第22回 社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会 議事録

日時

令和4年10月31日(月) 14:30~17:00

場所

web会議
(AP新橋:東京都港区新橋1-12-9新橋プレイス3F)

出席者(五十音順)

議題

(1)子どもの貧困への対応について
(2)居住支援のあり方について
(3)支援を担う体制づくり及び人材育成等について

議事

(議事録)
2022-10-31 第22回社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会
 
○河合室長 それでは、定刻となりましたので、ただいまより、第22回「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会」を開催いたします。
 委員の皆様方におかれましては、御多忙の折、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 初めに、事務局より本部会の取扱いについて御説明いたします。
 本部会の議事につきましては公開となってございますが、今般の新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、会場での傍聴は報道機関の方のみとさせていただき、その他の傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。本部会では、これ以後の録音・録画を禁止させていただきますので、傍聴される皆様におかれましてはくれぐれも御注意ください。
 会場の報道関係者の皆様におかれましては、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
(カメラ退出)
○河合室長 それでは、以降の進行を菊池部会長にお願いいたします。
○菊池部会長 皆様、こんにちは。
 今日も大変お忙しい中、御参加いただきましてありがとうございます。
 今日は、かなり多くの委員の皆様が会場にお越しいただいております。遠方からもお越しいただいておりまして、どうもありがとうございます。
 それでは、本日の委員の皆様の出欠状況ですが、朝比奈委員、長島委員、宮本委員、勝部委員が遅れて出席される予定です。
  また、内堀の代理として、福島県保健福祉部社会福祉課長、新妻参考人、大森委員の代理として、岡山市保健福祉局障害・生活福祉部生活保護・自立支援課長、出原参考人にお越しいただいております。
 御出席につきまして、御承認いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。
(異議なしの意思表示あり)
○菊池部会長 それでは、よろしくお願いいたします。
 議事に入る前に、事務局から御連絡をお願いいたします。
○河合室長 ありがとうございます。
 事務局より2点御連絡でございます。
 まず、事務局の出席状況についてでございますが、社会・援護局長の川又は、途中参加の予定でございます。
 また、職業安定局訓練受講支援室長の平川も途中退席の予定ということでございますので、恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。
 続きまして、前回の部会の議論に上がっておりました、10月14日に閣議決定された障害者総合支援法等の一部を改正する法律案と、自殺総合対策大綱につきまして、部会長より概要資料を用意するよう御指示いただいておりました。本日は、それぞれの概要資料を参考資料として配付させていただいておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 それでは、部会長のほうにお戻しいたします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、議事に入りたいと思います。
 本日の議事は、3つございます。「子どもの貧困への対応について」「居住支援のあり方について」、そして「支援を担う体制づくり及び人材育成等について」、以上3つでございます。
 進め方といたしましては、まず、事務局から、この3つについてまとめて御説明をいただき、その後、質疑応答及び意見交換の時間を設けさせていただきます。
 なお、その間、一度休憩を挟む予定にしてございます。
 また、本日は大西委員、奥田委員から資料の御提出がありましたので、資料4として配付しております。
 それでは、初めに、事務局から御説明をお願いいたします。
○米田室長 生活困窮者自立支援室長でございます。
 これから事務局より、入れ代わり立ち代わりになりますが、一気にまとめて説明をさせていただきます。
 まずは、資料1「子どもの貧困への対応について」であります。
 2ページ「子どもの学習・生活支援事業について」です。
 初めに【現状と課題】です。
 子どもの学習・生活支援事業では、生活困窮世帯の子どもや生活保護受給世帯の子どもに対し、学習支援、生活習慣・育成環境の改善等に関する助言等の支援、これを生活支援と呼んでおりますが、それと、進路選択等の教育、就労に関する相談等の支援を実施しています。
 本事業の実施率は約6割ですが、事業を実施する自治体の中では、学習支援は、全ての自治体で行われている一方、生活支援は約7割、教育・就労に関する支援は、約5割の実施率にとどまっています。
 また、支援を行っている子どもを学年別に見ると、中学生が過半数を占め、高校生以上は1割程度です。
 本事業と関係機関、関係団体との連携状況を見ると、児童相談所等の専門機関やフードバンク、民間団体と連携している自治体は少ない状況です。
 また、本事業の関連事業として、ひとり親家庭の子どもの生活・学習支援事業や、地域未来塾があり、自治体は、これらの事業を地域の実情に応じて組み合わせながら実施しています。
 このような現状・課題から【考え方】のところにありますとおり、本事業を入り口とし、子どもだけではなく、生活全体への支援につなげるとの趣旨を踏まえ、学習支援に加えて、生活支援も行うこと。その際、過疎地域に住む子どもや、成長過程で必要な体験の機会が乏しい子ども、ヤングケアラーなど、生活困窮世帯の子どもが置かれる状況は様々であることを踏まえると、自治体が様々な課題に対応しながら事業を実施するための支援を行うこと。
 また、2つ目のポツですが、高校生以上の世代に対しては、特に中退防止・進路選択等の観点から、相談支援をさらに推進すること。あわせて、子どもや保護者の多様なニーズに対し、包括的な支援を行うため、専門機関や関係団体との連携をより一層強化することが必要と考えております。
 以上を踏まえ、【論点】に挙げていますとおり、子どもの学習・生活支援事業を実施する場合に、世帯全体への支援につなげる観点から、子どもや保護者に対する相談支援や自立相談支援事業の利用勧奨といった生活支援についても、学習支援と一体的に行うよう求めること。また、様々な課題への自治体の対応を評価するための仕組みを構築する方策について、加えまして、高校生への切れ目のない支援や、専門機関等との連携をさらに推進するため、例えばガイドラインを作成し、好事例を横展開するなどの方策について、特に御議論をいただきたいと考えております。
○河合室長 続きまして、保護の関係です。3ページお願いいたします。
 まず、「生活保護受給中の子育て世帯全体への支援について」でございます。
 【現状と課題】のところでございますが、まず、生活保護受給中の子育て世帯に対して、教育・生活面での支援を行うため、困窮制度の事業として今ほど説明ありましたとおり、子どもの学習・生活支援事業が実施されているところでございます。
 保護世帯の子どもにつきましては、一般世帯と比べて家庭で勉強を行う環境ですとか、学習意欲、将来の進学に向けた意識面等の面で課題を抱えておりまして、より早期から支援者が関わりを持つことで、より高い支援効果が期待できるものと考えられております。
 また、保護者自身につきましても、周囲の地域との関わり合いが乏しい傾向がありまして、必要な情報や支援が行き届きにくいという課題を抱えておりますが、保護世帯では保護者の教育の意識が高いほど、子どもの学習態度が改善する傾向にございます。
 一方、福祉事務所では、支援に際し、子どもの将来の自立に向けた取組の必要性について保護者と認識を共有できる程度まで信頼関係を構築する時間的余裕がケースワーカーにはない、また、専門性が不足しているなどの課題も抱えております。
 このため、自治体によっては、個別支援プログラムや子どもの学習・生活支援事業の活用によって、教育支援を行う職員を配置した上で訪問等による子育て世帯全体への支援を実施しているところもございます。ただし、プログラム策定自治体数ですとか、策定プログラム数が限られている状況です。
 また、学習支援費でございますけれども、平成30年度に運用が見直されまして実費支給となり、被保護者からの申出により給付するというような仕組みになってございますが、受給実人数は、教育扶助受給人員数全体の1割弱にとどまっております。また、福祉事務所の中には、学習支援費に関する事前の案内実施がまちまちであり、案内を実施している方が、受給実人数の比率が高い状況にございます。
 【考え方】でございますが、まず1つ目ですけれども、受給中の子育て世帯に対する支援として、進路選択に向けた環境の改善を図ることは、貧困の連鎖を防止する観点から重要です。特に保護世帯の場合は、訪問型のアウトリーチ型の手法によって、進学先を含む進路選択に向けた環境を直接把握した上で、早期から支援者が介入し、子どもの教育に関する保護者や、子どもの理解や意識を喚起することが効果的と考えられています。
 その際、ケースワークによる支援を補い、質の向上を図る観点から、当該分野の専門知識や経験を有する職員が支援に参画することが重要です。
 また、こうした取組が全国的に広がるよう、事業実施を促していく必要があります。学習支援費のさらなる活用を図るため、制度の活用に向けた周知が適切に行われるよう、改めて徹底するとともに、支給対象となり得る子育て世帯等に対する制度の周知・広報にも積極的に取り組む必要があると考えております。
 以上を踏まえまして、【論点】にも挙げておりますとおり、保護世帯の子どもとその保護者に対し、世帯の状況に応じてケースワーカーによる支援を補うため、訪問等により学習環境の改善、進学先を含む進路選択、奨学金の活用などに関する必要な情報の提供や助言を行う事業を実施することについてどう考えるか。
 その際、子ども向けの居場所への参加促進など、子どもの学習・生活支援事業等との緊密な連携を図る必要があるのではないかということについて、特に御議論いただきたいと思います。
 次のページをお願いいたします。
 「生活保護受給世帯の子どもが高校卒業後に就職する場合の対応について」です。
 まず、【現状と課題】のところでございます。
 大学等への進学を支援するため、前回改正で進学準備給付金が創設されたところです。
 これによって保護受給世帯の子どもが、高校等を卒業し、大学等に進学する際、新生活の立上げ費用として一時金が給付されております。
 一方、高校等を卒業後に就職する場合、就職地までの移送費や、就職支度金が支給されるほか、本人の就職に伴い、世帯全体で保護が廃止された場合は、就労自立給付金が支給されることとなっております。
 しかし、この就労自立給付金は現行制度上、世帯を単位として保護廃止の決定の際に支給されることとなっているため、就職後に世帯から転出して独立生計となり、新生活を立ち上げる場合は、この給付金は支給されないこととなっております。
 また、保護廃止前の就労収入額を積み立てるという算定方法を踏まえますと、就労自立給付金の支給要件を満たす場合でも、ほとんどの場合で、支給額は最低給付額にとどまるものと見込まれております。
 このような現状・課題から【考え方】のとおり、本人の希望を踏まえた選択に基づいて高校等を卒業した後に就職することは、被保護者の自立の助長の観点から重要との指摘もなされております。
 このため、大学等に進学する場合に、進学準備給付金が支給されることとの間の均衡を図る観点から、高校等を卒業後に就職し、本人が一人暮らしのために世帯から独立する場合の新生活の立上げ費用に対する支援を検討する必要があります。
 また、本人を含む世帯全体で保護が廃止される場合も、同様に支援を検討する必要があると考えております。
 以上を踏まえまして、【論点】に挙げておりますとおり、進学準備給付金との均衡を図る観点から、生活保護受給世帯の子が、本人の希望を踏まえた選択に基づいて高校等を卒業後に就職し、一人暮らしのために世帯から独立したり、世帯全体で保護が廃止されるような場合に、新生活の立上げ費用を補うため、高校卒就職者であれば、初任給を得ることができるという点にも留意しつつ、一時金を支給できるようにすることについてどのように考えられるかについて、特に御議論をいただきたいと考えております。
 次のページをお願いいたします。
 「大学等への進学の支援について」でございます。
 【現状と課題】のところでございます。
 保護世帯の大学進学率は、直近で約4割と、近年増加傾向にありますが、全世帯平均を下回る状況が続いております。大学等への進学を支援するため、前回の法改正では進学準備給付金を創設するとともに、世帯分離をして大学等に通う場合に、住宅扶助を減額しない措置や、家計改善支援事業を新たに実施したところです。
 また、令和2年度から文科省の就学支援新制度が開始され、受給世帯出身者を含む低所得世帯を対象に、授業料の減免や給付型奨学金による生活費の支給が行われており、今年度は、家計急変の際に随時申請を認める範囲が拡大されています。
 高校生のアルバイト収入等を学習塾の費用や、大学の入学料等に充てる場合には、収入認定を行わない措置が講じられており、受験料や交通費、宿泊費も含まれております。
 生活保護制度では、現状、一般世帯でも、高校卒業後、大学等に進学せずに就職する方や、奨学金やアルバイトなどで自ら学費や生活費を賄いながら大学等に通う方がいらっしゃり、これらとのバランスを考慮すると、保護費を受給しつつ、大学等に就学することを最低生活保障の対象として認めることは困難との考え方を採っております。
 このような現状・課題から【考え方】のとおり、生活保護を受給しつつ大学等に進学することについては、進学後の生活費の支援は保護世帯や一般世帯に共通する課題であることを踏まえ、生活保護の枠組みにとらわれず、就学支援新制度等の教育に関する政策の中で幅広く検討する必要がある。
 さらに、この点については、一般世帯にも奨学金やアルバイト等で学費・生活費を賄っている学生もいる中、一般世帯との均衡を考慮する必要があること、仮に認めた場合に相当数が保護の対象となる可能性があること、大学等に進学しなくとも活躍できる機会は多くあること等を踏まえ、慎重に検討する必要があるとの意見がございました。
 一方、コロナ禍で困窮した大学生について、一時的に生活保護を利用可能とすべきではないかとの意見もございました。
 一方、本人の自立助長のための手段の1つとしての大学等への進学を支援する観点からは、本人の進学に向けた意欲等に早期から働きかけるための子育て世帯全体への支援が重要と考えられます。
 また、家計面におきましては、大学等への進学までの間に必要となる各種費用を、進学前からあらかじめ準備しやすくするため、家計改善支援事業を活用した支援が有効と考えられるところです。
 これに加え、各種費用を収入認定の際に除外する範囲について、引き続き検討することが必要と考えております。
 以上を踏まえまして、【論点】に挙げておりますとおり、まず、生活保護世帯の子どもの大学等への進学の支援についてどのように考えるか。
 2つ目は、3ページでも御説明申し上げた保護受給中の子育て世帯全体の支援についての【論点】の1つ目で記載した論点の再掲となってございます。
 3つ目は、大学等への進学をさらに支援する観点から、高校生のアルバイト収入等に関する収入認定除外の範囲を見直すことをどう考えるかについて、特に御議論いただきたいと考えております。
 資料1の説明は、以上となります。
○米田室長 続いて、資料2「居住支援のあり方について」を説明いたします。
 2ページ「生活困窮者一時生活支援事業等について」です。
 初めに、【現状と課題】です。
 生活困窮者の住まいをめぐる現状としては、新型コロナウイルス感染症の拡大により、性別や年代を問わず、住まい不安定に関する相談が増加しました。
 次のポツですが、一時生活支援事業においては、住居に不安を抱えた生活困窮者に衣食住に関する支援を行うシェルター事業と、これに加えてシェルター退所者等に対して、入居支援や訪問による見守り等を行う地域居住支援事業を実施しています。
 シェルター事業の実施率は約4割で、そのうち地域居住支援事業を実施している自治体は50自治体です。
 シェルター事業の未実施自治体においても、住まい不安定やホームレスに関する新規相談が多く見られています。
 また、コロナ禍を契機に、不安定居住者に対する緊急一時的な居所の確保のニーズも顕在化いたしました。
 しかし、シェルター事業を含む既存事業では、受入れが困難な場合があることから、現在は各自治体や民間団体等による独自の取組が行われております。
