令和4年11月11日 第88回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第18回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)議事録

日時

令和4年11月11日(金) 13:00~15:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

11月11日合同部会 議事録

2022-11-11 薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会

○事務局 ただいまより「第88回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和4年度第18回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会」の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たりまして、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承のほどよろしくお願いします。会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合はインスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。
 現在、副反応検討部会委員9名のうち9名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員職員等でない旨を申告いただいております。
 また、本日は国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官の神谷元参考人にお越しいただいております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。
 開催案内の傍聴への留意事項を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に違反した場合は退場していただきます。また、今回座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意をお願いいたします。
 本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項について報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
 本日御出席された委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金等の受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。本日の議題において審議される品目は、新型コロナワクチン及びHPVワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社、モデルナジャパン株式会社、アストラゼネカ株式会社、武田薬品工業株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、全ての委員においてファイザー株式会社、モデルナジャパン株式会社、アストラゼネカ株式会社、武田薬品工業株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社より50万円を超える受取はございませんでした。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について、各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。
 舟越委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受取、藤井委員、柿崎委員は塩野義製薬株式会社から50万円を超えて500万円以下の受取がございました。
 引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受取について、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○森尾座長 次に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1~1-11、資料2、資料3、参考資料1~17になります。
 資料の不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○森尾座長 それでは、審議を開始いたします。
 議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況並びに接種後の健康状況に関わる調査等について」です。まずは資料1-1-1から資料1-7、資料1-11について、事務局のほうから御説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料1-1から1-7を用いまして、今回の集計対象期間において副反応疑い事例の動向などに変化があった点を中心に説明したいと思います。
 今回の集計対象期間は10月9日までとなってございます。
 また、10月7日の部会で様式の変更について御了承いただきましたが、次回の部会から運用を開始させていただく予定で、今回はデータロック期間内にコミナティBA.1の副反応疑い報告があったことから、2価ワクチンに関する様式が変わっております。
 まず、資料1-1-1をご覧ください。
 2ページで、副反応疑い事例の報告状況の概要について御説明いたします。
 表の一番左に行っていただきまして、成人用の起源株ワクチン、2価ワクチンの総数をまとめておりまして、その隣に2価ワクチンの項目を新たに追加しております。今回から2価ワクチンに焦点を当てて御報告させていただく予定としてございます。
 今回、データロック内ではBA.1のみ報告が来ておりまして、推定接種回数は108万1356回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0006%で重篤は0.0003%、死亡の報告はございません。まだ接種数はそれほど多くはございませんがコミナティ全体と比較して高くはなっておりません。
 右に行っていただきましてコミナティ5~11歳用は推定接種回数が331万5127回接種、副反応疑いの報告頻度としては0.0039%でございまして、前回と変更はございません。
 続きまして、3ページのスパイクバックスについて、こちらもコミナティと同様、成人用の起源株、2価ワクチンの総数として計上してございまして、こちらも今後は2価ワクチンに注視して御報告させていただく予定です。
 右側に行っていただきまして、BA.1の推定接種回数は16万6803回接種、副反応疑い報告としては1件報告され、頻度は0.0006%となっており、重篤死亡の報告はございません。こちらもまだ接種数は多くございませんが、全体と比較して高い頻度とはなってございません。バキスゼブリアや及びヌバキソビッドについて、特段傾向の変化は認められておりません。
 続きまして、67ページ以降が接種回数別の報告点数になります。
 2価ワクチンについては追加免疫として接種されることから、3回目、4回目に資料を追加しております。
 69ページに3回目接種のコミナティBA.1、70ページに3回目接種スパイクバックスのBA.1、71ページに4回目接種のコミナティとスパイクバックスのBA.1についてまとめております。
 その他の副反応疑い事例の報告状況については、接種回数別の事例やロット別の報告件数などについて、いずれのワクチンでも顕著な報告状況の変化はございませんでした。
 続きまして、資料1-2-1について、スパイクバックスに関して、文献情報を基に多数の副反応疑い報告がなされたため御説明いたします。
 資料1-2-1の4ページをご覧ください。スパイクバックスの総件数に不明の報告が1,515件ございますが、モデルナ社から約1,000件の報告が来ております。これらの報告の基になった文献は、1~2回目のスパイクバックスの接種を受けた約13万人の被接種者における急性の副反応に関する報告をまとめたもので、症状としては血管迷走神経反射性失神、または失神寸前の状態とアナフィラキシーについて分析が行われているもので、約13万人のうち約1%で有害事象が認められておりまして、そのほとんどが血管迷走神経反射性失神、または失神寸前の状態でございまして、本文献を基に企業から個別症例の副反応疑い報告がなされたものになります。文献については厚生労働省のホームページにURLを記載しておりますのでご覧いただけたらと思います。
 なお、血管迷走神経反射性失神については、添付文書の重要な基本的注意にて既に注意喚起済みで、失神による転倒等を避けるために、接種後一定時間は安静にして観察する旨の注意喚起がなされてございます。
 続きまして、死亡事例について御説明いたします。資料1-3-1をご覧ください。コミナティの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目で「1.報告状況」になります。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに10件増加し、そのうち4回目接種後の事例は7件が新たに報告されております。総数としては1,683件と報告されており、4回目接種は29件の報告となります。
