらうのか。フィードバックをして、じゃあ、どういうようにしていこうかということを一緒に考えていくプロセスなどを、演習などで取り入れるということをJCネットでも行っております。井口さんのおっしゃっていることと重なっている部分とプラスアルファー、こういうことをしたらどうかということについて述べさせていただきました。國﨑構成員は随分、現場で面接や相談をされることがあるかと思います。何かありましたらお願いいたします。
○國﨑構成員 國﨑です。正に今のお話というのは、対面でお話する部分の基本的な技法ではなくて、実際に起きている課題も御本人にきちんと落とし込んで、職場でそれを修正するというか、職場で適応できるように促すためのという理解で良かったでしょうか。その辺で言うと、実際の現場でやっているのは記録にして数値化するようなもので、御本人の自己評価の部分と現実的な他者の評価というのを比較して、きちんと提示し、そしてまた理解を促すということを、実際の現場の中でも採ったほうがいいのではないかと。もちろん対応するということも関わって、一緒にやるというのも含めてありますし、現場のほうに残していくものとして定期的な面談をする中で、分かりやすい御本人へのフィードバックということは、実際にやっていると思っております。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。定期的な面談、あるいは面談でフィードバックするときに数値化するとか、客観的な情報を加えて御本人が納得しやすい情報提供をするといった技術が、ここに盛り込まれていくといいのかなというイメージを持つことができました。これは実際に企業現場でも支援のほうでも抱えている問題かと思いますので、このほかにも何かヒントがありましたらお願いいたします。青野構成員、お願いいたします。
○青野構成員 青野です。小川主査がおっしゃったことに同意するところですけれども、JCとその他の職種の違いというのは、正に渦中に入って一緒に伴走してお仕事ができるように、フェードアウトまでの期間を伴走するというところが、すごく重要だと思っています。冒頭の文言で私が、仕事を教える指導員という役割よりも、相談やコーディネートが重要視されてきているという点で、この「より」にこだわったのもそうです。今の議論の1ページに戻るのですけれども、資料1の図の中の何となくのニュアンスが、少し離れた所からアセスメント、観察し、助言・相談に乗るのですというように誤解されないように、フェードアウトするまでの期間は伴走し、お仕事をアセスメントして、習得までスキルを発揮するプロフェッショナルだということが、伝わるといいのかなと思います。以上です。
○小川主査 ありがとうございます。よく心理職等がアウトソーシング型の相談と言うのでしょうか、外部の臨床心理士等に相談を依頼する形の相談をしている企業もあると思いますけれども、JCの場合には、職場の中で常に伴走しながら面談・相談を行っていく。それから仕事を教えるというところも、常に関連していくというところで特徴を出していくことができるのではないかと思いました。ありがとうございます。
ほかにはよろしいでしょうか。あと○の2つ目、3つ目、4つ目のほかの追加・変更点について、御意見がありましたらお願いしたいと思います。よろしいですか。企業文化の理解などでJCネットが昔やっていたときには、ビジネスマナーなどもこの辺で重視する内容になっていたかと思いますが、だんだん対象者の層も変わってきていますので、もしかしたら必要ないかもしれませんね。田村構成員、この辺の企業側のことで何かありますか。
○田村構成員 大丈夫です。
○小川主査 ありがとうございます。今、國﨑構成員から手が挙がりましたか。
○國﨑構成員 今の追加・変更点(案)には、具体的に上がっていないのですけれども、先ほど青野さんもおっしゃったように、専門的に現場で関わってフェードアウトしていく中で残していかなければいけないもの、企業が今後継続してやっていくものというのは、今やっている中で非常に悩ましく思うというか、JCがいなくなったら、これを企業に本当に継続してやっていただけるのかと思うことは多々ありますから、何かその辺りを。
フェードアウトというのは去っていくというか、終わりにしていくことを「ナチュラルサポート」という言い方で言っていますけれども、形として残していかなければいけないものもあるなと、最近すごく思っています。正に今やっている支援で言うと、ネットワークができていなかった所には、やはり定例で支援機関に集まっていただいて話をする場を作ってもらったり、日報がない所には日報の評価という仕組みを入れたりということを今、困難な所でやっているのです。そういう残していく意識付けができるようなものも、どこかでちょっと入れていただけるといいかなと。私たちが去っても継続的に雇用管理としてやっていくべきものを、きちんと残すフェードアウトの仕方というものを、どこかで入れていただけるといいかと思っております。以上です。
○小川主査 「ナチュラルサポート」も「フェードアウト」も、かなりザックリした言葉で、比較的人的支援の意味合いで使われてきましたけれども、システムや体制といったことを形でちゃんと残していく、サポートの継続ということを、どこかでうまく取り入れていきたいと思います。木村構成員、どうぞ。
○木村構成員 木村です。追加・変更点(案)のまるななに、「企業文化の理解」という所があるかと思うのですけれども、どうしても特例子会社が中心となってというやり取りが多くなっているのかなという印象があるのです。できれば中小企業などにも目を向けていただいた上で、講義の内容なども考えていただけると有り難いと思っています。以上です。
○小川主査 これはカリキュラム全体に関わることだと思いますので、よく留意しながらやっていきたいと思います。ほかによろしいでしょうか。今日は議題2で随分時間を使ってしまいましたので、議題3については次回以降に先送りとさせていただいてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、本日の議題の議論は終了とさせていただきます。事務局のほうに一度お返ししたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○小森地域就労支援室室長補佐 障害者雇用対策課の小森です。次回の日程ですけれども、未定となっておりますので、改めて私ども事務局のほうから日程調整の御連絡を差し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。以上です。
○小川主査 以上をもちまして第3回職場適応援助者の育成確保に関する作業部会を終了とさせていただきます。本日はお忙しい中、ありがとうございました。