薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和4年度第2回献血推進調査会議事録

日時

令和4年9月22日(木)14:00~16:00

開催形式

Web会議

出席者

出席委員(12名):五十音順、敬称略 ◎座長 ○座長代理
参考人:敬称略
  • 橋本 和洋(栃木県保健福祉部薬務課 副主幹)
  • 小坂 敦彦(滋賀県健康医療福祉部薬務課 課長補佐)
  • 橋本 富蔵(滋賀県健康医療福祉部薬務課 主査)
  • 織邊 聡(兵庫県保健医療部薬務課長)
  • 岡田 史恵(広島県健康福祉局薬務課長)
日本赤十字社:敬称略
  • 松田 由浩(日本赤十字社血液事業本部経営企画部次長)
  • 鹿野 千治(日本赤十字社血液事業本部経営企画部献血推進課長)
事務局:
  • 渡辺 顕一郎(血液対策課長)
  • 仲島 昌司(血液対策課長補佐)

議題

  1. 1.献血推進計画見直しに関する関係者インタビュー
  2. 2.輸出に際しての献血者への説明について

配布資料

資料ページをご参照ください。

議事

議事内容

○仲島血液対策課長補佐 ただいまより「薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会令和4年度第2回献血推進調査会」のWeb会議を開催いたします。本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いします。
本日は、お忙しい中御参集いただきまして誠にありがとうございます。この度、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、Webでの審議とさせていただきます。本日のWeb会議における委員の出席についてですが、委員12名全員に御出席いただいていることを報告いたします。なお、村井先生におかれましては、公務のため、15時50分に御退席との連絡を頂いております。また本日は、日本赤十字社血液事業本部より、松田経営企画部次長と鹿野経営企画部献血推進課長に御出席いただいております。また、議題1に関して、栃木県、滋賀県、兵庫県及び広島県の血液事業の担当の皆様に御参加いただいております。
次に、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の皆様には会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をおかけしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。
議事に入る前に、会場にお越しいただいている委員の皆様におかれましては、本日の資料の確認をお願いします。タブレット上に1.議事次第から8.資料2―3までのPDFファイルが表示されているかを御確認お願いします。ファイルが表示されていない場合や不足がある場合には近くの職員にお声掛けください。また、本日の調査会に際し、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、説明者においてマスクを着用したまま説明させていただく場合がありますので、御了承いただければと思います。
それでは、進行を佐々木座長にお願いいたします。
○佐々木座長 まず、事務局から審議の進行方法の説明をお願いします。
○仲島血液対策課長補佐 それではWebでの審議のため、対面での進行と一部異なる部分がありますので、改めて審議の方法について御説明いたします。
審議中に御意見、御質問されたい委員におかれましては、まず、御自身のお名前と発言したい旨を御発言いただきますようお願いいたします。その後、座長から順に発言者を御指名いただきます。御発言いただく際は、マイクがミュートになっていないことを確認の上御発言ください。また、ノイズを減らすため、御発言が終わりましたらマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
なお、発言者が多くなり、音声のみでの判別が難しいほど混雑した際は、一度皆様の発言を控えていただき、発言したい委員については、チャットにその旨のメッセージを記入していただくよう、事務局又は座長からお願いする場合がありますので、その場合は記入されたメッセージに応じて、座長より発言者を指名いたします。
○佐々木座長 ただいまの説明について御意見、御質問等があればお願いします。よろしいですか。
それでは議事に入ります。はじめに、議題1「献血推進計画見直しに関する関係者インタビュー」から始めたいと思います。資料1について、事務局から説明をお願いします。
○仲島血液対策課長補佐 本日はお忙しいところ、御参加いただきありがとうございます。皆様の直接の声を聞かせていただけることは非常に有り難いと思っております。それでは流れですが、はじめに、実際に「献血推進計画」を策定されている各県の御担当者様から「都道府県献血推進計画」の在り方について、それぞれ5分程度で御説明いただきまして、その後、委員の皆様からの御質問の時間に当てさせていただきたいと考えております。
○佐々木座長 それでは、栃木県の橋本様から御説明をお願いします。
○栃木県橋本様 栃木県薬務課の橋本と申します。どうぞよろしくお願いします。資料は表示されておりますか。
栃木県の計画というか現状は、特に、特徴として若年層の献血率が高いということで、その取組について説明させていただきます。献血推進計画については、Web等でも公開しておりますが、特に若年層の普及啓発の部分について抜粋して記載しております。学校等における献血セミナーと、特に大学を中心とした学生のボランティアサークルの活動の支援、これは後ほど具体的に説明いたしますが、高校3年生に献血カード、オリジナルのポイントカードを配布して高校卒業後においても献血を続けていただけるようにお願いしているというところです。
これは重複しますが、献血推進学生ボランティアについては、県内各大学とはいえ、栃木県は田舎ですので大学は少数ですが、活動を支援させていただいております。
まず初めに、栃木県の献血者数の現状は、人口比で言いますと、大体全国と同じようなものかと思っております。実は、令和元年から令和3年にかけて、「コロナ禍で血液が足りません」とアナウンスしたところ、令和元年から2年、3年と、3年連続で過去最高値を更新しておりまして、お願いすると来てくださるのだなという感想を持っております。
献血者数の年代別構成比については、これは各県全国と同じような状況で、やはり、40代、50代がボリューム増になるという状況です。ただし、これを献血可能な方の人口比で比べてみますと、人口に対して10代が13.8%と非常に多いという状況になっております。その他の年代についても、60代を除いて献血者数は、おおむね全国平均から1ポイントないし1.5ポイント多いという状況になっております。特に、この状況を支えているのは、高校における出張採血が他の都道府県と比べますと多いという状況です。
栃木県全体で77校ですが、これは定時制とか通信制の専門の高校も含みますので、必ずしも献血に行ける高校ではないのですが、そのうち62校(およそ80%)の高校に献血(出張採血)をさせていただいている状況です。「高校等」というのは、高専も含まれるので「高校等」となっております。そのうち、出張採血で御協力いただいた人数は7,391人と、高校生4万9,674人に対して、およそ15%の方に学校での献血に御協力いただいております。イメージで言いますと、今は40人学級ですので、大体各クラスで6人が、授業中ですけれども献血に行ってくれています。62回で7,300人というのは、1日出張採血をやりますと、何台を出すかにもよるのですが、おおむね一台採血バスを出すと、1回当たりのキャパが120人ですので、1チームのキャパ一杯一杯というぐらいの協力を頂いております。
ただし、問題点がないわけではなくて、どうしても高校生ですので、まだ献血できない15歳の方もいらっしゃいますし、男子生徒の場合は17歳から、女子生徒の場合は18歳からですので、高校3年生の後半からしか400mLの献血はできないという問題点はあります。したがって、実態は半分以上、6割近くが200mL献血になっている状況です。ただ、ほんの少しの工夫ですが、できるだけ年度の後半に予定を組むことによって、17歳、18歳になった後に、できるだけ400mLをお願いしますという形でスケジュールを組んでいるところです。また、高校卒業後に献血を続けていただく取組としてどのようにしたらいいかというのも課題として挙げられております。
実は、高校を卒業した後に、「続けてね、献血カード」という栃木県オリジナルの、このようなポイントカードを作りまして、高校3年生に献血していただいたときに、このカードを配布しております。献血バスでも結構ですが栃木県内の献血会場で、これを持ってきていただくと、1ポイント目と3ポイント目に記念品を差し上げて、高校を卒業しても献血を続けていただくという習慣が付いてくれればなと考えています。カードの裏側には、献血場所の説明などがあります。
