第41回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 議事録

健康局 予防接種担当参事官室

日時

令和4年11月18日(金) 13:00~14:00

場所

WEB会議にて開催
(厚生労働省 専用第21会議室:東京都千代田区霞が関1-2-2)

議事

議事内容
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 それでは、定刻を過ぎてしまいましたが、これより第41回「厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会」を開催いたします。
本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
本日の議事は公開でございます。
また、前回同様、議事の様子はユーチューブで配信いたしますので、あらかじめ御了承ください。
なお、事務局で用意しているユーチューブ撮影用以外のカメラ撮りは、議事に入るまでとさせていただきますので、関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。
また、傍聴の方におかれましては「傍聴に関しての留意事項」の遵守をお願いいたします。
なお、会議冒頭の頭撮りを除き、写真撮影、ビデオ撮影、録音することはできませんので、御留意ください。
続きまして、本日の出欠状況について御報告いたします。
池田委員、全国町村会伊藤委員、川俣委員、合田委員、中野委員、中山委員から御欠席の連絡を受けております。
このほか、現在、坂元委員が遅れておりますので、現在、委員17名のうち10名に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令第7条の規定により、本日の会議は成立したことを御報告申し上げます。
続きまして、本分科会では、被接種者や保護者の方の意見を施策に活用することを目的に、公募により選考した参考人にも参画いただいております。
前回までの一般参考人の任期満了に伴い、選考を踏まえ、今回、以下のお二人に参画いただいておりますので、御紹介いたします。
お1人目が、丹下由紀子参考人でございます。
もう一人が、日野麻美参考人でございます。
続きまして、本日の資料の確認でございますが、本分科会の資料は、あらかじめ送付させていただいた電子ファイル及びお手元のタブレット端末で閲覧する方式で実施いたします。
資料番号01の議事次第及び委員名簿から、資料番号20の利益相反関係書類までを用意しております。
資料の不足等、御不明な点がございましたら、事務局にお申し出ください。
それでは、申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
それでは、ここからの進行は、脇田分科会長にお願いいたします。
よろしくお願いします。
○脇田分科会長 それでは、今日もよろしくお願いします。
それから、今日から新たに2名の一般参考人の方に参加していただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
では、まず、事務局から審議参加に関する遵守事項等について、報告をお願いします。
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 ありがとうございます。
事務局でございます。
審議参加の取扱いについて、御報告いたします。
本日御出席いただきました委員から、予防接種・ワクチン分科会審議参加規程に基づき、ワクチンの製造販売業者からの寄附金等の受け取り状況、薬事承認等の申請資料への関与について申告いただきました。
各委員及び参考人からの申告内容については、資料番号20の利益相反関係書類を御確認いただければと思います。
本日は、議事に関し「退室」や「審議又は議決に参加しない」に該当する方はいらっしゃいません。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も御確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようよろしくお願いいたします。
報告は以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、議事に入ってまいりたいと思います。
1つ目の議題ですが、組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン、いわゆる9価HPVワクチンについてであります。
本ワクチンの定期接種化につきましては、これまでワクチン評価に関する小委員会、予防接種基本方針部会において議論が行われてきました。
11月8日に開催されました基本方針部会において、来年度からの定期接種化等について了承されたところであります。
また、11月11日の副反応検討部会では、本ワクチンの定期接種化に伴う副反応疑い報告基準についても議論が行われました。
本日は、それらの部会での了承事項を報告していただいた上で、本ワクチンの定期化に向けた今後の対応についての説明が行われることになっております。
まず、事務局から説明をお願いいたします。
○井本評価分析専門官 ありがとうございます。
事務局より、資料1、9価HPVワクチンについての御説明をまず申し上げたいと存じます。
右下のページ数でお示ししてまいります。
2ページ目でございますが、資料の構成を報告事項と諮問事項に分けてございます。
報告事項といたしまして、今、分科会長から御発言がありましたように、本ワクチンの定期接種化の議論の経緯と、基本方針部会などにおける了承事項について御報告申し上げた上で、諮問事項として、定期接種化に向けた今後の対応と、関係法令の具体的な改正案について本日お諮りしたいと考えております。
ページは飛びまして、4ページ目でございます。
本ワクチン、9価のHPVワクチンの概要をお示ししてございます。
ワクチン評価小委員会で取りまとめられました報告書で、本分科会の参考資料1-3としてお付けしておりますものを基に作成したものになります。
上の枠内に記載のとおり、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症を予防する9価のHPVワクチンは、子宮頸がんの発生に関連するウイルスのうち、現在、定期接種で使用されているものが2価、4価となりますが、これらよりも多くの9種類の遺伝子型を標的にしております。それによって、子宮頸がん、そしてその前がん病変の罹患率、死亡率の減少が期待されるものとなってございます。
5ページ目でございます。
本ワクチンに関するこれまでの経緯をお示ししております。
本ワクチンは、令和2年に製造販売承認され、その後、厚生科学審議会のワクチン評価小委員会におきまして、国立感染症研究所に御作成いただきましたファクトシートに基づいて論点の整理、議論が行われてまいりました。
本年8月に、小委員会として、本ワクチンの定期接種化について、技術的な懸念はないと結論づけられまして、議論の取りまとめ文書、先ほど御紹介の本分科会参考資料1-3が作成されました。