 このような現状・課題から、【考え方】のところにありますとおり、生活困窮世帯では、社会経済や心身の状況が一変することで、直ちに住まい不安定につながるということから、居住支援を強化すること。シェルター事業及び地域居住支援事業については、両事業の未実施自治体においても、潜在的ニーズが伺えることから、全国的な事業の実施を推進すること、特に、見守り支援等を行う地域居住支援事業については、支援内容の一定の標準化や支援員の質の担保を行うこと、また、現在のシェルター事業の対象に当てはまらない生活困窮者の方々についても、様々な要因により緊急一時的な居所確保を必要とする場合等の一時的な支援を実施することなどが必要と考えております。
 以上を踏まえ、【論点】のところに挙げていますとおり、一時生活支援事業の実施の努力義務化、その際、シェルター事業の実施にかかわらず、地域居住支援事業単独での実施を可能とするとともに、例えば、標準的に取り組むべき支援内容の明確化や専門職員の配置により、地域居住支援事業のあり方を見直す必要性、また、現行のシェルター事業の対象とならない生活困窮者に対する緊急一時的な居所確保の支援の必要性について、特に御議論をいただきたいと考えております。
 続いて3ページ「生活困窮者住居確保給付金について」です。
 初めに、【現状と課題】です。
 住居確保給付金は、参考資料10ページのところに詳しく載せておりますが、就職を容易にすることを目的として家賃相当額を支給するものであります。
 現行では、離職・廃業した場合の支給対象者を、離職・廃業後、2年以内の方ということで限定しております。
 また、支給要件である収入の算定に当たり、定期的に支給される各手当については、児童扶養手当、児童手当等の特定の使途・目的のために支給されているものも含め、一律収入としています。
 コロナ禍においては、参考資料11ページにありますとおり、様々な対応を図りました。まず、休業等に伴う収入減少等により、住居を失うおそれが生じている方を新たに支給対象として、恒久化したほか、職業訓練受講給付金との併給を可能とする。休業等に伴う収入減少等の場合にも再支給を行う、求職活動要件の緩和を認めるなどの様々な特例措置を講じ、生活困窮者の生活の下支えとして大きな役割を果たしました。
 このような現状・課題から、【考え方】にありますとおり、コロナ禍において講じてきた様々な特例措置については、いずれ元の姿に戻していくということが原則である一方、特に効果的なもの、必要なものについては、本来の制度目的等も踏まえつつ、そのあり方について検討すること、その他、現行の支給要件等についても、多様化している居住支援のニーズや制度目的等に照らして、給付金の機能強化を図るなど、必要な見直しを検討することが必要と考えております。
 以上を踏まえ、【論点】のところに挙げていますとおり、住居確保給付金の見直しに当たっては、次の6項目を中心に検討対象となり得るということで、御議論いただければと思っています。
 具体的には、まず、コロナ禍の特例措置である休業等に伴い収入減少により受給している方、特に自営業者等への求職活動要件について、地方公共団体が設ける公的な無料職業紹介の窓口への求職申し込みについて、休業等に伴う収入減少により受給した方への再支給について、職業訓練受講給付金との併給についてということでございます。
 また、そのほかの支給要件として、支給対象者の離職・廃業後の2年以内の者の要件について、収入のあり方について、例えば児童扶養手当等についてということでございます。
 こうしたことについて、コロナ禍における対応や、本来の制度目的等を踏まえ、どのような方向性が考えられるかについて、特に御議論をいただきたいと考えております。
○河合室長 続きまして、「生活保護における居住支援等のあり方」でございます。まず、保護施設について、4ページをお願いいたします。
 【現状と課題】の部分でございます。
 保護施設は最後のセーフティネットとして、精神疾患や身体知的障害のある方、アルコール等の依存症がある方など、様々な生活課題を抱える入所者に対する多様な支援の実践を担っていただいています。
 このような入所者を計画的に支援するため、保護施設では、入所者に対する個別の支援計画を定めているところがございます。また、支援の質を高める観点から、職員等への研修が行われているところもございます。さらに支援に係る施設機能の強化のため、専門職を増員する場合は、施設事務費が加算される仕組みとなってございます。
 救護施設につきましては、利用者の状態像の違いによっては、他の施設と比較して入所期間が長く、入所者の高齢化が進んでおります。また、入所者本人の日中活動も施設内に限られることが多く、施設外での就労や求職活動の取組が少ない場合もあり、結果として、現在の施設に継続入所する見込みが総じて高い状況にございます。
 救護施設等は、主に施設対象者を対象とした生活指導として、通所事業を実施する際に、地域で居宅生活を営む被保護者も支援できる仕組みとなっておりますが、対象者数は事業全体の定員の3割を超えない範囲にとどめることが条件となっております。
 このような現状・課題から【考え方】のとおり、救護施設等について、入所者が抱える様々な生活課題に柔軟に対応し、可能な方については、地域移行をさらに推進することが重要です。
 このため、施設の機能や目的に応じて、福祉事務所のケースワーカーをはじめとする関係機関とも連携しつつ、計画的な支援に取り組む環境を整える必要がございます。
 あわせて、入所者の状態像に応じた支援や、その機能の充実を検討していく必要があります。
 地域共生社会の実現に向けて救護施設等は、地域に居住する保護受給者等に対する支援の一翼を担うことも期待されておりまして、救護施設等の持つ多様な支援機能の活用を図ることが適当です。
 救護施設等については、精神疾患や依存症等の対応が難しいケースへの支援を実践していただいている中、より専門性の高いスキルが求められており、さらなる資質向上の取組が必要であると考えております。
 以上を踏まえ、【論点】に挙げておりますとおり、入所者の地域移行を進める等の観点から、救護施設等の入所者ごとに支援計画の作成を制度化することについてどう考えるか。その際、福祉事務所と情報共有を図る仕組みとすることが必要ではないか。また、入所者の地域移行を進める観点から、例えば施設における地域での就労等に向けた支援を促すことについてどう考えるか。
 2つ目ですけれども、救護施設等による地域の保護受給者等への支援を充実させるため、どのような取組が必要と考えられるか。
 3つ目は、救護施設等の入所者が抱える課題等に適切に対応する観点から、施設職員等への研修の実施等、支援の質を向上させる取組を充実させることについてどう考えるかについて、特に御議論をいただきたいと考えてございます。
 次のページをお願いいたします。
 「生活保護における居住支援等のあり方」として、無低と日住などについて取り上げております。
 【現状と課題】の部分です。無料低額宿泊所につきましては、前回改正において事前届出制や最低基準の導入など、法令上の規制を強化したところです。無届けの事業者に対し、届出を勧奨するとともに、調査により不当な行為が発見された場合、事業の制限、停止を命ずることにより、悪質な事業者に対する規制を行うことが可能となっております。
 一方、届出義務自体に罰則はなく、無低に該当していると考えられる事業者が届出義務を履行しない場合に取り得る措置としては、被保護者の受入停止や、現に入居している被保護者への転居指導の実施等にとどまっております。
 単独での居住が困難な受給者に対し、必要な日常生活上の支援を提供する施設として、前回改正で日常生活支援住居施設を創設しました。本年4月時点においての施設数としては120か所まで増加した一方、未設置の県もあるなど、設置状況についてはばらつきがございます。また、支援の質を確保する観点等から、令和3年度より国の委託事業として生活支援提供責任者等への研修事業を実施しているところです。
 無低の入居者や生活困窮者の居宅移行等に向けた支援事業として、居住不安定者等居宅生活移行支援事業を実施しているところです。
 一方、実施につきましては、34自治体にとどまっている状況となっております。
 このような現状・課題から【考え方】のとおり、無低につきまして、利用者の保護や事業運営のさらなる適正化のため、不当行為による事業の制限・停止命令に至る手前で無届けの事業者に対する届出義務の履行の確保を強化する必要があると考えております。
 2つ目ですけれども、日住につきましては、引き続き、支援の質の向上や制度理解を促進する取組が重要です。
 3つ目ですけれども、安定した住まいにつきましては、被保護者等本人が日常生活や社会生活を営む上での基盤となるものであるため、より多くの被保護者が、地域での居宅移行等に向けた継続的な支援を受けられるようにする必要があります。
 また、支援に関する地域の社会資源の有効な活用等の観点から、困窮制度との連携を検討する必要があります。
 なお、無低への届出に関する参考資料といたしまして、今年度、自治体等へのアンケート調査を実施しており、その速報版を21ページにまとめておりますので、御参照いただければと思います。
 若干御説明いたしますと、今回の議論に関連する部分としては、リード文の2つ目の○、グラフにおきましては4の部分になります。無届けの無低に届出勧奨を実施するに当たっての課題として、無届け施設や無届け施設の疑いがある施設に関する「情報収集が困難」との回答ですとか、「届出に強制力が無い」といった回答が多く挙げられました。
 簡単でございますが、御報告いたします。
 それでは、5ページに戻っていただきまして、【論点】の部分でございます。3つ御用意しております。
 1つ目、無料低額宿泊所につきましては、事前届出制の実効性の確保を図るため、届出義務違反に罰則を創設する等の対策を講じることについてどのように考えるか。
 日常生活支援住居施設について、支援の質の向上や制度理解を促進するため、引き続き研修の機会を確保することについてどのように考えるか。また、その際の都道府県の役割についてどう考えるか。
 3つ目は、地域での居宅移行等に向けた継続的な支援を行う事業について、より多くの被保護者が支援を受けられるようにする等の観点から、任意事業として新たに法定化するとともに、当該事業に代えて、生活困窮者一時生活支援事業の地域居住支援事業の中で、被保護者も支援できるようにすることについてどのように考えるかについて、特に御議論いただきたいと考えております。
 6ページをお願いいたします。
 こちらは、前回の部会において、奥田委員より一時生活支援事業と保護制度に関する御発言をいただきましたので、今回スライドを御用意いたしました。
 リード文にありますとおり、保護を申請し、その後、決定した者につきましても困窮制度の一時生活支援事業が利用することが可能というような取扱いをしておりまして、この内容は、「一時生活支援事業の手引き」において、点線囲みの一番下の太字のとおり記載されています。
 その上で、一時生活支援事業を利用し、シェルターなどにいる間につきまして、こちらはケースにもよりますが、まず、ケースワーカーによる居住場所を確保するための支援を実施することですとか、あるいは居住不安定者等居宅生活移行支援事業を実施している自治体では、当該事業を活用することによって居住場所を確保するための支援を実施することが、仕組みとしては可能であると考えてございます。
 ただし、先ほども御説明したとおり、居住不安定者等居宅生活移行支援事業につきましては、実施自治体数が少ないなどの課題があるので、本部会での議論も踏まえ、事業の法定化や困窮政策との一体的実施等により社会資源を有効に活用するなどについても検討していきたいと思います。
 資料2の説明としては、以上となります。
○米田室長 最後に資料3「支援を担う体制づくり及び人材育成等について」を説明いたします。
 2ページ「生活困窮者自立支援における都道府県や中間支援組織等による自治体支援について」です。
 初めに、【現状と課題】です。
 困窮制度においては、平成30年の法改正により、市等の職員に対する研修等の事業を行うことが、都道府県の努力義務とされました。これを受けて、都道府県は市町村への支援を行っております。しかし、実際に都道府県が実施している支援の内容を見てみますと、支援員に向けた支援であるスーパーバイズや多職種も含めたネットワークづくりは、実施率が低調となっております。
 国では、ノウハウが十分に蓄積されていない都道府県をサポートしたり、市町村に直接ノウハウの伝達・助言等を行ったりするため、自治体・支援員向けのコンサルティングを行っています。
 こうした中、一部の地域においては、民間組織等を中心とした支援者ネットワークが構築され、支援員同士の情報共有やノウハウ支援、支援員向けのスーパーバイズ等の幅広い活動が行われています。
 また、同じく平成30年改正において、福祉事務所を設置していない町村を対象に、生活困窮者からの相談に応じるなど、一時的な相談支援を実施するための補助事業を創設いたしました。
 このような現状・課題から【考え方】にありますとおり、困窮制度の各種事業を担う支援員の質の向上や、バーンアウト防止の観点から、支援員同士のネットワークを推進すること等により、支援に向けた支援を強化すること、また、福祉事務所未設置町村においては、相談窓口へのアクセスを容易にする観点から、引き続き、一時的な相談窓口の設置を推進することが必要と考えております。
 以上を踏まえ、【論点】に挙げていますとおり、支援員に向けた支援を強化する観点から、例えば、中間支援組織による支援や自治体コンサルティングの活用を推進してはどうか、また、福祉事務所未設置町村における一時的な窓口の設置を推進するためには、どのような方策が考えられるかについて、特に御議論をいただきたいと考えております。
 3ページ「生活困窮者自立支援における人材養成研修のあり方について」です。
 初めに、【現状と課題】です。
 現在の人材養成研修では、主に自立相談支援事業の初任者を対象として、国による研修と都道府県による研修を実施しています。都道府県研修については、その細かな内容は都道府県の裁量に委ねられており、国のブロック別研修による代替も可能としています。このほか、国においては、就労準備支援事業及び家計改善支援事業の従事者に対する研修など、様々な研修を実施しています。
 次のポツですが、令和2年度から人材養成研修の一部を都道府県に移管いたしました。都道府県研修においては、現場の支援員も研修の企画に参加し、現場で困っていることについて受講者同士で検討するといった参加型の研修も実施されています。しかし、令和3年度に修了証発行要件に関わる都道府県研修を実施した都道府県は約57%にとどまっております。
 このような現状・課題から、【考え方】にありますとおり、都道府県が研修に取り組みやすい環境を整備すること等により、都道府県研修の実施をより一層推進すること。一方で、人材養成研修における国と都道府県の役割について整理を行うこと、また、現任者を対象とした階層別の研修や他の任意事業の従事者に対する研修を実施することが必要と考えております。
 以上を踏まえ、【論点】に挙げていますとおり、都道府県研修について、例えば、国において標準的な研修内容や教材等を作成するなど、都道府県研修の実施を推進する方策を講じてはどうか、法の理念等、制度の基盤となる内容については、国研修が担い、都道府県研修では、先ほど申し上げたような、参加型の研修を実施するという国と都道府県の役割のあり方についてどのように考えるか、また、現任者を対象とするステップアップ研修や、一時生活支援事業や子どもの学習・生活支援事業の従事者を対象とする研修を新たに設けてはどうかといった点について、特に御議論をいただきたいと考えております。
○河合室長 続きまして、保護の関係です。「生活保護制度における都道府県等の役割のあり方等について」ということで4ページをお願いいたします。
 生活保護制度上、都道府県は様々な役割を担っております。前回の法改正では、都道府県が域内の市町村に対して、保護や事業の実施のために必要な援助を行うことができる旨の規定が設けられたところです。
 また、都道府県が広域的な立場から巡回指導や人材育成に取り組むことなどを内容とする、都道府県等による生活保護業務支援事業を創設したところです。
 続きまして、人材養成研修につきましては、多くの福祉事務所で県や市が実施する研修会や厚労省の研修会が活用されています。
 人材育成に関し、福祉事務所では、知識の習得や援助の原則などが実施される一方、業務が忙しく育成する時間がないなどの課題を抱えており、これまで厚生労働省では、県や福祉事務所での研修に資するよう、相談援助の基本的な考え方と技術を中心とした研修素材などを作成してきたところでございます。
 このような現状・課題から【考え方】のとおり、都道府県による市町村に対する援助のあり方等については、特に医療扶助、健康管理支援の分野での取組を深めていく必要があり、その他の分野についても、福祉事務所未設置町村との関係も含め、検討を進める必要があります。