もう1つは、大学生になっても、ぜひ献血を続けていただきたいということで、このようなパンフレットを大学の献血サークルと協力して、編集するのは大学生ですが、県のお金でパンフレットを作って、活動に使っていただくということで取り組んでおります。非常に雑ぱくな話で申し訳ありませんでしたが、栃木県からの説明は以上です。ありがとうございました。
○佐々木座長 橋本様、どうもありがとうございました。続きまして、滋賀県の小坂様、橋本様から説明をお願いします。
○滋賀県橋本様 滋賀県の橋本です。それでは、本県の状況です。本県も献血推進計画を定めておりまして、他県様と同様に、献血計画については毎年の確保すべき血液の目標量であるとか、次年度の広報・啓発活動について定めております。定めたものをホームページにアップするなどして周知を図っております。この献血推進計画で定めている項目のうち、確実に毎年度更新がある、変更される場所というのは、毎年の確保数、数量の所になっております。採血事業者が受入計画を作成する際に、各ブロックで府県ごとの目標数を決定しており、その情報を県にフィードバックしていただき、滋賀県においては来年度献血確保目標数の欄に、何名、何リットルという形で定めております。
県で独自に取り組んでいる啓発事業は幾つかありますが、その実績とか、見込まれる効果について、来年度継続していくかどうかということについては、主に予算に紐付いておりますので、こちらについては、予算編成時に来年度も継続してやっていくかどうかを計画しております。この推進計画は年度末に作成しておりますが、推進計画の計画案を作成する段階で予算が伴う啓発事業については、来年度も実行するというのは、ほぼほぼ固まっているというのが実情です。
実際問題として、目標数が前年度と比べて、例えば増加しても、これを受けて次年度直ちに新たに啓発事業を何か新規で行うということは、滋賀県の予算及び人員の面からも非常に難しいというのが正直なところです。こういった点から滋賀県の献血推進計画を定めるに当たって、滋賀県の献血推進協議会で案を諮らせていただいておりますが、お諮りした際に、滋賀県献血推進協議会の委員の皆様から出た意見をストレートに計画案に反映できる箇所が非常に限られているというのが現在の実情です。
例えば、今、滋賀県の献血推進計画については、令和4年度の推進計画、目標数は滋賀県全体で6万2,310人という形で人数を定めており、献血の目標量を2万3,086Lと定めておりますが、例えば、こういう具体的な人数や目標量、リットル数を計画の中に定めない、記載しないということになりましたら、当然、変更があった場合は対応するということにはなりますが、毎年、県計画を常に変更していく必要がなくなるのではないかと考えております。もちろん、県で献血の啓発事業を行う際には、その都度、関連団体の皆様には通知や協力依頼を行っております。仮に、献血推進計画が更新や変更する箇所がなくても、毎年協力をお願いしておりますし、協力の際には、現在でも、この計画に基づいてという表現はしておらず、日々の日常の付き合いでと言いますか、協力やコミュニケーションを取る中で関係団体の皆様には好意的に御協力いただいております。
目標数についても、昨年もコロナ禍ではありましたが、目標に対しての達成は100%を超えてきている状況です。献血推進計画を定めさえすれば協力を得られるということではなくて、やはり、日常でどれだけ密に関係団体、関係者とコミュニケーションを取って啓発を進めていくかということがむしろ重要なのではないかと、関西広域連合としては献血推進計画を毎年、常に定めていくということについては、一旦、見直しいただけないかという提案をさせていただいた経緯になっております。滋賀県の橋本からは以上です。
○佐々木座長 どうもありがとうございました。続きまして、兵庫県の織邊様から、御説明をお願いいたします。
○兵庫県織邊様 兵庫県薬務課長の織邊です。聞こえていますか。
○佐々木座長 聞こえています。
○兵庫県織邊様 今、滋賀県のほうからも説明があったと思うのですが、私どもとしても、近畿の各県、それから関西広域連合の提案である都道府県による推進計画策定の見直しに基本的には賛同です。
まず、日本赤十字社が、当該年度のブロック単位の供給血液量を吸い上げて、その際に都道府県では内容を確認しております。国全体の供血の計画について12月下旬に通知をされて、昨年度であれば、今年の1月17日に都道府県別の血液必要量として通知していただいております。したがって、献血推進協議会のもっとも大きな内容の1つである献血の計画については、1月中旬以降に、この協議会を開催して審議することになります。本県の委員は国の定められた要綱のとおり、会長の知事、それから他の委員として、県医師会長、日本赤十字社センター長、要職の関係行政機関の長としております。1月下旬からの日程ということで、2月補正、それから年度末ということで、タイトな日程となってまいります。
そこで、現実問題としては一旦、ブロックで日本赤十字社が確認したものを国に上げられて、1月下旬に出てくる必要量を推進協議会で審議するわけですが、正直言って我々のほうでは、次年度の輸血の需要をきちんと精査するだけのデータ等がない中で、現実的にはその案をそのまま承認せざるを得ないような状況になっております。もし仮に、この数字について変更をお願いする場合でも、こういうことになりますとブロック単位で日本赤十字社が全体でコントロールしているということがありますので、他の近畿の府県に、しわ寄せがいくことも想定されます。ですので、現実的には時期的にも2月ぐらいから変更することは無理だと考えております。
そういったことを鑑みますと、いわゆる計画の献血量の部分についてですが、現実的には、形式的、儀式的にどうしてもなってしまっているのが、本県の現状だと考えております。さらに、最終的な国の献血目標量の確定も年度末になるということで、それについても担当者の負担感が増加しております。ただし、血液法の趣旨を考えますと、都道府県が計画を作成することが無意味とは言い難いと考えております。そこで本県としては、献血の推進協議会における事務をもう少し軽減、効率化できないかと考えております。例えば、都道府県が血液必要量の計画で、国から1月下旬にいただく通知の時期をもう少し前倒ししていただけないか。あるいは県のほうで、採血業者による案を日本赤十字社がブロック単位で確定していく際に、現実的には県でも事務的に確認しておりますので、この段階をもって推進協議会を開催して、別途、その後変更があった場合は、それについてのみ必要に応じて審議をするような形がとれないかとか、そのようにしていただけると非常に助かります。もちろん献血推進協議会では、翌年度の広報等についても審議するわけですが、それについては本県では臍帯血移植、骨髄バンクの内容も審議しているのですが、活発な議論がなされておりますので、献血推進協議会の役割については十分認識しているつもりです。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございました。最後に、広島県の岡田様、お願いいたします。
○広島県岡田様 広島県健康福祉局薬務課長の岡田です。本日はよろしくお願いいたします。最初に、本県における献血推進計画の策定状況について説明いたします。本県では、毎年度3月に広島県献血推進審議会を開催し、次年度の計画案を諮り、答申を受けて策定をしております。計画案の策定に当たっては、10月頃に県と血液センター、日本赤十字社の広島県支部の3者で、次年度の計画の内容や策定スケジュール、作業分担などについて協議を行っております。協議内容を基に、市町や保健所の担当者を対象とした献血推進担当者会議において、次年度計画の策定、スケジュールを周知し、意見交換を行っております。
その後、血液センターから次年度の採血計画、厚生労働省から国の献血推進計画案、日本赤十字社本社から献血受入計画案の提示を受け、県別の献血目標量などを設定し、1月頃から計画案を作成しております。最終的には、先ほど言いました3月の献血推進審議会において計画案を諮り、答申を受けて正式決定し、県内の市町や関係団体に通知するとともに、県のホームページで公表をしております。
計画案の作成に当たっては、血液センター、日本赤十字社の広島県支部の担当者と連携を密にして作業を行っており、1者に負担が偏らないように分担して進めております。これまで当県では、200mL献血の採血方針や、県の東部に設置しておりました献血ルームの廃止、それからコロナ禍に伴う対応などについて、県独自で計画に反映してまいりました。
また、来年度の計画としては、サミットの開催時期と重なりますので在庫量の増加を盛り込む予定にしており、県としての計画を策定する必要があると考えております。