 2つ目の○に進みまして、上記に加え、令和4年10月10日から令和4年10月28日までに報告された事例が16件あり、そのうち4回目接種後の死亡例は2点ございました。
 2番目の専門家の評価の項に専門家評価の結果を表としてまとめております。2ページ目の中段、参考2の報告頻度の部分でございます。各接種回数における100万回当たりの報告頻度については前回から大きな変化はございません。4回目接種については前回同様、1~3回目より低い頻度となってございます。
 また、今回データロック期間外にBA.4-5の死亡事例が発生しましたので御報告いたします。資料1-3-1別添をご覧ください。
 1例目について、87歳女性、4回目にコミナティBA.4-5を接種した事例になります。基礎疾患としまして糖尿病、パーキンソン、脳梗塞後遺症、心房細動、認知症が報告され、既往としてADL全介助、胃瘻増設状態でインスリンを使用し、HbAlc:7.0前後で安定、8月19日にCOVID-19に感染しラゲブリオ投薬で治癒、直近では病状は安定と報告されてございます。
 11月1日、ワクチン接種当日夜間のバイタルは35.8度、PR:72、SpO2:98%、接種翌日の午前9時時点で発熱はないが体温低下し、疎通はいつもどおり、同日午後9時、湿性咳嗽あり、接種2日後午前0時、応答良好で、喀痰吸引がやや増加。同日午後9時喀痰吸引は少量、接種3日後午前2時、喀痰吸引は多く、応答は良好。同日午前4時、呼吸停止状態で発見されております。
 1~2回目接種時は副反応は認められておらず、3回目接種後に低体温を認め、接種3日後に膵炎を発症した経過がありましたが、CT検査で胆石膵炎と診断し、ワクチンとは無関係と判断していた。今回、血液検査や画像検査は行っていないが、低体温に陥った経過は3回目と同様であり、副反応の可能性があると報告されております。
 専門家の評価につきましては、臨床検査等の情報が不足しているため、死因を推定することはできない、ワクチン接種と死亡の因果関係は評価不能であるとして、因果関係評価はγとなってございます。
 続きまして、2例目について御報告いたします。本事例は42歳女性、4回目接種後にコミナティBA.4-5を接種し、アナフィラキシー疑いとして報告された事例となります。
 14時18分頃、ワクチン接種時、本人は体調変わりなしと答えたとされており、14時20分頃、待機場所に歩いて移動、14時25分頃、咳が出始めたため、看護師が声をかけて前方に歩いてくるも途中で座り込み、看護師が車椅子で介助し、救護室に移送、その際に接種前から体調が悪かったとの訴えを看護師が聞いたとされており、看護師より気分が悪い人がいると呼ばれて、報告者である医師が救護室へ向かったと報告されております。
 14時28分から29分頃、初診時、顔面蒼白・呼吸苦訴えあり、明らかな粘膜所見なし、皮膚所見なし、掻痒感なし、消化器症状の訴えはなし、聴診では明らかな喘鳴は聴取できず、意識はあるものの呼吸促迫しており、会話は単語程度を断続的にできるのみ、バイタルチェックを指示し、SpO2が60%台であったため再検を指示するとともに、酸素5Lを投与開始、救急要請をしております。
14時半頃、バイタルチェック中に嘔気出現、泡沫状のピンク色の血痰を排出、次いで鼻腔からも血痰が溢れ、14時34分頃、意識レベルが低下したため臥位にすると、呼吸停止、総頸動脈/鼠径動脈触れずbystander CPR開始、14時35~36分頃、AED装着、ショックの必要なしでCPR継続、エピネフリンを静脈内投与しようとするも静脈路を確保できずCPR継続、14時40分頃、心拍再開・自発呼吸再開するもあえぎ様呼吸であり、14時42分頃、再び心肺停止となりCPRを再開、ほぼ同時に救急隊が到着し、14時55分、救急搬送となっております。
 救急車内でもAsys継続・瞳孔散大対光反射なし、15時15分頃、3次救急病院に到着し、引き継ぎとなり、接種会場から搬送先に到着時、心肺停止状態で心電図波形は心静止であった。心肺蘇生を継続し、ルート確保の上、アドレナリン1ミリグラムを投与し、挿管管理を実施、アドレナリン1ミリグラムを計8回投与するも反応はなく、同日15時58分に死亡確認となってございます。
 死亡時画像診断を実施し、高度肺うっ血像を認め、病理解剖は実施されておりません。救急隊からは推定体重110キロとの情報があり、以前のかかりつけ医からの情報で、既往として高血圧症、糖尿病、睡眠時無呼吸症候群があり、救急搬送時の所見としては、高度肥満があり、皮膚及び粘膜病変は認められておりません。
 接種会場での状況について、ワクチン接種前から呼吸苦があったとの情報と急変時に泡沫状血痰があったとの情報があり、急性心不全を死因として報告されております。
 また、報告医1から追加報告がございました。ここで資料の訂正をさせていただきたいのですが、死因等の報告書上の記載の一番下の急性心不全(報告医から)と記載している部分なのですけれども、ここは急性心不全ではなく不明が正しい記載になりますので、おわびして訂正いたします。
 続きまして、報告をさせていただきます。この報告医1から追加報告がございまして、第一報で報告基準に該当するものとしてアナフィラキシー疑いとして報告されておりましたが、第二報として、その他の反応として報告されております。
 詳細については記載のとおりとなってございますが、経過等の記載が一部変わってございます。
 本事例の専門家による因果関係評価については、現在評価中となっております。
 以上、BA.4-5において2例の死亡例が報告されておりまして、死亡の報告頻度につきましては、11月8日時点のコミナティBA.4-5の推定接種数は286万5575人であり、頻度としましては100万回接種当たり0.7件となってございます。
 続きまして、資料1-3-2をご覧ください。スパイクバックスの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目で「1.報告状況」になります。前回の集計対象期間以降、死亡として報告された事例が新たに18件報告され、そのうち4回目接種後の事例は3件報告されております。総数としては202件、うち4回目接種後の事例は16件となっております。
 なお、上記に加えまして、令和4年10月10日から10月28日までに報告された事例が3件報告されており、そのうち4回目接種については2件報告されております。
 専門家の評価の項に専門家評価の結果を表としてまとめております。2ページ目の中段の参考2の報告頻度の部分でございます。各接種回数における100万回当たりの報告頻度については前回から大きな変化はございません。また、4回目接種については前回同様、1~3回目より低い頻度となってございます。
 スパイクバックスの説明は以上となります。
 続いて、バキスゼブリアは新規の死亡事例の報告がございませんでしたので、説明は省略いたします。
 5~11歳用のコミナティについて資料1-3-4になります。新たな報告はございませんが、前回の部会で報告した11歳男児の事例について、データロック期間内で既往歴としてインフルエンザ突発性発疹の情報が追加されております。評価については前回の部会から変わりはございません。
 ヌバキソビッドについては新たな報告がございませんので、説明は省略させていただきます。
 資料1-4から1-6では報告基準症状であるアナフィラキシー、TTS、心筋炎、心膜炎に関する資料についてまとめてございます。
 資料1-4-1をご覧ください。新たにコミナティBA.1においてデータロック期間内にアナフィラキシーの症例が1例報告されております。接種時の情報や症状に関する情報等が不足していることから評価はγとなってございます。その他、データロック期間内でBA.1において、TTS、心筋炎等の報告はございません。
 また、その他のワクチンについても心筋炎・心膜炎の発生頻度について、大きな変化はございませんでした。
 小児接種事例については資料1-7でまとめており、医療機関報告において23ページのNo.123からが前回部会以降に報告されたものであり、製造販売業者からの報告については55ページのNo.143からが前回部会以降に報告があった事例となっております。
 最後に資料の訂正がございまして、PMDAから報告させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○安全管理監 PMDAでございます。
 資料1-11になります。集計誤りについての御報告でございます。
 今回、誤りがありましたのは、1の集計方法のところに書いてございますけれども、製造販売業者からの報告に基づきます症状別・接種回数別の報告件数の表でございます。この集計をするときに報告を行いました製造販売業者が製造販売するワクチン、いわゆる自社製ワクチンについて、報告者のワクチンの最大接種回数の事象として通常は件数を集計しているという形になっております。
 今回の集計誤りの状況でございますが、2のところにございますように、同一報告内に報告を行いました製造販売業者のワクチン以外のワクチン、他社製のワクチンということになりますけれども、他社製のワクチンの接種情報がある事例の場合に、報告者の自社製ワクチンの事象として集計するほかに、他社製のワクチン接種後の事象としても集計をしてしまっていたということで、しかも、その他社製ワクチンの接種回数と異なる回数で重複して計上してしまったということでございました。