 ケースワーカー等のレベルアップを通じて、業務の質と効率を高めるためには、研修等の充実を図ることが有効と考えられます。
 同様に、保護施設等や日常生活支援住居施設でも、支援の質の向上が求められていると考えられます。
 また、困窮制度との連携強化を図る観点から、研修等の実施により、両制度の関係者同士で相互理解を深めることが重要であると考えております。
 これらを踏まえ、【論点】で挙げておりますとおり、都道府県による市町村への援助や、ケースワーカー等に係る研修等について、効果的・効率的な実施のため、引き続き必要と考えられる取組について、特に御議論いただきたいと考えております。
 5ページをお願いいたします。「居住地特例について」でございます。
 【現状と課題】の部分でございます。生活保護制度では、訪問調査などを通じて被保護者の生活実態を把握し、助言や指導を行うため、居住地や現在地を所管する福祉事務所が保護の責任を負うのが原則です。
 一方、被保護者が保護施設等の施設に入所する場合は、施設所在自治体に負担が集中しないよう、居住地特例として、入所前の居住地や現在地を所管する福祉事務所が実施責任を負うこととなっております。
 前回の法改正では、介護保険の住所地特例の対象となっている有料老人ホームなどを、居住地特例の対象とするよう見直しましたが、その際、もともと特例の対象となっていた施設と同視できる施設として、自ら日常生活上の支援サービスを実施する場合に限り、まずは対象に加えることといたしました。
 このため、生活保護と介護保険では、居住地特例の対象が引き続き異なっている状況が続いております。
 このような現状・課題から【考え方】のとおり、地域の公平な負担の観点、実務を行う上での分かりやすさの観点を踏まえると、遠方の施設に入所した際の訪問調査の負担が課題にはなるものの、介護保険制度の住所地特例の対象範囲と平仄を合わせて、対象範囲を特定施設入所者全体にまでさらに拡大することが適当と考えておりますが、この点について【論点】で挙げていますとおり、御議論をいただきたいと考えてございます。
 次の「生活保護の効果的・効率的実施について」、6ページをお願いいたします。
 【現状と課題】のところでございます。ケースワーカーの1人当たり担当世帯数は、以前より減少している一方、1人当たり80世帯を超える状態が続いており、また、経験年数3年未満の者は全体の6割に上っております。
 複雑で多様な課題に対応するため、多くのケースワーカーが様々な負担や困難を抱えています。特に関係機関との連携に当たり、必ずしも十分な協力が得られていないという課題を感じているところです。
 ケースワークの質の向上と負担軽減を両立させる観点から福祉事務所としても、嘱託職員等の雇用やICTの活用など、様々な取組を行っているところです。
 国といたしましても費用を補助するなど、必要な支援を実施しているところです。
 また、マイナンバー情報連携につきましては、事務の省力化が期待できるため、これまでも業務上の利点等を数値で示し、取組を促してきましたが、福祉事務所の中にはシステム改修を行ったにもかかわらず、照会を全く実施していないところが存在するなど、自治体によって活用の度合いに違いが生じているところです。
 このような現状・課題を踏まえ【考え方】のとおり、現在、当部会で検討している被保護者の援助に関する計画の作成や、新たな会議体の設置といった事項につきましては、専門知識を外部から取り入れ、支援に活用することにより、支援の質を高めることができるとともに、結果として業務負担の軽減につながる面があると考えています。
 また、同様の観点から本部会での議論も得た上で、家庭訪問の取扱いを見直す旨の通知を7月に発出したところでございます。
 また、マイナンバー情報連携等、ICT等の活用を進める必要があると考えております。
 以上を踏まえ、【論点】に挙げておりますとおり、マイナンバー情報連携がより積極的に活用されるよう、これまで厚生労働省が発出した通知等の内容を分かりやすく整理した上で、福祉事務所に対して改めて周知を図るとともに、域内での情報照会の実施状況の把握や、研修を実施するなどの支援を行うよう、都道府県に対して改めて周知を図ることについて、特に御議論をいただきたいと考えてございます。
 続きまして、「生活保護の不正受給対策について」でございます。
 7ページをお願いいたします。【現状と課題】です。
 これまで、生活保護の不正受給対策として、各種制度見直しを図るとともに、運用上も未然防止や早期発見に向けた対策を図っており、件数と金額につきましては、近年、減少傾向にございます。
 一方、悪質性の高い事案として、複数の福祉事務所での保護の受給が見られます。事例があると回答した自治体は約4割に上ります。こうした事案を未然に防止するため、約8割の自治体で住民票の所在地が実際とは異なる場合に、住民票所在地自治体に保護受給の有無の確認を行うなど、各種取組がなされていると見られますが、自治体によって取組の度合いには違いがあると考えられます。
 このような現状・課題を踏まえ、【考え方】のとおり、複数の福祉事務所で保護を受給する不正事案は社会的な関心も引きやすいことを踏まえると、制度の信頼性を確保する観点から、業務の負担にも留意した上で、一定の対策を講じる必要があること。
 ICT等の活用は、先ほどの生活保護の効果的・効率的実施のみならず、生活保護費の不正受給の未然防止・早期発見を図る観点からも重要であると考えております。
 以上を踏まえまして、【論点】に挙げておりますとおり、複数の福祉事務所で保護を受給する事案を防止するため、業務の負担にも留意しつつ、住民票上の住所地と異なる自治体で保護申請があった場合、状況に応じて、住民票所在自治体に保護受給確認をすること。
 また、6ページの【論点】で申し上げたものと同様、マイナンバー情報連携が積極的に活用されるようにするための周知等の取組について、特に御議論をいただきたいと考えてございます。
 資料の3の説明は以上となりまして、事務局からの説明も以上となります。
○菊池部会長 御説明ありがとうございました。
 それでは、これより質疑応答、意見交換の時間を設けさせていただきます。
 御意見、御質問につきましては、大変恐縮ですが、お一人4分以内ということで御発言をお願いいたします。4分経過した時点でベルを鳴らしますので、速やかに御発言をおまとめいただきますようお願いいたします。
 それでは、御意見をいただきますが、今回は事務局とも話をしまして、まず、オンライン参加の皆様から御意見をいただこうと考えてございます。いかがでしょうか。オンライン参加の委員の皆様から、どうぞ挙手ボタンを押していただければと存じます。
 それでは、岡﨑委員、お願いいたします。
○岡﨑委員 高知市長の岡﨑でございます。
 今日は、そちら側に行けなくて、オンライン参加になっております。ありがとうございます。
 いくつか、ちょっとボリュームが多かったですので、少し意見を述べさせていただきたいと思いますが、まず、子どもたちへの教育の支援で、高知市がやっておりますのは、チャレンジ塾というこという形で、我々のところは33万ぐらいの都市ですけれども、市内10か所で中学生、これは、生活保護受給の中学生と準困世帯、それと少し一般の世帯が入っていますけれども、中学生を対象にして、高校へ進学をさせるという目的でやっております。
 どちらかというと、全国的に言うと、福祉部門から教育部門へ働きかけて、教育委員会がなかなか腰を上げないという形が、多分多いのかなと思いますが、うちの場合は逆でして、教育委員会のほうからやろうと言ってきていただいたので、教職員のOBや学生ボランティアの方々が約70名ぐらい、この10か所のチャレンジ塾に参加していただきスタートしました。現在,生活保護受給中の中学生の子どもさんが200人ぐらいいるのですけれども、そのうちの5分の1の約40人がこの中に入ってきています。生活保護だけで特定すると、どうしても子どもさんが特定されてしまうので、準困窮世帯等も一緒に入っていただいております。
 非常に成果は上がっておりまして、実人数で270人ぐらいの中学生が延べで、年間でいうと1万回ぐらい来ているのですが、基本的には通信教育も含めて、ほぼ100%高校進学の実績が上がっておりますので、これは、大体10年ぐらい続けているのですが、やはり続けていくということが大事だなと感じています。
 中学生たちも、例えば、働くことのバイト自体を、ちょっと軽く考えていますけれども、実はどこの全てのコンビニも高卒の資格がないと雇用してくれません。雇ってくれないので、どういう形でもいいので、高卒資格というのは、まず、バイトするにも必須なので、やはり高校進学へ行くということを、10年ぐらいずっと継続して支援をしておりまして、教職員OBが非常に積極的に関わっていただいておりますので、非常に我々も感謝しております。
 あと、ケースワークの部分での少し研修の話が出ましたが、私もケースワーカー出身なのですけれども、やはり最近、ケースワーカーは非常に経験年数の若い職員が中心になっていますので、やはり濃淡があると思います。今日そこにお見えの方々、いろいろケースをよく知っていると思うのですけれども、やはり濃淡があると思うので、我々の生活困窮の全国の支援の団体でも、いわゆる研修は支援をしておりますけれども、やはりケースワークというのは、なかなか人から人に教えにくいところもあるので、ただ、やらなければいけないので、人材育成と研修の関係というのは必須になると思います。
 最後になりますが、どうしても持ちケースあたり80ケースということになるとし、正職員の数が相当要りますので、我々も非常勤の特別職で対応しておりまして、これも相当増えております。就労支援、そして学習支援を含めて大分増えていますので、また、その点の財政上の御支援というのをお願いしたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、宮本委員、お願いします。
○宮本委員 ちょっと事前に、どうしても抜けられない会議がございまして、先ほど事務局の御説明、全部を拝聴することができませんでした。その点、ちょっとピント外れのことを申し上げるかもしれませんが、よろしくお願いします。
 大きく3点ですが、主には、今日の話の立て方としては、どちらかというと、周辺部分なのかもしれませんけれども、この部会、今年のこの部会の課題としては、非常に中心に座ると思われる生活保護の効果的・効率的な実施をめぐる論点、影響の筋立てだと、支援を担う体制づくり、人材育成に関わって、まず、お願いというか、議論をしたいと思います。
 事務局の資料は、今、岡﨑委員からもちょっと話題になったところですけれども、ケースワーカー数が増大していると、1人当たりの担当世帯数は減少していって、85世帯ぐらいになっているというお話があって、資料にも若干データがあります。
 ただ、エビデンスベースドな議論をしていきたいということを、私、冒頭以来ずっとお願いしているわけなのですけれども、この平均にどれくらい意味があるのかということなのですね。
 ケースワークの業務の質と量については、自治体ごとに顕著な差があるということは、衆目の一致するところではないかと思っております。
 実際、新聞報道などでは、都内特別区で1人当たり330という事例があったりして、私も大阪などに直接お伺いしてお話を聞いたときは、240、250ということも、しばしばでした。
 ただ、同時に担当世帯数が少なければよい取組になるとは断定できないわけです。意図的に保護率を下げていって、本当に必要なところに支援が届いていないという場合もあるわけでありまして、この辺りをもうちょっと客観的に把握をしたいということです。
 そうでないと、つまり、ケースワーク業務の質と、その量の改善のために、例えば、新たな会議体を設置する、支援のいろいろな活用も考えていくということなのですけれども、そのとおりというふうに、ぴったり当てはまる自治体もあるし、こうした会議体そのものが、また、負担感を高めて、つまり、この会議体を本当に活用して、その情報をうまく生かしていこうという、そういう構えがなければ、単なる業務負担と感じられてしまいかねないところがあるわけでありまして、一体どういう自治体が、どんなふうな世帯の担当体制になって、特にその中で、経験年数の低いケースワーカーが増えているといいましたけれども、これも私も非常勤というか非正規というか、会計年度任用職員という言い方を最近はしますけれども、会計年度任用職員のケースワーカーの割合なども非常に知りたいです。どういう自治体がどれくらいの世帯の負担になっていて、保護率はどうなっていて、そして、その背景には、その自治体のどういう事情があるのかということをある程度見通して、そういうエビデンスに基づいて議論をしていかないと、ここでよい処方箋だと思うことが、必ずしもそのとおりに地域では受け取られないというところもあろうかと思います。
 それで、社援局が自治体ごとの対応にいろいろ神経を使われていることは、非常によく分かります。
 ただ、生活保護は権利ですということをおっしゃっていただいたわけで、それを届かせるためにも、自治体はいろいろで、変化を求める自治体もあるのだと、求めるべき自治体もあるのだということを、事実からスタートしてほしいと思います。
 あと1点だけ、生保を受給しながらの大学進学の問題ですけれども、私は生保の受給層、新しい生活困難層、安定就労層の分断を越えるためにも、相互の不信を越えるためにも、各層を横断する支援の幅を広げるということで、直ちに生活保護を受給したままの大学進学については慎重であるという、これについては、事務局の文書に合った基本的な考え方に賛成をいたします。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 もし言い残した部分ございましたら、後で時間ありましたら、2巡目の議論を予定しておりますので、その際、お願いできればと存じます。
 それでは、新妻参考人、お願いします。
○新妻参考人 ありがとうございます。
 まず、議題1について申し上げます。
 第17回部会において、知事から発言させていただきましたとおり、子どもの学習・生活支援については、非常に重要な取組であるため、全ての実施機関で取り組むことができるよう、国庫補助率の引上げ等、財政支援を強化することが必要と考えます。
 また、学習環境の改善、進学先を含む進路選択、奨学金の活用などに関する必要な情報の提供について、例えば、当県においては、生活保護世帯の子どもの進路選択の状況等について、学校など教育関係者と連携し、必要な支援を行っている事例もあります。
 保護者や子どもの理解や意識を喚起するための、さらなる連携の方策等について、各関係機関にお示しいただくことが重要と考えます。
 高校生のアルバイト収入等に関する収入認定除外の範囲の見直しを行っていくことについては、大学等への進学を支援する観点から必要です。
 なお、大学等修学者に対する生活保護制度の適用については、第17回部会で申し上げましたとおり、一般世帯とのバランス等も踏まえ、慎重に議論すべきと考えます。
 次に、議題2について申し上げます。
 地域居住支援事業のあり方の見直しについては、見直し案を具体にお示しいただくとともに、実施する上では、財政的な支援措置を併せて検討いただくことが重要と考えます。
 住居確保給付金における、コロナ禍において講じてきた様々な特例措置を継続するか否かにつきましては、住居確保給付金が、住居及び就労の機会の確保を目的とした事業であることを踏まえ、支援対象者の就労意欲を喚起しながら支援を実施していくことが必要です。
 住居確保給付金の特例措置の見直しに当たっては、制度の趣旨や効果、特例措置を継続することによる地方の財政負担を踏まえた上で、検討していただくことが重要と考えます。
 最後に、議題3について申し上げます。
 生活困窮者自立支援制度における研修については、国において標準的な研修内容や教材等を作成するなどにより、都道府県研修の実施を推進いただくことが重要と考えます。
 生活保護制度における研修については、都道府県本庁においても、福祉事務所と同様に業務に追われる中での人材養成に課題を有しております。
 市町村等への援助やケースワーカー等に係る研修等について、効果的・効率的に実施し、全国一律に生活保護制度が運用されるよう、国が都道府県本庁等に対して、研修素材の提供や、過去に示されたマニュアルを改めてお示しいただくこと、また、研修等の実施により、都道府県が役割を担えるようサポートいただくことが重要と考えます。
 私からは、以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、堀委員、お願いします。
○堀委員 どうもありがとうございます。
 資料1について申し上げたいと思います。
 まず、4ページ、高卒就職者についてなのですけれども、以前も申し上げましたけれども、日本社会には、まだまだ高卒就職者に対するニーズというのは非常に強く、今年度も非常に高い求人倍率を推移しているところでございます。
 こうした観点から、高卒就職者につきましては、格別の支援が必要だと申し上げてきたわけなのですけれども、今回、進学者とのバランスを考え、一時金を出すという御検討をしていただけるということで、ぜひお願いしたいと考えております。