具体的な業務量ですが、献血事業は当課の製薬振興グループで事務を行っており、主として献血事業を担当する職員が1名おり、副担当としてグループリーダーが補佐を担っております。主担当者は、献血事業専任で業務を行っており、その中で計画案の作成から審議会の開催まで事務的な作業をほぼ1人で行っている状況です。この中で計画策定に係る事務が他の業務に支障を及ぼしているということは、本県においてはありません。また、計画の内容については、取組や啓発等の基本的な取組の部分、これは例年大きく変わりませんので、そうした基本的な取組と、年度ごとに重点的に取り組む事項を分けるなど、メリハリをつけることで合理化につながるのではないかと考えております。本県においても、そのような視点で改正作業を行っております。
仮に、この献血推進計画を廃止した場合には、本県は献血推進計画を諮問する献血推進審議会の必要性が失われることになります。献血事業は、やはり国民の善意に基づく献血行動により成り立っており、人の血液の利用の適正、献血者等の保護を図るためにも、年に一度、献血推進に携わる県内の関係者が一堂に会して、これまでの取組を振り返り、献血の協力者に敬意を表し、更に次年度の計画を審議することは本県において大変意義深いことと認識しており、また公正の確保・透明性の向上からも必要なプロセスだと考えております。よって、計画に代わるものについても、やはり医療関係者、教育機関、職域の関係者、ボランティア団体等を含め、同様の会議体において検討、承認するプロセスは必要ではないかと考えております。
他の計画への統合ということでは、本県の保健医療政策の基本となる医療法に基づく保健医療計画の中に位置付けて記載することも一案ですが、地域の実情に応じて選択できる形にしていただければと考えております。採血業者の受入計画等を踏まえた献血推進に取り組むための方法ですが、本県が実施しております三者協議が非常に有効であると考えており、今後も定期的に開催していく予定としております。
最後に、評価方法ですが、本県では現計画に代わるものを思いつきませんが、県が主体となって計画を策定し、関係者の会議体によって、当該年度の実績を分析・評価し、その結果を公表することが公正の確保、透明性の向上からも必要ではないかと考えております。以上です。
○佐々木座長 どうもありがとうございました。では、委員の皆様から、ただいまの栃木県、滋賀県、兵庫県、広島県からの御説明について、御意見、御質問があればお願いいたします。宮川委員、お願いします。
○宮川委員 日本医師会の宮川です。各県の方々、御説明ありがとうございました。詳細にわたって教えていただき、現状がよく分かってきたようです。広島県では、献血推進計画の本質をしっかりと把握されて、事業を推進されたことに大変敬意を表するものです。
問題点としては、これは全体のところで、推進計画の本質、そういう意味では問題点、合議体のこと、地域の特性を検討するところが問題点で、どのようなボリューム感をもってやるのかという量的問題。それから、滋賀県や兵庫県で問題になっているのは、ブロックから国へ移ったり、また県に戻るというようなところの時期の問題は、国がある程度勘案して、各県のやりやすいように状況を考えることができるはずなので、推進計画の本質というか、質の問題と量の問題、そして時期の問題を分けてしっかりと検討しないと、方向性が出ないのではないかと思って提案させていただきました。ありがとうございました。
○佐々木座長 どうもありがとうございます。ほかの委員の先生からは、いかがでしょうか。田中先生、お願いします。
○田中委員 貴重な資料と御説明、プレゼンテーションを頂き感謝申し上げます。私からは各論の質問が2つと、1点は提案をさせてください。質問の1つ目は、栃木県の橋本様にお願いします。若年層の高いコミットメントを聞かせていただいて、若い世代がリーダーシップを取っていこう、実績を維持していこうといったマインドが醸成されていることを想像しました。この中で、コロナ禍で社会環境も厳しく、血液が足りないのだとなったときに、呼び掛けるとすぐに集まってくださるという声がありましたが、これは何か、デジタルツールを使っていらっしゃるのか、チャネルがあるのか、伺えたらと思います。
もう一つ、「続けてね、献血カード」もすばらしいと思います。それがアナログのカードでしたので、若い世代にコミュニケーションを取る際の中心は、デジタルのアプリ等を使わないと効かないのではないかとこれまで想定してきたところもあるため、この温度感をご教示いただけるとありがたいです。高校と大学の連携等でうまくいっているケースもあるようですので、アナログの取り組みも期待できる点はあると考えますが、よろしくお願いします。
滋賀県の橋本様からは、推進計画の更新の所を丁寧に説明いただきました。お話になかった点で、滋賀県の資料を拝見すると、若者向けにクリスマスやバレンタインデーに献血をしようと呼びかけるイベントを結構重視されているようで、都内では時折、街頭で見たことがありますが、これが大々的にアピールされて、ここを契機、きっかけにして、一つの大きな機会になっているのかどうかを聞かせていただければと思いました。
最後は、宮川先生もご指摘でしたが、広島の岡田様から説明いただいたように、やはり利用の適正や協力者への敬意や透明性を重視することがとても大切で、持続的に参加をしてくれる要因になるのだなと実感したところです。兵庫県の織邊様からも頂いたように、オペレーションや運営の時期の変更の御提案もいただいたのは、これは地域の事情を踏まえる形で、実際に可能な形にできるかどうかや、対応がなされることがあるのかどうかを聞かせていただければと思います。これは事務局に回答いただく部分かも知れませんが、お答えいただけるところを頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。
○佐々木座長 では、栃木県の橋本さんからお願いいたします。
○栃木県橋本様 田中先生、御意見をどうもありがとうございました。御期待に添えないお答えになるかもしれませんが、全てアナログなやり方です。広報の予算については、もちろんメールマガジンや栃木県の広報として載せられる部分はデジタル的なメディアも使っておりますが、一般的には、例えばFMラジオのスポット広告や、県だけでなく血液センターでも年間で予算を取っている部分もありますので、そこで広報をお願いするとか、その程度の取組です。
それから、「続けてね、献血カード」も紙のカードで、御指摘のとおり、これをスマホのアプリとかにできれば、また少し違ってくる。話し忘れてしまったのですが、栃木県内でしか使えないものですから、高校を卒業した後には多くの学生さんは進学のために県外に出てしまいますので、そういう方にもどうつなげていくかという課題もあります。デジタル化して、地域だけでなく関東ブロック全部で共有できるようなことができればいいなと思うのですが、いかんせん、まだスタートしたばかりということで、まずはこれで効果をみていこうという段階です。以上です。どうもありがとうございました。
○田中委員 ありがとうございます。つながりというのは、アナログのメディアでもできるのだなということを実感しましたので、今後の参考にさせていただきます。また、プラスで、デジタルも何か有効な手立てがあればということで考えてまいりたいと思います。ありがとうございます。
○栃木県橋本様 どうもありがとうございました。
○佐々木座長 滋賀県への質問ということで、よろしいでしょうか。クリスマスなどのイベントでの活用ということでしたが。
○滋賀県橋本様 滋賀県です。若年層の啓発ということで、そういったイベントの時期を捉えて、主に滋賀県としては、滋賀県学生献血推進協議会の皆様に毎年委託業務という形で、啓発の委託を契約させていただいております。その中で、年に3、4回、夏期、秋期はハロウィン、冬期はクリスマスなど、イベントの時期に同世代の大学生自身の推進協議会を構成されている学生の皆様から同世代に向けてキャンパス等で啓発していただいているところです。やはり、同世代からの呼び掛けということで、受け入れてもらいやすい、広めてもらいやすい、あるいは友達を連れてきてもらいやすいといった効果があると聞いておりますし、これからもこういった若年層に向けた啓発は、滋賀県としても継続してまいりたいと思っているところです。
また、献血が可能になる年齢以下の、特に中学生の方々への呼び掛けを図るために、滋賀県としてポスターコンクールを毎年開催しております。ちょうどこの時期ですが、夏休み終わりぐらいまでに、県内に通学している中高生を対象に、献血推進のポスターコンクールという形で応募していただき、審査して、入賞者を表彰して入賞作品を県内のショッピングセンターに展示させていただいているところです。いずれにしても、コロナ禍でなかなか人が集まりにくいという時期の問題もありますが、おおむねイベントや展示などは好評を頂いていると伺っております。これからも、そういった活動を継続していきたいと考えているところです。以上です。