 具体的には資料の3の項目の【事例】というところをご覧いただきたいのですけれども、例えばファイザー株式会社からここにあるように、1回目、2回目接種でスパイクバックス筋注、3回目接種でコミナティ筋注を打たれ、報告事象としては薬効欠如の報告がなされた場合に、本来ですと、正)のところに書いてございますように、コミナティ筋注の3回目接種時の症状として薬効欠如1件を計上すべきところでございましたが、誤)のところに書いてございますように、コミナティ3回目の薬効欠如を1件として計上することに加えまして、スパイクバックス筋注の1~2回目ではなくて、3回目接種時の症状として薬効欠如を加えてしまっていたということでございます。
 2のところにお戻りいただきまして、結果としまして、前回10月7日の部会のときの資料1-2-1のマル5のところに表がございますけれども、この表に関しまして、実際よりも過大な数値になっているところがあったということでございます。具体的には、14報について重複集計をしてしまっていたということで、これに含まれます症状、計42件の分が余分に誤った接種回数のところで集計されていたということになっておりました。なお、本日の部会資料につきましては、既に正しく集計したものをお示ししているところでございます。具体的には正誤表が5のほうについておりますので、御参照いただければと存じます。
 誤りの原因でございますけれども、3.のところにございますように、集計作業をするときに、自社以外の他社ワクチンの情報も含んで報告されていた場合に、他社製ワクチンの情報をシステムからの出力対象外とするべきところを、そのような出力条件にしていなかったということでございました。また出力上、自社製ワクチンの接種回数データが他社製ワクチンにも適用されてしまうというフローになっていたということが判明いたしまして、それで、このような集計誤りが発生したということでございました。
 再発防止でございますけれども、システムの出力時に不要な情報が出力されないように出力条件の修正を行っております。
 今後、同様の誤りがないように注意してまいりたいと思います。大変御迷惑をおかけいたしました。おわび申し上げます。
 以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 続いて、資料1-8について事務局のほうから説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
 資料1-8の2ページをご覧ください。まず、全体の資料構成でございますけれども、こちらは引き続き前回までと同様の資料構成となっております。委員の先生方におかれましては、あらかじめ資料をお目通しいただいておりますことも踏まえ、今回も要点に沿って、資料構成等を中心に御説明してまいります。
 4~6ページ目は副反応疑い報告の概要でございます。10月9日のデータロックまでの報告状況等について、資料1-1-1及び資料1-2-1をまとめたものでございます。
 4ページ目におきましては、上段にファイザー社ワクチン、総数として12歳以上の従来株ワクチン及びオミクロン株対応ワクチンを含む推定接種回数、報告数、報告頻度について、それぞれ掲載してございます。
 また、下段の表をご覧いただきますと、ファイザー社ワクチン12歳以上用のうち、オミクロン株BA.1対応ワクチンの推定接種回数、報告数、報告頻度について、それぞれ数値をお示ししております。
 また、5ページ目におきましては、同様の構成として上段に、従来型ワクチン及びオミクロン株対応ワクチンを含むモデルナ社ワクチン総数の表、下段に、うちオミクロン株BA.1対応ワクチンの報告状況をお示ししております。
 今後、オミクロン株BA.4-5対応ワクチンの報告書につきましては、集計対象期間に入ってまいりましたら、4ページ目、5ページ目の下段にお示しし、先生方に従来株ワクチンを含めた報告状況と比較してご覧いただけるよう、資料の作成に努めてまいります。
 6ページ目におきましては、5歳から11歳用の小児用ワクチン、アストラゼネカ社ワクチン及びノババックスワクチンに係る報告状況についてお示ししております。
 ノババックスの報告状況につきましては、2回目接種後の医療機関報告の頻度は0.0483%、3回目接種後の医療機関報告の頻度は0.0078%となっておりまして、前回審議会時点と大きな傾向の変化はございませんでした。
 続きまして、8~10ページ目でございます。こちらは新型コロナワクチン接種後に死亡として報告された事例の概要について、数値の時点更新をしたものをお示ししております。こちらのページにおきましても、今回もmRNAワクチンの4回目接種後の事例やノババックスワクチンの3回目接種の事例についてもご覧いただける資料構成としており、また、8ページ目、9ページ目におきましては、先ほどの副反応疑い報告の概要のページと同様、内数としてオミクロン株対応ワクチンBA.1についてもご覧いただけるよう、資料構成としております。こちらも御議論の際に御活用いただけますと、幸いでございます。
 続きまして、12~14ページ目でございますけれども、こちらは新型コロナワクチン接種後の心筋炎及び心膜炎疑いの報告状況についてまとめておりまして、こちらも先ほど同様、内数としてオミクロン株対応ワクチンBA.1をご覧いただける資料構成としております。なお、心筋炎、心膜炎と評価された事例の性・年齢別の報告数、報告頻度につきましては、オミクロン株対応ワクチンBA.1の状況も含め、引き続き参考資料として掲載しておりますので、今回は参考資料15も御参照いただけますと幸いでございます。
 続きまして、16ページ目をご覧ください。こちらは心筋炎、心膜炎を含めたノババックスに係る海外情報を更新しております。上段の副反応疑い報告の件数及び報告頻度の情報について時点更新しておりますが、前回の審議会時点と動向に大きな変化はなく、オーストラリアの報告頻度については、10月7日の審議会の資料時点では100万回接種当たり約4,200件であったところ、今回4,178件と、引き続きおおむね同様の状況となっております。
 また、2段目、心筋炎、心膜炎の例数を時点更新しておりますが、前回、心筋炎は9例であったところ、今回も9例と変化はなく、心膜炎については前回27例であったところ、今回30例と更新しております。
 ノババックスに係る海外情報の報告状況につきましては、事務局が把握しております範囲では、全体として大きな変化がない状況と承知しております。
 続きまして、18~23ページ目で、こちらはまとめスライドでございます。
 構成といたしましては前回と同様、死亡事例、心筋炎、心膜炎、小児ワクチン、4回目接種に係るまとめスライドに加え、今回から22ページ目にオミクロン株BA.1対応ワクチンのまとめスライドも準備させていただきました。
 また、今回、データロック外ではございまして、資料1-8には記載いたしませんでしたが、資料1-3にて御説明させていただきましたオミクロン株BA.4-5対応ワクチンに係る死亡事例も含め御議論いただき、23ページ目におきまして、オミクロン株対応ワクチンに係る状況も含め、新型コロナワクチンの接種を継続していくこととしてよいか、御議論いただきたいと考えているところでございます。
 続きまして、参考資料17をご覧ください。新型コロナワクチンの副反応の報告状況につきましては、接種開始当初より御議論いただいてきましたところ、添付文書の記載や副反応疑いの報告状況により、頻度は稀ではあるものの接種後に一定の頻度でアナフィラキシー疑いの症状が見られることは先生方も御承知のところと存じます。
 新型コロナワクチン接種後にアナフィラキシーが生じた場合につきましては、これまで令和3年2月、3月当初、先生方に御議論いただきながら、厚生労働省からも通知を発出し、自治体や医療機関等において御対応をいただいてきたところですが、引き続きアナフィラキシーを疑う事例の報告が見られることも踏まえ、各自治体における接種会場において、接種後にアナフィラキシーが生じた場合に適切に対応いただくよう、体制等について改めて御確認いただくとともに、管内の医療機関に注意喚起を行っていただくよう、昨日11月10日付けで自治体宛てに新型コロナワクチンの接種に伴いアナフィラキシーを発症した者への対応について再周知の事務連絡を発出させていただきましたことを御報告いたします。
 最後に、資料1-8の25~28ページ目をご覧ください。こちらのページにおきましては伊藤先生にお願いしております健康状況調査の今後の概要案につきまして記載してございますので、こちらを適宜御参照いただけますと幸いでございます。
 資料1-8及び関連した参考資料についての説明は以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
 続いて、資料1-10について事務局のほうから説明をお願いします。
○事務局 続きまして、資料1-10の新型コロナワクチン接種後の健康状況調査、いわゆるオンライン調査の中間報告について、前回までの内容を踏まえまして簡潔に御紹介申し上げます。
 今回の集計対象期間は10月16日までとなっており、主に3回目接種後の報告を中心にデータが集積しております。
 57ページのスライドの下のほうですが、3回目接種当日中にエントリーし、回答いただいた方は2,389名、そのうち有効回答者数は2,015名となっており、前回から127名増加しております。このうち5名の方はオミクロン株対応2価ワクチンの接種、または小児の3回目接種でございましたが、これらの方の分析は今回行っておらず、次回から行う予定でございます。
 続きまして、78ページのスライドの下のほう、4回目接種当日中にエントリーし、回答いただいた方は636名、そのうち有効回答者数は528名となって、前回から57名増加しております。このうち50名の方はオミクロン株対応2価ワクチンの接種でございましたが、これらの方の分析は今回行っておらず、次回から行う予定でございます。
 続きまして、95ページから症状の分析結果を掲載しております。