これを踏まえまして、10月及び11月に、予防接種基本方針部会におきまして、予防接種法の定期接種の対象とするに当たっての具体的な議論が行われ、この後御案内いたしますが、来年度からの定期接種等について御了承いただいたところでございます。
6ページ目でございます。
本年10月、11月に開催されました予防接種基本方針部会における議論のまとめとなっております。
基本方針部会では、このワクチンを予防接種法の定期接種の対象とするに当たって、御覧いただいているような論点について議論が行われました。
まず、(1)、9価HPVワクチンの定期接種化の開始時期は、来年度、令和5年4月からの定期接種化について準備すること。
(2)が、本日の諮問事項に関連するところでございますが、このワクチンの接種方法、標準的な接種期間につきまして、9価のワクチンは、今使われております4価のワクチンと用法・用量、また、用法・用量に関連する接種上の注意における接種間隔の記載が同様となっております。
このことから、関係法令につきましても、4価のHPVワクチンと同様の取扱いとすることについて御了承いただきました。
(3)、(4)は、9価のワクチンと現在使われております2価、4価との交互接種、つまり互換性のこと、そしてキャッチアップ接種において、これは昨年度、この分科会において御議論いただきまして、今年度から3年間で実施しておりますが、HPVワクチンのキャッチアップ接種において、9価も使えるかどうかに関して御議論いただきまして、こちらに記載のとおり、3回の接種ですが、同じワクチンの接種で完了することを原則としつつも、接種の対象者が来年度以降、9価の定期化の後に、9価のワクチンで残りの回数を完了することを希望された場合は、接種されるドクターと相談していただいた上で、9価のワクチンも選択できるという形で御了承いただいております。
(5)の2回接種について。
2回接種というのは、現在、メーカーのMSD社が製造販売承認に向けて申請中でございます。
現状、9価のワクチンは3回接種で製造販売承認されておりますが、海外では、主に15歳未満、14歳までのお子さんで2回の接種が広く実施されております。
このことから、基本方針部会においても2回接種の議論をした上で、こちらは、今、承認申請の独立したプロセスで審査していただいておりますので、承認された後に、速やかに基本方針部会において、定期接種の導入に向けた議論を行うこととすると。こちらについて御了承いただいております。
7ページ目でございます。
先日開催されました、副反応検討部会における議論の内容でございます。
9価のワクチンが定期接種化されるに当たり、現在、現行の副反応疑い報告基準は、基本的に医療機関から御報告いただくものでございますが、この基準は、ワクチンごとではなく、対象疾病ごと、つまり、本ワクチンにおいては、ヒトパピローマウイルス感染症として定められているものになります。
こちらの表でお示ししているものが現行のものになりますが、9価のワクチンについても、添付文書上における重大な副反応の記載が4価ワクチンと同じとなっております。
こちらは、今御覧いただいている資料1の後ろに、参考資料として16~17ページにおつけしております。
また、ワクチン小委員会、基本方針部会でも議論されましたが、9価のワクチンの安全性につきましては、4価のワクチンと比較して、エビデンスレベルとして、接種部位の局所の反応は多いとされておりますが、全身症状の頻度は同程度となっております。
こちらも、この資料の18ページに記載してございます。
これらを踏まえまして、副反応検討部会におきましては、赤枠に記載のとおりでございますが、9価のワクチンを予防接種法の対象として追加するに当たって、副反応疑い報告基準は、引き続き現行と同様の取扱いとすることについて御了承いただいております。
以上が報告事項でございます。
8ページ目からは、諮問事項となります。
9ページ目でございます。
今回、諮問事項として、基本方針部会における結論を踏まえた今後の対応について、関係法令の改正内容についての2点について、諮問させていただきたいと考えております。
10ページ目でございます。
まず、基本方針部会の了承事項を踏まえまして、来年度からの本ワクチンの定期接種化に向けて、御覧のようなスケジュールで関係法令上の必要な手続を進めていくことについてお諮りしたいと存じます。
具体的には、本日、11月18日にこの分科会で諮問した後に、1か月程度パブリックコメントを実施、令和5年1月頃に省令改正についての公布を行いまして、4月1日から施行という流れでございます。
ひとまず、事務局からの御説明は以上となりまして、11ページ目の具体的な改正案につきましては、次の議題も含めて、後ほどお諮りしたいと存じます。
事務局からは、一旦、以上でございます。
○脇田分科会長 御説明ありがとうございました。
9価のHPVワクチンについて御説明いただきました。
ワクチン評価小委員会と基本方針部会において定期接種化についての議論、了承事項について、11月に開催された副反応検討部会における副反応疑い報告基準についての議論と了承事項についてということで報告いただき、基本方針部会における結論を踏まえた今後の対応についての説明がございました。
今日は、基本方針部会における結論を踏まえた今後の対応について御議論いただくことになります。
ただいまありました御報告事項に関する質問を含めて、委員の先生方から御意見があればということになりますが、それでは、よろしくお願いいたします。
基本方針部会では、主には2回接種をなるべく早く導入していただくようにしてほしいといった意見が一番多くあったところです。
それから、交互接種とキャッチアップは、どちらも医師と被接種者がよく相談してということなのですが、ここは医師の判断だけに頼らないようにといった御意見があって、このような表現になっていると思います。
そういったところだと思いますが、委員の先生方、いかがでしょうか。
それでは、白井先生、伊藤先生、釜萢先生、順番にお願いいたします。
○白井委員 枚方市の白井です。よろしくお願いします。
9価ワクチンの効果も含めて、定期接種化の方向性が出たことについては、とてもありがたいことだと思っております。
ただ、これは2価も4価もですが、8年も9年も遅れてしまったことについては、世界的にかなり周回遅れどころではない状況になっておるので、ぜひ推進していただきたいのですが、どちらにしても、今、2価も4価も定期接種としてすぐに打てるような状況になっていますので、懸念することは、9価を定期ワクチンという方向が出たところで、接種控えができるのではないかと言われていると思います。
それについては、2価でも4価でも、できれば4価ということで、子宮頸がんだけではなくて、尖圭コンジローマの予防もできるということでは、今お勧めしたいと思っているのですが、9価を待たずに、4価について、特に若い女性の前がん病変を防ぐためには、子宮頸部の切除をしなくてもいいとか、妊娠とか出産に影響がないような状況をワクチンで防いでおくことが重々大事だと思いますので、この4月とか来年度を待つわけではなく、3か月でも4か月でも早く、できるだけ世界に追いつくような形で、若い女性の健康を守っていく必要があるかと思っています。