○田中委員 ありがとうございます。イベントは、運営側に同世代の人を入れると効果的であるという魅力のノウハウを教えていただきましたので大変参考になりました。それから、ポスターは小さいお子さんが描く漫画のようなイラスト、かわいいものが選ばれていると承知しており、小さなお子様からシームレスな切れ目のないコミュニケーションができているということがよく分かりました。ありがとうございます。
○仲島血液対策課長補佐 事務局から1点、日本赤十字社さんに確認させていただきたいことがあります。ツールのところで、先ほどアナログであったりデジタルであったりということで、今は「ラブラッド」の関係で新しいアプリケーションなどが始まるというような話を聞いているのですが、よろしければ、その辺りの情報を伺えますか。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 日本赤十字社経営企画の松田です。今お話のありましたアプリについては以前よりお話を聞いているかもしれませんが、日赤専用の「ラブラッド」というアプリがあり、こちらを今回大々的に運用を変えていくということで進めているところです。
実際には、今月末から献血カードをアプリで対応できることとなり、献血カードを全面廃止するということではなく、携帯のアプリで献血カードの代わりとして対応できるということで導入するところです。このメリットとしては、受付の短縮化や混雑緩和と受付処理の軽減、それから問診についても従来は献血会場で行わなければならなかったのですが、献血当日であれば事前に献血会場来場前に問診回答ができるということからも、先ほどお話したように献血時間の短縮というメリットがあります。そういったことから全国一斉に9月末にスタートを切るというところで進んでおります。
○佐々木座長 最後に、オペレーションの時期について、宮川先生からもございましたが、これについて事務局からお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 宮川先生、田中先生から、それぞれあったかと思います。まず広島県の場合は、献血推進委員会の必要性をよく踏まえてというところもあったかと思います。それから、これを作成する時期について、計画を作る段階がいつというように決まってきてしまっていることも確かにあります。それを早めるというところを検討できるのであれば検討したいというところはあります。早めることで、皆さんに負担がかからないのであれば、そこは検討する余地はあるのではないかと考えております。
それから、滋賀県からの御発言の中で、計画を作っているときに一旦コミットして、変更があれば再度、またやると。コミットするというところまでは、国で示さないまでも、そういうことで県の中で取り決めてやっていただければ、そこは県の独自性ということでよろしいのではないかと思うところはあるのですが、そういうことはできないことになってしまうのでしょうか。
○佐々木座長 滋賀県さんへの御質問ですか。滋賀県さん、いかがでしょうか。
○滋賀県橋本様 滋賀県ですが、計画のコミットメントについては、恐らく兵庫県さんが発言されたのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
○仲島血液対策課長補佐 すみません、兵庫県です。失礼しました。
○佐々木座長 すみません、兵庫県さんからお願いできますか。
○兵庫県織邊様 県の中で運用を変えて取り扱っていけば可能であるという理解でよろしいですか。
○仲島血液対策課長補佐 国からこの時期にやってくださいということでなくても、一旦、協議会で計画の時点でコミットしたということになればいいということであれば、それはそれで、実行上、運用上できるのではないかと思うところなのですが、それはいけないことでしょうか。
○兵庫県織邊様 一番懸念しているのは、最大の審議事項である、いわゆる献血の計画と広報、そのうちの前者を確定していない段階でやってしまって、もちろん変更がなければそれでいいと思うのですが、変更があった場合には、もう一度手順を踏まないといけないのかなと思います。その部分の現実的な変更がない場合が多いのですが、その部分についての懸念があったということです。
○仲島血液対策課長補佐 分かりました。
○佐々木座長 よろしいでしょうか。次に土田委員、お願いいたします。
○土田委員 土田です。音声は聞こえてますでしょうか。
○佐々木座長 はい、聞こえております。
○土田委員 ありがとうございます。皆様、御説明をいろいろとありがとうございました。質問というわけではないのですが、先ほど、滋賀県さんのお話の中にあった学生のキャンペーンの実施などについて、補足というか、学生の目線からどのようなことをやっているのかについてお話をさせていただきたいと思い、挙手させていただきました。
今年度もクリスマス献血キャンペーンを学生の中でやることが決まっていて、学生の中でクリスマス献血キャンペーンに向けたスローガンや記念品などを、現在、準備中です。記念品は、今年はスープやレトルトのソースなどを組み合わせたものを配ろうかなと思っており、それに併せてSNS等でのキャンペーンの告知や、キャンペーンを実施する中でもいろいろな企画等を考えている状況です。若年者の献血者数を増やすのに、いろいろと学生が一丸になって取り組んでいる状況ですということをお伝えさせていただきます。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。あと、武田先生が先でしたか。武田先生、お願いします。
○武田委員 武田です。よろしくお願いいたします。まず、全体の議論の大きな方向性のところです。今、献血推進計画を都道府県で作っていただいていますが、何か、それを作るためにどうするかという、少し狭い議論になっているのかなと感じています。これは目的ではなく、目的はやはり、今後も血液の安定供給をしていく上で、献血をどのように都道府県と国と日本赤十字社の3者が一体になって進めていくか、ここのところが重要だと感じています。その上で、都道府県に献血推進計画を作っていただく、それをどのように位置付けていくかを国のほうで、もう少し大きな視点といった辺りをきちんと示していただきたいというのが、まず1点目です。
もう1つは、実務的な話をこの場でやっても時間ばかり過ぎてしまいますので、今日は、折角、4つの県の方にも来ていただいていますので、この推進計画があることで、県の中で献血を推進していく上でこのように役に立っているとか、むしろ、こういうふうにしたほうがもっとうまく推進していけるのではないかなど、先ほどのそれぞれのお話の中でも少しあったかと思うのですが、そうしたところを、それぞれの方から端的に教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○佐々木座長 ありがとうございます。まず、事務局からよろしいですか。
○仲島血液対策課長補佐 事務局から回答させていただきます。献血を推進する上での目的が抜けているという御指摘ですが、大きな視点で国から示してほしいということでしたので、その点については検討させていただきたいと思います。
○佐々木座長 続きまして、より前向きな方向での御意見ということで、もしございましたら、各県のほうから御回答いただけると有難いのですが。順番に指名させていただいてよろしいですか。栃木県さんのほうからは、いかがでしょうか。
○栃木県橋本様 栃木県でございます。すみません、栃木県の献血推進計画は事務的に負担かといいますと、正直、それほどでもといいますか、いずれにしても我々栃木県は県として、どういうところが弱いのかを分析して、どういうところに集中して啓発するのかということを、計画が義務であろうがなかろうが、案というものは作るべきものですので、予算の段階で、予算を取るに当たって説明すべき文書として同じようなものを作りますので、前向きに、こういうところが弱くて、今後はこういうふうにやっていくということを、いずれにしろ作るところです。すみません、少しお答えになっていないかもしれませんが、栃木県としては以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。続きまして、滋賀県さんのほうから、いかがでしょうか。
○滋賀県橋本様 滋賀県でございます。当県におきましても、当初、御説明させていただきましたとおり、啓発事業等については、次年度予算を編成する段階で、これまでの実績を踏まえた上で、来年度はどういったところをメインターゲット、重点相当と位置付けて、どういう啓発を行っていくのか、予算を伴うものについては、そこで可視化をして財政当局に説明をして、予算を獲得ということで動いているところです。従いまして、実態としては、特にこの計画に基づいて何かをしているということはないというのが正直なところです。啓発事業がありましたら、その都度、関係する団体や個人の皆様に様々なツールで通知を行って、協力の呼び掛けをさせていただいておりますので、その際も、改めてこの計画があるからこういうことをしていますということを繰り返し使っているのは、現状の実務の上では適用していないというところになります。滋賀県からは以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。兵庫県さんのほうはいかがでしょうか。