 さらに飛びまして、124ページからワクチンのメーカーごとの症状の発現率を掲載しております。124ページが接種1回目及び2回目の後の症状の発生頻度、125ページが接種3回目の後の発生頻度、126ページが接種4回目の後の発生頻度になっております。症状の発現率などの傾向につきまして、前回から特筆すべき変化はございません。
 続きまして、182ページからは接種後に医療機関を受診した方の割合、185ページからは医療機関を受診した結果、190ページからは入院状況、193ページからは3回目接種、または4回目接種を受けられた方に対して、前回の接種と比較して体調がどうであったかを質問した結果をお示ししております。こちらにつきましても前回から特筆すべき変化ございません。
 資料1-10につきましての御説明は以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
 続いて、資料1-9について伊藤澄信委員のほうから説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 資料1-9です。当日の公開になっておりまして、事前に詳細に見ていただく時間がなくて申し訳ございません。
 本日は、スパイクバックス3回目接種6か月後と、小児5~11歳の2回目接種6か月後のデータを提示させていただくとともに、少数例ではありますが、小児5~11歳の3回目接種及びオミクロン株のBA.1対応2価ワクチンの一週後までのデータの速報値を用意いたしました。コミナティ筋注の初回接種をした医療従事者に対して、昨年の12月1日からコミナティ筋注、12月17日からスパイクバックス筋注、スパイクバックス筋注を初回接種された自衛隊や大規模接種会場で接種された一般の方については、2月21日からと接種時期が3か月ほどずれております。コミナティ筋注の初回接種された方の6か月までのデータは、9月2日に報告しておりますので説明を省略させていただきますが、スパイクバックス筋注初回接種シリーズ後に、コミナティ筋注を3回目接種された方について29ページ、スパイクバックス筋注を追加接種された方については37ページに提示しているデータが、今回、新規に提示させていただくデータになります。
 3回目追加接種6か月後の抗S抗体価を1か月後の抗体価で割った割合が41.1%、46.5%に低下しております。3か月後が45.1%、50.9%でしたから、コミナティ筋注の初回シリーズに比較しますと、そちらは3か月が52.4%、50.8%、6か月後が32.8%、29.9%でしたから、比べますと、6か月後の抗S抗体価の低下の程度は少し低下しているようです。これは主に抗N抗体が陽性の方の割合が増加していることと関係しているような気がします。
 9月2日に説明をさせていただいておりますが、抗N抗体というのは一度陽性になると、その後も陽性のままになっておりますので、自然感染したかどうかの指標になっています。コミナティ筋注初回シリーズ接種後の3回目接種前の抗ヌクレオカプシドタンパク質抗体の陽性率は、コミナティ筋注の追加接種が2.2%、スパイクバックス筋注の追加接種が1.7%でした。6か月後はそれぞれ8.9%、9.3%でした。それに比べますと、スパイクバックス筋注の初回シリーズ接種者で、コミナティ筋注の追加接種前は4.7%、スパイクバックス筋注の追加接種前は9.3%でしたが、3か月後はそれぞれ10.4%、11.9%、6か月後は33.2%、26.5%という状況になっておりました。
 そこで、流行時期によって感染者数が変動する感染症の特性を踏まえて、感染時期に応じた感染者割合を可視化するために、50~51ページにグラフを作成してみました。コホート調査では接種前に感染していたかどうかに加えて、接種から6か月時点までの間に感染した方については感染日を報告いただいております。
 50~51ページのグラフを理解していくために、説明用の模式図を54ページにつくりましたのでご覧いただきたいのですが、54ページの下の図は12人を仮に対象者の感染状況を表し、上にその結果をグラフ化した模式図をつくってみました。症例IとかKは感染報告された方、Hは接種前から感染されていた方、C、Fは抗N抗体から感染が分かった方の例で、図の上に日付、下にその時点での調査対象者数を記載しております。感染者割合は各時点、日ごとの過去に感染もしくは抗N抗体が陽性の方の数を調査対象者数で割った割合としてプロットしています。
 黄土色の対象者数は接種開始からもちろん増えるのですけれども、6か月すると低下します。調査の終了近くで調査対象者が減って分母が小さくなりすぎると割合のばらつきが大きくなるので、実際のグラフでは調査対象者数の分母が10以下のものというのは省略しています。
 そこで、50ページのグラフをご覧いただきたいのですが、ワクチン接種者3,632人の例を示しています。少し太めのブルーが全体を集計したものです。コミナティ筋注の初回接種者にコミナティの追加接種をされた方はえんじ色、スパイクバックス筋注を追加接種している方は薄いグリーンで示しています。
 ご覧いただいて分かるとおりですけれども、初回シリーズの接種ワクチン、あるいは追加のワクチン接種の種類よりも感染割合は流行時期に大きく依存して増加していることが分かります。昨年の12月はほとんど感染割合は増加していないのですが、2月1日から5月31日までの平均で月1.1%、具体的には1か月前の値とその日の値を引いた値をその期間で平均したものです。7月14日から9月14日までの平均は6.1%直線的に増加しています。
 51ページは抗N抗体で判断した感染割合を示しております。下に抗体価採血をした1,313人で、感度と特異度を計算しています。以前提示させていただいたのは接種前の状況での話でしたが、今回は前向き調査として6か月間のデータとしてまとめておりますので、こちらのほうが精度がかなり高いと思っております。抗N抗体の感度は93.6%、特異度は93.5%、陽性的中率が60.3%でした。抗N抗体の陽性ということは、自覚があったかどうかは別にして感染されていたということですから、3回目のワクチン接種をした方で、感染した方の4割は自覚症状がない感染をされていた。あるいは感染と診断された方の1.67倍の感染者が実際はいたというデータになります。
 51ページをご覧いただきたいのですが、抗N抗体で判断しても、先ほどの感染歴の報告とパターンは変わりありませんが、2月1日から5月31日までの平均で1.4%の感染割合が7月14日から9月14日の平均で7.1%と急に増加しています。これはBA.5のためなのか、あるいはワクチン接種後4か月以降の時間がたっているのか不明のところがあります。
今回、データとして提示しておりませんけれども、10月に提示させていただいていた6月以降に4回目接種をされた644人の3か月時点での抗N抗体から判定した7月20日から9月30日までの感染割合は2.9%の増加に抑えられておりましたので、第6波に比べて起源株ワクチンの有効性が落ちている可能性はもちろんあるのですけれども、4回目接種が有効に働いていたと考えております。きちんとデータを整理した上で次回、両方合わせて提示をさせていただくつもりでいます。
 55ページからは5~11歳の小児に対する1~2回目接種に加えて、3回目接種をしたときの速報値です。
 65ページに1~2回接種後6か月までの抗体価の推移を示しておりますが、前回3か月後まで抗体検査の違いがないという話だったのですが、今回、18人のデータなので安定したデータではございませんが、抗N抗体が陽性でも陰性でも、ご覧いただいて分かるとおり、1か月から6か月後まであまり抗体価の変化がない状況になっています。もちろん抗N抗体が陽性の子供のほうが抗体価が高くなっていますが、陰性でも抗体価の減弱が大人と違って見られていないのは3か月後と同様というような状況でした。
 73ページ以降に、初回シリーズから6か月後に接種した3回目接種データを示しています。28人と少ないのですけれども、2回目に比べて発熱・疼痛なども低いような状況かと思います。
 79ページに成人と同様の感染時期、感染者割合カーブを作成しています。例数が少ないのででこぼこが目立ちますけれども、4月5月の平均が2.2%だったのに、7月8月の平均が5.7%と感染割合が増加しておりますので、第7波の影響のときに増加をしているというのは成人と同様の傾向だと思います。
 81ページからはオミクロン株対応2価ワクチンの速報値を示しておりますが、BA.1対応の2価ワクチンです。
 88ページから1週間後までの発熱などの日ごとの割合を示しております。コミナティRTUは55人、スパイクバックスは23人と少ないのですが、3回目接種と大きな違いはなさそうかなと思っております。スパイクバックス筋注の発赤の頻度が少し高そうに見えるのですが、例数が少なくて比較することは困難ですので、また例数が集まってから検討させていただきたいと思います。起源株の4回目接種と比較するというのが一番いいと思いますが、起源株の4回目接種のデータは年齢層が少し高いので、年齢性別で層化しないと判断しにくいというので、3回目、4回目に比べてどうかということについての結論については、少し留保させていただきたいと思います。
 報告は以上です。
○森尾座長 伊藤委員、どうもありがとうございました。
 事務局のほうも報告、どうもありがとうございます。
 それでは、事務局から報告がありましたこれまでの副反応疑い事例、部会資料の構成、健康状況に関する調査について、論点に沿って議論を進めてまいりたいと思います。
 まずは副反応疑い事例について、新型コロナワクチンの安全性評価については「1.死亡事例について」「2.小児接種について」「3.その他の論点について」という順で議論をお願いしたいと思います。