WHOでは、2030年までに、これは2回ですが、15歳までの女性に90%以上ワクチン接種率をということで、そういう意味で、2回接種も進めていく必要があるかと思うのですが、そういった形で女性の健康問題として、特に若い女性に対しては、4価を遅れないで、今のうちに打ってほしいと思いますし、もちろん、9価については、その対象の人たち、できるだけ年齢の若い女性というか、子供たちにも接種していただくような啓発をしていく必要があるかと思っています。
取りあえず、以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
9価のワクチンの有効性が高く、定期接種化されるというアナウンスがされて、接種控えの懸念というところですが、年齢がなるべく若いうちに打ち始めていただいたほうが、子宮頸がん予防のためにはよいというところで、コミュニケーションは難しいと思うのですが、厚生労働省には、ぜひそこは工夫していただきたいといった御発言だと思います。
伊藤先生、お願いします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
確認ですが、基本方針部会でも、2回接種が薬事承認された段階で、できるだけ早く進めるということになっていると思うのですが、今回提示された実施規則の改正案を見ますと、改正するためにパブコメが必要だとすると、時間がかかるのではないかという懸念があるのですが、今回の予防接種規則の改正案を見る限り、3回接種を前提にしての文章になっていますが、これが薬事承認された段階で速やかに2回接種に変えることができるのかどうか。
パブコメを経てという形が必要になると、ある程度時間がかかるので、時間がかからずできるかどうかについて教えていただきたいと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
後ほど確認したいと思います。
釜萢先生、お願いします。
○釜萢委員 私も、このような形で、9価のワクチンが来年4月以降、定期接種として使えることは大変よかったと思いますが、一方で、産科婦人科学会、産婦人科医会からも表明が行われているように、接種を受けられる人は、これまで受けたワクチンと同様のワクチン、また、それでなくても、交互接種でもよいわけですが、何しろ速やかにワクチンを打っていただくことが大変必要だという点は、私からも申し上げたいと思います。
積極的な接種勧奨まで時間がかかったことは、大変不幸な結果にはなりましたが、いろいろな経緯の中でやむを得なかった面もあると承知しています。
キャッチアップ接種が今年4月からできるようになったと。しかし、時限は3年間でありますので、その間に、対象になる方にはしっかりと繰り返し情報をお伝えして、接種をきちんとやっていただくことが大事だと、それもなるべく早いうちが大事だということをもう一度申し上げておきたいと思います。
それから、今回は、まだ検討はできていないわけですが、9価のワクチンについては、諸外国でも男性に対する接種も進めている国が少なくない中で、我が国もその検討はぜひ引き続き行っていかなければならないと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
いずれにしても、情報提供が非常に重要だというお話でありました。
坂元委員、お願いします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。
既にほかの委員が言っていることではありますが、9価のワクチンが出るという報道以来、9価のワクチンへの問合せが来ていることと、中には待ちたいという方も当然いらっしゃると思います。
それから、一つ気になるのが、マスコミ報道の内容にばらつきがあって、いわゆる9価のワクチンを歓迎するという書きぶりはいいのですが、そうすると、待つという行為が行われてしまうので、その辺は、厚生労働省としても、今回に限っては、待つことはよくないという意味も含めて、マスコミを対象とした説明会みたいなものをしっかりとやって、もちろん報道の自由はあるのですが、待つことはよくないという意味でなにか報道をしてもらえるように、マスコミへの説明会を具体的なお願いをちゃんとやってほしいと思います。
あとは、やっていただけるとありがたいという話なのですが、市町村への説明会も、多分、いろいろな市民の方の問合せとかが今後出てくると思います。以前から言っているのですが、お医者さんと相談してという書きぶりをどのように捉えるかということもあると思うのです。
先ほど釜萢先生から、日本産科婦人科学会のいろいろなコメント等が出てきて、場合によると、データ不足の面が否めないので、交互接種よりも同一ワクチンみたいな見解が出て、かつ、国から出る文書は、お医者さんと相談してという文章が出て、かつ、市民の方が、私は9価がいいといったときに、その辺は誰が決めるのですか。つまり、接種者がどうしても打ちたいといったときに、お医者さんとしては、十分なデータはないけれども、あなたが打ちたいというなら、私はいいですよとなってしまうのでしょうか。
そうなると、打つ市民の方も混乱を起こすし、先生方も非常に戸惑われると思うので、そこら辺の説明で市町村が同じ回答ができるように、聞かれた市民の方、聞かれた先生から同じ回答ができるように、その辺の説明会を市町村相手に行ってほしいということと、マスコミを集めて、勉強会なりをしっかりとやってほしいという2点を私からお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 産経新聞の佐藤です。
ありがとうございます。
坂元委員の発言に、どうしても一言申し上げなければならないと思いますので、発言させていただきます。
前回だったか、前々回だったかに申し上げましたが、あくまでも広報をきちんとしていただくことが大事であって、報道統制はあってはならないことだと思いますので、厚生労働省におかれては、御専門の方々の意見をまとめて、こういうことを進めるのだということを広報していただくことが大事だと思います。
今、御説明をお聞きしても、大変分かりにくい状況になっており、年度末までは、なるべく早く、打てるものを打ってくださいということですし、4月以降は、交互接種もオーケーだけれども、何をお勧めするかははっきり出ていない。そして、なおかつ、その後、2回接種のワクチンが出てくるという状況です。
分かりにくい結果になったこと自体は、どうにもできなかったのだろうと思いますので、その中で、専門家として、この時点ではこういうことをお勧めしますということを統一感をもって発信していただくことが大事ではないかと思います。
以上です。
ありがとうございます。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
鈴木委員、お願いします。
○鈴木委員 ありがとうございます。
これは質問といいますか、コメントになりますが、まず、諮問内容については、私は賛成させていただきます。