○兵庫県織邊様 先ほども御説明させていただきましたように、献血推進協議会は翌年度の目標量の審議が中心にどうしてもなってしまっているので、もう少し、年度の中頃ぐらいの都合のいいときに会議をしまして、今、御提案がありましたが、本来この協議会で審議すべきところ、兵庫県で言いますと、パーセンテージで若年者の献血率が、50代・60代のほぼ半分ぐらいになっております。大体、50代・60代は7%前後なのですが、若年者が3%後半となっております。この部分については、SNSを通じた広報など、本来もっとも審議すべき内容にフォーカスを当てて検討してまいりたいと考えております。実際、協議会ではそういったことも審議されておるのですが、どうしても年度末のノルマ的な会議になってしまいますと、その辺のバランスが失われてくるというのが、今、本県の最も懸念するところでございます。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。広島県さん、よろしくお願いします。
○広島県岡田様 広島県の岡田でございます。私どもでは、先ほど申し上げましたように、やはり献血の推進計画を県として作ることの意義は感じているところです。計画があって、それを審議していただく、その中で意見を頂戴するというところが大事ではないかと思っておりますので、献血計画については必要ではないかと考えております。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。武田委員、よろしいでしょうか。
○武田委員 皆様、御回答いただいてありがとうございます。是非、国のほうで、どのような方向でやっていくのが、献血推進のためにより良いのかというところは、またコミュニケーションを取っていただきたいと思います。ありがとうございます。
○佐々木座長 ありがとうございました。続きまして、順番が分からなくなってしまったのですが、柑本委員からお願いできますか。
○柑本委員 柑本でございます。本日は貴重な御報告をありがとうございました。幾つか質問をさせていただきたいのですが、もう既に先生方がいろいろお聞きくださったので、なるべく重ならないように質問させていただきたいと思います。
まず、事務の負担量が指摘されていたかと思うのですが、例えば広島県は、担当者として専従者1名、そして補助者1名を置くとおっしゃっていました。ほかの都道府県ではどのような体制で、この推進計画に携わっていらっしゃるのかを、一つ教えていただければと思います。
それから、献血推進計画を策定するためには、国の献血推進計画によりますと、献血推進協議会を設置し、計画を策定するということが計画の「第2-1」に書かれているわけですが、その献血推進協議会の各県における役割について、もう少し具体的に教えていただけると有難いです。
それから、もう1点ですが、令和2年8月27日に厚生労働省医薬・生活衛生局長から各都道府県知事宛に「法律の一部改正について」という通知が発出されておりまして、その中で、献血推進計画の記載事項が、第2-1-(1)の所に書かれています。都道府県献血推進計画において、おおむね、当該年度に献血により確保すべき血液の目標量、献血に関する普及啓発その他の血液目標量を確保するために必要な措置に関する事項、その他献血の推進に関する重要事項を定めるものとしていただきたいことというような文言があります。この記載を見ますと、国によって大枠を定められているものの、都道府県には、その中でかなり裁量というものがあるように私には思えるのですが、先ほどの御意見を伺っていますと、なかなか都道府県には裁量がないというようなことをおっしゃっている方もいらっしゃいました。その点についてはどういうふうにお考えでいらっしゃるのか、各都道府県に改めてお伺いしたいと思います。以上、3点、どうぞよろしくお願いいたします。
○佐々木座長 ありがとうございます。各県の担当の人員のことと、献血推進協議会の各県での役割、それから献血推進計画の記載事項のことですね。それでは、また栃木県さんのほうからお願いしてもよろしいでしょうか。
○栃木県橋本様 栃木県薬務課でございます。まず、献血の担当の人員ですが、専任の職員が1名と、グループ全体で必要に応じて、例えば功労者表彰などがありますと非常に事務が重くなりますので、そういう時期には担当グループ全員で手伝ったりしておりますので、必ずしも何人分の事務量があるというのは計りにくいところです。通常ですと、広島県さんと同じように、主担当1名と、補助する担当1名という程度です。
献血推進協議会の役割ですが、やはり献血の必要採血量というのは、どうしても、割り当てているわけではないのでしょうが、うちの場合は関東ブロックに割り当てられたものをブロック内の血液センターが協議して割り当てを決めているかと思われますので、なかなか動かしにくいというのが正直なところです。
すみません、3番目の質問は何でしたか。
○柑本委員 すみません。各都道府県の献血推進計画において記載しなければならない事項というのは、かなり大まかなものになっていまして、その中で各都道府県がそれぞれの地域の実情に応じたことを書くことができるのではないかと、かなりその裁量に任されている部分もあるのではないかと思うのですが、その点については、どのようにお考えでいらっしゃるのかということをお尋ねさせてください。
○栃木県橋本様 ありがとうございます。やはり、啓発の部分については、いろいろ各県で、どこを重点的に啓発するかという事情があると思われますので、文字に落とし込むと数行なのですが、栃木県の場合は、こういう取組をやりましょうというのはもちろん、自由に、これをやったほうがいいというのは記載しております。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。続きまして、滋賀県さんのほうからお願いしてもよろしいですか。
○滋賀県橋本様 滋賀県でございます。滋賀県の献血の担当者の状況ですが、当県については献血の専任というわけではなくて、今年度は薬務課で献血事業を担当しておりますが、担当者は他の業務と並行して、今年度の場合は薬務課の予算担当と献血事業とを担当しているというような事情があります。そういう意味では、誰か職員を献血事業専任でという体制はとられておりません。
献血推進協議会の役割ですが、こちらは血液をきちんと確保していくために、献血の重要性について広く県民の方の意識を高めることを念頭に置いて、そういう理念で設置されており、献血思想の普及の啓発や、その他必要な事項などを審議していただいている状況です。
推進計画の中で、それぞれの地域の実情に応じて裁量を発揮できる部分、栃木県さんもおっしゃっておられましたが、広報に関することなどは県独自の取組を落とし込んで比較的書きやすいところですが、やはり目標数は先ほどから繰り返し発言がありますが、ブロックでの目標数が定められて、それが各都道府県の目標になっている事情もありまして、そのタイミングで滋賀県が独自に目標数をもう少し増やすとか減らすというのは、なかなか推進計画を図っている段階では、周辺の他県への影響を考えても難しいのが実情であろうかと思います。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。続きまして、兵庫県さんから、お願いできますでしょうか。
○兵庫県織邊様 本県におきましても血液担当者は兼務であり、1人を張り付けることはできておりません。ほかの造血幹細胞移植や各種補助金の業務も兼務しておりまして、感覚的に言いますと、0.5人ないような感じになっていると思います。
各都道府県の裁量については、兵庫県としても滋賀県さんのほうからあったように、やはり献血の目標の部分については、裁量の部分が余りないように従来から感じておりましたので、もし、柑本先生から御提案がありましたように、裁量のほうを認めていただけるということであれば、もう少しいろいろな事務がスムーズに行くのではないかなと感じます。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。最後に広島県さんから、よろしくお願いします。
すみません。広島県の岡田さん、ミュートが外れていないようです。
○広島県岡田様 どうも失礼いたしました。広島県の協議会の役割から回答いたします。協議会としましては、先ほども申しましたように、広島県では献血推進審議会という形で設置しておりまして、献血推進計画は県としての計画案を審議いただき、それについての答申を頂くという形で付属機関として設置しております。ただ、先ほどから、他県様もおっしゃられているように、3月に審議会を開催せざるを得ないというところがありますので、その翌年度の事業については、決まった段階で案を諮るという形にはどうしてもなっているという状況はございます。