 他方で5ページですけれども、大学等への進学でございますが、大学等への進学につきまして、様々なアドバイスや指導を行うという点につきましては、大変賛成なのですけれども、生保を受給しながらの大学等進学につきましては、慎重であるべきと考えております。
 現在、就学支援制度はかなり充実してきているということを考えますと、まずは、ここの枠内で考えていただくということが、一般世帯とのバランスからも非常に重要ではないかと考えております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 駒村委員、お願いします。
○駒村委員 ありがとうございます。
 資料の前半部分ですね、子どもの貧困に対して2つあります。
 1つ目は、2ページのところですけれども、これは以前から、いわゆる学生支援にとどまらず、保護者も含めた生活支援ということについて、いろいろ資料は、これまで出ていましたけれども、まだ、はっきりしたことが分からなくて、どこまでやられているか疑問が残る部分もありますので、しっかりとその部分には、生活支援も一体であるということを明瞭にしていくことが必要だと思います。それに伴う財政支援も必要ではないかなと思います。
 今、お話があった5ページの大学等への進学なのですけれども、ちょっとこの資料だと、いろいろなことが、多分ノイズというか、混ざってしまっていて、もちろんそれを認めたいという気持ちを持っている方と、慎重な方の間には、ちょっと持っているイメージが、かなり違ってくるのではないかなと思っています。
 例えば、大学進学率等となっていますが、大学進学率と限定すると、都道府県間でかなりの差がありまして、一番低いのが沖縄の40%ぐらいから、70%ぐらいまで高いところだと差があって、それを規定する要因は何かというと、都道府県別分析ですけれども、親の所得と、それから学力、それから非認知能力、こういったものが影響を与えているわけです。
 したがって、所得だけではない、学力、非認知能力となると、やはり早い段階からの支援というのが有効ではないのかなと思います。
 ちなみに、大学進学率が低いところは、逆にその他の進学率で補っているという感じで見ております。
 それから、もう一つ、非常に困難な姿としては、私も大学の教員ですから分かっているのですけれども、親の経済変動によって、一時的にやはり収入が減ってしまって中退せざるを得ないとか、それから、最近多いのが、親子間で非常によろしくない関係があるということで、なかなか家にいられないような状況の方も出始めているということは承知しています。
 そういう方たちを助けるために、大学生への生活保護を全面的に適用するのかというソリューションなのかというと、本当にそうなのかと、それに対応するためには、別の政策もあるのではないかと思いますので、生活保護を受けながらの大学進学というところについては、仮にフォーカスする問題が一時的な経済変動、親の経済変動とか、親子間の問題、ここに書いてある一時的な活用ということであれば、生活保護というものなのか、別の代替制度を考えるべきではないのかという点を深く考えないと、簡単に○か×かと申し上げることはできないと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 池永委員、お願いします。
○池永委員 全民児連の池永でございます。
 私のほうからは、子どもの学習・生活支援事業につきましては、2ページの【論点】にも書かれているように、世帯全体への支援につなげる観点から必要な見直しを行うという方向性について、民生委員児童委員の立場からも賛同いたします。
 ガイドラインを作成して、好事例を横展開するとありますが、ぜひお願いします。
 11ページに、関係機関、団体との連携の調査が載っています。この中で、民生委員児童委員との連携は21.9%と相対的に低くなっています。
 調査結果で低いのは、私が調べても民生委員の子どもの学習・生活支援の事例があまり出てこなかったことからも考えられます。個々には、学習支援、生活支援を行っている民生委員がいるとは思っております。
 ただ、先ほど高知市の市長がお話になりましたように、私も高知市ですが、学習支援のボランティアへのチャレンジ塾のほうへ、子どもの紹介とか、それからスクールソーシャルワーカーに頼まれて、不登校児の居場所として図書館の部屋を借りる手助けをしたというような事例はあります。
 なぜ低いのかと考えたとき、やはり自治体側にも、民生委員の側にも、具体的な連携のイメージがないからではないかと感じております。好事例によるガイドラインの作成はありがたいです。
 事業の中で民生委員にどういった役割を期待するのか、具体的な連携のイメージがあると関係機関、団体との連携が、さらに進むのではないかなと思います。
 事業に関する分かりやすい説明や前提協働する関係機関、団体の役割や機能に関する情報の周知を、お願いできればと思います。
 私たち民生委員が、子どものいる保護家庭に、直接関わるのは、虐待とか、ネグレクトのおそれのあるとき、関係機関から見守りをお願いしますということがありますけれども、学習支援、生活支援の連携はできていないのではないかなと思っております。
 今、生活保護のケースワーカーの業務の負担や困難が考えられるとき、地域にいる私たち民生委員、児童委員も協力できることがあるのではないかと思っています。見守り活動とかがありますので、お互いに情報を共有しながらやっているのではないかと思います。
 それと、被保護者の大学進学について、種々の施策で大学進学を勧めるのは賛成ですが、ただ1つ、私の経験から心配なことがあります。私たちは、生活福祉資金の申請に民生委員調査書を書きます。教育資金の借入申請でしたが、これは十数年前、リーマンショックの頃、ある家庭を訪問調査いたしました。生活保護の家庭です。
 高校を卒業するけれども、就職先がないから専門学校へということでした。何かその様子から不安がよぎったことを覚えています。
 結果、その子は数か月で専門学校をやめてしまい、借入金の償還が始まりましたが、未納になっていました。その家庭は、現在、他町村に転居しましたので、その後は分かりませんが、気になっています。
 大学進学など、相談があれば親切、丁寧な説明ができる相談体制も必要だと考えますので、よろしくお願いいたします。
 私からは、以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 出原参考人、お願いします。
○出原参考人 岡山市の出原でございます。よろしくお願いいたします。
 私からは、資料1、子どもの貧困の対応についての5ページの【論点】のうち、先ほど来出ておりますけれども、大学進学支援について申し上げたいと思います。
 これは、去る17回部会でも申し上げたところですが、まず、生活保護世帯のお子さんが保護を脱却することができるように、進学への支援を行うということは大変重要なことと認識をしております。
 一方で、生活保護以外で、奨学金やアルバイトなどで、自ら学費や生活費を賄っている学生さんもおられる。そういったことを考えますと、均衡的に、先ほど来ありますけれども、世帯内就学の適用というは、慎重であるべきかなという立場でございます。
 また、大学等への進学支援は、生活保護制度に限らず、低所得世帯に係る問題でもあるため、生活保護制度の運用を見直すということよりも、高等学校の就学支援新制度等をさらに拡充するなど、広く生活に困窮する大学生への支援策の検討をお願いしたいということを申し上げたいと思います。
 2点目として、大学進学に当たって当面必要な費用として、進学準備給付金が創設されていることや、授業料等、入学直後に必要な費用は、奨学金等による対応が可能であるといったような現行の制度の活用を推進すること。
 それに加えて、事前に必要な授業料や入学料のほかにも、入学が決まってから短期間で納入しなければならない費用については、例えば貸付制度などで対応するといったことでは、納入期限に間に合わないと、そういったようなこともあり、入学を断念せざるを得ないということで、結果として、被保護世帯等の大学進学率が低迷しているといったような要因にもなっていることも考えられます。
 したがいまして、前期の授業料とか、施設整備費用、教材代のほかに、入学6か月分ぐらいを目安に、通学交通費などについて、収入認定除外の対象とするようなことも考えていただいたらありがたいのではないかなと考えております。
 私からは、以上でございます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 朝比奈委員、お願いします。
○朝比奈委員 ありがとうございます。市川市生活サポートセンターそらの朝比奈です。
 3点意見を申し上げたいと思います。
 1点は、子どもの貧困への対応についてです。何人かの構成員の皆様方からも出ておりましたけれども、やはり学習支援だけが先行して走って生活支援のイメージというのが、具体的にイメージできなかったり、理解がなかなか広がっていかないというような状況を感じております。
 そうした観点から、この論点で触れられている学習支援と生活支援は一体的にやっていくのだということは明確にしていただくとともに、事業の委託を受けている団体は、自治体しか見ていなくて、横の連携というところを、あまり考えていないというような状況もありますので、仕様書等にもしっかりと明記をし、その中で連携が広がっていくということが必要かなと思っております。
 その意味では、例えば、ガイドラインを作成して、必ず必要な要素として連携ということを位置づけていくという、そうした考え方が必要なのではないかと思っております。
 それから、2点目が居住支援についてです。
 私どもでも、一時生活支援事業を自治体から委託を受けて実施をしております。そこは、アパート借上げ方式なのですけれども、マンパワーも含めて事業を実施し、その後の長いフォローというところまではいかないのですけれども、当然のように、居住支援に類する事柄については取組をしております。
 全体の社会資源の状況からすると、シェルター的な要素も持ち合わせていますが、ステップハウスのような活用の仕方もしていて、ここに書かれている不安定居住者、これについても対応をしております。地域の社会資源によって、一時生活支援事業のありようというのも変わってくるかなと思いますし、今、国は収入基準などを設けておりますけれども、その辺りを弾力的に見ていかないと、この不安定居住の人たちには対応していけないのかなと思っております。
 ただ、それぞれの地域によって様々なニーズが、グラデーションで存在をしていると思います。全国的にしっかりと未実施自治体において実施していくことが必要なのですけれども、一方で、不安定居住の方々も含めた居住支援のニーズを全体として把握をしながら、自治体がそれぞれのニーズをカバーできるように、どういう仕組みを用意するかということについては、地域福祉計画などに盛り込まれることになっている居住支援、その全体としての施策の中で、一時生活支援事業も位置づけられるべきなのではないかと考えおります。
 3点目が、支援を担う体制づくり、人材育成についてです。
 千葉県でも、制度が始まった当初から、千葉県生活困窮者自立支援実務者ネットワーク、通称「ちこねっと」を設立し、仲間とともに活動しております。
 その中で、小規模な自治体で職員の母数が少ないところというのが孤立しがちなのかなと感じておりまして、その辺りでは、広域のネットワークづくりということの重要性は非常に強く感じているところです。
 【論点】のところで、県の研修のことにも触れられていますけれども、この研修の、特に現任者を対象とした研修ということと、この広域のネットワークの活動を重ねていく必要があるのではないかとも思っています。生活困窮者支援は、主に現役世代を対象としておりますので、広域性の意味合いもどこかで含んでおかないと、転々とする人たち、あと就労支援で企業開拓をしていても、どうしても広域での必然性ということが伴いますので、自治体を超えたネットワークに参加していくということは、業務の一環として位置づけていくべきではないかと思っております。
 その中で、研修のことなども併せて具体的な取組につなげていくということが必要かなと思っております。
 もう一つ、生活困窮者支援のネットワークを横に広げていくだけではなくて、各自治体の中では、重層的支援体制整備事業を中心に、分野をどうやって超えていくか、地域共生社会の政策についても取組が少しずつ進んでいるところです。
 生活困窮だけでネットワークしていくのではなくて、そうした分野を超えたネットワークについても連動させていくということも併せて考えておく必要があるかと思います。
 私からは、以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 竹田委員、お願いします。
○竹田委員 ありがとうございます。
 子どもの貧困への対応についてというところで、意見を述べさせていただきたいと思います。
 先ほどから、委員の皆さんか出ているとおり、同じでございまして、ぜひ大学進学に向けて学習支援のみならず、生活支援も一体的に、それもなるべく早い段階から関わっていくということが必用なのかなと考えております。
 ただ、ケースワーカー1人で関わると、どうしてもご自身の価値観だったり、考え方、それは、周りの状況によって、一方的なことになりかねない部分もあると思いますので、なるべく多くの機関と連携しながら、きめ細やかに対応していくというところを、ぜひ事業化していっていただけるといいのかなと思っております。
 あと、大学進学率のことについても、先ほど出ておりましたが、やはり、ポイントとして、かなり開きがあることも、やはり事実だと考えておりますので、そこは、保護世帯内で認めるかどうかというのは、先ほどの意見にもありましたが、そこの格差というところをきちんと埋めていくように、一般施策も含めて検討していかないと、なかなかこの差というのは埋まっていかないのではないかと考えています。
 私からは、以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 浦野委員、お願いします。
○浦野委員 大学等への進学の件なのですけれども、生活保護というフレームの中でやっていくのがいいのかどうかということについては、確かに生活保護という枠でやるよりは、ほかの枠でやったほうが、国民的理解が得られやすいかなとは思います。それだけでも生活保護という仕組みは、色眼鏡で見られがちですし、そこだけに焦点が当たった形で、生活保護で大学へ行くのかというような偏見を助長してしまうこともありますので、そういう意味では、教育行政の中でしっかりやっていただくということが必要なのだろうと思います。
 ただ、憲法26条でその能力に応じて等しく教育を受ける権利が国民にはあるのだとか、教育基本法でも経済的地位によって、それが妨げられないのだというようなことは、これは明確に書いてあることですから、生活保護法という枠ではないにしても、これは何省か、文科省なのか、厚労省なのかということではなくて、国として、全ての国民が能力に応じて等しく教育を受けられるという条件を作っていってほしいなと思います。
 それから、もちろん大学受験というようなところに行く前に、それこそ小学生の段階からしっかりと学習をする、学習環境を整える、学習態度を涵養していくというようなことは非常に重要だと思います。
 それから、今日の資料の中にもありますように、ケースワーカーによる支援を補うために、訪問等によりというような部分がありますけれども、これは非常に重要なことだと思います。
 それについて、具体的にどういう人材像を想定して、どのように資源を整備していくのかということを併せて考えなければいけないのだろうと思います。
 居住支援については1点だけ、無料低額宿泊所について、これまで規制を強化する形で届出制というようなことをやったり、今回、無届けのところに対する罰則をどうするかというようなことが議論になっているわけですけれども、無料低額宿泊所を今後将来的にどうしていくのかと、必要ないものとして減らしていくということなのか、それとも一定程度の必要性があるので、むしろ優良なところについては、きちんといい支援ができる無低宿泊所であるという形で、その質担保ということを支援するという政策、これもどう考えるのかというのを1つ考える必要があるのかなと思います。
 それから人材育成について、研修の体系化というようなことも出ております。その前提になるのは、様々な人たちが、この生活保護の関連、あるいはその関連する仕事に就かれる中で、一人一人の人材のファンダメンタルをどの辺に想定して研修体系を組んでいくのかと、ある程度、福祉分野での経験を積んだ人が、やっていくと考えるのか、全く福祉や対人支援ということと関係なかった分野の人が突然来て、この仕事をやっていくと考えるのかによっても、大きな違いが出てくると思いますので、研修体系ということについては、一人一人の研修を受ける方の、それまでの経験などを含めて、検討していただきたいなと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 以上、オンライン参加の皆様から御発言いただけたかと思います。