ファクトシートの作成にも携わらせていただきましたので、コメントさせていただきますが、ファクトシートの中では、9価ワクチンの費用効果の分析についても、国際医療福祉大学の池田先生たちのグループに非常に子細に分析していただいております。その結果、不確実な部分もありますが、おおむね費用効果には優れているという結果になっていると理解しております。
基本方針部会の中で、どこまでそこが実際に議論されていたのか、私はフォローできておりませんが、今回の9価の導入は、医療経済学的な観点からも意義のあるワクチンであるということを踏まえての判断であることをしっかりと強調しておきたいと思います。
私からは以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
今、多くの委員の先生方から御意見、御質問をいただきました。
要するに、基本的には、今後の状況が非常に分かりにくいというところで、接種控えの懸念もあり、そこのコミュニケーション、広報をしっかりとしていただく必要がある。それはマスコミ向けでもあるし、市町村、市民への説明もあるといったこと。
それから、伊藤先生からは、2回接種をなるべく早くという中で、パブコメ等で時間がかかるのではないかというところを懸念されているところでした。
では、事務局からレスポンスいただければと思いますが、いかがですか。
○井本評価分析専門官 事務局でございます。
まず、先生方の御意見で多いところの打ち控えの懸念についてでございますが、これまでの小委員会の議論から、基本方針部会も含めまして、打ち控えの懸念は、その都度先生方から御意見をいただいていて、厚労省としても認識しているところではございます。
資料の繰り返しになりますが、まず、9価ワクチンにつきましては、資料の4ページ目に記載のとおりで、既存の2価、4価よりも多くの遺伝子型を標的とする。
そして、鈴木先生からお話がありましたように、費用対効果についても、ファクトシートに書かれているとおり、9価の3回でも、4価の3回に比べて、結果的に費用対効果がいいという算出をしていただいております。
一方で、白井先生がおっしゃっていただいたように、現在、定期接種に使用可能なのが2価と4価。こちらに関しては、昨年度、キャッチアップ接種の議論のときにもエビデンスを整理させていただきましたが、子宮頸がんそのものの予防に有効であると。これはここ数年の最新の知見として示されたものでございます。
また、接種の対象者がなるべく早い年齢で接種することで、子宮頸がんについても高い有効性が得られる。つまり、免疫原性の観点で早い年齢で打ったほうがいいと。そして、何よりもSTD、つまり性感染症でございますので、感染前、つまり性交渉の前に接種することが重要だとされています。
こちらに関しては、キャッチアップ接種も含めて、個々の被接種者の状況は様々でございます。それぞれ適切なタイミングで接種いただくことがまず重要だと考えております。
9価の定期接種化まで6か月を切っております。この期間を長いと取るか、短いと取るか、打ち控えの懸念について、様々な御意見があると。これは今までこの審議会でいただいてきたことでございます。
厚労省として、まず、何より重要だと考えておりますのは、このワクチンのこれまでの経緯も含めまして、客観的かつ適切な情報提供によって、接種対象者、その保護者がワクチン接種について御判断いただいた上で接種する。これが一番の原則かと考えております。
そのため、今後、坂元先生からございましたように、自治体も含めまして、まず、これらの客観的な整理事項、この審議会でいただいた御意見を含めまして、産科婦人科学会等を含めた関係学会も連携しつつ、どういった情報提供の在り方が望ましいかというのは検討事項だと考えております。
あと、打ち控え以外だと、釜萢先生から男性接種について言及いただきましたが、こちらについて、少し詳しく申し上げますと、鈴木先生に座長を務めていただいておりますが、ワクチン評価に関する小委員会で、本年8月から男性接種の定期接種化の是非についての議論が始まったところでございます。こちらに関しては、引き続き、その審議会において、必要なプロセスを取っていくといったことになるかと思っております。
○高橋予防接種担当参事官室室長補佐 続けて、事務局でございます。
伊藤先生からいただきました、2回接種の際の省令改正のスケジュールでございます。
薬事の承認が出た後に、また審議会でも御議論いただいた上で。
○釜萢委員 すみません。また音が聞こえなくなりました。
○高橋予防接種担当参事官室室長補佐 今は聞こえますでしょうか。
聞こえますか。
では、すみません。最初から。
伊藤先生からいただきました、2回接種の省令改正に関するスケジュールについて、レスポンスしたいと思います。
薬事の承認が出た後に、審議会でも御議論いただくという前提の上で、また省令改正を行うことになろうと思っております。
パブリックコメントは、これはこれで法令改正に必要な手続ではございますが、どういう期間を設定するかというのは、一定の幅もございますので、そういったところをどのように設定するかも含めて、できるだけ早く手続が進められるように工夫していきたいと考えております。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
大体今、お答えいただいたところだと思いますが、さらに追加の御意見、御質問等があればと思いますが、いかがでしょうか。
大体皆さんの御意見を伺ったというところでよろしいですか。
それでは、このワクチンの来年度からの定期接種化に向けた今後の対応策は、事務局から示されるスケジュールで関係法令上の必要な手続を進めていくことにさせていただいてもよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、今回の結論としましては、本日の諮問事項について、9価のHPVワクチンの来年度からの定期接種化に向けて、必要な手続を進めていくことを御了承いただいたということであります。
事務局におかれましては、この結論を踏まえた上で、来年度からの定期化に向けた手続をお願いしたいと思います。
関係法令の改正に関する諮問に関しては、この次の議題の後にまとめてやらせていただくということですので、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
それでは、次に移りたいと思います。
議題2、百日せきワクチンを含む混合ワクチンについてです。
これまで、ワクチンの評価に関する小委員会と基本方針部会におきまして、百日せきでリスクの高い乳児における重症化予防の観点から、定期接種における接種開始時期の前倒し、現在、生後3か月からの開始を生後2か月からにすることについて議論が行われました。
10月に開催されました基本方針部会におきまして、来年度からの接種開始時期及び接種スケジュールの変更が了承されました。
本日は、それらの審議会での了承事項を報告していただいた上で、本件の定期接種における変更に向けた今後の方針についての説明が行われることになっておりますので、それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○井本評価分析専門官 ありがとうございます。