 まず、死亡事例についてでございますが、今回、BA.4-5の事例の報告もございましたが、ワクチン接種と副反応疑い報告との観点で、接種継続の可否等についてどう考えるかということでございます。死亡事例の論点につきましては資料1-8の20ページにおいて、事務局のほうから挙げられております。これを含めましてどう考えるか、御意見・御質問等がございましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
 全体の死亡事例のところにつきましては、トレンドとして大きな変更がなさそうなように承っております。今回、4-5のところで御報告も頂戴しているという現状でございます。
 岡委員、お願いいたします。
○岡委員 BA.4-5について、今回、データの集計期間外だったのですけれども、直前の情報にもかかわらず、まとめて提示していただいてありがとうございます。
 資料を拝見しますと、接種直後に起こっておりますので、このワクチンの副反応の中でいうと、アナフィラキシー、あるいはそういったようなものによるショックというのが考えられるのかなと思います。専門家の評価やブライトン評価をこれからしていただかないといけませんけれども、まず、それをして、次回ちゃんと出していただきたい。
 あと、新しく打ち始めたBA.4-5ワクチンはこれまでのワクチンと基本的な構成は同じなのですけれども、中身の一部が新しくなっているワクチンですので、言ってみればロットの違いのようなことからアナフィラキシーが起こりやすいとかいうことがない、その頻度がどうかということが一番問題になろうかと思います。100万対0.7ではないかということなのですけれども、この数字というのは従来型のワクチンと比較して、アナフィラキシーの頻度としては変わりないということでよろしいでしょうか。
○森尾座長 ありがとうございます。
 先ほどBA.4-5の接種は286万回ぐらいと承っております。その中で、岡委員のほうから、アナフィラキシーの頻度はどうかということで、もしデータがあればということでございますが、事務局のほう、いかがでしょうか。
○事務局 先生、アナフィラキシーの頻度でしょうか。
○岡委員 アナフィラキシーとしての頻度はBA.4-5のほうは、さっきおっしゃった100万対0.7ということになるのでしょうか。
○事務局 あれは死亡として。
○岡委員 失礼しました。そうすると、今、アナフィラキシーとしてどうかというのは数字がない。
○事務局 アナフィラキシーとしては本事例のみの報告になってございます。
○岡委員 分かりました。そうすると、240万で1と、分かりました。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 本件に関しましては、専門医の評価はこれからということでございまして、また、事務局のほうからは参考資料17として、事務連絡として一般的なアナフィラキシーに対する体制についてということで発出していただいているという状況でございます。
 委員の皆様からいかがでしょうか。全般についてはよろしいでしょうか。
 今回、参考資料17でも出ておりますけれども、部会としても急性期の何か変化があったときの対応については注意喚起といいますか、注意深く対応していくべきだというスタンスで、ある程度の意見を出していくことになるのかなと思っております。どうもありがとうございます。
 続きまして、小児接種についてでございます。論点につきましては資料1-8の22ページにおいて事務局から挙げられておりますが、どのように考えるか、御意見・御質問がありましたら承りたいと思います。いかがでしょうか。
 岡委員、お願いいたします。
○岡委員 副反応ではないのですけれどもいいでしょうか。伊藤先生のデータでもよろしいですか。
○森尾座長 関連したところでありましたらお願いします。
○岡委員 伊藤先生から今回5~11歳の6か月後の抗体価というのをお示しいただいたわけですけれども、伊藤先生、これは要するに結論としては成人に比べて6か月後に下がっていなかったということでよろしいのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
 データだけ純粋に言いますと、あまり下がっていない。この下がっていない理由が、実際の生のデータを見ますと、感染をして高く上がっている人は落ちてきたりもするのですけれども、全体としても成人に比べると抗体価が低いので、低い抗体価はそれほど大きな落ち方をしないのではないかなというのが一つ。
 それから、子供さんは既に3月とか4月ぐらいからN抗体が陽性の方たちが多くて、そういう方たちの中にいると抗体価が落ちる可能性は少なくなる。要するにハイブリッド免疫のような形で抗体価が維持されている可能性と両方あるのではないかとデータを見ておりますが、事実としてこういう状況だったということで御理解いただければと思います。
 以上です。
○岡委員 ありがとうございました。
 海外のデータで小児のワクチンの接種後に抗体価が非常に落ちてしまうということがデータとして出ていて、私ども現場では結構がっかりしていたところになるのですけれども、そういう現在の流行状況も踏まえて、打った後に抗体価が維持できているというのは非常に我々としては励ましになるデータかなと思いましたので御質問させていただきました。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 そのほか、小児接種につきまして御意見・御質問はいかがでしょうか。よろしいですか。
 どうもありがとうございます。
 最後に、その他の論点についてでございます。資料1-8の論点スライドに示された心筋炎・心膜炎、あるいは4回接種後及びオミクロン株対応ワクチンの副反応を含め、新型コロナワクチンの安全性に関連しまして、これまでの論点以外の視点から御質問・御意見がありましたら承りたいと思います。伊藤澄信委員の御発表に対する質問もこちらで承りたいと思います。いかがでしょうか。
 藤井委員、お願いいたします。
○藤井委員 国際医療福祉大学の藤井でございます。大変貴重な御報告をありがとうございました。新型コロナワクチンの副反応について、心筋炎、心膜炎、アナフィラキシーに対しては非常によく分かりました。大変勉強になります。
 一方で、従来いろいろと指摘のあったギラン・バレー症候群についての頻度が少し気になりました。今までのワクチン、現段階で構いませんので、ギラン・バレー症候群の発生数と頻度など、もしお分かりでしたら教えていただければと思います。よろしくお願いします。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 ギラン・バレー症候群の発生数と頻度について御報告いたします。
 今回の11月部会資料ベースで調べましたところ、医療機関からのギラン・バレー症候群の報告件数につきましては、コミナティが125件で報告頻度については100万回接種当たり0.52件、スパイクバックスにつきましては28件で100万回接種当たりで換算しますと0.36件となってございます。
 以上になります。
○藤井委員 ありがとうございます。
 大体インフルエンザワクチンと考えて、100万件に1回かなと思っていたのですけれども、それよりも遥かに低い頻度ということが分かりましたので、大変参考になると思います。
○森尾座長 藤井委員、ありがとうございます。
 多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 資料1-2-1、薬機法に基づく企業さんからの報告ですけれども、感染研でも毎週、集計、作図、作表をしていただき、ありがとうございます。
 資料の125ページ、毎週の報告数が掲載されているのですけれども、1週間に1,000件を超えるグラフとなっておりまして、この理由が論文に発表された1,000件程度の血管迷走神経反射だと御報告をいただきました。論文にまとめられるということは、既に副反応疑いとして報告がなされた症例だと思います。125ページの後ろの表に、接種からの日数が感染研でまとめていただいていて大変参考にさせていただいているのですが、接種からの日数は全部不明になってしまっていると思います。
 ほかのワクチンでも申し上げたことはあるのですけれども、論文報告ですとか学会報告、まとめて発表していただいたものを企業さんが報告されているものにつきましては別集計をしていただくなど、少し工夫をしていただきますと、このようなびっくりするようなグラフになることはないのかなと思いまして、お願いしたいと思いました。
 以上です。
○森尾座長 ありがとうございます。文献報告データの取り込み、捌き方ということで、多屋委員からは以前からも御指摘をいただいた内容でございます。
 こちらは事務局のほう、いかがでしょうか。事務局、お願いいたします。
○事務局 先生、御指摘ありがとうございます。
 先生の御指摘のとおり、資料の見せ方について誤った情報提供になる可能性も否定できない一方で、今回のような集団解析に基づく報告もあれば、ケースレポートのような報告もございます。今後、どのような資料としていくことが適切なのか、内部でよく検討させていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○多屋委員 ぜひよろしくお願いいたします。論文と報告は多分ひもづけることができないと思いますので、これが今後、全部分子(報告件数)になって計算されていきますことから、別に考えていただけると嬉しいです。
 以上です。ありがとうございました。
○森尾座長 ありがとうございます。
 また、フォローアップ報告のほうもよろしくお願いいたします。
 岡委員、お願いいたします。