 台本では、途中で休憩を挟むことになっているのですが、事務局からそれ相応に長い説明があって、この段階で、皆様、発言しない中で休憩を取るというのは、やや同意が取りづらいかなというふうにも思いますので、まずは皆さん、ちょっと休憩まで、もうしばらくお時間をいただきまして、引き続き、皆さんに1巡の議論していただこうかと思います。時間の制約の件は、よろしくお願いいたします。
その後、お休みを取って2巡目の議論ということで、今日は一応17時までということですが、最大17時半ということで、皆様には内々お伝えいただいて、伝わっているかと思いますが、少し延長もありということなので、そのようにさせていただくことをお認めください。
 それでは、会場からいただきたいと思います。
 まず、岡部委員、お願いします。
○岡部委員 私は、子どもの貧困への対応と居住支援の二つについて意見を述べさせていただきます。
 一つ目の子どもの貧困への対応について。
 1点目は、学習支援費についてです。生活保護受給有子世帯に適用される学習支援費は極めて低い給付実績にあります。これは、生活保護の実施機関が十分教示していないことが、その大きな要因として挙げられます。そのため、実施機関が積極的に教示していく必要があります。子どもの学びや育ちに関わる社会資源の情報提供と活用、そして学習支援費の適用を通して、子どもの学びや育ちの機会が提供されるようにしていただきたい。
 2点目は、高校等の卒業対応についてです。大学等の進学支援の観点から進学準備給付金を創設しています。しかし、高校等を卒業し就職する場合には、就職支度金等が支給されていますが、その給付額、運用は、大学等と均衡を失しています。これは同列に扱うべきであると考えます。
 3点目は、大学進学等の取扱いについてです。この点、文科省等の教育政策の一般政策の中で講じられるべきであるというのが私の考えです。生活保護においては慎重に取扱うべきであると考えます。
 二つ目は、居住支援についてです。
1点目は、保護施設についてです。保護施設は、多様な生活課題のある利用者を受け入れ、利用者の個々の必要と生活再建を図る援助・支援を行っています。
 それをより促進し、実効性のあるものにしていくためには、個別支援計画を制度化すべきであると考えております。また、生活保護の実施機関は、保護施設と情報共有、援助・支援を共有化し、居宅、他法他施策等の地域移行を進めていく必要があると考えております。
 2点目、無料低額宿泊所についてです。届出を義務づけられていますが、無届け施設が数多く見られます。届出勧奨を行っていますが、強制力がなく、また、メリットがないとして届出をしていない事業者がおります。
 質の高い住まいや生活支援を利用者に提供することを考えれば、罰則規定を設けるべきであると考えます。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 佐保委員、お願いします。
○佐保委員 ありがとうございます。
 私からは、各議題に沿って意見を述べたいと思います。
 まず、議題1の子どもの貧困への対応についてですが、資料1の2ページ、子どもの学習・生活支援事業についての【現状と課題】の2つ目にある実施率に関してです。
 子どもの学習・生活支援事業については、補助率を引き上げて努力義務化し、次々回改正での必須事業化を視野に入れながら、小規模自治体での広域実施も含め、実施率を向上させる必要があると考えております。
 次に、5ページにある生活保護世帯の子どもの大学等への進学の支援についてですが、貧困の連鎖を断ち切って、教育の機会均等を図り、さらには生活保護世帯と一般世帯の分断を避けるためには、社会全体で子どもの学びを支援する視点が必要になります。
 生活保護制度の枠組みで何ができるかといった視点ではなく、来年4月に発足するこども家庭庁の政策や、文部科学省の就学支援新制度などと連携を図りながら、希望する全ての子どもの大学進学を後押しするために必要な制度の見直しと、施策の拡充をお願いしたいと思っております。
 次に議題2、居住支援のあり方ですが、資料2の2ページの一時生活支援事業等についての論点です。
 まずは、補助率を引き上げて努力義務化し、次々回改正での必須事業化に向けて、小規模自治体での広域実施も含め、実施率を向上すべきだと考えます。
 また、シェルター事業の対象者については、住居のない人ではなく、居住支援対象者と明確に位置づけ、居住支援事業として再編、拡充すべきだと考えます。
 あわせて、こうした事業を実施するに当たっては、公営住宅やセーフティネット住宅、空き家の活用を進めるとともに、居住支援法人などとの連携を強化する必要があると考えます。
 次に、3ページの生活困窮者住居確保給付金の見直しに係る論点について3点ほど申し上げます。
 1点目は、自営業者に対する求職活動要件や、離職、廃業後2年以内という離職要件を撤廃、緩和する方向で見直し、フリーランスなどを含めて利用しやすい制度に改善することが必要と考えます。
 2点目は、支援が必要なときには、再申請できようにすることが必要と考えます。
 3点目は、職業訓練受講給付金との併給を特例としてではなく、恒常的に認めることが必要と考えます。これらの改善をお願いしたいと思っております。
 それから、4ページ、生活保護における居住支援のあり方、保護施設についての【論点】の3つ目ですが、救護施設等の入所者が抱える課題への対応は、もちろん大切ですが、救護施設等で働く職員が抱える課題についても、聞き取り調査などで把握し、対応していただきたいと思っております。
 議題3、支援を担う体制づくり及び人材育成等についてですが、資料3の3ページにある自立支援における人材養成研修のあり方についての論点に関して、相談支援に当たる人材の専門的資質を高め、社会福祉士など、適切な資格を持つ人を配置することが望まれているため、相談支援員に対する研修の充実や資格取得へのサポートなどをお願いしたいと考えております。
 私からは、以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 生水委員、お願いします。
○生水委員 生水です。
 まず、資料1の5ページの大学等への進学の支援についてですが、皆様方からの御意見を伺って、教育に関する政策の中で幅広く検討する必要があるとの御意見は、重要だと思います。
 ただ、これは、現役の大学生にとっては待ったなしの問題であって、第19回で参考人の方々から発言があったように、虐待等の理由で親に頼れず、精神不安を抱えながらも、自身の力で大学進学される若者がいる中で、困窮したときに、一時的にでも生活保護を活用して、大学等を退学しなくてもよいように支援する仕組みは必要だと思います。
 例えば、住居確保給付金のQAでは、具体的な例としまして、児童養護施設を出て大学に通う学生など、事情により両親に頼ることができず、生計維持者として、生活費等を賄っている学生については、対象になると明示されています。何より生活保護が一時的にでも困窮する若者が頼れる制度となってほしいし、それは、子ども、若者による自殺が非常に深刻な状況が続いていることから、今回配付いただきました新たな自殺総合対策大綱においても、さらなる強化が図られた、子ども、若者の自殺対策の取組にも資するものだと思います。
 次に居住支援についてですが、資料4の奥田さん提出資料にございます、住宅セーフティネット改正に合わせて、困窮法における居住支援関係の改正を延期すべきとの意見に賛同します。
 その上で、資料2の2ページの一時生活支援事業を努力義務化にすることについても賛成です。
 あわせて、6ページ中段に、一時生活支援事業の手引の抜粋がありまして、この事業の内容が、衣食住の提供と相談支援の提供であることが書かれています。
 また、この資料によりますと、住居確保までの間の生活保護と一時生活支援事業の併用が可能と書かれております。生活保護には、生活扶助、住宅扶助、そしてケースワーカーによる支援があるので、支援の重なりが生じることになります。つまり、一時生活支援事業の支援の一部を生活保護制度で充足できるということです。
 ホームレス状態の方の支援の最優先事項は、一時的な住まいの提供です。そこで自治体の実情に応じて、一時生活支援事業の、この住まいの部分だけでも実施できるなど、実施要件のハードルを下げることによって、必須化に向けて事業の実施率を高めることができるのではないかと思います。
 次に3ページの住居確保給付金についてですが、これらの特例措置を恒久化する必要があると思います。
 特に再支給については、本則の制度として、再支給が制限されないことが必要だと思います。また、職業訓練受講寄附金等の併給については賛成です。
 これから地域訓練協議会に、生活困窮支援制度担当部局が参画できるようになることで、生活困窮者のニーズに合った訓練コースの制定が推進されていく期待もあるので、給付金との併給は、職業訓練やそして就職活動の後押しに役立つものと思います。
 あと収入算定についてですが、特に児童扶養手当は、職業訓練受講寄附金には収入算定されない取扱いですので、同じ扱いにすべきではないかと思います。
 次に、資料3の2ページの論点、福祉事務所未設置市町村における一時的な相談窓口の設置推進についてですが、これは、未設置自治体の自治体が主体的に相談業務に携わることができることが必要で、それには重層的支援体制整備事業の推進強化を図ることが必要ではないかと思います。
 支援会議、そして地域のネットワーク体制の整備も構築できるので、これによって生活保護においても、被保護者に対して身近な窓口で機能的な支援ができるのではないかと思います。
 最後に参考資料の同大綱を配付いただいておりますので、その内容を踏まえて述べます。
 資料3の支援を担う体制づくりに関して、子どもの自殺危機対応チームとして、都道府県等に医療、法律、福祉等の専門家チームを設置して、学校の教員等が自殺リスクを抱えた児童生徒に対して、適切に支援できるようにするのをサポートするといったことがうたわれています。
 各市町で専門家のチームを作るのは困難ですし、非効率的なので、都道府県単位、広域でチームを作って、市町村、そして学校といった現場を支援する仕組みが求められていると思います。
 そして、人材育成におきましては、ステップアップ研修について賛成です。
 それには自殺対策のゲートキーパー研修との連動が効果的ではないかと思うのと、厚労省の社会福祉推進事業の自殺対策における地域連携包括支援体制の在り方に関する調査研究事業において、生活困窮者支援体制との連動性にどのように国が考えているのかを、またの機会でいいですので教えていただければと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、大西委員、よろしくお願いします。
○大西委員 ありがとうございます。
 今日は、せっかく論点の俎上に上げていただきましたので、救護施設における支援機能の強化と充実についてお話をしたいと思います。
 現在、全国の救護施設では、個別支援計画、これは、もう2002年からその計画を立てて支援するように推進しているわけなのですが、悲しいかな、措置権者である福祉事務所と、これが共有できていないというところが散見されます。
 救護施設が行う地域移行等に向けた支援をさらに充実して、利用者の自己実現や自立を支えるため、個別支援計画作成の制度化、福祉事務所との連携強化が大変重要であると思っております。
 あわせて、個別支援計画作成の習熟やスーパービジョンの実施等、職員の確保、育成支援の質の向上のために取組をお願いしたいと思います。
 2つ目は、救護施設では、就労経験が浅い、ない利用者に対する就労意欲の醸成に関する支援、就労に向けた生活習慣の確立に向けた支援、ハローワーク等への同行、就労後のフォローアップ等、就労への意識づけから職場定着までの段階的な支援を行っていますが、例えば、就労を支援する職員の配置等、就労支援策の強化、これからの救護施設には必ず必要になってくるものと考えております。
 下の絵は、今の文言を図式にしたものでございます。以前の審議会でもちょっとお話ししましたが、救護施設の機能を持って重層的支援体制、また、地域共生社会の実現が目指せるのではないかということでございます。
 今、お願いいたしました救護施設の現状は、この個別支援計画を柱として事業運営をしております。個別支援計画の作成の制度化によるフィードバックと連携の強化をしていただくことによって、今まで利用者と支援者で作成していたものに福祉事務所が加わること、これは大変大事かと思っております。本人の自立と自己実現に向けた道筋を総合的にデザイン化することができるかと思っております。
 また、2つ目でお話ししました就労支援の強化、これは、居住支援の強化とあわせて、救護施設には大変重要なものかと思っておりますので、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 右側のほうが、地域における救護施設の機能を生かす図式になっております。
 被保護者が一時的に救護施設を利用することで、課題と目標を的確にアセスメントでき、援助方針や指導援助の実効性を高められる。救護施設職員が持つアセスメント機能を大いに活用していただいたらどうかと思っております。
 また、下の黄色い矢印ですが、現在、救護施設で行っております通所事業の拡充により、地域の被保護者への支援が可能かと思っております。他制度でなじまない方が、地域で安心して生活するためのセーフティネットとして機能ができると思います。
 その中ほどに、冒頭ちょっと触れましたが、自立支援相談窓口、私の法人の話で申し訳ございませんが、大阪で4か所の自立相談支援窓口を展開しております。
 それによって気づくことは、それをバックアップする施設、拠点となる施設があるということは大変重要だなということを気づいております。
 単純なお話として、ワンストップで衣食住が欠ける相談者が来た場合に、電話1本ですぐに解決するわけです。また、そこの施設には、就労訓練事業の認定を受けたり、居住支援法人の機能を持っているわけですから、その先につながる支援にも、即座に提供していけるということでございます。
 4分過ぎましたから、また後ほどにしましょうか。
○菊池部会長 はい、できれば。
○大西委員 以上です。
○菊池部会長 御協力いただきまして、ありがとうございます。
 ここで、オンラインで宮脇委員からお手が挙がっていますので、お先にどうぞ、宮脇委員。
○宮脇委員 失礼いたします。
 鳥取県の湯梨浜町長の宮脇でございます。
 議論が深まっていく中で、入り口のような話をさせていただいて、申し訳ないと思いますが、ちょっとお伝えできればと思います。
 鳥取県では、福祉事務所の設置につきまして、県のほうと、より住民に身近なところでしっかりとサービス提供していこうということで、実は15の町村のうち13が小さいながら福祉事務所を設置しています。
 ということになりますと、研修などにおきまして、例えば、県のほうもそれなりで、あと2つの町しか、要するに福祉事務所を持っていないところはないわけです。県の福祉事務所自体も、人の削減とか、そういうことにもなっているという状況があって、これは県の悪口では決してないのですけれども、そういうことからいたしますと、やはりその研修を、国においてどの辺りまできちんと、どういう内容のことをやるか、どういうことをすべきかその辺りのことを少し深めていただきたい。このたびわが町において、ちょっと生保のほうで、保護費の一部を支給しない、事故があるというような事例も発生しておりまして、これは、私どものほうも事務の手引のしっかりしたものを作っておこうということは確認しているのですけれども、それぞれ、一定の期間ごとに話し合いなどをしているようですが、町村単独では限界があると思っております。
 何とぞ、その辺も御考慮いただければありがたいと思っております。失礼いたしました。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、会場に戻ります。渡辺委員、お願いします。
○渡辺委員 ありがとうございます。
 私のほうから資料1と資料3について意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、資料1の2ページ目、皆さんもおっしゃっていただいておりますが、本当に学習支援事業と生活支援事業の一体任用ということは非常に重要だと思いますので、ぜひこれを進めていただいて、本当に取り組んでいる自治体を評価するといいますか、加算をするなどで応援をいただけるのがいいかなと思います。
 また、皆さんおっしゃっているように、非常に学習支援、生活支援事業に関しては、もっとやりたいという中で、補助率のアップですとか、特にコロナで本当に大変になっていて、不登校も物すごく増えている中で、学校には行けないけれども、学習会には来られるというお子さんたちもたくさんいる中で、そういう学びを止めないためにも、このようなことが自治体の方でしっかりとできるような体制というのが必要だなと思っております。
 また、その下の高校生の切れ目のない支援に関しましては本当に重要で、ただ、これをみんながやるというのは大変だと思いますので、好事例とともに、本当に広域連携ですとかオンラインの支援の仕組みみたいなモデル事業などをやるのが必要ではないかと思っております。