事務局から、資料2でございます。こちらについて御説明申し上げます。
右下のページ番号で、1ページ目になります。
先ほどの議題と同様、資料の構成を報告事項、諮問事項と分けております。
報告事項といたしましては、本ワクチンの定期接種化の議論の経緯、基本方針部会における了承事項について御報告申し上げます。
その後、諮問事項として、定期化に向けた今後の対応、関係法令の改正案についてお諮りいたします。
3ページ目でございます。
今回の議題は、百日せきによる乳児の重症化の予防を目的として、これまで厚生科学審議会において議論が進められてまいりました。
百日せきという疾患ですが、乳児期、特に生後6か月未満で罹患すると重篤化しやすいのが特徴となってございます。
現在、この疾患の予防として、主に4種混合ワクチン、こちらは百日せきのほかに、ジフテリア、破傷風、ポリオを予防するものでございますが、4種混合ワクチンとして、生後3か月から初回免疫として、標準的には1か月ごとに3回、そして、1歳半頃に追加免疫として1回と、合計4回の接種が実施されているものでございます。
ちなみに、3種混合ワクチン、4種からポリオがないものですが、こちらについても、現在、定期接種で使用可能となっております。
下に移ります。
本件の検討の経緯でございます。
平成23年に、当時、百日せきの罹患者が青年期以降で増加傾向にあったことから、国内の発生動向をしっかりと把握した上で、当時も既に定期接種として実施されておりました、百日せきワクチンを含む混合ワクチンの追加接種などの対応の必要性を検討するべきであるという形で当時、審議会で議論が行われました。
ただ、当時、百日せきという疾患は、感染症法の第五類、定点把握でございました。すなわち、実際の正確な発生動向が把握しづらかった。
この疾患が全数把握となったのが平成30年以降でございます。
そのため、これから4ページ目以降でお示しいたしますが、平成30年以降に我が国での百日せきの発生動向、重症度が確認され、そこで改めて定期接種における追加接種等の必要性について、審議会、主にワクチン評価小委員会で議論が行われました。
その結果、検討の目的は、冒頭でお示しいたしました、百日せきによる乳児の重症化予防であると。まず、ここが整理され、そのための6つの対応案が提示されました。
以後も、同審議会での審議が行われました結果、本日の議題である、接種開始時期の前倒しについて、小委員会、基本方針部会において、来年度から開始するべきという形で御了承いただいたものでございます。
4ページ目でございます。
百日せきの我が国での発生状況と重症度についての説明でございます。
先ほどお伝えのとおり、平成30年、2018年に全数把握となってから、1年間の発生数を年齢別にお示ししております。
上段のグラフを見ていただきますと、青色の部分でございますが、ワクチンを既定の4回接種済みである7歳前後の学童期の発生が最も多いと。
また、ワクチン未接種の赤色の乳児「0」というところでございますが、ここの発症も多いことが分かりました。
一方で、重症度を見てみますと、まさにこの疾患の特徴ですが、乳児に入院例、死亡例が報告されておりまして、リスクが高いとされる生後6か月未満の症例においては、無呼吸、チアノーゼなどといった呼吸障害が比較的高率に見られることが分かりました。
これを踏まえて、下の赤枠でございます。
ワクチン評価小委員会の議論においては、百日せきワクチンの追加接種等の目的は、この表にあるように、発生のボリュームゾーンである学童期以降の疾病負荷の軽減ではなく、乳児の重症化予防の観点から検討されるべきであると結論づけられたところでございます。
5ページ目でございます。
百日せきによる乳児の重症化予防を目的として、小委員会で整理されました6つの対応案を左の緑の列でマル1からマル6までお示ししておりますが、この対応案と小委員会での議論の結果をまずここで記載しております。
この中で、今回議論となっているのが、赤枠の中のマル3案、現行の接種開始時期である生後3か月から生後2か月への前倒し案については、まず、使用可能な製剤がある。
そして、費用対効果も良好である。
これに加えて、安全性と有効性のデータは、今年3月ですが、小委員会において議論されまして、その上で議論が取りまとめられて、基本方針部会への報告書がまとめられたものでございます。
6ページ目でございます。
この対応案のうち、今回議題となってございます、接種開始時期の前倒し案について、先ほど申しました小委員会での取りまとめ報告書、本分科会参考資料2-2でございますが、これを基にまとめたスライドがこちらでございます。
こちらに記載のように、先ほども申しましたが「使用できる製剤」は、4種混合ワクチンとして製造販売承認上、使用可能でございます。
そして「安全性・有効性」は、先ほど申しましたように、今年3月に開催されましたが、第18回のワクチン小委員会において、現在、5種混合ワクチンが開発中でございます。
こちらは、4種混合に加えて、今も使われておりますHibワクチンが入るものでございますが、この臨床試験のデータを使って、このデータの中に4種混合ワクチンを生後2か月で開始した場合のデータがございましたので、それを小委員会において、非公開ではありましたが、確認した結果、安全性・有効性について懸念がないという形でおまとめいただいております。
そして、真ん中の「乳児に期待できる効果」でございますが、接種を1か月前倒しにすることによって、乳児の罹患者100人程度の減少効果が見込めると。
さらに、この下でございますが、この案の一番いいところでもございますが、追加の接種は必要といたしませんので、乳児の100人を減らすための追加費用は発生しない、非常に費用対効果が優れていると整理されました。
この結果、上の二重の赤枠内ですが、この案については、百日せきによる乳児の重症化予防の観点から、追加接種を必要とせず、そして最もリスクが高いとされる生後6か月未満の乳児の罹患、重症化を減少させることが期待できるとまとめられたものでございます。
7ページ目は、ワクチン小委員会での今の結論を踏まえまして、本年10月の基本方針部会での議論、論点と了承事項のまとめとなってございます。
赤枠内でございますが、了承された事項といたしましては、まず、4種混合ワクチンの接種開始時期は、現行3か月のところを2か月に前倒しすること。
接種スケジュールは、接種時期は前倒しになりますが、その後の初回接種のスケジュールについても、現在開発中である5種混合ワクチンの将来的な導入も考慮して、一緒に入りますHibワクチンの初回接種に合わせる形とすることについて御了承いただいております。
4種混合以外でも、3種混合ワクチン、そして、こちらは単味にはなりますが、4種混合に一緒に含まれております不活化ポリオワクチンについても、製造販売承認上、2か月からの接種は妨げられておりませんので、今回と併せて生後2か月からの接種開始に変更すると。
これらの対応については、来年度、令和5年4月から定期接種における変更をする。
これらについて御了承いただいたところでございます。