○岡委員 先ほどのアナフィラキシーのことで、疑いのあるBA.4-5の方がいらっしゃったということで、追加なのですけれども、今後、オミクロン株のこういった株に対応といったようなワクチンがこれからも続けて出てくると思うので、アナフィラキシーとしては、あまり細かい分析はもうそんなに必要ないだろうということにはなっていましたけれども、こういう内容が変わったものについての頻度というのを見えるような形で、恐らく資料1-1-1の4ページ目の表に当たるのだと思いますけれども、ここは引き続き厚労省としても注目していただいて、頻度も出していただければと思います。
 特に副反応報告のアナフィラキシーは報告書を見ても結構判定難しいところがあるので、できればブライトン分類で1~3ということですと、専門家の目も入っていて安心かなと思います。どういう形ができるのか分かりませんけれども、よろしくお願いします。
○森尾座長 ありがとうございました。
 事務局への要望といたしまして、よろしくお願いできればと思います。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 先ほどの岡委員と同じコメントで、ロットではないですが、2価、また、種類の別で評価をしていただけたらなと思いました。
 これは事務局に確認なのですが、先ほどの死亡症例の1-3-1の別添でございます。42歳の死亡症例が最終的にその他、また、急性心不全とありますけれども、詳細な転帰のところ、症例を見ますと、アナフィラキシー疑いと認識をしていたのか、もしそうであれば、エピペンの筋注を待機場所で実施したなどの上で緊急搬送となると思うのです。その点の詳細な情報が記載されていないので、どうだったのかなということを確認させていただきたいと思います。
○森尾座長 事務局、お願いいたします。
○事務局 舟越先生、ありがとうございます。
 御指摘を踏まえまして、先生の御指摘のような情報が取れるかどうか、事務局のほうとしても情報収集してまいりたいと思います。得られた情報につきましては、引き続き第2報としていただけました場合には、これまで同様、先生方にご覧いただき、御議論いただきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございます。
 参考資料17、事務連絡を発出されたことも含めて再度啓発はよいことですが、去年8月ぐらいにも無償提供期間分のエピペンの有効期限が切れたりとか、二次申請をしてくださいとか、各自治体の中でエピペンの有効期限が管理把握されているか、また、しっかりと配置されているかということについても、引き続き自治体等への啓発をぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 それでは、濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 ちょっと舟越委員の発言とかぶるところもあると思います。今回、BA.4-5で亡くなられた42歳の方の件でございますが、2点あります。
 一つ、ここに書かれている内容が、経過が分かりにくい語句といいますか、分からないところがあるので、できましたら、もう少し詳しく、特に最初の対応医の書かれている内容を確認されたほうがよろしいのではないかなと思っております。
 もう1点は、別にこのケースに限ることではなく、こういったアナフィラキシーが起きる可能性は、今回のファイザーのBA.4-5に限らず起こるわけでございまして、そのための準備をしておかなければいけないということ。会場でそういう準備をするということはもう既に十分に行き渡っていると思うのですけれども、その後の対応、先ほど舟越委員が言われたようなエピペンを筋注するとか、そういった対応の面について、まだ行き渡っていない可能性もございます。
 特にこういうケースが起きた直後というのは、医師も周囲の人も動転してしまいますので、この際、そういった対応についても再確認をしたほうがよろしいのではないかと思います。このケースがアナフィラキシーを起こしているかどうかはまだ分かりませんが、そういった対応を取っていくことが必要ではないかと思っております。
 以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 先生、コメントをいただきましてありがとうございます。
 まず、会場の整備の状況については先ほど参考資料17でお示ししておりますとおり、接種後にアナフィラキシーが生じた場合に、適切に対応いただくよう、体制等について改めて御確認いただくということで、厚生労働省としても体制等について御確認くださいということは、今回、事務連絡として発出させていただいたところでございます。
 もう1点、1つ目でございます。先生、もしよろしければ、分かりにくいというところでございますけれども、どこの部分についてより分かりやすくといいますか、情報を取るのがよいのか、具体にいただけましたら大変幸いでございます。
○濱田委員 この場でここが分からないということを言うということでしょうか。
○事務局 具体に、例えば、ですけれども、検査とか、どのような情報が分かりにくいのかということをお示しいただけると幸いでございます。分かりにくいので情報をお願いいたしますというのはなかなか難しいところがございます。
○濱田委員 経過で書かれている内容で、例えば途中に「ショック必要なしで」という言葉が入ってくるのですけれども、これの意味がよく分からない。この辺りは非常に大事なところだと思います。あまりこの部会が一つの例に細かいところまで踏み込むのはいかがかと思うのですけれども、そういった面をもう少し、どういう経緯を取ったのかを調べられる必要はあるのではないかなと思っております。あまり細かいところまで言うのもいかがかなと思いますので、これぐらいのところでよろしいでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 こちらは状況として先生も御存じのように、我々といたしましては、報告医の先生からいただいた御報告内容を忠実に先生方に御報告させていただいた上で御議論いただいているところでございますので、我々の解釈を加えた上で御報告することは適切でないと考えているところでございます。このため、先生に今いただきましたショックのところにつきましては分かりにくかったので、より分かりやすい表現がいただけないかどうかということにつきまして、事務局のほうで引き取らせていただいて、対応させていただきたいと存じます。ありがとうございます。
○濱田委員 よろしくお願いいたします。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 ショックのところとかバイタルサインのところ、もしデータがあればということかなと思っております。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいですか。
 どうもありがとうございます。それでは、まとめさせていただけたらと思います。
 これまで確認できた内容といたしましては、まず、集計期間における副反応疑いの報告の傾向でございますけれども、対象期間における新型コロナワクチンの副反応疑い報告については、副反応疑い事例全体の報告状況や年齢、性別の報告状況、ロット別の報告状況、4回目も含めた接種回数別の報告状況、報告基準に定められた症状について報告状況や専門家評価の結果に動向の大きな変化はありませんでした。
 死亡事例についてでございます。死亡事例の報告状況を整理いたしますと、コミナティについては前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに新たに10件の死亡事例の報告があり、うち7件が4回目接種後の死亡事例でありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された1,683例については10件がβ、そのほかの事例かγと評価されました。また、10月10日から10月28日までには、さらに16件の報告があり、直近では4回目の追加接種後の死亡事例が2件報告されました。
 また今回、コミナティBA.4-5の死亡事例について2件報告され、専門家の評価では1件がγと評価され、また1件が現在評価中とされております。
 スパイクバックスについては、前回の集計対象期間から今回の集計対象期間までに、新たに18件の死亡事例の報告があり、うち3件が4回目接種後の死亡事例でありました。専門家による評価では、接種開始以降報告された202件については、1件がβ、そのほかの事例はγとされました。また、10月10日から28日までには、さらに3件の報告があり、直近では4回目の追加接種後の死亡事例が2件報告されました。
 バキスゼブリア及びヌバキソビッドについては新規の死亡事例の報告はございませんでした。死亡例の報告に関しましては現時点においては4回目接種後の事例も含め、引き続きワクチン接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられております。
 死亡事例ではございませんけれども、BA.4-5の事例と関連いたしまして、事務局への要望としまして、今後、BA.4-5など新しいワクチンについて、アナフィラキシーの頻度につきましてブライトン分類に基づいて御報告をいただけたらということでございます。
 また、多くの委員から頂戴いたしましたように、アナフィラキシーは起こる可能性があること、そして、それに対する対応や体制については再確認をということをこちらの部会のほうからも強調しておきたいということでございます。