 続いて3ページ目で、生活保護世帯のお子さんたちが、困窮の授業に来るというのは、本当にどんどん進めていただきたいと思っています。
 その際に、細かいことなのですけれども、例えば、学習会に来る交通費が生活保護の子は出るけれども、生活困窮から来る子は出ないとか、そこで事務が非常に煩雑になったり、逆にイベントとかに行こうというときに企業さんの御支援で、交通費が出るよというのが、生活保護の子は、これは、要は収入認定されるのではないかとか、食品の寄附だとか、食料支援や、その食品が、寄附をもらったから配るよというときにも、生活保護は、これは認定になりますかみたいなことが、非常に細かいことだけれども出てくるのですね。
 こういったものに関して、ガイドラインを作って、例えば、3,000円未満のものであれば、学習支援、生活支援事業にかかるものは、収入認定しませんだとか、何かそういったものを作ると、本当に切れ目なくできるというか、あそこのうちはもらえて、ここはないみたいなことが、結構子どもや現場では気になるところですので、そういったことが必要ではないかと思っております。
 また、4ページ目の、本当に就職する子への支援というのはすごく重要で、何でもそうですけれども、新生活を行うときが一番大変で、そこでやはりお金が全くないというのは非常に不安で、やはり仕事が続かないということになるので、ぜひと思いますし、その際に金銭教育なども一緒に行っていくと、一時的にお金がどっと入ってくる中で、使い方が分からないので、ばんばん使って後が困るみたいなことがないように、金銭教育を行いながらも、必要なお金は、しっかりと給付して自立を促進していくことが重要だろうと思っています。
 また、5番目の大学等の進学への支援について、もう皆さんおっしゃっているとおりだと思っております。
 ただ、その中で本当に大学にせっかく行ったのだけれども、ちょっと今苦しいという方が中断をして、休学をしたりとかして、生活保護を受けて、また状況が良くなったら戻るとか、そういう滑らかな運用ができて、止まることのないように、今ちょっと行われているのは成績不良になると中止になってしまうということで、これは中止になるともらえないのですね、例えば、大学1年生で成績不良で留年ですとなると、1単位足りなくて留年ですとなっても、もう3年分もらえなくなるので頭を抱えるみたいな状況になってしまうので、本当に、こういったことを配慮すると、特に頑張って理系に進むと、理系は厳しいので留年率が普通でも高い中で、本当にどうしようもなくなってしまうみたいな学生さんが出てきています。
 ですので、これは本当に大学側への理解をもうちょっと進めてもらって、大学側でしっかりと生活状況を配慮して、就学支援の制度でしたから、休学をやることが重要だと思っております。
 最後に、資料3の支援を担う体制づくりで2つだけ、本当に学習支援に関しても、研修はすごく重要だと思っておりますし、朝比奈委員がおっしゃっていたように、研修だけではなくてネットワーク化ですね。
 実は昨日、一昨日と、私たちがやっている一般社団法人子どもの貧困学生支援教育支援団体というようなところで、1泊2日の合宿をしまして、これは、みんな自費で参加するのですけれども、全国から30人集まって、わいわいやりました。やはりニーズとしてはすごくあるかなと思っております。
 最後に、生活保護の不正受給についてなのですけれども、これは、本当に正しく認知をしてもらうことがすごく重要だと思っておりまして、本当に生活保護を不正受給している方が多いというようなイメージをたくさんの方が持っていて、それが生活保護を受けている人のバッシングにもなってしまうので、必要な方が生活保護を受けないと、それでみんな体を壊されていくという非常に悪いことになっているので、この部会でもずっと生活保護とか生活困窮者自立支援制度の認知度向上ということが言われておりますけれども、本当に正しく制度を理解していただいて、生活保護というのは必要な制度で、非常によい制度で、本当に不正受給などというのは、たったこれしかないのですよとか、こういうことにちゃんと取り組んでいるのですよということをしっかりと伝えて、本当に皆さんが安心して制度を利用できるようになるのが必要だと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 奥田委員、お願いします。
○奥田委員 今日、私、委員資料としてペーパーを出させていただきましたので、そのいくつかだけ、ポイントだけお願いしたいと思います。
 まず、最初に、さっき生水委員も触れていただきましたけれども、私は居住の課題というのは、コロナにおいても明らかになりましたし、これからの日本の社会保障において住まいの保障というのが、やはり非常に大きな柱になると。
 ただ、それは厚労省単独でできるかというと、やはり住まいそのものでいうと国交省さんの施策というのは非常に大きいのですね。私ちょっと勇み足で、24年に改正されると書いていますけれども、そんなことは、まだはっきりと誰も言っていない、夢で聞いたような話なのですけれども、いずれにしても近い将来、住宅セーフティネットの改正等に踏み切らざるを得ない現状であると。
 そうなると、今年、いわば住宅の問題というよりかは、ソフトですね、ケアを中心とした議論を生活困窮あるいは生活保護でやっておりまして、その後に、建物、箱の話が出てくる。現にこの議論の中でもセーフティネット住宅という言葉は、ほとんど登場しなかった。国の施策の中で居住支援という非常に大きな、メインの70万戸以上も確保した住宅のことが出てこないと。
 やはり、私は、全ての制度は、現場のニーズに応えるためにのみ存在している。だから、制度に現場が振り回されては困る。
 ですので、私は、やはり居住のことに関しては一旦立ち止まって、もう少し材料が出そろったところで、統一的もしくは包括的な判断をすべきだと考えています。
 ざくっと言えば、やはり、住宅の確保等は国交省が中心、やはりケアとか人等の問題に関して、あるいは給付そのものという話においては、やはり、厚労省が担う場面が非常に大きいのではないか。やはり、これは一体的にやるべきであって、さらに法務省さんも居住支援に関しては、この間、非常に大きく議論が進んでいるところでありまして、これも、今、再犯防止計画の実施計画の見直しをされている最中なのですね。
 ですので、やはり、3省共同で協議会を起こしているわけですから、こここそ、きちんと3省が足並みをそろえて、この国の住まい保障をどうするのかという議論をすべきであると、これが第1点です。
 第2点は、やはり、もう既に今日の資料に書いていただいていますけれども、一時生活の実施が、やはり36%にとどまっています。それの理由が、対象者なしが55%の自治体がそう答えているのですが、それは主に多分ホームレスがいないという話だろうと。
 しかし、そうではないはずで、なぜかというと、一時生活未実施の自治体の86%が住まいの不安定の相談があると、9割近くが住まいの相談を受けているというのですね、しかも未実施の自治体の、そうなると全体で進めるべきで、今回、資料の中に全国的な事業の実施が必要だと、努力義務化だと、私は、やはり努力義務化の先に、これは全国で一律にできる体制を目指すのだと、今日の時点で必須化とまで書かなくてもいいかもしれないけれども、努力義務の先は、やはりちゃんと認識すべきだと。
 そのために、やはりホームレス対策という、ある意味誤った認識を改めるためにも、私は、事業の名称を居住支援事業という大きな事業名に変えるべきだと、これを一時生活支援事業は、どこまでもホームレス、地域居住支援事業は、その他の人と、この区分はあまり現実的ではないわけですね。
 実際、今日の今日行くところがないという人たちが現れているわけです。ですから、そのこともあります。
 さらに、ここにデータを入れましたように、ホームレス実態調査では、ホームレスがほとんど確認されていない自治体でも、生活保護の窓口には、ホームレス状態の人が、これだけ来ていると。
 ですので、なかなか、このホームレス施策は、もう終わったという話にもなっていないと。
 すみません、もう最後のところですが、今日の今日、緊急的な対応はどこでするのか。一時生活支援事業が、なぜ普遍化しないかというと、やはり一応収入の規定が入っているからです。収入の規定が入っているものだから、そこで絞っているのですね。
 しかし、実際の現場の対応では、今日の今日行くところがない人に、その時点で、では、あなたの収入はいくらですかという話を、実際できないし調べようもないのですね。
 そうなると、私は、この収入要件を緩和して、一時生活支援事業で全て今日の今日の対応ができるようにすべきだと、そのように考えています。
 ほかにもありますので、また、第2ラウンドで話します。よろしくお願いします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 勝部委員、お願いします。
○勝部委員 子どもの学習支援、それから生活支援の問題についてですが、この3月に進路が決まらないまま、中学校を卒業した不登校の子どもがいて、学校連携で私たち生活困窮者支援がつながりました。
 学習支援の場所もたくさんありますし、居場所もたくさんありますが、とりあえず、朝起きて、その子を居場所まで連れていく、保護者とつながって、安心してこの人たちなら任せられるという、この関係を作るのにすごく時間がかかることと、毎回毎回やはり日にちを決めても、その時間に参加できるという保証がない、そういう体制ができない子たちを支えていくためには、この生活習慣育成環境の改善ということがとても求められるのですけれども、ここまで一体的に学習支援のとこでやっておられるところというのは、まだまだ少ないと思うのです。生活支援と学習支援又は参加支援は重要であると考えます。
 やはり、ここがしっかりとないと、いろいろな場所があったとしても、結局行ける子だけが行っていると、本当に届かないといけない人たちには届かないというままで、改善につながらないということを強く思いますので、この辺りが一体的にできることをもっともっと強化をし、皆さんに周知をしていくということが必要で、全体の中身がレベルアップしていくことが大事かなと思います。
 2点目の大学生の一時的に困窮された状況の時の支援というのは、本当に生活保護ではできないのだったら、何かほかのものがあるのですかと問いたい、住居確保給付金と自立支援金を、こういう子たちにも適用できるような形で、代替として一時的に支援できるようなものが、別途作られるとか、あるいは大学が、そういう子どもたちに対しての支援ができるような基金や何かを積み立てているとか、ただ生活保護は無理ですというだけでこの審議会はよいのかと疑問に思います。
 皆さん、人生ゲームというゲームがあって、あの人生ゲームは、昭和の時代は最後までゴールに行くと、子どもがいたら、たくさんお金がもらえるのですね。けれども、今は子どもが一人生まれると、お金を払うことが多くなるという内容です。だから子どもが生まれない人のほうが、お金がたまるということに令和の時代はなっていると。
 要は、教育費がかかり過ぎるということが、全ての人たちにとって負担なわけですから、全体の負担が大変だから生活保護にはしませんという論議ではなくて、全体の教育費をどうしていくかということを、やはり考えていただきたいなと強く思います。
 それから、住居確保給付金のコロナ特例で行ったことについてですが、これまでのいろいろな問題というのは、離職とか廃業なので、自営業の人たちで一時的に収入が減ったとか、少しパートのお金が減ってしまって、もうこれでぎりぎりの生活だったみたいな人たちを、救うことができなかった部分が、今回の多くの人たちを支えるための厚労省の素早い対応をしていただいたことで、たくさんの人たちを救うことができたということに勘案して、今回のこと、いずれ戻していくのが本来の姿にと、本来は一体何なのかというところがちょっとよく分からないのですけれども、本来の姿は、自営業の人にも対応できる、実はこちらではなかったかなというところを考えまして、ぜひこの考え方を進めていただくこと。
 それから、収入の算定で、たくさん子どもさんがいる御家庭は、結局、住居のほうには使えないということになっていましたので、ここも算定しないということについては賛成したいと思います。
 最後ですが、生活保護のワーカーさんが3年未満の人が多いとか、その方々も多分非正規の方が相当多いのではないかと思われます。
 私たちのところで、先日も保護を受給されている方が、毎回毎回人が変わる。そして何かあったら何でも言ってくださいねと言われても、何かあっても、あんたと初めて会って何が言えるのかとおっしゃっていました。
 やはり体制的な問題が、非常に職員の処遇というところが、大きな影響がある。これは困窮のことを、私はずっと思っていましたけれども、生活保護のほうにも同じことが言えて、これだけ複雑多岐な課題が増えてきた、生活保護に「その他世帯」が少なかったときは、老人か障害者か、それから病気の人かということで、ある程度決まっていた人を保護する発想だったわけですけれども、今は、様々な世帯の人たちを支えようと思ったときに、これまでどおりの方法で当てはまらないかで指導するという、そのやり方では絶対に自立支援にはつながっていかないのではないかと思いますので、困窮者支援のほうの様々な研修体系をということと併せて、生活保護の人たちもやりがいを持って、そして、実施できるような環境をしっかりと保っていただきたいなということを切に思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 では、五石委員、お願いします。
○五石委員 4点ございます。
 まず1点目が、資料1に関連していますけれども、これは、以前も申し上げたところなのですが、児童福祉法で子ども家庭総合支援拠点、それから子育て世代包括支援センターというのがございます。
 今般、法律が改正されて、さらに子ども家庭センターを設置するという話が出ておりますが、これと生困の学習支援、生活支援事業とどう関係しているのかというのが、やはり、ぜひ国のほうに整理をしていただけないかと思います。
 実際、例えば、子どもの貧困法で各自治体が計画を作ることになっておりますが、その計画を全部見たのですが、各自治体が、生困の学習支援事業と相談支援事業、それから先ほど申し上げた各センターを羅列しているだけで、一体どこが中心になって支援をするのかというのがはっきりしていません。
 今回の資料でも、児童福祉法上のこれらのセンターのことについては言及がないですし、また、子ども家庭センターの資料を見ても、生困の話は一切出ていないですね。何か両者が知らないふりをしているような印象があって、先ほどの生活支援の話も関係していると思うのですけれども、生まれてから大人になるまで、家族一体的に包括的に支援するという意味で、これらのセンターと生困とがどう関係しているのか、どういう支援を一体的に行うかということを国として、ぜひ整理していただけないかと思います。
 それから、2点目ですけれども、資料1のほうで、2ページに地域未来塾等がありますけれども、これも前回に申し上げたのですが、もし、実質的に同じことをやっているのであれば、やはり統合していくべきではないかと思います。それこそが、効果的・効率的な実施につながりますし、また、自治体にとっても地域の実情に応じた支援ができるのではないかと考えます。
 3つ目は、資料2のほうになりますけれども、6ページのところで、先ほど生水委員がちらっと触れたのですが、一時生活支援を受けている間に生活保護決定をして、しばらくこの一時生活支援と一体的に支援が受けられるとなっているのですが、そのときに生活保護を受けることができるのかどうかということを、ちょっとお聞きしたいと思います。
 これまでは、一時生活支援を受けながら生活保護を受けることはできないという運営になっていたと思いますけれども、今回この資料を出していただいて、これが変わったのか、あるいは変わっていないのか。もし、変わっていないのだとすれば、生活保護決定を受けながら生活保護の生活扶助を受けることができないということになれば、公平性ですとか最低生活保障の点で疑問があるのではないかと思いました。
 それから、最後の4点目ですけれども、住居確保給付金のところで、今回、本来の制度目的等も踏まえつつという文言がございます。現行では、就労自立が本来の目的になっているかと思いますが、これを今回は、この点は変えないということかと思います。
 この部会でも、以前から家賃補助ですとか、住宅手当という形で制度を一般化すべきではないかという声があったかと思いますけれども、それは、今回はしないという答えなのかなと解釈をしておりますが、それでいいのかどうかということを、ちょっとお聞きできればと思います。
 以上です。
○菊池部会長 今の御発言の3点目ですかね、お問い合わせというか、事務局に対するものがあったかと思うのですが、この点いかがでしょう。
○河合室長 資料2の6ページのところで、一時生活支援事業を利用しながら、保護決定をした後に、保護の生活扶助みたいなものが受けられるのかどうかという御指摘と受け止めました。まず、一時生活支援事業の現物給付を行う施設の入所者については、福祉事務所が、その施設においてどの程度の生活の需要が満たされているかどうかというものを個別に判断して、保護の要否や程度の決定を行うものと考えております。