次のページからは、諮問事項の御説明に移ります。
9ページ目でございますが、諮問事項として、先ほどの議題と同じでございますが、基本方針部会における結論を踏まえた今後の対応についてお諮りした上で、後ほど、最初の議題と併せまして、具体的な関係法令の改正案をお諮りしたいと存じます。
10ページ目のスライドですが、先ほどの基本方針部会の了承事項は、文章で提示されておりましたので、少し分かりにくかったのですが、それを図示するとこういう形になります。
変更の対象となるワクチンは、4種混合ワクチン、3種混合ワクチン、不活化ポリオワクチンで、これらが現行は緑の枠内、生後3か月からおおむね1か月ごとに投与されていると。これを来年度から前倒しにいたします。
参考にお示しのとおり、今後、導入が予想される5種混合に含まれるHibワクチン、そしてその他、小児肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンも、生後2か月から接種されておりますので、今回の前倒しによって、接種対象者、保護者の負担等の軽減も図れる利点もございます。
この結論を踏まえまして、来年度からの定期接種における開始に向けて、関係法令上の必要な手続を進めていくことをお諮りしたいと考えております。
事務局からは、一旦、こちらでお返しいたします。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
百日せきなのですが、説明があったとおり、乳児の重症化を予防するための接種開始時期の前倒しとスケジュールの変更ということで、基本方針部会における議論、了承事項について報告していただきました。
さらに、それを踏まえた今後の対応についても説明がありました。
本審議会においても、基本方針部会における結論を踏まえて、今後の対応について議論していただくことになりますので、ただいま報告していただいた件に関して、御質問、御意見を先生方からお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
まず、坂元委員、お願いします。
○坂元委員 川崎市の坂元でございます。
御説明どうもありがとうございます。
来年度4月からということなのですが、ピンポイントな質問で申し訳ないのですが、我々は準備とかいろいろとありまして、4月1日なのか、終わりなのか。これは4月1日開始という理解でよろしいのでしょうか。
よろしくお願いします。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
後ほど確認しますが、そのほかにいかがでしょうか。
基本的には、基本方針部会で議論がありましたが、費用対効果は非常によいということですので、ぜひこれは進めるべきといった結論です。
特に意見がなければ、まず、事務局に坂元先生からの御指摘を確認してみたいと思いますが、いかがでしょうか。
○井本評価分析専門官 事務局でございます。
坂元先生、ありがとうございます。
基本方針部会においては、先生より、9価のワクチンでも同じ御質問をいただいておりますが、今回、百日せきの話も同じでございまして、もちろん、4月からというのは、4月1日を想定したものでございます。先ほど9価のワクチンでお示ししたようなスケジュールと同じようなスケジュールになるかと考えております。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。
基本方針部会でもありましたが、5種の混合ワクチンが承認されると、そこに切り替えていくところになりますので、多分、明確には言えないと思うのですが、いつ頃を目指しているのか、私から質問させていただいてもいいですか。5種の導入時期です。
○井本評価分析専門官 脇田先生、ありがとうございます。
5種混合ワクチンにつきましては、現在、国内の2社、KMB社と阪大微研が開発しておりまして、製造販売承認に向けた申請が行われております。
先ほどの2回接種と同様で、承認時期については、まだ見通しをお示しすることはなかなか難しいのですが、こちらも承認された段階で、こちらに関しては、ワクチン評価小委員会でファクトシートの作成等を含めたプロセスを経て、また基本方針部会、この分科会というスケジュールを想定しております。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
そうすると、こちらは、先ほどのHPVの2回接種と比べると、少し時間がかかりそうと理解しました。
なるべく早くということではあると思いますが、ほかはいかがでしょうか。
白井委員、お願いします。
○白井委員 白井です。
一言感想というか、大体2か月でワクチン接種を始めることが、ある程度それぞれの疾患についてそろってくると、お母さんたち、保護者についての説明をしやすくなると思うのです。
また、皆さんいろいろと母子関係のアプリも使っていらっしゃいますが、それも混同しないような形で、5種になったときにも、またそれが2か月でそろうということになると分かりやすくなるかなと思いますので、そのようにしていただければと思います。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そうですね。分かりやすさは非常に重要で、接種の間違いとかを減らすためにも重要ですし、5種混合とか、さらなる混合ワクチンの導入も、接種を受けていただく方の負担を減らすということでも非常に重要だと思います。
いかがでしょうか。
福島委員、お願いします。
○福島委員 ありがとうございます。
御提案の内容には、全く異論はございません。
2か月からの接種が実現した場合に、その後、乳児における疾病負荷がどのように減少していくかは、どちらの審議会でモニタリングされていかれる予定でしょうか。もしプランなどがあれば、お教えください。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
それでは、事務局から、一応、白井先生の御意見、福島先生の御質問に何かレスポンスがあれば、お願いしたいと思います。
○井本評価分析専門官 事務局でございます。
白井先生の御意見はまさにそのとおりかと思っておりますので、情報提供も含めて、来年度からの定期化に向けて準備を進めてまいりたいと思っております。
そして、福島先生から御感をいただいたことですが、どの審議会かは、今のところ、いつの時点で評価するのかといったところも含めてでございますが、基本的に、先ほどお示しした6つの対応案は、今回の参考資料2-2でも記載がございますように、小委員会においては、今、この案がある意味卒業したと。ただ、ほかの5つの案についてもしっかりと検討するべきであると記載されてございます。
ですので、基本的には、ワクチン評価小委員会等で議論をするイメージでおりますが、今後の議論については、事務局でも、今いただいた御意見を踏まえて、またしっかりと検討してまいりたいと思っております。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
坂元委員、お願いします。