県の裁量については、おっしゃられるとおり、自由に書けるのではないかとは思っております。ただ、先ほど他県さんもおっしゃられているように、血液の確保量等については、そこで修正するのは難しい状況かとは思いますが、来年度については、サミットの関係もありますので、血液センター様と協議させていただきたいと考えているところでございます。以上です。
○佐々木座長 どうもありがとうございました。柑本委員、よろしいでしょうか。
○柑本委員 ありがとうございました。大変、よく分かりました。1点、推進協議会のことについて、兵庫県の方にお尋ねしたいのですが、よろしいですか。
○佐々木座長 はい、手短にお願いできれば。
○柑本委員 はい、すぐに終わりにします。兵庫県では、推進協議会は年に何回開かれてらっしゃるのでしょうか。
○兵庫県織邊様 年に1回です。
○柑本委員 1回ですか。というのも、推進計画を拝見しますと、先ほども御報告の段階でおっしゃってくださっていましたが、「骨髄等ドナーの確保及び臍帯血の質の向上」というところを非常に詳しく書かれていらっしゃって、4ページにわたる記載があるのですね。こういったことも、年に1回の推進協議会の中で御検討されているということなのでしょうか。
○兵庫県織邊様 はい、そうです。
○柑本委員 はい、分かりました。どうもありがとうございます。以上で、私からは終わりにさせていただきます。
○佐々木座長 ありがとうございます。最後に、時間をお待たせして申し訳ありませんでしたが、喜多村委員からお願いいたします。
○喜多村委員 大阪市こころの健康センターの喜多村です。聞こえていますでしょうか。
4つの県と、関西広域連合を代表して御発言いただいた内容を聞いていますと、血液法の趣旨はよく御理解いただいているように感じました。
その上で、私の意見としては、やはり血液法に基づく推進計画や協議会の設置であるので、廃止というのは無理ではないかなと思います。次の論点は何かと申しますと、兵庫県さんの方から出たのは、裁量権の問題かと受け取りました。目標値の設定プロセスの形骸化により、審議の内容も意味のないものと化しているので、この辺を改善したいという御意見と受け取りました。これは非常に前向きな御意見だと思われます。この辺については、厚労省から時期を早めることも可能か検討いただけるというお話もありましたし、あとは、目標値の設定のときに需要量のデータがないということですが、前年度の実績や数年前からの推移などといったものを使って計画を立ててもいいというある程度フレキシブルに対応できるような通知が厚労省からあれば、もう少し精神的な負担感は減るのかなと感じました。
大きな目標である献血量の目標値設定はしていかないといけないことだと思います。地方分権改革に寄せるとすれば、もう少し独自の取組のような柔軟性を持たせることも可能かと思います。
あと献血の人数や目標値をなくしてはどうかという御意見がありましたが、個人的にはそれは無理かなと思います。
それから、栃木県さんの「続けてね、献血カード」ですが、これはアナログと謙遜しておっしゃいましたが、すごく良い取組で、是非、これを日本赤十字社のほうで「ラブラッド」に連携するようなことも御検討いただければと思っておりますし、他の県でも、手軽なカードのほうが高校生にはとっつきやすいかもしれませんので、参考にしてもらえればいいかと思いました。以上が私からの意見です。御参考ください。
○佐々木座長 喜多村委員、御意見をどうもありがとうございました。ほかの委員から、何か御質問、御意見等はございますか。よろしいでしょうか。
では、どうもありがとうございました。献血推進計画の在り方の議論の方向性を示す上で、非常に実りある意見交換となったかと思います。4県の血液事業担当者様には、御参加いただきまして誠にありがとうございました。事務局においては、今回の意見交換を踏まえまして、次回の献血推進調査会で、都道府県献血推進計画の策定義務について、当調査会としての結論が出せるように、案の検討をお願いできればと思います。
では、議題2に移らせていただきたいと思います。議題2「輸出に際しての献血者への説明について」です。資料2について、事務局から説明をお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 事務局から説明させていただきます。資料2-1と資料2-2を御覧ください。資料2-1「輸出に際しての献血者への説明について」から説明させていただきます。安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律、これは血液法ですが、血液法で基本方針というものを定めています。その中で第五第四項に規定する「血漿分画製剤の輸出等」について、献血時の同意書に説明を記載することについて御審議をお願いしたいというところです。
今回、審議していただく経緯としては、本年の2月28日に開催しました令和3年度第2回血液事業部会において、令和4年度の需給計画を審議いたしました。その中で、国内血漿由来の血漿分画製剤の輸出について、国内自給と安定供給の確保に支障が生じない範囲で行うものとされているところで、血液凝固第Ⅷ因子製剤と第Ⅸ因子製剤の輸出計画について了承がなされたというところです。
その第Ⅷ因子製剤については、寄付ということで話がありましたが、第Ⅸ因子製剤については販売を目的としているということで、それに対して御意見があったものです。主な意見としては、真ん中の4つのポツです。1つ目のポツですが、献血者は、献血された血液は国内で使われていくという理解でいる。2つ目のポツは、販売も含めた輸出も考えられること、事前に献血者の方には説明をしておいたほうがよいのではないか。その説明については、国民に対して分かりやすく理解しやすい言葉で整理してはどうかというところでした。
今回、これらの意見に対して、「2.同意説明書の対応案」をこちらで示させていただきました。案として、案1、案2、案3とあります。案1としては、資料2-2「献血の同意説明書」を御覧いただきますと、「献血に御協力いただき」という文章があり、「輸血用血液製剤及び血漿分画製剤の原料」という所の「血漿分画製剤」の前に「国内外の」という言葉を入れて、これで国外ということも読めるのではないかという簡単な案です。
案2としては、「輸血用血液製剤及び血漿分画製剤の原料に使用されます。」という文言の次に、「また、血漿分画製剤につきましては、世界で必要とされる患者さんへ届けるため、輸出されることもあります。」という一文を入れる。
案3としては、四角囲みがありますが、その中の一番下に「国内自給と安定供給の確保に支障の生じない範囲内で、献血血液の有効活用及び海外の患者のアンメット・メディカル・ニーズに資することを目的として輸出されることがあります。」という一文を入れる。こちらは基本方針に書かれている条文をそのまま持ってきていますので、一般的ではない言葉もあるのですが、広く周知されている言葉をここで使ったというところです。
簡単な分かりやすい言葉ということで、こちらとしては案2を考えていたのですが、日本赤十字社から出された案が現在あります。それは、案3と案2を足した形のものになります。内容としては、「血漿分画製剤については、国内自給と安定供給の確保に支障の生じない範囲内で、世界で必要とされる患者さんに届けるために輸出されることがあります。」という案を頂きました。
本日、御議論いただきたいのは、ここに出ている案をもとにして、今後、日本赤十字社さんと調整して、次の調査会には、この同意説明書に入れ込んだ形で示していきたいと考えていますので、委員の皆様方の御意見を頂けたらというところです。説明は以上となります。
○佐々木座長 ただいまの説明について、御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。喜多村委員、お願いいたします。
○喜多村委員 ありがとうございます。まず、質問なのですが、案3を今回入れるとすると、自国内の需要を踏まえた安定供給の確保に支障がない範囲というのは、具体的には、どういう計算をして、どういう制限を設けてやっていくのかという指針が必要ですので、やはり気になってきます。
そして、アンメット・メディカル・ニーズに資するという文言に関しても、先ほど寄付というお話もありましたが、具体的にどういうところに寄付されるのか等が、少し知りたくなるような文言かなと思いました。
そして、国内の自給率のデータを見ますと、結構、輸入にもお世話になっているということが改めて分かります。第Ⅷ、第Ⅸ因子以外のものについても、この同意書の文言に盛り込まれているという理解でよいのか?そうすると、やはり需給のバランスという観点からも、輸出量の制限をかけるということが可能かどうかについて質問したいと思います。