 ですので、福祉事務所が、その施設などにおいて日常生活の需要の全てが賄われていると判断する場合については、もう保護費は支給されませんし、逆に日常生活の需要に充足されていない部分があると判断する場合は、福祉事務所が、需要が充足されていないと判断する程度の保護費が支給されるものと考えております。
 以上です。
○菊池部会長 いかがですか、五石委員。
○五石委員 それは、私が伺っているところでは、一時生活支援事業を受けている方の中では、生活扶助を初めとした生活保護は支給しないというお答えを、お問い合わせがあった自治体に回答されたと伺っているのですけれども、それは変更するという解釈でよろしいのでしょうか。
○菊池部会長 池上課長。
○池上課長 今、河合のほうから申し上げたように、当該施設において、日常生活需要について賄われているという場合には、支給はされないことになります。
 ただ一方で、医療上の必要があるとか、そういったものについては別途、医療扶助が支給されたりということになるところでございます。
○菊池部会長 この時点では、よろしいですかね。
 ちょっと待ってください、今の関連ですか。
○生水委員 関連です。
○菊池部会長 では、端的にお願いします。
○生水委員 今の御説明なのですが、例えば、住宅扶助は、一時生活支援事業の施設入居しているからなしで、生活扶助においても、ないと思っていたのですけれども、生活扶助の中でも、例えば、食べ物等支給をされていたら、そこの部分だけがなくなって、残りの、例えば携帯電話であるとか、ほかにかかるものについては、お支払いいただけるというような考えでよろしかったでしょうか。そこは精査していかれるという、生活扶助全てが駄目ではなくて、一時生活支援事業の中で賄われているものについては払わないけれども、足りない費用については支給が可能と、そういう考え方でよかったのでしょうか。うまく言えなくて、すみません。
○菊池部会長 お願いします。
○池上課長 基本的には、施設で生活していただいているということでございますので、通常の生活需要については賄われていると見ることになろうかと思いますけれども、自治体の状況については、少し確認してみたいと思います。
○菊池部会長 関連ですね、奥田委員、どうぞ。
○奥田委員 すみません、まず、この絵自体は、申請から決定までのところは、一時生活で見ますよという話ですね。ほぼ申請してもすぐに決定しないし、支給されないから、そこは一時生活で見ますよと。
 ただ、今、自治体に聞きますという話になったのですけれども、自立支援センターの存在は非常に微妙で、私は現場でやっていますけれども非常に微妙で、確かに住むところと、食事等は一時生活で賄っているのです。
 一方で、医療扶助に関しては、必要に応じて医療扶助、だから実際には生活保護を申請している状態になっているのだと思うのです。
 そのときに厳密なことで言うと、そこで現物支給されているものと、生活扶助というものが果たして一致しているのか。生活補助のレベルのものが、現物給付になっているかというと、この辺は非常に微妙なのだと思うのです。
 だから、この制度自体が、やはりずっと生活困窮者自立支援制度の前から、ホームレス対策で来ていたというところの相乗り性みたいなものがずっとあって、それは、やはり、私は現場にいてもよく分からないですね、これは、生活保護がベースなのか、生活困窮がベースなのかというところで、補足性の原理でいうと、では、何が足りていないのかという議論は、実際にはされてこなかったと思うのですね。五石先生がおっしゃるとおりで、そこは非常にグレーのところで、3か月とか半年とか期間限定で来ていたので、その後、完全に生活保護に行く人あるいは自立する人というとこに分かれていくので、ただ、その期間併用されているというのは、やはり一方で現実で、だけれども、それが扶助のレベルというものから比したときにどうなるかという議論は、やはり残るのだろうなというのは思います。
 ただ、私はこの手前のところ、保護申請期間中一時生活が使えるということは、これはこれで非常に評価すべきことなのだけれども、それが、実施率が36%しかないのだったら、やっていない64%の自治体は、保護申請期間中は一体誰が面倒を見ているのかというのが大問題ですよというのは、その手前の話としては存在している。やはり、今、2つの議論になっているのだと思います。
○菊池部会長 実務を踏まえた整理をいただきまして、ありがとうございます。
 岡部委員、では、短くお願いできれば幸いです。
○岡部委員 一時生活支援事業は、要保護状態にある人も利用できるということになっています。生活保護の申請をされている人の一時的な場としても利用できます。また、治療が必要な場合は、医療扶助単給といって医療サービスを提供することができます。そこで生活保護の開始となります。
 それと、自立支援センターについては、基本的には生活扶助相当分、または住宅扶助に当たる場になりますので、その水準は同等またはそれ以上の水準にあたることで整理をしています。そのため生活保護基準を下回っていることはないということになります。
 これは、別の例で述べれば、災害救助法の仮設住宅等は、住宅として、緊急時に提供されます。それは生活保護基準と関連して考えれば、それは、同等またはそれ以上の水準はあることで整理されています。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 かなり深まったのではないかと思います。
 それでは、新保部会長代理から、よろしいですか。ここで、もし何かあれば、お願いします。
○新保部会長代理 ありがとうございます。
 それでは、私からは、支援を担う体制づくり及び人材育成等について申し上げたいと思います。
 3ページ目の生活困窮者自立支援における人材養成ですけれども、【論点】のところの、今後も国がイニシアチブをとって進めていただくということについて、ぜひお願いしたいと思います。
 また、都道府県が、人材養成を推進できるような強力なサポートも必要かと思います。
 法の理念、制度の基盤となる内容について国研修が担い、都道府県研修では参加型の研修を実施ということで、基本的には、この方向でよいと思うのですけれども、もともと国研修も講義を聞いて帰っていくというような聞きっ放しの研修は、最初からやっておりませんで、きちんと身につける、演習を取り入れながら参加型の研修を行ってまいりました。
 もう一つ大きいのは、研修企画チームというものを都道府県ごとに作って、都道府県研修を推進していることです。国の研修に参加した参加者が、その研修企画チームに入り、学んできたことをきちんと伝える、伝え手になるという、そういう循環が、理念や、各地における取組であるとか、悩みも含めて共有しながら推進していく大きな力になったのではないかと思います。
 ぜひ、そこに一時生活支援事業や、子どもの学習・生活支援の研修も入れていただき、共通の基盤の中で人材養成を行っていく。
皆様から御意見がありましたけれども、参加型は、知識や技術の習得と同様にネットワークを作るということにも大きく貢献しますので、ぜひそのような方針で進めていただきたいと思います。
 それから、4ページ目の生活保護制度においても、多くの委員からの御意見がありましたように、ぜひ国がイニシアチブを取っていただきまして、各都道府県ごとの研修が充実したり、ケースワーカーも、自治体も横につながりながら相談支援、自立支援が充実していく方向性を進んでいただければと思います。
 資料の中に書いてありますが、実はそういう取組は、生活保護のほうでもかなりこれまで実施してきた実績があります。これまで作られた手引なども、よりバージョンアップしていただきながら、充実させていっていただければと期待するところです。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございました。
 それでは、ちょっと長時間にわたっていますので、短くてすみません、5分間だけ、50分再開ということで、5分間休憩とさせていただきます。お願いします。
(休  憩)
○菊池部会長 それでは、再開させていただきます。
 それでは、まだ、御発言がおありの方に追加でお願いしたいと思いますが、当初5時までと御案内しておりますので、5時で御退室いただく必要のある方で御質問のある方を先にお願いしたいと思いますが、岡部委員も5時で次の仕事のためご退出と言っていただいていますが、ちょっとお待ちください。
 ほかに5時あるいは5時過ぎでご退出、5時半までいられないという方で御質問のおありの方は、特にいらっしゃらないですか。
 それでは、すみません、公平を期すために、それ以外で、今日2巡目御質問の御予定の方は、お手を挙げいただきたいのですけれども、会場でいかがですか。5時半までの方の中でも、お手をお挙げいただきたい。分かりました。
 オンライン御参加の皆様から、いかがですか、挙手ボタンで御意見おありの方、おられないですか、よろしいですか。岡﨑委員がいらっしゃいますね。分かりました。
 それでは、すみません、お一人3分でベルを鳴らさせていただきますので、お願いできれば幸いです。
 それでは、御退出になられる岡部委員から、お願いします。
○岡部委員 資料3について、発言をさせていただきます。
 基本的に人材育成については、生活困窮や生活保護を担当する職員に対して育成を組織的・計画的・継続的に行う必要があることを述べたいと思います。
 この点に関して、2003年から2004年にかけ開催された社会保障審議会福祉部会で生活保護制度の在り方に関する専門委員会で検討されました。個々の援助が担当職員によってばらつきがあり、また、経験のある職員によっては職人的な業務を展開しているため、その業務がなかなか組織として継承されない課題が指摘されました。
 そのために組織的、体系的、継続的な援助・支援を行うためにということで、自立支援プログラムの導入が図られた経緯があります。
 そして、もう一つ、援助・支援の体制については、2002年に生活保護行政職員の資質向上に関する検討委員会が設置されています。これは、生活保護担当職員に関して、先ほどからもお話が出ていましたように、職員が大体長くて3年から5年ぐらいのサイクルで異動します。この点に、担当にあたる職員は自治体で一般行政職採用と専門職採用があり、その採用された職員が職務を行っています。同委員会では基本的に一般行政職採用の人が異動のローテーションの中で何を研修すればよいかについて、その体制整備、それと研修のあり方について整理をしています。
 そのときに、私が委員長をさせていただきました。同委員会では、どの部署に異動しても活用できる汎用性のある内容、それと、同業務に必要な専門的考え・価値、知識、方法に関わる内容にわけて検討・整理をしています。例えば生活困窮者自立支援あるいは生活保護、またカテゴリー別に職員の専門的な考え方、知識、それから援助・支援を体系的に提供を目指して整理させていただいております。それと、行政では接遇という言い方をしていることもありますが、援助・支援のあり方について、新保委員がおっしゃっていたように、参加型でしっかりと自分の回路を通して習得していくことが必要です。これらのことについて、人材育成については、それぞれの事業体また都道府県、国、基礎自治体で絶えず見直し等検証しながら行っていただくと、よりよいものになっていくのではないかと思います。
 特に今日紹介していただきました障がい関係と自殺関係について。生活保護の中では、心の病を持っていらっしゃる、障がいのある人がいらっしゃいます。これらの就労支援、社会参加に関わる生活支援が非常に大事であると考えます。
 今日の資料をいただいた障がいや自殺の担当をされている人が委員の中にいらっしゃると思いますが、この支援は非常に難しいです。SOSの発見や支援を丁寧に行っていくことが、必要と思っています。
 資料3について、非常によいことを記されています。よりよいものにしていくためには、どう内実化していくことが大事であると思います。
 すみません、これで退席させていただきます。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それは、オンラインの岡﨑委員、お願いしてよろしいでしょうか。
○岡﨑委員 私は1点だけですが、事務局にも前に少し言ったことがあるのですが、子どもの貧困対策の中の5ページで、【論点】は、大体整理している方向でいいのですけれども、大体皆様方も、今、論点としてはそういう方向なのでいいのですが、例えば、一番上に大学進学率ということで、大学だけに絞った表現とかがちょっと混在していて、恐らく、都道府県で若干違うと思いますけれども、多分全国平均的に見ても、大学の進学率というのは、大体6割程度になっていて、後の学生は専門学校へ行くというデータもあるので、大体6対4とか、大学は6で専門学校が4とかいう比率になっているというデータもあるように聞いていますので、大学進学率だけで押さえると、ちょっとぶれてしまうので、そこは事務局にも少し申し上げておりますが、その辺ちょっと頭に置いておいていただいたらと思います。
 大学進学率だけではないので、そこはちょっと正確にいったほうがいいと思います。それだけです。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 この点、事務局にも十分留意していただきたいということでお願いします。
 それでは、大西委員、どうぞ。
○大西委員 先ほどは、私は器用なもので、途中でやめましたが、提出資料については、後ほどよくお目通しをいただきたいなと思っています。
 今日最後に言いたかったキーワードは2つで、この会でよく出ているワンストップの支援、それから断らない相談についてです。先ほど言いましたように、救護施設をバックアップ施設として、困窮者の自立支援相談をした場合に、かなりの確率で、ワンストップで支援ができており、その後の支援についても継続性を持つことが出来ています。
 もう一つの断らない相談、私ども救護施設は入所を断らない施設、これは措置施設としての使命感を持ってやっています。いつもこの話をしてしまうのですが、各制度の対象であっても支援になじまない方の場合、さまざまな事情でお断りをされてしまうことが現実にあるわけですね。
 その場合に最後の手段で紹介してくるのが救護施設となります。それに100%とは言えませんが、大半のニーズに応えているということをぜひ御理解いただき、今後ともよろしく御指導のほど、お願いしたいと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 奥田委員、お願いします。
○奥田委員 私は、もう一度改めて、やはり居住支援とは何ぞやという話を、きちんと今回やるべきなのだと。それを一時生活支援事業と地域居住支援事業というところから始めてしまうと、やはりどうしてもベースができていないところで、個別の議論になっているように私は思うのです。
 ですから、これは人材育成も含めて居住支援とは何か、例えば具体的に言うと、第3条第6項をどう変えるのか、あるいは、一時生活支援事業の手引というのが出ていますけれども、あれを全面的に居住支援の手引に書き換えない限りに、今後は包括的なものはできないと、それを一番危惧しているわけです。
 ですから、法改正の時期を、少し他省庁と足並みをそろえてくださいということのみならず、厚生労働省が考える居住支援とは何かという議論が、やはり私は早急に、あるいは深く必要だと考えています。これが第1点。
 第2点は、やはりホームレス自立支援センターということも、今の観点からいうと、ホームレス支援という概念から居住支援のセンターにどう変えるかと、これが全ての答えです。ですから、単なる部屋の広さとか、先ほどの生活保護との一体性はどう見るのかとかがありますけれども、やはり当事者からすると、ホームレス支援センターなのか、居住支援センターなのか、そこのところは非常に差が大きいと考えています。
 住居確保給付金、ちょっとこれは細かい議論ですが、私は住居確保給付金、目的の問題もいろいろありますけれども、そもそも支給の基準が低過ぎて、あそこまで我慢すると、なかなか難しい。ですから、これは償還免除の基準もそうなのですけれども、もうちょっと段階的にやるか、もうちょっと上のほうに持っていかないと、あそこまで困ってしまうと、給付金を出してもなかなか追いつかないのではないかと思っています。
 さらに、無低の問題なのですが、罰則に関しては一理あるとは思いますが、しかし、ではどうなのかと、これは、もともと無低を今後どうするかという議論の中で、無低のある意味規制と、日常生活支援住居施設という支援つきの無低というものの体系をまず作った。
 でも、正直言って、やはり無低をこれから本当に必要なのかどうかと、浦野委員が先ほど問われていましたけれども、まさにそのとおりで、無低というものの社会資源としての意味とか、罰則だけではなくて、今後の大きな方針があまり見えていない、そこが一番の問題だと考えています。
 例えば、極端な話、では、もうみんな日住に向かって、みんなで日住を増やしていきましょうという話になるのか、いや無低は無低のよさがありますよという話になるのか、その辺りの議論が必要だと。