坂元先生、手が挙がっていますが。
○坂元委員 すみません。
4月1日から改正を行うということで、それは了解しました。
そうすると、市町村としては、市民の方にアナウンスするというか、市町村によってやり方は違うと思うのですが、
例えばまとめて予診票とかを送っているところとか、いろいろなやり方があると思うのですが、4月1日から始まるとなると、少なくともその前に、いわゆる市民の方に周知する必要があると思うのです。例えば具体的な法改正がいつ行われて、多分、その前に周知することはできないのだろうと思うので、細かい話で申し訳ないのですが、その辺の時間関係はどのように考えたらよろしいでしょうか。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
事務局、いかがでしょうか。
○井本評価分析専門官 坂元先生、ありがとうございます。
この分科会でこれから関係法令の改正案をお示しいたしますが、それらは諮問が終わった後に、なるべく早期に、市町村等に対して準備をお願いするよう周知したいと考えております。
というのも、先生がおっしゃるとおりで、事前のヒアリング等を行った中で、来年度からこういった対応になるのであれば、年内には自治体に教えていただきたいというお声が多くございましたので、そういったところも踏まえて、こちらでなるべく早く対応したいと考えております。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
白井委員、お願いします。
○白井委員 今、ちょうど坂元先生がおっしゃった、いつから周知するかというときに、いつも3月の予防接種週間があると思うのです。
そういうときに、打ち忘れはないですかという周知を自治体がしていると思いますので、そこに合わせてやっていただくと、すごくタイムリーかなと思いましたので、ぜひそのような御準備をいただければと思います。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
では、そちらはよろしくお願いしますということにしたいと思います。
ほかはいかがですか。大体よろしいですか。
そろそろ時間も。
沼尾先生、お願いします。
森尾先生でした。ごめんなさい。
○森尾委員 時間も押している中、申し訳ありません。
福島先生の御発言に関係したことなのですが、今回、乳幼児の重症化予防ということですが、接種月数が変わるまでに時間がありますので、それから報告するだけではなくて、重症例がどのぐらいいるかというデータを集めておき、接種が2か月になったときに、どうなるかというデータが必要と思います。
恐らく、5ページに書いてありますように、さらに5~7歳の接種とか、これからまた幾つか作戦が出てくると思いますので、そこで比較できるようにしておいて、科学的なデータが出ていくようなシステムが必要なのかなと感じております。
以上です。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
それについても、今後の課題ということで、事務局、これについて、何かありますか。
○井本評価分析専門官 森尾先生、具体的な御提案を誠にありがとうございます。
こちらは、先ほど申しました小委員会の議論も含めて、研究班等でも百日せきの研究はいろいろと実施していただいているところでございますので、そういったところで何かできないか、研究者も含めてこれから御相談したいと考えております。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
百日せきのことは、今回の件で終わりではなくて、まだ学童期での感染や、高齢者の問題とかもありますので、引き続き様々な検討をする必要があると理解しておりますので、そこはよろしくお願いしますというところだと思います。
ほかはいかがですか。大体いいですか。
ありがとうございました。
そうしましたら、まとめに入りたいと思います。
今回、百日せきを含む混合ワクチン等について、来年度の定期接種における開始に向けて、接種開始時期の変更に向けた今後の対応案について、今回の結論も踏まえて、関係法令上の必要な手続を進めていくことにしてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、ワクチン分科会の結論としまして、本日の諮問事項について、百日せきワクチンを含む混合ワクチン等の来年度からの定期接種における接種開始時期の変更に向けて、法令上の必要な手続を進めていくことについて御了承いただいたことになります。
事務局におかれましては、この結論を踏まえた上で、来年度からの定期接種化に向けた手続をお願いしたいと思います。
時間をオーバーしていますが、今日の1番目、2番目の議題に関連しまして、関連法令の改正について、事務局から説明をお願いいたします。
○高橋予防接種担当参事官室室長補佐 事務局でございます。
時間も来ておりますので、手短に済ませたいと思います。
まず、9価のHPVワクチンの関係でございます。
資料1の11ページに法令改正の案をお示ししております。
予防接種法の実施規則第19条に、HPVワクチンの接種方法について規定しております。
今般、9価のHPVワクチンについて、4価のHPVワクチンと同様の取扱いとするとお取りまとめいただきました。
下段の赤字で改正案をお示ししております。
第19条の3号といたしまして、9価のHPVワクチンの接種方法について、4価のものと同様の規定ぶりで定めております。
次は、百日せきのほうでございます。
資料2の11ページを御覧ください。
予防接種法施行令第1条の3の第1項に、ジフテリア、百日せき、急性灰白髄炎及び破傷風の定期予防接種の対象者について規定されております。
ここで「生後三月から」とされている部分につきまして「生後二月から」と改めたいと考えております。
下段は、参考でございます。
こちらは、諮問の対象にはなっておりませんが、局長通知でお示ししております、定期予防接種実施要領につきましても「生後三月」とされている部分について「生後二月」とする改正を同様に行ってまいりたいと思っております。
資料3といたしまして、これら法令改正の要綱を諮問させていただいております。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、今、9価のHPVワクチンについての予防接種実施規則の記載変更、百日せきのほうは、予防接種法施行令の一部改正という御説明をいただきました。
諮問されました原案どおり、お認めいただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)
○脇田分科会長 ありがとうございました。
それでは、事務局におかれましては、必要な事務手続を進めていただくようお願いいたします。
それでは、3番目の「その他」に移りますが、先生方から何かございますか。
佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 ありがとうございます。
愛知県愛西市でコロナワクチン接種直後の死亡が報道されています。