私の勘違いがあるかもしれませんが、要するに、自給量を超えて輸入するような事態が、何も制限がなければ理論的には起こり得るわけですし、献血された方に敬意を表しながら、支障のない範囲で、輸出するという考え方に矛盾する可能性がある。それから、販売で得られた収益は、例えば一部はどこかに寄付等をされるという使い道なのか、あるいは国庫に入るのかなど、その辺の情報を教えていただきたいなと思います。
○佐々木座長 事務局からお願いいたします。
○仲島血液対策課長補佐 まず輸出の制限ということなのですが、まだ一昨年、血漿分画製剤について輸出できるという規定ができたというところで、昨年度の血液事業部会で審議をして計画が承認されたということで、まだ輸出をしているという経緯はありません。特に、第Ⅷ、第Ⅸ以外のものについて輸出しているということは、こちらでは把握していないということが1点となります。輸出実績はないと、正しく言いますと、そうなります。失礼しました。
国内自給の安定供給の確保という話ですが、この血液事業をやっていると一般的には国内自給100%という言葉がよく使われるもので、その100%はどこまでなのか、何を示して100%なのかというのが、すみませんが正直、明確に示せるものは現在ありません。ですから、その言葉に対応するものとして、国内自給と安定供給の確保に支障が生じない、要は国内の患者様を置き去りにして外に出すということではなく、国内においてきちんと使われて、その上で、どうしてもそのロットごとに、要は使用量というのはどうしてもありますので、不要が出てきたものを、いかに有効に使っていくのかというところの議論となりますので、そういうことで考えているというところになります。事務局からは以上です。
○佐々木座長 もう1つ、販売で得られた収益の行方ということについての御質問があったと思います。
○仲島血液対策課長補佐 販売したときのものになるかと思いますが、基本的には、お金儲けをするために販売をするということではなく、あくまでも輸出に掛かるコストや製造に掛かるコスト、その部分というところで見ているものと思います。輸出の件の詳細については、ほかの者から説明させていただきます。
○事務局 事務局の需給専門官の若林です。御質問いただいた件ですが、今、仲島から説明がありましたが、若干、事実と違っている部分があったかもしれませんので、改めて私から説明させていただきます。血漿分画製剤の輸出については、平成30年度に輸出貿易管理令の改正がございまして、そこで血液製剤の輸出については、今までは輸出の承認が必要で、実質的には輸出のできない状況だったのですが、血漿分画製剤については輸出の承認が不要になり輸出が可能になりました。また、平成31年4月改正の血液法の基本方針の中で、国内自給を確保することと、国内での安定供給に支障が生じない範囲内で、海外の患者さんのアンメット・メディカル・ニーズ、医療上の必要なニーズに資すると認められる際は輸出できるということになりました。
ただ、改正後輸出はなかったのですが、令和4年度のいわゆる需給計画を、これは血液事業部会で審議していますが、審議する中で、初めて血漿分画製剤の輸出について企業のほうから計画が出てきました。需給計画の中では血液製剤、血漿分画製剤と血液製剤代替医薬品の両方がありますが、血液製剤の需要と供給のバランスをきちんと数字で示して確認していまして、国内自給を100%達成しているもの、需給バランスを満たして安定供給に支障が生じないと考えられるものについて出てきましたので、血液事業部会の中で輸出を承認することになりました。
今年度に入りまだ今のところは輸出の実績は出ていない状況ですが、順調にいけば今年度内に血液凝固第Ⅷ因子製剤と第Ⅸ因子製剤が輸出される予定です。
利益が出ているかというところの御質問があったと思いますが、輸出のうち血液凝固第Ⅷ因子製剤については、世界血友病連盟様に寄付をするという形になっていますので、利益が出るものではない状況です。第Ⅸ因子製剤については、販売をするということになりますので、企業の中には一定の利益が出るところになります。ただ、国内での献血で確保された血液ですが、その中から血漿分画製剤は様々なグロブリンやアルブミンなどのタンパク質を分画して製造しています。今はグロブリンが一番使われているのですが、グロブリン見合いで献血された血液を製剤化しますと、余ってしまう材料が出てくるということで、その貴重な献血の血液の有効利用という観点から、何度も申し訳ないのですが、一番最初に申し上げた国内の自給を満たしていて安定供給に支障が生じない等の範囲内で輸出ができるということにしたものです。
今年度の需給計画で初めて輸出が出てきたということもありまして、昨年度の血液事業部会で、事前に献血者に説明して同意を得ておいたほうがいいのではないかということで、今回、献血推進調査会に諮らせていただいたものになります。私からの説明は以上です。よろしくお願いします。
○佐々木座長 喜多村委員、いかがですか。
○喜多村委員 そうすると確認ですが、輸出予定は第Ⅷ、第Ⅸ因子製剤のみに限られるという理解で大丈夫なのですか。それは血液事業報告の令和2年度のデータを私は見ていますが、自給率が100%のものに限られているということで、そういう理解でも大丈夫ですか。その辺がはっきり聞き取れなかったので
○事務局 ありがとうございます。聞き取りづらくて申し訳ありませんでした。今年度の輸出の予定で、承認されている血漿分画製剤の輸出については、血液凝固第Ⅷ因子製剤と第Ⅸ因子製剤のみになります。よろしくお願いします。
○喜多村委員 では、過去もそういうのはなかったということですね。
○事務局 過去はございませんでした。今年度初めて、輸出について計画されました。
○喜多村委員 すみません、私が勘違いしていました。分かりました。では、あとは文言の問題です。アンメット・メディカル・ニーズと言う表現は適切なのかどうかの判断も難しいし、バランスを取りながらやっていくという考え方とは相いれない部分もある。案2が適当かなと思います。以上です。
○佐々木座長 喜多村委員、ありがとうございました。ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。
○宮川委員 前回の令和3年度の第2回の血液事業部会のほうで、武田委員から非常に的確に、御説明していただいたり、御質問いただいたりしたところがあるので、もう一度、武田委員から、この事情のことも含めて、少しお話いただけると整理ができるのではないかなと思いますので、座長よろしいでしょうか。
○武田委員 宮川委員、ありがとうございます。武田です。よろしくお願いいたします。こちらは前回、議論させていただいたときに、海外では、多くが有償採血という形で血漿分画製剤が作られています。そういうところについては輸出をされるということについても、ある程度の理解が得られるというか、有償採血の中で作られた製品が出ていくことというのは理解されているところかなと思っています。
ただ一方で、日本では善意の献血ということで、皆様から頂いた血液であるという中で、今後、輸出が今、検討されていて、今年度にも輸出がされるかもしれないという状況の中できちんと事前に説明をしておくことが必要なのではないかということで、前回の議論の中で、こちらからお話をさせていただいたというところになります。現在、こうした形で、今、案のほうも作っていただいたのですが、私としては、案3の前段の部分、「国内自給と安定供給の確保に支障の生じない範囲内で」という、この文言は非常に重要な文言だと思っています。フリーハンドで海外に出せるということではなくて、きちんと国内で使っていく、国内自給をし、安定供給をしていくために献血を進めている。かつ、その中で、どうしても余剰として余ってしまう部分がある。そうしたものを有効活用していくために輸出ということが検討されているということでしたので、この前段を使っていただきながら、先ほど日本赤十字社からも、案2と案3を組み合わせたような形でという御意見もありましたが、そうした形で検討いただければと、私のほうでは思っています。ありがとうございます。
○佐々木座長 武田委員、ありがとうございました。田中委員、お願いいたします。
○田中委員 田中です。今、武田委員から明確に御説明いただいて、私も賛同するところです。そもそも、ここは誤解がないようにしておけばということと、献血をすることで、誰かの役に立つ、その役立ち方の部分は、専門家の方が適切に決めてくださるという部分もあるかと思いますので、それがあるという前提を多くの人に知ってもらう必要もあるのかなと、これを機に思いました。日本赤十字社のほうで血液の行方などを書かれていますが、そこが割と簡潔かつコンパクトに書かれていて、ふんわり書かれているイメージもあります。どんな病気のときに輸血者に輸血されるのか、が明記されていて、同時に、例えば血液から薬が作られる情報は余り記されていないように見えます。表現は難しいですが「余ってしまった」血液はどうなるのか、無駄になってしまうのではないかといった懸念や質問には端的に容易には答えられないところももちろんあると思いますが、皆さんに協力をしてもらい、適切な形で活用しているスタンスや姿勢みたいなことを、改めて分かりやすくまとめておくことが大切ではないかと思いました。その上で、先ほど武田先生がおっしゃった表現にしておくことが、今後の透明性にも資するようになってくるかなと思います。よろしくお願いいたします。