 人材育成に関しては、先ほど言いました居住支援という概念が人材の育成には必要ですけれども、ただ、私は、やはり国研修等も見てきましたけれども、何を研修するかとともに、誰が研修を受けているのかと、やはりこちらの問題は、今日、何人かの委員から出ていますけれども、やはり行政直営にしても変わっていく、委託にしても総変わりになる。そういう状態で、誰がこの研修を受けているのかという、やはりこの事業実施体系自体を問わないと、研修プログラムだけ充実させても、それはなかなか難しいのではないかと。
 最後に、子どもの支援ですが、生困の子どものペーパーと生活保護のペーパーで、ちょっと違いがあるなと思ったのは、訪問という言葉が生活保護のほうには結構ストレートに出てくるのだけれども、生困のほうには、あまりそこが強調されていない。でも現場は一緒ですから、私はアウトリーチ型、訪問型の事業が実際できないと、子どもの支援というのは、やはり難しいですよと、待っていては駄目ですよというのが私の意見です。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 勝部委員、お願いします。
○勝部委員 学習支援のところで、やはり、教育と福祉の連携のところが大事で、もちろん福祉事務所からの学習支援の場所だったり、居場所の紹介ということについても重要なのですけれども、学校がほとんどこういう福祉の制度を知らないですね、スクールソーシャルワーカーの配置もまだまだな中、どこにつなぐかということもほとんど見えないというところで、私たちは、教職員のための福祉との連携ガイドというのを作ったのですね。どんなときに、福祉を利用するのかとか、早期発見してくれないと、次に出会うのは8050までですよという話になって、30年も、この親子が苦しんで、あるいはどこにも相談できないままで過ごしていくということは、とっても大変なことになるのだということで、早期発見の話で、ここが重要だということをお伝えしています。
 それで、8050は社会的孤立の象徴でもあるけれども、最近は自己責任の象徴でもあるように思うのです。親が抱えるしかないと思わされているということがあるので、そこを早い段階で発見し、つないでいくためには、やはり学校の部分、それから生活保護の担当者の方々がどんどん新しい仕組みが増えていっていますので、しっかりそこが学べたり、共有できたり、一緒にアセスメントできるような体制を作っていただきたいと思います。
 最後ですが、コロナ特例の貸付けが9月で終わり、今もなお、毎日のように何とかならないかという人たちがあふれています。
 一方で、返済免除が、外国人の人たちには、日本語で案内がいって、全く何のことだか分からないという人たちが全国にたくさんいるような状況があり、ここについては、ちょっと以前にお話をさせていただいたのですけれども、10年もこういう方々を縛り続けていくということについては、当初からとても疑問を呈してきたわけですけれども、自立支援金もたくさん借りた人だけが給付を続けられるという、何か矛盾もあります。私は今のことを対応しないで来年の話をしても、今の人たちは救われないので、ここもしっかりと併せて検討をいただきたいなということを強く思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 五十音順で、生水委員、その次に渡辺委員。
○生水委員 お先にすみません、ありがとうございます。
 まず1点目、渡辺委員が先ほどおっしゃった食事の提供等についてなのですけれども、これは、前回の改正のときにはかなわなかった点で、食事の提供であるとか教材の本人提供については、経費として認めていくことが必要だと思います。今回の審議会では、ぜひここがかなうようなことを願っています。
 あと、もう一点なのですが、私、自治体職員のときに、コロナ対策において生活支援緊急給付金制度をつくるときに、どこが給付のラインになるのかというのをとても悩んだのです。この基準を1からつくるのは非常に難しくて、現状、国もこの給付金のラインについては、非課税ラインだけを頼りにしているという現状において、私は、この住居確保給付金の収入基準が非課税を基準にしているので生活困窮の実態に合わず低いと思うのです。先ほど奥田委員もおっしゃったけれども、これを今後の給付において参考になるようなラインにしていくのが必要ではないかなと思うので、この低い住居確保給付金の収入基準を生活困窮の実態に即した検討をするというのがとても大事ではないかなと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 渡辺委員、お願いします。
○渡辺委員 ありがとうございます。
 私のほうからも子どもの貧困への対応ということで、子どもの貧困と言っているのですけれども、やはり子どもだけを取り出して支援をするというのは、無理というか、それはやはり効果が出ないので、その後ろにいる御家庭とか、やはり保護者の生活を立て直すということと一緒の事業だと思っています。ですので、本当に学習支援、生活支援事業というところで生活に入っていくということはすごく重要だと思っています。
 先ほど五石委員からも、いろいろなことが細切れになっているという話があったのですけれども、本当に虐待を受けた子どもとかヤングケアラーだとか外国にルーツのある子どもだとか孤立孤独の子どもみたいなことで、その課題だけを見て、いろいろな施策をつくっていっても、結局、対象になる子はみんな同じだったりとかするわけなので、そういう中で、本当に制度が縦割りになって、いろいろなことが使いづらくなるよりは、1つの制度の中でいろいろな子どもが、より来やすくなり、充実した仕組みができるようなことは大事かなと思っています。
 それから、最後に、本当にこの部会でも何回か出てきましたけれども、例えば、学習支援に来る子ども、高校生ぐらいになると、みんな電車に乗ってくるのですけれども、交通費を出してあげるか出してあげないかで、参加率が本当に変わります。やはり実費を給付してあげるということを、生活保護の家庭の子どもだけではなくて、生活困窮のお子さんたちにもぜひ広げていただいて、やはり必要な支援がしっかりと受けられるということが大事かなと思いますので、ぜひそういったことも実現できればしていただければなと思います。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 先ほど、1巡目で、宮本委員が、途中ではしょられたかなと思ったのですが、何かありますか。
○宮本委員 では、せっかくですので1点だけ、大西委員がおっしゃった救護施設の役割あるいはそこに限らず更生施設等を含めてですけれども、今、居住政策をめぐっては、やはり地域に施設を開いてく試み、これはもう一貫して取り組まれているわけなのですけれども、先ほどおっしゃったように、ワンストップで全て解決する可能性もあるのだけれども、そのような地域に開いていく活動あるいは通所支援などには非常に縛りが多くて、なかなか活用され切れていないというところがあろうかと思います。自治体の措置控えというのもあると思います。
 それから、今日、居住地特例の話も出ましたけれども、遠隔地の施設を使うという場合、その居住地の自治体がどのような形で責任を本当に果たしていくのかということも問われているのではないかなと思います。
 居住政策の場合、施設の存在というのは、とかく古い形と見なされがちだけれども、ある意味で、ともかく屋根とベッドがあるということは、非常に先駆的、先端な形であるということは間違いないわけでありまして、ここをフルに活用していく上でいろいろな縛りを解いていくということも、ぜひ御検討いただければという意味で、そういう施設への応援メッセージということです。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 ほかに2巡目の議論として御発言されたいという方がいらっしゃれば、合図をお願いしたいと思いますが、オンラインで、おられないですか。
 では、2巡目は終わったけれども、まだ足りないという方がおられたら、どうぞ生水委員。
○生水委員 これは確認なのですが、あと何回か審議会がある中で、積み残した、一番私が気になっている重なり合う支援の議論をどこでできるのかなというのを思っていて、この機会は、いついただけるのかというのを教えていただければと思います。
○菊池部会長 事務局のほうから、いかがでしょうか。
○米田室長 重なり合う支援、生活困窮者自立支援制度と生活保護の連携のあり方については、前回、議論をさせていただきました。
 それで、また部会長とも相談したいと思っておりますけれども、2巡目の議論は今日で終わりですので、今後は議論のまとめに向かう方向で、今、考えております。
○菊池部会長 ということでございますが、そのまとめの議論に向けて、もちろん議論、御意見を伺う機会はあるということで、お願いいたします。
 ほかには、いかがでしょうか。
 奥田委員、どうぞ。
○奥田委員 私は、今日の資料に出ていた救護施設が地域の生活保護の方々、被保護世帯の方々の支援をどうするか、通所という話も含めて書かれていまして、これは賛成です。
 やはり施設が施設で終わらない、そもそも救護施設は、出身者たちに対しての通所事業をされていましたけれども、もうそこを広く扱っていくと。
 ただ、それと同様に、形態は全然近くないかもしれませんが、日常生活支援住居施設がもう一つ、今、救護ほどの体系ではありませんけれども、存在しているのですね。
 これも、やはり住居施設という非常に複雑な名前をいただいた制度というか、あれでありまして、これがやはり施設にならないように、日常生活支援施設にならないように、これは住居施設で、しかも開かれていると、そういうことでいうと、私は、やはり住居施設が必ずしも建物を伴っていないとできないという前提ではなくて、ソフト提供型、アウトリーチ型でもいいし、逆に通所型でもいいから、やはり広く、生活保護受給者で、なかなかひとりで生活が難しい、生活支援が必要な人というのは、住居施設に入った人は、ある意味ちゃんと支援がついている、救護施設に入った人はついているけれども、それ以外の人は自分でやれと、この差が激し過ぎると思うのですね。その他の介護事業等を使っていますけれども、やはりそこのところで、私は、救護が地域の生活保護世帯の支援の拠点になっていくというのは大賛成ですし、また、日住が、そういう拠点になっていくことも、やはりきちんと、今後というか、今回の議論の中の1つとして加味していただきたいと思っております。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 ほかには、いかがでしょうか。
 佐保委員、どうぞ。
○佐保委員 先ほどの意見を少し補足させていただきます。
 今の救護施設の話で、1巡目の発言時に、救護施設の職員にも働き方の実態をぜひ聞き取ってほしいという話をしました。
 私も最近の状況を知らないのですが、少し前の情報では、救護施設の職員の働き方が結構大変だという話を聞いていましたので、そういう実態も、今後色々なことを見直すに当たっては、ぜひ聞き取っていただきたいという趣旨で意見を述べた次第です。
 あと、勝部委員から生活保護のケースワーカーは、会計年度任用職員が多くなっているというような話をお聞きしました。自治体も地方交付税による措置の関係で、職員定数といった課題もあるかと思いますが、やはりしっかりと生活保護行政を進めていくためには、正規職員を多く採用し、福祉事務所の機能を強化していくことが必要ですので、その点についても財政措置、財源確保を含めてお願いしたいと思っています。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 ほかには、では、勝部委員。
○勝部委員 先ほど申し上げたことで、佐保委員からもお話がありましたけれども、やはり生活保護になって、その人たちが、もう一回社会にチャレンジできるとか、そして、もう一度力を発揮できるということを目指していこうと思うと、やはり丁寧な伴走がないと難しいということは、これは生活困窮の支援の中でも明らかになってきたと思うのですけれども、このたび、この部会を通じて生活保護のほうは、どちらかというと、そういうアセスメントをしたりとか、共同で支援計画を立てているというよりは、担当者が法に照らして、大丈夫か、大丈夫ではないか、みたいなことになるから、それに合っていなければ指導という話になると。支援と、また指導というのが、大分またその辺りが違って、すごく受けている側の利用者の方々が、何となく違和感があったというところもあったのだなというのが、何か相対として理解ができた面もあるのですけれども、本当に人権というところを考えたときに、どういう専門性を持つべきなのかとか、それから社会福祉士というのが、こういうところでどういう役割を担っていくのかとかというところも、また、ぜひ考えていくということも重要ではないかなと思います。
 社会福祉士を勉強しても、包括支援センターぐらいしか資格採用されるところがない。みんなたくさんのお金を払って就職しても、本当に資格を活かして働くことができない。みんなが言っているということなのですね。だから、それはとても残念で、多くの費用を果たして、そして学校へ行って資格を取っている人たちが、生活保護のセーフティネットの役割を現場で果たせるということも重要だなと思います。お願いします。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 それでは、生水委員で締めたいと思いますので、お願いします。
○生水委員 ありがとうございます。1分だけいただきます。
 今、勝部委員のほうからあったお話に関連するのですが、自立のあり方ではなくて、生活保護と生活困窮者自立支援法において、自立支援のあり方について共通の理念というのは、やはり必要だということを、ずっと言い続けてきたと思うのです。
 やはり、この自立支援の共通の理念ということを、生活保護と生活困窮者自立支援法制度において、私は必要だと思いますので、取りまとめの中に恐らく出てくるのかなと思うので、期待をしています。
 以上です。
○菊池部会長 ありがとうございます。
 自立の概念については、前回も少し議論をしたところだと記憶してございます。
 様々な御意見ありがとうございます。それらを踏まえて取りまとめに向けて事務局には、お願いしたいと思います。
 すみません、最後に部会長としてではなく、ちょっと法学研究者として触れさせていただきたいのですが、今日、様々御意見をいただいた保護世帯の大学生の支援、生活保護受給ですけれども、法律の解釈論として、これは前回も申し上げたのですが、保護世帯の大学生のみを対象に生活保護給付として行うということができるのかというのは、解釈論としては、私は難しいのではないかと思うのですが、というのも、仮にそうした場合、同じような厳しい状況で、生活費も稼ぎ、学費も賄っている学生も含めなければいけないことになる。そうすると、それは相当な数になるだろうということ。まず、そういう解釈が生活保護法全体の解釈論として整合的かどうかという問題と、もう一つは、そうした多数の大学生を生活保護法で支えるということが、政策論としてどうなのかということを考える必要があると。前回も同じことを申し上げたつもりですが、そういうことを法学研究者の立場としては感じた次第です。
 あと、一時的にでも給付できないかという御意見もあったかと思いますが、この一時的の意味にもよりますけれども、これが期間限定といった意味ですと、これは、もう難しいと思います。そもそも生活保護法は、最低生活を下回った場合に、下回っている間、給付を行うという制度ですので、何か月限定といったことは、これはできない。保護支給要件を満たす間は、これを支給しなければいけないということになると思います。これは一時的というのをどういう意味合いで使うかという用語の問題かもしれません。
 あと、これも部会長だからということではないのですが、今日、皆様の御意見を伺っていて、今の大学生の支援もそうですし、居住支援、住まい支援もそうですが、福祉施策、社会保障施策を超えた他省庁との連携の中でどう考えていくのかという視点が多く提示されたと思います。
 たまたま私、全世代型社会保障構築会議の一委員なものですから、一委員としては何を言おうが自由だとは思うのですが、やはり、特に今日の御議論の中で、大学生の支援、困窮学生の支援、そして、住まい支援のところは、他省庁も含めた政策のより一層の充実が必要だと思っています。
 
 それでは、かなり時間が押してまいりましたので、本日は、この辺で終了とさせていただきたいと思います。
 最後に次回の予定につきまして、事務局からお願いいたします。
○河合室長 本日もありがとうございました。
 次回につきましては、11月中旬に開催を予定しております。
 正式な開催通知につきましては、別途御案内させていただきますので、また、よろしくお願いいたします。
 以上となります。
○菊池部会長 それでは、本日の議事を全て終了いたしましたので、ここで閉じさせていただきます。本日も御協力いただきまして、どうもありがとうございました。お疲れさまでした。