 小児接種についてでございます。コミナティ筋注5~11歳用については10月28日までに医療機関から127件、製造販売業者から150件の副反応疑い事例の報告がありました。死亡事例については10月28日までに新たな事例の報告はございませんでした。また、報告基準に定められた症状について、報告状況や専門家評価の結果に動向の大きな変化はございませんでした。コミナティ筋注5~11歳用の接種後の報告状況について、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないと考えられる。
 このようなまとめ方でよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 以上、今回報告のありました具体的な事例などを踏まえ、新型コロナワクチンについて現状の取扱いを変更する必要があるか、御意見はございますでしょうか。
 それでは、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
 皆様、うなずいていただいたと判断いたします。どうもありがとうございました。
 それでは、次に議題2「新型コロナワクチンに関する副反応への対応について」に入りたいと思います。事務局から資料2の説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料2に基づきまして、新規に接種が開始される新型コロナワクチンの副反応に係る取扱いについて御説明いたします。
 モデルナ社のオミクロン株BA.4-5対応2価ワクチンの臨時接種が11月28日から開始される予定であることを踏まえて、このワクチンに係る副反応疑い報告基準の設定についてお諮りするものでございます。
 資料2の8ページには、モデルナ社2価ワクチンBA.4-5の医薬品添付文書のうち、重大な副反応とその他の副反応の箇所を抜粋しております。重大な副反応として挙げられているのは、ショック、アナフィラキシーと心筋炎、心膜炎となっており、他のmRNA新型コロナワクチンと同様になっております。また、その他の副反応の表の記載は、モデルナ社2価値ワクチンBA.1と同じとなっております。
 続いて、9ページでございますが、モデルナ社2価ワクチンBA.4-5の構成成分が示されております。モデルナ社2価ワクチンBA.1と比較しまして、有効成分の一つがイムエラソメランからダベソメランに変更になっているほかは変更ございません。
 続きまして、10ページでございますが、モデル社2価ワクチンBA.4-5の評価がまとめられております。左下の審査結果の2つ目の小さな「・」でございますが、「安全性について、既に承認されている2価(起源株/オミクロン株BA.1)ワクチンと同じオミクロン株系統であるBA.4-5の配列を用いたワクチンであることを踏まえると、安全性に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。」とされております。
 これを踏まえまして、資料の最後の17ページをご覧ください。まず、添付文書の重大な副反応として記載されている症状については、モデルナ社製2価ワクチンBA.4-5の添付文書においては、重大な副反応に記載されている症状は従来型ワクチン、モデルナ社製2価ワクチンBA.1と同様に、ショック、アナフィラキシー、心筋炎、心膜炎となっております。また、その他の安全性プロファイルについては、「モデルナ社製2価ワクチン(BA.4-5)の追加接種の安全性については、薬事・食品衛生審議会提出資料において『既に承認されている2価(起源株/オミクロン株BA.1)ワクチンと同じオミクロン株系統であるBA.4-5の配列を用いたワクチンであることを踏まえると、安全性に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。』とされている。」、 また、「これに基づき、モデルナ社製2価ワクチン(BA.4-5)の追加接種の安全性プロファイルについては、現在のところ、同社製の2価(起源株/オミクロン株BA.1)ワクチンの安全性プロファイルと同様であると考えられる。」とされています。
 これを踏まえまして、下の「論点」のところでございますが、「モデルナ社製2価ワクチン(BA.4-5)に係る副反応疑い報告基準については、モデルナ社製2価ワクチン(BA.4-5)の添付文書及び薬事・食品衛生審議会提出資料の記載に照らし、モデルナ社製2価ワクチン(BA.1)に係る報告基準と同様に、現行のコロナワクチンに係る副反応疑い基準を適用することでよいか。」としております。
 御説明は以上でございます。御審議のほど、お願いいたします。
○森尾座長 ありがとうございました。
 今、報告のありましたモデルナ社の2価のオミクロン株BA.4-5対応ワクチンが予防接種法上の臨時接種の対象ワクチンになったということを踏まえまして、新型コロナワクチンに関わる副反応疑い報告基準についてどう考えるかということにつきまして、議論をお願いできればと思っております。
 資料2の17ページにまとめられてございますが、何か御質問・御意見がありましたら承りたいと思います。よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございます。それでは、議論をまとめさせていただきたいと思います。
 新型コロナワクチンに係る副反応疑い報告基準については、モデルナ社の2価ワクチンBA.4-5の添付文書及び薬事・食品衛生審議会提出資料の記載に照らし、引き続きこれまでと同様の副反応疑い報告基準として扱っていくということでよろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。そのようにさせていただけたらと思います。
 続きまして、議題3でございます。「HPVワクチンについて」に入りたいと思います。まず、事務局から資料3の説明をお願いいたします。
○事務局 資料3につきまして御説明させていただきます。
 先日11月8日の基本方針部会において、来年度4月からの9価HPVワクチンの定期接種化の方針について了承されました。今後、分科会において審議され、最終的な方針が決まる予定です。本日の合同部会ではその経緯について報告させていただくとともに、副反応疑い報告に係る取扱いについて審議をお願いいたします。
 資料3の4ページ目をご覧ください。まず、9価HPVワクチンの定期接種化の経緯についてお示ししています。令和2年7月に9価HPVワクチンの製造販売が承認され、その後、小委員会、基本方針部会において審議が続けられておりました。令和4年3月、第19回ワクチン小委員会において、定期接種化に関して技術的な問題はないと結論づけられました。その上で、基本方針部会におきまして、定期接種化に向けて具体的な議論が行われてまいりました。
 5ページ目をご覧ください。今週11月8日に行われました基本方針部会におきまして、来年度4月1日からの定期接種が開始されること、接種方法、標準的な接種期間については4価HPVワクチンと同様の取扱いとすること、2価、または4価HPVワクチンで接種を開始していたとしても、残りの接種については9価HPVワクチンを選択できることとすること、同時期からのキャッチアップ接種においても9価HPVワクチンも選択できること、また、2回接種については製造販売承認の申請中であることから、承認後、速やかに定期接種への導入に向けた議論を行うことについて了承されました。
 6ページ目に記載の通り、これらを踏まえて9価HPVワクチンの定期接種化に伴う副反応疑い報告に係る取扱いにつきまして、本日御審議いただきたいと思っております。
 7ページをご覧ください。予防接種法における副反応疑い報告制度についてですが、予防接種後に生じる種々の身体的反応や副反応等について情報を収集し、ワクチンの安全性について管理・検討を行うことで、広く国民に情報を提供すること及び今後の予防接種行政の推進に資することを目的としており、予防接種法第12条1項におきまして、病院もしくは診療所の開設者、または医師に報告の義務が課されております。
 8ページは参考資料として副反応疑い報告制度における報告対象と報告事項、様式を示しております。
 9ページ目をご覧ください。ヒトパピローマウイルス感染症に係る予防接種におきましては、現状お示ししている表の症状が接種から当該期間内に確認された場合、副反応疑い報告を行うこととなっております。2価及び4価HPVワクチンの添付文書におきまして、重大な副反応として挙げられている症状については、現状の副反応疑い報告基準に含まれているものとなります。
 10ページ目をご覧ください。9価HPVワクチンの添付文書において、重大な副反応として挙げられている症状は4価HPVワクチンと同様のものであり、アナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、血小板減少性紫斑病となっております。
 11~12ページに参考資料としまして、2価、4価ワクチンの添付文書の抜粋と報告基準の設定の考え方についてお示ししております。
 13ページ目ですが、その他の安全性に関する情報としましては、ワクチン評価に関する小委員会において議論されております。9価HPVワクチンの安全性は一定程度明らかになっていること、4価と比較し、接種部位の症状の発現は多いものの、全身症状は同程度であることが取りまとめられております。枠内には詳細の内容についてお示ししておりますのでご覧ください。
 14ページ目は参考資料としてファクトシートの記載を示しております。
 15ページ目に記載の通り、まとめますと、9価HPVワクチンの添付文書におきまして重大な副反応として挙げられている症状は4価HPVワクチンと同様であり、いずれも現状の報告基準に含まれております。9価HPVワクチンの安全性は一定程度明らかになっており、また、4価と比較し、接種部位の症状の発現は多いものの、全身症状は同程度であるとされております。このことから9価HPVワクチンの副反応疑い報告基準について、2価及び4価HPVワクチンと同様の副反応疑い報告基準として扱うこととしたいと考えております。