○佐々木座長 田中委員、ありがとうございました。
○宮川委員 日本医師会の宮川です。今の武田委員からもお話があったように、ここは献血というシステムという言葉の概念の中で考えているので混乱します。日本の場合は献血という言葉を使っているので、その血液を頂いた方に誤解のないようにしっかり説明する必要があります。血液を売買するということではない日本の制度の中で、このように血液をやり取りをする場合、それから海外に人道的な意味合いも含めてですが、御利用いただく場合にもしっかりとした御説明をするということが必要です。武田委員がおっしゃったことをしっかりと理解して、その文言の中に盛り込んでいくということが必要ではなかろうかと思っています。以上です。
○佐々木座長 宮川委員、ありがとうございました。柑本委員、お願いいたします。
○柑本委員 ありがとうございます。柑本です。まずは事務局にお尋ねしたいことがございます。この血液製剤の輸出というのは、50年ぶりに輸出解禁がなされることになったというニュースが、2017年の暮れぐらいに流れていたかと思いますが、そのことで間違いないのでしょうか。血液製剤の輸出が認められるのは半世紀ぶりとなると、OKになって、そして、その議論の過程の中で、こういった血漿分画製剤の輸出についてというような話が出てきたという理解で間違いないでしょうか。
○佐々木座長 事務局、よろしいですか。50年ぶりに、これが解禁されたという理解でよろしいかということでしたが。
○事務局 事務局です。御質問ありがとうございます。すみません、今、50年ぶりという記事のことというのを、今すぐに正確にお答えすることは難しいのですが、ただ、血漿分画製剤の輸出がずっと承認制で、実質的には輸出がされていなかったところが、平成30年度の輸出貿易管理令の改正で、輸出の制限がなくなりましたので解禁となったということです。
○柑本委員 ありがとうございます。もし、私が言っていることと、事務局の言っていることが同じだとしたら、多分そのときの議論というのは生産過程で余った未利用の中間原料で、海外患者への貢献を目的とするものに限って輸出できるようにするといったようなこと、更には、やはり国内の自給と安定供給の確保に支障の生じない範囲というようなことが、確か議論されていたはずです。したがいまして、先ほど武田委員もおっしゃっていましたように、やはり国内自給と安定供給の確保に支障の生じない範囲というようなところは明記していただきたいと思います。私個人としては、この同意説明書の対応案については、これはやはり血液製剤の有効活用ということですので、最下段に一文を挿入するというような形で、文言自体このままでいいかどうかということは、更に検討が必要だろうと思いますが、先ほどの一文を入れていただいた上で示していただきたいと思います。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。次に松本委員、お願いいたします。
○松本委員 すみません。今、柑本委員がおっしゃられたことは、これは全て、そのとおりだと僕は認識していますし、そういうふうに聞いています。50年前、どうしてこれが禁止されたかという経緯は、僕もきちんと把握はしていませんが、ベトナム戦争のときに米軍に対して後方支援として、輸血というか血液が輸出されたことが問題になって、輸出が完全にストップされたと聞いています。ですから、それで50年ぶりということになっているという認識です。
それから私自身の意見ですが、献血者に対する説明に2つ考えがあって、1つはもう輸出もあるという意味で案1のようにさらっとした形も1つかなと思いましたし、あるいは、もっときちんと説明すべきという2つがあるというように思っていたのですが、先ほどからの議論をお聞きしていて、やはりきちんとした説明、特に安定供給には支障がないという説明をするということで、日本赤十字社さんのほうが別案を出されていましたが、それが一番、話を聞いていると近い形なのかなというように思いましたが、いかがでしょうか。アンメット・メディカル・ニーズというのは少し話として難しい表現だなと思いますので、この辺りを少し除いた形で、分かりやすい文章を使うのがいいかなと考えています。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。村井委員から手が挙がっていますので、お願いいたします。
○村井委員 少し皆さんとは視点がずれてしまうかもしれませんが、また、国内外は関係なく考えることとは思いますが、高校生に対して、血液は造ることができないものであり、献血の協力がないと足りなくなってしまうという話をして献血推進をしているところですので、案2と案3をミックスしたような形で、国内自給と安定供給の確保にも支障がないという一文を入れていただいたほうが、高校生は納得するような気がします。以上です。
申し訳ありません、ここで退室させていただきます。失礼します。
○佐々木座長 ありがとうございました。ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。
○宮川委員 日本医師会の宮川です。今の御意見は非常に大事なことで、やはり教育ということが非常に大事だろうと考えています。いろいろな困った方に、治療という形の中で血液のいろいろな製剤やさまざまな成分が必要となる中で、必要成分に偏りが出てきてしまうことを知っていただくことが重要です。最近は遺伝子組換え製剤が出てきて、医療の現場でそういうところが求められるというところがあって、さらに偏りが出てきてしまっているということを、献血していただける方々、若い方々にもしっかりと伝えていかなければなりません。しっかりと私たちも適切な文言をこれからも一緒に皆さんで考えていければなと思っています。以上です。
○佐々木座長 ありがとうございます。ほかの委員の先生からは、いかがですか。
すみません、1点私から質問させていただいてもよろしいですか。「血漿分画製剤については」ということなのですが、この献血の説明のときに、一般の方は血漿分画製剤とそれ以外の違いというのは、もしかしたら分からないかもしれないですが、その辺のところについてはどのような説明がされているのかというところを、改めて教えていただけると有り難いのですが。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 日本赤十字社の経営企画の松田です。今、お話いただいた内容については、以前は輸血用ということで、主に献血者の方にお話をさせていただいていたところなのですが、近年は輸血用血液以外に血液中の成分である血漿から分画製剤が造られることも、献血にご協力いただく皆様方にはそのようなお話をさせていただいているところです。
○佐々木座長 何か、簡単な説明というか、その違いの説明のようなものは。
○日本赤十字社血液事業本部松田次長 今お話したように、献血血液は輸血用の血液と、血液の血漿から造られる血漿分画製剤があることを、国民の皆様には御理解頂けるようにホームページ、掲示物やパンフレット等に載せており、広く広報にも取り組んでおります。
○佐々木座長 分かりました。ありがとうございました。松本委員、お願いいたします。
○松本委員 ここの議論でも一部あったかと思いますが、血漿分画製剤というふうな形で一絡げにして考えてしまうというところもあるので、血漿分画製剤の中で、特に今は免疫グロブリン製剤の需要が逼迫しているというところがあるのです。やはり、その辺りを献血者に、免疫グロブリン製剤が特に不足しているので、献血時に血漿分画製剤用の原料血液も必要だということを強調するようなことを、何かの形で献血者に理解を得ておくというのは大事なことなのかもしれないですね。意見でした。
○佐々木座長 ありがとうございます。ほかの先生方からはよろしいですか。御議論をどうもありがとうございました。ただいまの議論を踏まえて、事務局で、同意説明書案を作成していただきまして、次回、また調査会に提出していただきたいと思います。
そのほかに、事務局から何かありますか。
○仲島血液対策課長補佐 次の調査会は、10月24日(月曜日)を予定しています。以上です。
○佐々木座長 委員の先生方からは、何か御発言はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。本日の議題は以上です。これで終了したいと思います。また次回も、よろしくお願いいたします。