接種と死亡との因果関係は不明ですが、県医師会は、アナフィラキシーが疑われるケースで、対処に課題があったとの検証結果を出しています。
このケースがアナフィラキシーであったかどうかは、現時点では分かりませんが、県医師会がアナフィラキシーの対応ができなかったとしていることは、ゆゆしき事態だと考えています。
厚生労働省は、このケースの後、アナフィラキシーへの対応について、都道府県に何らか指示を出したか、また、どのような指示を出したか、教えてください。
○脇田分科会長 ということですね。
事務局から。
坂元先生は、この件と別件ですか。
○坂元委員 いいえ。私は別件です。
市町村には、今回の指示は来ています。
○脇田分科会長 では、まず先に、事務局にレスポンスいただきたいと思います。
○高城予防接種担当参事官 健康局の参事官の高城といいます。
○脇田分科会長 聞こえないです。
○高城予防接種担当参事官 すみません。
聞こえますでしょうか。
○脇田分科会長 はい。聞こえました。
○高城予防接種担当参事官 失礼いたしました。
健康局の予防接種参事官の高城でございます。
御質問の件、ありがとうございます。
愛西市の事例でございますが、新型コロナワクチンの接種後の方が亡くなられたという報道につきましては承知しておるところでございますが、個別の事例等についてのコメントについては、申し上げ難く、差し控えたいというところで御理解いただきたいと思います。
一方、厚生労働省におきましては、ただいま坂元委員からも御案内がございましたが、アナフィラキシーが疑われる事例が引き続き報告されていることがございますので、11月10日付で、自治体様宛てに、各接種会場において、接種後にアナフィラキシーが生じた場合に、適切に御対応いただくよう、体制等について、改めて御確認していただきたいということ。
それから、医療機関に注意喚起を行っていただく点につきまして、周知を行っているところでございます。
引き続き、適切な接種が行われますよう、必要な取組を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
佐藤委員、続けてどうぞ。
○佐藤委員 ありがとうございました。
アナフィラキシーはごくまれで、起きても、重症化は防げるということで、会場では接種後15分の待機が求められています。
関係の方々には、緊張感を持って接種に当たっていただくよう、くれぐれもお願い申し上げます。
ありがとうございました。
○脇田分科会長 それでは、続いて、坂元委員、お願いします。
○坂元委員 私の後に、参考人の日野さんが手を挙げておられる。
私が言いたかったのは、参考人として参加されている方が、この会に参加して、どのように感じられたか、聞きたいなと思います。
私も市町村の代表なので、そういう意見を大事にしたいと思いますので、日野さんと、せっかく今日、参加された丹下さんの意見を簡単で結構ですから、私は市町村代表として、御意見を聞きたいと思って、時間を過ぎていて申し訳ないのですが、発言させていただいた次第でございます。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
そうしましたら、日野さんは手が挙がっていますが、まず、今、坂元先生から、この会に参加して、感想はいかがでしょうかということですので、その点について。
その後、丹下さんからも同じように感想を言っていただければと思います。
まず、どうぞ。よろしくお願いします。
○日野参考人 機会をどうもありがとうございます。
私も、前からいつも傍聴というか、ウェブ傍聴はしていたのですが、本当に真摯に議論がされていて、資料等も、事務局が本当に丁寧に作っていただいているのだなということを今日も見ていて、本当に実感して、すばらしい、ありがたいと思いました。また引き続き、恥ずかしくないように、ちゃんとこの中で意見等も出していきたいと思っています。
今、質問というか、お願いを言いたいと思って、手を挙げたのですが、ちょうど今回、HPVの9価ワクチンの予防接種の実施規則は、多分、施行通知などが出るかと思うのです。
今、キャッチアップの対象の年代の方について、各地の自治体でキャッチアップが始まる前に任意接種してしまった人については、その費用をお返ししますという取組をしてくれているのですが、その対象の中で、それがいいと言われているワクチンは、今のところ2価と4価だけなのです。
だから、例えば4月1日以降は、過去に9価ワクチンを打ったものについても対象としますよと、ちゃんと各自治体が変えるように、そのこともぜひ出してほしいと思いましたので、それが一つお願いです。
よろしくお願いします。
○脇田分科会長 ありがとうございました。
この件は、議論があったところですので、後で事務局に確認したいと思います。
丹下さん、いかがでしょうか。
○丹下参考人 初めまして。丹下と申します。よろしくお願いします。
申し上げたかったことは、ほとんど日野さんが申し上げてくださいましたので、私としては、感想ということで申し上げようと思っているのですが、こういう形で私たちの生活に密着している予防接種のことについていろいろと決まっているのだと思うと、何だか感慨深いものがあるというか、そこに参加できることは本当にうれしいと思っております。本当にありがとうございます。
よろしくお願いします。頑張ります。
○脇田分科会長 ありがとうございます。
そうしたら、事務局から、今、日野参考人から御指摘の点にコメントいただければと思います。
○井本評価分析専門官 ありがとうございます。
事務局でございます。
今、日野参考人からいただいた件は、いわゆるキャッチアップ接種の償還払いというところかと存じます。
こちらは、2価、4価のキャッチアップにおける償還払いで、積極勧奨が差し控えられていた8年余りの間、つまり、定期接種化されて以降の時期ではございます。
この期間は、定期接種の対象となっておりましたが、予診票が届かないなどによって、定期接種の対象であることを知らなかった方が任意で接種してしまった場合ということになります。
一方で、9価のワクチンは、現在、任意接種でございます。9価が定期化されるのが来年度からでございますので、ここは少し分けて考えなければいけないと考えているところでございます。
○脇田分科会長 という整理がされているところですので、御意見をどうもありがとうございました。
引き続き、参考人の方々にも、この審議会の間に御意見、御質問をいただければと考えておりますので、引き続きどうぞよろしくお願いします。
それでは、準備した議題は以上となりますが、事務局から何かございますか。
○萩森予防接種担当参事官室室長補佐 事務局でございます。
本日も活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、追って御連絡させていただきます。
事務局からは以上でございます。
ありがとうございました。
○脇田分科会長 委員の皆様、それから参考人の皆様、今日も活発な御意見をありがとうございました。
開催が頻回であって、大変なのですが、引き続きよろしくお願いします。
それでは、今日の会議はこれで終了したいと思います。
ありがとうございました。