 御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。以上になります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 9価HPVワクチンが予防接種法の対象として追加されるに当たりまして、副反応疑い報告に係る取扱いについて御審議をいただきたいということでございまして、その論点が15ページ目に示されているという状況でございます。そして、添付文章とその後の報告による局所反応、そして、全身症状というところにつきましても14ページ目に示されているという状況でございますが、委員の皆様から何か御意見・御質問等はございますでしょうか。
 伊藤澄信委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 基本方針部会にも出ているものですから、9価のワクチンそのものの安全性に関して懸念があるわけではないのですが、9価のワクチンと2価と4価と合わせて3つに増えるということで、ワクチンを接種される方に対する説明は十分しなければいけない。そのことを基本方針部会で申し上げたところ、リーフレットの作成に関しては副反応検討部会の所管だという話があったので、今後、ワクチンを円滑に接種していくためにも安全性だけではなくて、新たなワクチンについてもリーフレットの改訂は今後していかなくてはいけないと思っておりますので、その点について委員の皆様と情報の共有をしたいと思って発言させていただきました。
 以上です。
○森尾座長 重要なポイントをありがとうございます。
 事務局、お願いいたします。
○事務局 伊藤先生、ありがとうございます。
 基本方針部会の場で先生方から御意見をいただいたとおりでございます。まさに先日の11月4日ですけれども、リーフレットにおいて、現行の定期接種の2価、4価、そして、今回9価、来年度から開始ということで、しっかりと接種の対象者、そして、保護者、また、医療機関の実際に接種するドクターも含めた医療従事者の方々に、9価も含めてしっかりと情報提供するという御意見をいただいております。まさにこの副反応検討部会の場で1年前、積極勧奨の再開、そして、キャッチアップ接種、いろいろと決める中で、そちらのリーフレットもこの審議会においてお諮りしておりますので、今後、同じような形で事務局として作成し、先生方に御審議いただきたいと考えております。何とぞよろしくお願いいたします。
○森尾座長 どうぞよろしくお願いいたします。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 質問します。13ページのところに9価のワクチンは4価と比して接種部位の症状の発現は多いがというところは何か理由があるのでしょうか。先ほど含まれる物質が1つ違うというような説明があったかと思うのですが、局所部位の発現が多い理由といいますか、何か考えられることはありますでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 倉根先生、ありがとうございます。
 安全性についてはワクチン評価に関する小委員会でワクチンのファクトシートを基に議論がされたところで、これはまさに多屋先生におまとめいただいたものでございますけれども、基本的に国内外の安全性の評価に基づくものでございます。薬に関しては4価と9価は同じ会社がつくっておりまして、ただ、9価のほうがHPV遺伝子型が多いという中で、多少、アジュバントの量等の違いというのはあるかなと思っております。そこが原因なのかというのは、この場ではなかなか責任を持ってお答えは難しいのですが、ただ、一般的に、9価は接種すると痛みも含めて少し強いというのが言われているところでございまして、それが客観的にされているものかなと考えております。
○倉根委員 もう一つ続けて質問してよろしいでしょうか。
 多いというのは、数およびパーセントとして多いということでしょうか。それとともに重篤なといいますか、痛みでも重篤な痛みもそれとともに多くなるということでしょうか。あるいは、痛みの程度は変わらないのだけれども、出る率が多いということになりましょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 14ページが第18回のワクチン評価小委員会におけるファクトシートの記載から取っているものでございます。この上段の接種部位の症状というところの2ポツ目ですが、4価のHPVワクチンと比較した試験において、9価のワクチン接種における接種部位の症状発言が多かった。内訳は傷み、腫れ、そして、紅斑となりますが、割合の話であると認識しております。
○森尾座長 症状の程度については情報がないということでよろしいですか。
○事務局 深くファクトシートの記載等を確認させていただきたいと考えております。この場で今確認できれば、この時間内にお答えさせていただきたいと思っております。
○倉根委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 もし情報がありましたら、また御報告いただきたいと思います。
 長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 教えていただきたいのですけれども、2価、4価にはHPVの16と18が含まれていて、それで子宮頚がんの多くがカバーできるということですけれども、国内はあまり普及していないと思うのですが、海外などでこれらのワクチンが普及した後に、子宮頚がんを起こすパピローマウイルスの型が変わってきたとか、これら以外のものが増えてきたとか、そういったような情報というのはありますでしょうか。
○森尾座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 長谷川先生、ありがとうございます。
 今の御質問は国外において9価が今普及している中で型の変化があるかという御質問でしょうか。
○長谷川委員 いや、9価ではなくて、2価、4価が普及した場合、2価、4価に含まれていないものが増えてくる傾向というのは、国内外を含めてそういう情報はあるのでしょうかという質問です。
○事務局 その情報は、今すぐには出てこないので、こちらでまた調べさせていただいて、お答えさせていただきたいと考えております。
○長谷川委員 今後の方針としては、2価、4価に替わって9価に統一していくというような方向なのでしょうか。それとも並行して使っていくということなのでしょうか。
○事務局 その議論は、まさに10月の基本方針部会で行われまして、来年4月から9価が定期化された後も、当面の間は2価と4価も使用可能にするという形になります。もちろん基本方針部会での御意見の中で、9価のみにする、例えば2価はなくすべきだという御意見もあったのですが、実は先日の議論でキャッチアップ接種、そして、交互接種の議論をしていただいた際に、結果的に9価での交互接種、キャッチアップでの使用を了承いただいたところですが互換性に関するエビデンスというのが添付文書上含めてないとされている中で、原則としては同じワクチンを接種するというような整理を取らざるを得ないところでございますので、そういう意味も含めて、当面の間は2価、4価も使用可能にするところでございます。
 この取扱いについては、また来年度以降になると思いますが、この基本方針部会の場で御議論いただくことになるかなと思っております。
○長谷川委員 ありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。
 よろしいでしょうか。それでは、議論された内容をまとめさせていただきます。これまで確認できました内容としては、9価HPVワクチンの添付文書において重大な副反応として挙げられている症状は4価HPVワクチンと同じものであり、いずれも現状の報告基準に入っております。また、9価HPVワクチンの安全性は一定程度明らかになっておりまして、4価と比較し、接種部位の症状の発現は多いが、全身症状は同程度ということが確認されております。
 これらからまとめといたしまして、副反応疑い報告基準の設定として、令和5年4月から9価HPVワクチンを予防接種法の対象として追加するに当たり、添付文書の記載及び審議会での議論等を踏まえ、引き続きこれまでと同様の副反応報告基準として扱っていくという形でまとめさせていただいてよろしいでしょうか。どうもありがとうございます。
 事務局には2つほど宿題が出ているのではないかと思います。こちらに関しましては、またよろしくお願いします。
 本日の議論は以上となりますが、そのほか、全体を通じまして御質問・御意見がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本日の議事は以上で終了となります。
 そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は長時間にわたり活発に御議論いただきありがとうございます。
 また、このたびは事務局の不手際で開始が遅れて大変申し訳ございませんでした。
 次回の開催につきましては日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
 以上です。
○森尾座長 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。活発な御議論、どうもありがとうございました。